JP6670796B2 - 乾燥機 - Google Patents

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Description

本発明は、乾燥機に関し、さらに詳しくは木質チップをはじめとする被乾燥材料の乾燥構造に関する。
近年、化石燃料による環境保全への危惧という観点から、化石燃料と異なる林産資源や農産物残渣などを用いて再生エネルギーを確保することが着目されてきている。
再生エネルギーを確保するために用いられる資源の一つとして、林産資源から製造した木質ペレットが知られている。
木質ペレットは、粉砕された木質チップを乾燥した後、所定サイズや形状を決められたペレット状に成形されて得られる。
木質ペレットは燃料としての燃焼特性や成形特性、いわゆる、押し固めた際に木質チップが縮みやすくペレットの形状に成形されやすくなる性能を意味する凝縮性能を良好にするために含水率が規定される対象である。
従来、被乾燥材料の一つである木質チップを用いた木質ペレットの製造工程には、チップ状の木質材料を乾燥する工程、乾燥されたチップを凝縮して成形する工程が含まれており、各工程において含水率を規定するための処理が施されている。
例えば、乾燥工程では、木質チップに含まれている水分を蒸発させるための熱源および木質チップを搬送する機構が用いられ、成形工程では凝縮しやすい含水率を制御するための加水機構が用いられることがある(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、粗粒子状の木質バイオマスをスクリューコンベアにより搬送する際に、スクリューコンベアの外側に位置する赤外線ヒータによる加熱を行うことで乾燥し、乾燥後には加水装置により加水する構成が開示されている。
乾燥工程に用いる構成の別な例として、スクリューコンベアを内部に配置した筒体の外周面に蒸気の通路を設けて筒体内を搬送される木質チップを間接加熱する構成もある(例えば、特許文献2)。
乾燥工程に導入される木質チップは、スクリューコンベアに押し動かされながら移動する過程において加熱空気と接触することにより水分の蒸発が行われて乾燥される。
しかし、乾燥条件となる水分蒸発に必要な空気の温度は、スクリューコンベアを配置している筒体の熱伝導特性に影響される。従って、空気の温度上昇は緩慢となることもあり、所定温度の熱量に達するまでの立ち上がり時間が長くなりやすい虞がある。
加えて、スクリューコンベアの羽根先と筒体内壁との間に隙間が存在すると、その隙間から木質チップが漏れて搬送できない木質チップが発生することもある。このため、木質チップの供給量に対して排出量が一定しないということもあり得る。この結果、漏れる量を考慮した供給量やこの供給量に対する乾燥用熱量あるいは搬送時間などの制御が複雑になる虞もある。
特開2008−214531号公報 特開2010−230230号公報
本発明の課題は、上記従来の問題に鑑み、木質チップ等の被乾燥材料の乾燥を良好に行えるとともに、乾燥のための熱源に対する制御も複雑にすることがない構成を備えた乾燥装置を提供することにある。
この課題を解決するため、本発明は、導入される被乾燥材料を乾燥するための乾燥機であって、内部に被乾燥材料を移動させる空間を備え、回転可能に設けられている筒体と、前記筒体の長手方向一端側に設けられている、被乾燥材料導入部および加熱空気供給部と、前記筒体の長手方向他端側に設けられて該筒体内の空気を筒体の長手方向一端側から他端側に向けて吸引する手段と、を備え、前記筒体内部には、周方向に沿って中心に向け所定長さを有する掬い上げ羽根が放射状に複数配置され、前記掬い上げ羽根は、前記筒体の長手方向において複数の領域に区分された各領域で周方向の配置位相がずらされていることを特徴としている。
本発明によれば、筒体内の周方向に掬い上げ羽根が複数放射状に配置され、かつ長手方向の複数領域で周方向の配置位相が異ならせてあるので筒体の長手方向と直角な方向の端面中央部において被乾燥材料の移動を妨げるものがない。これにより、被乾燥材料は掬い上げ羽根による掬い上げおよび振るい落とされながら筒体空間内を気流搬送されるので、筒体空間内で加熱空気と直接接触する機会が増やされて水分蒸発に必要な熱伝達が促進される。なお、この場合の振るい落としとは、気流搬送により筒体の長手方向に振るわれながら移動することと自重落下することとの動作が組み合わされることを意味している。
