JP6669611B2 - ナノワイヤレーザ - Google Patents

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本発明は、半導体からなるナノワイヤ部を備えるナノワイヤレーザに関する。
近年、超低消費電力化のために、コンピュータのボード間、ボード内のチップ間、チップ内のトランジスター間を、光導波路で結ぶ光インターコネクションの技術が重要となっている。光インターコネクションの技術はこれまで、コンピュータのボード間やチップ間において研究がおこなわれてきた。
一方、チップ内の光インターコネクションに関しては、ナノレーザ、ナノディテクタ、さらにナノ光回路の集積技術が必要であり、いまだ研究途上の段階であるといえる。これらの光通信システムにおいて、レーザは光信号を伝送するための重要な光学素子である。特に、チップ内の光伝送に用いるレーザは、微小で閾値が低く高速動作することが重要となる。
このようなレーザの代表例に、フォトニック結晶中に活性層を埋め込んだ埋め込み量子井戸フォトニック結晶レーザや、金属層による共振器を用いたプラズモンレーザなどがある。これらのレーザは今までにない超低閾値動作や、高速変調動作を実現する。さらに、フォトニック結晶素子は、光回路との適合性がよく、電流注入構造での信号伝送も実証されてきた。
ところで、これまでのナノレーザは、電子描画などの微細な金属ナノ加工が製造上必要となり、高度な作製技術が要求され、大量生産には向かないという課題がある。これに対し、大量かつ簡便に生産するという点でナノワイヤを用いたレーザが注目されている。ナノワイヤは、一次元構造を有する半導体素子であり、例えば、半導体基板上に分散されたナノ粒子から成長させることで作製できる。
この半導体によるナノワイヤは、ナノワイヤ単体でも、ワイヤ端面の反射を利用して共振器構造とすることで、レーザ発振することが知られている。しかしながら、この構成では、共振器Q値が低く、発振閾値や波長選択性などにおいてレーザの特性を制限してきた。また、このようなナノワイヤレーザは、励起子強度の大きい紫外〜近赤外(800nm)の発光材料でしか実現されていない。
これらのことに対し、近年、通信波長帯でのナノワイヤレーザを実現するために、InAsPによる量子井戸層(活性層)およびInPによる障壁層による多重量子井戸構造としたナノワイヤをフォトニック結晶に導入することで、アクティブ素子ではあるが光閉じ込めの弱いナノワイヤと、パッシブ素子ではあるが高Q値が実現できるシリコンフォトニック結晶の特性を組み合わせた、ナノレーザ発振が達成された(非特許文献1参照)。しかしながら、このレーザは、クライオスタットなどにより4Kとした極低温状態でしか動作実証がされていない。
また、上述したフォトニック結晶と同様にナノレーザを実現できる技術として、プラズモン構造が注目されている。これまで、プラズモン構造を用いたプラズモンレーザは、金属層の表面にナノワイヤを接して配置した単純な構造で実現されている。この構造の特徴は、金属層の表面とナノワイヤとの間に局在する光閉じ込め効果(表面プラズモンモード)を用いている点である。このような構造は、共振器のQ値が低く、金属による吸収損失が大きいものの、強い電場増強効果により、大きな利得やパーセル効果を得ることができるため、低閾値のレーザ発振を可能とする。さらに、プラズモンレーザは、非常に小さいモード体積を実現できるためシステムの小型化にも大きく貢献する。
M. Takiguchi, A. Yokoo, M. D. Birowosuto, K. Tateno, G. Zhang, E. Kuramochi, A. Shinya, and M. Notomi, "Telecom-band Sub-wavelength nanowire lasers on Si photonic crystal platform", 2015 IEEE Photonics Conference, ISSN 1092-8081, INSPEC Accession Number 15600559, pp.168-169 , 2015.
