JP6673691B2 - 浮体のタンク構造、船舶、浮体設備、浮体におけるタンクの設置方法、及び、浮体におけるタンクのメンテナンス方法 - Google Patents

浮体のタンク構造、船舶、浮体設備、浮体におけるタンクの設置方法、及び、浮体におけるタンクのメンテナンス方法 Download PDF

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Description

本発明は、タンカーなどの船舶やFPSOやFLNG等と呼ばれる浮体設備等の浮体において、タンク内の流体が船体構造に直接触れることが無く、カーゴポンプを不要にできる、浮体のタンク構造、船舶、浮体設備、浮体におけるタンクの設置方法、及び、浮体におけるタンクのメンテナンス方法に関するものである。
FPSO(Floating Production, Storage, Offloading)と呼ばれ、主として、洋上の設置場所で浮上した状態で、海底油田等から原油等の海洋資源を得て、生産、貯蔵、出荷する施設として利用される浮体生産貯蔵設備が発明されてから40年ほど経過してきている。その間に、原油の生産を対象に200基近くが建造され、原油需要の1/4が賄われるようになってきている。
このFPSOの基本的な構造や建造方法は、開発初期の10〜15年間の数十基が建造される間にほぼ完成し、その後の直近の25年の間は殆ど変化していない。すなわち、長方形断面と高い乾舷とほぼ水平なデッキ面を持つ原油タンカーに若干の改造工事を行って、原油貯蔵機能と居住区機能を有するベース船体となる浮体構造部をまず完成させる。次に、トップサイドと呼ばれる原油処理設備を幾つかのモジュールに分けて建造し、クレーン船を用いて、このトップサイドモジュールを浮体構造部の甲板(デッキ)上に搭載する工事や、浮体構造部を係留するための係留設備を搭載する工事を行う。なお、これらの工事は東南アジア、東アジアの造船所で行われることが多い。その後、タンカーの推進器を用いるか、または、タグボートで、FPSOを曳航しての設置場所に運搬し、そこに予め敷設されている係留索に接続する、というスタイルがほぼ一貫して貫かれてきている。
このFPSOの設置場所における生産活動は多年にわたるため、このFPSOを係留する係留設備は100年に一度遭遇する規模の海象条件に耐えるように設計および建造がなされている。この係留設備は、過去25年の間ほぼ変わっておらず、FPSOを四方に多点係留する多点係留方式が用いられている。つまり、海象条件の厳しさに応じて、段階的に、浮体構造部(船体部)の複数個所から出る何本かの係留索で浮体構造部全体を直接係留保持するスプレッドムアリング方式、多点係留されたチェーンテーブルを中心に風見鶏のように旋回(ウェザーベーン)するタレットムアリング方式、FPSO自体がタレット式多点係留ブイから離脱して回避することができるディスコネクタブルタレット方式などが使用される。
一方、この25年の間に、FPSOはトップサイドを中心に大型化、高度化、及び、高額化してきた。例えば、25年前のFPSOの平均的な構成は、全長260m程度の原油タンカーをベースの浮体構造部とし、トップサイドモジュールの個数が2個程度で合計重量は千トン以下であり、FPSOの全体のコストが100億円以下であった。これに対し、近年建造されているFPSOでは、浮体構造部に関しては全長が330mとさほど変わらないサイズの原油タンカーをベースとしていながらも、トップサイド部分は著しく大型化し、トップサイドモジュールの個数は20個近くにもなり、合計重量は数万トンとなり、全体のコストは数千億円に及ぶようになってきている。
更には、原油だけではなく天然ガスの生産にもFPSO方式が応用されようとしており(この場合は「FPSO」ではなく、「FLNG」と呼ばれる)、この場合には、トップサイドの合計重量や全体のコストは倍増する見込みである。このため、トップサイドの搭載工事においては多大なコストや期間を要し、原油生産の開始前の建造中にかかる建造資金の調達は金利を含めて大きな負担となる。
また、一方で、トップサイドの合計重量の増加により、このFPSOやFLNGの全体の重心が押し上げられてしまうため、浮体構造部として必要な最低限の復原力を確保するのが困難になってきている。
上記のように、現在では、FPSO等の浮体設備に関しての状況は、浮体構造部へのトップサイドモジュールの搭載作業を簡単にして搭載工事期間を短縮する技術や、トップサイドモジュールの搭載作業と、貯蔵設備を持つベース浮体である浮体構造部の建造・改造工事を並行して行う技術等のそれぞれの技術において革新が求められている状況にある。そして、それらを解決する技術では、全体重心を下げて復原力を増加できるようにすることが求められている。
また、この浮体構造部に設けられる原油貯蔵タンクにおいては、原油に残存する不純物や海水分が貯蔵中に徐々に分離してタンクの底に溜り、海水や微生物の繁殖によって腐食したり、油面上の空間に酸素濃度を下げて爆発を防止するためにボイラーの燃焼排ガス(イナートガス:不活性ガス)を導入しているが、この燃焼排ガス中の硫黄分等によって腐食したりする。また、同様に浮体構造部に設けられるバラストタンクにおいては、海水バラストを注入した後に長期間空気に曝されることで、腐食が進む。これらの腐食などの事象に対応するために、該当するタンクの使用を中止して日数をかけて換気し、メンテナンスを行う必要が生じる。
一方、FPSOの浮体構造部となるベースタンカーには大きな変化がないのに比べて、トップサイドの重要性やコスト比率、全体コストが増大するにつれ、貯蔵設備等の浮体構造部側の部分におけるメンテナンスのために、生産活動に中断等が生じた場合に事業全体に及ぼす影響が著しく大きくなってきている。そのため、この生産活動を中断するような状況は、生産活動による事業が高額化した結果、もはや許容しがたい状況となってきており、これらの事態が発生することは深刻な問題になるという問題がある。そのため、貯蔵設備を中心とする浮体構造部が備えている機能に対してメンテナンスフリー化が求められている。
これに関連して、原油タンクとして、合成樹脂製側膜と船体の二重底板に載置される合成樹脂製底膜とにより袋状に形成した油糟を複数に区分し、その上縁を上甲板下面に固着された合成樹脂製原油タンク、つまり、船体の上甲板に固着され二重底板に載置される複数の合成樹脂製原油タンクを備える原油タンカーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この合成樹脂製原油タンクは、その底面を合成樹脂製底膜で、側面を合成樹脂製側膜で形成しているが、上縁を上甲板下面に固定されており、袋状であるが上面側には合成樹脂製膜が張られていない構造であり、合成樹脂製膜による密封構造では無い。そのため、上甲板下面ガイナートガス(燃焼排ガス)中の硫黄分等によって腐食したりすることを防止できないという問題がある。
