JP6673432B2 - 基板処理方法、基板処理装置、基板処理システム及び記憶媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、基板に紫外線を照射して被処理膜を処理する技術に関する。
例えば多層配線構造の半導体デバイスの製造工程では、半導体ウエハ(以下、「ウエハ」という)上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、当該レジスト膜に所定のパターンを露光する露光処理、露光されたレジスト膜を現像する現像処理などが順次行われ、ウエハ上にレジストパターンが形成される。このレジストパターンをマスクとして、ウエハのエッチング処理が行われ、その後レジスト膜の除去処理などが行われて、ウエハ上に所定のパターンが形成される。このように積層された各層にパターンが形成される工程が複数回繰り返し行われ、多層配線構造の半導体デバイスが製造される。
ところで、このようにウエハ上にパターンが繰り返し形成される場合、n層目にパターンが形成された後に、(n+1)層目のレジスト膜が適切な高さに形成されるためには、レジスト液が塗布される面が平坦であることが必要になる。
そこで従来、ウエハのパターン上に被処理膜を形成し、その表面を平坦化することが行われている。このような被処理膜の形成は、例えば特許文献1に記載のように、ウエハ上に原料を塗布し、塗布された原料を加熱して被処理膜を形成した後、例えばドライエッチング法(反応性イオンエッチング法)によって被処理膜をエッチバックして当該被処理膜の表面を除去する手法を利用することにより実現できる。以下、基板の平坦化のために塗布形成される被処理膜をSOC(Spin On Cap)膜という。
特開2003−218116号公報:段落0002〜0003
上述の特許文献1に記載された方法を用いた場合、原料の塗布とその後の加熱はそれぞれ常圧雰囲気下で行われるのに対し、SOC膜のエッチバックは真空雰囲気下で行われる。そうすると、これら常圧雰囲気下の処理と真空雰囲気下の処理とを別々のシステムで行い、システム間でウエハを搬送する必要がある。このため、システムの製造コストが高額化し、またウエハ処理のスループットも低下する。
また、SOC膜のエッチバックをドライエッチング法で行った場合、ウエハやウエハ上の膜がプラズマによって損傷を被るおそれがある。さらにこのプラズマによって、ウエハ上の膜が改質されるおそれもある。
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、基板に与える影響を抑えつつ、常圧雰囲気下で基板の表面に形成された被処理膜の一部を除去することが可能な基板処理方法、基板処理装置、基板処理システム及び前記方法を記憶した記憶媒体を提供することにある。
本発明の基板処理方法は、酸素含有雰囲気下にて紫外線を照射することにより分解する被処理膜の原料を基板に塗布する工程と、
前記基板に塗布された原料を加熱して被処理膜を形成する工程と、
前記被処理膜が形成された基板を、排気機構を備えた酸素含有雰囲気の処理室内に配置し、前記排気機構による排気が停止された状態にて、当該基板に紫外線を照射して前記被処理膜の一部を除去する工程と、
次いで、前記排気機構により処理室内を排気する工程と、を含むことを特徴とする。
前記の基板処理方法は、以下の構成を備えていてもよい。
(a)酸素濃度が、空気中の酸素濃度と同等以上の酸素含有気体を前記処理室へ供給して前記酸素含有雰囲気を形成する工程を含、前記酸素含有雰囲気を形成する工程と、前記被処理膜の一部を除去する工程と、前記処理室内を排気する工程とを繰り返し実行すること。
(b)前記排気機構により処理室内の排気を行う際に、当該処理室の排気を促進するための排気用気体を供給する工程を含み、前記処理室内を排気する工程を実行する際に、前記排気用気体を供給する工程を実行すること。
(c)前記被処理膜の一部を除去する工程の実行中に、前記基板を加熱する工程を含み、前記基板を加熱する工程は、基板の中央部側の温度よりも、当該基板の周縁部側の温度の方が低くなるように行われること。
(d)前記被処理膜の一部を除去する工程は、基板の領域毎に紫外線の照度を設定して行われること。
(e)前記処理室の下面側には開口部が形成され、前記開口部に嵌合し、基板が載置される載置台と、前記基板の受け渡しを行うための受け渡し位置と、前記受け渡し位置の上方側に設けられ、前記処理室の開口部を塞いで処理室内に基板を載置するための処理位置との間で載置台を昇降させる昇降機構と、を用い、前記受け渡し位置にて、少なくとも前記被処理膜の原料が塗布された後の基板を載置台に載置し、当該載置台を処理位置まで上昇させる工程と、被処理膜の一部が除去された後の基板が載置された載置台を処理位置から受け渡し位置まで降下させ、当該基板を搬出する工程と、を含むこと。
(f)前記被処理膜は、炭素化合物を含む有機膜であること。
(g)前記被処理膜の原料を基板に塗布する工程は、表面にパターンが形成された基板に対して行われ、前記被処理膜の原料を基板に塗布する工程と、前記被処理膜を形成する工程と、前記被処理膜の一部を除去する工程とをそれぞれこの順で複数回行い、少なくとも最後より前に行われる被処理膜の一部を除去する工程において、前記パターンの表面が露出するまで、前記被処理膜の一部を除去すること。
本発明の基板処理装置は、酸素含有雰囲気下にて紫外線を照射することにより分解する被処理膜が形成された基板が載置される載置台と、
前記載置台に載置された基板が収容される酸素含有雰囲気の処理室と、
前記処理室内の基板に紫外線を照射する紫外線照射部と、
前記処理室内の排気を行う排気機構と、
前記排気機構による排気が停止された状態にて、前記紫外線照射部から基板に紫外線を照射して前記被処理膜の一部を除去するステップと、次いで、前記排気機構により処理室内を排気するステップと、を実行するように制御信号を出力する制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明は、排気機構を備えた処理室にて基板に紫外線を照射する際に、前記排気機構による処理室内の排気を停止することにより、気流の影響を抑えて基板面内で均一に被処理膜の一部除去を行うことができる。


本発明の実施の形態に係るウエハ処理システムの平面図である。 前記ウエハ処理システムの縦断側面図である。 前記ウエハ処理システムを他の方向から見た縦断側面図である。 前記ウエハ処理システムに設けられている塗布装置の縦断側面図である。 前記ウエハ処理システムに設けられているウエハ処理装置の縦断側面図である。 前記ウエハ処理装置に設けられている処理室の横断平面図である。 前記ウエハ処理装置に設けられているランプ室の横断平面図である。 前記処理室から載置台を降下させた状態を示す縦断側面図である。 一方向流れ内にてUV光を照射した場合のSOC膜の膜厚分布を示す模式図である。 加熱処理時におけるウエハ処理装置の状態を示す拡大縦断側面図である。 前記ウエハ処理装置の作用を示す第1の説明図である。 前記ウエハ処理装置の作用を示す第2の説明図である。 前記ウエハ処理システムにてウエハに実施される処理の内容を示す説明図である。 第2の実施の形態に係るウエハ処理装置の縦断側面図である。 第2の実施の形態に係るウエハ処理装置の他の縦断側面図である。 第2の実施の形態に係るウエハ処理装置の横断平面図である。 第3の実施の形態に係るウエハ処理装置の一部を拡大した模式図である。 第3の実施の形態に係るウエハ処理装置の作用説明図である。 載置台の温度と有機膜の除去速度の経時変化との関係を示す説明図である。 UV照射による有機膜の除去速度の分布を示す第1の説明図である。 UV照射による有機膜の除去速度の分布を示す第2の説明図である。 UV照射による有機膜の除去速度の分布を示す第3の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係るウエハ処理システム(基板処理システム)1の概略構成を示す平面図である。図2及び図3は、ウエハ処理システム1の内部の概略構成を示す側面図である。なお、本実施の形態のウエハ処理システム1では、基板であるウエハWの表面に、紫外線を照射することにより分解する有機膜をSOC膜として形成する場合について説明する。またウエハ処理システム1で処理されるウエハWの表面には、予めSiO膜などのパターンが形成されている。
図1に示すように、ウエハ処理システム1は、複数枚、例えば25枚のウエハWを収容したカセットCの外部からの搬入出、及びカセットCからのウエハWの搬入出が行われるカセットステーション110と、ウエハWに所定の処理を施す複数の処理装置を備えた処理ステーション120とを接続した構成となっている。
以下、ウエハ処理システム1の説明においては、カセットステーション110が設けられている方向を前方側、処理ステーション120が設けられている方向を後方側とする。
カセットステーション110には、カセット載置台111が設けられている。カセット載置台111は、ウエハ処理システム1の前面に沿って一列に設けられ、複数のカセットCを載置することができる。
