JP6679546B2 - 地域安全度評価装置および地域安全度評価方法 - Google Patents

地域安全度評価装置および地域安全度評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の区画からなる地域の安全度を算出する装置および方法に関するものである。
近年、住宅や宅地の購入者にとって当該住宅や宅地はもとより、それをとりまく地域の防犯レベルの高さが選定基準のひとつとなっており、分譲計画を行う側の者にとっても防犯レベルを客観的に評価して購入者に提供可能とすることが望まれている。
これに関連して、特許文献1には、建物の防犯レベルの指標のひとつとされる自然監視性を算出する防犯施設支援装置が提案されている。
特開2011−210006号公報
しかしながら、従来技術では、未だ建物が無い、或いは建物の設計が決まっていない分譲予定地域の評価が困難であった。また、従来技術では、複数の区画からなる分譲予定地域の評価方法が提供されていなかった。
本発明は、分譲予定地のように建物の情報が無く、複数の区画からなる地域の安全度を評価可能な地域安全度評価装置及び地域安全度評価方法を提供することを目的とする。
本発明に係る地域安全度評価装置は、複数の区画からなる任意の地域の安全度を算出する地域安全度評価装置であって、地域に含まれる区画それぞれについて、周囲長と、周囲長のうち公共空間に接している区間の長さである公接長とを取得する区画情報取得部と、地域に含まれる区画それぞれについて、周囲長に対する公接長の比率に応じた高さの区画安全度を算出する区画安全度算出部と、区画安全度の総和に基づいて地域の地域安全度を算出する地域安全度算出部と、を備える。これにより、地域安全度評価装置は、分譲予定地のように建物の情報が無く、複数の区画からなる地域の安全度を評価できる。
また、本発明に係る地域安全度評価装置において、区画情報取得部は、さらに区画における機械警備の導入計画の有無情報を取得し、区画安全度算出部は、区画のうちの導入計画が有るとの情報が取得された区画の区画安全度を高く補正することが好ましい。これにより、地域安全度評価装置は、機械警備の導入計画の有無を区画安全度に反映させることができる。
また、本発明に係る地域安全度評価装置において、公共空間が区画の衆人環視に寄与する度合いを表した寄与度を取得する公共空間情報取得部をさらに備え、区画安全度算出部は、寄与度に基づいて区画の区画安全度を補正することが好ましい。これにより、地域安全度評価装置は、区画安全度の算出において、衆人環視への寄与をより適切に反映できる。
また、本発明に係る地域安全度評価装置において、区画情報取得部は、さらに区画の高さと区画に隣接する公共空間の高さとの差を取得し、公共空間情報取得部は、高さの差に基づいて寄与度を補正することが好ましい。これにより、地域安全度評価装置は、区画が道路等より高いことによって道路等から区画内を十分視認できない区画について、より適切に区画安全度を算出できる。
また、本発明に係る地域安全度評価装置において、公共空間情報取得部は、さらに公共空間である道路に歩道橋が設置されているか否かに関する設置情報を取得し、歩道橋が設置されている公共空間の寄与度を高く補正することが好ましい。これにより、地域安全度評価装置は、歩道橋の通行人が道路より高い位置から区画を視認でき、衆人環視に寄与することを、道路の寄与度に適切に反映できる。
本発明に係る地域安全度評価方法は、複数の区画からなる任意の地域の安全度を算出する地域安全度評価方法であって、地域に含まれる区画それぞれについて、周囲長と、周囲長のうち公共空間に接している区間の長さである公接長とを取得し、地域に含まれる区画それぞれについて、周囲長に対する公接長の比率に応じた高さの区画安全度を算出し、区画安全度の総和に基づいて地域の地域安全度を算出する。これにより、地域安全度評価方法は、分譲予定地のように建物の情報が無く、複数の区画からなる地域の安全度を評価できる。
本発明によれば、分譲予定地のように建物の情報が無く、複数の区画からなる地域の安全度を評価できる。
(a)は評価対象である分譲予定地を示す平面図であり、(b)は(a)の分譲予定地を示す斜視図である。 地域安全度評価装置6の概略構成の一例を示す図である。 記憶部64が記憶する区画テーブルの一例を示す図である。 記憶部64が記憶する公接長テーブルの一例を示す図である。 記憶部64が記憶する公共空間テーブルの一例を示す図である。 GUI処理部650が表示部63に表示する画面の一例を示す図である。 処理部65が地域安全度を算出する処理の一例を示すフローチャートである。 (a)は公共空間形状データの一例を示す図であり、(b)は標高データの一例を示す図であり、(c)は区画図形データの一例を示す図である。 GISデータ取得部655を使用して公共空間テーブルを作成する手順を示す概念図である。 GISデータ取得部655を使用して区画テーブルを作成する手順を示す概念図である。 GISデータ取得部655を使用して公接長テーブルを作成する手順を示す概念図である。 GISデータ取得部655を使用して公接長テーブルに高さを入力する手順を示す概念図である。 (a)は区画安全度を算出する区画及びその周辺を示す平面図であり、(b)は(a)に示す施設・構造物を含む施設・構造物形状データの一例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
<第1実施形態>
図1(a)は本実施形態の区画安全度評価装置による評価対象である分譲予定地を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)の分譲予定地を示す斜視図である。
図1(a)に示す様に、評価対象である分譲予定地は、個人宅として分譲が予定されている区画1〜4の4つの区画と、公共空間である1本の道路(道路11)及び1つの公園(公園12)とを含む。公共空間とは不特定の人が利用する空間であり、数区画の住人のみが使用する私道は公共空間に含まれない。分譲予定地の東側と南側には隣接する他の分譲予定地(斜線部)が存在する。図1(b)に示す様に、区画1〜4及び公園12は、道路11より高さhだけ高く造成されている。
