以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図4に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図3に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67,ジョグダイヤル68,決定ボタン70(いずれも本発明の操作手段に相当)が備えられている。図2(1)に示すように、演出ボタン67とジョグダイヤル68とは、演出ボタン67の周囲にジョグダイヤル68が配置され、一つの操作ユニットを構成している。特別図柄(以降、特図とも表記)の変動中は、演出ボタン67とジョグダイヤル68との操作に応じて演出図柄表示装置6に操作系演出の表示を行い、待機状態中は、ジョグダイヤル68の回転操作で後述する演出モードを選択し、決定ボタン70の操作で選択を確定し(本発明のA操作に相当)、演出ボタン67の押下操作(本発明のB操作に相当)で演出モードの抽選を行う構成となっている。
また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっているが、所定数の遊技球を機内に封入し、発射した遊技球を遊技機内で回収して循環的に使用することで遊技を行う封入式遊技機としても何ら問題なく本発明の効果を発揮する。
図3は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。図3に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(本発明の演出表示装置に相当)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが配置され、センターケース5の左方には、普通図柄作動ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な羽根部材を供えた普通電動役物を備えており、この羽根部材が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、4個の普通入賞口31、32、33、34が設けられている。なお、この4個の普通入賞口は常時入球率が変化しない入賞口である。
上記のように遊技盤1を構成することによって、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(図5参照)が遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置7で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(図5参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド12bを駆動させると、ほぼ同期して第2始動口12を構成する普通電動役物の羽根部材が駆動して、第2始動口12への入球(第2特別図柄始動スイッチ12a(図5参照)での遊技球検出)が可能となるように構成されている。
第1始動口11に遊技球が入球(第1特別図柄始動スイッチ11a(図5参照)が遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口12(普通電動役物)に遊技球が入球(第2特別図柄始動スイッチ12a(図5参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄の変動に連動した擬似図柄の演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動表示を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無いことを条件として、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド14b(図5参照)を駆動させる。大入賞口ソレノイド14bを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口14の扉部材が駆動して、大入賞口14への入球(カウントスイッチ14a(図5参照)での検出)が可能となるように構成されている。
続いて、図4に本実施例におけるパチンコ機の裏面図を示し説明する。パチンコ機50の裏面は図4に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に相当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図4では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
続いて、図5に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図5には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。
パチンコ機50の電気的構成は、ブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、普通入賞口31、32、33、34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a等の検出信号が遊技盤中継端子板74を介して入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータに送られる。
