JP6675876B2 - 推進工法 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態における掘削機、推進管、及び元押し装置の概略構成を示す。詳しくは、図1(A)は掘削機、推進管、及び元押し装置の側面図であり、図1(B)は掘削機、推進管、及び元押し装置の上面図である。尚、本実施形態では、便宜上、トンネル掘進方向を前進方向として前後左右を規定している(図1参照)。また、本実施形態では断面形状が矩形状である推進管を例にとって本発明に係る推進工法を説明するが、推進管の断面形状はこれに限らない。
地下構造物1の発進坑口部2の周囲には坑口コンクリート3が設けられており、この坑口コンクリート3にはエントランスパッキン(図示せず)が設けられている。
前述の発進坑口部2の形成には掘削機10が用いられる。
元押しジャッキ架台42は、その底部をなして前後方向に延びる左右一対の基礎部材42aと、基礎部材42aから立設された4本の支柱部材42bと、支柱部材42bに取り付けられて元押しジャッキ41を支持する6本の梁部材42cとにより構成されている。基礎部材42a、支柱部材42b、及び梁部材42cについては、例えばH形鋼材などの鋼材で構成され得る。尚、元押しジャッキ架台42の構成はこれに限らない。
元押しジャッキ41は油圧ジャッキであり、シリンダ41aとロッド41bとにより構成されている。シリンダ41aは、その基端側が支圧壁43に接触しており、先端側にて、ロッド41bが進出・退入可能となっている。ゆえに、元押しジャッキ41は、ロッド41bの進出・退入により、伸縮可能である。また、シリンダ41aの基端部は支圧壁43から反力を取ることが可能である。
元押しジャッキ41のロッド41bの先端部をスプレッダ41cを介して推進管50の最後尾に接触させた状態で元押しジャッキ41を伸長作動させることにより、推進管50及び掘削機10は推進力を得ることができる。
ここで、第1セグメントリング51及び第2セグメントリング52の構成について図2を用いて説明する。
図2(A)は第1セグメントリング51の斜視図であり、図2(B)は第2セグメントリング52の斜視図である。
第2セグメントリング52は、複数(図2(B)では6つ)のセグメントピースSP21〜SP26を推進管50の周方向(トンネルの周方向)に連結して形成される。セグメントピースSP21〜SP26は例えば鋼製又はコンクリート製である。
尚、本実施形態では、第1セグメントリング51及び第2セグメントリング52の各々の断面形状が矩形状であるが、第1セグメントリング51及び第2セグメントリング52の断面形状はこれに限らない。第1セグメントリング51及び第2セグメントリング52の各々を構成するセグメントピースの個数は6つに限らない。
図3は、掘削機10の垂直方向の構成を示す。図4は、掘削機10を構成するルーフ掘削機20の水平方向の構成を示す。図5は、掘削機10を構成する本体掘削機30の水平方向の構成を示す。
カッタ31は、接続材312で接続された円柱状の一対のカッタスポーク313の上下方向に沿ってカッタビット311を設け、これら一対のカッタスポーク313を、上下の支持杆315を介して回転軸317に接続したものである。
この回転軸317には、上下にリンク材318の一端が取り付けられる。これらリンク材318の他端に、平面上交差して配置される2本の油圧ジャッキ319の一端がそれぞれ接続される。一方の油圧ジャッキ319を伸長させるとともに他方の油圧ジャッキ319を収縮させる動作を油圧ジャッキ319間で交互に行うことにより、カッタ31が本体掘削機30の幅方向を円弧状の軌跡で往復揺動する。
回転軸247には、さらにリンク材248の一端が接続され、このリンク材248の他端と、油圧ジャッキ249の一端が接続される。この油圧ジャッキ249を伸縮することにより、カッタ24がルーフ掘削機20の幅方向を円弧状の軌跡で往復揺動する。また、油圧ジャッキ249の他端は、ルーフ推進ボックス23などを貫通し、後胴部10bに設置した中折れジャッキ27に接続される。中折れジャッキ27は、カッタ24の姿勢制御に用いられ得る。
ルーフマシンボックス25の前部25aの後端には、カバープレート21が取り付けられる。カバープレート21は、ルーフ推進ボックス23の上面および外側の側面を覆うように設けられる。
ルーフ推進ボックス23には、ルーフ推進ジャッキ22の端部が取り付けられる。ルーフ推進ジャッキ22を伸長させることにより、ルーフマシンボックス25が本体掘削機30とは独立して前進する。
