JP6673418B2 - パケット転送システム、パケット転送装置の切り換え方法およびパケット転送装置 - Google Patents

パケット転送システム、パケット転送装置の切り換え方法およびパケット転送装置 Download PDF

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Description

本発明は、パケット転送システム、パケット転送装置の切り換え方法およびパケット転送装置に関する。
パケット伝送ネットワークにおいてネットワークの信頼性を向上するために、通信経路を冗長にする冗長プロトコルを使用してネットワークを構築することが考えられる。
例えば、パケット伝送ネットワークにおいて、ネットワークの信頼性向上のためにLACP(Link Aggregation Control Protocol)を使用してネットワーク回線を冗長にするLink Aggregation(LAG)という技術がある。LACPは、複数の物理的なポートを束ねて1つの論理的チャネルに集約するプロトコルである。また、LAGを応用した、装置も冗長にするマルチシャーシLAGという技術がある。
LAGを使用した技術の例として、特許文献1には、リンク集合構成の冗長性を利用しながら、帯域幅を大きくすることを対象とした通信ネットワーク内のリンク集合方法および装置が記載されている。
上記のように冗長プロトコルを使用してネットワークを構築する場合、冗長プロトコル未対応の装置があると、未対応の装置に接続される経路のみ冗長にされない。冗長機能は、機能を実装した装置間でのみ有効な機能である。すなわち、機能を実装した装置と機能を実装していない装置とを接続する際に、冗長機能は使用されない。
また、LAGには、LACPを使用せずにローカル機能として装置に実装されているLAGもある。図12は、ローカル機能として装置に実装されているLAGの使用例を示す説明図である。
図12(a)に示すように、CE(Customer Edge)ルータとPE(Provider Edge)ルータとを接続する回線、およびPEルータとパケットネットワークとを接続する回線が、LAGによってそれぞれ冗長にされている。
図12(a)に示す状態で、図12(b)に示すようにCEルータとPEルータとを接続する1つの回線において障害が発生したとする。障害が発生してももう1つ使用可能な回線があるため、CEルータとPEルータとの通信は停止しない。
しかし、図12(c)に示すように、PEルータにおいて障害が発生し装置が故障したとする。装置自体が故障してしまうと、回線が冗長にされていてもCEルータとパケットネットワークとが通信可能に接続されないため、通信が停止する。図12に示すように、ローカル機能として装置にLAGが実装された場合、1つの装置に接続される回線が冗長になるため、装置自体が故障した際回線による通信は停止する。
すなわち、冗長プロトコル未対応の装置を扱う場合でも、回線を冗長にできる方法が求められると考えられる。さらに、より信頼性を向上させるためには、複数の装置に跨った回線の冗長構成を構築できる仕組みが求められると考えられる。冗長プロトコルを使用せずに回線の冗長構成を実現する技術の例として、特許文献2に記載されている装置および特許文献3に記載されているシステムがある。
特許文献2には、MAC−in−MAC方式のネットワークにおける冗長性の確保に寄与するエッジ中継装置が記載されている。
特許文献3には、レイヤ2ネットワークに適用可能とされ、切り替えの高速化を図るノード冗長システムが記載されている。
特表2012−532530号公報 特開2012−161027号公報 特開2010−283679号公報
特許文献2に記載されているエッジ中継装置は、装置間およびNNI(Network Network Interface)ポートに対して、MAC(Media Access Control)アドレスに基づいたフィルタ方式を用いることによって冗長化を実現する。
しかし、MACアドレスに基づいたフィルタ方式を用いた場合、フレームの流れの制御において、全てのフレームに対してフレームに含まれる情報が確認される。よって、大量のフレームを扱う場合、装置への負荷が大きくなると考えられる。
また、特許文献3に記載されているノード冗長システムでは、冗長装置間で定期的に冗長情報が送受信される。しかし、冗長情報の送受信の頻度が高い場合や、送受信される冗長情報の量が多い場合、装置同士を接続している回線への負荷が大きくなると考えられる。
なお、特許文献3に記載されているノード冗長システムでは、ノード間でパケットが送受信されることは想定されていない。よって、例えばリンクの状態が異常で、異常な状態のリンクに接続されているノードの状態が正常な場合、異常な状態のリンクは無効になるので、正常な状態のノードは活用されない。
しかし、ノード冗長システムでは、パケットの転送経路を変更すること等によって、障害発生後も正常な状態のノードを活用することは可能である。ノード冗長システムを構成する場合、管理者は、単一ノードを構成する場合よりもシステム障害に対してより柔軟に対応できると考えられる。
