JP6672918B2 - 光受信装置および光受信方法 - Google Patents
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Description
QKDでは、1パルス中に光子を1つしか含まない「単一光子」(もしくは通常のレーザ光を極度に減衰させた「擬似単一光子」)を通信媒体としている。そのため、QKDは、一般的な光通信で用いられるような光検出器ではなく、単一光子を検出可能な光子検出器が用いられる。光子検出器としては、ブレークダウン電圧を超えるバイアスを印加したアバランシェフォトダイオード(avalanche photodiode:APD)や、数Kまで冷却した超伝導素子が一般的に用いられている。
それぞれに入力する信号光から光子を検出する複数の光子検出器と、
前記複数の光子検出器が検出した光子の検出数を測定する検出数測定部と、
前記検出数測定部が検出した前記光子の検出数に基づいて、前記複数の光子検出器それぞれにバイアス電圧を印加するバイアス電圧制御部と、
前記検出数測定部が測定した雑音の数に基づいて、前記複数の光子検出器が検出した検出データそれぞれに加算するダミー検出データの加算量を算出する加算量算出部と、
前記加算量算出部が算出した加算量のダミー検出データを前記複数の光子検出器が検出した検出データそれぞれに加算する加算部とを有し、
前記検出数測定部は、前記複数の光子検出器が検出した前記雑音の数を測定する。
また、本発明の光受信方法は、
複数の光子検出器が検出した光子の検出数を測定する処理と、
前記検出した前記光子の検出数に基づいて、前記複数の光子検出器それぞれにバイアス電圧を印加する処理と、
前記複数の光子検出器が検出した雑音の数を測定する処理と、
前記測定した雑音の数に基づいて、前記複数の光子検出器が検出した検出データそれぞれに加算するダミー検出データの加算量を算出する処理と、
前記算出した加算量のダミー検出データを前記複数の光子検出器が検出した検出データそれぞれに加算する処理とを行う。
(第1の実施の形態)
本形態における光受信装置は図1に示すように、複数の光子検出器101−1,101−2と、検出数測定部105と、バイアス電圧制御部102と、加算量算出部106と、加算部107−1,107−2とを有している。なお、図1には、本発明の光受信装置が具備する構成要素のうち、本実施の形態に関わる主要な構成要素の一例を示す。
図2は、図1に示した光受信装置における光受信方法の一例を説明するためのフローチャートである。
(第2の実施の形態)
本形態における光受信装置は図3に示すように、複数の光子検出器111−1,111−2と、検出数測定部115と、バイアス電圧制御部112と、加算量算出部116と、加算部117−1,117−2とを有している。また、本形態における光受信装置は図3に示すように、複数の検出系を有する。なお、図3には、本発明の光受信装置が具備する構成要素のうち、本実施の形態に関わる主要な構成要素の一例を示す。また、以下、検出系が2系統の場合について説明する。
検出数測定部115は、光子検出器111−1,111−2それぞれが検出した光子の検出数を測定する。また、検出数測定部115は、光子検出器111−1,111−2に入力する信号光を遮断した状態で、光子検出器111−1,111−2が検出した雑音の数を測定する。この雑音の数は、所定の検出レベルを超えた信号の数(例えば、パルスの数)である。このような雑音は、様々な要因で発生する。
バイアス電圧制御部112は、検出数測定部115が検出した光子の検出数に基づいて、光子検出器111−1,111−2それぞれにバイアス電圧を印加する。ここで、バイアス電圧制御部112は、光子検出器111−1,111−2それぞれが検出した光子の検出数が互いに均一となるようにバイアス電圧を調整する。そして、バイアス電圧制御部112は、光子検出器111−1,111−2それぞれに調整したバイアス電圧を印加する。
