JP6674728B2 - 偏光子保護フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

偏光子保護フィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、偏光子保護フィルムそれを用いた偏光板、液晶表示装置に関する。詳しくは、虹斑の発生を抑制することのできる偏光子保護フィルム、偏光板及び液晶表示装置に関する。
液晶表示装置(LCD)に使用される偏光板は、通常ポリビニルアルコール(PVA)等にヨウ素を染着させた偏光子を2枚の偏光子保護フィルムで挟んだ構成であり、偏光子保護フィルムとしては通常トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが用いられている。近年、LCDの薄型化に伴い、偏光板の薄層化が求められるようになっている。しかし、このために保護フィルムとして用いられているTACフィルムの厚みを薄くすると、充分な機械強度を得ることが出来ず、また透湿性が悪化するという問題が発生する。また、TACフィルムは非常に高価であり、安価な代替素材が強く求められている。
そこで、偏光板の薄層化のため、偏光子保護フィルムとして厚みが薄くても高い耐久性が保持できるよう、TACフィルムの代わりにポリエステルフィルムを用いることが提案されている(特許文献1〜3)。
ポリエステルフィルムは、TACフィルムに比べ耐久性に優れるが、TACフィルムと異なり複屈折性を有するため、これを偏光子保護フィルムとして用いた場合、光学的歪みにより画質が低下するという問題があった。すなわち、複屈折性を有するポリエステルフィルムは所定の光学異方性(リタデーション)を有することから、偏光子保護フィルムとして用いた場合、斜め方向から観察すると虹状の色斑が生じ、画質が低下する。そのため、特許文献1〜3では、ポリエステルとして共重合ポリエステルを用いることで、リタデーションを小さくする対策がなされている。しかし、その場合であっても虹状の色斑を完全になくすことはできなかった。
また、偏光子保護フィルムではクリアハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、導電層、光拡散層、易接着層、防汚層を単独であるいは適宜組み合わせて設けることがあるが、ポリエステルフィルムは積層されるクリアハードコート層等との接着性が低いため、フィルムの表層に易接着層を形成することにより接着性を向上させることが通常行われている(特許文献4)。しかしながら、偏光子との接着性も重要であり、偏光子及びクリアハードコート層等との十分な接着性が両立しているものが存在しなかった。
特開2002−116320号公報 特開2004−219620号公報 特開2004−205773号公報 特開2008−208310号公報 WO2011−162198
上記の問題を解決する手段として、バックライト光源として白色発光ダイオードを用い、更に偏光子保護フィルムとして一定のリタデーションを有する配向ポリエステルフィルムを用いることが開示されている(特許文献5)。しかしながら、かかる構成を有する液晶表示装置について更なる検討を重ねた末、そのように改良された液晶表示装置であっても、一対の偏光板の両方に偏光子保護フィルムとしてポリエステルフィルムを用いた場合は、斜め方向から観察すると、角度によっては依然として虹斑が生じる場合が存在し、偏光子及びクリアハードコート層等との十分な接着性が両立していていないという新たな課題の存在を発見した。そこで、本発明は、液晶表示装置の一対の偏光板の両方の偏光子保護フィルムとして配向ポリエステルフィルムを用いた場合の虹斑の発生を抑制し、偏光子及びクリアハードコート層等との十分な接着性を両立させることを主な課題とする。
本発明者は、上記の問題について日夜検討した結果、偏光子保護フィルムとして用いる配向ポリエステルフィルムのリタデーション及び|ny−nz|/|ny−nx|で表されるNz係数という特性を制御することにより、液晶表示装置の一対の偏光板の両方の偏光子保護フィルムとしてポリエステルフィルムを用いた場合の虹斑の発生を効果的に抑制し、特定の組成からなる塗布層を表層に設けることにより、偏光子及びクリアハードコート層等との十分な接着性を両立できることを見出した。本発明は、係る知見に基づき、更なる研究と改良を重ねた結果完成した発明である。
代表的な本発明は、以下の通りである。
項1.
配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層を有する偏光子保護フィルムであって、
前記塗布層は、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及びオレフィン樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂とカルボジイミド系架橋剤とを含有し、
カルボジイミド系架橋剤が塗布層の樹脂分に対して3〜70質量%の範囲で添加され、
前記塗布層上にクリアハードコート層が単独で、あるいは、光拡散層、防眩層、反射防止層、低反射層から選ばれる機能層が前記クリアハードコート層上に設けられてなり、
前記配向ポリエステルフィルムは、4000〜30000nmのリタデーション及び1.7以下のNz係数を有するフィルムである、偏光子保護フィルム。
(但し、上記の塗布層がポリビニルアルコールを含む場合を除く。)
項2.
前記配向ポリエステルフィルムの面配向度が0.13以下である、項1に記載の偏光子保護フィルム。
項3.
前記配向ポリエステルフィルムが少なくとも3層からなり、最外層以外の層に紫外線吸収剤を含有し、380nmの光線透過率が20%以下である、項1または2に記載の偏光子保護フィルム。
項4.
偏光子の両側に偏光子保護フィルムを積層した構成からなり、少なくとも片側の偏光子保護フィルムが項1〜3のいずれかに記載の偏光子保護フィルムである、偏光板。
項5.
バックライト光源、2つの偏光板、及び前記2つの偏光板の間に配された液晶セルを有する液晶表示装置であって、
前記バックライト光源は連続した発光スペクトルを有する白色光源であり、
前記偏光板は偏光子の両側に偏光子保護フィルムを積層した構成であり、
入射光側に配される偏光板の偏光子保護フィルムの少なくとも一方、及び出射光側に配される偏光板の偏光子保護フィルムの少なくとも一方が、項1〜3のいずれかに記載の偏光子保護フィルムである、液晶表示装置。
項6.
バックライト光源、2つの偏光板、及び前記2つの偏光板の間に配された液晶セルを有する液晶表示装置であって、
前記バックライト光源は連続した発光スペクトルを有する白色光源であり、
前記偏光板は偏光子の両側に偏光子保護フィルムを積層した構成であり、
入射光側に配される偏光板の入射光側の偏光子保護フィルム、及び出射光側に配される偏光板の出射光側に偏光子保護フィルムが、項1〜3のいずれかに記載の偏光子保護フィルムである、液晶表示装置。
項7.
前記連続した発光スペクトルを有する白色光源が、白色発光ダイオードである、項5または6に記載の液晶表示装置。
本発明の偏光子保護フィルムであれば、液晶表示装置が有する一対の偏光板の両方の偏光子保護フィルムとして配向ポリエステルフィルムを使用した場合であっても、虹斑の発生を抑制することができ、視認性に優れた液晶表示装置を提供することが可能である。また、本発明の偏光子保護フィルムは、偏光子及びクリアハードコート層等との十分な接着性を両立させることができ、偏光板及び液晶表示装置の耐久性を向上させることができる。よって、本発明は、液晶表示装置の十分な機械的強度を保持した状態で、一層の薄型化を可能にし、引いては、製造コストを低減することを可能にする。
1.液晶表示装置
一般に、液晶表示装置は、バックライト光源に対向する側から画像を表示する側(視認側又は出射光側)に向かう順に、後面モジュール、液晶セル及び前面モジュールから構成されている。後面モジュール及び前面モジュールは、一般に、透明基板と、その液晶セル側表面に形成された透明導電膜と、その反対側に配置された偏光板とから構成されている。ここで、偏光板は、後面モジュールでは、バックライト光源に対向する側に配置され、前面モジュールでは、画像を表示する側(視認側又は出射光側)に配置されている。
2.バックライト光源
本発明の液晶表示装置は少なくとも、バックライト光源、2つの偏光板、及び2つの偏光板の間に配された液晶セルを構成部材として含む。本発明の液晶表示装置は、これら以外の他の構成部材、例えば、カラーフィルター、レンズフィルム、拡散シート、反射防止フィルム等を適宜有しても構わない。
バックライトの構成は、導光板や反射板等を構成部材とするエッジライト方式であっても、直下型方式であっても構わない。本発明では、液晶表示装置のバックライト光源として、連続した幅広い発光スペクトルを有する白色光源を用いることが好ましい。ここで、連続した幅広い発光スペクトルとは、少なくとも450nm〜650nmの波長領域、好ましくは可視光の領域において光の強度がゼロになる波長が存在しない発光スペクトルを意味する。このような連続した幅広い発光スペクトルを有する白色光源としては、例えば、白色LEDを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
本発明で使用可能な白色LEDには、蛍光体方式、すなわち化合物半導体を使用した青色光、もしくは紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子や、有機発光ダイオード(Organic light−emitting diode:OLED)等が含まれる。蛍光体としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系の黄色蛍光体やテルビウム・アルミニウム・ガーネット系の黄色蛍光体等を挙げることができる。白色LEDの中でも、化合物半導体を使用した青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色発光ダイオードは、連続的で幅広い発光スペクトルを有していると共に発光効率にも優れるため、本発明のバックライト光源として好適である。白色LEDは消費電力が小さいため、それを利用した本発明の液晶表示装置は、省エネルギー化にも資する。
従来からバックライト光源として広く用いられている冷陰極管や熱陰極管等の蛍光管は、発光スペクトルが特定波長にピークを有する不連続な発光スペクトルを有する。よって、本発明の所期の効果を得ることは困難であるため、本発明の液晶表示装置の光源としては好ましくない。
3.偏光子保護フィルム
偏光板は、PVA等にヨウ素を染着させた偏光子に2枚の偏光子保護フィルムで貼り合せた構成を有する。本発明で使用される偏光板は、2枚の偏光子保護フィルムの少なくとも一方に、特定範囲のリタデーション及び|ny−nz|/|ny−nx|で表されるNz係数という物性を満たす配向ポリエステルフィルム用いる。
3−1.リタデーション
本発明で使用される偏光子保護フィルムに用いられる配向ポリエステルフィルムは、4000〜30000nmのリタデーションを有することが好ましい。リタデーションが4000nm未満では、液晶表示装置を斜め方向から観察した時に干渉色を呈するため、良好な視認性を常に確保することができないためである。配向ポリエステルフィルムの好ましいリタデーションは4500nm以上、次に好ましくは5000nm以上、より好ましくは6000nm以上、更に好ましくは8000nm以上、より更に好ましくは10000nm以上である。