しかも、掬い上げ羽根は、長手方向で区分されている領域同士で周方向での配置位相が異ならせてあるので、長手方向および周方向で被乾燥材料が同時期に纏めて落下する場合と違って、長手方向および周方向で段階的な被乾燥材料の落下順序が得られる。これにより、掬い上げ羽根から筒体の長手方向および周方向で同時期に纏めて被乾燥材料が落下する場合と違って、筒体の長手方向および周方向で被乾燥材料が拡散されて振るい落とされるので、被乾燥材料と加熱空気との接触機会が増やされると共に、領域毎での被乾燥材料と加熱空気との接触面積を増やすことが期待でき、結果として水分蒸発を促進することができる。従って、搬送不良などの損失分を考慮した被乾燥材料の供給量制御や熱量制御が不要となる。
本発明の実施形態にかかる乾燥機を用いた被乾燥材料の一つである木質バイオマス材料を対象とした木質ペレット製造工程を説明するための模式図である。 本発明の実施形態にかかる乾燥機の部分的な外観図である。 本発明の実施形態にかかる乾燥機の長手方向を示す側面図である。 図2中、筒体における矢印(4)で示す方向の矢視断面図である。 図2に示した筒体の長手方向に沿った掬い上げ羽根の配置位相を説明するための模式図である。 図4に示した矢視断面に示されている掬い上げ羽根の構成を説明するための図である。 図6に示した掬い上げ羽根の作用を説明するための図4の要部を示す図である。 図1に示した木質ペレット製造工程を実施する具体的な構成の一例を示す斜視図である。
以下に、本発明を実施するための形態を説明する。
図1および図8は、本発明を実施するための形態に係る乾燥機が用いられる、ペレット製造プラントの概略を示す図である。
図1に示すペレット製造プラントは、被乾燥材料として、可燃性材料の一つである木質バイオマス材料を対象としているが、これに限らず、可燃材料以外で粉体などを被乾燥材料の対象とすることも可能である。
図1においてペレット製造プラント100は、木質バイオマス材料から得られる木質チップの乾燥処理および木質ペレットの成形、そして成形後の木質ペレットをペレット完成品として袋詰めする梱包を行うために、次の工程部を備えている。
すなわち、乾燥処理を行うための工程部として、粉砕済みの木質チップを乾燥工程部102に供給するバイオマス材料導入部101と、ロータリーキルン等の回転可能な筒体1を備えた乾燥工程部102と、乾燥工程に用いる加熱空気の供給部103と、が備えられている。
乾燥後の木質チップをペレット状に成形するために、例えば、次の工程部が用いられる。
(1)乾燥後の木質チップを再粉砕する2次粉砕工程部104、
(2)含水率が所定値に達していない木質チップを乾燥工程部102にて再乾燥させるとともに、所定値に達している木質チップを成形処理する成形工程部106に向けて搬送する2次供給工程部105、
(3)2次供給工程部105から選別された木質チップをペレット状に成形する成形機106Aを備えた成形工程部106、
である。
成形工程部106を経て木質ペレットとされ、所定形状あるいは所定サイズなどの規定条件を満たしているバイオマス材料は、冷却工程部107において冷却された後、ペレット完成品として袋詰めされるための袋詰め工程部108に搬送される。
上記各工程部のうちで、乾燥工程部102は本発明の実施形態にかかる特徴部分であり、その詳細は後で説明するとして、ここでは乾燥工程部102を除く各工程部の構成を概略的に説明すると次の通りである。
バイオマス材料導入部101には、粉砕された木質チップを貯蔵する貯蔵ヤード101A、貯蔵された木質チップを乾燥工程部102の乾燥機に向け搬送する1次供給機101Bおよび搬送ベルトコンベア101Cがそれぞれ備えられている。1次供給機101Bにより搬送される木質チップは、例えば、屋外で破砕された原木などの木質バイオマス材料が所定外径に粉砕されて用いられる。
2次粉砕工程部104には、乾燥工程を経た木質チップが所定サイズに粉砕されると共に含水率が所定条件である木質チップを2次供給工程部105に向け搬送するための粉砕機104Aおよび湿度センサ(図示されず)等が備えられている。なお、含水率に関しては、湿度センサを用いることに限らず、作業員が水分計を用いて計測した結果に応じて篩い分け処理を行うことも可能である。
粉砕機104Aには、図示しないが、粉砕サイズを規定するフィルターの内側で高速回転するハンマーを備えたハンマーミル等が用いられる。木質チップはハンマーにより粉砕されてフィルターサイズに適合したものが次の行程に搬送される。
