JP6678484B2 - 炉枠取付方法、および、該方法に用いる治具 - Google Patents

炉枠取付方法、および、該方法に用いる治具 Download PDF

Info

Publication number
JP6678484B2
JP6678484B2 JP2016051946A JP2016051946A JP6678484B2 JP 6678484 B2 JP6678484 B2 JP 6678484B2 JP 2016051946 A JP2016051946 A JP 2016051946A JP 2016051946 A JP2016051946 A JP 2016051946A JP 6678484 B2 JP6678484 B2 JP 6678484B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace frame
jig
opening
furnace
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016051946A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017165851A (ja
Inventor
英雄 牛澤
英雄 牛澤
正起 福永
正起 福永
江川 秀
秀 江川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2016051946A priority Critical patent/JP6678484B2/ja
Publication of JP2017165851A publication Critical patent/JP2017165851A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6678484B2 publication Critical patent/JP6678484B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coke Industry (AREA)

Description

本発明は、コークス炉の炭化室の開口部に炉枠を取り付ける炉枠取付方法、および、該方法の実施に用いる治具に関するものである。
コークス炉は、炭化室と燃焼室とが一方向に交互配置で複数配列された構成を備えている。この炭化室と燃焼室が並ぶ方向は炉団方向という。
コークス炉は、外壁、および、炭化室と燃焼室との隔壁等が、耐火材であるレンガによって形成されたレンガ構造体となっている。
各炭化室は、上端側に石炭の装入口を備え、炉団方向と直交する水平方向である炉長方向の一端側に押出口を備え、炉長方向の他端側に排出口を備えた構成とされている。
押出口と排出口は、いずれも、レンガによって周囲が形成された開口部に、炉枠が取り付けられ、この炉枠に、炉蓋が取り外し可能に取り付けられている。この炉蓋の炉枠からの取り外しにより、押出口や排出口は開放され、炉蓋の炉枠への取り付けにより、押出口や排出口は閉止される。
ところで、コークス炉では、経年劣化や損傷などに起因して、炉枠の交換が必要とされる場合がある。
この場合、従来は、炉蓋を取り外した後の炉枠を、リフターを用いて脱着することが従来提案されている(たとえば特許文献1参照)。
この種のリフターは、通常、押出機やガイド車に備えられている。
特開2002−317181号公報
ところが、稼働中のコークス炉において、一部の炭化室の炉枠に劣化や損傷が生じた場合は、その一部の炭化室の炉枠を交換する必要があるが、この場合、押出機やガイド車に装備されたリフターを使用すると、押出機やガイド車を、健全な他の炉の操業を継続するために使用することができなくなってしまう。
この場合、コークス生産の停止が炉枠の交換が必要とされる一部の炭化室のみではなくコークス炉全体に及ぶため、コークス減産の影響が大となる。
そこで、本発明は、押出機やガイド車を用いることなく、炉枠の取り付け作業を実施するための炉枠取付方法、および、該方法に用いる治具を提供しようとするものである。
本発明は、前記課題を解決するために、治具を用いて炭化室の開口部に炉枠を取り付ける炉枠取付方法であって、前記治具は、互いに対向して配置される一対の梁部材と、前記一対の梁部材を連結する連結部材と、を備える梁部と、前記炉枠の閂受金物と嵌合する受け部材を備えて、前記受け部材で前記閂受金物を保持する炉枠保持部と、前記炉枠の重量とバランスをとるためのウェイトを保持するウェイト保持部と、前記治具を吊り上げる第1吊具からの吊り索が掛けられる吊りピースと、を有してなり、前記炉枠保持部は、前記一対の梁部材それぞれの長さ方向の一端側に取り付けられ、前記梁部材および前記連結部材それぞれと直交する方向に配置され、前記ウェイト保持部は、前記一対の梁部材それぞれの長さ方向の他端側に取り付けられ、前記梁部材および前記連結部材それぞれと直交する方向に配置され、かつ、前記一対の炉枠保持部に対向して配置され、前記吊りピースは、前記一対の梁部材それぞれに設けられ、前記治具を用意する工程と、前記ウェイト保持部に、ウェイトを取り付ける工程と、前記受け部材に、前記炉枠の閂受金物を嵌合させて、前記治具に前記炉枠を保持する工程と記治具を前記吊りピースと前記吊り索とを介して前記第1吊具で吊る工程と前記第1吊具の移動により、前記炉枠保持部に保持された前記炉枠を、前記炭化室の開口部の外側位置まで搬送する工程と前記搬送された炉枠を前記開口部に取り付ける工程と、有してなる炉枠取付方法とする。
前記治具は、前記炉枠の上方に配置され、前記炉枠は前記閂受金物が前記治具側を向く姿勢で配置されて前記閂受金物と前記受け部材とが対向し、前記閂受金物が前記受け部材に保持されて、前記炉枠は前記治具に保持されるようにする。
前記開口部は、前記炭化室の外側の上方位置に障害物が存在している開口部であり、前記炉枠を前記開口部の外側位置まで搬送する工程の前に、内部に空間部と、前記空間部の頂部側に第2吊具と、を備える仮設台車を前記障害物の下方位置に配置する工程、を有してなり、前記炉枠を前記開口部の外側位置まで搬送する工程は、前記吊り上げられた治具を、前記仮設台車の近傍に配置する工程と、前記治具を、前記第1吊具から前記第2吊具に受け替える工程と、前記治具、前記第2吊具を用いて前記空間部内を移動させることにより、前記炉枠を前記開口部に接近させる工程と、を含み、前記開口部に近接させた前記炉枠を、前記開口部取り付けようにする。
前記炉枠の前記開口部への取り付けは、前記炭化室とは異なる他の炭化室の操業を継続しながら行うようにする。