配向ポリエステルフィルムのリタデーションの上限は30000nmである。それ以上のリタデーションを有する配向ポリエステルフィルムを用いても更なる視認性の改善効果は実質的に得られず、リタデーションの上昇に伴ってフィルムの厚みも相当に厚くなり、工業材料としての取り扱い性が低下するためである。
配向ポリエステルフィルムのリタデーションの値は、公知の方法に従って、2軸方向の屈折率と厚みを測定して求めることができる。また、例えば、KOBRA−21ADH(王子計測機器株式会社)等の市販の自動複屈折測定装置を用いて測定することもできる。
特許文献5に示されるように、配向ポリエステルフィルムを一対の偏光板のいずれか一方のみの偏光子保護フィルムとして用いる場合は、配向ポリエステルフィルムのリタデーションを3000〜30000nmの範囲に制御し、光源として連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源を採用することにより、虹斑の発生は抑制される。その原理は、下記のように考えられる。
即ち、偏光子の片側に複屈折性を有するは配向ポリエステルフィルムを配すると、偏光子から射出した直線偏光はポリエステルフィルムを通過する際に乱れが生じる。そして、透過した光はポリエステルフィルムの複屈折と厚さの積であるリタデーションに特有な干渉色を示す。そのため、光源として冷陰極管や熱陰極管等の不連続な発光スペクトルを有する光源を用いると、波長によって異なる透過光強度を示し、虹状の色斑を呈することとなる。
これに対して、少なくとも450nm〜650nmの波長領域、好ましくは可視光領域において連続的で幅広い発光スペクトルを有する光が、複屈折体を透過すると、干渉色スペクトルは包絡線形状となる。そこで、ポリエステルフィルムのリタデーションを制御することで、光源の発光スペクトルと相似なスペクトルを得ることが可能となる。このように、光源の発光スペクトルと複屈折体を透過した透過光による干渉色スペクトルの包絡線形状とを相似形とすることで、虹状の色斑が発生せずに、視認性が顕著に改善すると考えられる。
しかしながら、上述するように、一対の偏光板の両方において配向ポリエステルフィルムを偏光子保護フィルムとして用いると、依然として虹斑の発生が見られる場合があった。本発明は、そのような虹斑発生の抑制を可能にするが、その原理は未だ十分に解明されていない。
3−2.Nz係数
偏光子保護フィルムに用いる配向ポリエステルフィルムは、
|ny−nz|/|nynx|
で表されるNz係数が1.7以下であることが好ましい。Nz係数は次のようにして求めることができる。分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計)を用いてフィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向とこれに直交する方向の二軸の屈折率(ny、nx、但しny>nx)、及び厚さ方向の屈折率(nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T、測定波長589nm)によって求める。こうして求めたnx、ny、nzを、|ny−nz|/|ny−nx|で表される式に代入して、Nz係数を求めることができる。
配向ポリエステルフィルムのNz係数が1.7を超えると、液晶表示装置を斜め方向から観察した際に、角度によっては虹斑が生じ得る。Nz係数はより好ましくは1.65以下、さらに好ましくは1.63以下である。Nz係数の下限値は、1.2である。これは、1.2未満のフィルムを得ることは製造技術的に難しいためである。また、フィルムの機械的強度を保つためには、Nz係数の下限値は1.3以上が好ましく、より好ましくは1.4以上、さらに好ましくは1.45以上である。
3−3.偏光子保護フィルムの配置
本発明の液晶表示装置では、上記特定のリタデーション及びNz係数を有する配向ポリエステルフィルムが、一対の偏光板の両方の偏光子保護フィルムとして使用される。一対の偏光板とは、液晶に対して入射光側に配置される偏光板と液晶に対して出射光側に配置される偏光板との組合せを意味する。即ち、当該配向ポリエステルフィルムは、入射光側の偏光板と出射光側の偏光板の両方の偏光板に用いられる。当該配向ポリエステルフィルムは、各偏光板を構成する二枚の偏光子保護フィルムのうち少なくとも一方として使用されていれば良く、その両方に使用されても良い。
好適な一実施形態において、当該配向ポリエステルフィルムは、入射光側の偏光板の入射光側の偏光子保護フィルムとして使用され、且つ、出射光側の偏光板の出射光側の偏光子保護フィルムとして使用される。偏光板を構成する2枚の偏光子保護フィルムの一方のみに当該配向ポリエステルフィルムが使用される場合、他方には任意の偏光子保護フィルム(例えば、TACフィルム等)を使用することができる。入射光側に配される偏光板の液晶セル側の偏光子保護フィルム及び出射光側に配される偏光板の液晶セル側の偏光子保護フィルムとして当該配向ポリエステルフィルムを採用すると、液晶セルの偏光特性を変化させてしまう可能性があるため、これらの位置の偏光子保護フィルムは、当該配向ポリエステルフィルム以外の偏光子保護フィルム(例えば、TACフィルム、アクリルフィルム、ノルボルネン系フィルムに代表されるような複屈折が無いフィルム)を用いることが好ましい。
3−4.面配向係数
配向ポリエステルフィルムのリタデーション値及びNz係数を上記の特定範囲に制御することに加え、(nx+ny)/2−nzで表される面配向度を特定値以下にすることにより、より確実に一対の偏光板の両方に偏光子保護フィルムとしてポリエステルフィルムを用いた場合の虹斑を完全に解消することができる。ここで、nx、ny及びnzの値は、Nz係数と同様の方法で求められる。配向ポリエステルフィルムの面配向度は0.13以下が好ましく、より好ましくは0.125以下、さらの好ましくは0.12以下である。面配向度が0.13以下にすることで、液晶表示装置を斜め方向から観察した場合に角度によって観察される虹斑を完全に解消することができる。面配向度は0.08以上が好ましく、より好ましくは0.10以上である。面配向度が0.08未満では、フィルム厚みが変動し、リタデーションの値がフィルム面内で不均一になる場合がある。
3−5.リタデーション比
配向ポリエステルフィルムは、そのリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)の比(Re/Rth)が、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.6以上である。特に好ましくは0.89以上である。上記リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が大きいほど、複屈折の作用は等方性を増し、観察角度による虹状の色斑の発生が生じ難くなるためである。完全な1軸性(1軸対称)フィルムでは上記リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)は2となる。しかし、後述するように完全な1軸性(1軸対称)フィルムに近づくにつれ配向方向と直行する方向の機械的強度が著しく低下する。
そこで、リタデーションと厚さ方向のリタデーションの比(Re/Rth)の上限は、好ましくは1.2以下、より好ましくは1以下である。観察角度による虹状の色斑発生を完全に抑制するためには、上記リタデーションと厚さ方向位相差の比(Re/Rth)が2である必要は無く、1.2以下で十分である。また、上記比率が1.0以下であっても、液晶表示装置に求められる視野角特性(左右180度、上下120度程度)を満足することは十分可能である。
3−6.厚み斑
配向ポリエステルフィルムのリタデーションの変動を抑制する為には、フィルムの厚み斑が小さいことが好ましい。この観点から、配向ポリエステルフィルムの厚み斑は5%以下であることが好ましく、4.5%以下であることがさらに好ましく、4%以下であることがよりさらに好ましく、3%以下であることが特に好ましい。
3−7.厚み
配向ポリエステルフィルムの厚みは、本発明の効果を妨げない限り特に制限されないが、通常15〜300μmであり、好ましくは15〜200μmである。フィルム厚みが15μm未満では、フィルムの力学特性の異方性が顕著となり、裂け、破れ等を生じる場合がある。特に好ましい厚みの下限は25μmである。一方、偏光子保護フィルムの厚みの上限は、300μmを超えると偏光板の厚みが厚くなりすぎてしまい好ましくない。偏光子保護フィルムとしての実用性の観点から、厚みの上限は200μmが好ましい。特に好ましい厚みの上限は一般的なTACフィルムと同等程度の100μmである。
3−8.ポリエステル樹脂
本発明に用いられる配向ポリエステルフィルムは、任意のポリエステル樹脂から得ることができる。ポリエステル樹脂の種類は、特に制限されず、ジカルボン酸とジオールとを公知のアンチモン、チタン、ゲルマニウム系等の触媒を用いて、縮合させて得られる任意のポリエステル樹脂を使用することができる。
ポリエステル樹脂の製造に使用可能なジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカジカルボン酸等が挙げられる。
ポリエステル樹脂の製造に使用可能なジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。
ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分とジオール成分は、いずれも1種又は2種以上を用いることができる。ポリエステルフィルムを構成する好適なポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられ、より好ましくはポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを挙げることができるが、これらは更に他の共重合成分を含んでも良い。これらの樹脂は透明性に優れるとともに、熱的、機械的特性にも優れており、延伸加工によって容易にリタデーションを制御することができる。特に、ポリエチレンテレフタレートは固有複屈折が大きく、フィルムの厚みが薄くても比較的容易に大きなリタデーションが得られるので、最も好適な素材である。
3−9.光透過率
配向ポリエステルフィルムは、偏光子に含まれるヨウ素色素等の光学機能性色素の劣化を抑制する観点から、波長380nmの光線透過率が20%以下であることが望ましい。380nmの光線透過率は15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。前記光線透過率が20%以下であれば、光学機能性色素の紫外線による変質を抑制することができる。光線透過率は、フィルムの平面に対して垂直方法に測定したものであり、分光光度計(例えば、日立U−3500型)を用いて測定することができる。
配向ポリエステルフィルムの波長380nmの透過率は、配合する紫外線吸収剤の種類、濃度、及びフィルムの厚みを適宜調節することで20%以下に制御することができる。本発明で使用される紫外線吸収剤には、公知の紫外線吸収剤を適宜選択して使用することができる。具体的な紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤が挙げられるが、透明性の観点から有機系紫外線吸収剤が好ましい。
