JP6672507B1 - 下水道システム - Google Patents

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Abstract

【課題】調整池の必要調整池容量を低減できる下水道システムを提供する。【解決手段】第2の分水装置3に流入した下水は、第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2B、第2のオリフィス24B、第3の調整槽2C及び第3のオリフィス24Cを順次通過して第2の放流管7bへと流れる公共用水域へ放流可能な最大の下水量である下水と、第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流して調整池用流入管9aへと流れる下水量が超過下水量である下水とに高精度に分水制御される。【選択図】図5

Description

本発明は、分水装置を有する下水道システムに関する。
下水道システムには、降雨による雨水と生活排水等の汚水を同じ管路で流す合流式下水道システムと、雨水と汚水を別々の管路で流す分流式下水道システムとがある。
合流式下水道システムでは、降雨時には、雨水および汚水(以下、「雨水および汚水」を「下水」とも称する。)を合流管に流入させる。合流式下水道システムでは、所定量以上の雨水が合流管に流入した場合には、雨水吐き室において、遮集管を介して下水処理場へ流される下水と、放流管を介して河川等へ放流される下水に分水される。分流式下水道システムでは、雨水管、汚水管が別々に設けられ、降雨時には雨水を雨水管に流入させ河川等へ放流し、汚水を汚水管に流入させ下水処理場へと流す。
雨が強く降ると、合流式下水道システムにおいて放流管から放流される下水、または、分流式下水道システムにおいて雨水管から放流される雨水の量が増加し、河川等が氾濫するおそれがある。このために合流式下水道システム、分流式下水道システムにおいて調整池が設けられることがある。調整池によって、合流式下水道システムにおいて放流管に流された下水の所定量、分流式下水道システムにおいて雨水管に流された雨水の所定量を一時的に貯めることにより、河川等の氾濫を防ぐことができる。
調整池には、一般的には流出口としてオリフィスが設けられ、許容された放流量以下になるように調整池から河川等への放流量が調節される。また、調整池の流出口に、降雨量等に応じて三種類の開口度を選択できる開閉バルブを設けて調整池からの放流量を調節する技術が特許文献1に開示されている。
特許第3176315号公報
しかしながら、上述した下水道システムの調整池では、流出口として設けられたオリフィスや、流出口に設けられた開閉バルブにより放流量を効率的に調節するのが困難であり、調整池の必要調整池容量が大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、調整池の必要調整池容量を低減できる下水道システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る下水道システムは、
下水が流入する合流管と、下水処理場へ下水を流す遮集管と、第1の放流管とが接続され、前記合流管から流入した下水を前記遮集管へ流す下水と前記第1の放流管へ流す下水とに分水する第1の分水装置と、
前記第1の放流管と、公共用水域へ下水を放流する第2の放流管と、下水を貯留する調整池と接続された調整池用流入管とが接続され、前記第1の放流管から流入した下水を前記第2の放流管へ流す下水と前記調整池用流入管へ流す下水とに分水する第2の分水装置とを有する下水道システムであって、
前記第2の分水装置は、前記第1の放流管から流入した下水が前記第2の放流管へ流出する流路と、前記流路の両側の少なくとも一方に立設された複数の越流堰と、前記複数の越流堰の間と、前記越流堰と前記第2の放流管との間とに設けられるとともにオリフィスが形成された複数の隔壁部と、前記複数の越流堰と前記複数の隔壁部で区画された複数の調整槽とを有し、前記複数の越流堰から越流した下水が流入する前記調整池用流入管が前記複数の調整槽の下方に接続されたことを特徴とする。
前記第1の分水装置は、前記合流管から流入した下水が前記遮集管へ流出する流路と、前記流路の両側の少なくとも一方に立設された複数の越流堰と、前記複数の越流堰の間と、前記越流堰と前記遮集管との間とに設けられるとともにオリフィスが形成された複数の隔壁部と、前記複数の越流堰と前記複数の隔壁部で区画された複数の調整槽とを有し、前記複数の越流堰から越流した下水が流入する前記第1の放流管が前記複数の調整槽の下方に接続されるようにしてもよい。
前記第2の分水装置の複数の越流堰は、前記第1の放流管から流入した下水が前記第2の放流管へ流出する流路の両側に立設されるようにしてもよい。
前記第2の分水装置の複数の調整槽のうち最も上流側に配置された調整槽は、流路方向に最も長いようにしてもよい。
前記第2の分水装置の前記複数の越流堰の間に設けられた隔壁部は、前記第2の分水装置の筐体に架設されるようにしてもよい。
前記第2の分水装置は、3つの前記調整槽を有するようにしてもよい。
前記第2の分水装置のオリフィスは、全体が下流側の下水の水面より低いようにしてもよい。
前記第1の分水装置の複数の越流堰は、前記合流管から流入した下水が前記遮集管へ流出する流路の両側に立設されるようにしてもよい。
前記第1の分水装置は、3つの前記調整槽を有するようにしてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る下水道システムは、
雨水が流入する雨水管と、汚水管から汚水が流される下水処理場へ雨水を流す遮集管と、第1の放流管とが接続され、前記雨水管から流入した雨水を前記遮集管へ流す雨水と前記第1の放流管へ流す雨水とに分水する第1の分水装置と、
前記第1の放流管と、公共用水域へ雨水を放流する第2の放流管と、雨水を貯留する調整池と接続された調整池用流入管とが接続され、前記第1の放流管から流入した雨水を前記第2の放流管へ流す雨水と前記調整池用流入管へ流す雨水とに分水する第2の分水装置とを有する下水道システムであって、
前記第1の分水装置は、前記雨水管から流入した雨水が前記遮集管へ流出する流路と、前記流路の両側の少なくとも一方に立設された複数の越流堰と、前記複数の越流堰の間と、前記越流堰と前記遮集管との間とに設けられるとともにオリフィスが形成された複数の隔壁部と、前記複数の越流堰と前記複数の隔壁部で区画された複数の調整槽とを有し、前記複数の越流堰から越流した雨水が流入する前記第1の放流管が前記複数の調整槽の下方に接続され、
前記第2の分水装置は、前記第1の放流管から流入した雨水が前記第2の放流管へ流出する流路と、前記流路の両側の少なくとも一方に立設された複数の越流堰と、前記複数の越流堰の間と、前記越流堰と前記第2の放流管との間とに設けられるとともにオリフィスが形成された複数の隔壁部と、前記複数の越流堰と前記複数の隔壁部で区画された複数の調整槽とを有し、前記複数の越流堰から越流した雨水が流入する前記調整池用流入管が前記複数の調整槽の下方に接続されたことを特徴とする。
前記第1の分水装置の複数の越流堰は、前記雨水管から流入した雨水が前記遮集管へ流出する流路の両側に立設され、前記第2の分水装置の複数の越流堰は、前記第1の放流管から流入した雨水が前記第2の放流管へ流出する流路の両側に立設されるようにしてもよい。
前記第1の分水装置の複数の調整槽のうち最も上流側に配置された調整槽は、流路方向に最も長く、前記第2の分水装置の複数の調整槽のうち最も上流側に配置された調整槽は、流路方向に最も長いようにしてもよい。
前記第1の分水装置の前記複数の越流堰の間に設けられた隔壁部は、前記第1の分水装置の筐体に架設され、前記第2の分水装置の前記複数の越流堰の間に設けられた隔壁部は、前記第2の分水装置の筐体に架設されるようにしてもよい。
前記第1の分水装置及び前記第2の分水装置は、3つの前記調整槽を有するようにしてもよい。
前記第1の分水装置のオリフィス及び前記第2の分水装置のオリフィスは、全体が下流側の下水の水面より低いようにしてもよい。
