JP6673983B2 - 発光装置及び発光装置の製造方法 - Google Patents
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Description
さらに、液晶バックライト用光源等も同様に高効率化、省電力化が進展している。
appearance)」は非常に重要である。
(Colour Rendering Index/CRI)(CIE(13.3))のスコアを向上させるべく、青色発光素子のスペクトルと黄色蛍光体のスペクトルに対して赤色蛍光体や赤色半導体発光素子のスペクトルを重畳させる試み等がなされている。例えば、赤色源を含まない場合の典型的なスペクトル(CCT=6800K程度)では、平均演色評価数(Ra)と、鮮やかな赤色の色票に対する特殊演色評価数(R9)はそれぞれRa=81、R9=24であるが、赤色源を含む場合にはRa=98、R9=95と演色評価数のスコアを上げることができる(特許文献2参照)。
Efficacy of Radiation)(lm/W)に関しては詳細開示があるものの、実光源としての効率、すなわち光源効率η(Luminous Efficacy of a Source)(lm/W)に関しては記載がない。実際のLED光源においては、前者同様に後者も重要であって、それぞれに独立した効率の指標として扱うのが普通である。前者(放射効率K)は分光視感効率V(λ)との関係における光源の分光分布の「形状のみ」に依存する効率であって、理想時の効率を考察するには非常に有用な指標である。一方、後者(光源効率η)は、発光装置に投入された電力がどの程度光束に変換されるかを示す量であって、放射効率とは異なる観点でも検討が必要である。
本発明者は、上記のような課題を解決するために、特願2014−159784において、その光源効率を改善した発光装置、また当該発光装置の設計指針に到達している。
しかし、LED照明はすでに普及しており、色の見えに配慮されていない商品も市中に出回っている。また、照明器具/照明システムとして実用に供されているものも多数存在する。しかし、たとえ利用者が色の見えに不自然さを感じ、不満を有していても、これら照明器具/照明システムの色の見えを改善すべく、対象器具/システム等を入れ替えることは時間的制約、利用者の経済的負担を考慮すると現実的ではない。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであって、現状すでに存在し、あるいは実用に供されている、色の見えに劣る半導体発光装置が内在する発光装置の色の見えを改善するためになされたものである。さらに、本発明においては、このような発光装置の設計方法、製造方法も開示し、さらにこのような発光装置を用いた照明方法も開示する。
さらに、本発明においては、同様の技術を用いて、色の見えにすぐれ、光源効率が改善された半導体発光装置の色の見えをさらに利用者の嗜好に応じて調節する方法等も開示する。
[1]
発光要素と制御要素とを有する発光装置であって、
少なくとも、発光要素として、
青色半導体発光素子、
緑色蛍光体、および、
赤色蛍光体を有し、
波長をλ(nm)とし、
当該発光要素から主たる放射方向に出射される光の分光分布をΦelm(λ)、当該発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布をφSSL(λ)とし、
Φelm(λ)を有する光は下記条件1〜条件4の少なくともいずれかを満たさず、φSSL(λ)を有する光は下記条件1〜条件4のすべてを満たすことを特徴とする発光装置。
条件1:
対象となる光の分光分布をφ(λ)、対象となる光の相関色温度Tに応じて選択される基準の光の分光分布をφref(λ)、
対象となる光の三刺激値を(X、Y、Z)、
前記相関色温度Tに応じて選択される基準の光の三刺激値を(Xref、Yref、Zref)とし、
対象となる光の規格化分光分布S(λ)と、対象となる光の基準の光の規格化分光分布Sref(λ)と、これら規格化分光分布の差ΔS(λ)をそれぞれ、
S(λ)=φ(λ)/Y
Sref(λ)=φref(λ)/Yref
ΔS(λ)=Sref(λ)−S(λ)
と定義し、
波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλRL−max(nm)とした際に、前記λRL−maxよりも長波長側にS(λRL−max)/2となる波長Λ4が存在する場合においては、
下記数式(1)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
であり、
一方、波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλRL−max(nm)とした際に、前記λRL−maxよりも長波長側にS(λRL−max)/2となる波長Λ4が存在しない場合においては、
下記数式(2)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
である。
対象となる光の分光分布φ(λ)は、ANSI C78.377で定義される黒体放射軌跡からの距離Duvが、
−0.0220 ≦ Duv ≦ −0.0070
である。
条件3:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値をφBM−max、465nm以上525nm以下の範囲における分光強度の最小値をφBG−minと定義した際に、
0.2250 ≦ φBG−min/φBM−max ≦ 0.7000
である。
条件4:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、590nm以上780nm以下の範囲における分光強度の最大値をφRM−maxと定義した際に、前記φRM−maxを与える波長λRM−maxが、
605(nm) ≦ λRM−max ≦ 653(nm)
である。
[2]
[1]に記載の発光装置であって、Φelm(λ)を有する光は下記条件I〜条件IVの少なくともいずれかを満たさず、φSSL(λ)を有する光は下記条件I〜条件IVのすべてを満たすことを特徴とする発光装置。
条件I:
対象となる光による照明を数学的に仮定した場合の#01から#15の下記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* n、b* n(ただしnは1から15の自然数)とし、
対象となる光の相関色温度T(K)に応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* nref、b* nref(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、飽和度差ΔCnが、
−4.00 ≦ ΔCn ≦ 8.00 (nは1から15の自然数)
である。
条件II:
下記式(3)で表される対象となる光における飽和度差の平均が、
条件III:
対象となる光における飽和度差の最大値をΔCmax、対象となる光における飽和度差の最小値をΔCminとした場合に、前記飽和度差の最大値と、前記飽和度差の最小値との間の差|ΔCmax−ΔCmin|が、
2.00 ≦ |ΔCmax−ΔCmin| ≦ 10.00
である。
ただし、ΔCn=√{(a* n)2+(b* n)2}−√{(a* nref)2+(b* nref)2}とする。
15種類の修正マンセル色票
#01 7.5 P 4 /10
#02 10 PB 4 /10
#03 5 PB 4 /12
#04 7.5 B 5 /10
#05 10 BG 6 / 8
#06 2.5 BG 6 /10
#07 2.5 G 6 /12
#08 7.5 GY 7 /10
#09 2.5 GY 8 /10
#10 5 Y 8.5/12
#11 10 YR 7 /12
#12 5 YR 7 /12
#13 10 R 6 /12
#14 5 R 4 /14
#15 7.5 RP 4 /12
条件IV:
対象となる光による照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθn(度)(ただしnは1から15の自然数)とし、
対象となる光の相関色温度Tに応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθnref(度)(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、色相角差の絶対値|Δhn|が、
0.00 度 ≦ |Δhn| ≦ 12.50 度 (nは1から15の自然数)
である。
ただし、Δhn=θn−θnrefとする。
[3]
発光要素と制御要素とを有する発光装置であって、
少なくとも、発光要素として、
青色半導体発光素子、
緑色蛍光体、および、
赤色蛍光体を有し、
波長をλ(nm)とし、
当該発光要素から主たる放射方向に出射される光の分光分布をΦelm(λ)、当該発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布をφSSL(λ)とし、
Φelm(λ)を有する光は下記条件1〜条件4のすべてを満たし、φSSL(λ)を有する光も下記条件1〜条件4のすべてを満たすことを特徴とする発光装置。
条件1:
対象となる光の分光分布をφ(λ)、対象となる光の相関色温度Tに応じて選択される基準の光の分光分布をφref(λ)、
対象となる光の三刺激値を(X、Y、Z)、
前記相関色温度Tに応じて選択される基準の光の三刺激値を(Xref、Yref、Zref)とし、
対象となる光の規格化分光分布S(λ)と、対象となる光の基準の光の規格化分光分布Sref(λ)と、これら規格化分光分布の差ΔS(λ)をそれぞれ、
S(λ)=φ(λ)/Y
Sref(λ)=φref(λ)/Yref
ΔS(λ)=Sref(λ)−S(λ)
と定義し、
波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλRL−max(nm)とした際に、前記λRL−maxよりも長波長側にS(λRL−max)/2となる波長Λ4が存在する場合においては、
下記数式(1)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
であり、
一方、波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλRL−max(nm)とした際に、前記λRL−maxよりも長波長側にS(λRL−max)/2となる波長Λ4が存在しない場合においては、
下記数式(2)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
である。
対象となる光の分光分布φ(λ)は、ANSI C78.377で定義される黒体放射軌跡からの距離Duvが、
−0.0220 ≦ Duv ≦ −0.0070
である。
条件3:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値をφBM−max、465nm以上525nm以下の範囲における分光強度の最小値をφBG−minと定義した際に、
0.2250 ≦ φBG−min/φBM−max ≦ 0.7000
である。
条件4:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、590nm以上780nm以下の範囲における分光強度の最大値をφRM−maxと定義した際に、前記φRM−maxを与える波長λRM−maxが、
605(nm) ≦ λRM−max ≦ 653(nm)
である。
[4]
[3]に記載の発光装置であって、Φelm(λ)を有する光は下記条件I〜条件IVのすべてを満たし、φSSL(λ)を有する光も下記条件I〜条件IVのすべてを満たすことを特徴とする発光装置。
条件I:
対象となる光による照明を数学的に仮定した場合の#01から#15の下記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* n、b* n(ただしnは1から15の自然数)とし、
対象となる光の相関色温度T(K)に応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* nref、b* nref(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、飽和度差ΔCnが、
−4.00 ≦ ΔCn ≦ 8.00 (nは1から15の自然数)
である。
条件II:
下記式(3)で表される対象となる光における飽和度差の平均が、
条件III:
対象となる光における飽和度差の最大値をΔCmax、対象となる光における飽和度差の最小値をΔCminとした場合に、前記飽和度差の最大値と、前記飽和度差の最小値との間の差|ΔCmax−ΔCmin|が、
2.00 ≦ |ΔCmax−ΔCmin| ≦ 10.00
である。
ただし、ΔCn=√{(a* n)2+(b* n)2}−√{(a* nref)2+(b* nref)2}とする。
15種類の修正マンセル色票
#01 7.5 P 4 /10
#02 10 PB 4 /10
#03 5 PB 4 /12
#04 7.5 B 5 /10
#05 10 BG 6 / 8
#06 2.5 BG 6 /10
#07 2.5 G 6 /12
#08 7.5 GY 7 /10
#09 2.5 GY 8 /10
#10 5 Y 8.5/12
#11 10 YR 7 /12
#12 5 YR 7 /12
#13 10 R 6 /12
#14 5 R 4 /14
#15 7.5 RP 4 /12
条件IV:
対象となる光による照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθn(度)(ただしnは1から15の自然数)とし、
対象となる光の相関色温度Tに応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθnref(度)(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、色相角差の絶対値|Δhn|が、
0.00 度 ≦ |Δhn| ≦ 12.50 度 (nは1から15の自然数)
である。
ただし、Δhn=θn−θnrefとする。
[5]
[1]または[3]に記載の発光装置であって、
当該発光要素から主たる放射方向に出射される光の分光分布から導出されるDuvをDuv(Φelm)、当該発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布から導出されるDuvをDuv(φSSL)と定義した場合に、
Duv(φSSL)<Duv(Φelm)
を満たすことを特徴とする発光装置。
[6]
[1]または[3]に記載の発光装置であって、
当該発光要素から主たる放射方向に出射される光の分光分布から導出されるAcgをAcg(Φelm)、当該発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布から導出されるAcgをAcg(φSSL)と定義した場合に、
Acg(φSSL)<Acg(Φelm)
を満たすことを特徴とする発光装置。
[7]
[2]または[4]に記載の発光装置であって、
当該発光要素から主たる放射方向に出射される光の分光分布から導出される前記飽和度差の平均をSATave(Φelm)、
当該発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布から導出される前記飽和度差の平均をSATave(φSSL)と定義した場合に、
SATave(Φelm)<SATave(φSSL)
を満たすことを特徴とする発光装置。
[8]
[1]〜[7]のいずれかに記載の発光装置であって、当該制御要素は380nm≦λ(nm)≦780nmの光を吸収または反射する光学フィルターであることを特徴とする発光装置。
[9]
[1]〜[8]のいずれかに記載の発光装置であって、当該制御要素が発光要素から出射される光の集光および/または拡散機能を兼ね備えていることを特徴とする発光装置。[10]
[9]に記載の発光装置であって、当該制御要素の集光および/または拡散機能が凹レンズ、凸レンズ、フレネルレンズの少なくとも1つの機能によって実現することを特徴とする発光装置。
[11]
[1]〜[10]のいずれかに記載の発光装置であって、前記発光装置から当該放射方向に出射される光が対象物を照明する照度が5lx以上10000lx以下であることを特徴とする発光装置。
[12]
[1]〜[11]のいずれかに記載の発光装置であって、
前記条件2において、
−0.0184 ≦ Duv ≦ −0.0084
であることを特徴とする発光装置。
[13]
[1]〜[12]のいずれかに記載の発光装置であって、
前記条件4において、
625(nm) ≦ λRM−max ≦ 647(nm)
であることを特徴とする発光装置。
[14]
[1]〜[13]のいずれかに記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件5を満たさず、φSSL(λ)を有する光は下記条件5を満たすことを特徴とする発光装置。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)において、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。
[15]
[1]〜[13]のいずれかに記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件6を満たさず、φSSL(λ)を有する光は下記条件6を満たすことを特徴とする発光装置。
条件6:
対象となる光の分光分布φ(λ)は
0.1800 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.8500
である。
[16]
[15]に記載の発光装置であって、
前記条件6において、
0.1917 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.7300
であることを特徴とする発光装置。
[17]
[1]〜[13]のいずれかに記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件7を満たさず、φSSL(λ)を有する光は下記条件7を満たすことを特徴とする発光装置。
条件7:
対象となる光の分光分布φ(λ)から導出される波長380nm以上780nm以下の範囲の放射効率K(lm/W)が
210.0 lm/W ≦ K ≦ 290.0 lm/W
である。
[18]
[1]〜[13]のいずれかに記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件8を満たさず、φSSL(λ)を有する光は下記条件8を満たすことを特徴とする発光装置。
条件8:
対象となる光の相関色温度T(K)が
2600 K ≦ T ≦ 7700 K
である。
[19]
[14]に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件6〜条件8の少なくとも1つを満たし、φSSL(λ)を有する光は下記条件6〜条件8のうち前記Φelm(λ)を有する光が満たさな
い条件があれば、そのうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする発光装置。
条件6:
対象となる光の分光分布φ(λ)は
0.1800 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.8500
である。
条件7:
対象となる光の分光分布φ(λ)から導出される波長380nm以上780nm以下の範囲の放射効率K(lm/W)が
210.0 lm/W ≦ K ≦ 290.0 lm/W
である。
条件8:
対象となる光の相関色温度T(K)が
2600 K ≦ T ≦ 7700 K
である。
[20]
[15]または[16]に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件5、条件7、及び条件8の少なくとも1つを満たし、φSSL(λ)を有する光は下記条件5、条件7、及び条件8のうち前記Φelm(λ)を有する光が満たさない条件があれば、そのうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする発光装置。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)において、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。
条件7:
対象となる光の分光分布φ(λ)から導出される波長380nm以上780nm以下の範囲の放射効率K(lm/W)が
210.0 lm/W ≦ K ≦ 290.0 lm/W
である。
条件8:
対象となる光の相関色温度T(K)が
2600 K ≦ T ≦ 7700 K
である。
[21]
[17]に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件5、条件6、及び条件8の少なくとも1つを満たし、φSSL(λ)を有する光は下記条件5、条件6、及び条件8のうち前記Φelm(λ)を有する光が満たさない条件があれば、そのうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする発光装置。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)において、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。
条件6:
対象となる光の分光分布φ(λ)は
0.1800 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.8500
である。
条件8:
対象となる光の相関色温度T(K)が
2600 K ≦ T ≦ 7700 K
である。
[22]
