以下、実施の形態及について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る照明器具100について説明する。
[照明器具の全体構成]
まず、図1〜図3を参照しながら、実施の形態に係る照明器具100の全体構成について説明する。図1は、実施の形態に係る照明器具100の分解斜視図である。図2は、実施の形態に係る発光モジュール10の構成概要を示す平面図である。なお、図2では、発光モジュール10の基板11を貫通している孔については、他の要素と識別しやすいようにドットを付して示している。
図3は、実施の形態に係る基板11と器具本体106との構造上の関係を示す斜視図である。なお、図3では、当該構造上の関係を分かりやすくするために、基板11と器具本体106とを離し、かつ、基板11の裏面11bが見えるように基板11を傾けた状態で、基板11及び器具本体106が図示されている。
図1に示すように、本実施の形態の照明器具100は、例えば天井4に取り付けられるシーリングライトである。なお、図1における上方(Z軸のプラスの方向)が、天井4に対向する床面(図示せず)の方向に相当する。つまり、図1における照明器具100は、通常の使用時とは上下が逆の姿勢で図示されている。
本実施の形態に係る照明器具100は、器具本体106と、器具本体106に取り付けられた発光モジュール10とを備える。発光モジュール10は、基板11と、基板11の主面11aに配置された複数の発光素子20とを有する。本実施の形態では、照明器具100はさらに、回路カバー150、光源カバー160、照明カバー140及び器具取付部8を備えている。また、発光モジュール10はさらに、基板11に配置された1以上の回路部品80を有している。
[器具本体]
図1に示すように、器具本体106は、円盤状に形成されており、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金を用いて作製された部材である。器具本体106の発光モジュール10等が配置される側の面には、複数のカバー取付部122が器具本体106の周方向に間隔を置いて配置されている。なお、器具本体106の発光モジュール10等が配置される側の面には、例えば、反射率が高い白色塗料が塗布又は反射性金属材料が蒸着されている。
また、図1に示すように、器具本体106の中央部には、円形状の開口部が形成されており、当該開口部の周縁から発光モジュール10側に延びる略円筒状の支持部126が形成されている。支持部126は、例えば樹脂により形成された部材であり、器具取付部8と嵌め合わせ可能な構造を有している。
器具本体106において、支持部126の周囲には段差部136が形成されており、さらにその外側に取付面部132が形成されている。発光モジュール10が、器具本体106に取り付けられる場合、例えば図3に示すように、取付面部132に基板11の裏面11bが接触し、かつ、段差部136内の空間に、基板11の裏面11bから突出した要素(はんだ85等)が収容される。段差部136の詳細については図6を用いて後述する。
さらに、図1に示すように、器具本体106には、光源カバー160、回路カバー150、及び発光モジュール10を器具本体106に取り付けるネジ66と螺合する、ネジ孔134が複数形成されている。
[器具取付部]
器具取付部8は、器具本体106の支持部126の内部に挿入されることで、支持部126に取り付けられる。また、器具取付部8は、天井4に設置された天井側取付部材36に着脱自在に取り付けられる。このように器具取付部8が天井側取付部材36に着脱自在に取り付けられることにより、器具本体106は、着脱自在に天井4に取り付けられる。なお、器具本体106と天井4との間には、器具本体106のぐらつきを抑制するためのクッション部材(図示せず)が配置されている。
[発光モジュール]
図1〜図3に示すように、発光モジュール10は、基板11と、基板11に配置された複数の発光素子20と、基板11に配置された1以上の回路部品80とを備える。
基板11は、平面視(基板11を基板11の厚み方向から見た場合)における外形が円形(略円形も含む)であり、かつ、中央部に円形の開口部12が形成されている。つまり、基板11は、円環状(ドーナツ状)の形状を有している。基板11は、金属配線がパターン形成された、いわゆるプリント基板であり、本実施の形態では、基板11として樹脂基板が採用されている。樹脂基材の両面には導体パターン(金属配線)が設けられている。すなわち、基板11は、例えば、両面プリント基板、または、両面実装用基板と呼ばれる基板の一種である。このような基板としては、ガラスコンポジット基板及びガラスエポキシ基板等が例示される。