払出制御装置81は、主制御装置80と双方向通信が可能に構成され、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を駆動させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット24(プリペイドカードユニット)と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。尚、払出制御装置81と発射制御装置84とは払出制御装置81から発射制御装置84への一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置83は、CPU、ROM、RAM等の電気部品を備え、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が主制御装置80からの入力及び演出ボタン67、ジョグダイヤル68、及び決定ボタン70の入力に基づいて生成したものとがある)に基づく制御を行い、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とはサブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置83には、演出ボタン67の操作を検出する演出ボタンスイッチ67aと、ジョグダイヤル68の操作を検出するジョグダイヤルセンサ68a、68bと、決定ボタン67の操作を検出する決定ボタンセスイッチ70aとが接続されており、遊技者が演出ボタン67、ジョグダイヤル68、又は決定ボタン68を操作すると、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
次に、図6を用いて、主制御装置80が実行するメインルーチンを説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S75までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS80の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S80)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、小当り図柄判定用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)、続く入賞確認処理(S60)、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
次に、図7に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する始動入賞処理を説明する。本処理は、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置80に格納(記憶)するとともに(本発明の保留記憶手段に相当)、記憶した乱数が予め設定された値か否かを後述する当否判定を実施する以前に確認する処理を行い、第1始動口11、第2始動口12への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理となる。以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置8、第1特図保留数表示装置18、第2特図保留数表示装置19による各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が8個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置80に格納される。
本処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。否定判定なら(S100:no)、S130に進む。S100が肯定判定なら(S100:yes)、主制御装置80に格納されている第1保留記憶の数が上限数(=4個)未満か否か判定する(S105)。否定判定なら(S105:no)S130に進み、肯定判定であれば(S105:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する抽出乱数保留記憶処理(S110)を行う。
S110に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S115)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か)を判定する。
続いて、S115の判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S120)、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。
S125の処理、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)S160に進み、肯定判定なら(S130:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S135)。否定判定なら(S135:no)S160に進み、肯定判定であれば(S135:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する抽出乱数保留記憶処理(S140)を行い、S115と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S145)。