そこで、本発明は、冗長プロトコルを使用せずに信頼性の高い回線の冗長化を容易に実現できるパケット転送システム、パケット転送装置の切り換え方法およびパケット転送装置を提供することを目的とする。
本発明によるパケット転送システムは、冗長構成された稼働系のパケット転送装置と待機系のパケット転送装置とを含み、端末との間でパケットを転送するパケット転送システムであって、稼働系のパケット転送装置は、待機系のパケット転送装置と通信可能に接続され、パケットを転送する連絡ポートと、端末から入力されたパケットである第1パケットの転送先を決定し、第1パケットを決定した転送先に転送する切り換え部と、端末との間の通信回線に障害を検知した場合、待機系のパケット転送装置に稼働系の装置に切り換わるように指示する指示情報を含む制御パケットを連絡ポートから転送し、第1パケットを連絡ポートに転送するように切り換え部を設定する処理部とを含み、待機系のパケット転送装置は、端末から入力されたパケットである第2パケットの転送先である連絡ポートのMACアドレスを記憶する記憶部と、MACアドレスに基づいて第2パケットを転送する転送部と、転送された制御パケットに基づいて記憶部からMACアドレスを削除する第2処理部とを含むことを特徴とする。
本発明によるパケット転送装置の切り換え方法は、冗長構成された稼働系のパケット転送装置と待機系のパケット転送装置とを含み、端末との間でパケットを転送し、稼働系のパケット転送装置は待機系のパケット転送装置と通信可能に接続され、パケットを転送する連絡ポートを含み、待機系のパケット転送装置は端末から入力されたパケットである第2パケットの転送先である連絡ポートのMACアドレスを記憶する記憶部を含みMACアドレスに基づいて第2パケットを転送するパケット転送システムにおいて実行されるパケット転送装置の切り換え方法であって、稼働系のパケット転送装置が、端末から入力されたパケットである第1パケットの転送先を決定するステップと、稼働系のパケット転送装置が、第1パケットを決定した転送先に転送するステップと、端末との間の通信回線に障害を検知した場合、稼働系のパケット転送装置が、待機系のパケット転送装置に稼働系の装置に切り換わるように指示する指示情報を含む制御パケットを連絡ポートから転送するステップと、稼働系のパケット転送装置が、第1パケットを連絡ポートに転送するステップと、待機系のパケット転送装置が、転送された制御パケットに基づいて記憶部からMACアドレスを削除するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によるパケット転送装置は待機系のパケット転送装置と、待機系のパケット転送装置と通信可能に接続され、パケットを転送する連絡ポートを含む稼働系のパケット転送装置とで冗長構成された、端末との間でパケットを転送するパケット転送システムにおける待機系のパケット転送装置であって、端末から入力されたパケットの転送先である連絡ポートのMACアドレスを記憶する記憶部と、MACアドレスに基づいて入力されたパケットを転送する転送部と、稼働系のパケット転送装置から稼働系の装置に切り換わるように指示する指示情報を含む制御パケットを連絡ポートから受信すると、記憶部からMACアドレスを削除する処理部とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、冗長プロトコルを使用せずに信頼性の高い回線の冗長化を容易に実現できる。
本発明によるパケット転送システム101を使用したパケット伝送ネットワークの例を示す説明図である。 本発明によるパケット転送システム101を使用したパケット伝送ネットワークの例を示す説明図である。 パケット伝送ネットワークで回線障害が発生した際のパケット転送システム101の動作の例を示す説明図である。 パケット伝送ネットワークで回線障害が発生した際のパケット転送システム101の動作の例を示す説明図である。 パケット伝送ネットワークで送信パケットのループが発生する様子を示す説明図である。 パケット転送システム101の構成例を示すブロック図である。 ネットワーク装置の初期設定の動作を示すフローチャートである。 パケットを受信した際のネットワーク装置の動作を示すフローチャートである。 回線障害を検知した際のネットワーク装置の動作を示すフローチャートである。 ネットワーク装置の回線切り替えの動作を示すフローチャートである。 本発明によるパケット転送システムの概要を示すブロック図である。 ローカル機能として装置に実装されているLAGの使用例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明によるパケット転送システム101を使用したパケット伝送ネットワークの例を示す説明図である。図1に示すパケット伝送ネットワークは、パケット転送システム101と、ユーザ側装置401と、パケットネットワーク501とを含む。ユーザ側装置401とパケットネットワーク501との間で、パケット転送システム101を介してパケットが送受信される。
