JP6679334B2 - 動力発生装置およびそれを用いたショベル - Google Patents

動力発生装置およびそれを用いたショベル Download PDF

Info

Publication number
JP6679334B2
JP6679334B2 JP2016020977A JP2016020977A JP6679334B2 JP 6679334 B2 JP6679334 B2 JP 6679334B2 JP 2016020977 A JP2016020977 A JP 2016020977A JP 2016020977 A JP2016020977 A JP 2016020977A JP 6679334 B2 JP6679334 B2 JP 6679334B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
electric assist
observer
sensorless
estimated value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016020977A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017139930A (ja
Inventor
政貴 平田
政貴 平田
塚原 真一郎
真一郎 塚原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2016020977A priority Critical patent/JP6679334B2/ja
Publication of JP2017139930A publication Critical patent/JP2017139930A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6679334B2 publication Critical patent/JP6679334B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

本発明は、エンジンとモータのハイブリッド型の動力発生装置に関する。
従来、パワーショベルやクレーンをはじめとする建設機械は、動力源としてディーゼルエンジンを備え、ディーゼルエンジンによってメインポンプを駆動し、メインポンプの動力を利用して、油圧モータやシリンダを駆動する。近年、省エネ化の要請から、ハイブリッド型の建設機械の導入が進められている。ハイブリッド型の建設機械は、電動アシストモータ付きの動力発生装置(ハイブリッド動力発生装置、あるいは単に動力発生装置という)を備える。ハイブリッド動力発生装置は、エンジンに加えて、電動アシストモータおよび変速機(減速機)を備える。変速機は、エンジンの回転軸および電動アシストモータの回転軸と連結されており、それらの動力を、負荷(たとえばメインポンプ)に伝達する。
特開2012−068199号公報
電動アシストモータの駆動のためには、ロータ(回転子)の状態(たとえば位置や回転数)が必要となる。ロータの位置を直接的に検出する手段として、レゾルバあるいはロータリエンコーダといったセンサを用いる方法があるが、コスト増加の要因となり、またそれを取り付けるためのスペースが必要となるため、モータのサイズが大きくなる。またレゾルバが故障すると、モータの制御が不能となる。
またセンサを利用せずにロータの位置を間接的に検出してモータを駆動するセンサレス制御方式がある。センサレス制御方式では、モータのコイルに生ずる逆起電力にもとづいて、ロータの位置を検出する。センサレス制御方式では、外乱やノイズの影響によりロータの位置検出に誤差が生ずると、脱調現象によりトルクが発生できなくなる。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、信頼性を高めた動力発生装置の提供にある。
本発明のある態様は動力発生装置に関する。この動力発生装置は、エンジンと、電動アシストモータと、エンジンを制御するエンジンコントローラと、電動アシストモータを駆動するモータ駆動装置と、を備える。エンジンと電動アシストモータは連結され、それらのトルクが負荷に伝達される。モータ駆動装置は、電動アシストモータの駆動制御信号を生成するモータコントローラと、駆動制御信号にもとづいて電動アシストモータを駆動するインバータと、を備える。モータコントローラは、エンジンの状態を示す情報にもとづいて、オブザーバにより電動アシストモータのロータの状態を示すオブザーバ推定値を生成し、オブザーバ推定値を電動アシストモータの制御に反映させる。
エンジンの回転軸と電動アシストモータの回転軸は連動しているため、それらを一つの系として機械モデルを規定し、オブザーバを構成することで、電動アシストモータのロータの状態を推定することができる。モータの駆動に、センサレスにより推定されるロータの位置(速度)や、センサにより検出されたロータの位置(速度)に加えて、オブザーバ推定値を反映させることで、信頼性を高めることができる。あるいはそれらに代えてオブザーバ推定値を用いることで、センサなどのハードウェアが不要となるため、サイズやコストを下げることができる。
モータコントローラは、センサレス方式によってロータの状態を示すセンサレス推定値を生成し、オブザーバ推定値とセンサレス推定値にもとづいてセンサレス推定値の信頼性を判定してもよい。これにより信頼性を高めることができる。
モータコントローラは、(i)センサレス推定値の信頼性が高いとき、センサレス推定値にもとづいて駆動制御信号を生成し、(ii)センサレス推定値の信頼性が低いとき、少なくともオブザーバ推定値にもとづいて駆動制御信号を生成してもよい。これによりロータの位置推定の精度を高めることができる。
モータコントローラは、オブザーバ推定値とセンサレス推定値の誤差が所定のしきい値より大きいとき、信頼性が低いと判定してもよい。
ある態様の動力発生装置は、電動アシストモータのロータの状態を監視し、センサ検出値を生成するセンサをさらに備えてもよい。モータコントローラは、オブザーバ推定値とセンサ検出値にもとづいてセンサの異常を検出してもよい。これにより信頼性を高めることができる。
モータコントローラは、(i)センサが正常であるとき、センサ検出値にもとづいて駆動制御信号を生成し、(ii)センサが異常であるとき、少なくともオブザーバ推定値にもとづいて駆動制御信号を生成してもよい。これにより、センサが異常な場合においても、電動アシストモータ104の駆動を継続できる。