有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、及び環状イミノエステル系等、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが本発明の規定する吸光度の範囲であれば特に限定されない。しかし、耐久性の観点からはベンゾトアゾール系、環状イミノエステル系が特に好ましい。2種以上の紫外線吸収剤を併用した場合には、別々の波長の紫外線を同時に吸収させることができるので、より紫外線吸収効果を改善することができる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びアクリロニトリル系紫外線吸収剤としては、例えば、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール等が挙げられる。環状イミノエステル系紫外線吸収剤としては、例えば、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジノン−4−オン)、2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
配向ポリエステルフィルムに紫外線吸収剤を配合する場合、配向ポリエステルフィルムを3層以上の多層構造とし、フィルムの最外層以外の層(即ち、中間層)に紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
3−10.その他の成分等
配向ポリエステルフィルムには、紫外線吸収剤以外に、本発明の効果を妨げない範囲で、各種の添加剤を含有させることも好ましい様態である。添加剤として、例えば、無機粒子、耐熱性高分子粒子、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物、帯電防止剤、耐光剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤、界面活性剤等が挙げられる。
3−11.滑材
配向ポリエステルフィルムにはハンドリング性、滑性の向上のために、滑材としての粒子を配合してもよい。但し、高い透明性を奏するためにはポリエステルフィルム中の粒子含有量を少なくすることが好ましい。より好ましくは、配向ポリエステルフィルムを3層以上の多層構造とし、フィルムの最外層の層に粒子を添加することである。
ポリエステルに上記不活性粒子を配合する方法としては、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めてもよい。またベント付き混練押出機を用いエチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料と、をブレンドする方法、または混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料と、をブレンドする方法などによって行うことができる。
最外層に含まれる不活性粒子としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、不定形シリカ、球状シリカ、結晶性のガラスフィラー、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、シリカ−アルミナ複合酸化物粒子、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン、マイカなどの無機粒子や、架橋ポリスチレン粒子、架橋アクリル系樹脂粒子、架橋メタクリル酸メチル系粒子、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子、ポリテトラフルオロエチレン粒子などの耐熱性高分子微粒子が挙げられる。なかでも、シリカはポリエステルと屈折率が比較的近いため、より透明性に優れたフィルムを確保し得る点で最も好適である。
4.易接着層
偏光子やクリアハードコート層等との十分な接着性を得るために、配向ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂とカルボジイミド系架橋剤を含む塗布層を有することが好ましい。本発明においては、偏光子及びクリアハードコート層等との十分な接着性を両立させるために、配向ポリエステルフィルムの両面に、前記塗布層を有することが望ましい。
本願のポリエステル樹脂とは、主鎖にエステル結合を有するポリマーの総称であり、通常、ジカルボン酸とジオールの反応で得られる。ジカルボン酸としては例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などがあり、ジオールは、直鎖状アルキル系ジオールとしては例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1.9−ノナンジオールなどがあり、分岐したジオールとしては例えば、1,2−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1.5−ペンタンジオールなどがある。さらにはジオール同士の縮合体であるジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどや、ビスフェノールA等とエチレレンオキシドとの付加物などのエーテル結合を分子中に有するジオールも例示することができる。ジカルボン酸とジオール以外の成分として、トリメリット酸等のトリカルボン酸、グルセリン、トリメチロール等のトリオール、5−スルホイソフタル酸一ナトリウムなどの極性基を有するジカルボン酸等をポリエステル重合上で問題にならない程度、ポリエステル成分中として20モル%以下であれば使用してもかまわない。その他のポリエステル樹脂およびその原料については例えば「ポリエステル樹脂ハンドブック」(滝山栄一郎著、日刊工業新聞社、昭和63年発行)に記載されている。水性で使用するためには、ジカルボン酸成分の一部に、親水性基を有する5−スルホイソフタル酸一ナトリウムを使用することが好ましい。
水性ポリエステル樹脂としては、ファインテックスES650、ES2200(DIC(株)製)、バイロナールMD1400、MD1480(東洋紡(株)製)、プラスコートZ−221、Z−561、Z−565、Z−730、RZ−142、Z−687(互応化学工業(株)製)などが市販品として入手可能である。
本願のアクリル樹脂とは、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体を成分とするポリマーである。具体的には、例えばアクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、ヒドロキシルアクリレートなどを主成分としてこれらと共重合可能なモノマー(例えばスチレン、ジビニルベンゼンなど)を共重合したポリマーである。水性で使用するためには、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートなどの親水性基を有するモノマーを適量使用するか、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーを使用した後、これらモノマーに由来するカルボン酸を中和して親水性基にすることが好ましい。 水性アクリル樹脂としては、EM48D(ダイセル化学工業(株)製)、ジュリマーET325、ET410、SEK301(日本純薬(株)製)、ボンコートR3380E、SFA−33、アクリディックA811BE(DIC(株)製)、ネオクリルXK−12、XK−220(楠本化成(株)製)などが市販品として入手可能である。
本願のポリウレタン樹脂とは、主鎖にウレタン結合を有するポリマーの総称であり、通常ポリイソシアネートとポリオールと鎖延長剤との反応によって得られる。ポリイソシアネートとしては、TDI、MDI、水添MDI、XDI、HDI、IPDIの単体品、シソシアヌレート、アダクツ、ビユレット、アロファネート等の縮合体または他の活性水素化合物との反応物などがある。ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどがある。鎖延長剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、エチレンジアミンなどがある。また、ポリウレタン成分中として20モル%以下であれば、モノアルコール類または、モノアミン等の分子中の活性水素基が1個の化合物を使用することもできる。以上述べたポリイソシアネート、ポリオール及び、鎖延長処理については例えば「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(岩田敬治編、日刊工業新聞社、昭和62年発行)に記載されている。水性で使用するためには、親水性基を有するポリエーテルポリオールを使用するか、親水性を分子中に有するジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等を鎖延長剤に使用するか、親水性を分子中に有する3−アミノベンゼンスルホン酸、アミノメタンスルホン酸、2−アミノエタンスルホン酸等の分子中の活性水素基が1個の化合物を使用することが好ましい。水性ポリウレタン樹脂としては、スーパフレックス830、460、870、420、420NS(第一工業製薬(株)製)、ハイドランAP−40F、WLS−202、HW−140SF(DIC(株)製)、オレスターUD500、UD350(三井化学(株)製)などが市販品として入手可能である。
本願のポリオレフィン樹脂とは、オレフィン由来の構成単位を50質量%以上含有する樹脂であり、例えばエチレン、プロピレン等のオレフィンの単独重合体や共重合体、エチレン、プロピレンを主成分とするオレフィンとその他のα−オレフィンとの共重合体、オレフィンとアクリル酸やマレイン酸等のカルボン酸含有モノマーの(多元)共重合体、これら重合体のカルボン酸含有モノマーないし、その無水物による変性物が挙げられる。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン三元共重合体、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィンとアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和モノカルボン酸類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物等の共重合体、またはこれらを用いてグラフト変性した樹脂が挙げられる。これらは公知の重合法、重合触媒、変性法により製造される樹脂である。水性で使用するためには、乳化重合を用いることが好ましい。また、ポリオレフィン樹脂は、例えば、ケミパールS−120、S75N、M200(三井化学(株)製)、ハイテックS−3121、S−3148(東邦化学(株)製)などが市販品として入手可能である。
本願でのカルボジイミド系架橋剤とは、分子内にカルボジイミド構造を複数個有する化合物(以下「カルボジイミド系化合物」と称する)が含まれる。カルボジイミド系化合物としては、分子内に複数のカルボジイミド基を有する化合物であれば、特に制限なく使用することができる。塗布層にカルボジイミド系化合物を含有することで、易接着性が向上し、特に高温高湿下においても接着性に優れる。
