JP2018027546A - 接合方法および接合装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鉄鋼材などの高融点の材料を安定して接合する。
【解決手段】 被接合材を接合する接合方法において、前記被接合材にプラズマアークを照射する工程と、前記被接合材の前記プラズマアークを照射した部分を攪拌ツールで攪拌する工程とを備えることを特徴とする接合方法。被接合材を接合する接合装置において、前記被接合材にプラズマアークを照射するプラズマ熱源と、前記被接合材の前記プラズマアークを照射した部分を攪拌する攪拌ツールとを備えることを特徴とする接合装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は金属部材の接合方法および接合装置に関する
アークやレーザー熱源を用いた溶接手法は溶融および再凝固の工程を経るために接合部に凝固に伴う組織が形成され、強度特性や腐食特性などの材料特性を劣化させる原因となる。一方、摩擦攪拌接合(FSW=Friction−Stir−Welding)は摩擦熱で加熱した箇所を工具で攪拌することにより被接合材を塑性流動させて接合する固相接合手法であり、凝固組織を持たない接合手法である。しかしこの摩擦攪拌接合は鉄鋼やTi合金およびNi基合金などの融点が高い材料に適用する場合、塑性流動させるために必要な入熱が高く、接合することが困難である。これまでにレーザーや高周波加熱などを補助熱源として用いて摩擦攪拌接合を実施する手法が検討されている。本技術分野の背景技術として、回転工具の前方に加熱熱源を供えた技術が開示されている。
特開平10−225781号公報 特開2005−288474号公報
高融点材料の接合において、熱源を組合せた接合手法は好適である。しかし特に厚板の材料の接合においては、注意が必要である。例えば高周波コイルを用いた誘導加熱は、比較的広い面積を加熱することが可能であるが、深部にまで大きな熱を導入することが難しい。レーザー熱源やアーク熱源はエネルギー密度が高く、非常に小さい面積を瞬時に加熱することにおいて優れているが、一定の面積を持つ範囲の下部まで十分に入熱することが難しい。一般的なレーザー溶接やアーク溶接で厚板を接合する場合は複数のビードを重ねて接合するマルチパス工法が用いられる。一方、シングルパス工法が一般的であるFSWの場合、板厚が大きいほど必要となる荷重が大きく、また攪拌工具(すなわちツール)に与えられる熱的および機械的エネルギーが大きくなりツール耐久性が課題となる。
より厚い板材をシングルパスで接合するため、局所的に深部へ大きな入熱を与えられる熱源とFSWとを組合せた接合方法が必要である。ただし融点以上に加熱する熱源によって被接合材の一部を溶融させた場合は溶融および凝固により外形の変化が生じる。被接合材表面の攪拌工具が接する箇所に凹部が生じると接触摩擦による入熱が変化するために接合欠陥が発生する。
そこで本発明では、鉄鋼材などの高融点の材料を安定して接合することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載された構成を採用する。
本発明によれば、鉄鋼材などの高融点の材料を安定して接合することができる。
本発明の一例を示す鳥瞰図である。 本発明の一例を示す断面図である。 プラズマアークによる前工程と攪拌ツールによる後工程により形成される接合部断面の一例である。 斜めに照射したプラズマアークと被接合部の表層とを模した図である。 プラズマアークによる溶融池と攪拌ツールとの関係を示した簡略図である。 摺接部品を含む本発明の一例を示す断面図である。 摺接部品と攪拌ツールとが独立に稼働する機構を備えた本発明の一例を示す断面図である。 実施例1−1および比較例1−1に対して、装置に負荷される垂直荷重を比較したグラフである。 比較例1−1および実施例1−5で作製した接合物の表層のEBSD分析結果とγ相比を比較した図である。 接合時に測定した垂直荷重および攪拌ツールの回転に使用するモータ消費電力を接合速度との関係で比較したグラフである。 実施例2−1、実施例2−5、比較例2−2に対して、攪拌部と母材との境界に見られるミクロ組織の一例を示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。なお、本発明はここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、要旨を変更しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。
図1および図2に示すように、本発明の実施形態に係る接合方法および装置は、加熱時に被接合材へ瞬時にキーフォールを形成するプラズマアークと被接合材を機械的に攪拌する攪拌ツールとを備えた接合方法およびその接合装置である。