また、バラストに関しては、海水を船体内に圧入すると、空の原油タンクは収縮しその収縮部分に代わってバラスト水が充満積載されるとされており、船体構造側のタンクと原油タンクの間の空間にバラスト水が導入されるので、船体構造側のタンクにおける、海水バラストを注入した後に長期間空気に曝されることで腐食が進むことを防止できないという問題がある。
また、これに関連して、筒状織布に気密性の皮膜層を形成し、中央部に大径部を有し、両端の径が縮小して小径部を形成された袋体に、液体、粘稠体、粉粒体などの内容物を充填して密封し、この袋体を互いに独立した状態で多数連結して形成した筏状連結体を水上に浮遊させた状態で船舶により曳航する水上輸送方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この水上輸送方法では、輸送先において連結を解除して個別の袋体に分離すれば、その個々の袋体を倉庫などに保管し、又はトラックなどで陸上輸送が可能であるとされている。
しかしながら、この袋体は、船舶や洋上設備のタンクとしては考慮されておらず、水上輸送用の少量タンクとして提案されているので、この袋体は水上輸送時においてはそれ自体が外部の水域に暴露されているために、僅かな衝撃で損傷が生じやすく、損傷が生じた場合には内容物が流出したり、内容物が浸水したりするので、原油などの海洋汚染につながるような貨物を貯蔵したり、輸送したりすることができないという問題がある。
特開平6−305483号公報 特開2009−40157号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、タンカーなどの船舶やFPSOやFLNG等と呼ばれる浮体設備等の浮体において、タンク内の流体が船体構造に直接触れることが無く、カーゴポンプを不要にできる、浮体のタンク構造、船舶、浮体設備、浮体におけるタンクの設置方法、及び、浮体におけるタンクのメンテナンス方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の浮体のタンク構造は、浮体の浮体構造体を船舶の船体部又は浮体設備の浮体構造部として、前記浮体の前記浮体構造体のタンク用空間に配置されるタンク構造において、折り畳み可能又は拡縮可能に形成され、かつ、流体を内部と外部の間を移動可能にする移送配管と備え、かつ、最大タンク容量が2,000m3以上で200,000m3以下である、全周が囲まれた密封状態の袋状タンクを、前記浮体構造体の構造で形成された前記タンク用空間に単数又は複数配置している構成をしている。
この構成によれば、タンカー等の船舶やタンカー等を改造又は設計の基にした浮体設備等の浮体では、通常の原油タンカーの貨物室と同様に構成されたタンク用空間に、袋状タンク(バッグ型タンク)を設置するので、原油などの貨物やバラスト水の流体が密封状態の袋状タンクに入った状態となる。そのため、これらの液体が直接浮体の構造部材に接触することがなくなり、貨物、イナートガス、海水などの袋状タンクに入る流体に起因する浮体の構造部材における腐食を回避することができる。
また、タンク用空間が気密性を有している場合には、袋状のタンクと貨物タンクとの間、言い換えれば、袋状タンクの外側のタンク用空間に入れた空気などで袋状タンクを押圧することにより、袋状タンクの内部の流体を移送配管から外部へ排出することができるようになるので、袋状タンクに入れる流体を移動するためのポンプを不要にすることができる。
また、タンク用空間が水密性を有している場合には、袋状タンクと貨物タンクとの間、言い換えれば、袋状タンクの外側のタンク用空間に、バラスト水を導入することで、バラスト水により袋状タンクを押圧して、袋状タンクの内部の貨物流体を移送配管から外部へ排出することができる。そのため、袋状タンクに入れる貨物流体を移動するためのポンプを不要にすることができる。この場合に、浮体設備では、トップサイドに海水再注入用ポンプを設けている場合が多いので、この海水再注入用ポンプを利用して海水の圧力を高めて原油などの貨物流体を押し出すことができる。
その上に、バラスト水の押圧に伴い、袋状タンクを折り畳み又は収縮させることができるので、袋状タンクのあった部分にバラスト水が入り、貨物タンクとバラストタンクとしての機能を同じタンク用空間で兼用することができるようになる。つまり、同じタンク用空間の内部において、海水と貨物流体の容積の総量が常に略一定の状態で貨物流体とバラスト水を入れ替えることができる。従って、浮体の沈下量の変化が両者の比重の差の分となるので、入れ替えの間の喫水をほぼ一定とすることができる。なお、この場合に貨物流体は袋状タンクの内部側にあり、一方バラスト水は袋状タンクの外部側にあるので、互いに混ざり合うことはない。
したがって、製品の満載時には使用しないバラストタンクのための空間とバラスト時には使用しない貨物タンク用の空間とを、同一のタンク用空間で共用することによって、船体の余剰浮力を減らす設計も可能となり、全体の重心を下げ、復原力を増すことも可能となる。
上記の浮体のタンク構造において、前記袋状タンクが、複数の前記袋状タンクをそれぞれ順次内包して多重構造で構成されており、それぞれの前記袋状タンクがそれ自身の内部と最も外側の前記袋状タンクの外部に連通している前記移送配管を有している構成をしていると、次の効果を発揮できる。
この構成によれば、タンク用区間に幾つかの袋状タンクを内包した袋状タンクを配置して、この内側の袋状タンクに入れる流体(例えば、貨物流体)とその外側を外包して隣接している袋状タンクに入れる流体(例えば、バラスト水)を変えることができるので、タンク用空間の内部に同時及び経時的に、複数の流体を貯蔵することができる。これらの流体としては、貨物流体、同種の貨物流体、異種の貨物流体、バラスト水、圧縮空気、イナートガスなどが考えられる。
また、この構造により、外側の袋状タンクに入れた流体の圧力を、内側の袋状タンクに入れた流体の圧力より高めることで、内側の流体を移送配管から外部に排出でき、逆に、内側の流体の圧力を外側の流体の圧力より高くすることで、外側の流体をその袋状タンクの移送配管から外部に排出できるようになる。
なお、この袋状タンクの内包と外包の関係は、少なくとも2つの袋状タンクの間で成り立てばよく、一つの袋タンクに複数の袋状タンクが内包されていても良い。
上記の浮体のタンク構造において、前記袋状タンクをそれぞれ順次内包した3重構造で構成されており、最も内側の前記袋状タンクに貨物流体を入れ、中間の袋状タンクに気体を入れ、最も外側の袋状タンクにバラスト水を入れ、前記中間の袋状タンクに入れた気体中に前記貨物流体又は前記貨物流体の気化成分が流出したか否かを検出する流出検出装置を設けている構成をしていると、次の効果を発揮できる。
この構成によれば、中間の袋状タンクに圧縮空気を入れ、必要に応じてタンク用空間にも圧縮空気を入れることで、最も内側の貨物流体や最外側のバラスト水を排出することもできるようになる。また、最内側の貨物流体又は貨物流体の気化成分が中間の袋状タンク内に流出した場合に、この流出検出装置で検知して対策を取ることができるので、安全性を増すことができる。