ある態様の動力発生装置は、電動アシストモータのロータの状態を監視し、センサ検出値を生成するセンサをさらに備えてもよい。モータコントローラは、センサレス方式によってロータの状態を示すセンサレス推定値を生成してもよい。モータコントローラは、オブザーバ推定値およびセンサレス推定値の少なくとも一方にもとづいて、センサ検出値の信頼性を判定してもよい。またモータコントローラは、少なくともオブザーバ推定値にもとづいて、センサレス推定値の信頼性を判定してもよい。
モータコントローラは、(i)センサ検出値の信頼性が高いときは、センサ検出値にもとづいて駆動制御信号を生成してもよく、(ii)センサ検出値の信頼性が低く、センサレス推定値の信頼性が高いときは、センサレス推定値にもとづいて駆動制御信号を生成してもよい。
モータコントローラは、(iii)センサ検出値およびセンサレス推定値の信頼性が低いときは、少なくともオブザーバ推定値にもとづいて駆動制御信号を生成してもよい。
モータコントローラは、センサ検出値、センサレス推定値、オブザーバ推定値をその優先順位で利用してモータを駆動してもよい。
エンジンの状態を示す情報は、少なくともエンジンの回転数を含んでもよい。またエンジンの状態を示す情報は、少なくともトルクを含んでもよい。
本発明の別の態様は、ショベルに関する。ショベルは、メインポンプと、メインポンプを駆動する上述のいずれかの動力発生装置と、を備えてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、動力発生装置の信頼性を高め、および/またはサイズやコストを小さくできる。
第1の実施の形態に係る動力発生装置のブロック図である。 動力発生装置の機械系のモデルを示すブロック図である。 制御対象とオブザーバを示すブロック図である。 第1の実施の形態における第1の利用方法のフローチャートである。 第2の実施の形態に係る動力発生装置のブロック図である。 第2の実施の形態における第1の利用方法のフローチャートである。 第3の実施の形態に係る動力発生装置のブロック図である。 第3の実施の形態における第1の利用方法のフローチャートである。 実施の形態に係る建設機械の一例であるショベルの外観を示す斜視図である。 実施の形態に係るショベルの電気系統や油圧系統などのブロック図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る動力発生装置100のブロック図である。動力発生装置100は、エンジン102、電動アシストモータ104、変速機(減速機)106、エンジンコントローラ108、モータ駆動装置110を備える。
変速機106は、エンジン102の回転軸と電動アシストモータ104の回転軸と連結され、それらのトルクを負荷200に伝達する。エンジンコントローラ(ECU:Engine Control Unit)108は、エンジン102を制御する。エンジン102には、エンジン102の状態(回転数および/または回転軸の位置)を示すフィードバック情報S1がフィードバックされており、エンジンコントローラ108はフィードバック情報S1にもとづいてエンジン102の回転を制御する。
モータ駆動装置110は、電動アシストモータ104を駆動する。モータ駆動装置110は、モータコントローラ112およびインバータ114を備える。モータコントローラ112は、マイコンやCPU(Central Processing Unit)などのソフトウェア制御可能なプロセッサで構成することができる。したがって図1に示されるモータコントローラ112の構成要素120,122,124は、必ずしも別個のハードウェアとして存在するわけではない。この実施の形態において、モータ駆動装置110は、レゾルバやロータリエンコーダなどの電動アシストモータ104の状態を検出するセンサを備えておらず、いわゆるセンサレス方式によって電動アシストモータ104を駆動する。
モータコントローラ112は、センサレス推定部120、オブザーバ122、制御信号生成部124を含む。センサレス推定部120は、電動アシストモータ104の機械的情報ではなく電気的な状態(たとえばモータのコイルに生ずる逆起電力)にもとづいて、電動アシストモータ104のロータの状態(すなわち位置および/または回転数)を推定し、センサレス推定値S3を生成する。センサレス方式によるロータ(回転数および/または位置)の状態の推定については、公知技術を用いればよい。オブザーバ122は、エンジン102の状態を示すエンジン情報S2にもとづいて、電動アシストモータ104のロータの状態(すなわち位置および/または回転数)を示すオブザーバ推定値S4を生成する。
以下の説明では、センサレス推定部120およびオブザーバ122は、電動アシストモータ104のロータの位置を推定するものとし、センサレス推定値S3が示す電動アシストモータ104のロータの推定位置を^θSLと表記し、オブザーバ推定値S4が示す電動アシストモータ104のロータの推定位置を^θEBと表記する。
制御信号生成部124は、電動アシストモータ104の駆動制御信号S5を生成する。インバータ114は、駆動制御信号S5にもとづいて電動アシストモータ104を駆動する。制御信号生成部124は、センサレス推定値S3に加えてオブザーバ推定値S4を電動アシストモータ104の制御に反映させる。
オブザーバ122について説明する。図2は、動力発生装置100の機械系のモデルを示すブロック図である。1/rは、変速機106のギア比を表す。各シンボルは以下の通りである。
電動アシストモータのトルク
ω 電動アシストモータの回転数 (θ’)
θ 電動アシストモータのロータの位置
電動アシストモータの慣性モーメント
電動アシストモータの粘性摩擦係数
エンジンのトルク
ω エンジンの回転数 (θ’)
θ エンジンの位置
エンジンの慣性モーメント
エンジンの粘性摩擦係数
「’」は、時間微分を表す。
エンジン102および電動アシストモータ104は、それぞれ、慣性モーメントと粘性摩擦を考慮して同様にモデル化されている。変速機106では、電動アシストモータ104とエンジン102の回転軸の位置ずれ(θ−θ)<0が生ずると、位置ずれに比例したトルクK×(θ−θ)が、エンジン102のトルクTに加算され、アシストされる。反対に(θ−θ)>0の状態では、電動アシストモータ104のロータがエンジン102のトルクTによって回転することとなり、電動アシストモータ104は発電機として機能する。
このモデルから、式(1)、(2)が得られる。
Figure 0006679334
式(1)、(2)は、状態制御理論における基本形である式(3)、(4)に沿っている。
x’=Ax+Bu …(3)
y =Cx …(4)