加算量算出部116は、検出数測定部115が測定した雑音の数に基づいて、光子検出器111−1,111−2それぞれが検出した検出データそれぞれに加算するダミー検出データの加算量を算出する。ここで、加算量算出部116は、光子検出器111−1,111−2に入力する信号光を遮断した状態で、光子検出器111−1,111−2それぞれが検出した雑音の数が互いに均一となるようなダミー検出データの加算量を算出する。つまり、ダミー検出データには、光子検出器111−1,111−2それぞれが検出した雑音の数が互いに均一となるような数の雑音に相当する信号が含まれている。
加算部117−1,117−2は、加算量算出部116が算出した加算量のダミー検出データを光子検出器111−1,111−2が検出した検出データそれぞれに加算する。
なお、光伝送路114−1,114−2は多くの場合、光ファイバなどの光導波路であるが、何もない空間であっても良い。
図4は、図3に示した光受信装置における光受信方法の一例を説明するためのフローチャートである。
続いて、バイアス電圧制御部112は、検出数測定部115が検出した光子の検出数に基づいて、光子検出器111−1,111−2それぞれに印加するバイアス電圧を調整し、印加する(ステップS14)。このとき、バイアス電圧制御部112は、光子検出器111−1,111−2それぞれの検出数が均一となるようにバイアス電圧を調整する。光受信装置は、この光子検出器111−1,111−2それぞれに印加するバイアス電圧の調整を用いることで、光子検出器111−1,111−2それぞれの出力を均一にすることができ、量子効率を均一化することができる。このとき、光子検出器111−1,111−2それぞれの固体差を要因として、一般的に光子検出器111−1,111−2における暗計数確率は互いに異なったものになる。このようにバイアス電圧を変動させると、量子効率と暗計数確率との両方が同時に変動する。このため、続いて、光受信装置は、暗計数確率の均一化の処理を行う。
光受信装置は、信号光113−1,113−2の入力を遮断する(ステップS15)。光子検出器111−1,111−2に入力する信号光を遮断した状態で、検出数測定部115は、光子検出器111−1,111−2が検出した雑音の数をそれぞれ測定する(ステップS16)。この測定された検出数(雑音の数)は光子検出器111−1,111−2が本来持つ暗計数確率に相当する。このとき、光子検出器111−1,111−2の検出数には一般的にバラツキがある。このバラツキを補正するため、光受信装置は、ダミーの検出データを加える。具体的には、光受信装置は、検出数が少ない方の光子検出器111−1,111−2の検出データにダミー検出データを加え、ダミー検出データ加算後の検出数が均一となるようにする。加算量算出部106は、光子検出器111−1,111−2に入力する信号光を遮断した状態で、検出数測定部105が測定した雑音の数に基づいて、光子検出器101−1,101−2それぞれが検出した検出データそれぞれに加算するダミー検出データの加算量を算出する(ステップS17)。ここで、加算量算出部116は、光子検出器111−1,111−2それぞれが検出した雑音の数が互いに均一となるような加算量を算出する。すると、加算部107−1,107−2は、加算量算出部106が算出した加算量のダミー検出データを光子検出器101−1,101−2が検出した検出データそれぞれに加算する(ステップS18)。これにより、本来の暗計数とダミー検出データとの合計が光子検出器111−1,111−2それぞれで均一となるように調整することができ、実効的な暗計数確率を均一化することが可能である。なお、このダミー検出データを加算する処理は光子検出器111−1,111−2の量子効率に影響を与えない。
(変形例)
なお、上述した実施形態では量子効率を調整する方法として光子検出器のバイアス電圧を用いる場合を例に挙げて説明したが、この他にも検出器を活性化するために用いるゲートパルスの振幅や時間幅、検出閾値などを用いても調整可能である。
(付記1)それぞれに入力する信号光から光子を検出する複数の光子検出器と、
前記複数の光子検出器が検出した光子の検出数を測定する検出数測定部と、
前記検出数測定部が検出した前記光子の検出数に基づいて、前記複数の光子検出器それぞれにバイアス電圧を印加するバイアス電圧制御部と、