[18]に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件5〜条件7の少なくとも1つを満たし、φSSL(λ)を有する光は下記条件5〜条件7のうち前記Φelm(λ)を有する光が満たさない条件があれば、そのうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする発光装置。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)において、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。
条件6:
対象となる光の分光分布φ(λ)は
0.1800 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.8500
である。
条件7:
対象となる光の分光分布φ(λ)から導出される波長380nm以上780nm以下の範囲の放射効率K(lm/W)が
210.0 lm/W ≦ K ≦ 290.0 lm/W
である。
[23]
[1]〜[13]のいずれかに記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件5〜条件8の全てを満たし、かつ、φSSL(λ)を有する光も下記条件5〜条件8の全てを満たすことを特徴とする発光装置。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)において、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。
条件6:
対象となる光の分光分布φ(λ)は
0.1800 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.8500
である。
条件7:
対象となる光の分光分布φ(λ)から導出される波長380nm以上780nm以下の範囲の放射効率K(lm/W)が
210.0 lm/W ≦ K ≦ 290.0 lm/W
である。
条件8:
対象となる光の相関色温度T(K)が
2600 K ≦ T ≦ 7700 K
である。
[24]
[1]〜[23]のいずれかに記載の発光装置であって、
前記φSSL(λ)を有する光は380nm以上405nm以下の範囲において前記発光要素由来の実効強度を有さないことを特徴とする発光装置。
[25]
[1]〜[24]のいずれかに記載の発光装置であって、
前記青色半導体発光素子は、前記青色半導体発光素子単体のパルス駆動時のドミナント波長λCHIP−BM−domが445nm以上475nm以下であることを特徴とする発光装置。
[26]
[1]〜[25]のいずれかに記載の発光装置であって、
前記緑色蛍光体は広帯域緑色蛍光体であることを特徴とする発光装置。
[27]
[1]〜[26]のいずれかに記載の発光装置であって、
前記緑色蛍光体は、前記緑色蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−GM−maxが511nm以上543nm以下であり、
その半値全幅WPHOS−GM−fwhmが90nm以上110nm以下であることを特徴とする発光装置。
[28]
[1]〜[27]のいずれかに記載の発光装置であって、前記発光装置は、実質的に黄色蛍光体を含まないことを特徴とする発光装置。
[29]
[1]〜[28]のいずれかに記載の発光装置であって、
前記赤色蛍光体は、前記赤色蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−RM−maxが622nm以上663nm以下であり、
その半値全幅WPHOS−RM−fwhmが80nm以上105nm以下であることを特徴とする発光装置。
[30]
[1]〜[29]のいずれかに記載の発光装置であって、
前記青色半導体発光素子は、AlInGaN系発光素子であることを特徴とする発光装置。
[31]
[1]〜[30]のいずれかに記載の発光装置であって、
前記緑色蛍光体は、Ca3(Sc,Mg)2Si3O12:Ce(CSMS蛍光体)、CaSc2O4:Ce(CSO蛍光体)、Lu3Al5O12:Ce(LuAG蛍光体)、またはY3(Al,Ga)5O12:Ce(G−YAG蛍光体)であることを特徴とする発光装置。
[32]
[1]〜[31]のいずれかに記載の発光装置であって、
前記赤色蛍光体は(Sr,Ca)AlSiN3:Eu(SCASN蛍光体)、CaAlSi(ON)3:Eu(CASON蛍光体)、またはCaAlSiN3:Eu(CASN蛍光体)を含むことを特徴とする発光装置。
[33]
[1]〜[32]のいずれかに記載の発光装置であって、
前記青色半導体発光素子は、前記青色半導体発光素子単体のパルス駆動時のドミナント波長λCHIP−BM−domが452.5nm以上470nm以下であるAlInGaN系発光素子であり、
前記緑色蛍光体は、前記緑色蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−GM−maxが515nm以上535nm以下で、その半値全幅WPHOS−GM−fwhmが90nm以上110nm以下であることを特徴とするCaSc2O4:Ce(CSO蛍光体)またはLu3Al5O12:Ce(LuAG蛍光体)であり、
前記赤色蛍光体は、前記赤色蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値λPHOS−RM−maxを与える波長が640nm以上663nm以下で、その半値全幅WPHOS−RM−fwhmが80nm以上105nm以下であることを特徴とするCaAlSi(ON)3:Eu(CASON蛍光体)またはCaAlSiN3:Eu(CASN蛍光体)である
ことを特徴とする発光装置。
[34]
[1]〜[33]のいずれかに記載の発光装置が、パッケージ化LED、チップオンボード型LED、LEDモジュール、LED電球、LED照明器具、またはLED照明システムであることを特徴とする発光装置。
[35]
家庭用照明装置として用いられる、[1]〜[34]のいずれかに記載の発光装置。
[36]
展示物用照明装置として用いられる、[1]〜[34]のいずれかに記載の発光装置。[37]
演出用照明装置として用いられる、[1]〜[34]のいずれかに記載の発光装置。
[38]
医療用照明装置として用いられる、[1]〜[34]のいずれかに記載の発光装置。
[39]
作業用照明装置として用いられる、[1]〜[34]のいずれかに記載の発光装置。
[40]
工業機器内用照明装置として用いられる、[1]〜[34]のいずれかに記載の発光装置。
[41]
交通機関内装用照明装置として用いられる、[1]〜[34]のいずれかに記載の発光装置。
[42]
美術品用照明装置として用いられる、[1]〜[34]のいずれかに記載の発光装置。[43]
高齢者用照明装置として用いられる、[1]〜[34]のいずれかに記載の発光装置。
[44]
発光要素と制御要素とを有する発光装置の製造方法であって、
少なくとも、発光要素として、青色半導体発光素子、緑色蛍光体、および、赤色蛍光体を有する第一の発光装置を準備する工程、及び
第一の発光装置から主たる放射方向に出射される光の少なくとも一部に作用するように制御要素を配置し、第二の発光装置を製造する工程、を含み、
波長をλ(nm)とし、
当該第一の発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布をΦelm(λ)、当該第二の発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布をφSSL(λ)とし、
Φelm(λ)を有する光は下記条件1〜条件4の少なくともいずれかを満たさず、φSSL(λ)を有する光は条件1〜条件4のすべてを満たすことを特徴とする発光装置の製造方法。
条件1:
対象となる光の分光分布をφ(λ)、対象となる光の相関色温度Tに応じて選択される基準の光の分光分布をφref(λ)、
対象となる光の三刺激値を(X、Y、Z)、
前記相関色温度Tに応じて選択される基準の光の三刺激値を(Xref、Yref、Zref)とし、
対象となる光の規格化分光分布S(λ)と、対象となる光の基準の光の規格化分光分布Sref(λ)と、これら規格化分光分布の差ΔS(λ)をそれぞれ、
S(λ)=φ(λ)/Y
Sref(λ)=φref(λ)/Yref
ΔS(λ)=Sref(λ)−S(λ)
と定義し、
波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλRL−max(nm)とした際に、前記λRL−maxよりも長波長側にS(λRL−max)/2となる波長Λ4が存在する場合においては、
下記数式(1)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
であり、
一方、波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλRL−max(nm)とした際に、前記λRL−maxよりも長波長側にS(λRL−max)/2となる波長Λ4が存在しない場合においては、
下記数式(2)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
である。
条件2:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、ANSI C78.377で定義される黒体放射軌跡からの距離Duvが、
−0.0220 ≦ Duv ≦ −0.0070
である。
条件3:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値をφBM−max、465nm以上525nm以下の範囲における分光強度の最小値をφBG−minと定義した際に、
0.2250 ≦ φBG−min/φBM−max ≦ 0.7000
である。
条件4:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、590nm以上780nm以下の範囲における分光強度の最大値をφRM−maxと定義した際に、前記φRM−maxを与える波長λRM−maxが、
605(nm) ≦ λRM−max ≦ 653(nm)
である。
[45]
[44]に記載の発光装置の製造方法であって、Φelm(λ)を有する光は下記条件I〜条件IVの少なくともいずれかを満たさず、φSSL(λ)を有する光は条件I〜条件IVのすべてを満たすことを特徴とする発光装置の製造方法。
条件I:
対象となる光による照明を数学的に仮定した場合の#01から#15の下記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそ
れぞれa* n、b* n(ただしnは1から15の自然数)とし、
対象となる光の相関色温度T(K)に応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* nref、b* nref(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、飽和度差ΔCnが、
−4.00 ≦ ΔCn ≦ 8.00 (nは1から15の自然数)
である。
条件II:
下記式(3)で表される対象となる光における飽和度差の平均が、
条件III:
対象となる光における飽和度差の最大値をΔCmax、対象となる光における飽和度差の最小値をΔCminとした場合に、前記飽和度差の最大値と、前記飽和度差の最小値との間の差|ΔCmax−ΔCmin|が、
2.00 ≦ |ΔCmax−ΔCmin| ≦ 10.00
である。
ただし、ΔCn=√{(a* n)2+(b* n)2}−√{(a* nref)2+(b* nref)2}とする。
15種類の修正マンセル色票
#01 7.5 P 4 /10
#02 10 PB 4 /10
#03 5 PB 4 /12
#04 7.5 B 5 /10
#05 10 BG 6 / 8
#06 2.5 BG 6 /10
#07 2.5 G 6 /12
#08 7.5 GY 7 /10
#09 2.5 GY 8 /10
#10 5 Y 8.5/12
#11 10 YR 7 /12
#12 5 YR 7 /12
#13 10 R 6 /12
#14 5 R 4 /14
#15 7.5 RP 4 /12
条件IV:
対象となる光による照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθn(度)(ただしnは1から15の自然数)とし、
対象となる光の相関色温度Tに応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθnref(度)(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、色相角差の絶対値|Δhn|が、
0.00 度 ≦ |Δhn| ≦ 12.50 度 (nは1から15の自然数)
である。
ただし、Δhn=θn−θnrefとする。
[46]
発光要素と制御要素とを有する発光装置の製造方法であって、
少なくとも、発光要素として、青色半導体発光素子、緑色蛍光体、および、赤色蛍光体を有する第一の発光装置を準備する工程、及び
第一の発光装置から主たる放射方向に出射される光の少なくとも一部に作用するように制御要素を配置し、第二の発光装置を製造する工程、を含み、
波長をλ(nm)とし、
当該第一の発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布をΦelm(λ)、当該第二の発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布をφSSL(λ)とし、
Φelm(λ)を有する光は下記条件1〜条件4のすべてを満たし、φSSL(λ)を有する光も下記条件1〜条件4のすべてを満たすことを特徴とする発光装置の製造方法。条件1:
対象となる光の分光分布をφ(λ)、対象となる光の相関色温度Tに応じて選択される基準の光の分光分布をφref(λ)、
対象となる光の三刺激値を(X、Y、Z)、
前記相関色温度Tに応じて選択される基準の光の三刺激値を(Xref、Yref、Zref)とし、
対象となる光の規格化分光分布S(λ)と、対象となる基準の光の規格化分光分布Sref(λ)と、これら規格化分光分布の差ΔS(λ)をそれぞれ、
S(λ)=φ(λ)/Y
Sref(λ)=φref(λ)/Yref
ΔS(λ)=Sref(λ)−S(λ)
と定義し、
波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλRL−max(nm)とした際に、前記λRL−maxよりも長波長側にS(λRL−max)/2となる波長Λ4が存在する場合においては、
下記数式(1)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
であり、
一方、波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλRL−max(nm)とした際に、前記λRL−maxよりも長波長側にS(λRL−max)/2となる波長Λ4が存在しない場合においては、
下記数式(2)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
である。
対象となる光の分光分布φ(λ)は、ANSI C78.377で定義される黒体放射軌跡からの距離Duvが、
−0.0220 ≦ Duv ≦ −0.0070
である。
条件3:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値をφBM−max、465nm以上525nm以下の範囲における分光強度の最小値をφBG−minと定義した際に、
0.2250 ≦ φBG−min/φBM−max ≦ 0.7000
である。
条件4:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、590nm以上780nm以下の範囲における分光強度の最大値をφRM−maxと定義した際に、前記φRM−maxを与える波長λRM−maxが、
605(nm) ≦ λRM−max ≦ 653(nm)
である。
[47]
[46]に記載の発光装置の製造方法であって、Φelm(λ)を有する光は下記条件I〜条件IVのすべてを満たし、φSSL(λ)を有する光も下記条件I〜条件IVのすべてを満たすことを特徴とする発光装置の製造方法。
条件I:
対象となる光による照明を数学的に仮定した場合の#01から#15の下記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* n、b* n(ただしnは1から15の自然数)とし、
対象となる光の相関色温度T(K)に応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* nref、b* nref(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、飽和度差ΔCnが、
−4.00 ≦ ΔCn ≦ 8.00 (nは1から15の自然数)
である。
条件II:
下記式(3)で表される対象となる光における飽和度差の平均が、
条件III:
対象となる光における飽和度差の最大値をΔCmax、対象となる光における飽和度差の最小値をΔCminとした場合に、前記飽和度差の最大値と、前記飽和度差の最小値との間の差|ΔCmax−ΔCmin|が、
2.00 ≦ |ΔCmax−ΔCmin| ≦ 10.00
である。
ただし、ΔCn=√{(a* n)2+(b* n)2}−√{(a* nref)2+(b* nref)2}とする。
15種類の修正マンセル色票
#01 7.5 P 4 /10
#02 10 PB 4 /10
#03 5 PB 4 /12
#04 7.5 B 5 /10
#05 10 BG 6 / 8
#06 2.5 BG 6 /10
#07 2.5 G 6 /12
#08 7.5 GY 7 /10
#09 2.5 GY 8 /10
#10 5 Y 8.5/12
#11 10 YR 7 /12
#12 5 YR 7 /12
#13 10 R 6 /12
#14 5 R 4 /14
#15 7.5 RP 4 /12
条件IV:
対象となる光による照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθn(度)(ただしnは1から15の自然数)とし、
対象となる光の相関色温度Tに応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθnref(度)(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、色相角差の絶対値|Δhn|が、
0.00 度 ≦ |Δhn| ≦ 12.50 度 (nは1から15の自然数)
である。
ただし、Δhn=θn−θnrefとする。
[43]
発光要素と制御要素とを有する発光装置の設計方法であって、
当該発光装置は、少なくとも、発光要素として、
青色半導体発光素子、
緑色蛍光体、および、
赤色蛍光体を有し、
波長をλ(nm)とし、
当該発光要素から主たる放射方向に出射される光の分光分布をΦelm(λ)、当該発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布をφSSL(λ)とし、
Φelm(λ)を有する光は上記条件1〜条件4の少なくともいずれかを満たさず、φSSL(λ)を有する光は上記条件1〜条件4のすべてを満たすように設計することを特徴とする発光装置の設計方法。
[44]
[43]に記載の発光装置の設計方法であって、Φelm(λ)を有する光は上記条件I〜条件IVの少なくともいずれか一方を満たさず、φSSL(λ)を有する光は上記条件I〜IVのすべてを満たすことを特徴とする発光装置の設計方法。
[45]
発光要素と制御要素とを有する発光装置の設計方法であって、
当該発光装置は、少なくとも、発光要素として、
青色半導体発光素子、
緑色蛍光体、および、
赤色蛍光体を有し、
波長をλ(nm)とし、
当該発光要素から主たる放射方向に出射される光の分光分布をΦelm(λ)、当該発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布をφSSL(λ)とし、
Φelm(λ)を有する光は上記条件1〜条件4のすべてを満たし、φSSL(λ)を有する光も上記条件1〜条件4のすべてを満たすように設計することを特徴とする発光装置の設計方法。
[46]
[45]に記載の発光装置の設計方法であって、Φelm(λ)を有する光は上記条件I〜IVのすべてを満たし、φSSL(λ)を有する光も上記条件I〜条件IVのすべてを満たすことを特徴とする発光装置。
[47]
照明対象物を準備する照明対象物準備工程、および、発光要素と制御要素を含む発光装置から出射される光により対象物を照明する照明工程、を含む照明方法であって、
当該発光装置は、少なくとも、発光要素として、
青色半導体発光素子、
緑色蛍光体、および、
赤色蛍光体を有し、
前記照明工程において、前記発光要素から出射される光が対象物を照明した際に、前記対象物の位置で測定した光が、少なくとも以下の<1>〜<4>のいずれか1つを満たさず、前記発光装置から出射される光が対象物を照明した際に、前記対象物の位置で測定した光が以下の<1>〜<4>をすべて満たすように照明することを特徴とする照明方法。<1>
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光による照明を数学的に仮定した場合の#01から#15の下記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* nSSL、b* nSSL(ただしnは1から15の自然数)とし、
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光の相関色温度TSSL(K)に応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* nref、b* nref(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、飽和度差ΔCnが、
−4.00 ≦ ΔCn ≦ 8.00 (nは1から15の自然数)
である。
<2>
下記式(3)で表される前記飽和度差の平均が、
<3>
前記飽和度差の最大値をΔCmax、前記飽和度差の最小値をΔCminとした場合に、前記飽和度差の最大値と、前記飽和度差の最小値との間の差|ΔCmax−ΔCmin|が、
2.00 ≦ |ΔCmax−ΔCmin| ≦ 10.00
である。
