JP6671494B2 - 光学積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、コレステリック液晶層を備えた光学積層体に関する。
コレステリック液晶は特定の波長の特定の円偏光を選択的に反射し、その他の波長および円偏光を透過させる性質を有し、表示装置におけるカラーフィルタや輝度向上フィルム等に使用されている。
コレステリック液晶層は、液晶の螺旋構造の周期に対応した波長の光を選択的に反射するが、その選択反射波長はコレステリック液晶層の表面から入射する光の入射角度によって異なり、入射光の入射角度が大きいほど選択反射波長は短くなる。この現象をコレステリック液晶層における短波長シフトという。
この斜め入射光による短波長シフトの問題を解決するため、コレステリック液晶層の光入射面側にマイクロレンズフィルムを配置した積層構造体が特開2000−305074号公報に提案されている。特開2000−305074号公報には、マイクロレンズフィルム(レンチキュラーレンズ)により入射光軸を入射面で法線側にシフトさせることにより、反射光の短波長側へのシフトを低減する構成が開示されている。
特開2000−305074号公報の構成によれば、積層構造体に入射した入射光をレンズの作用により屈折させてコレステリック液晶層に入射させることにより、積層構造体に入射する際の入射角度よりもコレステリック液晶層に入射させる際の入射角度を小さくすることができるので、結果として短波長シフトを抑制することができる。しかしながら、屈折角を利用するこの構成の効果には限界があり、コレステリック液晶層を備えた光学積層体においては反射光の短波長側へのシフトの低減効果をさらに高めることが求められている。
本発明は、コレステリック液晶層における反射光の短波長シフトが抑制された光学積層体を提供することを目的とする。
本発明の光学積層体は、コレステリック液晶層と、コレステリック液晶層に積層されてなるレンチキュラーレンズとを備え、
コレステリック液晶層はレンチキュラーレンズのレンズの並び方向においてパターン状に配列されてなる、正面入射光に対する反射中心波長が異なる複数の領域を備え、
複数の領域のうち、最も短波の反射中心波長を有する領域が、正面入射光に対するレンチキュラーレンズの焦点位置に配置され、複数の領域のうち、より長波の反射中心波長を有する領域程、焦点位置から離間した位置に配置されている光学積層体である。
ここで、正面入射光とは、コレステリック液晶層表面の法線方向から入射する入射光であり、コレステリック液晶層における反射中心波長とは、正面入射光のうち選択的に反射される正面反射光(法線方向に反射される反射光)の中心波長をいう。
本発明の光学積層体は、コレステリック液晶層とレンチキュラーレンズとの積層方向において、最も短波の反射中心波長を有する領域がレンチキュラーレンズのレンズの中心と重なる位置に配置されており、最も長波の反射中心波長を有する領域がレンチキュラーレンズのレンズ同士の境界と重なる位置に配置されていることが好ましい。
また、本発明の光学積層体において、複数の領域はレンズの並び方向の幅が同一であることが好ましい。
本発明の光学積層体は、上記複数の領域が、反射中心波長が相対的に短波である短波長反射領域と、反射中心波長が相対的に長波である長波長反射領域との2つの領域からなり、長波長反射領域と短波長反射領域とがレンチキュラーレンズのレンズ並び方向に沿って、交互に配置されてなるものとすることができる。
ここで、相対的に短波である、相対的に長波であるとは、短波長反射領域と長波長反射領域との反射中心波長を比較した場合に短波長反射領域の反射中心波長が長波長反射領域の反射中心波長よりも短波である、長波長反射領域の反射中心波長が短波長反射領域の反射中心波長よりも長波であることを意味する。
なお、複数の領域が上記の2つの領域からなる場合は、短波長反射領域が上記最も短波の反射中心波長を有する領域に相当し、長波長反射領域が上記最も長波の反射中心波長を有する領域に相当し、コレステリック液晶層とレンチキュラーレンズとの積層方向において、短波長反射領域がレンチキュラーレンズのレンズの中心と重なる位置に配置されており、長波長反射領域がレンチキュラーレンズのレンズ同士の境界と重なる位置に配置されていることが好ましい。
なお、複数の領域が上記2つの領域からなる場合には、長波長反射領域の反射中心波長と、短波長反射領域の反射中心波長との差が10nm〜110nmであることが好ましい。
本発明の光学積層体は、レンチキュラーレンズのレンズピッチが0.2mm〜2mmであることが好ましい。
本発明の光学積層体は、コレステリック液晶層と、そのコレステリック液晶層に積層されてなるレンチキュラーレンズとを備え、コレステリック液晶層がレンチキュラーレンズのレンズの並び方向においてパターン状に配列されてなる、正面入射光に対する反射中心波長が異なる複数の領域を備え、複数の領域のうち、最も短波の反射中心波長を有する領域が、正面入射光に対するレンチキュラーレンズの焦点位置に配置され、複数の領域のうち、より長波の反射中心波長を有する領域程、上記焦点位置から離間した位置に配置されている。かかる構成により光学積層体に入射され、選択的に反射される反射光における短波長シフトを効果的に抑制することができる。