図1(a)において、分譲予定地には地域を一意に識別する地域ID「A1」が付与されている。区画1〜4には区画を一意に識別する区画ID「B1」〜「B4」が、道路11及び公園12には公共空間を一意に識別する公共空間ID「P1」及び「P2」がそれぞれ付与されている。Aは道路11の道路幅を示す。a〜dは区画1〜4がその北側で道路11に接する部分の長さを示す。eは区画4の南北方向の長さを示し、fは区画3の南北方向に延びる辺のうち、隣接する他の分譲予定地に接する辺の長さを示す。c+dは区画3の東西方向に延びる辺のうち、隣接する他の分譲予定地に接する辺の長さと等しく、e+fは区画1の南北方向に延びる辺の長さと等しい。
本実施形態において地域の安全度を評価するために、寄与度、周囲長、公接長、区画安全度、地域安全度、環境評価値、及び地域評価値という用語を定義する。
寄与度とは、互いに異なる複数の公共空間のそれぞれが区画の衆人環視に寄与する度合いを示す。すなわち、公共空間の寄与度は、その公共空間があることにより周囲の目が分譲予定地域の区画に注がれて、公共空間が防犯に寄与する度合いを示す。寄与度は0以上1以下の値をとり、値が大きいほど公共空間が防犯に寄与する度合いが大きいことを示す。
周囲長とは、ある区画の周囲の長さを示す。図1の区画1の例では、東西方向の2辺の長さの和がa+a=2a、南北方向の2辺の長さの和が(e+f)+(e+f)=2(e+f)なので、周囲長は2a+2(e+f)である。
公接長とは、ある区画の周囲が公共空間に接している長さを示す。図1の区画1の例では、区画1は道路11と東西方向に長さa、南北方向に長さ(e+f)で接するため、区画1の道路11に対する公接長はa+e+fである。
区画安全度とは、ある区画の安全度を示す指標である。周囲長に対する公接長の比率が高いほど区画安全度が高いこと、すなわちその区画の安全度が高いことを示す。
地域安全度とは、地域の安全度を示す指標である。地域安全度は、その地域に存在する区画の区画安全度の総和に基づく値であり、値が大きいほどその地域の安全度が高いことを示す。
環境評価値とは、地域の防犯環境についての指標である。環境評価値は、その地域における街灯の設置状況、その地域におけるごみ集積所の管理状況など、複数の防犯環境項目についての評価結果をポイント化した値である。
地域評価値とは、地域安全度及び環境評価値に基づく、地域評価の総合的な指標である。
図2は、地域安全度評価装置6の概略構成の一例を示す図である。
地域安全度評価装置6は、例えばパーソナルコンピュータであり、所定のアプリケーションプログラムの実行等が可能である。地域安全度評価装置6は、複数の区画からなる任意の地域の安全度を算出できる。そのために、地域安全度評価装置6は、通信部61、操作・入力部62、表示部63、記憶部64、処理部65等を備える。
通信部61は、イーサネット(登録商標)などの通信インターフェース回路を有する。通信部61は、図示しない通信ネットワークを介して、他のコンピュータ等と通信を行う。そして、通信部61は、通信ネットワークを介して受信したデータを処理部65に供給する。また、通信部61は、処理部65から供給されたデータを通信ネットワークを介して送信する。
操作・入力部62は、地域安全度評価装置6の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド等である。ユーザは、このデバイスを用いて、文字、数字等を入力したり、メニューを選択したりすることが可能である。操作・入力部62は、ユーザの指示を受け付け、受け付けた指示に対応する信号を発生し、処理部65に出力する。
表示部63は、静止画像等の出力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の表示装置、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等である。表示部63は、処理部65から供給されるデータに応じた静止画像データに応じた静止画像等を表示する。例えば、表示部63は、処理部65から入力される地域安全度及びGUI(Graphical User Interface)を表示して、評価者による評価の際に使用される。
記憶部64は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置及び光ディスク装置のうちの少なくとも一つを有する。記憶部64は、処理部65による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。
例えば、記憶部64は、ドライバプログラムとして、通信部61を制御する通信デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、記憶部64は、オペレーティングシステムプログラムとして、ドライバプログラムやアプリケーションプログラムに応じて処理部65等を制御する制御プログラム等を記憶する。また、記憶部64は、アプリケーションプログラムとして、各種データの入出力や送受信を行うデータ処理プログラム等を記憶する。これらのコンピュータプログラムは、例えばCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部64にインストールされてもよい。
例えば、記憶部64は、区画テーブル、公接長テーブル、公共空間テーブル等を記憶する。これらのテーブルの詳細は、図3〜図5により説明される。
図3は、記憶部64が記憶する区画テーブルの一例を示す図である。
区画テーブルは、各区画の属性を記憶するテーブルである。図3に示す様に、区画テーブルには、地域ID、区画ID、区画名、周囲長、機械警備システム導入フラグ等が関連付けて記憶される。区画名は区画に付した名称であり、図1の分譲予定地の例では「区画1」〜「区画4」に対応する。
機械警備システム導入フラグは、その区画に機械警備システムが導入される予定か否かを示すフラグであり、1は導入予定があり、0は導入予定がないことを示す。機械警備システムとは、例えば、区画内にセンサなどの機械を設置し、建造物侵入や火災等の異常をセンサが検知すると遠隔地のコントロールセンターへ通知し、コントロールセンターが警備員を当該区画へ急行させることを可能とするためのシステムである。