本実施の形態の複数の発光素子20の各々は、例えばLEDチップがパッケージ化されたLED素子である。すなわち、発光モジュール10の実装構造は、LEDチップがパッケージ化されたLED素子を基板11上に実装したSMD(Surface Mount Device)構造である。
具体的には、図2に示すように、基板11の主面11aにおける第一領域13aの外周の領域である第二領域13bに、複数の発光素子20が配置されており、これら複数の発光素子20は、主面11aに設けられた導体パターン(金属配線)と、はんだによって接続されている。つまり、複数の発光素子20は、基板11の主面11aにおける第二領域13bに表面実装されている。
これら複数の発光素子20は、例えば図2に示すように、基板11の第一領域13aを囲むように、環状に並んで配置されている。なお、複数の発光素子20の電気的な接続の態様に特に限定はない。例えば、直列接続されたn(nは2以上の整数)個の発光素子20のグループ(発光素子群)を複数形成し、これら複数の発光素子群を並列に接続してもよい。また、基板11に配置された全ての発光素子20が直列に接続されてもよい。
基板11の、平面視における中央部分(開口部12の周縁部分)の領域である第一領域13aは、1以上の回路部品80が配置された領域である。当該1以上の回路部品80は、複数の発光素子20の動作(点灯、消灯、調光率の変更等)に用いられる電気回路の少なくとも一部を構成する部品である。本実施の形態では、第一領域13aには複数の回路部品80が配置されており、これら複数の回路部品80により、複数の発光素子20に発光のための電力を供給する電源回路90が構成されている。すなわち、複数の発光素子20は、複数の回路部品80(電源回路90)が配置された第一領域13aの外周の第二領域13bに配置されている。
電源回路90は、例えば器具本体106から延設されたケーブル(図示せず)を介して供給される交流電力を、複数の発光素子20の発光に適した直流電力に変換して供給する。これにより、複数の発光素子20は発光する。
電源回路90を構成する複数の回路部品80のそれぞれは、例えば、電解コンデンサもしくはセラミックコンデンサ等の容量素子、抵抗素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、及び、ダイオードもしくは集積回路素子等の半導体素子等である。
これら回路部品80のそれぞれは、図4に示すように、例えば、本体部80aと、本体部80aから延設されたリード線80bとを有する。図4は、実施の形態に係る照明器具100の構成概要を示す部分断面図である。なお、図4では、照明器具100の一部の断面であって、図2におけるIV−IV断面に対応する位置の断面が図示されている。
本実施の形態では、回路部品80は、図4に示すように基板11を貫通した一対のリード線80bが、基板11の裏面11b側ではんだ付けされることで、基板11に配置される。つまり、図3及び図4に示すように、基板11の裏面11bには、リード線80bと金属配線とを接続するはんだ85が存在する。
なお、基板11の、裏面11bにおける第一領域13aにも、図示しない回路部品80の本体部80aが配置されてもよく、この場合、裏面11bに本体部80aが配置された回路部品80が、電源回路90の一部を構成してもよい。
また、図2及び図3において一点鎖線の円で表現されている、第一領域13a及び第二領域13bの境界は、基板11に視認可能に表示されている必要はなく、また、形状も円形である必要はない。例えば、平面視において、複数の回路部品80で構成された電源回路90に外接する仮想線によって、第一領域13aと第二領域13bとの境界が規定されてもよい。
このように構成された発光モジュール10は、例えば図3及び図4に示すように、基板11の裏面11bが、器具本体106の取付面部132と接触した状態で、器具本体106に固定される。また、基板11の裏面11bにおける第一領域13aには、複数の回路部品80を基板11に接続する複数のはんだ85が突出状に形成されている。これらはんだ85等の要素は、器具本体106が有する段差部136により形成された空間(図4に示す部品収容空間136c)に収容される。
