JP6672293B2 - 改善された製造方法 - Google Patents

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    • C07K2317/56Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments variable (Fv) region, i.e. VH and/or VL
    • C07K2317/565Complementarity determining region [CDR]

Description

継続出願のデータ
本出願は、参照により本明細書に組み入れられる、2014年10月31日出願の米国仮特許出願第62/073,459号明細書の利益を請求する。
本出願は、12キロバイトのサイズを有し、2015年10月30日に作成された、表題「RSVAB−305WO1_ST25」のASCIIテキストファイルとして、米国特許商標庁(United States Patent and Trademark Office)にEFS−Webを介して電子的に提出された配列表を含む。電子的に提出された配列表は、米国特許法施行規則§1.821(c)により要求される紙コピーおよび§1.821(e)により要求されるCRFの両方として役立つ。配列表に含まれる情報は、参照により本明細書に組み込まれる。
分野
組換えタンパク質を含む組成物を含むバイアルを製造する方法。
組換えタンパク質、例えば、抗体が、様々な疾患及び状態の処置に使用され、このような組換えタンパク質は、一般に、真核細胞株又は原核細胞株を用いる細胞培養から得られる。薬学的適用例に使用される組換えタンパク質、例えば、抗体は、特に、細胞タンパク質汚染、細胞DNA汚染、ウイルス、及び他の伝染性物質を含む細胞培養からの汚染に関して高いレベルの純度を有していなければならない。“WHO Requirements for the use of animal cells as in vitro substrates for the production of biologicals:Requirements for Biological Substances No.50.”No.878.Annex 1,1998を参照されたい。多くの組換えタンパク質、例えば、抗体は、使い捨て容器又は何回も使用されるバイアルの形態の小さい容器にパッケージングされる。バイアル、例えば、透明なガラスバイアルに形成される場合、組換えタンパク質を含む組成物及びバイアル自体の両方の外観は、最適に維持される。バイアル又は組成物の目に見える欠陥は、患者及び/又は医師に不必要な不安を与え得る。製品が劣化していない可能性が高く、医学的に許容可能である可能性が高くても、バイアルを製造する会社、薬局、処置する医師、又は患者は、その外観のみに基づいてバイアルを廃棄する選択をし得る。
従って、組換えタンパク質を含む組成物をパッケージングするために使用されるバイアルにリングが形成されないようにする改善された医薬製造プロセスが必要とされている。
本説明によると、組換えタンパク質を含む組成物を含むバイアルを製造する方法は:
a.組換えタンパク質を含む組成物を含む容器を用意するステップであって、任意選択により、この容器が、陽圧下で保存されている、ステップ;
b.容器に真空を適用するステップ;
c.真空により組成物を脱気するステップ;及び
d.組換えタンパク質を含む脱気組成物でバイアルを充填するステップを含む。
一態様では、組換えタンパク質は、Synagis(登録商標)である。
一態様では、Synagis(登録商標)を含む組成物からSynagis(登録商標)を分離する方法は:
a.この組成物に対してイオン交換クロマトグラフィープロセスを行うステップ;
b.この組成物に対して親和性精製プロセスを行うステップ;
c.この組成物に対して濾過プロセスを行うステップ;
d.バイアルを組成物で充填する前に組成物を脱気するステップであって、Synagis(登録商標)を含む最終生産物が(a)、(b)、及び(c)から得られ、この最終生産物が、ヒトに投与するのに適切であり、かつ0.5pg/mg以下のDNA濃度を有する、ステップを含み、かつベンゾナーゼを組成物に添加するステップを含まない。
別の態様では、Synagis(登録商標)を含む組成物からSynagis(登録商標)を分離する方法は:
a.この組成物に対して陽イオン交換クロマトグラフィープロセスを行ってSynagis(登録商標)を含む第1の生産物を得るステップ;
b.緩衝液を第1の生産物に添加して緩衝生産物を得るステップ;
c.緩衝生産物に対して親和性精製プロセスを行ってSynagis(登録商標)を含む第2の生産物を得るステップ;
d.第2の生産物に対して濾過プロセスを行ってSynagis(登録商標)を含む第3の生産物を得るステップ;
e.第3の生産物に対してウイルス不活化プロセスを行うステップ;及び第3の生産物を調製してSynagis(登録商標)を含む最終生産物を得るステップであって、この最終生産物が、ヒトに投与するのに適切であり、かつ0.5pg/mg以下のDNA濃度を有する、ステップ;及び
f.バイアルを組成物で充填する前に組成物を脱気するステップを含み、かつベンゾナーゼを組成物に添加するステップを含まない。
別の実施形態では、Synagis(登録商標)を含む組成物からSynagis(登録商標)を分離する方法は、(a)〜(e)の少なくとも3つを含み、かつ(f)をさらに含み:
a.この組成物に対して陽イオン交換クロマトグラフィープロセスを行うステップ;
b.この組成物に対して親和性精製プロセスを行うステップ;
c.この組成物に対して限外濾過プロセスを行うステップ;
d.この組成物に対してウイルス不活化プロセスを行うステップ;及び
e.この組成物に対して陰イオン交換クロマトグラフィープロセスを行うステップ;
f.バイアルを組成物で充填する前に組成物を脱気するステップ、
g.(i)〜(v)の少なくとも3つから得られる生産物が、Synagis(登録商標)を含み、ヒトに投与するのに適切であり、かつ0.5pg/mg以下のDNA濃度を有し;この方法は、ベンゾナーゼを組成物に添加するステップを含まない。
一実施形態では、バイアルを組成物で充填する前に組成物を脱気するステップは、
a.組換えタンパク質を含む組成物を含む容器を用意するステップであって、任意選択により、この容器が、陽圧下で保存されている、ステップ;
b.組換えタンパク質を含む組成物を含む容器に真空を適用するステップ;
c.真空により組成物を脱気するステップ;及び
d.組換えタンパク質を含む脱気組成物でバイアルを充填するステップを含む。
一態様では、組成物は:
a.配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖及び配列番号6のアミノ酸配列を有する軽鎖;
b.配列番号1又は配列番号2の重鎖可変領域、及び配列番号6の軽鎖の軽鎖可変領域;又は
c.アミノ酸配列TSGMSVG(配列番号:3)を有するH1相補性決定領域(CDR)、アミノ酸配列DIWWDDKKDYNPSLKS(配列番号:4)を有するH2 CDR、アミノ酸配列SMITNWYFDV(配列番号5)を有するH3 CDR、アミノ酸配列KCQLSVGYMH(配列番号7)を有するL1 CDR、アミノ酸配列DTSKLAS(配列番号8)を有するL2 CDR、及びアミノ酸配列FQGSGYPFT(配列番号9)を有するL3 CDRを含む。
一実施形態では、組換えタンパク質を含む組成物を含む容器は、陽圧下で保存されている。
別の実施形態では、真空が、約12時間〜約5日間適用される。別の実施形態では、真空が、約1日間〜約4日間適用される。一実施形態では、真空が、約50〜約268mbarで適用される。別の実施形態では、適用される真空が、約50mbarを超え、約268mbar以下である。別の実施形態では、真空が、約60〜約268mbarで適用される。一様式では、真空が、約99mbar又は約268mbarで適用される。
一態様では、真空が、約20L〜約250Lの、組換えタンパク質を含む組成物の量に適用される。別の態様では、真空が、約40L、約50L、約65L、又は約125Lの組成物の量に適用される。一実施形態では、容器は、組成物の量よりも大きくすることができる。一実施形態では、約50L以下の組成物が、約65Lのタンク内に存在する。一実施形態では、約76L以下の組成物が、約125Lのタンク内に存在する。一実施形態では、約46.5Lの組成物が、約65Lのタンク内に存在する。別の実施形態では、約68.1Lの組成物が、約125Lのタンク内に存在する。
一様式では、気泡指数(bubble indicator)は、少なくとも約5.9であり、かつ以下の式で計算される:
BI=(h×t×1000)/(h×PV)、式中
V=溶液の量(mL)