また、炉枠を保持する治具であって、互いに対向して配置される一対の梁部材と、前記一対の梁部材を連結する連結部材と、を備える梁部と、前記炉枠の閂受金物と嵌合する受け部材を備えて、前記受け部材で前記閂受金物を保持する炉枠保持部と、前記炉枠の重量とバランスをとるためのウェイトを保持するウェイト保持部と、前記治具を吊り上げる吊り索が掛けられる第1吊りピースと、を有してなり、前記炉枠保持部は、前記一対の梁部材それぞれの長さ方向の一端側に取り付けられ、前記梁部材および前記連結部材それぞれと直交する方向に配置され、前記ウェイト保持部は、前記一対の梁部材それぞれの長さ方向の他端側に取り付けられ、前記梁部材および前記連結部材それぞれと直交する方向に配置され、かつ、前記一対の炉枠保持部に対向して配置され、前記第1吊りピースは、前記一対の梁部材それぞれに設けられる構成を有する治具とする。
前記ウェイト保持部は、前記炉枠保持部が前記ウェイト保持部の下側に位置するように前記治具を吊り上げる吊り索が掛けられる第2吊りピースを備え構成としてある。
本発明の炉枠取付方法、および、該方法に用いる治具によれば、押出機やガイド車を用いることなく、炉枠の取り付け作業を実施することができる。
コークス炉と炉枠の概要を示す図である。 炉枠取付方法で用いる治具を示す図である。 図2の治具における受け部材を拡大して示す図である。 炉枠取付方法の第1実施形態の手順を示す図である。 炉枠取付方法の図4に続く手順を示す図である 炉枠取付方法の第2実施形態を示す概要図である。 炉枠取付方法の第2実施形態を別の方向から示す概要図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、炉枠取付方法の第1実施形態の適用対象となるコークス炉と炉枠の概要を示すもので、図1(a)は開口部の軸方向の外側から見た図、図1(b)は図1(a)のA−A方向矢視図である。図2は、炉枠取付方法で用いる治具を示すもので、図2(a)は左側面図、図2(b)は右側面図、図2(c)は図2(a)のB−B方向矢視図である。図3は、図2の治具における受け部材を拡大して示すもので、図3(a)は左側の受け部材の左側面図、図3(b)は図3(a)のC−C方向矢視図、図3(c)は右側の受け部材の右側面図、図3(d)は図3(c)のD−D方向矢視図である。図4は、本実施形態の炉枠取付方法の手順を示すもので、図4(a)は寝かせた姿勢の炉枠を治具に保持させる状態を、図4(b)は炉枠を保持した治具を開口部の近傍まで移動させた状態をそれぞれ示す概要図である。図5は、本実施形態の炉枠取付方法にて図4(b)に続く手順を示すもので、図5(a)は炉枠本体を開口部に挿入した状態を、図5(b)は炉枠から治具を取り外した状態をそれぞれ示す概要図である。
先ず、本実施形態の炉枠取付方法の適用対象となるコークス炉1および炉枠2の構造について概説する。
コークス炉1は、図1(a)(b)に示すもので、図1(a)中に矢印xで示す炉団方向に、複数の炭化室3と図示しない複数の燃焼室が交互に配列して設けられている。
炭化室3には、図1(b)中に矢印yで示す炉長方向の一端側と他端側に、押出口と排出口とするための開口部4が設けられている。開口部4は、図1(a)に示すように、上下に延びる矩形とされている。また、開口部4の周縁には、炉長方向の外側から炉枠2を挿入して配置するための段差部5が設けられている。
図1(a)(b)に示すようにコークス炉1には、隣接する開口部4同士の間の位置の炉長方向の両側に、上下に延びるバックステー6が備えられている。このバックステー6は、コークス炉1のレンガ構造体を、図示しない炉締めスプリングやフラッシュプレート等を介して炉長方向の外側から締めて、レンガ構造体の形状を保持するためのものである。
炉枠2は、炉枠本体7と、閂受金物8a,8b,8c,8dとを備えた構成とされている。
炉枠本体7は、開口部4の周縁に沿うように上下に延びる矩形状の枠とされている。炉枠本体7は、開口部4の段差部5に挿入され、この状態で、開口部4の外側に露出する面の複数個所が押さえ部材9によって開口部4の外側から押さえられることで、開口部4に取り付けられている。
ここで、説明の便宜上、炉枠2について、開口部4に取り付けられた状態の炉枠2を炉長方向の外側から見たときに左手側に位置する側を左側、右手側に位置する側を右側という。
炉枠本体7の開口部4の外側に露出する面には、上部寄り個所と下部寄り個所に、閂受金物8a,8bと閂受金物8c,8dが突設されている。
炉枠2の左側に設けられている上下の各閂受金物8a,8cは、上方が開放された鉤型とされている。一方、炉枠2の右側に設けられている上下の各閂受金物8b,8dは、下方が開放された鉤型とされている。これにより、炉枠2の左右に配置された閂受金物8a,8bによる対、および、閂受金物8c,8dによる対は、炉枠2に取り付けられる図示しない炉蓋の上部と下部の旋回式(回転式)の閂の両端部を、それぞれ掛けることができる。
更に、炉枠2は、炉枠本体7の上寄り位置に、図示しない炉蓋に装備されているローラを受けて炉蓋の位置決めを行うためのローラ受け部材10を備える構成とすることが好ましい。
次に、図2(a)(b)(c)および図3(a)(b)(c)(d)に示す治具11の構成について説明する。なお、治具11の構成を説明する便宜上、治具11について、炉枠2を保持する際に炉枠2に近接して配置される側を前側、その反対の炉枠2から離反して配置される側を後側という。また、治具11に炉枠2を保持した状態のときに、炉枠2の上側、下側、左側、右側にそれぞれ対応する方向を、治具11の上側、下側、左側、右側という。
本実施形態の炉枠取付方法で用いる治具11は、図2(a)(b)(c)に示すように、前後方向に設定された長さ寸法を有する梁部12と、梁部12の前端側に取り付けられた炉枠保持部13と、梁部12の後端側に取り付けられたウェイト保持部14と、梁部12の上側に炉枠保持部13から離れた配置で設けられた吊りピース15a,15bとを備えた構成とされている。
梁部12は、たとえば、前後方向に延びて左右に設定された間隔を隔てて平行に配置された2本の梁部材16と、この梁部材16の前後方向の複数個所同士を連結した左右方向に延びる連結部材17とから構成されている。
吊りピース15aは、左右の各梁部材16の前寄り個所の上面に設けられている。吊りピース15bは、左右の梁部材16の後端に寄った個所の上面に設けられている。これにより、クレーンの吊具18から4本の吊り索19を介して各吊りピース15a,15bを吊るときに、各吊り索19に個別に備えたチェーンブロック等の長さ調整手段20を用いて各吊り索19の長さを調整することで、梁部12と一体に治具11全体の前後左右の傾きを調整することができる。
