JP6671018B2 - 蓄冷装置、蓄冷体の状態を示す情報を表示する方法、及び蓄冷体の状態を示す情報を求める方法 - Google Patents

蓄冷装置、蓄冷体の状態を示す情報を表示する方法、及び蓄冷体の状態を示す情報を求める方法 Download PDF

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Description

本開示は、蓄冷装置及び蓄冷体の状態を示す情報を表示する方法に関する。
従来、蓄冷装置を備えたコールドロールボックスが知られている。コールドロールボックスは、例えば、食品などの物品がコールドロールボックスの内部に収納された状態で、配送車の荷台に積載されて搬送される。
特許文献1には、蓄冷溶剤と、記憶部と、温度検出部と、蓄冷量演算部と、表示部とを含む蓄冷装置を備えたコールドロールボックスが記載されている。蓄冷溶剤において、凍結開始温度と凍結終了温度との間に所定の温度勾配特性を有するように添加物濃度が調製されている。蓄冷溶剤の凍結開始温度は、例えば概ね−7℃であり、蓄冷溶剤の凍結終了温度は概ね−22℃である。記憶部は、温度勾配特性に係るデータを記憶する。温度検出部は、蓄冷溶剤の温度を検出する。蓄冷量演算部は、温度検出部から得る検出温度と、記憶部から得る温度勾配特性に係るデータとに基づいて蓄冷量を求める。表示部は、蓄冷量演算部によって求めた蓄冷量を表示する。
特開平7−318215号公報
特許文献1に記載の蓄冷装置は、汎用性を高め、かつ、表示される蓄冷量の精度を高める観点から改良の余地を有する。そこで、本開示は、高い汎用性を有するとともに、高い精度を有する蓄冷体の状態情報を表示できる蓄冷装置を提供する。
本開示は、
蓄冷装置であって、
蓄冷室及び貯蔵室を内部に有する筐体と、
前記蓄冷室において特定の方向に配列され、当該蓄冷装置が前記貯蔵室を保冷する保冷モードで運転するときに冷熱を放出する複数の蓄冷体と、
前記複数の蓄冷体が配列された面内において前記特定の方向と交わる方向に沿って前記蓄冷体同士の間に形成された流路を通過する空気の流れを生じさせ、前記蓄冷体によって冷却された空気を前記蓄冷室と前記貯蔵室との間で循環させる送風機と、
前記空気の流れ方向において少なくとも1つの前記流路の上流に形成された前記蓄冷室の上流空間及び前記空気の流れ方向において少なくとも1つの前記流路の下流に形成された前記蓄冷室の下流空間の空気の温度を検出する第一温度センサと、
前記第一温度センサによって検出された空気の温度と、基準として定められた状態である基準状態における前記蓄冷体の蓄冷量とに基づいて、前記基準状態以降の前記蓄冷体の状態を示す状態情報を生成する表示情報生成器と、
前記状態情報を表示する表示部と、を備えた、
蓄冷装置を提供する。
上記の蓄冷装置は、高い汎用性を有するとともに、高い精度を有する蓄冷体の状態情報を表示できる。
実施形態に係る蓄冷装置を模式的に示す構成図 蓄冷室における空気の流れを説明する斜視図 実施形態に係る蓄冷装置の一部を模式的に示す構成図 状態情報の生成及び表示のために実行される処理を示すフローチャート 保冷モードでの送風機の制御のために実行される処理を示すフローチャート 基準状態における蓄冷体の蓄冷量を決定する処理を示すフローチャート 基準状態における蓄冷体の蓄冷量、蓄冷残量、及び消費冷熱量の関係を概念的に示すグラフ 実施例に係る蓄冷室の温度変化と送風機の作動状態を示すグラフ 実施例に係る蓄冷残量及び消費冷熱量の経時変化を示すグラフ
<本発明者らの検討に基づく知見>
特許文献1に記載の蓄冷装置では、例えば、概ね−7℃の凍結開始温度Ts及び概ね−22℃の凍結終了温度Teを有する蓄冷溶剤が使用されており、凍結開始温度Tsと凍結終了温度Teとの差の絶対値は概ね15℃にも及ぶ。このため、特許文献1に記載の蓄冷装置によれば、凍結開始温度と凍結終了温度との間の温度勾配特性を用いて蓄冷量を求めやすい。しかし、特許文献1に記載の蓄冷装置では、凍結開始温度と凍結終了温度との差の絶対値が小さいと、凍結開始温度と凍結終了温度との差が温度検出の測定精度の範囲に収まってしまい、蓄冷量を適切に求めるのが困難になってしまう。このため、特許文献1に記載の蓄冷装置において使用可能な蓄冷溶剤の種類は限られている。また、特許文献1に記載の蓄冷装置は、蓄冷溶剤の温度が空間的にばらつく可能性があることを考慮して考案されていない。蓄冷溶剤の容積が大きい場合又は蓄冷溶剤が占める空間の形状が複雑である場合には、蓄冷溶剤の凝固又は融解の状態が空間的にばらつき、蓄冷溶剤の温度が空間的にばらつく可能性がある。このような場合、特許文献1に記載の蓄冷装置の温度検出部が蓄冷溶剤の特定の位置で温度を検出しても、蓄冷量を適切に求めることは難しく、表示部に表示された蓄冷量の精度が低い。
そこで、本発明者らは、蓄冷体に含まれる蓄冷材料の種類を制限することなく、蓄冷体の状態を示す状態情報を高精度に生成し表示できる技術について検討を重ねた。本開示の蓄冷装置は、本発明者らのこのような知見に基いて案出されたものである。
本開示の第1態様は、
蓄冷装置であって、
蓄冷室及び貯蔵室を内部に有する筐体と、
前記蓄冷室において特定の方向に配列され、当該蓄冷装置が前記貯蔵室を保冷する保冷モードで運転するときに冷熱を放出する複数の蓄冷体と、
前記複数の蓄冷体が配列された面内において前記特定の方向と交わる方向に沿って前記蓄冷体同士の間に形成された流路を通過する空気の流れを生じさせ、前記蓄冷体によって冷却された空気を前記蓄冷室と前記貯蔵室との間で循環させる送風機と、
前記空気の流れ方向において少なくとも1つの前記流路の上流に形成された前記蓄冷室の上流空間及び前記空気の流れ方向において少なくとも1つの前記流路の下流に形成された前記蓄冷室の下流空間の空気の温度を検出する第一温度センサと、
