JP6673015B2 - 綴じ機の切込刃 - Google Patents

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Description

本発明は、綴じ部材を用いて用紙を綴じるための綴じ機の切込刃に関する。
従来から、綴じ部材を用いて用紙を綴じるようにした綴じ機が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
従来の綴じ機に採用されている切込刃は、用紙との間で相対往復運動し、往動作の過程で用紙に貫通してカット孔を形成するとともに、復動作の過程で用紙の一面側にセットされた綴じ部材の一部を用紙の他面側に引き込む役割を担っている。そして、切込刃は、金属製をなす単一の部材で構成されていた。
ところが、切込刃が金属製のものであるため、その表面には微細な凹凸が存在していることが多い。そして、微細な凹凸を有した切込刃が往復動作する過程で、当該切込刃の表面とカット孔の切断端縁とが引っ掛かり、切込刃がスムーズに用紙に対して往復動作できないという不具合がある。特に、切込刃の復動作は反力バネの復帰力に依存することから、反力バネを主体にした反力機構の大型化を招く恐れがある。
特開平8−39959号公報
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、綴じ部材を用紙に係わり合わせる過程において、切込刃により形成されたカット孔の切断端縁が、切込刃に引っ掛かってしまうという不具合の発生を抑制し得る設計の自由度に優れた綴じ機の切込刃を提供する。
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
請求項1に係る発明は、用紙との間で相対往復運動し用紙を貫通することにより用紙にカット孔を形成するための刃先をその先端部に備えた刃本体と、この刃本体に厚み方向に貫通して設けられ、前記刃本体を前記カット孔内から抜き取る際に用紙を綴じるための帯状をなす綴じ部材を係わり合わせた状態で前記カット孔に該綴じ部材を挿し通すための綴じ部材挿通窓と、前記刃本体とは別体をなし当該刃本体から前記厚み方向に隆起することにより前記綴じ部材挿通窓が前記カット孔を通過するときに当該カット孔の対向する対をなす切断端縁を離間させ隙間を形成する隙間形成用の隆起部とを備えていることを特徴とする綴じ機の切込刃である。
請求項2に係る発明は、前記カット孔が、メインスリットの両端にサブスリットを設けたものであり、前記刃本体が、前記メインスリットを形成するためのメインブレードと、前記メインブレードから屈曲して伸びる前記サブスリットを形成するためのサブブレードとを備えたものである請求項1記載の綴じ機の切込刃である。
請求項3に係る発明は、前記対をなすサブブレード間に、前記隆起部が配されている請求項2記載の綴じ機の切込刃である。
請求項4に係る発明は、前記隆起部が枠部材に設けられたものであり、この枠部材が前記刃本体の綴じ部材挿通窓に装着されている請求項1記載の綴じ機の切込刃である。
請求項5に係る発明は、前記隆起部が、前記刃本体の刃先と綴じ部材挿通窓の先端縁との間に位置する先端から前記綴じ部材挿通窓の基端縁付近に位置する後端まで連続して延びるものである請求項1記載の綴じ機の切込刃である。
請求項6に係る発明は、前記隆起部が合成樹脂製のものであり、合成樹脂製の枠部材に設けられたものであり、前記枠部材が、部材の弾性変形を利用して前記綴じ部材挿通窓に装着し得るように構成されている請求項1記載の綴じ機の切込刃である。
請求項7に係る発明は、前記綴じ部材挿通窓の左右両端縁と前記対をなすサブブレードとの間に前記隆起部が配されている請求項2又は3記載の綴じ機の切込刃である。
請求項8に係る発明は、前記隆起部が、前記刃本体における綴じ部材挿通窓の近傍部分に装着されるものであり、少なくとも前記綴じ部材挿通窓の上側及び下側の前記近傍部分に回転やずれ不能に位置決めされている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の綴じ機の切込刃である。
請求項9に係る発明は、用紙との間で相対往復運動し用紙を貫通することにより用紙にカット孔を形成するための刃先をその先端部に備えた刃本体と、この刃本体とは別体をなし、前記カット孔に連続したサブカット孔を形成するための刃先をその先端部に備えた補助刃と、前記刃本体に厚み方向に貫通して設けられ、前記刃本体を前記カット孔内から抜き取る際に用紙を綴じるための帯状をなす綴じ部材を係わり合わせた状態で前記カット孔に該綴じ部材を挿し通すための綴じ部材挿通窓と、前記刃本体とは別体をなし当該刃本体から前記厚み方向に隆起することにより前記綴じ部材挿通窓が前記カット孔を通過するときに当該カット孔の対向する対をなす切断端縁を離間させ隙間を形成する隙間形成用の隆起部とを備えていることを特徴とする綴じ機の切込刃である。
請求項10に係る発明は、前記隆起部が、前記綴じ部材挿通窓に装着される枠部材に設けられている請求項9記載の綴じ機の切込刃である。
以上説明したように本発明によれば、綴じ部材を用紙に係わり合わせる過程において、切込刃により形成されたカット孔の切断端縁が、切込刃に引っ掛かってしまうという不具合の発生を抑制し得る設計の自由度に優れた綴じ機の切込刃を提供することができるものとなる。
本発明の一実施形態を示す斜視図。 同実施形態における用紙の平面図。 図2におけるX−X線断面図。 同実施形態における動作テープの斜視図。 同実施形態における離間誘発部付近の拡大断面図。 同実施形態における動作テープの平面図。 同実施形態における剥離テープ台紙の平面図。 同実施形態における右側面図。 同実施形態における中央断面図。 同実施形態における斜視図。 同実施形態における分解斜視図。 同実施形態における分解斜視図。 同実施形態におけるリフィルの斜視図。 同実施形態における分解斜視図。 同実施形態における分解斜視図。 同実施形態における定寸送り部の断面図。 同実施形態における定寸送り部の断面図。 同実施形態における分解斜視図。 同実施形態における分解斜視図。 同実施形態における分解斜視図。 同実施形態における分解斜視図。 同実施形態における切込刃の斜視図。 同実施形態における切込刃の側面図。 同実施形態における切込刃の平面図。 図23におけるY−Y線断面図。 同実施形態における切込刃の分解斜視図。 図26に対応した中央断面図。 同実施形態における作動説明図。 同実施形態における作動説明図。 同実施形態における作動説明図。 同実施形態における作動説明図。 同実施形態における作動説明図。 同実施形態における作動説明図。 同実施形態における作動説明図。 同実施形態における作動説明図。 同実施形態における作動説明図。 他の実施形態を示す切込刃の分解斜視図。 他の実施形態を示す切込刃の斜視図。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜36を参照して説明する。
この実施形態の綴じ機は、図1〜3に示すように、複数枚重層させた用紙Pにおける端縁p1の近傍に刃たる切込刃m1によってカット孔cを形成し、このカット孔cと用紙Pの端縁p1との間に位置する用紙部分p2に帯状の綴じ部材t2を閉ループ状に巻き付けることにより、複数枚の用紙Pを綴じるようにしたものである。
すなわち、綴じ機は、重ね合わされた複数枚の用紙Pが配置されるステージAと、ステージAに隣設された第一、第二の筐体D、Jと、第一の筐体Dに関連させて設けられ動作テープTを構成する帯状の綴じ部材t2をステージAに供給する綴じ部材供給機構Bと、第二の筐体Jに関連させて設けられ第二の筐体Jに対して相対動作可能な綴じ操作部Kに加えられる操作力を利用してステージAに供給された綴じ部材t2を用紙Pに係わり合わせる綴じ機構Cとを備えている。そして、第二の筐体Jの一部に、ハンディー使用すなわち片手Qで天板等の載置面から離れた状態を維持して使用することを可能にするための片手保持部7cが設けられているとともに、綴じ操作部Kが片手保持部7cに手をかけた状態で操作可能な位置に配置されている。
ステージAは、綴じるべき用紙Pの上面側に臨むアンビルa1と、綴じるべき用紙Pの下面側に臨みアンビルa1との間に用紙挿入用隙間skを形成する対面壁a2とを備えている。第一の筐体Dは、ステージAの上側に設けられている。第二の筐体Jは、ステージAの下側に設けられている。ステージAに設けられた用紙挿入用隙間skは、前側に用紙Pを挿入するための入口が形成されている。すなわち、この実施形態におけるステージAは、前側から用紙Pを挿入し得るように構成されている。なお、前側とは、用紙挿入用隙間skを水平にした場合の綴じ機の正面側をいう。
<<動作テープT>>
動作テープTは、図6、及び、図7に示すように、長尺な剥離テープ台紙t1の一面に、同一形状をなす複数の綴じ部材t2を長手方向に連続的に並べ配したものである。
剥離テープ台紙t1は、フィルム素材により作られた連続したテープ状のものであり、綴じ部材供給機構Bによる操作力を受けるための掛止孔t11が長手方向に一定のピッチで設けられている。掛止孔t11は、剥離テープ台紙t1の幅方向中央部に位置しており、剥離テープ台紙t1の長手方向に一定間隔で配されている。これら掛止孔t11は、剥離テープ台紙t1に欠切部分t111を有する部分円弧状の切込みt112を入れることにより形成されている。すなわち、掛止孔t11は、略C字形状をなす切込みt112によって形成されたものであり、欠切部分t111が剥離テープ台紙t1の進行方向遅れ側に位置させてある。
綴じ部材t2は、剥離テープ台紙t1と略同一の幅寸法を有する帯状のものであり、隣接する掛止孔t11間の長さと略同一の長手方向寸法を有している。すなわち、掛止孔t11間のピッチの整数倍が、並び配された複数の綴じ部材t2の合計寸法と一致するようになっている。綴じ部材t2は、紙等を主体にして製造された基材t23の一面に、粘着剤が塗布された図示しない粘着層が設けられたものである。綴じ部材t2は、粘着層を介して剥離テープ台紙t1の一面に剥離可能に添着されている。
各綴じ部材t2は、当該綴じ部材t2の長手方向中央部と剥離テープ台紙t1の掛止孔t11とが合致するように、剥離テープ台紙t1の一面に配されている。これら綴じ部材t2は、連続した剥離テープ台紙t1の一面に分離スリットt3を介して隣接した状態で添着されている。つまり、綴じ部材t2は、剥離テープ台紙t1の長手方向に沿った移動に伴って搬送されるようになっている。
動作テープTは、綴じ部材供給機構Bを構成する繰り出しリール4に巻装されている。動作テープTは、まず、繰り出しリール4から繰り出され前半誘導部u2を通過して離間誘発部u1に導かれる。次いで、離間誘発部u1を通過することにより、綴じ部材t2が剥離テープ台紙t1から剥離されてステージAに供給されるようになっている。離間誘発部u1を通過した剥離テープ台紙t1は、後半誘導部u3を通過して収容手段たる巻き取りリール5に巻き取られ回収されるようになっている。
なお、この実施形態では、動作テープTは、リフィルEを構成しており、リフィルEの交換に伴って、リフィルEの巻き取りリール5に蓄積された剥離テープ台紙t1も交換され得るようになっている。
<<綴じ部材供給機構B>>
綴じ部材供給機構Bは、綴じ部材t2を一枚ずつステージAに供給するためのものである。この実施形態では、綴じ部材供給機構Bは、剥離テープ台紙t1に長方形状の綴じ部材t2を添着させた動作テープTから、綴じ部材t2を順次一枚ずつ部分的に剥離テープ台紙t1から剥離させることによって、綴じ部材t2をステージAの上側から送り出し、当該ステージAに供給するようにしている。