図1に示すユーザ側装置401は、LAGを有していない。ユーザ側装置401とパケットネットワーク501との間にパケット転送システム101が設けられることで、ユーザ側装置401に接続される回線の冗長構成が実現される。
図1に示すパケット転送システム101は、ネットワーク装置201と、ネットワーク装置301とを含む。
パケット転送システム101は、通常のスイッチング動作を行うスイッチに対して、特定条件下でパケットを廃棄する機能を追加している。また、ネットワーク装置201は、ネットワーク装置301と回線を介して通信可能に接続されている。その結果、パケット転送システム101は、冗長プロトコルを実装しないユーザ側装置401との間の回線において、複数のネットワーク装置に跨った回線冗長化を実現する。
図2は、本発明によるパケット転送システム101を使用したパケット伝送ネットワークの他の例を示す説明図である。図2に示すユーザ側装置401とパケット転送システム101との間の回線、およびパケット転送システム101とパケットネットワーク501との間の回線において、太線は稼働系の回線、点線は待機系の回線をそれぞれ示す。
図2に示すように、ユーザ側装置401の稼働系の接続ポートが接続されたネットワーク装置と、パケットネットワーク501の稼働系の接続ポートが接続されたネットワーク装置が異なる場合でも、ユーザ側装置401は、パケットネットワーク501と通信できる。その理由は、ネットワーク装置201がネットワーク装置301と通信可能に接続されているためである。
図3と図4は、パケット伝送ネットワークで回線障害が発生した際のパケット転送システム101の動作の例を示す説明図である。
図3と図4に示すネットワーク装置内の両端矢印は、装置内でパケットが移動する向きを示す。例えば、図3(a)に示すネットワーク装置201内の両端矢印は、左から下に向かって、または下から左に向かってパケットが移動することを意味している。
図3(a)に示すように、ユーザ側装置401とネットワーク装置201とを接続する回線で障害が発生したとする。
回線で障害が発生した場合、図3(b)に示すようにネットワーク装置201は、障害を検出し、装置内のMACテーブルを再構築する。具体的には、ネットワーク装置201は、障害が発生した回線に接続されているポートに関する情報を初期化する。
ネットワーク装置201は、障害が発生している回線があることを、障害情報を含めたパケットを送信することによってネットワーク装置301に伝達する。図4(a)に示すように、パケットを受信したネットワーク装置301は、装置内のMACテーブルを再構築する。なお、図4の上部に示す矢印は、図4(a)に示す状態が図3(b)に示す次の状態であることを意味している。
次いで、図4(b)に示すように、ネットワーク装置301は、再構築した情報に従ってスイッチング動作を行い、回線切り替えを実施する。
図5は、パケット伝送ネットワークで送信パケットのループが発生する様子を示す説明図である。図5(a)に示すユーザ側装置と2つのネットワーク装置との間の冗長回線は、通常同一のVLAN(Virtual Local Area Network)等として構成された、同一の論理回線であることが多い。
よって、図5(a)に示すように、パケットネットワークからマルチキャストパケット等が入力された場合、入力したネットワーク装置は、図5(b)に示すように、同一の論理回線配下に対してフラッディング処理を行う。
フラッディング処理が行われた後、ネットワーク装置間を接続した回線を通じて他方のネットワーク装置にもパケットが入力される。図5(c)に示すように、パケットを入力したネットワーク装置もフラッディング処理を行うため、パケットネットワークにもパケットが送信される。以上により、パケット伝送ネットワークで送信パケットのループが発生する。
図5に示すように、ネットワーク装置で行われる処理が単純なスイッチング処理であると、回線内でループが発生する可能性がある。そこで、パケット転送システム101に含まれるネットワーク装置は、連絡ポートから入力したパケットが同一の装置側に転送されないように、装置内部で該当するパケットを制御する機能を有する。
図6は、パケット転送システム101の構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、ネットワーク装置201は、スイッチング部202と、MACテーブル記憶部203と、UNI(User Network Interface)ポート204と、NNIポート205と、NNI連絡ポート206と、UNI連絡ポート207と、ポート状態管理テーブル記憶部208と、CPU209と、バス210とを含む。
また、図6に示すように、ネットワーク装置301は、スイッチング部302と、MACテーブル記憶部303と、UNIポート304と、NNIポート305と、NNI連絡ポート306と、UNI連絡ポート307と、ポート状態管理テーブル記憶部308と、CPU309と、バス310とを含む。