また、前述の電力ケーブルなどが本発明の「ケーブル」に対応し、この「ケーブル」は、地下構造物1内から推進管50の内部空間を通って掘削機10まで延びている。
図6(A)は、図1(A)のI−I断面で見た、元押しジャッキJ1〜J10と第1セグメントリング51との位置関係を示す図である。また、図6(B)は、図1(A)のI−I断面で見た、元押しジャッキJ1〜J10と第2セグメントリング52との位置関係を示す図である。ここで、図6(A)及び(B)に示すX軸は左右方向に対応するものであり、また、Y軸は上下方向に対応するものである。また、図6(A)及び(B)に示すX−Y平面の座標に対応する元押しジャッキJ1〜J10の位置(XY座標)が、後述する表1〜表11に記載されている。
本例では、推進管50の最後尾が第2セグメントリング52によって構成されている状態(すなわち図1(A)及び(B)に示す状態)から、その最後尾に、セグメントピースSP11〜SP16を推進管50の周方向に連結して(すなわち組み立てて)第1セグメントリング51を構築するまでについて説明する。また、本例では、この第1セグメントリング51の構築と並行して、推進管50を地中に推進する。
本例では、まず、掘削機10及び推進管50の推進方向制御に用いられる総推力の目標値(目標総推力)Ttotalを設定する。次に、推進方向制御に用いられる曲げモーメントの目標値(目標ジャッキモーメント)MQを設定する。ここで、目標ジャッキモーメントMQのヨー方向のモーメント成分を「MQX」とし、また、ピッチ方向のモーメント成分を「MQY」とする。また、後述する表1〜表11において、「J1〜J10の合計」に対応するジャッキモーメントが、目標ジャッキモーメントMQ(MQX,MQY)に対応する。また、後述する表1〜表11において、「J1〜J10の合計」に対応する推力が、目標総推力Ttotalに対応する。
ここで、表1は、設定された目標総推力Ttotalが10000[kN]であり、かつ、設定された目標ジャッキモーメントMQのヨー方向のモーメント成分MQXとピッチ方向のモーメント成分MQYとが0[kN・m]である場合における、セグメントピースSP11〜SP16の組立前の元押しジャッキJ1〜J10の各々の推力目標値TQを示している。この場合においては、設定された目標総推力Ttotalが10000[kN]であり、かつ、設定された目標ジャッキモーメントMQのヨー方向のモーメント成分MQXとピッチ方向のモーメント成分MQYとが0[kN・m]であるので、元押しジャッキJ1〜J10が推進管50の最後尾(第2セグメントリング52)に接触した状態で、元押しジャッキJ1〜J10が各々の推力目標値TQを得るように、元押しジャッキJ1〜J10の油圧が制御されると、推進管50及び掘削機10が水平かつ直線状に推進され得る。
このようにして、推進管50の推進と並行して、推進管50の最後尾をなす第1セグメントリング51が構築され得る。
尚、本例では、推進管50の推進と並行して、推進管50の最後尾をなす第1セグメントリング51を構築する例を説明したが、これと同様に、推進管50の推進と並行して、推進管50の最後尾をなす第2セグメントリング52を構築することができることは言うまでもない。
前述の第1例と異なる点について説明する。
前述の表1に対応する表8は、設定された目標総推力Ttotalが10000[kN]であり、設定された目標ジャッキモーメントMQのヨー方向のモーメント成分MQXが0[kN・m]であり、かつ、設定された目標ジャッキモーメントMQのピッチ方向のモーメント成分MQYが−1600[kN・m]である場合における、セグメントピースSP11〜SP16の組立前の元押しジャッキJ1〜J10の各々の推力目標値TQを示している。この場合においては、設定された目標総推力Ttotalが10000[kN]であり、設定された目標ジャッキモーメントMQのヨー方向のモーメント成分MQXが0[kN・m]であり、かつ、設定された目標ジャッキモーメントMQのピッチ方向のモーメント成分MQYが−1600[kN・m]であるので、元押しジャッキJ1〜J10が推進管50の最後尾(第2セグメントリング52)に接触した状態で、元押しジャッキJ1〜J10が各々の推力目標値TQを得るように、元押しジャッキJ1〜J10の油圧が制御されると、推進管50及び掘削機10がやや上向きに推進され得る。