綴じ部材t2は、ステージAに供給されるとともに綴じるべき用紙Pに係わり合っていないいわゆるスタンバイ状態で、始端部t21側が剥離テープ台紙t1から剥がれており、終端部t22が剥離テープ台紙t2に添着した状態になっている。そして、スタンバイ状態の綴じ部材t2は、図4、図5、図28、図29、及び、図31に示すように、側面視において下方に向かって延びた姿勢をなしており、その粘着層側の面が、用紙挿入用隙間skの入口側を向くようになっている。
綴じ部材供給機構Bは、ステージAの上側に位置し、第一の筐体Dに対して回動可能に支持された送り出し操作部Fに加えられる操作力によって、綴じ部材t2を順次ステージAに配設し得るようになっている。
送り出し操作部Fは、ステージAの上側における第一の筐体Dの後部に枢着されている。送り出し操作部Fは、片手保持部7cに手指(人差し指、中指、薬指、小指)Q2をかけた状態で、親指Q3で直接的に操作し得る位置に配設されている。
詳述すれば、綴じ部材供給機構Bは、ステージAの上に配された第一の筐体Dを備えている。そして、第一の筐体Dに関連させて、動作テープTが巻装された繰り出しリール4と、剥離テープ台紙t1を回収するための巻き取りリール5と、繰り出しリール4から繰り出された動作テープTを離間誘発部u1に誘導するとともに離間誘発部u1を通過した使用済みの剥離テープ台紙t1を巻き取りリール5に導くためのテープ搬送路Uと、テープ搬送路Uに沿って動作テープTを移動させるための送り出し操作部Fと、送り出し操作部Fの操作力により剥離テープ台紙t1を一定距離だけ牽引し繰り出しリール4から動作テープTを引き出すための定寸送り部Hと、定寸送り部Hにより強制駆動された繰り出しリール4の回転を巻き取りリール5に伝達する回転伝動部Iと、送り出し操作部Fによる誤操作である二度打ち操作を防止するためのロック部Gとを備えている。
この実施形態では、リフィルフレームRにテープ搬送路Uのすべてが形成されたリフィルEを備えている。リフィルEは、リフィルフレームRに繰り出しリール4と巻き取りリール5とを回転自在に保持させることによりユニット化されている。
<第一の筐体D>
第一の筐体Dは、アンビルa1の上面側に取り付けられた底版11を有しその底版11の一側縁部たる正面視左側の縁部から起立壁12を立設した筐体本体1と、筐体本体1と協働してリフィルE等が配設される内部空間を形成するように設けられ当該内部空間を一側方すなわち正面視右側方に向かって開放することができるように筐体本体1に対して回動可能に支持された側面カバー2と、内部空間の上方を閉塞するようにして筐体本体1に対して回動可能に支持された上面カバー3とを具備してなる。
筐体本体1は、例えば、合成樹脂による一体成型品であり、底版11と起立壁12とを一体に備えている。
底版11は、その前部に、アンビルa1における上下方向に連通した開口a11に対応して、上下方向に連通する窓11aを有している。底版11は、その後部に、ステージAを介して第二の筐体Jに止着するためのボルトv1が挿通するボルト挿通孔11bを備えている。底版11は、窓11aの前縁をアンビルa1の前端に設けられた係合突起a12に係合させた状態で、ボルト挿通孔11bに挿通させたボルトv1によりアンビルa1の上に取り付けられている。窓11aの後縁部近傍には遮壁11cが立設されている。ボルトv1は、アンビルa1の後部に設けられたボルト挿通孔a13に挿通され、第二の筐体Jの内部に配されたナットm64に螺合するようになっている。
起立壁12は、内部空間の一側面側すなわち正面視における左側を覆う形状のもので、その上部における後側の位置に上面カバー3の後部と係わり合って当該上面カバー3を回動可能に支持するための円環状をなす第一の枢支部121と、第一の枢支部121の内側に配設され送り出し操作部Fを回動可能に支持するための第二の枢支部122と、第二の枢支部122の内側に配設され回転伝動部Iの巻き取りギアi3を回動可能に支持するためのボス状をなす第三の枢支部123を備えている。第三の枢支部123には、ボルトv2を挿通させるためのボルト挿通孔12bが軸心j1を一致させて形成されている。起立壁12は、前後方向、及び、上下方向中間部に配設され、回転伝動部Iの繰り出しギアi1を回動可能に支持するための第四の枢支部124を備えている。
第一、第二、及び、第三の枢支部121、122、123は、それぞれ軸心j1を一致させて配設されている。つまり、上面カバー3、送り出し操作部F、巻き取りギアi3、及び、巻き取りギアi3に支持された巻き取りリール5は、共通の軸心j1回りに回動し得るように筐体本体1の起立壁12に支持されている。起立壁12の外面側における第一、第二、及び、第三の枢支部121、122、123の軸心j1と一致する位置には、抜け止め防止機能を発揮するボルトv2が螺合し得るナットn1が埋設されている。
第二の枢支部122は、複数の弾性爪12cを円筒状に配列することにより構成されている。第四の枢支部124は、複数の弾性爪12dを円筒状に配列することにより構成されている。
起立壁12における前側の上縁部分には、上面カバー3における第一のカバー部31の側壁部分31aに設けられた図示しないガイドスリットと係わり合い、上面カバー3の上下方向の回動範囲を規制するための凸部129が突設されている。起立壁12における前縁の上下方向中間部分には、側面カバー2を回動可能に支持するための枢支部を構成する対をなす突起125が対向配置されている。起立壁12における後縁には、側面カバー2を閉じた状態に保持するための係合部たる爪係止孔126が設けられている。
側面カバー2は、例えば、合成樹脂による一体成型品であり、内部空間の前面側を覆う前壁21と、前壁21の一側縁たる正面視右側の側縁から後方に延出し、閉じた状態で起立壁12と略平行に配設される側壁22とを備えたもので、前壁21の他側縁たる基端縁部が枢着用の突起125に係わり合っている。すなわち、前壁21の基端縁部には、枢着用の突起125に係わり合う枢支部たる係合穴21aを有した対をなす延出部材211を備えている。そして、それら延出部材211の一時的な弾性変形を利用して、係合穴21aと枢着用の突起125とが係わり合っている。側面カバー2における側壁22の後縁には、爪係止孔126に弾性係合して当該側面カバー2を閉止状態に保持するための係合部たる係合爪223が設けられている。
上面カバー3は、左右に分割可能な第一、第二のカバー部31、32を備えたもので、第一のカバー部31と第二のカバー部32との間に、定寸送り部H、及び、送り出し操作部Fの基端部分f1が収容されている。
第一のカバー部31は、例えば、合成樹脂による一体成型品であり、起立壁12と略平行に配された側壁部分31aと、側壁部分31aの外周縁から内方に突設され内部空間の上面を覆う天壁部分31bとを備えたものである。側壁部分31aは、その後部側に、筐体本体1における第一の枢支部121に枢着する枢着部たる嵌合孔311を備えている。上面カバー3は嵌合孔311を利用することにより、筐体本体1の第一の枢支部121に枢支され、上方に開く動作ができるようになっている。側壁部分31aの内面には、定寸送り部Hを構成する固定軸312が突設されている。天壁部分31bの前縁には、上面カバー3を閉止位置に保持しておくための下方に向かって延設された側面カバー係合部たる係止爪313が設けられている。
第二のカバー部32は、例えば、合成樹脂による一体成型品であり、第一のカバー部31の側壁部分31aに対して略平行に配された側壁部分32aと、側壁部分32aの外周縁から内方に突設され内部空間の上面を覆う天壁部分32bとを備えたものである。天壁部分32bは、その前縁に、上面カバー3を閉止位置に保持しておくための下方に向かって延設された側面カバー係合部たる係止爪322が設けられている。
第二のカバー部32は、その天壁部分32bの内側縁部を第一のカバー部31における天壁部分31bの内側縁部に突き合わせて当該第一のカバー部31に取り付けられている。すなわち、第一、第二のカバー部31、32の天壁部分31b、32b同士の突き合わせは、印籠構造をなしており、第一のカバー部31の天壁部分31bに設けられた係合部たる弾性爪314を、第二のカバー部32の天壁部分32bに設けられた係合部たる係合孔323に係合させることにより、第二のカバー部32が、第一のカバー部31に取り付けられている。
なお、第一、第二のカバー部31、32同士が取り付けられた状態では、第一のカバー部31に突設されている固定軸312の先端が、第二のカバー部32における側壁部分32aの内面に設けられた図示しない凹嵌部に嵌合するようになっている。
以上説明した第一の筐体Dの背面側には、内部空間と連通する開放部分が形成されている。すなわち、第一の筐体Dの後部には、底版11の後縁部、起立壁12の後縁部、側面カバー2における側壁22の後縁部を主体にして開口縁が形成された開放部分から送り出し操作部Fの操作端部分f2が外部に延出させてある。
<リフィルE>
リフィルEは、第一の筐体Dに交換可能に収容されているものである。リフィルEは、リフィルフレームRにテープ搬送路Uのすべてを形成するとともに、リフィルフレームRに繰り出しリール4と巻き取りリール5とを回転可能に保持している。
リフィルフレームRは、例えば、合成樹脂による一体成型品であり、板状をなすリフィルフレーム本体Sと、リフィルフレーム本体Sの内面側に設けたテープ搬送路Uと、リフィルフレーム本体Sの内面側に設けられ繰り出しリール4、及び、巻き取りリール5を回動可能に支持する第一、第二のリール支持部s11、s21とを備えている。
リフィルフレーム本体Sは、繰り出しリール4に対応して形成された板状の円形状の部分を有した大円形状部分s1と、大円形状部分s1に隣接する位置に巻き取りリール5に対応して形成された板状の円形状の部分を有した小円形状部分s2と、大円弧部分の前部からステージA方向たる下方向に延びる細長いプレート状の部分を有した延出部分s3とを備えたものである。
大円形状部分s1の内面側には第一のリール支持部s11が設けられているとともに、大円形状部分s1の外面側にはその中心部に側面カバー2における側壁22に形成された位置決め突起221が嵌合する嵌合孔s12が設けられている。小円形状部分s2の内面側には第二のリール支持部s21が設けられているとともに、小円形状部分s2の外面側にはその中心部に側面カバー2における側壁22に形成された位置決め突起222が嵌合する嵌合孔s22が設けられている。
テープ搬送路Uは、動作テープTにおける剥離テープ台紙t1から綴じ部材t2を部分的に離間させてステージAに供給するための離間誘発部u1と、繰り出しリール4から繰り出された動作テープTを離間誘発部u1に案内する前半誘導部u2と、離間誘発部u1を通過した剥離テープ台紙t1を巻き取りリール5に案内する後半誘導部u3とを備えたものである。
離間誘発部u1は、リフィルフレームRの延出部分s3に円柱状のヘッドs31を突設したものである。ヘッドs31の直径は、その外周で剥離テープ台紙t1をUターン動作させることにより、剥離テープ台紙t1に添着された綴じ部材t2を当該剥離テープ台紙t1から部分的に剥離させ得る値に設定されている。延出部分s3から突設されたヘッドs31の延出端には、剥離テープ台紙t1が外れるのを防止するための鍔部s35が設けられている。
前半誘導部u2は、離間誘発部u1と繰り出しリール4との間に形成された第一の案内板s32と、第一の案内板s32の下流に配された第一の案内軸s33における後側の片半部とを備えたものである。第一の案内板s32と第一の案内軸s33は延出部分s3に設けられている。
後半誘導部u3は、第一の案内軸s33における前側の片半部と、第一の案内軸s33の下流に設けられた第二の案内軸s34と、第二の案内軸s34の下流に設けられ剥離テープ台紙t1の表裏両面側に位置して案内する二重平行壁状の第二の案内板s13と、第二の案内板s13と巻き取りリール5との間に設けられた第三の案内板s14とを備えたものである。第二の案内軸s34は、延出部分s3に設けられている。第二、第三の案内板s13、s14は、大円形状部分s1に設けられている。