上記の浮体のタンク構造において、前記袋状タンクが、複数の前記袋状タンクをそれぞれ順次内包した3重構造で構成されており、それぞれの前記袋状タンクがそれ自身の内部と最も外側の前記袋状タンクの外部に連通している前記移送配管を有し、最も内側の前記袋状タンクに貨物流体を入れ、最も外側の前記袋状タンクにバラスト水を入れ、中間の前記袋状タンクに前記貨物流体又は前記バラスト水を押し出す気体を入れ、前記貨物流体又は前記バラスト水を押し出す気体として、圧縮空気、イナートガス、1気圧(1atm:約101kPa)かつ0℃以上で110℃以下の温度範囲内で気・液相変化して体積が変化する流体のいずれか一つ又はいくつかの組み合わせを用いると、これら気体は、貨物流体の荷役にポンプの代わりに使用できるだけではなく、タンク用空間や袋状タンクのメンテナンスのためには、貨物流体だけではなくバラスト水も押し出す必要があるので、このバラスト水の排水にも使用できる。
これらの気体のうちで、圧縮空気は容易に作り出すことができ、作業用の動力源として浮体に用意して貯蔵していることが多いので便利である。また、窒素ガスは、タンカー船や浮体設備ではタンク内の清掃時などで燃焼性ガスを追い出すために、燃えないイナートガスである窒素ガスの製造装置が備えられてことが多いので、この製造した窒素ガスを加圧して使用すると便利である。また、この窒素ガスの利用は燃焼や爆発防止の面からも安全性を増すことができる確実なやり方となる。
一方、この気・液相変化して体積が変化する流体としては、例えば、ペンタンや代替フロンのCFC−11がある。このペンタンは、原油から透過したペンタンを入手できるので、比較的容易に入手でき、36.1℃で気体になるので、使用し易く便利である。
上記の浮体のタンク構造において、貨物流体を入れる前記袋状タンクを液体は通さないが気体を通し、かつ伸縮性のある膜状態で形成し、気体を入れる前記袋状タンクを気体を通さない膜状体で形成し、バラスト水を入れる前記袋状タンクを気体を通さない膜で形成することが好ましい。
なお、貨物流体が原油である場合に、その原油を入れる袋状タンクを液体は通さないが気体を通し、かつ伸縮性のある膜状態で形成し、気体を入れる袋状タンクを気体を通さない膜状体で形成すると、この場合、ペンタンは原油から揮発し、貨物流体を入れる袋状タンクを透過し、気体を入れる袋状タンクに溜まるので、気・液相変化して体積が変化する流体として利用することができる。これはコンデンセートやディーゼル油等でも同様である。また、貨物流体に空気などが溶存している場合には、溶存している空気等が気泡になって出てきた場合にそれを伸縮性のある袋状タンクを通過させて袋内を液体だけに保ち、出荷時に気体が混じらないようにできる効果がある。
上記の目的を達成するための本発明の船舶は、上記の浮体のタンク構造を備えていることを特徴とし、上記の浮体のタンク構造と同様の効果を発揮することができる。
また、上記の目的を達成するための本発明の浮体設備は、上記の浮体のタンク構造を備えていることを特徴とし、上記の浮体のタンク構造と同様の効果を発揮することができる。
そして、上記の目的を達成するための本発明の浮体におけるタンクの設置方法は、浮体の浮体構造体を船舶の船体部又は浮体設備の浮体構造部として、前記浮体の前記浮体構造体の内部にタンクを備える浮体におけるタンクの設置方法において、上記の浮体のタンク構造を有し、前記袋状タンクを独立して移動可能に構成すると共に、前記袋状タンクを配置している前記浮体構造体の前記タンク用空間に通じ、かつ前記浮体構造体の前方又は後方に少なくとも折り畳んだ状態又は収縮した状態で前記袋状タンクが通過可能な開口部を開口して、前記袋状タンクを水平方向に移動することで、前記開口部を通過させて前記袋状タンクを岸壁又は運搬台船から前記タンク用空間に移動する工程を含むことを特徴とする方法である。
なお、水平方向への移動とは、上下方向の移動を全く含まないということでなく、水平方向の移動量が上下方向の移動量よりも大きいということであり、水平方向の移動を含む斜め上方や斜め下方も含む移動を意味する。
この方法によれば、タンクの設置に際して、独立して移動させることができる袋状タンクを、袋状タンクを配置している岸壁上から、又は、袋状タンクを搭載している運搬台船上から、水平方向に移動することで、浮体構造体のタンク用空間に移動することができるので、袋状タンクの設置工事を、トップサイドの建造工事、トップサイドモジュールの搭載工事、トップサイドのインテグレーション作業などと独立して行うことができるようになる。従って、これらの工程を組み立てることが著しく容易となる。
また、袋状タンクによって、原油等の製品を貯蔵するタンクは、貨物流体を入れる袋状タンクが配置される浮体構造体のタンク用空間に大量のバラスト水を注入することを可能にすることができるので、浮体の喫水を変化させて、スキッディングやロール・オン方式により、浮体のタンクである袋状タンクを岸壁や運搬台船から浮体のタンク用空間に容易に搭載できるようになる。
また、上記の目的を達成するための本発明の浮体におけるタンクのメンテナンス方法は、浮体の浮体構造体を船舶の船体部又は浮体設備の浮体構造部として、前記浮体の前記浮体構造体の内部にタンクを備える浮体におけるタンクのメンテナンス方法において、上記の浮体のタンク構造を有し、前記袋状タンクを着脱可能に構成すると共に、前記袋状タンクを配置している前記浮体構造体の前記タンク用空間に通じ、かつ前記浮体構造体の前方又は後方に、少なくとも折り畳んだ状態又は収縮した状態で前記袋状タンクが通過可能な開口部を開口して、前記袋状タンクを水平方向に移動することで、前記開口部を通過させて前記袋状タンクを岸壁又は運搬台船から前記タンク用空間に移動する工程を含むことを特徴とする方法である。
この方法によれば、タンクのメンテナンスに際して、袋状タンクを運搬台船に移動して、袋状タンクを運搬台船上または陸上で保守点検、掃除、修理などを行うことができるので、荒天に見舞われ易い洋上設置場所に係留された浮体設備の上で袋状タンクの保守点検、掃除、修理などを行う必要がなくなる。さらには、古い袋状タンクと、新造の袋状タンク又は既に点検や清掃や修理が済んでいる別の袋状タンクと入れ替えることもできる。従って、袋状タンクのメンテナンスの作業効率を著しく向上させることができる。その上、従来技術においては、浮体設備内に溜めたままにしていた原油のスラッジ(泥分)を袋状タンクごと陸揚げして陸上の設備で産廃処理できるようになる。
以上に説明したように、本発明の浮体の浮体のタンク構造、船舶、浮体設備、浮体におけるタンクの設置方法、及び、浮体におけるタンクのメンテナンス方法によれば、バッグ型、バッグインバッグ型と呼んでもよい単膜型タンク、または、多重膜型タンクの袋状タンクを採用しているので、この袋状タンクに原油を入れる場合には、この原油や原油中の不純物が、直接、タンク底の船体構造に触れることを回避できる。また、この袋状タンクにバラスト水を入れる場合には、海水などが直接、船体構造に触れることを回避できる。さらに、この袋状タンクにイナートガスを入れる場合には、イナートガス中の硫黄分等が直接タンク上部の船舶の船体部や浮体設備の浮体構造部の構造部材に触れることを回避できる。