続いて、S145の判定結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S150)、S140で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S155)、S160に進む。
S160では、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定する(S160)。否定判定なら(S160:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S160:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S165)。否定判定なら(S165:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S165:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S170)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S175)、リターンする。
サブ統合制御装置83は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物(第1始動口12)の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。本実施例では、始動入賞処理時に当否判定結果を報知する図柄の種類と変動パターンを選択する乱数(大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数)を取得したが、これらの乱数を後述する特図の当否判定処理時に取得する構成であってもよい。
次に、図8に示したフローチャートを用いて主制御装置80が実行する当否判定処理を説明する。この処理は、第1始動口スイッチ11a又は第2始動口スイッチ12aでの遊技球の検出に起因して抽出された乱数値に基づいて特別遊技を実行するか否かを判定(抽出した乱数値に基づいて当選か否かを判定)する処理となり、本発明の大当り判定手段に相当する。
本処理を開始すると、特別図柄の始動条件が成立しているか否か判定する(S200)。この判定処理では、大当り遊技中でないこと、第1特別図柄及び第2特別図柄が変動中又は確定表示中でないことを確認する。否定判定なら(S200:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S200:yes)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S205)。肯定判定なら(S205:yes)、S215に進み、否定判定なら(S205:no)第1保留記憶が有るか否か判定する(S210)。否定判定なら、即ち、いずれの保留記憶も無い状態なら(S210:no)、サブ統合制御装置83に待機コマンドを送信して(S280)リターンに抜け、肯定判定なら(S210:yes)、S215に進む。S205とS210の判定順により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する構成となっている。尚、本実施例では、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)の構成となっているが、特別図柄を1つとした構成であっても本発明の効果は何ら変わりなく、複数の特別図柄が同時に変更可能な構成であってもその効果に変わりはない。
S215では時短フラグの値が0か否か判定する(S215)。時短フラグは、主制御装置80にて記憶される値であり、時短フラグの値が「0」のときは、時短状態ではないことを、時短フラグの値が「1」のときは、時短状態であることを主制御装置80が判断する。時短状態では、普通図柄、第1及び第2特別図柄の変動時間が短縮されるとともに、開放延長機能が作動し普通電動役物の作動回数が増加するとともに作動時間が通常状態よりも延長される。時短中の処理は、変動パターンの選択に用いるテーブルの種類のみが異なる処理となるため説明は割愛する。
S220では、保留記憶のシフト処理を行い(S220)、これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。
続く、大当り判定用乱数比較処理(S225)では、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、判定対象の乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/30)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続くS230の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S225)の結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定する(本実施例では1/300)。肯定判定なら(S230:yes)、図柄モード設定処理を行う(S235)。図柄モード設定処理では、当否判定の対象とした保留記憶の種類(第1保留記憶又は第2保留記憶)と、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する(S235)。続いて、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S240)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄群の中から表示する図柄を決定する処理となる。