また、基板11には、発光モジュール10を、後述する回路カバー150及び光源カバー160とともに器具本体106に固定するためのネジ66が貫通する貫通孔17が4つ形成されている。つまり、本実施の形態では、発光モジュール10は、4本のネジ66によって器具本体106に固定されている。
なお、基板11等を器具本体106に固定するネジ66の本数は4には限定されず、3以下または5以上のネジ66によって固定されてもよい。つまり、基板11における、ネジ66が貫通する貫通孔17の数も4には限定されず、3以下または5以上であってもよい。さらに、基板11における1以上の貫通孔17の位置も、図1及び図2に示される位置には限定されない。すなわち、基板11を貫通するネジ66の個数または位置は、例えば、発光モジュール10の位置の安定性、基板11の反りの矯正、または、回路カバー150と基板11との接触面積等を考慮して決定されてもよい。
[回路カバー]
図1に示すように、回路カバー150は、基板11に対して、器具本体106の段差部136とは反対側に配置され、1以上の回路部品80を覆うように配置された部材である。つまり、回路カバー150は、基板11の第一領域13aに配置された電源回路90(1以上の回路部品80)を覆う部材である。回路カバー150は、本実施の形態では鉄またはアルミニウム等の金属により形成されている。つまり、回路カバー150は、高い熱伝導性と不燃性とを有している。
また、回路カバー150は、発光モジュール10から放射された光を反射する反射面部155を有する。本実施の形態では、回路カバー150の外側面を形成する部分が、反射面部155として機能する。反射面部155による光の反射については、図5を用いて後述する。
回路カバー150は、ドーナツ状に形成されており、支持部126の周囲を囲み、かつ、電源回路90を覆う部分を有している。
本実施の形態では、回路カバー150は、図1に示すようにネジ66によって、光源カバー160及び発光モジュール10とともに、器具本体106に取り付けられる。より詳細には、本実施の形態では、回路カバー150は、基板11に接触した状態で固定されており、発光モジュール10の放熱を行う部材としても機能する。回路カバー150と基板11との位置関係等の詳細については、図4及び図5を用いて後述する。
[光源カバー]
図1に示すように、光源カバー160は、発光モジュール10の複数の発光素子20を覆う部材であり、透光性を有する(例えば透明の)樹脂等で形成されている。光源カバー160は、ドーナツ状に形成されており、回路カバー150の周囲を囲み、かつ、環状に配置された複数の発光素子20を一括して覆う状態で、発光モジュール10の主面11aに支持されている。なお、光源カバー160は、複数の発光素子20それぞれから放出された光を拡散させる機能を有してもよく、また、主として複数の発光素子20を保護するために配置されてもよい。
また、光源カバー160は、上述のように、4つのネジ66によって、回路カバー150及び発光モジュール10とともに、器具本体106に取り付けられる。
[照明カバー]
照明カバー140は、器具本体106の発光モジュール10等が取り付けられた側を覆う部材であり、透光性を有する樹脂で形成されている。照明カバー140は、例えば乳白色の樹脂で形成されており、各発光素子20からの光を拡散して外部に放出することができる。また、照明カバー140の開口部(図示せず)には、複数の突起(図示せず)が形成されている。これらの複数の突起をそれぞれ器具本体106に設けられた複数のカバー取付部122に係合させることにより、照明カバー140が器具本体106に着脱自在に取り付けられる。
[放熱経路について]
次に、図4及び図5を参照し、本実施の形態に係る照明器具100における放熱経路、及び、回路カバー150に関する構造について説明する。
図5は、図4に示す断面図の一部をさらに拡大して示す図である。なお、図5では、発光モジュール10で発生した熱の伝導経路(放熱経路)が、ドットを付した矢印で模式的に示されている。また、図5では、発光モジュール10から放出された光の経路が、無地の矢印で模式的に示されている。
図4及び図5に示すように、本実施の形態に係る照明器具100は、基板11と、基板11の主面11aに配置された複数の発光素子20と、器具本体106とを備える。器具本体106は、取付面部132を有し、取付面部132には、基板11の、主面11aとは反対側の面である裏面11bと接触した状態で、基板11が取り付けられている。照明器具100はさらに、基板11の主面11aと接触した状態で配置された回路カバー150を備えている。回路カバー150は放熱部材の一例である。
