JP6676335B2 - エアフィルタユニット - Google Patents

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Description

本発明は、エアフィルタユニットに関する。
気体中の微粒子を捕集するエアフィルタを気流の風圧から保護して、エアフィルタの捕集性能、圧力損失等のフィルタ性能を維持させるために、エアフィルタをケーシング内に収納してなるエアフィルタユニットが知られている。ケーシングは、気流が通る開口部を有している。このようなエアフィルタユニットでは、エアフィルタとケーシングとの間には気密性が求められる。このため、エアフィルタは、ケーシングを通る気流がリークすることなくエアフィルタを通過するようケーシング内で保持されることが求められる。
従来のエアフィルタユニットとして、エアフィルタを板バネによりケーシングの内壁に押し付けたものが知られている。しかし、このエアフィルタユニットでは、エアフィルタをケーシングから取り出し、ケーシング内に収納する際にも、板バネの押圧力がエアフィルタに作用し続けるために、エアフィルタの交換に労力を要するとともに、エアフィルタの枠体に傷がついたり、エアフィルタの枠体に貼り付けられたガスケットがめくれたりする。
一方で、エアフィルタをケーシングの内壁に押し付ける力を解除させることが可能なエアフィルタユニットが知られている(特許文献1参照)。特許文献1の図7に示されるエアフィルタユニットでは、エアフィルタの外枠に、ケーシングの内壁に押し当てられる押圧片と、この押圧片と係合する操作軸とが設けられ、操作軸をケーシングの奥行き方向に進退させて押圧片を回動させることにより、エアフィルタの押し付け、および押付状態の解除を行えるようになっている。
特開2005−103460号公報
特許文献1のエアフィルタユニットでは、操作軸は、ケーシングの奥行き方向に移動するときに、押圧片の回動に追随して移動方向と直交する方向にも移動することで、ケーシングの内壁に押し付けられ、押し付けられた状態を内壁との摩擦によって維持する。このため、特許文献1のエアフィルタユニットでは、操作軸が、ケーシングの奥行き方向と直交する方向に移動するスペースをケーシング内に確保する必要があり、ケーシングのコンパクト化には限界がある。また、操作軸がケーシングの奥行き方向と直交する方向にも移動するため、操作軸を単純に奥行き方向に操作しただけでは、操作軸が奥行き方向に対して傾斜し、安定して操作できない場合がある。
本発明は、ケーシングのコンパクト化を図りつつ、ケーシングに収納されたエアフィルタを容易に交換できるエアフィルタユニットを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、
気体中の微粒子を捕集するエアフィルタと、前記エアフィルタを収納し、気流が通る開口部を有するケーシングと、を備えるエアフィルタユニットであって、
前記ケーシングは、さらに、前記エアフィルタが前記開口部を覆うように前記エアフィルタを前記ケーシングの内壁に押し付ける押付機構を有し、
前記押付機構は、気流の方向と直交する方向を移動方向として移動するよう操作される被操作部材であって、気流の方向への動きが規制された被操作部材と、
前記被操作部材が前記移動方向に移動することで、前記エアフィルタを前記内壁に押し付ける押付状態、および、前記エアフィルタへの前記押し付けを解除する解除状態、のいずれかの状態にされる押付部材と、を有し
前記押付部材は、一方向に延びる長孔を有し、前記長孔の延在方向を前記押付部材の長手方向とし、
前記被操作部材は、前記長孔に係止される突起を有し、
前記押付部材は、前記被操作部材の移動に伴って前記突起が前記長孔内を移動することで、前記押付状態では、前記長手方向が気流の方向と一致し、前記解除状態では、前記長手方向が気流の方向と異なるよう、前記被操作部材に対して動く、ことを特徴とする。
本発明の別の一態様は、
気体中の微粒子を捕集するエアフィルタと、前記エアフィルタを収納し、気流が通る開口部を有するケーシングと、を備えるエアフィルタユニットであって、
前記ケーシングは、さらに、前記エアフィルタが前記開口部を覆うように前記エアフィルタを前記ケーシングの内壁に押し付ける押付機構を有し、
前記押付機構は、気流の方向と直交する方向を移動方向として移動するよう操作される被操作部材であって、気流の方向への動きが規制された被操作部材と、
前記被操作部材が前記移動方向に移動することで、前記エアフィルタを前記内壁に押し付ける押付状態、および、前記エアフィルタへの前記押し付けを解除する解除状態、のいずれかの状態にされる押付部材と、を有しており、
前記押付部材は、前記ケーシングに対して、前記気流の方向および前記移動方向と直交する回転軸の回りに回転可能であり、
前記押付部材は、前記押付状態で前記エアフィルタに当接する当接部と、
前記当接部と前記回転軸とを結ぶ方向に延びる長孔と、を有し、
前記被操作部材は、前記長孔に係止された突起を有し、
前記押付部材は、前記被操作部材の移動に伴って前記突起が前記長孔内を移動することで回転する、ことを特徴とする
前記押付部材は、さらに、前記押付部材の外周部のうち前記当接部に隣接する隣接部であって、前記解除状態で前記当接部よりも前記エアフィルタに接近して配置される隣接部を有し、
前記隣接部と前記回転軸との距離は、前記当接部と前記回転軸との距離よりも小さく、かつ、前記当接部から離反するにつれて連続的に小さくなっている、ことが好ましい。
前記ケーシングは、さらに、前記エアフィルタを気流の方向と直交する方向にスライドさせて取り出すための取出孔を有し、
前記押付部材は、前記被操作部材が、前記移動方向のうち前記取出孔に近づく方向に移動することで前記押付状態とされていてもよい。
押付機構は、さらに、前記被操作部材を前記移動方向に移動させる移動機構を備え、
前記移動機構は、外力を受けることにより、前記ケーシングに対して、前記気流の方向および前記移動方向を含む面内で回転可能な操作部材を有し、
前記操作部材は、前記ケーシングと連結され回転可能に軸支される支点と、
前記支点から離間した位置で前記被操作部材に対して回転可能に軸支される作用点と、
前記作用点よりも前記支点から離間した位置で前記外力を受ける力点と、
を有し、
