JP6681859B2 - 集積回路装置、蛍光表示管 - Google Patents

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Description

本発明は、電子を放出するフィラメントを有した蛍光表示管における前記フィラメントを駆動する集積回路装置と、前記蛍光表示管とに関するものである。
各種情報を表示する表示デバイスとして、VFD(Vacuum Fluorescent Display:蛍光表示管)が広く知られている。
周知のようにVFDは、電子を放出するフィラメント(直熱形カソード)と、電子の移動を制御するアノード電極上に蛍光体が形成されたアノードとが密封容器内に配置される。フィラメントに電圧を印加し加熱させることで熱電子を放出させ、熱電子をアノード上の蛍光体に衝突させることでアノードが点灯される。アノードは、所定のパターンで配列されており、点灯対象とするアノードに対して選択的に駆動電圧(直流電圧)を印加することで、該アノードの蛍光体のみがフィラメントより放出された熱電子によって励起発光され、所要の情報表示が実現される。
なお、VFDにおいては、フィラメントから放出された熱電子を加速させるグリッドがフィラメントとアノードとの間に配置される場合がある。
VFDとしては、フィラメントの駆動に関して、例えば下記特許文献1に開示されるようなパルス駆動方式を採用するものがある。パルス駆動方式では、パルス状の駆動電圧を生成してフィラメントに印加し、パルス幅調整(ONデューティ調整)により駆動電圧又は駆動電流の実効値が一定の値となるように制御を行う。
特許文献1では、各フィラメントに一斉にパルス状の駆動電圧を印加する方式が開示されているが、これによると駆動回路に流れる電流の値が過大となり、駆動回路のサイズ大型化等の問題を招来する虞がある。
このため、フィラメントごとに異なるタイミングで駆動電圧を印加するいわゆる分割駆動を行う場合がある(例えば下記特許文献2を参照)。これにより、駆動回路に流れる電流の値はフィラメント1本分に流すべき電流の値と一致させることが可能となり、駆動回路のサイズ大型化等の問題を解消することができる。
分割駆動を行う場合、駆動回路には、駆動電圧を出力する順番が異なるフィラメントごとに、駆動電圧の出力制御を行う出力スイッチを設ける。該出力スイッチを順次にONさせることで、各フィラメントに異なるタイミングで駆動電圧を印加することができる。
一方で、VFDが備えるフィラメントの本数は、仕様により様々である。フィラメントの本数が異なる場合にも共通の駆動回路を使用可能とするため、上記した出力スイッチの一つにつき、換言すれば、フィラメントを駆動するチャンネルの一つにつき、出力パット(駆動電圧出力端子)を複数設けた駆動回路を構成する場合がある。
例えば、出力スイッチが10個、すなわち駆動チャンネルが10チャンネルあるとして、出力パットを1チャンネルにつき二つ設けた場合には、対応可能なフィラメントの本数は、チャンネルごとに片方のパットのみにフィラメントを接続した場合における10本から、チャンネルごとに双方のパットにフィラメントを接続した場合の20本までの任意の本数とすることができる。また、10チャンネルのうち任意のビットを不使用とすることも可能であり、その場合は、フィラメント本数が9本以下とされる場合にも対応可能となる。
特開2002−108263号公報 特開2017−44912号公報
ここで、駆動電圧を出力するための駆動電圧出力端子とフィラメントとの間には、リードコンタクト等を介した接続により接触抵抗が生じる。該接触抵抗は、駆動電圧出力端子とフィラメントの各組間で一様とはならず、ばらつくことがある。
接触抵抗にばらつきがある場合には、各フィラメントの駆動電流にばらつきが生じ、これに起因して輝度ムラが発生する虞がある。すなわち、該輝度ムラによる表示品質の低下を招く虞がある。
また、上述のように駆動チャンネルごとに駆動電圧出力端子を複数設ける場合において、VFDが備えるフィラメントの本数と駆動チャンネルごとの駆動電圧出力端子数との関係によっては、駆動チャンネル間で接続されるフィラメントの本数に差が生じることがある。
例えば、上記で例示したように駆動チャンネルが10、1チャンネルあたりの駆動電圧出力端子数が2である場合において、VFDが備えるフィラメントの本数が偶数本であれば、駆動チャンネルごとのフィラメント接続本数は1本又は2本で共通とできるが、奇数本の場合には、一つの駆動チャンネルのみ1本接続、他の駆動チャンネルが全て2本接続となることがある。例えば、フィラメント本数が11、13、15等の場合である。
駆動チャンネルごとの駆動電圧出力端子数をmとすると、フィラメント本数がmで割り切れない本数である場合には、このような駆動チャンネル間におけるフィラメント接続本数の差が生じ得る。
駆動チャンネル間でフィラメント接続本数の差が生じた場合には、それら駆動チャンネル間で接続される負荷に差が生じるため、フィラメントの駆動電流にも差が生じてしまう。そして、該駆動電流の差に起因して輝度ムラが生じ、表示品質の低下を招来してしまう。
そこで、本発明では上記事情に鑑み、フィラメント間で駆動電流がばらつくことに起因した輝度ムラによる表示品質低下の防止を図ることを目的とする。
本発明に係る集積回路装置は、電子を放出する複数のフィラメントを有した蛍光表示管における前記フィラメントを駆動する集積回路装置であって、前記フィラメントを駆動する駆動チャンネルとして、それぞれが個別の制御信号に基づき前記フィラメントの駆動電圧を出力する複数の駆動チャンネルを備え、前記駆動電圧の出力制御を行う出力トランジスタであって、前記駆動電圧の電圧源に対し各々が並列の関係に接続された複数の出力トランジスタと、前記出力トランジスタごとに個別に接続された駆動電圧出力端子と、前記電圧源に対し前記複数の出力トランジスタと並列の関係に接続されたトランジスタである検出トランジスタと、を前記駆動チャンネルごとに有すると共に、前記駆動チャンネルごとに、前記検出トランジスタを介して入力される電流の値に基づき、前記駆動電圧出力端子に接続された前記フィラメントに流れる電流について前記出力トランジスタのONデューティを調整することによるフィードバック制御を行う制御部を備えたものである。
上記集積回路装置においては、駆動チャンネルごとに検出電流に基づくフィードバック制御が個別に行われるため、駆動電圧出力端子とフィラメントとの間の接触抵抗に駆動チャンネル間でばらつきが生じる場合にも、各フィラメントの駆動電流に差が生じないようにすることが可能とされる。
また、上記のように検出トランジスタに対し複数の出力トランジスタが並列接続された構成とすることで、各駆動チャンネルにおいては、駆動電圧出力端子の使用数によらず、制御部に検出入力される電流値が一定とされる。このため、駆動電圧出力端子の使用数が変化しても、フィラメントに流れる電流に差が生じないようにすることが可能とされる。
上記した本発明に係る集積回路装置においては、前記制御部は、前記検出トランジスタを介して入力される電流の2乗値の時間積が一定となるように前記フィードバック制御を行う構成とすることが可能である。
これにより、フィラメントの駆動電力が一定となるように制御が行われる。
上記した本発明に係る集積回路装置においては、前記駆動チャンネルにおいて、各前記出力トランジスタ間の電流比が略1:1とされている構成とすることが可能である。
これにより、駆動チャンネルに接続される各フィラメントの駆動電流値に差が生じないように図られる。
上記した本発明に係る集積回路装置においては、前記制御部は、前記検出トランジスタを介して入力される電流の値に基づき前記フィードバック制御を行うフィードバック回路を有し、単一の前記フィードバック回路が複数の前記駆動チャンネルについての前記フィードバック制御を時分割により行う構成とすることが可能である。
これにより、接触抵抗のばらつきに起因した輝度ムラの発生防止を図るにあたり、出力トランジスタごとにフィードバック回路を設ける必要性をなくすことが可能とされる。
また、本発明に係る蛍光表示管は、電子を放出するフィラメントと、前記フィラメントを駆動する集積回路部と、を備え、前記集積回路部は、前記フィラメントを駆動する駆動チャンネルとして、それぞれが個別の制御信号に基づき前記フィラメントの駆動電圧を出力する複数の駆動チャンネルを有し、前記駆動電圧の出力制御を行う出力トランジスタであって、前記駆動電圧の電圧源に対し各々が並列の関係に接続された複数の出力トランジスタと、前記出力トランジスタごとに個別に接続された駆動電圧出力端子と、前記電圧源に対し前記複数の出力トランジスタと並列の関係に接続されたトランジスタである検出トランジスタと、を前記駆動チャンネルごとに有すると共に、前記駆動チャンネルごとに、前記検出トランジスタを介して入力される電流の値に基づき、前記駆動電圧出力端子に接続された前記フィラメントに流れる電流について前記出力トランジスタのONデューティを調整することによるフィードバック制御を行う制御部を有するものである。
上記本発明に係る蛍光表示管によっても、上記した本発明に係る集積回路装置と同様の作用が得られる。
上記した本発明に係る蛍光表示管においては、前記駆動チャンネルにおける複数の前記駆動電圧出力端子が、同一の配線を介して複数の前記フィラメントに接続されている構成とすることが可能である。
これにより、同一の駆動チャンネル内において、複数の駆動電圧出力端子間でフィラメントとの間の接触抵抗が異なってしまうことの防止が図られる。
本発明によれば、フィラメント間で駆動電流がばらつくことに起因した輝度ムラによる表示品質低下の防止を図ることができる。
実施形態における表示装置の回路構成を示した図である。 蛍光表示管の構造についての説明図である。 第一実施形態の集積回路装置の内部回路構成について説明するための図である。 分割駆動を行う場合における制御信号の波形の例を示した図である。 実施形態の集積回路装置が備えるパルス幅制御部についての説明図である。 パルス幅制御部の動作を説明するための波形図である。 フィードバック制御を時分割で行うための構成を含めた第一実施形態の集積回路装置の内部回路構成を説明するための図である。 単一のパルス幅制御部を用いた場合における駆動電圧の最大ON期間の例を示した図である。 第二実施形態の集積回路装置の内部構成を示した回路図である。 第二実施形態のフィラメント駆動手法を適用した場合における駆動電圧の最大ON期間の例を示した図である。 駆動チャンネルごとに複数の駆動電圧出力端子を設けた集積回路装置の構成例を示した回路図である。 フィラメントの接続本数の差に起因して生じる駆動電流の差を例示した図である。 第三実施形態の集積回路装置の内部構成を示した回路図である。 第三実施形態の集積回路装置による作用の説明図である。 駆動電圧出力端子の使用数が複数とされた駆動チャンネルにおける、複数の駆動電圧出力端子と複数のフィラメントとの接続例を示した図である。
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。
なお、説明は以下の順序で行う。