前記第一温度センサによって検出された空気の温度と、基準として定められた状態である基準状態における前記蓄冷体の蓄冷量とに基づいて、前記基準状態以降の前記蓄冷体の状態を示す状態情報を生成する表示情報生成器と、
前記状態情報を表示する表示部と、を備えた、
蓄冷装置を提供する。
第1態様によれば、第一温度センサによって検出された蓄冷室の上流空間及び蓄冷室の下流空間の空気の温度と、基準状態における蓄冷体の蓄冷量とに基づいて基準状態以降の蓄冷体の状態を示す状態情報を生成できる。第1態様の蓄冷装置は、蓄冷体に含まれる蓄冷材料の結晶化開始温度と結晶化終了温度との間の温度勾配特性に関わらず蓄冷体の状態情報を適切に生成できるので、蓄冷体に含まれる蓄冷材料の種類を制限しない。このため、第1態様の蓄冷装置は、高い汎用性を有する。また、第1態様の蓄冷装置は、蓄冷体の温度を直接的に検出しなくとも蓄冷体の状態を示す状態情報を生成できるので、蓄冷体の温度が空間的にばらつく可能性がある場合でも、蓄冷体の状態を示す状態情報を適切に生成できる。このため、第1態様の蓄冷装置は、高い精度を有する蓄冷体の状態情報を表示できる。
本開示の第2態様は、第1態様に加えて、前記表示情報生成器は、単位時間あたりに前記空気の流れを形成する空気の熱容量に関する情報をさらに用いて、前記状態情報を生成する、蓄冷装置を提供する。第2態様によれば、表示情報生成器は、空気の流れを形成する空気の熱容量に関する情報をさらに用いて状態情報を生成するので、より確実に高い精度を有する蓄冷体の状態情報を表示できる。
本開示の第3態様は、第1態様又は第2態様に加えて、前記貯蔵室における空気の温度を検出する第二温度センサをさらに備え、前記送風機は、前記第二温度センサによって検出された温度が上限値以上になった時に作動し始め、かつ、前記第二温度センサによって検出された温度が前記上限値より低い下限値以下になった時に停止し、前記表示情報生成器は、前記筐体の外部の空気の温度である外気温度に関する情報と、前記送風機の作動開始から前記送風機の停止までの時間とを用いて、前記基準状態における前記蓄冷体の前記蓄冷量を決定する、蓄冷装置を提供する。第3態様によれば、外気温度に関する情報と、送風機の作動開始から送風機の停止までの時間とに基づいて、基準状態における蓄冷体の蓄冷量を決定できる。蓄冷装置が保冷モードで運転するときに、外気温度が高いほど蓄冷装置に流入する熱量が大きいので送風機の作動時間が長くなる。また、基準状態における蓄冷体の蓄冷量が少ないと、蓄冷体同士の流路を通過する空気が単位時間あたりに蓄冷体から受け取る冷熱量が少なくなるので、送風機の作動時間は長くなる。このように、送風機の作動時間と、外気温度及び基準状態における蓄冷体の蓄冷量のそれぞれとの間には相関関係があるので、この相関関係を利用することにより基準状態における蓄冷体の蓄冷量を決定できる。このため、第3態様の蓄冷装置は、基準状態における蓄冷体の蓄冷量を推算したうえで高い精度を有する蓄冷体の状態情報を生成し、表示できる。
本開示の第4態様は、第3態様に加えて、前記表示情報生成器は、前記送風機の停止から前記送風機の作動再開までの時間を用いて、前記外気温度に関する情報を決定する、蓄冷装置を提供する。第4態様によれば、送風機の停止から送風機の作動再開までの時間を用いて外気温度に関する情報を決定できる。外気温度が高いほど蓄冷装置の内部に流入する熱量が多く送風機の停止後に貯蔵室の空気の温度がより短時間で上限値以上に上昇するので、送風機が停止している時間が短い。このように、送風機の停止から送風機の作動再開までの時間と外気温度とには相関関係があるので、この相関関係を利用することにより外気温度に関する情報を決定できる。このため、温度センサによって外気温度を直接検出することなく外気温度に関する情報を決定したうえで、高い精度を有する蓄冷体の状態情報を生成し、表示できる。
本開示の第5態様は、第1態様〜第4態様のいずれか1つの態様に加えて、前記蓄冷体の温度を検出する第三温度センサをさらに備え、前記蓄冷体は、前記基準状態において、前記第三温度センサによって検出された温度が前記貯蔵室における空気の温度の目標値よりも所定の温度以上低くなる状態をもたらす冷熱を蓄えている、蓄冷装置を提供する。第5態様によれば、蓄冷装置が保冷モードで運転するときに、貯蔵室における空気の温度を目標値に近づけやすい。また、蓄冷装置が保冷モードで運転するときに、送風機が断続的に作動して、第3態様に従った基準状態における蓄冷体の蓄冷量の決定及び第4態様に従った外気温度に関する情報の決定が可能になる。これにより、高い精度を有する蓄冷体の状態情報を生成し、表示できる。
本開示の第6態様は、第1態様〜第5態様のいずれか1つの態様に加えて、前記状態情報は、前記蓄冷体の蓄冷量の残量である蓄冷残量、前記貯蔵室を保冷可能な時間である保冷可能時間、及び前記蓄冷体に含まれる蓄冷材料の一部又は全部を固化させるまでに必要な時間の少なくとも1つである、蓄冷装置を提供する。第6態様によれば、状態情報として、蓄冷残量、保冷可能時間、及び蓄冷体に含まれる蓄冷材料の一部又は全部を固化させるまでに必要な時間の少なくとも1つを表示できる。
本開示の第7態様は、第3態様に加えて、前記送風機は、当該送風機が予め定められた時間以上連続的に作動した場合に、当該送風機によって送り出される空気の流量を増加させて断続的に作動する、蓄冷装置を提供する。第7態様によれば、送風機が予め定められた時間以上連続的に作動した場合に、送風機によって送り出される空気の流量が増加することにより送風機が断続的に作動する。このため、送風機の作動開始から送風機の停止までの時間が決定される。これにより、第3態様に従って、基準状態における蓄冷体の蓄冷量を決定できる。また、第4態様に従って、送風機の停止から送風機の作動再開までの時間を用いて外気温度に関する情報を決定できる。