第一の案内軸s33は、延出部分s3から筐体本体1の起立壁12方向に延出したものであり、その先端部が起立壁12に設けられた位置決め凹部127に着脱可能に嵌合し得るようになっている。
第三の案内板s14は、剥離テープ台紙t1を定寸送り部Hと協働することにより一定ピッチずつ送るためのもので、定寸送り部Hを構成する駆動輪h1における円筒部分h11の外周面に対応した下方に向けて凸をなす側面視部分円弧状をなしている。第三の案内板s14における湾曲した上面には、剥離テープ台紙t1の下面が摺接し得るようになっている。第三の案内板s14における左右方向中央には、駆動輪h1に設けられた剥離テープ台紙係合部である突部h12との干渉を避けるための前後方向に延びたスリットs15が形成されている。
剥離テープ台紙t1は、上面カバー3が閉じられた状態で、駆動輪h1の円筒部分h11の外周面と第三の案内板s14との間に挟まれた状態をなす。そして、駆動輪h1の凸部h12が剥離テープ台紙t1の掛止孔t11と係わり合うとともに第三の案内板s14のスリットs15に進入し、この状態で駆動輪h1が送り出し操作部Fの操作力を受けて回転する。このため、剥離テープ台紙t1は、第三の案内板s14と協働した駆動輪h1によって、所定の方向に確実に搬送され得るようになっている。第三の案内板s14の下流端部近傍、すなわち、小円形状部分s2の上端縁には、剥離テープ台紙t1の離間を防ぐための庇板s23が延設されている。
繰り出しリール4は、剥離テープ台紙t1に綴じ部材t2を添接してなる動作テープTが巻装される円筒状の胴部41と、胴部41におけるリフィルフレーム本体S側の端縁に設けられた一方の鍔部42と、胴部41における反リフィルフレーム本体側の端縁に設けられた他方の鍔部43とを備えたものである。一方の鍔部42における中心部には軸孔部42aが形成されており、リフィルフレーム本体Sの第一のリール支持部s11に回転可能に支持されている。他方の鍔部43は、円筒状をなす胴部41の内側空間を開放するための開口部43aを備えている。胴部41の内周面には、回転伝動部Iを構成する繰り出しギアi1と係わり合って当該繰り出しギアi1に回転力を伝達するための複数の伝動突部41aが回転方向に間欠的に設けられている。
巻き取りリール5は、綴じ部材t2が除去された剥離テープ台紙t1を収容する収容手段を構成するものである。換言すれば、巻き取りリール5は、綴じ部材t2が除去された剥離テープ台紙t1を外部に排出することなく巻き取って回収し得るものである。そして、一定回数の綴じ操作を終えて綴じ部材t2が尽きた等の所定の段階になってから、剥離テープ台紙t1を収容手段である巻き取りリール5とともに廃棄し得るように構成されている。
巻き取りリール5は、剥離テープ台紙t1を巻き取る円筒状の胴部51と、胴部51におけるリフィルフレーム本体S側の端縁に設けられた一方の鍔部52と、胴部51における反リフィルフレーム本体側の端縁に設けられた他方の鍔部53とを備えたものである。一方の鍔部52における中心部には図示しない軸孔部が形成されており、リフィルフレーム本体Sの第二のリール支持部s21に回転可能に支持されている。他方の鍔部53は、円筒状をなす胴部51の内側空間を開放するための開口部53aを備えている。胴部51の内周面には、回転伝動部Iを構成する巻き取りギアi3と係わり合って当該巻き取りギアi3から伝達される回転力を受けるための複数の伝動突部51aが回転方向に間欠的に設けられている。
巻き取りリール5は、綴じ部材t2が除去された後の剥離テープ台紙t1のみを巻き取るものである。このため、綴じ部材t2が剥離テープ台紙t1に添着した状態の動作テープTを巻装している繰り出しリール4よりも小径に設定されている。
<送り出し操作部F>
送り出し操作部Fは、使用済みの剥離テープ台紙t1を一定距離ずつ送る操作をするためのものであり、第一の筐体D側に設けられている。換言すれば、送り出し操作部Fは、第二の筐体Jに設けられた片手保持部7cと、第二の筐体Jに設けられた綴じ操作部Kとに片手Qをかけた状態で、その片手Qの親指Q3で回動操作し得る位置に設けられている。
送り出し操作部Fは、初期位置(S)から最終操作位置(T)までの間で回動し得るようになっており、当該送り出し操作部Fと筐体本体1との間に設けられた図示しないばねにより初期位置(S)に自己復帰し得るように弾性付勢されている。送り出し操作部Fは、最終操作位置(T)まで操作した段階(図28を参照)で操作を止めると、僅かに初期位置(S)の方向に自己復帰したロック位置(U)においてロック部Gによりロックされるように構成されている。送り出し操作部Fは、綴じ機構Cを構成する綴じ操作部Kの動きに関連してロック部Gのロックが解除された段階で、ロック位置(U)から初期位置(S)に自己復帰し得るようになっている。
送り出し操作部Fは、前側に位置する基端部分f1と後側に位置する操作端部分f2とを備えたものである。送り出し操作部Fは、基端部分f1に設けられた係合部たる係合孔f13を筐体本体1における第二の枢支部122に回動可能に係合させたものであり、操作端部分f2が前後方向に回動し得るようになっている。
基端部分f1は、略円形をなす係合孔f13が形成された第一側壁f11と、第一側壁f11における側面視部分円弧状をなす外周縁からリフィルEの巻き取りリール5の上側及び後側を包囲するようにして突設された包囲壁f12とを備えている。基端部分f1における包囲壁f12の内側には、巻き取りリール5や巻き取りギアi3などが配設されるようになっている。基端部分f1の第一側壁f11には、係合孔f13の外側に、当該係合孔f13と軸心j1を一致させた部分円弧状をなすガイドスリットf14が形成されている。そして、ガイドスリットf14に、第一の筐体Dにおける筐体本体1の起立壁12から突設された回動範囲規制用の突起128が係わり合っている。すなわち、ガイドスリットf14と突起128とが協働して、送り出し操作部Fが初期位置(S)から最終操作位置(T)までの間で回動し得るように設定されている。
操作端部分f2は、第一側壁f11に略面一に連続して外方に延びる第一操作端側壁f21と、包囲壁f12の後端から連続して後方に延び、一方の側縁を第一操作端側壁f21に連続させた後壁f22と、後壁f22の他方の側縁から下方に延びる第二操作端側壁f23と、第一、第二操作端側壁f21、f23、及び、後壁f22の後端縁間を塞ぐように設けられた終端壁f24とを備えたものである。操作端部分f2は、主として操作者の親指Q3が直接的に触れる部位であり、当該操作端部分f2を親指Q3で押すことによって、送り出し操作部Fを回動させることができるようになっている。
以上説明した送り出し操作部Fは、ロック部Gの働きにより、誤操作である二度打ち操作をし難いように設定されている。ここで、「二度打ち操作」とは、用紙挿入用隙間skに用紙Pを挿入する前に、綴じ部材t2をステージAに二度繰り返して送り出す動作を引き起こす送り出し操作部Fに対する操作者の誤操作をいう。
<ロック部G>
ロック部Gは、第一の筐体Dにおける筐体本体1の底版11に設けられた合成樹脂製のロック部材g1と、送り出し操作部Fに設けられ、当該送り出し操作部Fが最終操作位置(T)まで回動操作された段階で、ロック部材g1と係わり合うロック部材係合部たる係合孔f25とを備えたものである。
ロック部材g1は、後端に送り出し操作部Fの係合孔f25に係合可能な係合部たる爪g13を有した後端部分g11を備えたもので、後端部分g11よりも前側に位置した部位たる延出部分g12を第一の筐体Dの底版11に係わり合わせることにより、ロック部材g1が底版11に支持されている。ロック部材g1は、左右に対をなし基端部が後端部分g11に一体に接続し、後端部分g11に片持ち状に支持された延出部分g12を備えている。ロック部材g1は、対をなす延出部分g12を主体にして、底版11に対して弾性的に係わり合うための弾性付勢手段が構成されている。ロック部材g1は、弾性付勢手段の作用により、通常は、図9、及び、図10等に示す待機姿勢に保持されている。ロック部材g1は、送り出し操作部Fの終端壁f24が当接した段階で、爪g13を有した後端部分g11が上方に偏移するように一時的に弾性変形し、その爪g13が通常の位置に復帰した状態で、送り出し操作部Fの係合孔f25に係合するようになっている。
ロック部材g1の前後方向中間部には、下方に延出した受け部g14が左右に対をなして設けられている。これら受け部g14は、延出部分g12の基端部に形成されており、底版11に設けられた貫通孔11dに挿入されている。そして、後述する綴じ操作部Kが初期位置(Q)から操作位置(R)に操作された段階で、綴じ操作部Kに設けられた押出部k32により受け部g14を上方に押し出し得るようになっている。
ロック部Gを構成する係合孔f25は、送り出し操作部Fの終端壁f24に設けられている。
ロック部材g1、及び、係合孔f25を設けたロック部Gの構成により、送り出し操作部Fが使用者による操作力を受けて初期位置(S)から最終操作位置(T)にまで操作されると、当該送り出し操作部Fがロック位置(U)にロックされるものとなる。その後、綴じ操作を行うべく、綴じ操作部Kが初期位置(Q)から操作位置(R)に回動された段階で、当該綴じ操作部Kの上縁部に設けられた押出部k32によってロック部材g1の受け部g14が押圧されると、ロック部材g1の爪g13が上方に移動し、当該爪g13が送り出し操作部Fの係合孔f25から外れるようになっている。その結果、送り出し操作部Fが、図示しないばねの付勢力により、図30等に示すように、初期位置(S)に自己復帰することになる。この実施形態におけるロック部Gの構成によれば、送り出し操作部Fの二度打ち操作が好適に抑制され得るものとなっている。
<定寸送り部H>
定寸送り部Hは、リフィルEのテープ搬送路Uに位置した剥離テープ台紙t1を付勢して長手方向に一定距離ずつ移動させるもので、換言すれば、送り出し操作部Fが操作力を受けて回動する毎に、駆動輪h1を一定回転角度ずつ回転させて、その駆動輪h1の回転力により剥離テープ台紙t1を巻き取りリール5方向に一定のピッチずつ移動させるようにしたものである。
詳述すれば、定寸送り部Hは、上面カバー3の固定軸312と、固定軸312に支持された駆動輪h1と、駆動輪h1に対して送り出し操作部Fに加えられる操作力を伝達するための伝動手段h2と、送り出し操作部Fの初期位置(S)から最終操作位置(T)までの往動作を駆動輪h1に伝達するワンウェイ伝達手段h3と、送り出し操作部Fが最終操作位置(T)まで操作された後にロック位置(U)に微動復帰した段階で、駆動輪h1を一定の位置に保持する駆動輪保持手段h4とを備えたものである。
駆動輪h1は、外周面に複数の突部h12を一定のピッチで突設したものである。駆動輪h1は、円筒状をなす円筒部分h11の外周面に三つの突部h12を円周方向に等間隔で配している。駆動輪h1は、円筒部分h11の内側における左右方向中央部にハブh18を備えた円盤部分h13を具備してなるもので、円盤部分h13を境にして一方側たる正面視における左側に第一空間sp1が形成されており、他方側たる正面視における右側に第二空間sp2が形成されている。
駆動輪h1は、上面カバー3に設けられた固定軸312に回転可能に支持されている。すなわち、駆動輪h1に設けられたハブh18は、固定軸312に回転自在に外嵌されている。円筒部分h11の外周面に配された三つの突部h12は、剥離テープ台紙t1に設けられた掛止孔t11に係合し得る形態のものであり、この実施形態では、駆動輪h1が120°回転した場合に三つの突部h12が、回転前における前側の突部h12が存在していた位置と同じ位置に存在するように、円周方向に等間隔に配設されている。