図4は、記憶部64が記憶する公接長テーブルの一例を示す図である。
公接長テーブルは、各区画の公接長を記憶するテーブルである。図4に示す様に、公接長テーブルには、区画ID、公共空間ID、公接長等が関連付けて記憶される。
公接長テーブルには、さらに区画の高さと、区画に隣接する公共空間の高さとの差が記憶されてもよい。例えば、図4に示す公接長テーブルの1番目のレコードの例は、区画IDが「B1」の区画(区画1)は、公共空間IDが「P1」の公共空間(道路11)より1m高いことを示す(高さh=1m)。2番目のレコードの例は、区画IDが「B1」の区画(区画1)と、公共空間IDが「P2」の公共空間(公園12)の高さは等しいことを示す(高さh=0m)。
区画テーブル及び公接長テーブルにおいて、周囲長、公接長及び高さの単位は等しいことが好ましい。単位は、分譲予定地における実際の長さであってもよいし、紙の又は電子的な図面に記載した際の図面上の長さであってもよい。単位は、絶対値であっても、相対値であってもよい。
図5は、記憶部64が記憶する公共空間テーブルの一例を示す図である。
公共空間テーブルは、寄与度を公共空間毎に記憶するテーブルである。公共空間テーブルには、公共空間ID、公共空間名、寄与度等が関連付けて記載される。公共空間名とは、公共空間を人間が識別しやすいように付された名称であり、図1の道路11、公園12等は公共空間名の例である。
例えば、図5に示す公共空間テーブルの1番目のレコードの例は、公共空間IDが「P1」に対応するデータの公共空間名は「道路11」、寄与度は「w1」であることを示す。
区画情報テーブルと公共空間テーブルとは、例えばリレーショナルデータベースによって関連付けられて記憶部64に記憶されてもよい。
図2に戻って、処理部65は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部65は、地域安全度評価装置6の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MCU(Micro Control Unit)等の演算装置で構成される。処理部65は、地域安全度評価装置6の各種処理が、記憶部64に記憶されているプログラム、操作・入力部62の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、通信部61、表示部63等の動作を制御する。
処理部65は、記憶部64に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)を読み出して処理を実行することにより、各種処理手段・制御手段として動作する。処理部65は、必要に応じて各種データを記憶部64から読み出し、また、生成したデータを記憶部64に記憶させる。処理部65は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することが可能である。
処理部65は、GUI処理部650、区画情報取得部651、公共空間情報取得部652、区画安全度算出部653、地域安全度算出部654、GISデータ取得部655等を有する。処理部65が有するこれらの各部は、処理部65が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、処理部65が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとして地域安全度評価装置6に実装されてもよい。
(GUI処理部)
GUI処理部650は、区画情報取得部651、公共空間情報取得部652、区画安全度算出部653、地域安全度算出部654等から出力されるデータを表示部63に表示する。また、GUI処理部650は、区画情報取得部651、公共空間情報取得部652、区画安全度算出部653、地域安全度算出部654等にデータを入力するための画面を表示部63に表示し、操作・入力部62から入力されるデータを各部に供給する。
図6は、GUI処理部650が表示部63に表示する画面の一例である。区画情報取得部651等がこの画面を使用して行う動作は後述する。
(区画情報取得部)
区画情報取得部651は、地域に含まれる区画それぞれについて、周囲長、周囲長のうち公共空間に接している区間の長さである公接長等を取得して、記憶部64に記憶する。区画情報取得部651は、さらに区画それぞれにおける機械警備の導入計画の有無情報を取得して、記憶部64に記憶してもよい。
区画情報取得部651は、ある地域(図6の例では「地域1」)の区画に関するレコードを、図3に示す区画テーブルに作成する。区画情報取得部651は、図6に示す区画名欄、周囲長欄、機械警備導入計画欄に入力される値を、図3に示す区画テーブルの上記レコードの区画名欄、周囲長欄、機械警備システム導入フラグ欄にそれぞれ入力する。なお、区画情報取得部651は、図6に示す機械警備導入計画欄で「あり」が選択されると上記レコードの機械警備システム導入フラグ欄に「1」を入力し、「なし」が選択されると「0」を入力する。区画情報取得部651は、入力された区画名(例えば「区画1」)を一意に識別可能な区画IDの値を決定し、決定した値を区画テーブルの上記レコードの区画ID欄に入力する。
また、区画情報取得部651は、ある区画(図6の例では「区画1」等)とその区画に隣接する公共空間(図6の例では区画1に隣接する「道路11」)とに関するレコードを、公接長テーブルに作成する。区画情報取得部651は、公接長欄のうち左欄(図6では「道路11」と記載されている欄)で選択される公共空間名に対応する公共空間IDの値を公共空間テーブルから取得し、公接長テーブルの上記レコードの公共空間ID欄に入力する。区画情報取得部651は、図6に示す公接長欄のうち右欄(空欄)に入力される値を、公接長テーブルの上記レコードの公接長欄に入力する。
図6には表示されていないが、GUI処理部650は、区画の高さと、その区画に隣接する公共空間の高さとの差を入力するための表示を表示部63に行ってもよい。区画情報取得部651は、これに対応して操作・入力部62から入力された区画の高さと公共空間の高さとの差を取得し、公接長テーブルの該当するレコードの高さ欄に入力してもよい。