本開示の第8態様は、第1態様〜第7態様に加えて、前記表示情報生成器は、当該蓄冷装置が前記保冷モードで運転し始めた時の前記蓄冷体の蓄冷量を前記基準状態における前記蓄冷体の前記蓄冷量として用いて前記状態情報を生成する、蓄冷装置を提供する。第8態様によれば、蓄冷装置が保冷モードで運転し始めた時の蓄冷体の蓄冷量を基準として、それ以降の蓄冷体の状態を示す状態情報を生成し、表示できる。
本開示の第9態様は、第1態様、第2態様、第5態様、及び第6態様のいずれか1つの態様に加えて、前記表示情報生成器は、前記蓄冷体に含まれる蓄冷材料の全体が所定の温度で固化している状態である完全蓄冷状態における前記蓄冷体の蓄冷量を前記基準状態における前記蓄冷体の前記蓄冷量として用いて前記状態情報を生成する、蓄冷装置を提供する。第9態様によれば、完全蓄冷状態における蓄冷体の蓄冷量を基準状態における蓄冷体の蓄冷量として用いることにより、外気温度に関する情報及び送風機の作動開始から送風機の停止までの時間が不明であっても、基準状態における蓄冷体の蓄冷量を決定できる。
本開示の第10態様は、
蓄冷装置の蓄冷体の状態を示す情報を表示する方法であって、
送風機を用いて、前記蓄冷装置の内部の蓄冷室で複数の蓄冷体が特定の方向に配列された面内において前記特定の方向と交わる方向に沿って前記蓄冷体同士の間に形成された流路を通過する空気の流れを生じさせ、前記蓄冷体によって冷却された空気を前記蓄冷室と前記蓄冷装置の内部の貯蔵室との間で循環させ、
第一温度センサを用いて、前記空気の流れ方向において少なくとも1つの前記流路の上流に形成された前記蓄冷室の上流空間及び前記空気の流れ方向において少なくとも1つの前記流路の下流に形成された前記蓄冷室の下流空間の空気の温度を検出し、
表示情報生成器を用いて、前記第一温度センサによって検出された空気の温度と、基準として定められた状態である基準状態における前記蓄冷体の蓄冷量とに基づいて、前記基準状態以降の前記蓄冷体の状態を示す状態情報を生成し、
前記状態情報を表示部に表示する、
方法を提供する。
第10態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることができる。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。なお添付の図面においてX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、それぞれ同一の方向を示す。また、X軸、Y軸、及びZ軸に言及されることなく説明される構成要素は、必要に応じて、適切な位置に配置可能である。
図1〜図3に示すように、蓄冷装置100は、筐体50と、複数の蓄冷体10と、送風機20と、第一温度センサ12と、表示情報生成器30と、表示部40と、を備えている。図1に示すように、筐体50は、蓄冷室52及び貯蔵室54をその内部に有する。図2に示すように、複数の蓄冷体10は、蓄冷室52において特定の方向(Y軸方向)に配列されている。複数の蓄冷体10は、蓄冷装置100が貯蔵室54を保冷する保冷モードで運転するときに冷熱を放出する。送風機20は、複数の蓄冷体10が配列された面内(XY平面)において特定の方向(Y軸方向)と交わる方向(X軸正方向)に沿って蓄冷体10同士の間に形成された流路13を通過する空気の流れを生じさせる。これにより、送風機20は、蓄冷体10によって冷却された空気を蓄冷室52と貯蔵室54との間で循環させる。図1〜図3における矢印は、送風機20の作動により生じる空気の流れを概念的に示す。図3に示すように、第一温度センサ12は、蓄冷室52の上流空間52a及び蓄冷室の下流空間52bの空気の温度を検出する。上流空間52aは、蓄冷室52において、空気の流れ方向において少なくとも1つの流路13の上流に形成されている。下流空間52bは、蓄冷室52において、空気の流れ方向において少なくとも1つの流路13の下流に形成されている。表示情報生成器30は、第一温度センサ12によって検出された空気の温度と、基準として定められた状態である基準状態における蓄冷体10の蓄冷量とに基づいて、基準状態以降の蓄冷体10の状態を示す状態情報を生成する。表示部40は、表示情報生成器30によって生成された状態情報を表示する。
蓄冷装置100の表示情報生成器30は、上記のようにして、蓄冷体10の状態を示す状態情報を生成するので、蓄冷体10に含まれる蓄冷材料の種類が制限されず、高い汎用性を有する。また、蓄冷体10の温度に空間的なばらつきが生じる可能性がある場合でも、高い精度を有する蓄冷体10の状態情報を生成し表示できる。
蓄冷体10は、例えば、蓄冷材料がフィルム製の容器に密閉されて形成されている。蓄冷体10は、例えば、液状の蓄冷材料が冷却されて固化することにより潜熱の形態で冷熱を蓄えることができる。蓄冷体10に含まれる蓄冷材料は、特に制限されないが、例えば、所定の濃度で塩化ナトリウムが添加された塩化ナトリウム及び水を含む混合物である。蓄冷体10に含まれる蓄冷材料の結晶化開始温度と蓄冷体10に含まれる蓄冷材料の結晶化終了温度との差の絶対値は、特に制限されないが、例えば、2℃以下である。蓄冷体10に含まれる蓄冷材料の結晶化開始温度とその蓄冷材料の結晶化終了温度との差が比較的小さいと、例えば、物品を保冷するために許容される貯蔵室54における空気の温度の範囲が狭い場合に蓄冷体10を有利に利用できる。
蓄冷体10の容器を形成するフィルムは、例えば、アルミニウム層と、アルミニウム層の厚み方向の両側に配置された2つ以上の樹脂層とを備えた、積層フィルムである。蓄冷材料がフィルム製の容器に密閉されることによって蓄冷体10が形成されている場合、蓄冷装置100は、蓄冷体10を収容するケース(図示省略)をさらに備えていてもよい。そのケースは、例えば、アルミニウム等の金属又は合金でできている。
蓄冷体10は、蓄冷材料が、フィルム製の容器に代えて、蓄冷材料の相変化に対し形状を維持可能な剛性を有する樹脂製の容器に密閉されて形成されていてもよい。この場合、蓄冷体10は、金属又は合金製のケースに収容されていなくてもよい。すなわち、蓄冷体10を金属又は合金製のケースを用いることなく蓄冷室52に直接配列できる。