伝動手段h2は、固定軸312における基端部に回動可能に支持された小径歯車h21と、送り出し操作部Fの基端部分f1に設けられ小径歯車h21に噛合する大径歯車f15とを備えたものである。大径歯車f15は、軸心j1を中心とした部分円弧状の部分に複数の歯が形成されたものであり、送り出し操作部Fが初期位置(S)から最終操作位置(T)にまで回動操作されることにより小径歯車h21が、一定角度、例えば、123°回転し得るような変速比率に設定されている。
ワンウェイ伝達手段h3は、駆動輪h1における小径歯車h21側に形成された第一空間sp1内に配設されたもので、小径歯車h21のキー付きボス部h23に外嵌され当該小径歯車h21と一体的に回転するクラッチ爪h31と、クラッチ爪h31に対応させて駆動輪h1における円筒部分h11の内周に形成された一方向段部h14とを備えたものである。すなわち、ワンウェイ伝達手段h3は、送り出し操作部Fが初期位置(S)から最終操作位置(T)に向けて操作される過程では、板バネ状をなしているクラッチ爪h31の先端が一方向段部h14に係合して駆動輪h1を小径歯車h21の正回転に同期して回転させる。一方で、ワンウェイ伝達手段h3は、送り出し操作部Fが初期位置(Q)に自己復帰する過程では、板バネ状のクラッチ爪h31が弾性変形しつつ一方向段部h14を有した円筒部分h11の内周を滑り動くことになり、小径歯車h21の逆回転が駆動輪h1に伝達しないようになっている。
駆動輪保持手段h4は、駆動輪h1における反小径歯車側に位置する第二空間sp2内に配設されたもので、固定軸312の先端部分に固定された位置決め爪h41と、位置決め爪h41に対応させて駆動輪h1における円筒部分h11の内周に形成された凹嵌部h15とを備えたものである。位置決め爪h41は、先端に突条部分h43を有し、突条部分h43を常時駆動輪h1における円筒部分h11の内周面に向けて弾性的に押し付け得る構成をなす板バネ状のものである。位置決め爪h41における突条部分h43の第一の面h44は、駆動輪h1における凹嵌部h14の起立面h16に係合して当該駆動輪h1の逆方向の回転を防止し得る方向を向いている。位置決め爪h41における突条部分h43の第二の面h45は、駆動輪h1における凹嵌部h15の傾斜面h17に摺接し得るようになっている。このようにして、位置決め爪h41は、駆動輪h1の正方向の回転を許容し得るよう構成している。
駆動輪保持手段h4の構成によれば、送り出し操作部Fが初期位置(S)から最終操作位置(T)に向けて操作される場合には、駆動輪h1がワンウェイ伝達手段h3により正方向に強制駆動されるとともに、駆動輪保持手段h4は駆動輪h1の凹嵌部h15に設けられた傾斜面h17に突条部分h43が押圧されて内方に弾性偏移することになる。したがって、この場合には、駆動輪h1の正方向への回転が行われることになる。
なお、送り出し操作部Fが最終操作位置(T)に接近すると、駆動輪h1における次の凹嵌部h15が突条部分h43に接近することになり、駆動輪h1が120°回転した直後に突条部分43の第一の面h44が凹嵌部h15の起立面h16に係合する。そして、送り出し操作部Fが、最終操作位置(T)まで操作されると、駆動輪h1が120°を超えて例えば123°程度まで回転するが、当該3°の余剰回転は、突条部分43の第二の面h45が凹嵌部h15の傾斜面h17に若干乗り上げることにより吸収されることになる。送り出し操作部Fの操作が終了すると、送り出し操作部Fが最終操作位置(T)からロック位置(U)まで微動復帰するとともに位置決め爪h41の突条部分h43が密に駆動輪h1の凹嵌部h15に係合することになる。
この状態で、ロック部Gによるロック状態が解除され、送り出し操作部Fがロック位置(U)から初期位置(S)に自己復帰すると、小径歯車h21は送り出し操作部Fに連動して逆転するが、その逆転力はワンウェイ伝達手段h3により駆動輪h1には大きな力として伝達されることはない。つまり、クラッチ爪h31と駆動輪h1とが摺接することにより、摩擦力を受けて駆動輪h1は逆転しようとはするものの、その逆転は駆動輪保持手段h4により阻止されることになる。
なお、以上説明した定寸送り部Hは、大径歯車f15を除き、駆動輪h1を含む構成部品が第一の筐体Dにおける上面カバー3の固定軸312に支持されている。リフィルEを装脱する際には、側面カバー2を開いた状態にするだけでなく、上面カバー3の前側を上方に回動させて、図11、及び、図12等に示すように、上方に開いた状態にすることになる。
そして、リフィルEを筐体本体1に装填した後に、上面カバー3を開成位置(O)から閉止位置(P)に移動して、駆動輪h1と剥離テープ台紙t1とを係わり合わせる。つまり、上面カバー3を閉止位置(P)に移動させることによって、駆動輪h1がリフィルEにおける第三の案内板s14の上面に近接するとともに第三の案内板s14の上面側に載せ置かれた剥離テープ台紙t1の掛止孔t11に突部h12が進入することにより、駆動輪h1が剥離テープ台紙t1と係わり合うことになる。
以上のようにして、剥離テープ台紙t1は、駆動輪h1の回転により駆動され得るようになっている。繰り出しリール4や巻き取りリール5が回転するための駆動力は、駆動輪h1により駆動された剥離テープ台紙t1を介して伝達されるようになっている。
<回転伝動部I>
回転伝動部Iは、繰り出しリール4が回転する回転力を巻き取りリール5に伝達するためのものである。回転伝動部Iは、第一の筐体Dにおける第四の枢支部124に回転可能に支持された繰り出しギアi1と、繰り出しギアi1に噛み合うとともに第一の筐体Dにおける第三の枢支部123に回転可能に支持された巻き取りギアi3とを主体に構成されている。
繰り出しギアi1は、繰り出しリール4側の端面にボス部i11を有している。ボス部i11の先端側には、複数の弾性爪i16を円周方向に間欠的に配設して構成された枢支部分i12が設けられている。ボス部i11の枢支部分i12には、円環状をなすクラッチ部材i2が装着されている。
クラッチ部材i2は、弾性爪i16の一時的な内方への弾性変形を利用して枢支部分i12に回動可能に支持されている。クラッチ部材i2は、ボス部i11より小径に設定されたもので、その外周に複数の伝動用突起i13が円周方向に間欠的に配置されている。伝動用突起i13の外周面は、ボス部i11の外周面と略面一に連続しており、これら伝動用突起i13の外周面とボス部i11の外周面に、繰り出しリール4が着脱可能に外嵌され得るようになっている。
なお、繰り出しリール4が、クラッチ部材i2が装着された繰り出しギアi1に外嵌した状態においては、クラッチ部材i2の伝動用突起i13が、繰り出しリール4の伝動突部41a間に位置するようになっている。
繰り出しギアi1とクラッチ部材i2とは相対的に摺動し得る態様で係わり合っている。すなわち、繰り出しギアi1とクラッチ部材i2との間には、通常時には繰り出しギアi1とクラッチ部材i2とが一体的に回転し得る程度の摩擦が発生し得るように設定されている。一方で、繰り出しギアi1とクラッチ部材i2との間に一定以上の回転トルクが作用した場合には、繰り出しギアi1とクラッチ部材i2とが通常の摩擦による相対回転よりも大きく相対回転し得るようになっており、これによって動作テープTに無理な力が作用し難いように構成されている。
巻き取りギアi3は、巻き取りリール5側の端面に突設されたボス部i14と、ボス部i14の外方端面に突設された小径ボス部i15とを備えている。小径ボス部i15には、外周に複数の伝動用突起i17が円周方向に間欠的に配置されている。伝動用突起i17の外周面は、ボス部i14の外周面に略連続しており、伝動用突起i17の外周面とボス部i14の外周面に巻き取りリール5が着脱可能に外嵌され得るようになっている。巻き取りリール5が、巻き取りギアi3に外嵌した状態においては、巻き取りギアi3の伝動用突起i17が、巻き取りリール5の伝動突部51a間に位置するようにしてある。
<<綴じ機構C>>
綴じ機構Cは、綴じ部材供給機構Bにより供給された綴じ部材t2をステージAにおいて用紙Pに係わり合わせて綴じ動作を行うものである。
綴じ機構Cは、ステージAの下側に配設された第二の筐体Jと、第二の筐体Jに枢支された綴じ操作部Kと、第二の筐体J内に収容された刃ユニットMと、刃ユニットMに綴じ操作部Kの操作力を伝達するための動作変換部Nと、綴じ操作部Kを初期位置(Q)の方向に弾性付勢して刃ユニットMの切込刃m1を貫通位置(N)から待機位置(M)に復帰させるための復帰ばねLと、切込刃m1が待機位置(M)に復帰する際に用紙Pの上面側から下面側に引き込まれた綴じ部材t2の終端部t22を用紙PがステージAから引き抜かれる際に用紙Pの下面に押し付けて綴じ動作を完了させる綴じ部材押圧部Oとを具備してなる。
<第二の筐体J>
第二の筐体Jは、アンビルa1に一体に設けられた剛性フレーム6と、剛性フレーム6の前側、及び、左右両側を覆うメインカバー7と、剛性フレーム6の後側を覆う後サブカバー8と、剛性フレーム6の前側の一部分を開放可能に覆う前サブカバー9とを備えたものである。
剛性フレーム6は、対をなす側板61と、側板61の下縁間に配された底板62とを備えたもので、側板61における後部の上縁部分は、連結板Vを介してアンビルa1における後部の側縁に連接されている。
なお、この実施形態では、アンビルa1、連結板V、及び、剛性フレーム6は、共通の板金素材を加工することにより作られた板金一体成型品である。このため、アンビルa1の位置が、剛性フレーム6に対して偏位し難いように構成されている。
剛性フレーム6の側板61は、その前縁に片手保持部7cの前面傾斜部分7eに沿った傾斜前縁部分611を有している。剛性フレーム6の側板61は、その後縁に、刃ユニットMの切込刃m1の進退方向と略平行をなす後縁部分612を有している。側板61には、前後方向の中間に刃ユニットMのドライブシャフトm7を上下方向に案内するための案内スリット613が設けられている。側板61における前部の上端部には、綴じ部材押圧部Oを保持した前レールブロックm5における位置決め用の凸部m52と係わり合う凹部614が設けられている。側板61における後部の上端部には、綴じ操作部Kを軸j2を介して回転可能に支持するための貫通孔617を有した綴じ操作部枢支部分615が一体に設けられている。側板61における前後方向中間部の上端部には、外方に突出し先端が上方を向く係合突出部616が設けられている。側板61の傾斜前縁部分611の近傍部には、前レールブロックm5を取り付けるためのピン挿通孔618を備えている。
底板62は、刃ユニット収容空間sp3の下に位置しているものであり、側板61の下縁から突片を内方に折り込むことによって形成されたものである。すなわち、底板62は、左右の側板61の下縁からそれぞれ突出した突片の自由端同士を付き合わせることにより形成されている。
以上のようにしてなる剛性フレーム6は、内部に刃ユニットMを収容するための刃ユニット収容空間sp3が形成されている。
メインカバー7は、剛性フレーム6の一方すなわち正面視左側の片半部を覆う左メインカバー要素7aと、他方すなわち正面視右側の片半部を覆う右メインカバー要素7bとを備えたものである。
メインカバー7は、上下方向に延びる形状をなしている。メインカバー7における主として前部分、及び、前サブカバー9は、使用者の人差し指から小指までの手指Q2を掛けるための片手保持部7cを構成している。綴じ機を操作する際には、用紙挿入用隙間skが略水平の場合に、片手保持部7cに沿って、上側から下側に向かって、人差し指、中指、薬指、小指の順で、各手指Q2が配置されるようになっている。換言すれば、用紙挿入用隙間skが略水平である場合に、綴じ機の操作は、片手Qの母指球Q1や親指Q3の前側に、人差し指、中指、薬指、小指の各手指Q2のすべてが位置するようになっている。