前記第1の分水装置により分水された前記遮集管へ流す雨水の計画遮集量がノンポイント負荷対策に基づき設定されるようにしてもよい。
本発明によれば、調整池の必要調整池容量を低減できる下水道システムを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る下水道システムの構成を示すブロック図である。 (A)は第1の実施形態及び第2の実施形態に係る下水道システムが有する第1の分水装置の構成を示す一部断面平面図であり、(B)は(A)のBB断面図であり、(C)は(A)のCC断面図である。 (A)は第1の実施形態及び第2の実施形態に係る下水道システムが有する第1の分水装置に下水または雨水が流れた状態を示す一部断面平面図であり、(B)は(A)のBB断面図であり、(C)は(A)のCC断面図である。 (A)は第1の実施形態及び第2の実施形態に係る下水道システムが有する第2の分水装置の構成を示す一部断面平面図であり、(B)は(A)のBB断面図であり、(C)は(A)のCC断面図である。 (A)は第1の実施形態及び第2の実施形態に係る下水道システムが有する第2の分水装置に下水または雨水が流れた状態を示す一部断面平面図であり、(B)は(A)のBB断面図であり、(C)は(A)のCC断面図である。 (A)は従来の下水道システムにおける必要調整池容量を示すためのグラフであり、(B)は第1の実施形態に係る下水道システムにおける必要調整池容量を示すためのグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る下水道システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る下水道システムが有する第1の分水装置の構成を示す一部断面平面図である。 本発明の第4の実施形態に係る下水道システムが有する第1の分水装置の構成を示す一部断面平面図である。 本発明の第5の実施形態に係る下水道システムが有する第1の分水装置の構成を示す一部断面平面図である。
本発明の実施の形態に係る下水道システムについて、以下図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る下水道システムについて、図1〜図5を参照して説明する。第1の実施の形態の下水道システムは合流式下水道システムであり、降雨による雨水と生活排水等の汚水を同じ管路である合流管で流す下水道システムである。なお、図2(A)、図3(A)、図4(A)及び図5(A)は、蓋を外した状態であり、管のみ断面を表した分水装置の一部断面平面図である。
合流式下水道システム1は、図1に示すように、各第1〜第n排水区(nは自然数、以下、「各排水区」とも称する。)において、第1の分水装置2と、第2の分水装置3と、調整池4とを有し、また、全排水区の下水処理を行う下水処理場5を有している。また、合流式下水道システム1は、各排水区において、降雨時には雨水および汚水(下水)が流入され、流入された下水を第1の分水装置2へ流すための合流管6と、第1の分水装置2で分水された一方の下水を第2の分水装置3へ流すための第1の放流管7aと、第1の分水装置2で分水された他方の下水を下水処理場5へ流すための遮集管8と、第2の分水装置3で分水された一方の下水を河川等の公共用水域Wへ放流するための第2の放流管7bと、第2の分水装置3で分水された他方の下水を調整池4へ流すための調整池用流入管9aとを有している。
また、合流式下水道システム1は、各排水区において、降雨後に調整池4から下水を下水処理場5へ流すための調整池用流出管9bと、降雨後に調整池4から下水を公共用水域Wへ放流するための調整池用放流管9cとを有している。また、合流式下水道システム1は、各排水区の遮集管8が接続され、第1の分水装置2で分水された他方の下水がまとめて流入されるとともに、流入された下水を下水処理場5へ流すための下水処理場用流入管8aと、下水処理場5から浄化された下水を公共用水域Wへ放流するための下水処理場用放流管8bとを有している。
第1の分水装置2は、合流管6から流入した下水を、遮集管8および下水処理場用流入管8aを介して下水処理場5へ流す所望の下水量の下水と、第1の放流管7aを介して第2の分水装置3へ流す下水とに高精度に分水可能な装置である。第1の分水装置2は、図2及び図3に示すように、基板25上に立設され、蓋26eが閉じられた筐体26内に3槽の第1〜第3の調整槽2A,2B,2Cを有する。第1の調整槽2Aが上流側に配置され、第3の調整槽2Cが下流側に配置され、第2の調整槽2Bが第1の調整槽2A及び第3の調整槽2Cの中間に配置される。第1〜第3の調整槽2A,2B,2Cは連続して設けられる。
筐体26の上流側の側壁26aには合流管6が接続され、合流管6から第1の調整槽2Aに下水が流入する。また、筐体26の上流側の側壁26aと対向する下流側の側壁26bには遮集管8が接続され、第3の調整槽2Cから遮集管8に下水が流出する。すなわち、合流管6から流入した下水が遮集管8へ流出する流路20が構成されている。また、筐体26の下流側の側壁26bの遮集管8の下方には第1の放流管7aが接続されている。第1の放流管7aは、側壁26bの下部中央に接続され、第1〜第3の調整槽2A,2B,2Cの下方に配置される。なお、遮集管8は、下水処理場用流入管8aと接続させるためにL字状に屈曲している。
第1〜第3の調整槽2A,2B,2Cは、基台27上に設けられている。基台27は筐体26の側壁26aと側壁26bとの間に架設されている。基台27の上面は上流側から下流側へと下がる階段状に形成されており、第1〜第3の調整槽2A,2B,2Cの第1〜第3の底部21A,21B,21Cを構成する。すなわち、第1〜第3の底部21A,21B,21Cは上流側から下流側に向かって順次低く形成されている。第1の底部21Aは、第2の底部21B及び第3の底部21Cよりも流路方向に長く形成されている。また、平面状の第1〜第3の底部21A,21B,21Cは、短手方向の幅が上流側から下流側に向かって狭まるように長手方向の端部が内側に傾斜して形成されている。第1〜第3の底部21A,21B,21Cの長手方向の端部が内側に傾斜して形成されているのは、上流側の合流管6の径よりも下流側の遮集管8の径が小さいこと等のためである。
第1の調整槽2Aの第1の底部21Aの両側には、流路方向に沿って一対の第1の越流堰22Aが対向して立設されている。また、第2の調整槽2Bの第2の底部21Bの両側には、流路方向に沿って一対の第2の越流堰22Bが対向して立設されている。また、第3の調整槽2Cの第3の底部21Cの両側には、流路方向に沿って一対の第3の越流堰22Cが対向して立設されている。第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cは、流路20の両側に設けられているので、第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流した下水は流路20の両側から流下する。
上流側の第1の越流堰22Aの高さは、合流管6に後述する計画遮集量の下水が流入した水位に合わせて設定されている。第1の越流堰22Aの高さを合流管6に計画遮集量の下水が流入した水位よりも高く設定すると、合流管6内において背水現象を誘発してしまい、合流管6内の流下能力低下や合流管6内に汚濁負荷の滞留や沈殿を生じさせてしまうことになる。また、下流側の第3の越流堰22Cの高さは、第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流し、筐体26内に流下した下水の水位よりも高くなるように設定される。
第1の調整槽2Aと第2の調整槽2Bとの間(第1の越流堰22Aと第2の越流堰22Bとの間)には、板状の第1の隔壁部23Aが流路方向と直交する方向に立設されている。また、第2の調整槽2Bと第3の調整槽2Cとの間(第2の越流堰22Bと第3の越流堰22Cとの間)には、板状の第2の隔壁部23Bが流路方向と直交する方向に立設されている。また、第3の調整槽2Cと遮集管8との間(第3の越流堰22Cと遮集管8との間)には、板状の第3の隔壁部23Cが流路方向と直交する方向に立設されている。これにより第1〜第3の調整槽2A,2B,2Cは、第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cおよび第1〜第3の隔壁部23A,23B,23Cにより区画される。