蓄冷室52に配列された複数の蓄冷体10の数は、特に制限されないが、例えば、蓄冷装置100に必要な冷熱量、蓄冷体10の寸法、及び蓄冷室15の高さ等のパラメータに基づいて適切に定められる。また、蓄冷室52に配列された複数の蓄冷体10の数は、望ましくは、蓄冷室52を流れる空気との蓄冷体10との熱交換面積が十分に確保されるように定められる。さらに、蓄冷室52に配列された複数の蓄冷体10の数は、望ましくは、蓄冷体10同士の間に形成された空気の流路13において空気の流れに生じる圧力損失が適切な大きさに保たれるように定められる。
第一温度センサ12は、特に制限されないが、例えば、熱電対又はサーミスターを有する接触式温度センサ又はサーモパイルを有する非接触式温度センサである。図3に示すように、第一温度センサ12は、例えば、上流空間52aの空気の温度を検出するための温度センサと、下流空間52bの空気の温度を検出するための温度センサとを有する。第一温度センサ12は、上流空間52aと下流空間52bとの間を往復移動可能な機構を有する単一の温度センサであってもよい。
表示情報生成器30は、例えば、単位時間(例えば1秒)あたりに流路13における空気の流れを形成する空気の熱容量に関する情報をさらに用いて、状態情報を生成する。図3に示すように、表示情報生成器30には、有線又は無線によって通信可能に、第一温度センサ12が接続されている。表示情報生成器30は、例えば、情報の入出力のためのインターフェース、CPU等の演算装置、メモリ等の主記憶装置、及びハードディスクドライブなどの補助記憶装置を備えたコンピュータとして構成されている。表示情報生成器30は、例えば、複数に区分された温度範囲毎に空気の熱容量に関する物性値が定義されたテーブルを記憶している。表示情報生成器30は、例えば、このテーブルを参照して、温度センサ12によって検出された上流空間52aの空気の温度と下流空間52bの空気の温度との算術平均値に対応する空気の熱容量に関する物性値を選び出す。このようにして選び出した空気の熱容量に関する物性値を用いて表示情報生成器30は空気の熱容量に関する情報を定めたうえで状態情報を生成する。空気の熱容量に関する物性値は、例えば、空気の定圧比熱である。
図3に示すように、表示情報生成器30は、通信ケーブルによって表示部40に接続されており、蓄冷体10の状態を示す状態情報を表示部40に出力する。表示部40は、特に制限されないが、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。表示部40は、例えば、筐体50の外周面に配置されている。
図1に示すように、蓄冷装置100は、例えば、冷気ダクト21、床板60、及び冷凍サイクル70を備えている。筐体50の内部の空間は、床板60によって蓄冷室52と貯蔵室54とに分かれている。例えば、床板60より下方(Z軸負方向)に蓄冷室52が形成され、床板60より上方(Z軸正方向)に貯蔵室54が形成されている。貯蔵室54は、食品などの保冷が必要な物品を収納するための空間である。例えば、床板60の端の一部と貯蔵室54を形成する壁面との間には隙間が形成されており、この隙間によって蓄冷室52と貯蔵室54とが連通している。
送風機20は、例えば、貯蔵室54の内部に配置されている。送風機20は、貯蔵室54の天井面近傍で貯蔵室54の側面に配置されている。冷気ダクト21は蓄冷室52と送風機20の後方の空間とを連通させている。送風機20が作動すると、蓄冷室52の内部の空気は、蓄冷体10同士の間に形成された流路13を通過する。このとき、蓄冷体10によって空気が冷却される。冷却された空気は、冷気ダクト21の内部を通って送風機20の後方の空間に導かれ、送風機20によって貯蔵室54に吹き出される。これにより、貯蔵室54に貯蔵された物品が保冷される。貯蔵室54の内部の空気の一部は、床板60の端の一部と貯蔵室54を形成する壁面との間に形成された隙間を通って蓄冷室52に導かれる。
図1に示すように、蓄冷装置100は、例えば、冷凍サイクル70をさらに備えている。冷凍サイクル70は、蒸発器71、圧縮機72、凝縮器73、及び膨張弁74を備えている。蒸発器71、圧縮機72、凝縮器73、及び膨張弁74の順番で冷媒が通過するようにこれらが配管によって環状に接続されている。蒸発器71は、蓄冷室52に配置されている。冷凍サイクル70を動作させると、蒸発器71を流れる冷媒と蓄冷室52の空気とが熱交換することにより、蓄冷室52の空気が冷却される。蒸発器71において冷媒の温度は、蓄冷体10に含まれる蓄冷材料の結晶化終了温度よりも低い。このため、液体状態の蓄冷材料が固化して蓄冷体10に潜熱の形態で冷熱が蓄えられる。冷凍サイクル70は、蓄冷装置100が保冷モードで運転して貯蔵室54で物品を保冷する前に、蓄冷体10に冷熱を蓄えるために使用される。このため、冷凍サイクル装置70は、蓄冷装置100が保冷モードで運転している期間は通常停止している。
蓄冷装置100は、冷凍サイクル70を備えていなくてもよい。例えば、別の冷凍装置によって冷熱が蓄えられた状態の蓄冷体10が蓄冷室52に配列されてもよい。この場合、複数の蓄冷体10は、例えば、蓄冷装置100に対して着脱可能である。