<1.第一実施形態>
[1-1.表示装置の構成]
[1-2.第一実施形態のフィラメント駆動]
[1-3.第一実施形態のまとめ]
<2.第二実施形態>
[2-1.第二実施形態の集積回路装置]
[2-2.第二実施形態のまとめ]
<3.第三実施形態>
[3-1.第三実施形態の集積回路装置及び蛍光表示管]
[3-2.第三実施形態のまとめ]
<4.変形例>
<1.第一実施形態>
[1-1.表示装置の構成]

図1は、本発明に係る第一実施形態としての蛍光表示管1を備えた表示装置100の回路構成を示した図である。なお、以下の説明では蛍光表示管を「VFD」(Vacuum Fluorescent Display)と表記することもある。
表示装置100は、蛍光表示管1と、コントローラ101と、電源回路102と、ツェナーダイオードZDとを備えている。
コントローラ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータを有して構成され、蛍光表示管1による表示動作を制御する。
蛍光表示管1は、それぞれがIC(Integrated Circuit)チップとして構成された第一IC2及び第二IC3と、発光による情報表示を行う表示部4と、後述するフィラメントFiに給電するための端子であるフィラメント端子f1a、f2a、…、fna、及びフィラメント端子f1b、f2b、…、fnbとを備えている。
ここで、図2により蛍光表示管1の構造について説明しておく。なお、図2Aは蛍光表示管1の一部を透視して表した概略透視図、図2Bは図2AのA−A’断面によって切断した蛍光表示管1の概略断面図である。
蛍光表示管1は、表示管基板1aと表示管基板1aの表面を覆うカバー部材1bとで構成された密封容器1cを備え、密封容器1c内においてフィラメント(直熱形カソード)FiとアノードAnとグリッドGrとを有する表示部4が形成されている。ここで、密閉容器1c内は真空状態とされている。
表示部4において、電子を放出するフィラメントFiは複数本設けられている(図2Bの黒丸部分で表す)。ここでは、フィラメントFiが4本設けられた例としているが、フィラメントFiの本数は複数であればよい。以下、蛍光表示管1が備えるフィラメントFiの本数を「n」本と表記する。
アノードAnは、フィラメントFiから放出された電子を制御するアノード電極上に蛍光体が形成されて成る。アノードAnは、表示管基板1a上に例えばパターン印刷により形成され、表示すべき情報に応じた所定のパターンにより配列されている。このように複数のアノードAnが所定パターンで配列された部分のことを以下、「アノードパターン部4a」と表記する。
本例の蛍光表示管1は、例えば文字や数字等の情報であれば1桁や1文字である等、情報を所定単位ごとに区分して表示させることが可能とされている。図2の例では、単一の数字やアルファベット等の表示を可能とする7セグメント分のアノードAn(7つの独立したアノードAn)によって該所定単位分の表示領域が形成されている。このような所定単位分の表示領域を以下「表示ブロック」と表記する。アノードパターン部4aにおいては、このような表示ブロックが表示管基板1a上に複数配列されている。
なお、表示ブロックについて、図2Aに示すような7セグメント分のアノードAnの配列パターンはあくまで一例であり、表示ブロックを構成するアノードAnの配列パターンは該パターンに限定されるものではない。
グリッドGrは、フィラメントFiからアノードAnに対して放出される電子を加速させるメッシュ状の電極とされ、表示ブロックごとに形成されている。
蛍光表示管1において、カバー部材1bは例えばガラスで構成され、少なくとも表示管基板1aと対向する部分が透明とされている。つまり、該透明な部分を介してアノードAnの点灯に伴う表示情報を外部より目視することが可能とされている。
蛍光表示管1において情報が表示される側の面(つまり上記透明部分におけるアノードAnとの対向面とは逆側の面)を「表面S1」と表記する。また、蛍光表示管1における表面S1とは逆側の面を「裏面S2」と表記する。
蛍光表示管1において、アノードパターン部4aにおける表示ブロックのうち所望の表示ブロックに情報を表示させる際には、フィラメントFiに駆動電圧を印加した状態において、該表示ブロックに対応して設けられたグリッドGrと該表示ブロック内の所定のアノードAnとに直流電圧を印加する。これにより、該表示ブロックにおける所定のアノードAnにおける蛍光体のみがフィラメントFiより放出された熱電子によって励起発光され、情報の表示が実現される。
説明を図1に戻す。
第一IC2は、図2に示した表示部4のアノードAnとグリッドGrの駆動を行う駆動回路が内蔵されている。
また、第二IC3は、フィラメントFiの駆動を行う駆動回路が内蔵されている。
図2では図示を省略したが、本例の蛍光表示管1においては、第一IC2、及び第二IC3が表示管基板1aに実装されて、表示部4と共に密閉空間内に位置されている。すなわち、蛍光表示管1は所謂CIG(Chip In Glass)−VFDとして構成されているものである。
フィラメント端子f1a〜fna、及びフィラメント端子f1b〜fnbには、フィラメントFiが接続される。具体的に、本例ではn本のフィラメントFiのうち各1本は、それぞれ一端がフィラメント端子f1a、f2a、…、fnaのうち対応する一つに接続され、他端がフィラメント端子f1b、f2b、…、fnbのうち対応する一つに接続されている。
フィラメント端子f1a〜fnaは、それぞれ第二IC3に設けられた駆動電圧出力端子Tf1〜Tfnのうち対応する一つと接続されている。フィラメント端子f1b〜fnbは、アノードが接地されたツェナーダイオードZDのカソードに対して接続されている。
コントローラ101は、第一IC2及び第二IC3に対し表示部4の表示制御のための信号を出力する。具体的に、コントローラ101は、第一IC2に対しては駆動対象とするアノードAnやグリッドGrを指示するための信号や、アノードAnの発光輝度を指示するための信号を出力する。
第一IC2は、これらの指示信号に従ってアノードAn及びグリッドGrの駆動を行う。なお、アノードAnの発光輝度の調整は、例えばアノードAnに対する駆動信号のONデューティを変化させることで行われる。
また、コントローラ101は、第二IC3に対しては、駆動すべきフィラメントFiを指示するための信号を出力する。
本例において、第二IC3は、駆動電圧出力端子Tf1〜Tfnがフィラメント端子f1a〜fnaと個別に接続されて、各フィラメントFiを個別に駆動可能とされている。そして、第二IC3は、コントローラ101からの上記信号により指示されるフィラメントFiを駆動可能とされている。
本例の蛍光表示管1は、表示部4の表示モードとして、表示部4の表示領域全体を対象として情報表示を行う表示モード(以下「全域表示モード」と表記)のみでなく、フィラメントFiの配列方向に分割された複数の表示領域のうち一部の表示領域のみを対象として情報表示を行う表示モード(以下「一部表示モード」と表記)を有している。
全域表示モード時には、コントローラ101からは全てのフィラメントFiを駆動する指示が、また一部表示モード時には一部のフィラメントFiのみを駆動する指示が第二IC3に行われる。
一部表示モード時には、一部表示領域におけるアノードAnの点灯に必要な一部のフィラメントFiのみが駆動される。すなわち、該アノードAnの点灯に不要とされるフィラメントFiが無駄に駆動されることがなくなり、これにより消費電力の削減が図られる。なお、このようなフィラメントFiの一部駆動機能を実現するための回路構成については図示を省略している。
また、本例における第二IC3は、複数本のフィラメントFiの駆動に関して、各フィラメントFiにそれぞれ異なるタイミングで駆動電圧を印加する。具体的に、第二IC3は、複数本のフィラメントFiについて、1本ずつずらしながら順番に駆動電圧を印加していく、いわゆる分割駆動を行う。この際、駆動電圧としては、パルス状(矩形波状)の電圧を印加する。
これにより、複数本のフィラメントFiに駆動電圧を一斉に印加する一斉駆動を行う場合に比べて、第二IC3内に流れる電流を小さくすることができる。例えば、1本のフィラメントFiに30mAの電流を流す必要があるとすれば、本例ではフィラメントFiを1本ずつ駆動し、同時に2本以上駆動することがないので、瞬間電流としてはフィラメントFiの1本分である30mAの電流で済む。一方、一斉駆動の場合は30mA×フィラメントFiの本数分の電流が流れることとなるため、フィラメントFiが例えば4本あれば120mAの電流が流れることになる。
一般にICに電流をより多く流すためにはIC内部の配線幅をより太くする必要があり、IC外形が大きくなり、ICのコストアップに繋がる。本例によれば、第二IC3内部に流れる電流量を少なくできるため、第二IC3内部の配線幅を縮小化でき、コスト削減を図ることができる。
また、第二IC3に流れる電流を小さくできることで、放射ノイズの低減を図ることができる。
なお、第二IC3の内部回路構成については改めて説明する。
電源回路102は、第一IC2がアノードAn及びグリッドGrの駆動電圧として用いる高電圧VHと、第二IC3が各フィラメントFiの駆動電圧として用いる入力電圧VINとを生成する。
入力電圧VINは、第二IC3に設けられた入力端子Tviに供給される。
[1-2.第一実施形態のフィラメント駆動]