1はプラズマ熱源、2は攪拌ツール、3は被接合材である。ここでは2つの被接合材を突き合わせた部分を接合する。矢印の方向にプラズマ熱源1と攪拌ツール2を移動させて接合する。角度αは、プラズマ熱源1から照射されるプラズマの中心軸と攪拌ツール2の中心軸との角度を示す。
プラズマ熱源1は、電極11と、インサートチップ12と、シールド14とを備える。電極11と被接合材3とがプラズマ電源15を介して接続され、電極11とインサートチップ12とがパイロット電源16を介して接続されている。電極11とインサートチップ12との間にプラズマガス17が流され、インサートチップ12とシールド14との間にシールドガス18が流される。角度θは、被溶接材3の垂線と攪拌ツール2の中心軸との角度であり、図では攪拌ツール2が接合装置の進行方向の逆方向(後方)に傾いている。
照射点を絞ったプラズマアーク13を熱源に用いて一時的にキーフォールを形成することで、比較的深い箇所への入熱が可能となる。この接合方法をプラズマアーク熱攪拌接合(PAHSW=Plasma Arc Heating Stir Welding)と呼ぶこととする。
プラズマ熱源は電極で発生させたアークを水冷したインサートチップの孔から引き出し、被接合材に向かって移行させる機構をもつ。アークはインサートチップによってウォール効果とサーマルピンチ効果を受けて絞られ、さらにシールドガスを周囲に流すことでサーマルピンチ効果を増大させてエネルギー密度が高いアークとなる。このアークが被接合材に噴出することでキーフォールを伴う溶融反応が実現する。
図3は接合部の断面を後方から観察した際の模式図である。前工程のプラズマ熱源により深い溶融部を形成して深部に入熱を加えることで、後工程の攪拌ツールへの負荷を低減できる。このとき、キーフォールによって形成する溶融部は攪拌ツールによって形成される攪拌部よりも体積が小さいことが好ましい。溶融した箇所は凝固により材料特性が悪化することが多いため、全ての溶融部を攪拌することで良好の接合部を得ることができる。
ただし、溶融部の大きさが攪拌部に対して過剰に小さい場合は入熱が不足し、熱源組合せの効果を十分に得られない。よって攪拌ツールのサイズ(被接合材と接触する部分)が数ミリメートル〜数十ミリメートルの単位である場合、キーフォールの径を数百ミクロン以上と有することでミリオーダの溶融部を形成することができ、十分な入熱を得ることができる。
突き合わせた被接合材を接合する場合、被接合材に挿入された攪拌ツールは接合線に沿って移動され、接合終端で抜き出される。プラズマアークは攪拌ツールの挿入開始と同時に放電が開始され、挿入時は電源出力を段階的もしくは傾斜的に増大させることが好ましい。
接合時の移動速度は等速であることが好ましい。ただし、曲線移動や上下移動を伴う場合に、被接合材の表面に対する速度成分が相対的に変化することは可能である。その際に接合荷重の増大や接合品質の悪化が問題になる場合は必要に応じて、プラズマアークの出力を制御することが好ましい。
細く絞ったキーフォールを形成する場合、溶融部は十分に冷却された後に凝固歪みにより表面が全体的に隆起した形状となる。一方、比較的幅のあるプラズマアークでキーフォールを形成した場合、シールドガスの吹付け圧による影響も加わり、凹部を形成しやすい。凹部は攪拌ツールが通過した後の接合不良を引き起こす原因となる。
そこで、図4に示すように、プラズマアークを接合進行方向(前方)に傾斜させて照射することが好ましい。キーフォールの周囲には表面張力が発生して周囲の肉を流動させる。キーフォールを被接合材表面に対して前方に傾斜させることにより、照射部の後方では上方に肉を押し上げる力が働くため、常に後方に隆起部を形成できる。プラズマアークと攪拌ツールの中心軸とのなす角度αは7°≦α≦50°の範囲に制御することが好ましい。これよりも角度が小さい場合は十分に隆起部を形成できず接合不良が起きやすく、角度が過剰に大きい場合はプラズマアークが不安定となる。
攪拌ツールは被接合材に対して垂直もしくは接合進行方向に対して後方に僅かに傾けることが好ましい。攪拌ツールを垂直にすれば垂直方向への装置剛性を確保することができ、後方に傾ければ被接合材の上下および前後の攪拌を助長することができる。
プラズマアークの周辺の温度は以下に示す移動点熱源の理論式によって推定できる。
ここで、ηは熱効率、Qはアークの熱量、λは被接合材の熱伝導率、kは熱拡散率、rはプラズマアークからの距離、xは接合方向の距離、vは接合速度である。なおプラズマアークの熱量Qは電流I、電圧Eおよび電極と被接合材との距離zに大きく依存する。この式から明らかなように、プラズマアークに近いほど高温であり、接合速度vが小さくなればなるほど高温になる領域が広がる。
図5は接合時の被接合材を上から見たものである。ある時点において攪拌ツールを上から投影すると、被接合材は接合進行方向の前方に溶融した溶融池(図の破線)を形成し、後方には回転する攪拌ツールが接する領域が存在する。ここで、攪拌ツールの外周円とプラズマアークの溶融池とが重なる箇所を重なり部と呼ぶことにする。攪拌ツールの外周の長さを100%としたとき、重なり部の長さが占める割合Aを考える。