次にS235で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S245)。モードバッファは当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、複数種類の具体的な遊技内容のそれぞれに対応した値を記憶する構成となっている。
次に、S235で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S250)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S255)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示信号(変動指示コマンド)としてサブ統合制御装置83へ送信する(S260)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S230が否定判定、即ちハズレなら(S230:no)、大当り判定用乱数の比較処理(S225)の結果が小当りであるか否か判定し(1/150)(S265)、肯定判定なら(S265:yes)、小当り図柄を選択し(S270)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S250)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S255)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示信号(変動指示コマンド)をサブ統合制御装置83へ送信する(S260)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S265が否定判定なら(S265:no)、ハズレ図柄を選択し(S275)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S255)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示信号(変動指示コマンド)をサブ統合制御装置53へ送信する(S260)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
次に、図9から図12を用いて主制御装置80が実行する特別遊技処理を説明する。本処理を開始すると、役物連続作動装置が作動中か否か判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判定なら(S300:yes)、大入賞口14が開放中か否か判定する(S305)。否定判定なら(S305:no)、インターバル中か否か判定し(S310)、インターバル中でなければ(S310:no)、大当り終了演出中か否か判定し(S315)、大当り終了演出中でなければ(S315:no)、大当り開始演出時間が終了したか否か判定し(S320)、大当り開始演出時間が終了していなければ(S720:no)リターンし、終了していれば(S320:yes)、大入賞口14を開放させる処理を行い(S325)、サブ統合制御装置83に開放開始情報を送信し(S330)リターンする。
S305が肯定判定、即ち、大入賞口14が開放中なら(S305:yes)、図10のS350に進み、カウントスイッチ14aが遊技球を検出したか否か判定する(S350)。肯定判定なら(S350:yes)、大入賞口14に規定入賞数(9個)の入賞があったか否か判定し(S355)、S350又はS355が否定判定なら(S350:no:S355:no)、大入賞口14の開放時間が終了したか否か判定し(S360)、否定判定なら(S360:no)リターンする。S355、又はS360が肯定判定なら(S355:yes、S360:yes)、大入賞口14を閉鎖する処理を行い(S365)、サブ統合制御装置83へ大当りインターバル演出の開始を指示するコマンドを送信する大当りインターバル処理を行って(S370)リターンする。
図9に戻り、S310が肯定判定、即ち、インターバル中なら(S310:yes)、図11のS400に進み、大当りインターバル時間が終了したか否か判定し(S400)、否定判定なら(S400:no)リターンする。肯定判定なら(S400:yes)、大当り遊技の最終ラウンドが終了したか否か判定し(S405)、肯定判定なら(S405:yes)、サブ統合制御装置83に大当り終了演出を指示するコマンドを送信して大当り遊技を終了し(S410)リターンする。否定判定なら(S405:no)、サブ統合制御装置83に開始するラウンドの演出開始指示コマンドを送信するとともに大入賞口14の開放処理を行って(415)リターンする。
図9に戻り、S315が肯定判定、即ち、大当り終了演出中なら(S315:yes)、図12のS450に進み大当り終了演出の時間が終了したか否か判定する(S450)。否定判定なら(S450:no)リターンし、肯定判定なら(S450:yes)、役物連続作動装置の作動を停止する処理を行い(S455)、条件装置の作動を停止する処理を行う(S460)。