左メインカバー要素7aは、剛性フレーム6の正面視左側の側面部分を覆う側板71と、側板71の上縁部分に設けられステージAにおける対面壁a2の一部を構成する天板72と、側板71における前縁の下部から内方に突設された前板73と、側板71の下縁から内方に突設された底板74とを備えたものである。側板71は、その内面側にボルト挿通孔715を有した位置決め凹部711を備えている。そして、位置決め凹部711に対応した側板71の外面側には、図示しないナットが埋設されている。側板71の上縁近傍部には剛性フレーム6に設けられた係合突出部616に係合する係合部たる係合壁712が配されている。左メインカバー要素7aにおける側板71の上部前端には、内方に向かって延びた右メインカバー要素7bと接合するための係合部たる弾性爪713が設けられている。
右メインカバー要素7bは、剛性フレーム6の正面視右側の側面部分を覆う側板75と、側板75の上縁部分に設けられステージAにおける対面壁a2の一部を構成する天板76と、側板75における前縁の下部から内方に突設された前板77と、側板75の下縁から内方に突設された図示しない底板とを備えたものである。側板75は、その外面側にボルトv3の頭部を収容する台座755を有したボルト挿通孔751を備えている。側板75の上縁近傍部には、剛性フレーム6に設けられた係合突出部616に係合する係合部たる図示しない係合壁が配されている。右メインカバー要素7bにおける側板75の上部前端には、左メインカバー要素7aの弾性爪713が係わり合う係合部たる係合孔753が設けられている。
メインカバー7は、左メインカバー要素7aの係合壁712、及び、右メインカバー要素7bの図示しない係合壁を、剛性フレーム6の係合突出部616に係合させるとともに左メインカバー要素7aの弾性爪713を右メインカバー要素7bの係合孔753に弾性係合させることにより、剛性フレーム6の外側に係わり合わせることができる。メインカバー7は、剛性フレーム6に係わり合わせた状態で、右メインカバー要素7bのボルト挿通孔715から挿通させたボルトv3を左メインカバー要素7aに設けられた図示しないナットに螺着することにより剛性フレーム6に止着されている。
以上のメインカバー7は、その前縁側が、ハンディー使用をするために手指Q2が直接的に触れる片手保持部7cを構成している。片手保持部7cは、メインカバー7、及び、前サブカバー9を主体に構成されたものであり、下方に向かって漸次後方に偏移するように傾斜した前面傾斜部分7eを備えている。
メインカバー7の後縁は、綴じ操作部Kの前縁に対応させて下方に向かって漸次後方に偏移するように傾斜している。メインカバー7を剛性フレーム6に外装した状態では、剛性フレーム6における側板61の外側面とメインカバー7における左右の側板71、75の内側面との間に、動作変換部Nを構成する回動アームk2を配するための隙間srが形成されている。
後サブカバー8は、メインカバー7の後縁から動作変換部Nを配するための隙間srすなわち、回動アームk2を配設し得る隙間sr分だけ内方に延出する対をなす傾斜後板81と、これら傾斜後板81の延出端から後方に延び剛性フレーム6の後端部外側面を覆う対をなす側板82と、これら側板82の後縁間に設けられ剛性フレーム6の背面側を覆う起立後板83とを備えたものである。起立後板83は、剛性フレーム6の後縁部の外形に略対応したもので、切込刃m1の進退方向と略平行となるように起立している。側板82は、起立後板83と、傾斜後板81とを接続するためのもので側面視略直角三角形状をなしている。なお、後サブカバー8は、メインカバー7に対応させて一方すなわち左の後サブカバー要素84と、他方すなわち右の後サブカバー要素85とに分割されている。すなわち、左の後サブカバー要素84は、左メインカバー要素7aに一体に形成されており、右の後サブカバー要素85は、右メインカバー要素7bに一体に形成されている。
前サブカバー9は、メインカバー7の前側に形成された窓7dを開閉可能に設けられている。すなわち、メインカバー7、及び、後サブカバー8を剛性フレーム6に外装した状態では、剛性フレーム6内に配された切込刃m1の周辺部分が、メインカバー7に設けられた窓7dを通して外部から視認され得るものとなっている。つまり、外部から内部の切込刃m1を視認し得る窓7dに、前サブカバー9が開閉可能に装着されている。前サブカバー9は、メインカバー7の窓7dを閉塞し得る形状のもので、下端部に接離方向に弾性変形可能な対をなす弾性脚91が設けられており、その弾性脚91の内面に枢支部たる軸91aが突設されている。軸91aは、メインカバー7に設けられた枢支部たる軸保持穴714、754に弾性係合させることにより、前サブカバー9がメインカバー7に対して開閉動作し得るようになっている。前サブカバー9は、上端部に窓7dに係わり合う弾性係合部たる係止爪92が設けられており、この係止爪92を操作することによって使用者が容易に前サブカバー9を開閉し得るようになっている。
前サブカバー9は、メインカバー7の窓7dを閉塞した状態で、メインカバー7の前面部分と略面一に連続する形態をなしており、前サブカバー9も片手保持部7cの一部を構成したものとなっている。
<綴じ操作部K>
綴じ操作部Kは、刃ユニットMの切込刃m1を作動させるためのもので、第二の筐体Jに、外部から操作可能に設けられている。すなわち、綴じ操作部Kは、第二の筐体Jに回動可能に支持されており、操作者の手が触れる部分を、第二の筐体Jの外側に位置させている。そして、綴じ操作部Kには、操作者の母指球Q1部分を当接させやすくするため、下方に向かって漸次後方に偏移するように傾斜した後面傾斜部分k31を備えている。
綴じ操作部Kは、剛性フレーム6に軸j2を介して枢着された回転式のもので、主として後側を向く外面に片手保持部7cが設けられている。第二の筐体Jに設けられた片手保持部7cには、片手Qにおける手指Q2、すなわち、人差し指、中指、薬指、及び、小指の手指Q2が当接し得るようになっている。これに対して、綴じ操作部Kの後面傾斜部分k31には、片手Qにおける母指球Q1が当接し得るようになっている。これら片手保持部7cと綴じ操作部Kは、片手Qによって一括把持し得る離間距離をもって対向配置されている。
綴じ操作部Kは、金属製の操作部本体k1と、この操作部本体k1に外装された合成樹脂製の操作部カバーk3とを備えている。
操作部本体k1は、前方に開放されたチャンネル状のもので、基端部が軸j2を介して剛性フレーム6の綴じ操作部枢支部分615に回動可能に支持されている。すなわち、操作部本体k1の基端部には、軸j2と係わり合う軸係合孔k12が設けられている。操作部本体k1における基端部の近傍には、後述する動作変換部Nを構成する回動アームk2が一体に突設されている。操作部本体k1は、綴じ操作部Kが初期位置(Q)にあるときに前傾して上下方向に延びた態様をなしている。
操作部カバーk3は、操作部本体k1の背面、及び、両側面を覆うチャンネル状の部位を主体に構成されている。操作部カバーk3は、その回動端に閉止壁k33が設けられており、この閉止壁k33の内面には、操作部本体k1の回動端に係合する係合突起k34が設けられている。操作部カバーk3には、ビス挿通孔k35が設けられている。操作部カバーk3は、操作部本体k1の外側に被せるようにして取り付けられている。操作部カバーk3は、操作部本体k1に外嵌した状態で、ビス挿通孔k35に挿通させたビスv4を操作部本体k1に設けられたねじ孔k11に螺着することにより、操作部本体k1に止着されている。操作部カバーk3は、その基端部における上縁部分に突起状の押出部k32が左右に対をなして設けられている。これら押出部k32は、綴じ操作部Kが操作位置(R)にある状態で、ロック部Gの受け部g14を下方から上方に向かって押圧し得るように設定されている。操作部カバーk3は、綴じ操作部Kが初期位置(Q)にあるときに前傾して上下方向に延びた態様をなしている。
以上説明した綴じ操作部Kは、図28等に示す初期位置(Q)から図30に示す操作位置(R)との間に回動し得るようになっている。そして、操作位置(R)においては、第二の筐体Jの後サブカバー8の一部が綴じ操作部Kの内側に位置するようになっており、当該綴じ操作部Kと第二の筐体Jとが干渉しないようになっている。すなわち、綴じ操作部Kの両外側面間の幅寸法は、メインカバー7の両外側面間の幅寸法と略同一の寸法に設定されている。また、操作部カバーk3の内法幅寸法は、後サブカバー8の両外側面間の幅寸法よりも大きく設定されている。
<復帰ばねL>
綴じ操作部Kは、復帰ばねLにより初期位置(Q)に自己復帰し得るように弾性付勢されている。復帰ばねLは、切込刃m1を貫通位置(N)から待機位置(M)まで復動作させてアンビルa1側に位置する綴じ部材t2の一端側たる終端部t22側を用紙Pに形成されたカット孔cを通過させて用紙Pにおける反アンビル側の面に引き込むためのものである。復帰ばねLは、綴じ操作部Kを第二の筐体Jに支持させるための軸j2を囲繞するコイル部L1を有するねじりコイルタイプのものである。
コイル部L1の一端から延出させた第一の延出部L2は、剛性フレーム6の後部に設けられたばね受け部63に係止されており、コイル部L1の他端から延出させた第二の延出部L3は、操作部本体k1の内面に当接させてある。
<刃ユニットM>
刃ユニットMは、用紙Pに貫通して綴じ動作を行う切込刃m1と、切込刃m1の基端部を保持する刃ホルダm2と、切込刃m1に併設させた紙押さえm4と、紙押さえm4を刃ホルダm2に対して上方に弾性付勢するばねm3と、刃ホルダm2の前端側を昇降可能に案内する前レールブロックm5と、刃ホルダm2の後端側、及び、紙押さえm4を昇降可能に案内する後レールブロックm6とを備えたもので、剛性フレーム6内に収容されている。
切込刃m1は、ステージAに配された用紙Pにカット孔cを形成するためのもので、剛性フレーム6内に配されてアンビルa1方向に進退動作し得るようになっている。すなわち、切込刃m1は、ステージAを構成するアンビルa1から離間した待機位置(M)から、用紙P、及び、アンビルa1を貫通する貫通位置(N)との間で上下方向に往復動作し得るように設定されている。
切込刃m1は、用紙Pとの間で相対往復運動し用紙Pを貫通することにより用紙Pにカット孔cを形成するための刃先hsをその先端部に備えた金属製の刃本体maと、この刃本体maに厚み方向に貫通して設けられ、刃本体maをカット孔c内から抜き取る際に用紙Pを綴じるための帯状をなす綴じ部材t2を係わり合わせた状態でカット孔cに該綴じ部材t2を挿し通すための綴じ部材挿通窓ma3と、刃本体maとは別体をなし当該刃本体maから厚み方向に隆起することにより綴じ部材挿通窓ma3がカット孔cを通過するときに当該カット孔cの対向する対をなす切断端縁p21、p31を離間させ隙間smを形成する隙間形成用の隆起部mcとを備えている。
この実施形態では、刃本体maにより形成されたカット孔cは、メインスリットc1と、このメインスリットc1の両端から連続して設けられた一対のサブスリットc2とを備えたものである。カット孔cは、略コ字状に形成されており、メインスリットc1の両端から、綴じるべき用紙Pの端縁p1とは逆の方向(用紙Pの中央部側)に向かってサブスリットc2が延びるように設定されている。
刃本体maは、金属製のものであり、メインスリットc1を形成するためのメインブレードma1と、メインブレードma1から内面側に屈曲して伸びるサブスリットc2を形成するためのサブブレードma2とを備えたものである。メインブレードma1の先端に形成された刃先hsの両端は、サブブレードma2の先端に形成された刃先hsと連続している。刃本体maの上下方向中間領域には、メインブレードma1の上下方向中間部を切除して形成された綴じ部材挿通窓ma3が設けられている。