前記検出数測定部が測定した雑音の数に基づいて、前記複数の光子検出器が検出した検出データそれぞれに加算するダミー検出データの加算量を算出する加算量算出部と、
前記加算量算出部が算出した加算量のダミー検出データを前記複数の光子検出器が検出した検出データそれぞれに加算する加算部とを有し、
前記検出数測定部は、前記複数の光子検出器が検出した前記雑音の数を測定する光受信装置。
(付記2)前記加算量算出部は、前記複数の光子検出器に入力する信号光を遮断した状態で、前記複数の光子検出器が検出して前記検出数測定部が測定した前記雑音の数に基づいて、前記ダミー検出データの加算量を算出する、付記1に記載の光受信装置。
(付記3)前記加算量算出部は、複数の光子検出器が検出した前記雑音の数が互いに均一となるような前記加算量を算出する、付記2に記載の光受信装置。
(付記4)前記バイアス電圧制御部は、複数の光子検出器が検出した光子の検出数が互いに均一となるように前記複数の光子検出器それぞれにバイアス電圧を印加する、付記1から3のいずれか1項に記載の光受信装置。
(付記5)複数の光子検出器が検出した光子の検出数を測定する処理と、
前記検出した前記光子の検出数に基づいて、前記複数の光子検出器それぞれにバイアス電圧を印加する処理と、
前記複数の光子検出器が検出した雑音の数を測定する処理と、
前記測定した雑音の数に基づいて、前記複数の光子検出器が検出した検出データそれぞれに加算するダミー検出データの加算量を算出する処理と、
前記算出した加算量のダミー検出データを前記複数の光子検出器が検出した検出データそれぞれに加算する処理とを行う光受信方法。
102,112 バイアス電圧制御部
105,115 検出数測定部
106,116 加算量算出部
107−1,107−2,117−1,117−2 加算部
113−1,113−2 信号光
114−1,114−2 光伝送路
Claims (5)
- それぞれに入力する信号光から光子を検出する複数の光子検出器と、
前記複数の光子検出器が検出した光子の検出数を測定する検出数測定部と、
前記検出数測定部が検出した前記光子の検出数に基づいて、前記複数の光子検出器それぞれにバイアス電圧を印加するバイアス電圧制御部と、
前記検出数測定部が測定した雑音の数に基づいて、前記複数の光子検出器が検出した検出データそれぞれに加算するダミー検出データの加算量を算出する加算量算出部と、
前記加算量算出部が算出した加算量のダミー検出データを前記複数の光子検出器が検出した検出データそれぞれに加算する加算部とを有し、
前記検出数測定部は、前記複数の光子検出器が検出した前記雑音の数を測定する光受信装置。 - 請求項1に記載の光受信装置において、
前記加算量算出部は、前記複数の光子検出器に入力する信号光を遮断した状態で、前記複数の光子検出器が検出して前記検出数測定部が測定した前記雑音の数に基づいて、前記ダミー検出データの加算量を算出する光受信装置。 - 請求項2に記載の光受信装置において、
前記加算量算出部は、複数の光子検出器が検出した前記雑音の数が互いに均一となるような前記加算量を算出する光受信装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の光受信装置において、
前記バイアス電圧制御部は、複数の光子検出器が検出した光子の検出数が互いに均一となるように前記複数の光子検出器それぞれにバイアス電圧を印加する光受信装置。 - 複数の光子検出器が検出した光子の検出数を測定する処理と、
前記検出した前記光子の検出数に基づいて、前記複数の光子検出器それぞれにバイアス電圧を印加する処理と、
前記複数の光子検出器が検出した雑音の数を測定する処理と、
前記測定した雑音の数に基づいて、前記複数の光子検出器が検出した検出データそれぞれに加算するダミー検出データの加算量を算出する処理と、
前記算出した加算量のダミー検出データを前記複数の光子検出器が検出した検出データそれぞれに加算する処理とを行う光受信方法。
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