本実施形態におけるパケット転送システム101において、ネットワーク装置201およびネットワーク装置301は、プログラムに従って処理を実行するCPU209、CPU309によってそれぞれ実現される。
スイッチング部202は、MACテーブル記憶部203に記憶されているMACテーブルの情報に従ってパケットを転送する機能を有する。また、スイッチング部202は、任意のポート間におけるデータ転送を制限する機能を有する。
図6に示すスイッチング部202内の点線は、スイッチング部202内部のパケットの経路を意味している。すなわち、スイッチング部202は、UNIポート204とNNIポート205との間、UNIポート204とUNI連絡ポート207との間、およびNNIポート205とNNI連絡ポート206との間でパケットを転送できる。
スイッチング部202は、MACテーブル記憶部203、UNIポート204、NNIポート205、NNI連絡ポート206、UNI連絡ポート207およびCPU209とそれぞれ接続する。
MACテーブル記憶部203には、受信されたパケットの情報から構成される転送先情報が格納される。MACテーブル記憶部203は、スイッチング部202およびCPU209とそれぞれ接続する。
UNIポート204、NNIポート205、NNI連絡ポート206およびUNI連絡ポート207は、それぞれパケットを送受信する機能、および不要なパケットの送信を制御するパケットのフィルタ機能を有するインタフェース回路である。
UNIポート204は、ユーザ側装置401と接続するインタフェース回路である。NNIポート205は、パケットネットワーク501と接続するインタフェース回路である。NNI連絡ポート206およびUNI連絡ポート207は、ネットワーク装置201とネットワーク装置301と間の連絡ポートとして使用されるインタフェース回路である。
UNIポート204およびNNIポート205は、パケットを受信した際に、ポート状態管理テーブル記憶部208に記憶されている情報を参照して、所定の条件に該当すれば受信したパケットを送信しない。
UNIポート204、NNIポート205、NNI連絡ポート206、およびUNI連絡ポート207は、それぞれスイッチング部202と接続する。また、UNIポート204、NNIポート205、NNI連絡ポート206、およびUNI連絡ポート207は、それぞれバス210を介して、他のインタフェース回路、ポート状態管理テーブル記憶部208およびCPU209とそれぞれ接続する。
ポート状態管理テーブル記憶部208には、各インタフェース回路で共有される、各インタフェース回路におけるパケットのフィルタ処理に使用されるポート状態管理テーブルが記憶される。ポート状態管理テーブル記憶部208は、バス210を介して、UNIポート204、NNIポート205、NNI連絡ポート206およびUNI連絡ポート207とそれぞれ接続する。
CPU209は、スイッチング部202や、各インタフェース回路を制御する機能を有する。スイッチング部202は、プログラム制御に従って処理を実行するCPU209によって実現される。
また、CPU209は、各構成ブロックに対して初期設定を行う。CPU209は、スイッチング部202およびMACテーブル記憶部203とそれぞれ接続する。また、CPU209は、バス210を介して、UNIポート204、NNIポート205、NNI連絡ポート206、UNI連絡ポート207、およびポート状態管理テーブル記憶部208とそれぞれ接続する。
なお、本実施形態のパケット転送システム101はパケット伝送ネットワークにおいて使用されることが想定されているシステムであるが、各インタフェース回路にはPoA(Packet Over ATM)回路が設けられてもよい。各インタフェース回路にPoA回路が設けられた場合、パケット転送システム101は、複数の装置に跨ったAPS(Automatic Protection Switching)機能も実現できる。
なお、図6に示すネットワーク装置301に含まれるスイッチング部302、MACテーブル記憶部303、UNIポート304、NNIポート305、NNI連絡ポート306、UNI連絡ポート307、ポート状態管理テーブル記憶部308、CPU309およびバス310は、それぞれスイッチング部202、MACテーブル記憶部203、UNIポート204、NNIポート205、NNI連絡ポート206、UNI連絡ポート207、ポート状態管理テーブル記憶部208、CPU209およびバス210と同様の処理を行うため、ネットワーク装置301に含まれる各部の説明は省略する。
なお、本実施形態におけるパケット転送システム101において、ネットワーク装置201およびネットワーク装置301は、ハードウェアによって実現されてもよい。
また、MACテーブル記憶部203、ポート状態管理テーブル記憶部208、MACテーブル記憶部303およびポート状態管理テーブル記憶部308は、例えば、RAM(Random Access Memory)で実現される。