このように、本実施の形態に係る照明器具100では、熱源である複数の発光素子20が配置された基板11の裏面11bに器具本体106が接触しており、かつ、基板11の主面11aに、回路カバー150が接触している。
これにより、図5に示すように、複数の発光素子20からの熱は、基板11を介して器具本体106及び回路カバー150の両方に伝導される。つまり、本実施の形態において、基板11には、厚み方向の両面に、基板11よりも熱伝導率が高い部材が接触して配置されている。その結果、基板11の放熱に寄与する部材の表面積の総計が増加し、発光モジュール10で発生した熱の放出(放熱)がより効率よく行われる。これにより、複数の発光素子20の温度上昇の抑制がより確実化される。
また、本実施の形態では、基板11の主面11aと回路カバー150とは面接触している。これにより、基板11から回路カバー150への熱伝導がより効率よく行われる。さらに、本実施の形態では、器具本体106及び回路カバー150のそれぞれは、アルミニウム等の金属により形成されているため、器具本体106及び回路カバー150による放熱の実効性がより確実化される。
また、基板11にはさらに、1以上の回路部品80(本実施の形態では複数の回路部品80)が配置されており、回路カバー150は、基板11の主面11aにおける、複数の発光素子20と1以上の回路部品80との間の位置で、主面11aに接触している。つまり、1以上の回路部品80からの熱が複数の発光素子20に到るまでの経路上に、回路カバー150と基板11の主面11aとの接触部分が存在するため、1以上の回路部品80で発生した熱の、複数の発光素子20への伝導量が抑制される。
また、基板11の主面11aにおいて、1以上の回路部品80が配置された領域は複数の発光素子22が配置された領域に比べ小さい。つまり、本実施の形態において、第一領域13aの面積は、第二領域13bの面積よりも小さい。
これにより、発光モジュール10において比較的に大きな発光面積が確保される。また、例えば、隣り合う発光素子22の間隔を比較的に大きくできるため、複数の発光素子22それぞれのジャンクション温度の上昇が抑制される。
より具体的には、放熱部材として機能する回路カバー150は、基板11の主面11aに接触する基板接触部150aと、当該1以上の回路部品80を覆う部品カバー部150bとを有している。なお、本実施の形態において、部品カバー部150bと基板接触部150aとは一体である。
言い換えると、1以上の回路部品80の保護等のための部材として配置された回路カバー150が、発光モジュール10の放熱効率を向上させる部材としても機能するように配置されている。これにより、例えば、照明器具100を構成する部品点数の増加、または、照明器具100の構造の複雑化等を抑制しつつ、発光モジュール10で発生する熱についての放熱効率が向上される。
また、例えば、基板11のサイズを大きくすることで、基板11の表面積を増加させ、これにより、放熱効率を向上を図ることも考えられるが、この場合、例えば照明器具100の大型化を招き得る。一方、本実施の形態に係る照明器具100では、照明器具100の安全性を向上させる回路カバー150が、放熱部材としての役割も果たす。そのため、照明器具100を大型化させずに、発光モジュール10で発生する熱についての放熱効率を向上させることができる。
また、図1等には明確には図示されていないが、本実施の形態に係る発光モジュール10において、1以上の回路部品80のそれぞれは、背が高いほど、基板11の主面11aの中心部に近い位置に配置されている。また、部品カバー部150bは基板11の主面11aの中心部に向かうにつれ高くなる傾斜を有する。
このように、部品カバー部150bに傾斜を持たせることで、比較的に背が高い回路部品80を回路カバー150内に収容できるとともに、部品カバー部150bによる遮光量を低減することができる。
また、本実施の形態では、基板11に配置された1以上の回路部品80は、複数の発光素子20と電気的に接続されており、当該1以上の回路部品80により、複数の発光素子20に発光のための電力を供給する電源回路90が構成されている。この電源回路90には、フィルタ素子、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)、コイル素子、抵抗素子、レギュレータ、または、各種制御ICなどの、高熱を発しやすい回路部品80が含まれている。そのため、これら回路部品80から発せられる熱についての放熱を効率よく行うことも重要である。