2次粉砕工程部104において粉砕された木質チップは、含水率に応じて搬送経路が仕分けられる。つまり、含水率が所定条件を満たしている木質チップは2次供給工程部105に向けて搬送され、含水率に関して所定条件を満たしていない木質チップは、再度乾燥工程部102に搬送される。このため、粉砕機104Aから排出される木質チップは、含水率毎の篩い分けおよび搬送ができるコンベア104Bおよび104Cの何れかによって搬送方向が決められる。
これらコンベア104B,104Cのうちで、最初に木質チップが導入される一方のコンベア104Bには篩い分け機構が持たされており、含水率が所定条件を満足している木質チップを2次供給工程部105に向け搬送するようになっている。含水率の違いによる篩い分けは、例えば、含水率の違いによる重量の違いをパラメータとして気流搬送時あるいは導入時での捕捉条件を設定される機構などが用いられる。
他方のコンベア104Cは、含水率が所定条件を満足していない木質チップを対象として再乾燥させる際の前準備工程へと木質チップを迂回搬送するバイパス2次供給行程部109に連続されている。
バイパス2次供給工程部109には、木質チップを撹拌しながら搬送可能なバイパス2次供給搬送装置109Aと、気流搬送に用いた空気と木質チップとを分離するサイクロンロータリーバルブ109Bと、袋詰め機(フレキシブルコンテナバック詰め機)109Cとが備えられている。
バイパス2次供給工程部109では、サイクロンロータリーバルブ109Bにおいて空気と分離された木質チップが、乾燥工程部102に向け移送しやすいように袋詰め機109Cにより袋詰めされる。
含水率が所定条件を満たしている木質チップは、成形工程部106に備えられている成形機106Aによって、例えば、押し固められて凝縮されることによりペレット状に成形される。成形工程部106では、ペレット状に成形されなかった木質チップなどの成形不良品の仕分けが行われたうえで、良品のみが完成品として袋詰めされるための袋詰め工程部108に搬送される。成形不良品とされた木質チップは、サイクロンロータリーバルブ109Bに搬送され、再乾燥用と同じく袋詰め機109Cにより袋詰めされる。
成形工程部106において所定形状や所定サイズに成形されて木質ペレットとして用いられるバイオマス材料は、良品が完成品として冷却工程部107において冷却された後、袋詰め工程部108において袋詰めされて完成品として出荷のために準備される。
冷却工程部107には、成形工程部106を経て木質ペレットとして用いられるバイオマス材料を袋詰め工程部108に向けて搬送する搬送コンベア107A、107Bが備えられている。搬送コンベアの一方107Aの上部には、冷却風を吹き付けるためのノズル107A1,ブロアー107A2が配置されている。
以上のペレット製造プラント100において、本実施形態にかかる乾燥工程部102は、筒体1を主要部としている乾燥機10を備え、筒体1の内部で木質チップを押し動かすのではなく気流搬送させながら撹拌して乾燥させる点を特徴としている。
以下、この特徴を得るための構成について説明する。
乾燥機10は、図1および2に示すように、軸方向に沿った長手方向を有する回転可能な筒体1を備えている。
筒体1は、木質チップなどの乾燥材料となるバイオマス材料を移動させる空間を内部に形成され、長手方向両端に設けられている不動部1A、1A’により支持された回転可能な回転部1Cを備えている。
回転部1Cは、外周下面に当接させてあるローラ1Bによって回転できるように支持されている。筒体1の長手方向一端側の不動部1Aには、図2に示すように、外周上面に貫通する取り込み部1Dが設けられている。取り込み部1Dは、バイオマス材料導入部101(図1参照)に備えられている搬送ベルトコンベア101Cを介して搬送されてくる木質チップを受け入れるために用いられる。また、筒体1の長手方向一端側には、取り込み部1Dに加えて、加熱空気の供給部103との連通部103Aが接続されている。なお、取り込み部1Dは、筒体1の不動部外周上面に設けることに限らず、図3中、二点鎖線1D’で示すように、端面側に連通させて設けることも可能である。
加熱空気の供給部103は、図2において、木質ペレットを燃料とする火炎部1030と火炎部1030で加熱された空気を清浄化して筒体1側に移送する燃焼筒1031,1032が備えられている。