前記力点が外力を受けたときに前記支点に対して回転することで、前記外力よりも大きな力で前記作用点を前記移動方向に移動させる、ことが好ましい。
前記ケーシングは、さらに、前記エアフィルタを気流の方向と直交する方向にスライドさせて取り出すための取出孔を有し、
前記操作部材は、
前記支点および前記作用点が両端に設けられる短腕と、
前記短腕と接続され前記支点と前記作用点とを結ぶ直線および前記操作部材の回転軸、と直交する方向に延在する長腕とを備え、
前記押付部材が前記押付状態から最も大きく回転した状態にあるときに、前記長腕は前記短腕から前記押付部材による押圧方向と反対方向に延在し、
前記押付部材が前記押付状態にあるときに、前記長腕は前記短腕から前記押付部材による押圧方向に延在する、ことが好ましい。
前記押付部材を第1の押付部材というとき、前記押付機構は、前記第1の押付部材から前記移動方向に間隔を空けて配され、前記被操作部材が前記移動方向に移動することで、前記押付状態および前記解除状態のいずれかの状態にされる第2の押付部材をさらに含む、ことが好ましい。
前記エアフィルタを第1のエアフィルタというとき、前記エアフィルタユニットは、さらに、前記ケーシングに収納される1または複数の第2のエアフィルタを備え、
前記第1のエアフィルタおよび前記第2のエアフィルタは、前記移動方向に沿って並ぶよう配置され、
前記押付部材を第1の押付部材というとき、前記押付機構は、さらに、前記第2のエアフィルタのそれぞれと対応する1または複数の第2の押付部材であって、前記被操作部材が前記移動方向に移動することで前記第2のエアフィルタを前記ケーシングの内壁に押し付ける第2の押付部材を有していてもよい。
本発明によれば、ケーシングをコンパクト化しつつ、ケーシングに収納されたエアフィルタを容易に交換できる。
本実施形態のエアフィルタユニットの外観斜視図である。 エアフィルタユニットを、フィルタを取り出した状態で示す分解斜視図である。 (a)〜(c)は、図2の押付機構30の平面図である。 押付部材40および被操作部材51の断面を説明する図である。
以下、本発明のエアフィルタユニットについて詳細に説明する。
(エアフィルタユニット)
図1は、本発明の一実施形態によるエアフィルタユニット1の外観斜視図である。図2は、エアフィルタユニット1を、後述するフィルタ11を取り出した状態で示す分解斜視図である。
エアフィルタユニット1は、フィルタ11と、ケーシング7とを備える。
(a)フィルタ
フィルタ11は、気体中の塵埃等の微粒子を捕集するためのものであり、例えば中性能フィルタまたは高性能フィルタとして好ましく用いられる。
中性能フィルタは、粒径1μm以上、濃度0.1〜6mg/mの粉塵の除去に用いられるフィルタである。中性能フィルタには、捕集効率が、質量法で90〜96%、比色法(光散乱積算法)で50〜90%、計数法で5〜50%のいずれかであり、圧力損失が79〜247Pa、粉塵保持容量が300〜800g/mのものが用いられる。捕集効率の測定には、質量法では、JIS Z8901に規定される15種の粉体、又は、米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)に規定される粉塵が用いられる。比色法では、JIS Z8901に規定される11種の粉体が用いられる。計数法では、粒径0.3μmの、大気塵、ポリアルファオレフィン(PAO)、シリカのいずれかの粒子が用いられる。粉塵保持容量は、フィルタが所定の最終圧力損失に達するまでに捕集した粉塵量である。
高性能フィルタは、粒径1μm以下、濃度0.3mg/m以下の粉塵の除去に用いられるフィルタである。高性能フィルタには、計数法による捕集効率が80%以上、圧力損失が79〜493Pa、粉塵保持容量が200〜800g/mのものが用いられる。
フィルタ11は、図2に示されるように、フィルタパック12と、フィルタパック12を保持する枠体14と、ガスケット15とを有している。
フィルタパック12には、例えば、ガラス繊維または合成繊維を繊維材料とする、不織布、マット、フェルト状の濾材にプリーツ加工を施した加工済み濾材が用いられる。プリーツ加工された濾材は、複数の帯状のホットメルトリボン、セパレータ、あるいは、濾材の表面に施されたエンボス突起によってプリーツ間隔が保持される。セパレータは、例えば、アルミ箔、ステンレス箔、または、樹脂シートをラミネートした不織布、をジグザグ状に折ったものである。濾材は、エレクトレット処理が施されたものであってもよい。これにより、濾材本来の捕集性能に対し、濾材の繊維が帯電することによる捕集性能が付与される。また、濾材は、抗菌剤を付着させる抗菌処理を施して、抗菌性能を付与したものであってもよい。これらエレクトレット処理および抗菌処理は、組み合わせて行なってもよい。
なお、フィルタ11は、フィルタパック12の代わりに、平板状の複数の濾材を厚さ方向(Y1、Y2方向)に互いに間隔をあけて積層した複層濾材等、他の種類の濾材を有していてもよい。また、フィルタ11の濾材には、捕集性能の異なる複数の種類の濾材を組み合わせたものが用いられてもよい。そのような複数の種類の濾材としては、例えば、中性能フィルタとプレフィルタが挙げられる。プレフィルタは、中性能フィルタよりも大きいサイズの塵埃を捕集するフィルタであり、中性能フィルタのY2側(上流側)に配される。プレフィルタは粒径5μm以上、濃度0.4〜7mg/mの粉塵の除去に用いられるフィルタである。プレフィルタの捕集効率は、重量法で70〜90%、比色法で15〜40%、計数法で5〜10%のいずれかであり、圧力損失は30〜296Pa、粉塵保持容量は500〜2000g/mである。捕集効率の測定において、重量法では、JIS Z8901に規定される15種の粉体、又は、米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)に規定される粉塵が用いられる。比色法では、JIS Z8901に規定される11種の粉体が用いられる。計数法では、粒径0.3mmの、大気塵、ポリアルファオレフィン(PAO)、シリカのいずれかの粒子が用いられる。粉塵保持容量は、フィルタが所定の最終圧力損失に達するまでに捕集した粉塵量である。プレフィルタには、例えば、合成樹脂等の繊維からなる不織布、マット、フェルト状の濾材が用いられる。不織布は、例えばPET等の合成樹脂繊維を、例えばスチレン・ブタジエンゴム(SBR)等のバインダにより接着するケミカルボンド法により製造することができる。