本発明の第1の実施形態の光学積層体の概略構成を示す斜視図である。 第1の実施形態の光学積層体の一部を示す拡大断面図である。 第1の実施形態の光学積層体の一部を示す拡大断面図であり、入射光の入射角度と反射領域との関係を説明するための図である。 第1の実施形態の光学積層体について、入射光の入射角度と反射領域との関係を説明するための断面模式図である。 本発明の第2の実施形態の光学積層体の概略構成を示す断面模式図である。
以下、本発明の光学積層体の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面においては、視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
<第1の実施形態の光学積層体>
図1は、本発明の第1の実施形態の光学積層体10の概略構成を示す斜視図であり、図2および図3は図1の光学積層体10のレンズの長さ方向に垂直に交わる断面の一部を示す拡大図である。
レンチキュラーレンズ14は平凸状のシリンドリカルレンズ15(以下において単にレンズ15ともいう。)が多数アレイ状に配列されてなるレンズシートである。
レンチキュラーレンズ14の好ましいレンズ形状に特に制限はないが、レンズ高さhが50μm〜100μm、ピッチpが0.2mm〜2mm、レンズ半径rが10μm〜1mm程度とすることが好ましい。レンチキュラーレンズ14のシート厚みtは10μm〜2mmが好ましい。従来3D画像表示用に用いられるものと比べてピッチが大きいレンチキュラーレンズを用いている。
図2に示すように、レンズ高さhとは、レンチキュラーレンズ14のシリンドリカルレンズ15の垂直断面の円弧の高さであり、その円弧を含む円の半径がレンズ半径rである。
図2に示すように、本実施形態の光学積層体10のコレステリック液晶層12は、パターン状に配列されてなる。すなわちレンチキュラーレンズ14のレンズ15の並び方向xに沿って、互いに異なる反射中心波長を有する2つの領域12A、12Bが交互に配置されてなる。領域12Aは、反射中心波長が相対的に短波である短波長反射領域(以下において、短波長反射領域12Aと称する。)であり、領域12Bは、反射中心波長が相対的に長波である長波長反射領域(以下において、長波長反射領域12Bと称する。)である。領域Aおよび領域Bはいずれもレンズ15の長さ方向yに沿って延びたストライプ状の領域である(図1参照)。
コレステリック液晶層12の膜厚は1μm〜10μmが好ましい。
本実施形態の光学積層体10においては、短波長反射領域12Aの幅と長波長反射領域12Bの幅は同一であり、レンズピッチpの半分の長さである。コレステリック液晶層12とレンチキュラーレンズ14との積層方向zにおいて、短波長反射領域12Aが、レンチキュラーレンズ14のレンズ15の中心と重なる位置に配置されており、長波長反射領域12Bが、レンチキュラーレンズ14の隣接レンズ15間の境界と重なる位置に配置されている。より具体的には、短波長反射領域12Aの幅方向の中心がレンズ15の中心と一致し、長波長反射領域12Bの幅方向の中心がレンズ15間の境界に一致するように、コレステリック液晶層12とレンチキュラーレンズ14が積層されている。
本構成の光学積層体10においては、図3に示すように、短波長反射領域12Aがレンチキュラーレンズ14の正面入射光Iに対する焦点位置に配置されており、長波長反射領域12Bは、その焦点位置から離れた、短波長反射領域12Aの両脇に配置されており、レンチキュラーレンズ14に所定の入射角度θで斜め入射する入射光Iθに対する焦点が長波長反射領域12Bに位置する。このときの所定の入射角度θは所望の視野角φに対して適宜設定すればよく、例えば視野角φに対して、φ/2≦θ≦φ/3の範囲で設定することが好ましい。
本例においては、焦点がコレステリック液晶層12のレンチキュラーレンズ14側の表面に位置するように構成されている。しかしながら、同一入射角度で入射した領域が同一の領域に入射すればよく、焦点はコレステリック液晶層12の内部に位置していても構わない。
図3に示すように光学積層体10に正面から光(正面入射光I)が入射したとき、その短波長反射領域12Aへの入射角度に応じた反射波長域の反射光rが選択的に反射される。また光学積層体10に入射角度θの光(斜め入射光Iθ)が入射したとき、その長波長反射領域12Bへの入射角度に応じた反射波長域の反射光rθが選択的に反射される。
正面入射光Iがレンズ15を介して短波長反射領域12Aに入射する際には、レンズ15の作用により図3に示すように0°でない入射角度で入射されるものもあるため、反射光rには短波長反射領域12Aの反射中心波長よりも短波側にシフトした光が含まれる。しかしこの場合の短波長シフトは通常の斜め入射光による短波長シフトと比較すると十分に小さい範囲に抑えることができる。
また、斜め入射光Iθがレンズ15を介して長波長反射領域12Bにある入射角度で入射する際の反射光rθは、その長波長反射領域12Bの正面入射光に対する反射中心波長よりも短波長シフトした反射中心波長を有する。このときの短波長シフトした反射中心波長が短波長反射領域12Aの正面入射光に対する反射中心波長とほぼ同等となるように長波長反射領域12Bを設定しておけば、光学積層体全体としての短波長シフトは、従来の一様なコレステリック液晶層における短波長シフトと比較して格段に小さいものとすることができる。