プラズマアークと攪拌ツールとの距離Lや接合速度v、プラズマアークを形成する電流I、電圧Eおよび電極と被接合材との距離zなどの値は所望の材料特性や接合時の装置条件に応じて選択してよい。(1)式からも明らかなように、これらの値は重なり部の長さの割合Aを決める要件であり、任意に選択できる。
接合部に対して高い機械的特性を求める観点では、A=0%とすることが好ましい。溶融池と攪拌ツールが重ならず、A=0%である場合、すなわち攪拌ツールが接触する箇所が全て被接合材の融点未満の条件で接合した場合、接合部はFSWと同等の機械特性を得ることができる。接合部断面を見ると、中央の攪拌部には微細化した結晶粒を有する領域があり、その外側には母材がある。攪拌部と母材の間には攪拌の影響を受けて結晶粒が攪拌部の壁面に沿って変形した領域、すなわち熱加工影響部がある。これらの特徴は予熱なしのFSWで得られる断面組織と同様の組織である。結晶が微細な攪拌部を形成することにより、母材よりも機械的強度が高められた接合部を得ることができる。ただし、溶融池と攪拌ツールとが過剰に離れている場合は予熱の効果が十分に得られず、近いほど効果が大きい。
熱源を組合せた接合において、より効率の良い接合を求める観点では、0%<A≦40%とすることが好ましい。重なり部の長さの割合Aが40%を超える場合、すなわち攪拌ツールの外周の40%超が溶融池と重なりあう場合、攪拌ツールにかかる荷重およびトルクが不安定になり、攪拌ツールを制御することが困難となる。よって、Aは40%以下とすることが好ましい。なおAが大きくなればなるほど、高効率の接合が可能であり、攪拌ツールにかかる負荷を低減できる。すなわち、より低い荷重、より低いトルクでの接合が可能となり、より高速の接合が可能となる。一方、接合部の機械的強度はAの増大により低下し、母材よりも低くなる場合があるため、材料特性と接合時の条件とを両立する値を決定することが好ましい。接合部の断面は中央に微細化した結晶粒を有する攪拌部があり、外側には母材があり、攪拌部と母材の間には大きさが異なる結晶粒が混ざり合った領域、粒混合部がある。このとき粒混合部の一部の結晶粒は母材の結晶粒よりも大きいものが含まれてもよい。
接合する際、作業者の監視により任意の制御を実施しても良いが、接合開始から接合終了までの工程を装置が判断して自動制御する装置としても良い。
プラズマアークは電圧の値を制御することが好ましい。プラズマアークで溶融した表面は振動して変化するため、電極と被接合材との距離は変化することが多い。そこで、接合時のプラズマアークの電圧を測定し、電圧の値の変動が小さくなるように制御することで安定した接合をすることが可能となる。
プラズマ熱源の前方に接合線方向に沿って移動する形状測定装置を備え、プラズマアークを照射する前の形状に合わせて電圧を制御することも好ましい。例えば、突合せ接合面において、接合部のギャップの大きさはアークを不安定化する要因である。そこで、プラズマ熱源の前方の接合予定部分の形状を測定し、そのギャップの大きさに応じて、プラズマアークの電圧を制御することにより、溶け込み深さを一定に保つことが可能である。
プラズマアークと攪拌ツールとの間の溶融池をモニタリングし、画像評価する設備を備え、電流や電圧を制御する機構を有することが好ましい。溶接時の輝度に対応したカメラで監視することにより、溶融池の大きさや形状をモニタリングすることが可能である。攪拌ツールと溶接池との重なり部の大きさは、画像データから評価することができ、プラズマアークの電流や電圧を制御することで、攪拌ツールと溶接池との重なり部の大きさの変化を小さくすることができる。攪拌ツールと溶接池との重なり部の大きさを制御することで、接合時の荷重、トルク、接合部の品質を制御することが可能である。
プラズマアークと攪拌ツールとの間、もしくは攪拌ツールの温度を測定し、その温度が指定の範囲から外れないように制御する機構を有することが好ましい。温度は赤外線カメラ、放射温度計および熱電対などで測定することができる。この温度が指定の範囲にあることを監視し、その範囲から外れた場合にただちにプラズマ熱源の電流や電圧を制御することで指定の範囲に戻す機構を備えることにより安定した接合が可能である。
攪拌ツールの挿入深さを指定し、それを制御することが好ましい。また、攪拌ツールを回転させるモータの消費電力を検知し、その出力を目的の値に近づけるように挿入深さを補正する機構を備えた装置であることが好ましい。攪拌ツールのモータ出力が一定になるように制御することで、攪拌ツールが与える入熱を一定に制御でき、表面性状が悪い被接合材においても安定した接合が可能となる。その際、攪拌ツールの稼働は、少なくとも押し込む工程、接合線方向に移動する工程、および引き抜く工程に分けて管理することが良い。
プラズマアークと攪拌ツールとの間、もしくは攪拌ツールの温度を測定し、その大きさに応じて、荷重、トルクおよび押し込み深さのいずれかまたは複数を制御する機構を備えることが好ましい。