綴じ部材挿通窓ma3は、切込刃m1が貫通位置(N)から待機位置(M)に復帰する際に、用紙Pにおけるアンビルa1を臨む一面側に位置している綴じ部材t2の終端部t22側を、用紙Pに形成されたカット孔cを通過させることにより、用紙Pにおける反アンビル側を臨む一面側に移動させるためのものである。綴じ部材挿通窓ma3は、メインブレードma1の幅寸法と略同一の開口横幅寸法を備えている。
刃本体maの基端部には、メインブレードma1と略直交する方向に屈曲し中央部にピン孔ma7を有した板状の取付板ma4が設けられている。
隆起部mcは、合成樹脂製のものであり、対をなすサブブレードma2間に配されている。隆起部mcは、上下方向に延びており、側面視において前方に向かって傾斜した上端縁を有するとともに側面視において上下方向に延びた外側端縁を有したレール状をなしている。隆起部mcは、左右二カ所に設けられており、それぞれが対をなすサブブレードma2の内側に隣接して配設されている。
隆起部mcは、刃本体maの綴じ部材挿通窓ma3に装着された合成樹脂製の枠部材mbに設けられている。すなわち、隆起部mcは、刃本体maの刃先hsと綴じ部材挿通窓ma3の先端縁たる上端縁ma5との間に位置する先端部mc1から、綴じ部材挿通窓ma3の基端縁たる下端縁ma6付近に位置する後端部mc2まで連続して延びている。
隆起部mcと枠部材mbとは合成樹脂による一体成型品である。換言すれば、隆起部mcは、合成樹脂製の枠部材mbの前面側に一体に設けられたものである。枠部材mbは、部材の弾性変形を利用して綴じ部材挿通窓ma3に装着されている。
枠部材mbは、綴じ部材挿通窓ma3に密に嵌り合う四角い枠状のもので、上下方向に延びた左右の両側部分mb1と、左右の両側部分mb1の上端部間に架設された先端側横架部分mb2と、左右の両側部分mb1の基端側の部分間に架設された基端側横架部分mb3とを備えている。隆起部mcは、枠部材mbの両側部分mb1と一体に連設されている。隆起部mcの先端部は、この枠部材mbの先端側横架部分mb2よりも上側すなわち切込刃m1先端側に位置させてある。隆起部mcにおける先端部mc1の上向端面mc3は前側に向かって漸次下方に遷移するように傾斜している。
枠部材mbの先端側横架部分mb2は、後側に向かって漸次下方に遷移するように傾斜した上面部分を有している。枠部材mbの基端側横架部分mb3には、取り付け用の弾性爪mb4が一体に設けられている。枠部材mbの先端側横架部分mb2、及び、基端側横架部分mb3は、メインブレードma1と略同一の厚み寸法を備えており、刃本体maに装着された状態において、メインブレードma1と外面が略面一になるように設定されている。枠部材mbにおける両側部分mb1の内側縁部は、綴じ部材挿通窓ma3の両側縁よりも内側にあり、且つ、枠部材mbにおける両側部分mb1の外側縁部は、綴じ部材挿通窓ma3の両側縁よりも外側にあるように、両側縁部mb1の位置や寸法が設定されている。このため、枠部材mbにおける両側部分mb1の外側縁部は、刃本体maに装着された状態でサブブレードma2に当接して当該枠部材mbが切込刃m1の内面側へ移動するのを禁止する役割を担っている。
枠部材mb、及び、隆起部mcの刃本体maへの取り付けは、例えば、次のようにして行われる。
まず、枠部材mbの先端側横架部分mb2よりも上方に突出している隆起部mcの先端部mc1を、メインブレードma1の外面側から綴じ部材挿通窓ma3を通してメインブレードma1の内面側に挿入する。
次いで、枠部材mbにおける後傾した上端面を有する先端側横架部分mb2を綴じ部材挿通窓ma3の上端縁ma5に添接させて、枠部材mbの基端側横架部分mb3に設けた弾性爪mb4を一時的に弾性変形させつつ綴じ部材挿通窓ma3内に押し込む。
その結果、枠部材mbの両側部分mb1がサブブレードma2に係止され、枠部材mbが刃本体maに対して位置決めされる。つまり、以上の刃本体maに対する樹脂部材(枠部材bm、及び、隆起部mcを主要部とした樹脂で一体に形成された部材)の取り付けが完了すると、樹脂部材の隆起部mcが切込刃m1のメインブレードma1よりも内面側に突出した状態となる。この取り付け状態では、枠部材mbの両側部分mb1が綴じ部材挿通窓ma3の外面側の開口端縁に係止される一方で、隆起部mcの先端部mc1、及び、弾性爪mb4の先端部が、綴じ部材挿通窓ma3の内面側の開口端面に係止されることになり、樹脂一体成型品である枠部材mb、及び、隆起部mcが、切込刃m1から外れないようになっている。綴じ部材挿通窓ma3は、四角形状をなしており、枠部材mbが綴じ部材挿通窓ma3の四箇所の隅部分に係合するものとなっている。このため、枠部材mbは力がかかっても変形しにくく、使用中に綴じ部材挿通窓ma3から外れ難いものとなっている。
刃ホルダm2は、切込刃m1の基端側を保持して当該切込刃m1とともに昇降するものである。刃ホルダm2は、前側に刃保持部分m21を有するとともに後側に紙押さえ付勢部分m22を備えている。
刃保持部分m21は、刃本体maにおける取付板ma4を含む基端部が挿入される挿入溝m23と、挿入溝m23に挿入された取付板ma4のピン孔ma7に対応する部位に設けられた左右方向に延びたピン挿通孔m24とを備えている。刃ホルダm2のピン挿通孔m24と刃本体maのピン孔ma7には、ピンv5が貫装され、これにより切込刃m1が刃ホルダm2に取り付けられている。刃ホルダm2の中間部には、ドライブシャフトm7が左右方向に貫通させて設けてある。ドライブシャフトm7の両端近傍部は、剛性フレーム6に設けられた上下方向に延びた案内スリット613に案内され得るように、当該案内スリット613と係わり合っている。ドライブシャフトm7の両端は、剛性フレーム6の外側面よりも外方に突出させてある。
紙押さえ付勢部分m22は、刃ホルダm2の後部に配されたものであり、床板m25を有し、その床板m25の左右方向中央に後方に開放されたスリットm26を備えている。
紙押さえm4は、ステージAにおいて、綴じ部材t2の始端部t21側を用紙Pとともにアンビルa1の下面に押し付けるためのものである。紙押さえm4は、上端に押し付け面m44を有するヘッドm41と、ヘッドm41の下面から下方に垂下させた胴部m42と、胴部m42の下端部に設けた鍔部m43とを備えたものある。鍔部m43は、胴部m42よりも幅寸法が大きく設定されている。
ヘッドm41は、上面に綴じ部材t2と用紙Pをアンビルa1に押し付けるための押し付け面m44を有したブロック状のものである。押し付け面m44における前部、すなわち、押し付け面m44における用紙挿入用隙間skの入口側の部位には、用紙Pを用紙挿入用隙間skに挿入する過程において、綴じ部材t2における始端部t21を案内して当該綴じ部材t2の幅方向の位置決めをするためのガイド凹溝m45が設けられている。
ヘッドm41の後端部には、ガイドブロックm46が設けられている。ガイドブロックm46は、後レールブロックm6に係わり合って上下昇降可能に案内されるようになっている。ガイドブロックm46の両側面には上下方向に延びた外れ止め用の突条m47が突設されており、これら突条m47が後レールブロックm6の外れ止め溝m66に常時係合させてある。
鍔部m43は、刃ホルダm2における床板m25の下に位置しており、床板m25のスリットm26の幅よりも幅寸法が大きく設定されている。
胴部m42は、床板m25に設けられたスリットm26内に進退動作可能に配されている。そして、胴部m42に巻装したコイルスプリング状のばねm3を、刃ホルダm2における床板m25の上面と、紙押さえm4におけるヘッドm41の下面との間に介在させることにより、紙押さえm4を刃ホルダm2に対して上方に弾性付勢し得るようになっている。
前レールブロックm5は、剛性フレーム6の前側の開口部分を塞ぐようにして剛性フレーム6の側板61間に配設されたもので、上端部は剛性フレーム6における側板61の前部上縁に係わり合っており、下端部はピンv6を用いて剛性フレーム6における側板61の内面に取り付けられている。前レールブロックm5の背面には、中央部分が後方に凸出するレールm51が形成されている。そして、レールm51に、刃ホルダm2の前端部が昇降可能に案内されている。前レールブロックm5の下端部には、左右方向に貫通するピン挿通孔m53が設けられており、ピン挿通孔m53に挿通したピンv6を介して、前レールブロックm5が剛性フレーム6に取り付けられている。
前レールブロックm5の上端部前側には、綴じ部材押圧部Oの押圧子o1を上下方向に回動可能に収容する押圧子収容部m54が設けられている。押圧子収容部m54は、凹陥した押圧子収容空間を形成する対をなす側壁m55と、これら側壁m55に設けられた押圧子o1の支軸o12を保持するための軸保持部m56とを主体に構成されている。前レールブロックm5の上下方向中間部には、前後方向に連通する視認窓m57を備えている。使用者は、例えば、メンテナンス等を行う場合に、メインカバー7の窓7d、及び、前レールブロックm5の視認窓m57を通して、切込刃m1の付近を視認し得るとともにピンセット等の工具を使用してアクセスし得るようになっている。
後レールブロックm6は、前方に開放された案内溝m61を有するチャンネル状のもので、案内溝m61の上端部分で紙押さえm4のガイドブロックm46を昇降可能に案内するとともに案内溝m61のその他の部分すなわち中間部から下部に掛けて部分で刃ホルダm2を昇降可能に案内するように構成されている。後レールブロックm6におけるヘッド部分m62の両側部には、下方に開放された外れ止め溝m66が形成されている。外れ止め溝m66には、紙押さえm4のガイドブロックm46に設けられた突条m47が昇降可能に係合させてある。ヘッド部分m62の後端部分には、第一の筐体Dをアンビルa1に固定するためのボルトv1が螺着されるナットm64を保持するナット保持部m63が形成されている。後レールブロックm6における背面側の上部には、剛性フレーム6の貫通孔617に対応した軸孔m67を有する突起m65が設けられており、その軸孔m67に軸j2が挿通されるようになっている。
<動作変換部N>
動作変換部Nは、綴じ操作部Kに加えられる片手Qの操作力により、切込刃m1をステージAを構成するアンビルa1から離間した待機位置(M)から、用紙P、及び、アンビルa1を貫通する貫通位置(N)との間で往復動作させるものである。この実施形態では、動作変換部Nは、綴じ操作部Kにおける操作部本体k1の基端部から延出させた左右対をなす回動アームk2を主体に構成されている。回動アームk2の回動端側には延出方向に延びる長孔k21が形成されており、長孔k21にドライブシャフトm7の両端が係合させてある。すなわち、綴じ操作部Kを初期位置(Q)から操作位置(R)に回動操作すると、回動アームk2の回動端が前上方に向けて回動し、ドライブシャフトm7が上方に付勢されて切込刃m1が待機位置(M)から貫通位置(N)に上昇するように構成されている。
<綴じ部材押圧部O>
綴じ部材押圧部Oは、切込刃m1の往復動作により用紙Pの上面側から下面側に引き出された綴じ部材t2の終端部t22を、最終的に用紙Pの下面、及び、綴じ部材t2における始端部t21の下面に押し付けて添着するためのもので、ステージAの入口付近に配設されている。
綴じ部材押圧部Oは、用紙Pの前端部を用紙挿入用隙間skの奥側に向かって挿入するときは当該用紙Pに大きな抵抗が生じず、用紙Pを引き抜いて当該用紙Pの前端部を用紙挿入用隙間skの奥側から入口側に向かって引き抜くときは当該用紙Pの下面側を比較的強い力でアンビルa1方向に押し付け得るように構成したものである。