なお、梁部12は、吊りピース15aを前寄りの左右2個所と、後端寄りの左右2個所に設けることができ、更に、前端側に炉枠保持部13を、後端側にウェイト保持部14をそれぞれ取り付けることができれば、梁部12の構造は、図示した以外の構造を採用してもよいことは勿論である。
炉枠保持部13は、梁部12の前端側に沿う位置で上下方向に延びるフレーム21と、炉枠2の4つの閂受金物8a,8b,8c,8dに対応する配置でフレーム21の前面側に設けられた4つの受け部材22a,22b,22c,22dとを備えた構成とされている。
フレーム21は、たとえば、上下に延びる左右一対の縦部材23と、各縦部材23の上端側同士および下端側同士を繋ぐ上下一対の横部材24とを備えた上下に延びる矩形枠とされている。縦部材23同士の左右方向の間隔は、左側の縦部材23が炉枠2の左側の閂受金物8a,8cに対峙する配置のときに、右側の縦部材23が炉枠2の右側の閂受金物8b,8dに対峙する配置となるように設定されている。
各縦部材23の上部寄り個所と下部寄り個所の前面側には、受け部材22a,22bと受け部材22c,22dが前方に突出する配置で設けられている。
左側の受け部材22a,22cは、図3(a)(b)に示すように、左側の閂受金物8a,8cの板厚よりもやや広い隙間を隔てて対向配置された左右一対のプレート材25と、各プレート材25の下端側同士を繋ぐ連結部材26と、同軸心配置で各プレート材25に左右方向に穿設されたボルト孔27と、ボルト孔27に挿通するボルト28と、ボルト28に螺着させるナット29とを備えた構成とされている。
ボルト孔27の上下方向および前後方向の位置は、プレート材25と連結部材26とによって左右と下方の三方が囲まれる空間に閂受金物8a,8cを挿入配置すると、この閂受金物8a,8cの鉤型の凹部にボルト孔27が配置されるように設定されている。
これにより、受け部材22a,22cは、ボルト孔27からボルト28を取り外した状態では、プレート材25同士の間に、閂受金物8a,8cを前方から挿入したり、前方へ抜き出したりすることができる。また、プレート材25同士の間に閂受金物8a,8cを挿入配置した状態で、ボルト孔27にボルト28を挿通させると共に、ボルト28に先端側からナット29を螺着すると、閂受金物8a,8cの鉤型の凹部がボルト28に係止される。よって、この状態では、受け部材22a,22cは、閂受金物8a,8cを、前方へ抜けないように保持することができる。また、受け部材22a,22cは、閂受金物8a,8cを保持している状態では、炉枠2の重量に基づいて閂受金物8a,8cから作用する下向きの荷重を、連結部材26と各プレート材25とを介してフレーム21に伝えて支持することができる。
右側の受け部材22b,22dは、図3(c)(d)に示すように、右側の閂受金物8b,8dの板厚よりもやや広い間隔を隔てて対向配置された左右一対のプレート材30と、プレート材30の上端側同士を繋ぐ連結部材31と、同軸心配置で各プレート材30に左右方向に穿設されたボルト孔32と、ボルト孔32に挿通するボルト28と、ボルト28に螺着させるナット29とを備えた構成とされている。
ボルト孔32の上下方向および前後方向の位置は、プレート材30と連結部材31とによって左右と上方の三方が囲まれる空間に閂受金物8b,8dを挿入配置すると、この閂受金物8b,8dの鉤型の凹部にボルト孔32が配置されるように設定されている。
これにより、受け部材22b,22dは、ボルト孔32からボルト28を取り外した状態では、プレート材30同士の間に、閂受金物8b,8dを前方から挿入したり、前方へ抜き出したりすることができる。また、プレート材30同士の間に閂受金物8b,8dを挿入配置した状態で、ボルト孔32にボルト28を挿通させると共に、ボルト28に先端側からナット29を螺着すると、閂受金物8b,8dの鉤型の凹部がボルト28に係止される。よって、この状態では、受け部材22b,22dは、閂受金物8b,8dを、前方へ抜けないように保持することができる。また、受け部材22b,22dは、閂受金物8b,8dを保持している状態では、炉枠2の重量に基づいて閂受金物8b,8dから作用する下向きの荷重を、ボルト28と各プレート材30とを介してフレーム21に伝えて支持することができる。
なお、炉枠2の各閂受金物8a,8b,8c,8dと対応する配置で受け部材22a,22b,22c,22dを設けることができ、且つバックステー6や炭化室3の開口部4の周辺に設けられている機器と干渉しない形状やサイズとしてあれば、フレーム21は、図示した以外のいかなる構成を備えていてもよいことは勿論である。
ウェイト保持部14は、炉枠2の重量とバランスさせるためのウェイト33を取り付けるためのものである。
そのため、ウェイト保持部14は、たとえば、上下方向に延びて上端が梁部材16の下面に固定された2本のウェイト取付フレーム34と、各ウェイト取付フレーム34に設けられたウェイト載置台35と、両ウェイト載置台35に載置されたウェイト33を固定するための固定手段36とを備えた構成とされている。
ウェイト載置台35は、ウェイト取付フレーム34の下部寄り個所の後側に、後方に突出するように設けられている。このウェイト載置台35の突出量は、使用するウェイト33を載置できるように設定されている。たとえば、ウェイト33として、図2(a)(b)(c)に示すようにプレート状のウェイト33を前後方向に複数枚重ねて使用する場合は、最も後側に配置されるウェイト33を載置できるように、ウェイト載置台35の突出量を定めるようにすればよい。
固定手段36は、たとえば、ウェイト取付フレーム34の後側面に後方に向けて突設したボルト36aと、このボルト36aに螺合させるナット36bとを備えた構成とされている。この構成の固定手段36を用いる場合は、使用するウェイト33には、予めボルト36aを挿通させるためのボルト挿通孔(図示せず)を穿設しておく。
かかる構成の固定手段36によれば、ウェイト載置台35にウェイト33を載置した状態で、ウェイト33のボルト挿通孔から突出するボルト36aに、突出端側からナット36bを螺着して締めることで、ウェイト取付フレーム34にウェイト33を取り外し可能に固定することができる。
なお、炉枠2の重量とバランスさせるためのウェイト33を取り外し可能に取り付けることができるようにしてあれば、固定手段36はボルト36aとナット36b以外の任意の構成の固定手段を採用してもよく、また、ウェイト取付フレーム34は枠構造以外の任意の構造や形状を備えていてもよいことは勿論である。