以下、本実施形態のパケット転送システム101の動作を図7〜図10に示すフローチャートを参照して説明する。図7は、ネットワーク装置の初期設定の動作を示すフローチャートである。
ここでは、ネットワーク装置201における初期設定の動作を説明する。CPU209は、初期設定として各インタフェース回路にUNIポート204、NNIポート205、NNI連絡ポート206、UNI連絡ポート207をそれぞれ定義する(ステップS601)。
次いで、CPU209は、ネットワーク上にループを発生させないために、スイッチング部202に対して、UNIポート204とNNI連絡ポート206との間でデータ転送処理を動作させないブロック機能を設定する(ステップS602)。
同様に、CPU209は、NNIポート205とUNI連絡ポート207との間、NNI連絡ポート206とUNI連絡ポート207との間でも、データ転送処理を動作させないブロック機能をスイッチング部202に対して設定する(ステップS602)。
ブロック機能が設定されることで、ネットワーク装置201の初期設定が完了する。なお、ネットワーク装置301も、図7に示すフローチャートに従って初期設定を行う。
次に、パケットを受信した際のネットワーク装置の動作を説明する。図8は、パケットを受信した際のネットワーク装置の動作を示すフローチャートである。
ここでは、ネットワーク装置201がパケットを受信した際の動作を説明する。インタフェース回路であるポートが、パケットを受信する(ステップS701)。
パケットを受信したインタフェース回路は、管理されているポート状態管理テーブル記憶部208に記憶されているポート状態管理テーブルに対して、受信パケットの情報を書き込む(ステップS702)。
受信パケットの情報を書き込んだ後、インタフェース回路は、受信パケットをスイッチング部202に対して転送する(ステップS703)。
スイッチング部202は、管理されているMACテーブル記憶部203に記憶されているMACテーブルに、受信パケットの情報を書き込む(ステップS704)。
スイッチング部202は、MACテーブルの情報に基づいて、受信パケットの転送先ポートを決定する(ステップS705)。
転送先が連絡ポート(NNI連絡ポート206またはUNI連絡ポート207)の場合(ステップS705の「連絡ポート」)、受信パケットは、連絡ポートに対して転送される(ステップS706)。
転送された受信パケットは、連絡ポートからそのまま送信される。受信パケットが送信された後、ネットワーク装置201は、処理を終了する。
転送先が連絡ポート以外(UNIポート204またはNNIポート205)の場合(ステップS705の「回線ポート」)、受信パケットは、回線ポートに対して転送される(ステップS707)。
受信パケットが転送されたポートであるインタフェース回路は、ポート状態管理テーブル記憶部208に記憶されているポート状態管理テーブルを参照する(ステップS708)。参照した上で、インタフェース回路は、受信パケットに含まれている情報とポート状態管理テーブルに記載されている情報とを比較する(ステップS709)。
受信パケットに含まれている情報とポート状態管理テーブルに記載されている情報とを比較した結果、受信パケットが連絡ポート以外から入力したパケットである場合(ステップS709のNo)、インタフェース回路は、そのまま受信パケットを送信する。受信パケットが送信された後、ネットワーク装置201は、処理を終了する。
受信パケットに含まれている情報とポート状態管理テーブルに記載されている情報とを比較した結果、受信パケットが連絡ポートから入力したパケットである場合(ステップS709のYes)、インタフェース回路は、自インタフェース回路が受信パケットの送信先ポートであるか否か確認する(ステップS710)。
自インタフェース回路が受信パケットの送信先ポートである場合(ステップS710のYes)、インタフェース回路は、受信パケットを送信する。受信パケットが送信された後、ネットワーク装置201は、処理を終了する。
自インタフェース回路が受信パケットの送信先ポートでない場合(ステップS710のNo)、インタフェース回路は、受信パケットを廃棄する。受信パケットが廃棄された後、ネットワーク装置201は、処理を終了する。
なお、ステップS705で転送先が確定しない場合、インタフェース回路は、通常のスイッチの動作として、ステップS706の処理およびステップS707の処理を両方実施する。両方の処理が実施される場合、どちらの処理においても最終的にステップS710で受信パケットの廃棄処理が行われるため、ユーザ側装置401またはパケットネットワーク501に対して同一パケットの送信が防止される。
なお、ネットワーク装置301も、パケットを受信した際に図8に示すフローチャートに従って受信パケットを処理する。
次に、回線障害を検知した際のネットワーク装置の動作を説明する。図9は、回線障害を検知した際のネットワーク装置の動作を示すフローチャートである。