P=脱気真空(mbar)
t=脱気時間(hr)
=液体の高さ(cm)(タンクがシリンダーであるとして計算)、かつ
=空気の高さ/ヘッドスペース(cm)。
別の様式では、組換えタンパク質を含む組成物は、界面活性剤を含まない。別の様式では、界面活性剤が、組換えタンパク質を含む組成物に添加されない。別の様式では、この組成物は、少なくとも1つのバイアルに充填された場合に、バイアルの空気−液体−ガラスの界面にリングを形成しない。なおさらなる様式では、この組成物は、少なくとも1つのバイアルに充填された場合に、バイアルの表面にリングを形成しない。一実施形態では、この組成物は、脱気後に気泡を含まない。さらなる一実施形態では、この組成物は、脱気されてから少なくとも1つのバイアルに充填された場合に、バイアル充填ライン又は製造に使用される他の配管で気泡を含まない。
さらなる一様式では、組換えタンパク質を含む組成物中の組換えタンパク質のタンパク質濃度は、約0.1mg/mL〜約1000mg/mLである。さらなる一態様では、タンパク質濃度は約100mg/mLである。
一様式では、脱気するステップを省略すると、組成物中に気泡が蓄積される。別の様式では、脱気するステップを省略すると、充填ラインで組成物中に気泡が蓄積される。さらなる態様では、脱気するステップを省略すると、組成物を含むバイアルの空気−液体−ガラスの界面に粒子が堆積する。さらなる一実施形態では、脱気するステップを省略したときの粒子の堆積は、組換えタンパク質を含む堆積である。さらなる一様式では、粒子の堆積は、バイアルにリングを形成する。
さらなる目的及び利点は、以下の説明に部分的に説明され、この説明から部分的に明らかになる、又は実施によって学ぶことができるであろう。このような目的及び利点は、特に添付の特許請求の範囲で指摘される要素及び組み合わせによって実現され、成し遂げられるであろう。
前述の概略的な説明及び以下の詳細な説明は共に、単に例示及び説明のためであり、特許請求の範囲を限定するものでないことを理解されたい。
本明細書に含まれ、かつ本明細書の一部を構成する添付の図面は、1つの(いくつかの)実施形態を例示し、かつ説明と合わせて、本明細書に記載される原理の説明に役立つ。
2日間の脱気プロセスに対する真空の影響についての試験を示している。図1A及び図1Bは、充填ラインを示し、図1Aは、268mbarで脱気された組成物の充填プロセスの開始時の充填ラインの写真を示し、図1Bは、268mbarで脱気された組成物の充填プロセス(8.4kgの充填)の終了時の充填ラインの写真を示している。 脱気に対する量の影響についての同じ試験における、268mbarで脱気された組成物についての約400mLの充填(パネルA)及び約1400mLの充填(パネルB)での充填ラインの気泡を示している。より多くの気泡が、268mbarで脱気された組成物の充填プロセスで後に視覚的に明らかになる。 脱気に対する時間の影響についての試験における、1日間脱気した組成物の充填ラインの写真を示し、図3Aは、約300mLの充填での充填ラインの写真を示し、図3Bは、約650mLの充填での充填ラインの写真を示している。約650mLの充填部位でより多くの気泡を観察することができる。 指示矢印の左側のバイアルのガラスに実質的に水平に示されている白色リングの写真である。 脱気原薬及び非脱気原薬から生産されたパイロット規模のバッチの目視検査の結果を示している。 アミド−Iピークの二次導関数分析によって評価された、リングから分離されたタンパク質の二次構造の評価の結果を示している。リング分離物中のタンパク質は、FTIRによって決定されるように天然立体配座を有する。 Synagis(登録商標)を含むバイアルのリング中のタンパク質に対して行われたトリプシン消化の結果を示している。このトリプシン消化は、リング中のタンパク質がSynagis(登録商標)であることを示している。
配列の説明
表1は、本明細書で参照される特定の配列のリストを示す。
Figure 0006672293
実施形態の説明
I.バイアルリングを形成しない脱気組成物の調製
組換えタンパク質を含む特定の組成物のバイアルにリングが形成され得ることが分かっている。「リング」とは、本明細書では、バイアル又は他の容器の空気−液体−ガラスの界面における粒子の堆積のことであり、バイアル又は他の容器に見て明らかな円形又は楕円形の見かけ上の欠陥をもたらす。一実施形態では、組換えタンパク質を含む組成物は、界面活性剤を含まない。一実施形態では、組換えタンパク質を含む組成物は、その製造プロセス中に界面活性剤が添加されない。特定の場合には、組換えタンパク質を含む組成物は、少なくとも約24時間、少なくとも約36時間、又は少なくとも約48時間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約1週間、少なくとも約1か月間、少なくとも約6か月間、少なくとも約1年間、少なくとも約2年間、少なくとも約3年間陽圧下で保存されている。
驚くべきことに、真空を適用してこれらの組成物を脱気することにより、組換えタンパク質を含むこれらの組成物を含むバイアルにおけるリングの形成が防止されることが見出された。
一実施形態では、脱気ステップは、組成物が、少なくとも約24時間、少なくとも約36時間、又は少なくとも約48時間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約1週間、少なくとも約1か月間、少なくとも約6か月間、少なくとも約1年間、少なくとも約2年間、少なくとも約3年間陽圧下で保存された後に行われる。別の実施形態では、組換えタンパク質を含む組成物は、約16時間以下、約12時間以下、約8時間以下、約6時間以下、約4時間以下、約3時間以下、約2時間以下、約90分間以下、約60分間以下、又は約30分間以下の脱気ステップの後に陽圧下で保存することができる。別の実施形態では、組換えタンパク質を含む組成物は、約1日間以下、約2日間以下、約3日間以下、又は約4日間以下の脱気ステップの後に陽圧下で保存することができる。
A.真空の適用
限定されるものではないが、真空の強度、真空が適用される期間、及び容器及び溶液の特性(例えば、限定されるものではないが)、溶液の量、液体の高さ、及び空気の高さ/ヘッドスペース)を含む様々な因子が、組換えタンパク質を含む組成物を脱気する真空の能力に影響を与える。任意の状況で適用され得る真空の程度及び真空の期間は、様々であり得るが、試験バッチの実施及び脱気が任意のゴールを達成するのに十分であるか否かの観察によって定性的に決定することができる。別法では、特定の実施形態のみにおいて、真空の程度及び真空の期間は、以下の式に従った気泡指数の計算を用いて決定することができる:
BI=(h×t×1000)/(h×PV)、式中
V=溶液の量(mL)
P=脱気真空(mbar)
t=脱気時間(hr)
=液体の高さ(cm)(タンクがシリンダーであるとして計算)、かつ
=空気の高さ/ヘッドスペース(cm)。
一実施形態では、気泡指数は、少なくとも約12、少なくとも約11、少なくとも約10、少なくとも約9、少なくとも約8、少なくとも約7、少なくとも約6、又は少なくとも約5.9である。
一実施形態では、約50〜約268mbarの真空が適用される。別の実施形態では、約50mbarを超え、約268mbar以下の真空が適用される。別の実施形態では、約60〜約268mbarの真空が適用される。一様式では、約99mbar又は約268mbarの真空が適用される。
一態様では、真空が、約20L〜約250L又は約40L〜約70Lの量の、組換えタンパク質を含む組成物に適用される。別の態様では、真空が、約40L、約50L、約65L、又は約125Lの量の組成物に適用される。一実施形態では、容器は、組成物の体積よりも大きくすることができる。一実施形態では、約50L以下の組成物が、約65Lのタンク内に存在する。一実施形態では、約76L以下の組成物が、約125Lのタンク内に存在する。一実施形態では、約46.5L以下の組成物が、約65Lのタンク内に存在する。別の実施形態では、約68.1L以下の組成物が、約125Lのタンク内に存在する。
一実施形態では、真空が、約46時間〜約5日間適用される。一実施形態では、真空が、約2日間〜約4日間適用される。
II.脱気ステップの選択された利点
脱気ステップの様々な利点が以下に説明され得るが;全ての利点を、それぞれの状況で提示することができるわけではない。一態様では、脱気ステップにより、組換えタンパク質を含む組成物を陽圧下で保存することができる。別の実施形態では、組換えタンパク質を含む組成物は、界面活性剤を含まない。別の実施形態では、界面活性剤が、組換えタンパク質を含む組成物に添加されない。