ただし、ΔCn=√{(a* nSSL)2+(b* nSSL)2}−√{(a* nref)2+(b* nref)2}とする。
15種類の修正マンセル色票
#01 7.5 P 4 /10
#02 10 PB 4 /10
#03 5 PB 4 /12
#04 7.5 B 5 /10
#05 10 BG 6 / 8
#06 2.5 BG 6 /10
#07 2.5 G 6 /12
#08 7.5 GY 7 /10
#09 2.5 GY 8 /10
#10 5 Y 8.5/12
#11 10 YR 7 /12
#12 5 YR 7 /12
#13 10 R 6 /12
#14 5 R 4 /14
#15 7.5 RP 4 /12
<4>
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光による照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθnSSL(度)(ただしnは1から15の自然数)とし、
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光の相関色温度TSSLに応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθnref(度)(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、色相角差の絶対値|Δhn|が、
0.00 度 ≦ |Δhn| ≦ 12.50 度 (nは1から15の自然数)
である。
ただし、Δhn=θnSSL−θnrefとする。
[48]
[47]に記載の照明方法であって、更に以下の<5>〜<8>をすべて満たすように照明することを特徴とする、照明方法。
<5>
波長をλとし、前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光の分光分布をφSSL(λ)、
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光の相関色温度TSSLに応じて選択される基準の光の分光分布をφref(λ)、
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光の三刺激値を(XSSL、YSSL、ZSSL)、
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光のTSSLに応じて選択される基準の光の三刺激値を(Xref、Yref、Zref)とし、
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光の規格化分光分布SSSL(λ)と、前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光のTSSL(K)に応じて選択される基準の光の規格化分光分布Sref(λ)と、これら規格化分光分布の差ΔS(λ)をそれぞれ、
SSSL(λ)=φSSL(λ)/YSSL
Sref(λ)=φref(λ)/Yref
ΔS(λ)=Sref(λ)−SSSL(λ)
と定義し、
波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記SSSL(λ)の最長波長極大値を与える波長をλSSL−RL−max(nm)とした際に、前記λSSL−RL−maxよりも長波長側にSSSL(λSSL−RL−max)/2となる波長Λ4が存在する場合においては、
下記数式(1)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
であり、
一方、波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記SSSL(λ)の最長波長極大値を与える波長をλSSL−RL−max(nm)とした際に、前記λSSL−RL−maxよりも長波長側にSSSL(λSSL−RL−max)/2となる波長Λ4が存在しない場合においては、
下記数式(2)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
である。
前記光の分光分布φSSL(λ)は、ANSI C78.377で定義される黒体放射軌跡からの距離DuvSSLが、
−0.0220 ≦ DuvSSL ≦ −0.0070
である。
<7>
前記光の分光分布φSSL(λ)は、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値をφSSL−BM−max、465nm以上525nm以下の範囲における分光強度の最小値をφSSL−BG−minと定義した際に、
0.2250 ≦ φSSL−BG−min/φSSL−BM−max ≦ 0.7000
である。
<8>
前記光の分光分布φSSL(λ)は、590nm以上780nm以下の範囲における分光強度の最大値をφSSL−RM−maxと定義した際に、前記φSSL−RM−maxを与える波長λSSL−RM−maxが、
605(nm) ≦ λSSL−RM−max ≦ 653(nm)
である。
[49]
照明対象物を準備する照明対象物準備工程、および、発光要素である半導体発光素子と制御要素を含む発光装置から出射される光により対象物を照明する照明工程、を含む照明方法であって、
当該発光装置は、少なくとも、発光要素として、
青色半導体発光素子、
緑色蛍光体、および、
赤色蛍光体を有し、
前記照明工程において、前記発光要素から出射される光が対象物を照明した際に、前記対象物の位置で測定した光が上記<1>〜<4>をすべて満たし、前記発光装置から出射される光が対象物を照明した際に、前記対象物の位置で測定した光が上記<1>〜<4>もすべて満たすように照明することを特徴とする照明方法。
[50]
[49]に記載の照明方法であって、上記<5>〜<8>を満たすように照明することを特徴とする、照明方法。
すでに存在し、あるいは実用に供されている、色の見えに劣る半導体発光装置が内在する発光装置の色の見えを前述のような良好な色の見えに改善できる。さらに、本発明においては、同様の技術を用いて、色の見えにすぐれる半導体発光装置の色の見えをさらに利用者の嗜好に応じて調節可能と出来る。
第一に、本発明による光源、器具、システム等の発光装置で照明した場合、又は、本発明の照明方法により照明した場合には、実験用基準光や実験用擬似基準光で照明した場合等に比較して、ほぼ同様のCCT、ほぼ同様の照度であっても、白色はより白く、自然に、心地よく見える。さらに、白、灰色、黒等の無彩色間の明度差も視認しやすくなる。このために、例えば、一般の白色紙上の黒文字等が読みやすくなる。なお、詳細は後述するが、このような効果はこれまでの常識に照らして全く予想外の効果である。
第二に、本発明による発光装置で実現された照度、又は、本発明の照明方法により照明した場合の照度は、数千Lxから数百Lx程度の通常室内環境程度であったとしても、紫色、青紫色、青色、青緑色、緑色、黄緑色、黄色、黄赤色、赤色、赤紫色などの大半の色、場合によってはすべての色について、たとえば晴れた日の屋外照度下のような数万lx程度の下で見たような真に自然な色の見えが実現される。また、中間的な彩度を有する、被験者(日本人)の肌色、各種食品、衣料品、木材色等も、多くの被験者がより好ましいと感じる、自然な色の見えとなる。
第三に、実験用基準光や実験用擬似基準光で照明した場合等に比較して、ほぼ同様のCCT、ほぼ同様の照度であっても、本発明による発光装置で照明した場合、又は、本発明の照明方法により照明した場合には、近接した色相における色識別が容易になり、あたかも高照度環境下の様な快適な作業等が可能となる。さらに具体的には、たとえば類似した赤色を有する複数の口紅などをより容易に識別可能となる。
第四に、実験用基準光や実験用擬似基準光で照明した場合等に比較して、ほぼ同様のCCT、ほぼ同様の照度であっても、本発明による光源、器具、システムで照明した場合、又は、本発明の照明方法により照明した場合には、あたかも高照度環境下で見たように、物体がよりはっきりと、容易に、視認できるようになる。
これらの効果に加え、照明用途に利用した際に色の見えに優れる半導体発光装置においても、利用者の嗜好に応じて、さらに色の見えを調整することができる。
本発明の第一の実施態様は、発光装置である。本実施態様に係る発光装置は、発光要素と制御要素とを有する。
また、図29に示すように「さらに高加工度の発光装置」内に部分的に存在する「中加工度の発光装置または高加工度の発光装置」があれば、制御要素が作用しない状態にしたn個のパッケージLEDと、m個の白熱電球を含む発光装置から主たる放射方向に放射される光の分光分布をΦelm(λ)とみなすことができる。
が放射されている方向を示す。
例えば、発光装置の光度(luminous intensity)もしくは輝度(luminance)が最大もし
くは極大となる方向でありうる。
また、発光装置の光度もしくは輝度が最大もしくは極大となる方向を含む有限の範囲を持った方向でありうる。
また、発光装置の放射強度(radiant intensity)あるいは放射輝度(radiance)が最
大もしくは極大となる方向でありうる。
また、発光装置の放射強度あるいは放射輝度が最大もしくは極大となる方向を含む有限の範囲を持った方向でありうる。
以下、具体的に例示する。
発光装置が単体発光ダイオード(LED)、単体パッケージLED、単体チップオンボード(COB)、単体LEDモジュール、単体LED電球、蛍光ランプと半導体発光素子の単体複合ランプ、白熱電球と半導体発光素子の単体複合ランプ等である場合には、主たる放射方向は各発光装置の鉛直方向、鉛直方向を含む有限の立体角内、例えば最大でπ(sr)、最小でπ/100(sr)でありうる。
発光装置が前記パッケージLED等にレンズ、反射機構等を付与したLED照明器具、蛍光ランプと半導体発光素子が内在する照明器具であって、いわゆる、直接型照明用途、半直接型照明用途、全般拡散照明用途、直接/間接型照明用途、半間接型照明用途、間接型照明用途に応用可能な配光特性を有する場合には、主たる放射方向は、各発光装置の鉛
直方向、鉛直方向を含む有限の立体角内、例えば最大でπ(sr)、最小でπ/100(sr)でありうる。また、発光装置の光度もしくは輝度が最大もしくは極大となる方向でありうる。また、発光装置の光度もしくは輝度が最大もしくは極大となる方向を含む有限の立体角内、例えば最大でπ(sr)、最小でπ/100(sr)でありうる。また、発光装置の放射強度あるいは放射輝度が最大もしくは極大となる方向でありうる。また、発光装置の放射強度あるいは放射輝度が最大もしくは極大となる方向を含む有限の立体角内、例えば最大でπ(sr)、最小でπ/100(sr)でありうる。
発光装置が、前記LED照明器具や蛍光ランプが内在する照明器具を複数搭載した照明システムである場合は、主たる放射方向は、各発光装置の平面的中心の鉛直方向、当該鉛直方向を含む有限の立体角内、例えば最大でπ(sr)、最小でπ/100(sr)でありうる。また、発光装置の光度もしくは輝度が最大もしくは極大となる方向でありうる。また、発光装置の光度もしくは輝度が最大もしくは極大となる方向を含む有限の立体角内、例えば最大でπ(sr)、最小でπ/100(sr)でありうる。また、発光装置の放射強度あるいは放射輝度が最大もしくは極大となる方向でありうる。また、発光装置の放射強度あるいは放射輝度が最大もしくは極大となる方向を含む有限の立体角内、例えば最大でπ(sr)、最小でπ/100(sr)でありうる。
発光装置から当該主たる放射方向に出射された光の分光分布を計測するためには、計測点における照度が実用上の照度、例えば5lxから10000lxの間となる距離で計測することが好ましい。
本実施態様に係る発光装置は、制御要素をも含むが、それ以外の構成は特段限定されない。発光要素は単体の半導体発光素子に通電機構としてのリード線等を付与したものでも、放熱機構等をさらに付与し蛍光体等と一体にしたパッケージ化LED、COB(Chip On Board)等でもよい。発光装置としては、このような1以上のパッケージ化LEDにさらに堅牢な放熱機構を付与し、一般的には複数のパッケージLEDを搭載したLEDモジュールでもよい。さらには、パッケージLED等にレンズ、反射機構等を付与したLED照明器具であってもよい。さらに、LED照明器具等を多数支持し、対象物を照明できるように仕上げた照明システムであってもよい。さらに、例えば放電管を発光要素として含む場合においては、本実施態様に係る発光装置は、単体の放電管に高圧を印加しうる機構を付与したものでも、放電管内部あるいは周辺に蛍光体を配置したものでもよい。また1以上の蛍光体を内在させた蛍光管を複数配置した照明器具でもよい。さらには、反射機構等を付与した照明器具であってもよい。さらに、これを照明システムとして制御回路等を付与してもよい。本実施態様に係る発光装置とは、これらをすべて含んだものである。
なお、本発明において発光要素は、発光装置の態様であってもよい。すなわち、本発明の発光要素は、上記発光装置として説明したLEDモジュール、LED照明器具、照明システム、その他の機構を付与した照明器具であってもよい。
装置である。
さらに、広く用いられる発光要素単体での測定環境と、発光装置の一般的測定環境の「差」によって、発光要素の分光分布の重ね合わせから、発光装置の分光分布が単純には導出できないことも考慮する必要がある。
紫色半導体発光素子は、単体のパルス電流駆動時のピーク波長λCHIP−VM−maxで特徴付けた。
青色半導体発光素子は、発光素子単体のパルス電流駆動時のドミナント波長λCHIP−BM−domで特徴付けた。
蛍光体材料は、材料単体で光励起した際の発光ピーク波長(緑色蛍光体に対してはλPHOS−GM−max、赤色蛍光体に対してはλPHOS−RM−maxと記載)と、その発光分光分布の半値全幅(緑色蛍光体に対してはWPHOS−GM−fwhm、赤色蛍光体に対してはWPHOS−RM−fwhmと記載)で特徴付けた。
具体的には、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値φSSL−BM−max、これを与える波長λSSL−BM−max、
465nm以上525nm以下の範囲における分光強度の最小値φSSL−BG−min、これを与える波長λSSL−BG−min、
590nm以上780nm以下の範囲における分光強度の最大値λSSL−RM−max、これを与える波長λSSL−RM−max、
さらには後述する指標Acgの定義で用いられる380nm以上780nm以下の範囲で分光分布φSSL(λ)から導出される規格化分光分布SSSL(λ)の最長波長極大値φSSL−RL−maxを与えるλSSL−RL−max、によって特徴付けた。この関係を図1に示す。
よって、例えば、λCHIP−BM−domはλSSL−BM−maxと異なるのが一般的であり、λPHOS−RM−maxもλSSL−RM−maxと異なるのが一般的である。一方で、λSSL−RL−maxは、λSSL−RM−maxと同じ値をとることがしばしば発生する。
なお、本明細書中では、発光要素から出射される光の分光分布をΦelm(λ)、発光装置から出射される光の分光分布をφSSL(λ)と記載する事があるが、これらを一般
化する場合にはいずれの光の分光分布もφ(λ)と記載する事がある。同様に、一般的な光の分光分布φ(λ)において、例えばφSSL−BM−max、λSSL−BM−maxと同概念によって導出される指標はφBM−max、λBM−maxなどと、添え字SSLを省略して表現する場合がある。
指標Acgは、特許第5252107号と特許第5257538号に開示されている通り、以下で定義される。
本実施態様に係る発光装置からの主たる放射方向に出射される光を測定した場合における異なる色刺激となる計算用基準光と試験光の分光分布をそれぞれφref(λ)、φSSL(λ)とし、等色関数をx(λ)、y(λ)、z(λ)、計算用基準光と試験光に対応する三刺激値をそれぞれ(Xref、Yref、Zref)、(XSSL、YSSL、ZSSL)とする。ここで、計算用基準光と試験光に関して、kを定数として、以下が成立する。
Yref=k∫φref(λ)・y(λ)dλ
YSSL=k∫φSSL(λ)・y(λ)dλ
ここで、計算用基準光と試験光の分光分布をそれぞれのYで規格化した規格化分光分布を
Sref(λ)=φref(λ)/Yref
SSSL(λ)=φSSL(λ)/YSSL
と定義し、これら規格化基準光分光分布と規格化試験光分光分布の差を
ΔS(λ)=Sref(λ)−SSSL(λ)
とする。ここで、指標Acgは以下で導出する。
Λ1=380nm
Λ2=495nm
Λ3=590nm
である。
なお、本明細書中では、発光要素から出射される光の分光分布をΦelm(λ)、発光装置から出射される光の分光分布をφSSL(λ)と記載する事があるが、これらを一般化する場合にはいずれの光の分光分布もφ(λ)と記載する事がある。同様に、一般的な光の分光分布φ(λ)において、例えばSSSL(λ)と同概念によって導出される指標はS(λ)などと、添え字SSLを省略して表現する場合がある。
本実施態様に係る狭帯域発光要素とは、特許第5252107号と特許第525753
8号記載と同一の定義であって、発光要素の半値全幅が、短波長領域(380nmから495nm)、中間波長領域(495nmから590nm)、長波長領域(590nmから780nm)のそれぞれの領域幅である115nm、95nm、190nmに対して、2/3以下であるものをいう。
逆に、本実施態様に係る広帯域発光要素とは、発光要素の半値全幅が、短波長領域(380nmから495nm)、中間波長領域(495nmから590nm)、長波長領域(590nmから780nm)のそれぞれの領域幅である115nm、95nm、190nmに対して、2/3よりも広いものをいう。よって、おおよそ、短波長領域においては約77nm以上、中間波長領域においては約64nm以上、長波長領域においては約127nm以上の半値全幅を有する発光要素が広帯域発光要素である。
本実施態様に係る発光装置の色度点の明示は以下の通りとした。発光装置から主たる放射方向に出射された光が有する分光分布から導出される色度は、例えばCIE 1931(x、y)色度図やCIE 1976(u’、v’)色度図で議論可能である。しかし、色度図上の位置は相関色温度CCTと偏差Duvで記述すると見通しがよいため、本実施態様では特に(u’、(2/3)v’)色度図(CIE 1960(u、v)色度図と同義)を用いた。
ここで、本実施態様に係る偏差Duvは、ANSI C78.377で定義されている量であって、(u’、(2/3)v’)色度図における黒体放射軌跡に対して最近接となる距離を絶対値として示している。また、正符号は発光装置の色度点が黒体放射軌跡の上方(v’が大きい側)に位置し、負符号は発光装置の色度点が黒体放射軌跡の下方(v’が小さい側)に位置することを意味する。
φSSL−BG−minは、主として、青色半導体発光素子の発光に由来する分光放射束の長波長側テール(分光放射束強度が低下する裾野部分)と、中間波長領域を担う発光要素の発光に由来する分光放射束の短波長側テール(分光放射束強度が低下する裾野部分)とが重なる部分に現れる。換言すると、短波長領域と中間波長領域にまたがる465nm以上525nm以下の範囲にφSSL(λ)形状の凹部として発生しがちである。
後述する、数学的に導出される特定15修正マンセル色票の色の見えに関して、その飽和度を比較的均等に向上させようとすると、φSSL−BG−minを430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値で規格化したφSSL−BG−min/φSSL−BM−max、および、φSSL−BG−minを590nm以上780nm以下の範囲における分光強度の最大値で規格化したφSSL−BG−min/φSSL−RM−maxを慎重に制御する必要がある。すなわち、本実施態様の発光装置においては、φSSL−BG−min/φSSL−BM−maxおよびφSSL−BG−min/φSSL−RM−maxには、後述するように最適範囲が存在する。
なお、本明細書中では、発光要素から出射される光の分光分布をΦelm(λ)、発光装置から出射される光の分光分布をφSSL(λ)と記載する事があるが、これらを一般化する場合にはいずれの光の分光分布もφ(λ)と記載する事がある。同様に、一般的な光の分光分布φ(λ)において、例えばφSSL−BG−min、φSSL−RM−maxと同概念によって導出される指標はφBG−min、φRM−maxなどと、添え字SSLを省略して表現する場合がある。
本実施態様においては、数学的な色の見えを予想する際に計算上用いるCIEで定義された基準の光を、基準の光、計算用基準の光、計算用基準光などと記載した。一方、視覚的な実比較で用いる実験用の基準の光、すなわちタングステンフィラメントを有する白熱
電球光などは、基準の光、実験用基準の光、実験用基準光と記載した。また、基準の光に近接した色の見えとなると予想される高Raかつ高Riである光、たとえば紫半導体発光素子を内包し、青色/緑色/赤色蛍光体を含むLED光源も、基準の光、実験用基準の光、実験用基準光と記載した。また、基準の光に対して、数学的にまた実験的に検討対象とした光を試験光と記載する場合がある。
分光分布から、その光で照明された物体の色の見えを定量評価するには、数学的な分光反射特性が明らかな色票を定義し、計算用基準光での照明を仮定した場合と、試験光での照明を仮定した場合を比較し、当該色票の「色の見えの差」を指標とするのがよい。
#02 10 PB 4 /10
#03 5 PB 4 /12
#04 7.5 B 5 /10
#05 10 BG 6 / 8
#06 2.5 BG 6 /10
#07 2.5 G 6 /12
#08 7.5 GY 7 /10
#09 2.5 GY 8 /10
#10 5 Y 8.5/12
#11 10 YR 7 /12
#12 5 YR 7 /12
#13 10 R 6 /12
#14 5 R 4 /14
#15 7.5 RP 4 /12
択、色順応式の選択も重要である。本実施態様では、現在CIEによって推奨されている均等色空間であるCIE 1976 L*a*b*(CIELAB)を用いた。さらに、色順応計算には、CMCCAT2000(Colour Measurement Comittee’s Chromatic Adaptation Transform of 2000)を採用した。
|Δhn|=|θnSSL−θnref|
である。