続いては、当該処理中の大当りを生起させた当否判定処理のS245で設定したモードバッファを参照し(S475)、確変フラグ,確変カウンタ,時短ラグ,時短カウンタを設定し(S480,S485,S490,S495)、モードバッファのクリアを行う(S500)。続いて、サブ統合制御装置83へ大当り終了コマンドを送信し(S505)、大当りフラグをクリアして(S510)リターンする。
次に、図13を用いて、パチンコ機50が備える演出モードの種類とそれぞれの演出モードの内容について説明する。本実施例のパチンコ機50は、シンプルモード、ノーマルモード、演出アップモードの3種類の演出モードを備えている。遊技者が演出モードを設定(変更)するには、次の2種類の操作のうちいずれかを実施する。3種類の演出モードから好みの演出モードを「選択」し設定する場合は、ジョグダイヤル68で選択し決定ボタン70の操作で設定する。3種類の中から「抽選」で設定する演出モードを決定する場合は、演出ボタン67の押下操作を1回行う。
以下、各演出モードにおいて演出図柄表示装置6に表示される内容について説明する。上記したシンプルモードでは、特別図柄の変動に対応して左中右の3列の擬似図柄が縦方向の変動表示を行うのみの演出表示を行い、左右の擬似図柄が揃いリーチとなり更に時間が経過してスーパーリーチとなっても、中擬似図柄の変動のみを表示する最もシンプルな演出を一貫して行う。また、シンプルモードでも擬似図柄の変動中に予告演出(本発明の予告演出に相当)は出現するが、シンプルモードで出現する予告演出の種類はA予告のみとなる。但し、シンプルモードでA予告が出現した場合は、90%の信頼度で大当りが生起する。
ノーマルモードでは、基本演出はシンプルモードと同様としながらも、スーパーリーチに発展(リーチが成立して所定時間経過)すると画面にキャラクタが出現する一般的な演出表示を一貫して行う。また、ノーマルモードでは、A,B,C,D,Eの5種類の予告演出が出現する。シンプルモードとの共通予告演出であるA予告演出がこのノーマルモードで出現した場合は、60%の信頼度で大当りが生起する。
演出アップモードでは、通常変動中は擬似図柄の変動を表示するが、リーチが成立した時点からキャラクタが出現し、一般的な演出よりもキャラクタの出現頻度が多い演出表示を一貫して行う。更に、演出アップモードでは、A,B,C,D,E,F,G,H,I,Jの10種類の予告演出が出現する。シンプルモード、ノーマルモードとの共通予告演出であるA予告演出が演出アップモードで出現した場合は、40%の信頼度で大当りが生起する。
上述したように、A予告演出は3種類全ての演出モードで出現する共通の予告演出となるが、出現した場合の大当り信頼度は、それぞれの演出モードで異なり、シンプルモードで出現した場合が最も信頼度が高く、次にノーマルモード、最も低いのが演出アップモードとなる。従って、A予告演出は全モードで出現する共通の予告演出ではあるが、出現する演出モードによってその信頼度や出現率等の特徴が異なる。
これらの演出モードは、遊技者の操作によって設定される(電源投入時はノーマルモードに設定)。図13(3)に示すように、遊技者の操作による設定方法には、「選択」と「抽選」の2種類がある。「選択」によって設定する場合は、図18を用いて後述する表示画面に従い、ジョグダイヤル68の操作で画面上の演出モードを選び、決定ボタン70を押下することで選んだ演出モードが設定される。「抽選」によって設定する場合は、同様に画面の指示に従い、演出ボタン67を押下すると3種類の演出モードの中から、該押下操作(演出スイッチ67a検出)に起因して抽出した乱数値に応じた演出モードが設定される。
「抽選」操作を行った場合は、どの演出モードが設定されたかが遊技者には報知されない構成となっている。但し、「抽選」によって設定された演出モードにおけるA予告演出の特徴(信頼度や出現率)に因んだ情報(コメント)が、図19を用いて後述する「おみくじ演出」として表示される。
次に、図14を用いて、サブ統合制御装置83が実行する待機コマンド受信処理を説明する。本処理は、遊技者の操作によって演出モードが設定可能な期間となる待機状態を主制御装置80から受信する待機コマンドに応じて設定する処理となる。
本処理を開始すると、待機コマンドを受信したか否か判定し(S550)、否定判定なら(S550:no)リターンし、肯定判定なら(S550:yes)、待機フラグが0か否か判定する(S555)。待機フラグは、サブ統合制御装置83が記憶する値であり、値が1なら待機状態(特図が変動中又は確定表示中でなく、大当り遊技中でなく、保留記憶もない状態)であることを、値が0なら待機状態中ではないことをサブ統合制御装置83が判断する。
S555が否定判定なら(S555:no)リターンし、肯定判定なら(S555:yes)、待機設定タイマが計時中か否か判定する(S560)。待機設定タイマは、最初の待機コマンド受信時から待機状態とするまでの時間を計時するタイマとなる。S560が否定判定、即ち、最初の待機コマンドの受信時なら(S560:no)、待機タイマをセットして計時をスタートし(S590)リターンする。
S560が肯定判定なら(S560:yes)、待機設定タイマが30秒を超えたか否か判定し(S565)、否定判定なら(S565:no)リターンし、肯定判定なら(S565:yes)、待機フラグに1をセットし(S570)、図18を用いて後述する操作指示画面を表示する指示信号を演出図柄制御装置82に送信し(S575、)待機設定タイマをクリアし(S580)、擬似表示タイマの計時を開始して(S585)リターンする。擬似表示タイマは、待機状態中に停止している擬似図柄を表示している期間を計時するタイマとなる。