ポリカルボジイミドは、通常、有機ジイソシアネートの縮合反応により合成される。ここで分子内にカルボジイミド構造を複数有する化合物の合成に用いられる有機ジイソシアネートの有機基は特に限定されず、芳香族系、脂肪族系のいずれか、あるいはそれらの混合系も使用可能であるが、反応性の観点から脂肪族系が特に好ましい。
合成原料としては、有機イソシアネート、有機ジイソシアネート、有機トリイソシアネート等が使用される。有機イソシアネートの例としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、及び、それらの混合物が使用可能である。
具体的には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等が用いられ、また、有機モノイソシアネートとしては、イソホロンイソシアネート、フェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等が使用される。
また、本発明に用いるカルボジイミド系化合物は、例えば、カルボジライトV−02−L2、V−02、V−04(日清紡(株)製)などが市販品として入手可能である。
カルボジイミド系化合物は易接着層の樹脂分に対して3〜70質量%の範囲で添加することが好ましく、5〜60質量%の範囲で添加することがより好ましい。添加量が3質量%より少ないと充分な易接着性が得られず、70質量%を超えると塗布面状が悪化する場合がある。また、カルボジイミド系化合物は、易接着層の固形分に対して2〜70質量%の範囲が好ましく、4〜60質量%の範囲であることがより好ましい。
カルボジイミド系化合物に対して100質量%以下であるなら他の架橋剤を併用しても良い。100質量%を超えるとカルボジイミド系化合物による効果が低下するため好ましくない。併用する架橋剤として、例えば、イソシアネート系、オキサゾリン系、メラミン系、尿素系、エポキシ系、トリアジン系等が挙げられる。これらの中で、塗布液の経時安定性、高温高湿処理後の接着性の観点から、オキサゾリン系が好ましい。オキサゾリン系化合物はカルボジイミド系化合物に対して70質量%以下の範囲で添加することが好ましく、さらには、50質量%以下の範囲で添加することがより好ましい。また、カルボジイミド系化合物と併用する架橋剤としては、上記の架橋剤のうちから、オキサゾリン系と併せて2つ以上を用いてもよい。
オキサゾリン系架橋剤には、分子内にオキサゾリン構造を複数個有する化合物が含まれる。オキサゾリン構造を複数個有する化合物としては、例えば、2,2’−(1,3−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,2−エチレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,4−ブチレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,4−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)などが挙げられる。また、オキサゾリン基を有するモノマーを重合したポリマー等でもよい。オキサゾリン基を有するモノマーとしては2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン等を挙げることができる。これらのモノマーを他のモノマーと共重合させることも可能である。オキサゾリン基を有する化合物またはポリマーは、例えば、エポクロスK−2020E、エポクロスK−2010E、エポクロスK−2030E、エポクロスWS−300、エポクロスWS−500、エポクロスWS−700(日本触媒(株)製)等が市販品として入手可能である。
上記の易接着層(1層目の接着層)上に(1層目の接着層と)組成の異なる第2の易接着層(2層目の接着層)を設けることにより偏光子及びクリアハードコート層の接着性をさらに向上させることが可能である。
また、偏光子との接着性を向上させるためには本願組成以外に親水性高分子を第2の易接着層に設けることも可能である。
ここで、親水性高分子として、ゼラチン、フタル化ゼラチン、マレイン化ゼラチン等のアシル化ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、アクリル酸、メタクリル酸もしくはアミド等をゼラチンにグラフトさせたグラフト化ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシアルキルアクリレート、ポリビニルピロリドン、コポリ−ビニルピロリドン−酢酸ビニル、カゼインガロース、アルブミン、アルギン酸ソーダ、ポリサッカライド、寒天、でんぷん、グラフトでんぷん、ポリアクリルアミド、N−置換アクリルアミド、N−置換メタクリルアミド等の単独もしくは共重合体、あるいはそれらの部分加水分解物等合成もしくは天然の親水性高分子化合物が用いられる。これらのものは、単独または混合して使用される。好ましい親水性高分子としては、ゼラチンあるいはその誘導体である。
また、クリアハードコートとの接着性を向上させるためにはアクリル樹脂を第2の易接着層に含有させることが好ましい。このアクリル樹脂は1層目の接着層に例示されたものを使用することも可能である。また、第2の易接着層に設けるアクリル樹脂は他の樹脂を併用しても良い、好ましい形態はアクリル樹脂とポリウレタン樹脂を併用したものに架橋剤としてカルボジイミド系化合物を使用したものである
易接着層にはポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂とカルボジミド系架橋剤と前述の他の架橋剤以外に、必要に応じて易接着層に他の機能性を付与するために、易接着層の全固形分に対して30質量%以下の範囲で、各種の粒子及び添加剤を含有させても構わない。易接着層には、ポリエステルフィルム自体の粒子の有無などの易滑性の必要性に応じて、特に、粒子を添加することが好ましい。微粒子の平均粒径は2μm以下の粒子を用いることが好ましい。粒子の平均粒径が2μmを超えると、粒子が被覆層から脱落しやすくなり、また、易接着層の透明性が低下するため好ましくない。易接着層に含有させる粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、シリカ、アルミナ、タルク、カオリン、クレー、リン酸カルシウム、雲母、ヘクトライト、ジルコニア、酸化タングステン、フッ化リチウム、フッ化カルシウム等の無機粒子や、スチレン系、アクリル系、メラミン系、ベンゾグアナミン系、シリコーン系等の有機ポリマー系粒子等が挙げられる。これらは、単独で易接着層に添加されてもよく、2種以上を組合せて添加することもできる。また、前記添加剤としては、例えば、蛍光染料、蛍光増白剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、抑泡剤、消泡剤、防腐剤、滑り剤、帯電防止剤等が挙げられる。
上記の粒子の平均粒径の測定は下記方法により行うことができる。粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径(最も離れた2点間の距離)を測定し、その平均値を平均粒径とする。
易接着層は、上記組成を含有する塗布液をポリエステルフィルム表面に製膜中または製膜後に塗布することで設けることができる。製膜中では、未延伸フィルム又は縦方向に延伸された1軸延伸フィルムの片面又は両面に塗布した後、100〜150℃で乾燥し、さらに横方向に延伸して得ることができる。また、製膜後では、延伸されたフィルムの表面を必要に応じて、コロナ、プラズマ、火炎等で表面処理をした後に、片面または両面に塗布した後、100〜180℃で乾燥させることで得ることができる。
本発明で用いる配向ポリエステルフィルムは、4000〜30000nmのリタデーション及び1.7以下のNz係数を有するため、通常の配向ポリエステルフィルムより易接着層とフィルム表面との接着性が良好である。詳細は不明であるが、本配向フィルムは後述の様に縦延伸倍率と横延伸倍率の比率を制御しているため、フィルム表面のポリエステル分子の配向が2軸方向で異なり、塗布層の樹脂分子との絡みやすくなるためと推測している。このことにより、製膜後に易接着層を設ける場合には、フィルム表面にコロナ等の表面処理がなくても十分な塗布液の塗布性及び易接着層との接着性を有するため、本件において前述の表面処理は必須ではない。
配向ポリエステルフィルムは、必須ではないが、偏光子等との接着性を高める為には、易接着層の上にさらに易接着層を設ける、すなわち易接着層の2層目を設けても良い。2層目の易接着層を設ける場合には、前述の同じ方法で2回塗布してもよいし、1層目をフィルム製膜中に設けて、さらに2層目を製膜後に設けることも可能である。最終的な1層目の易接着層の塗布量は、0.05〜0.2g/mに管理することが好ましい。塗布量が0.05g/m未満であると、得られる偏光子等との接着性が不十分となる場合がある。一方、塗布量が0.2g/mを超えると、耐ブロッキング性が低下する場合がある。ポリエステルフィルムの両面に易接着層を設ける場合は、両面の易接着層の塗布量は、同じであっても異なっていてもよく、それぞれ独立して上記範囲内で設定することができる。また、2層目を設ける場合には、最終的な2層目の易接着層の塗布量は、0.05〜1.0g/mに管理することが好ましい。0.05μmより薄いと十分な接着性が得られ難く、また、1.0μmより厚いと接着性の効果は飽和する。
塗布液は、公知の方法を用いて塗布することができる。例えば、リバースロール・コート法、グラビア・コート法、キス・コート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法等が挙げられる。これらの方法を単独であるいは組み合わせて行うことができる。
5.機能層
本発明に用いられる偏光子保護フィルムには、耐擦傷性を向上、積層時のスティッキング防止、写り込み防止やギラツキ抑制等を目的として、すなわち、拡散層、防眩層、反射防止層、低反射層等からなる機能層をクリハードコート層上に設けることも好ましい様態である。本発明では、クリハードコート層とは、ヘイズが5%以下である透明性の高いハードコート層である。ハードコート層には、アクリル系またはシリコーン系等の組成による区分及び熱硬化性、紫外線硬化性等の硬化方法による区分が存在するが、本発明においては、アクリル系の紫外線硬化型が諸性能の点から最も好ましい。
クリハードコート層を設けた場合に各層の界面の反射光の干渉による色斑が発生することがあるが、クリハードコート層等との反射光による干渉を抑えるために、易接着層の屈折率を、クリハードコート層等の屈折率と配向ポリエステルフィルムの屈折率の相乗平均近傍になるように調整することが好ましい。易接着層の屈折率の調整は、公知の方法を採用することができ、例えば、バインダー樹脂に、チタンやジルコニウム、その他の金属種を含有させることで容易に調整することができる。
6.配向ポリエステルフィルムの製造方法
本発明の保護フィルムである配向ポリエステルフィルムは、一般的なポリエステルフィルムの製造方法に従って製造することができる。例えば、ポリエステル樹脂を溶融し、シート状に押出し成形された無配向ポリエステルをガラス転移温度以上の温度において、ロールの速度差を利用して縦方向に延伸した後、テンターにより横方向に延伸し、熱処理を施す方法が挙げられる。
本発明の配向ポリエステルフィルムは一軸延伸フィルムでも、二軸延伸フィルムでも良いが、二軸延伸フィルムを偏光子保護フィルムとして用いた場合、フィルム面の真上から観察しても虹状の色斑が見られないが、斜め方向から観察した時に虹状の色斑が観察される場合があるので注意が必要である。