カセットステーション110内には、前方側から見て左右方向に延伸する走行路112上を移動可能なウエハ搬送機構113が設けられている。ウエハ搬送機構113は、鉛直方向及び鉛直周り(θ方向)にも移動自在であり、カセットCと処理ステーション120との間でウエハWを搬送できる。
処理ステーション120は、その中心部にウエハ搬送機構122が設けられている。このウエハ搬送機構122の周辺には、各種処理装置が多段に設けられた、例えば4つの処理ブロックG1〜G4が配置されている。手前側から見てウエハ搬送機構122の右手側には、第1の処理ブロックG1、第2の処理ブロックG2が手前からこの順に配置されている。また、同じ方向から見てウエハ搬送機構122の左手側には第3の処理ブロックG3、第4の処理ブロックG4が手前からこの順に配置されている。
また、カセットステーション110側に対向する処理ステーション120の前方側中央位置には、ウエハWの受け渡しを行うための受け渡し棚121が配置されている。ウエハ搬送機構122は、これらの処理ブロックG1〜G4内に配置された後述する各種処理装置、及び受け渡し棚121に対してウエハWを搬送できる。
図2に示すように第1の処理ブロックG1には、ウエハWにSOC膜を形成するための原料を塗布する塗布装置130、131が下から順に2段に重ねられている。第2の処理ブロックG2も同様に、塗布装置132、133が下から順に2段に重ねられている。また、第1の処理ブロックG1及び第2の処理ブロックG2の最下段には、塗布装置130〜133にSOC膜の原料を供給するためのケミカル室134、135がそれぞれ設けられている。
ケミカル室134、135から供給されるSOC膜の原料としては、酸素含有雰囲気下で紫外線を照射することにより発生する活性酸素やオゾンと反応して分解される炭素化合物を含む有機膜原料、例えばポリエチレン構造((−CH−))の骨格を持つポリマー原料を溶媒に溶解させた液体が用いられる。
第3の処理ブロックG3には、図3に示すようにウエハWに対して熱処理を行うと共に、ウエハWに対して紫外線照射処理を行うウエハ処理装置140、141、142、及びウエハWの温度を調節する温度調節装置143、144が下から順に5段に重ねられている。また第4の処理ブロックG4にも、第3の処理ブロックG3と同様に、ウエハ処理装置150、151、152、温度調節装置153、154が下から順に5段に重ねられている。
次に、塗布装置130〜133の構成について説明する。これら塗布装置130〜133は互いに共通の構成を備えているので、図4には塗布装置130の例を示す。
塗布装置130は、内部を密閉可能な処理容器200を有している。処理容器200のウエハ搬送機構122側の側面には、ウエハWの搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口にはシャッター(図示せず)が設けられている。
処理容器200内には、ウエハWを保持して回転させるスピンチャック210が設けられている。スピンチャック210の上面には、ウエハWの載置面が形成され、当該載置面には、例えばウエハWを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、ウエハWをスピンチャック210上に吸着保持できる。
スピンチャック210の下方には、例えばモーターなどを備えたチャック駆動部211が設けられている。スピンチャック210は、チャック駆動部211により所定の速度に回転できる。また、チャック駆動部211には、例えばシリンダなどの昇降機構が設けられており、昇降自在になっている。
スピンチャック210の周囲には、ウエハWから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ212が設けられている。カップ212の下面には、回収した液体を排出する排出管213と、カップ212内の雰囲気を吸引して排気する排気管214とが接続されている。
スピンチャック210の上方側には、ノズルヘッド221に保持された塗布ノズル222が配置される。ノズルヘッド221は、図4に向かって左右方向に延伸するように設けられたレール(図示せず)に沿って走行するアーム(図示せず)に保持されている。カップ212の側位置には、ウエハWへの原料塗布を行わない期間中にノズル222を待機させるノズルバス224が設けられている。
これにより、塗布ノズル222は、待機位置であるノズルバス224と、スピンチャック210に載置されたウエハWに対して原料を供給する、当該ウエハWの中央部上方側の位置との間を移動できる。また、ノズルヘッド221を保持するアームは昇降自在に構成され、塗布ノズル222の高さ位置を調節することもできる。
塗布ノズル222には、当該塗布ノズル222にSOC膜の原料を供給する供給管225が接続されている。供給管225は、内部に前記原料を貯留する原料供給源226に連通している。また、供給管225には、原料の給断や流量調節を行う流量調節部227が設けられている。
なお、スピンチャック210の下方には、ウエハWの裏面に向けて洗浄液を噴射するバックリンスノズル(図示せず)が設けられていてもよい。このバックリンスノズルから噴射される洗浄液によって、ウエハWの裏面とウエハWの外周部が洗浄される。
次に、図5〜図8を参照しながら上述したウエハ処理装置140〜142、150〜152の構成について説明する。これらウエハ処理装置140〜142、150〜152は互いに共通の構成を備えているので、図5〜図8にはウエハ処理装置140の例を示す。
図5に示すようにウエハ処理装置140は、扁平で前後方向に細長い直方体形状の筐体300に設けられている。筐体300の前方側の側壁面にはウエハWを搬入出するための搬入出口301と、この搬入出口301を開閉するシャッター302とが設けられている。
筐体300の内部は、仕切り板303によって上下に区画され、搬入出口301から見て手前側における、仕切り板303の上方側の空間には、ウエハWを搬送する搬送アーム41が設けられている。搬送アーム41には、ウエハ処理システム1のウエハ搬送機構122との間でウエハWの受け渡しを行う手前側の位置と、後述の載置台51との間でウエハWの受け渡しを行う奥手側の位置との間を前後方向に移動するための不図示の移動機構が設けられている。搬送アーム41は、処理後のウエハWを冷却するクーリングアームとしての役割も果たす。
ウエハ搬送機構122との間でウエハWを受け渡す手前側の位置には、ウエハ搬送機構122と搬送アーム41との間のウエハWの受け渡し時に、当該ウエハWを一時的に支持する支持ピン421が設けられている。支持ピン421は、仕切り板303の下方側の空間に配置された昇降部材422を介して昇降モーター423に接続され、搬送アーム41におけるウエハWの載置面よりも下方側の位置と、当該載置面よりも上方側であって、ウエハ搬送機構122との間でウエハWの受け渡しを行う位置との間を昇降することができる。
搬送アーム41がウエハ搬送機構122との間でウエハWの受け渡しを行う位置の後方側にはウエハWの載置台51が配置されている。図6の平面図に示すように載置台51は、SiCやAlNなどのセラミックス製の矩形状の板材などにより構成されている。載置台51の内部には、ヒーター512が埋め込まれており、ウエハWを加熱する加熱部としての機能も有する。ヒーター512は、ウエハWの径方向に分割され、ウエハWの位置に応じて加熱温度を変化させることができる構成となっているが、その詳細な構成については後述する。
載置台51は、伸縮自在に構成された複数本の支持部材531によって裏面側から支持され、各支持部材531の基端側に設けられたモーター532によって支持部材531を伸縮させることにより、ウエハWの処理が行われる処理位置と、搬送アーム41との間でのウエハWの受け渡しが行われる受け渡し位置との間で載置台51を上下方向に移動させることができる。仕切り板303には、載置台51の形状に対応した切り欠きが設けられており、図8に示すように載置台51を降下させたとき、載置台51は前記切り欠き内に嵌合して、仕切り板303と載置台51とがほぼ面一の状態となる。
図5、図8に示すように、載置台51の下方側には、搬送アーム41との間でのウエハWの受け渡し時に、当該ウエハWを一時的に支持する支持ピン541が設けられている。図6に示すように載置台51には、支持ピン541を貫通させるための貫通孔511が設けられており、載置台51を下方側に降下させたとき、支持ピン541の先端部は載置台51の上面から突出した状態となる(図8)。
支持ピン541は、昇降部材542を介して昇降モーター543に接続され、載置台51の上方側まで移動した搬送アーム41におけるウエハWの載置面の下方側位置と、当該載置面の上方側位置との間を昇降することにより、搬送アーム41との間でウエハWの受け渡しを行う。また、搬送アーム41を前方側の位置まで退避させた状態にて、載置台51を昇降させることにより、載置台51と支持ピン541との間でのウエハWの受け渡しが行われる。