ΔCn=√{(a* nSSL)2+(b* nSSL)2}−√{(a* nref)2+(b* nref)2}
とした。また、当該15種類の修正マンセル色票の飽和度差の平均値は
セル色票の飽和度差の最大値をΔCmax、飽和度差の最小値をΔCminとした場合に、最大飽和度差と最小飽和度差の間の差(最大最小飽和度差間差)は
|ΔCmax−ΔCmin|
とした。
なお、本明細書中では、発光要素から出射される光の分光分布をΦelm(λ)、発光装置から出射される光の分光分布をφSSL(λ)と記載する事があるが、これらを一般化する場合にはいずれの光の分光分布もφ(λ)と記載する事がある。同様に、一般的な光の分光分布φ(λ)において、例えばθnSSL、a* nSSLと同概念によって導出される指標はθn、a* nなどと、添え字SSLを省略して表現する場合がある。
さらに、本実施態様に係る発光装置から出射された主たる放射方向の光を測定した場合における試験光分光分布φSSL(λ)を評価するに当たり、放射効率 K (Luminous Efficacy of radiation)(lm/W)は、広く使用されている以下の定義を踏襲した。
Km:最大視感度(lm/W)
V(λ):分光視感効率
λ:波長(nm)
である。
0以下の範囲外、特に−10よりも大きな値を有する場合に、良好な色の見えと高い光源効率の両立が可能かどうかを、以下の通りに、数学的に、また実験的に検討した。
中間波長領域においては、逆に、規格化基準光分光分布よりも規格化試験光分光分布の分光強度が弱い場合に、指標Acgの第二項(−ΔS(λ)の積分)はマイナスの値をとりやすい。
さらに、長波長領域においては、規格化基準光分光分布よりも規格化試験光分光分布の分光強度が強い場合に、指標Acgの第三項(ΔS(λ)の積分)はマイナスの値をとりやすい指標となっている。
すなわち、このような傾向にある場合に「自然で、生き生きとした、視認性の高い、快適な、色の見え、物体の見えを実現できる発光装置」が実現できる要件の中の一つが満たされると解することが出来る。
なぜならば、この領域のV(λ)は相対的に小さな値を有するため、過剰に強い放射が当該領域に存在しても、光束を向上させることへの寄与度が小さくなる。加えて、光源効率を向上させようとすると、指標Acgの第二項(495nmから590nmまでの−ΔS(λ)の波長積分)が、規格化基準光分光分布よりも規格化試験光分光分布のスペクトル強度が過剰に弱くない、換言すると−ΔS(λ)の波長積分が過剰なマイナス値を取らず、適切な範囲となることが望まれる。なぜならば、この領域のV(λ)は相対的に大きな値を有するため、過剰に弱い放射が当該領域に存在すると、光束を向上させることへの寄与度が小さくなるからである。
発光装置を完成させるための実験とそのまとめは以下の様に行った。
発光装置としては3.5mm×3.5mm角の小型パッケージ中に、各種半導体発光素子、各種蛍光体、封止材等を内包させたパッケージLEDを準備した。また当該パッケージLEDを内包させたLED灯具も試作した。
も行った。比較視覚実験においては、ANSI C78.377を参考に、表1に示した色温度グループ毎に実験用基準光を準備して、同一の照明対象物を試験光と実験用基準光とでそれぞれ独立に照明し、どちらの光で照明した場合の色の見えが優れているかをランク−5、ランク−4、ランク−3、ランク−2、ランク−1、ランク0、ランク+1、ランク+2、ランク+3、ランク+4、ランク+5の11ランクに分類してもらった。
また、比較視覚実験時の照度は、約100lxから約7000lxの範囲とした。
一部付記した色名称は、通常の環境下でそのように見えるという意味で、厳密な色の表現ではない。
紫色プリザーブドフラワー
青紫布製ハンカチ、ブルージーンズ、青色プリザーブドフラワー、青緑タオル
緑色パプリカ、レタス、千切りキャベツ、ブロッコリー、緑ライム、緑色りんご
黄色バナナ、黄色パプリカ、黄緑色レモン、黄色プリザーブドフラワー、卵焼き
橙色オレンジ、橙色パプリカ、にんじん
赤色トマト、赤色りんご、赤色パプリカ、赤色ウインナー、赤プリザーブドフラワー
黒プリザーブドフラワー、
ピンク色ネクタイ、ピンクプリザーブドフラワー、
小豆色ネクタイ、コロッケ、とんかつ、ごぼう、クッキー、チョコレート、
落花生、木製器
被験者(日本人)自身の肌
新聞紙、白背景上の黒文字を含むカラー印刷物(多色ずり)、文庫本、週刊誌
シルバー(文字盤白)腕時計
カラーチェッカー(X―rite社製 Color checker classic 18色の有彩色と6種類の無彩色(白1、灰色4、黒1)を含む計24色の色票)
Name Munsell Notation
Dark skin 3.05 YR 3.69/3.20
Light skin 2.2 YR 6.47/4.10
Blue sky 4.3 PB 4.95/5.55
Foliage 6.65 GY 4.19/4.15
Blue flower 9.65 PB 5.47/6.70
Bluish green 2.5 BG 7/6
Orange 5 YR 6/11
Purplish blue 7.5 PB 4/10.7
Moderate red 2.5 R 5/10
Purple 5 P 3/7
Yellow green 5 GY 7.08/9.1
Orange yellow 10 YR 7/10.5
Blue 7.5 PB 2.90/12.75
Green 0.1 G 5.38/9.65
Red 5 R 4/12
Yellow 5 Y 8/11.1
Magenta 2.5 RP 5/12
Cyan 5 B 5/8
White N 9.5/
Neutral 8 N 8/
Neutral 6.5 N 6.5/
Neutral 5 N 5/
Neutral 3.5 N 3.5/
Black N 2/
合をランク0とした。また、「自然で、生き生きとした、視認性の高い、快適な、色の見え、物体の見えが実現でき」、若干好ましい場合はランク+1、好ましい場合はランク+2、より好ましい場合はランク+3、非常に好ましい場合はランク+4、格段に好ましい場合はランク+5とした。逆に、「自然で、生き生きとした、視認性の高い、快適な、色の見え、物体の見えが実現できない」場合は、その程度によって、若干好ましくない場合はランク−1、好ましくない場合はランク−2、より好ましくない場合はランク−3、非常に好ましくない場合はランク−4、格段に好ましくない場合はランク−5とした。
先ず、表2に示す4種の発光装置を例に、本実験の概要と効果を説明する。
なお、本明細書で記載するSBCA蛍光体、β−SiAlON蛍光体、CASON蛍光体の詳細は、特許第5252107号と特許第5257538号に開示されている材料と同じである。
比較実験例2の発光装置は、指標Acgが−44.9で、発光装置としての光源効率ηは45.9(lm/W)であった。また、数学的には、図5からも各色相の飽和度が比較的均等に向上することが分かり、実際に、比較視覚実験でも、色の見えは比較実験例1の発光装置よりも良好と判断され、ランク4であった。
かった。また、数学的には、図7−1からも各色相の飽和度が比較的均等に向上することが分かり、実際に、色の見えは比較実験例1の発光装置よりも良好であると判断され、ランク5であった。
次に、実験例/比較実験例をさらに例示して、本実験を詳細に説明する。
表3から表7は、本実験の実験例を示している。これらは、表番号順に、比較視覚実験の総合的ランク分類でそれぞれランク+1からランク+5となった発光装置の結果である。また、1つのランクに分類された発光装置は、低TSSLから高TSSLの順に並べた。さらに、図8から図14−1は、それぞれのランクから例として抽出した発光装置が発する光の分光分布とCIELAB色空間を例示したものである。
条件α:青色半導体発光素子
条件β:広帯域緑色蛍光体
条件γ:赤色蛍光体
を全て有していたことが分かる。
条件1: −10.0 < Acg ≦ 120.0
条件2: −0.0220 ≦ DuvSSL ≦ −0.0070
条件3: 0.2250 ≦ φSSL−BG−min/φSSL−BM−max ≦
0.7000
条件4: 605(nm) ≦ λSSL−RM−max ≦ 653(nm)
条件5: 430(nm) ≦ λSSL−BM−max ≦ 480(nm)
条件6: 0.1800 ≦ φSSL−BG−min/φSSL−RM−max ≦
0.8500
条件7: 210.0 lm/W ≦ K ≦ 290.0 lm/W
条件8: 2600 K ≦ TSSL ≦ 7700 K
条件I −4.00 ≦ ΔCn ≦ 8.00
条件II: 0.50 ≦ SATave ≦ 4.00
条件III: 2.00 ≦ |ΔCmax−ΔCmin| ≦ 10.00
条件IV: 0.00 度 ≦ |Δhn| ≦ 12.50 度
差が小さく、かつ、(2)15種類いずれの色相においても飽和度は比較的均等に向上して
おり、かつ、(3)その飽和度向上の度合いが適切な範囲内にある、事が分かる。このよう
な特徴がまさに実際に照明対象物を照明した場合には、「自然で、生き生きとした、視認性の高い、快適な、色の見え、物体の見え」を誘発すると考えられ、かつ、数学的には条件Iから条件IVに対応していると言える。
じ照度でありながら明るく感じられる効果がある事が確認された。
当該青色発光素子の、素子単体パルス駆動時のドミナント波長λCHIP−BM−domは、445nm以上475nm以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、447.5nm以上470nm以下を選択することが若干好ましく、
ランク+4から+5の結果より、452.5nm以上470nm以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、457.5nm近傍を選択することが格段に好ましい。なお、近傍とは±2.5nmを意味する。
当該広帯域緑色蛍光体の、蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−GM−maxは511nm以上543nm以下であり、その半値全幅WPHOS−GM−fwhmは90nm以上110nm以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−GM−maxは514nm以上540nm以下であり、その半値全幅WPHOS−GM−fwhmは96nm以上108nm以下を選択することが若干好ましく、
ランク+2から+5の結果より、蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−GM−maxは520nm以上540nm以下であり、その半値全幅WPHOS−GM−fwhmは96nm以上108nm以下を選択することが好ましく、
ランク+5の結果より、蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−GM−maxは520nm以上530nm以下であり、その半値全幅WPHOS−GM−fwhmは96nm以上104nm以下を選択することが格段に好ましい。
さらに、全体の傾向から、蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−GM−maxは521nm以上529nm以下であり、その半値全幅WPHOS−GM−fwhmは97nm以上103nm以下を選択することがさらに格段に好ましいと考えられる。これらの傾向は、本実験の発光装置においては、分光分布φSSL(λ)の適切な位置に適切な大きさの凹凸を有するようにするために必要と考えられる傾向である。
当該緑色蛍光体は、材料単体で光励起した際に緑色発光し、かつ、前記光学特性を満足するものであれば、特に限定されないが、LuAG蛍光体、CSO蛍光体、G−YAG蛍光体、CSMS蛍光体、BSS蛍光体、BSON蛍光体等を例示可能であって、
実験例全体の結果より、LuAG蛍光体、CSO蛍光体、G−YAG蛍光体、CSMS蛍光体を選択することが若干好ましく、
ランク+2から+5の結果より、LuAG蛍光体、CSO蛍光体、G−YAG蛍光体を選択することが好ましく、
ランク+5の結果より、LuAG蛍光体、CSO蛍光体を選択することが格段に好ましい。
当該赤色蛍光体の、蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−RM−maxは622nm以上663nm以下であり、その半値全幅WPHOS−RM−
fwhmが80nm以上105nm以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−RM−maxは625nm以上660nm以下であり、その半値全幅WPHOS−RM−fwhmが87nm以上99nm以下を選択することが若干好ましく、
ランク+4から+5の結果より、蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−RM−maxは645nm以上660nm以下であり、その半値全幅WPHOS−RM−fwhmが88nm以上99nm以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−RM−maxは645nm以上660nm以下であり、その半値全幅WPHOS−RM−fwhmが88nm以上89nm以下を選択することが格段に好ましい。
加えて、全体の傾向から、蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−RM−maxは、632nm以上660nm以下であり、その半値全幅WPHOS−RM−fwhmが88nm以上99nm以下を選択することは好ましいと考え得る。
当該赤色蛍光体は、材料単体で光励起した際に赤色発光し、かつ、前記光学特性を満足するものであれば、特に限定されないが、CASN蛍光体、CASON蛍光体、SCASN蛍光体を例示可能であって、
実験例全体の結果よりCASN蛍光体、CASON蛍光体、SCASN蛍光体を選択することが若干好ましく、
ランク+4から+5の結果よりCASN蛍光体、CASON蛍光体を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果よりCASN蛍光体を選択することが格段に好ましい。
当該指標は、−10.0より大きく120.0以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、−4.6以上116.3以下を選択することが若干好ましく、
ランク+3から+5の結果より、−4.6以上87.7以下を選択することがより好ましく、
ランク+4から+5の結果より、−4.6以上70.9以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、−1.5以上26.0以下を選択することが格段に好ましい。
当該距離DuvSSLは、−0.0220以上−0.0070以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、−0.0212以上−0.0071以下を選択することが若干好ましく、
ランク+3から+5の結果より、−0.0184以上−0.0084以下を選択することがより好ましく、
ランク+4から+5の結果より、−0.0161以上−0.0084以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、−0.0145以上−0.0085以下を選択することが格段に好ましい。
なお、全体の傾向からDuvSSLは、−0.0145以上−0.0090以下を選択することがさらに格段に好ましく、−0.0140以上−0.0100未満を選択することがよりさらに格段に好ましく、−0.0135以上−0.0120未満を選択すること
がなおよりさらに格段に好ましいと考え得る。
当該値φSSL−BG−min/φSSL−BM−maxは、0.2250以上0.7000以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、0.2278以上0.6602以下を選択することが若干好ましく、
ランク+4から+5の結果より、0.2427以上0.6225以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、0.2427以上0.5906以下を選択することが格段に好ましい。
当該波長λSSL−RM−maxは、605nm以上653nm以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、606nm以上652nm以下を選択することが若干好ましく、
ランク+3から+5の結果より、607nm以上647nm以下を選択することがより好ましく、
ランク+4から+5の結果より、622nm以上647nmを選択することが非常に好ましい。また、ここまでの傾向から、λSSL−RM−maxは625nm以上647nm以下を選択する事がさらに非常に好ましいと考え得る。
加えて、ランク+5の結果より、630nm以上647nm以下を選択することが格段に好ましい。
さらに、全体の傾向から、λSSL−RM−maxは631nm以上647nm以下を選択する事がさらに格段に好ましいと考え得る。
これらの傾向は、本実験の発光装置においては、分光分布φSSL(λ)の適切な位置に適切な大きさの凹凸を有するようにするために必要と考えられる傾向である。
当該波長λSSL−BM−maxは、430nm以上480nm以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、440nm以上460nm以下を選択することが若干好ましく、
ランク+4から+5の結果より、447nm以上460nmを選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、450nm以上457nm以下を選択することが格段に好ましい。
さらに、全体の傾向から、λSSL−BM−maxは451nm以上456nm以下を選択する事がさらに格段に好ましいと考え得る。
これらの傾向は、本実験の発光装置においては、分光分布φSSL(λ)の適切な位置に適切な大きさの凹凸を有するようにするために必要と考えられる傾向である。
当該値φSSL−BG−min/φSSL−RM−maxは、0.1800以上0.8500以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、0.1917以上0.8326以下を選択することが若干好ましく、
ランク+3から+5の結果より、0.1917以上0.6207以下を選択することがより好ましく、
ランク+4から+5の結果より、0.1917以上0.6202以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、0.1917以上0.5840以下を選択することが格段に好ましい。
また、全体の傾向から、φSSL−BG−min/φSSL−RM−maxは、0.1917以上0.7300以下を選択することは好ましいと考え得る。
これらの傾向は、本実験の発光装置においては、分光分布φSSL(λ)の適切な位置に適切な大きさの凹凸を有するようにするために必要と考えられる傾向である。
当該放射効率K(lm/W)は、210.0(lm/W)以上290.0(lm/W)以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、212.2(lm/W)以上286.9(lm/W)以下を選択することが若干好ましく、
ランク+2から+5の結果より、212.2(lm/W)以上282.3(lm/W)以下を選択することが好ましく、
ランク+4から+5の結果より、212.2(lm/W)以上261.1(lm/W)以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、212.2(lm/W)以上256.4(lm/W)以下を選択することが格段に好ましい。
当該相関色温度TSSL(K)は、2600(K)以上7700(K)以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、2644(K)以上7613(K)以下を選択することが若干好ましく、
ランク+4から+5の結果より、2644(K)以上6797(K)以下を選択することが非常に好ましい。
当該飽和度差ΔCnは、−4.00以上8.00以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、−3.49以上7.11以下を選択することが若干好ましく、
ランク+2から+5の結果より、−3.33以上7.11以下を選択することが好ましく、
ランク+4から+5の結果より、−1.73以上6.74以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、−0.93以上6.74以下を選択することが格段に好ましい。
当該SATaveは、0.50以上4.00以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、0.53以上3.76以下を選択することが若干好ましく、
ランク+2から+5の結果より、1.04以上3.76以下を選択することが好ましく、
ランク+3から+5の結果より、1.11以上3.76以下を選択することがより好ましく、
ランク+4から+5の結果より、1.40以上3.76以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、1.66以上3.76以下を選択することが格段に好ましい。
当該差|ΔCmax−ΔCmin|は、2.00以上10.00以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、3.22以上9.52以下を選択することが若干好ましく、
ランク+4から+5の結果より、4.12以上7.20以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、4.66以上7.10以下を選択することが格段に好ましい。
当該色相角差の絶対値|Δhn|は、0.00以上12.50以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、0.00以上12.43以下を選択することが若干好ましく、
ランク+2から+5の結果より、0.01以上12.43以下を選択することが好ましく、
ランク+3から+5の結果より、0.02以上12.43以下を選択することがより好ましく、