しかしながら、上述した従来の表面プラズモンモードを利用したプラズモンレーザは、発振波長の制御が難しく、さらに、ワイヤの長さや径によってはマルチモードで発振するなどの課題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、ナノワイヤを用いたプラズモンレーザにおいて、より容易に発振波長が制御でき、マルチモードの発振が抑制できるようにすることを目的とする。
本発明に係るナノワイヤレーザは、各々絶縁分離された複数の金属層が配列されたグレーティング構造と、グレーティング構造の配列方向に延在してグレーティング構造の上に接して配置された半導体からなるナノワイヤ部と、ナノワイヤ部に励起光を照射する光源とを備える。
上記ナノワイヤレーザにおいて、ナノワイヤ部は、量子井戸層と障壁層とが交互に積層した多重量子井戸構造とされているとよい。
上記ナノワイヤレーザにおいて、ナノワイヤ部は、延在方向がグレーティング構造の配列方向に非平行な状態で配置され、ナノワイヤ部の延在方向とグレーティング構造の配列方向とのなす角度が、レーザ波長に対応されている。
上記ナノワイヤレーザにおいて、グレーティング構造は、ナノワイヤ部の延在方向に沿う溝を備え、ナノワイヤ部は、溝に配置されているようにしてもよい。
上記ナノワイヤレーザにおいて、ナノワイヤ部の直径dは、発振波長λ、ナノワイヤ部の屈折率ncore、ナノワイヤ部の周りの屈折率ncladを用いた以下の式(A)を満たす状態とされてい
Figure 0006669611
上記記載のナノワイヤレーザにおいて、グレーティング構造の反射波長λBは、グレーティング構造を構成する各々の金属層の配列方向の長さL1、隣り合う金属層の間隔L2、金属層の部分の実効屈折率N1、金属層の無い部分の実効屈折率N2を用いた式λB=4N11=4N22を満たす状態とされてい
上記ナノワイヤレーザにおいて、グレーティング構造は、一部に変調幅をλ/4とした変調部を備えるようにしてもよい。
上記ナノワイヤレーザにおいて、2つのグレーティング構造を備え、ナノワイヤ部は、2つのグレーティング構造に渡って配置され、2つのグレーティング構造の間隔は、フリースペクトルレンジがナノワイヤ部の発振波長より大きい状態となるように設定されていてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、金属層が配列されたグレーティング構造の上にナノワイヤを配置したので、より容易に発振波長が制御でき、マルチモードの発振が抑制できるという優れた効果が得られる。
図1Aは、本発明の実施の形態におけるナノワイヤレーザの構成を示す斜視図である。 図1Bは、本発明の実施の形態におけるナノワイヤレーザの構成を示す斜視図である。 図1Cは、本発明の実施の形態におけるナノワイヤレーザの構成を示す斜視図である。 図1Dは、本発明の実施の形態におけるナノワイヤレーザの構成を示す斜視図である。 図2は、グレーティング構造101の構成例を説明するための構成図である。 図3は、金属層104の上に接している部分のナノワイヤ部102の分散関係を示す特性図(a)および隣り合う金属層104の間におけるナノワイヤ部102における分散関係を示す特性図(b)である。 図4は、本発明の実施の形態におけるナノワイヤレーザの他の構成例を示す平面図である。 図5は、本発明の実施の形態におけるナノワイヤレーザの他の一部構成例を示す断面図である。 図6は、本発明の実施の形態におけるナノワイヤレーザの他の構成例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1Aは、本発明の実施の形態におけるナノワイヤレーザの構成を示す構成図である。このナノワイヤレーザは、グレーティング構造101と、グレーティング構造101の上に接して配置されたナノワイヤ部102と、ナノワイヤ部102に励起光を照射する光源(励起手段)103とを備える。励起光は、ナノワイヤ部102が吸収する波長(発光波長よりも短波長)のレーザであればよい。
光源103からの励起光は、図1Bに示すように、グレーティング構造101の形成平面より離れる放線方向の上部より、レンズ131により集光させてナノワイヤ部102に照射させる構成としてもよい。また、光源103からの励起光は、図1Cに示すように、ナノワイヤ部102の延在方向より、結合導波路(不図示)を用いてナノワイヤ部102の端部に照射する構成としてもよい。
なお、光励起ではなく、電流注入によりキャリアを注入することでレーザ発振させるようにしてもよい。この場合、電流注入する機構が励起手段となる。例えば、図1Dに示すように、ナノワイヤ部102に、活性層121および活性層121を挟む状態にp型領域122,n型領域123を形成する。p型領域122,n型領域123に配線124,配線125を接続する。配線124,配線125に電源(不図示)を接続し、p型領域122,n型領域123に電流を注入する。p型領域122,n型領域123は、p型不純物、n型不純物を導入することで形成すればよい。また、この場合、ナノワイヤ部102グレーティング構造101との間には、絶縁層(不図示)を設け、リーク電流を防ぐ構造とする。