載置台51の上方側における筐体300の天井面には、載置台51に対応する形状の開口部63が形成されている。また、筐体300の上面側には、当該開口部63を覆うように扁平な処理室61が設けられている。支持部材531に支持された載置台51は前記開口部63に嵌合し、処理室61との間でウエハWの処理空間60を形成する(図5)。
載置台51に載置されたウエハWの上面と、処理空間60の天井面(後述するUV透過部73)との間の高さ寸法は、数mm〜十数mmの範囲内の例えば3mmとなっている。 この処理空間60においては、SOC膜の原料が塗布されたウエハWを加熱してSOC膜を形成する処理、及びこのSOC膜に紫外線(UV光)を照射してSOC膜の一部を除去する処理が行われる。
図5、図6に示すように、処理空間60の前方側の位置には、載置台51の前端縁に沿って、手前側から見て左右方向に伸びるように給気部621が形成されている。給気部621は、給気管624を介して清浄空気供給部625に接続され、この清浄空気供給部625から給気部621へと清浄空気が供給される。
また処理空間60に臨む給気部621の側壁面には、互いに間隔を開けて複数の給気孔622が形成されており、給気部621に供給された清浄空気は、処理空間60内に均一に流入する。なお、給気部621と処理室61との間に設けられているテーパー部623は、給気孔622からの清浄空気の吐出位置と、処理空間60への流入位置との位置調節を行う。
一方、処理空間60の後方側の位置には、載置台51の後端縁に沿って、手前側から見て左右方向に伸びるように排気部641が形成されている。排気部641は、処理空間60内の雰囲気の排気を実行する排気ファン645が設けられた排気管644に接続され、この排気管644は外部の除害設備646に接続されている。
排気部641、排気管644、排気ファン645などは、本実施の形態の排気機構に相当する。
処理空間60に臨む排気部641の側壁面には、互いに間隔を開けて複数の排気孔642が形成されており、処理空間60内の雰囲気はこれら排気孔642を介して排気部641へと排気される。処理室61と排気部641との間に設けられているテーパー部643についても、処理空間60内の雰囲気の流出位置と、排気孔642からの排気位置との位置調節を行っている。
図5、図6に示すように、給気部621、排気部641が処理空間60を介して前後に対向するように配置されていることにより、処理空間60内には、給気部621から供給された清浄空気が処理空間60を通過して排気部641へ向けて一様に流れる一方向流れを形成することができる。
処理室61の上面側には、処理空間60内に配置されたウエハWにUV光を照射するためのUVランプ72を収容したランプ室71が設けられている。図7に示すように、ランプ室71内には、ウエハWの全面にUV光を照射することができるように、直管型のUVランプ72が前後方向に伸びるように互いに間隔を開けて複数本、本例では4本配置されている。
UVランプ72から照射されるUV光の波長は、処理空間60内の雰囲気に含まれる酸素からSOC膜を除去に用いられる活性酸素やオゾンを発生させることが可能であれば特段の限定は無い。UV光は、その波長が短いほどエネルギーが大きくなる一方、処理空間60内の気体に吸収され易くもなるが、本例ではこれらのバランスを考慮して172nmの波長のUV光を照射するUVランプ72を用いている。
これらUVランプ72は電源部74に接続され、この電源部74から電力の給断により点灯、消灯される。
図5、図11などに示すように、上下に積み重ねて配置された処理室61とランプ室71との間には、UVランプ72から照射されたUV光を処理空間60内へ向けて透過させるUV透過部73が設けられている。UV透過部73は、例えばUV光を透過するガラス板などによって構成される。
UVランプ72、電源部74、UV透過部73などは、本実施の形態の紫外線照射部に相当する。
以上に説明した構成を備えるウエハ処理装置140においては、既述のように処理空間60内にてウエハWを加熱して被処理膜であるSOC膜を形成する処理と、ウエハWにUV光を照射し、SOC膜の一部を除去してウエハWの表面を平坦化する処理とが行われる。
これらの処理のうち、SOC膜を形成する処理は、給気部621から排気部641へ向けて流れる清浄空気の一方向流れ内にて行われ、これにより加熱の際にSOC膜の原料から発生した成分が処理空間60から排出される。
一方で発明者らは、SOC膜を形成する際と同じ条件である清浄空気の一方向流れ内にてウエハWにUV光を照射すると、SOC膜を均一に除去することが困難になり、ウエハWの表面を平坦化するうえでの阻害要因となる場合があることを新たに見出した。
図9に示すように、給気部621から排気部641へ向けて流れる清浄空気の一方向流れが形成されている処理空間60に向けてUV光を照射すると、流れ方向の上流側にて活性酸素やオゾンが豊富な雰囲気が形成される。また、扁平な処理室61内では、手前側から見て左右両脇の側壁面に近い領域の方が、中央部側の領域よりも気流の流速が遅くなる。この結果、処理空間60の前方側、左右両脇の位置にて活性酸素やオゾンが豊富な状態が形成される。そしてこの処理空間60内に配置されたウエハWは、活性酸素やオゾンが豊富な領域の減膜量が多くなる領域(減膜領域R)が形成され、SOC膜の除去が不均一に行われてしまう。
そこで本例のウエハ処理装置140においては、図5、図6に示すように、載置台51上に載置されたウエハWの周囲を囲む円環形状の囲み部材52を設け、UV光が照射されるウエハWの上方側への気体の流入を制限している。また、UV光の照射時には、給気部621からの清浄空気の供給、及び排気部641からの強制排気を停止して、静置雰囲気下で処理を行うことにより、図9を用いて示した減膜領域Rの形成を抑えている。
作用説明にて後述するように、囲み部材52にて囲まれた処理空間60内には対流が形成されるので、本例における処理空間60内の気体の流速はゼロとはならない。当該処理空間60内の気体の流速が例えば10cm/秒以下であれば、減膜領域Rの形成を抑え、ウエハWの表面を平坦化する処理を実施できる。
一方で、囲み部材52に囲まれた狭い空間内で、外部からの酸素の供給もなくUV光を照射すると、SOC膜の除去に必要な活性酸素やオゾンが欠乏してしまうおそれもある。そこで図11、図12の拡大図に示すように、囲み部材52の上端と処理室61の天井面との間には、隙間(酸素取込口601)が形成され、この酸素取込口601を介して囲み部材52の外部(図6などに示す酸素供給空間602)から酸素を含む清浄空気を囲み部材52の内側に取り込むことができる。
酸素取込口601の隙間の幅は、ゼロよりも大きく、3mm以下の範囲の例えば0.8mmに設定されている。酸素取込口601は、囲み部材52の上端と処理室61の天井面との間の隙間にて構成する場合に限定されるものではなく、囲み部材52の周方向に沿ってスリット状の酸素取込口601を設け、UV光による処理時には、上述の隙間を閉じる構成としてもよい。
なお、図11、図12においては、処理空間60や囲み部材52の高さ寸法を拡大して表示してある。
後述の実施例に実験結果を示すように、囲み部材52によって囲まれた処理空間60内にてウエハWにUV光を照射する処理を行う場合においても、ヒーター512にて載置台51を昇温し、ウエハWを加熱した方がSOC膜の除去速度が大きくなることを発明者らは把握している。一方で、ウエハWの面内温度を均一にしてUV光を照射すると、ウエハWの周縁部にて減膜量が大きくなり、ウエハWの中央部側へ向けて減膜量が小さくなる膜厚分布が形成されるという事実も、発明者らは見出した。
上述の膜厚分布が形成される理由は、SOC膜を分解した際に発生した副生成物が処理空間60内に浮遊してUV光を吸収し、活性酸素やオゾンの生成を抑え、またこれらの副生成物が活性酸素やオゾンと反応してSOC膜との反応を阻害してしまうためではないかと考えている(図11)。そして、囲み部材52に近接するウエハWの周縁領域では、中央側の領域と比較して副生成物の発生量が少なく、また活性酸素やオゾンの原料となる酸素が酸素取込口601を介して供給されるので、中央部側と比較して減膜量が大きくなるのではないかと推定している。
そこで本例のウエハ処理装置140においては、図11に示すようにウエハWの径方向に向けて載置台51を同心円状に分割し、第1の載置台部(第1の加熱部)51aと第2の載置台部(第2の加熱部)51bとを設けている。そして、中央部側の第1の載置台部51aに設けられている第1のヒーター512aに電力を供給する電源部514aと、周縁部側の第2の載置台部51bに設けられている第2のヒーター512bに電力を供給する電源部514bとで出力を変化させている。なお図11に示すように、第1の載置台部51aと第2の載置台部51bとの間に断熱部513を設けている。
本例では、中央部側の第1の載置台部51aの温度を200〜350℃の範囲の300℃に設定し、周縁部側の第2の載置台部51bの温度を200〜350℃の範囲の250℃に設定している。これにより、面内を均一に加熱したとき、減膜量が小さくなるウエハWの中央部側の除去速度を向上させ、UV光照射後のSOC膜の膜厚分布の均一化を図っている。