火炎部1030には、図示しない回転テーブルが設けられている。回転テーブルは、木質ペレットを搭載した状態で、バーナー1030Aで生成される種火に均等接触させるように回転することができる。
火炎部1030で発生した加熱空気は、筒体1の長手方向他端側に設けられている送風機2の吸引作用によって筒体1の内部に向けて移動することができる。
送風機2は、筒体1の長手方向一端側から他端側に向けて空気を移動させて、いわゆる一端側から他端側に空気を吸引する機能を備えている。筒体1と送風機2とは、筒体1の長手方向他端側端面に接続された吸引管2Aによって連通されており、筒体1の内部に空気の流れを発生させることができる。
従って、加熱空気の供給部103では、火炎部1030において発生した火炎に対して外部からの空気が筒体1側に向けて吸引される過程で加熱空気として生成される。火炎部1030を通過した空気は、燃焼筒1031,1032を通過する時間を加熱時間に費やされることにより温度を高めたうえで、後段の燃焼筒1032と筒体1との間の連通部103Aに導かれて筒体1内に導入される。
乾燥機10の主要部として用いられる筒体1には、図4および図5において符号50、50’で示されている掬い上げ羽根が回転部1Cの内部に備えられている。なお、図4,図5において符号50’で示す掬い上げ羽根は、後で説明するが、符号50で示す掬い上げ羽根と周方向での配置位相が異なっていることを意味させるために表示されている。
図4において、掬い上げ羽根50,50’は、筒体1に用いられる回転部1Cの内周面で周方向に沿って所定間隔の位置に設けられ、かつ、回転部1Cの断面中心に向けて所定長さを持たされて放射状に複数配置されている。
この構成を用いることにより、回転部1Cの断面中央部は木質チップおよび加熱空気の混合空間となり、木質チップ及び加熱空気の移動を妨げるものがない空間が得られる。
なお、図4において、符号1C1は、回転部1Cの回転駆動に用いられるチェーンホィール部を示している。チェーンホィール部1C1は、駆動モータMによって駆動されるチェーン1C2の動きに従って回転部1Cを回転させるようになっている。
一方、回転部1Cは、図5において符号Lで示すように、長手方向に沿って複数の領域に区分されており、区分された各領域Lに掬い上げ羽根50,50’が設けられている。各領域Lに設けられている掬い上げ羽根50,50’は、領域L同士で周方向での配置位相が異なっている。
図5は、回転部1Cの長手方向に沿った各領域Lでの掬い上げ羽根50,50’の配置位相を示す図である。
同図において、直接隣り合う領域Lに設けられている掬い上げ羽根50,50’は、互いの配置位相が同じではない。
つまり、図5中、符号50で示す掬い上げ羽根の周方向での配置位相が、図4における符号50で示す位相に設定されているとすると、図5中、符号50’で示す掬い上げ羽根は、図4において符号50’で示すように、周方向でずれた位置に設けられている。
本実施形態における掬い上げ羽根50,50’の配置位相に関しては、例えば、一つ飛び越えた位置に在る領域L同士の配置位相が同じとされ、直接隣り合う領域L同士での配置位相が互いに異なる関係に決められている。
つまり、図5において直接隣り合う領域L同士では、符号50,50’で示すように異なる位置に掬い上げ羽根が位置し、一つ飛び越えた位置に在る領域L同士では、符号50,50あるいは50’、50’で示すように同じ位置に掬い上げ羽根が位置している関係が得られる。
隣り合う領域で掬い上げ羽根50,50’の配置位相を異ならせると、掬い上げられた木質チップが振るい落とされるタイミングを異ならせることができる。換言すれば、回転部1Cの長手方向全域で同時に木質チップが振るい落とされるのではなく、個々の領域Lで直接隣り合う領域と異なるタイミングにより木質チップが振るい落とされる。
これにより、回転部1Cの断面中央部に位置する空間では、分散性が高められて拡散しやすくなっている木質チップが加熱空気と接触できる。
従って、同じ位置から纏まって振るい落とされる木質チップが加熱空気と接触する場合と違って、拡散して密度が低い木質チップ群に加熱空気が接触しやすくなることで水分蒸発が促進されやすくなる。
なお、本実施形態では、配置位相が同じ掬い上げ羽根50,50’のいずれかを備えた領域として、一つ飛びを対象としたが、チップ形状やサイズの一つである粒度の違いによって配置位相の同じ領域の配置間隔を変更することも勿論可能である。