uはシステムへの入力であり、図2のモデルではトルク[Tである。xは状態変数であり、ここでは電動アシストモータ104およびエンジン102の状態[θ’ θ θ’ θである。出力yはたとえばエンジン102の回転数θ’とすることができる。なお当業者によれば、動力発生装置100の機械系のモデルが図2のそれに限定されず、考慮する物理現象に応じて、より複雑に、あるいはよりシンプルに構成しうることが理解される。
図3は、制御対象126とオブザーバ122を示すブロック図である。制御対象126は、動力発生装置100の機械系に相当する。図3に示すようなオブザーバ122を構成することにより、状態変数xを推定することができ、したがってオブザーバ推定値S4を得ることができる。当業者によれば、制御理論にもとづいてオブザーバゲインHおよびその他の必要なパラメータを設計可能であり、これ以上の詳細な説明は発明の本質と関係が無いため省略する。
なお入力uはトルクT,Tを含んでいる。モータのトルクTは、インバータ114から電動アシストモータ104に供給される電流量から求めることができる。またエンジン102のトルクTは、その回転数−トルク特性から得ることができる。たとえばエンジン102がトルク特性(出力マップ)を保持している場合、エンジンコントローラ108から、エンジン102の現在のトルクTを直接的に得ることができる。あるいはオブザーバ122に、エンジン102のトルク特性Tを保持しておき、オブザーバ122自体が、他の変数(たとえばエンジン102の回転数)からトルクTを推定してもよい。あるいはエンジン102のトルクTを測定するセンサが設けられる場合には、測定値を用いればよい。
続いてオブザーバ推定値S4の利用方法について説明する。
(第1の利用方法)
センサレス推定部120による電動アシストモータ104の状態の推定値は、必ずしも正確であるとは限らない。たとえばノイズが大きな環境下では精度は大きく低下する。また大きな負荷変動やモータパラメータの変動が生ずると、センサレスによる推定値の誤差は大きくなる。またセンサレス方式は、ロータが静止状態(あるいはそれに近い状態)で逆起電力が得られない状態では、位置を推定できず、あるいは推定精度が低い。
第1の利用方法では、オブザーバ122は、センサレス推定部120の推定精度を検証するために用いられ、さらには推定位置の補正に用いられる。
本実施の形態においてモータコントローラ112の制御信号生成部124は、オブザーバ推定値S4とセンサレス推定値S3にもとづいてセンサレス推定値S3の信頼性を判定する。たとえば制御信号生成部124は、オブザーバ推定値S4とセンサレス推定値S3にもとづいて、センサレス推定値S3の信頼性を表す指標を生成する。たとえばこの指標として、センサレス推定部120が推定したロータの位置^θSLとオブザーバ122が推定したロータの位置^θEBの誤差Δθ(=^θSL−^θEB)を用いることができる。そして誤差Δθが大きい場合、センサレス推定部120の推定精度が低下しているとみなすことができる。そこでモータコントローラ112の制御信号生成部124は、オブザーバ推定値S4とセンサレス推定値S3の誤差Δθが所定のしきい値(許容誤差量)θTH1より大きいとき(|Δθ|>θTH1)、信頼性が低いと判定してもよい。
モータコントローラ112の制御信号生成部124は、センサレス推定値S3の信頼性が高いとき(|Δθ|<θTH1)、センサレス推定値S3(すなわち^θSL)が正しいものとし、センサレス推定値S3が示す位置推定値^θSLにもとづいて駆動制御信号S5を生成する。
センサレス推定値S3の信頼性が低い場合(|Δθ|>θTH1)、制御信号生成部124は、センサレス推定値S3とオブザーバ推定値S4の組み合わせにもとづいて、修正された推定位置^θを生成し、推定位置^θにもとづいて駆動制御信号S5を生成する。
^θ=f(^θSL,^θEB
ここにfは所定の関数である。
たとえば補正量θCMPを、誤差Δθの関数θCMP=g(Δθ)で定義しておき、センサレス推定値S3が示す推定位置^θSLを以下の式にしたがって修正してもよい。
^θ=^θSL+θCMP
f(^θSL,^θEB)=^θEBのように定義すると、センサレス推定値S3の信頼性が低いとき(|Δθ|>θTH1)、駆動制御信号S5は、オブザーバ推定値S4が示す位置推定値^θEBにもとづいて生成される。すなわちオブザーバ推定値S4が、センサレス推定値S3のバックアップとして利用されることとなる。
図4は、第1の実施の形態における第1の利用方法のフローチャートである。動力発生装置100の運転中において、センサレス推定値S3(^θSL)、オブザーバ推定値S4(^θEB)それぞれが生成される(S100)。続いて、誤差Δθが計算される(S102)。そして|Δθ|<θTH1、すなわち信頼性が高い場合(S104のY)、推定位置^θとして、センサレスの推定値^θSLが使用される(S106)。ステップS104において、|Δθ|>θTH1、すなわち信頼性が低い場合(S104のN)、関数f(^θSL,^θEB)にもとづいて、修正された推定位置^θが生成される(S108)。そして推定位置^θにもとづいて、電動アシストモータ104が駆動される(S110)。
このように、第1の利用方法では、センサレス推定値S3の精度が低下している可能性が高い状況下では、オブザーバ122が生成するオブザーバ推定値S4を用いることにより、モータの駆動を継続することができ、動力発生装置100の信頼性を高めることができる。オブザーバ122により得られる推定位置^θEBの精度が十分に高い場合には、第1の利用方法が有効である。
上述のように、センサレス方式は、負荷変動やモータパラメータの変動によって、推定精度が低下することから、用途によっては、それ単独で用いることが難しく、レゾルバなどのセンサと併用されるのが一般的であった。これに対して、第1の実施の形態によれば、センサレス方式の欠点が、オブザーバ推定値S4(^θEB)によって補完され、したがってセンサを用いずに、モータを駆動することが可能となる。これにより、センサが不要となるためコストを削減でき、あるいは装置を小型化できる。
(第2の利用方法)
センサレス推定値S3の信頼性が高い状況では第1の利用方法と同様である。第2の利用方法では、モータコントローラ112の制御信号生成部124は、センサレス推定値S3の信頼性が低いとき(|Δθ|>θTH1)、所定のエラー処理を行う。エラー処理は、(i)センサレス推定値S3の精度低下の上位コントローラ(あるいはユーザ)への通知、(ii)電動アシストモータ104の回転の停止、あるいはそのトルクの制限、(iii)センサレスの推定値の精度が高まるように、センサレス推定部120の演算処理を変更(たとえば推定速度の低下と引きかえに)、などが例示される。この利用方法によっても動力発生装置100の信頼性を高めることができる。
(第3の利用方法)