ウェイト33の重量は、たとえば、吊りピース15a,15bを介して治具11を吊るときの吊具18の位置から炉枠保持部13に保持された炉枠2までの水平方向距離と、吊り位置からウェイト保持部14に取り付けたウェイト33までの水平方向距離との比、および、炉枠2の重量を考慮して、治具11で保持した炉枠2を、取付対象となる炭化室3の開口部4の角度姿勢に合わせて保持できるように設定されている。なお、前述したように、各吊りピース15a,15bを吊る4本の吊り索19の長さ調整手段20を用いて治具11の前後左右方向の傾きは調整可能であるため、この調整可能な範囲内で炉枠2とウェイト33がバランスするように、ウェイト33の重量を定めるようにすればよい。
更に、本実施形態で使用する治具11は、補強構造として、たとえば、炉枠保持部13の下端側とウェイト保持部14の下端側が、前後方向に延びる連結部材37で連結された構成を備えている。この構成によれば、治具11は、直方体状の骨組構造物となる。これにより、治具11をクレーン等の吊具18で吊るときには、炉枠保持部13の下端側とウェイト保持部14の下端側が互いに近接するような変形が連結部材37により抑制される。このため、治具11では、吊具18で吊るときに梁部12に作用する曲げ荷重を軽減させることができる。更に、この構成によれば、後述するように、炉枠保持部13が下向きや斜め下向きとなるように治具11を寝かせた姿勢とする際に、治具11の変形を抑えることができるという効果も得ることができる。
なお、治具11は、連結部材37に代えて、梁部12と炉枠保持部13との間、および、梁部12とウェイト保持部14との間に、それぞれ斜材を設けた構成等、図示した以外の任意の補強構造を備えていてもよいことは勿論である。更に、梁部12をトラス構造などとして、梁部12自体を曲げ剛性の高いものとすれば、連結部材37のような補強のための別部材は省略した構成としてもよい。
治具11は、ウェイト保持部14の下端側となる個所に、吊りピース38を更に備えることが好ましい。この吊りピース38を備えた構成によれば、図4(a)に示すように、吊りピース15bと吊りピース38に繋いだ図2(a)(b)に示したと同様の吊り索19をクレーン等の吊具18で吊ることにより、治具11は、炉枠保持部13を下方や斜め下方に向けるように寝かせた姿勢で移動させることが可能になる。
以上の構成としてある治具11を用いて炭化室3の開口部4へ炉枠2の取り付けを行う炉枠取付方法を実施する場合は、図4(a)に示すように、治具11のウェイト保持部14には、予め所定重量のウェイト33を取り付けておく。
次に、治具11の炉枠保持部13に、炉枠2を保持する。
なお、コークス炉1の規模にもよるが、炉枠2は、上下方向寸法が5000mm以上、重量が2トン程度となることがある。そのため、治具11に炉枠2を保持する作業を行う場合は、炉枠2の姿勢を安定させる点、および、作業性を高める点から考えると、図4(a)に示すように、炉枠2を予め閂受金物8a,8b,8c,8dが上向きとなるように地上に寝かせた姿勢で配置しておくことが好適である。
この状態で、炉枠2の上方から、炉枠保持部13を下方に向けるように寝かせた姿勢で吊った治具11を接近させて、各受け部材22a,22b,22c,22dを、それぞれ対応する炉枠2の閂受金物8a,8b,8c,8dに嵌合させる。その後、各受け部材22a,22cのボルト孔27と、各受け部材22b,22dのボルト孔32にそれぞれボルト28を挿通し、ボルト28の先端側からナット29を螺着して締めることで、各受け部材22a,22b,22c,22dで各閂受金物8a,8b,8c,8dを保持する。
このように、炉枠2を治具11で保持した後は、図4(b)に示すように、治具11を、吊りピース15a,15bにかけた吊り索19を介してクレーン等の吊具18で吊り上げる。この吊り上げにより、治具11と一緒に炉枠2を寝かした姿勢から引き起こす。
次いで、吊具18の移動により、治具11と一緒に炉枠2を取付対象となる炭化室3の開口部4の外側位置まで搬送する。
その後、吊具18に吊られた状態の治具11について上下左右方向の位置を調整することで、炉枠2の上下左右方向の位置を、開口部4に合わせて調整する。更に、治具11の前後左右方向の傾きを調整することで、炉枠2の前後左右方向の傾きを、開口部4の角度姿勢に合わせて調整する。
しかる後、図5(a)に示すように吊具18の移動により治具11を開口部4側へ移動させて、炉枠2を開口部4に挿入する。
この炉枠2を開口部4に挿入する作業では、開口部4の周囲のレンガ(図示せず)の損傷を防ぐことが重要であり、そのためには、炉枠2の開口部4への挿入を徐々に行う必要がある。
そのため、この作業の際には、たとえば、炉枠2の閂受金物8a,8b,8c,8dが設けられている面側の上下複数個所に、図示しない引き込み用の索状物を掛け回し、その一端側を開口部4の一側のバックステー6に繋ぐと共に、その他端側を図示しないチェーンブロックを介して開口部4の他側のバックステー6に繋ぐようにすることが好ましい。この構成によれば、チェーンブロックの操作により各索状物を徐々に引き込むことで、炉枠2を開口部4に徐々に挿入する作業を行うことができる。
なお、炉枠2を開口部4に徐々に挿入する作業を実施できれば、前記した手法以外の任意の手法を用いてもよいことは勿論である。
開口部4に炉枠2を挿入した後は、押さえ部材9を取り付けて、開口部4に炉枠2を固定する。
その後、治具11の各受け部材22a,22b,22c,22dからボルト28を取り外し、次いで、図5(b)に示すように、吊具18の移動により治具11を炉枠2から離反させることで、各受け部材22a,22b,22c,22dを各閂受金物8a,8b,8c,8dより離脱させて、治具11を炉枠2から取り外す。
この際、炉枠2の保持を解除した治具11では、炉枠2の重量が炉枠保持部13に作用しなくなるため、ウェイト33が取り付けられているウェイト保持部14との前後方向の重量バランスが変化するが、この場合は、治具11の後寄りの吊りピース15bに繋がれている吊り索19で治具11の大部分の重量を支持できるように、各吊り索19の長さを長さ調整手段20によって調整すれば、治具11の前後方向の傾きは防止または抑制することができる。よって、前記のように各受け部材22a,22b,22c,22dを各閂受金物8a,8b,8c,8dより離脱させる際に、治具11の前後方向の傾きに起因する支障が生じる虞はない。
このように、本実施形態の炉枠取付方法によれば、押出機やガイド車を用いることなく炉枠2を炭化室3の開口部4に取り付ける作業を実施することができる。
このため、押出機やガイド車は、他の炭化室3の操業を行うために使用することができ、他の炭化室3では操業を継続することが可能になるので、コークス炉1におけるコークス減産の影響を抑えることが可能になる。
なお、炉枠2は、炉枠本体7を開口部4に挿入して取り付けるものであるため、炉枠2を開口部4に取り付ける作業を行うときには、炉枠本体7を直接吊って移動させることはできない。