この点について、本実施の形態では、基板11を挟むように器具本体106及び回路カバー150が配置されているため、図5に示すように、電源回路90の熱は、器具本体106及び回路カバー150を介して発光モジュール10の外部に放出される。つまり、器具本体106及び回路カバー150は、複数の発光素子20の放熱を促す部材としてだけではなく、電源回路90の放熱を促す部材としても機能する。これにより、発光モジュール10全体としての温度上昇が抑制される。
また、取付面部132は、基板11の裏面11bの一部の領域であって、複数の発光素子20の裏側の領域と接触している。本実施の形態では、上述のように、基板11の裏面11bにおける第二領域13bに取付面部132が接触している(例えば図3参照)。
つまり、本実施の形態では、複数の発光素子20は、上述のように基板11の主面11aにおける第二領域13bに表面実装されるため、基板11の裏面11bにおける第二領域13bには、はんだ等の凹凸を生じさせる要素を配置する必要がない。そのため、基板11の裏面11bにおける第二領域13bと、器具本体106の取付面部132とを面接触させることができる。これにより、発光モジュール10で生じた熱(特に、複数の発光素子20から発せられた熱)は、効率よく器具本体106に伝導される。このことは、複数の発光素子20の温度上昇の抑制に有利である。
また、図5に示すように、回路カバー150は、回路カバー150の基板11と接触している部分を貫通するネジ66によって、基板11とともに、器具本体106に固定されている。ネジ66は、固定部材の一例である。
具体的には、回路カバー150は、基板11との接触部分である基板接触部150aに貫通孔151を有し、基板11は、回路カバー150との接触部分に、貫通孔17を有する。これら貫通孔151及び貫通孔17を貫通したネジ66の先端部が、器具本体106の取付面部132に設けられたネジ孔134にねじ入れられる。これにより、回路カバー150及び基板11の固定に必要なネジ66の数を比較的に少なくすることができる。また、ネジ66による締結力を利用して、回路カバー150及び基板11、並びに、器具本体106(取付面部132)及び基板11の密着性を向上させることができる。このことは、回路カバー150及び器具本体106を介した放熱効率の向上に寄与する。
本実施の形態では、照明器具100はさらに、複数の発光素子20を覆うように配置された、透光性を有する光源カバー160を備えている。光源カバー160は、図5に示すように、ネジ66によって、基板11及び回路カバー150とともに、器具本体106に固定されている。
具体的には、本実施の形態では、光源カバー160には、ネジ66が貫通する貫通孔161が4つ形成されており、4つのネジ66によって、光源カバー160、回路カバー150、発光モジュール10、及び器具本体106がとも締めされている。これにより、例えば、これら複数の部材を備える照明器具100の組み立ての効率化が図られる。
また、本実施の形態において、複数の発光素子20は、1以上の回路部品80が配置された第一領域13aの外周の領域である第二領域13bに配置されている。回路カバー150の部品カバー部150bは、複数の発光素子20から放射された光の一部を反射する反射面部155を有する(例えば図5参照)。本実施の形態では、部品カバー部150bの外側面によって反射面部155が形成されている。
この構成によれば、複数の発光素子20が配置される領域と、1以上の回路部品80が配置される領域とが分けられる。そのため、例えば、基板11への複数の発光素子20の配置のための作業、及び、基板11への1以上の回路部品80の配置のための作業のそれぞれを効率よく行うことができる。
また、照明器具100を照明カバー140の側から平面視した場合に、中央部分に回路カバー150(電源回路90)が配置され、回路カバー150(電源回路90)の周りに複数の発光素子20が配置されている。そのため、例えば、複数の発光素子20から放出された照明用の光が、回路カバー150(電源回路90)に遮光される可能性が低減される。
さらに、複数の発光素子20から放出される光のうち、回路カバー150に向かう光は、回路カバー150の反射面部155によって反射され、照明カバー140の方向に向かう。これにより、照明器具100は、光源が配置されていない中央部分からも照明光を放出することができる。