第1の利用方法では、誤差Δθを所定のしきい値θTH1と比較し、信頼性が高い領域と低い領域を区分したが、それらを連続的に扱うことも可能である。すなわち以下のような関数hを定義し、関数hにもとづいて得られる^θにもとづいて、駆動制御信号S5を生成してもよい。
^θ=h(^θSL,^θEB
ただし、Δθ=^θSL−^θEB=0のとき、h(^θSL,^θEB)=^θSL
|Δθ|≫0のとき、h(^θSL,^θEB)=^θEB
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態に係る動力発生装置100aのブロック図である。第1の実施の形態と共通の構成については説明を省略する。モータ駆動装置110aは、レゾルバやロータリエンコーダなどのセンサ130を備える。センサ130は、電動アシストモータ104のロータの状態(回転数および/または位置)を監視し、センサ検出値S6を生成する。以下では、オブザーバ122およびセンサ130は、電動アシストモータ104のロータの位置を推定、検出するものとし、オブザーバ推定値S4が示す電動アシストモータ104のロータの推定位置を^θEBと表記し、センサ検出値S6が示す電動アシストモータ104のロータの検出位置をθと表記する。
モータコントローラ112は、オブザーバ122、制御信号生成部124を含む。制御信号生成部124には、オブザーバ推定値S4とセンサ検出値S6が入力される。制御信号生成部124は、センサ検出値S6およびオブザーバ推定値S4にもとづいて、駆動制御信号S5を生成する。インバータ114は、駆動制御信号S5にもとづいて電動アシストモータ104を駆動する。
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、オブザーバ推定値S4の利用方法にはいくつかのバリエーションが存在する。
(第1の利用方法)
動力発生装置100aを長期的に運用すると、センサ130に異常が発生する場合がある。たとえばセンサ130の異常は、センサ130自体の故障や、センサ130の取り付け位置のずれなどを含む。あるいはセンサ検出値S6に電気的なノイズが重畳する場合も、ここでいうセンサ130の異常に含まれる。センサ130が異常な状態は、センサ検出値S6の信頼性が低い状態と把握することができる。
第1の利用方法では、オブザーバ122は、センサ130の異常を検出するために用いられ、さらには検出位置の補正に用いられる。
本実施の形態において制御信号生成部124は、オブザーバ推定値S4とセンサ検出値S6にもとづいて、センサ130の異常を検出する。言い換えれば制御信号生成部124は、センサ検出値S6の信頼性を判定する。たとえば制御信号生成部124は、オブザーバ推定値S4とセンサ検出値S6にもとづいて、センサ130(センサ検出値S6)の信頼性を表す指標を生成する。この指標としては、センサ130が検出した検出位置θとオブザーバ122が推定したロータの位置^θEBの誤差Δθ(=θ−^θEB)を用いることができる。誤差Δθが大きい場合、センサ検出値S6の精度が低下しているとみなすことができる。そこでモータコントローラ112の制御信号生成部124は、オブザーバ推定値S4とセンサ検出値S6の誤差Δθが所定のしきい値(許容誤差量)θTH2より大きいとき(|Δθ|>θTH2)、センサ130が異常であると判定してもよい。
モータコントローラ112の制御信号生成部124は、センサ130が正常、すなわちセンサ検出値S6の信頼性が高いとき(|Δθ|<θTH2)、センサ検出値S6(すなわちθ)が正しいものとし、センサ検出値S6が示す位置θにもとづいて駆動制御信号S5を生成する。
センサ130が異常である場合(|Δθ|>θTH2)、制御信号生成部124は、オブザーバ推定値S4にもとづいて駆動制御信号S5を生成する。あるいは、オブザーバ推定値S4と駆動制御信号S5の組み合わせにもとづいて、修正された推定位置^θを生成し、推定位置^θにもとづいて駆動制御信号S5を生成してもよい。
^θ=f(θ,^θEB
ここにfは所定の関数である。
たとえば補正量θCMPを、誤差Δθの関数θCMP=g(Δθ)で定義しておき、センサ検出値S6が示す位置θを以下の式にしたがって修正してもよい。
^θ=θ+θCMP
f(θ,^θEB)=^θEBのように定義すると、センサ検出値S6の信頼性が低いとき(|Δθ|>θTH2)、駆動制御信号S5は、オブザーバ推定値S4が示す位置推定値^θEBにもとづいて生成される。すなわちオブザーバ推定値S4が、センサ検出値S6のバックアップとして利用されることとなる。
図6は、第2の実施の形態における第1の利用方法のフローチャートである。動力発生装置100aの運転中において、センサ検出値S6(θ)、オブザーバ推定値S4(^θEB)それぞれが生成される(S200)。続いて、誤差Δθが計算される(S202)。そして|Δθ|<θTH2、すなわちセンサ130が正常である場合(S204のY)、位置^θとして、センサ検出値θが使用される(S206)。ステップS204において、|Δθ|>θTH2、すなわちセンサ130が異常である場合(S204のN)、関数f(θ,^θEB)にもとづいて、修正された推定位置^θが生成される(S208)。そして推定位置^θにもとづいて、電動アシストモータ104が駆動される(S210)。
このように、第1の利用方法では、センサ130に異常が生じている可能性が高い状況下では、オブザーバ122が生成するオブザーバ推定値S4を用いることにより、モータの駆動を継続することができ、動力発生装置100aの信頼性を高めることができる。オブザーバ122により得られる推定位置^θEBの精度が十分に高い場合には、第1の利用方法が有効である。
(第2の利用方法)
センサ検出値S6の信頼性が高い状況では第1の利用方法と同様である。第2の利用方法では、モータコントローラ112の制御信号生成部124は、センサ検出値S6の信頼性が低いとき(|Δθ|>θTH2)、所定のエラー処理を行う。エラー処理は、(i)センサ130の故障の上位コントローラ(あるいはユーザ)への通知、(ii)電動アシストモータ104の回転の停止、あるいはそのトルクの制限などが例示される。この利用方法によっても動力発生装置100aの信頼性を高めることができる。
(第3の利用方法)
第1の利用方法では、誤差Δθを所定のしきい値θTH2と比較し、信頼性が高い領域と低い領域を区分したが、それらを連続的に扱うことも可能である。すなわち以下のような関数hを定義し、関数hにもとづいて得られる^θにもとづいて、駆動制御信号S5を生成してもよい。
^θ=h(θ,^θEB
ただし、Δθ=θ−^θEB=0のとき、h(θ,^θEB)=θ
|Δθ|≫0のとき、h(θ,^θEB)=^θEB