以上がサブ統合制御装置83が実行する待機コマンド受信処理となり、本処理により、大当りでなく、特図の変動中でなく、特図の保留記憶が無い状態となってから30秒経過すると待機状態(待機フラグ=1)となる。
次に、図15を用いて、サブ統合制御装置83が実行する待機状態表示切替処理を説明する。本処理は、待機状態中の演出図柄表示装置6の表示内容を切替える処理となり、最後の特図の当否判定に応じた結果として表示している擬似図柄とデモ表示(図18(2)(b)参照)とを所定時間ごとに切替える処理となる。
本処理を開始すると、待機フラグが1か否か判定し(S600)、否定判定なら(S600:no)リターンし、肯定判定なら(S600:yes)、デモフラグが0か否か判定する(S605)。デモフラグは、サブ統合制御装置83が記憶する値であり、値が1ならデモ表示を実施中であることを、値が0ならデモ表示を実施中でない事をサブ統合制御装置83判断する。
S605が肯定判定なら(S605:yes)、S580で計時を開始した擬似表示タイマが60秒を超えたか否か判定し(S610)、否定判定なら(S610:no)リターンし、肯定判定なら(S610:yes)、演出図柄制御装置82にデモ画面を表示する指示信号を送信し(S615)、デモフラグに1をセットし(S620)、擬似表示タイマをクリアし(S625)、デモ表示タイマの計時を開始して(S630)リターンする。デモ表示タイマは、デモ画面を表示している期間を計時するタイマとなる。
S605が否定判定、即ち、デモ画面を表示していたなら(S605:no)、S630で計時を開始したデモ表示タイマが60秒を超えたか否か判定し(S635)、否定判定なら(S635:no)リターンし、肯定判定なら(S635:yes)、演出図柄制御装置82に擬似図柄画面を表示する指示信号を送信し(S640)、デモフラグに0をセットし(S645)、デモ表示タイマをクリアし(S650)、擬似表示タイマの計時を開始して(S655)リターンする。
以上がサブ統合制御装置83が実行する待機状態表示切替処理となり、本処理により、待機状態中は、擬似図柄を表示する画面とデモ表示を行う画面とが60秒ごとに切替わる。本実施例では60秒ごとに切替わる構成としたが時間はこれに限らず、またいずれか一方(例えばデモ画面)を他方より長時間表示する構成としてもよい。
次に、図16を用いて、サブ統合制御装置83が実行する変動指示コマンド受信処理を説明する。本処理は本発明の演出選択手段に相当する処理となる。本処理を開始すると、変動指示コマンドを受信したか否か判定し(S700)、否定判定なら(S700:no)リターンし、肯定判定なら(S700)、待機フラグが0か否か判定し(S705)、肯定判定なら(S705:yes)、待機設定タイマの計時中か否か判定し(S710)、肯定判定なら(S710:yes)、待機設定タイマをクリアする(S715)。
S705が否定判定、即ち、待機状態中に第1、又は第2始動口に遊技球が入球したことに起因して特図が変動を開始するなら(S705:no)、待機フラグに0をセットし(S720)、擬似表示タイマをクリアし(S725)、デモフラグに0をセットし(S730)、デモ表示タイマをクリアする(S735)。
S715、S735、又はS710の否定判定(S710:no)に続いては、振分乱数を抽出し(S740)、設定されている演出モードを参照し(S745)、受信した変動開始コマンドに対応する、サブ統合制御装置83が記憶する設定されている演出モードで実施可能な複数の演出態様の中から、抽出した振分乱数の値に応じて1つの演出態様を選択し(S750)、選択した演出態様の表示を開始する指示信号を演出図柄制御装置82に送信し(S755)リターンする。
以上がサブ統合制御装置83が実行する変動指示コマンド受信処理となり、本処理により、待機状態中に変動指示コマンドを受信すると待機状態を終了し、設定されている演出モードに応じた演出態様が演出図柄表示装置6に表示される。
次に、図17を用いて、演出モードの「抽選」禁止期間について説明する。上述したように、サブ統合制御装置83が最初の待機コマンドを受信してから30秒が経過すると待機状態に移行し、待機状態中は擬似図柄の表示とデモ表示とを60秒間隔で交互に繰り返す。
演出ボタン67の操作による演出モードの「抽選」とジョグダイヤル68及び決定ボタン70の操作による演出モードの「選択」とは、待機状態に移行するとどちらも可能になるが、一度「抽選」を行うと、次に該抽選時と同じ表示画面(擬似図柄表示又はデモ画面)になるまでは「抽選」と「選択」が禁止となる。例えば、図の「演出ボタン67操作「抽選」実施」で演出モードの「抽選」を行った場合、このタイミングは擬似図柄表示中であるため、次のデモ画面表示期間が終了するまで演出モードの「抽選」と「選択」とが禁止される。但し、ジョグダイヤル68及び決定ボタン70の操作による演出モードの「選択」を行った場合は、その後に「抽選」「選択」の禁止期間は発生しない。
次に、図18を用いて、演出図柄表示装置6に表示する待機状態中の表示例について説明する。図18(1)は、待機状態中の擬似図柄表示期間に表示される演出モードの「選択」及び「抽選」画面の表示例となる。この場合、画面上部が擬似図柄表示部となり、左中右の擬似図柄が表示され、この擬似図柄表示部は60秒が経過するとデモ画面表示部に切替わる。