さらに、枠体14には、濾材の少なくとも片面に補強材を積層したものが保持されてもよい。補強材は、例えば不織布が用いられる。
枠体14は、図2において、フィルタパック12を外周側から取り囲むように全周にわたって形成されている。気流の方向は、図2においてY2方向が上流側、Y1方向が下流側である。枠体14は、例えば、亜鉛鉄板、ステンレス板等の枠材を組み合わせて作られる。フィルタパック12の縦方向(図2においてZ1、Z2方向)の両端(ジグザグ形状が現れている両端)は、枠体14にウレタン樹脂シール剤により固定されている。フィルタパック12の横方向(図2においてX1、X2方向)の両端(ジグザグ形状に折り畳まれる方向の両端)は、枠体14に接着剤により線接着されることで固定されている。線接着は、縦方向に延びる線に沿った接着である。
ガスケット15は、枠体14の下流側の面の全周にわたって設けられている。フィルタ11は、ケーシング7の後述する開口部7bを塞ぐようにケーシング7の内壁に対して押し付けられる。ガスケット15は、枠体14と、後述する当接壁部17bとに挟持されることで、フィルタ11と当接壁部17bとの間のリークを防止する。ガスケット15の材質は、例えば発泡ポリウレタン、ゴムである。なお、図2の例では、フィルタ11は当接壁部17bに対して下流側に押し付けるよう構成されていることから、ガスケット15は枠体14の下流側の面に設けられているが、これとは逆に、フィルタ11がケーシング7に対して上流側に押し付けられるよう構成されている場合は、ガスケットは枠体14の上流側の面に設けられる。また、ガスケットは、枠体14に設けられる代わりに、ケーシングの内壁(後述する当接壁部17b)に設けられていてもよく、枠体14および当接壁部17bの両方に設けられていてもよい。ケーシング7の内壁に設けられる場合、ガスケットは、ケーシング7の後述する開口部7bを取り囲むように設けられる。
エアフィルタユニット1は、ケーシング内に、フィルタ11(第1のエアフィルタ)と同じ種類または異なる種類の他のフィルタ(第2のエアフィルタ)を収納するものであってもよい。収納される他のフィルタの数は、1つであってもよく、複数であってもよい。フィルタ11と同じ種類の他のフィルタが収納される場合、フィルタ11および他のフィルタは、例えば、気流に対して並列に(1つの濾過面をなすよう)並べて配される。開口部7bは、フィルタ11および他のフィルタによって塞がれる。
(b)ケーシング
ケーシング7は、フィルタ11を収納する筐体であり、上流側の部分に形成された上流側開口部7aと、下流側の部分に形成された下流側開口部7bと、取出孔7cと、を有している。取出孔7cは、フィルタ11をケーシング7に対しX2方向にスライドさせてフィルタ11をケーシング7内に収納し又はフィルタ11をX1方向にスライドさせてケーシング7から取り出せるよう、ケーシング7のX1方向の側面に形成されている。ケーシング7は、さらに、取出孔7cを開閉するための扉8を有している。扉8は、例えば蝶番によってケーシング7の側面に回動自在に取り付けられている。ケーシング7の側面には、さらに、図1に示されるように、扉8を閉めた状態を維持するためのレバー9aと、レバー9aを係止させる係止部9bが設けられている。なお、図2において、説明の便宜のため、レバー9aおよび係止部9bは省略されている。
ケーシング7の内壁のうちの上下方向に対向する上側(Z1方向)の内壁には、上ガイド部16Bが設けられており、下側(Z2方向)の内壁には、下ガイド部16Aが設けられている。ガイド部16A、16Bは、X1、X2方向に延びており、フィルタ11をX1、X2方向に案内する。
下ガイド部16Aは、図2に示すように、気流の下流側(Y1方向)から上流側(Y2方向)に向かって順に、当接部材17A、フィルタ台18A、押付機構保持材19Aを備える。また、上ガイド部16Bは、下流側(Y1方向)から上流側(Y2方向)に向かって順に、当接部材17B、フィルタ台18B、押付機構保持材19Bを備える。なお、以下の説明では下ガイド部16Aについて説明し、上ガイド部16Bについては、下ガイド部16Aと上下対称であるため説明を割愛する。
当接部材17AのX1、X2方向と垂直な断面は、図2に示される例ではL字形状であり、取付部17aと、当接壁部17bとを有する。
取付部17aはケーシング7の下側の内壁に固定される。当接壁部17bは取付部17aと垂直に設けられ、Y2側の面にフィルタ台18Aが固定される。当接壁部17bのZ1、Z2方向の高さはフィルタ台18Aよりも高く、当接壁部17bのフィルタ台18よりも高い部分にフィルタ11が当接する。
フィルタ台18AのX1、X2方向と垂直な断面は、図2に示される例ではコ字形状(溝形)であり、溝が形成された方向を下側(Z2方向)に向けて配置されている。フィルタ台18Aは当接部材17および押付機構保持材19に挟まれた状態で固定されている。下ガイド部16Aのフィルタ台18Aの上面と、上ガイド部16Bのフィルタ台18Bの下面との間にはフィルタ11が配置される。
フィルタ台18AのY1、Y2方向の幅は、フィルタ11のY1、Y2方向の幅と、後述する解除状態にある押付機構30のY1、Y2方向の幅の合計の幅よりも長くなっている。このため、フィルタ11をケーシング7に収納し、またはケーシング7から取り出す際に、フィルタ11に余分な負荷(ガスケット15と内壁32との摩擦や枠体14と上下のガイド部16A,16Bとの摩擦)がかからず、収納および取出しを楽に行える。
押付機構保持材19AのX1、X2方向と垂直な断面は、図2に示される例では、コ字形状であり、取付部19aと、立ち上がり部19bと、支持部19cと、押さえ部19d(図3参照)とを備える。
取付部19aはケーシング7の下側の内壁に固定される。立ち上がり部19bは取付部19aと垂直に設けられ、Y1側の面にフィルタ台18Aが固定される。
立ち上がり部19bのZ1、Z2方向の高さはフィルタ台18Aよりも高く、立ち上がり部19bのフィルタ台18Aよりも高い部分に押付機構30が保持される。
支持部19cは立ち上がり部19bの上端からY2方向へ突出するように、フィルタ台18Aの上面と平行な方向に延びるように設けられる。支持部19cには、押付機構30の押付部材40(後述)の回転軸19eが取り付けられる。