また、袋状タンクの内部に貨物流体を、外部にバラスト水を入れることで、バラスト水専用のタンクスペースを貨物用タンクスペースと兼用にすることができるので、バラスト水専用のタンクスペースが不要になり、その分、浮体構造体におけるタンク用空間のスペースを減少することができる。さらに、浮体設備における喫水が大きく変化することがないように構成することもできるようになるので、その場合には係留設計が容易となる。
その上、袋状タンクの外側のタンク用空間や袋状タンクに入れられた空気やバラスト水の与圧により製品原油等の貨物流体を押し出すことで、貨物用のポンプを不要にすることもできる。つまり、袋状タンクの外側の圧力を高めることで、袋状タンクの内側の貨物流体やバラスト水などの流体を押し出すことができる。これにより、原油ポンプなどの貨物用のポンプ(カーゴポンプ)もバラストポンプも不要にすることができる。また、袋状タンクの3重構造にし、3室に分かれた袋状タンクの一つに気・液相変化する流体を保持すれば、その液体から気体への相変化による体積膨張を利用して残りの2室の流体を押し出すこともできる。さらに、常温近くに沸点を持っているペンタン等の流体(媒質)により、液体から気体への相変化による体積膨張とその圧力を利用することで、ポンプの代わりを務めることもできる。
本発明に係る実施の形態の浮体設備の構成を模式的に示す斜視図である。 本発明に係る第1の実施の形態の浮体のタンク構造を模式的に示す浮体構造部の横断面図である。 図2の浮体のタンク構造における袋状タンクの内部容積が減少した状態を示す浮体構造部の横断面図である。 本発明に係る第2の実施の形態の浮体のタンク構造を模式的に示す浮体構造部の横断面図である。 図4の浮体のタンク構造における袋状タンクの内部容積が減少した状態を示す浮体構造部の横断面図である。 本発明に係る実施の形態の浮体におけるタンクの設置方法、及び、本発明に係る実施の形態の浮体におけるタンクのメンテナンス方法における、岸壁から浮体設備への袋状タンクの水平方向の移動を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の浮体設備におけるタンクの設置方法、及び、本発明に係る実施の形態の浮体設備におけるタンクのメンテナンス方法における、運搬台船から浮体設備への袋状タンクの水平方向の移動を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の浮体におけるタンクの設置方法、及び、本発明に係る実施の形態の浮体におけるタンクのメンテナンス方法における、岸壁から浮体設備への後部構造部の水平方向の移動を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の浮体におけるタンクの設置方法、及び、本発明に係る実施の形態の浮体におけるタンクのメンテナンス方法における、運搬台船から浮体設備への後部構造部の水平方向の移動を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の浮体におけるタンクのメンテナンス方法における、浮体設備から岸壁への後部構造部の水平方向の移動を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の浮体におけるタンクのメンテナンス方法における、浮体設備から運搬台船への後部構造部の水平方向の移動を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の浮体におけるタンクのメンテナンス方法における、浮体設備から岸壁への袋状タンクの水平方向の移動を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の浮体設備におけるタンクのメンテナンス方法における、浮体設備から運搬台船への袋状タンクの水平方向の移動を模式的に示す図である。 従来技術の浮体設備の構造を模式的に示す浮体設備の横断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の浮体のタンク構造、船舶、浮体設備、浮体におけるタンクの設置方法、及び、浮体におけるタンクのメンテナンス方法について説明する。この実施の形態の説明では、浮体として船舶と浮体設備のうちの浮体設備を選択し、さらに、浮体設備のうちでもFPSOを選択して説明しているが、本発明は、タンカー船など流体を輸送する船舶にも適用でき、また、浮体設備においても、必ずしも、このFPSOに限定する必要はなく、その他の浮体設備にも適用できる。
つまり、ここでは、浮体として浮体構造物を有する浮体設備を例にして、この浮体設備の浮体構造部のタンク用空間(内部空間)に浮体のタンクを配置する例で説明するが、浮体として船舶を、また、浮体構造体としてその船体部を、タンク用区画として貨物区画を採用して、本発明を適用することもできる。この場合には、下記の説明で、「浮体設備」を船舶に、「浮体構造体」を船体部に、「タンク用空間」を貨物区域に置き換えればよい。
そして、この例示の浮体設備には、その生産の対象物は原油に限らず、海底鉱物資源や再生可能エネルギー、生物資源を生産するもの等も含まれる。また、必ずしも浮体式(F)かつ生産(P)、貯蔵(S)、出荷(O)のすべての機能を持つものには限らず、例えば、洋上の設置場所への到着した後において、この浮体設備が着底されるもの、ジャケットに搭載されるもの、また、この浮体設備において、貯蔵設備(S)を持たないもの、生産機能(P)を持たないもの等も含まれる。
本発明と従来技術の差異を明確にするために、最初に、図14に示すような従来技術の浮体設備1Xについて説明しておく。この浮体設備1Xは、典型的な大型原油タンカー(VLCC)を改造したものであり、船底部11と船側外板部12と前部構造部(船首部:図示しない)、後部構造部(船尾部:図示しない)に囲まれて浮かんでいる、タンカー船形の浮体構造部10Xと、浮体設備のトップサイド20とからなる。この浮体設備1Xでは、大型原油タンカーの改造であるため、浮体構造部10Xの上の甲板15の上に支持構造物17を設けて、その上にトップサイド20を配設しているためは、重心位置が高くなってしまっている。
なお、この浮体設備1Xの大きさを例示すると、例えば、軽荷重量が50,000トン(重量トン)程度、船体長が340m程度、タンク部長さが200m程度、船体幅が58m程度で、乾舷が10m程度、喫水が23m程度、船体高が33m程度である。
また、図14に示すように、この浮体のタンク構造30Xは、中央タンク31Xaと両舷側の側部タンク31Xbとで構成されている。この中央タンク31Xaは、横断面では、2つの縦通隔壁16Xと船底部11と上甲板15に囲まれて、前後方向は、前後の横隔壁(図示しない)に仕切られて、船体構造と同じ鋼材で構成されている。
一方、図1〜図13に示すように、本発明の実施の形態の浮体設備1は、浮体構造部10とトップサイド20とからなり、このトップサイド20は、その一部または全部をモジュール化して、このモジュール化したトップサイドモジュール21を浮体構造部10の甲板15に搭載して建造される。