攪拌ツールは回転する回転ツールと回転せずに被接合材と摺接する摺接部品とを少なくとも含むことが好ましい。図6は摺接部品を含む本発明の一例である。摺接部品4は回転ツール2の前側に位置し、溶融によって変形した表面を均す効果がある。摺接部品4の前面が曲面であると被接合材3の表面を滑らかに均しやすい。
図7は摺接部品を含む本発明の別の一例である。摺接部品4と回転ツール2とは独立に稼働する構造としてもよく、そのときは摺接部品4が被接合材3に接した後に、回転部品が押し込まれる工程をとり、その後、摺接部品4と回転ツール2とが接合線方向に沿って移動する工程を取ることが好ましい。また、装置の配置によってはプラズマ熱源と摺接部品とが一体化した構造としても良く、その際はプラズマ熱源と摺接部品とが同時に移動することが好ましい。これによれば、プラズマ熱源と摺接部品との距離を一定に保ちやすいので、攪拌工程前の被接合材の品質も一定に保ちやすい。
温度を測定する場合、前述の摺接部品の一部の温度を測定することが好ましい。摺接部品の温度を測定すれば、接している被接合材の温度変化を瞬時に把握することが可能である。また、回転機構を含まない部品であるため、高速での温度測定が可能となり、装置へのフィードバック精度が高い。
プラズマ熱源を形成するガスに窒素ガスを混合することが好ましい。窒素ガスは比較的安価な汎用ガスの中で冷却効果に優れたガスであり、プラズマアークを形成する際のピンチ効果を助長して、より指向性の高いプラズマアークを形成することができる。
被接合材は比較的融点が高い材料であることが好ましく、鉄鋼、Ti合金、Zr合金、Ni合金、Nb合金などに適している。特にオーステナイト相を含むステンレスの接合に好適であり、オーステナイトの含有率を示すγ相比に関して、接合部表層のγ相比が母材の値から5%以下に制御することが好ましい。ステンレスに対して各種の溶融溶接法で接合した際、フェライトが優先的に形成する課題がある。例えば、オーステナイトの含有率を示すγ相比が55%であるスーパー2相ステンレスを用いた場合、プラズマ溶接では、γ相比が20%〜30%台の低い値となる。FSWを用いることで多くの領域を50%以上とすることが可能であるが、最も冷却速度が速い表層のγ相比はFSWであっても40%台となることがある。プラズマ熱源に使用するガスに窒素ガスを混合し、接合部に窒素を添加することにより、γ相比のずれを5%以下に抑制した接合物を形成することが可能である。すなわち、母材のγ相比55%に対して、接合部の全ての領域でγ相比を50%以上に保持できる。また、各種の接合部および母材の耐食性試験において、TIG溶接およびFSWで作製した接合物は耐食性が悪化するが、窒素を含有させた接合物は母材と同等の耐食性を有する。
実施例1−1の試験条件を詳しく説明する。実施例1−1はプラズマアーク熱攪拌接合(PAHSW)により接合した。PAHSWの装置は、図1および図2に示す通り、前方にプラズマ熱源、後方に攪拌ツールを配し、プラズマアークの照射位置と攪拌ツールとの距離を10mmとした。プラズマアークと攪拌ツールとの向かい合う角度αを48°と、攪拌ツールが被接合材に対する角度θは後方に向けて3°とした。このとき、プラズマアークが被接合材に対する角度α―θは前方に向けて45°である。なお被接合材はオーステナイトステンレス(SUS304)の突合せ試験片を用意した。攪拌ツールはPCBN(多結晶ボロンナイトライド)の焼結体から作製し、直径の小さい先端部のプローブとその根元のショルダから構成される凸状のツールを用いた。プローブの長さを4.8mmとし、ショルダ直径を20mmとした。
プラズマトーチは電極の位置が被接合材から高さ6mmとなるように配し、攪拌ツールは回転数で回転させ、被接合材へ挿入させた。攪拌ツールを10mm/分の速度でプローブ先端から挿入し、ショルダが被接合材に接触する20秒前にプラズマ熱源の電源を入れた。その後、プラズマ熱源および攪拌ツールが一体となった状態で、被接合材を載せたステージを接合線に沿って移動させ、突合せ接合を実施した。攪拌部が接合終端に到達した直後にプラズマ熱源の電源を切り、攪拌ツールを20mm/分の速度で引き抜き、回転を止めて接合試験を終えた。
プラズマ熱源は電流を250A、電圧を32Vとし、シールドガスを20リットル/分、プラズマガスを3.0リットル/分としてそれぞれアルゴンを噴流させてプラズマアークを形成した。攪拌ツールは回転数を200rpm、挿入深さを5.0mmとした。また、接合線に沿って移動させる際の接合速度は200mm/分〜700mm/分の範囲で検討した。
比較例1−1はプラズマ熱源を用いない摩擦攪拌接合法(FSW=Friction Stir Weldig)で接合した。実施例1−1と同様の攪拌ツールを用いて回転数200rpmで実施し、接合速度は200mm/分〜500mm/分の範囲で検討した。