また、直接隣り合う領域L同士で掬い上げ羽根50,あるいは50’の配置位相が異なっていると、加熱空気の移動方向において手前側の領域で掬い上げ羽根の間を通過した加熱空気の一部は、加熱空気の移動方向後方側で隣り合う掬い上げ羽根に衝突して動きが緩和されることがある。
一部の空気が流れを緩和されると、回転部1Cの長手方向において生成されている層流の一部に僅かながらも乱流が発生する。このため、乱流が発生した位置では気流搬送される木質チップが滞留しやすくなる。この結果、一時的に滞留した木質チップは加熱空気と接触する時間を長くでき、木質チップに含まれている水分の蒸発が促進されて乾燥度が高められる。
一方、符号50,50’で示す掬い上げ羽根は、回転部1Cの長手方向で振るい落としタイミングを異ならせるだけでなく、周方向での木質チップの振るい落としタイミングを異ならせることができる。
図6は、周方向で掬い上げ羽根50,あるいは50’から振るい落とされるタイミングを異ならせるための構成を示す図である。
図4,図5において符号50で示した掬い上げ羽根は、図6に示すように、形状およびサイズが異なる第一の掬い上げ羽根50Aと第二の掬い上げ羽根50Bからなっている。
なお、図6では、図4、図5において符号50で示した掬い上げ羽根を対象として説明しているが、図4、図5において符号50’で示した掬い上げ羽根も同様な構成であることを前置きしておく。
図6に示すように、掬い上げ羽根50A、50Bは、筒体内壁側の基部Sから筒体中心に向け延長された先端部が放射線に対して傾斜させてあり、その形状として、符号50Aで示すように、先端部のみが折り曲げられた形状(図6(A)、(C)参照)、符号50Bで示すように、先端部に加えて基部から先端部に至る途中(図6(B)中、符号Rで示す位置)が屈曲されている形状(図6(B)、(D)参照)が用いられている。
形状の異なる掬い上げ羽根50A、50Bは、先端部の傾斜角度(θ1、θ2で示す角度)が異なっている。
本実施形態では、先端部のみが折り曲げられている形状の掬い上げ羽根50Aの角度θ1が、基部から先端に至る途中が屈曲されている形状の掬い上げ羽根50Bの角度θ2に対してθ1<θ2の関係を設定されている。
この角度関係により、基部から先端に至る距離、つまり、回転部1Cの断面中心に向けた所定長さ(図6において符号H1、H2で示す)が互いに異ならせてあり、本実施形態では、H1<H2の関係が設定されている。
以上の形状に関する条件により、掬い上げられた木質チップが羽根表面を滑落して振るい落とされるタイミングが掬い上げ羽根50A,50B同士で異ならせることができる。
以下、図7を用いてこの理由を説明する。なお、図7では、回転部1Cが時計方向に回転することを前提として説明する。
図7において、回転部1C内に導入されて堆積している木質チップは、回転部1Cの回転に従って掬い上げ羽根50A、50Bにより掬い上げられる。
回転部1Cの回転に伴い、掬い上げ羽根50A,50Bが先端を下側に向けるように傾くと、先端部の傾斜角度が大きい形状の掬い上げ羽根50Bの方が傾斜角度の小さい形状の掬い上げ羽根50Aより先に木質チップの滑落を許容する。
つまり、図7において回転部1Cの中心を通過する垂直線Vに対して先端の傾斜角度が大きい方(θ1<θ2)である掬い上げ羽根50Bは、垂直線Vに至るよりも前の回転方向上流側の位置で、屈曲位置から先端に至る片部50B1が垂直線Vに対して拡開する(図7中、符号LHで示す状態)。つまり、片部50B1が下方を向く状態となる。このため、掬い上げられて羽根表面に載っていた木質チップは滑落しやすくなる。
一方、先端の傾斜角度が小さい方(θ1<θ2)である掬い上げ羽根50Aは、垂直線Vを通過した時点で先端近くの折り曲げ位置から基部に至る片部50A1が垂直線Vに対して拡開した状態(図7中、符号LH’で示す状態)となる。つまり、片部50A1が下方を向く状態となる。この時点で木質チップは滑落が可能となる。
この結果、隣り合う掬い上げ羽根50A、50B同士で木質チップが滑落し始めるタイミングを異ならせることにより、周方向で木質チップが滑落し始める位置を複数位置に分散させることができる。
このように周方向で複数位置から振るい落とされる木質チップは、振るい落とされる位置が複数ない場合に比べて木質チップを拡散されやすくなる。このように拡散した木質チップを加熱空気に接触させるようにすることで回転部1Cの長手方向での振るい落としタイミングを異ならせた場合と同様に、加熱空気と接触した際の水分蒸発が促進されやすくなる。