この現象は、二軸延伸フィルムが、走行方向、幅方向、厚さ方向で異なる屈折率を有する屈折率楕円体からなり、フィルム内部での光の透過方向によりリタデーションがゼロになる(屈折率楕円体が真円に見える)方向が存在するためである。従って、液晶表示画面を斜め方向の特定の方向から観察すると、リタデーションがゼロになる点を生じる場合があり、その点を中心として虹状の色斑が同心円状に生じることとなる。そして、フィルム面の真上(法線方向)から虹状の色斑が見える位置までの角度をθとすると、この角度θは、フィルム面内の複屈折が大きいほど大きくなり、虹状の色斑は見え難くなる。二軸延伸フィルムでは角度θが小さくなる傾向があるため、一軸延伸フィルムのほうが虹状の色斑は見え難くなり好ましい。
しかしながら、完全な1軸性(1軸対称)フィルムでは配向方向と直行する方向の機械的強度が著しく低下するので好ましくない。本発明は、実質的に虹状の色斑を生じない範囲、又は液晶表示画面に求められる視野角範囲において虹状の色斑を生じない範囲で、2軸性(2軸対象性)を有していることが好ましい。このような2軸対象性は、下記のような条件で配向ポリエステルフィルムを製造することで得られる。
上述する特定のリタデーション及びNz係数を有する配向ポリエステルフィルムは、製膜時の条件(例えば、延伸倍率、延伸温度、フィルムの厚み等)を調節することにより得ることができる。例えば、延伸倍率が高いほど、延伸温度が低いほど、フィルムの厚みが厚いほど高いリタデーションが得られ易い。一方、延伸倍率が低いほど、延伸温度が高いほど、フィルムの厚みが薄いほど、低いリタデーションが得られ易い。
具体的な製膜条件としては、例えば、縦延伸温度及び横延伸温度は、80〜145℃が好ましく、特に好ましくは90〜140℃である。縦延伸倍率は1.0〜3.5倍が好ましく、特に好ましくは1.0倍〜3.0倍である。また、横延伸倍率は2.5〜6.0倍が好ましく、特に好ましくは3.0〜5.5倍である。
リタデーションを上述する特定の範囲に制御するためには、縦延伸倍率と横延伸倍率の比率を制御することが好ましい。縦横の延伸倍率の差が小さすぎるとリタデーション高くすることが難しくなり好ましくない。また、延伸温度を低く設定することもリタデーションを高くする上では好ましい。続く熱処理の温度は、100〜250℃が好ましく、特に好ましくは180〜245℃である。
Nz係数を上述の特定の値にするためには、縦延伸倍率と横延伸倍率の比率を制御することが好ましく、一軸延伸フィルムとすることが最も好ましい。また、Nz係数を下げるためには、ポリマーの分子量を上げる、結晶性を下げるために共重合成分を添加することも好ましい。更に、フィルムのNz係数を特定の範囲に制御するためには、トータル延伸倍率、延伸温度を適宜設定することにより行うことが出来る。例えばトータル延伸倍率が低いほど、延伸温度が高いほど、低いNz係数を得ることが出来る。
面配向度を上述の特定値にするためは、トータル延伸倍率を制御することが好ましい。トータル延伸倍率が高すぎると、面配向度が高くなりすぎるため好ましくない。また延伸温度を制御することも面配向度を低くする上では好ましい。縦延伸倍率と横延伸倍率の差を大きくし、トータル延伸倍率を低く設定し、延伸温度を高く設定することで、Nz係数、面配向度を特定の値以下とすることが可能となる。
延伸温度及び延伸倍率はフィルムの厚み斑に大きな影響を与えることから、厚み斑の観点からも製膜条件の最適化を行うことが好ましい。特にリタデーションを高くするために縦延伸倍率を低くすると、縦厚み斑が悪くなることがある。縦厚み斑は延伸倍率のある特定の範囲で非常に悪くなる領域があることから、この範囲を外したところで製膜条件を設定することが望ましい。
配向ポリエステルフィルムへの紫外線吸収剤の配合は、公知の方法を組み合わせて実施できる。例えば、混練押出機を用いて、乾燥させた紫外線吸収剤とポリマー原料とをブレンドして予めマスターバッチを作製し、フィルム製膜時に所定の該マスターバッチとポリマー原料を混合する方法等によって配合することができる。
上記マスターバッチの紫外線吸収剤濃度は紫外線吸収剤を均一に分散させ、且つ経済的に配合するために5〜30質量%の濃度にするのが好ましい。マスターバッチを作製する条件としては混練押出機を用い、押し出し温度はポリエステル原料の融点以上、290℃以下の温度で1〜15分間で押し出すことが好ましい。290℃以上では紫外線吸収剤の減量が大きく、また、マスターバッチの粘度低下が大きくなる。1分以下の押し出しでは紫外線吸収剤の均一な混合が困難となる。この時、必要に応じて安定剤、色調調整剤、帯電防止剤を添加しても良い。
3層以上の多層構造を有する配向ポリエステルフィルムの中間層への紫外線吸収剤の配合は、次のよう手法で実施することができる。外層用としてポリエステルのペレット単独、中間層用として紫外線吸収剤を含有したマスターバッチとポリエステルのペレットを所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、2台以上の押出機、3層のマニホールド又は合流ブロック(例えば角型合流部を有する合流ブロック)を用いて、両外層を構成するフィルム層、中間層を構成するフィルム層を積層し、口金から3層のシートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムを作る。
光学欠点の原因となる、原料のポリエステル中に含まれている異物を除去するため、配向ポリエステルフィルムの製造過程において、溶融押し出しの際に高精度濾過を行うことが好ましい。溶融樹脂の高精度濾過に用いる濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は、15μm以下が好ましい。濾材の濾過粒子サイズが15μmを超えると、20μm以上の異物の除去が不十分となりやすい。
以下、実施例を参照して本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されず、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、以下、実施例1、6、7、9、及び10は、参考例1、6、7、9、及び10と読み替えることとする。
実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
(1)リタデーション(Re)
リタデーションとは、フィルム上の直交する二軸の屈折率の異方性(△Nxy=|nx−ny|)とフィルム厚みd(nm)との積(△Nxy×d)で定義されるパラメーターであり、光学的等方性及び異方性を示す尺度である。二軸の屈折率の異方性(△Nxy)は、以下の方法により求めた。分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計)を用いてフィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向が長辺となるように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(nx,ny)、及び厚さ方向の屈折率(nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T、測定波長589nm)を用いて測定し、前記二軸の屈折率の差の絶対値(|nx−ny|)を屈折率の異方性(△Nxy)とした。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、リタデーション(Re)を求めた。
(2)Nz係数
|ny−nz|/|ny−nx|で得られる値をNz係数とした。ただし、ny>nxとなるように、ny及びnxの値を選択した。
(3)面配向度(△P)
(nx+ny)/2−nzで得られる値を面配向度(△P)とした。
(4)厚さ方向リタデーション(Rth)
厚さ方向リタデーションとは、フィルム厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz(=|nx−nz|)、△Nyz(=|ny−nz|)にそれぞれフィルム厚さdを掛けて得られるリタデーションの平均を示すパラメーターである。リタデーションの測定と同様の方法でnx、ny、nzとフィルム厚みd(nm)を求め、(△Nxz×d)と(△Nyz×d)との平均値を算出して厚さ方向リタデーション(Rth)を求めた。
(5)クリアハードコート層との密着性
後述する方法で作成した偏光子保護フィルムの片面に下記のクリアハードコート層用塗布液を塗布し、70℃で60秒乾燥の後、UV照射機を用いて、照射量500mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ3μmのクリアハードコート層を有する偏光子保護フィルムを得た。ただし、偏光子保護フィルムの両面が同じ易接着層の場合は片方の表面に、両面が異なる易接着層(易接着層AおよびB)を有する場合は易接着層B面に、ハードコート層塗布液を塗布して塗布層を設けた。なお、偏光子保護フィルム1にクリアハードコート層を設けた面のヘイズ値は1.5%であった。
(クリアハードコート層用塗布液)
オルガノシリカゾル MIBK−ST(日産化学工業(株)製) 177質量部、DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:日本化薬(株)製)10質量部、PETA(ペンタエスリトールトリアクリレート:カヤラッドPET−30:日本化薬(株)製)7質量部、1.6−ヘキサンジオールジアクリレート(ライトアクリレート 1,6HX−A:共栄社化学(株)製)3質量部、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)2質量部、シリコーン系界面活性剤 (東レ・ダウコーニング製、DC57)0.1質量部にメチルエチルケトンを加え固形分8質量%のハードコート層塗布液を作製した。
このクリアハードコート層にカット間隔を2mmとしてJIS K5400に準じて密着性を評価した。但し、同一箇所の剥離操作を5回繰り返した後に、はがれなかった升目の面積の割合に応じて以下の評価とした。同様な評価を同じフィルムに対して、評価場所を変更して5回行い、5回の評価で最も多い頻度の段階をフィルムのクリアハードコート層との密着性評価とした。
◎:100個の升目すべてではがれが見られない
○:96〜99個の升目ではがれが見られない
△:80〜95個の升目ではがれが見られない
×:79〜50個の升目ではがれが見られない
××:49個以下の升目ではがれが見られない
(6)耐湿熱性
前述の(5)で作製した片面にクリアハードコートを有する偏光子保護フィルムを、50mm×50mmの大きさに裁断し、80℃−95%RHの条件下で500時間暴露した。暴露後のクリアハードコートを有する偏光子保護フィルムを上記と同様にして密着性を評価した。
◎:100個の升目すべてではがれが見られない
○:96〜99個の升目ではがれが見られない
△:80〜95個の升目ではがれが見られない
×:79〜50個の升目ではがれが見られない
××:49個以下の升目ではがれが見られない
(7)屈曲性