比較例1−2は実施例1−1と同様にして、前方にタングステン−不活性ガスアーク(TIGアーク=Tungsten Inert Gas)、後方に攪拌ツールを用いてTIG−AHSWで接合を実施した。TIGトーチは電極の位置が被接合材から高さ3mmとなるように配し、攪拌ツールとの向かい合う角度は48°とした。TIGアークは電流300A、電圧17Vで形成し、被接合材にブロードに広がることを確認した。接合速度は200mm/分〜500mm/分の範囲で検討した。
実施例1−1のPAHSW、比較例1−1のFSWおよび比較例1−2のTIG−AHSWを比較検討した結果、PAHSWはより高速の接合速度でも無欠陥の接合が可能であることが分かった。FSWは速度300mm/分以上で内部欠陥が、500mm/分以上で表面欠陥が形成されるため、無欠陥にするためには200mm/分以下に接合する必要があった。TIG−AHSWでも400mm/分以上で攪拌部の深部に欠陥が発生するため、300mm/分以下で接合する必要があった。それと比較して、PAHSWは最大700mm/分まで無欠陥で接合できることを確認した。PAHSWにおいて、プラズマアークによる入熱はTIGと比較して深部に届きやすく、より厚い接合に好適である。
図8はPAHSWとFSWに関して、低炭素鋼(JIS−SS400)を接合速度300mm/分で接合した際の垂直荷重を比較したグラフである。明らかなように実施例1−1のPAHSWは接合時の荷重が1200kgfと小さく、比較例1−1のFSWと比べて1/3程度である。
また、実施例1−1の形態において、攪拌ツールの先端が挿入を開始すると同時にプラズマ熱源の電源を入れて実施した。初期のプラズマアークは電流を50A、電圧を32Vの条件で放電し、攪拌ツールのショルダが被接合材に接するときに電流が250Aとなるように、徐々に電流を増大させ、接合開始後は250Aで一定となるように制御した。自動制御する場合は、攪拌ツールにかかる荷重を検知し、その荷重に基づいて電流を増大させるように制御してもよい。そのとき、荷重は挿入時から接合終了までの全ての工程で低減でき、挿入時の最大荷重は1000kgf、接合時の最大荷重は1200kgfであった。
荷重や接合部の品質の観点から、接合時の速度は一定であることが好ましい。しかし、接合線が直線でなく曲線である場合や上下移動を含む場合などでは、装置制御の観点から被接合材の表面に対する相対速度が変化させざるを得ない。その際はプラズマアークの電流を変化させ、出力を変えることで荷重や接合品質を保つことが可能である。すなわち、低速時には出力を減らし、高速時には出力を増大させることで荷重の変化を抑制し、接合部の品質を一定に保つ。
実施例1−1と同様の試験において、実施例1−2は、攪拌ツールとの向かい合う角度αを50°とし、実施例1−3は角度αを7°とした。いずれも実施例1−1と同等の効果が得られた。一方で、実施例1−6においてα=55°とした場合は接合線に沿って移動する際にプラズマアークが不安定となりやすかった。また、実施例1−7で示したα=3°、すなわちα−θ=0°とした場合、攪拌ツールにかかる荷重が不安定に変動しやすかった。
プラズマアークで比較的幅の広いキーフォールを形成する場合、溶融池が凹部に形成されやすく、凹部への攪拌ツールの落ち込みにより荷重が安定しない。プラズマアークを後方に傾斜させることで、プラズマアークの後方に隆起させやすくなり、安定した荷重を得ることができる。以上の結果から、角度αは実施例1−1〜1−5のように7°≦α≦50°の範囲に制御することで接合部の品質をより向上させることができる。
実施例1−4は、実施例1と同様の試験において、プラズマ熱源の電流を350A、電圧を40Vとし、攪拌ツールのプローブ長さを29.8mm、ショルダ径を25mm、挿入深さを30mmとし、接合速度を100mm/分として実施した。実施例1−5は、実施例1−1と同様に比較的低い荷重で無欠陥の接合部を形成することができた。実施例1−4で使用した同じ攪拌ツールで厚さ20mmのFSWを予熱無しで実施した場合、挿入の途中で装置の耐荷重値である10、000kgfを超過してしまい、試験を中断せざるを得なかった。
実施例1−5は、実施例1と同様の試験において、シールドガスおよびプラズマガスに10%窒素を含むアルゴンガスを用い、接合速度を300mm/分として実施した。被接合材にはUNS規格でS32750に登録されているスーパー2相ステンレスを使用した。図9は比較例1−1および実施例1−5で作製した接合物の表層において、EBSD分析によりα相およびγ相の分布を示したマップおよびγ相比を比較した図である。なおAS(=Advansing Side)は攪拌ツールの回転方向と接合方向とが一致する側、RS(=Retreating Side)はそれらが反対となる側を指す略称である。