蓄冷装置100は、所定の条件が満たされると、例えば、図4に示す処理を実行して基準状態以降の蓄冷体10の状態を示す状態情報を生成し、表示する。所定の条件は、特に制限されないが、例えば、蓄冷装置100が保冷モードでの運転を開始して所定の時間が経過したこと及び表示情報生成器30に蓄冷体10の状態情報の表示を要求する情報が入力されたことである。蓄冷装置100は、蓄冷体10の状態を示す状態情報を生成して表示するための一連の処理を定期的に行ってもよい。まず、ステップS101において、第一温度センサ12を用いて、蓄冷室52の上流空間52a及び蓄冷室52の下流空間52bの空気の温度を検出する。次に、ステップS102に進み、表示情報生成器30は、第一温度センサ12によって検出された温度を示す情報を取得する。次に、ステップS103に進み、表示情報生成器30を用いて、第一温度センサ12によって検出された空気の温度と、基準として定められた状態である基準状態における蓄冷体10の蓄冷量とに基づいて、基準状態以降の蓄冷体10の状態を示す状態情報を生成する。このとき、典型的には、空気の熱容量に関する情報にも基づいて状態情報が生成される。次に、ステップS104に進み、生成された状態情報を表示部40に表示し、一連の処理が終了する。
蓄冷装置100は、例えば、蓄冷装置100が保冷モードで運転し始めた時の蓄冷体10の蓄冷量を基準状態における蓄冷体10の蓄冷量として用いて状態情報を生成する。
蓄冷装置100が保冷モードで運転し始める時に蓄冷室52に配列された複数の蓄冷体10に含まれる蓄冷材料の全体が所定の温度で固化している状態(以下、(「完全蓄冷状態」という))である場合を考える。この場合、表示情報生成器30が完全蓄冷状態における蓄冷体10の蓄冷量を記憶しており、完全蓄冷状態における蓄冷体10の蓄冷量を基準状態における蓄冷体10の蓄冷量として用いて状態情報を生成してもよい。所定の温度とは、蓄冷体10に含まれる蓄冷材料の結晶化終了温度以下の特定の温度である。
表示情報生成器30は、基準状態における蓄冷体10の蓄冷量を所定の方法で推算して決定してもよい。基準状態における蓄冷体10の蓄冷量を推算する方法の一例について説明する。
図1及び図3に示すように、蓄冷装置100は、第二温度センサ14をさらに備えている。第二温度センサ14は、貯蔵室54の内部に配置されており、貯蔵室54における空気の温度を検出する。第二温度センサ14は、特に制限されないが、例えば、熱電対又はサーミスターを有する接触式温度センサ又はサーモパイルを有する非接触式温度センサである。送風機20は、第二温度センサ14によって検出された温度が上限値以上になった時に作動し始め、かつ、第二温度センサ14によって検出された温度が上限値より低い下限値以下になった時に停止する。この場合、表示情報生成器30は、筐体50の外部の空気の温度である外気温度に関する情報と、送風機20の作動開始から送風機20の停止までの時間とを用いて、基準状態における蓄冷体10の蓄冷量を決定する。
蓄冷装置100が保冷モードで運転するときに、外気温度が高いほど蓄冷装置100に流入する熱量が大きく貯蔵室54における空気の温度が低下しにくいので送風機20の作動時間が長くなる。また、基準状態における蓄冷体10の蓄冷量が少ないと、蓄冷体10同士の流路を通過する空気が単位時間あたりに蓄冷体10から受け取る冷熱量が少なくなる。蓄冷体10に含まれる蓄冷材料の全体が凝固した状態から蓄冷材料の一部が融解した状態に移行した場合、潜熱として冷熱を蓄えている固体状態の蓄冷材料は、融解した液体状態の蓄冷材料に取り囲まれる。また、蓄冷体10に含まれる蓄冷材料の外周部のみが凝固した状態の蓄冷材料が融解するとき、蓄冷材料は外周面から冷熱を放出しながら中央に向かって融解していくので、蓄冷体10に含まれる蓄冷材料の最外周部に液体状態の蓄冷材料が存在する。液体状態の蓄熱材料は、固体状態の蓄熱材料に比べて熱を伝えにくい。例えば、液体の水の熱伝導率は0.6W/(m・K)であるのに対し、固体である氷の熱伝達率は2.2W/(m・K)である。このため、基準状態における蓄冷体10の蓄冷量が少ないと、蓄冷体10同士の流路13を通過する空気が単位時間あたりに蓄冷体10から受け取る冷熱量が少なくなる。これにより、貯蔵室54に単位時間あたりに供給される冷熱の量が小さく、貯蔵室54の温度が低下しにくい。その結果、基準状態における蓄冷体10の蓄冷量が少ないと、送風機20の作動時間は長くなる。このように、送風機20の作動時間と、外気温度及び基準状態における蓄冷体10の蓄冷量とのそれぞれとの間には相関関係があるので、この相関関係を利用することにより基準状態における蓄冷体10の蓄冷量を推算できる。
図3に示すように、表示情報生成器30には、有線又は無線によって通信可能に、第二温度センサ14及び送風機20が接続されている。表示情報生成器30は、第二温度センサ14から貯蔵室54における空気の温度を示す情報を取得し、この情報に基づいて送風機20の作動及び停止のための制御信号を送風機20に向かって送信する。
蓄冷装置100が保冷モードで運転するとき、例えば、図5に示すように、送風機20を制御するための一連の処理が実行される。蓄冷装置100が保冷モードでの運転を開始すると、ステップS201において、表示情報生成器30から送風機20に制御信号を送り、送風機20を作動させる。次に、ステップS202に進み、保冷モードでの運転を継続すべきか判断する。ステップS202における判断結果がNoである場合、送風機20が作動中の場合には送風機20を停止させて送風機20を制御するための処理を終了する。ステップS202における判断結果がYesである場合、ステップS203に進み、第二温度センサ14を用いて貯蔵室54における空気の温度T2を検出する。さらに、表示情報生成器30が温度T2を第二温度センサ14から取得する。次に、ステップS204に進み、表示情報生成器30は、送風機20が作動中であるか否か判断する。ステップS204における判断結果がYesである場合、ステップS205に進み、表示情報生成器30は、温度T2が貯蔵室54における空気の温度の目標値の下限値以下であるか否か判断する。ステップS205における判断結果がYesである場合、ステップS206に進み、表示情報生成器30から送風機20に制御信号を送り、送風機20を停止させ、ステップS202の処理に戻る。