第1の隔壁部23A及び第2の隔壁部23Bは、筐体26の流路方向と直交する側壁26cと側壁26dとの間に延伸して架設されている。第1の隔壁部23A及び第2の隔壁部23Bが側壁26cと側壁26dとの間に架設されることにより、第1の越流堰22A、第2の越流堰22Bから越流した下水が第3の調整槽2Cに落水して波動の影響を与えることがないようにしている。なお、第3の隔壁部23Cは、筐体26の下流側の側壁26bに接して設けられている。
第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cには、第1〜第3のオリフィス24A,24B,24Cがそれぞれ開口して形成されている。第1〜第3のオリフィス24A,24B,24Cは、最下部が第1〜第3の底部21A,21B,21Cの高さに位置するようにそれぞれ形成されている。第1〜第3のオリフィス24A,24B,24Cは、全体が下流側の水面より低い潜りオリフィスである。第1〜第3のオリフィス24A,24B,24Cを潜りオリフィスにすることにより、開口位置が浅くても出口での流速鉛直分布や開口規模の大型・小型の区別を考慮する必要がなくなり、第1〜第3の調整槽2A,2B,2C内の水面を安定化することができる。
なお、筐体26の蓋26e上には、管理点検部29が設けられている。管理点検部29には点検孔が設けられており、筐体26の外から筐体26内の点検を行うことができる。
第2の分水装置3は、第1の分水装置2で分水され、第1の放流管7aから流入した下水を、第2の放流管7bを介して公共用水域Wへ放流する所望の下水量の下水と、調整池用流入管9aを介して調整池4へ流す所望の下水量の下水とに高精度に分水可能な装置である。第2の分水装置3については、図4及び図5に示すように、第1の分水装置2と同様な構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
第2の分水装置3では、筐体26の上流側の側壁26aには第1の放流管7aが接続され、第1の放流管7aから第1の調整槽2Aに下水が流入する。また、筐体26の上流側の側壁26aと対向する下流側の側壁26bには第2の放流管7bが接続され、第3の調整槽2Cから第2の放流管7bに下水が流出する。すなわち、第1の放流管7aから流入した下水が第2の放流管7bへ流出する流路20が構成されている。また、筐体26の側壁26a,26bと直交する側壁26cには調整池用流入管9aが接続されている。調整池用流入管9aは、側壁26cの下部中央に接続され、第1〜第3の調整槽2A,2B,2Cの下方に配置される。
第1〜第3の調整槽2A,2B,2Cは、基台37上に設けられている。基台37は、筐体26の底部に立設されている点が第1の分水装置2の基台27とは異なる。また、基台37の下部には、調整池用流入管9aの位置に合わせて配置されるとともに調整池用流入管9aと同じ径の貫通孔37aが形成されている点も基台27とは異なる。
筐体26内には、第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cの両外側の下方に傾斜流路28が設けられている。傾斜流路28は、調整池用流入管9aの下半分の位置に合わせて配置されるとともに調整池用流入管9aと同じ径の半円状凹部28aと、筐体26の側壁26a,26b側から半円状凹部28a側へ向かってそれぞれ下って傾斜した傾斜面28bとを有する。なお、下流側の第3の越流堰22Cの高さは、第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流し、傾斜流路28に流下した下水の水位よりも高くなるように設定される。
また、第2の分水装置3では、上流側の第1の調整槽2Aの越流堰22Aの高さが、第1の放流管7aに下水量Qin−Qosn(=Qdn)(Qin、Qosn、Qdnについては後述する。)の下水が流入した水位に合わせて設定されている。第1の越流堰22Aの高さを第1の放流管7aに下水量Qin−Qosn(=Qdn)の下水が流入した水位よりも高く設定すると、第1の放流管7a内において背水現象を誘発してしまい、第1の放流管7a内の流下能力低下や第1の放流管7a内に汚濁負荷の滞留や沈殿を生じさせてしまうことになる。
調整池4は、強い雨が降った時に、公共用水域Wへ下水が放流されて氾濫することを防止するために、第2の分水装置3により分水した下水を一時的に貯留し、調整する施設である。下水処理場5は、第1の分水装置2により分水され、遮集管8を介して下水処理場用流入管8aから流入した下水、および、調整池4で一時的に貯留され、調整池用流出管9bを介して下水処理場用流入管8aから流入した所定量の下水を浄化し、公共用水域Wへ放流する施設である。下水処理場5では、例えば下水を沈殿処理、生物処理及び消毒処理して放流する高級処理、および、下水を沈殿処理及び消毒処理のみして放流する簡易処理が行われる。なお、簡易処理を行う分の下水は、一時的に貯留施設に貯留した後、高級処理を行うようにしてもよい。
次に、合流式下水道システム1により、雨が強く降った時、豪雨時などに下水を処理する方法について説明する。第n排水区において設定された計画遮集量をQosn、計画下水量をQin、超過下水量をQΔn、公共用水域Wへ下水処理場5を介さずに放流可能な最大の下水量をQdnとする(nは自然数)。計画遮集量Qosnは、下水処理場5において第n排水区分として下水処理可能な最大の下水量として設定される。計画遮集量Qosnは、例えば晴天時時間最大汚水量Qonの3倍に設定され、下水処理場5において、下水量がQonになるまでは高級処理され、下水量がQonを越えた2Qon分は簡易処理される。計画下水量Qinは、計画遮集量Qosnと公共用水域Wへ下水処理場5を介さずに放流可能な最大の下水量Qdnとを合計した下水量として設定される。超過下水量QΔnは、合流管6に流入した下水量のうち計画下水量Qinを超過した下水量として設定される。
雨が強く降った時、豪雨時などに合流管6に流入する下水量が計画下水量Qinを超過した場合(合流管6に流入する下水量がQin+QΔnの場合)には、第n排水区において、合流管6から第1の分水装置2に流入した下水は、図3(A)に示すように、第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2B、第2のオリフィス24B、第3の調整槽2C及び第3のオリフィス24Cを順次通過して遮集管8へと流れる下水量が計画遮集量Qosnである下水と、第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流して第1の放流管7aへと流れる下水量がQin−Qosn+QΔnである下水とに高精度に分水制御される。流路20の両側に設けられた第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流した下水は、筐体26内に流下し、筐体26の下部に接続された第1の放流管7aへ流出する。
第1の分水装置2では、合流管6から流入する下水量が増加しても、図3(B)に示すように、流入した下水を上流側の第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2Bおよび第2のオリフィス24Bを順次通過させることにより、調整槽内の水位上昇を順次緩和させる。これにより下流側にあり遮集分水に直接係わる第3の調整槽2Cにおける水面の変動幅が縮小され、遮集管8へ分水されて流される下水量Qosnの変動を抑えることができる。
上流側に配置され、流路方向に長く構成された第1の調整槽2Aにおいて、合流管6から開放され流入する下水により発生する煩雑な水理現象が限定され、流入した下水は目標とする分水流量にほぼ制御される。続いて第1の調整槽2Aを通過した下水を第2の調整槽2B及び下流側の第3の調整槽2Cを順次通過させることにより、分水制御の精度を更に向上させて、目標とする分水流量に調整する。