使用したスーパー2相ステンレスに関して、接合前のγ相比をEBSD(Electron Backscatter Diffraction)で分析したところ、確認した全ての領域で54〜56%の範囲にあることを確認した。しかし、スーパー2相ステンレスをプラズマ溶接で接合した場合、γ相比は溶金部で20〜25%、熱影響部で25%〜39%と著しく低減することが確認された。接合部および母材の耐食性はASTM規格のG48 Method−Cで規定された72時間の浸漬試験で評価した。初期の試験温度を45℃とし、5℃刻みで最大75℃まで(試験時間の合計は最大で504時間)で評価した。接合していない母材の試験片は70℃まで変化がなく、75℃で全体に孔食が現れる結果となった。一方で溶接した試験片は50℃の条件において溶接部で広く腐食する様子が見られた。面状の腐食が現れた場合、孔食が発生しにくくなるが、75℃の試験では溶接部に広い腐食と孔食の両方が現れた。溶接部の耐食性が著しく悪化した要因は、γ相比が母材から大きくずれたためと考えられる。
比較例1−1で示したFSWでは、接合部のほとんどの領域でγ相比が50%以上となる接合条件を見出せたが、表層から厚さ約100μmの領域では冷却速度が速いためにフェライト相が形成されやすく、40%台となることが多い。FSW接合部の耐食性を評価した結果、70℃の条件で接合部に腐食が発生することが書くになされた。FSWの接合部は他の溶融溶接と比べると耐食性が良好であるが、母材と比較すると僅かに劣化している。それに対して、実施例1−5で作製した接合部は最表層の領域までオーステナイト相がフェライト相と同等に形成されやすく、すべての領域でγ相比が50%以上であった。すなわち、母材のγ相比と比較して、ずれ量が5%以下であった。実施例1−5のPAHSWで作製した接合部の耐食性を評価した結果、70℃まで変化がなく、75℃では接合部でない箇所に孔食が発生することが確認された。窒素を含有させたPAHSWの接合部は母材と同等以上の耐食性を有することを確認した。
実施例1と同様の装置を使用して、PAHSWおよびFSWの接合試験を実施した。接合時の垂直荷重、攪拌ツールを回転させるモータにおける消費電力を測定した。また、PAHSWの実験において、高輝度領域を撮影できる高速カメラを設置してプラズマ熱源と攪拌ツールとの間の溶融池をモニタリングした。なお被接合材には低炭素鋼(JIS−SS400)を用いた。
実施例2−1は、実施例1−1と同様の試験において、攪拌ツールのプローブの長さを3.8mm、ショルダ直径を17mm、回転数を150rpmとした。プラズマ熱源は電流200A、電圧20Vとして実施した。プラズマアークと攪拌ツールとの向かい合う角度αを45°と、攪拌ツールは被接合材に対して垂直、すなわちθ=0°とした。実施例2−1は接合速度を200mm/分とし、同様にして、実施例2−2から実施例2−5は接合速度を変えて実施した。
比較例2−1は、実施例2−1と同様の攪拌ツールを用い、プラズマ熱源を使用せずにFSWで接合した。比較例2−1から比較例2−3は接合速度を変えて実施した。
PAHSWは600mm/分以上の条件で欠陥が発生し、最大500mm/分の速度領域で無欠陥接合ができることを確認した。なおFSWは300mm/分の条件で欠陥が発生した。図10は接合時に測定した垂直荷重および攪拌ツールの回転に使用するモータ消費電力を接合速度との関係で示したものである。モータ消費電力は回転方向に負荷される力に依存する値である。垂直荷重は高速の条件になるほど増大する傾向があるが、PAHSWはFSWに比べて低荷重であることが確認された。一方、PAHSWにおけるモータ消費電力は、200mm/分〜300mm/分の領域で右肩上がりに増大し、300mm/分以上の領域では変化が小さいことが確認された。これはFSWが僅かに右肩上がりの傾向を示す結果出るのに対して異なる動向である。
高速カメラで溶融池を観察した結果、250mm/分以下の温度領域では溶融池が攪拌ツールに接しており、300mm/分以上の領域では接していないことが確認された。攪拌ツール外周部全体に占める溶融池が重なった領域の割合をAとすると、200mm/分のときにA=40%、250mm/分のときにA=10%であることが確認された。すなわち、0%<A≦40%に制御することにより、装置にかかる荷重およびトルクを効率良く負荷低減できることが示された。なお、Aが50%を超える条件で実施したさいは、攪拌ツールにかかる荷重およびトルクが不安定になり、攪拌ツールを制御することが困難となった。
図11は接合部の断面組織を比較した結果である。比較例2−2で示されるFSWの接合部は結晶粒の直径が約1ミクロン程度に微細化した攪拌部と数十ミクロン程度の母材からなり、その境界に熱加工影響部(TMAZ=Thermo−Mechanically Affected Zone)が見られる。TMAZは攪拌部に沿って、微細な結晶粒が扁平状に変形している様子が見られる領域であり、摩擦攪拌による熱と加工の両方の影響が反映された領域である。PAHSWに関して、比較例2−5で示される比較的高速の条件で実施した場合、接合部の断面組織はFSWで接合したものと同様のミクロ組織が得られた。すなわち、微細な結晶粒からなる攪拌部、TMAZおよび母材の組織であり、溶融凝固組織によく観察される髭状組織、デンドライド組織または粗大化した結晶粒は観察されない。