ステップS205における判断結果がNoである場合、ステップS207に進み、表示情報生成器30は、外気温度に関する情報の入手が必要か判断する。例えば、表示情報生成器30は、利用可能な外気温度に関する情報が既に記憶されている場合、外気温度に関する情報の入手が必要ないと判断する。また、例えば、表示情報生成器30は、所定期間が経過して記憶している外気温度に関する情報を更新する必要がある場合には、外気温度に関する情報の入手が必要であると判断する。ステップS207における判断結果がNoである場合、ステップS202の処理に戻る。ステップS207における判断結果がYesである場合、ステップS208の処理に進み、表示情報生成器30は、送風機20の連続作動時間tを算出する。表示情報生成器30は、例えばタイマを有しており、タイマを参照して、送風機20の作動のための制御信号を送信してから現在までの経過時間を時間tとして決定する。次に、ステップS209に進み、表示情報生成器30は、時間tが予め定められた時間t1以上であるか否か判断する。ステップS209の判断結果がYesの場合、ステップS210に進み、表示情報生成器30から送風機20に制御信号を送り、送風機20が送り出す空気の流量を増加させる。その後、ステップS202の処理に戻る。一方、ステップS209の判断結果がNoである場合、ステップS210の処理を行うことなく、ステップS202に戻る。このように、送風機20は、送風機20が予め定められた時間以上連続的に作動した場合に、送風機20によって送り出される空気の流量を増加させて断続的に作動する。蓄熱体10が有する冷熱の量が少ないと、貯蔵室54に供給される冷熱が少なく、貯蔵室54における空気の温度が低下しにくい。このため、送風機20が予め定められた時間以上連続的に作動することがある。この場合、送風機20によって送り出される空気の流量が増加すると、貯蔵室54に供給される冷熱量が増加し、貯蔵室54の温度が低下しやすくなる。これにより、送風機20が断続的に作動しやすくなる。
ステップS204における判断結果がNoである場合、ステップS211に進み、表示情報生成器30は、温度T2が貯蔵室54における空気の温度の目標値の上限値以上であるか否か判断する。ステップS211における判断結果がNoである場合、ステップS202の処理に戻る。ステップS211における判断結果がYesである場合、ステップS212に進み、表示情報生成器30から送風機20に制御信号を送り、送風機20を作動させ、その後ステップS202の処理に戻る。
表示情報生成器30は、例えば、送風機20の停止から送風機20の作動再開までの時間を用いて、外気温度に関する情報を決定する。外気温度が高いほど蓄冷装置100の内部に流入する熱量が多く送風機20の停止後に貯蔵室54の空気の温度がより短時間で上限値以上に上昇する。このため、外気温度が高いほど送風機20が停止している時間が短く、送風機20の停止から送風機20の作動再開までの時間と外気温度との間には相関関係がある。この相関関係を利用することにより、送風機20の停止から送風機20の作動再開までの時間を用いて、外気温度を推算できる。これにより、温度センサによって外気温度を直接検出することなく外気温度に関する情報を決定できる。
表示情報生成器30は、例えば、図4におけるステップS103において、図6に示す一連の処理を実行して基準状態における蓄冷体10の蓄冷量を決定する。表示情報生成器30は、例えばタイマを有しており、ステップS301において、タイマを参照して送風機20の停止から作動再開までの時間tsを算出する。表示情報生成器30は、次にステップS302に進み、時間tsに基づいて外気温度に関する情報を決定する。表示情報生成器30には、例えば、送風機20の停止から送風機20の作動再開までの時間と外気温度との関係を示すテーブルが記憶されている。表示情報生成器30は、このテーブルを参照して、時間tsから外気温度に関する情報を決定する。
表示情報生成器30は、次にステップS303に進み、タイマを参照して送風機20の作動開始から送風機20の停止までの時間twを取得する。表示情報生成器30は、次にステップS304に進み、時間tw及びステップS302で決定した外気温度に関する情報に基づいて基準状態における蓄冷体10の蓄冷量を決定する。例えば、表示情報生成器30には、送風機20の作動開始から送風機20の停止までの時間と基準状態における蓄冷体10の蓄冷量との関係を示すテーブルが記憶されている。このテーブルは、例えば、複数に区分された外気温度の範囲のそれぞれに対して定義されている。表示情報生成器30は、外気温度に関する情報に基づいて適切なテーブルを選び出す。表示情報生成器30は、選び出したテーブルを参照し、時間twに対応する基準状態における蓄冷体10の蓄冷量の値を選んで、蓄冷体10の状態情報の生成に利用する。
蓄冷装置100は、筐体50の外部に配置された外気温度を検出するための外気温度センサをさらに備えていてもよい。この場合、表示情報生成器30には、有線又は無線によって通信可能に、外気温度センサが接続されている。表示情報生成器30は、時間tsに基づいて外気温度に関する情報を決定する代わりに、外気温度センサによって検出された外気温度を示す情報を外気温度に関する情報として取得したうえでステップS304の処理を行ってもよい。
図3に示すように、蓄冷装置100は、例えば、第三温度センサ16をさらに備えている。第三温度センサ16は、蓄冷体10の温度を検出する。第三温度センサ16は、例えば、蓄冷体10の表面の温度を検出する。第三温度センサ16は、特に制限されないが、例えば、熱電対又はサーミスターを有する接触式温度センサ又はサーモパイルを有する非接触式温度センサである。蓄冷体10は、基準状態において、第三温度センサ16によって検出された温度が貯蔵室54における空気の温度の目標値よりも所定の温度以上低くなる状態をもたらす冷熱を蓄えている。貯蔵室54における空気の温度の目標値は、例えば、上限値と下限値とを有する温度範囲として定義されている。蓄冷体10は、例えば、基準状態において、貯蔵室54における空気の温度の目標値の下限値よりも例えば20℃以上低くなる状態をもたらす冷熱を蓄えている。これにより、蓄冷体10は、蓄冷装置100が保冷モードで運転するときに送風機20が断続的に作動するのに十分な冷熱を有する。