第1の分水装置2に合流管6から流入する下水量の増加に伴い、第1の調整槽2Aでは第1の越流堰22Aから越流する下水の越流水深は急増し、敏感に反応するのに対して、第2の調整槽2Bでは第2の越流堰22Bから越流する下水の越流水深は若干増加するだけであり、第3の調整槽2Cでは第3の越流堰22Cから越流する下水の越流水深は第2の越流堰22Bから越流する越流水深よりも増加せず、反応が鈍い。
第1の分水装置2により分水され遮集管8へと流れた下水量が計画遮集量Qosnである下水は、下水処理場用流入管8aを介して下水処理場5へ流され、上述したように、下水処理場5において、下水量Qon分が高級処理され、下水量2Qon分が簡易処理される。下水処理場5で浄化された下水は下水処理場用放流管8bを介して公共用水域Wへ放流される。
第1の分水装置2により分水され第1の放流管7aへと流れた下水量がQin−Qosn+QΔnである下水は、第2の分水装置3に流入する。第2の分水装置3に流入した下水は、第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2B、第2のオリフィス24B、第3の調整槽2C及び第3のオリフィス24Cを順次通過して第2の放流管7bへと流れる公共用水域Wへ下水処理場5を介さずに放流可能な最大の下水量Qin−Qosn(=Qdn)である下水と、第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流して調整池用流入管9aへと流れる下水量が超過下水量QΔnである下水とに高精度に分水制御される。流路20の両側に設けられた第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流した下水は、傾斜流路28に向かって流下し、一方側からは直接に、他方側からは貫通孔37aを通過して、調整池用流入管9aへ流出する。
第2の分水装置3では、第1の放流管7aから流入する下水量が増加しても、図5(B)に示すように、流入した下水を上流側の第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2Bおよび第2のオリフィス24Bを順次通過させることにより、調整槽内の水位上昇を順次緩和させる。これにより下流側にあり公共用水域Wへ放流される下水の分水に直接係わる第3の調整槽2Cにおける水面の変動幅が縮小され、第2の放流管7bへ分水されて流される下水量Qin−Qosn(=Qdn)の変動を抑えることができる。
上流側に配置され、流路方向に長く構成された第1の調整槽2Aにおいて、第1の放流管7aから開放され流入する下水により発生する煩雑な水理現象が限定され、流入した下水は目標とする分水流量にほぼ制御される。続いて第1の調整槽2Aを通過した下水を第2の調整槽2B及び下流側の第3の調整槽2Cを順次通過させることにより、分水制御の精度を更に向上させて、目標とする分水流量に調整する。
第2の分水装置3に第1の放流管7aから流入する下水量の増加に伴い、第1の調整槽2Aでは第1の越流堰22Aから越流する下水の越流水深は急増し、敏感に反応するのに対して、第2の調整槽2Bでは第2の越流堰22Bから越流する下水の越流水深は若干増加するだけであり、第3の調整槽2Cでは第3の越流堰22Cから越流する下水の越流水深は第2の越流堰22Bから越流する越流水深よりも増加せず、反応が鈍い。
第2の分水装置3により分水され第2の放流管7bへと流れた下水量がQin−Qosn(=Qdn)である下水は、公共用水域Wへ放流される。すなわち、下水処理場5を介さずに放流可能な最大の下水量Qin−Qosn(=Qdn)の下水が公共用水域Wへ放流される。また、第2の分水装置3により分水され調整池用流入管9aへと流れた下水量が超過下水量QΔnである下水は、調整池4へ流され、調整池4において一時的に貯留される。
降雨終了後に、調整池4に一時的に貯留された下水は、Qin−Qosn(=Qdn)以内の下水量で調整池用放流管9c及び第2の放流管7bを介して公共用水域Wへ放流される。なお、第2の放流管7bを介さずに、調整池用放流管9cから下水が公共用水域Wへ放流されるようにしてもよい。また、調整池4に図示しない水位計を設けることにより、所定の水位以下では、調整池4に貯留された下水は、2Qon以内の下水量で調整池用流出管9b及び下水処理場用流入管8aを介して下水処理場5へ流される。下水処理場5へ流された下水は、下水処理場5で浄化され、浄化された下水は公共用水域Wへ放流される。これにより調整池4の底付近に溜まった汚れを公共用水域Wへ放流してしまうことを防ぐことができる。
このように本実施の形態の合流式下水道システムでは、雨が強く降った時、豪雨時などでも、合流管6から流入した下水を第1の分水装置2において第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2B、第2のオリフィス24B、第3の調整槽2C及び第3のオリフィス24Cを順次通過させるようにしたので、目標とする各排水区での計画遮集量Qosnの下水を高精度に分水し、遮集することができる。これにより、本実施の形態の合流式下水道システムでは、遮集管が再び合流管として集水してしまう遮合流問題、過剰遮集による管路施設の事故、未処理下水放流等の下水処理場の問題等を回避することができる。
また、本実施の形態の合流式下水道システムでは、雨が強く降った時、豪雨時などでも、第1の分水装置2により計画遮集量Qosnの下水と分水された下水を第2の分水装置3において第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2B、第2のオリフィス24B、第3の調整槽2C及び第3のオリフィス24Cを順次通過させるようにしたので、各排水区において目標とする公共用水域Wへ下水処理場5を介さずに放流可能な最大の下水量Qin−Qosn(=Qdn)の下水を高精度に分水し、放流することができる。これにより、公共用水域Wの氾濫等を確実に防止することができるとともに、調整池4には超過下水量QΔnのみを貯留することができるので、必要調整池容量を低減することができる。
本実施の形態の下水道システムの必要調整池容量と従来の下水道システムの必要調整池容量との比較について図6を用いて説明する。従来の下水道システムでは、図6(A)に示すように、調整池に流入する下水の流入ハイドログラフと、調整池の流出口として設けられたオリフィスから放流される下水の流出ハイドログラフとの差分である斜線部分が必要調整池容量となる。これに対して、本実施の形態の下水道システムでは、図6(B)に示すように、第2の分水装置3に流入する下水の流入ハイドログラフと、第2の分水装置3から流出し公共用水域Wへ放流される下水の流出ハイドログラフとの差分である斜線部分が必要調整池容量となる。本実施の形態の下水道システムでは、放流可能な最大の下水量Qdnの下水を公共用水域Wへ放流し、計画下水量Qinを超過する超過下水量QΔnのみ調整池4に効率的に貯留するために、従来の下水道システムと比べて必要調整池容量が低減されることが明らかである。
なお、煩雑な降雨波形の実績降雨の場合や流入管路能力の制約で豪雨の一部が地表に滞水して流入ハイドログラフが降雨波形よりも後方にずれ込むことがあると、従来の合流式下水道システムでは、必要調整池容量が増大したり、放流量が設定値を超過してしまう事態が危惧される。しかし、本実施の形態の合流式下水道システムでは、このような状況であっても、放流可能な最大の下水量Qdnの下水を高精度に分水して公共用水域Wへ放流し、調整池4に確実に超過下水量QΔnのみを貯留することができるので、必要調整池容量が増大したり、放流量が設定値を超過してしまうことを防止できる。