図3は、第二IC3の内部回路構成について説明するための図である。なお、図3では第二IC3の内部回路構成のうち、主としてフィラメントFiの駆動に係る部分のみを抽出して示している。
図示のように第二IC3は、フィラメントFiに対する駆動電圧の出力制御を行う出力スイッチとして機能する出力トランジスタQ1を複数備えると共に、各々がこれら出力トランジスタQ1のうち対応する一つと並列接続された検出トランジスタQ2と、各出力トランジスタQ1、及び各検出トランジスタQ2のON/OFFを制御する制御回路30とを備えている。
図中では、各出力トランジスタQ1、各検出トランジスタQ2を区別するため、Q1、Q2の符号の末尾にハイフン(−)と1〜nの数値を付している。
検出トランジスタQ2−1、Q2−2、…、Q2−nは、それぞれ符号末尾の数値が一致する出力トランジスタQ1と並列接続されている。
本例では、各出力トランジスタQ1及び各検出トランジスタQ2としては例えばp型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)が採用され、図示のように出力トランジスタQ1−1、Q1−2、…、Q1−nのソースは、検出トランジスタQ2−1、Q2−2、…、Q2−nのうち符号末尾の数値が一致するもののソースと接続されている。
出力トランジスタQ1−1、Q1−2、…、Q1−nのソースと、検出トランジスタQ2−1、Q2−2、…、Q2−nのソースとの各接続点は、入力端子Tviと接続されており、入力電圧VINが供給される。
出力トランジスタQ1−1、Q1−2、…、Q1−nのドレインは、駆動電圧出力端子Tf1〜Tfnのうち符号末尾の数値が一致するものと接続されている。これにより、出力トランジスタQ1−1、Q1−2、…、Q1−nがONされることで、それぞれ対応するフィラメントFiに入力電圧VINが駆動電圧Efとして印加される。
以下では、出力トランジスタQ1−1、Q1−2、…、Q1−nが出力するそれぞれの駆動電圧Efについては、符号末尾の数値を一致させて駆動電圧Ef1、Ef2、…、Efnと表記する。
出力トランジスタQ1−1、Q1−2、…、Q1−nのゲートは、検出トランジスタQ2−1、Q2−2、…、Q2−nのうち符号末尾の数値が一致するもの(つまりソース同士が接続されたもの)のゲートと接続されている。そして、これら出力トランジスタQ1−1、Q1−2、…、Q1−nと検出トランジスタQ2−1、Q2−2、…、Q2−nのゲート同士の各接続点には、制御回路30からの制御信号Sgが個別に供給される。以下、これらの制御信号Sgについては、符号末尾の数値を、供給先の出力トランジスタQ1及び検出トランジスタQ2の符号末尾の数値と一致させて制御信号Sg1、Sg2、…、Sgnと表記する。
各制御信号Sgにより、対応する出力トランジスタQ1と検出トランジスタQ2の組が共通にON/OFF制御される。
検出トランジスタQ2−1、Q2−2、…、Q2−nの各ドレインは、制御回路30と接続されている。
ここで、上記した各出力トランジスタQ1と各検出トランジスタQ2の接続形態によると、出力トランジスタQ1がONされた場合には、対応する検出トランジスタQ2のソース−ドレイン間に、該ONされた出力トランジスタQ1のソース−ドレイン間に流れる電流の電流値に応じた電流値による電流が流れる。つまり、制御回路30は、各検出トランジスタQ2のソース−ドレイン間を流れる電流を入力することで、各フィラメントFiの駆動電流値を検出することができる。
制御回路30は、制御信号Sg1、Sg2、…、Sgnにより出力トランジスタQ1−1、Q1−2、…、Q−nのON/OFFを制御することで、各フィラメントFiに異なるタイミングで駆動電圧Efを印加させる。
図4は、分割駆動を行う場合における制御信号Sg1、Sg2、…、Sgnの波形の例を示している。
本例の分割駆動では、制御信号Sg1、Sg2、…、Sgnの順でONパルスを順に発生させている。この際、各制御信号Sg間において、ON期間は重複させないようにしている。これにより、上述のように第二IC3内に流れる電流を小さくすることができる。
なお、本例では、各出力トランジスタQ1、及び各検出トランジスタQ2として上述のようにp型のMOSFETを採用していることから、各制御信号SgのON期間は実際にはLレベルの期間となる。すなわち、制御信号SgがLレベルのとき、対応する出力トランジスタQ1及び検出トランジスタQ2がONされるものである。図4は、各制御信号Sgの実際の波形イメージを表すものではなく、あくまで各制御信号SgのON期間とOFF期間の別を表したものである。
分割駆動において、全てのフィラメントFi(駆動電圧出力端子Tf)に対する駆動電圧Efの印加が一巡される期間を図示のように「スキャン期間」と表記する。また、スキャン期間において、フィラメントFiごとの駆動可能期間、すなわち駆動電圧の最大ON期間を「単位駆動期間」と表記する。
本例では、駆動電圧Efを出力する順番が駆動電圧出力端子Tf1、Tf2、…、Tfnの順(符号末尾の数値の昇順)とされているが、この場合の分割駆動では、駆動の順番が隣接している駆動電圧出力端子Tf間で単位駆動期間が重複しないようにされている。これにより、異なる駆動電圧出力端子Tfに接続されたフィラメントFi同士が同時駆動されないことが保証されている。
説明を図3に戻す。
制御回路30は、検出トランジスタQ2−1、Q2−2、…、Q2−nを介して入力される電流(フィラメントFiの駆動電流値)に基づいて、出力トランジスタQ1−1、Q−2、…、Q1−nのONデューティを調整するフィードバック制御を行う。すなわち、PWM(Pulse Width Modulation)によるフィードバック制御を行う。
この際、各出力トランジスタについてのPWM制御は、図4に示したような単位駆動期間を最大ON期間として、制御信号SgのONデューティを調整する制御となる。
ここで、上記のようなフィードバック制御として、仮に、フィラメントFiの駆動電流値を所定の目標電流値と一致させる制御を行ったのでは、フィラメントFiの温度を一定とすることができない。
このため、本実施形態では、フィラメントFiの温度を一定とするべく、制御回路30を以下のように構成する。
図5は、制御回路30が備えるパルス幅制御部31についての説明図である。
なお、図5では、第二IC3が備える出力トランジスタQ1と検出トランジスタQ2の各組のうち出力トランジスタQ1−1と検出トランジスタQ2−1の組のみを抽出して示しており、また駆動電圧出力端子Tfについては出力トランジスタQ1−1と接続される駆動電圧出力端子Tf1のみを抽出して示している。
また、制御回路30は、図示のようにNANDゲート回路35を備えているが、図5に示すNANDゲート回路35は、後述する図7においては「NANDゲート回路35−1」に相当するものである。
図5において、パルス幅制御部31は、IV変換回路31a、2乗アンプ31b、VI変換回路31c、及び判定回路31dを備えている。
IV変換回路31aは、検出トランジスタQ2−1を介して入力される電流、すなわち、フィラメントFiの駆動電流値に応じた電流値による電流について、電流−電圧変換を行う。
2乗アンプ31bは、IV変換回路31aにより電流−電圧変換された電流値の2乗値を得る。
2乗アンプ31bにより得られた2乗値は、VI変換回路31cによって電圧−電流変換され、判定回路31dに入力される。
判定回路31dは、VI変換回路31cより入力される上記2乗値に相当する電流に基づき、制御信号Sg1のOFFタイミングを指示するOFF指示信号Tcを出力する。後の説明から理解されるように、このOFF指示信号Tcにより、単位駆動期間内で駆動電圧Ef(ここではEf1)をOFFすべきタイミングが指示される。
図示のように判定回路31dは、コンデンサCc、リセットスイッチSWr、及びコンパレータCmpを備えている。
コンデンサCcは、VI変換回路31cの電流出力端子とアースとの間に挿入され、リセットスイッチSWrは、該電流出力端子とアースとの間においてコンデンサCcと並列に接続されている。
コンパレータCmpは、反転入力端子がコンデンサCcとリセットスイッチSWrとの接続点に接続され、非反転入力端子が基準電圧Vrefに接続されている。
NANDゲート回路35は、一方の入力端子にコンパレータCmpより出力されるOFF指示信号Tcが、他方の入力端子に後述するタイミング信号Tm1がそれぞれ入力される。このNANDゲート回路35の出力が、制御信号Sg1として、出力トランジスタQ1−1と検出トランジスタQ2−1の双方のゲートに供給される。
図6は、パルス幅制御部31の動作を説明するための波形図であり、タイミング信号Tm1、Tm2、…、Tmn、OFF指示信号Tc、及び制御信号Sg1の各波形を示している。
タイミング信号Tm1、Tm2、…、Tmnは、出力トランジスタQ1−1、Q1−2、…、Q1−nごとの単位駆動期間を表す信号として、制御回路30内部で生成される信号である。なお、タイミング信号Tm1、Tm2、…、Tmnを生成するための構成については後に改めて説明する。
図5に示す判定回路31dにおいては、VI変換回路31cより入力される上記の2乗値に相当する電流によって、コンデンサCcが充電される。コンデンサCcの充電電位が基準電圧Vref以下である場合には、コンパレータCmpの出力であるOFF指示信号TcはHレベルとなり、コンデンサCcの充電電位が基準電圧Vrefを超えるとOFF指示信号TcはLレベルに立ち下がる。
この前提を踏まえ、タイミング信号Tm1がHレベルに立ち上がる前の期間においては、制御信号Sg1はOFF状態(Hレベルの状態)を維持し、出力トランジスタQ1−1及び検出トランジスタQ2−1はOFFとされる。このため、該期間には検出トランジスタQ2−1を介してパルス幅制御部31に電流が流入せず、コンデンサCcに対する充電は行われない。従って、OFF指示信号TcはHレベルを維持する。
タイミング信号Tm1がHレベルに立ち上がると、NANDゲート回路35の入力が共にHレベルとなるため、制御信号Sg1がLレベルに立ち下がって(つまりON状態に転じて)出力トランジスタQ1−1及び検出トランジスタQ2−1がONとされ、駆動電圧出力端子Tf1を介した駆動電圧Ef1の出力、及び検出トランジスタQ2−1を介したパルス幅制御部31への電流流入が開始される。すなわち、上記した2乗値に相当する電流によるコンデンサCcの充電が開始される。
上述のように、コンデンサCcの充電電位が基準電圧Vrefを超えると、コンパレータCmpの出力であるOFF指示信号TcはLレベルに立ち下がる。つまりこれにより、NANDゲート回路35の入力の一方がLレベルとなり、これに伴いNANDゲート回路35の出力である制御信号Sg1としてはHレベルに立ち上がり、出力トランジスタQ1−1及び検出トランジスタQ2−1がOFFとされる。
このように実施形態の制御回路30では、フィラメントFiの駆動電流の2乗値に相当する電流によるコンデンサCcの充電電位が所定の基準電圧VRefの値を超えること、つまりは、駆動電流の2乗値の時間積が所定値を超えたことに応じて、パルス状の駆動電圧Efが強制的にOFFとされる。なお、「2乗値の時間積」とは、2乗値と時間との積を意味するものである。
上記のような制御により、フィラメントFiの駆動電流の「2乗値の時間積」を一定値とするフィードバック制御が実現される。
ここで、フィラメントFiの温度は、フィラメントFiの熱抵抗を「θ」、フィラメントFiの駆動電力を「P」とすると、「θ×P」と表すことができる。この点より、駆動電力Pを一定にすることでフィラメントFiの温度を一定にできることが分かる。
ジュールの法則より、駆動電力Pは、フィラメントFiの駆動電流値、駆動電圧値をそれぞれI、Vとすると、