短波長反射領域12Aと長波長反射領域12Bの反射中心波長の差Δλは、所望の視野角に依存して決定される所定の斜め入射角度θの設定値に応じて適宜設定すればよい。例えば、θを45°とした場合、Δλは10nm〜110nm程度とすることが好ましく、40nm〜80nmがより好ましく、50nm〜70nmがさらに好ましい。
なお、図4に示すように、コレステリック液晶層12においてレンズ中心と短波長反射領域Aの中心、レンズ境界と長波長反射領域Bの中心が一致するように交互に配置されているので、入射角度の大きさがθであれば、方位が異なっていても、すなわちθ、−θに拘わらず、領域Bからの反射光が観察される。
上記実施形態においては、領域Aと領域Bの幅を同一と設定しているが、領域Aと領域Bの幅は異なっていても領域Aと領域Bの幅の和がレンズピッチpと一致しており、レンチキュラーレンズ14のレンズ15中心と領域A、レンズ15同士の境界と領域Bが一致していればよい。
また、上記実施形態においては、コレステリック液晶層が、短波長反射領域Aと長波長反射領域Bの2つからなるが、本発明の光学積層体においては、コレステリック液晶層がレンチキュラーレンズのレンズの並び方向においてパターン状に配列されてなる、正面入射光に対する反射中心波長が異なる3以上の領域を備えるものであってもよい。
<第2の実施形態の光学積層体>
図5は、本発明の第2の実施形態の光学積層体20の断面模式図である。
本実施形態の光学積層体20は、コレステリック液晶層22と、コレステリック液晶層22の光入射面側に配置されたレンチキュラーレンズ14とを有する。レンチキュラーレンズ14は第1の実施形態の光学積層体10のものと同様である。
一方、本光学積層体20のコレステリック液晶層22は、レンチキュラーレンズ14のレンズ15の並び方向xにおいてパターン状に配列されてなる、正面入射光に対する反射中心波長が異なる3つの領域12C〜12Eを備えている。第1から第3の領域12C〜12Eはいずれもレンズ15の長さ方向に沿って延びたストライプ状の領域である。第1の領域12Cの反射中心波長λcが最も短く、第3の領域12Eの反射中心波長λeが最も長く、第2の領域12Dの反射中心波長λdはλc、λeとλc<λd<λeの関係にある。隣り合う領域の反射中心波長の差λe−λdおよびλd−λeは、所望の視野角に応じて適宜設定すればよいが、例えば、10nm〜60nmとするなどである。
そして、第1〜第3の領域12C〜12Eのうち、最も短波の反射中心波長を有する領域12Cが、正面入射光に対するレンチキュラーレンズ14の焦点位置に配置され、第1〜第3の領域12C〜12Eのうち、より長波の反射中心波長を有する領域程、焦点位置から離間した位置に配置されている。このように、本発明においては、コレステリック液晶層が正面入射光に対する反射中心波長が異なる複数の領域を備える場合には、複数の領域のうち、最も短波の反射中心波長を有する領域が、正面入射光に対するレンチキュラーレンズの焦点位置に配置され、複数の領域のうち、より長波の反射中心波長を有する領域程、焦点位置から離間した位置に配置される。
本例においては、各領域12C〜12Eの幅は同一であり、各領域12C〜12Eの幅はレンズピッチの1/4の長さである。最も短波の中心波長を有する第1の領域12Cの幅方向中心がレンズ15の中心と一致し、3つの領域のうち最も長波の反射中心波長を有する第3の領域12Eの幅方向中心が隣接レンズ15間の境界と一致し、その第1の領域12Cと第3の領域12Eとの間に第2の領域12Dが位置するように、コレステリック液晶層22とレンチキュラーレンズ14が積層されている。
図5に示されるように、正面入射光は第1の領域12Cに入射し、入射角度αの斜め入射光は第2の領域12Dに入射し、入射角度αより大きい入射角度βの斜め入射光は第3の領域12Eに入射する。それぞれの領域12C〜12Eへの入射光の入射角度は、光学積層体20への入射角度に応じたものとなる。その原理は第1の実施形態で説明したものと同様である。第2の領域12D、第3の領域12Eにおいては、その正面入射光に対する反射中心波長よりも短波長側にシフトした反射中心波長が選択的に反射される。第2の領域12D、第3の領域12Eを、入射角度α、入射角度βで入射した光に対する短波長シフトした反射中心波長が、第1の領域12Cの正面入射光に対する反射中心波長と同等となるように調整しておくことにより、光学積層体全体としての短波長シフトを大幅に抑制することができる。
なお、2つの領域のパターン化コレステリック液晶層を備えた第1の実施形態の光学積層体10よりも、3つの領域のパターン化コレステリック液晶層を備えた第2の実施形態の光学積層体20の方が各領域に対する入射角度に応じた反射中心波長の調整を細かく行うことができるので短波長シフト抑制効果は高い。
以下、光学積層体10、20を構成する各層の材料について説明する。
[レンチキュラーレンズ]