別の態様では、脱気ステップにより、組換えタンパク質を含む組成物中での気泡の蓄積が防止される。これは、脱気ステップの省略によって評価することができ、この省略の結果として組換えタンパク質を含む組成物中に気泡が蓄積される。別の態様では、脱気ステップは、組換えタンパク質を含む組成物でバイアルを充填するために使用される充填ラインでの気泡の蓄積を防止する。これは、脱気ステップの省略によって評価することができ、この省略の結果として組換えタンパク質を含む組成物でバイアルを充填するために使用される充填ラインに気泡が蓄積される。
一実施形態では、脱気ステップは、組換えタンパク質を含む組成物を含むバイアルの空気−液体−ガスの界面における粒子の堆積を防止する。これは、脱気ステップの省略によって評価することができ、この省略の結果として組換えタンパク質を含む組成物を含むバイアルの空気−液体−ガスの界面に粒子が堆積される。一態様では、粒子の堆積は、組換えタンパク質を含む。別の実施形態では、粒子の堆積は、バイアルにリングを形成する。
III.組換えタンパク質を含む組成物
このプロセスは、組換えタンパク質を含む複数の組成物に適用することができる。一実施形態では、組換えタンパク質は抗体である。別の実施形態では、組換えタンパク質は、RSVに対する抗体である。
一部の実施形態では、抗体は、Synagis(登録商標)(Palivizumab)(MedImmune)である。Synagis(登録商標)は、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)のF(融合)タンパク質のA抗原部位におけるエピトープに対して特異的な組換えヒト化(キメラマウス−ヒト)IgG1κモノクローナル抗体糖タンパク質である。Synagis(登録商標)は、安定なネズミ科(マウス)ミエローマ細胞株(NS0)から発現させることができる。一部の商業用実施形態では、Synagis(登録商標)は、2つの重鎖(それぞれ50.6kDa)と2つの軽鎖(それぞれ27.6kDa)から構成され、1〜2重量%の炭水化物を含有し、147.7kDa±1kDaの分子量(MALDI−TOF)を有する。
一部の実施形態では、Synagis(登録商標)抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号6のアミノ酸配列を有する軽鎖を有する。一部の実施形態では、Synagis(登録商標)抗体は、重鎖アミノ酸配列番号1または重鎖FABアミノ酸配列番号2の重鎖可変領域および軽鎖アミノ酸配列番号6の軽鎖可変領域を含む。一部の実施形態では、Synagis(登録商標)抗体は、アミノ酸配列TSGMSVG(配列番号3)を有する重鎖H1相補性決定領域(CDR)、アミノ酸配列DIWWDDKKDYNPSLKS(配列番号4)を有する重鎖H2 CDR、アミノ酸配列SMITNWYFDV(配列番号5)を有する重鎖H3 CDR;アミノ酸配列KCQLSVGYMH(配列番号7)を有する軽鎖L1 CDR、アミノ酸配列DTSKLAS(配列番号8)を有する軽鎖L2 CDR、およびアミノ酸配列FQGSGYPFT(配列番号9)を有する軽鎖L3 CDRを含む。Synagis(登録商標)抗体及びそのアミノ酸配列は、例えば、Synagis(登録商標)抗体及びそのアミノ酸配列の説明のために参照によりそれぞれ本明細書に組み入れられる、Johnson et al.,1997,J.Infec.Dis 76:1215−1224及び米国特許第5,824,307号明細書に開示されている。
一実施形態では、組換えタンパク質は、モタビズマブ(motavizumab)(MEDI−524)である。MEDI−524のVH及びVL配列は、米国特許第6,818,216号明細書の参照により組み入れられ、MEDI−524のこれらの配列は、米国特許第6,818,216号明細書の配列表に以下の配列位置で示されている:VH CDR1(配列番号10)、VH CDR2(配列番号19)、VH CDR3(配列番号20)、VL CDR1(配列番号39);VL CDR2(配列番号5);VL CDR3(配列番号6)。
一部の実施形態では、単離される抗体は、アダリムマブ(Humira(登録商標),Abbott Laboratories)、エクリズマブ(Soliris(登録商標),Alexion Pharmaceuticals)、リツキシマブ(Ritixan(登録商標),Roche/Biogen Idec/Chugai)、インフリキシマブ(Remicade(登録商標),Johnson & Johnson/Schering−Plough/Tanabe)、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標),Roche/Chugai)、ベバシズマブ(Avastin(登録商標),Chugai/Roche)、パリビズマブ(Synagis(登録商標),MedImmune/Abbott)、アレムツズマブ(Campath(登録商標),Genzyme)、およびモタビズマブ(Numax(登録商標),MedImmune)から選択される、異なる市販の抗体である。
一部の実施形態では、Synagis(登録商標)以外の抗体を、本方法を使用して製造する。抗体はまた、キメラ、一本鎖、およびヒト化の抗体を含むことができる。抗体の例としては、ナタリズマブ(ヒト化抗a4インテグリンモノクローナル抗体)、ヒト化抗アルファVベータ6モノクローナル抗体、ヒト化抗VLA1 IgG1カッパモノクローナル抗体;huB3F6(ヒト化IgG1/カッパモノクローナル抗体)などの商業用抗体を挙げることができる。一部の実施形態では、抗体は、CD−3、CD−4、CD−8、CD−19、CD−20、CD−34、CD−52、HER−4、HER−3、HER−2、TNF、および/またはVLA−4に対する組換えモノクローナル抗体である。一部の実施形態では、抗体は、RSVのFタンパク質のA抗原部位にあるエピトープに対する組換えモノクローナル抗体である。
本発明の方法により製造される抗体は、鳥類および哺乳動物を含む、いかなる動物に由来するものでもよい。一部の実施形態では、本方法により精製される抗体は、ヒト、ネズミ科(例えば、マウスおよびラット)、ロバ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、またはニワトリであり得る。本明細書で使用される場合、「ヒト」抗体は、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体を含み、またヒト免疫グロブリンライブラリーからまたは1つまたは複数のヒト免疫グロブリンに対するトランスジェニック動物であって、内因性免疫グロブリンを発現しない動物から単離される抗体を含む。例えば、Kucherlapati et al.による米国特許第5,939,598号明細書を参照されたい。
抗体としては、例えば、天然抗体、インタクトなモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つのインタクトな抗体から形成される多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、抗体フラグメント(例えば、1つまたは複数の抗原に結合しかつ/または認識する抗体フラグメント)、ヒト化抗体、ヒト抗体(Jakobovits et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:2551(1993);Jakobovits et al.,Nature 362:255−258(1993);Bruggermann et al.,Year in Immunol.7:33(1993);米国特許第5,591,669号明細書および同第5,545,807号明細書)、抗体ファージライブラリーから単離される抗体および抗体フラグメント(McCafferty et al.,Nature 348:552−554(1990);Clackson et al.,Nature 352:624−628(1991);Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581−597(1991);Marks et al.,Bio/Technology 10:779−783(1992);Waterhouse et al.,Nucl.Acids Res.21:2265−2266(1993))を挙げることができる。抗体は、異種ポリペプチドにNまたはC末端で組換えにより融合しても、ポリペプチドまたは他の組成物に化学的に結合(共有結合または非共有結合を含む)させてもよい。例えば、抗体は、検出アッセイに標識として有用な分子、および異種ポリペプチド、薬物、または毒素などのエフェクター分子に組換えで融合または結合させることができる。例えば、PCT刊行物国際公開第92/08495号パンフレット;国際公開第91/14438号パンフレット;国際公開第89/12624号パンフレット;米国特許第5,314,995号明細書;および欧州特許第396,387号明細書を参照されたい。