P=I^2・θ
P=V^2/θ

と表される。但し、「^」はべき乗を意味する。
この点から理解されるように、フィラメントFiの駆動電力Pを一定とするには、駆動電流値I又は駆動電圧値Vの2乗値を一定とすればよいことが分かる。
従って、本例のようにフィラメントFiをパルス駆動する場合において、上述のようにフィラメントFiの駆動電流の2乗値の時間積を一定値とするフィードバック制御を行うことで、フィラメントFiの温度を一定とすることができる。
なお図5において、判定回路31dには、コンデンサCcを放電させるためのリセットスイッチSWrが設けられているが、該リセットスイッチSWr、及びリセットスイッチSWrのON/OFFを制御するためのリセット信号Srsについては改めて説明する。
上記では、出力トランジスタQ1−1についてフィードバック制御を行う構成のみを説明したが、本例では、同様のフィードバック制御を、検出トランジスタQ2−1、Q2−2、…、Q2−nを介して入力される電流の値に基づいて、出力トランジスタQ1−1、Q1−2、…、Q1−nごとに個別に行う。
このように フィードバック制御を各出力トランジスタQ1ごとに個別に行うのは、出力トランジスタQ1とフィラメントFiとの間に生じる接触抵抗のばらつきに起因した輝度ムラの発生防止を図るためである。
ここで、上記のようにフィードバック制御を各出力トランジスタQ1ごとに個別に行うにあたっては、出力トランジスタQ1ごとにパルス幅制御部31を設けることが考えられる。
しかしながら、パルス幅制御部31を出力トランジスタQ1ごとに設けることは第二IC3の回路規模増大に繋がり、望ましくない。
そこで、本例では、出力トランジスタQ1ごとのフィードバック制御を、単一のパルス幅制御部31を用いて時分割で行うものとしている。
単一のパルス幅制御部31により出力トランジスタQ1ごとのフィードバック制御を時分割で行うための構成を含めた第二IC3内の回路構成について、図7の回路図を参照して説明する。
なお、図7では入力端子Tviの図示は省略している。
図7に示すように制御回路30には、パルス幅制御部31と共に、タイミング生成回路32、発振回路33、設定レジスタ34、及びn個のNANDゲート回路35(35−1、35−2、…、35−n)を備えている。
タイミング生成回路32は、発振回路33が出力する一定周期による周期信号に基づき、タイミング信号Tm1、Tm2、…、Tmn、及びリセット信号Srsを生成する。
前述のようにタイミング信号Tm1、Tm2、…、Tmnは、出力トランジスタQ1−1、Q1−2、…、Q1−nごとの単位駆動期間を表す信号である、
本例では、発振回路33が出力する周期信号は、例えば、図4に示したスキャン期間の開始タイミングごとにHレベルに立ち上がる信号とされる。タイミング生成回路32は、該周期信号によって表されるスキャン期間をn等分した各期間を表す信号をタイミング信号Tm1、Tm2、…、Tmnとして出力する。具体的に、該n等分した各期間のうち、1番目の期間でのみHレベルとなる信号をタイミングTm1として出力し、以降、2番目、…、n番目の期間でのみそれぞれHレベルとなる信号をタイミングTm2、…、Tmnとしてそれぞれ出力する。
本例におけるタイミング生成回路32は、設定レジスタ34に対する設定値に応じて、タイミング信号Tmの出力本数、及び各タイミング信号TmのHレベル期間を変更可能とされている。
具体的に、設定レジスタ34には、スキャン期間に対し単位駆動期間が占める割合(%)の値を設定可能とされている。例えば、n=10とする場合には、該割合の値として「10%」を示す値が設定される。
タイミング生成回路32は該割合の値に基づき、タイミング信号Tmの出力本数、及び各タイミング信号TmのHレベル期間を可変設定する。例えば、上記「10%」の設定であれば、タイミング信号Tmとして、それぞれHレベル期間をスキャン期間の10%とした10本のタイミング信号Tmを出力する。
これにより、単一のタイミング生成回路32によってフィラメントFiの本数がそれぞれ異なる場合に対応することができる。
タイミング信号Tm1、Tm2、…、Tmnは、NANDゲート回路35−1、35−2、…、35−nのうち符号末尾の数値が一致するNANDゲート回路35の一方の入力とされる。
NANDゲート回路35−1、35−2、…、35−nの各他方の入力は、パルス幅制御部31が出力するOFF指示信号Tcとされる。図示のようにNANDゲート回路35−1、35−2、…、35−nの出力が、それぞれ制御信号Sg1、Sg2、…、Sgnとされる。
ここで、出力トランジスタQ1−1、Q1−2、…、Q1−n、及び検出トランジスタQ2−1、Q2−2、…、Q2−nは、タイミング信号Tm、Tm2、…、TmnのON期間(Hレベル期間)が重複せず且つ順番に訪れることから、出力トランジスタQ1−1及び検出トランジスタQ2−1の組から出力トランジスタQ1−n及び検出トランジスタQ2−nの組にかけて順に重複せずONされていく。
図示のように、検出トランジスタQ2−1、Q2−2、…、Q2−nの各ドレインは、パルス幅制御部31におけるIV変換回路31aと接続されているため、IV変換回路31aには、順次ONされる検出トランジスタQ2−1、Q2−2、…、Q2−nを介して順に検出電流が入力される。
前述のように、タイミング信号Tm1がHレベルに立ち上がることに応じては、出力トランジスタQ1−1及び検出トランジスタQ2−1の組がONとなって、検出トランジスタQ2−1を介してIV変換回路31aへの電流入力が開始され、コンデンサCcの充電が開始される。そして、コンデンサCcの充電電位が基準電圧VRefを超えることで、OFF指示信号TcがHレベルからLレベルに立ち下がり、制御信号Sg1がOFFに転じて出力トランジスタQ1−1及び検出トランジスタQ2−1の組がOFFされる。
以降も同様に、タイミング信号Tm2、…、タイミング信号Tmnが順にHレベルに立ち上がることに応じては、出力トランジスタQ1−2及び検出トランジスタQ2−2の組、…、出力トランジスタQ1−n及び検出トランジスタQ2−nの組が順にONとなって、検出トランジスタQ2−2、…、Q2−nを介してIV変換回路31aへの電流入力が順次開始され、コンデンサCcの充電が順次開始される。そして、コンデンサCcの充電電位が基準電圧VRefを超えるごとに、OFF指示信号TcがHレベルからLレベルに立ち下がり、制御信号Sg2、…、Sgnが順次OFFに転じていき、これにより出力トランジスタQ1−2及び検出トランジスタQ2−2の組、…、出力トランジスタQ1−n及び検出トランジスタQ2−nの組が順にOFFされていく。
この間、出力トランジスタQ1ごとのOFFタイミングは、上述したパルス幅制御部31の動作により、対応する検出トランジスタQ2による検出電流の2乗値の時間積を一定値とするタイミングに制御される。
つまり、この点から理解されるように、図7に示す制御回路30の構成によれば、単一のパルス幅制御部31によって各出力トランジスタQ1ごとのフィードバック制御が時分割で行われるものである。
ここで、上記のように単一のパルス幅制御部31を用いて出力トランジスタQ1ごとのフィードバック制御を時分割で行うことに対応して、本例のパルス幅制御部31には、コンデンサCcを適宜放電させるためのリセットスイッチSWrを設けている(図5参照)。
このリセットスイッチSWrのON/OFFを行うためのリセット信号Srsは、タイミング生成回路32が生成する。具体的に、タイミング生成回路32は、リセット信号Srsとして、タイミング信号Tm1、Tm2、…、Tmnの各立ち下がりタイミングの直前タイミングでそれぞれリセットスイッチSWrを所定時間ONとする信号を生成する。リセット信号Srsとしては、少なくとも、OFF指示信号Tcの立ち下がりタイミングよりも後であって、対応するタイミング信号Tmの立ち下がりタイミングよりも前となるタイミングでリセットスイッチSWrのON指示を開始する信号として生成されればよい。例えば、各タイミング信号Tmの立ち下がりタイミングを基準タイミングとし、該基準タイミングよりも一定時間前のタイミングから所定時間にわたってリセットスイッチSWrをONとする信号として生成することが考えられる。
このようなリセット信号Srsは、フィードバック制御の対象とする出力トランジスタQ1が切り替わる際に、リセットスイッチSWrを順次ONとする信号であると換言できる。
上記のようなリセット信号SrsによりリセットスイッチSWrがON/OFF制御されることで、パルス幅制御部31が制御対象とする出力トランジスタQ1を順次切り替えてフィードバック制御を行う過程において、コンデンサCcに電荷が残った状態で次の出力トランジスタQ1についてのフィードバック制御が行われてしまうことの防止が図られる。
従って、出力トランジスタQ1のONパルス幅を正確に制御でき、フィードバック制御の正確性向上を図ることができる。
なお、上記では、出力トランジスタQ1に並列接続した検出トランジスタQ2によってフィラメントFiの駆動電流値を検出する例を挙げたが、例えば各出力トランジスタQ1ごとに駆動電圧Efの出力ライン上に電流検出抵抗を設け、該電流検出抵抗によりフィラメントFiの駆動電流値を検出する等、他の手法により駆動電流値の検出を行うこともできる。
また、上記では、駆動電流値に基づいたフィードバック制御を行う例を挙げたが、駆動電圧Efの電圧値に基づいたフィードバック制御を行うこともできる。その場合は、検出トランジスタQ2及びIV変換回路31aを省略し、代わりに各駆動電圧Efの電圧値を検出する構成を追加して、検出した電圧値を図5中の破線矢印Vで表すように2乗アンプ31bに対して入力する構成とすればよい。
また、上記では基準電圧Vrefを固定値とすることを前提としたが、基準電圧Vrefは可変とすることもできる。
これにより、フィラメントFiの目標温度を蛍光表示管1の仕様に応じて任意に変更することができる。
また、上記では、フィラメントFiの駆動電流値(又は駆動電圧Efの電圧値)の2乗値の時間積を一定値とするフィードバック制御を、フィラメントFiの分割駆動を行う場合に適用した例を挙げたが、該フィードバック制御は、複数のフィラメントFiを一斉に駆動する場合においても好適に適用することができる。
また、上記では、フィラメントFiの駆動電流値(又は駆動電圧Efの電圧値)の2乗値の時間積を一定値とするフィードバック制御を、駆動電圧Efの電圧値を一定とする前提の下で駆動電圧Efのパルス幅を調整する場合に適用する例を挙げたが、該フィードバック制御は、駆動電圧Efのパルス幅を一定とする前提の下で駆動電圧Efの電圧値を調整する場合にも好適に適用することができる。
さらに、上記では、該フィードバック制御において制御対象とするスイッチがトランジスタとされた例を挙げたが、トランジスタによるスイッチ以外のスイッチを対象として該フィードバック制御を行うことも可能である。
[1-3.第一実施形態のまとめ]