ランク+4から+5の結果より、0.02以上9.25以下を選択することが非常に好ましい。
0.00以上12.43以下を選択することがより好ましく、
0.00以上9.25以下を選択することが非常に好ましく、さらには、
0.00以上7.00以下を選択することがより非常に好ましく、
0.00以上5.00以下を選択することがさらに非常に好ましいと考えられる。
なお、実験例1から実験例52記載の発光装置から出射された光は、それぞれ実験用基準光を発する発光装置による色の見えよりも優れていることは比較視覚実験で確認された。同時に、光源効率ηが大幅に向上したことも以下の通り確認された。表8は、表2で示した比較実験例2、参考実験例1のAcg値と光源効率ηをまとめたものである。
表10から表15は本実験の比較実験例(ランク−1からランク−5)を、それぞれ次の観点でまとめたものである。さらに、図15から図27は、それぞれの表から分光分布とCIELAB色空間を例示したものである。
表10に示された「DuvSSLが−0.0220より小さく、かつ、Acgが−10以下である場合」に相当する比較実験例3、比較実験例4、比較実験例5においては、分光分布とCIELABプロットをそれぞれ図15、図16、図17に例示した。これらには、それぞれ以下の問題があった。
比較実験例3(図15参照)においては、比較視覚実験においては「過剰にけばけばしく見えて」しまった。これらは図15に示したCIELABプロットに示される飽和度向上度合いが過剰であったことに相当していると考えられる。さらに、この本質は、DuvSSLもAcgも過剰に負値であったためと考えられる。
比較実験例4(図16参照)、比較実験例5(図17参照)においては、比較視覚実験で、「一部の色は鮮やかに見えるものの、一部色はくすんで見えて」しまった。これらは、図16、図17に示したCIELABプロットの飽和度向上度合いが、各色票で比較的不均等で、一部色相においては基準の光よりも非飽和傾向となることと一致していると考えられる。また、一部色票においては、色相角が過剰に変化してしまい、色そのものの変化が大きすぎる事も、このような印象に含まれていると考えられる。
その結果としてφSSL−BG−min/φSSL−BM−maxが0.225より小さくなってしまっている場合」と、表12示された「中間波長領域の発光要素として狭帯域緑色蛍光体を用いたために、その結果としてφSSL−BG−min/φSSL−BM−maxが0.225より小さくなってしまっている場合」に関しては、比較実験例7と比較実験例10の分光分布とCIELABプロットをそれぞれ図18と図19に示した。これらには、それぞれ以下の問題があった。
これらの比較視覚実験においては「一部色は過剰にけばけばしく、一部色は過剰にくすんで見え、その差によって色の見えにかなり違和感が生じて」しまった。これらは、図18と図19に示されたCLELABプロットと一致する傾向である。さらに、この本質は、比較実験例7(図18参照)と比較実験例10(図19参照)の通り、青色半導体発光素子に由来する分光分布と、それぞれの中間波長領域における発光を担う蛍光体由来の分光分布との間に出来る「465nm以上525nm以下程度の分光強度が弱い領域」において、その分光強度の低さが過剰であったために、照明対象物の色相によっては、基準の光よりも飽和度が上がり、一方、別の色相では、飽和度が下がることが起きたためと考えられる。また、一部色票においては、色相角が過剰に変化してしまい、色そのものの変化が大きすぎる事も、このような印象に含まれていると考えられる。
逆に、広帯域緑色蛍光体を発光要素として用いると、これらの問題を容易に解決できる事から好ましいと考えられる。
先ず、青色半導体発光素子は、主にサファイア基板上、Si基板上、SiC基板上、GaN基板上にエピタキシャル成長されたAlGaInN系半導体発光素子であるが、これらの内部量子効率は量子井戸層のIn組成、すなわちλCHIP−BM−domに依存する。ここで、例えばInGaN量子井戸層を考える。465nm以上525nm以下に十分な分光強度を有する量子井戸層のIn組成は、最も内部量子効率が高くなる条件と比較すると、これを低減してしまうほどの高濃度となるため、「色の見えと発光装置の光源効率の両立」を図る観点から好ましくない。
さらに、色の見えに関して考えると、λCHIP−BM−domが過剰に長波長化し、φSSL(λ)の短波長領域の適切部分に発光要素由来の分光強度が存在しなくなると、数学的に導出される特定15修正マンセル色票の色の見えは、一部が過剰な飽和傾向となり、また一部が過剰に非飽和傾向となってしまう。具体的には、φSSL−BG−min/φSSL−BM−maxが過剰に小さくなった場合とは異なる色票で、飽和/非飽和の傾向が発生してしまう。よって、φSSL−BG−min/φSSL−BM−maxを過剰に小さくしないために、λCHIP−BM−domを過剰に長波長化とするのは好ましくない。
しかしながら、本実験の発光装置においては、照明対象物の色の見えとともに光源効率の向上も重要であって、過度に発光要素を増やす事は、相互吸収、ストークス損失の増大など光源効率の低下につながる場合もある事から必ずしも好ましくない。この観点では、中間波長領域の発光要素としては、黄色蛍光体あるいは狭帯域緑色蛍光体等を使用して、さらに他の発光要素を加える事は好ましくない。すなわち、本実験の発光装置においては、黄色蛍光体あるいは狭帯域緑色蛍光体等を使用する事は可能ではあるが、必ずしも好ましくなく、中間波長領域の発光要素としては、広帯域緑色蛍光体を用いる事が好ましい。
比較実験例15(図20参照)と、比較実験例18(図22参照)においては、比較視覚実験においては「一部色は過剰にけばけばしく、一部色は過剰にくすんで見え、その差によって色の見えにかなり違和感が生じて」しまった。これらは図20と図22に示したCIELABプロットに示される飽和度変化の度合いが、照明対象物の色相によっては基準の光よりも飽和度が上がり、一方、別の色相では飽和度が下がることと一致していると考えられる。この本質は、φSSL−BG−min/φSSL−BM−maxが過剰に小さい値であったためと考えられる。
Bプロットの飽和度向上度合いが比較的不均等で、一部色相においては基準の光よりも非飽和傾向となることと一致していると考えられる。この本質はλSSL−RM−maxが適切な範囲よりも短波長側となっていたためであると考えられる。また、一部色票においては、色相角が過剰に変化してしまい、色そのものの変化が大きすぎる事も、このような印象に含まれていると考えられる。
なお、同様に、φSSL−BG−min/φSSL−RM−maxも十二分に制御する必要がある。これらφSSL−BG−min/φSSL−BM−maxとφSSL−BG−min/φSSL−RM−maxの適切な範囲は、総じて言えば、本実験の効果を発現するために、発光装置の分光分布φSSL(λ)内の適切な位置に、適切な大きさの凹凸を有するようにする事が肝要である事を示している。
製造方法、及び第三の実施態様に係る発光装置の設計方法に係る上記各パラメータについても、上記第一の実施態様に係る発光装置と同様である。
さらに図14−1と図14−2は、表7の中で、総合判断として「格段に好ましい」と判断された実験例50の結果を上記と同様にまとめたものである。
当該飽和度差ΔCnは、−4.00以上8.00以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、−3.49以上7.11以下を選択することが若干好ましく、
ランク+2から+5の結果より、−3.33以上7.11以下を選択することが好ましく、
ランク+4から+5の結果より、−1.73以上6.74以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、−0.93以上6.74以下を選択することが格段に好ましい。
に分類された結果に照らして、その特徴は以下であると考えられる。
当該SATaveは、0.50以上4.00以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、0.53以上3.76以下を選択することが若干好ましく、
ランク+2から+5の結果より、1.04以上3.76以下を選択することが好ましく、
ランク+3から+5の結果より、1.11以上3.76以下を選択することがより好ましく、
ランク+4から+5の結果より、1.40以上3.76以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、1.66以上3.76以下を選択することが格段に好ましい。
当該差|ΔCmax−ΔCmin|は、2.00以上10.00以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、3.22以上9.52以下を選択することが若干好ましく、
ランク+4から+5の結果より、4.12以上7.20以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、4.66以上7.10以下を選択することが格段に好ましい。
当該色相角差の絶対値|Δhn|は、0.00以上12.50以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、0.00以上12.43以下を選択することが若干好ましく、
ランク+2から+5の結果より、0.01以上12.43以下を選択することが好ましく、
ランク+3から+5の結果より、0.02以上12.43以下を選択することがより好ましく、
ランク+4から+5の結果より、0.02以上9.25以下を選択することが非常に好ましい。
0.00以上12.43以下を選択することがより好ましく、
0.00以上9.25以下を選択することが非常に好ましく、さらには、
0.00以上7.00以下を選択することがより非常に好ましく、
0.00以上5.00以下を選択することがさらに非常に好ましいと考えられる。
当該指標は、−10.0より大きく120.0以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、−4.6以上116.3以下を選択することが若干好ましく、
ランク+3から+5の結果より、−4.6以上87.7以下を選択することがより好ましく、
ランク+4から+5の結果より、−4.6以上70.9以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、−1.5以上26.0以下を選択することが格段に好ましい。
当該距離DuvSSLは、−0.0220以上−0.0070以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、−0.0212以上−0.0071以下を選択することが若干好ましく、
ランク+3から+5の結果より、−0.0184以上−0.0084以下を選択することがより好ましく、
ランク+4から+5の結果より、−0.0161以上−0.0084以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、−0.0145以上−0.0085以下を選択することが格段に好ましい。
なお、全体の傾向からDuvSSLは、−0.0145以上−0.0090以下を選択することがさらに格段に好ましく、−0.0140以上−0.0100未満を選択することがよりさらに格段に好ましく、−0.0135以上−0.0120未満を選択することがなおよりさらに格段に好ましいと考え得る。
当該値φSSL−BG−min/φSSL−BM−maxは、0.2250以上0.7000以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、0.2278以上0.6602以下を選択することが若干好ましく、
ランク+4から+5の結果より、0.2427以上0.6225以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、0.2427以上0.5906以下を選択することが格段に好ましい。
当該波長λSSL−RM−maxは、605nm以上653nm以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、606nm以上652nm以下を選択することが若干好ましく、
ランク+3から+5の結果より、607nm以上647nm以下を選択することがより好ましく、
ランク+4から+5の結果より、622nm以上647nmを選択することが非常に好ましい。また、ここまでの傾向から、λSSL−RM−maxは625nm以上647nm以下を選択する事がさらに非常に好ましいと考え得る。
加えて、ランク+5の結果より、630nm以上647nm以下を選択することが格段に好ましい。
さらに、全体の傾向から、λSSL−RM−maxは631nm以上647nm以下を選択する事がさらに格段に好ましいと考え得る。
これらの傾向は、本実施態様の発光装置においては、分光分布φSSL(λ)の適切な位置に適切な大きさの凹凸を有するようにするために必要と考えられる傾向である。
当該波長λSSL−BM−maxは、430nm以上480nm以下を選択可能であっ
て、
実験例全体の結果より、440nm以上460nm以下を選択することが若干好ましく、
ランク+4から+5の結果より、447nm以上460nmを選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、450nm以上457nm以下を選択することが格段に好ましい。
さらに、全体の傾向から、λSSL−BM−maxは451nm以上456nm以下を選択する事がさらに格段に好ましいと考え得る。
これらの傾向は、本実施態様の発光装置においては、分光分布φSSL(λ)の適切な位置に適切な大きさの凹凸を有するようにするために必要と考えられる傾向である。
当該値φSSL−BG−min/φSSL−RM−maxは、0.1800以上0.8500以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、0.1917以上0.8326以下を選択することが若干好ましく、
ランク+3から+5の結果より、0.1917以上0.6207以下を選択することがより好ましく、
ランク+4から+5の結果より、0.1917以上0.6202以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、0.1917以上0.5840以下を選択することが格段に好ましい。
また、全体の傾向から、φSSL−BG−min/φSSL−RM−maxは、0.1917以上0.7300以下を選択することは好ましいと考え得る。
これらの傾向は、本実施態様の発光装置においては、分光分布φSSL(λ)の適切な位置に適切な大きさの凹凸を有するようにするために必要と考えられる傾向である。
当該放射効率K(lm/W)は、210.0(lm/W)以上290.0(lm/W)以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、212.2(lm/W)以上286.9(lm/W)以下を選択することが若干好ましく、
ランク+2から+5の結果より、212.2(lm/W)以上282.3(lm/W)以下を選択することが好ましく、
ランク+4から+5の結果より、212.2(lm/W)以上261.1(lm/W)以下を選択することが非常に好ましく、
ランク+5の結果より、212.2(lm/W)以上256.4(lm/W)以下を選択することが格段に好ましい。
当該相関色温度TSSL(K)は、2600(K)以上7700(K)以下を選択可能であって、
実験例全体の結果より、2644(K)以上7613(K)以下を選択することが若干好ましく、
ランク+4から+5の結果より、2644(K)以上6797(K)以下を選択するこ
とが非常に好ましい。
以下、本発明に係る実験について説明する。
先ず、図30に示された分光透過特性を有する光学フィルターを準備した。また、発光要素として青色LED、LuAG蛍光体、CASN蛍光体を有するパッケージLEDを準備し、これらを6個、LEDボードに搭載し、LEDモジュールを作製した。この際に、当該LEDモジュールから軸上に放射された光の最大分光放射束で規格化した分光分布を図31中に点線で示した。また、図32には同分光分布と、#01から#15の15種類の修正マンセル色票を照明対象物とした場合を数学的に仮定し、当該LEDモジュールで照明した場合と、当該LEDモジュールの相関色温度から導出される基準の光で照明した場合のa*値、b*値をそれぞれ示したCIELABプロットも示した。さらに、この時の測光学的特性、測色学的特性を、表16中の参考実施例1にまとめた。ここで、当該参考実施例1に係るLEDモジュールから軸上に出射された光は、各値から明らかな様に、良好な色の見えを実現していた。
次に、当該LEDモジュールを用いて実施例1に係るLED照明器具を作製した。この際に、図30に示した分光透過特性を有する光学フィルターを光の出射方向に搭載した。図31中の実線は、前記LEDモジュールから軸上に放射された光の最大分光放射束で規格化した、実施例1に係るLED照明器具の分光分布である。ここでは、実施例1に係るLED照明器具の分光分布には、前記光学フィルターの特性によって、凹凸が付加されていることが分かる。また、図32には同分光分布と、#01から#15の15種類の修正マンセル色票を照明対象物とした場合を数学的に仮定し、当該実施例1に係るLED照明器具で照明した場合と、当該LED照明器具の相関色温度から導出される基準の光で照明した場合のa*値、b*値をそれぞれ示したCIELABプロットも示した。さらに、この時の測光学的特性、測色学的特性は、表16中の実施例1にまとめた。
当該実施例1に係る照明器具のDuv(φSSL)は−0.0076であって、当該参考実施例1に係るLEDモジュールのDuv(Φelm)である−0.0072から0.0004低減した。当該実施例1に係る照明器具のAcg(φSSL)は6.1であって、当該参考実施例1に係るLEDモジュールのAcg(Φelm)である70.9から64.8低減した。また、当該実施例1に係る照明器具のSATave(φSSL)は2.59であって、当該参考実施例1に係るLEDモジュールのSATave(Φelm)である1.67から0.92増加し、同一照度で観測した際に、より鮮やかで、より良好な色の見えとなった。
先ず、図33に示された分光透過特性を有する光学フィルターを準備した。また、発光要素として青色LED、LuAG蛍光体、SCASN蛍光体を有するパッケージLEDを作製した。さらにこれらパッケージLEDを12個、LEDボードに搭載し、LEDモジュールを作製した。この際に、当該LEDモジュールから軸上に放射された光の最大分光放射束で規格化した分光分布は図34中に点線で示した。また、図35には同分光分布と、#01から#15の15種類の修正マンセル色票を照明対象物とした場合を数学的に仮定し、当該LEDモジュールで照明した場合と、当該LEDモジュールの相関色温度から導出される基準の光で照明した場合のa*値、b*値をそれぞれ示したCIELABプロッ
トも示した。さらに、この時の測光学的特性、測色学的特性を、表17中の参考比較例1にまとめた。ここで、当該参考比較例1に係るLEDモジュールから軸上に出射された光は、各値から明らかな様に、良好な色の見えを実現できなかった。
次に、当該LEDモジュールを用いて実施例2に係るLED照明器具を作製した。この際に、図33に示した光学フィルターを光の出射方向に搭載した。図34中の実線は、前記LEDモジュールから軸上に放射された光の最大分光放射束で規格化した、実施例2に係るLED照明器具の分光分布である。ここでは、実施例2に係るLED照明器具の分光分布中には、前記光学フィルターの特性によって、LED発光に由来する放射束の相対強度が変化し、かつ、凹凸が付加されることが分かる。また、図35には同分光分布と、#01から#15の15種類の修正マンセル色票を照明対象物とした場合を数学的に仮定し、当該実施例2に係るLED照明器具で照明した場合と、当該LED照明器具の相関色温度から導出される基準の光で照明した場合のa*値、b*値をそれぞれ示したCIELABプロットも示した。さらに、この時の測光学的特性、測色学的特性は、表17中の実施例2にまとめた。
当該実施例2に係る照明器具のDuv(φSSL)は−0.0073であって、当該参考比較例1に係るLEDモジュールのDuv(Φelm)である−0.0040から0.0033低減した。当該実施例2に係る照明器具のAcg(φSSL)は48.4であって、当該参考比較例1に係るLEDモジュールのAcg(Φelm)である122.3から73.9低減した。また、当該照明器具のSATave(φSSL)は2.15であって、当該参考比較例1に係るLEDモジュールのSATave(Φelm)である−0.47から2.62増加した。
これらの結果、良好な色の見えを実現できていない半導体発光素子、パッケージLED、LEDモジュールを用いた照明器具であっても、制御要素の光学特性によって、良好な色の見えを実現可能なLED照明器具が実現可能となる。
先ず、図36に示した分光透過特性を有する光学フィルターを準備する。また、発光要素として青LED、YAG蛍光体、SCASN蛍光体を有するパッケージLEDを準備し、これらを18個、LEDボードに搭載し、LEDモジュールを作製する。この際に、当該LEDモジュールから軸上に放射された光の最大分光放射束で規格化した分光分布は図37中に点線で示したようになる。また、図38には同分光分布と、#01から#15の15種類の修正マンセル色票を照明対象物とした場合を数学的に仮定し、当該LEDモジュールで照明する場合と、当該LEDモジュールの相関色温度から導出される基準の光で照明する場合のa*値、b*値をそれぞれ示したCIELABプロットも示した。さらに
、この時の測光学的特性、測色学的特性を、表18中の参考比較例2にまとめた。ここで、当該参考比較例2に係るLEDモジュールから軸上に出射された光は、各値から明らかな様に、良好な色の見えを実現できていない。
当該実施例3に係る照明器具のDuv(φSSL)は−0.0123であって、当該参考比較例2に係るLEDモジュールのDuv(Φelm)である−0.0117から0.0006低減する。当該実施例3に係る照明器具のAcg(φSSL)は66.9であって、当該参考比較例2に係るLEDモジュールのAcg(Φelm)である103.5から36.6低減する。また、当該実施例3に係る照明器具のSATave(φSSL)は2.29であって、当該参考比較例2に係るLEDモジュールのSATave(Φelm)である0.99から1.30増加し、同一照度で観測する際に、より鮮やかで、より良好な色の見えとなる。