なお、反射面部155は、回路カバー150の素材である金属の表面によって形成されてもよい。また、部品カバー部150bの外側面に形成された白色塗料等の膜によって反射面部155が形成されてもよい。また、部品カバー部150bだけでなく、基板接触部150aの外面が反射面部155の一部を構成してもよい。
また、本実施の形態において、複数の発光素子20は、1以上の回路部品80を囲むように環状に並んで配置されている。これにより、照明器具100は、例えば、電源回路90(回路カバー150)による遮光の影響を抑制しつつ、放射状に満遍なく照明光を放出することができる。
[段差部の詳細]
次に、図6を参照し、本実施の形態に係る照明器具100の器具本体106が備える段差部136について説明する。
図6は、実施の形態に係る器具本体106が有する段差部136の構成を示す断面図である。
図6に示すように、本実施の形態では、1以上の回路部品80は、本体部80aが基板11の主面11a側に配置され、基板11を貫通した一対のリード線80bが、基板11の裏面11b側ではんだ付けされている。つまり、1以上の回路部品80は、例えばスルーホール実装または挿入実装と呼ばれる手法によって、基板11に配置されている。
従って、基板11の裏面11bには、はんだ85が突出状に配置される。また、はんだ85の内部には、回路部品80の一部であるリード線80bが存在し、図6に示すように、はんだ85からリード線80bの端部が突出している場合もある。そこで、本実施の形態に係る器具本体106は、裏面11bから突出したはんだ85等の要素を、段差部136によって形成された空間内に非接触で収容しつつ、取付面部132によって基板11を裏面11bから支持する構造を有している。
つまり、本実施の形態に係る照明器具100は、器具本体106と発光モジュール10とを備える。発光モジュール10は、基板11と基板11に配置された複数の発光素子20及び1以上の器具本体106を有する。器具本体106は、基板11の、複数の発光素子20の裏側の領域(本実施の形態では第二領域13b)と接触する取付面部132と、基板11に対して、取付面部132と同じ側(図6における基板11の下側)に配置された段差部136であって、1以上の回路部品80それぞれの少なくとも一部(リード線80bの端部に固着したはんだ85も含む、以下同じ)を非接触で収容する空間(図6における部品収容空間136c)を形成する段差部136とを有する。すなわち、段差部136の内面と、当該1以上の回路部品80それぞれの少なくとも一部との間には隙間が存在する。
この構成によれば、器具本体106は、基板11に配置された複数の発光素子20及び1以上の回路部品80を備える発光モジュール10を安定的かつ安全に保持することができ、また、発光モジュール10からの熱を効率よく放熱することができる。また、基板11の裏面11b側からの、異物または人の手等の基板11へのアクセスが、取付面部132及び段差部136によって抑制される。つまり、基板11(発光モジュール10)の裏面11b側が、取付面部132及び段差部136によって保護される。
このように、本実施の形態に係る照明器具100は、発光素子20及び回路部品80を有する発光モジュール10を適切に保持する器具本体106を備える照明器具である。
ここで、本実施の形態では、例えば図2に示すように、1以上の回路部品80は、基板11の第一領域13aに配置されており、複数の発光素子20は、基板11の主面11aにおける、第一領域13aの外周の領域である第二領域13bに配置されている。上記構成を有する基板11に対し、取付面部132は、基板11の裏面11bにおける第二領域13bと接触する。また、段差部136は、裏面11bにおける第一領域13aに対向する位置に設けられている(図3及び図6参照)。
つまり、器具本体106は、基板11の裏面11bにおけるフラットな領域である第二領域13bと面接触することで、基板11からの熱伝導の効率を高め、かつ、基板11を安定的に支持することができる。さらに、基板11の裏面11bにおける第一領域13aに対向する位置に段差部136が設けられていることで、裏面11bにおける第一領域13aにおいて突出した1以上の要素と器具本体106との干渉が防止される。
具体的には、器具本体106が有する取付面部132は、基板11の第二領域13bの形状に応じた環形状であり、器具本体106が有する段差部136は、取付面部132の内周縁から、基板11とは反対側に突出状に形成されている。