従来においてセンサの故障が問題となるような用途では、そのバックアップとして、センサレス方式が併用される場合があり、センサレス方式は、逆起電力を検出するためのハードウェア(アンプや抵抗などの回路素子)が必要であった。第2の実施の形態では、センサレス方式のためのハードウェアが不要となるため、コストを削減でき、あるいは装置を小型化できる。
(第3の実施の形態)
図7は、第3の実施の形態に係る動力発生装置100bのブロック図である。第1、第2の実施の形態と共通の構成については説明を省略する。第3の実施の形態は、第1および第2の実施の形態の組み合わせである。すなわち、モータ駆動装置110bは、レゾルバやロータリエンコーダなどのセンサ130を備え、さらにセンサレス方式による駆動もサポートしている。
以下では、センサレス推定部120、オブザーバ122、センサ130は、電動アシストモータ104のロータの位置を推定、検出するものとし、センサレス推定値S3が示す電動アシストモータ104のロータの推定位置を^θSLと表記し、オブザーバ推定値S4が示す電動アシストモータ104のロータの推定位置を^θEBと表記し、センサ検出値S6が示す電動アシストモータ104のロータの検出位置をθと表記する。
制御信号生成部124には、センサレス推定値S3、オブザーバ推定値S4、センサ検出値S6が入力される。制御信号生成部124は、センサレス推定値S3、オブザーバ推定値S4およびセンサ検出値S6にもとづいて駆動制御信号S5を生成する。
続いてオブザーバ推定値S4の利用方法を説明する。
(第1の利用方法)
制御信号生成部124は、センサレス推定値S3とオブザーバ推定値S4の少なくとも一方にもとづいて、センサ検出値S6の信頼性を判定する。そして制御信号生成部124は、センサ検出値S6の信頼性が高いときは、センサ検出値S6にもとづいて駆動制御信号S5を生成する。
制御信号生成部124は、少なくともオブザーバ推定値S4にもとづいて、センサレス推定値S3の信頼性を判定する。センサ検出値S6の信頼性が低く、センサレス推定値S3の信頼性が高いときは、センサレス推定値S3にもとづいて駆動制御信号S5を生成する。
第1の利用方法では、制御信号生成部124は、センサ検出値S6およびセンサレス推定値S3の信頼性が低いときは、少なくともオブザーバ推定値S4にもとづいて駆動制御信号S5を生成する。
図8は、第3の実施の形態における第1の利用方法のフローチャートである。動力発生装置100bの運転中において、センサ検出値S6(θ)、センサレス推定値S3(^θSL)、オブザーバ推定値S4(^θEB)それぞれが生成される(S300)。続いて、センサ検出値S6の信頼性が評価される(S302,S304)。具体的にはセンサ検出値S6の信頼性を表す指標として、センサ検出値S6とセンサレス推定値S3の誤差Δθ(=θ−^θSL)が計算される(S302)。そして|Δθ|<θTH3、すなわちセンサ検出値S6の信頼性が高い場合(S304のY)、推定位置^θとして、センサの位置検出値θが使用される(S306)。
ステップS304において、|Δθ|>θTH3、すなわちセンサ検出値S6の信頼性が低い場合(S304のN)、センサレス推定値S3の信頼性が評価される(S308,S310)。具体的にはセンサレス推定値S3の信頼性を表す指標として、センサレス推定値S3とオブザーバ推定値S4の誤差Δθ(=^θSL−^θEB)が計算される(S308)。そして|Δθ|<θTH1、すなわちセンサレス推定値S3の信頼性が高い場合(S310のY)、推定位置^θとして、センサレスによる推定位置^θSLが使用される(S312)。
ステップS310において、|Δθ|>θTH1、すなわちセンサレス推定値S3の信頼性が低い場合(S310のN)、少なくともオブザーバ推定値S4にもとづいて、修正された推定位置^θが生成される(S314)。推定位置^θは、少なくともオブザーバ推定値S4(^θEB)を引数とする所定の関数f(θ,^θSL,^θEB)にもとづいて、生成することができる。
たとえば、関数fは、第1の実施の形態や第2の実施の形態で説明したように、
^θ=f(^θSL,^θEB
^θ=f(θ,^θEB
であってもよい。
そして推定位置^θにもとづいて、電動アシストモータ104が駆動される(S316)。
(第2の利用方法)
第3の実施の形態において、センサレス推定値S3とセンサ検出値S6の両方の信頼性が低い場合(S310のN)、所定のエラー処理を行ってもよい。エラー処理は、(i)センサ130の故障の上位コントローラ(あるいはユーザ)への通知、(ii)電動アシストモータ104の回転の停止、あるいはそのトルクの制限などが例示される。この利用方法によっても動力発生装置100aの信頼性を高めることができる。
(第3の利用方法)
第1の利用方法では、センサレス推定値S3、センサ検出値S6それぞれについて、信頼性が高い領域と低い領域を区分したが、それらを連続的に扱うことも可能である。すなわち関数hを定義し、関数hにもとづいて得られる^θにもとづいて、駆動制御信号S5を生成してもよい。
^θ=h(θ,^θSL,^θEB
第3の実施の形態に関する変形例を説明する。
センサ検出値S6の信頼性を評価する際に、センサ検出値S6とオブザーバ推定値S4の誤差θを指標として用いてもよい。あるいはセンサ検出値S6、センサレス推定値S3、オブザーバ推定値S4のすべてを考慮して、センサ検出値S6の信頼性を表す指標を定義してもよい。
またセンサレス推定値S3の信頼性を評価する際に、センサ検出値S6、センサレス推定値S3、オブザーバ推定値S4のすべてを考慮して、センサレス推定値S3の信頼性を表す指標を定義してもよい。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、センサレス推定部120およびセンサ130は用いずに、オブザーバ122のみが設けられる。そして制御信号生成部124は常時、オブザーバ推定値S4が示す推定位置^θEBにもとづいて、駆動制御信号S5を生成する。第4の実施の形態によれば、センサ130およびセンサレス推定部120が不要となるため、コストおよびサイズを削減できる。
最後に動力発生装置100の用途を説明する。動力発生装置100は、建設機械や産業機械に利用することができる。図9は、実施の形態に係る建設機械の一例であるショベル1の外観を示す斜視図である。ショベル1は、主として走行機構2と、走行機構2の上部に旋回機構3を介して回動自在に搭載された上部旋回体(以下、単に旋回体ともいう)4とを備えている。