上記のように第一実施形態の集積回路装置(第二IC3)は、電子を放出するフィラメント(同Fi)を有した蛍光表示管(同1)におけるフィラメントを駆動する集積回路装置であって、フィラメントに対する駆動電圧の出力制御を行う出力スイッチ(出力トランジスタQ1)と、フィラメントに流れる駆動電流の電流値、又はフィラメントに印加される駆動電圧の電圧値を検出する検出部(検出トランジスタQ2等)と、検出部が検出した電流値又は電圧値に基づき、該電流値又は該電圧値の何れかの2乗値の時間積が一定値となるように出力スイッチのスイッチング動作を制御するフィードバック制御を行う制御部(制御回路30)と、を備えている。
これにより、フィラメントの駆動電力が一定となるように制御が行われる。
従って、フィラメントの温度を一定に保つことができる。
フィラメントの温度が一定に保たれることで、フィラメントの寿命低下の抑制を図ることができる。
また、第一実施形態の集積回路装置においては、出力スイッチとして、異なるフィラメントが接続される複数の出力スイッチを備え、検出部は、出力スイッチごとに、接続されたフィラメントの電流値又は電圧値を個別に検出し、制御部は、検出部が個別に検出した電流値又は電圧値に基づき、出力スイッチごとにフィードバック制御を行っている。
これにより、出力スイッチとフィラメントとの間の接触抵抗にばらつきがある場合にも、各フィラメントの温度が一定となるように制御が行われる。
従って、該接触抵抗のばらつきに起因した輝度ムラの抑制を図ることができ、表示品質の向上を図ることができる。
さらに、第一実施形態の集積回路装置においては、制御部は、フィードバック制御を行うフィードバック回路として、出力スイッチのONパルス幅を制御するフィードバック回路(パルス幅制御部31)を有し、単一のフィードバック回路が複数の出力スイッチについてのフィードバック制御を時分割により行っている。
これにより、接触抵抗のばらつきに起因した輝度ムラの抑制を図るにあたり、出力スイッチごとにフィードバック回路を設ける必要性をなくすことが可能とされる。
すなわち、接触抵抗のばらつきに起因した輝度ムラの抑制を図るにあたっての回路構成を簡略化でき、部品点数削減によるコスト削減を図ることができる。
さらにまた、第一実施形態の集積回路装置においては、制御部は、フィードバック制御を行うフィードバック回路として、出力スイッチのONパルス幅を制御するフィードバック回路(パルス幅制御部31)を有し、フィードバック回路は、2乗値に相当する電流によりコンデンサ(同Cc)を充電させ、該コンデンサの充電電位が所定電位を超えることに応じて出力スイッチをOFFさせている。
これにより、出力スイッチのPWM制御にあたり、三角波発生回路を設ける必要がなくなる。
従って、フィードバック回路の構成を簡易化することができ、部品点数削減によるコスト削減を図ることができる。
また、第一実施形態の集積回路装置においては、フィードバック回路は、2乗値に相当する電流によりコンデンサ(同Cc)を充電させ、該コンデンサの充電電位が所定電位を超えることに応じて出力スイッチをOFFさせると共に、制御対象とする出力スイッチが切り替わる際にコンデンサを放電させている。
これにより、コンデンサに電荷が残った状態で次の出力スイッチについてのフィードバック制御が行われてしまうことの防止が図られる。
従って、出力スイッチのONパルス幅を正確に制御でき、フィードバック制御の正確性向上を図ることができる。
また、第一実施形態の蛍光表示管(同1)は、電子を放出するフィラメント(同Fi)と、フィラメントを駆動する集積回路部(第二IC3)とを備え、集積回路部は、フィラメントに対する駆動電圧の出力制御を行う出力スイッチ(出力トランジスタQ1)と、フィラメントに流れる駆動電流の電流値、又はフィラメントに印加される駆動電圧の電圧値を検出する検出部(検出トランジスタQ2等)と、検出部が検出した電流値又は電圧値に基づき、該電流値又は該電圧値の何れかの2乗値の時間積が一定値となるように出力スイッチのスイッチング動作を制御するフィードバック制御を行う制御部(制御回路30)と、を備えている。
このような第一実施形態の蛍光表示管によっても、上記した第一実施形態の集積回路装置と同様の作用及び効果が得られる。
<2.第二実施形態>
[2-1.第二実施形態の集積回路装置]

続いて、本発明に係る第二実施形態について、図8乃至図10を参照して説明する。
第二実施形態は、駆動電圧Efの最大ON期間の拡大化に係るものである。
なお以下の説明において、既に説明済みとなった部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
先の第一実施形態では、複数のフィラメントFiを分割駆動する場合において、単一のパルス幅制御部31により各出力トランジスタQ1についてのフィードバック制御を時分割で行う例を挙げたが、その場合、出力トランジスタQ1間でON期間を重複させることは許容されない。
このため、各出力トランジスタQ1の最大ON期間(各フィラメントFiの駆動電圧Efの最大ON期間)は、スキャン期間(図4参照)をn等分した期間よりも拡大することができない。
図8は、出力トランジスタQ1の数が10個とされた場合における各出力トランジスタQ1の最大ON期間の例を説明するための図であり、図8Aは、10個全ての出力トランジスタQ1を使用するとした場合における最大ON期間の例を、図8Bは、10個のうち5個の出力トランジスタQ1のみを使用するとした場合における最大ON期間の例を示している。
図8Aの場合、各出力トランジスタQ1の最大ON期間は、スキャン期間の10%(1/10)となり、図8Bの場合、各出力トランジスタQ1の最大ON期間はスキャン期間の20%(1/5)となる。
フィラメントFiをパルス駆動する場合、駆動電圧Efの実効値は次のように表される。

実効値=駆動電圧Efの電源電圧値(入力電圧VINの電圧値)×パルス電圧のONデューティの平方根

例えば、入力電圧VINが5Vであるとして、駆動電圧Efの実効値を2V得たいとした場合、図8Aの例では、駆動電圧Efの実効値は最大でも5V×1/√10=1.58Vであり、目標の2Vを達成できない。
一方、図8Bの例では、駆動電圧Efの実効値は最大で5V×1/√5=2.24Vであり、目標の2Vを達成可能となる。
但し、駆動電圧Efの電源電圧(駆動のための入力電圧)は変動する虞があり、該電源電圧が低下した場合には目標の実効値を達成できない虞がある。目標とする実効値を達成できない場合には、輝度の低下を招来し、表示品質の低下を招来してしまう。
そこで、第二実施形態では、出力トランジスタQ1ごとにフィードバック制御を個別に行うことによる輝度ムラの発生防止(表示品質低下の防止)を図りながら、駆動電圧Efの最大ON期間の拡大化を図ることで、入力電圧変動に対する表示品質のロバスト性向上を図る。
図9は、第二実施形態としての第二IC3Aの内部構成を示した回路図である。
なお第二実施形態において、表示装置100における第二IC3A以外の構成については第一実施形態の場合と同様となるため図示による説明は省略する。
図示のように第二IC3Aにおいては、制御回路30が二つ設けられている。
一方の制御回路30は、駆動電圧Efを出力する順番が奇数番目の出力トランジスタQ1(Q1−1、Q1−3、…、Q1−(n−1))を対象として各出力トランジスタQ1のフィードバック制御を時分割で行い、他方の制御回路30は、駆動電圧Efを出力する順番が偶数番目の出力トランジスタQ1(Q1−2、Q1−4、…、Q1−n)を対象として各出力トランジスタQ1のフィードバック制御を時分割で行う。なお、ここでの「n」は偶数である。
何れの制御回路30においても、フィードバック制御は、制御対象とする出力トランジスタQ1間でON期間が重複しないように行われる。
一方の制御回路30は、検出トランジスタQ2−1、Q2−3、…、Q2−(n−1)からの検出電流をIV変換回路31aに入力可能とされると共に、出力トランジスタQ1−1及び検出トランジスタQ2−1の各ゲート、出力トランジスタQ1−3及び検出トランジスタQ2−3の各ゲート、…、出力トランジスタQ1−(n−1)及び検出トランジスタQ2−(n−1)の各ゲートに制御信号Sg1、Sg3、…、Sg(n−1)をそれぞれ出力する。
他方の制御回路30は、検出トランジスタQ2−2、Q2−4、…、Q2−nからの検出電流をIV変換回路31aに入力可能とされると共に、出力トランジスタQ1−2及び検出トランジスタQ2−2の各ゲート、出力トランジスタQ1−4及び検出トランジスタQ2−4の各ゲート、…、出力トランジスタQ1−n及び検出トランジスタQ2−nの各ゲートに制御信号Sg2、Sg4、…、Sgnをそれぞれ出力する。
上記のように第二IC3Aにおいては、駆動電圧Efを出力する順番が隣接している出力トランジスタQ1ごとに、異なる制御回路30を用いてフィードバック制御を行っている。
これにより、駆動順番が隣接するフィラメントFi間において、駆動電圧のON期間をオーバーラップさせることが可能とされる。
図10は、上記のように制御回路30を二つ設けた場合の効果を説明するための図であり、図10Aは先の図8Aの場合に対応した効果を、図10Bは先の図8Bの場合に対応した効果を説明するための図である。
図8Aに示したように10個全ての出力トランジスタQ1を使用する場合に第二IC3Aの構成を適用することによっては、各出力トランジスタQ1の最大ON期間は、図8Aの場合の2倍である20%(スキャン期間の20%)に拡大可能となる。一方、図8Bのように10個のうち5個の出力トランジスタを使用する場合にあっては、第二IC3Aの構成の適用により、各出力トランジスタQ1の最大ON期間は20%から33%(1/3)に拡大可能となる。
ここで、第二IC3Aにおいても、各出力トランジスタQ1についてのフィードバック制御が個別に行われている。このため、接触抵抗のばらつきに起因した輝度ムラの抑制が図られる。
従って、第二IC3Aによれば、接触抵抗のばらつきに起因した輝度ムラによる表示品質低下の防止を図りながら、最大ONデューティの拡大化により、入力電圧変動(入力電圧VINの変動)に対する表示品質のロバスト性向上を図ることができる。
なお、上記では制御回路30の数を二つとする例を挙げたが、例えば駆動電圧Efの出力順番が奇数番目の出力トランジスタQ1用の制御回路30を二つ、該順番が偶数番目の出力トランジスタQ1用の制御回路30を二つ設ける等、制御回路30の数は任意とすることができる。奇数番目、偶数番目の出力トランジスタQ1用の制御回路30をそれぞれ複数設けることで、駆動電圧Efの出力順番が隣接している出力トランジスタQ1同士のみでなく、該順番が隣接していない出力トランジスタQ1間においても駆動電圧ON期間を重複させることができる。すなわち、各出力トランジスタQ1の最大ON期間のさらなる拡大化を図ることができる。
駆動電圧Efの最大ON期間の拡大化を図るにあたっては、少なくとも、駆動電圧Efの出力順番が隣接している各出力トランジスタQ1のフィードバック制御を、異なる制御回路30が行うようにされていればよい。
また、第二実施形態において、制御回路30によるフィードバック制御は、フィラメントFiの駆動電流又は駆動電圧Efの2乗値の時間積を一定値とする制御に限定されない。例えば、フィラメントFiの駆動電流値、又は駆動電圧Efの電圧値の時間積を一定値とする制御とすることもできる。すなわち、第二実施形態におけるフィードバック制御は、フィラメントFiの駆動電流値、又は駆動電圧Efの電圧値に基づき、出力トランジスタのONデューティを制御するものであればよい。
[2-2.第二実施形態のまとめ]