つまり、器具本体106は、全体として、中央部分が基板11と反対側に凹状に成型されており、当該凹状の部分によって段差部136が形成されている。このように、器具本体106は簡易な構造体であるため、例えば効率よく作製することができる。
また、本実施の形態では、取付面部132と段差部136とは一体である。このような構成の器具本体106は、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金を円盤状にプレス加工することにより形成することができる。つまり、比較的に簡素な工程で器具本体106を作製することができる。
より詳細には、本実施の形態に係る段差部136は、図6に示すように、取付面部132の周縁に接続された斜面部136aと、基板11の裏面11bに対向する底面部136bとを有する。
上記構成の段差部136において、基板11の裏面11bから突出して配置された、回路部品80の一部と、段差部136の内面との間の距離は所定の距離D以上である。簡単にいうと、基板11に配置された1以上の回路部品80と、段差部136の内面との最短距離はDである。
例えば、系統電源のトラブル等に起因して発光モジュール10に過大な電圧がかけられた場合を想定し、この場合に、基板11と底面部136bとの間に放電が生じない距離が、はんだ85と段差部136の内面との間の距離D(離間距離D)として決定される。なお、本実施の形態では、リード線80bの端部と、リード線80bの突出方向に位置する底面部136bとの距離が離間距離Dとして扱われる。
これにより、例えば、器具本体106が金属製であることによる器具本体106の強度または耐久性の高さを得ることができ、かつ、発光モジュール10に大電流が流れた場合の安全性が確保される。また、離間距離Dを必要最小限の距離とすることで、照明器具100の厚み(Z軸方向の幅)が大きくなることが抑制される。
また、基板11の裏面11bと、段差部136との電気的な絶縁のための部材を器具本体106に組み込む必要がない。このことは、例えば、照明器具100の組み立て効率の向上、または、部品点数の削減等の観点から有利である。
なお、離間距離Dは、部品収容空間136cに収容されるはんだ85等の、複数の通電要素のうちの、基板11の裏面11bからの突出長さが最も大きい通電要素と、底面部136bとの距離として規定される。
また、段差部136の形状に特に限定はなく、例えば、斜面部136a及び底面部136bの少なくとも一方が、図6に示す断面において湾曲していてもよい。底面部136bが湾曲している場合、例えば、部品収容空間136cに収容される複数の通電要素のそれぞれと、底面部136bとの間の最短距離のうち、最も小さい最短距離が、上記の離間距離D以上であればよい。
また、斜面部136a及び底面部136bが一連の湾曲した形状であってもよい。つまり、段差部136において、斜面部136a及び底面部136bの間に明確な境界が存在していなくてもよい。すなわち、段差部136は、斜面部136aと底面部136bとの区別がない、一連の湾曲した部分として器具本体106に設けられていてもよい。段差部136は、取付面部132を含む平面から、基板11から遠ざかる方向に凹状または突出状に形成されていることで、1以上の回路部品80それぞれの少なくとも一部を非接触で収容することができる。
(他の実施の形態)
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態に各種の変形を施してもよい。
例えば、発光モジュール10の仕様(基板11の形状及び素材、並びに発光素子20の個数など)は、上記実施の形態で説明された仕様に限定されない。
例えば基板11の形状は、円環状である必要はなく、角環状であってもよい。また、基板11に、開口部12が形成されていなくてもよく、基板11の平面視における外形は、多角形、または、曲線と直線との組み合わせで構成される形状であってもよい。基板11の形状及び厚み等については、例えば、器具本体106の形状、構造、及び寸法に応じて決定されてもよい。
また、基板11としてガラスコンポジット基板等の樹脂基板が採用されているとしたが、他の種類の基板が、基板11として採用されてもよい。例えば、アルミナ等のセラミックからなるセラミック基板が、基板11として採用されてもよい。樹脂基板よりも熱伝導性が高いセラミック基板を基板11として採用することで、発光モジュール10で発生した熱の、器具本体106及び回路カバー150を介した外部への放出がより効率よく行われる。