ここでは、ネットワーク装置201が回線障害を検知した際の動作を説明する。図4(a)に示すように、ユーザ側装置401とネットワーク装置201とを接続する稼働系の回線において障害が発生したとする。UNIポート204は、障害の発生を検出する(ステップS801のYes)。
次いで、UNIポート204は、回線障害が発生したことをCPU209に通知する(ステップS802)。
通知を受けたCPU209は、NNIポート205がパケットネットワーク501から受信したパケットがUNIポート204の代わりにNNI連絡ポート206に転送されるように、UNIポート204に関する情報を初期化する。
具体的には、CPU209は、MACテーブル記憶部203に記憶されているMACテーブルに、UNIポート204のUNIポート情報に加え、NNI連絡ポート206のNNI連絡ポート情報を追記する。また、CPU209は、ポート状態管理テーブル記憶部208に記憶されているポート状態管理テーブルにも、UNIポート情報に加えNNI連絡ポート情報を追記する(ステップS803)。
また、CPU209は、ポート状態管理テーブルに、UNIポート204に回線障害が発生しているという障害ポート情報を記載する。
CPU209は、MACテーブル記憶部203に記憶されているMACテーブルから、障害が発生した回線に接続されているUNIポート204のUNIポート情報を削除する(ステップS804)。ステップS804までの処理により、NNIポート205が受信したパケットがUNIポート204のみに転送されず、NNI連絡ポート206に転送される状態になる。
他方のネットワーク装置に対して障害発生を通知するため、CPU209は、ポート状態管理テーブルに保持されている障害ポート情報を含んだ制御パケットを生成する(ステップS805)。
次いで、CPU209は、スイッチング部202、およびNNI連絡ポート206を介して他方のネットワーク装置宛てに制御パケットを送信する(ステップS806)。
次いで、CPU209は、障害が発生した回線に接続されているUNIポート204の状態を監視する。監視した結果、障害が継続中であれば(ステップS807のNo)、CPU209は、ステップS805における処理、およびステップS806における処理を実施する。
監視した結果、障害が復旧していれば(ステップS807のYes)、CPU209は、MACテーブルと状態を一致させるために、ポート状態管理テーブルからUNIポート204の障害ポート情報を削除する(ステップS808)。情報が削除された後、ネットワーク装置201は、処理を終了する。
なお、ネットワーク装置301も、回線障害を検知した際に図9に示すフローチャートに従ってMACテーブル、ポート状態管理テーブルを初期化する。
次に、ネットワーク装置の回線切り替えの動作を説明する。図10は、ネットワーク装置の回線切り替えの動作を示すフローチャートである。
ここでは、ネットワーク装置301が回線を切り替える際の動作を説明する。冗長構成の他方の装置であるネットワーク装置301は、CPU309が宛先である、ネットワーク装置201から送信される制御パケットを受信する(ステップS901のYes)。制御パケットを受信しない場合(ステップS901のNo)、ネットワーク装置301は処理を終了する。
CPU309は、受信した制御パケットから情報を抽出する(ステップS902)。制御パケット内に障害ポート情報がなければ(ステップS902のNo)、ネットワーク装置301は処理を終了する。
制御パケット内に障害ポート情報があれば(ステップS902のYes)、CPU309は、MACテーブル記憶部303に記憶されたMACテーブルに登録された、連絡ポートのMACアドレスを削除する(ステップS903)。
すなわち、MACテーブルに登録されたNNI連絡ポート306のMACアドレス、およびUNI連絡ポート307のMACアドレスがそれぞれ削除される。連絡ポートのMACアドレスの削除により、スイッチング部302による連絡ポートのみへのパケット転送が防止される。
また、CPU309は、制御パケット内に含まれていた障害ポート情報を、ポート状態管理テーブル記憶部308に記憶されているポート状態管理テーブルに記載する。
新稼働系ポートになるUNIポート304がパケットを受信する前に、NNIポート305がパケットネットワーク501からパケットを受信した場合(ステップS904のNo、ステップS905のYes)、NNIポート305はフラッディング処理を行う。
NNIポート305がフラッディング処理を行う理由は、MACテーブル記憶部303に記憶されているMACテーブルに、パケットの転送先情報が記載されていないためである。よって、スイッチング部302は、UNIポート304、およびNNI連絡ポート306の両ポートに受信パケットを転送する(ステップS906)。
制御パケットが受信されている間、各インタフェース回路は、ポート状態管理テーブルに記載されている障害情報に従ってパケットを処理する。具体的には、NNI連絡ポート306は、転送されたパケットを廃棄する(ステップS907)。NNI連絡ポート306がパケットを廃棄することによって、新稼働系ポートになるUNIポート304からのみパケットが送信される。