旋回体4には、ブーム5と、ブーム5の先端にリンク接続されたアーム6と、アーム6の先端にリンク接続されたバケット10とが取り付けられている。バケット10は、土砂、鋼材などの吊荷を捕獲するための設備である。ブーム5、アーム6、及びバケット10は、それぞれブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によって油圧駆動される。また、旋回体4には、バケット10の位置や励磁動作および釈放動作を操作する操作者を収容するための運転室4aや、油圧を発生するためのエンジン11といった動力源が設けられている。エンジン11は、例えばディーゼルエンジンで構成される。
図10は、実施の形態に係るショベル1の電気系統や油圧系統などのブロック図である。なお、図10では、機械的に動力を伝達する系統を二重線で、油圧系統を太い実線で、操縦系統を破線で、電気系統を細い実線でそれぞれ示している。
ショベル1は電動発電機12および減速機13を備えており、エンジン11及び電動発電機12の回転軸は、共に減速機13の入力軸に接続されることにより互いに連結されている。エンジン11の負荷が大きいときには、電動発電機12が自身の駆動力によりエンジン11の駆動力を補助(アシスト)し、電動発電機12の駆動力が減速機13の出力軸を経てメインポンプ14に伝達される。一方、エンジン11の負荷が小さいときには、エンジン11の駆動力が減速機13を経て電動発電機12に伝達されることにより、電動発電機12が発電を行う。電動発電機12は、例えば、磁石がロータ内部に埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnetic)モータによって構成される。電動発電機12の駆動と発電との切りかえは、ショベル1における電気系統の駆動制御を行うコントローラ30により、エンジン11の負荷等に応じて行われる。
減速機13の出力軸にはメインポンプ14及びパイロットポンプ15が接続されており、メインポンプ14には高圧油圧ライン16を介してコントロールバルブ17が接続されている。コントロールバルブ17は、ショベル1における油圧系の制御を行う装置である。コントロールバルブ17には、図9に示した走行機構2を駆動するための油圧モータ2A及び2Bの他、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9が高圧油圧ラインを介して接続されており、コントロールバルブ17は、これらに供給する油圧を運転者の操作入力に応じて制御する。
パイロットポンプ15には、パイロットライン25を介して操作装置26(操作手段)が接続されている。操作装置26は、旋回用電動機21、走行機構2、ブーム5、アーム6、及びバケット10を操作するための操作装置であり、操作者によって操作される。操作装置26には、油圧ライン27を介してコントロールバルブ17が接続され、また、油圧ライン28を介して圧力センサ29が接続される。操作装置26は、パイロットライン25を通じて供給される油圧(1次側の油圧)を操作者の操作量に応じた油圧(2次側の油圧)に変換して出力する。操作装置26から出力される2次側の油圧は、油圧ライン27を通じてコントロールバルブ17に供給されるとともに、圧力センサ29によって検出される。
圧力センサ29は、操作装置26に対して旋回機構3を旋回させるための操作が入力されると、この操作量を油圧ライン28内の油圧の変化として検出する。圧力センサ29は、油圧ライン28内の油圧を表す電気信号を出力する。この電気信号は、コントローラ30に入力され、旋回用電動機21の駆動制御に用いられる。
コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)及び内部メモリを含む演算処理装置によって構成され、内部メモリに格納された駆動制御用のプログラムをCPUが実行することにより実現される。コントローラ30は、各種センサ及び操作装置26等からの操作入力を受けて、インバータ18A、18C及び蓄電手段40等の駆動制御を行う。
旋回用電動機21は、図9の旋回機構3に設けられ、上部旋回体4を回動させる。旋回用電動機21は交流電動機であり、旋回体4を旋回させる旋回機構3の動力源である。旋回用電動機21の回転軸21Aには、レゾルバ22、メカニカルブレーキ23、及び旋回減速機24が接続される。旋回用インバータ18Cは、蓄電手段40からの電力を受け、旋回用電動機21を駆動する。また旋回用電動機21の回生運転時には、旋回用電動機21からの電力を蓄電手段40に回収する。
旋回用電動機21が力行運転を行う際には、旋回用電動機21の回転駆動力の回転力が旋回減速機24にて増幅され、旋回体4が加減速制御され回転運動を行う。また、旋回体4の慣性回転により、旋回減速機24にて回転数が増加されて旋回用電動機21に伝達され、回生電力を発生させる。
レゾルバ22は、旋回用電動機21の回転軸21Aの回転位置及び回転角度を検出するセンサであり、旋回用電動機21と機械的に連結することで回転軸21Aの回転角度及び回転方向を検出する。レゾルバ22が回転軸21Aの回転角度を検出することにより、旋回機構3の回転角度及び回転方向が導出される。メカニカルブレーキ23は、機械的な制動力を発生させる制動装置であり、コントローラ30からの指令によって、旋回用電動機21の回転軸21Aを機械的に停止させる。旋回減速機24は、旋回用電動機21の回転軸21Aの回転速度を減速して旋回機構3に機械的に伝達する減速機である。
続いて電気系統について詳細に説明する。電気系統は主として、コントローラ30、蓄電手段40、インバータ18A,18Cを備える。
(アシスト)
アシスト用のインバータ18Aの2次側(出力)端には、電動発電機12が接続される。インバータ18Aは、コントローラ30の一部であるアシスト用インバータコントローラからの指令にもとづき、電動発電機12の運転制御を行う。
(旋回)
旋回用電動機21、レゾルバ22、メカニカルブレーキ23、旋回減速機24、旋回用インバータ18Cおよびコントローラ30の一部である旋回用のインバータコントローラは、電動旋回装置を構成する。
旋回用電動機21は、PWM(Pulse Width Modulation)制御指令により旋回用インバータ18Cによって交流駆動される。旋回用電動機21としては、例えば、磁石埋込型のIPMモータが好適である。
旋回用インバータコントローラは、操作入力に応じた回転速度指令を受け、レゾルバ22により検出される旋回用電動機21の旋回速度が、回転速度指令と一致するように、旋回用インバータ18Cを制御する。
(電源)