前述の(5)で作製した片面にクリアハードコートを有する偏光子保護フィルムを、100mm×50mmの大きさに裁断し、JIS−K5600−5−1に記載されているマンドレル試験(2mmから32mmの金属製円柱にサンプルを巻きつける試験)に準じ、円柱にクリアハードコート層を外側にした状態で偏光子保護フィルムの長尺方向に巻き付けたときのクラック(ひび)が発生しなかった円柱の最小直径を記載した。つまり、直径12mmの円柱でクラックが発生し、直径16mmで発生しなかった場合は、屈曲性を16mmとした。但し、今回の試験では下記の各種直径の金属製円柱を使用した。
2mm,3mm,4.5mm,6mm,8mm,10mm,12mm,16mm,19mm,20mm,25mm,32mm
(8)虹斑観察
PVAとヨウ素からなる偏光子の片側に前述の(5)で作成した片面にクリアハードコート層を設けた偏光子保護フィルム(ポリエステルフィルム)のもう一方の面を偏光子の偏光軸と偏光子保護フィルムの配向主軸が垂直になるように下記のUV硬化型接着剤で貼り付け、その反対側の面にTACフィルム(富士フィルム(株)社製、厚み80μm)を貼り付けて偏光板を作成した。得られた偏光板を、液晶を挟んで両側に一枚ずつ、各偏光板がクロスニコルの条件下になるよう配置して液晶表示装置を作製した。各偏光板は、前記クリアハードコート層を設けた偏光子保護フィルムが液晶とは反対側(遠位)となるように配置された。液晶表示装置の光源には、青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色LEDを光源(日亜化学、NSPW500CS)に用いた。このような液晶表示装置の正面、及び斜め方向から目視観察し、虹斑の発生有無について、以下のように判定した。
◎: いずれの方向からも虹斑の発生無し。
〇: 斜め方向から観察したときに、角度によって極薄い虹斑が観察される。
△: 斜め方向から観察したときに、角度によって薄い虹斑が観察される。
×: 斜め方向から観察したときに、虹斑が観察される。
××: 正面方向及び斜め方向から観察したときに、虹斑が観察される。
(UV硬化型接着剤)
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート 70質量部、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル 20質量部、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル 10質量部を混合し、光カチオン重合開始剤としてトリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート 2.25質量部を添加した。
(9)打ち抜き加工性
50mm×50mmの刃を用い、SD型レバー式試料裁断機(SDL−200、ダンベル社製)により、上記(8)で作製した偏光板をTACフィルム側から打ち抜いた。
打ち抜いた偏光板の、端部のポリエステルフィルム側の剥離または割れの程度を目視で観察し、以下の4段階で評価した。同様な評価を同じ偏光板に対して、5回行い、5回の評価で最も多い頻度の段階を偏光板の打ち抜き加工性評価とした。
◎:まったく剥離および割れが見られない
○:端部全体の5%未満に剥離または割れが見られる
△:端部全体の5〜20%未満に剥離または割れが見られる
×:端部全体の20%以上に剥離または割れが見られる
(製造例1−ポリエステルA)
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
重縮合反応終了後、95%カット径が5μmのナスロン製フィルターで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られたポリエチレンテレフタレート樹脂(A)の固有粘度は0.62dl/gであり、不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。(以後、PET(A)と略す。)
(製造例2−ポリエステルB)
乾燥させた紫外線吸収剤(2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジノン−4−オン)10質量部、粒子を含有しないPET(A)(固有粘度が0.62dl/g)90質量部を混合し、混練押出機を用い、紫外線吸収剤含有するポリエチレンテレフタレート樹脂(B)を得た。(以後、PET(B)と略す。)
(製造例3−ポリエステルC)
平均粒径2.3μm、細孔容積1.6ml/gの不定形塊状シリカ粒子をエチレングリコールに分散させ、不定形塊状シリカ粒子を濃度15質量%含有するエチレングリコールスラリーを作製した。
加圧昇温前に、液を30℃以下に保持した状態で上記グリコールスラリーを、生成PETに対して2000ppmとなるよう添加すること以外は製造例1と同様にして、不活性粒子を含有する固有粘度0.62dl/gのポリエステル樹脂(C)を作製した(以後、PET(C)と略す。)
(製造例4−水分散性ポリエステル樹脂液(E−1))
攪拌機、温度計、及び部分還流式冷却器を具備するステンレススチール製オートクレーブに、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル302.9質量部、ジメチル−5−ナトリウムスルホイソフタレート47.4質量部、エチレングリコール198.6質量部、1,6−ヘキサンジオール118.2質量部、及びテトラーnーブチルチタネート0.4質量部を仕込み、160℃から220℃まで4時間かけてエステル交換反応を行なった。さらに、セバシン酸121.4重量部を加え、エステル化反応を行なった.次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、30Paの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリエステル樹脂(X)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂は、淡黄色透明であった。さらに、攪拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、上記ポリエステル樹脂(X)20質量部、エチレングリコールt−ブチルエーテル15質量部を入れ、110℃で加熱、攪拌し樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、イオン交換水65質量部を上記ポリエステル溶液に攪拌しつつ徐々に添加した。添加後、液を攪拌しつつ室温まで冷却して、固形分20質量%の乳白色の水分散性ポリエステル樹脂液(E−1)を作製した。
(製造例5−水分散性ポリウレタン樹脂液(U−1))
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジシクロヘキシルジイソシアネート43.75質量部、ジメチロールブタン酸12.85質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール153.41質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン8.77質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450質量部を添加し、液温25℃に調整して、攪拌しながら、上記のポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35質量%の水分散性ポリウレタン樹脂液(U−1)を調製した。
(製造例6−水分散性アクリル樹脂液(A−1))
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、イオン交換水302質量部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5質量部、亜硫酸水素ナトリウム0.2質量部を添加し、さらに、メチルメタクリレート46.7質量部、エチルアクリレート23.3質量部、N−メチロールアクリルアミド6.8質量部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、撹拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分30質量%の水分散性アクリル樹脂液(A−1)を得た。
(製造例7−水分散性ポリオレフィン樹脂液(OL−1))
耐圧性の撹拌機を備えたガラス容器に、ポリオレフィン樹脂(住友化学工業社製ボンダインHX−8210)60質量部、イソプロパノール60質量部、トリエチルアミン4.5質量部および蒸留水175.5質量部を仕込み、140〜145℃に昇温して20分間撹拌した。その後、攪拌しつつ、室温まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター加圧濾過し、乳白色の均一な固形分20質量%水分散性ポリオレフィン樹脂液(OL−1)を得た。
(製造例8−カルボジイミド水性樹脂液(C−1))
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネート168質量部とポリエチレングリコールモノメチルエーテル(M400、平均分子量400)220質量部を仕込み、120℃で1時間、攪拌し、更に4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート26質量部とカルボジイミド化触媒として3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド3.8質量部(全イソシアネートに対して2質量%)を加え、窒素気流下185℃で更に5時間撹拌した。反応液の赤外スペクトルを測定し、波長220〜2300cm−1の吸収が消失したことを確認した。60℃まで放冷し、イオン交換水を567質量部加え、固形分40質量%のカルボジイミド水性樹脂液(C−1)を得た。
(製造例9−オキサゾリン水性樹脂液(O−1))
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器、滴下ロート、および攪拌機を備えたフラスコに性媒体としてのイオン交換水58質量部とイソプロパノール58質量部との混合物、および、重合開始剤(2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)・二塩酸塩)4質量部を投入した。一方、滴下ロートに、オキサゾリン基を有する重合性不飽和単量体としての2−イソプロペニル−2−オキサゾリン16質量部、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(エチレングリコールの平均付加モル数・9モル、新中村化学製)32質量部、およびメタクリル酸メチル32質量部の混合物を投入し、窒素雰囲気下、70℃において1時間にわたり滴下した。滴下終了後、反応溶液を9時間攪拌し、冷却することで固形分濃度40質量%のオキサゾリン水性樹脂液(O−1)を得た。
(製造例10−イソシアネート水性樹脂液(I−1))
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA)100質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量750)30質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のイソシアネート水性樹脂液(I−1)を得た。