新稼働系ポートになるUNIポート304がユーザ側装置401からパケットを受信した場合(ステップS904のYes)、CPU309は、MACテーブル記憶部303に記憶されているMACテーブルに受信されたパケットのパケット情報を書き込む。また、CPU309は、ポート状態管理テーブル記憶部308に記憶されているポート状態管理テーブルにも、受信されたパケットのパケット情報を書き込む(ステップS908)。
次いで、NNIポート305がパケットネットワーク501からパケットを受信すると(ステップS909のYes)、スイッチング部302は、MACテーブルの情報に従って、新稼働系ポートであるUNIポート304のみにパケットを転送する(ステップS910)。
UNIポート304からパケットが送信されることで、切り替え処理が完了する。以上の処理により、冗長プロトコルを実装しない装置間において、複数の装置に跨った回線の冗長化が実現される。なお、ネットワーク装置201も、図10に示すフローチャートに従って回線を切り替える。
なお、ネットワーク装置201およびネットワーク装置301は、パケットネットワーク501と接続する回線において障害が発生した場合にも、図9および図10に示すフローチャートに従ってパケット転送経路の変更、および回線切り替えを実施できる。
本実施形態のパケット転送システムを使用した場合、パケット伝送ネットワークにおいてLACP等の冗長プロトコルを使用せずに複数の装置に跨った回線の冗長化を実現できるため、冗長プロトコルに対応していない装置を使用するネットワーク構成においても、ネットワークの信頼性を向上できる。
次に、本発明の概要を説明する。図11は、本発明によるパケット転送システムの概要を示すブロック図である。本発明によるパケット転送システム10は、稼働系の装置である第1のパケット転送装置11(例えば、ネットワーク装置201)と待機系の装置である第2のパケット転送装置21(例えば、ネットワーク装置301)とを含み、端末(例えば、ユーザ側装置401)と通信網(例えば、パケットネットワーク501)との間で送受信されるパケットを転送するパケット転送システムであって、第1のパケット転送装置11は、第2のパケット転送装置21と通信可能に接続され、パケットを転送する連絡ポート14(例えば、NNI連絡ポート206やUNI連絡ポート207)と、入力したパケットの転送先を決定し、入力したパケットを決定した転送先に転送する切り換え部12(例えば、スイッチング部202)と、第1のパケット転送装置11が端末または通信網と通信不可能になった場合、第2のパケット転送装置21に稼働系の装置に切り換わるように指示する指示情報を含む制御パケットを連絡ポート14から転送し、端末または通信網から入力したパケットを連絡ポート14に転送するように切り換え部12を設定する処理部13(例えば、CPU209)とを含む。
そのような構成により、パケット転送システムは、冗長プロトコルを使用せずに信頼性の高い回線の冗長化を容易に実現できる。
また、端末または通信網と通信不可能になった場合、処理部13は、端末または通信網に送信されるパケットを第1のパケット転送装置11に送信しないように指示する指示情報を制御パケットに含めてもよい。
そのような構成により、パケット転送システムは、障害が発生していない方の回線に接続されているネットワーク装置からのパケットの流入を防ぐことができる。
また、端末または通信網と再度通信可能になった場合、処理部13は、端末または通信網から入力したパケットを連絡ポート14に転送する設定を切り換え部12から削除してもよい。
そのような構成により、パケット転送システムは、障害が復旧した後に、障害が発生した方の回線に接続されているネットワーク装置とユーザ端末との通信を再開できる。
また、第1のパケット転送装置11は、受信したパケットのパケット情報を記憶するパケット情報記憶部(例えば、ポート状態管理テーブル記憶部208)を含み、切り換え部12が連絡ポート14からパケットを入力した際、入力したパケットに対応するパケット情報を参照して、所定の条件に該当した場合入力したパケットを廃棄してもよい。
そのような構成により、パケット転送システムは、マルチキャストパケット等がシステム内でループすることを防ぐことができる。
10、101 パケット転送システム
11 第1のパケット転送装置
12 切り換え部
13 処理部
14 連絡ポート
21 第2のパケット転送装置
201、301 ネットワーク装置
202、302 スイッチング部
203、303 MACテーブル記憶部
204、304 UNIポート
205、305 NNIポート
206、306 NNI連絡ポート
207、307 UNI連絡ポート
208、308 ポート状態管理テーブル記憶部
209、309 CPU
210、310 バス
401 ユーザ側装置
501 パケットネットワーク

Claims (9)

  1. 冗長構成された稼働系のパケット転送装置と待機系のパケット転送装置とを含み、端末との間でパケットを転送するパケット転送システムであって、