これに対し、本実施形態の炉枠取付方法では、炉枠2の閂受金物8a,8b,8c,8dを保持する受け部材22a,22b,22c,22dを有する炉枠保持部13と、炉枠保持部13から後方に離れた位置に吊りピース15a,15bとを備え、更に、吊りピース15a,15bを挟んで炉枠保持部13とは反対側となる個所にウェイト33を保持した構成の治具11を用いている。このため、治具11は、炉枠2を、吊りピース15a,15bを介した吊り位置からオフセットした配置で保持することができる。また、治具11を介して炉枠2を吊るため、炉枠本体7を直接吊る必要はなくなる。よって、本実施形態の炉枠取付方法では、炉枠本体7を開口部4に挿入して炉枠2の取り付けを行う作業を実施することができる。
また、治具11は、梁部12における前後方向と左右方向に分散した配置で吊りピース15a,15bが設けてあるため、各吊りピース15a,15bに繋ぐ吊り索19の長さを調整することにより、治具11に保持した炉枠2の前後左右の傾きを、取付対象の開口部4の角度姿勢に応じて容易に調整することができる。このため、本実施形態の炉枠取付方法によれば、開口部4の周りにあるレンガ(図示せず)に損傷を生じさせることなく、炉枠2の取り付け作業を行うことができる。
更に、治具11の受け部材22a,22b,22c,22dは、炉枠2の各閂受金物8a,8b,8c,8dを治具11の前側から挿入して保持可能な形式とされている。このため、治具11は、左側の閂受金物8a,8cと右側の閂受金物8b,8dとで鉤型の向きが上下で異なる形式の炉枠2、すなわち、旋回式の閂を備えた炉蓋を取り付ける形式の炉枠2であっても保持することができる。したがって、本実施形態の炉枠取付方法によれば、この形式の炉枠2を、炭化室3の開口部4に取り付けることができる。
なお、図示しないが、治具11の右側に備える受け部材22b,22dを、左側の受け部材22a,22cと同様の構成としてもよく、このようにすれば、すべての閂受金物が上向きの鉤型となる形式の炉枠を治具11で保持することができる。よって、炉蓋の閂を上方から差し込む形式の閂受金物を備えた形式の炉枠の取り付けにも、本実施形態の炉枠取付方法を適用することができる。
[第2実施形態]
前述の第1実施形態では、治具11をクレーン等の吊具18で直接吊った状態で、治具11に保持した炉枠2を開口部4に取り付ける場合について示したが、稼働中のコークス炉1では、開口部4の外側の上方位置にダクトなどが設置されていて、これらが障害物となることで、クレーン等の吊具18を開口部4に近づけることが困難な場合がある。
たとえば、コークス炉1は、各炭化室3の排出口が配置されるコークサイド(以下CSと記す)に、ガイド車が炉団方向に沿って走行可能に設けられているため、このガイド車から集塵を行うための集塵管が、排出口を形成する開口部4の外側の上方位置に炉団方向に延びる配置で設けられていることがある。この場合、集塵管が障害物となるため、クレーン等の吊具18は、開口部4に対し、集塵管が配置されている領域よりも離れた位置にしか配置できない。
この場合、治具11の梁部12の前後方向寸法を、クレーン等の吊具18が配置可能な領域から、開口部4の近傍位置まで延びるような長さ寸法とすれば、第1実施形態と同様に、治具11をクレーン等の吊具18で直接吊った状態で、治具11に保持した炉枠2を開口部4に取り付けることは可能である。
しかし、梁部12の前後方向寸法を長くするためには、梁部12を曲げ剛性の高いものとする必要があり、このため梁部12の重量が増加して、治具11全体の重量の増加につながってしまう。また、梁部12の前後方向寸法を長くすることに伴って治具11のサイズが大きくなると、炉枠取付作業を行う際に治具11および炉枠2を移動させるために確保すべき作業領域の拡大も招く。
そのため、治具11の梁部12の前後方向寸法を延長する構成については、現実的には制約が生じる。
そこで、第2実施形態では、炭化室3の開口部4の外側の上方位置に、吊具18の配置に関して障害となる障害物が存在する場合の炉枠取付方法について説明する。
図6は炉枠取付方法の第2実施形態の概要を示す図である。図7は図6のE−E方向矢視図である。なお、図6および図7において、第1実施形態と同一のものには同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の炉枠取付方法は、コークス炉1のCSに適用する場合の例を示す。
本実施形態の炉枠取付方法は、概説すると、第1実施形態の炉枠取付方法と同様の手順において、炉枠2を保持した治具11の搬送を開始する前に、図6に示すように、開口部4の外側の上方位置に存在している集塵管等の障害物39の下方位置に、開口部4に接近させて仮設台車40を配置する。この状態で、炉枠2を保持した治具11は、クレーンの吊具18で吊って移動させて、仮設台車40の近傍まで搬送した後、吊具18から仮設台車40に備えた吊具41に受け替える。その後、この吊具41の移動に伴って治具11と一緒に炉枠2を開口部4まで移動させて、炉枠2の開口部4への取り付けを行うようにする。
ここで、本実施形態で用いる仮設台車40について図6、図7を用いて説明する。
なお、仮設台車40の構成を説明する便宜上、仮設台車40について、開口部4に近接して配置される側を前側、その反対の開口部4から離反する側を後側という。また、開口部4に取り付ける姿勢の炉枠2の上側、下側、左側、右側にそれぞれ対応する方向を、仮設台車40の上側、下側、左側、右側という。
仮設台車40は、図7に示すように、骨組構造によって形成された上下に延びる略門型の構造を備えており、中央部には、炉枠2および治具11の前面投影形状よりも大きな開口形状で前後方向の全長に亘って延びる空間部を備えて、この空間部が炉枠2を前後方向に移動させるための搬送路42とされている。
仮設台車40は、仮設台車40の前端側がバックステー6に近接して配置され、且つ仮設台車40の後端側が上方に障害物39が存在する領域よりも開口部4から離れた位置に配置されるように、その前後方向寸法が設定されている。これにより、搬送路42の後端側には、クレーン等の吊具18で吊った状態の治具11を接近させることができる。
搬送路42の頂部側には、搬送路42の全長に亘り前後方向に延びる2本のビーム部材43が左右に間隔を隔てて平行に設けられている。各ビーム部材43には、トロリー44が前後方向に移動可能に取り付けられ、このトロリー44に、チェーンブロック45を介して吊具41が取り付けられている。なお、トロリー44の移動範囲の前後両側には図示しないストッパが設けられていて、トロリー44の脱落防止や、吊具41の前後方向の移動範囲の規制が図られている。