レンチキュラーレンズ14を構成する樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート−スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。溶融押出しやすさを考慮すると、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート−スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂のような溶融粘度の低い樹脂を用いるのが好ましく、転写しやすさやシートの割れにくさ、パターンの耐久性などを考慮するとグリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いるのがより好ましい。
レンチキュラーレンズ14の形成方法は、例えば、特開2012−091501号公報の段落[0017]に記載の方法を採用することができるが、公知の他の方法を適宜用いることができる。
[コレステリック液晶層]
コレステリック液晶層は、棒状液晶化合物もしくは円盤状液晶化合物が螺旋状に配向したコレステリック相状態で固定されてなるコレステリック液晶相を固定してなる光反射層である。コレステリック液晶相は、棒状液晶化合物もしくは円盤状液晶化合物が螺旋状に配向した液晶相である。コレステリック液晶相は、正面入射する光のうち、特定の波長域および特定の偏光光を選択的に反射する性質を有する。このコレステリック液晶相における螺旋構造のピッチまたは屈折率を変えることにより反射中心波長を調整することができる。この螺旋構造のピッチはキラル剤の添加量を変えることによって容易に調整可能である。具体的には富士フイルム研究報告No.50(2005年)p.60−63に詳細な記載がある。また、コレステリック液晶相を固定するときの温度や照度と照射時間などの条件などで調整することもできる。
コレステリック液晶層に由来する反射偏光子は、選択反射波長域において右円偏光および左円偏光のいずれか一方の円偏光を選択的に反射し、他方の円偏光を透過させる。
コレステリック液晶層において異なる反射中心波長を有する複数の領域をパターン状に形成するには、硬化時の紫外線の露光量により反射中心波長を変化させることができるコレステリック液晶材料を用いればよい。そのようなコレステリック液晶材料を支持体上に一様に塗布し、所定の開口を有するマスクを利用して領域毎に紫外線露光量を変化させることにより、反射中心波長が異なる複数の領域を有するパターン状コレステリック液晶層を作製することができる。また、キラル剤の添加量が異なる重合性組成物を用意して、領域毎に塗布と硬化を繰り返してパターン状コレステリック液晶層を作製することもできる。
(重合性液晶組成物(コレステリック液晶材料))
コレステリック液晶層を形成するための重合性液晶組成物は、棒状液晶化合物もしくは円盤状液晶化合物および少なくともキラル剤を含有し、さらに、配向制御剤、重合開始剤および配向助剤などのその他の成分を含有していてもよい。
−棒状液晶化合物−
棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
棒状液晶化合物を重合によって配向を固定することがより好ましく、重合性棒状液晶化合物としては、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号公報、同5622648号公報、同5770107号公報、WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特願2001−64627号公報などに記載の化合物を用いることができる。さらに棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報や特開2007−279688号公報に記載のものも好ましく用いることができる。
−円盤状液晶化合物−
円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報や特開2010−244038号公報に記載のものを好ましく用いることができる。
以下に、円盤状液晶化合物の好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
−その他の成分−
コレステリック液晶層を形成するために用いられる組成物には、上記円盤状液晶化合物の他、キラル剤、配向制御剤、重合開始剤、および配向助剤などのその他の成分を含有していてもよい。いずれも公知の材料を利用することができる。
−−キラル剤−−
キラル剤の種類は、特に制限されない。キラル剤は液晶性であっても、非液晶性であってもよい。キラル剤は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)から選択することができる。キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含む。ただし、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物または面性不斉化合物を、キラル剤として用いることもできる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。