そして、トップサイド20をモジュール化したトップサイドモジュール21が甲板(デッキ)15に搭載されて、これらのトップサイドモジュール21が組み合わされてトップサイド20を構成する。このトップサイド20又はトップサイドモジュール21、及び甲板15は、浮体構造部10の幅方向(Y方向)に関して両側に、かつ、浮体構造部10の前後方向(X方向)に延びた載置部15aに搭載してから、甲板15を浮体構造物10に固定してもよく、浮体構造物10に既に固定された甲板15の上にトップサイド20またはトップサイドモジュール21を搭載してもよい。本発明では、このトップサイド20またはトップサイドモジュール21の搭載方法は特に限定しない。
なお、この浮体設備1の大きさを例示すると、例えば、軽荷重量が50,000トン(重量トン)程度、船体長が160m程度、タンク部長さが150m程度、船体幅が60m程度で、乾舷が10m程度、喫水が34m程度、船体高が44m程度である。
図1〜図13に示すように、この浮体構造部10は、浮体としての構成としての船体構造である船底部11、船側外板部12、前部構造部(船首部)13、後部構造部(船尾部)14を有している。これらの構造は、従来技術の浮体構造部10と同じである。また、トップサイド20は、プロセスとも呼ばれる生産設備であり、油処理設備、ガス処理設備、水処理設備、発電設備、コントロールシステム等の主要な機器で構成されている。
この後部構造部14に関しては、浮体設備1を居住区と生産・貯蔵プラント区に分けて構成し、この居住区を後部構造部14に設けて、この後部構造部14を係留することなく、浮体設備1でこの後部構造部14を除いた部分を係留して、この後部構造部14を除いた部分の浮体設備1にこの後部構造部14を脱着可能に接続する構成にすると、浮体のタンク構造30の設置時においては、居住区の設置時期を浮体のタンク構造30の設置時と同じ時期にすることができるようになるので、建造工程の自由度が増す。また、台風などの荒天時や火災などの非常時で乗組員の避難が必要な場合には、この居住区を備えて後部構造物14を離脱することにより、容易、かつ迅速に乗組員を飛散させることができるようになる。
そして、本発明においては、船底部11、船側外板部12、前部構造部(船首部)13、後部構造部(船尾部)14で囲まれたタンク用空間(内部空間)Aの内部に、この右舷側部分に示すように袋状タンク31からなる浮体のタンク構造(以下タンク構造)30を備えている。なお、図1では、後部構造部14より前の断面から前方の構造を斜視図で模式的に示しており、また、図1の左側のタンク用空間Aの左舷側部分には、タンク用空間Aの内部を図示し易くするために、袋状タンク31を図示していない。
この本発明に係る第1の実施の形態の浮体のタンク構造30は、図1〜図3に示すように、このタンク構造30は、浮体設備1(浮体)の浮体構造部(浮体構造体)10のタンク用空間Aに配置されるタンク構造30である。そして、このタンク構造30は、全周が囲まれた密封状態の袋状タンク31を、浮体設備1の浮体構造部10の構造で形成されたタンク用空間Aに単数又は複数配置している構成をしている。この図1〜図3に示す構成では、1個のタンク用空間Aに1個の袋状タンク31を配置している。
この袋状タンク31は、例えば、蛇腹構造(図3の左側のタンク用空間Aに図示)などにより折り畳み可能に、又は、伸縮性の膜材料により拡縮可能な構造(図3の右側のタンク用空間Aに図示)に形成される。なお、この折り畳み可能構造と拡縮可能な構造という意味は、袋状タンク31の中身の流体Faを抜き出した時に、充満状態の袋形状を維持せずに内容積が小さくなることを意味し、必ずしも、袋状タンク31を構成する膜状体の容積が小さくなることを意味していない。
そして、この袋状タンク31は、流体Faを袋状タンク31の内部と外部の間を移動可能にする移送配管32を備えて構成される。この移送配管32は浮体設備1の荷役システム(図示しない)に接続されて構成される。この移送配管32は、袋状タンク31の内部の貨物流体Faが減少して、袋状タンク31の内部容積が減少しても、内部と外部の間を接続し続けるように、移送配管32の一部をホースなどの柔軟性のある材料で形成することが好ましい。また、袋状タンク31の外部でかつタンク空間Aの内部である部分と浮体設備1の荷役システムとを連通する荷役用配管34も配設されている。
さらに、この袋状タンク31の最大タンク容量は2,000m3以上で200,000m3以下であるように構成される。この最大タンク容量の限定の意味は、容積の小さい袋状体を多数タンク用空間Aに配置する構成ではなく、比較的大容量の袋状タンク31を単数又は複数(例えば、1〜数個程度)配置する構成であることを意味している。
この袋状タンク31は、内部に入れる貨物流体Faによって変化するが、例えば、液体は通さないが気体を通す膜状体としては、例えば、フッ素樹脂のPFA(ポリテトラフルオロエチレン)や、リチウム電池に用いられている多孔質ポリエチレン製のフィルム等がある。
また、気体を通さない膜状体としては、例えば、フッ素樹脂のPCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)や、ガソリンタンクに用いられているPE/EVOH/PE(ポリエチレン/エチレンビニールアルコール/ポリエチレン))等の多層ガスバリアー膜等がある。なお、これらの膜状体で形成された袋状タンクにシリコンゴムのシート状の電熱ヒーターであるシリコン電熱ヒーター(図示しない)を張り付けて構成しておくことで、このシリコン電熱ヒーターにより、袋状タンク31の内部又は外部の流体を温めることができるので、流体の気・液相変化を起こさせることができる。
そして、バラスト水用の気体を通さない膜状体としては、例えば、PCTFEや、ガソリンタンクに用いられているPE/EVOH/PE多層ガスバリアー膜などや、伸びないように、例えば(ダイニーマ(登録商標))等の超高分子量ポリエチレン等の繊維を表面に貼ったものなどがある。
このタンク構造30によれば、タンカー等の船舶やタンカー等を改造又は設計の基にした浮体設備1では、通常の原油タンカーの貨物室と同様に構成されたタンク用空間Aに、袋状タンク(バッグ型タンク)31を設置するので、原油などの貨物やバラスト水の流体Faが密封状態の袋状タンク31に入った状態となる。そのため、これらの液体Faが直接浮体設備1の構造部材に接触することがなくなり、貨物、イナートガス、海水などの袋状タンク31に入る流体Faに起因する浮体設備1の構造部材における腐食を回避することができる。
また、タンク用空間Aが気密性を有している場合には、袋状タンク31と貨物タンクとの間、言い換えれば、荷役用配管34経由で袋状タンク31の外側のタンク用空間Aに入れた空気などの流体Fbで袋状タンク31を押圧することにより、袋状タンク31の内部の流体Faを移送配管32から外部へ排出することができるようになるので、袋状タンク31に入れる流体Faを移動するためのポンプを不要にすることができる。