また、区画情報取得部651及びGUI処理部650は、図6のように区画名を表示及び入力することに代えて、区画IDを表示及び入力可能としてもよい。この場合、区画テーブルは区画名を記憶しなくてもよい。
(公共空間情報取得部)
公共空間情報取得部652は、少なくとも対象地域のいずれかの区画が接する公共空間の情報(公共空間情報)を取得して、記憶部64に記憶する。例えば、公共空間情報取得部652は公共空間の寄与度を取得して、記憶部64に記憶する。
公共空間情報取得部652は、ある地域(図6の例では「地域1」)の公共空間に関するレコードを、図5に示す公共空間テーブルに作成する。公共空間情報取得部652は、図6の公共空間名欄及び係数欄に入力される値を、それぞれ図5の公共空間テーブルの公共空間名欄及び寄与度欄に入力する。公共空間情報取得部652は、公共空間テーブルに記憶された公共空間名(例えば「道路11」)を一意に識別可能な公共空間IDの値を決定し、決定した値を公共空間テーブルの上記レコードの公共空間ID欄に入力する。
また、公共空間情報取得部652及びGUI処理部650は、評価者に寄与度の値を入力させることに代えて、予め定めた選択肢を表示部63に表示し、評価者が入力又は選択した選択肢に基づいて寄与度の値を算出し、公共空間テーブルに入力してもよい。例えば、公共空間情報取得部652は、「人通りの多い5m道路」、「見通しが良く利用者の多い公園」など、道路幅、人通り/利用者の多さ、遮蔽物の少なさという観点で分類した選択肢と、寄与度の値とを関連付けて記憶する。そして、評価者が操作・入力部62を使用して選択肢を入力又は選択すると、公共空間情報取得部652は、入力又は選択された選択肢に関連付けられた寄与度を選択し、公共空間テーブルの該当するレコードの寄与度欄に入力してもよい。
この場合、公共空間情報取得部652は、選択肢と寄与度の値との対応付けにおいて、道路の幅が広いほど高い寄与度に設定しても、道路の人通りが多いほど高い寄与度に設定しても、この両者を加味した寄与度に設定してもよい。また、公共空間情報取得部652は、選択肢と寄与度の値との対応付けにおいて、公園の利用者が多いほど高い寄与度に設定しても、草木等の遮蔽物が少なく見通しが良いほど高い寄与度に設定してもよい。
また、公共空間情報取得部652は、公接長テーブルに記憶される高さ(区画の高さと、区画に隣接する公共空間の高さとの差)に基づいて寄与度を設定又は補正してもよい。例えば、公共空間情報取得部652は、区画の高さがその区画に隣接する公共空間の高さより所定の値(例えば1m)以上高い場合、衆人環視が期待できないため、所定の値未満高い場合より公共空間の寄与度の値を低く設定してもよい。
また、公共空間情報取得部652及びGUI処理部650は、図6のように公共空間名を表示及び入力することに代えて、公共空間IDを表示及び入力可能としてもよい。この場合、公共空間テーブルは公共空間名を記憶しなくてもよい。
(区画安全度算出部)
区画安全度算出部653は、地域に含まれる区画それぞれについて、周囲長に対する公接長の比率に応じた高さの区画安全度を算出する。区画安全度算出部653は、寄与度に基づいて区画のそれぞれの区画安全度を補正してもよい。
区画安全度を算出する式の一例を以下に示す。
区画安全度={[Σ(公共空間の寄与度×当該公共空間に対する区画の公接長)]/区画の周囲長}+S (1)
但し、
・[Σ(公共空間の寄与度×当該公共空間に対する区画の公接長)]は、対象となる区画が接している公共空間すべてについて(公共空間の寄与度×当該公共空間に対する区画の公接長)の和をとることを示す。
・Sは機械警備導入システムフラグ(機械警備を導入予定:0<S<1(通常はS=0.5)、導入予定なし:S=0)。
・式(1)の値が1を超える場合、区画安全度=1。
前述した式(1)からわかる通り、区画安全度算出部653は、他の条件が同一であれば、寄与度が高いほど高い区画安全度を算出し、区画の周囲長に対する区画の公接長の比率が高いほど高い区画安全度を算出する。また、区画安全度算出部653は、機械警備の導入計画の有無情報に基づいて区画のそれぞれの区画安全度を補正してもよい。具体的には、区画安全度算出部653は、区画ごとの区画安全度のうち機械警備の導入計画があるとの情報が取得された区画の区画安全度を高く補正してもよい。また、区画安全度算出部653は、機械警備の導入計画がないとの情報が取得された(あるいは導入計画の情報が取得されない)区画の区画安全度は補正しない。
例えば、図1(a)の分譲予定地の区画1の例では、道路(「道路11」)の寄与度をw1、公園(「公園12」)の寄与度をw2とすると、区画安全度算出部653は、式(2)のように区画安全度を算出できる。
区画安全度={{[w1×(a+e+f)]+[w2×(e+f)]}/[2a+2(e+f)]}+S (2)
道路は公園より衆人環視に寄与するため、区画安全度算出部653は、式(2)における道路の寄与度w1を公園の寄与度w2以上の値とすることが好ましい。また、道路の幅は広いほど衆人環視への寄与の度合いが大きいため、区画安全度算出部653は、道路の幅が大きくなるほどw1の値を大きくすることが好ましい。これを考慮したw1、w2の値の例を表1に示す。
Figure 0006679546
(地域安全度算出部)
地域安全度算出部654は、算出された区画安全度の総和に基づく代表値を地域の地域安全度として算出する。地域安全度を算出する式の一例を以下に示す。
地域安全度=[Σ(区画の区画安全度)]/区画数 (3)
式(3)から分かる通り、地域安全度は区画安全度の平均値を表す。なお、地域安全度として、区画安全度の平均値の代わりに最頻値または中央値を求めてもよい。
地域安全度算出部654は、地域評価値を算出してもよい。地域評価値を算出する式の一例を以下に示す。
地域評価値=地域安全度+環境評価値 (4)
環境評価値は、通常、地域安全度評価装置6とは異なる評価装置により算出され、その算出結果が地域安全度評価装置6の記憶部64に記憶される。
地域評価値の算出において、地域安全度及び環境評価値にそれぞれα(0.0<α<1.0)、β(0.0<β<1.0)の重みをかけて、以下の式(5)によって地域評価値を算出してもよい。