また、本実施の形態の合流式下水道システムでは、第1の分水装置2および第2の分水装置3において、流路20の両側に第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cを設けるようにしたので、堰全体の長さが長くなり水理現象が安定するとともに、筐体26を小さくすることも可能になる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る下水道システムについて、図2〜図5および図7を参照して説明する。第2の実施の形態の下水道システムは分流式下水道システムであり、雨水と汚水を別々の管路で流す下水道システムである。なお、第2の実施の形態においては、第1の実施形態に係る下水道システムと同様な構成要素には同一の符号を付してその説明を基本的には省略し、第1の実施形態と異なる点について主に説明する。第2の実施形態に係る下水道システムにおける第1の分水装置12、第2の分水装置13は、第1の実施形態における第1の分水装置2、第2の分水装置3とそれぞれほぼ同様な構成であるために、図2〜図5を第2の実施形態においても参照して説明する。
分流式下水道システム10は、図7に示すように、各排水区において第1の分水装置12と、第2の分水装置13と、調整池4とを有し、また、全排水区で分水された雨水及び汚水の浄化を行う下水処理場5を有している。また、分流式下水道システム10は、各排水区において、雨水が流入され、流入された雨水を第1の分水装置12へ流すための雨水管11と、第1の分水装置12で分水された一方の雨水を第2の分水装置13へ流すための第1の放流管17aと、第1の分水装置12で分水された他方の雨水を下水処理場5へ流すための遮集管18と、第2の分水装置13で分水された一方の雨水を公共用水域Wへ放流するための第2の放流管17bと、第2の分水装置13で分水された他方の雨水を調整池4へ流すための調整池用流入管9aとを有している。
また、分流式下水道システム10は、各排水区において、降雨後に調整池4から雨水を下水処理場5へ流すための調整池用流出管9bと、降雨後に調整池4から雨水を公共用水域Wへ放流するための調整池用放流管9cとを有している。
また、分流式下水道システム10は、各排水区において、汚水が流入され、流入された汚水を下水処理場5へ流すための汚水管19と、各排水区の汚水管19および遮集管18が接続され、汚水管19からの汚水および第1の分水装置12で分水された他方の雨水がまとめて流入されるとともに、流入された汚水および雨水を下水処理場5へ流すための下水処理場用流入管19aと、下水処理場5から浄化された下水を公共用水域Wへ放流するための下水処理場用放流管8bとを有している。
第1の分水装置12は、雨水管11から流入した雨水を、遮集管18および下水処理場用流入管19aを介して下水処理場5へ流す所望の雨水量の雨水と、第1の放流管17aを介して第2の分水装置13へ流す雨水とに高精度に分水可能な装置である。従来の分流式下水道システムでは、市街地の路面などに堆積した汚濁物質が雨水で流れ出し雨水管に流入してしまうなどのノンポイント汚濁の問題があったが、本実施の形態に係る分流式下水道システムは、第1の分水装置12によりノンポイント負荷対策が可能になる。
筐体26の上流側の側壁26aには、図2及び図3に示すように、雨水管11が接続され、雨水管11から第1の調整槽2Aに雨水が流入する。また、筐体26の上流側の側壁26aと対向する下流側の側壁26bには遮集管18が接続され、第3の調整槽2Cから遮集管18に雨水が流出する。すなわち、雨水管11から流入した雨水が遮集管18へ流出する流路20が構成されている。また、筐体26の下流側の側壁26bの遮集管18の下方には第1の放流管17aが接続されている。第1の放流管17aは、側壁26bの下部中央に接続され、第1〜第3の調整槽2A,2B,2Cの下方に配置される。なお、遮集管18は、下水処理場用流入管19aと接続させるためにL字状に屈曲している。
上流側の第1の越流堰22Aの高さは、雨水管11に後述するノンポイント負荷対策の計画遮集量の雨水が流入した水位に合わせて設定されている。第1の越流堰22Aの高さを雨水管11にノンポイント負荷対策の計画遮集量の雨水が流入した水位よりも高く設定すると、雨水管11内において背水現象を誘発してしまい、雨水管11内の流下能力低下や雨水管11内に汚濁負荷の滞留や沈殿を生じさせてしまうことになる。
第1の隔壁部23A及び第2の隔壁部23Bは、側壁26cと側壁26dとの間に渡って設けられることにより、第1の越流堰22A、第2の越流堰22Bから越流した雨水が第3の調整槽2Cに落水して波動の影響を与えることがないようにしている。
第2の分水装置13は、第1の分水装置12で分水され、第1の放流管17aから流入した雨水を、第2の放流管17bを介して公共用水域Wへ放流する所望の雨水量の雨水と、調整池用流入管9aを介して調整池4へ流す所望の雨水量の雨水とに高精度に分水可能な装置である。第2の分水装置13では、図4及び図5に示すように、筐体26の上流側の側壁26aには第1の放流管17aが接続され、第1の放流管17aから第1の調整槽2Aに雨水が流入する。また、下流側の側壁26bには第2の放流管17bが接続され、第3の調整槽2Cから第2の放流管17bに雨水が流出する。すなわち、第1の放流管17aから流入した雨水が第2の放流管17bへ流出する流路20が構成されている。また、筐体26の側壁26a,26bと直交する側壁26cには調整池用流入管9aが接続されている。調整池用流入管9aは、側壁26cの下部中央に接続され、第1〜第3の調整槽2A,2B,2Cの下方に配置される。
なお、第2の分水装置13では、下流側の第3の越流堰22Cの高さは、第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流し、傾斜流路28に流下した雨水の水位よりも高くなるように設定される。また、第2の分水装置13では、上流側の第1の調整槽2Aの越流堰22Aの高さが、第1の放流管17aに雨水量Qrn−Qorsn(Qrn、Qorsnについては後述する。)の雨水が流入した水位に合わせて設定されている。
調整池4は、強い雨が降った時に、公共用水域Wへ雨水が放流されて氾濫することを防止するために、第2の分水装置13により分水した雨水を一時的に貯留し、調整する施設である。下水処理場5は、第1の分水装置12により分水され、遮集管18を介して下水処理場用流入管19aから流入した雨水、汚水管19を介して下水処理場用流入管19aから流入した汚水、および、調整池4で一時的に貯留され、調整池用流出管9bを介して下水処理場用流入管19aから流入した所定量の雨水を浄化し、公共用水域Wへ放流する施設である。下水処理場5では、例えば流入した汚水及び雨水を沈殿処理、生物処理及び消毒処理して放流する高級処理、および、流入した汚水及び雨水を沈殿処理及び消毒処理のみして放流する簡易処理が行われる。なお、簡易処理を行う分の下水は、一時的に貯留施設に貯留した後、高級処理を行うようにしてもよい。
次に、分流式下水道システム10により、下水を処理する方法について説明する。第n排水区において設定されたノンポイント負荷対策の計画遮集量をQorsn、計画雨水量をQrn、超過雨水量をQΔrn、計画汚水量をQsn、公共用水域Wへ下水処理場5を介さずに放流可能な最大の雨水量をQrdnとするとする(nは自然数)。ノンポイント負荷対策の計画遮集量Qorsnは、ノンポイント汚染源からの流出負荷量等を考慮して設定され、例えば晴天時時間最大汚水量Qonの2倍に設定される。計画雨水量Qrnは、ノンポイント負荷対策の計画遮集量Qosnと公共用水域Wへ放流可能な最大の雨水量Qrdnとを合計した雨水量として設定される。超過雨水量QΔrnは、雨水管11に流入した雨水量のうち計画雨水量Qrnを超過する雨水量として設定される。計画汚水量Qsnは、晴天時時間最大汚水量Qonなどを考慮して定められ、例えば晴天時時間最大汚水量Qonに設定される。