別の実施形態では、組換えタンパク質を含む組成物中の組換えタンパク質のタンパク質濃度は、約0.1mg/mL〜約1000mg/mL、約10mg/mL〜約500mg/mL、約50mg/mL〜約250mg/mL、約75mg/mL〜約150mg/mLである。一実施形態では、組換えタンパク質濃度は、約100mg/mLである。別の実施形態では、組換えタンパク質濃度は、約10mg/mL、約50mg/mL、約75mg/mL、約100mg/mL、約125mg/mL、約150mg/mL、約250mg/mL、約500mg/mL、約1000mg/mLである。
IV.生産プロセスへの組み入れ
本脱気方法は、組換えタンパク質を含む組成物の多数の異なる生産プロセスに組み入れることができる。特定の生産プロセスは、本明細書に概略が説明されるが、本脱気方法は、本明細書に概略が説明される利点を達成するために他の製造プロセスに含めることができる。一実施形態では、脱気方法が使用されない場合、充填ラインの気泡が存在し、かつ/又は脱気方法が使用されない場合、リングが、バイアル又は他の容器に存在する。
一実施形態では、少なくとも1つの界面活性剤が、組成物中に存在する。一実施形態では、生産プロセスは、組成物に界面活性剤を添加しない。一実施形態では、組成物中に界面活性剤が存在しない。
一実施形態では、生産プロセスは、国際公開第2014071344A2号パンフレットに概略が説明されており、このパンフレットは、ベンゾナーゼの非存在下でSynagis(登録商標)を分離する方法のために参照によりその全開示内容が本明細書に組み入れられる。
一実施形態では、生産プロセスは、Synagis(登録商標)を含む組成物からSynagis(登録商標)を分離する方法を含み、この方法は:
a.この組成物に対してイオン交換クロマトグラフィープロセスを行うステップ;
b.この組成物に対して親和性精製プロセスを行うステップ;及び
c.この組成物に対して濾過プロセスを行うステップ;
d.バイアルを組成物で充填する前に組成物を脱気するステップであって、Synagis(登録商標)を含む最終生産物が(a)、(b)、(c)、及び(d)から得られ、この最終生産物が、ヒトに投与するのに適切であり、かつ0.5pg/mg以下のDNA濃度を有する、ステップを含み、かつベンゾナーゼを組成物に添加するステップを含まない。
別の実施形態では、生産プロセスは、Synagis(登録商標)を含む組成物からSynagis(登録商標)を分離する方法を含み、この方法は:
a.この組成物に対して陽イオン交換クロマトグラフィープロセスを行ってSynagis(登録商標)を含む第1の生産物を得るステップ;
b.緩衝液を第1の生産物に添加して緩衝生産物を得るステップ;
c.緩衝生産物に対して親和性精製プロセスを行ってSynagis(登録商標)を含む第2の生産物を得るステップ;
d.第2の生産物に対して濾過プロセスを行ってSynagis(登録商標)を含む第3の生産物を得るステップ;
e.第3の生産物に対してウイルス不活化プロセスを行うステップ;及び
f.第3の生産物を調製してSynagis(登録商標)を含む最終生産物を得るステップであって、この最終生産物が、ヒトに投与するのに適切であり、かつ0.5pg/mg以下のDNA濃度を有する、ステップ;及び
g.バイアルを組成物で充填する前に組成物を脱気するステップを含み、かつベンゾナーゼを組成物に添加するステップを含まない。
別の態様では、生産プロセスは、Synagis(登録商標)を含む組成物からSynagis(登録商標)を分離する方法を含み、この方法は、(a)〜(e)の少なくとも3つを含み、かつ(f)をさらに含み:
a.この組成物に対して陽イオン交換クロマトグラフィープロセスを行うステップ;
b.この組成物に対して親和性精製プロセスを行うステップ;
c.この組成物に対して限外濾過プロセスを行うステップ;
d.この組成物に対してウイルス不活化プロセスを行うステップ;及び
e.この組成物に対して陰イオン交換クロマトグラフィープロセスを行うステップ;
f.バイアルを組成物で充填する前に組成物を脱気するステップであって、(i)〜(v)及び(vi)の少なくとも3つから得られる生産物が、Synagis(登録商標)を含み、ヒトに投与するのに適切であり、かつ0.5pg/mg以下のDNA濃度を有する、ステップ;この方法は、ベンゾナーゼを組成物に添加するステップを含まない。
抗体を単離する方法としては、当技術分野で公知の種々の手段、例えば、少数の例を挙げると、遠心分離、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、濾過、および上記のものの組合せを挙げることができる。精製方法は、組成物中に抗体と共存する1つまたは複数の不純物から抗体を識別する抗体の特性に基づいて、一般に選択される。
本明細書に記載の方法は、組成物中の1つまたは複数の不純物から、抗体、例えばSynagisを単離するために、イオン交換クロマトグラフィー工程を利用することができる。イオン交換クロマトグラフィーは、陽イオン交換クロマトグラフィーおよび陰イオン交換クロマトグラフィーの両方を指す。本明細書の目的に対しては、「陽イオン交換クロマトグラフィー」とは、抗体および1つまたは複数の不純物を含む組成物を、陽イオン交換マトリックスを使用して、電荷差に基づいて分離することができる任意の方法を指す。陽イオン交換マトリックスは、一般に、共有結合した負電荷基を含む。弱または強陽イオン交換樹脂を使用することができる。通常、強陽イオン交換樹脂は、pHに応じて、スルホン酸基またはスルホネート基を含む支持有機基を含む。弱陽イオン交換樹脂は、通常、pHに応じて、カルボン酸基またはカルボキシレート基を含む支持有機基を含む。特定の実施形態では、多様式陽イオン交換樹脂を使用することができ、これには、イオン相互作用に加えてさらなる結合機序、例えば水素結合相互作用および疎水的相互作用の1つまたは複数も組み込まれている。適切な陽イオン交換樹脂の例は、当分野で周知であり、限定されるものではないが、Fractogel(登録商標)、カルボキシメチル(CM)、スルホエチル(SE)、スルホプロピル(SP)、リン酸塩(P)、及びスルホン酸塩(S)、PROPAC WCX−10(商標)(Dionex)、Capto(商標)S、S−セファロースFF、Fractogel(登録商標)EMD SOM、Toyopearl(登録商標)Megacap(登録商標)II SP 550C、Poros(登録商標)50 HS、及びSP−セファロースマトリックスを挙げることができる。一部の実施形態では、陽イオン樹脂は、Capto(商標)S、S−セファロースFF、Fractogel(登録商標)EMD SOM、Toyopearl(登録商標)Megacap(登録商標)II SP 550C、Poros(登録商標)50 HSから選択される。一部の実施形態では、組成物について、2つ以上の陽イオン交換クロマトグラフィー工程を使用することができる。一部の実施形態では、陽イオン交換クロマトグラフィー工程を、抗体についての結合モードで使用する、すなわち、目的の抗体は陽イオン交換マトリックスに吸着するが、1つまたは複数の不純物は吸着しないように使用し、それによって不純物から抗体を単離する。一部の実施形態では、吸着した抗体を陽イオン交換マトリックスから取り出す前に、余分な不純物を除去するために、陽イオン交換マトリックスを緩衝液で1回または複数回洗浄する。結合モードで陽イオン交換クロマトグラフィーを使用して、1つまたは複数の不純物を組成物から除去した後、陽イオン交換マトリックスから吸着した抗体を溶出させることができる。陽イオン交換から抗体を溶出させる方法は、マトリックスに依存しており、当業者に公知である。
あるいは、一部の実施形態では、陽イオン交換工程は、フロースルーモードで使用することができる、すなわち、目的の抗体は陽イオン交換マトリックスに吸着しないが、1つまたは複数の不純物はそのマトリックスに吸着するように使用し、それによって不純物から抗体を単離する。フロースルーモードでは、1つまたは複数の不純物は、陽イオン交換マトリックスに吸着し(またはそれによって遅れ)、抗体はマトリックスを通過してフロースルー溶液に入る。