押さえ部19dは、立ち上がり部19bの上端からY1方向へ突出するように、フィルタ台18Aの上面と平行に設けられる。押付機構30の被操作部材(後述)は、フィルタ台18Aの上面と押さえ部19dとの間に配置され、Z1,Z2方向への移動が規制される。押さえ部19dの数は、1つであってもよく、複数であってもよい。押さえ部19dは、例えば、押付機構30の押付部材(後述)と対応して設けられる。
なお、ケーシング7は、亜鉛鉄板、ステンレス板、アルミニウム合金板等から作製され、上記開口部7a、7bおよび取出孔7cを除いて、内側に気密な空間が形成される。取出孔7cまたは扉8には、取出孔7cと扉8との間のリークを防ぐためのガスケットが配置されている。
(c)押付機構
ケーシング7は、さらに、押付機構30を有している。なお、図2では、説明の便宜のため、押付機構30を、特に後述するトグルクランプ60に注目して示す。
押付機構30は、フィルタ11を当接壁部17bに押し付けるための機構であり、上下の押付機構保持材19A、19Bの下流側(Y1方向)を向く壁面に沿って1つずつ、合計2つ配されている。
押付機構保持材19A、19Bの下流側(Y1方向)を向く壁面と当接壁部17bとの間の幅(フィルタ台18A、18Bの幅)は、上述したように、フィルタ11の交換を容易に行える幅になっているために、単にフィルタ11をケーシング7内に収納させただけでは、当接壁部17bとフィルタ11との間でリークが生じるおそれがある。このため、押付機構30によってフィルタ11を当接壁部17bに対してY1方向に押し付けることで、フィルタ11と当接壁部17bとの間のリークを防止することができる。
ここで、図3および図4を参照して、押付機構30をより具体的に説明する。上下の各ガイド部16A、16Bに設けられた2つの押付機構30は、同様に構成されており、ここでは、下方のガイド部16Aに設けられた押付機構30を例に説明する。図3(a)〜(c)は、図2の上方から見た押付機構30の平面図である。
押付機構30は、図3(a)〜(c)に示されるように、押付部材40と、被操作部材としてスライド板51と、トグルクランプ60(移動機構)と、を含んでいる。
図4は、図3(a)のIV−IV線に沿って、押付部材40およびスライド板51を示す断面図である。押付部材40は、フィルタ11を気流の方向の下流側(Y1方向)に押圧する部材である。押付部材40は、スライド板51がX1,X2方向(以降、移動方向ともいう)に移動することで、フィルタ11をケーシング7の内壁に押し付ける押付状態(図3(c)に示す状態)、および、フィルタ11への押し付けを解除する解除状態(例えば図3(a)および図3(b)に示す状態)、のいずれかの状態にされる。押付部材40は、図3および図4に示される例では、ケーシング7の支持部19cに対して、気流の方向(Y1,Y2方向)および移動方向(X1,X2方向)と直交する回転軸19eの回りに回転する板状のカムである。カムは、カムの当接部40a(後述)と回転軸19eを結ぶ方向に最大長さを有している。押付部材40としてカムを用いることで、スライド板51からY1方向への突出量を変化させることができる。カムの代わりに円板状の部材を用いた場合は、円板状の部材が回転しても、回転軸19eの中心から、最もY1側に位置する端までの距離が変わらないため、突出量を変化させることができない。また、カムは、突出量の調整を比較的容易に行うことができ、押圧力の調整をしやすい。カムの代わりに板バネを用いた場合、板バネの撓み方によっては、却って必要な押圧力を得られない場合がある。また、板バネは、押付状態で撓んだ状態を維持することで脆性破壊を起こすおそれがあるが、カムを用いることで、そのような損傷を回避することができる。なお、回転軸19eは、Z1,Z2方向に延びて設けられている。回転軸19eは、例えば、支持部19cにねじ込まれるネジ部材である。図3では、便宜のため、ネジ部材の頭部を省略して示している。
押付部材40は、当接部40aと、長孔40cと、を有している。
当接部40aは、押付状態でフィルタ11に当接する部分であり、スライド板51からY1方向への突出量が最大(図3(c)にXで示す長さ)となる部分である。当接部40aは、図3に示される例では、フィルタ11に点接触する形状を有しているが、線接触する形状を有していてもよい。線接触する形状を有している場合、当接部40aは、押付状態でフィルタ11に当接する部分の全体をいう。
長孔40cは、当接部40aと回転軸19eとを結ぶ方向に延びる孔であり、図3および図4に示される例では、押付部材40をZ1,Z2方向に貫通して形成されている。長孔40cには、スライド板51の突起51a(後述)が係止されており、スライド板51が押付部材40に係止されている。押付部材40は、スライド板51の移動方向への移動に伴って突起51aが長孔40c内を移動することで回転する。このような長孔40cを押付部材40が有していることで、スライド板51は、押付部材40が回転しても、移動方向と直交する方向へは移動せずに、移動方向にのみ移動することができる。長孔40cの長さ(最大長さ)は、例えば、図3(a)に示す状態と図3(c)に示す状態との間で突起51aが長孔40c内で移動する距離、および、突起51aの直径、の合計より大きくなるよう定められる。また、長孔40cの幅(最小長さ)は、突起51aの直径より大きい長さに定められる。
押付部材40は、図3に示されるように、複数設けられ、いずれも、1本のスライド板51が係止している。このため、1本のスライド板51で複数の押付部材40を連動させることができ、複数の押付部材40を同時に、押付状態および解除状態のいずれかにすることができる。なお、特許文献1の図7に示す被操作部材は、フィルタごとに設けられ複数あるため、フィルタごとに操作する必要がある。例えば、複数の被操作部材を一度の操作で連動して動くようにするためには、大がかりな治具が必要となる。