蓄電手段40とコントローラ30の一部であるコンバータコントローラは、電源装置を構成する。蓄電手段40は、例えば蓄電池であるバッテリと、バッテリの充放電を制御する昇降圧コンバータ(双方向DC/DCコンバータ)と、正極及び負極の直流配線からなるDCバスとを備えている(図示せず)。蓄電器としては、リチウムイオン電池等の充電可能な2次電池、キャパシタ、そのほか電力の授受が可能なその他の形態の電源を用いてもよい。DCバスには、インバータ18A,18Cそれぞれの1次側(直流入力)が接続されている。コントローラは、DCバスに生ずるDCリンク電圧が所定の電圧レベルとなるように、双方向DC/DCコンバータを制御する。電源装置は、電動発電機12等が力行運転する際には、双方向DC/DCコンバータを昇圧動作させ、電動発電機12等が回生運転する際には、双方向DC/DCコンバータを降圧動作させ、電動発電機12が発生した電力を蓄電器に回収する。
すなわち、インバータ18Aが電動発電機12を力行運転させる際には、必要な電力をバッテリ及び昇降圧コンバータからDCバスを介して電動発電機に供給する。また、電動発電機12を回生運転させる際には、電動発電機12により発電された電力をDCバス及び昇降圧コンバータを介してバッテリに充電する。なお、昇降圧コンバータの昇圧動作と降圧動作の切替制御は、DCバス電圧値、バッテリ電圧値、及びバッテリ電流値にもとづき、コンバータコントローラによって行われる。これにより、DCバスを、予め定められた一定電圧値に蓄電された状態に維持することができる。
以上がショベル1の構成である。実施の形態に係る動力発生装置100のエンジン102、電動アシストモータ104、変速機106はそれぞれ、図10のエンジン11、電動発電機12、減速機13に対応する。また動力発生装置100のモータコントローラ112およびインバータ114は、図10のコントローラ30、インバータ18Aに対応する。また実施の形態に係る動力発生装置100の負荷200は、図10のメインポンプ14に対応する。
ここでは実施の形態では、本発明に係るハイブリッド型建設機械の一例として、ショベル1を示したが、本発明のハイブリッド型建設機械の他の例としては、リフティングマグネット車両やクレーン等が挙げられる。
1…ショベル、2…走行機構、2A…油圧モータ、3…旋回機構、4…旋回体、4a…運転室、5…ブーム、6…アーム、7…ブームシリンダ、8…アームシリンダ、9…バケットシリンダ、10…バケット、11…エンジン、12…電動発電機、13…減速機、14…メインポンプ、15…パイロットポンプ、16…高圧油圧ライン、17…コントロールバルブ、18,18A…インバータ、18C…旋回用インバータ、21…旋回用電動機、21A…回転軸、22…レゾルバ、23…メカニカルブレーキ、24…旋回減速機、25…パイロットライン、26…操作装置、27,28…油圧ライン、29…圧力センサ、30…コントローラ、40…蓄電手段、S1…フィードバック情報、S2…エンジン情報、S3…センサレス推定値、S4…オブザーバ推定値、S5…駆動制御信号、S6…センサ検出値、100…動力発生装置、102…エンジン、104…電動アシストモータ、106…変速機、108…エンジンコントローラ、110…モータ駆動装置、112…モータコントローラ、114…インバータ、120…センサレス推定部、122…オブザーバ、124…制御信号生成部、126…制御対象、130…センサ。

Claims (11)

  1. エンジンと、
    電動アシストモータと、
    前記エンジンを制御するエンジンコントローラと、
    前記電動アシストモータを駆動するモータ駆動装置と、
    を備え、
    前記エンジンと前記電動アシストモータが連結され、それらのトルクが負荷に伝達され、
    前記モータ駆動装置は、
    前記電動アシストモータの駆動制御信号を生成するモータコントローラと、
    前記駆動制御信号にもとづいて前記電動アシストモータを駆動するインバータと、
    を備え、
    前記モータコントローラは、前記エンジンの状態を示す情報にもとづいてオブザーバにより前記電動アシストモータのロータの状態を示すオブザーバ推定値を生成し、前記オブザーバ推定値を前記電動アシストモータの制御に反映させ、
    前記モータコントローラは、センサレス方式によって前記ロータの状態を示すセンサレス推定値を生成し、前記オブザーバ推定値と前記センサレス推定値にもとづいて前記センサレス推定値の信頼性を判定することを特徴とする動力発生装置。
  2. 前記モータコントローラは、(i)前記センサレス推定値の信頼性が高いとき、前記センサレス推定値にもとづいて前記駆動制御信号を生成し、(ii)前記センサレス推定値の信頼性が低いとき、少なくとも前記オブザーバ推定値にもとづいて前記駆動制御信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の動力発生装置。
  3. 前記モータコントローラは、前記オブザーバ推定値と前記センサレス推定値の誤差が所定のしきい値より大きいとき、信頼性が低いと判定することを特徴とする請求項1または2に記載の動力発生装置。
  4. 前記電動アシストモータの前記ロータの状態を監視し、センサ検出値を生成するセンサをさらに備え、
    前記モータコントローラは、前記オブザーバ推定値と前記センサ検出値にもとづいて前記センサの異常を検出することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の動力発生装置。
  5. エンジンと、
    電動アシストモータと、
    前記エンジンを制御するエンジンコントローラと、
    前記電動アシストモータを駆動するモータ駆動装置と、
    を備え、
    前記エンジンと前記電動アシストモータが連結され、それらのトルクが負荷に伝達され、
    前記モータ駆動装置は、
    前記電動アシストモータの駆動制御信号を生成するモータコントローラと、
    前記駆動制御信号にもとづいて前記電動アシストモータを駆動するインバータと、
    前記電動アシストモータのロータの状態を監視し、センサ検出値を生成するセンサと、
    を備え、
    前記モータコントローラは、前記エンジンの状態を示す情報にもとづいてオブザーバにより前記電動アシストモータの前記ロータの状態を示すオブザーバ推定値を生成し、前記オブザーバ推定値を前記電動アシストモータの制御に反映させ、
    前記モータコントローラは、前記オブザーバ推定値と前記センサ検出値にもとづいて前記センサの異常を検出することを特徴とする動力発生装置。
  6. 前記モータコントローラは、(i)前記センサが正常であるとき、前記センサ検出値にもとづいて前記駆動制御信号を生成し、(ii)前記センサが異常であるとき、前記オブザーバ推定値にもとづいて前記駆動制御信号を生成することを特徴とする請求項4または5に記載の動力発生装置。
  7. エンジンと、
    電動アシストモータと、
    前記エンジンを制御するエンジンコントローラと、
    前記電動アシストモータを駆動するモータ駆動装置と、
    を備え、