本発明者は、一例として、含水率50%の黒松を対象として、乾燥特性に影響する含水率を実験したところ、概ね、ペレット成形時に燃焼性を損ねないで凝縮力が得られる最小限の含水率としての12%程度の含水率まで下げることができるという結果を得た。
以上の構成を備えた本実施形態に係る乾燥機10は、筒体1の回転部1C内で断面中央部が木質チップを移動させる空間として用いられる。これにより、掬い上げ羽根により掬い上げられた木質チップが羽根から滑落した際に空間を移動する加熱空気との接触頻度が高められて乾燥効率が高められる。
さらに加えて、回転部1Cの周方向で隣り合う掬い上げ羽根同士の形状およびサイズが異なっていることにより、回転部1Cの断面内で羽根から木質チップが滑落するタイミングを異ならせることができる。
これにより、加熱空気が通過する回転部1Cの断面中央部に対して木質チップを順序よく段階的に滑落させて、断面中央部で木質チップの拡散性を確保できる。
換言すれば、掬い上げ羽根同士で同じタイミングで滑落する場合のように、木質チップが偏倚した集約位置に纏まることがないので、分散された木質チップの単位面積あたりの受熱量を高めて乾燥効率が向上される。
この結果、断面中央部の空間内で木質チップが分散および拡散しやすくなることにより、特別な流量制御などを要することなく、個々の木質チップと加熱空気との接触頻度が高められることになり、水分蒸発を促進できることになる。
また、回転部1Cの長手方向で段階的、つまり異なるタイミングで木質チップの滑落させることができるので、各領域で小分けされた量の木質チップと加熱空気との接触が可能となることで、水分蒸発を促進できることになる。
しかも、加熱空気の流れにおいても層流の一部に乱流を発生させて気流搬送される木質チップを瞬間的であっても滞留させられることにより加熱空気との接触機会が増やされて水分蒸発が促進されることになる。
以上のように、木質チップの乾燥効率を高められるので、乾燥のための熱源への制御も複雑にする必要もない。
本発明は、木質チップを筒体内で気流搬送させることにより加熱空気との接触機会を増やす際に、特別な流量制御や温度制御を要することなく、筒体内での木質チップの分散性、拡散性を高めるだけで乾燥性能を向上できる点で利用可能性が高い。
1 筒体
1A、1A’ 不動部
1B ローラ
1C 回転部
2 吸引手段としての送風機
10 乾燥機
50,50’、50A、50B 掬い上げ羽根
100 ペレット製造プラント
101 バイオマス材料導入部
102 乾燥工程部
103 加熱空気の供給部
H 所定長さ
L 領域
θ 傾斜角度

Claims (3)

  1. 導入される被乾燥材料を乾燥するための乾燥機であって、
    内部に被乾燥材料を移動させる空間を備え、水平状態で回転可能に設けられている筒体と、前記筒体の長手方向一端側に設けられている被乾燥材料導入部および加熱空気の供給部と、前記筒体の長手方向他端側に設けられて該筒体内の空気を筒体の長手方向一端側から他端側に向けて吸引する手段と、を備え、
    前記筒体の内部は長手方向に沿って複数の領域に区分され、これら各領域には掬い上げ羽根が、前記筒体の周方向に沿って放射状、かつ前記筒体の長手方向に水平に複数配置され、
    前記掬い上げ羽根は、前記筒体内壁側の基部から筒体中心に向けて所定長さH延長され、かつ、その先端部が放射線に対して所定の傾斜角度θとなるようにしてあり、
    前記掬い上げ羽根は、前記筒体の長手方向における前記複数の領域の直接隣り合う領域において、周方向の位相がずらされた状態で配置され、
    前記掬い上げ羽根は、前記所定長さがH1で前記先端部の傾斜角度がθ1の第一掬い上げ羽根と、前記第一掬い上げ羽根の所定長さH1より長い所定長さH2で、前記先端部の傾斜角度が第一掬い上げ羽根の傾斜角度θ1より大きい傾斜角度θ2の第二掬い上げ羽根からなることを特徴とする乾燥機。
  2. 請求項1記載の乾燥機において、
    前記筒体の周方向において隣り合う位置に、前記第一の掬い上げ羽根と第二の掬い上げ羽根を交互に配置してあることを特徴とする乾燥機。
  3. 請求項1または2に記載の乾燥機において、
    前記第二掬い上げ羽根は、基部から先端部に至る途中が屈曲されていることを特徴とする乾燥機。
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