一部の実施形態では、イオン交換クロマトグラフィー工程は、陰イオン交換クロマトグラフィー工程である。本明細書の目的に対しては、「陰イオン交換クロマトグラフィー」とは、抗体および1つまたは複数の不純物を含む組成物を、陰イオン交換マトリックスを使用して、電荷差に基づいて分離することができる、任意の方法を指す。陰イオン交換マトリックスは、一般に、共有結合した正電荷基を含む。強または弱陰イオン交換マトリックスを使用することができる。強陰イオン交換マトリックスの例としては、例えば、四級アンモニウムイオンを有するものが挙げられる。弱陰イオン交換マトリックスの例としては、例えば、DEAE(ジエチルアミノエチル)など、三級または二級アミン官能基を有するものが挙げられる。特定の実施形態では、多様式陰イオン交換マトリックスを使用することができ、これには、イオン相互作用に加えてさらなる結合機序、例えば水素結合相互作用および疎水的相互作用の1つまたは複数が組み込まれている。適切な陰イオン交換マトリックスの例は、当技術分野で公知であり、以下に限定されるものではないが、Super Q、Sartobind(登録商標) Q、Natrix(登録商標) Q、Chromasorb(商標) Q、およびMustang(登録商標) Qを挙げることができる。一部の実施形態では、陰イオン交換マトリックスはSuper Qである。一部の実施形態では、組成物について2つ以上の陰イオン交換工程を使用することができる。
一部の実施形態では、陰イオンイオン交換クロマトグラフィー工程を、抗体についての結合モードで使用する、すなわち、目的の抗体は陰イオン交換マトリックスに吸着するが、1つまたは複数の不純物は結合しないように使用し、それによって不純物から抗体を単離する。一部の実施形態では、吸着した抗体を陰イオン交換マトリックスから取り出す前に、余分な不純物を除去するために、陰イオン交換マトリックスを緩衝液で1回または複数回洗浄する。結合モードで陰イオンイオン交換クロマトグラフィーを使用して、1つまたは複数の不純物を組成物から除去した後、陰イオン交換マトリックスから吸着した抗体を取り出すことができる。
一部の実施形態では、陰イオン交換工程を、フロースルーモードで使用する、すなわち、目的の抗体は陰イオン交換マトリックスに有意に吸着しないが、1つまたは複数の不純物はそのマトリックスに吸着する(または遅れる)ように使用し、それによって不純物から抗体を単離する。フロースルーモードで陰イオンイオン交換クロマトグラフィーを使用して、1つまたは複数の不純物を組成物から除去した後、陰イオン交換マトリックスのフロースルーから吸着した抗体を得ることができる。
一部の実施形態では、本方法は、2つ以上のイオン交換工程、例えば第2のイオン交換工程を含むことができる。一部の実施形態では、第1のイオン交換工程は陽イオン交換工程であり、第2のイオン交換工程は陰イオン交換工程である。一部の実施形態では、3つのイオン交換クロマトグラフィー工程を使用する。
本明細書に記載の方法は、組成物中の1つまたは複数の不純物から抗体を単離するために、アフィニティ精製工程を利用することができる。本明細書で使用される場合、「アフィニティ精製工程」または「アフィニティークロマトグラフィー」は、抗体に対するアフィニティリガンドへの抗体の特異的結合特性によって抗体が精製される分離法を指す。一部の実施形態では、抗体を含む組成物がリガンドおよび固体支持体の上を通過するとき、そのリガンドに特異的結合アフィニティを有する抗体は、リガンドに吸着し、組成物の1つまたは複数の他の成分は吸着しないかまたは低アフィニティで結合し、抗体から分離することができるように、機能的なアフィニティリガンドを固体または半固体支持体に固定することができる。一部の実施形態では、吸着した抗体をリガンドおよび支持体から取り出す前に、余分な不純物を除去するために、リガンドを含む固体支持体を緩衝液で1回または複数回洗浄する。1つまたは複数の不純物を除去した後、吸着した抗体を、リガンドおよび支持体から取り出すことができ、元の組成物から抗体が単離される。
リガンドおよび支持体から抗体を取り出す方法は、リガンドに依存し、当業者に公知であり、例えば、環境(例えばpH)の変化、カオトロピック剤または変性剤の添加、または市販の溶出緩衝剤の添加を挙げることができる。一部の実施形態では、抗体を含む組成物について、2つ以上のアフィニティ精製工程を使用することができる。
種々のアフィニティ精製工程は、当技術分野で公知であり、以下に限定されるものではないが、リガンドとしてプロテインA、プロテインG、またはそれらの組合せを使用することが挙げられる。リガンドは、種々の支持体、例えば樹脂上に固定することができる。一部の実施形態では、アフィニティ精製工程は、プロテインA精製工程を含み、例えば、この工程では、抗体はプロテインAに吸着し、プロテインAは固定化支持体、例えば樹脂に結合している。種々のプロテインAアフィニティシステムが市販されており、MabSelect(商標)、MabSelect(商標)、SuRe(商標)、MabSelect Xtra(商標)、セファロース CL−4B、ProSep(登録商標) vA、ProSep(登録商標) vA Ultra、Ceramic HyperD(登録商標) およびPoros(登録商標)MabSelect(商標)が挙げられる。一部の実施形態では、アフィニティ精製工程は、プロテインG精製工程を含み、例えば、この工程では、抗体はプロテインGに吸着し、プロテインGは固定化支持体、例えば樹脂に結合している。既製の樹脂および精製キットが、当業者に公知である。
一部の実施形態では、リガンドは、固定化支持体に結合した抗原、例えばペプチドまたはハプテンであり、抗体はその抗原に選択的に吸着する。各種化学を介して固定された抗原を調製するための活性化樹脂および完成キットが、当業者に公知である。
一部の実施形態では、他のリガンドを使用することができ、それらは当技術分野で公知である。例えば、参考テキスト、Affinity Separations:A Practical Approach(Practical Approach Series),Paul Matejtschuk(Editor),Irl Pr(1997);およびAffinity Chromatography,Herbert Schott,Marcel Dekker,New York(1997)を参照されたい。例えば、アフィニティリガンドとして、抗体および抗体フラグメント、天然リガンドまたはリガンドアナログ(例えば、特定の受容体に対する)、および天然結合パートナーまたはそのアナログ(例えば、多サブユニット複合体に対する)を挙げることができる。
一部の実施形態では、組成物は、複数サイクルのアフィニティ精製工程に供される。
本方法では、組成物中の1つまたは複数の不純物から抗体を単離するために、濾過工程を利用し得る。「濾過工程」および「濾過」という用語は、特定の孔径を有する、1つまたは複数の半透性フィルター(または膜もしくは媒体)を通過させることによって、組成物から懸濁した粒子を移動させる工程を指し、この工程では、大きな分子(一般に、10〜10Da超)はフィルター上に保持されるが、低分子量分子はフィルターを通過する。
一部の実施形態では、濾過後、抗体は、実質上、通過した流れの中にあるが(すなわち、フィルター孔を通過して回収される)、不純物(例えば、細胞デブリ、DNA、および/または宿主細胞タンパク質)は、実質上、残留した流れの中にある。一部の実施形態では、濾過後、抗体は、実質上、残留した流れの中にあるが、不純物は、実質上、通過した流れの中にある。濾過に言及する場合の「通過した流れ」という用語は、濾過中にフィルター孔を通過する組成物の分画を指す。濾過に言及する場合の「残留した流れ」という用語は、濾過中にフィルター上に留まるかフィルター孔を通過しない、組成物の分画を指す。
適切なタイプの濾過装置は、当業者に公知であり、種々の要因、例えば、濾過される抗体の分子量、濾過される組成物の成分の量およびサイズ、濾過される組成物の容量、ならびに濾過される組成物の細胞密度および生存率に基づいて選択することができる。一部の実施形態では、膜限外濾過器、プレート限外濾過器、カートリッジ限外濾過器、バッグ限外濾過器、真空限外濾過器などのフィルターを使用することができる。使用することができる市販の限外濾過器は、Millipore Corporation(Billerica,Mass.)、Pall Corporation(East Hills,N.Y.)、GE Healthcare Sciences(Piscataway,N.J.)、およびSartorius Corporation(Goettingen,Germany)などの種々のベンダーにより製造されている。
別の様式では、限外濾過プロセスは、組換えタンパク質を組成物中に維持して、限外濾過装置に溶質を流して組換えタンパク質を濃縮するプロセスを含む。