地域評価値=(α×地域安全度)+(β×環境評価値) (5)
この際、α+β=1.0となるようにα、βの値を定めることが好ましい。
(地域安全度評価装置の動作)
図7は、処理部65が地域安全度を算出する処理の一例を示すフローチャートである。以下、図7に示したフローチャートを参照しつつ、本実施形態による地域安全度評価装置の動作を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、記憶部64に記憶され、処理部65に読み込まれたプログラムに従って、処理部65により実行される。
最初に、GUI処理部650、区画情報取得部651、公共空間情報取得部652、区画安全度算出部653、地域安全度算出部654は、初期処理を行う(S101)。例えば、GUI処理部650は、操作・入力部62から入力される地域名に基づいて、当該地域に属する区画の情報を区画テーブル等から読み出し、区画名等を表示した画面を作成する。また例えば、GUI処理部650は、過去にデータが入力されていない地域名が操作・入力部62から入力された場合、少なくとも1つの区画の入力ができる入力画面を作成する。
次に、GUI処理部650は、S101で作成した画面を表示部63に表示し、周囲長、警備導入計画の有無、公接長、公共空間情報等の入力待ち状態となる(S102)。GUI処理部650は、操作・入力部62から評価者による入力を検出すると、周囲長又は警備導入計画の有無が入力されたか否かを判定する(S103)。
周囲長又は警備導入計画の有無が入力された場合(S103のY)、区画情報取得部651は、入力された値を区画テーブルの該当するレコードのそれぞれの欄に入力し、区画テーブルを更新する(S104)。例えば、操作・入力部62から、図6の区画名欄が「区画1」の欄の周囲長が入力された場合、区画情報取得部651は、区画テーブルの区画名欄が「区画1」のレコードの周囲長欄に、操作・入力部62により入力された値を入力し、区画テーブルを更新する。
次に、区画安全度算出部653は、区画テーブルに記憶される周囲長及び機械警備システム導入フラグと、公接長テーブルに記憶される公接長と、公共空間テーブルに記憶される寄与度とに基づいて、区画安全度を算出する(S109)。この際、区画安全度算出部653は、S103で周囲長又は警備導入計画の有無が入力された区画の区画安全度を少なくとも算出する。また、区画安全度算出部653は、区画安全度の算出に式(1)又は式(2)を使用でき、算出した区画安全度を区画ID又は区画名と対応付けて記憶部64に記憶する。
次に、地域安全度算出部654は、区画安全度算出部653が算出した区画安全度を含む該当地域の全区画の区画安全度と、該当地域の区画数とに基づいて、地域安全度を算出する(S110)。地域安全度算出部654は、地域安全度の算出に式(3)を使用でき、算出した地域安全度を地域ID又は地域名と対応付けて記憶部64に記憶する。
次に、地域安全度算出部654は、環境評価値が記憶部64に記憶されているか否かを判定する(S111)。環境評価値が記憶部64に記憶されている場合(S111のY)、地域安全度算出部654は、S110で算出した地域安全度と、記憶されている環境評価値とに基づいて、地域評価値を算出する(S112)。地域安全度算出部654は、地域評価値の算出に式(4)又は式(5)を使用でき、算出した地域評価値を地域IDと対応付けて記憶部64に記憶する。環境評価値が記憶部64に記憶されていない場合(S111のN)、地域安全度算出部654は、地域評価値を算出しない。
次に、地域安全度算出部654は、S110で算出した地域安全度をGUI処理部650へ入力する。地域安全度算出部654は、S112を実行した場合はS112で算出した地域評価値もGUI処理部650へ入力する。GUI処理部650は、地域安全度(と地域評価値)を反映させた画面を作成し、表示部63に表示する(S113)。これにより、GUI処理部650は、最新の入力データに応じた最新の地域安全度(と地域評価値)を表示できる。次に、GUI処理部650はS102の入力待ちの状態に戻る。
S103において周囲長及び警備導入計画の有無が入力されなかったと判定された場合(S103のN)、GUI処理部650は、公接長が入力されたか否かを判定する(S105)。
公接長が入力された場合(S105のY)、区画情報取得部651は、入力された値を公接長テーブルの該当するレコードの公接長の欄に入力し、公接長テーブルを更新する(S108)。例えば、操作・入力部62から、図6の区画名欄が「区画1」、かつ、公接長欄のうち左欄に表示される公共空間名が「道路11」の欄の公接長が入力される。この場合、区画情報取得部651は、公接長テーブルの区画ID欄が「B1」(「区画1」に対応)、かつ、公共空間ID欄が「P1」(「道路11」に対応)のレコードの公接長欄に、操作・入力部62により入力された値を入力し、公接長テーブルを更新する。
次にS109の処理が実行されるが、S109〜S102の入力待ちの状態に戻るまでの処理は、S104で区画テーブルを更新した際の処理と同じため、記載を省略する。
S105において公接長が入力されなかったと判定された場合(S105のN)、GUI処理部650は、公共空間情報が入力されたか否かを判定する(S107)。
公共空間情報が入力された場合(S107のY)、公共空間情報取得部652は、入力された値を公共空間テーブルの該当するレコードの寄与度欄に入力し、公共空間テーブルを更新する(S108)。例えば、操作・入力部62から、図6の公共空間名欄が「道路11」の欄の係数が入力された場合、公共空間情報取得部652は、公共空間テーブルの公共空間名欄が「道路11」のレコードの寄与度欄に、操作・入力部62により入力された値を入力する。そして、公共空間情報取得部652は公共空間テーブルを更新する。
次にS109の処理が実行されるが、S109〜S102の入力待ちの状態に戻るまでの処理は、S104で区画テーブルを更新した際の処理と同じため、記載を省略する。
S107において公共空間情報が入力されなかったと判定された場合(S107のN)、GUI処理部650は、区画の追加又は削除が指定されたか否かを判定する(S114)。