仮設台車40は、下端側に、左右方向に連続する底部40aを備え、底部40aの前寄りの2個所と後寄りの2個所の下側に、左右方向に回転する車輪46が設けられている。
コークス炉1では、CSの開口部4の外側の下方位置には、図示しないガイド車を走行させるための2条のレール47が炉団方向に延びるように設置されている。
各車輪46は、このレール47に合わせた配置と車輪形状とを備えている。これにより、仮設台車40は、レール47に沿って炉団方向に移動させることができる。
仮設台車40は、上端側に図示しない吊りピースが設けられた構成とされている。これにより、仮設台車40は、クレーン等で吊ってレール47上への配置と、レール47上からの撤去を行うことができるようにしてある。
なお、仮設台車40は、使用時にコークス炉1に仮設し、不使用時には撤去するものであるため、重量は軽いことが望まれる。そのため、重量軽減の観点から考えると、仮設台車40は、図示したような骨組構造とすることが好ましいが、搬送路42を形成可能な略門型あるいは門型の構造を備えていれば、図示した以外の任意の形状や構造を採用してもよいことは勿論である。
また、仮設台車40は、複数のユニットに分割可能な構成としてもよい。このような複数のユニットに分割可能な構成とすれば、レール47上でユニット同士の連結や分割を行うことで、仮設台車40の仮設時や撤去時に搬送するものの単体重量を軽減することが可能になる。
更に、車輪46は、仮設台車40の底部40aの形状や、車輪46の許容荷重等に応じて配置や数を適宜変更してもよいことは勿論である。
本実施形態の炉枠取付方法を実施する場合は、仮設台車40をレール47上に載置する。この際、仮設台車40は、操業中の炭化室3に応じて配置される図示しないガイド車と干渉する虞のない位置に配置するようにする。
次に、仮設台車40は、レール47に沿って移動させて、搬送路42が炉枠2の取付対象となる開口部4の外側に配置されるように位置決めを行う。このように位置決めされた仮設台車40は、図示しないクランプや、チェーンブロックと索状物などの取り外し可能な連結手段(図示せず)を用いて、レール47やバックステー6などのコークス炉1における固定物に対し連結して、仮設台車40の位置の固定と転倒防止とを図り、仮設を行う。
このようにして仮設台車40の仮設が終了した後は、第1実施形態の図4(a)(b)で示した手順と同様に、治具11に炉枠2を保持し、この治具11をクレーン等の吊具18で吊って、図6に二点鎖線で示すように、仮設台車40の搬送路42(図7参照)の後端側近傍位置まで移動させる。
次いで、炉枠2を保持した治具11は、吊具18から、仮設台車40にてトロリー44と一緒にビーム部材43の後端側まで移動させておいた吊具41に受け替える。
更に、トロリー44をビーム部材43の前端側へ移動させることで、トロリー44に吊具41を介し吊られている治具11と一緒に、炉枠2を取付対象となる炭化室3の開口部4の外側位置まで搬送する。
その後、吊具41に吊られている治具11の上下左右方向の位置を調整することで、炉枠2の上下左右方向の位置を、開口部4に合わせて調整する。更に、吊り索19の長さ調整手段20の操作により、治具11の前後左右方向の傾きを調整することで、炉枠2の前後左右方向の傾きを、開口部4の角度姿勢に合わせて調整する。
しかる後、トロリー44と一緒に治具11を開口部4側へ更に移動させて、炉枠2を開口部4に挿入する。この炉枠2を開口部4に挿入する作業は、第1実施形態と同様に行うようにすればよい。
このようにして開口部4に炉枠2を挿入した後は、第1実施形態と同様に、開口部4への炉枠2の固定と、治具11による炉枠2の保持の解除を行う。
炉枠2の保持を解除した治具11は、炉枠2の取り付け時とは逆の手順で仮設台車40の吊具41からクレーン等の吊具18へ受け替えて撤去する。
その後、仮設台車40は、位置の固定と転倒防止のための連結手段による固定物への連結を解除し、他の開口部4に対する炉枠2の取り付けを続けて行う場合は、取付対象となる開口部4の位置までレール47に沿って移動させる。
また、炉枠取付作業を終了する場合は、必要に応じて分解してから、レール47上から撤去するようにすればよい。
したがって、本実施形態の炉枠取付方法によれば、炭化室3の開口部4の外側の上方位置に、クレーン等の吊具18の配置に関して障害となる障害物39が存在する場合であっても、押出機やガイド車を用いることなく炉枠2を炭化室3の開口部4に取り付ける作業を実施することができる。
よって、本実施形態の炉枠取付方法によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、前記各実施形態の炉枠取付方法は、既存のコークス炉1で炉枠2を交換するときのみならず、新設のコークス炉1において炭化室3の開口部4に炉枠2を初めて取り付ける際に適用してもよいことは勿論である。
炉枠2を開口部4に取り付ける際は、開口部4の周囲のレンガ(図示せず)の損傷を防ぐことが重要であるが、炉枠2を取り外した後は、開口部4の周囲のレンガがたとえ損傷していても、その補修は容易に実施できる。そのため、コークス炉1にて、既設の炉枠2を開口部4から取り外す作業は、前述の各実施形態の炉枠取付方法の手順の逆の手順で行うようにしてもよく、あるいは、その他任意の方法で実施するようにしてもよい。
また、本発明は前記各実施形態にのみ限定されるものではなく、炉枠2や治具11や仮設台車40の前後上下左右の各寸法や寸法比は、図示するための便宜上のものであり、実際の装置の寸法や寸法比を反映したものではない。
第1実施形態の炉枠取付方法は、開口部4の外側の上方位置にクレーン等の吊具18の移動の障害になる障害物が存在していなければ、各炭化室3の押出口が配置されるプッシャーサイド(以下PSと記す)と、CSのいずれの開口部4に炉枠2を取り付ける場合にも適用してよい。
第2実施形態の炉枠取付方法は、PSの開口部4の外側の上方位置に、クレーン等の吊具18の移動の障害になる障害物39が存在している場合は、PSの開口部4に炉枠2を取り付ける場合にも適用してよい。この場合、仮設台車40は、各炭化室3のPSに炉団方向に沿って走行可能に設けられている図示しない押出機用のレールに載置するようにすればよい。
各実施形態の炉枠取付方法による開口部4への炉枠2の取付作業を行うときに、別の炭化室3の操業は行われていない状態であってもよい。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
1 コークス炉
2 炉枠
3 炭化室
4 開口部
8a,8b,8c,8d 閂受金物
11 治具
12 梁部
13 炉枠保持部
14 ウェイト保持部
15a,15b 吊りピース
18 吊具
33 ウェイト
38 吊りピース
39 障害物
40 仮設台車
41 吊具