上記で得られた水性樹脂等を下表の質量部で混合して固形分濃度6質量%の塗布液(Z−1)を調整した。粒子Aは平均1次粒径12nm、粒子Bは平均1次粒径500nmのシリカ粒子である。
イオン交換水 45.21質量部
イソプロパノール 30.00質量部
水分散性ポリエステル樹脂液(E−1) 18.19質量部
カルボジイミド水性樹脂液(C−1) 3.90質量部
粒子A 2.50質量部
(日揮触媒化成(株)製 カタロイドSI−30、固形分30質量%)
粒子B 0.17質量部
(日本触媒(株)製 シーホスターKEW50、固形分15質量%)
界面活性剤A 0.03質量部
(日本ユニカー(株)製 L−7604、固形分100質量%)
(偏光子保護フィルム1)
基材フィルム中間層用原料として粒子を含有しないPET(A)樹脂ペレット90質量部と紫外線吸収剤を含有したPET(B)樹脂ペレット10質量部を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2(中間層II層用)に供給し、また、PET(A)を常法により乾燥して押出機1(外層I層及び外層III用)にそれぞれ供給し、285℃で溶解した。この2種のポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、2種3層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この時、I層、II層、III層の厚さの比は10:80:10となるように各押し出し機の吐出量を調整した。
次いで、リバースロール法によりこの未延伸PETフィルムの両面に乾燥後の塗布量が0.08g/mになるように、塗布液(Z−1)を塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。
この塗布層を形成した未延伸フィルムをテンター延伸機に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、温度135℃の熱風ゾーンに導き、幅方向に3.8倍に延伸した。次に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理し、さらに幅方向に3%の緩和処理を行い、フィルム厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム2)
塗布液(Z−1)中の水分散性ポリエステル樹脂液(E−1)の代わりに水分散性ポリウレタン樹脂液(U−1)11.88質量部を用い、カルボジイミド水性樹脂液(C−1)の添加量を2.6質量部に変更し、塗布液の固形分濃度が塗布液(Z−1)と同じになる様にイオン交換水により調整した塗布液(Z−2)を使用した以外は偏光子保護フィルム1と同様の方法を用いて、厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム3)
塗布液(Z−1)中の水分散性ポリエステル樹脂液(E−1)の代わりに水分散性アクリル樹脂液(A−1)10.39質量部を用い、カルボジイミド水性樹脂液(C−1)の添加量を5.2質量部に変更し、塗布液の固形分濃度が塗布液(Z−1)と同じになる様にイオン交換水により調整した塗布液(Z−3))を使用した以外は偏光子保護フィルム1と同様の方法を用いて、厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム4)
塗布液(Z−1)中の水分散性ポリエステル樹脂液(E−1)の代わりに水分散性オレフィン樹脂液(OL−1)16.89質量部を用い、カルボジイミド水性樹脂液(C−1)の添加量を4.55質量部に変更し、塗布液の固形分濃度が塗布液(Z−1)と同じになる様にイオン交換水により調整した塗布液(Z−4)を使用した以外は偏光子保護フィルム1と同様の方法を用いて、厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム5)
塗布液(Z−1)中の水分散性ポリエステル樹脂液(E−1)の添加量を12.97質量部に変更し、水分散性ポリウレタン樹脂液(U−1)を2.98質量部添加し、塗布液の固形分濃度が塗布液(Z−1)と同じになる様にイオン交換水により調整した塗布液(Z−5)を使用した以外は偏光子保護フィルム1と同様の方法を用いて、厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム6)
塗布液(Z−1)中のカルボジイミド水性樹脂液(C−1)の添加量を2.92質量部に変更し、オキサゾリン水性樹脂液(O−1)を0.98質量部添加し、固形分濃度が塗布液(Z−1)と同じになる様にイオン交換水により調整した塗布液(Z−6)を使用した以外は偏光子保護フィルム1と同様の方法を用いて、厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム7)
塗布液(Z−1)の代わりに下記の塗布液(Z−7)を使用した以外は偏光子保護フィルム1と同様の方法を用いて、厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
各水性樹脂等を下表の質量部で混合して固形分濃度6.5質量%の塗布液(Z−7)を調整した。
塗布液(Z−7)
イオン交換水 37.29質量部
イソプロパノール 30.00質量部
水分散性ポリエステル樹脂液(E−2) 21.39質量部
(互応化学(株)製、プラスコート Z−687、固形分25質量%)
カルボジイミド水性樹脂液(C−2) 2.62質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV−02−L2、固形分40質量%)
粒子A 2.50質量部
(日揮触媒化成(株)製 カタロイドSI−30、固形分30質量%)
粒子B 0.17質量部
(日本触媒(株)製 シーホスターKEW50、固形分15質量%)
界面活性剤B 1.74質量部
(日油(株)製 ラピゾールB−90の水溶液、固形分1質量%)
界面活性剤C 4.29質量部
(三洋化成工業(株)製 ナロアクティーCL−95の水溶液、固形分1質量%)
(偏光子保護フィルム8)
偏光子保護フィルム7と同様の方法を用いて、両面に易接着層を有する厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。その片面の塗布層の上に、コロナ放電処理を行い、塗布液(Z−8A)を乾燥膜厚100nmとなるように塗布し第2の易接着層A を形成した。同様に反対面に塗布液(Z−8B)を塗布して第2の易接着層Bを形成し、偏光板保護フィルム8を得た。
各水性樹脂等を下表の質量部で混合して固形分濃度1.3質量%の塗布液(Z−8A)を調整した。粒子Cは平均1次粒径40nm、粒子Dは平均1次粒径50nmのシリカ粒子である。
塗布液(Z−8A)
イオン交換水 93.66質量部
水分散性ポリウレタン樹脂液(U−2) 2.28質量部
(三井化学(株)製、オレスターUD−350、固形分38質量%)
水分散性アクリル樹脂液(A−2) 0.26質量部
(ダイセル化学工業(株)製、EM48D、固形分27.5質量%)
カルボジイミド水性樹脂液(C−2) 0.47質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV−02−L2、固形分40質量%)
粒子C 0.16質量部
(日本エアロジル(株)製 アエロジルOX−50の水分散体、固形分10質量%)
粒子D 0.35質量部
(日産化学工業(株)製 スノーテックスXL、固形分40.質量%)
界面活性剤B 1.27質量部
(日油(株)製 ラピゾールB−90の水溶液、固形分1質量%)
界面活性剤C 1.55質量部
(三洋化成工業(株)製 ナロアクティーCL−95の水溶液、固形分1質量%)
各水性樹脂等を下表の質量部で混合して固形分濃度1.4質量%の塗布液(Z−8B)を調整した。
塗布液(Z−8B)
イオン交換水 91.83質量部
水分散性アクリル樹脂液(A−2) 4.26質量部
(ダイセル化学工業(株)製、EM48D、固形分27.5質量%)
カルボジイミド水性樹脂液(C−2) 0.48質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV−02−L2、固形分40質量%)
粒子C 0.19質量部
(日本エアロジル(株)製 アエロジルOX−50の水分散体、固形分10質量%)
粒子D 0.08質量部
(日産化学工業(株)製 スノーテックスXL、固形分40.5質量%)
界面活性剤B 1.58質量部
(日油(株)製 ラピゾールB−90の水溶液、固形分1質量%)
界面活性剤C 1.58質量部
(三洋化成工業(株)製 ナロアクティーCL−95の水溶液、固形分1質量%)
(偏光子保護フィルム9)
基材フィルム中間層用原料として粒子を含有しないPET(A)樹脂ペレット90質量部と紫外線吸収剤を含有したPET(B)樹脂ペレット10質量部を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2(中間層II層用)に供給し、また、PET(A)樹脂ペレット95質量部とPET(C)樹脂ペレット5質量部を常法により乾燥して押出機1(外層I層及び外層III用)にそれぞれ供給し、285℃で溶解した。この2種のポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、2種3層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この時、I層、II層、III層の厚さの比は10:80:10となるように各押し出し機の吐出量を調整した。
この未延伸フィルムをテンター延伸機に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、温度135℃の熱風ゾーンに導き、幅方向に3.8倍に延伸した。次に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理し、さらに幅方向に3%の緩和処理を行い、フィルム厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
次いで、得られた一軸配向PETフィルムの片面に、バーコート法により乾燥後の塗布量が0.10g/mになるように、下記の塗布液(Z−9)を塗布した後、150℃で50秒間加熱乾燥した。さらに、反対面も同様に塗布を行い、塗布層を両面に設けた。
各水性樹脂等を下表の質量部で混合して固形分濃度1.6質量%の塗布液(Z−9)を調整した。
塗布液(Z−9)
イオン交換水 62.48質量部
イソプロパノール 30.00質量部
水分散性ポリエステル樹脂液(E−2) 5.35質量部
(互応化学(株)製、プラスコート Z−687、固形分25質量%)
カルボジイミド水性樹脂液(C−2) 0.66質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV−02−L2、固形分40質量%)
界面活性剤B 0.44質量部
(日油(株)製 ラピゾールB−90の水溶液、固形分1質量%)
界面活性剤C 1.07質量部
(三洋化成工業(株)製 ナロアクティーCL−95の水溶液、固形分1質量%)
(偏光子保護フィルム10)
バーコート法により一軸配向PETフィルムに塗布する前にコロナ処理すること以外は偏光子保護フィルム9と同様の方法を用いて、厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム11)