押付部材40は、さらに、隣接部40bを有している。隣接部40bは、押付部材40の外周部のうち当接部40aに回転方向に隣接する部分である。隣接部40bは、解除状態で当接部40aよりもフィルタ11に接近して配置される。隣接部40bと回転軸19eとの距離は、当接部40aと回転軸19eとの距離よりも小さく、かつ、当接部40aから離反するにつれて連続的に小さくなっている。連続的に小さくなっていることで、押付部材40の外周部の端は、当接部40aから隣接部40bにかけて滑らかな表面を有している。隣接部40bは、例えば、矩形状の板状部材を用いて押付部材40を作製する際に、頂角の部分を角落としすることで形成される。隣接部40bを有していることで、押付部材40が回転するときにフィルタ11の外枠14と接触して傷が生じることが抑えられる。また、隣接部40bを有していることで、押付部材40が滑らかに回転するため、スライド板51の操作がしやすくなる。隣接部40bは、図3に示されるように、当接部40aの回転方向の両側にあってもよく、片側にのみあってもよい。片側にのみある場合は、解除状態において当接部40aよりもフィルタ11に接近して配置される方の側に、隣接部40bは設けられる。
なお、1つの押付機構30に取り付けられる押付部材40の数は、フィルタの横方向(X1、X2方向)長さや、気流の方向(Y1、Y2方向)に対して並列に並べて複数収納される場合のフィルタの数に応じて定めることができる。例えば、図3に示されるように気流の方向と直交する方向に間隔を空けて複数の押付部材40を配置してもよいし、1つの押付部材40のみを用いてもよい。複数の押付部材40を用いる場合には、複数の押付部材40で1つのフィルタをケーシング7の内壁32に押し付けてもよいし、複数のフィルタのそれぞれを1つずつの押付部材40でケーシング7の内壁32に押し付けてもよい。複数のフィルタのそれぞれを1つずつの押付部材40で内壁32に押し付ける場合は、押付部材40の押付状態を維持しやすくなるよう、当接部40aはフィルタ11に線接触するものであることが好ましい。
スライド板51は、下ガイド部16Aが延びる方向と平行な方向(X1、X2方向)に延びるよう配された板状の部材である。スライド板51は、押付部材40と対応する位置に突起51aを有している。突起51aは、Z1,Z2方向に延びており、押付部材40の長孔40cに挿通され係止される。突起51aは、例えば、スライド板51の板状の部分に、Z2方向にねじ込まれたネジ部材である。図3では、便宜のため、ネジ部材の頭部を省略している。なお、被操作部材には、スライド板51の代わりに、ロッドが用いられてもよい。ロッドが用いられる場合も、突起51aとして、例えば、ロッドに形成されたネジ穴にZ2方向にねじ込まれたネジ部材を用いることができる。
スライド板51のX1方向の一端は、連結棒52を介してトグルクランプ60に取り付けられている。連結棒52は、トグルクランプ60の固定部61(後述)をX1,X2方向に貫通する孔61aに挿通され、X1,X2方向(移動方向)へ移動可能であるとともに、移動方向と直交する方向への移動が規制されている(移動方向と直交する方向の位置が固定されている)。このため、スライド板51のY1,Y2方向への移動代をケーシング7内に確保する必要がなく、ケーシング7内のY1,Y2方向のスペースを小さくして、ケーシング7をコンパクト化できる。また、スライド板51を操作するときに、X1,X2方向のほかにY1,Y2方向に操作する必要がないため、スライド板51が移動するときにX1,X2方向に対して傾斜せず、スライド板51の操作を安定して行うことができる。スライド板51の移動方向と直交する方向への移動が規制されていない場合は、固定部61に、スライド板51の許容するためのY1,Y2方向に延びる孔を設ける必要がある。また、スライド板51は、X1,X2方向にわたって、支持部19c(または立ち上がり部19b)に当接しており、支持部19cにガイドされながらX1,X2方向にスライドする。
連結棒52は、種々の手段を用いてスライド板51と連結される。例えば、スライド板51のX1側の一端に雌ねじを形成し、連結棒52のX2側の一端に雄ねじを形成し、連結棒52をスライド板51にねじ込むことで連結される。連結棒52の形状は、棒状に限定されず、例えば、スライド板51がX1側に延長された形態をなすよう、X2側の一端が板状であってもよい。この場合、連結棒52のX2側の一端と、スライド板51のX1側の一端とを、例えば、互いにZ1,Z2方向に動かすことで嵌め合わせることが可能な形状にし、互いに嵌め合わせることで連結することができる。
トグルクランプ60は、図3(a)〜(c)に示されるように、固定部61と、リンク62と、操作部材63とを備える。なお、図3(c)は押付機構30によってY1方向への押し付けを行っている状態(押付状態)、図3(a)および図3(b)は押付機構30によるY1方向への押し付けが解除されている状態(解除状態)、を示す平面図である。図3(b)は図3(a)と図3(c)の中間の状態を示している。
固定部61は、立ち上がり部19bに対して固定されている。固定部61には、連結棒52が挿通される孔61aが設けられており、スライド板51は固定部61に対してX1方向又はX2方向に移動可能である。固定部61は、図3に示される例では、立ち上がり部19bから延びる板状部分と、板状部分のX1,X2方向の両側に配置された支持部材(例えばナット)とからなる。
固定部61のX1側の支持部材には、リンク62のX2方向の端部が、回転軸71によって取り付けられている。リンク62のX1方向の端部は、回転軸72によって操作部材63に取り付けられている。回転軸71および回転軸72は上下方向(Z1、Z2方向)に設けられており、リンク62は回転軸71によって固定部61に対して水平方向に回転可能であるとともに、回転軸72によって操作部材63に対して水平方向に回転可能である。
操作部材63は長腕63aと短腕63bとを有し、長腕63aと短腕63bとが直交するように長腕63aの一端と短腕63bの一端とが接続されることで、操作部材63はL字型の形状を有している。長腕63aと短腕63bとが接続される角部63cには、回転軸72によってリンク62が取り付けられている。短腕63bの角部63cと反対側の端部は、回転軸73によってスライド板51のX1方向の端部に取り付けられている。回転軸73は上下方向(Z1、Z2方向)に設けられており、操作部材63は回転軸72を中心としてリンク62に対して水平方向に回転可能であるとともに、回転軸73を中心としてスライド板51に対して水平方向に回転可能である。ここで、長腕63aの角部63cと反対側の端部(力点)から回転軸72(支点)までの長さが、回転軸72(支点)から回転軸73(作用点)までの長さよりも長いため、長腕63aが受けた外力を梃子の原理により増幅し、回転軸72を支点として回転軸73(作用点)を外力よりも大きな力で動かすことができる。