保冷モードにおいて送風機20が断続的に作動するためには、送風機20の作動中に蓄冷体10から貯蔵室54に供給される冷熱量が蓄冷装置100の外部に放出される冷熱量よりも大きいことが必要である。この大小関係は、蓄冷装置100が保冷モードでの運転を開始した時の蓄冷体10の温度、貯蔵室54における空気の温度の目標値、蓄冷装置100の寸法又は筐体50の断熱性、及び蓄冷体10と空気との間の伝熱性等の条件の影響を受ける。蓄冷体10が基準状態において上記のように冷熱を蓄えていると、送風機20が断続的に作動しやすい。
表示情報生成器30は、第三温度センサ16によって検出された温度と貯蔵室54における空気の温度の目標値との差が小さい場合、送風機20が送り出す空気の流量を増加させる制御信号を送風機20に送信してもよい。これにより、送風機20が断続的に作動しやすい。
表示情報生成器30が生成する状態情報は、例えば、蓄冷残量、保冷可能時間、及び蓄冷体10に含まれる蓄冷材料の一部又は全部を固化させるまでに必要な時間の少なくとも1つである。蓄冷残量は、蓄冷体10の蓄冷量の残量である。保冷可能時間は、貯蔵室54を保冷可能な時間である。
蓄熱装置100が保冷モードで運転するときの蓄冷装置100における熱収支を考えると、蓄冷体10が有する冷熱が蓄冷装置100から外部に放出される冷熱を補う関係が成立している。このため、例えば、上流空間52aにおける空気の温度と下流空間52bにおける空気の温度との差、送風機20が作動するときの空気の流量、空気の密度、及び空気の定圧比熱によって単位時間当たりの消費冷熱量を決定できる。送風機20が作動している期間において単位時間当たりの消費冷熱量を積算することによって消費冷熱量を決定できる。消費冷熱量は、基準状態以降に消費された冷熱量である。図7に示すように、例えば、蓄冷残量と消費冷熱量との和は基準状態における蓄冷体の蓄冷量に等しい。このため、上記のようにして決定した消費冷熱量を、基準状態における蓄冷体10の蓄冷量から差し引くことによって基準状態以降において蓄冷体10の蓄冷残量を決定できる。なお、送風機20が作動するときの空気の流量が変更可能である場合、蓄熱装置100は、例えば、送風機20が作動するときの空気の流量を検出するための流量検出器をさらに備えている。この場合、表示情報生成器30には、無線又は有線によって通信可能にこの流量検出器が接続されている。また、表示情報生成器30は、流量検出器が検出した空気の流量を示す情報をさらに用いて消費冷熱量を決定したうえで状態情報を生成する。
保冷可能時間は、例えば、貯蔵室54における空気の温度を目標値に維持することが可能な時間である。保冷可能時間は、蓄冷装置100の外部に放出される単位時間当たりの冷熱量及び蓄冷残量に基づいて求めることができる。蓄冷装置100の外部に放出される単位時間当たりの冷熱量は、例えば、外気温度と、貯蔵室54における空気の温度との差に基づいて定めることができる。この場合、表示情報生成器30は、外気温度に関する情報と、第二温度センサ14によって検出された貯蔵室54における空気の温度を示す情報とに基づいて、蓄冷装置100の外部に放出される単位時間当たりの冷熱量を決定する。例えば、蓄冷残量がA[J]であり、蓄冷装置100の外部に放出される単位時間当たりの冷熱量がB[W]である場合、表示情報生成器30は、保冷可能時間をA/B[秒]と算出する。また、表示情報生成部30は、所定の蓄冷残量まで蓄冷体10に蓄えられた冷熱が消費されるのに要した時間に基づいて、保冷可能時間を算出してもよい。例えば、蓄冷装置100が保冷モードでの運転を完全蓄冷状態で開始してから蓄冷体10の蓄冷残量が半分になるまでに要した時間が1時間である場合、表示情報生成部30は、保冷可能時間を「1時間」と算出してもよい。
表示情報生成器30は、例えば、蒸発器71の冷却能力及び蓄冷体10の蓄冷残量に基づいて、蓄冷体10に含まれる蓄冷材料の一部又は全部を固化させるまでに必要な時間tcを状態情報として決定する。蒸発器71の冷却能力は、例えば、表示情報生成器30に記憶されている。例えば、表示情報生成器30は、蓄冷残量がC[J]であり、蓄冷体10に含まれる蓄冷材料の全部が固化した場合に蓄えられる冷熱量がD[J]であり、蒸発器71の冷却能力がE[W]である場合、(D−C)/E[秒]として時間tcを算出する。
図1〜図3に示すような蓄冷装置を用いて蓄冷装置の貯蔵室を保冷した。蓄冷体に含まれる蓄冷材料の融点は、−25℃であった。−25℃の完全蓄冷状態の蓄冷体を蓄冷室に配列した。蓄冷体に潜熱の形態で蓄えられた初期の蓄冷量は2890kJであった。その後、蓄冷装置の貯蔵室における空気の温度の目標値の下限値を3℃に設定し、かつ、その目標値の上限値を5℃に設定して、蓄冷装置の貯蔵室を100分間保冷した。貯蔵室における空気の温度が3℃以下になると蓄冷装置の送風機を停止させ、貯蔵室における空気の温度が5℃以上になると蓄冷装置の送風機を作動させた。
蓄冷装置の貯蔵室を保冷する間、蓄冷室の上流空間における空気の温度及び蓄冷室の下流空間における空気の温度を温度センサによって検出した。その結果を図8に示す。また、蓄冷装置の貯蔵室を保冷する間の蓄冷装置の送風機の作動状態を併せて図8に示す。貯蔵室における空気の温度が目標値の下限値以下になると送風機は、約340秒間停止し、その後約200秒間作動し、断続的に作動した。図8の結果に基づいて求めた消費冷熱量と蓄冷残量の結果を図9に示す。図9に示すように、送風機の作動及び停止に合せて階段状に増加する消費冷熱量の経時変化プロフィールが得られた。このプロフィールに基づくと、貯蔵室の保冷開始から100分後の消費冷熱量は、1210kJであり、蓄冷残量は約58%であった。蓄冷体の表面に温度センサを取り付け、貯蔵室の保冷開始から100分経過以降、その温度センサが所定温度に上昇するまで送風機を連続運転させた。この場合の送風機の連続運転時間から貯蔵室54の保冷開始から100分後の蓄冷残量を求めたところ、60%であった。このため、図9に示す結果は、蓄冷体の蓄冷残量を高精度(±10%以内)に表していることが示唆された。