区画の追加が指定された場合(S114のY)、区画情報取得部651は、区画テーブルに新しい区画に対応するレコードを追加する(S115)。区画の削除が指定された場合(S114のY)、区画情報取得部651は、区画テーブルから該当する区画に対応するレコードを削除する(S115)。いずれの場合も、GUI処理部650は、追加又は削除した後の状態に対応する画面を作成し、表示部63に表示する。次に、GUI処理部650はS102の入力待ちの状態に戻る。
S114において区画の追加が指定されなかったと判定された場合(S114のN)、区画情報取得部651及びGUI処理部650はS115の処理を実行せず、GUI処理部650はS102の入力待ちの状態に戻る。以上により、処理部65が地域安全度を算出する処理の説明は終了する。
以上説明してきたように、地域安全度評価装置6は、地域に含まれる区画それぞれについて、周囲長と、周囲長のうち公共空間に接している区間の長さである公接長とを取得する。そして、地域安全度評価装置6は、地域に含まれる区画それぞれについて、周囲長に対する公接長の比率が高いほど高い区画安全度を算出し、区画安全度の総和に基づいて地域の地域安全度を算出する。これにより、分譲予定地のように建物の情報が無く、複数の区画からなる地域の安全度を評価できる。
<第1変形例>
以下、図8〜図12を用いて、第1変形例について説明する。第1変形例では、区画テーブル、公共空間テーブル、公接長テーブルを、GIS(Geographic Information System)のデータに基づいて作成する。第1変形例における地域安全度評価装置6の構成及び他の処理フローは、記憶部64が図8に示すデータを有し、図7のS101の前に図9〜図12の処理が実行されることを除き、第1実施形態と同じである。
図8(a)は公共空間形状データの一例を示す図であり、(b)は標高データの一例を示す図であり、(c)は区画形状データの一例を示す図である。
公共空間形状データは、道路、公園などの公共空間の形状を示すGISのデータである。図8(a)に示す様に、公共空間形状データには、公共空間種別、公共空間名、経度・緯度で表現される複数の座標等が関連付けて記憶される。公共空間種別は、公共空間の種類を示す識別子であり、例えば「道路」、「公園」等の値をとる。公共空間名は、公共空間の名称である。座標は、公共空間の平面座標であり、3つ以上の座標により多角形を表現する。多角形は、隣接する座標同士の間の直線と、最後の座標(図示しない座標m等)と最初の座標(座標1)との間の直線により表現される。座標値は経度・緯度で表現されるが、紙の又は電子的な図面に記載した際の図面上の座標値で表現されてもよい。
標高データは、座標位置の標高を示すGISのデータである。図8(b)に示す様に、標高データには、経度・緯度で表現される座標、その座標における標高等が関連付けて記憶される。
これらのGISデータとは別に、記憶部64は、各区画の形状を示す区画形状データを記憶する。図8(c)に示す様に、区画形状データには、区画名、経度・緯度で表現される複数の座標等が関連付けて記憶される。
(GISデータ取得部)
GISデータ取得部655は、公共空間形状データ、標高データ、区画形状データ等に基づいて、区画情報取得部651及び公共空間情報取得部652と共に公共空間テーブル、公接長テーブル、及び区画テーブルのレコードを作成する。以下の説明においては、区画テーブルに入力される地域IDの値として、予め「A1」が付与されているものとする。
図9は、GISデータ取得部655を使用して公共空間テーブルを作成する手順を示す概念図である。
最初に、GISデータ取得部655は、公共空間形状データから最初のレコード(公共空間名が「道路11」のレコード)を取得する。次に、公共空間情報取得部652は、GISデータ取得部655が取得した公共空間名(「道路11」)と同一の公共空間名を有する新たなレコードを、公共空間テーブルに作成する(S201)。この際、公共空間情報取得部652は、公共空間名「道路11」と1:1に対応する公共空間IDの値を決定し、作成したレコードの公共空間ID欄に入力する(S202)。
GISデータ取得部655及び公共空間情報取得部652は、公共空間形状データに残るレコードについてS201〜S202の処理を行う。以上により、公共空間テーブルを作成する手順は完了する。なお、公共空間テーブルの寄与度は、GUI処理部650及び公共空間情報取得部652により入力される。
図10は、GISデータ取得部655を使用して区画テーブルを作成する手順を示す概念図である。
最初に、GISデータ取得部655は、区画形状データから最初のレコード(区画名が「区画1」のレコード)を取得する。次に、区画情報取得部651は、GISデータ取得部655が取得した区画名(「区画1」)と同一の区画名を有するレコードを、区画テーブルに作成する(S301)。この際、区画情報取得部651は、区画名「区画1」と1:1に対応する区画IDの値を決定し、作成したレコードの区画ID欄に入力する(S302)。
次に、GISデータ取得部655は、区画形状データの区画名が「区画1」のレコードの隣接する座標の値から、隣接する座標の間の距離を算出する。GISデータ取得部655は、座標1と座標2との間の距離、座標2と座標3との間の距離のように隣接する座標間の距離を算出し、座標(n−1)と座標nとの間の距離を算出し、さらに、座標nと座標1との間の距離を算出する。次に、GISデータ取得部655は、算出した距離の総和をとり、区画情報取得部651は、GISデータ取得部655が算出した距離の総和を、区画テーブルの区画名が「区画1」のレコードの周囲長欄に入力する(S303)。
GISデータ取得部655及び区画情報取得部651は、区画形状データに残るレコードについてS301〜S303の処理を行う。以上により、区画テーブルを作成する手順は完了する。なお、区画テーブルの機械警備システム導入フラグは、GUI処理部650及び区画情報取得部651により入力される。
図11は、GISデータ取得部655を使用して公接長テーブルを作成する手順を示す概念図である。この手順は区画テーブル及び公共空間テーブルが作成された後に実行される。