なお、図3(a)〜(c)においては、長腕63aが回転軸72の位置で短腕63bと接続されているが、長腕63aは短腕63bの任意の位置から延在していてもよく、例えば回転軸73の位置から長腕63aが延在していてもよい。
図3(a)に示すように、解除状態においては、短腕63bが角部63cからX2方向に延びるように配置されるとともに、長腕63aが角部63cからY2方向に延びるように配置されている。この時、X1方向からX2方向に向かって回転軸72、回転軸73、回転軸71がこの順に配置され、スライド板51が最もX2方向に移動した状態にある。このとき押付部材40はY1方向への突出量が小さい状態である。
次に、図3(b)に示すように、回転軸73を中心として操作部材63を図3(a)の状態から右方向に90°回転させると、短腕63bが回転軸72を中心として右方向に90°回転し、回転軸72の位置が回転軸73に対してY1方向の位置に移動する。これに伴い、リンク62が回転軸71を中心として右方向に回転する。これにより、回転軸73およびスライド板51がX1方向に移動する。
さらに、図3(c)に示すように、回転軸73を中心として操作部材63を図3(b)の状態からさらに右方向に90°回転させると、短腕63bが回転軸72を中心としてさらに右方向に90°回転し、回転軸73の位置が回転軸72に対してX1方向の位置に移動する。これに伴い、リンク62が回転軸71を中心として左方向に回転し、図3(a)と同じ位置に戻る。
トグルクランプ60が図3(a)に示す状態から図3(c)に示す状態となるとき、回転軸73およびスライド板51の位置は、回転軸72と回転軸73との間の距離の2倍、X1方向に移動する。このとき、スライド板51の突起51aがX1方向に移動するため、突起51aが押付部材40の長孔40c内を当接部40a側から回転軸19e側に移動し、これによって押付部材40が回転軸19eの回りに回転する。これに伴って、押付部材40のY1方向への突出量が大きくなり、当接部40aがフィルタ11の枠体14に当接してY1方向に押圧する。これによって、図3(c)に示すように、押付部材40は押付状態となる。押付状態では、押付部材40の押圧力はフィルタ11を介してガスケット15に伝達され、ガスケット15はY1方向に圧縮される。このため、図3(c)に示す状態では、図3(b)に示す状態と比べ、スライド板51とフィルタ11とのY1,Y2方向の距離は長くなっている。
このように、ケーシング7の内壁32と押付機構30との間にフィルタ11が収容された状態で図3(a)または図3(b)に示す解除状態から図3(c)に示す押付状態とすることで、フィルタ11が押付部材40によってY1方向に押圧される。これにより、ガスケット15が当接壁部17bに押し付けられ、フィルタ11と当接壁部17bとの間のリークが防止される。
ケーシング7からフィルタ11を取り出すときには、図3(c)に示す押付状態から操作部材63を左方向に回転させて図3(b)、さらには図3(a)に示す解除状態とすることで、押付部材40のY1方向への突出量を小さくする。これにより押付部材40によるフィルタ11に対するY1方向の押圧力が解除され、フィルタ11を容易にX1方向に移動させてケーシング7から取り出すことができる。
ここで、図3(c)に示す押付状態では、スライド板51、リンク62および短腕63bがX1、X2方向に向き、回転軸71、72、73がY1、Y2方向に対して同じ位置(スライド板51の中心軸と直交する方向の位置)に配置され死点となるため、押付部材40の復元力によりスライド板51がX2方向に作用しても、短腕63bが回転軸73に対して回転しない。このため、長腕63aを操作しない限り押付部材40の他端44はX2方向に移動せず、フィルタ11と当接壁部17bとの隙間を封止した状態を維持することができる。したがって、被操作部材とケーシングの内壁との摩擦によって押付状態を維持する場合と比べ、使用中に押付状態が解除されてしまうのをより確実に抑えられる。
同様に、図3(a)に示す解除状態では、スライド板51、リンク62および短腕63bがX1、X2方向に向き、回転軸71、72、73がY1、Y2方向に対して同じ位置に配置され死点となるため、長腕63aを操作しない限りスライド板51がX1方向に移動することはない。このため、ケーシング7の当接壁部17bと押付機構30との間にフィルタ11を挿入する際に押付部材40がフィルタ11をY1方向に押圧するようなことがない。
また、図3(a)に示す解除状態では、長腕63aがスライド板51に対してY2側に配置される。このため、ケーシング7の内壁32と押付機構30との間にフィルタ11を挿入する際に長腕63aが妨げとなることがない。なお、図3(c)に示す押付状態では、長腕63aがスライド板51に対してY1側に配置されるが、長腕63aはフィルタ11と扉8との間に配置されるため、フィルタ11をケーシング7内に収容する妨げとなることがない。
本実施形態のエアフィルタユニット1において、フィルタ11の交換は、例えば次のようにして行うことができる。まず、ケーシング7の扉8を開き、トグルクランプ60を回転操作して、押付状態にある押付部材40を回転させ、Y1方向への突出量を小さくすることで解除状態とし、押付部材40をフィルタ11の枠体14から離間させる。押付部材40がフィルタ11から離間した状態では、押付機構30とフィルタ11との気流の方向の間に隙間が生じているため、フィルタ11をX1方向にスライドさせて、取出孔7cから容易に取り出すことができる。
次いで、未使用の新たなフィルタ11を、取出孔7cの外側から、当接壁部17bと押付機構30との間の空間にX2方向にスライドさせて押し込んだ後、トグルクランプ60を、フィルタ11を取り外したときとは逆方向に回転操作して、解除状態にある押付部材40を回転させ、Y1方向への突出量を大きくする。これにより、フィルタ11は押付部材40に下流側に押圧され、ガスケット15を介して当接壁部17bに押し付けられる。このようにして押付状態とする。