プラズマ熱源により溶融凝固の過程を経るものの、その後の攪拌ツールによりFSWと同等の組織が形成されたと考えられる。一方、実施例2−1で示される比較的低速の条件でPAHSWを実施した場合はFSWと異なる組織が見られる。接合部の中央には実施例2−5と同様の攪拌部が形成されるが、攪拌部と母材との間にはTMAZと異なる粒混合部の組織が見られる。粒混合部は、攪拌部と同様の微細結晶粒と母材と同程度のサイズの結晶粒とが混ざり合った組織であり、機械的な加工によって結晶粒が扁平状に変形する傾向はほとんど見られない。粒混合部の組織はプラズマ溶接部やFSWでは見られない組織であり、PAHSW特有の組織と言える。実施例2−1、実施例2−5および比較例2−5を引張り強度試験で試験した結果、実施例2−5は、母材よりも高い引張り強度を示し、比較例2−5のFSWと同等であった。一方で、実施例2−1は母材と同程度の引張り強度を示した。
以上の結果から、機械強度特性に着目し、より高強度の接合が必要な際は、前述のAをゼロとした条件で実施することが好ましい。一方、装置に負荷される荷重やモータ負荷を考慮してより低負荷の接合を実施するためには、0%<A≦40%に制御することが好ましい。
実施例1および実施例2の結果を鑑みて、接合処理を自動化できる接合装置を検討した。
実施例3−1において、攪拌ツールは深さ位置を指定する深さ制御を実施し、攪拌ツールを回転させるモータの出力を検査し、出力が変化する場合は出力が一定になるように深さ位置を調整する制御を実施した。プラズマ熱源は電極と被接合材と非接触の状態で放電開始できるようにパイロット電源を導入し、プラズマアークは任意の電流および電圧を指定して形成した。このとき、電圧は被接合材表面の変化によって変動するため、電圧の変化を周期的な波形に変換し、その振幅が小さくなるように補正を加えて安定させた。
また実施例2で使用したものと同じ高速カメラを設置し、画像認識機能により溶融池と攪拌ツールとの重なりを判定させた。溶融池と攪拌ツールの重なり部の割合を示すAに関して、事前に合格範囲を設定し、範囲から外れた場合にプラズマ熱源の電流の値を変えて合格範囲に戻すように制御した。具体的には、Aの値が過剰に大きくなった場合は電流を低減させ、過剰に小さくなった場合は増大させた。これらのフィードバック制御により、実施例3−1は接合を自動化することが可能であった。
実施例3−2において、攪拌ツールは荷重値を指定する荷重制御を実施し、挿入時および接合時のそれぞれの荷重を指定して接合した。プラズマ電源は、実施例3−1と同様に電圧補正機能がついたものを用いた。さらに攪拌ツールのモータ出力を検知し、事前に閾値を選定した。接合時にモータ出力が閾値を越える場合はプラズマ熱源の電流を制御して適正な範囲になるように制御した。図10で示したように、モータ出力、すなわちモータ消費電力は溶融池と攪拌ツールとの重なりに敏感に反応するため、プラズマ熱源を制御する因子として好適である。これにより、実施例3−2は、溶融池を直接モニタリングすることなく、接合を自動化することが可能であった。
実施例3−3において、攪拌ツールは実施例3−2と同様の荷重制御方式を実施した。プラズマ電源は、実施例3−1と同様に電圧補正機能がついたものを用いた。さらに攪拌ツールの一部の温度を放射温度計で測定し、事前に閾値を選定した。接合時に測定温度が合格範囲を外れる場合はプラズマ熱源の電流を制御して適正な範囲になるように制御した。実施例3−3は、溶融池を直接モニタリングすることなく、接合を自動化することが可能であった。
実施例3−4において、攪拌ツールは実施例3−1と同様に、深さ制御方式を実施し、モータ出力を検知して深さ位置を補正した。プラズマ電源は、実施例3−1と同様に電圧補正機能がついたものを用いた。さらに実施例3−3と同様に、攪拌ツールの温度を測定し、プラズマ熱源の出力を補正した。実施例3−4は、溶融池を直接モニタリングすることなく、接合を自動化することが可能であった。
比較例3−1において、攪拌ツールは深さ制御を実施した。実施例との比較のため、モータ出力、溶融池のカメラ画像および温度測定などのフィードバック制御は実施しなかった。比較例3−1の場合、直線で短時間の接合であれば、大きな問題を発生させずに接合することがかのうであったが、深さ方向に0.5mm以上の凹凸が存在する場合や、接合線が曲線となり相対速度が変化する場合には接合部の内部に欠陥が発生することが確認された。またこれらの領域で内部欠陥が発生しないように接合速度を一律に低減して実施した結果、プラズマ熱源による過剰入熱が影響して、バリが大きくなる問題が発生し、また断面には粗大化した結晶粒が確認され、引張り強度特性が著しく低減することが確認された。
実施例1〜実施例3の結果を鑑みて、さらに接合安定性が良い接合装置を検討した。