キラル剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
コレステリック液晶層を製造する際に、光照射によってコレステリック液晶相の螺旋ピッチの大きさを制御する場合、光に感応しコレステリック液晶相の螺旋ピッチを変化させ得るキラル剤(以後、感光性キラル剤とも称する)を用いることが好ましい。
感光性キラル剤とは、光を吸収することにより構造が変化し、コレステリック液晶相の螺旋ピッチを変化させ得る化合物である。このような化合物としては、光異性化反応、光二量化反応、および光分解反応の少なくとも1つを起こす化合物が好ましい。
光異性化反応を起こす化合物とは、光の作用で立体異性化または構造異性化を起こす化合物をいう。光異性化化合物としては、例えば、アゾベンゼン化合物、および、スピロピラン化合物などが挙げられる。
また、光二量化反応を起こす化合物とは、光の照射によって、二つの基の間に付加反応を起こして環化する化合物をいう。光二量化化合物としては、例えば、桂皮酸誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘導体、ベンゾフェノン誘導体などが挙げられる。
上記感光性キラル剤としては、以下の一般式(I)で表されるキラル剤が好ましく挙げられる。このキラル剤は、照射する光量によりコレステリック液晶相の螺旋ピッチ(捻れ力、螺旋の捻れ角)等の配向構造を変化させ得る。
一般式(I)中、Ar1とAr2は、アリール基または複素芳香環基を表す。
Ar1とAr2で表されるアリール基は、置換基を有していてもよく、総炭素数が6〜40が好ましく、6〜30がより好ましい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、シアノ基、または、複素環基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、または、アリールオキシカルボニル基がより好ましい。
このようなアリール基のうち、下記一般式(III)又は(IV)式で表されるアリール基が好ましい。
一般式(III)中のR1および一般式(IV)中のR2は、それぞれ独立に、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、または、シアノ基を表す。なかでも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、または、アシルオキシ基が好ましく、アルコキシ基、ヒドロキシル基、または、アシルオキシ基がより好ましい。
一般式(III)中のL1および一般式(IV)中のL2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、または、ヒドロキシル基を表し、炭素数1〜10のアルコキシ基、または、ヒドロキシル基が好ましい。
lは0、1〜4の整数を表し、0、1が好ましい。mは0、1〜6の整数を表し、0、1が好ましい。l、mが2以上のときは、L1とL2は互いに異なる基を表してもよい。
Ar1とAr2で表される複素芳香環基としては、置換基を有していてもよく、総炭素数4〜40が好ましく、4〜30がより好ましい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、または、シアノ基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、または、アシルオキシ基がより好ましい。このような複素芳香環基としては、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ベンゾフラニル基等が挙げられ、この中でも、ピリジル基、ピリミジニル基が好ましい。
−溶媒−
コレステリック液晶層を形成するための組成物の溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N、N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1、2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
(重合性液晶組成物の塗布および硬化)
重合性液晶組成物の塗布は、重合性液晶組成物を溶媒により溶液状態としたり、加熱による溶融液等の液状物としたりしたものを、ロールコーティング方式やグラビア印刷方式、スピンコート方式などの適宜な方式で展開する方法などにより行うことができる。さらにワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、等の種々の方法によって行うことができる。また、インクジェット装置を用いて、液晶組成物をノズルから吐出して、塗布膜を形成することもできる。
その後重合性液晶組成物の硬化により、液晶化合物の分子の、配向状態を維持して固定する。硬化は、液晶性分子に導入した重合性基の重合反応により実施することが好ましい。
重合性液晶組成物の塗布後であって、硬化のための重合反応前に、塗布膜は、公知の方法で乾燥してもよい。例えば放置によって乾燥してもよく、加熱によって乾燥してもよい。