綴じ部材押圧部Oは、その上面に用紙Pの下面側に摺接する円弧面o11を有した押圧子o1と、押圧子o1を用紙P方向に弾性付勢するばねo2とを備えている。押圧子o1は、用紙Pに接する円弧面o11と、円弧面o11に対応する仮想軸心から前側に偏倚した位置に支軸o12を備えたものである。押圧子o1の支軸o12は、前レールブロックm5の上部に設けられた軸保持部m56に枢支されている。ばねo2は、コイルスプリング状のものであり、押圧子o1に設けたばね支持突起o13に後傾した姿勢をなして支持されている。ばねo2は、前レールブロックm5と押圧子o1との間に配設されている。支軸o12は、円弧面o11の仮想中心部に対して用紙挿入用隙間skの開口端側に偏心した位置に設けられており、支軸o12と円弧面o11との位置関係によって用紙挿入時における押圧子o1の用紙Pに対する押圧度合いと、用紙引き抜き時における押圧子o1の用紙P、及び、綴じ部材t2に対する押圧度合いが変化するようになっている。
<<綴じ機の作動説明>>
以上に述べた綴じ機の作動について、特に、図1〜5、図8、図31〜36を参照して説明する。
綴じ機は、図8に示すように、第二の筐体Jの片手保持部7cに一方の片手Qにおける人差し指から小指までの手指Q2を掛けるとともに一方の片手Qにおける母指球Q1を綴じ操作部Kに掛けた状態で、一方の片手Qのみで把持することができるようになっている。そして、綴じ機は、当該綴じ機を一方の片手Qで把持した状態において、一方の片手Qにおける親指Q3を用いて送り出し操作部Fを操作することができるように構成されている。
用紙Pを綴じる操作の概要は次の通りである。
最初に、親指Q3によって、送り出し操作部Fを初期位置(S)から最終操作位置(T)まで操作することにより、綴じ部材供給機構Bを作動させ、一回分の綴じ部材t2をステージAに供給する。この状態が、綴じ部材t2がステージAに供給されたスタンバイ状態となる。
次いで、例えば、他方の片手により綴じるべき複数枚の用紙Pを持ち、ステージAに用紙Pを挿入する。複数枚の用紙Pが、用紙挿入用隙間skの奥まで遷移する中途の段階で、スタンバイ状態の綴じ部材t2と用紙Pの端縁p1とが当接する。そして、綴じ部材t2は、用紙Pの端縁p1がさらに奥方に進むことにより剥離テープ台紙t1から離脱される。用紙Pの端縁p1が用紙挿入用隙間skの奥まで達した段階では、用紙Pの用紙部分p2は、綴じ部材t2によって横向きU字状に覆われた状態になっている。この状態が、用紙Pと綴じ部材t2とを、第一段階的に係わり合わせた第一段階の係合状態となる。
しかる後に、把持している片手Qの手指Q2と母指球Q1を近づけるように握り操作を行うことにより、綴じ機構Cを作動させ、切込刃m1を進退動作させる。切込刃m1の待機位置(M)から貫通位置(N)までの往動作は、使用者の操作力によって綴じ操作部Kが初期位置(Q)から操作位置(R)まで回動させられることにより行われる。一方で、切込刃m1の貫通位置(N)から待機位置(M)までの復動作は、主として、復帰ばねLの弾性付勢力により行われる。このような切込刃m1の進退動作により、ステージAに供給されている綴じ部材t2を用紙Pに貫通させて係わり合わせることができる。この状態が、用紙Pと綴じ部材t2とを、第二段階的に係わり合わせた第二段階の係合状態となる。
続いて、用紙PをステージAから抜き取ると、図1〜3に示すように、用紙Pが綴じ部材t2により綴じられた綴じ完了状態になる。換言すれば、綴じ完了状態は、用紙Pと綴じ部材t2とを、第三段階的に係わり合わせた第三段階の係合状態である。
<綴じ部材供給機構Bの作動>
綴じ部材供給機構Bの作動について、図4、図5、及び、図28〜30に基づいて詳述する。ここで、図29は、A欄に初期位置(S)の送り出し操作部Fに対応した断面図を示しており、B欄にロック位置(U)の送り出し操作部Fに対応した断面図を示している。
つまり、図29におけるA欄には、上段に、送り出し操作部F、及び、定寸送り部Hの駆動輪保持手段h4に対応する部分の断面を示しており、中段に、送り出し操作部F、及び、定寸送り部Hのワンウェイ伝達手段h3に対応する部分の断面を示しており、下段に、リフィルEのヘッドs31に対応する部分の断面を示している。
そして、図29におけるB欄には、上段に、送り出し操作部F、及び、定寸送り部Hの駆動輪保持手段h4に対応する部分の断面を示しており、中段に、送り出し操作部F、及び、定寸送り部Hのワンウェイ伝達手段h3に対応する部分の断面を示しており、下段に、リフィルEのヘッドs31に対応する部分の断面を示している。
親指Q3による押し出し操作により、送り出し操作部Fを、図29(A)等に示す初期位置(S)から、図28に示す最終操作位置(T)まで操作し、その押し出し操作を止めると、送り出し操作部Fが初期位置(S)方向に微動復帰して、ロック部Gの働きにより、図29(B)等に示すロック位置(U)に係止される。送り出し操作部Fの初期位置(S)から最終操作位置(T)までの回動動作は、大径歯車f15を介して小径歯車h21に伝達され、これにより定寸送り部Hの駆動輪h1が一定角度だけ回転して、剥離テープ台紙t1が巻き取りリール5方向に一定寸法送られることになる。
なお、この実施形態では、送り出し操作部Fを初期位置(S)から最終操作位置(T)まで操作することにより、駆動輪h1が123°回転し、送り出し操作部Fへの操作を止めた段階で、送り出し操作部Fが最終操作位置(T)からロック位置(U)まで微動復帰するとともに駆動輪h1が駆動輪保持手段h4の働きにより微動逆転して120°回転した位置に係止される。
その結果、図4、図5、及び、図29(B)等に示すように、繰り出しリール4に巻装されている動作テープTが、綴じ部材t2の一枚分の長手方向寸法に対応する一定の寸法分だけ引き出され、離間誘発部u1の方向に移送される。
動作テープTの剥離テープ台紙t1は、離間誘発部u1を通過する過程で、急激に方向転換させられることになる。そして、剥離テープ台紙t1に比べて比較的剛性のある綴じ部材t2は、剥離テープ台紙t1に対して始端部t21側から順次剥がれはじめることになる。
その後、綴じ部材t2は終端部t22側のみが剥離テープ台紙t1に添着している片持ち状態で、アンビルa1の開口a11を通してステージAに供給されることになる。
駆動輪h1に付勢されて巻き取りリール5方向に送られる使用後の剥離テープ台紙t1は、順次巻き取りリール5に巻き取られて回収される。すなわち、駆動輪h1の動力により、剥離テープ台紙t1が牽引されると、その牽引力により繰り出しリール4が強制駆動され、繰り出しリール4の回転力が、クラッチ部材i2を介して繰り出しギアi1に伝達され、繰り出しギアi1の回転が巻き取りギアi3を介して巻き取りリール5に伝達される。
綴じ部材t2がステージAに供給された段階では、その終端部t22側が剥離テープ台紙t1に添着した状態で、先端部たる始端部t21側がステージAを通して第二の筐体J内に延出したスタンバイ状態となる。なお、スタンバイ状態は、図4、図5、図28、図29(B)、及び、図31に示されている。
以上に述べたスタンバイ状態から、複数枚積層した綴じるべき用紙PをステージAに挿入して第一段階の係合状態を採る。その後、第一段階の係合状態から綴じ機構Cを作動させることにより、第二段階の係合状態をとる。しかる後に、第二段階の係合状態から、用紙PをステージAから引き抜くと、第三の係合状態たる綴じ完了状態となる。
<綴じ機構Cの作動>
綴じ機構Cの作動を詳述すれば次のとおりである。
綴じるべき複数枚の用紙PをステージAに挿入すると、図31、及び、図32に示すように、用紙Pの端縁p1がスタンバイ状態にある綴じ部材t2の中間部分に粘着層側から当接する。
そして、綴じ部材t2が屈曲されて用紙PとともにステージAの奥まで押入されることになる(第一段階の係合状態)。なお、この押入時に、用紙Pの下面側に位置する綴じ部材t2の始端部t21は、紙押さえm4の上面に形成されたガイド凹溝m45に案内されることになり、綴じ部材t2が幅方向に位置ずれし難いようになっている。
次いで、図30に示すように、綴じ操作部Kを初期位置(Q)から操作位置(R)まで回動操作すると、図33、及び、図34に示すように、切込刃m1が、待機位置(M)から貫通位置(N)まで上昇することになり、切込刃m1の綴じ部材挿通窓ma3が用紙Pの上面側にまで移動することになる。その結果、用紙Pを用紙挿入用隙間skに押し込む過程において剥離テープ台紙t1から剥がされた綴じ部材t2の終端部t22が、切込刃m1の綴じ部材挿通窓ma3に入り込むことになる。
しかる後に、綴じ操作部Kへの操作を止めると、図35に示すように、切込刃m1は、復帰ばねLの付勢力により貫通位置(N)から待機位置(M)まで移動する。この段階で、綴じ部材挿通窓ma3に入り込んだ綴じ部材t2の終端部t22側が、切込刃m1の綴じ部材挿通窓ma3と係わり合い、カット孔cを通して用紙Pの下面側に引き込まれる(第二段階の係合状態)。
なお、この実施形態では、切込刃m1が、メインブレードma1とサブブレードma2とを備えた構造をなしており、切込刃m1により形成されたカット孔cは、メインスリットc1とサブスリットc2とからなる形状、すなわち、略コ字状の形状となっている。そして、メインスリットc1とサブスリットc2を有したカット孔cにより作られた短寸な舌片状の片持ち部位p3が、用紙Pの厚み方向に偏移しやすくなっている。このため、図33に示すように、切込刃m1が用紙Pに対する上昇動作を行う途上で、切込刃m1に設けられた隆起部mcの上向き端面mc3により片持ち部位p3がアンビルa1側に持ち上げられ、その後、図33に示すように、用紙Pの片持ち部位p3が合成樹脂により形成された隆起部mcにおける上下方向に延びた外縁に摺接することになる。これにより、切込刃m1が貫通位置(N)に達した状態では、後に綴じ部材t2が介設されることになる片持ち部位p3の切断端縁p31と用紙部分p2の切断端縁p21との間に隙間smができ、離間した状態となる。
隆起部mcは合成樹脂製のものであるため、切込刃m1が貫通位置(N)から待機位置(M)に復帰する際においても、隆起部mcと片持ち部位p3とが滑らかに摺動し得るものとなっている。このため、切込刃m1が復動作する際に用紙Pと合成樹脂製の隆起部mcとが摺接するため、切込刃m1に用紙Pとの摩擦による抵抗が生じにくいものとなっている。つまり、綴じ部材t2の終端部t22側は、滑らかに復動作する切込刃m1における綴じ部材挿通窓ma3と間接的に係わり合い、当該切込刃m1によって円滑にカット孔cを通過して用紙Pの下面側に導かれることになる。
図35は、綴じ部材t2の終端部t22側が、カット孔cを通過して用紙Pの他面たる下面側に導かれた状態を示している。
この状態から、図36に示すように、例えば、他方の片手によって用紙PをステージAから引き抜く操作を行うと、その引き抜きの過程において、綴じ部材t2の終端部t22側が綴じ部材押圧部Oの押圧子o1により用紙P側に押圧され、当該綴じ部材t2の終端部t22側が、用紙Pの下面、及び、綴じ部材t2の始端部t21の外面たる下面に貼着されて綴じ完了状態となる。
なお、紙押さえm4は、用紙Pの用紙部分p2、及び、綴じ部材t2の一部をアンビルa1に押し付ける役割をなすもので、切込刃m1と連動して昇降するようになっている。すなわち、切込刃m1が待機位置(M)に保持されている状態では、紙押さえm4の鍔部m43が刃ホルダm2における床板m25の下面に係止されて用紙Pから離れた降下位置に留まっている。切込刃m1が、待機位置(M)から上昇をはじめると、刃ホルダm2の上昇動作がばねm3を介して紙押さえm4のヘッドm41に伝達されるため、紙押さえm4は切込刃m1とともに上昇を始める。そして、紙押さえm4の押し付け面m44が、綴じ部材t2の始端部t21を介して用紙Pの下面に当接すると、この紙押さえm4はそれ以上の上昇が阻止されることになる。その後も、切込刃m1は、ばねm3を圧縮しつつ上昇を続けるため、紙押さえm4は漸次増加するばねm3の反発力により用紙Pに押し付けられることになる。