実施例4−1は、図6に示すように回転する攪拌ツールの前方に摺接部品を備えた装置を試作して検討した。プラズマアークと攪拌ツールとの向かい合う角度αを48°と、攪拌ツールと被接合材との角度θ=3°とした。摺接部品は接合線に対して垂直方向である幅が攪拌ツールの直径よりも十分に大きくなるように設計した。また、プラズマアークによる溶融池は攪拌ツールの直径よりも小さくなるように条件選定した。本発明によれば、溶融させた被接合材表面の凹部が攪拌ツールの不安定性の要因となるが、摺接部品を設けることで表面を均すことが可能となり、欠陥の発生をより高水準で防止できることを確認した。
実施例3で示したように、プラズマ熱源の出力を補正するために、温度を測定してフィードバック制御を実施することは有益である。一方、回転部の温度を測定することは精度に問題がある場合が多い。そこで、実施例4−1では、摺接部品の先端部付近に熱電対を挿入して温度測定し、それをフィードバック制御に活用した。これにより、高精度で温度測定することが可能となり、フィードバック制御の精度が向上した。
実施例4−2は図7に示すように回転する円筒状の攪拌ツールと摺接部品とを備え、かつ摺説部品はプラズマ熱源の支持部と一体化し、摺接部品と攪拌ツールとが独立に深さ方向の制御が可能な構造とした。また摺接部品は攪拌ツールの前方と後方の両方に備え、回転する攪拌ツールが通過した後にさらに摺接させる構造とした。プラズマアークと攪拌ツールとの向かい合う角度αを45°とし、攪拌ツールは被接合材に対して垂直、すなわちθ=0°とした。この構造により、接合時に発生する振動を低減することが可能となり、より安定性の高い接合が可能であった。
1 プラズマ熱源、2 攪拌ツール(回転ツール)、3被接合材、4 摺接部品
11 電極、12 インサートチップ、13 プラズマアーク、14 シールド、15 プラズマ電源、16 パイロット電源、17 プラズマガス、18 シールドガス

Claims (15)

  1. 被接合材を接合する接合方法において、前記被接合材にプラズマアークを照射する工程と、前記被接合材の前記プラズマアークを照射した部分を攪拌ツールで攪拌する工程とを備えることを特徴とする接合方法。
  2. 請求項1において、前記プラズマアークの中心軸と前記攪拌ツールの中心軸との向かい合う角度αが7°≦α≦50°の範囲であることを特徴とする接合方法。
  3. 請求項1において、前記攪拌ツールの先端が前記被接合材に接触してから前記攪拌ツールのショルダが前記被接合材に接触するまで、前記プラズマアークの放電電流を増加させることを特徴とする接合方法。
  4. 請求項1において、前記攪拌ツールは前記被接合材の融点未満の部分を攪拌することを特徴とする接合方法。
  5. 請求項1において、前記攪拌ツールの外周の長さの40%以下が前記被接合材の融点以上の部分と重なるように、前記攪拌ツールは前記被接合材を攪拌することを特徴とする接合方法。
  6. 請求項1において、前記被接合材の前記プラズマアークを照射した部分の表面を摺接部品で均す工程を、前記攪拌ツールで攪拌する工程の前に備えることを特徴とする接合方法。
  7. 請求項1において、前記プラズマアークを照射する工程に用いるガスは窒素ガスを含むことを特徴とする接合方法。
  8. 請求項1において、前記被接合材にプラズマアークを照射する工程により形成された融点以上の部分をモニタリングする工程と、モニタリングされた前記融点以上の部分と前記攪拌ツールとの重なりを評価する工程と、評価された重なりに基づき前記プラズマアークの電流又は電圧を制御する工程とを備えることを特徴とする接合方法。
  9. 被接合材を接合する接合装置において、前記被接合材にプラズマアークを照射するプラズマ熱源と、前記被接合材の前記プラズマアークを照射した部分を攪拌する攪拌ツールとを備えることを特徴とする接合装置。
  10. 請求項9において、前記プラズマ熱源により照射される前記プラズマアークの中心軸と前記攪拌ツールの中心軸との向かい合う角度αが7°≦α≦50°の範囲で調節可能であることを特徴とする接合装置。
  11. 請求項9において、前記攪拌ツールにかかる荷重を検出する装置と、検出された前記荷重に基づき前記プラズマアークの放電電流を増加させる装置とを備えることを特徴とする接合装置。
  12. 請求項9において、前記被接合材の前記プラズマアークを照射した部分の表面を均す摺接部品を、前記攪拌ツールの進行方向前方に備えることを特徴とする接合装置。
  13. 請求項12において、前記摺接部品は前記プラズマ熱源と一体化されていることを特徴とする接合装置。
  14. 請求項9において、前記プラズマ熱源は内部に窒素ガスを含むガスを流すシールドを備えることを特徴とする接合装置。
  15. 請求項9において、前記被接合材に前記プラズマアークを照射することにより形成された融点以上の部分をモニタリングする装置と、モニタリングされた前記融点以上の部分と前記攪拌ツールとの重なりを評価する装置と、評価された重なりに基づき前記プラズマアークの電流又は電圧を制御する装置とを備えることを特徴とする接合装置。
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