発光要素として、参考比較例2と同様に、青色LED、YAG蛍光体、SCASN蛍光体を有するパッケージLEDを準備した以外は、実施例1と同様にして比較例1に係るLED照明装置を作製した。
実施例1と同様の、図30に示した光学フィルターを搭載して作成した比較例1に係るLED照明器具の特性は、以下の通りであった。図39中の実線は、前記LEDモジュールから軸上に放射された光の最大分光放射束で規格化した、比較例1に係るLED照明器具の分光分布である。ここでは、比較例1に係るLED照明器具の分光分布中には、前記光学フィルターの特性によって、凹凸が付加されることが分かる。また、図40には同分光分布と、#01から#15の15種類の修正マンセル色票を照明対象物とした場合を数学的に仮定し、当該比較例1に係るLED照明器具で照明した場合と、当該LED照明器具の相関色温度から導出される基準の光で照明した場合のa*値、b*値をそれぞれ示したCIELABプロットも示す。さらに、この時の測光学的特性、測色学的特性は、表18中の比較例1にまとめる。
当該比較例1に係る照明器具のDuv(φSSL)は−0.0112であって、当該参考比較例2に係るLEDモジュールのDuv(Φelm)である−0.0117から0.0005増加した。当該比較例1に係る照明器具のAcg(φSSL)は115.2であって、当該参考比較例2に係るLEDモジュールのAcg(Φelm)である103.5から11.7増加した。また、当該比較例1に係る照明器具のSATave(φSSL)は1.59であって、当該参考比較例2に係るLEDモジュールのSATave(Φelm)である0.99から0.60増加した。
これらの結果、特定の発光要素と組み合わせた場合に良好な色の見えを実現可能な制御要素であっても、他の半導体発光素子、パッケージLED、LEDモジュールを用いた照明器具に組み合わせた場合に、良好な色の見えを実現できない場合もあることが分かる。
以上の実験結果から、以下に示す発明事項を導き出すことができる。
第一に、参考比較例1及び実施例2の結果、また、参考比較例2及び実施例3の結果を考察することにより、良好な色の見えを実現できていない参考比較例1、参考比較例2に係る発光装置(本発明においては発光要素として把握される)に対し、適切な制御要素を配置することで、良好な色の見えを実現できる実施例2、実施例3に係る発光装置をそれぞれ実現することができる。
つまりは、発光要素と制御要素とを有する発光装置であって、少なくとも、発光要素として、青色半導体発光素子、緑色蛍光体、および、赤色蛍光体を有し、波長をλ(nm)
とし、当該発光要素から主たる放射方向に出射される光の分光分布をΦelm(λ)、当該発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布をφSSL(λ)とし、Φelm(λ)を有する光は下記条件1〜条件4の少なくともいずれかを満たさず、φSSL(λ)を有する光は下記条件1〜条件4のすべてを満たす場合、良好な色の見えを実現できていない発光装置(発光要素)が、制御要素により、良好な色の見えを実現できる発光装置となる。
特に、既に市中に頒布されている、良好な色の見えを実現できていないLED照明装置に対し、特定の制御要素を配置することで、本実施態様に係る良好な色の見えを実現できる発光装置とすることが可能となる。
条件1:
対象となる光の分光分布をφ(λ)、対象となる光の相関色温度Tに応じて選択される基準の光の分光分布をφref(λ)、
対象となる光の三刺激値を(X、Y、Z)、
前記相関色温度Tに応じて選択される基準の光の三刺激値を(Xref、Yref、Zref)とし、
対象となる光の規格化分光分布S(λ)と、対象となる光の基準の光の規格化分光分布Sref(λ)と、これら規格化分光分布の差ΔS(λ)をそれぞれ、
S(λ)=φ(λ)/Y
Sref(λ)=φref(λ)/Yref
ΔS(λ)=Sref(λ)−S(λ)
と定義し、
波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλRL−max(nm)とした際に、前記λRL−maxよりも長波長側にS(λRL−max)/2となる波長Λ4が存在する場合においては、
下記数式(1)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
であり、
一方、波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλRL−max(nm)とした際に、前記λRL−maxよりも長波長側にS(λRL−max)/2となる波長Λ4が存在しない場合においては、
下記数式(2)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
である。
条件2:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、ANSI C78.377で定義される黒体放射
軌跡からの距離Duvが、
−0.0220 ≦ Duv ≦ −0.0070
である。
条件3:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値をφBM−max、465nm以上525nm以下の範囲における分光強度の最小値をφBG−minと定義した際に、
0.2250 ≦ φBG−min/φBM−max ≦ 0.7000
である。
条件4:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、590nm以上780nm以下の範囲における分光強度の最大値をφRM−maxと定義した際に、前記φRM−maxを与える波長λRM−maxが、
605(nm) ≦ λRM−max ≦ 653(nm)
である。
条件I:
対象となる光による照明を数学的に仮定した場合の#01から#15の下記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* n、b* n(ただしnは1から15の自然数)とし、
対象となる光の相関色温度T(K)に応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* nref、b* nref(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、飽和度差ΔCnが、
−4.00 ≦ ΔCn ≦ 8.00 (nは1から15の自然数)
である。
条件II:
下記式(3)で表される対象となる光における飽和度差の平均が、
条件III:
対象となる光における飽和度差の最大値をΔCmax、対象となる光における飽和度差
の最小値をΔCminとした場合に、前記飽和度差の最大値と、前記飽和度差の最小値との間の差|ΔCmax−ΔCmin|が、
2.00 ≦ |ΔCmax−ΔCmin| ≦ 10.00
である。
ただし、ΔCn=√{(a* n)2+(b* n)2}−√{(a* nref)2+(b* nref)2}とする。
15種類の修正マンセル色票
#01 7.5 P 4 /10
#02 10 PB 4 /10
#03 5 PB 4 /12
#04 7.5 B 5 /10
#05 10 BG 6 / 8
#06 2.5 BG 6 /10
#07 2.5 G 6 /12
#08 7.5 GY 7 /10
#09 2.5 GY 8 /10
#10 5 Y 8.5/12
#11 10 YR 7 /12
#12 5 YR 7 /12
#13 10 R 6 /12
#14 5 R 4 /14
#15 7.5 RP 4 /12
条件IV:
対象となる光による照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθn(度)(ただしnは1から15の自然数)とし、
対象となる光の相関色温度Tに応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθnref(度)(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、色相角差の絶対値|Δhn|が、
0.00 度 ≦ |Δhn| ≦ 12.50 度 (nは1から15の自然数)
である。
ただし、Δhn=θn−θnrefとする。
つまりは、発光要素と制御要素とを有する発光装置であって、少なくとも、発光要素として、青色半導体発光素子、緑色蛍光体、および、赤色蛍光体を有し、波長をλ(nm)とし、当該発光要素から主たる放射方向に出射される光の分光分布をΦelm(λ)、当該発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布をφSSL(λ)とし、Φelm(λ)を有する光は上記条件1〜条件4のすべてを満たし、φSSL(λ)を有する光は上記条件1〜条件4のすべてを満たす場合、良好な色の見えを実現できる発光装置(発光要素)が、制御要素により、更に良好な色の見えを実現できる発光装置となる。
特に、照明用途に利用した際に色の見えに優れる半導体発光装置においても、利用者の嗜好に応じて、さらに色の見えを調整することが可能となる。
また、Φelm(λ)を有する光は上記条件I〜条件IVのすべてを満たし、φSSL(λ)を有する光は上記条件I〜条件IVのすべてを満たす態様が好ましい。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)において、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。
尚、このとき、Φelm(λ)を有する光は下記条件6〜条件8の少なくとも1つを満たし、φSSL(λ)を有する光は前記Φelm(λ)を有する光が満たす条件と同一の条件を満たすことを特徴とする発光装置であってもよい。
条件6:
対象となる光の分光分布φ(λ)は
0.1800 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.8500
である。
条件7:
対象となる光の分光分布φ(λ)から導出される波長380nm以上780nm以下の範囲の放射効率K(lm/W)が
210.0 lm/W ≦ K ≦ 290.0 lm/W
である。
条件8:
対象となる光の相関色温度T(K)が
2600 K ≦ T ≦ 7700 K
である。
条件6:
対象となる光の分光分布φ(λ)は
0.1800 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.8500
である。
0.1917 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.7300
であることを特徴とする発光装置であることがさらに好ましい。
尚、このとき、Φelm(λ)を有する光は下記条件5、条件7、及び条件8の少なくとも1つを満たし、φSSL(λ)を有する光は前記Φelm(λ)を有する光が満たす
条件と同一の条件を満たすことを特徴とする発光装置であってもよい。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)において、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。
条件7:
対象となる光の分光分布φ(λ)から導出される波長380nm以上780nm以下の範囲の放射効率K(lm/W)が
210.0 lm/W ≦ K ≦ 290.0 lm/W
である。
条件8:
対象となる光の相関色温度T(K)が
2600 K ≦ T ≦ 7700 K
である。
条件7:
対象となる光の分光分布φ(λ)から導出される波長380nm以上780nm以下の範囲の放射効率K(lm/W)が
210.0 lm/W ≦ K ≦ 290.0 lm/W
である。
尚、このとき、Φelm(λ)を有する光は下記条件5、条件6、及び条件8の少なくとも1つを満たし、φSSL(λ)を有する光は前記Φelm(λ)を有する光が満たす条件と同一の条件を満たすことを特徴とする発光装置であってもよい。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)において、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。
条件6:
対象となる光の分光分布φ(λ)は
0.1800 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.8500
である。
条件8:
対象となる光の相関色温度T(K)が
2600 K ≦ T ≦ 7700 K
である。
条件8:
対象となる光の相関色温度T(K)が
2600 K ≦ T ≦ 7700 K
である。
尚、このとき、Φelm(λ)を有する光は下記条件5〜条件7の少なくとも1つを満たし、φSSL(λ)を有する光は前記Φelm(λ)を有する光が満たす条件と同一の条件を満たすことを特徴とする発光装置であってもよい。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)において、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。
条件6:
対象となる光の分光分布φ(λ)は
0.1800 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.8500
である。
条件7:
対象となる光の分光分布φ(λ)から導出される波長380nm以上780nm以下の範囲の放射効率K(lm/W)が
210.0 lm/W ≦ K ≦ 290.0 lm/W
である。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)において、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。
条件6:
対象となる光の分光分布φ(λ)は
0.1800 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.8500
である。
条件7:
対象となる光の分光分布φ(λ)から導出される波長380nm以上780nm以下の範囲の放射効率K(lm/W)が
210.0 lm/W ≦ K ≦ 290.0 lm/W
である。
条件8:
対象となる光の相関色温度T(K)が
2600 K ≦ T ≦ 7700 K
である。
すなわち、発光要素と制御要素とを有する発光装置の製造方法であって、少なくとも、発光要素として、青色半導体発光素子、緑色蛍光体、および、赤色蛍光体を有する第一の発光装置を準備する工程、及び第一の発光装置から主たる放射方向に出射される光の少なくとも一部が通過するように制御要素を配置し、第二の発光装置を製造する工程、を含み、波長をλ(nm)とし、当該第一の発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布をΦelm(λ)、当該第二の発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布をφSSL(λ)とし、Φelm(λ)を有する光は上記条件1〜条件4の少なくともいずれかを満たさず、φSSL(λ)を有する光は上記条件1〜条件4のすべてを満たすことを特徴とする発光装置の製造方法である。
特に、既に市中に頒布された、良好な色の見えを実現できていないLED照明装置に対して、特定の制御要素を配置する工程を実施し、本実施態様に係る良好な色の見えを実現できる発光装置を製造することは、本発明の技術的範囲に属するものである。
すなわち、発光要素と制御要素とを有する発光装置の設計方法であって、当該発光装置は、少なくとも、発光要素として、青色半導体発光素子、緑色蛍光体、および、赤色蛍光体を有し、波長をλ(nm)とし、当該発光要素から主たる放射方向に出射される光の分光分布をΦelm(λ)、当該発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布をφSSL(λ)とし、Φelm(λ)を有する光は上記条件1〜条件4の少なくともいずれかを満たさず、φSSL(λ)を有する光は上記条件1〜条件4のすべてを満たすように設計することを特徴とする発光装置の設計方法である。
すなわち、照明対象物を準備する照明対象物準備工程、および、発光要素である半導体発光素子と制御要素を含む発光装置から出射される光により対象物を照明する照明工程、を含む照明方法であって、当該発光装置は、少なくとも、発光要素として、青色半導体発光素子、緑色蛍光体、および、赤色蛍光体を有し、前記照明工程において、前記発光要素から出射される光が対象物を照明した際に、前記対象物の位置で測定した光が、少なくと
も以下の<1>〜<4>のいずれか1つを満たさず、前記発光装置から出射される光が対象物を照明した際に、前記対象物の位置で測定した光が以下の<1>〜<4>をすべて満たすように照明することを特徴とする照明方法である。
このような<1>〜<4>は、既に述べた実験例より導き出される条件である。
<1>
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光による照明を数学的に仮定した場合の#01から#15の下記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* nSSL、b* nSSL(ただしnは1から15の自然数)とし、
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光の相関色温度TSSL(K)に応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* nref、b* nref(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、飽和度差ΔCnが、
−4.00 ≦ ΔCn ≦ 8.00 (nは1から15の自然数)
である。
<2>
下記式(3)で表される前記飽和度差の平均が、
<3>
前記飽和度差の最大値をΔCmax、前記飽和度差の最小値をΔCminとした場合に、前記飽和度差の最大値と、前記飽和度差の最小値との間の差|ΔCmax−ΔCmin|が、
2.00 ≦ |ΔCmax−ΔCmin| ≦ 10.00
である。
ただし、ΔCn=√{(a* nSSL)2+(b* nSSL)2}−√{(a* nref)2+(b* nref)2}とする。
15種類の修正マンセル色票
#01 7.5 P 4 /10
#02 10 PB 4 /10
#03 5 PB 4 /12
#04 7.5 B 5 /10
#05 10 BG 6 / 8
#06 2.5 BG 6 /10
#07 2.5 G 6 /12
#08 7.5 GY 7 /10
#09 2.5 GY 8 /10
#10 5 Y 8.5/12
#11 10 YR 7 /12
#12 5 YR 7 /12
#13 10 R 6 /12
#14 5 R 4 /14
#15 7.5 RP 4 /12
<4>
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光による照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθnSSL(度)(ただしnは1から15の自然数)とし、
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光の相関色温度TSSLに応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθnref(度)(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、色相角差の絶対値|Δhn|が、
0.00 度 ≦ |Δhn| ≦ 12.50 度 (nは1から15の自然数)
である。
ただし、Δhn=θnSSL−θnrefとする。
<5>
波長をλとし、前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光の分光分布をφSSL(λ)、
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光の相関色温度TSSLに応じて選択される基準の光の分光分布をφref(λ)、
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光の三刺激値を(XSSL、YSSL、ZSSL)、
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光のTSSLに応じて選択される基準の光の三刺激値を(Xref、Yref、Zref)とし、
前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光の規格化分光分布SSSL(λ)と、前記対象物の位置で測定した前記発光装置から出射される光のTSSL(K)に応じて選択される基準の光の規格化分光分布Sref(λ)と、これら規格化分光分布の差ΔS(λ)をそれぞれ、
SSSL(λ)=φSSL(λ)/YSSL
Sref(λ)=φref(λ)/Yref
ΔS(λ)=Sref(λ)−SSSL(λ)
と定義し、
波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記SSSL(λ)の最長波長極大値を与える波長をλSSL−RL−max(nm)とした際に、前記λSSL−RL−maxよりも長波長側にSSSL(λSSL−RL−max)/2となる波長Λ4が存在する場合においては、
下記数式(1)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
であり、
一方、波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記SSSL(λ)の最長波長極大値を与える波長をλSSL−RL−max(nm)とした際に、前記λSSL−RL−
maxよりも長波長側にSSSL(λSSL−RL−max)/2となる波長Λ4が存在しない場合においては、
下記数式(2)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