重合性液晶組成物の塗布および乾燥の工程で、重合性液晶組成物中の液晶化合物分子が配向していればよい。
次に、光学積層体に備えられ得る、その他の層について説明する。
[支持体]
支持体としては、透明支持体が好ましく、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリル系樹脂フィルム、セルローストリアセテート等のセルロース系樹脂フィルム、およびシクロオレフィンポリマー系フィルム[例えば、商品名「アートン」、JSR社製、商品名「ゼオノア」、日本ゼオン社製]等を挙げることができる。支持体は、可撓性のフィルムに限らず、ガラス基板等の非可撓性の基板であってもよい。
なお、本発明の光学積層体は、製膜する際の支持体に支持されたまま使用されるものであってもよいし、製膜する際の支持体は仮支持体とし、他の支持体に転写され、仮支持体を剥離して用いられるものであってもよい。
[配向層]
コレステリック液晶層の製膜面に配向層が備えられていてもよい。配向層は有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成等の手段で設けることができる。さらには、電場の付与、磁場の付与、或いは光照射により配向機能が生じる配向層も知られている。配向層は、ポリマーの膜の表面を、ラビング処理することにより形成することが好ましい。配向層は、支持体と共に剥離してもよい。
支持体に用いられるポリマー種によっては、配向層を設けなくても、支持体を直接配向処理(例えば、ラビング処理)することで、配向層として機能させることもできる。そのような支持体の一例としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)を挙げることができる。
[接着層(粘着剤層)]
本明細書において、「接着」は「粘着」も含む概念で用いられる。
コレステリック液晶層とレンチキュラーレンズとを積層させる場合には接着層を介して積層されていてもよい。
接着層に用いられる粘着剤の例としては、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂をあげることができる。これらは単独もしくは2種以上混合して使用してもよい。特に、アクリル系樹脂は、耐水性、耐熱性、耐光性等の信頼性に優れ、接着力、透明性が良く、さらに、屈折率を液晶ディスプレイに適合するように調整し易い等から好ましい。
シート状光硬化型粘接着剤(東亞合成グループ研究年報 11 TREND 2011 第14号記載)を接着層に用いることもできる。粘着剤のように光学フィルム同士の貼合が簡便で、紫外線(UV)で架橋・硬化し、貯蔵弾性率、接着力および耐熱性が向上するものであり、本発明に適した接着法である。
光学積層体は、上記のようにレンチキュラーレンズと、パターン状コレステリック液晶層をそれぞれ作製したのち、貼合わせて作製することができる。
また、レンチキュラーレンズの平面側に、コレステリック液晶材料(重合性組成物)を塗布した後、レンチキュラーレンズのレンズ面側から紫外線を正面入射させ、照射量を調整することにより、その焦点領域に所定の反射中心波長の領域を形成し、紫外線をある入射角度でレンズ面側から入射させ、照射量を調整することにより、その焦点領域の反射中心波長を先に作製した領域よりも長波の反射中心波長の領域を形成し、パターン状コレステリック液晶層を作製することもできる。また、レンズ面側の面に正面または斜めから紫外線を照射した後、他方の面から全面に紫外線を照射すると、紫外線照射量の合計に領域ごとの違いが生じるため、この方法でパターン状コレステリック液晶層を作製することもできる。
以下、本発明の光学積層体の実施例および比較例について説明する。
レンチキュラーレンズ(レンチキュラーシート)を作製し、ガラス基板上に設けられた配向層上にコレステリック液晶層を形成し、両者を貼り合せることにより実施例および比較例の光学積層体を作製した。以下詳細について説明する。
[実施例1]
実施例1の光学積層体の作製方法について説明する。
「レンチキュラーレンズの作製」
(1)透明支持体として厚さ188μmの、二軸延伸したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(富士フイルム(株)製)を、鏡面ロール(φ350mm、表面温度15℃)とニップロールの間に10m/分で挿入し、PETフィルムと鏡面ロールの間に、下引き層としてグリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂PETG(SKケミカル社製)と接着性樹脂(アドマー、三井化学(株)製)を、温度280℃に設定したTダイ(吐出巾350mm)より、実測樹脂温度260〜280℃として共押出することで、供給して、PETフィルム上に、接着性樹脂層およびPETG層をこの順に備えた下引き層(厚み220μm)を形成した樹脂シートを巻き取った。