また、回路カバー150は、金属製でなくてもよい。回路カバー150は、例えば耐熱性及び熱伝導性が高い樹脂で形成されていてもよい。例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート等の樹脂)、または、PBT等の樹脂に無機材料が充填された樹脂材料が、回路カバー150の素材として選択されてもよい。回路カバー150を樹脂によって形成することで、例えば、回路カバー150の軽量化または形状の自由度の向上等の効果が得られる。
また、器具本体106において、取付面部132と段差部136とは別体であってもよい。例えば、取付面部132を形成する平面視において円環状の板金の内周縁に、段差部136を形成するドーム状または円錐台状の板金を、締結、嵌合、または接着等の手法により取り付けることで、器具本体106が作製されてもよい。
また、基板11の裏面と接触する取付面部132は、例えば、放熱シートなどの、熱伝導性が高い材料を有してもよい。例えば、器具本体106の、取付面部132のベースとなる平面部分に、柔軟性を有する放熱シートを配置する。放熱シートしては、シリコーンを主材料とする高熱伝導性シートが例示される。このように配置された放熱シートは、柔軟性を有することで、例えば、基板11と器具本体106との間の空気層の体積が低減される場合がある。この場合、例えば、基板11(発光モジュール10)から器具本体106への熱伝導効率が向上される。なお、上記効果を有する熱伝導部材としは、放熱シート以外に、グリース等のゲル状の高熱伝導性材料が例示される。
また、上記実施の形態では、固定部材としてネジ66を例示したが、固定部材は、ネジ66とは異なる種類の部材であってもよい。例えば、器具本体106に取り付けられた、または、器具本体106に一体に設けられた爪によって、基板11及び回路カバー150等の複数の部材が、器具本体106に固定されてもよい。その他、リベット及び結束バンド等が固定部材として例示される。
また、基板11の主面11aに接触して配置される放熱部材は、回路カバー150以外の部材であってもよい。例えば、回路カバー150とは別体の金属体を、基板11の主面11aに配置することで、当該金属体を放熱部材として機能させてもよい。例えば、回路カバー150が比較的に熱伝導性の低い樹脂で形成されている場合、複数の発光素子20と回路カバー150との間の位置に、放熱部材としての金属体を、基板11の主面11aに接触させて配置する。これにより、発光素子20または回路部品80で発生した熱を、金属体を介して効率よく発光モジュール10の外部に放出することができる。
また、基板11に配置された1以上の回路部品80は、電源回路90とは異なる種類の電気回路(電子回路)を構成してもよい。例えば、照明器具100の外部から送信される信号に従って、複数の発光素子20を調光制御または調色制御する制御回路が、当該1以上の回路部品80によって構成されていてもよい。
また、照明器具100が、発光モジュール10の点灯、消灯、調光、または調色等の制御に用いるセンサ(人感センサ、照度センサ、または音センサなど)を備える場合、センサの動作を制御する制御回路が、当該1以上の回路部品80の少なくとも一部によって構成されてもよい。
また、照明器具100がセンサを備える場合、照明器具100は、当該センサの検出結果に基づいて所定の範囲を撮像するカメラを備えてもよい。例えば、照明器具100が人感センサを備える場合、人感センサが人を検出することで、発光モジュール10を発光させること、及び、当該人をカメラで撮像すること等ができる。
また、照明器具100は、有線または無線によって照明器具100が受信した音声を出力するスピーカーを内蔵してもよい。この場合、例えば、発光モジュール10の点灯に同期してスピーカーから音声が出力されるように、スピーカーが制御されてもよい。
また、上記実施の形態及び変形例では、発光素子20としてLEDチップがパッケージ化されたLED素子が例示された。しかしながら、半導体レーザ等の半導体発光素子、または、有機EL(Electro Luminescence)もしくは無機EL等のEL素子等の他の種類の固体発光素子が、発光素子20として採用されてもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態、及び、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。