なお、新たなフィルタ11のY1、Y2方向の厚さや、ガスケット15の硬さ等を考慮して、例えば、押圧状態での押付部材40の突出量X、押付部材40の当接部40aと突起51aの中心との間の距離β等を調節することで、押付部材40の押圧力を調節することができる。
突出量Xを調節する場合は、特に制限されないが、押付部材40が図3(a)に示されるようにY1に対して最も大きく傾斜した状態(最大傾斜状態)にある場合に、例えば、押付部材40のY1側の端とスライド板51のY1側の端とが同じY1方向位置にある場合は、押付部材40が最大傾斜状態から押付状態になる間に長孔40c内で突起51aが移動する距離αと同じ長さとして、突出量Xを定めることができる。具体的な突出量は、特に制限されないが、例えば15mmである。
また、距離βを調節する場合は、押付部材40が最大傾斜状態にある場合に、例えば、突起51aが長孔40c内の最もY1側の位置に位置する場合は、当接部40aと長孔40cとの最短距離D、および、突起51aの径γの半分の長さγ/2の合計として、距離βを定めることができる。
上記した交換方法は一例であり、他の方法によってフィルタ11の交換を行ってもよい。例えば、押付部材40はカムに限らず、被操作部材の移動に伴ってY1方向に突出量が変化する他の部材を用いることができる。
押付部材40は、長孔40cが回転軸19eよりもY2側に位置するよう形成されたものであってもよい。この場合、スライド板51が回転軸19eよりもY2側に配置されるよう、ケーシング7の支持部19cは形成される。
また、トグルクランプ60を用いて被操作部材を移動させる方向は、上記説明したX2方向に制限されず、X1方向であってもよい。この場合、トグルクランプ60を図3(c)に示す状態から図3(a)に示す状態に操作することで、スライド板51がX2方向に移動し、押付部材40は解除状態から押付状態にされる。この場合、押付部材40は、図3において時計回りに回転するため、押付状態で、フィルタ11に対してX2方向に成分を有する押圧力を作用させる。これにより、フィルタがケーシング7のケーシング7の奥側(X2方向)に押し込まれた状態をより確実に維持することができる。
被操作部材は、トグルクランプ60を用いずに、X1,X2方向に移動するよう構成されていてもよい。例えば、被操作部材がX2方向に移動することで押付部材40が押付状態となる場合は、扉8を閉めるときに、被操作部材が扉に押されることでX2方向に移動するよう構成されていてもよい。
以上、押付機構30を用いて、フィルタ11を下流側に押し付ける場合を例に説明したが、押付機構30によってフィルタ11を押し付ける方向は、気流の方向の上流側(Y2方向)であってもよい。気流の方向の上流側に押し付ける場合は、例えば、ガイド部16A、16Bおよび2つの押付機構30を、Y1方向とY2方向を反転させた形状とすればよい。
本実施形態のエアフィルタユニット1のフィルタ11には、下記仕様、性能のものを例示できる。
外形寸法:縦(図2のZ方向)1200mm×横(図2のX方向)800mm×高さ(図2のY方向)500mm
濾材:平均繊維径約2.5μmのポリプロピレン樹脂製メルトブローン不織布にエレクトレット処理を施したものを主濾材とし、平均繊維径約32μmのポリエステル樹脂製サーマルボンド不織布を補強材として、主濾材の片側に補強材を熱ラミネートにより接合したもの。厚さ0.5mm、目付105g/m、濾材面積8m
捕集効率(比色法(光散乱積算法)):90%
初期圧力損失(処理風量2900m/時間):40Pa
粉塵保持量:約360g/m
上記仕様、性能はそれぞれ、例えば下記の測定法により測定される。
(厚さ)
試験サンプルに10mmφで2.5Nの荷重をかけたときの厚さを、ダイヤルシックネスゲージを用いて測定する。
(目付)
試験サンプルから採取した100mm×100mmの試験片の重さを測定し、1m当たりの重さに換算して求める。
(平均繊維径)
試験サンプルの表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した画像上で直交した2本の線を引き、これらの線と交わった繊維の像の太さを繊維径として、500本測定し、これらの算術平均を平均繊維径とする。
(捕集効率)
JIS B9908 形式2に準拠し、JIS Z8901に規定するJIS11種の粉塵含有空気を試験風速2.5cm/秒で通過させ、JIS Z8813に準拠する光散乱光量積算方式により、通過前および通過後の粉塵濃度を同時に連続的に測定し、次式により捕集効率を求める。
捕集効率(%)=(通過後の粉塵濃度(個数/L)−通過前の粉塵濃度(個数/L))/(通過前の粉塵濃度(個数/L))×100
(初期圧力損失)
JIS B9908 形式2、形式3に準拠し、610mm×610mmの寸法のダクトを用いて、風速2.5/秒での圧力損失を測定する。
(粉塵保持量)
JIS B9908 形式2、形式3に準拠して、JIS Z8901に規定するJIS11種の粉体による、粉塵濃度70±30mg/m、試験風速2.5m/秒での圧力損失が最終圧力損失(294Pa)に達するまでの粉塵供給量を測定する。
本実施形態のエアフィルタユニット1において、押付機構30を用いてケーシング7の当接壁部17bに対し気流の方向にフィルタ11を押し付けることができる。このため、フィルタ11と当接壁部17bとの間でのリークを抑え、ケーシング7内に取り込んだ空気を確実にフィルタ11に通すことができ、気密性を高めることができる。例えば、フィルタ11として上記高性能フィルタを用い、原子力関連施設において発生した放射性同位元素を含んだ汚染ガスを通過させる場合のように、高い気密性が要求される場合にも好適に用いられる。
他方、押付機構30のスライド板51は、移動方向と直交する方向への移動が規制されているため、ケーシング7内にスライド板51の移動代を確保する必要がなく、ケーシング7をコンパクトにすることができる。また、被操作部材を移動させるための操作を安定して行うことができる。このような効果は、トグルクランプ60を用いることで特に有効に発揮される。
また、本実施形態のエアフィルタユニット1によれば、複数のフィルタを気流に対して並列に並べて収納する場合、1つの被操作部材を用いて複数の押付部材40を一度に押付状態にすることができる。