最初に、GISデータ取得部655は、区画形状データから1つのレコードを選択し、3つ以上の座標からなる多角形を抽出する(S401)。次に、GISデータ取得部655は、公共空間形状データから1つのレコードを選択し、3つ以上の座標からなる多角形を抽出する(S402)。次に、GISデータ取得部655は、区画の多角形と公共空間の多角形とが接するか否かを判定する。両者が接しない場合、GISデータ取得部655は、区画形状データのレコード及び公共空間形状データのレコードの少なくとも一方を変えながら、区画の多角形と公共空間の多角形とが接する組み合わせを抽出する。
GISデータ取得部655が、区画の多角形と公共空間の多角形とが接する組み合わせを抽出した場合(S403)、区画情報取得部651は、その区画形状データのレコードの区画名欄の値をキーとして区画テーブルから区画IDの値を抽出する(S404)。公共空間情報取得部652は、その公共空間形状データのレコードの公共空間名欄の値をキーとして公共空間テーブルから公共空間IDの値を抽出する(S405)。次に、区画情報取得部651は、公接長テーブルにレコードを新設し、S404で抽出した区画IDの値をそのレコードの区画ID欄に、S405で抽出した公共空間IDの値をそのレコードの公共空間ID欄に入力する(S406、S407)。
次に、GISデータ取得部655は、S403で検出した区画の多角形と公共空間の多角形とが接する長さの総和を、両者の座標データに基づいて算出する。区画情報取得部651は、算出された値を、S406で区画IDの値を入力したレコードの公接長欄に入力する(S408)。
GISデータ取得部655は、区画の多角形と公共空間の多角形とが接するか否かを判定していない組み合わせがあれば、区画情報取得部651及び公共空間情報取得部652と共に、S401〜S408の処理を実行する。両者の組み合わせがなくなれば、GISデータ取得部655は処理を終了する。以上により、公接長テーブルを作成する手順は終了する。
図12は、GISデータ取得部655を使用して公接長テーブルに高さを入力する手順を示す概念図である。この手順は区画テーブル、公共空間テーブル、及び公接長テーブルが作成された後に実行される。
最初に、区画情報取得部651は、公接長テーブルから1つのレコードを選択する(S501)。区画情報取得部651は、当該レコードの区画ID欄の値をキーとして、区画テーブルから区画名を抽出する(S502)。GISデータ取得部655は、区画情報取得部651が抽出した区画名をキーとして(S503)、区画形状データから区画の多角形を抽出する(S504)。GISデータ取得部655は、標高データから、抽出した多角形の範囲内の座標値を有するレコードを抽出し、その標高値を取得する(S505)。GISデータ取得部655は、取得した標高値に基づいてS504で抽出した多角形の標高値を算出する(S506)。例えば、GISデータ取得部655は、S505で取得された標高値が1つであれば、その値をその区画の標高値とし、取得された標高値が複数であれば、それらの平均値をその区画の標高値とする。
次に、公共空間情報取得部652は、S501で選択されたレコードの公共空間ID欄の値をキーとして、公共空間テーブルから公共空間名を抽出する(S507)。GISデータ取得部655は、抽出した公共空間名をキーとして(S508)、公共空間形状データから公共空間の多角形を抽出する(S509)。GISデータ取得部655は、標高データから、抽出した多角形の範囲内の座標値を有するレコードを抽出し、その標高値を取得する(S510)。GISデータ取得部655は、取得した標高値に基づいてS509で抽出した多角形の標高値を算出する(S511)。例えば、GISデータ取得部655は、S510で取得された標高値が1つであれば、その値をその公共空間の標高値とし、取得された標高値が複数であれば、それらの平均値をその公共空間の標高値とする。
次に、GISデータ取得部655は、S506で算出した区画の標高値からS511で算出した公共空間の標高値を引いた差を算出し、区画情報取得部651は、算出された値をS501で選択した公接長テーブルのレコードの高さ欄に入力する(S512)。GISデータ取得部655は、区画情報取得部651及び公共空間情報取得部652と共に、公接長テーブルの残りのレコードについてS501〜S512の処理を行う。以上により、公接長テーブルに高さを入力する手順は終了する。
図9〜図12を用いて説明したように、公共空間形状データ、標高データ、区画形状データ等のGISデータを使用して、公共空間テーブル、公接長テーブル、区画テーブルを作成することにより、地域安全度評価装置6は、評価者による入力作業を軽減できる。
<第2変形例>
以下、図13を用いて、第2変形例について説明する。第2変形例では、区画の近隣に存在する施設及び構造物の存在を加味して、その区画の区画安全度を評価する。第2変形例における地域安全度評価装置6の構成は、記憶部64が図13(b)に示すデータを有する点を除き、第1実施形態と同じである。第2変形例における地域安全度評価装置6の動作フローは、公共空間情報取得部652及びGUI処理部650が、評価者が入力又は選択した選択肢に基づいて寄与度の値を算出する際に以下の処理を反映させることを除き、第1実施形態と同じである。
図13(a)は区画安全度を算出する区画及びその周辺を示す平面図である。
図13(a)に示す様に、区画安全度の算出対象である区画5は、図1(a)に示す地域の東方で図1(a)に示す道路11と接する。区画5は、道路11を挟んでマンションAと向かい合い、区画5に面する部分の道路11には、歩道橋Bが設置されている。区画5の東端から東側に500mの距離には、地下鉄駅Cが存在する。
図13(b)は図13(a)に示す施設・構造物を含む施設・構造物形状データの一例を示す図である。
施設・構造物形状データは、地域に設置される施設、構造物等と、その形状とを示すGISのデータである。図13(b)に示す様に、施設・構造物形状データには、施設・構造物種別、施設・構造物名、経度・緯度で表現される座標等が関連付けて記憶される。施設・構造物形状データは、施設、構造物等の設置情報の一種である。