また、タンク用空間Aが水密性を有している場合には、袋状タンク31と貨物タンクとの間、言い換えれば、袋状タンク31の外側のタンク用空間Aに、荷役用配管34経由でバラスト水Fbを導入することで、バラスト水Fbにより袋状タンク31を押圧することができる。これにより、袋状タンク31の内部の貨物流体Faを移送配管32から外部へ排出することができる。そのため、袋状タンク31に入れる貨物流体Faを移動するためのポンプを不要にすることができる。この場合に、浮体設備1では、トップサイド20に海水再注入用ポンプ(図示しない)を設けているので、この海水再注入用ポンプを利用して海水の圧力を高めて原油などの貨物流体Faを押し出すことができる。
その上に、さらに、バラスト水Fbの押圧に伴い、袋状タンク31を折り畳み又は収縮させることができるので、袋状タンク31のあった部分にバラスト水Fbが入り、貨物タンクとバラストタンクとしての機能を同じタンク用空間Aで兼用することができるようになる。つまり、同じタンク用空間Aの内部において、海水Fbと貨物流体Faの容積の総量が常に略一定の状態で貨物流体Faとバラスト水Fbを入れ替えることができる。従って、浮体設備1の沈下量の変化が両者の比重の差の分となるので、入れ替えの間の喫水をほぼ一定とすることができる。なお、この場合に貨物流体Faは袋状タンク31の内部側にあり、一方バラスト水Fbは袋状タンク31の外部側にあるので、互いに混ざり合うことはない。
したがって、製品の満載時には使用しないバラストタンクのための空間とバラスト時には使用しない貨物タンク用の空間とを、同一のタンク用空間Aで共用することによって、浮体構造部10の余剰浮力を減らす設計も可能となり、浮体設備1の全体の重心を下げ、復原力を増すことも可能となる。
この本発明に係る第2の実施の形態の浮体のタンク構造30Aについて説明する。図4及び図5に示すように、この浮体のタンク構造(以下タンク構造)30Aは、袋状タンク31が、複数(図4及び図5では3重で3個)の袋状タンク31a、31b、31cをそれぞれ順次内包して多重構造で構成されている。なお、この内包と外包の関係は、少なくとも2つの袋状タンク(例えば、31aと31b、31bと31c、31aと31c)の間で成り立てばよく、図示しないが、一つの袋タンク31b、31cに複数の袋状タンク31a(または31b)が並列で内包されていても良い。
また、それぞれの袋状タンク31a、31b、31cがそれ自身の内部と最も外側の袋状タンク31cの外部に連通している移送配管32を有している構成をしている。また、袋状タンク31の外部でかつタンク空間Aの内部である部分と浮体設備1の荷役システムとを連通する荷役用配管34も配設されている。
この浮体のタンク構造30Aによれば、上記の第1の実施の形態のタンク構造30の作用効果に加えて、次のような効果を発揮できる。つまり、タンク用区間Aに幾つかの袋状タンク31a、31bを内包した袋状タンク31b、31cを配置して、この内側の袋状タンク31aに入れる流体(例えば、貨物流体)Faと、その外側を外包して隣接している袋状タンク31bに入れる流体(例えば、バラスト水)Fbを変えることができるので、タンク用空間Aの内部に同時及び経時的に、複数の流体Fa、Fbを貯蔵することができる。これらの流体Fa、Fbとしては、貨物流体、同種の貨物流体、異種の貨物流体、バラスト水、圧縮空気、イナートガスなどが考えられる。
また、これにより、外側の袋状タンク31b(31c)に入れた流体Fb(Fc)の圧力を、内側の袋状タンク31a(31b)に入れた流体Fa(Fb)の圧力より高めることで、内側の流体Fa(Fb)を移送配管32から外部に排出でき、逆に、内側の流体Fa(Fb)の圧力を外側の流体Fb(Fc)の圧力より高くすることで、外側の流体Fb(Fc)をその袋状タンク31b(31c)の移送配管32から外部に排出できるようになる。
そして、図4及び図5のタンク構造30Aでは、袋状タンク31a、31b、31cが、袋状タンク31a、31bをそれぞれ順次内包して3重構造で構成されており、最も内側の袋状タンク31aに貨物流体Faを入れ、中間の袋状タンク31bに気体Fbを入れ、最も外側の袋状タンク31cにバラスト水Fcを入れ、中間の袋状タンク31bに入れた気体Fb中に、貨物流体Fbが流出したか否かを検出する流出検出装置33を設けている構成をしている。
このタンク構造30Aによれば、中間の袋状タンク31bの気体Fbで最内側の貨物流体Fa又は貨物流体Faの気化成分が中間の袋状タンク31内に流出した場合に、この流出検出装置33で検知して対策を取ることができるので、安全性を増すことができる。また、中間の袋状タンク31bに圧縮空気Fbを入れ、必要に応じてタンク用空間Aにも圧縮空気Fbを入れることで、最も内側の貨物流体Faや最外側のバラスト水Fcを排出することもできるようになる。
このタンク構造30Aにおいて、貨物用流体Fa又はバラスト水Fcを押し出す気体Fbとして、圧縮空気、イナートガス、1気圧(1atm:約101kPa)かつ0℃以上で110℃以下の温度範囲内で気・液相変化して体積が変化する流体のいずれか一つ又はいくつかの組み合わせを用いることができる。これら気体は、貨物流体Faの荷役にポンプの代わりに使用できるが、それだけではなく、タンク用空間Aや袋状タンク31a、31b、31cのメンテナンスのためには、貨物流体Faだけではなくバラスト水Fcも押し出す必要があるが、このバラスト水Fcの排水にも使用できる。
これらの気体のうちで、圧縮空気は容易に作り出すことができ、作業用の動力源として浮体設備1に用意して貯蔵していることが多いので便利である。また、窒素ガスは、タンク内の清掃時や燃焼性ガスを追い出すために、燃えない窒素ガスの製造装置が備えられていることが多いので、この製造した窒素ガスを加圧して使用すると便利である。また、この窒素ガスの利用は燃焼や爆発防止の面からも安全性を増すことができる確実なやり方となる。
一方、この気・液相変化して体積が変化する流体としては、例えば、ペンタン(C512)や代替フロンのCFC−11(トリクロロフルオロメタン:CCL3F)がある。このペンタンは、原油から透過したペンタンを入手できるので、比較的容易に入手でき、36.1℃で気体になるので、使用し易く便利である。例えば、70℃に上げることで3気圧(3atm:約304kPa)程度の圧力を得られるので、原油を30m押し上げることができる。また、冷凍機の冷媒として使用されているフロン類の一種のCFC−11は沸点が24℃であり、利用し易いものの一つである。これらの流体の液体・気体の相変換による体積変化を利用して原油などの貨物流体Faやバラスト水Fcの押し出すのに使用できる。
さらにこのタンク構造30Aにおいては、貨物流体Faを入れる袋状タンク31aを、液体Faは通さないが気体Fbを通し、かつ伸縮性のある膜状態で形成し、気体Fbを入れる袋状タンク31bを、気体Fbを通さない膜状体で形成し、バラスト水Fcを入れる袋状タンク31cを気体Fbを通さない膜で形成している。貨物流体Faは原油である。この場合、ペンタンが原油から揮発し、貨物流体Faを入れる袋状タンク31aを透過し、気体Fbを入れる袋状タンク31bに溜まるので、このペンタンを気・液相変化して体積が変化する流体として利用することができる。