グレーティング構造101は、各々絶縁分離された複数の金属層104から構成されている。複数の金属層104は、所定の方向に配列されており、これらでよく知られたグレーティング(回折格子)の構造となっている。複数の金属層104は、例えば絶縁基板(不図示)の上に形成されている。複数の金属層104によるグレーティング構造101は、屈折率の周期的な構造をもたらすために、ブラッグ反射を満たす条件に対してミラーとして動作する。このようにミラーとなるグレーティング構造101により、レーザが実現される。
また、ナノワイヤ部102は、上述したように活性層を有するバルクナノワイヤ構造としてもよく、また例えば、InAsPからなる量子井戸層とInPからなる障壁層とが、ナノワイヤ延在方向に交互に積層した多重量子井戸構造としてもよい。多重量子井戸構造とした場合、InAsPからなる量子井戸層が活性層として機能する。多重量子井戸構造とすることで、通信波長帯のレーザ発振が可能となる。
例えば、絶縁体(誘電体)からなる基板の上に、よく知られたスパッタ法などにより金属膜を形成し、形成した金属膜を公知のリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングすることで、複数の金属層104によるグレーティング構造101が形成できる。
一方で、半絶縁性のInPなどによる成長基板の上に、例えば、よく知られた自己触媒法によりナノワイヤを成長させる。この成長方法では、まず、よく知られた有機金属気相成長法により、基板加熱温度などの成長条件などを適宜に設定した状態で、In原料ガスを加熱された基板の上に供給し、種微粒子を成長させる。引き続き、同一の成膜室内で有機金属気相成長法により、InAsからなる量子井戸層とInPからなる障壁層とを交互に成長させてナノワイヤとする。
このようにナノワイヤを形成した成長基板を、グレーティング構造101が形成されている基板に物理的に擦りあわせ、基板の上にナノワイヤを転写する。この後、転写することで形成したナノワイヤ部102を、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)装置、光学顕微鏡、レーザ顕微鏡もしくは走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope: SEM)、集束イオンビーム(Focused Ion Beam;FIB)装置観察下においてマイクロマニピュレータを使用し、グレーティング構造101の上に配置させればよい。
次に、グレーティング構造101について説明する。グレーティング構造101は、例えば、図2の(a)に示すように、全域において等間隔で金属層104を配置した周期構造とする構成が考えられる。周期構造は、フォトニックバンドギャップを構成する状態とする。このように構成することで、フォトニックバンドギャップのバンド端を利用したレーザとすることができる。比較的簡単な構造であるため作製が容易であるが、共振器Q値は高くできない。
また、グレーティング構造101は、図2の(b)に示すように、一部に変調幅をλ/4とした変調部105を備えるようにしてもよい。変調部105は、例えば、グレーティング構造101の配列方向中央部に設ければよい。このように、グレーティング構造101の一部において周期に変調を加えることで、共振器モードが形成でき、レーザモードを出現させることができる。変調幅をλ/4にすることで、フォトニックバンドギャップの中央に共振ピークができるようになる。この構造とすることで、より高いQ値を実現でき波長選択性もよいものとなる。
また、図2の(c)に示すように、2つのグレーティング構造101a,101bを備えるようにしてもよい。ナノワイヤ部102は、2つのグレーティング構造101a,101bに渡って配置する。2つのグレーティング構造101a,101bの間隔は、フリースペクトルレンジがナノワイヤ部102の発振波長より大きい状態となるように設定する。グレーティング構造101aおよびグレーティング構造101bが反射部となり、共振器構造となる。
この構造は、グレーティング構造101aおよびグレーティング構造101bの間隔(共振器間隔)が広くなりフリースペクトルレンジ(Free spectral range)λfsrが小さくなると、マルチモード発振になり易い。一般にモード間隔、すなわちフリースペクトルレンジは、「λfsr=λ2/(NgL)」となる。なお、λは波長、Ngは実効屈折率、Lはワイヤ長である。このフリースペクトルレンジλfsrが、ナノワイヤ部102のゲイン帯域よりも小さくなるとマルチモードで発振する可能性が出てくる。
従って、2つのグレーティング構造101a,101bによる共振器構造とする場合、図2の(c)の構成では、λfsrがナノワイヤ部102のゲイン帯域よりも大きくなるように、共振器間隔を設定することが重要となる。ナノワイヤ部102を、前述した多重量子井戸構造とする場合、活性層となる量子井戸層におけるゲイン帯域よりもλfsrが大きくなればよい。