雨が降り始めた時、雨量が少ない時など、雨水管11に流入する雨量がノンポイント負荷対策の計画遮集量Qorsn以下である場合には、第n排水区において、雨水管11から第1の分水装置12に流入した雨水は、第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流することなく、第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2B、第2のオリフィス24B、第3の調整槽2C及び第3のオリフィス24Cを順次通過して全量が遮集管18へと流れる。遮集管18へと流れた雨水は、下水処理場用流入管19aを介して下水処理場5へと流される。また、汚水管19から汚水が下水処理場用流入管19aを介して下水処理場5へと流される。遮集管18から流入した雨水及び汚水管19から流入した汚水は、下水処理場5において高級処理または簡易処理される。下水処理場5で浄化された雨水及び汚水は下水処理場用放流管8bを介して公共用水域Wへ放流される。雨が降り始めた時などに、市街地の路面などに堆積した汚濁物質が流れ出し雨水管に流入するノンポイント汚濁の問題が生じるが、分流式下水道システム10では、雨水管11に流入する雨水の全量を下水処理場5で浄化することができるのでこの問題を解決することができる。
雨が強く降った時、豪雨時などに雨水管11に流入する雨水量が計画雨水量Qrnを超過した場合(雨水管11に流入する雨水量がQrn+QΔrnの場合)には、第n排水区において、雨水管11から第1の分水装置12に流入した雨水は、図3(A)に示すように、第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2B、第2のオリフィス24B、第3の調整槽2C及び第3のオリフィス24Cを順次通過して遮集管18へと流れる雨水量が計画遮集量Qorsnである雨水と、第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流して第1の放流管17aへと流れる雨水量がQrn−Qorsn+QΔrnである雨水とに高精度に分水制御される。流路20の両側に設けられた第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流した雨水は、筐体26内に流下し、筐体26の下部に接続された第1の放流管17aへ流出する。
第1の分水装置12では、雨水管11から流入する雨水量が増加しても、図3(B)に示すように、流入した雨水を上流側の第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2Bおよび第2のオリフィス24Bを順次通過させることにより、調整槽内の水位上昇を順次緩和させる。これにより下流側にあり遮集分水に直接係わる第3の調整槽2Cにおける水面の変動幅が縮小され、遮集管18へ分水されて流される雨水量Qorsnの変動を抑えることができる。
上流側に配置され、流路方向に長く構成された第1の調整槽2Aにおいて、雨水管11から開放され流入する雨水により発生する煩雑な水理現象が限定され、流入した雨水は目標とする分水流量にほぼ制御される。続いて第1の調整槽2Aを通過した雨水を第2の調整槽2B及び下流側の第3の調整槽2Cを順次通過させることにより、分水制御の精度を更に向上させて、目標とする分水流量に調整する。
第1の分水装置12に雨水管11から流入する雨水量の増加に伴い、第1の調整槽2Aでは第1の越流堰22Aから越流する雨水の越流水深は急増し、敏感に反応するのに対して、第2の調整槽2Bでは第2の越流堰22Bから越流する雨水の越流水深は若干増加するだけであり、第3の調整槽2Cでは第3の越流堰22Cから越流する雨水の越流水深は第2の越流堰22Bから越流する越流水深よりも増加せず、反応が鈍い。
第1の分水装置12により分水され遮集管18へと流れた雨水量が計画遮集量Qorsnである雨水が下水処理場用流入管19aを介して下水処理場5へ流されるとともに、汚水管19から汚水が下水処理場用流入管19aを介して下水処理場5へと流される。下水処理場5において、下水量Qon分が高級処理され、下水量2Qon分が簡易処理される。下水処理場5で浄化された下水は下水処理場用放流管8bを介して公共用水域Wへ放流される。
第1の分水装置12により分水され第1の放流管17aへと流れた雨水量がQrn−Qorsn+QΔrnである雨水は、第2の分水装置13に流入する。第2の分水装置13に流入した雨水は、第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2B、第2のオリフィス24B、第3の調整槽2C及び第3のオリフィス24Cを順次通過して第2の放流管17bへと流れる公共用水域Wへ放流可能な最大の雨水量Qrn−Qorsn(=Qrdn)である雨水と、第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流して調整池用流入管9aへと流れる雨水量が超過雨水量QΔrnである雨水とに高精度に分水制御される。流路20の両側に設けられた第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流した雨水は、傾斜流路28に向かって流下し、一方側からは直接に、他方側からは貫通孔37aを通過して、調整池用流入管9aへ流出する。
第2の分水装置13では、第1の放流管17aから流入する雨水量が増加しても、図5(B)に示すように、流入した雨水を上流側の第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2Bおよび第2のオリフィス24Bを順次通過させることにより、調整槽内の水位上昇を順次緩和させる。これにより下流側にあり公共用水域Wへ放流される雨水の分水に直接係わる第3の調整槽2Cにおける水面の変動幅が縮小され、第2の放流管17bへ分水されて流される雨水量Qrn−Qorsn(=Qrdn)の変動を抑えることができる。
上流側に配置され、流路方向に長く構成された第1の調整槽2Aにおいて、第1の放流管17aから開放され流入する雨水により発生する煩雑な水理現象が限定され、流入した雨水は目標とする分水流量にほぼ制御される。続いて第1の調整槽2Aを通過した雨水を第2の調整槽2B及び下流側の第3の調整槽2Cを順次通過させることにより、分水制御の精度を更に向上させて、目標とする分水流量に調整する。
第2の分水装置13に第1の放流管17aから流入する雨水量の増加に伴い、第1の調整槽2Aでは第1の越流堰22Aから越流する雨水の越流水深は急増し、敏感に反応するのに対して、第2の調整槽2Bでは第2の越流堰22Bから越流する雨水の越流水深は若干増加するだけであり、第3の調整槽2Cでは第3の越流堰22Cから越流する雨水の越流水深は第2の越流堰22Bから越流する越流水深よりも増加せず、反応が鈍い。
第2の分水装置13により分水され第2の放流管17bへと流れた雨水量がQrn−Qorsn(=Qrdn)ある雨水は、公共用水域Wへ放流される。すなわち、放流可能な最大の雨水量Qrn−Qorsn(=Qrdn)の雨水が公共用水域Wへ放流される。第2の分水装置13により分水され調整池用流入管9aへと流れた雨水量が超過雨水量QΔrnである雨水は、調整池4へ流され、調整池4において一時的に貯留される。
降雨終了後に、調整池4に一時的に貯留された雨水は、Qrn−Qorsn(=Qrdn)以内の雨水量で調整池用放流管9c及び第2の放流管17bを介して公共用水域Wへ放流される。なお、第2の放流管17bを介さずに、調整池用放流管9cから下水が公共用水域Wへ放流されるようにしてもよい。また、調整池4に図示しない水位計を設けることにより、所定の水位以下では、調整池4に貯留された雨水は、2Qon以内の雨水量で調整池用流出管9b及び下水処理場用流入管19aを介して下水処理場5へ流される。下水処理場5へ流された雨水は、下水処理場5で浄化され、浄化された雨水は公共用水域Wへ放流される。これにより調整池4の底付近に溜まった汚れを公共用水域Wへ放流してしまうことを防ぐことができる。
なお、雨水管11に流入する雨水量が計画遮集量Qorsnを越え、計画雨水量Qrn以下である場合には、第n排水区において、第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2B、第2のオリフィス24B、第3の調整槽2C及び第3のオリフィス24Cを順次通過して遮集管18へと流れる雨水量が計画遮集量Qorsnである雨水と、流路20の両側に設けられた第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流して第1の放流管17aへと流れる残りの雨水量の雨水とに高精度に分水制御される。