画面下部は操作指示部となる。具体的には、演出モードの「選択」及び「抽選」画面(本発明の操作指示手段に相当)として、「モードを選ぼう「ジョグダイヤル68を示す図形」で選んで「決定ボタン70を示す図形」で決定」を表示するとともに、「選択」可能な演出モードの種類として「シンプル(モード)、ノーマル(モード)、演出アップ(モード)」の名称を表示する。これにより、演出モードの「選択」を促し、加えてその下部に「「おみくじ」を引こう」と演出ボタン67を示す図形を表示することで、演出ボタン67の操作で「おみくじ」演出(本発明の特定演出に相当)を行うこと(内部的には演出モードの「抽選」を行う)を促す。
なお、「選択」及び「抽選」の禁止期間では、画面下部の操作指示部の表示がなくなり、画面上部に配置されていた擬似画面表示部、若しくはデモ画面表示部が図18(1)(2)に示すように画面中断で表示される。また本実施例では、「選択」操作指示と「抽選」操作指示とが同時に行われるが、所定時間ごとに交互に実施してもよい。
図19(1)は、演出ボタン67の操作によって演出モードの「抽選」を行った場合に表示される、「おみくじ」演出(特定演出)の表示例となる。表示動画の流れとしては、上述した操作指示部が、演出ボタン67の操作によって「抽選」を行うことで、特定演出表示部に切替わる。特定演出表示部の具体的な表示内容は、画面右端の筒の中から文字の書かれた棒(おみくじ)が出てくる様子をアニメーション表示し、出てきた棒におみくじ内容のコメントとなる文字列が表示されている。
上述したように、「おみくじ」演出は、演出ボタン67の操作によって演出モードの「抽選」を行った場合のみ表示され、ジョグダイヤル68、決定ボタン70の操作による演出モード「選択」時には表示されない。また、「おみくじ」演出では、「抽選」によってどの演出モードに決定したのかは報知しないが、「おみくじ」演出として表示されるコメント内容は、当該「抽選」によって決定した演出モードで出現するA予告演出の大当り信頼度、又は当該演出モードにおけるA予告演出の出現率を示唆するものとなっている。なお、A予告演出の大当り信頼度はそれぞれの演出モード毎に設定されているため、当然その出現率も演出モード毎に異なるものとなる。この構成により「おみくじ」演出で表示するコメントは、「抽選」により設定された演出モードの種類を間接的に報知するものとなる。
図19(2)に示す図表は、「おみくじ」演出時に表示されるコメント内容の種類と、該コメントに対応する演出モードの種類を示している。図表に示すように、シンプルモードに対応するA予告演出のコメント内容は、A予告演出が出現した場合には大当りの期待が極めて大きい、又は大きいことを示唆している。また、ノーマルモードに対応するA予告演出のコメント内容は、特に特徴のない状態であることを表し、演出アップモードに対応するA予告演出のコメント内容は、A予告演出の出現率が高い事、大当り予告としての信頼度が低いことを示唆している。なお、変形例として、A予告演出とは関連のないコメントをそれぞれの演出モードに対応して備える構成としてもよい。
図20(3)に示す図は、図19(1)の表示後に切替わる「おみくじ」履歴画面となる。それまでに引いた「おみくじ」の内容が一番新しいものを一番上に順番に表示され、ジョグダイヤル68の操作で順に古いものも確認することができる。「おみくじ」演出の履歴を確認することによって、間接的に演出モードの設定履歴を確認することができる。なお、「おみくじ」履歴画面は、特図の変動中であっても決定ボタン70を押下することで表示される。
以上が実施例の説明となる。実施例の説明では、演出モードの「選択」「抽選」を待機状態中に可能とする構成で説明したが、特図の変動中においても演出モードの「選択」「抽選」が可能な構成としてもよい。
変動中に演出モードの「抽選」を可能とした場合、該「抽選」に応じて実施される「おみくじ」演出では、設定された演出モードに対応したA予告演出についてのコメントを表示するだけでなく、変動中の特図の当否判定結果、受信した先読判定コマンドに基づいて保留記憶の信頼度についてのコメントを表示してもよい。また、本実施例のA予告演出は受信した変動指示コマンドの内容に基づいて実施されたが、受信した先読判定コマンドに基づいて実施する構成としてもよい。
実施例では、待機状態中に演出モードの「抽選」を行った場合は、抽選時の同じ待機状態の画面になるまでは「抽選」と「選択」を禁止したが、禁止期間はこの構成に限らず、特図が所定回数の変動を実施するまでとしてもよい。これらの構成にすることで、演出モードの「抽選」結果が気に食わなかった場合でも、禁止期間が終了するまで待つのが嫌で、「抽選」で決定した演出モードにて遊技を行うようになり、気に食わない演出モードでも所定回数の変動を実施する間にその演出モードの良さに気付いたりする。
本実施例では、電源投入時の演出モードはノーマルモードに設定されるものとしたが、これに限らずランダム(電源投入時に抽選が行われる)に設定する構成としてもよい。また待機状態が所定時間経過した場合は、所定の演出モードが設定される構成としてもよい。
また、本実施例では、待機状態中に演出ボタン67を操作した場合に行われる演出モードの抽選は、毎回1/3の確率で実施するが、該抽選までの抽選履歴やジョグダイヤル68と決定ボタン70による選択履歴を参照し、それまでに設定された回数の少ない演出モードを高確率で選択する構成としてもよく、この構成により、さらに様々な演出モードの良さを実感させることができる。