一部の実施形態では、本方法はウイルス不活性化工程をさらに含む。本明細書で使用される場合、「ウイルス不活性化工程」は、(1)ウイルスの不活性化、(2)ウイルスの物理的除去、または(3)それらの組合せを指す。ウイルスの不活性化を指す場合、ウイルスは最終生成物中に残存している可能性があるが、非感染形態である。一部の実施形態では、ウイルス不活性化工程は、例えば、ウイルスを不活性化(例えば、変性)するのに十分低いpHで、組成物をインキュベートすることを含む。一部の実施形態では、ウイルス不活性化工程は、組成物のpHを、約5.0以下、約4.5以下、約4.0以下、または約3.5以下のpHに調整することを含む。一部の実施形態では、組成物のpHを、約1.0〜約5.0、約1.5〜約4.5、約2.0〜約4.0、または約2.5〜約3.5のpHに調整する。一部の実施形態では、ウイルス不活性化工程は、約4.0未満、約2.8〜約3.2、または約3.0のpHで組成物をインキュベートすることを含む。一部の実施形態では、ウイルス不活性化工程は、4.0未満のpHで、抗体を含む組成物をインキュベートすることを含む。
組成物のpHは、ウイルス不活性化が起こるのに十分な種々の長さの時間、例えば、約1分間〜約2時間、または約10分間〜約90分間、約20分間〜約80分間、約25分間〜約35分間、または約30分間、低下させることができる。pHを変える方法は、当業者に公知である。
一部の実施形態では、ウイルス不活性化工程は、溶媒もしくは界面活性剤、照射、および/またはウイルスを不活性化するのに十分な高温への短時間曝露による処理を含むことができる。これらの手段によるウイルス不活性化の方法は、当業者に公知であり、当業者は、抗体単離中に使用できる適切な処理を選択することができる。
一部の実施形態では、ウイルス不活性化工程は、ナノ濾過により組成物からウイルスを物理的に除去することを含むことができる。「ナノ濾過」という用語は、組成物中の抗体を1つまたは複数のウイルスから分離するように、マトリックス、例えば、フィルター、膜等に組成物を物理的に通過させることを指す。一部の実施形態では、ナノ濾過は、75nm、50nm、40nm、35nm、30nm、25nm、20nm、または15nm未満の孔径を有するマトリックスに組成物を通過させることを含む。種々のナノフィルターは、市販されており、当技術分野で公知である。
一部の実施形態では、2つの別個のウイルス不活性化工程、例えば、(1)4.0未満のpHで組成物をインキュベートすることを含むウイルス不活性化工程、および(2)ナノ濾過工程に組成物を供することを含むウイルス不活性化工程、を利用する。一部の実施形態では、3つ以上の別個のウイルス除去工程を利用する。
様々な緩衝系を、分離プロセス中に使用することができる。一部の実施形態では、緩衝液は、MES緩衝液、Tris緩衝液、リン酸ナトリウム緩衝液、フタル酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、及びこれらの組み合わせから選択される。一部の実施形態では、緩衝液は、Tris緩衝液であり、任意選択によりTris/マグネシウム緩衝液である。
実施例1.65Lのタンクでの脱気実験
脱気に対する真空、量、及び時間の影響を決定するために試験を行った。65Lのタンクを用いて、原薬を濾過して清浄なタンクに入れ、20psigに加圧し、2〜8℃で1週間保存して溶存酸素を増加させた。脱気のために、真空を適用して目標の真空を達成し、弁を閉じ、指定の期間脱気した。
タンクの出口をピストンポンプの入口に直接取り付けた。透明な配管ラインを、ポンプの出口から、バイアルの充填をシミュレーションするために容器を満たすことができるノズルまで延ばした。このラインは、逆U字型に構成されていた。配管ラインは、このライン中に気泡が存在しないようにするために充填の開始時にパージした。充填を開始し、ループ内及びポンプ出口での気泡の形成を監視した。最初の気泡形成時にディスペンスされた原薬の時間及び量も記録した。
実施例2.65Lのタンク内での40Lの溶液の脱気に対する真空の影響
実施例1のプロトコルに続いて、1mg/mlのMEDI−524を含む組成物の脱気に対する真空の影響を評価した。脱気圧力は、99mbar、268mbar、及び505mbarと異なるようにした。脱気の時間は、以下の表に示されているように1〜4日間とした。
Figure 0006672293
505mbarで脱気した組成物中に気泡を観察した。これは、溶液を脱気するために真空と時間の組み合わせを利用することができ、たとえ時間が長くても、弱い真空では、脱気が効率的でない場合もあることを示している。
実施例3.2日間に亘る65Lのタンク内での40Lの溶液の脱気に対する真空の影響
実施例1のプロトコルに続いて、1mg/mlのMEDI−524を含む組成物の脱気に対する真空の影響を評価した。脱気圧力は、99mbar及び268mbarと異なるようにした。脱気は、以下の表に示されているように2日間としたが、サンプルにより正確な時間が僅かに異なる。
Figure 0006672293
99mbarで脱気された組成物中には気泡が観察されなかったが、268mbarで脱気された組成物中にはかなりの気泡が見られた。図1A及び図1Bは充填ラインを示し、図1Aは、268mbarで脱気された組成物の充填プロセスの開始時の充填ラインの写真を示し、図1Bは、268mbarで脱気された組成物の充填プロセス(8.4kgの充填)の終了時の充填ラインの写真を示している。ピストンポンプの下流の充填ライン中の気泡は、商業生産及びバイアル充填プロセスにおいて充填重量のばらつきをもたらすことがあり、充填を中断してラインをパージする必要があり得る。これは、製品の著しいロスをもたらし得る。
実施例4.脱気に対する量の影響
実施例1のプロトコルに続いて、1mg/mlのMEDI−524を含む組成物の脱気に対する量の影響も評価した。脱気圧力は、99mbar及び268mbarと異なるようにした。脱気の時間は、72時間(268mbarの脱気圧力の場合)から46時間(99mbarの脱気圧力の場合)とした。
Figure 0006672293
60Lの溶液では、充填ラインの気泡を、99mbar及び268mbarのサンプルの両方で充填の開始時から観察した。ディスペンスされる量が増えると気泡も増えた。データは、量が、溶液を脱気する能力に影響を与え得ることを示している。
図2A及び図2Bは、約400mLの充填(図2A)及び約1400mLの充填(図2B)での充填ラインの気泡を示している。より多くの気泡が、268mbarで脱気された組成物の充填プロセスで後に視覚的に明らかになる。
実施例5.脱気に対する時間の影響
実施例1のプロトコルに続いて、1mg/mlのMEDI−524を含む組成物の脱気に対する時間の影響も、40Lの固定量の溶液及び99mbarの固定圧力で評価した。脱気の時間は、24時間及び46時間(約1日間又は2日間をシミュレーションする)と異なる条件にした。
Figure 0006672293
1日間脱気した組成物の充填ラインの写真が図3A及び図3Bに示され、図3Aは、約300mLの充填での充填ラインの写真を示し、図3Bは、約650mLの充填での充填ラインの写真を示している。より多くの気泡を、約650mLの充填部位で確認することができる。
実施例6.脱気に対するタンパク質濃度の影響
実施例1のプロトコルに続いて、組成物の脱気に対するタンパク質濃度の影響も、40Lの固定溶液量及び99mbarの固定圧力で2日(以下に示されるように実際の時間は僅かに異なる)の期間で評価した。1mg/mlの濃度(MEDI−524)と100mg/ml(Synagis(登録商標))の両方を評価した。気泡は、試験した条件のいずれでも観察されなかった。結果は、表6に示されている。
Figure 0006672293
これは、タンパク質濃度が、充填ラインにおける気泡形成に全く又は殆ど影響がないことを示している。
実施例7.気泡指数の適用による脱気の予測
気泡形成の発生を予測するために、以下のパラメーターを考慮して、気泡指数の式に適用した:
BI=(h×t×1000)/(h×P×V)、式中
溶液の量(V(mL))
脱気真空(P(mbar))
脱気時間(t(hr))
液体の高さ(h(cm))−タンクがシリンダーであるとして計算
空気の高さ/ヘッドスペース(h(cm))。
気泡指数を、様々な実験条件で計算し、脱気後に気泡が充填ライン中に存在するか否かの実際の経験的観察と比較した。結果は、表7に示されている。記載がない場合は、脱気は、65Lのタンクで行った。
Figure 0006672293
このデータに基づくと、少なくとも約5.9の気泡指数が、充填ラインに気泡を発生させない可能性が高い。
実施例8:Synagis(登録商標)リングの検査
Synagis(登録商標)バイアル、言い換えれば、例えば、50mg及び100mgのバイアルでリングを観察した。これは、指示矢印の左側のバイアルのガラスに実質的に水平に示されている白色リングとして図4に示されているように、ガラス壁の側面に固着した空気−液体界面に位置する非常にかすかな白色リングとして出現する。
検査では、以下の因子を決定した:
・溶存ガス及び気泡は、Synagis(登録商標)の原薬プロセスにつきものである;
・気泡が存在して界面活性剤が存在しないと、バイアルにリング形成が生じる;