なお、本実施形態のエアフィルタユニット1は、原子力関連施設で用いられる場合に限られず、ビル、工場等の建物において、外気処理装置(外調機)の内部や、ダクトの途中に設けられた取付位置に取り付けられて用いられてもよい。本実施形態のエアフィルタユニット1は、その上流側または下流側に、他のエアフィルタまたはエアフィルタユニットが配置されてもよい。例えば、他のエアフィルタとして、公知のロールフィルタをエアフィルタユニット1の上流側に配置してもよい。ロールフィルタは、互いに離間して平行に配された1対のローラと、1対のローラに巻き回された長尺状の濾材とを有しており、濾材の使用済み領域が一方のローラに巻き取られると同時に他方のローラから未使用領域が引き出されるようになっている。ロールフィルタの濾材は、例えば、粒径5μm以上、濃度0.4〜7mg/mの粉塵の除去に用いられる。この場合、エアフィルタユニット1は、ロールフィルタから下流側に離間して配されていてもよく、1対のローラの間の空間に埋め込まれるように配置されてもよい。
以上、エアフィルタユニットについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
1 エアフィルタユニット
7 ケーシング
11 フィルタ
30 押付機構
40 押付部材
51 スライド板
60 トグルクランプ
61 固定部
62 リンク
63 操作部材
63a 長腕
63b 短腕
63c 角部
71、72、73 回転軸

Claims (6)

  1. 気体中の微粒子を捕集するエアフィルタと、前記エアフィルタを収納し、気流が通る開口部を有するケーシングと、を備えるエアフィルタユニットであって、
    前記ケーシングは、さらに、前記エアフィルタが前記開口部を覆うように前記エアフィルタを前記ケーシングの内壁に押し付ける押付機構を有し、
    前記押付機構は、気流の方向と直交する方向を移動方向として移動するよう操作される被操作部材であって、気流の方向への動きが規制された被操作部材と、
    前記被操作部材が前記移動方向に移動することで、前記エアフィルタを前記内壁に押し付ける押付状態、および、前記エアフィルタへの前記押し付けを解除する解除状態、のいずれかの状態にされる押付部材と、を有し
    前記押付部材は、一方向に延びる長孔を有し、前記長孔の延在方向を前記押付部材の長手方向とし、
    前記被操作部材は、前記長孔に係止される突起を有し、
    前記押付部材は、前記被操作部材の移動に伴って前記突起が前記長孔内を移動することで、前記押付状態では、前記長手方向が気流の方向と一致し、前記解除状態では、前記長手方向が気流の方向と異なるよう、前記被操作部材に対して動く、ことを特徴とするエアフィルタユニット。
  2. 気体中の微粒子を捕集するエアフィルタと、前記エアフィルタを収納し、気流が通る開口部を有するケーシングと、を備えるエアフィルタユニットであって、
    前記ケーシングは、さらに、前記エアフィルタが前記開口部を覆うように前記エアフィルタを前記ケーシングの内壁に押し付ける押付機構を有し、
    前記押付機構は、気流の方向と直交する方向を移動方向として移動するよう操作される被操作部材であって、気流の方向への動きが規制された被操作部材と、
    前記被操作部材が前記移動方向に移動することで、前記エアフィルタを前記内壁に押し付ける押付状態、および、前記エアフィルタへの前記押し付けを解除する解除状態、のいずれかの状態にされる押付部材と、を有しており、
    前記押付部材は、前記ケーシングに対して、前記気流の方向および前記移動方向と直交する回転軸の回りに回転可能であり、
    前記押付部材は、前記押付状態で前記エアフィルタに当接する当接部と、
    前記当接部と前記回転軸とを結ぶ方向に延びる長孔と、を有し、
    前記被操作部材は、前記長孔に係止された突起を有し、
    前記押付部材は、前記被操作部材の移動に伴って前記突起が前記長孔内を移動することで回転する、ことを特徴とするエアフィルタユニット。
  3. 前記押付部材は、さらに、前記押付部材の外周部のうち前記当接部に隣接する隣接部であって、前記解除状態で前記当接部よりも前記エアフィルタに接近して配置される隣接部を有し、
    前記隣接部と前記回転軸との距離は、前記当接部と前記回転軸との距離よりも小さく、かつ、前記当接部から離反するにつれて連続的に小さくなっている、請求項2に記載のエアフィルタユニット。
  4. 前記ケーシングは、さらに、前記エアフィルタを気流の方向と直交する方向にスライドさせて取り出すための取出孔を有し、
    前記押付部材は、前記被操作部材が、前記移動方向のうち前記取出孔に近づく方向に移動することで前記押付状態とされる、請求項2または3に記載のエアフィルタユニット。
  5. 前記押付機構は、さらに、前記被操作部材を前記移動方向に移動させる移動機構を備え、
    前記移動機構は、外力を受けることにより、前記ケーシングに対して、前記気流の方向および前記移動方向を含む面内で回転可能な操作部材を有し、
    前記操作部材は、前記ケーシングと連結され回転可能に軸支される支点と、
    前記支点から離間した位置で前記被操作部材に対して回転可能に軸支される作用点と、
    前記作用点よりも前記支点から離間した位置で前記外力を受ける力点と、
    を有し、
    前記力点が外力を受けたときに前記支点に対して回転することで、前記外力よりも大きな力で前記作用点を前記移動方向に移動させる、請求項1から4のいずれか1項に記載のエアフィルタユニット。
  6. 前記エアフィルタを第1のエアフィルタというとき、前記エアフィルタユニットは、さらに、前記ケーシングに収納される1または複数の第2のエアフィルタを備え、
    前記第1のエアフィルタおよび前記第2のエアフィルタは、前記移動方向に沿って並ぶよう配置され、
    前記押付部材を第1の押付部材というとき、前記押付機構は、さらに、前記第2のエアフィルタのそれぞれと対応する1または複数の第2の押付部材であって、前記被操作部材が前記移動方向に移動することで前記第2のエアフィルタを前記ケーシングの内壁に押し付ける第2の押付部材を有している、請求項1から5のいずれか1項に記載のエアフィルタユニット。
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