このようにして、紙押さえm4は、切込刃m1を用紙Pに貫通させる際の用紙PのステージAに対する位置ずれを抑制するとともに綴じ部材t2の始端部t21をアンビルa1と協働して用紙Pに強く貼り付ける役割をなしている。切込刃m1が、所定の貫通位置(N)に達した段階では、刃ホルダm2が、紙押さえm4のヘッドm41の下側に当接することになり、それ以上の切込刃m1の上昇ができないようになる。図30、及び、図34は、切込刃m1が貫通位置(N)にある状態を示している。
以上のようにして、複数枚の用紙Pは、綴じ部材t2により綴じられたものとなる。なお、ロック位置(U)にロックされている送り出し操作部Fは、綴じ操作部Kが操作位置(R)に操作されることにより、ロック位置(U)にロックされていた状態が解除され、図示しないばねの付勢力により初期位置(S)に自己復帰することになる。すなわち、綴じ操作部Kが、初期位置(S)から最終操作位置(T)に操作されると、綴じ操作部Kに設けられた押出部k32がロック部材g1の受け部g14を押し上げることになり、このロック部材g1の爪g13と送り出し操作部Fの係合孔f25との係わり合いが解除されて、送り出し操作部Fが初期位置(S)に自己復帰することになる。
以上説明したように、本実施形態に係る綴じ機の切込刃m1は、用紙Pとの間で相対往復運動し用紙Pを貫通することにより用紙Pにカット孔cを形成するための刃先hsをその先端部に備えた刃本体maと、刃本体maに厚み方向に貫通して設けられ、刃本体maをカット孔c内から抜き取る際に用紙Pを綴じるための帯状をなす綴じ部材t2を係わり合わせた状態でカット孔cに該綴じ部材t2を挿し通すための綴じ部材挿通窓ma3と、刃本体maとは別体をなし当該刃本体maから厚み方向に隆起することにより綴じ部材挿通窓ma3がカット孔cを通過するときに当該カット孔cの対向する対をなす切断端縁p21、p31を離間させ隙間smを形成する隙間形成用の隆起部mcとを備えている。このため、綴じ部材t2を用紙Pに係わり合わせる過程において、切込刃m1により形成されたカット孔cの切断端縁p21、p23が、切込刃m1に引っ掛かってしまうという不具合の発生を抑制し得る設計の自由度に優れた綴じ機の切込刃m1を提供することができるものとなる。つまり、隙間形成用の隆起部mcが、刃本体maとは別体をなしたものであるため、当該別体をなす隆起部mcに用紙Pとの滑動を滑らかにするための必要な対策を講ずることができ、上述した不具合の発生を抑制する為の設計の自由度に優れたものとなっている。
カット孔cが、メインスリットc1の両端にサブスリットc2を設けたものである。そして、刃本体maが、メインスリットc1を形成するためのメインブレードma1と、メインブレードma1から屈曲して伸びるサブスリットc2を形成するためのサブブレードma2とを備えたものである。このため、メインスリット2とサブスリットc2により作られた片持ち部位p3を切込刃m1に当接させることができるため、用紙Pと切込刃m1との摩擦力を好適に低減させ得るものとなる。
対をなすサブブレードma2間に、隆起部mcが配されている。このため、メインスリット2とサブスリットc2により作られた片持ち部位p3側の切断端縁p31を隆起部mcに好適に係わり合わせることができるものとなる。
隆起部mcが枠部材mbに設けられている。そして、枠部材mbが刃本体maの綴じ部材挿通窓ma3に装着されている。このため、別体をなす隆起部mcを枠部材mbを介して刃本体maに好適に取り付けることができるものとなる。
隆起部mcが、刃本体maの刃先hsと綴じ部材挿通窓ma3の先端縁たる上端縁ma5との間に位置する先端部mc1から綴じ部材挿通窓ma3の基端縁たる下端縁ma6付近に位置する後端部mc2まで連続して延びるものである。このため、切込刃m1の往復動作の過程において切断端縁p21、p31間に綴じ部材t2の一部が位置する隙間smを形成するべく、用紙Pにおける片持ち部位p3を隆起部mcに好適に添接させ得るものとなっている。
隆起部mcが合成樹脂製のものである。このため、表面に微細な凹凸が形成されにくいものとなり、用紙Pに対して滑らかに滑動し得るものとなる。
隆起部mcが合成樹脂製の枠部材mbに設けられたものであり、枠部材mbが、部材の弾性変形を利用して綴じ部材挿通窓ma3に装着し得るように構成されている。このため、隆起部mcを枠部材mbを介して、刃本体maに好適に装着させ得るものとなっている。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
上述した実施形態では、隆起部が枠部材と一体に構成されていたものを示していたが、このような態様のものに限定されるものではない。
ここで、図37、及び、図38に示すものは、他の実施形態である切込刃m1を示している。なお、当該他の実施形態において、上述した実施形態と同一又は対応する構成については、同一の符号を付して説明することとし、詳細な説明を省略する。
図37に示すものは、隆起部mcを刃本体maに対して直接的に取り付けた態様のものを示している。すなわち、綴じ機の切込刃m1は、綴じ部材挿通窓ma3の左右両端縁teと対をなすサブブレードma2との間に、隆起部mcが配されている。隆起部mcは、刃本体ma側に複数の位置決め凸部mc4を備えている。そして、隆起部mcの位置決め凸部mc4を、綴じ部材挿通窓ma3における左右両端縁te1の近傍部分に設けた位置決め凹部ma11に係わり合わせることにより、隆起部mcが刃本体maのメインブレードma1に位置決めされている。なお、隆起部mcと刃本体maとの接続は、接着剤を介在させるようにしてもよい。図37では、刃本体maのメインブレードma1に位置決め凹部ma11を設けた例を示しているが、刃本体maのサブブレードma2に位置決め凹部を設けるとともに当該サブブレードma2から内向きに隆起部mcを配設するようにしてもよい。なお、前述した位置決め凸部mc4に代えて取り付け用の凸部を採用するとともに前述した刃本体maの位置決め凹部ma11に代えて取り付け用の凹部を採用し、隆起部mcを刃本体maに対して取り付けるようにしてもよい。
図38に示すものは、隆起部mcを刃本体maに対して直接的に取り付けた態様のものを示している。すなわち、綴じ機の切込刃m1は、隆起部mcが、刃本体maにおける綴じ部材挿通窓ma3の近傍部分に装着されるものとなっている。そして、隆起部mcは、刃本体maにおける綴じ部材挿通窓ma3の上側及び下側に位置する近傍部分に回転やずれ不能に位置決めされている。回転やずれ不能に位置決めする態様としては、例えば、隆起部mcに位置決め凸部を設けるとともに、刃本体maに位置決め凸部に対応する位置決め凹部を設けた態様が考えられる。隆起部mcと刃本体maとの接続は、接着剤を介在させるようにしてもよい。このように構成しても所期の目的を達成し得るものとなる。
綴じ部材挿通窓に装着される枠部材に、上述した実施形態におけるサブスリットに対応するサブカット孔を形成する補助刃を取り付けたものとしてもよい。すなわち、綴じ機の切込刃を、用紙との間で相対往復運動し用紙を貫通することにより用紙にカット孔を形成するための刃先をその先端部に備えた刃本体と、この刃本体とは別体をなし、前記カット孔に連続したサブカット孔を形成するための刃先をその先端部に備えた補助刃と、前記刃本体に厚み方向に貫通して設けられ、前記刃本体を前記カット孔内から抜き取る際に用紙を綴じるための帯状をなす綴じ部材を係わり合わせた状態で前記カット孔に該綴じ部材を挿し通すための綴じ部材挿通窓と、前記刃本体とは別体をなし当該刃本体から前記厚み方向に隆起することにより前記綴じ部材挿通窓が前記カット孔を通過するときに当該カット孔の対向する対をなす切断端縁を離間させ隙間を形成する隙間形成用の隆起部とを備えたものとしてもよい。より具体的な態様としては、前記補助刃、及び、前記隆起部が、それぞれ前記綴じ部材挿通窓に装着される枠部材に設けられているものを挙げることができる。
刃本体の形状は種々の形状を採用することができる。すなわち、刃本体は、メインブレードを主体に構成したものであってもよく、サブブレードを備えていないものであってもよい。
上述した実施形態では、綴じ部材挿通窓には、綴じ部材が枠部材を介して間接的に係わり合っていたが、直接的に係わり合うようなものであってもよい。
隆起部は、刃本体とは別体をなしたものであればよく、合成樹脂製のものに限定されるものではない。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
m1…切込刃
ma…刃本体
mb…枠部材
mc…隆起部
P…用紙
t2…綴じ部材

Claims (10)

  1. 用紙との間で相対往復運動し用紙を貫通することにより用紙にカット孔を形成するための刃先をその先端部に備えた刃本体と、
    この刃本体に厚み方向に貫通して設けられ、前記刃本体を前記カット孔内から抜き取る際に用紙を綴じるための帯状をなす綴じ部材を係わり合わせた状態で前記カット孔に該綴じ部材を挿し通すための綴じ部材挿通窓と、
    前記刃本体とは別体をなし当該刃本体から前記厚み方向に隆起することにより前記綴じ部材挿通窓が前記カット孔を通過するときに当該カット孔の対向する対をなす切断端縁を離間させ隙間を形成する隙間形成用の隆起部と
    を備えていることを特徴とする綴じ機の切込刃。
  2. 前記カット孔が、メインスリットの両端にサブスリットを設けたものであり、
    前記刃本体が、前記メインスリットを形成するためのメインブレードと、前記メインブレードから屈曲して伸びる前記サブスリットを形成するためのサブブレードとを備えたものである請求項1記載の綴じ機の切込刃。
  3. 前記対をなすサブブレード間に、前記隆起部が配されている請求項2記載の綴じ機の切込刃。
  4. 前記隆起部が枠部材に設けられたものであり、この枠部材が前記刃本体の綴じ部材挿通窓に装着されている請求項1記載の綴じ機の切込刃。
  5. 前記隆起部が、前記刃本体の刃先と綴じ部材挿通窓の先端縁との間に位置する先端から前記綴じ部材挿通窓の基端縁付近に位置する後端まで連続して延びるものである請求項1記載の綴じ機の切込刃。
  6. 前記隆起部が合成樹脂製のものであり、合成樹脂製の枠部材に設けられたものであり、
    前記枠部材が、部材の弾性変形を利用して前記綴じ部材挿通窓に装着し得るように構成されている請求項1記載の綴じ機の切込刃。
  7. 前記綴じ部材挿通窓の左右両端縁と前記対をなすサブブレードとの間に前記隆起部が配されている請求項2又は3記載の綴じ機の切込刃。
  8. 前記隆起部が、前記刃本体における綴じ部材挿通窓の近傍部分に装着されるものであり、少なくとも前記綴じ部材挿通窓の上側及び下側の前記近傍部分に回転やずれ不能に位置決めされている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の綴じ機の切込刃。
  9. 用紙との間で相対往復運動し用紙を貫通することにより用紙にカット孔を形成するための刃先をその先端部に備えた刃本体と、この刃本体とは別体をなし、前記カット孔に連続したサブカット孔を形成するための刃先をその先端部に備えた補助刃と、
    前記刃本体に厚み方向に貫通して設けられ、前記刃本体を前記カット孔内から抜き取る際に用紙を綴じるための帯状をなす綴じ部材を係わり合わせた状態で前記カット孔に該綴じ部材を挿し通すための綴じ部材挿通窓と、
    前記刃本体とは別体をなし当該刃本体から前記厚み方向に隆起することにより前記綴じ部材挿通窓が前記カット孔を通過するときに当該カット孔の対向する対をなす切断端縁を離間させ隙間を形成する隙間形成用の隆起部と
    を備えていることを特徴とする綴じ機の切込刃。
  10. 前記隆起部が、前記綴じ部材挿通窓に装着される枠部材に設けられている請求項9記載の綴じ機の切込刃。
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