Claims (6)

  1. 治具を用いて炭化室の開口部に炉枠を取り付ける炉枠取付方法であって、
    前記治具は、
    互いに対向して配置される一対の梁部材と、前記一対の梁部材を連結する連結部材と、を備える梁部と、
    前記炉枠の閂受金物と嵌合する受け部材を備えて、前記受け部材で前記閂受金物を保持する炉枠保持部と、
    前記炉枠の重量とバランスをとるためのウェイトを保持するウェイト保持部と、
    前記治具を吊り上げる第1吊具からの吊り索が掛けられる吊りピースと、
    を有してなり、
    前記炉枠保持部は、前記一対の梁部材それぞれの長さ方向の一端側に取り付けられ、前記梁部材および前記連結部材それぞれと直交する方向に配置され、
    前記ウェイト保持部は、前記一対の梁部材それぞれの長さ方向の他端側に取り付けられ、前記梁部材および前記連結部材それぞれと直交する方向に配置され、かつ、前記一対の炉枠保持部に対向して配置され、
    前記吊りピースは、前記一対の梁部材それぞれに設けられ、
    前記治具を用意する工程と
    記ウェイト保持部に、ウェイトを取り付ける工程と
    前記受け部材に、前記炉枠の閂受金物を嵌合させて、前記治具に前記炉枠を保持する工程と
    記治具を前記吊りピースと前記吊り索とを介して前記第1吊具で吊る工程と
    前記第1吊具の移動により、前記炉枠保持部に保持された前記炉枠を、前記炭化室の開口部の外側位置まで搬送する工程と
    前記搬送された炉枠を前記開口部に取り付ける工程と、
    有してなること特徴とする炉枠取付方法。
  2. 前記治具は、前記炉枠の上方に配置され、
    前記炉枠は前記閂受金物が前記治具側を向く姿勢で配置されて前記閂受金物と前記受け部材とが対向し、
    前記閂受金物が前記受け部材に保持されて、前記炉枠は前記治具に保持される、
    請求項1記載の炉枠取付方法。
  3. 前記開口部は、前記炭化室の外側の上方位置に障害物が存在している開口部であり、
    前記炉枠を前記開口部の外側位置まで搬送する工程の前に、内部に空間部と、前記空間部の頂部側に第2吊具と、を備える仮設台車を前記障害物の下方位置に配置する工程、
    を有してなり、
    前記炉枠を前記開口部の外側位置まで搬送する工程は、
    前記吊り上げられた治具を、前記仮設台車の近傍に配置する工程と、
    前記治具を、前記第1吊具から前記第2吊具に受け替える工程と、
    前記治具、前記第2吊具を用いて前記空間部内を移動させることにより、前記炉枠を前記開口部に接近させる工程と、
    を含み、
    前記開口部に近接させた前記炉枠を、前記開口部取り付ける、
    請求項1又は2記載の炉枠取付方法。
  4. 前記炉枠の前記開口部への取り付けは、前記炭化室とは異なる他の炭化室の操業を継続しながら行う
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の炉枠取付方法。
  5. 炉枠を保持する治具であって、
    互いに対向して配置される一対の梁部材と、前記一対の梁部材を連結する連結部材と、を備える梁部と、
    前記炉枠の閂受金物と嵌合する受け部材を備えて、前記受け部材で前記閂受金物を保持する炉枠保持部と、
    前記炉枠の重量とバランスをとるためのウェイトを保持するウェイト保持部と、
    前記治具を吊り上げる吊り索が掛けられる第1吊りピースと、
    有してなり、
    前記炉枠保持部は、前記一対の梁部材それぞれの長さ方向の一端側に取り付けられ、前記梁部材および前記連結部材それぞれと直交する方向に配置され、
    前記ウェイト保持部は、前記一対の梁部材それぞれの長さ方向の他端側に取り付けられ、前記梁部材および前記連結部材それぞれと直交する方向に配置され、かつ、前記一対の炉枠保持部に対向して配置され、
    前記第1吊りピースは、前記一対の梁部材それぞれに設けられる、
    ことを特徴とする治具。
  6. 前記ウェイト保持部は、前記炉枠保持部が前記ウェイト保持部の下側に位置するように前記治具を吊り上げる吊り索が掛けられる第2吊りピースを備える、
    請求項5記載の治具。
JP2016051946A 2016-03-16 2016-03-16 炉枠取付方法、および、該方法に用いる治具 Active JP6678484B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016051946A JP6678484B2 (ja) 2016-03-16 2016-03-16 炉枠取付方法、および、該方法に用いる治具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016051946A JP6678484B2 (ja) 2016-03-16 2016-03-16 炉枠取付方法、および、該方法に用いる治具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017165851A JP2017165851A (ja) 2017-09-21
JP6678484B2 true JP6678484B2 (ja) 2020-04-08