図11においては、載置台51をウエハWの径方向に向けて2分割した例について説明したが、載置台51を3つ以上に分割して、より高精度に膜厚調整を行ってもよいことは勿論である。
さらに本例のウエハ処理装置140は、ウエハWの照射領域に応じてUV透過部73の材質を変更することによっても、UV光照射後のSOC膜の膜厚分布の均一化を図っている。
即ち図7、図11などに示すように、UV透過部73は、ウエハWの径方向に向けて第1のUV透過部731、第2のUV透過部732に分割されている。そして第1のUV透過部731はUV光の透過率の高いガラス板にて構成される一方、第2のUV透過部732はUV光の透過率が比較的低いスリガラス板にて構成されている。
このような材質の違いにより、例えば第1のUV透過部731を透過したUV光は30〜60mW/cmの範囲の40mW/cmの照度で処理空間60に照射され、第2のUV透過部732を透過したUV光は20〜45mW/cmの範囲の30mW/cmの照度で処理空間60に照射される。この結果、活性酸素やオゾンの発生量がウエハWの周縁部側で相対的に少なくなり、UV光照射後のSOC膜の膜厚分布の均一化を図ることができる。
第1のUV透過部731、第2のUV透過部732は、本実施の形態の照度調節機構に相当する。UV透過部73においても、ウエハWの径方向に3つ以上に分割して、より高精度にUV光の照度を調節してもよいことは勿論である。
以上に説明した構成を備えるウエハ処理システム1、塗布装置130〜133、及びウエハ処理装置140〜142、150〜152は、制御部8と接続されている。制御部8はCPUと記憶部とを備えたコンピュータからなり、記憶部にはウエハ処理システム1や各塗布装置130〜133、ウエハ処理装置140〜142、150〜152の作用、即ちカセットCからウエハWを取り出して塗布装置130〜133やウエハ処理装置140〜142、150〜152にウエハWを搬送し、原料の塗布や、加熱によるSOC膜の形成、UV照射によるSOC膜の一部除去を行ってウエハWの表面を平坦化する処理を行った後、カセットCにウエハWを戻すまでの制御に係るステップ(命令)群が組まれたプログラムが記録されている。このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカードなどの記憶媒体に格納され、そこからコンピュータにインストールされる。
以下、図10〜図13を参照しながらウエハ処理システム1の作用について説明する。図10は、SOC膜を形成する加熱処理時、図11、図12はUV光の照射時の処理空間60の状態を示し、図13(a)〜(g)はこれらの処理の実行中のウエハWの表面近傍の縦断面を模式的に示している。
ウエハ処理システム1に処理されるウエハWの表面には、図13に示すように例えばSiO膜がパターンニングされている。このパターンPは疎密に形成されており、パターンPのみが配置されたブランケットの領域Aと、パターンPと窪み部Qとが交互に形成されたラインアンドスペースの領域Bとが設けられている。
上記パターンPが形成されたウエハWを収容したカセットCがカセット載置台111上に載置されると、ウエハ搬送機構113によってカセットCからウエハWが取り出される。取り出されたウエハWは、処理ステーション120の受け渡し棚121に搬送され、ウエハ搬送機構122によって温度調節装置143、144、153、154に搬送され、所定の温度に温度調節される。
その後、ウエハWは、ウエハ搬送機構122によって塗布装置130に搬送される。塗布装置130に搬入されたウエハWは、ウエハ搬送機構122からスピンチャック210に受け渡され吸着保持される。続いて、ノズルバス224にて待機していた塗布ノズル222がウエハWの中心部の上方位置まで移動し、スピンチャック210によって回転するウエハWにSOC膜の原料を供給する。回転するウエハWに供給された原料は、遠心力によってウエハWの表面全面に膜状に広がる。
このとき、図13(a)に示すように原料の表面張力や粘度に起因して、ウエハWに塗布された原料Lは、ラインアンドスペースの領域Bに塗布された原料L(以下、「原料L」という)が、ブランケットの領域Aに塗布された原料L(以下、「原料L」という)に比べて下方側に窪んだ状態となる。即ち、パターンPの上端から原料Lの表面までの高さHB1は、パターンPの上端から原料Lの表面までの高さHA1より小さくなる。この結果、原料Lと原料Lとの間で段差Dが生じる。
その後、ウエハWは、ウエハ搬送機構122によって塗布装置130〜133より搬出され、ウエハ処理装置140〜142、150〜152(以下、記載の便宜上、ウエハ処理装置140の符号のみ記す)に搬送される。搬入出口301からウエハ搬送機構122が進入する際、搬送アーム41は前方側の位置に移動し、載置台51は下方側に降下した状態で待機している。
シャッター302を開き、搬入出口301からウエハ搬送機構122がウエハ処理装置140内に進入し、搬送アーム41の上方位置にて停止すると、支持ピン421が上昇し、ウエハ搬送機構122からウエハWを受け取る。しかる後、ウエハ搬送機構122はウエハ処理装置140内から退出し、シャッター302が閉じられる。
ウエハWを支持した支持ピン421が降下すると、当該支持ピン421から搬送アーム41にウエハWが受け渡され、ウエハWを保持した搬送アーム41は、載置台51が待機している後方側へ向けて移動する。搬送アーム41が載置台51の上方側まで移動して停止したら、支持ピン541を上昇させ、搬送アーム41から支持ピン541にウエハWを受け渡す(図8)。
しかる後、搬送アーム41を前方側の待機位置まで移動させ、載置台51を上昇させて支持ピン541からウエハWを受け取って囲み部材52の内側の領域の載置台51上にウエハWを載置する。ウエハWが載置された載置台51は、処理室61の下面側の位置まで上昇して開口部63を塞ぐ。
ここで図11に示したように囲み部材52の上端と処理室61の天井面との間の隙間が0.8mmとなる位置まで載置台51を上昇させると、囲み部材52に囲まれたウエハWの上方に一様な一方向流れが形成されにくくなる。そこで図10に示すように、例えば囲み部材52の上端がテーパー部623、643の上端と面一となったタイミングで載置台51の上昇を停止する。
こうして処理室61と載置台51との間に形成された処理空間60内に、給気部621から排気部641へ向けて一方向流れを形成し、電源部514(514a、514b)からヒーター512(512a、512b)へ向けて電力を供給し、ウエハWを例えば300℃に加熱する。このとき、電源部514a、514bの出力は揃っており、ウエハWは全面が均一な温度に加熱されている。
ウエハWが所定の時間加熱されると、原料Lから有機膜であるSOC膜Fが形成される(図13(b))。このときにおいても、領域AのSOC膜F(以下、「SOC膜F」という場合がある)と領域BのSOC膜F(以下、「SOC膜F」という場合がある)との間には、既述の段差Dが生じている。
SOC膜の形成の際に発生した副生成物は、一方向流れに乗って処理空間60から排気部641へ排出される(図10)。
次いで、給気部621からの清浄空気の供給、排気部641による処理空間60内の排気を停止して、囲み部材52の上端と処理室61の天井面との間に0.8mmの酸素取込口601が形成される位置まで載置台51を上昇させる(図11)。また電源部514bの出力を下げ、第2の載置台部51b上のウエハWの加熱温度を250℃に調節する。
しかる後、電源部74から電力を供給し、各UVランプ72を点灯して処理空間60にUV光を照射する。照射されたUV光によって、処理空間60内の清浄空気(酸素含有雰囲気)中の酸素から活性酸素やオゾンが発生する。これら活性酸素とオゾンによって、SOC膜Fの表面(SOC膜Fの一部)が分解されて除去され、いわゆるエッチバックが実行される。
このとき、処理空間60内の排気が停止され、さらに囲み部材52にて囲まれた処理空間60内でUV光の照射を行い、気体の流速が10cm/秒以下の雰囲気下でSOC膜の一部除去を行うので、面内で均一な処理を行うことができる。さらに、ウエハWが載置されている載置台51がヒーター512によって加熱されている一方、処理空間60の天井面側は250〜300℃といった高温には加熱されていない。この結果、処理空間60内に下方側から上方側へ向けて気体の温度が低くなる温度差が発生し、図12に示すようにウエハWの上方側を上下方向に循環する対流が発生し、処理空間60内を均一に撹拌する。この対流の作用によってもウエハW面内の均一な処理が実行される。
さらにまた、囲み部材52には酸素取込口601が設けられているので、囲み部材52に囲まれた処理空間60内で活性酸素やオゾンが消費されてこれらの活性成分の濃度が低下すると、囲み部材52の外部から酸素を含む雰囲気(UV光が照射され、活性酸素やオゾンの状態となっていてもよい)が囲み部材52の内側へ流入する。このように、囲み部材52の外側の空間は、いわば酸素補充空間として機能し、SOC膜の一部を除去する処理に貢献する。