上記のように第二実施形態の集積回路装置(第二IC3A)は、電子を放出する複数のフィラメント(同Fi)を有した蛍光表示管(同1)におけるフィラメントを駆動する集積回路装置であって、それぞれが異なるフィラメントに対する駆動電圧の出力制御を行う複数の出力スイッチ(出力トランジスタQ1)と、出力スイッチを順次にONさせて異なるフィラメントにパルス状の駆動電圧を順次に印加させる制御部(制御回路30及び制御回路30)と、を備え、制御部は、フィラメントに流れる駆動電流の電流値又はフィラメントに印加される駆動電圧の電圧値に基づき、該フィラメントに接続される出力スイッチのONデューティを制御するフィードバック制御を行うフィードバック回路(制御回路30)を複数有し、該複数のフィードバック回路を用いて各出力スイッチについてのフィードバック制御を個別に行うと共に、駆動電圧を出力する順番が隣接している出力スイッチごとに、異なるフィードバック回路を用いてフィードバック制御を行っている。
これにより、接触抵抗のばらつきに起因した輝度ムラの抑制を図るにあたり、駆動順番が隣接するフィラメント間において、駆動電圧のON期間をオーバーラップさせることが可能とされる。
従って、接触抵抗のばらつきに起因した輝度ムラによる表示品質低下の防止を図りながら、最大ONデューティの拡大化により入力電圧変動に対する表示品質のロバスト性向上を図ることができる。
また、第二実施形態の集積回路装置においては、個々のフィードバック回路が複数の出力スイッチについてのフィードバック制御を時分割により行っている。
これにより、出力スイッチごとに個別にフィードバック制御を行うにあたり、フィードバック回路を制御対象とする出力スイッチと同数設ける必要がなくなる。
従って、制御部の回路構成の簡略化が図られ、部品点数の削減によるコスト削減が図られる。
さらに、第二実施形態の集積回路装置においては、制御部は、複数のフィードバック回路として、駆動電圧を出力する順番が奇数番目となる出力スイッチについてフィードバック制御を行うフィードバック回路と、該順番が偶数番目となる出力スイッチについてフィードバック制御を行うフィードバック回路とを有している。
これにより、駆動電圧の出力順番が隣接している二つの出力スイッチ同士でのみ駆動電圧ON期間をオーバーラップさせる場合において、フィードバック回路の数を最小とすることが可能とされる。
従って、制御部の回路構成の簡略化が図られ、部品点数の削減によるコスト削減が図られる。
さらにまた、第二実施形態の集積回路装置においては、フィードバック回路は、制御対象とする出力スイッチのONデューティを、該出力スイッチに接続されるフィラメントに流れる駆動電流の電流値又は該フィラメントに印加される駆動電圧の電圧値の何れかの2乗値の時間積が一定値となるように制御している。
これにより、フィラメントの駆動電力が一定となるように制御が行われる。
従って、フィラメントの温度を一定に保つことができる。フィラメントの温度が一定に保たれることで、フィラメントの寿命低下の抑制を図ることができる。
また、第二実施形態の集積回路装置においては、フィードバック回路は、2乗値に相当する電流によりコンデンサ(同Cc)を充電させ、該コンデンサの充電電位が所定電位を超えることに応じて出力スイッチをOFFさせている。
これにより、出力スイッチのPWM制御にあたり、三角波発生回路を設ける必要がなくなる。
従って、フィードバック回路の構成を簡易化することができ、部品点数削減によるコスト削減を図ることができる。
さらに、第二実施形態の集積回路装置においては、フィードバック回路は、制御対象とする出力スイッチが切り替わる際にコンデンサを放電させている。
これにより、コンデンサに電荷が残った状態で次の出力スイッチについてのフィードバック制御が行われてしまうことの防止が図られる。
従って、出力スイッチのONパルス幅を正確に制御でき、フィードバック制御の正確性向上を図ることができる。
また、第二実施形態の蛍光表示管(同1)は、電子を放出する複数のフィラメント(同Fi)と、フィラメントを駆動する集積回路部(第二IC3A)とを備え、集積回路部は、それぞれが異なるフィラメントに対する駆動電圧の出力制御を行う複数の出力スイッチ(出力トランジスタQ1)と、出力スイッチを順次にONさせて異なるフィラメントにパルス状の駆動電圧を順次に印加させる制御部(制御回路30及び制御回路30)と、を備え、制御部は、フィラメントに流れる駆動電流の電流値又はフィラメントに印加される駆動電圧の電圧値に基づき、該フィラメントに接続される出力スイッチのONデューティを制御するフィードバック制御を行うフィードバック回路(制御回路30)を複数有し、該複数のフィードバック回路を用いて各出力スイッチについてのフィードバック制御を個別に行うと共に、駆動電圧を出力する順番が隣接している出力スイッチごとに、異なるフィードバック回路を用いてフィードバック制御を行っている。
このような第二実施形態の蛍光表示管によっても、上記した第二実施形態の集積回路装置と同様の作用及び効果が得られる。
<3.第三実施形態>
[3-1.第三実施形態の集積回路装置及び蛍光表示管]