第1の分水装置12により分水され遮集管18へと流れた雨水量が計画遮集量Qorsnである雨水は、汚水管19に流入した汚水とともに下水処理場用流入管19aを介して下水処理場5へ流され、浄化される。浄化された下水は下水処理場用放流管8bを介して公共用水域Wへ放流される。
第1の分水装置12により分水され第1の放流管17aへと流れた雨水は、第2の分水装置13に流入し、第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流することなく、第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2B、第2のオリフィス24B、第3の調整槽2C及び第3のオリフィス24Cを順次通過して全量が第2の放流管17bへと流れ、公共用水域Wへ放流される。
このように本実施の形態の分流式下水道システムでは、各排水区において、雨が降り始めた時など、雨水管11に流入する雨量がノンポイント負荷対策の計画遮集量Qorsn以下である場合には、雨水管11に流入する雨水の全量が第1の分水装置12により遮集管18へと流され、雨水管11に流入する雨水の全量を下水処理場5において浄化できる。また、雨水管11に流入する雨水量が計画遮集量Qorsnを越えた場合には、雨水管11に流入した雨水を第1の分水装置12において、第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2B、第2のオリフィス24B、第3の調整槽2C及び第3のオリフィス24Cを順次通過させるようにしたので、目標とする各排水区でのノンポイント負荷対策の計画遮集量Qorsnの雨水を高精度に分水し、遮集することができる。これによりノンポイント汚濁を効果的に防止することが可能になる。
また、本実施の形態の分流式下水道システムでは、このように第1の分水装置12によりノンポイント汚濁を効果的に防止できるようにしたので、第2の分水装置13に流入する雨水に汚濁物質が含まれることがなくなる。これにより、第2の分水装置13から第2の放流管17bを介して放流される雨水により公共用水域Wが汚染されることを防止することができ、また、第2の分水装置13から調整池用流入管9aを介して調整池4に流入し貯留された雨水を例えば地下水涵養などの用途に利用することが可能になる。
また、本実施の形態の分流式下水道システムでは、雨が強く降った時、豪雨時などに、第1の分水装置12により分水された雨水が下水処理場用流入管19a等に流れるようにしたので、管内を雨水により清浄することができるという効果も得られる。
また、本実施の形態の分流式下水道システムでは、雨が強く降った時、豪雨時などでも、第1の分水装置12により分水された雨水を第2の分水装置13において第1の調整槽2A、第1のオリフィス24A、第2の調整槽2B、第2のオリフィス24B、第3の調整槽2C及び第3のオリフィス24Cを順次通過させるようにしたので、各排水区において目標とする公共用水域Wへ放流可能な最大の雨水量Qrn−Qorsn(=Qrdn)の雨水を高精度に分水し、放流することができる。これにより、公共用水域Wの氾濫等を確実に防止することができるとともに、調整池4には超過雨水量QΔrnのみを貯留することができるので、必要調整池容量を低減することができる。
また、本実施の形態の合流式下水道システムでは、第1の実施の形態と同様に、第1の分水装置2および第2の分水装置3において、流路20の両側に第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cを設けるようにしたので、堰全体の長さが長くなり水理現象が安定するとともに、筐体26を小さくすることも可能になる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る下水道システムについて、図8を参照して説明する。なお、第3の実施の形態においては、第1の実施形態に係る下水道システムと同様な構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、第1の実施形態と異なる点について説明する。第3の実施形態の第1の分水装置40では、流路20の片側に、第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cが設けられている。本実施の形態では、第1〜第3の越流堰22A,22B,22Cから越流した下水は流路20の片側から流下する。第1の実施形態の第2の分水装置3、第2の実施形態の第1の分水装置12、および、第2の分水装置13も、第1の分水装置40と同様な構成にすることが可能である。
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る下水道システムについて、図9を参照して説明する。なお、第4の実施の形態においては、第1の実施形態に係る下水道システムと同様な構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、第1の実施形態と異なる点について説明する。第4の実施形態の第1の分水装置50は、第1の調整槽5A、第2の調整槽5Bの2槽の調整槽を有し、第1の底部51A,第2の底部51B,一対の第1の越流堰52A、一対の第2の越流堰52B、第1の隔壁部53A、第2の隔壁部53B、第1のオリフィス54A、および、第2のオリフィス54Bを有している。2層の調整槽にすることにより、筐体26の大きさを小さくすることが可能になる。第1の実施形態の第2の分水装置3、第2の実施形態の第1の分水装置12、および、第2の分水装置13も、第1の分水装置50と同様な構成にすることが可能である。
(第5の実施形態)
第5の実施形態に係る下水道システムについて、図10を参照して説明する。なお、第5の実施の形態においては、第1の実施形態に係る下水道システムと同様な構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、第1の実施形態と異なる点について説明する。第5の実施形態の第1の分水装置60は、流路20の片側に設けられた第1の越流堰62A、第2の越流堰62Bを有し、第1の調整槽6A、第2の調整槽6Bの2槽の調整槽を有する。また、第1の分水装置60は、第1の底部61A,第2の底部61B,第1の隔壁部63A、第2の隔壁部63B、第1のオリフィス64A、および、第2のオリフィス64Bを有している。第1の実施形態の第2の分水装置3、第2の実施形態の第1の分水装置12、および、第2の分水装置13も、第1の分水装置60と同様な構成にすることが可能である。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、上述した変形例以外にも種々変形が可能である。例えば、上記第1の実施形態および第2の実施形態においては、第1〜第n排水区での下水道システムについて説明したが、1つの地域、区域、1つの施設等における下水道システムに本発明を適用することは可能である。
また、上記第1の実施形態では、高精度に分水制御可能な第1の分水装置2を用いる例について説明したが、従来の分水装置を第1の分水装置として用いた場合であっても、第2の分水装置3により必要調整池容量を低減することができる。
また、上記第1の実施形態及び第2の実施形態では、第2の分水装置3,13のみが傾斜経路28を有する例について説明したが、設計条件によっては第1の分水装置に傾斜経路を有するようにしてもよく、第1〜第3の底部21A,21B,21Cの形状、大きさなどその他の点についても第1の分水装置及び第2の分水装置は設計条件などによって、適宜設計変更することができる。
また、上記各実施形態では、全体が下流側の水面より低い潜りオリフィスを用いる例について説明したが、全体が下流側の水面より低くないオリフィスを用いても、本発明の効果を得ることは可能である。