施設・構造物種別は、施設・構造物の種類を示す情報であり、例えば「集合住宅」、「歩道橋」、「駅」等の値をとる。集合住宅とは、一つの建物の中に、複数の世帯が入居している住宅の形態を示し、本明細書においては2階建て以上のものを示す。施設・構造物名称は、施設・構造物の名称である。座標は、施設・構造物の平面座標であり、3つ以上の座標により多角形を表現する。多角形は、隣接する座標同士の間の直線と、最後の座標(図示しない座標m等)と最初の座標(座標1)との間の直線により表現される。座標値は経度・緯度で表現されるが、紙の又は電子的な図面に記載した際の図面上の座標値であってもよい。
公共空間情報取得部652は、施設・構造物形状データ(設置情報)を取得し、施設・構造物形状データに基づいて寄与度を補正することができる。例えば、公共空間情報取得部652は、評価者が入力又は選択した選択肢に基づいて寄与度の値を算出する際に、以下の規則を適用することができる。
例えば、公共空間情報取得部652は、区画(区画5)と道路(道路11)との接する部分において、道路の向かい側に集合住宅(マンションA)が存在する場合、集合住宅が存在しない場合より道路の寄与度を高くする。これは、集合住宅の住人がより高い位置から区画5を視認でき、衆人環視に寄与することを、道路11の寄与度に反映させるものである。なお、集合住宅は、道路と接していてもよいし、集合住宅と道路との間に他の施設及び構造物がなければ、道路から数m(例えば5m程度)離れていてもよい。なお、区画と集合住宅との間に公園が存在する場合、公園の寄与度を、集合住宅が存在しない場合より高くしてもよい。
また、公共空間情報取得部652は、区画(区画5)と道路(道路11)との接する部分において、道路に歩道橋(歩道橋B)が設置されている場合、他の条件が同一であれば、歩道橋が設置されていない場合より道路の寄与度を高く設定する。これにより、歩道橋の通行人が道路より高い位置から区画を視認でき、衆人環視に寄与することを、道路の寄与度に反映できる。
また、公共空間情報取得部652は、区画(区画5)の端から道路(道路11)沿いに所定の距離(例えば500m)以内に駅(地下鉄駅C)が存在する場合、駅が存在しない場合より道路の寄与度を高く設定する。これにより、駅の乗降客が衆人環視に寄与することを、道路の寄与度に反映させることができる。この場合、公共空間情報取得部652は、区画と駅との距離が長くなるにつれて寄与度が低くなるように設定してもよい。例えば、区画から駅までの距離が100m以下、100mを越え200m以下、200mを越え300m以下、のように、所定の距離(500m)を100m単位で区切り、区画から駅までの距離が長くなるにつれて寄与度が低くなるように設定してもよい。
図13を用いて説明したように、区画の近隣に存在する施設及び構造物の存在を加味して、その区画の区画安全度を評価することにより、地域安全度評価装置6は、区画安全度の評価をより適切に実行できる。
以上説明してきたように、地域安全度評価装置6は、地域に含まれる区画それぞれについて、周囲長に対する公接長の比率に基づいて区画安全度を算出し、区画安全度の総和に基づいて地域の地域安全度を算出する。これにより、分譲予定地のように建物の情報が無く、複数の区画からなる地域の安全度を評価できる。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、公共空間形状データを複数の座標からなる多角形のデータとしたが、これに代えて、道路等と区画等との境界を示す線のデータとしてもよい。道路等を線のデータとしても、GISデータ取得部655は区画の周囲が公共空間に接している長さを算出でき、公接長を算出できる。
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
6 地域安全度評価装置
64 記憶部
651 区画情報取得部
652 公共空間情報取得部
653 区画安全度算出部
654 地域安全度算出部

Claims (6)

  1. 複数の区画からなる任意の地域の安全度を算出する地域安全度評価装置であって、
    前記地域に含まれる前記区画それぞれについて、周囲長と、前記周囲長のうち公共空間に接している区間の長さである公接長とを取得する区画情報取得部と、
    前記地域に含まれる前記区画それぞれについて、前記周囲長に対する前記公接長の比率に応じた高さの区画安全度を算出する区画安全度算出部と、
    前記区画安全度の総和に基づいて前記地域の地域安全度を算出する地域安全度算出部と、
    を備えることを特徴とする地域安全度評価装置。
  2. 前記区画情報取得部は、さらに前記区画における機械警備の導入計画の有無情報を取得し、
    前記区画安全度算出部は、前記区画のうちの前記導入計画が有るとの情報が取得された前記区画の前記区画安全度を高く補正する、請求項1に記載の地域安全度評価装置。
  3. 前記公共空間が前記区画の衆人環視に寄与する度合いを表した寄与度を取得する公共空間情報取得部をさらに備え、
    前記区画安全度算出部は、前記寄与度に基づいて前記区画の前記区画安全度を補正する、請求項1又は2に記載の地域安全度評価装置。
  4. 前記区画情報取得部は、さらに前記区画の高さと前記区画に隣接する公共空間の高さとの差を取得し、
    前記公共空間情報取得部は、前記高さの差に基づいて前記寄与度を補正する、請求項3に記載の地域安全度評価装置。
  5. 前記公共空間情報取得部は、さらに前記公共空間である道路に歩道橋が設置されているか否かに関する設置情報を取得し、前記歩道橋が設置されている公共空間の前記寄与度を高く補正する、請求項3又は4に記載の地域安全度評価装置。
  6. コンピュータが複数の区画からなる任意の地域の安全度を算出する地域安全度評価方法であって、
    前記地域に含まれる前記区画それぞれについて、周囲長と、前記周囲長のうち公共空間に接している区間の長さである公接長とを取得し、
    前記地域に含まれる前記区画それぞれについて、前記周囲長に対する前記公接長の比率に応じた高さの区画安全度を算出し、
    前記区画安全度の総和に基づいて前記地域の地域安全度を算出する、
    ことを特徴とする地域安全度評価方法。
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