である。
前記光の分光分布φSSL(λ)は、ANSI C78.377で定義される黒体放射軌跡からの距離DuvSSLが、
−0.0220 ≦ DuvSSL ≦ −0.0070
である。
<7>
前記光の分光分布φSSL(λ)は、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値をφSSL−BM−max、465nm以上525nm以下の範囲における分光強度の最小値をφSSL−BG−minと定義した際に、
0.2250 ≦ φSSL−BG−min/φSSL−BM−max ≦ 0.7000
である。
<8>
前記光の分光分布φSSL(λ)は、590nm以上780nm以下の範囲における分光強度の最大値をφSSL−RM−maxと定義した際に、前記φSSL−RM−maxを与える波長λSSL−RM−maxが、
605(nm) ≦ λSSL−RM−max ≦ 653(nm)
である。
また、発光装置から出射される光が<5>〜<8>を満たすように照明する態様が好ましい。
なお、上述した諸条件を満たし、本実施態様の効果が得られる場合には、当該3波長領域の中の2領域には1種類ずつ、他の1領域は複数の発光要素(発光材料)を有していてもよく、さらに、当該3波長領域中の1領域には1種類の、他の2領域は複数の発光要素(発光材料)を有していてもよく、当該3波長領域のすべてにおいて、複数の発光要素を有していてもよい。
半導体発光素子としては、サファイア基板上やGaN基板上に形成されたIn(Al)GaN系材料を活性層構造中に含む青色発光素子が好ましい。また、GaAs基板上に形成されたZn(Cd)(S)Se系材料を活性層構造中に含む青色発光素子も好ましい(好ましいピーク波長は、既に説明したとおりである。)。
以下に述べる半導体発光素子や蛍光体等の発光要素(発光材料)の呈する放射束の分光分布やそのピーク波長についても、同様のことが言える。
したがって、青色発光素子(例えば、発振波長が445nmから485nm程度の青色半導体レーザ等)等の青色発光要素を用いる本実施態様では、380nm以上405nm以下の範囲における発光要素由来の強度が上記相対強度の範囲内であれば、発光要素由来のノイズとして強度を有してもよい。
半導体発光素子としては、サファイア基板上あるいはGaN基板上のIn(Al)GaN系材料を活性層構造中に含む青緑発光素子(ピーク波長が495nmから500nm程度)、緑色発光素子(ピーク波長が500nmから530nm程度)、黄緑色発光素子(ピーク波長が530nmから570nm程度)、黄色発光素子(ピーク波長が570nmから580nm程度)などを挙げることができる。また、GaP基板上のGaPによる黄緑色発光素子(ピーク波長が530nmから570nm程度)、GaP基板上のGaAsPによる黄色発光素子(ピーク波長が570nmから580nm程度)などを挙げることができる。さらに、GaAs基板上のAlInGaPによる黄色発光素子(ピーク波長が570nmから580nm程度)などを挙げることができる。
Ya(Ce,Tb,Lu)b(Ga,Sc)cAldOe (4)
(一般式(4)において、a、b、c、d、eが、a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0.1≦c≦2.6、および10.8≦e≦13.4を満たす。)(一般式(4)で表されるCe3+付活アルミン酸塩蛍光体をG−YAG蛍光体と呼ぶ。)
特にG−YAG蛍光体においては、一般式(4)を満たす前記組成範囲を適宜選択可能である。さらに、蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−GM−maxと半値全幅WPHOS−GM−fwhmが、本実施態様の発光装置において好ましくなるのは以下の範囲である。
0.01≦b≦0.05かつ0.1≦c≦2.6である事が好ましく、
0.01≦b≦0.05かつ0.3≦c≦2.6である事がより好ましく、
0.01≦b≦0.05かつ1.0≦c≦2.6である事が非常に好ましい。
また、
0.01≦b≦0.03かつ0.1≦c≦2.6である事も好ましく、
0.01≦b≦0.03かつ0.3≦c≦2.6である事がより好ましく、
0.01≦b≦0.03かつ1.0≦c≦2.6である事が非常に好ましい。
Lua(Ce,Tb,Y)b(Ga,Sc)cAldOe (5)
(一般式(5)において、a、b、c、d、eが、a+b=3、0≦b≦0.2、4.5≦c+d≦5.5、0≦c≦2.6、および10.8≦e≦13.4を満たす。)(一般式(5)で表されるCe3+付活イットリウムアルミニウム酸化物系蛍光体をLuAG蛍光体と呼ぶ。)
特にLuAG蛍光体においては、一般式(5)を満たす前記組成範囲を適宜選択可能である。さらには、蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−GM−maxと半値全幅WPHOS−GM−fwhmが、本実施態様の発光装置において好ましくなるのは以下の範囲である。
0.00≦b≦0.13である事が好ましく、
0.02≦b≦0.13である事がより好ましく、
0.02≦b≦0.10である事が非常に好ましい。
M1 aM2 bM3 cOd (6)
(一般式(6)において、M1は2価の金属元素、M2は3価の金属元素、M3は4価の金属元素をそれぞれ示し、a、b、cおよびdが、2.7≦a≦3.3、1.8≦b≦2.2、2.7≦c≦3.3、11.0≦d≦13.0を満たす。)(一般式(6)で表される蛍光体をCSMS蛍光体と呼ぶ。)
r、Cd、及びBaからなる群から選択された少なくとも1種であるのが好ましく、Mg、Ca、又はZnであるのが更に好ましく、Caが特に好ましい。この場合、Caは単独系でもよく、Mgとの複合系でもよい。また、M1は他の2価の金属元素を含んでいてもよい。
M2は3価の金属元素であるが、Al、Sc、Ga、Y、In、La、Gd、及びLuからなる群から選択された少なくとも1種であるのが好ましく、Al、Sc、Y、又はLuであるのが更に好ましく、Scが特に好ましい。この場合、Scは単独系でもよく、YまたはLuとの複合系でもよい。また、M2はCeを含むことを必須とし、M2は他の3
価の金属元素を含んでいてもよい。
M3は4価の金属元素であるが、少なくともSiを含むことが好ましい。Si以外の4価の金属元素M3の具体例としては、Ti、Ge、Zr、Sn、及びHfからなる群から選択された少なくとも1種であるのが好ましく、Ti、Zr、Sn、及びHfからなる群から選択された少なくとも1種であるのがより好ましく、Snであることが特に好ましい。特に、M3がSiであることが好ましい。また、M3は他の4価の金属元素を含んでいてもよい。
M1 aM2 bM3 cOd (7)
(一般式(7)において、M1は少なくともCeを含む付活剤元素、M2は2価の金属元素、M3は3価の金属元素をそれぞれ示し、a、b、cおよびdが、0.0001≦a≦0.2、0.8≦b≦1.2、1.6≦c≦2.4、および3.2≦d≦4.8を満たす。)(一般式(7)で表される蛍光体をCSO蛍光体と呼ぶ。)
M2は2価の金属元素であるが、Mg、Ca、Zn、Sr、Cd、及びBaからなる群から選択された少なくとも1種であるのが好ましく、Mg、Ca、又は、Srであるのが更に好ましく、M2の元素の50モル%以上がCaであることが特に好ましい。
M3は3価の金属元素であるが、Al、Sc、Ga、Y、In、La、Gd、Yb、及びLuからなる群から選択された少なくとも1種であるのが好ましく、Al、Sc、Yb、又はLuであるのが更に好ましく、Sc、又はScとAl、又はScとLuであるのがより一層好ましく、M3の元素の50モル%以上がScであることが特に好ましい。
M2及びM3は、それぞれ2価及び3価の金属元素を表すが、M2及び/又はM3のごく一部を1価、4価、5価のいずれかの価数の金属元素としてもよく、さらに、微量の陰イオン、たとえば、ハロゲン元素(F、Cl、Br、I)、窒素、硫黄、セレンなどが、化合物の中に含まれていてもよい。
0.005≦a≦0.200である事が好ましく、
0.005≦a≦0.012である事がより好ましく、
0.007≦a≦0.012である事が非常に好ましい。
BaaCabSrcMgdEuxSiO4 (8)
(一般式(8)においてa、b、c、dおよびxが、a+b+c+d+x=2、1.0
≦ a ≦ 2.0、0 ≦ b < 0.2、0.2 ≦ c ≦1,0、0 ≦ d < 0.2および0 < x ≦ 0.5を満たす。)(一般式(8)で表されるアルカリ土類ケイ酸塩蛍光体をBSS蛍光体と呼ぶ。)
BSS蛍光体においては、一般式(8)を満たす前記組成範囲を適宜選択可能である。さらには、蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−GM−maxと半値全幅WPHOS−GM−fwhmが、本実施態様の発光装置において好ましくなるのは以下の範囲である。
0.20≦ c ≦ 1.00かつ0.25<x ≦ 0.50である事がより好ましく、
0.20≦ c ≦ 1.00かつ0.25<x ≦ 0.30である事が非常に好ましい
。
さらに、
0.50≦ c ≦ 1.00かつ0.00<x ≦ 0.50である事が好ましく、
0.50≦ c ≦ 1.00かつ0.25<x ≦ 0.50である事がより好ましく、
0.50≦ c ≦ 1.00かつ0.25<x ≦ 0.30である事が非常に好ましい
。
(Ba,Ca,Sr,Mg,Zn,Eu)3Si6O12N2 (9)
(これをBSON蛍光体と呼ぶ)。
BSON蛍光体においては、一般式(9)を満たす前記組成範囲を適宜選択可能である。さらには、蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−GM−maxと半値全幅WPHOS−GM−fwhmが、本実施態様の発光装置において好ましくなるのは以下の範囲である。
一般式(9)において選択できる2価金属元素(Ba,Ca,Sr,Mg,Zn,Eu
)のうち、BaとSrとEuの組合せとすることが好ましく、さらには、Baに対するSrの比率は10〜30%とすることがより好ましい。
よって、本実施態様の発光装置においては、黄色蛍光体あるいは狭帯域緑色蛍光体等を、他の半導体発光素子、広帯域蛍光体等と組み合わせて使用する事は可能ではあるが、必ずしも好ましくない。中間波長領域の発光要素としては、広帯域緑色蛍光体を用いる事が好ましい。
半導体発光素子としては、GaAs基板上に形成されたAlGaAs系材料、GaAs基板上に形成された(Al)InGaP系材料を活性層構造中に含む橙発光素子(ピーク波長が590nmから600nm程度)、赤色発光素子(600nmから780nm)などを挙げることができる。また、GaP基板上に形成されたGaAsP系材料を活性層構造中に含む赤色発光素子(600nmから780nm)などを挙げることができる。
n≦7)などが挙げられる。この中でも、AがK(カリウム)またはNa(ナトリウム)から選ばれる1種以上で、MがSi(ケイ素)またはTi(チタン)であるもの、例えば、K2SiF6:Mn(これをKSF蛍光体と呼ぶ)、この構成元素の一部(好ましくは10モル%以下)をAlとNaで置換したK2Si1−xNaxAlxF6:Mn、K2TiF6:Mn(これをKSNAF蛍光体と呼ぶ)などが挙げられる。
(La1−x−y Eu x Lny)2O2S (10)
(一般式(10)において、x及びyはそれぞれ0.02≦x≦0.50及び0≦y≦0.50を満たす数を表し、LnはY、Gd、Lu、Sc、Sm及びErの少なくとも1種の3価希土類元素を表す。)(一般式(10)で表される酸硫化ランタン蛍光体をLOS蛍光体と呼ぶ。)
(k−x)MgO・xAF2・GeO2:yMn4+ (11)
(一般式(11)において、k、x、yは、各々、2.8≦k≦5、0.1≦x≦0.7、0.005≦y≦0.015を満たす数を表し、Aはカルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、亜鉛(Zn)、またはこれらの混合物である。)(一般式(11)で表されるジャーマネート蛍光体をMGOF蛍光体と呼ぶ。)
一方で、KSF蛍光体、KSNAF蛍光体、LOS蛍光体、MGOF蛍光体は、その半値幅がそれぞれ、6nm程度、6nm程度、4nm程度、16nm程度と極端に狭いが、これら蛍光体を、CASN蛍光体、CASON蛍光体、SCASN蛍光体等と組み合わせて使用する事は、発光装置の分光分布φSSL(λ)に適切な範囲で凹凸を形成し得る場合があり、好ましい。
しかしながら、一般的に、発光装置から出射される光の良好な色の見えを、場合によってはより良好な色の見えを実現可能とするために有すべき、好ましい発光要素の性質は存在する。
上記条件2では、−0.0220 ≦ DuvSSL ≦ −0.0070であることを規定する。この範囲のDuvは、現在既に市中に頒布されている一般的なLED照明と比較して非常に小さな値である。そのため、本実施態様の制御要素は分光分布のDuvを小さくする性質を有することが好ましい。しかしながら、本実施態様の制御要素は、Duvを大きくするものであっても、発光装置が条件2を満たすものであればよいことはいうまでもない。例えば、色の見えがあまりにも強い(ケバケバしい)発光要素の場合には、Duvを大きくする制御要素を配置することで、良好な色の見えが実現される場合も存在する。
上記条件1では、−10.0 < Acg ≦ 120.0を満たすことを規定する。この範囲のAcgは、現在既に市中に頒布されている一般的なLED照明と比較して非常に小さな値である。そのため、本発明の制御要素は分光分布のAcgを小さくする性質を有することが好ましい。しかしながら、本発明の制御要素は、Acgを大きくするものであっても、発光装置が条件2を満たすものであればよいことはいうまでもない。例えば、色の見えがあまりにも強い(ケバケバしい)発光要素の場合には、Acgを大きくする制御要素を配置することで、良好な色の見えが実現される場合も存在する。
飽和度差の平均SATaveが適切な範囲で大きくなると色の見えが良好になるため、本実施態様の制御要素は分光分布による照明を数学的に仮定した場合のSATaveを大きくする性質を有することが好ましい。しかしながら、本実施態様の制御要素は、SATaveを小さくするものであっても、例えば、色の見えがあまりにも強い(ケバケバしい)発光要素の場合には、SATaveを小さくする制御要素を配置することで、良好な色の見えが実現される場合も存在する。
また、本実施態様の制御要素は、発光要素から出射される光の集光および/または拡散機能、たとえば、凹レンズ、凸レンズ、フレネルレンズ等の機能を兼ね備えていてもよい。
また、本実施態様の制御要素は、発光要素に近接して配置される場合が多いため、耐熱性を有することが好ましい。耐熱性を有する制御要素としては、ガラスなどの耐熱性を有する材料により製造されている制御要素があげられる。また、本実施態様の制御要素は、たとえば所望の反射特性、透過特性を実現すべく、所望の元素等がドーピングされ、この結果着色されていてもよい。
例えば、複数の吸収ピークを有するフィルターを製造しようとする場合、ある波長領域の光を吸収する性質を持つフィルムと、別の波長領域の光を吸収する性質を持つフィルム
を複数種類準備し、それらを積層して多層フィルターとしてもよい。また、誘電体膜を多層に積層して、所望の特性を実現してもよい。
特に本実施態様は、既に市場に流通している良好な色の見えを実現できていない照明装置に対し、フィルターや反射ミラー等の制御要素を配置するという至極簡易な方法により、良好な色の見えを実現できる照明装置を提供できるという、極めて実用性に富んだ技術である。
よって、本実施態様の発光装置は、良好な色の見えを実現できていない照明装置に対し
、フィルターや反射ミラー等の制御要素を配置するという至極簡易な方法により、良好な色の見えを実現できる照明装置であり、また、良好な色の見えを実現できている照明装置に対しても、フィルターや反射ミラー等の制御要素を配置するという至極簡易な方法により、使用者の嗜好に合致した良好な色の見えを実現できる照明装置である。
2 青色LEDチップ
2d 熱放射フィラメント
3 パッケージ
41 緑色蛍光体
42 赤色蛍光体
5 カットフィルター(制御要素)
6 封止材
10 パッケージLED(低加工度の発光装置)
11 白熱電球(中加工度の発光装置)
20 フィルター付きLED電球(高加工度の発光装置)
30 照明システム(さらに高加工度の発光装置)
このために、例えば、一般の白色紙上の黒文字等が読みやすくなる。このような特長を生かし、読書灯、学習机用照明、事務用照明等の作業用照明に応用することは好ましい。さらに、作業内容によっては、工場等において、細かな部品の外観検査を行う、布地などにおいて近接した色の識別を行う、生肉の鮮度確認のための色確認を行う、限度見本に照らした製品検査を行う等も考えられるが、本発明の照明方法により照明した場合には、近接した色相における色識別が容易になり、あたかも高照度環境下の様な快適な作業環境を実現しうる。よってこのような観点でも作業用照明に適応することは好ましい。
正常な部位と病変した部位を容易に見分けることなどが期待される。同様の理由から、製品の画像判定器などの工業用機器内の照明方法としても、好適に利用可能である。
よって、本発明の発光装置又は照明方法を家庭用等の一般照明に応用したとすれば、食品は新鮮に、かつ、食欲をそそるように見え、新聞や雑誌等も見やすく、段差等の視認性も上がり家庭内の安全性向上にもつながると考えられる。よって、本発明を家庭用照明に応用することは好ましい。また、衣料品、食品、車、かばん、靴、装飾品、家具等の展示物用照明としても好ましく、周辺から際立って視認させうる照明が可能である。
化粧品等の、色の微妙な差が購入の決め手となる物品の照明としても好ましい。白色のドレス等の展示物用照明として使用すると、同じ白色でも、青みがかった白、クリーム色に近い白などの、微妙な色の差が視認しやすくなるため、本人の希望通りの色を選択することが可能となる。さらには、結婚式場、劇場等での演出用照明としても好適で、純粋な白色のドレス等は純白に見え、歌舞伎等の着物、隈取等もはっきりと見えるようになる。さらに肌色も際立ち好ましい。また、美容室の照明として使用すると、毛髪をカラー処理する場合、屋外で見たときと齟齬がないような色にすることが可能となり、染めすぎや染め不足を防ぐことができる。
る応用においても、本発明の発光装置又は照明方法は好適に利用可能である。
Claims (33)
- 発光要素と制御要素とを有する発光装置であって、
少なくとも、発光要素として青色半導体発光素子を有し、
波長をλ(nm)とし、
当該発光要素から主たる放射方向に出射される光の分光分布をΦelm(λ)、当該発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布をφSSL(λ)とし、
Φelm(λ)を有する光は下記条件I、条件II、条件IV、条件2の少なくともいずれかを満たさず、φSSL(λ)を有する光は下記条件I、条件II、条件IV、条件2のすべてを満たすことを特徴とする発光装置。
条件I:
対象となる光による照明を数学的に仮定した場合の#01から#15の下記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* n、b* n(ただしnは1から15の自然数)とし、
対象となる光の相関色温度T(K)に応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* nref、b* nref(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、飽和度差ΔCnが、
−4.00 ≦ ΔCn ≦ 8.00 (nは1から15の自然数)
である。
条件II:
下記式(3)で表される対象となる光における飽和度差の平均が、
である。
ただし、ΔCn=√{(a* n)2+(b* n)2}−√{(a* nref)2+(b* nref)2}とする。
15種類の修正マンセル色票
#01 7.5 P 4 /10
#02 10 PB 4 /10
#03 5 PB 4 /12
#04 7.5 B 5 /10
#05 10 BG 6 / 8
#06 2.5 BG 6 /10
#07 2.5 G 6 /12
#08 7.5 GY 7 /10
#09 2.5 GY 8 /10
#10 5 Y 8.5/12
#11 10 YR 7 /12
#12 5 YR 7 /12
#13 10 R 6 /12
#14 5 R 4 /14
#15 7.5 RP 4 /12
条件IV:
対象となる光による照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθn(度)(ただしnは1から15の自然数)とし、
対象となる光の相関色温度Tに応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθnref(度)(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、色相角差の絶対値|Δhn|が、
0.00 度 ≦ |Δhn| ≦ 12.50 度 (nは1から15の自然数)
である。
ただし、Δhn=θn−θnrefとする。
条件2:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、ANSI C78.377で定義される黒体放射軌跡からの距離D uv が、
−0.0220 ≦ D uv < 0
である。 - 発光要素と制御要素とを有する発光装置であって、
少なくとも、発光要素として青色半導体発光素子を有し、
波長をλ(nm)とし、
当該発光要素から主たる放射方向に出射される光の分光分布をΦelm(λ)、当該発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布をφSSL(λ)とし、
Φelm(λ)を有する光は下記条件I、条件II、条件IV、条件2のすべてを満たし、φSSL(λ)を有する光も下記条件I、条件II、条件IV、条件2のすべてを満
たすことを特徴とする発光装置。
条件I:
対象となる光による照明を数学的に仮定した場合の#01から#15の下記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* n、b* n(ただしnは1から15の自然数)とし、