    前記エンジンと前記電動アシストモータが連結され、それらのトルクが負荷に伝達され、
    前記モータ駆動装置は、
    前記電動アシストモータの駆動制御信号を生成するモータコントローラと、
    前記駆動制御信号にもとづいて前記電動アシストモータを駆動するインバータと、
    前記電動アシストモータのロータの状態を監視し、センサ検出値を生成するセンサと、
    を備え、
    前記モータコントローラは、前記エンジンの状態を示す情報にもとづいてオブザーバにより前記電動アシストモータの前記ロータの状態を示すオブザーバ推定値を生成し、前記オブザーバ推定値を前記電動アシストモータの制御に反映させ、
    前記モータコントローラは、
    センサレス方式によって前記ロータの状態を示すセンサレス推定値を生成し、
    前記オブザーバ推定値および前記センサレス推定値の少なくとも一方にもとづいて、前記センサ検出値の信頼性を判定し、
    少なくとも前記オブザーバ推定値にもとづいて、前記センサレス推定値の信頼性を判定することを特徴とする動力発生装置。
  8. 前記モータコントローラは、
    (i)前記センサ検出値の信頼性が高いときは、前記センサ検出値にもとづいて前記駆動制御信号を生成し、
    (ii)前記センサ検出値の信頼性が低く、前記センサレス推定値の信頼性が高いときは、前記センサレス推定値にもとづいて前記駆動制御信号を生成することを特徴とする請求項7に記載の動力発生装置。
  9. 前記モータコントローラは、
    (iii)前記センサ検出値および前記センサレス推定値の信頼性が低いときは、少なくとも前記オブザーバ推定値にもとづいて前記駆動制御信号を生成することを特徴とする請求項7または8に記載の動力発生装置。
  10. 前記エンジンの状態を示す情報は、少なくとも前記エンジンの回転数を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の動力発生装置。
  11. メインポンプと、
    前記メインポンプを駆動する請求項1から10のいずれかに記載の動力発生装置と、
    を備えることを特徴とするショベル。
JP2016020977A 2016-02-05 2016-02-05 動力発生装置およびそれを用いたショベル Active JP6679334B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016020977A JP6679334B2 (ja) 2016-02-05 2016-02-05 動力発生装置およびそれを用いたショベル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016020977A JP6679334B2 (ja) 2016-02-05 2016-02-05 動力発生装置およびそれを用いたショベル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017139930A JP2017139930A (ja) 2017-08-10
JP6679334B2 true JP6679334B2 (ja) 2020-04-15

Family

ID=59566957

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016020977A Active JP6679334B2 (ja) 2016-02-05 2016-02-05 動力発生装置およびそれを用いたショベル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6679334B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7134857B2 (ja) * 2018-12-18 2022-09-12 住友重機械工業株式会社 建設機械
JP7321711B2 (ja) * 2019-01-18 2023-08-07 住友重機械工業株式会社 作業機械

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017139930A (ja) 2017-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101312964B1 (ko) 하이브리드형 작업기계
JP5595335B2 (ja) 建設機械
JP5436900B2 (ja) ハイブリッド型建設機械
KR20140036181A (ko) 작업 기계
EP3040483B1 (en) Working machine
JP2014058825A (ja) 建設機械
JP6093905B2 (ja) ハイブリッド作業機械の機関制御装置、ハイブリッド作業機械及びハイブリッド作業機械の機関制御方法
JP4949308B2 (ja) 旋回駆動制御装置及びこれを含む建設機械
JP5583901B2 (ja) ハイブリッド型建設機械
JP6679334B2 (ja) 動力発生装置およびそれを用いたショベル
JP6487529B2 (ja) 旋回装置
JP4995048B2 (ja) 建設機械の異常検出装置及びこれを含む建設機械
JP6366978B2 (ja) 産業車両用電源装置
JP5420267B2 (ja) ハイブリッド型作業機械およびハイブリッド型作業機械の制御方法
JP6278793B2 (ja) 電動旋回装置
US9567730B2 (en) Work machine
JP6676396B2 (ja) モータの駆動装置およびそれを用いた産業機械
JP2016166511A (ja) ショベル
JP5349998B2 (ja) 作業機械および作業機械の制御方法
JP5037558B2 (ja) ハイブリッド型建設機械
JP5814835B2 (ja) ショベル
JP6278785B2 (ja) 産業車両用電源装置
JP7479122B2 (ja) 作業機械
JP5207232B2 (ja) 旋回駆動制御装置及びこれを含む建設機械
JP6571364B2 (ja) 作業機械の電動旋回装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191029

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191031

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6679334

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150