また、上記各実施形態では、2つか3つの調整槽を有する分水装置の例について説明したが、4つ以上の調整槽を有するようにしてもよい。4つ以上の調整槽を有するようにすると、より高精度の分水制御が可能になる。
また、上記第1の実施形態または第2の実施形態では、計画遮集量Qosn、下水処理場5において高級処理、簡易処理する下水量、調整池4から下水処理場5へ流す下水量,雨水量、ノンポイント負荷対策の計画遮集量Qorsn、計画汚水量Qsnなどについて、設定例を挙げて説明したが、この設定例に限定されることはなく、例えば各地域、区域等の環境等に合わせて適宜変更することが可能である。
また、上記第1の実施形態及び第2の実施形態では、調整池4に水位計を設ける例について説明したが、汚染物質の濃度を測る濃度計を設けて、所定の濃度以上になった場合に、調整池4に貯留された下水または雨水を下水処理場5に流すようにしてもよい。
1 合流式下水道システム
10 分流式下水道システム
2,12,40,50,60 第1の分水装置
3,13 第2の分水装置
4 調整池
5 下水処理場
6 合流管
7a,17a 第1の放流管
7b,17b 第2の放流管
8,18 遮集管
8a,19a 下水処理場用流入管
8b 下水処理場用放流管
9a 調整池用流入管
9b 調整池用流出管
9c 調整池用放流管
11 雨水管
19 汚水管
20 流路
2A 第1の調整槽
2B 第2の調整槽
2C 第3の調整槽
21A 第1の底部
21B 第2の底部
21C 第3の底部
22A 第1の越流堰
22B 第2の越流堰
22C 第3の越流堰
23A 第1の隔壁部
23B 第2の隔壁部
23C 第3の隔壁部
24A 第1のオリフィス
24B 第2のオリフィス
24C 第3のオリフィス
26 筐体
28 傾斜流路
W 公共用水域

Claims (16)

  1. 下水が流入する合流管と、下水処理場へ下水を流す遮集管と、第1の放流管とが接続され、前記合流管から流入した下水を前記遮集管へ流す下水と前記第1の放流管へ流す下水とに分水する第1の分水装置と、
    前記第1の放流管と、公共用水域へ下水を放流する第2の放流管と、下水を貯留する調整池と接続された調整池用流入管とが接続され、前記第1の放流管から流入した下水を前記第2の放流管へ流す下水と前記調整池用流入管へ流す下水とに分水する第2の分水装置とを有する下水道システムであって、
    前記第2の分水装置は、前記第1の放流管から流入した下水が前記第2の放流管へ流出する流路と、前記流路の両側の少なくとも一方に立設された複数の越流堰と、前記複数の越流堰の間と、前記越流堰と前記第2の放流管との間とに設けられるとともにオリフィスが形成された複数の隔壁部と、前記複数の越流堰と前記複数の隔壁部で区画された複数の調整槽とを有し、前記複数の越流堰から越流した下水が流入する前記調整池用流入管が前記複数の調整槽の下方に接続されたことを特徴とする下水道システム。
  2. 前記第1の分水装置は、前記合流管から流入した下水が前記遮集管へ流出する流路と、前記流路の両側の少なくとも一方に立設された複数の越流堰と、前記複数の越流堰の間と、前記越流堰と前記遮集管との間とに設けられるとともにオリフィスが形成された複数の隔壁部と、前記複数の越流堰と前記複数の隔壁部で区画された複数の調整槽とを有し、前記複数の越流堰から越流した下水が流入する前記第1の放流管が前記複数の調整槽の下方に接続されたことを特徴とする請求項1に記載の下水道システム。
  3. 前記第2の分水装置の複数の越流堰は、前記第1の放流管から流入した下水が前記第2の放流管へ流出する流路の両側に立設されたことを特徴とする請求項1または2に記載の下水道システム。
  4. 前記第2の分水装置の複数の調整槽のうち最も上流側に配置された調整槽は、流路方向に最も長いことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の下水道システム。
  5. 前記第2の分水装置の前記複数の越流堰の間に設けられた隔壁部は、前記第2の分水装置の筐体に架設されたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の下水道システム。
  6. 前記第2の分水装置は、3つの前記調整槽を有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の下水道システム。
  7. 前記第2の分水装置のオリフィスは、全体が下流側の下水の水面より低いことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項に記載の下水道システム。
  8. 前記第1の分水装置の複数の越流堰は、前記合流管から流入した下水が前記遮集管へ流出する流路の両側に立設されたことを特徴とする請求項2に記載の下水道システム。
  9. 前記第1の分水装置は、3つの前記調整槽を有することを特徴とする請求項2または8に記載の下水道システム。
  10. 雨水が流入する雨水管と、汚水管から汚水が流される下水処理場へ雨水を流す遮集管と、第1の放流管とが接続され、前記雨水管から流入した雨水を前記遮集管へ流す雨水と前記第1の放流管へ流す雨水とに分水する第1の分水装置と、
    前記第1の放流管と、公共用水域へ雨水を放流する第2の放流管と、雨水を貯留する調整池と接続された調整池用流入管とが接続され、前記第1の放流管から流入した雨水を前記第2の放流管へ流す雨水と前記調整池用流入管へ流す雨水とに分水する第2の分水装置とを有する下水道システムであって、
    前記第1の分水装置は、前記雨水管から流入した雨水が前記遮集管へ流出する流路と、前記流路の両側の少なくとも一方に立設された複数の越流堰と、前記複数の越流堰の間と、前記越流堰と前記遮集管との間とに設けられるとともにオリフィスが形成された複数の隔壁部と、前記複数の越流堰と前記複数の隔壁部で区画された複数の調整槽とを有し、前記複数の越流堰から越流した雨水が流入する前記第1の放流管が前記複数の調整槽の下方に接続され、
    前記第2の分水装置は、前記第1の放流管から流入した雨水が前記第2の放流管へ流出する流路と、前記流路の両側の少なくとも一方に立設された複数の越流堰と、前記複数の越流堰の間と、前記越流堰と前記第2の放流管との間とに設けられるとともにオリフィスが形成された複数の隔壁部と、前記複数の越流堰と前記複数の隔壁部で区画された複数の調整槽とを有し、前記複数の越流堰から越流した雨水が流入する前記調整池用流入管が前記複数の調整槽の下方に接続されたことを特徴とする下水道システム。
  11. 前記第1の分水装置の複数の越流堰は、前記雨水管から流入した雨水が前記遮集管へ流出する流路の両側に立設され、前記第2の分水装置の複数の越流堰は、前記第1の放流管から流入した雨水が前記第2の放流管へ流出する流路の両側に立設されたことを特徴とする請求項10に記載の下水道システム。
  12. 前記第1の分水装置の複数の調整槽のうち最も上流側に配置された調整槽は、流路方向に最も長く、前記第2の分水装置の複数の調整槽のうち最も上流側に配置された調整槽は、流路方向に最も長いことを特徴とする請求項10または11に記載の下水道システム。
  13. 前記第1の分水装置の前記複数の越流堰の間に設けられた隔壁部は、前記第1の分水装置の筐体に架設され、前記第2の分水装置の前記複数の越流堰の間に設けられた隔壁部は、前記第2の分水装置の筐体に架設されたことを特徴とする請求項10乃至12いずれか1項に記載の下水道システム。
  14. 前記第1の分水装置及び前記第2の分水装置は、3つの前記調整槽を有することを特徴とする請求項10乃至13いずれか1項に記載の下水道システム。
  15. 前記第1の分水装置のオリフィス及び前記第2の分水装置のオリフィスは、全体が下流側の下水の水面より低いことを特徴とする請求項10乃至14いずれか1項に記載の下水道システム。
  16. 前記第1の分水装置により分水された前記遮集管へ流す雨水の計画遮集量がノンポイント負荷対策に基づき設定されたことを特徴とする請求項10乃至15いずれか1項に記載の下水道システム。
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