そして、本発明に係る実施の形態の船舶は、上記の浮体のタンク構造30、30Aを備えていることを特徴とし、上記の浮体のタンク構造30,30Aと同様の効果を発揮することができる。
また、本発明に係る実施の形態の浮体設備1は、上記の浮体のタンク構造30、30Aを備えていることを特徴とし、上記の浮体のタンク構造30、30Aと同様の効果を発揮することができる。
そして、本発明に係る実施の形態の浮体におけるタンクの設置方法は、図6及び図7に示すように、上記の浮体設備(浮体)1の浮体構造部(浮体構造体)10のタンク用空間Aにタンクを備える浮体におけるタンクの設置方法であり、この浮体におけるタンクの設置方法において、上記の浮体のタンク構造(以下タンク構造)30の袋状タンク31を独立して移動可能に構成すると共に、袋状タンク31を配置している浮体構造部10のタンク用空間Aに通じ、かつ浮体構造部10の前方又は後方に少なくとも折り畳んだ状態又は収縮した状態で袋状タンク31が通過可能な開口部18を開口して、袋状タンク31を水平方向に移動することで、開口部18を通過させて袋状タンク31を岸壁40又は運搬台船50からタンク用空間Aに移動する工程を含むことを特徴とする方法である。
また、図6及び図7の構成では、横強度部材(バルクヘッド等)35も袋状タンク31と交互に水平移動して袋状タンク31の間に横強度部材35を配置する構成としている。そして、この工程の後で、図8及び図9に示すように、後部構造部14を水平移動して浮体構造部10に搭載し、浮体構造部10の後方を閉じる。なお、これらの工程では、浮力補助用構造体60を用いて浮体設備1の喫水を浅くしている。また、図6〜図9では、第1の実施の形態の浮体のタンク構造30を用いているが、第2の実施の形態の浮体のタンク構造30Aを用いてもよい。
この方法によれば、独立して移動させることができる袋状タンク31を、図6に示すように、袋状タンク31を配置している岸壁40上から、又は、図7に示すように、袋状タンク31を搭載している運搬台船50上から、水平方向に移動することで、浮体構造部10のタンク用空間Aに移動することができるので、袋状タンク31と横強度部材35の設置工事を、トップサイド20の建造工事又はトップサイドモジュール21の搭載工事とトップサイド20のインテグレーション作業など独立して行うことができるようになる。従って、これらの工程を組み立てることが著しく容易となる。
また、袋状タンク31によって、原油等の製品を貯蔵するタンクは、貨物流体Faを入れる袋状タンク31が配置される浮体構造部10のタンク用空間Aに大量のバラスト水Fbを注入することを可能にすることができるので、浮体構造部10の喫水を変化させて、スキッディングやロール・オン方式により、浮体のタンクである袋状タンク31を岸壁40や運搬台船50から浮体構造部10のタンク用空間Aに容易に搭載できるようになる。
また、本発明掛る実施の形態の浮体設備におけるタンクのメンテナンス方法は、図6及び図7に示すように、浮体設備(浮体)1の浮体構造部(浮体構造体)10のタンク用空間Aに備える浮体におけるタンクのメンテナンス方法である、この浮体におけるタンクのメンテナンス方法において、袋状タンク31を独立して着脱可能に構成すると共に、袋状タンク31を配置している浮体構造部10のタンク用空間Aに通じ、かつ浮体構造部10の前方又は後方に、少なくとも折り畳んだ状態又は収縮した状態で袋状タンク31が通過可能な開口部18を開口して、袋状タンク31を水平方向に移動することで、開口部18を通過させて袋状タンク31を岸壁40又は運搬台船50からタンク用空間Aに移動する工程を含むことを特徴とする方法である。
なお、この工程の前に、図10及び図11に示すように、後部構造部14を水平移動して浮体構造部10から取り外し、岸壁40又は運搬台船50へ移動して、浮体構造部10の後方に開口部18を設ける工程と、図12及び図13に示すように、袋状タンク31と横強度部材35を水平移動して浮体構造部10から取り外し、岸壁40又は運搬台船50へ移動して、袋状タンク31を保守点検して修理したりする工程がある。
その後、図6及び図7と同様に、保守点検若しくは修理後の袋状タンク31又は新しい袋状タンク31と横補強部材35を、岸壁40又は運搬台船50から浮体構造部10へ移動する工程と、図8及び図9と同様に、後部構造部14を水平移動して浮体構造部10に搭載し、浮体構造部10の後方を閉じる工程とがある。
なお、これらの工程では、浮力補助用構造体60を用いて浮体設備1の喫水を浅くしている。また、図6〜図9及び図10〜図13では、第1の実施の形態の浮体のタンク構造30を用いているが、第2の実施の形態の浮体のタンク構造30Aを用いてもよい。
この方法によれば、袋状タンク31を運搬台船50に移動して、袋状タンク31を運搬台船50上または陸上で保守点検、掃除、修理などを行うことができるので、荒天に見舞われやすい洋上設置場所に係留された浮体設備1の上で袋状タンク31の保守点検、掃除、修理などを行う必要がなくなる。従って、袋状タンク31のメンテナンスの作業効率を著しく向上させることができる。
さらには、古い袋状タンク31と、新造の袋状タンク31又は既に点検や清掃や修理が済んでいる別の袋状タンク31と入れ替えることもできる。これにより、従来技術においては、浮体設備1内に溜めたままにしていた原油のスラッジ(泥分)を袋状タンク31ごと陸揚げして陸上の設備で産廃処理できるようになる。
以上に説明したように、上記の構成の実施の形態の浮体のタンク構造30、30A、船舶、浮体設備1、浮体におけるタンクの設置方法、及び、浮体におけるタンクのメンテナンス方法によれば、バッグ型、バッグインバッグ型と呼んでもよいような単膜型タンク、または、多重膜型タンクの袋状タンク31、31a、31b、31cを採用しているので、この袋状タンク31、31a、31b、31cに原油を入れる場合には、この原油や原油中の不純物が、直接、タンク底の船体構造に触れることを回避できる。また、この袋状タンク31、31a、31b、31cにバラスト水を入れる場合には、海水などが直接、船体構造に触れることを回避できる。さらに、この袋状タンク31、31a、31b、31cにイナートガスを入れる場合には、イナートガス中の硫黄分等が直接タンク上部の船舶の船体部や浮体設備1の浮体構造部10の構造部材に触れることを回避できる。
また、袋状タンク31、31a、31b、31cの内部に貨物流体Faを、外部にバラスト水Fbを入れることで、バラスト水専用のタンクスペースを貨物用スペースと兼用にすることができるので、バラスト水専用のタンクスペースが不要になり、その分、浮体構造部10におけるタンク用空間Aのスペースを減少することができる。さらに、浮体設備1における喫水が大きく変化することがないように構成することもできるようになるので、その場合には係留設計が容易となる。