また、ウエハWの周縁部側では第2の載置台部51bの温度が中央部側の第1の載置台部51aと比べて低温に調節され、第2のUV透過部732のUV光の透過率が中央部側の第1のUV透過部731に比較して低くなっている。このため、副生成物の影響が小さいウエハWの周縁領域におけるSOC膜の除去速度が低く抑えられるので、面内で均一にSOC膜の一部除去を行うことができる。
上述のUV光の照射を実行し、例えば図13(c)に示すように領域A側のSOC膜Fが完全に除去される所定の深さまで、高さHA1分のSOC膜Fを除去する。この結果、ウエハWは、パターンPの表面が露出し、領域AにはSOC膜Fが存在せず、領域BにはパターンPの窪み部Q内に高さHC1のSOC膜Fが残存した状態となる。
こうして所定時間だけUV光の照射を行ったら、UVランプ72を消灯し、ヒーター512への電力供給を停止して図10に示す位置まで載置台51を降下させる。しかる後、給気部621からの清浄空気の供給、排気部641からの排気を行って処理空間60内に一方向流れを形成し、活性酸素やオゾン、副生成物などを処理空間60内から排出する。
次いで、載置台51を降下させ、搬入時とは反対の手順で処理後のウエハWを搬送アーム41に受け渡す。ウエハWを受け取った搬送アーム41は、ウエハ搬送機構122との間でウエハWの受け渡しを行う前方側の位置まで移動して所定時間待機し、ウエハWが所定の温度に冷却されるのを待つ。温度調節されたウエハWは、搬入時とは反対の手順でウエハ搬送機構122に受け渡され、ウエハ処理装置140から搬出される。
以上に説明した塗布装置130〜133による原料の塗布処理→ウエハ処理装置140〜142、150〜152におけるウエハWの加熱処理→その後のUV光の照射処理がこの順に複数回、例えばn回行われる。
例えば2回目の原料塗布では、塗布装置130〜133にてウエハW上にSOC膜の原料Lが再度塗布される。
この2回目においては、1回目の原料塗布に比べて、原料Lの膜厚が小さくなるように調節される。具体的には、例えばスピンチャック210の回転速度を大きくする、或いはウエハW上に供給する原料Lの供給量を少なくするなどの手法を採用できる。この結果、図13(d)に示すように2回目のSOC膜F、F(原料L、L)の高さHA2、HB2は、1回目のSOC膜F、Fの高さHA1、HB1よりも小さくなる。
その後、ウエハ処理装置140の処理空間60内にてウエハW上の原料Lが加熱されてSOC膜Fが形成される(図13(d))。このとき、SOC膜FとSOC膜Fとの間の段差Dは1回目の段差Dよりも小さくなっている。
しかる後、ウエハ処理装置141の処理空間60にウエハWにUV光が照射されることによって、図13(e)に示すように領域A側のSOC膜Fが完全に除去される所定の深さまで、高さHA2分のSOC膜Fを除去する。この結果、領域AにはSOC膜Fが存在せず、領域BにはパターンPの窪み部Q内に高さHC2のSOC膜Fが残存した状態となる。なお、2回目のUV光照射後に残存するSOC膜Fの高さHC2は、1回目のUV光照射後に残存するSOC膜Fの高さHC1よりも大きくなっている。すなわち、原料の塗布→SOC膜の形成→SOC膜の一部除去の一連の処理シーケンスの回数を重ねるごとに、パターンPの窪み部Q内にSOC膜Fが積み上げられていく。
以上に説明した2回目の処理のシーケンスと同様に、3回目〜n回目においても、原料の塗布→SOC膜の形成→SOC膜の一部除去の処理シーケンスを繰り返す。この結果、SOC膜FとSOC膜Fとの間の段差D〜Dが次第に小さくなり、最終的には段差Dはほぼゼロになる。そうすると、図13(f)に示すようにSOC膜Fの表面の高さとパターンPの表面の高さとが揃った状態になる。なお、段差Dは完全にゼロでなくとも、要求される所定の範囲内に収まっていればよい。
その後、塗布装置130〜133にてウエハW上に所定の膜厚の原料Lを塗布し、次いでウエハ処理装置140の処理空間60内でウエハW上の原料Lを加熱する処理のみを実行する。この結果、図13(g)に示すようにウエハW上に所定の膜厚を有し、且つ、表面が平坦化されたSOC膜Fが形成される。
図13(g)に示すSOC膜Fが形成されたら、UV光の照射を行わずに搬送アーム41にウエハWを受け渡し、温度調節を行った後、ウエハ搬送機構122によってウエハ処理装置140からウエハWが搬出される。しかる後、ウエハは、受け渡し棚121→ウエハ搬送機構113を介して処理ステーション120からカセットステーション110に搬送され、カセット載置台111上のカセットCへと戻される。こうしてウエハWの表面を平坦化するためのSOC膜を成膜する、ウエハ処理システム1の処理が完了する。
本実施の形態に係るウエハ処理システム1、ウエハ処理装置140〜142、150〜152によれば以下の効果がある。SOC膜にUV光を照射してその一部を除去するので、ウエハWへの影響を抑えつつ常圧雰囲気下で処理を行うことができる。このとき、排気機構(排気部641や排気ファン645など)を備えた処理室61にて、処理室61内(処理空間60)の排気を停止し、気体の流速が10cm/秒以下である状態でUV光の照射を行うことにより、気流の影響を抑えてウエハW面内で均一にSOC膜の一部除去を行うことができる。
次いで、図14〜図16を参照しながら第2の実施の形態に係るウエハ処理装置140aについて説明する。当該ウエハ処理装置140aは、処理空間60へ向けて酸素含有気体を供給するための給気部621と、処理空間60から排気された気体が排出される排気部641とが、載置台51よりも下方側に設けられている点において、これら給気部621、排気部641と処理空間60とが横方向に並べて設けられた第1の実施の形態に係るウエハ処理装置140(図5、図10参照)と異なっている。
なお、図14〜図18を用いて説明する各実施の形態においては、第1の実施の形態に係るウエハ処理装置140と共通の機能を持つ構成要素には、図5〜図12に示したものと同じ符号を付してある。また、これら図14〜図18においては、UV透過部73の分割(第1、第2のUV透過部731、732)や載置台51の分割(第1、第2の載置台部51a、51b)の記載は省略してある。
図14〜図16に示すように、本例のウエハ処理装置140aの載置台51には、載置台51の側周面を囲むように、円筒状のフランジ部640が設けられ、その下端部は載置台51よりも下方側へと伸び出している。フランジ部640は載置台51に取り付けられ、支持部材531の伸縮動作に伴って、載置台51と共に上下方向へと移動する。
図16に示すように、載置台51から見て後方側のフランジ部640内には、載置台51に沿って円弧状に形成された溝状の空間である給気部621が設けられている。図14に示すように、給気部621は給気管624に接続され、清浄空気供給部625から、酸素含有気体である清浄空気が供給される。本例のウエハ処理装置140aにおいて、清浄空気は、給気管624上に介設されたエアポンプ626を用いて強制給気される。なお、筐体300a内に配置された給気管624は、フランジ部640の昇降動作に応じて変形可能なように、可撓性のホースによって構成される。
前記給気部621の上面は、フランジ部640の上面側の部材で覆われ、当該給気部621を覆う部材には、載置台51の周方向に沿って、複数の給気孔622が互いに間隔を開けて設けられている。給気部621内に広がった清浄空気は、これらの給気孔622から分散して吐出される(図16)。図14に示すように、給気孔622は、ウエハWを収容した処理空間60(載置台51上に載置されたウエハW)よりも低い高さ位置に形成されている。
一方、載置台51から見て前方側のフランジ部640内には、載置台51に沿って円弧状に形成された溝状の空間である排気部641が設けられている(図16)。図14に示すように、排気部641は排気管644に接続され、処理空間60内から排気された気体は、排気部641に流れ込んだ後、外部の除害設備646へと排出される。なお、当該排気管644についても、フランジ部640の昇降動作に応じて変形可能なように、可撓性のホースなどによって構成される。また、給気管624側のエアポンプ626を用いた強制給気に代えて、または並行して、排気管644側に設けた排気ファン645による排気を行ってもよい。
さらに排気部641の上面は、フランジ部640の上面側の部材で覆われ、当該排気部641を覆う部材には、載置台51の周方向に沿って、複数の排気孔642が互いに間隔を開けて設けられている。処理空間60から排気された気体は、これらの排気孔642を介して排気部641に排出される(図16)。図14に示すように、排気孔642についても、処理空間60(載置台51上に載置されたウエハW)よりも低い高さ位置に形成されている。
また、フランジ部640内において、給気部621と排気部641とは互いに離隔して形成され、給気部621に供給された清浄空気が、直接、排気部641へと流れ込まないようになっている。