上述したいずれの構造においても、グレーティング構造101における配列間隔などを変えることで発振波長を任意に変えることができる。この結果、従来のプラズモンレーザとは異なり、レーザの波長選択性を大きく高めることを可能にする。
次に、グレーティング構造101の設計について説明する。グレーティング構造101の反射波長の設計には、金属層104の上に接している部分のナノワイヤ部102と、隣り合う金属層104の間におけるナノワイヤ部102との、各々の分散関係から実効的な屈折率を見積もる必要がある。隣り合う金属層104の間におけるナノワイヤ部102は、空気(誘電体)に接している状態である。
図3の(a)は、金属層104の上に接している部分のナノワイヤ部102の分散関係を示す特性図である。ナノワイヤ部102は、InPから構成している。また、金属層104は、Auから構成している。また、図3の(b)は、隣り合う金属層104の間におけるナノワイヤ部102における分散関係を示す特性図である。図中において直近のグラフ曲線に対応して記載している1〜16の数字は、存在しうるモードを示している。1が最低次のモードであり、数字が大きくなるモードの次数が上がっていく。また、図3(a),(b)において、横軸はナノワイヤ部102の直径であり、縦軸は実効屈折率である。
なお、隣り合う金属層104の間におけるナノワイヤ部102は、空気に接している状態であるが、空気以外にも、ナノワイヤ部102よりも低い屈折率を持つ誘電体材料に置き換えることも可能でこの限りではない。また、金属層104も、Auに限定されるものではなく、増強したい波長が金属層104のプラズマ周波数よりも低エネルギー側であればよく、銀やアルミなど他の金属から金属層104を構成してもよい。
図3の(a)に示すように、ナノワイヤ部102の径が約0.32μmよりも小さい領域ではモードが1つしか存在できない。このモードは、プラズモンモード(ハイブリッドモード)と呼ばれ、金属近傍に電場が集中するモードとして知られている。
一方、図3の(b)に示すように、ナノワイヤ部102の径が約0.4μmで最低次のモードが存在する。このモードは2つ存在するが、異なる偏波成分が縮退したモードである。ナノワイヤ部102においては、シングルモードで伝播することが好ましいので、径の太さはシングルモード条件を満たすことが重要となる。従って、この場合は、径を0.4μm程度にする必要がある。
上述したシングルモード条件に関し、図3(b)に示す隣り合う金属層104の領域におけるシングルモード伝播の条件は、以下の式(1)に示すように一般化することができる。
Figure 0006669611
規格化周波数Vは、様々な構造パラメータで記述されており、2.4がシングルモード伝播の条件の境目になっていることが知られている。従って、式(1)を満たす状態とされていればよい。図3(b)は、横軸を径dで書き換えた場合の分散関係に対応しており、規格化周波数を2.4とした状態(条件)が、径d=0.4μmに対応している。
次に、グレーティング構造101の金属層104の配列について説明する。グレーティング構造101は、グレーティングの反射波長を「λB=4N11=4N22」を満たすように設計すれば、効率よくプラズモンモードを利用することができる。λBはブラッグ波長(反射波長)、N1は金属層104の部分の実効屈折率、N2は隣り合う金属層104の間の実効屈折率、L1は、金属層104の配列方向の長さ、L2は、隣り合う金属層104の間隔である。
ところで、図4に示すように、グレーティング構造101の配列方向401に対し、ナノワイヤ部102の延在方向402を非平行とすれば、配列方向401と延在方向402とのなす角度を、目的とするレーザ波長に対応させることができる。言い換えると、配列方向401と延在方向402とのなす角度により、ブラッグ波長や共振器波長が変更でき、レーザ波長が制御できる。例えば、AFM装置を用いることで、ナノワイヤ部102の配置を変更し、配列方向401と延在方向402とのなす角度を制御すればよい。このような、波長可変構造は、リソグラフィーおよびエッチング技術による既存の作製技術で作製される半導体レーザでは容易ではなく、ナノワイヤを用いたレーザ独自の特徴である。
次に、本発明の実施の形態における他のナノワイヤレーザについて、図5を用いて説明する。図5は、実施の形態における他のナノワイヤレーザの一部構成を示す断面図である。
例えば、図5の(a)に示すように、グレーティング構造101は、ナノワイヤ部102の延在方向に沿う断面V字形状の溝106を備え、ナノワイヤ部102は、溝106に配置されているようにする。絶縁基板111に溝106を形成し、この上に金属層104を形成すればよい。この場合、溝106(金属層104)の表面とナノワイヤ部102とは、2つの接触部501で接触した状態となる。
また、図5の(b)に示すように、グレーティング構造101は、ナノワイヤ部102の延在方向に沿う断面コの字形状の溝107を備え、ナノワイヤ部102は、溝107に配置されているようにしてもよい。絶縁基板111に溝107を形成し、この上に金属層104を形成すればよい。この場合、溝107(金属層104)の表面とナノワイヤ部102とは、3つの接触部502で接触した状態となる。