尚、本例では、推進管50のやや上向きの推進と並行して、推進管50の最後尾をなす第1セグメントリング51を構築する例を説明したが、これと同様に、推進管50のやや上向きの推進と並行して、推進管50の最後尾をなす第2セグメントリング52を構築することができることは言うまでもない。
前述の第1例と異なる点について説明する。
本例では、推進管50の推進を一時停止した状態で、推進管50の最後尾をなす第1セグメントリング51を構築する。
尚、本例では、推進管50の推進を一時停止した状態で、推進管50の最後尾をなす第1セグメントリング51を構築する例を説明したが、これと同様に、推進管50の最後尾をなす第2セグメントリング52を構築することができることは言うまでもない。
この点、本実施形態によれば、推進管50が複数のセグメントピースSP11〜SP16及びSP21〜SP26により構成されているので、前述の配管及びケーブル等のジョイント部での分離・再接続作業を行うことなく、推進管50の最後尾に新たなセグメントリングを連結することができる。
2 発進坑口部
3 坑口コンクリート
4 掘削機受台
10 掘削機
10a 前胴部
10b 後胴部
20 ルーフ掘削機
21 カバープレート
22 ルーフ推進ジャッキ
23 ルーフ推進ボックス
24、31 カッタ
25 ルーフマシンボックス
26、32 スクリューコンベア
27 中折れジャッキ
28 土砂圧送管
30 本体掘削機
33 バルクヘッド
40 元押し装置
41 元押しジャッキ
41a シリンダ
41b ロッド
41c スプレッダ
42 元押しジャッキ架台
42a 基礎部材
42b 支柱部材
42c 梁部材
43 支圧壁
50 推進管
51 第1セグメントリング
52 第2セグメントリング
J1〜J10 元押しジャッキ
JS1〜JS10 領域
SP11〜SP16、SP21〜SP26 セグメントピース
Claims (8)
- 複数のセグメントピースを周方向及び軸方向に連結してなる推進管の最後尾を複数の元押しジャッキで押圧して前記推進管を地中に推進する推進工法であって、
前記推進管の最後尾における新たなセグメントピースが連結される箇所に対応する少なくとも1つの元押しジャッキを前記推進管の最後尾から離隔する一方、この離隔した元押しジャッキ以外の複数の元押しジャッキを前記推進管の最後尾に接触させたままとすることを含む、推進工法。 - 前記箇所に対応する元押しジャッキを前記推進管の最後尾から離隔しているときに、前記推進管の最後尾に接触している元押しジャッキで前記推進管の最後尾を押圧することにより、前記推進管を地中に推進する、請求項1に記載の推進工法。
- 前記推進管の推進方向制御に用いられる目標総推力及び目標ジャッキモーメントを設定すること、及び、
前記目標総推力及び前記目標ジャッキモーメントを得るように、各元押しジャッキの推力目標値を設定すること、
を更に含む、請求項2に記載の推進工法。 - 前記元押しジャッキは油圧ジャッキで構成され、
前記推進工法は、各元押しジャッキの推力目標値を得るように、各元押しジャッキの油圧を制御することを更に含む、請求項3に記載の推進工法。 - 前記箇所に対応する元押しジャッキを前記推進管の最後尾から離隔しているときに、前記推進管の位置を保持するように、前記推進管の最後尾に接触している元押しジャッキで前記推進管の最後尾を押圧する、請求項1に記載の推進工法。
- 配管及び/又はケーブルが、前記推進管の内部空間を通って延びており、
前記推進工法は、前記箇所の移動に応じて、前記配管及び/又は前記ケーブルを前記箇所から遠ざけるように移設することを更に含む、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の推進工法。 - 前記推進管の前部が掘削機の後部に接続されており、
前記元押しジャッキが発進坑内に設置されており、
前記配管及び/又は前記ケーブルが、前記発進坑内から前記推進管の内部空間を通って前記掘削機まで延びている、請求項6に記載の推進工法。 - 前記元押しジャッキのロッドの先端部ごとに、前記ロッドの断面積より広い面積で前記推進管の最後尾に接触可能なスプレッダが各別に設けられている、請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の推進工法。
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