(2)PETフィルム上に下引き層を設置した樹脂シートを10m/分で巻き出して、レンチキュラーレンズ形状(半径150μm、レンズ高さ70μm、ピッチ254μm)を付けたエンボスロール(φ350mm、40℃)とニップロールの間に挿入して、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂PETG(SKケミカル社製)と接着性樹脂(アドマー、三井化学(株)製)を、温度280℃に設定したTダイ(吐出巾330mm)より、実測樹脂温度260〜280℃として共押出して、樹脂シートとエンボスロールの間に供給して積層し、レンチキュラーレンズを備えたレンチキュラーシート(厚み340μm)を得た。
上記手順で作製されたレンチキュラーシートは、PETフィルム上に、接着性樹脂層およびPETG層をこの順に備えた下引き層、接着性樹脂層および、PETG層をこの順に備えたレンチキュラーレンズ層、が積層されてなる構成である。
「パターン状コレステリック液晶層の形成」
紫外線光の強度で反射中心波長を変えることが出来るコレステリック液晶材料を用いて、相対的に短波長の反射中心波長を有する領域Aおよび相対的に長波長の反射中心波長を有する領域Bが交互に配置されてなるパターン状のコレステリック液晶層を作製した。
まず、コレステリック液晶層用の重合性液晶組成物(重合性液晶塗布液)を調製した。重合性液晶塗布液の成分は以下の通りとした。
(重合性液晶塗布液の成分)
棒状液晶化合物(M−1) 85質量部
棒状液晶化合物(M−2) 15質量部
棒状液晶化合物(M−3) 1質量部
キラル剤LC−756(BASF社製) 3.5質量部
キラル剤(A−1) 1.5質量部
空気界面配向剤(A−2) 0.01質量部
重合開始剤Irg819(BASF社製) 5質量部



支持体としてのPETフィルム(富士フイルム製、厚み75μm)の一方の表面にラビング処理(レーヨン布、圧力:0.1kgf(0.98N)、回転数:1000rpm、搬送速度:10m/min、回数:1往復)を施した。
次いで、上記で調製した重合性液晶塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜の厚みが4.0μmになるように、PETフィルムのラビング処理した表面上に室温にて塗布した。
得られた塗膜を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で1分間加熱して液晶化合物を配向させた。
次に、127μmのピッチ(ストライプ状開口の幅および開口間の幅が共に127μmである)のストライプ状マスク(ステンレス加工品)を用いて、領域Bに光が照射されるように調整し、フュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)の出力60%で365nmのバンドパスフィルターを用いて露光量が5mJ/cmとなるようにUV(紫外線)露光した。
続いて、上記露光処理が施された塗布膜に対して、フュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)の出力190%で5秒間、マスクを用いず塗布面全面に光が当たる様に40℃にて上記と同様にして365nmのバンドパスフィルターを用いてさらにUV露光してコレステリック液晶層を形成した。このコレステリック液晶層は、マスクのピッチに対応した幅のストライプ状の領域A、Bが交互に配置されたパターン状コレステリック液晶層である。このパターン状コレステリック液晶層の相対的に短波長の反射中心波長を有する領域A、相対的に長波長の反射中心波長を有する領域Bの反射中心波長はそれぞれ550nm、560nmであった。ここで、反射中心波長は、コレステリック液晶層の法線方向から入射する光(正面入射光)に対するものである。
上記のようにして作製したレンチキュラーシートとパターン状コレステリック液晶層とを積層貼合して実施例1の光学積層体を作製した。このとき、レンチキュラーシートのシリンドリカルレンズの長さ方向と、コレステリック液晶層のストライプパターンの長さ方向とを一致させ、シリンドリカルレンズの頂点位置と領域Aの幅方向中心位置とを一致させた。
具体的には、光学顕微鏡を見ながらシリンドリカルレンズの頂点位置と領域Aの幅方向中心位置の合わせを行い、粘着剤(SKダイン2057、綜研化学製)で貼合した。
[実施例2]
実施例1のパターン状コレステリック層の作製方法において、ストライプ状マスクを用いて、領域Bに光を照射する際の露光量を30mJ/cmとなるように調整した以外は、同様の方法で実施例2の光学積層体を作製した。実施例2のパターン状コレステリック層において、相対的に短波長の反射中心波長を有する領域A、相対的に長波長の反射中心波長を有する領域Bの反射中心波長はそれぞれ550nm、610nmであった。
[実施例3]
実施例1のパターン状コレステリック層の作製方法において、ストライプ状マスクを用いて、領域Bに光を照射する際の露光量を50mJ/cmとなるように調整した以外は、同様の方法で実施例3の光学積層体を作製した。実施例3のパターン状コレステリック層において、相対的に短波長の反射中心波長を有する領域A、相対的に長波長の反射中心波長を有する領域Bの反射中心波長はそれぞれ550nm、660nmであった。
[比較例1]