フランジ部640の上端部には、載置台51の周縁部から、載置台51上に設けられた囲み部材52aへ向けて屈曲する、凸湾曲面を備えた円環状の下部側流路形成部材652が設けられている。一方、筐体300aの天井面には、載置台51及びフランジ部640に対応する形状の開口部63(図15参照)を備えた上部側流路形成部材651が設けられている。この上部側流路形成部材651には、開口部63に沿って周方向に凹湾曲面が形成されている。
載置台51を処理位置まで上昇させたとき、給気孔622、排気孔642が形成されている領域においては、上部側流路形成部材651の凹湾曲面は、下部側流路形成部材652の凸湾曲面と数mm程度離れて対向するように形成されている。図14に示すように、これら上部側流路形成部材651、下部側流路形成部材652の互いに対向する湾曲面に囲まれた空間は、処理空間60に供給された清浄空気、または処理空間60から排気された気体が流れるスリット状の流路653a、653bとなる。本例のウエハ処理装置140aにおいては、前記上部側流路形成部材651と、載置台51と筐体300aの天井面(UV透過部73)とで囲まれた扁平な円盤状の空間が処理空間60となる。従って、囲み部材52aの外方側の領域には、図6などに示した酸素供給空間602は殆ど形成されない。
一方、給気孔622、排気孔642が形成されていない領域においては上部側流路形成部材651、下部側流路形成部材652の湾曲面同士をできるだけ近接させ、気体の流路が形成されないように構成し、給気孔622から供給された清浄空気が、処理空間60をバイパスして排気孔642に流れ込まないようにしてよい。
以上に説明した構成を備えたウエハ処理装置140aにおいて、載置台51を処理位置まで上昇させると、UV透過部73と載置台51との間に処理空間60が形成され、また下部側流路形成部材652、上部側流路形成部材651間に、清浄空気の供給用の流路653a、及び処理空間60からの気体の排気用の流路653bが形成される。そして、給気管624から給気部621に清浄空気を供給すると、流路653aから処理空間60へ向けて清浄空気が供給され、処理空間60内に酸素含有雰囲気が形成される。清浄空気と置換された処理空間60内の気体は、一方向流となって流路653bへ排気され、排気孔642を介して排気部641の下流側へと排出される。
ここで、本例のウエハ処理装置140aにおいては、囲み部材52aの上端と処理室61の天井面との間の隙間の幅は、エアポンプ626によって送り出された気体が、排気孔642から排気部641へ向けて通流し、処理空間60内に一方向流を形成できる程度の寸法に設定されている。
この状態にてヒーター512によりウエハWを加熱すると、原料Lが塗布されたウエハWの表面でSOC膜Fが形成され、その際に発生した生成物は処理空間60内から排気孔642へと排気される点については、図10を用いて説明した第1の実施の形態に係るウエハ処理装置140と同様である。
そして、SOC膜Fが形成されたタイミングにて、給気孔622からの清浄空気の供給、排気孔642からの処理空間60内の排気を停止し、UVランプ72を点灯して処理空間60内にオゾンや活性酸素を発生させ、SOC膜Fの一部を除去する処理を行う点(図11参照)と、当該処理の実行後、給気孔622から排気孔642へ向かう一方向流を形成して、処理空間60内の排気を行う点とについても第1の実施の形態に係るウエハ処理装置140と同様である。
図14〜図16に示した、第2の実施の形態に係るウエハ処理装置140aにおいては、処理室60へ向けて清浄空気を供給するための給気部621が処理室60よりも下方側に配置され、また処理空間60から排気された気体が排出される排気部641についても処理室60よりも下方側に配置されている。この結果、ウエハ処理装置140aを構成する筐体300a内の空間を利用して、清浄空気の供給機構(給気部621が形成された領域のフランジ部640や給気管624など)、処理空間60内の気体の排気機構(排気部641が形成された領域のフランジ部640や排気管644など)を設けることができるので、これら給気部621、排気部641と処理空間60とが横方向に並べて設けられた第1の実施の形態に係るウエハ処理装置140(図8)よりも装置を小型化することができる。
以上に説明した点に加え、本例のウエハ処理装置140aは、下記の点でも小型化が図られている。即ち、クーリングアームとして用いられる搬送アーム41の設置が省略され、搬入出口301から進入したウエハ搬送機構122が支持ピン541との間で直接、ウエハWの受け渡しが行われる。また、支持ピン541は、基台部543aによって所定の高さ位置に固定して配置され、昇降動作を行わない構成となっており、筐体300aの高さ寸法の抑制も図られている。
次いで、図17、図18を参照しながら、第3の実施の形態に係るウエハ処理装置140bについて説明する。
既述のように、第2の実施の形態に係るウエハ処理装置140aにおいては、装置の小型化を図る観点などから、第1の実施の形態のウエハ処理装置140には設けられていた酸素供給空間602の設置が省略されている。この場合には、清浄空気の供給を停止した状態で、狭い処理空間60内の酸素含有雰囲気にUV光を照射したとき、SOC膜の除去の進行に伴って活性酸素やオゾンの濃度が低下し、SOC膜の除去速度が遅くなるおそれもある
そこで本例のウエハ処理装置140bは、図17に模式的に示すように、「高濃度酸素」の供給を行う高濃度酸素供給部626aを処理空間60に接続し、酸素含有雰囲気中に含まれる酸素の量を増やすことにより、SOC膜の除去に必要な量の活性酸素やオゾンを確保する構成となっている。
なお、図17、図18(a)〜(e)に示すウエハ処理装置140bは、載置台51上に囲み部材52、52aを設けていない例を示してある。
本実施の形態において、「高濃度酸素」とは、酸素濃度が空気中の酸素濃度である21体積%(0℃、1気圧の標準状態基準)よりも高く、60体積%以下である気体、より好適には酸素濃度が25〜60体積%の範囲内である酸素含有気体である。例えば高濃度酸素は、清浄空気に酸素ガスを混合することによって調製される。
図17に示すウエハ処理装置140bの処理空間60には、給気管624aを介して高濃度酸素供給部626aが接続され、給気孔622aから処理空間60内に高濃度酸素が供給される。処理空間60への高濃度酸素の給断は空圧バルブ628aによって実行される。ここで、例えば液体酸素を気化させて得た酸素と、清浄空気とを混合して高濃度酸素を調製する場合には、液体酸素を気化させる際の気化熱により高濃度酸素の温度が低下する場合もある。そこで、処理空間60内の温度低下を防止するため、高濃度酸素の供給が行われる給気管624aには、高濃度酸素の加熱を行う加熱部627が設けられている。
さらにウエハ処理装置140bには、処理空間60内の気体を排気する際に、排気用気体として例えば清浄空気を処理空間60に供給する清浄空気供給部626bが接続されている。清浄空気供給部626bから処理空間60への清浄空気の供給は、給気孔622bに接続された給気管624bを介して行われ、当該処理空間60への清浄空気の給断は空圧バルブ628bによって実行される。また、清浄空気供給部626bから供給される清浄空気は、図10、図14などを用いて説明した、SOC膜Fの形成にも用いられる。排気用気体としての清浄空気を供給する清浄空気供給部626bは、本実施の形態の排気用気体供給部に相当する。
さらに図17に示すように、排気孔642から排気管644への処理空間60内の気体の排気、停止は空圧バルブ647によって実行される。既述の各空圧バルブ628a、628b、647の動作制御は、制御部8から出力される制御信号に基づき、不図示のバルブ動作空気供給系統を介して各空圧バルブ628a、628b、647に動作用空気を供給、停止する動作によって実行される。
次いで図18(a)〜(e)を参照しながら本例のウエハ処理装置140bの作用について説明する。
処理対象のウエハWが載置台51に載置されたら、載置台51を上昇させて処理空間60を形成する(図18(a))。その後、清浄空気供給部626bから処理空間60内に清浄空気を供給する一方、排気孔642から排気を行って、処理空間60内に清浄空気の一方向流を形成し、この状態でウエハWを加熱することにより、ウエハWにSOC膜Fを形成する処理については、第1、第2の実施の形態に係るウエハ処理装置140、140aと同様なので、説明を省略する。
SOC膜Fが形成されたら、処理空間60に供給する気体を清浄空気から高濃度酸素に切り替え、処理空間60内に高濃度酸素の酸素含有雰囲気を形成する(図18(b))。このとき、排気孔642からの処理空間60内の排気を継続して、処理空間60内の気体の置換を促進してよい。
次いで、処理空間60内が所定の酸素濃度の酸素含有雰囲気となるタイミングにて、高濃度酸素の供給、及び処理空間60内の排気を停止する。そして、UVランプ72を点灯して処理空間60内にオゾンや活性酸素を発生させ、SOC膜Fの一部を除去する処理を行う(図18(c))。
処理空間60内のオゾンや活性酸素が消費され、これらの成分の濃度が予め設定した目標濃度よりも低くなるタイミングとなったら、UVランプ72を消灯し、処理空間60内に排気用気体である清浄空気を供給しながら処理空間60内の排気を行う(図18(d))。そして、処理空間60内の排気が完了したら、供給する気体を高濃度酸素に切り替えて、処理空間60内に再び酸素含有雰囲気を形成する。