    前記稼働系のパケット転送装置は、
    前記待機系のパケット転送装置と通信可能に接続され、パケットを転送する連絡ポートと、
    前記端末から入力されたパケットである第1パケットの転送先を決定し、前記第1パケットを決定した転送先に転送する切り換え部と、
    前記端末との間の通信回線に障害を検知した場合、前記待機系のパケット転送装置に稼働系の装置に切り換わるように指示する指示情報を含む制御パケットを前記連絡ポートから転送し、前記第1パケットを前記連絡ポートに転送するように前記切り換え部を設定する処理部とを含み、
    前記待機系のパケット転送装置は、
    前記端末から入力されたパケットである第2パケットの転送先である前記連絡ポートのMACアドレスを記憶する記憶部と、
    前記MACアドレスに基づいて前記第2パケットを転送する転送部と、
    転送された制御パケットに基づいて前記記憶部から前記MACアドレスを削除する第2処理部とを含む
    ことを特徴とするパケット転送システム。
  2. 前記稼働系のパケット転送装置は、前記障害を検知した後に受信したパケットを前記待機系のパケット転送装置に転送し、
    前記待機系のパケット転送装置は、該パケットを前記端末に転送する
    請求項1記載のパケット転送システム。
  3. 前記稼働系のパケット転送装置は、前記通信回線が前記障害から復旧した場合、前記待機系のパケット転送装置へのパケット転送を終了する
    請求項1または請求項2記載のパケット転送システム。
  4. 前記稼働系のパケット転送装置は、受信したパケットのパケット情報が所定の条件に該当した場合、前記パケットを廃棄する
    請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載のパケット転送システム。
  5. 冗長構成された稼働系のパケット転送装置と待機系のパケット転送装置とを含み、端末との間でパケットを転送し、前記稼働系のパケット転送装置は前記待機系のパケット転送装置と通信可能に接続され、パケットを転送する連絡ポートを含み、前記待機系のパケット転送装置は前記端末から入力されたパケットである第2パケットの転送先である前記連絡ポートのMACアドレスを記憶する記憶部を含み前記MACアドレスに基づいて前記第2パケットを転送するパケット転送システムにおいて実行されるパケット転送装置の切り換え方法であって
    前記稼働系のパケット転送装置が、前記端末から入力されたパケットである第1パケットの転送先を決定するステップと、
    前記稼働系のパケット転送装置が、前記第1パケットを決定した転送先に転送するステップと、
    前記端末との間の通信回線に障害を検知した場合、前記稼働系のパケット転送装置が、前記待機系のパケット転送装置に稼働系の装置に切り換わるように指示する指示情報を含む制御パケットを前記連絡ポートから転送するステップと、
    前記稼働系のパケット転送装置が、前記第1パケットを前記連絡ポートに転送するステップと、
    前記待機系のパケット転送装置が、転送された制御パケットに基づいて前記記憶部から前記MACアドレスを削除するステップと、を含む
    ことを特徴とするパケット転送装置の切り換え方法。
  6. 前記稼働系のパケット転送装置が、前記障害を検知した後に受信したパケットを前記待機系のパケット転送装置に転送するステップと、
    前記待機系のパケット転送装置が、該パケットを前記端末に転送するステップと、を含む
    請求項5記載のパケット転送装置の切り換え方法。
  7. 前記稼働系のパケット転送装置が、前記通信回線が前記障害から復旧した場合、前記待機系のパケット転送装置へのパケット転送を終了するステップを含む
    請求項5または請求項6記載のパケット転送装置の切り換え方法。
  8. 前記稼働系のパケット転送装置が、受信したパケットのパケット情報が所定の条件に該当した場合、前記パケットを廃棄するステップを含む
    請求項5から請求項7のうちのいずれか1項に記載のパケット転送装置の切り換え方法。
  9. 機系のパケット転送装置と、前記待機系のパケット転送装置と通信可能に接続され、パケットを転送する連絡ポートを含む稼働系のパケット転送装置とで冗長構成された、端末との間でパケットを転送するパケット転送システムにおける待機系のパケット転送装置であって、
    前記端末から入力されたパケットの転送先である前記連絡ポートのMACアドレスを記憶する記憶部と、
    前記MACアドレスに基づいて前記入力されたパケットを転送する転送部と、
    前記稼働系のパケット転送装置から稼働系の装置に切り換わるように指示する指示情報を含む制御パケットを前記連絡ポートから受信すると、前記記憶部から前記MACアドレスを削除する処理部とを含む
    ことを特徴とするパケット転送装置。
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