実施例1のパターン状コレステリック層の作製方法において、ストライプ状マスクを用いた領域Bへの光照射を行わず、塗布膜の全面に対してフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)の出力100%で5秒間、マスクを用いず塗布面全面に光が当たる様に40℃にてUV照射して一様なコレステリック液晶層を形成した以外は、同様の方法で比較例1の光学積層体を作製した。このときの、反射中心波長は550nmであった。
[実施例4]
実施例1のパターン状コレステリック層に代えて、第1の反射中心波長を有する第1の領域C、第2の反射中心波長を有する第2の領域Dおよび第3の反射中心波長を有する第3の領域Eが周期的に配置されてなるパターン状コレステリック液晶層を備えた光学積層体を実施例4として作製した。
作製手順は、実施例1の手順とほぼ同様であるが、ストライプ状マスクとして、ストライプ状開口幅が64μm、ストライプ状開口幅同士の間隔が190μmのものを用い、各領域C〜Eの反射中心波長がそれぞれ550nm、580nmおよび610nmとなるように、各領域C〜Eの露光量を調整してパターン状コレステリック液晶層を形成した。
また、レンチキュラーシートとパターン状コレステリック液晶層とを積層貼合する際には、レンチキュラーシートのシリンドリカルレンズの長さ方向と、コレステリック液晶層のストライプパターンの長さ方向とを一致させ、シリンドリカルレンズの頂点位置と領域Cの幅方向中心位置とを一致させた。
[評価]
入射角度0°の入射光に対する反射光の色度と入射角度45°の入射光に対する反射光の色度とを測定し、色度差(Δu'v')を算出して評価した。ハロゲンランプ光を、コリメータレンズを用いて平行光にした入射光を光学積層体にレンチキュラーレンズ側から照射し、入射角度0°の場合には反射角度0°の反射光の色度を、入射角度45°の場合には反射角度−45°の反射光の色度を、それぞれトプコン社のBM-5Aを用いて測定した。
入射光角0°と45°の反射光色度差(Δu'v')を以下の基準で評価した。
A: 0.08未満
B: 0.08以上、0.12未満
C: 0.12以上、0.15未満
D: 0.15以上
実用上、A〜Cは許容範囲であり、Dはシフト量が大きく許容できない範囲である。
表1に実施例1〜3および比較例1の構成および評価結果を纏めて示す。
表1に示すように、パターン化されていないコレステリック液晶層を備えた比較例1と比較してパターン状コレステリック液晶層を備えた実施例1〜3では色度差を小さく抑えることができ、短波長シフト抑制の本構成による効果が証明された。
なお、長波長反射領域と短波長反射領域との反射中心波長の差が10nm〜110nmの範囲であれば反射光における色度差を小さくできることが分かった。特に、実施例2のように波長差が60nm程度のとき、最も色度差が小さく、短波長シフト抑制効果が高かった。
表2に実施例4の構成および評価結果を示す。
実施例4のように、コレステリック液晶層を3つの領域のパターンで形成した場合にも、同様に良好な短波長シフト抑制効果を得ることができた。
また、実施例2と実施例4については、入射角度0°および23°の反射光の色度差(Δu’v’)についても評価を行い、実施例2は効果B、実施例4は効果Aであった。これは領域数の増加により、短波長シフト抑制効果が増すことを示していると考えられる。
10、20 光学積層体
12 コレステリック液晶層
12A〜12E 領域
14 レンチキュラーレンズ
15 シリンドリカルレンズ

Claims (6)

  1. コレステリック液晶層と、該コレステリック液晶層に積層されてなるレンチキュラーレンズとを備え、
    前記コレステリック液晶層は前記レンチキュラーレンズのレンズの並び方向においてパターン状に配列されてなる、正面入射光に対する反射中心波長が異なる複数の領域を備え、
    前記複数の領域のうち、最も短波の反射中心波長を有する領域が、前記正面入射光に対する前記レンチキュラーレンズの焦点位置に配置され、前記複数の領域のうち、より長波の反射中心波長を有する領域程、前記焦点位置から離間した位置に配置されている光学積層体。
  2. 前記コレステリック液晶層と前記レンチキュラーレンズとの積層方向において、前記最も短波の反射中心波長を有する領域が前記レンチキュラーレンズのレンズの中心と重なる位置に配置されており、前記複数の領域のうち最も長波の反射中心波長を有する領域が前記レンチキュラーレンズのレンズ同士の境界と重なる位置に配置されている請求項1記載の光学積層体。
  3. 前記複数の領域の前記レンズの並び方向の幅が同一である請求項1または2記載の光学積層体。
  4. 前記複数の領域が、前記反射中心波長が相対的に短波である短波長反射領域と、前記反射中心波長が相対的に長波である長波長反射領域との2つの領域からなり、前記長波長反射領域と前記短波長反射領域とが前記レンチキュラーレンズのレンズの並び方向に沿って、交互に配置されてなる請求項1から3いずれか1項記載の光学積層体。
  5. 前記長波長反射領域の前記反射中心波長と、前記短波長反射領域の前記反射中心波長との差が10nm〜110nmである請求項4記載の光学積層体。
  6. 前記レンチキュラーレンズのレンズピッチが0.2mm〜2mmである請求項1から5いずれか1項記載の光学積層体。
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