第三実施形態は、フィラメントFiを駆動するための駆動チャンネルごとに複数の駆動電圧出力端子Tfを設けた場合の対策である。
蛍光表示管1が備えるフィラメントFiの本数は、仕様により様々である。フィラメントFiの本数が異なる場合にも共通の駆動回路を使用可能とするため、出力トランジスタQ1の一つにつき、換言すれば、フィラメントFiを駆動するチャンネル(駆動チャンネル)の一つにつき、駆動電圧出力端子Tfを複数設けるということが行われる。
図11は、駆動チャンネルごとに複数の駆動電圧出力端子Tfを設けた第二IC3’の構成例を示した回路図である。
図11では、出力トランジスタの数n=10とされ、駆動チャンネルごとの駆動電圧出力端子Tfの数が2とされた例を示している。
ここで、駆動チャンネルとは、フィラメントFiの駆動電圧Efの出力1ビットに相当するものであり、それぞれが別の制御信号Sgによって駆動電圧Efの出力制御が為される系統を意味する。
例えば、図11に示す構成を採った場合、対応可能なフィラメントFiの本数は、駆動チャンネルごとに片方の駆動電圧出力端子TfのみにフィラメントFiを接続した場合における10本から、駆動チャンネルごとに双方の駆動電圧出力端子TfにフィラメントFiを接続した場合の20本までの任意の本数とすることが可能である。
また、10個の駆動チャンネルのうち任意の駆動チャンネルを不使用とすることも可能である(先に説明した設定レジスタ34に対する割合の設定により)。その場合は、フィラメントFiの本数が9本以下とされる場合にも対応可能となる。
但し、蛍光表示管1が備えるフィラメントFiの本数と駆動チャンネルごとの駆動電圧出力端子Tfの数との関係によっては、駆動チャンネル間で接続されるフィラメントFiの本数に差が生じることがある。
例えば、上記で例示したように駆動チャンネルが10、1チャンネルあたりの駆動電圧出力端子Tfの数が2である場合において、蛍光表示管1が備えるフィラメントFiの本数が偶数本であれば駆動チャンネルごとのフィラメント接続本数は1本又は2本で共通とできるが、奇数本の場合には、一つの駆動チャンネルのみ1本接続、他の駆動チャンネルが全て2本接続となることがある(フィラメント本数が11、13、15等の場合)。
駆動チャンネルごとの駆動電圧出力端子Tfの数をmとすると、フィラメントFiの本数がmで割り切れない本数である場合には、このような駆動チャンネル間におけるフィラメント接続本数の差が生じ得る。
駆動チャンネル間でフィラメント接続本数の差が生じた場合には、それら駆動チャンネル間で接続される負荷に差が生じるため、フィラメントFiの駆動電流にも差が生じてしまう。
図12は、フィラメントFiの接続本数の差に起因して生じる駆動電流の差を例示した図である。
具体的に、図12では任意の駆動チャンネルについて、二つ設けられた駆動電圧出力端子Tfn1、Tfn2の双方にフィラメントFiを接続した場合(図12A)と、駆動電圧出力端子Tfn1にのみフィラメントFiを接続した場合(図12B)のそれぞれについて、フィラメントFiに流れる電流の差を例示している。
ここでは、対象とする駆動チャンネルにおける検出トランジスタQ2−nと出力トランジスタQ1−n間の電流比が図示のように1:1000である場合を例示する。
なお、電流比は、出力トランジスタQ1や検出トランジスタQ2がMOSFETとされる場合には、ゲート長やゲート幅により変更可能なものである。検出トランジスタQ2−nについては、検出電流としてフィードバック制御が可能な程度の電流が流れればよいため、出力トランジスタQ1−nと比較して電流比の値が大幅に小さくされている。
図12A、図12Bの双方において、出力トランジスタQ1−nのソース−ドレイン間に流れる電流は「Io」、検出トランジスタQ2に流れる電流(検出電流)は「Id」、駆動電圧出力端子Tfn1、Tfn2に流れる電流はそれぞれ「Io1」「Io2」と表記する。
この場合、各フィラメントFiの駆動電流値は10mAであると仮定する。
これによると、図12Aのように駆動電圧出力端子Tfn1、Tfn2の双方にフィラメントFiが接続された場合において、電流Io1、Io2の電流値はそれぞれ10mAであると表記でき、また、電流Ioの電流値は20mAと表記することができる。この場合、検出電流Idの電流値は、20mA×(1/1000)=0.02mAと表記することができる。
一方、図12Bの場合は、図12Aの場合に対し駆動電圧出力端子Tfn2が非接続とされて電流Io2が流れなくなる(電流Io2=0mA)ため、電流Ioの電流値については10mAと表すことができる(電流Io1はこの場合も10mA)。そしてこの場合、検出電流Idについては、電流Ioが10mAであることから、10mA×(1/1000)=0.01mAと表記することができる。
上記の図12Aと図12Bの対比より、フィラメントFiの接続本数が異なると、制御回路30への検出電流Idの電流値に差が生じることが分かる。このように検出電流Idの差が生じると、フィードバック制御により、フィラメントFiの駆動パルスの幅に差が生じることになる。すなわち、フィラメントFiの駆動電流の実効値に差が生じるものである。具体的に、図12Aと図12Bの関係においては、検出電流Idの電流値が下がる図12Bの方が、図12Aの場合よりも駆動パルス幅が長くなるように制御が行われることになり、駆動電流の実効値が図12Aの方が低く、図12Bの方が高くなってしまう。
このようなフィラメント接続本数の差に起因した駆動電流の差が駆動チャンネル間で生じると、輝度ムラの発生を助長し、表示品質の低下を招来してしまう。
図13は、第三実施形態としての第二IC3Bの内部構成を示した回路図である。
なお、表示装置100における第二IC3B以外の構成については第一実施形態の場合と同様となるため図示による説明は省略する。
図13では、駆動チャンネルの数が10とされ、また駆動チャンネルごとの駆動電圧出力端子Tfの数が二つとされた場合を例示している。つまり、駆動電圧出力端子Tfとしては、1番目の駆動チャンネル〜10番目の駆動チャンネルに対応した駆動電圧出力端子Tf1〜Tf10がそれぞれ二つ設けられている。ここで、駆動電圧出力端子Tf1〜Tf10については、駆動チャンネルごとに末尾に「1」「2」を付して区別している。
また、図13では、フィラメントFiの本数が19本とされた場合を例示している。この場合、表示装置100には、19本のフィラメントFiに対応してフィラメント端子f1a〜f19aが設けられており、10番目の駆動チャンネルのみ、片側の駆動電圧出力端子Tf101のみがフィラメント端子f19aと接続され、他の駆動チャンネルでは、符号末尾が「1」「2」それぞれの駆動電圧出力端子Tfに対し、フィラメント端子f1a〜f18aのうち対応する一つのフィラメント端子fが接続されている。
第二IC3Bにおいては、駆動チャンネルごとに複数の出力トランジスタQ1が設けられている。具体的に、各駆動チャンネルには、駆動電圧Efの電圧源(ここでは入力端子Tviが該当)に対し各々が並列の関係に接続された複数の出力トランジスタQ1が設けられている。本例では、駆動チャンネルごとの出力トランジスタQ1の数は2とされ、図中では、それぞれ出力トランジスタ「Q1a」「Q1b」のように符号中に「a」「b」を付して各出力トランジスタQ1を区別している。
駆動チャンネルごとの出力トランジスタQ1a、Q1bについては、符号末尾にハイフンと共に数値を昇順に振って区別している(本例では「−1」〜「−10」)。
各駆動チャンネルにおいて、出力トランジスタQ1aと出力トランジスタQ1bは、それぞれソースが入力端子Tviに接続されている。また各駆動チャンネルにおいて、出力トランジスタQ1aのドレインは、対応する駆動チャンネルに設けられた符号末尾が「1」の駆動電圧出力端子Tfに接続され、出力トランジスタQ1bのドレインは、対応する駆動チャンネルに設けられた符号末尾が「2」の駆動電圧出力端子Tfに接続されている。
各駆動チャンネルにおける検出トランジスタQ2は、入力端子Tviに対し、同一の駆動チャンネルにおける出力トランジスタQ1a、Q1bと並列の関係に接続されている。
この場合、制御回路30は、1番目から10番目の各駆動チャンネルに対応した制御信号Sg1〜Sg10をそれぞれ出力するが、各駆動チャンネルにおいては、対応する制御信号Sgが出力トランジスタQ1a、Q1b、及び検出トランジスタQ2の各ゲートに共通に供給される。
本例では、各駆動チャンネルにおける出力トランジスタQ1a、Q1b間の電流比は「1:1」とされている。また、各駆動チャンネルにおいて、検出トランジスタQ2と各出力トランジスタQ1間の電流比(Q2:Q1a又はQ1b)は「1:500」とされている。
図14は、第三実施形態としての第二IC3Bによる作用の説明図であり、任意の駆動チャンネルについて、駆動電圧出力端子Tfn1、Tfn2の双方にフィラメントFiを接続した場合(図14A)と、駆動電圧出力端子Tfn1にのみフィラメントFiを接続した場合(図14B)のそれぞれについて、フィラメントFiに流れる電流の差を例示している。
なお、先の説明から理解されるように、本例では、検出トランジスタQ2−nと出力トランジスタQ1a−n、Q1b−nの電流比(Q2−n:Q1a−n:Q1b−n)は「1:500:500」と表記できる。
図14A、図14Bでは、出力トランジスタQ1a−n、Q1b−nに流れる電流をそれぞれ「Ioa」「Iob」と表記する。
この場合も、各フィラメントFiの駆動電流値は10mAであると仮定する。
これによると、図14Aのように駆動電圧出力端子Tfn1、Tfn2の双方にフィラメントFiが接続された場合において、電流Io1、Io2の電流値はそれぞれ10mAであると表記でき、また、電流Ioa、Iobとしても、それぞれ電流値は10mAと表記することができる。そして、検出電流Idの電流値は、10mA×(1/500)=0.02mAと表記することができる。
一方、図14Bの場合、電流Io1及び電流Ioaの電流値については共に10mAと表すことができる。そして、電流Ioaが10mAであることから、検出電流Idの電流値は10mA×(1/500)=0.02mAと表記することができる。
このように、第二IC3Bによれば、駆動チャンネルに対するフィラメントFiの接続本数によらず、検出電流Idの電流値は一定とすることができる。このため、先の図12の場合のようにフィラメントFiの接続本数の差に起因してフィラメントFiの駆動パルス幅に差が生じることがなく、フィラメントFiの駆動電流の実効値に差が生じないようにすることができる。
上記のように第三実施形態の第二IC3Bによれば、駆動チャンネルごとに駆動電圧出力端子Tfを複数設ける場合において、駆動チャンネル間でフィラメントFiの接続本数が異なっても(つまり駆動電圧出力端子Tfの使用数が異なっても)、フィラメントFiの駆動電流の実効値に差が生じないようにすることが可能とされる。
従って、駆動チャンネル間での駆動電圧出力端子Tfの使用数の差に起因した輝度ムラの発生防止が図られ、該輝度ムラによる表示品質低下の防止を図ることができる。
なお、上記では、駆動チャンネルごとに駆動電圧出力端子Tfを二つ設ける場合を例示したが、駆動チャンネルごとに設ける駆動電圧出力端子Tfの数は3以上とすることもできる。駆動電圧出力端子Tfの数が3以上とされる場合も、各駆動チャンネルでは、駆動電圧出力端子Tfと同数の出力トランジスタQ1を設け、それらの出力トランジスタQ1を駆動電圧Efの電圧源に対して検出トランジスタQ2と並列の関係に接続する。
この場合においても、駆動電圧出力端子Tfの使用数によらず、制御回路30に検出入力される電流値を一定とできることに変わりはない。すなわち、フィードバック制御により、駆動電圧出力端子Tfの使用数の差によってフィラメントFiの駆動電流実効値に差が生じてしまうことの防止が図られる。
また、上記では、各出力トランジスタQ1間の電流比を「1:1」とする例を挙げたが、本実施形態では、このような電流比の設定により、各フィラメントFiの駆動電流値に差が生じないように図っている。
つまり、このような電流比の設定によって、駆動チャンネルに接続された各フィラメントFi間での輝度ムラ発生防止が図られている。
なお、該輝度ムラ発生防止を図るにあたり、各出力トランジスタQ1間の電流比は厳密に「1:1」であることは必須ではなく、略「1:1」であればよい。
なお、第三実施形態において、制御回路30によるフィードバック制御は、フィラメントFiの駆動電流の2乗値の時間積を一定値とする制御に限定されない。例えば、フィラメントFiの駆動電流値の時間積を一定値とする制御とすることもできる。すなわち、第三実施形態におけるフィードバック制御は、検出トランジスタQ2を介して入力される電流の値に基づき、出力トランジスタのONデューティを調整する制御とされればよい。
ここで、駆動チャンネルにおいて、駆動電圧出力端子Tfの使用数を複数とする場合には、図15に示すように、それら複数の駆動電圧出力端子Tfが、共通の配線Wを介して複数のフィラメントFiに接続された構成を採ることができる。
図15では、先の図13と同様に10番目の駆動チャンネルのみがフィラメントFiを1本接続、他の駆動チャンネルがフィラメントFiを2本接続する場合の例を示している。この場合、フィラメントFiを2本接続する駆動チャンネルでは、各駆動電圧出力端子Tfをそれぞれボンディングワイヤー等を介して共通の配線W(例えばアルミプリント配線)に接続し、該共通の配線Wに対し、対象とするフィラメントFiが接続される各フィラメント端子fを接続する。例えば、1番目の駆動チャンネルを例に挙げると、駆動電圧出力端子Tf11、Tf12を共通の配線W1に接続し、配線W1に対し、フィラメント端子f1a、f2aを接続する。
このように、駆動電圧出力端子Tfの使用数が複数とされた駆動チャンネルにおいて、複数の駆動電圧出力端子Tfが共通の配線Wを介して複数のフィラメントFiに接続された構成とすることで、同一の駆動チャンネル内において、複数の駆動電圧出力端子Tf間でフィラメントFiとの間の接触抵抗が異なってしまうことの防止が図られる。
従って、同一の駆動チャンネルに接続された複数のフィラメントFi間で接触抵抗の差に起因した輝度ムラが発生することの防止が図られ、表示品質の低下防止を図ることができる。
[3-2.第三実施形態のまとめ]