以上に説明した図18(b)〜(d)の動作を複数回、例えば3回以上繰り返して実行する。そして、予め設定された回数、これらの動作を繰り返したら、載置台51を降下させ、ウエハ処理装置140bからウエハWを搬出する(図18(e))。
本実施の形態に係るウエハ処理装置140bにおいては、高濃度酸素を供給して酸素含有雰囲気を形成することと、オゾンや活性酸素の消費が進行したタイミングにて、処理空間60内の気体を入れ替えて新たな酸素含有雰囲気を形成することとにより、SOC膜Fの除去速度の低下を抑え、比較的短い時間で所望量のSOC膜Fを除去することを可能としている。
なお、高濃度酸素を用いたSOC膜Fの除去は、囲み部材52を備え、酸素供給空間602が形成された第1の実施の形態に係るウエハ処理装置140にて行ってもよいことは勿論である。また、本例のように高濃度酸素を供給する場合に替えて、単に清浄空気を用いてSOC膜Fの一部を除去する処理を行う場合においても、図18(b)〜(d)の動作を複数回、繰り返し行って処理空間60内の気体を入れ替えるようにしてもよい。
以上に説明した各実施の形態に係るウエハ処理装置140、140a、140bにおいて、処理室61内に囲み部材52を設けることは必須の要件ではない(第3の実施の形態に係るウエハ処理装置140b参照)。例えば囲み部材52を設けていない載置台51上にウエハWを載置して処理空間60を形成した後、処理空間60への清浄空気の供給、及び処理空間60内の排気を停止した状態でUV光の照射を行ってもよい。図9を用いて説明した、活性酸素やオゾンの濃度の偏りが形成されない条件下でUV光を照射することにより、ウエハW面内でより均一にSOC膜を除去することができる。
また、図5などに示したウエハ処理装置140、140a、140bでは、同じ載置台51を用いて共通の処理空間60内にてSOC膜を形成するためのウエハWの加熱処理、SOC膜の一部を除去するためのUV光の照射処理を行っている。これらの処理は、別々の載置台51(加熱部)や処理空間60内で行ってもよい。
そして、処理室61の構成は、その下面に開口部63を設け、当該開口部63を載置台51で塞いで処理室61を形成する方式に限定されない。例えば扁平な処理室の側面からウエハWを搬入出してもよい。
さらに、載置台51を第1の載置台部51aと第2の載置台部51bとに分割してウエハWの径方向に加熱温度を変化させたり、UV透過部73を第1のUV透過部731と第2のUV透過部732とに分割して、ウエハWの径方向にUV光の照度を変化させたりすることも必須ではない。
さらにまた、搬送アーム41を用いたウエハWの温度調節を他の温度調節装置143、144、153、154にて行ったり、UV光の照射時のウエハWの加熱温度を低くして、ウエハWの温度調節を省略したりしてもよい。後述の実施例に示すように、ウエハWの加熱温度を低くすると、SOC膜を除去する速度が低下する関係があるが、処理時間に制限がなければ、常温でUV光の照射を行う場合も排除されない。
さらに、以上の説明においては、ウエハWの表面を平坦化するためのSOC膜を一部除去する処理にて、気体の流速が10cm/秒以下であり、または処理空間60の排気を停止した状態でUV光を照射することにより、ウエハWの面内で均一にSOC膜を除去する手法について説明した。この手法を用いてウエハWの表面から一部除去される膜の用途は、SOC膜の一部除去に限定されない。例えば他の塗布膜の一部除去にも本発明は適用することができる。
(実験1)
密閉された処理室61内(処理空間60)で、ウエハWを加熱する載置台51の温度を種々変化させ、SOC膜の除去速度の経時変化を観察した。
A.実験条件
(実施例1−1)全面が300℃に設定された載置台51に、有機膜が形成されたウエハWを載置し、172nmの波長のUV光を40mW/cmの照度で照射し、処理時間を5、10、20、30、60分と変化させた。ウエハWの上面とUV透過部73の下面との間の隙間は3mmである。
(実施例1−2)載置台51の設定温度を250℃とした点以外は、実施例1−1と同じ条件でウエハWの処理を行った。
(実施例1−3)載置台51の設定温度を200℃とした点以外は、実施例1−1と同じ条件でウエハWの処理を行った。
B.実験結果
実施例1−1〜1−3の結果を図19に示す。図19の横軸は処理時間(分)、縦軸は有機膜の除去速度(nm/分)を示している。実施例1−1の結果は白抜きの丸、実施例1−2の結果は白抜きの三角、実施例1−1の結果は白抜きの四角でプロットしてある。
図19に示した結果によれば、載置台51の温度を高くするに連れて、有機膜の除去速度が高くなることが分かる。一方で、載置台51の温度を300℃とした実施例1−1では、処理時間を長くするに連れて、有機膜の除去速度(各処理時間内の平均値)が低下している。また、載置台51の温度を250℃とした実施例1−2においても、処理時間を長くするに連れて、有機膜の除去速度が低下するという、実施例1−1と同様の傾向が見られた。しかしながら実施例1−2においては、実施例1−1と比較して除去速度の低下率は緩やかになった。さらに載置台51の温度を200℃まで下げた実施例1−3では、有機膜の除去速度の低下は観察されなかった。
上述のように、載置台51の温度を高温にした場合に、処理時間の経過と共に除去速度の低下が観察される理由は、UV光の照射したときのウエハWの温度が高いほど、有機膜の分解がより早く進行する一方、処理空間60内の酸素がより早く消費されることが考えられる。また、有機膜の分解に伴って処理空間60内に副生成物が溜まり、UV光の照射により、酸素から活性酸素やオゾンを発生する反応を阻害したり、発生した酸素から活性酸素が副生成物と反応してしまったりする影響が顕著になるのではないかとも考えられる。
この観点で、図11を用いて説明したように、囲み部材52の外側を酸素の補充空間とする構成は、有機膜の除去速度の低下を抑制する効果があると考えられる。なお、有機膜の除去速度が低下したとしても、予め設定した時間内に所定量の有機膜を除去することができれば、ウエハWを処理するうえでの問題はない。
(実験2)
密閉された処理室61内(処理空間60)で、UV光の照度や載置台51の温度を変化させてウエハWの処理を行ったときの有機膜の除去速度の面内分布を計測した。
A.実験条件
(実施例2−1)実施例1−3(載置台51の温度200℃、UV光の照度40mW/cm)と同様の条件で1分間ウエハWの処理を行った。
(実施例2−2)UV光の照度を60mW/cmとした点以外は、実施例2−1と同様の条件でウエハWの処理を行った。
(実施例2−3)載置台51の温度を300℃とし、UV光の照度を60mW/cmとした点以外は、実施例2−1と同様の条件でウエハWの処理を行った。
B.実験結果
実施例2−1〜2−3の結果を、各々図20〜図22に示す。各図中の円はウエハWの輪郭を示し、横軸、及び縦軸は各ウエハWの中心からの距離を示す座標軸である。
各実施例における有機膜の除去速度の面内平均値は、実施例2−1が16.9nm/分、実施例2−2が20.5nm/分、実施例2−3が36.6nm/分であった。このように、UV光の照度が高くなるほど、また載置台51の温度が高くなるほど、有機膜の除去速度は上昇した。
一方で、図20〜図22を比較すると、載置台51の温度が200℃である実施例2−1、2−2と比較して、載置台51の温度が300℃である実施例2−3においては、ウエハWの中央部から周縁部に向けて有機膜の除去速度が上昇し、除去速度の面内均一性が悪化している。これは、図11を用いて説明したように、UV光の照射によって発生する副生成物の分布に起因する現象ではないかと考えている。この観点において、第1の載置台部51a、第2の載置台部51bの間で温度差を設けてウエハWの周縁部側の温度を低下させたり、第1のUV透過部731と第2のUV透過部732との間でUV光の透過率に差を設けてウエハWの周縁部側へ照射されるUV光の照度を低下させたりする手法は、ウエハWの面内を均一に処理するにあたって有効な手法であると言える。
W ウエハ
1 ウエハ処理システム
130〜133
塗布装置
140〜142、150〜152、140a、140b
ウエハ処理装置
51 載置台
512 ヒーター
52、52a
囲み部材
60 処理空間
601 酸素取込口
602 酸素供給空間
61 処理室
622a、622b
給気孔
624a、624b
給気管
626a 高濃度酸素供給部
626b 清浄空気供給部
627 加熱部
63 開口部
641 排気部
72 UVランプ
73 UV透過部
74 電源部
8 制御部

Claims (20)

  1. 酸素含有雰囲気下にて紫外線を照射することにより分解する被処理膜の原料を基板に塗布する工程と、
    前記基板に塗布された原料を加熱して被処理膜を形成する工程と、
    前記被処理膜が形成された基板を、排気機構を備えた酸素含有雰囲気の処理室内に配置し、前記排気機構による排気が停止された状態にて、当該基板に紫外線を照射して前記被処理膜の一部を除去する工程と、