・薬品充填最終プロセスは、リング形成に影響を与えず、タンクから手動で直接充填された原薬にリングが形成される;
・リングの存在は、製品の品質に影響を与えないが、視覚的に厄介な見かけ上の欠陥であり得る;
・トリプシン消化によるリングの分離は、リング中のタンパク質がSynagis(登録商標)であることを示す;
・リング形成は、小規模で再現可能である。
しかしながら、ライン中の気泡は、リング形成を示す分子よりも多くの分子に見えるため、気泡形成及びライン中の気泡の問題がリング形成に関連し得るとは予想していなかった。
驚くべきことに、脱気が、リング形成を防止することが示された。図5は、脱気原薬及び非脱気原薬から生産されたパイロット規模のバッチの目視検査の結果を示している。それぞれ約20LのパリビズマブDSを含む2つの65Lのステンレス鋼タンクを試験に使用した。1つのタンクを陽圧下で保存し(非脱気原薬)、第2のタンクを真空下で保存した(脱気原薬)。脱気及び非脱気DSの両方を、M&O Perryフィルターを用いてステンレス鋼の回転ピストンポンプで、3ccの透明なラインガラスバイアルに充填した。約387のバイアルに脱気DSを充填し、約389のバイアルに非脱気DSを充填した。全てのバイアルを、リングを検出するために黒色及び白色の背景で、充填の48時間後、7日後、及び2か月後に目視検査した。
実施例9.Synagis(登録商標)リングの組成
Synagis(登録商標)バイアルの壁に形成されるリングの組成を決定するために評価を行った。FTIRを使用して、フィルター表面に収集したリング分離物を確認した。上記のように調製したサンプルを、FTIR顕微鏡を用いて分析した。収集物は、IRシグネチャが、タンパク質(アミド−Iバンド;1600〜1700cm−1及びアミド−IIバンド;1510〜1580cm−1)及びポリジメチルシロキサン(1260cm−1)に一致することを示した。アミドIIバンドの第2の誘導体は、典型的には天然IgG分子で観察される天然βシート構造に一致する1638cm−1における主要なバンドを示した。これらの結果は、リングタンパク質が天然βシート構造から構成されていることを示唆している。熱又はせん断応力IgG1は、第2の誘導体の主ピークを1628cm−1にシフトさせ、これは、凝集(可溶性又は不溶性)と共に示される分子間相互作用を示唆している。FTIRは、リングがタンパク質及びシリコーン油を含むことを示している。
リングから分離されたタンパク質の二次構造を、アミド−Iピークの二次導関数分析によって評価した。リング分離物中のタンパク質は、FTIRによって決定されるように天然立体配座を有する。結果は、図6に示されている。
トリプシン消化を、リングのタンパク質に対して行った。バイアルを、慎重に製剤緩衝液で洗浄し、分離アリコートを使用して、ボルテックス及び強いピペッティングによってリングを分離した。次いで、収集物を、0.2μmのフィルターで濾過し、洗浄し、そして乾燥させた。フィルターを、37℃のグアニジン溶液でインキュベートし、そしてトリプシン消化の前にこの溶液を希釈し、アルキル化した。トリプシン消化物を、C18カラム監視UV(Abs 220nm)及び質量(質量分析法、MSによる)を用いて分離した。トリプシンペプチドを、質量(アミノ酸組成物に一致する)及びフラグメンテーションパターン(MS/MSを用いる)による参照基準に対して特定した。対照として緩衝液のみをフィルターに加えた。結果は、図7に示されている。トリプシン消化は、リング中のタンパク質がSynagis(登録商標)であることを示している。
実施例10.界面活性剤はリング形成を防止し得る
界面活性剤PS−80(0.02%)を含む又は含まない原薬を加圧して、溶存ガス及び気泡を増加させた。バイアルを、M&O Perryフィルターを用いてステンレス鋼回転ピストンポンプで充填した。約160mLのパリビズマブDSを、2つの250mLのPETG容器のそれぞれに濾過注入した。1つの容器を、0.02%ポリソルベート80(PS−80)でスパイクした。両方のPETG容器を、特注のステンレス鋼タンクに入れて、20psigの空気で加圧した。タンクを、オービタルシェーカーで約43時間、2〜8℃で保存して溶存ガス/気泡を増加させた。各PETG容器からM&O Perryフィルターを用いてB&S回転ピストンポンプで、約112の3ccのバイアルに充填した。バイアルを、それぞれ56のバイアルの2つのセットに分けて、リングを検出するために黒色及び白色の背景で、充填の2日後及び7日後に目視検査した。対照バイアルは全てリングを有していたが、PS−80スパイクバイアルは1つもリングを有していなかった。気泡は、対照及びPS−80スパイク原薬の両方の充填ラインで観察された。これは、PS−80が、タンパク質の空気−液体界面への吸着(気泡)を防止するという仮説を立証している。
実施例11.実施形態
以下の項目は、複数の潜在的な実施形態を表している。
項目1.組換えタンパク質を含む組成物を含むバイアルを製造する方法であって:
a.組換えタンパク質を含む組成物を含む容器を用意するステップであって、任意選択により、この容器が、陽圧下で保存されている、ステップ;
b.容器に真空を適用するステップ;
c.真空により組成物を脱気するステップ;及び
d.組換えタンパク質を含む脱気組成物でバイアルを充填するステップを含む、方法。
項目2.組換えタンパク質がSynagis(登録商標)である、項目1の方法。
項目3.Synagis(登録商標)を含む組成物からSynagis(登録商標)を分離する方法であって:
a.この組成物に対してイオン交換クロマトグラフィープロセスを行うステップ;
b.この組成物に対して親和性精製プロセスを行うステップ;及び
c.この組成物に対して限外濾過プロセスを行うステップ;
d.バイアルを組成物で充填する前に組成物を脱気するステップであって、Synagis(登録商標)を含む最終生産物が(a)、(b)、及び(c)から得られ、この最終生産物が、ヒトに投与するのに適切であり、かつ0.5pg/mg以下のDNA濃度を有する、ステップを含み、かつベンゾナーゼを組成物に添加するステップを含まない、方法。
項目4.Synagis(登録商標)を含む組成物からSynagis(登録商標)を分離する方法であって:
a.この組成物に対して陽イオン交換クロマトグラフィープロセスを行ってSynagis(登録商標)を含む第1の生産物を得るステップ;
b.緩衝液を第1の生産物に添加して緩衝生産物を得るステップ;
c.緩衝生産物に対して親和性精製プロセスを行ってSynagis(登録商標)を含む第2の生産物を得るステップ;
d.第2の生産物に対して濾過プロセスを行ってSynagis(登録商標)を含む第3の生産物を得るステップ;
e.第3の生産物に対してウイルス不活化プロセスを行うステップ;及び第3の生産物を調製してSynagis(登録商標)を含む最終生産物を得るステップであって、この最終生産物が、ヒトに投与するのに適切であり、かつ0.5pg/mg以下のDNA濃度を有する、ステップ;
f.バイアルを組成物で充填する前に組成物を脱気するステップを含み、かつベンゾナーゼを組成物に添加するステップを含まない、方法。
項目5.Synagis(登録商標)を含む組成物からSynagis(登録商標)を分離する方法であって、(a)〜(e)の少なくとも3つを含み、かつ(f)をさらに含み:
a.この組成物に対して陽イオン交換クロマトグラフィープロセスを行うステップ;
b.この組成物に対して親和性精製プロセスを行うステップ;
c.この組成物に対して限外濾過プロセスを行うステップ;
d.この組成物に対してウイルス不活化プロセスを行うステップ;及び
e.この組成物に対して陰イオン交換クロマトグラフィープロセスを行うステップ;
f.バイアルを組成物で充填する前に組成物を脱気するステップであって、(i)〜(v)の少なくとも3つから得られる生産物が、Synagis(登録商標)を含み、ヒトに投与するのに適切であり、かつ0.5pg/mg以下のDNA濃度を有し;この方法が、ベンゾナーゼを組成物に添加するステップを含まない、方法。
項目6.バイアルを組成物で充填する前に組成物を脱気するステップが、
a.組換えタンパク質を含む組成物を含む容器を用意するステップであって、任意選択により、この容器が、陽圧下で保存されている、ステップ;
b.組換えタンパク質を含む組成物を含む容器に真空を適用するステップ;
c.真空により組成物を脱気するステップ;及び
d.組換えタンパク質を含む脱気組成物でバイアルを充填するステップを含む、項目3〜5のいずれか1項目に記載の方法。
項目7.組成物が:
a.配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖及び配列番号6のアミノ酸配列を有する軽鎖;
b.配列番号1又は配列番号2の重鎖可変領域、及び配列番号6の軽鎖の軽鎖可変領域;又は