上記のように第三実施形態の集積回路装置(第二IC3B)は、電子を放出する複数のフィラメント(同Fi)を有した蛍光表示管(同1)におけるフィラメントを駆動する集積回路装置であって、フィラメントを駆動する駆動チャンネルとして、それぞれが個別の制御信号(同Sg)に基づきフィラメントの駆動電圧を出力する複数の駆動チャンネルを備え、駆動電圧の出力制御を行う出力トランジスタであって、駆動電圧の電圧源に対し各々が並列の関係に接続された複数の出力トランジスタ(同Q1a、Q1b)と、出力トランジスタごとに個別に接続された駆動電圧出力端子(同Tf11、Tf12、Tf21、Tf22、…、Tf101、Tf102)と、電圧源に対し複数の出力トランジスタと並列の関係に接続されたトランジスタである検出トランジスタ(同Q2)と、を駆動チャンネルごとに有すると共に、駆動チャンネルごとに、検出トランジスタを介して入力される電流の値に基づき、駆動電圧出力端子に接続されたフィラメントに流れる電流について出力トランジスタのONデューティを調整することによるフィードバック制御を行う制御部(制御回路30)を備えている。
上記集積回路装置においては、駆動チャンネルごとに検出電流に基づくフィードバック制御が個別に行われるため、駆動電圧出力端子とフィラメントとの間の接触抵抗に駆動チャンネル間でばらつきが生じる場合にも、各フィラメントの駆動電流に差が生じないようにすることが可能とされる。
従って、該接触抵抗のばらつきに起因した輝度ムラの抑制を図ることができ、表示品質低下の防止を図ることができる。
また、上記のように検出トランジスタに対し複数の出力トランジスタが並列接続された構成とすることで、各駆動チャンネルにおいては、駆動電圧出力端子の使用数によらず、制御部に検出入力される電流値が一定とされる。このため、駆動電圧出力端子の使用数が変化しても、フィラメントに流れる電流に差が生じないようにすることが可能とされる。
従って、駆動チャンネル間での駆動電圧出力端子の使用数の差に起因した輝度ムラの発生防止が図られ、該輝度ムラによる表示品質低下の防止を図ることができる。
このように第三実施形態の集積回路装置によれば、フィラメント間で駆動電流がばらつくことに起因して生じる輝度ムラによる表示品質低下の防止を図ることができる。
また、第三実施形態の集積回路装置によると、駆動電圧出力端子の使用数の差に起因してフィラメントの駆動電流に差が生じないようにするにあたり、駆動電圧出力端子の使用数に応じてフィードバック制御の手法を切り替える必要がなくなるため、回路構成の簡易化が図られ、部品点数削減によるコスト削減を図ることができる。
また、第三実施形態の集積回路装置においては、制御部は、検出トランジスタを介して入力される電流の2乗値の時間積が一定となるように前記フィードバック制御を行っている。
これにより、フィラメントの駆動電力が一定となるように制御が行われる。
従って、フィラメントの温度を一定に保つことができる。フィラメントの温度が一定に保たれることで、フィラメントの寿命低下の抑制を図ることができる。
さらに、第三実施形態の集積回路装置においては、駆動チャンネルにおいて、各出力トランジスタ間の電流比が略1:1とされている。
これにより、駆動チャンネルに接続される各フィラメントの駆動電流値に差が生じないように図られる。
従って、駆動チャンネルに接続された各フィラメント間での輝度ムラ発生防止を図ることができる。
さらにまた、第三実施形態の集積回路装置においては、制御部は、検出トランジスタを介して入力される電流の値に基づきフィードバック制御を行うフィードバック回路(パルス幅制御部31)を有し、単一のフィードバック回路が複数の駆動チャンネルについてのフィードバック制御を時分割により行っている。
これにより、接触抵抗のばらつきに起因した輝度ムラの発生防止を図るにあたり、出力トランジスタごとにフィードバック回路を設ける必要性をなくすことが可能とされる。
すなわち、接触抵抗のばらつきに起因した輝度ムラの抑制を図るにあたっての回路構成を簡略化でき、部品点数削減によるコスト削減を図ることができる。
また、第三実施形態の蛍光表示管は、電子を放出するフィラメント(同Fi)と、フィラメントを駆動する集積回路部(第二IC3B)と、を備え、集積回路部は、フィラメントを駆動する駆動チャンネルとして、それぞれが個別の制御信号に基づきフィラメントの駆動電圧を出力する複数の駆動チャンネルを有し、駆動電圧の出力制御を行う出力トランジスタであって、駆動電圧の電圧源に対し各々が並列の関係に接続された複数の出力トランジスタ(同Q1)と、出力トランジスタごとに個別に接続された駆動電圧出力端子(同Tf11、Tf12、Tf21、Tf22、…、Tf101、Tf102)と、電圧源に対し複数の出力トランジスタと並列の関係に接続されたトランジスタである検出トランジスタ(同Q2)と、を駆動チャンネルごとに有すると共に、駆動チャンネルごとに、検出トランジスタを介して入力される電流の値に基づき、駆動電圧出力端子に接続されたフィラメントに流れる電流について出力トランジスタのONデューティを調整することによるフィードバック制御を行う制御部(制御回路30)を有している。
このような第三実施形態の蛍光表示管によっても、上記した第三実施形態の集積回路装置と同様の作用及び効果が得られる。
また、第三実施形態の蛍光表示管においては、駆動チャンネルにおける複数の駆動電圧出力端子が、共通の配線(同W)を介して複数のフィラメントに接続されている。
これにより、同一の駆動チャンネル内において、複数の駆動電圧出力端子間でフィラメントとの間の接触抵抗が異なってしまうことの防止が図られる。
従って、同一の駆動チャンネルに接続された複数のフィラメント間で接触抵抗の差に起因した輝度ムラが発生することの防止が図られ、表示品質の低下防止を図ることができる。
<4.変形例>

以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれまでで説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えば、上記では、フィラメントFiから放出される電子を加速させるためのグリッドGrを有する蛍光表示管に対して本発明が適用される場合を例示したが、本発明は、グリッドGrが省略されたいわゆる2極管構造が採られた蛍光表示管にも好適に適用することができる。
また、本発明は、CIG−VFD以外のVFDにも好適に適用することができる。
1 蛍光表示管、Fi フィラメント、3、3A、3B 第二IC、f1a〜fna、f1b〜fnb フィラメント端子、Tf(T1〜Tfn、Tf11〜Tf102) 駆動電圧出力端子、Tvi 入力端子、100 表示装置、Q1(Q1−1〜Q1−n、Q1a−1〜Q1a−10、Q1b−1〜Q1b−10) 出力トランジスタ、Q2(Q2−1〜Q2−n、Q2−1〜Q2−10) 検出トランジスタ、30 制御回路、31 パルス幅制御部、31a IV変換回路、31b 2乗アンプ、31c VI変換回路、31d 判定回路、Cc コンデンサ、SWr リセットスイッチ、32 タイミング生成回路

Claims (6)

  1. 電子を放出する複数のフィラメントを有した蛍光表示管における前記フィラメントを駆動する集積回路装置であって、
    前記フィラメントを駆動する駆動チャンネルとして、それぞれが個別の制御信号に基づき前記フィラメントの駆動電圧を出力する複数の駆動チャンネルを備え、
    前記駆動電圧の出力制御を行う出力トランジスタであって、前記駆動電圧の電圧源に対し各々が並列の関係に接続された複数の出力トランジスタと、
    前記出力トランジスタごとに個別に接続された駆動電圧出力端子と、
    前記電圧源に対し前記複数の出力トランジスタと並列の関係に接続されたトランジスタである検出トランジスタと、を前記駆動チャンネルごとに有すると共に、
    前記駆動チャンネルごとに、前記検出トランジスタを介して入力される電流の値に基づき、前記駆動電圧出力端子に接続された前記フィラメントに流れる電流について前記出力トランジスタのONデューティを調整することによるフィードバック制御を行う制御部を備えた
    集積回路装置。
  2. 前記制御部は、
    前記検出トランジスタを介して入力される電流の2乗値の時間積が一定となるように前記フィードバック制御を行う
    請求項1に記載の集積回路装置。
  3. 前記駆動チャンネルにおいて、
    各前記出力トランジスタ間の電流比が略1:1とされている
    請求項1又は請求項2に記載の集積回路装置。
  4. 前記制御部は、
    前記検出トランジスタを介して入力される電流の値に基づき前記フィードバック制御を行うフィードバック回路を有し、
    単一の前記フィードバック回路が複数の前記駆動チャンネルについての前記フィードバック制御を時分割により行う
    請求項1乃至請求項3の何れかに記載の集積回路装置。
  5. 電子を放出するフィラメントと、
    前記フィラメントを駆動する集積回路部と、を備え、
    前記集積回路部は、
    前記フィラメントを駆動する駆動チャンネルとして、それぞれが個別の制御信号に基づき前記フィラメントの駆動電圧を出力する複数の駆動チャンネルを有し、
    前記駆動電圧の出力制御を行う出力トランジスタであって、前記駆動電圧の電圧源に対し各々が並列の関係に接続された複数の出力トランジスタと、
    前記出力トランジスタごとに個別に接続された駆動電圧出力端子と、
    前記電圧源に対し前記複数の出力トランジスタと並列の関係に接続されたトランジスタである検出トランジスタと、を前記駆動チャンネルごとに有すると共に、
    前記駆動チャンネルごとに、前記検出トランジスタを介して入力される電流の値に基づき、前記駆動電圧出力端子に接続された前記フィラメントに流れる電流について前記出力トランジスタのONデューティを調整することによるフィードバック制御を行う制御部を有する
    蛍光表示管。
  6. 前記駆動チャンネルにおける複数の前記駆動電圧出力端子が、同一の配線を介して複数の前記フィラメントに接続されている
    請求項5に記載の蛍光表示管。
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