本開示の蓄冷装置は、冷蔵又は冷凍において冷熱を一時的に蓄える用途に利用できる。
10 蓄冷体
12 第一温度センサ
13 流路
14 第二温度センサ
16 第三温度センサ
20 送風機
30 表示情報生成器
40 表示部
50 筐体
52 蓄冷室
52a 上流空間
52b 下流空間
54 貯蔵室
100 蓄冷装置

Claims (9)

  1. 蓄冷装置であって、
    蓄冷室及び貯蔵室を内部に有する筐体と、
    前記蓄冷室において特定の方向に配列され、当該蓄冷装置が前記貯蔵室を保冷する保冷モードで運転するときに冷熱を放出する複数の蓄冷体と、
    前記複数の蓄冷体が配列された面内において前記特定の方向と交わる方向に沿って前記蓄冷体同士の間に形成された流路を通過する空気の流れを生じさせ、前記蓄冷体によって冷却された空気を前記蓄冷室と前記貯蔵室との間で循環させる送風機と、
    前記空気の流れ方向において少なくとも1つの前記流路の上流に形成された前記蓄冷室の上流空間及び前記空気の流れ方向において少なくとも1つの前記流路の下流に形成された前記蓄冷室の下流空間の空気の温度を検出する第一温度センサと、
    前記貯蔵室における空気の温度を検出する第二温度センサと、
    前記第一温度センサによって検出された空気の温度と、基準として定められた状態である基準状態における前記蓄冷体の蓄冷量とに基づいて、前記基準状態以降の前記蓄冷体の状態を示す状態情報を生成する表示情報生成器と、
    前記状態情報を表示する表示部と、を備え
    前記送風機は、前記第二温度センサによって検出された温度が上限値以上になった時に作動し始め、かつ、前記第二温度センサによって検出された温度が前記上限値より低い下限値以下になった時に停止し、
    前記表示情報生成器は、前記筐体の外部の空気の温度である外気温度に関する情報と、前記送風機の作動開始から前記送風機の停止までの時間とを用いて、前記基準状態における前記蓄冷体の前記蓄冷量を決定する、
    蓄冷装置。
  2. 前記表示情報生成器は、単位時間あたりに前記空気の流れを形成する空気の熱容量に関する情報をさらに用いて、前記状態情報を生成する、請求項1に記載の蓄冷装置。
  3. 前記表示情報生成器は、前記送風機の停止から前記送風機の作動再開までの時間を用いて、前記外気温度に関する情報を決定する、請求項1又は2に記載の蓄冷装置。
  4. 前記蓄冷体の温度を検出する第三温度センサをさらに備え、
    前記蓄冷体は、前記基準状態において、前記第三温度センサによって検出された温度が前記貯蔵室における空気の温度の目標値よりも所定の温度以上低くなる状態をもたらす冷熱を蓄えている、請求項1からのいずれか1項に記載の蓄冷装置。
  5. 前記状態情報は、前記蓄冷体の蓄冷量の残量である蓄冷残量、前記貯蔵室を保冷可能な時間である保冷可能時間、及び前記蓄冷体に含まれる蓄冷材料の一部又は全部を固化させるまでに必要な時間の少なくとも1つである、請求項1からのいずれか1項に記載の蓄冷装置。
  6. 前記送風機は、当該送風機が予め定められた時間以上連続的に作動した場合に、当該送風機によって送り出される空気の流量を増加させて断続的に作動する、請求項1から5のいずれか1項に記載の蓄冷装置。
  7. 前記表示情報生成器は、当該蓄冷装置が前記保冷モードで運転し始めた時の前記蓄冷体の蓄冷量を前記基準状態における前記蓄冷体の前記蓄冷量として用いて前記状態情報を生成する、請求項1からのいずれか1項に記載の蓄冷装置。
  8. 前記表示情報生成器は、前記蓄冷体に含まれる蓄冷材料の全体が所定の温度で固化している状態である完全蓄冷状態における前記蓄冷体の蓄冷量を前記基準状態における前記蓄冷体の前記蓄冷量として用いて前記状態情報を生成する、請求項1、2、、及びのいずれか1項に記載の蓄冷装置。
  9. 蓄冷装置の蓄冷体の状態を示す情報を表示する方法であって、
    送風機を用いて、前記蓄冷装置の内部の蓄冷室で複数の蓄冷体が特定の方向に配列された面内において前記特定の方向と交わる方向に沿って前記蓄冷体同士の間に形成された流路を通過する空気の流れを生じさせ、前記蓄冷体によって冷却された空気を前記蓄冷室と前記蓄冷装置の内部の貯蔵室との間で循環させ、
    第一温度センサを用いて、前記空気の流れ方向において少なくとも1つの前記流路の上流に形成された前記蓄冷室の上流空間及び前記空気の流れ方向において少なくとも1つの前記流路の下流に形成された前記蓄冷室の下流空間の空気の温度を検出し、
    第二温度センサを用いて、前記第二温度センサによって検出された温度が上限値以上になった時に前記送風機を作動させ始め、かつ、前記第二温度センサによって検出された温度が前記上限値より低い下限値以下になった時に前記送風機を停止させ、
    表示情報生成器を用いて、筐体の外部の空気の温度である外気温度に関する情報と、前記送風機の作動開始から前記送風機の停止までの時間とによって、基準として定められた状態である基準状態における前記蓄冷体の蓄冷量を決定し、前記第一温度センサによって検出された空気の温度と、前記基準状態における前記蓄冷体の前記蓄冷量とに基づいて、前記基準状態以降の前記蓄冷体の状態を示す状態情報を生成し、
    前記状態情報を表示部に表示する、
    方法。
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