Family

ID=59912541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016051946A Active JP6678484B2 (ja) 2016-03-16 2016-03-16 炉枠取付方法、および、該方法に用いる治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6678484B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017165851A (ja) 2017-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI414468B (zh) Roof buffer and its transfer method
CN101456036B (zh) 机架辊组更换方法及其吊装夹具
KR101580230B1 (ko) 보일러 화로 내의 작업 발판용 주빔 구조, 작업 발판용 주빔 반송 장치, 및 작업 발판의 설치 방법
JP6678484B2 (ja) 炉枠取付方法、および、該方法に用いる治具
JP2009242109A (ja) 吊り天秤及びそれによるコークス炉のガイド車の移動方法
JP6706516B2 (ja) 炉蓋取付方法、および、仮設台車
CN103754750B (zh) 吊具
CN206156583U (zh) 轴类产品吊装用吊具
CN103759538A (zh) 保留炉顶的加热炉烧嘴砖更换方法
JP6649138B2 (ja) 炉蓋取付方法、および、取付ガイド装置
JP6825335B2 (ja) 銅転炉スラグ排出用モールドコンベヤのモールド交換用取付治具およびこの治具を使用したモールド交換方法
CN106241670B (zh) 定位吊钩装置及具有该装置的电极壳运输设备、运输方法
JP4572693B2 (ja) 炉組立部品搬送装置を有する連続焼成炉
CN214555843U (zh) 一种铝模板除灰装置
JP6172002B2 (ja) パイプライン敷設方法及び機材搬送装置
JP2020029319A (ja) 上架治具およびこれを用いた巻上機の上架方法
JP7163167B2 (ja) 炉体の解体方法
CN218665034U (zh) 一种环冷机支撑轮安装装置
CN204310687U (zh) 更换斗式皮带的吊具
CN217808285U (zh) 一种车架总成铆接线用弹簧吊钩装置
KR20110059053A (ko) 이중 선체내 용접 로봇의 이송 장치
CN219950209U (zh) 一种铸件砂箱水平吊装机构
CN218371212U (zh) 一种箱梁底腹板钢筋和顶板钢筋吊装工具
CN108100851A (zh) 铰接车辆整车吊具
CN206417499U (zh) 一种汽车底盘车组吊具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190118

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190415

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190423

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190423

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200310

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6678484

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250