その上、袋状タンク31、31a、31b、31cの外側のタンク用空間Aや袋状タンク31、31a、31b、31cに入れられた空気やバラスト水の与圧により製品原油等の貨物流体を押し出すことで、貨物用のポンプを不要にすることもできる。つまり、袋状タンク31、31a、31b、31cの外側の圧力を高めることで、袋状タンク31、31a、31b、31cの内側の貨物流体やバラスト水などの流体を押し出すことができる。これにより、原油ポンプなどの貨物用のポンプ(カーゴポンプ)もバラストポンプも不要にすることができる。また、袋状タンク31a、31b、31cの3重構造にし、3室に分かれた袋状タンク31a、31b、31cの一つに気・液相変化する流体Fbを保持すれば、その液体から気体への相変化による体積膨張を利用して残りの2室の流体Fa、Fcを押し出すこともできる。さらに、常温近くに沸点を持っているペンタン等の流体(媒質)により、液体から気体への相変化による体積膨張とその圧力を利用することで、ポンプの代わりを務めることもできる。
また、貨物流体Faは原油である場合に、袋状タンク31aを、液体は通さないが気体を通し、かつ伸縮性のある膜状態で形成すれば、ペンタン成分は原油から揮発して袋状タンク31aを透過し、気体Fbを入れる袋状タンク31bに溜まるので、気・液相変化する流体として利用することができるし、貨物を液体だけに保つことができる。
1、1X 浮体設備(浮体)
10、10X 浮体構造部(浮体構造体)
11 船底部
12 船側外板部
13 前部構造部(船首部)
14 後部構造部(船尾部)
15 甲板
16 縦通隔壁
17 支持構造物
18 開口部
20 トップサイド
21 トップサイドモジュール
30 タンク構造(浮体のタンク構造)
31、31a、31b、31c 袋状タンク
32 移送配管
33 流出検出装置
34 荷役用配管
35 横強度部材
40 岸壁
50 運搬台船
60 浮力補助用構造体

Claims (8)

  1. 浮体の浮体構造体を船舶の船体部又は浮体設備の浮体構造部として、前記浮体の前記浮体構造体のタンク用空間に配置されるタンク構造において、折り畳み可能又は拡縮可能に形成され、かつ、流体を内部と外部の間を移動可能にする移送配管備え、かつ、最大タンク容量が2,000m3以上で200,000m3以下である、全周が囲まれた密封状態の袋状タンクを、前記浮体構造体の構造で形成された前記タンク用空間配置しており、
    前記袋状タンクが、複数の前記袋状タンクをそれぞれ順次内包して多重構造で構成されており、それぞれの前記袋状タンクがそれ自身の内部と最も外側の前記袋状タンクの外部に連通している前記移送配管を有していることを特徴とする浮体のタンク構造。
  2. 前記袋状タンクをそれぞれ順次内包した3重構造で構成されており、最も内側の前記袋状タンクに貨物流体を入れ、中間の前記袋状タンクに気体を入れ、最も外側の前記袋状タンクにバラスト水を入れ中間の前記袋状タンクに入れた気体中に前記貨物流体又は前記貨物流体の気化成分が流出したか否かを検出する流出検出装置を設けていることを特徴とする請求項に記載の浮体のタンク構造。
  3. 浮体の浮体構造体を船舶の船体部又は浮体設備の浮体構造部として、前記浮体の前記浮体構造体のタンク用空間に配置されるタンク構造において、折り畳み可能又は拡縮可能に形成され、かつ、流体を内部と外部の間を移動可能にする移送配管を備え、かつ、最大タンク容量が2,000m 3 以上で200,000m 3 以下である、全周が囲まれた密封状態の袋状タンクを、前記浮体構造体の構造で形成された前記タンク用空間に配置しており、
    前記袋状タンクが、複数の前記袋状タンクをそれぞれ順次内包した3重構造で構成されており、それぞれの前記袋状タンクがそれ自身の内部と最も外側の前記袋状タンクの外部に連通している前記移送配管を有し、最も内側の前記袋状タンクに貨物流体を入れ、最も外側の前記袋状タンクにバラスト水を入れ、中間の前記袋状タンクに前記貨物流体又は前記バラスト水を押し出す気体を入れ、
    前記貨物流体又は前記バラスト水を押し出す気体として、圧縮空気、イナートガス、1気圧かつ0℃以上で110℃以下の温度範囲内で気・液相変化して体積が変化する流体のいずれか一つ又はいくつかの組み合わせを用いることを特徴とする浮体のタンク構造。
  4. 浮体の浮体構造体を船舶の船体部又は浮体設備の浮体構造部として、前記浮体の前記浮体構造体のタンク用空間に配置されるタンク構造において、折り畳み可能又は拡縮可能に形成され、かつ、流体を内部と外部の間を移動可能にする移送配管を備え、かつ、最大タンク容量が2,000m 3 以上で200,000m 3 以下である、全周が囲まれた密封状態の袋状タンクを、前記浮体構造体の構造で形成された前記タンク用空間に単数又は複数配置しており、
    貨物流体を入れる前記袋状タンクを液体は通さないが気体を通し、かつ伸縮性のある膜状態で形成し、気体を入れる前記袋状タンクを気体を通さない膜状体で形成し、バラスト水を入れる前記袋状タンクを気体を通さない膜で形成していることを特徴とする浮体のタンク構造。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の浮体のタンク構造を備えていることを特徴とする船舶。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の浮体のタンク構造を備えていることを特徴とする浮体設備。
  7. 浮体の浮体構造体を船舶の船体部又は浮体設備の浮体構造部として、前記浮体の前記浮体構造体の内部にタンクを備える浮体におけるタンクの設置方法において、請求項1〜のいずれか1項に記載の浮体のタンク構造を有し、前記袋状タンクを独立して移動可能に構成すると共に、前記袋状タンクを配置している前記浮体構造体の前記タンク用空間に通じ、かつ前記浮体構造体の前方又は後方に少なくとも折り畳んだ状態又は収縮した状態で前記袋状タンクが通過可能な開口部を開口して、前記袋状タンクを水平方向に移動することで、前記開口部を通過させて前記袋状タンクを岸壁又は運搬台船から前記タンク用空間に移動する工程を含むことを特徴とする浮体におけるタンクの設置方法。
  8. 浮体の浮体構造体を船舶の船体部又は浮体設備の浮体構造部として、前記浮体の前記浮体構造体の内部にタンクを備える浮体におけるタンクのメンテナンス方法において、請求項1〜のいずれか1項に記載の浮体のタンク構造を有し、前記袋状タンクを着脱可能に構成すると共に、前記袋状タンクを配置している前記浮体構造体の前記タンク用空間に通じ、かつ前記浮体構造体の前方又は後方に、少なくとも折り畳んだ状態又は収縮した状態で前記袋状タンクが通過可能な開口部を開口して、前記袋状タンクを水平方向に移動することで、前記開口部を通過させて前記袋状タンクを岸壁又は運搬台船から前記タンク用空間に移動する工程を含むことを特徴とする浮体におけるタンクの設置及びメンテナンス方法。
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