c.アミノ酸配列TSGMSVG(配列番号:3)を有するH1相補性決定領域(CDR)、アミノ酸配列DIWWDDKKDYNPSLKS(配列番号:4)を有するH2 CDR、アミノ酸配列SMITNWYFDV(配列番号5)を有するH3 CDR、アミノ酸配列KCQLSVGYMH(配列番号7)を有するL1 CDR、アミノ酸配列DTSKLAS(配列番号8)を有するL2 CDR、及びアミノ酸配列FQGSGYPFT(配列番号9)を有するL3 CDRを含む、項目1〜6のいずれか1項目に記載の方法。
項目8.組換えタンパク質を含む組成物を含む容器が陽圧下で保存されている、項目1〜7のいずれか1項目に記載の方法。
項目9.真空が、約12時間〜約5日間適用される、項目1〜8のいずれか1項目に記載の方法。
項目10.真空が、約1日間〜約4日間適用される、項目9に記載の方法。
項目11.真空が、約50〜約268mbarで適用される、項目1〜10のいずれか1項目に記載の方法。
項目12.適用される真空が、50mbarを超え、268mbar以下である、項目11に記載の方法。
項目13.真空が、約60〜約268mbarで適用される、項目11に記載の方法。
項目14.真空が、約99mbar又は約268mbarで適用される、項目11に記載の方法。
項目15.真空が、約20L〜約250L又は約40L〜約70Lの、組換えタンパク質を含む組成物の量に適用される、項目1〜14のいずれか1項目に記載の方法。
項目16.真空が、約40L、約65L、又は約125Lの組成物の量に適用される、項目15に記載の方法。
項目17.約50L以下の組成物が、約65Lのタンク内に存在する、項目15に記載の方法。
項目18.約76L以下の組成物が、約125Lのタンク内に存在する、項目15に記載の方法。
項目19.約45.1Lの組成物が、約65Lのタンク内に存在する、項目15に記載の方法。
項目20.約68.1Lの組成物が、約125Lのタンク内に存在する、項目15に記載の方法。
項目21.気泡指数が、少なくとも約5.9であり、かつ以下の式で計算される:
BI=(h×t×1000)/(h×PV)、式中
V=溶液の量(mL)
P=脱気真空(mbar)
t=脱気時間(hr)
=液体の高さ(cm)(タンクがシリンダーであるとして計算)、かつ
=空気の高さ/ヘッドスペース(cm)、項目1〜20のいずれか1項目に記載の方法。
項目22.組換えタンパク質を含む組成物が、界面活性剤を含まない、項目1〜21のいずれか1項目に記載の方法。
項目23.界面活性剤が、組換えタンパク質を含む組成物に添加されない、項目1〜22のいずれか1項目に記載の方法。
項目24.組成物が、少なくとも1つのバイアルに充填された場合に、バイアルの空気−液体−ガラスの界面にリングを形成しない、項目1〜23のいずれか1項目に記載の方法。
項目25.組成物が、少なくとも1つのバイアルに充填された場合に、バイアルの表面にリングを形成しない、項目24に記載の方法。
項目26.組成物が、脱気後に気泡を含まない、項目1〜25のいずれか1項目に記載の方法。
項目27.組成物が、脱気されてから少なくとも1つのバイアルに充填された場合に、バイアル充填ライン又は製造に使用される他の配管で気泡を含まない、項目26に記載の方法。
項目28.組換えタンパク質を含む組成物中の組換えタンパク質のタンパク質濃度が、約0.1mg/mL〜約1000mg/mLである、項目1〜27のいずれか1項目に記載の方法。
項目29.タンパク質濃度が、約100mg/mLである、項目28に記載の方法。
項目30.脱気するステップを省略すると、組成物中に気泡が蓄積される、項目1〜29のいずれか1項目に記載の方法。
項目31.脱気するステップを省略すると、充填ラインで組成物中に気泡が蓄積される、項目30に記載の方法。
項目32.脱気するステップを省略すると、組成物を含むバイアルの空気−液体−ガラスの界面に粒子が堆積する、項目1〜31のいずれか1項目に記載の方法。
項目33.粒子の堆積が、組換えタンパク質を含む堆積である、項目32に記載の方法。
項目34.粒子の堆積が、バイアルにリングを形成する項目32〜33のいずれか1項目に記載の方法。
等価物
前述の明細書は、当業者による実施形態の実施を可能にするのに十分であると見なされる。前述の説明及び実施例は、特定の実施形態を詳述し、かつ本発明者らによって企図される最良の方式を説明している。しかしながら、前述を以下に詳細に文章で表すことができたとしても、実施形態は、多数の方法で実施することができ、かつ添付の特許請求の範囲及びそのあらゆる等価物に従って解釈されるべきであることを理解されたい。
本明細書で使用される約という語は、明示されるか否かにかかわらず、例えば、整数、分数、及び百分率を含む数値に対して使用される。約という語は、一般に、当業者が、言及された値と等価(例えば、同じ機能又は結果を有する)と見なし得る数値の範囲(例えば、言及された範囲の+/−5〜10%)に対して使用される。場合によっては、約という語は、最も近いに有効数字に丸められる数値を含み得る。

Claims (14)

  1. 溶液中に組換えタンパク質を含む組成物を含むバイアルを製造する方法であって:
    a.組換えタンパク質を含む組成物を含む容器を用意するステップであって、任意選択により、前記容器が、陽圧下で保存されている、ステップ;
    b.前記容器に真空を適用するステップ;
    c.前記真空により前記組成物を脱気するステップであって、前記真空の程度及び前記真空の時間が、少なくとも5.9の気泡指数(BI)をもたらし、前記気泡指数(BI)は以下の式で計算される:
    BI=(h ×t×1000)/(h ×PV)
    式中、
    V=溶液の量(mL)
    P=脱気真空(mbar)
    t=脱気時間(hr)
    =液体の高さ(cm)(タンクがシリンダーであるとして計算)、かつ
    =空気の高さ/ヘッドスペース(cm)
    上記ステップ;及び
    d.組換えタンパク質を含む前記脱気組成物でバイアルを充填するステップ
    を含む、方法。
  2. 前記組換えタンパク質が、パリビズマブである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記組成物が:
    a.配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖及び配列番号6のアミノ酸配列を有する軽鎖;
    b.配列番号1又は配列番号2の重鎖可変領域、及び配列番号6の軽鎖の軽鎖可変領域;又は
    c.アミノ酸配列TSGMSVG(配列番号:3)を有するH1相補性決定領域(CDR)、アミノ酸配列DIWWDDKKDYNPSLKS(配列番号:4)を有するH2 CDR、アミノ酸配列SMITNWYFDV(配列番号5)を有するH3 CDR、アミノ酸配列KCQLSVGYMH(配列番号7)を有するL1 CDR、アミノ酸配列DTSKLAS(配列番号8)を有するL2 CDR、及びアミノ酸配列FQGSGYPFT(配列番号9)を有するL3 CDR
    を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 組換えタンパク質を含む組成物を含む前記容器が陽圧下で保存されている、請求項1に記載の方法。
  5. 真空が、約12時間〜約5日間、又は約1日間〜約4日間適用される、請求項1に記載の方法。
  6. 真空が、約50〜約268mbar又は約60〜約268mbarで適用される、請求項1に記載の方法。
  7. 適用される真空が、50mbarを超え、268mbar以下である、請求項1に記載の方法。
  8. 真空が、約20L〜約250L又は約40L〜約70Lの、組換えタンパク質を含む前記組成物の量に適用される、請求項1に記載の方法。
  9. 真空が、約40L、約65L、又は約125Lの組成物の量に適用される、請求項1に記載の方法。
  10. 約50L以下の組成物が、約65Lのタンク内に存在するか、又は約76L以下の組成物が、約125Lのタンク内に存在する、請求項1に記載の方法。
  11. 約45.1Lの組成物が、約65Lのタンク内に存在するか、又は約68.1Lの組成物が、約125Lのタンク内に存在する、請求項1に記載の方法。
  12. 組換えタンパク質を含む前記組成物が、界面活性剤を含まない、請求項1に記載の方法。
  13. 界面活性剤が、組換えタンパク質を含む組成物に添加されない、請求項1に記載の方法。
  14. 組換えタンパク質を含む前記組成物中の前記組換えタンパク質の濃度が、約0.1mg/mL〜約1000mg/mLであるか、又は組換えタンパク質を含む前記組成物中の前記組換えタンパク質の濃度が、約100mg/mLである、請求項1に記載の方法。
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