上述したように、溝106や溝107を設けることで、ナノワイヤ部102と金属層104との接触領域を増やすことが可能となる。このように接触領域を増やすことで、プラズモンの光閉じ込め効果を数倍増強でき、レーザの発振閾値を大きく改善できる。
断面V字状の溝106は、絶縁基板111の結晶方位で化学的にウエットエッチングすることで、容易に作製できる。また、断面コの字形状の溝107は、電子線などにより絶縁基板111をドライエッチングすることで作製できる。
上述では、断面V字状の溝106および断面コの字形状の溝107を例示したが、これに限るものではなく、6角形や8角形などの多角形の一部を断面形状とした溝を形成することで、接触部の数をより多くすることが可能となる。また、1つのグレーティング構造101に、複数の溝を設け、ナノワイヤ部102を異なる溝に移動させることで、発振波長を変更してもよい。
なお、グレーティング構造101を形成している基板の上に、ナノワイヤ部102を覆って保護膜を形成してもよい。保護膜は、励起光が透過する酸化物絶縁体や樹脂絶縁体から構成すればよい。保護膜を形成することで、ナノワイヤ部102の酸化が抑制できる。また、ナノワイヤ部102をグレーティング構造101の上に固定化することができる。また、熱伝導率の向上が期待でき、放熱性の向上が期待できる。
また、グレーティング構造は、周期的な溝に金属を蒸着したパターンを例に説明したが、グレーティング構造は、図6に示すように、よく知られたフォトニック結晶構造601を用いてもよい。フォトニック結晶構造601をグレーティング構造とし、この上にナノワイヤ部102を配置すればよい。この場合、フォトニック結晶構造601の円孔孔内に、蒸着法などにより金属層を形成しておく。この構造は、将来ナノワイヤの光回路集積化を簡便にするだけでなく、波長シフト量を大きくし、また敏感にするなどの効果が期待できる。
以上に説明したように、本発明によれば、金属層が配列されたグレーティング構造の上にナノワイヤを配置したので、より容易に発振波長が制御でき、マルチモードの発振が抑制できるようになる。また、本発明によれば、レーザ発振の閾値を下げることも期待される。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…グレーティング構造、102…ナノワイヤ部、103…光源(励起手段)、104…金属層。

Claims (6)

  1. 各々絶縁分離された複数の金属層が配列されたグレーティング構造と、
    前記グレーティング構造の配列方向に延在して前記グレーティング構造の上に接して配置された半導体からなるナノワイヤ部と、
    前記ナノワイヤ部を励起する励起手段と
    を備え
    前記グレーティング構造の反射波長λ B は、前記グレーティング構造を構成する各々の前記金属層の配列方向の長さL 1 、隣り合う前記金属層の間隔L 2 、前記金属層の部分の実効屈折率N 1 、前記金属層の無い部分の実効屈折率N 2 を用いた式λ B =4N 1 1 =4N 2 2 を満たす状態とされ、
    前記ナノワイヤ部の直径dは、発振波長λ、前記ナノワイヤ部の屈折率n core 、前記ナノワイヤ部の周りの屈折率n clad を用いた以下の式(A)を満たす状態とされていることを特徴とするナノワイヤレーザ。
    Figure 0006669611
  2. 請求項1記載のナノワイヤレーザにおいて、
    前記ナノワイヤ部は、井戸層と障壁層とが交互に積層した多重量子井戸構造とされていることを特徴とするナノワイヤレーザ。
  3. 請求項1または2記載のナノワイヤレーザにおいて、
    前記ナノワイヤ部は、延在方向が前記グレーティング構造の配列方向に非平行な状態で配置され、
    前記ナノワイヤ部の延在方向と前記グレーティング構造の配列方向とのなす角度が、レーザ波長に対応されている
    ことを特徴とするナノワイヤレーザ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のナノワイヤレーザにおいて、
    前記グレーティング構造は、前記ナノワイヤ部の延在方向に沿う溝を備え、
    前記ナノワイヤ部は、前記溝に配置されている
    ことを特徴とするナノワイヤレーザ。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のナノワイヤレーザにおいて、
    前記グレーティング構造は、一部に変調幅をλ/4とした変調部を備えることを特徴とするナノワイヤレーザ。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のナノワイヤレーザにおいて、
    2つの前記グレーティング構造を備え、
    前記ナノワイヤ部は、2つの前記グレーティング構造に渡って配置され、
    2つの前記グレーティング構造の間隔は、フリースペクトルレンジが前記ナノワイヤ部の発振波長より大きい状態となるように設定されている
    ことを特徴とするナノワイヤレーザ。
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