    次いで、前記排気機構により処理室内を排気する工程と、を含むことを特徴とする基板処理方法。
  2. 酸素濃度が、空気中の酸素濃度と同等以上の酸素含有気体を前記処理室へ供給して前記酸素含有雰囲気を形成する工程を含み、
    前記酸素含有雰囲気を形成する工程と、前記被処理膜の一部を除去する工程と、前記処理室内を排気する工程とを繰り返し実行することを特徴とする請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記排気機構により処理室内の排気を行う際に、当該処理室の排気を促進するための排気用気体を供給する工程を含み、
    前記処理室内を排気する工程を実行する際に、前記排気用気体を供給する工程を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の基板処理方法。
  4. 前記被処理膜の一部を除去する工程の実行中に、前記基板を加熱する工程を含み、前記基板を加熱する工程は、基板の中央部側の温度よりも、当該基板の周縁部側の温度の方が低くなるように行われることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の基板処理方法。
  5. 前記被処理膜の一部を除去する工程は、基板の領域毎に紫外線の照度を設定して行われることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の基板処理方法。
  6. 前記処理室の下面側には開口部が形成され、前記開口部に嵌合し、基板が載置される載置台と、前記基板の受け渡しを行うための受け渡し位置と、前記受け渡し位置の上方側に設けられ、前記処理室の開口部を塞いで処理室内に基板を載置するための処理位置との間で載置台を昇降させる昇降機構と、を用い、
    前記受け渡し位置にて、少なくとも前記被処理膜の原料が塗布された後の基板を載置台に載置し、当該載置台を処理位置まで上昇させる工程と、
    被処理膜の一部が除去された後の基板が載置された載置台を処理位置から受け渡し位置まで降下させ、当該基板を搬出する工程と、を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の基板処理方法。
  7. 前記被処理膜は、炭素化合物を含む有機膜であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の基板処理方法。
  8. 前記被処理膜の原料を基板に塗布する工程は、表面にパターンが形成された基板に対して行われ、
    前記被処理膜の原料を基板に塗布する工程と、前記被処理膜を形成する工程と、前記被処理膜の一部を除去する工程とをそれぞれこの順で複数回行い、
    少なくとも最後より前に行われる被処理膜の一部を除去する工程において、前記パターンの表面が露出するまで、前記被処理膜の一部を除去することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載の基板処理方法。
  9. 酸素含有雰囲気下にて紫外線を照射することにより分解する被処理膜が形成された基板が載置される載置台と、
    前記載置台に載置された基板が収容される酸素含有雰囲気の処理室と、
    前記処理室内の基板に紫外線を照射する紫外線照射部と、
    前記処理室内の排気を行う排気機構と、
    前記排気機構による排気が停止された状態にて、前記紫外線照射部から基板に紫外線を照射して前記被処理膜の一部を除去するステップと、次いで、前記排気機構により処理室内を排気するステップと、を実行するように制御信号を出力する制御部と、を備えることを特徴とする基板処理装置。
  10. 前記酸素含有雰囲気を形成するため、酸素濃度と同等以上の酸素含有気体を前記処理室へ供給する給気部を備え、
    前記制御部は、前記給気部から処理室に酸素含有気体を供給して酸素含有雰囲気を形成するステップと、前記被処理膜の一部を除去するステップと、前記処理室内を排気するステップとを繰り返し実行するように制御信号を出力することを特徴とする請求項9に記載の基板処理装置。
  11. 前記排気機構により処理室内の排気を行う際に、当該処理室の排気を促進するための排気用気体を供給する排気用気体給気部を備え、
    前記制御部は、前記処理室内を排気するステップを実行する際に、前記排気用気体給気部から処理室に排気用気体を供給するステップを実行するように制御信号を出力することを特徴とする請求項9または10に記載の基板処理装置。
  12. 前記載置台には、当該載置台に載置された基板の周囲を囲み、基板の外方側から当該基板の上方側への気体の流入量を制限するための囲み部材が設けられていることを特徴とする請求項9ないし11のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  13. 前記囲み部材には、当該囲み部材の外方側から、酸素を含有する気体を取り込むための酸素取込口が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の基板処理装置。
  14. 前記載置台には、前記紫外線照射部から基板への紫外線の照射中に、当該基板を加熱するための加熱部が設けられており、前記加熱部は、基板の中央部側を加熱する第1の加熱部と、当該基板の周縁部側の温度を前記基板の中央部側の温度よりも低い温度に加熱する第2の加熱部とを備えることを特徴とする請求項9ないし13のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  15. 前記紫外線照射部は、紫外線を発する光源と、前記光源と前記載置台との間に設けられ、基板の領域毎に、当該基板に到達する紫外線の照度を調節する照度調節機構とを備えることを特徴とする請求項9ないし14のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  16. 前記処理室の下面側には開口部が形成され、前記載置台は、前記開口部に嵌合可能に形成され、
    前記基板の受け渡しを行うための受け渡し位置と、前記受け渡し位置の上方側に設けられ、前記処理室の開口部を塞いで処理室内に基板を載置するための処理位置との間で載置台を昇降させる昇降機構と、
    前記受け渡し位置にて、少なくとも前記被処理膜の原料が塗布された後の基板が載置台に載置された後、当該載置台を処理位置まで上昇させるステップと、被処理膜の一部が除去された後の基板が載置された載置台を処理位置から受け渡し位置まで降下させ、当該基板を搬出するステップと、を実行するように制御信号を出力する制御部と、を備えることを特徴とする請求項9ないし15のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  17. 前記載置台の側方には、酸素含有気体を供給する給気管に接続され、前記処理室の外部から当該処理室へ向けて酸素含有気体を供給するための空間である給気部と、排気管に接続され、前記処理室内から排気された気体が前記処理室の外部へ向けて排出される空間である排気部とが設けられ、前記排気管と前記排気部とは、前記排気機構を構成していることを特徴とする請求項9ないし16のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  18. 酸素含有雰囲気下にて紫外線を照射することにより分解する被処理膜の原料を基板に塗布する塗布装置と、
    前記基板に塗布された原料を加熱して被処理膜を形成する加熱装置と、
    請求項9ないし17のいずれか一つに記載の基板処理装置と、を備えたことを特徴とする基板処理システム。
  19. 前記塗布装置は、表面にパターンが形成された基板に対して被処理膜の原料を塗布し、
    前記塗布装置により被処理膜の原料を基板に塗布するステップと、前記加熱装置により、基板に被処理膜を形成するステップと、前記基板処理装置により被処理膜の一部を除去するステップとをそれぞれこの順で複数回行い、少なくとも最後より前に行われる被処理膜の一部を除去するステップにおいて、前記パターンの表面が露出するまで、前記被処理膜の一部を除去するように制御信号を出力する制御部を備えたことを特徴とする請求項18に記載の基板処理システム。
  20. 被処理膜が形成された基板に、酸素含有雰囲気下にて紫外線を照射することにより前記被処理膜の一部を除去する処理を行う基板処理システムに用いられるコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体であって、
    前記コンピュータプログラムは、請求項1ないし8のいずれか一つに記載の基板処理方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする記憶媒体。
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