対象となる光の相関色温度T(K)に応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるa*値、b*値をそれぞれa* nref、b* nref(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、飽和度差ΔCnが、
−4.00 ≦ ΔCn ≦ 8.00 (nは1から15の自然数)
である。
条件II:
下記式(3)で表される対象となる光における飽和度差の平均が、
である。
ただし、ΔCn=√{(a* n)2+(b* n)2}−√{(a* nref)2+(b* nref)2}とする。
15種類の修正マンセル色票
#01 7.5 P 4 /10
#02 10 PB 4 /10
#03 5 PB 4 /12
#04 7.5 B 5 /10
#05 10 BG 6 / 8
#06 2.5 BG 6 /10
#07 2.5 G 6 /12
#08 7.5 GY 7 /10
#09 2.5 GY 8 /10
#10 5 Y 8.5/12
#11 10 YR 7 /12
#12 5 YR 7 /12
#13 10 R 6 /12
#14 5 R 4 /14
#15 7.5 RP 4 /12
条件IV:
対象となる光による照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθn(度)(ただしnは1から
15の自然数)とし、
対象となる光の相関色温度Tに応じて選択される基準の光での照明を数学的に仮定した場合の前記15種類の修正マンセル色票のCIE 1976 L*a*b*色空間における色相角をθnref(度)(ただしnは1から15の自然数)とした場合に、色相角差の絶対値|Δhn|が、
0.00 度 ≦ |Δhn| ≦ 12.50 度 (nは1から15の自然数)
である。
ただし、Δhn=θn−θnrefとする。
条件2:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、ANSI C78.377で定義される黒体放射軌跡からの距離D uv が、
−0.0220 ≦ D uv < 0
である。 - 請求項1又は2に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件1を満たさず、φSSL(λ)を有する光は下記条件1を満たすことを特徴とする発光装置。
条件1:
対象となる光の分光分布をφ(λ)、対象となる光の相関色温度Tに応じて選択される基準の光の分光分布をφref(λ)、
対象となる光の三刺激値を(X、Y、Z)、
前記相関色温度Tに応じて選択される基準の光の三刺激値を(Xref、Yref、Zref)とし、
対象となる光の規格化分光分布S(λ)と、対象となる光の基準の光の規格化分光分布Sref(λ)と、これら規格化分光分布の差ΔS(λ)をそれぞれ、
S(λ)=φ(λ)/Y
Sref(λ)=φref(λ)/Yref
ΔS(λ)=Sref(λ)−S(λ)
と定義し、
波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλRL−max(nm)とした際に、前記λRL−maxよりも長波長側にS(λRL−max)/2となる波長Λ4が存在する場合においては、
下記数式(1)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
であり、
一方、波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλRL−max(nm)とした際に、前記λRL−maxよりも長波長側にS(λRL−max)/2となる波長Λ4が存在しない場合においては、
下記数式(2)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
である。
- 請求項1又は2に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件1を満たし、φSSL(λ)を有する光も下記条件1を満たすことを特徴とする発光装置。
条件1:
対象となる光の分光分布をφ(λ)、対象となる光の相関色温度Tに応じて選択される基準の光の分光分布をφref(λ)、
対象となる光の三刺激値を(X、Y、Z)、
前記相関色温度Tに応じて選択される基準の光の三刺激値を(Xref、Yref、Zref)とし、
対象となる光の規格化分光分布S(λ)と、対象となる光の基準の光の規格化分光分布Sref(λ)と、これら規格化分光分布の差ΔS(λ)をそれぞれ、
S(λ)=φ(λ)/Y
Sref(λ)=φref(λ)/Yref
ΔS(λ)=Sref(λ)−S(λ)
と定義し、
波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλRL−max(nm)とした際に、前記λRL−maxよりも長波長側にS(λRL−max)/2となる波長Λ4が存在する場合においては、
下記数式(1)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
であり、
一方、波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλRL−max(nm)とした際に、前記λRL−maxよりも長波長側にS(λRL−max)/2となる波長Λ4が存在しない場合においては、
下記数式(2)で表される指標Acgが、
−10.0 < Acg ≦ 120.0
である。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件3を満たさず、φSSL(λ)を有する光は下記条件3を満たすことを特徴とする発光装置。
条件3:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値をφBM−max、465nm以上525nm以下の範囲における分光強度の最小値をφBG−minと定義した際に、
0.2250 ≦ φBG−min/φBM−max ≦ 0.7000
である。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件3を満たし、φSSL(λ)を有する光も下記条件3を満たすことを特徴とする発光装置。
条件3:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値をφBM−max、465nm以上525nm以下の範囲における分光強度の最小値をφBG−minと定義した際に、
0.2250 ≦ φBG−min/φBM−max ≦ 0.7000
である。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件4を満たさず、φSSL(λ)を有する光は下記条件4を満たすことを特徴とする発光装置。
条件4:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、590nm以上780nm以下の範囲における分光強度の最大値をφRM−maxと定義した際に、前記φRM−maxを与える波長λRM−maxが、
605(nm) ≦ λRM−max ≦ 653(nm)
である。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件4を満たし、φSSL(λ)を有する光も下記条件4を満たすことを特徴とする発光装置。
条件4:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、590nm以上780nm以下の範囲における分光強度の最大値をφRM−maxと定義した際に、前記φRM−maxを与える波長λRM−maxが、
605(nm) ≦ λRM−max ≦ 653(nm)
である。 - 請求項1〜8のいずれか1項のいずれか1項に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件5を満たさず、φSSL(λ)を有する光は下記条件5を満たすことを特徴とする発光装置。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値をφ BM−max と定義した際に、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。 - 請求項1〜8のいずれか1項のいずれか1項に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件5を満たし、φSSL(λ)を有する光も下記条件5を満たすことを特徴とする発光装置。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値をφ BM−max と定義した際に、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載の発光装置であって、
当該発光要素から主たる放射方向に出射される光の分光分布から導出される前記飽和度差の平均をSATave(Φelm)、
当該発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布から導出される前記飽和度差の平均をSATave(φSSL)と定義した場合に、
SATave(Φelm)<SATave(φSSL)
を満たすことを特徴とする発光装置。 - 請求項1〜11のいずれか1項に記載の発光装置であって、
当該発光要素から主たる放射方向に出射される光の分光分布から導出されるDuvをDuv(Φelm)、
当該発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布から導出されるDuvをDuv(φSSL)と定義した場合に、
Duv(φSSL)<Duv(Φelm)
を満たすことを特徴とする発光装置。 - 請求項3〜12のいずれか1項に記載の発光装置であって、
対象となる光の分光分布をφ(λ)、対象となる光の相関色温度Tに応じて選択される基準の光の分光分布をφ ref (λ)、
対象となる光の三刺激値を(X、Y、Z)、
前記相関色温度Tに応じて選択される基準の光の三刺激値を(X ref 、Y ref 、Z ref )とし、
対象となる光の規格化分光分布S(λ)と、対象となる光の基準の光の規格化分光分布S ref (λ)と、これら規格化分光分布の差ΔS(λ)をそれぞれ、
S(λ)=φ(λ)/Y
S ref (λ)=φ ref (λ)/Y ref
ΔS(λ)=S ref (λ)−S(λ)
と定義し、
波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλ RL−max (nm)とした際に、前記λ RL−max よりも長波長側にS(λ RL−max )/2となる波長Λ4が存在する場合においては、
下記数式(1)で表される指標をA cg 、
一方、波長380nm以上780nm以下の範囲で、前記S(λ)の最長波長極大値を与える波長をλ RL−max (nm)とした際に、前記λ RL−max よりも長波長側にS(λ RL−max )/2となる波長Λ4が存在しない場合においては、
下記数式(2)で表される指標をA cg と定義し、
当該発光要素から主たる放射方向に出射される光の分光分布から導出されるAcgをAcg(Φelm)、
当該発光装置から主たる放射方向に出射される光の分光分布から導出されるAcgをAcg(φSSL)と定義した場合に、
Acg(φSSL)<Acg(Φelm)
を満たすことを特徴とする発光装置。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の発光装置であって、
当該制御要素は380nm≦λ(nm)≦780nmの光を吸収または反射する光学フィルターであることを特徴とする発光装置。 - 請求項1〜14のいずれか1項に記載の発光装置であって、
当該制御要素が発光要素から出射される光の集光および/または拡散機能を兼ね備えていることを特徴とする発光装置。 - 請求項15に記載の発光装置であって、
当該制御要素の集光および/または拡散機能が凹レンズ、凸レンズ、フレネルレンズの少なくとも1つの機能によって実現することを特徴とする発光装置。 - 請求項1〜16のいずれか1項に記載の発光装置であって、
前記発光装置から当該放射方向に出射される光が対象物を照明する照度が5lx以上10000lx以下であることを特徴とする発光装置。 - 請求項1〜17のいずれか1項に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件6を満たさず、φSSL(λ)を有する光は下記条件6を満たすことを特徴とする発光装置。
条件6:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、465nm以上525nm以下の範囲における分光強度の最小値をφ BG−min 、590nm以上780nm以下の範囲における分光強度の最大値をφ RM−max と定義した際に、
0.1800 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.8500
である。 - 請求項1〜18のいずれか1項に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件7を満たさず、φSSL(λ)を有する光は下記条件7を満たすことを特徴とする発光装置。
条件7:
対象となる光の分光分布φ(λ)から導出される波長380nm以上780nm以下の範囲の放射効率K(lm/W)が
210.0 lm/W ≦ K ≦ 290.0 lm/W
である。 - 請求項1〜19のいずれか1項に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件8を満たさず、φSSL(λ)を有する光は下記
条件8を満たすことを特徴とする発光装置。
条件8:
対象となる光の相関色温度T(K)が
2600 K ≦ T ≦ 7700 K
である。 - 請求項18に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件5、条件7、及び条件8の少なくとも1つを満たし、φSSL(λ)を有する光は下記条件5、条件7、及び条件8のうち前記Φelm(λ)を有する光が満たさない条件があれば、そのうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする発光装置。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値をφ BM−max と定義した際に、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。
条件7:
対象となる光の分光分布φ(λ)から導出される波長380nm以上780nm以下の範囲の放射効率K(lm/W)が
210.0 lm/W ≦ K ≦ 290.0 lm/W
である。
条件8:
対象となる光の相関色温度T(K)が
2600 K ≦ T ≦ 7700 K
である。 - 請求項19に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件5、条件6、及び条件8の少なくとも1つを満たし、φSSL(λ)を有する光は下記条件5、条件6、及び条件8のうち前記Φelm(λ)を有する光が満たさない条件があれば、そのうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする発光装置。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値をφ BM−max と定義した際に、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。
条件6:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、465nm以上525nm以下の範囲における分光強度の最小値をφ BG−min 、590nm以上780nm以下の範囲における分光強度の最大値をφ RM−max と定義した際に、
0.1800 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.8500
である。
条件8:
対象となる光の相関色温度T(K)が
2600 K ≦ T ≦ 7700 K
である。 - 請求項20に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件5〜条件7の少なくとも1つを満たし、φSSL(λ)を有する光は下記条件5〜条件7のうち前記Φelm(λ)を有する光が満たさない条件があれば、そのうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする発光装置。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値をφ BM−max と定義した際に、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。
条件6:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、465nm以上525nm以下の範囲における分光強度の最小値をφ BG−min 、590nm以上780nm以下の範囲における分光強度の最大値をφ RM−max と定義した際に、
0.1800 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.8500
である。
条件7:
対象となる光の分光分布φ(λ)から導出される波長380nm以上780nm以下の範囲の放射効率K(lm/W)が
210.0 lm/W ≦ K ≦ 290.0 lm/W
である。 - 請求項1〜17のいずれか1項に記載の発光装置であって、
Φelm(λ)を有する光は下記条件5〜条件8の全てを満たし、かつ、φSSL(λ)を有する光も下記条件5〜条件8の全てを満たすことを特徴とする発光装置。
条件5:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、430nm以上495nm以下の範囲における分光強度の最大値をφ BM−max と定義した際に、前記φBM−maxを与える波長λBM−maxが、
430(nm) ≦ λBM−max ≦ 480(nm)
である。
条件6:
対象となる光の分光分布φ(λ)は、465nm以上525nm以下の範囲における分光強度の最小値をφ BG−min 、590nm以上780nm以下の範囲における分光強度の最大値をφ RM−max と定義した際に、
0.1800 ≦ φBG−min/φRM−max ≦ 0.8500
である。
条件7:
対象となる光の分光分布φ(λ)から導出される波長380nm以上780nm以下の範囲の放射効率K(lm/W)が
210.0 lm/W ≦ K ≦ 290.0 lm/W
である。
条件8:
対象となる光の相関色温度T(K)が
2600 K ≦ T ≦ 7700 K
である。 - 請求項1〜24のいずれか1項に記載の発光装置であって、
前記発光要素として、さらに緑色蛍光体を有することを特徴とする発光装置。 - 請求項1〜25のいずれか1項に記載の発光装置であって、
前記発光要素として、さらに赤色蛍光体を有することを特徴とする発光装置。 - 請求項25に記載の発光装置であって、
前記緑色蛍光体は、前記緑色蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−GM−maxが511nm以上543nm以下であり、
その半値全幅WPHOS−GM−fwhmが90nm以上110nm以下であることを特徴とする発光装置。 - 請求項26に記載の発光装置であって、
前記赤色蛍光体は、前記赤色蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−RM−maxが622nm以上663nm以下であり、
その半値全幅WPHOS−RM−fwhmが80nm以上105nm以下であることを特徴とする発光装置。 - 請求項25に記載の発光装置であって、
前記緑色蛍光体は、Ca3(Sc,Mg)2Si3O12:Ce(CSMS蛍光体)、CaSc2O4:Ce(CSO蛍光体)、Lu3Al5O12:Ce(LuAG蛍光体)、またはY3(Al,Ga)5O12:Ce(G−YAG蛍光体)であることを特徴とする発光装置。 - 請求項26に記載の発光装置であって、
前記赤色蛍光体は(Sr,Ca)AlSiN3:Eu(SCASN蛍光体)、(CaAlSiN3)1−x(Si2N2O)x:Eu(ただし、xは0<x<0.5)(CASON蛍光体)、またはCaAlSiN3:Eu(CASN蛍光体)を含むことを特徴とする発光装置。 - 請求項25に記載の発光装置であって、
前記発光要素として、さらに赤色蛍光体を有し、
前記青色半導体発光素子は、前記青色半導体発光素子単体のパルス駆動時のドミナント波長λCHIP−BM−domが452.5nm以上470nm以下であるAlInGaN系発光素子であり、
前記緑色蛍光体は、前記緑色蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値を与える波長λPHOS−GM−maxが515nm以上535nm以下で、その半値全幅WPHOS−GM−fwhmが90nm以上110nm以下であることを特徴とする、CaSc2O4:Ce(CSO蛍光体)またはLu3Al5O12:Ce(LuAG蛍光体)であり、
前記赤色蛍光体は、前記赤色蛍光体単体の光励起時の発光強度最大値λPHOS−RM−maxを与える波長が640nm以上663nm以下で、その半値全幅WPHOS−RM−fwhmが80nm以上105nm以下であることを特徴とする、(CaAlSiN3)1−x(Si2N2O)x:Eu(ただし、xは0<x<0.5)(CASON蛍光体)またはCaAlSiN3:Eu(CASN蛍光体)である
ことを特徴とする発光装置。 - 請求項25に記載の発光装置であって、
前記緑色蛍光体は、狭帯域緑色蛍光体であることを特徴とする発光装置。 - 請求項1〜32のいずれか1項に記載の発光装置が、パッケージ化LED、チップオンボード型LED、LEDモジュール、LED電球、LED照明器具、またはLED照明システムであることを特徴とする発光装置。
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