偏光子保護フィルム10を使用して、偏光子保護フィルム8と同様にして両面に第2の易接着層AとBを有するフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム12)
塗布液(Z−1)中の水分散性ポリエステル樹脂液(E−1)の添加量を25.99質量部に変更し、カルボジイミド水性樹脂液(C−1)を添加しないで、固形分濃度が塗布液(Z−1)と同じになる様にイオン交換水により調整した塗布液(Z−10)を使用した以外は偏光子保護フィルム1と同様の方法を用いて、厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム13)
塗布液(Z−1)中の水分散性ポリエステル樹脂液(E−1)の代わりに水分散性ポリウレタン樹脂液(U−1)を14.85質量部に変更し、カルボジイミド水性樹脂液(C−1)を添加しないで、固形分濃度が塗布液(Z−1)と同じになる様にイオン交換水により調整した塗布液(Z−11)を使用した以外は偏光子保護フィルム1と同様の方法を用いて、厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム14)
塗布液(Z−1)中のカルボジイミド水性樹脂液(C−1)の代わりにオキサゾリン水性樹脂液(O−1)を3.90質量部に添加し、固形分濃度が塗布液(Z−1)と同じになる様にイオン交換水により調整した塗布液(Z−12)を使用した以外は偏光子保護フィルム1と同様の方法を用いて、厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム15)
塗布液(Z−1)中のカルボジイミド水性樹脂液(C−1)の代わりにヘキサメトキシメチルメラミンを1.56質量部に添加し、固形分濃度が塗布液(Z−1)と同じになる様にイオン交換水により調整した塗布液(Z−13)を使用した以外は偏光子保護フィルム1と同様の方法を用いて、厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム16)
塗布液(Z−1)中のカルボジイミド水性樹脂液(C−1)の代わりにイソシアネート水性樹脂液(I−1)を2.08質量部に添加し、固形分濃度が塗布液(Z−1)と同じになる様にイオン交換水により調整した塗布液(Z−14)を使用した以外は偏光子保護フィルム1と同様の方法を用いて、厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム17)
温度125℃の熱風ゾーンに導いた後、幅方向に4.0倍に延伸した以外は偏光子保護フィルム1と同様の方法によりフィルム厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム18)
温度125℃の熱風ゾーンに導いた後、幅方向に4.0倍に延伸した以外は偏光子保護フィルム7と同様の方法によりフィルム厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム19)
未延伸フィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に3.1倍延伸し、温度110℃の熱風ゾーンに導いた後、幅方向に3.8倍に延伸した以外は、偏光子保護フィルム7と同様の方法で、フィルム厚み約100μmの二軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム20)
下記の塗布液(Z−15)を使用した以外は偏光子保護フィルム19と同様の方法を用いて、厚み約100μmの二軸配向PETフィルムを得た。
塗布液(Z−15)
イオン交換水 48.93質量部
イソプロパノール 30.00質量部
水分散性ポリエステル液(E−2) 11.37質量部
(互応化学(株)製、プラスコート Z−687、固形分25質量%)
カルボジイミド水性樹脂液(C−2) 3.99質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV−02−L2、固形分40質量%)
オキサゾリン水性樹脂液(O−2) 1.77質量部
(日本触媒(株)製、エポクロスK2020E、固形分40質量%)
粒子A 2.50質量部
(日揮触媒化成(株)製 カタロイドSI−30、固形分30質量%)
粒子B 0.17質量部
(日本触媒(株)製 シーホスターKEW50、固形分15質量%)
界面活性剤B 1.27質量部
(日油(株)製 ラピゾールB−90の水溶液、固形分1質量%)
界面活性剤C 1.55質量部
(三洋化成工業(株)製 ナロアクティーCL−95の水溶液、固形分1質量%)
(偏光子保護フィルム21)
偏光子保護フィルム19と同様の方法を用いて、両面に易接着層を有する厚み約100μmの二軸配向PETフィルムを得た。その片面の塗布層の上に、コロナ放電処理を行い、塗布液(Z−8A)を乾燥膜厚100nmとなるように塗布し第2の易接着層A を形成した。同様に反対面に塗布液(Z−8B)を塗布して第2の易接着層Bを形成し、偏光板保護フィルム21を得た。
(偏光子保護フィルム22)
基材フィルム中間層用原料として粒子を含有しないPET(A)樹脂ペレット90質量部と紫外線吸収剤を含有したPET(B)樹脂ペレット10質量部を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2(中間層II層用)に供給し、また、PET(A)樹脂ペレット95質量部とPET(C)樹脂ペレット5質量部を常法により乾燥して押出機1(外層I層及び外層III用)にそれぞれ供給し、285℃で溶解した。この2種のポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、2種3層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この時、I層、II層、III層の厚さの比は10:80:10となるように各押し出し機の吐出量を調整した。
この未延伸フィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に3.1倍延伸し、温度110℃の熱風ゾーンに導いた後、幅方向に3.8倍に延伸した。次に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理し、さらに幅方向に3%の緩和処理を行い、フィルム厚み約100μmの二軸配向PETフィルムを得た。
この次いで、得られた二軸配向PETフィルムの片面に、偏光子保護フィルム9と同様にして、塗布層を両面に設けた。
(偏光子保護フィルム23)
バーコート法により二軸配向PETフィルムに塗布する前にコロナ処理すること以外は偏光子保護フィルム22と同様の方法を用いて、厚み約100μmの二軸配向PETフィルムを得た。
(偏光子保護フィルム24)
偏光子保護フィルム23を使用して、偏光子保護フィルム8と同様にして両面に第2の易接着層AとBを有するフィルムを得た。
上記の偏光子保護フィルムの詳細を表1に示す。
偏光子保護フィルム1〜24を用いて上述するように作製した液晶表示装置について虹斑観察及びフィルムの性能を評価した結果を以下の表2に示す。
また、偏光子保護フィルム1の虹斑観察において、光源を白色LEDの代わりに冷陰極管を用いた場合には、評価結果は「××」であった。さらに、偏光子保護フィルム1、7、17及び19の偏光子との接着面の反対面のクリハードコート層を設けないで虹斑観察を実施した。これら結果は、クリアハードコート層を設けた場合と変化なく、それぞれ「◎」、「◎」、「△」、「×」であった。
表2に示された結果から、両面にポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂とカルボジミド系架橋剤からなる塗布層を有し、リタデーションが4000以上であり、且つ、そのNz係数が1.7以下である場合に、虹斑の発生が顕著に抑制され、偏光子及びクリアハードコート層との接着性や耐湿熱性の耐久性が向上することが示された。また、この条件に加えて、配向ポリエステルフィルムの面配向度を0.13以下に制御することによって、より効果的に虹斑の発生を抑制することが可能であることが示された。
本発明の偏光子保護フィルム、偏光板及び液晶表示装置を用いることで、虹状の色斑により視認性を低下させること無く、加工時の耐久性に優れ、LCDの薄型化、低コスト化に寄与することが可能となる。よって、本発明の産業上の利用可能性は極めて高い。

Claims (7)

  1. 配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層を有する偏光子保護フィルムであって、
    前記塗布層は、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及びオレフィン樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂とカルボジイミド系架橋剤とを含有し、
    カルボジイミド系架橋剤が塗布層の樹脂分に対して3〜70質量%の範囲で添加され、
    前記塗布層上にクリアハードコート層が単独で、あるいは、光拡散層、防眩層、反射防止層、低反射層から選ばれる機能層が前記クリアハードコート層上に設けられてなり、
    前記配向ポリエステルフィルムは、4000〜30000nmのリタデーション及び1.7以下のNz係数を有するフィルムである、
    偏光子保護フィルム。
    (但し、上記の塗布層がポリビニルアルコールを含む場合を除く。)
  2. 前記配向ポリエステルフィルムの面配向度が0.13以下である、請求項1に記載の偏光子保護フィルム。
  3. 前記配向ポリエステルフィルムが少なくとも3層からなり、最外層以外の層に紫外線吸収剤を含有し、380nmの光線透過率が20%以下である、請求項1または2に記載の偏光子保護フィルム。
  4. 偏光子の両側に偏光子保護フィルムを積層した構成からなり、
    少なくとも片側の偏光子保護フィルムが請求項1〜3のいずれかに記載の偏光子保護フィルムである、偏光板。
  5. バックライト光源、2つの偏光板、及び前記2つの偏光板の間に配された液晶セルを有する液晶表示装置であって、
    前記バックライト光源は連続した発光スペクトルを有する白色光源であり、
    前記偏光板は偏光子の両側に偏光子保護フィルムを積層した構成であり、
    入射光側に配される偏光板の偏光子保護フィルムの少なくとも一方、及び出射光側に配される偏光板の偏光子保護フィルムの少なくとも一方が、請求項1〜3のいずれかに記載の偏光子保護フィルムである、液晶表示装置。
  6. バックライト光源、2つの偏光板、及び前記2つの偏光板の間に配された液晶セルを有する液晶表示装置であって、
    前記バックライト光源は連続した発光スペクトルを有する白色光源であり、
    前記偏光板は偏光子の両側に偏光子保護フィルムを積層した構成であり、
    入射光側に配される偏光板の入射光側の偏光子保護フィルム、及び出射光側に配される偏光板の出射光側に偏光子保護フィルムが、請求項1〜3のいずれかに記載の偏光子保護フィルムである、液晶表示装置。
  7. 前記連続した発光スペクトルを有する白色光源が、白色発光ダイオードである、請求項5または6に記載の液晶表示装置。
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