JP6668477B2 - 測定用ピペットチップ、その測定用ピペットチップを用いる測定装置及び測定方法 - Google Patents

測定用ピペットチップ、その測定用ピペットチップを用いる測定装置及び測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、液の電気化学測定を行なうための測定用ピペットチップ、その測定用ピペットチップを用いる測定装置及び測定方法に関する。
カドミウム、コバルト、水銀、銅、亜鉛といった重金属は人体にとって有害であるため、水や土壌にどれだけの重金属が含まれているのかを把握することは非常に重要である。そのため、重金属を測定する方法として種々の方法が提案され、実施もなされている(例えば、特許文献1、2参照。)。また、穀物、野菜、果実など食物へ農薬を散布することによる残留農薬の問題は深刻で、2013年にはインドでモノクロトホスが野菜に残留していたことによって、23人の児童が死亡するといった重大な事件が起こっている。
また、例えば、土壌中に微量にしか含まれない重金属やダイオキシンなどの化学的物質を定量分析する場合、従来では、土壌を採取し、その土壌を水と振とうして水中に溶出させたもの、又は土壌を酸溶液中で加熱分解して溶液化したものを分析用試料とし、その分析用試料の光学的な特性をICP発光分光分析装置や原子吸光分析装置を用いて測定することが一般的である(非特許文献1参照。)。さらに、残留農薬の検査では、高速クロマトグラフィー質量分析計やキャピラリー電気泳動を利用してその種類や濃度を測定することが一般的で、測定装置が大型でかつ高価であり、また使用には特別な訓練と相当な専門知識が必要で、食物、特に農薬を必要とする食物について調理前に残留農薬を検査することはほぼ不可能に近かった。
特開平11−174054号公報 特開2009−034041号公報
(株)エヌ・ティー・エス「先端の分析法」(ISBN4-86043-067-0)、第2編応用編第1章、第8章(農薬分析)
ICP発光分光分析装置や原子吸光分析装置を用いる上記の方法は、微量の重金属や化学的物質の精密な定量分析を行なうことができる一方で、ICP発光分光分析装置や原子吸光分析装置といった装置はきわめて高価であり、その測定操作などの取扱いに熟練を要する。さらに、ICP発光分光分析装置等の装置は実験室などの室内においてしか使用することができず、土壌の採取現場といった現地で分析を行なう、所謂フィールド測定を行なうことが困難であった。残留農薬の検査についても同様で、高価でかつ大型な高速液体クロマトグラフィー質量分析計をその場、つまり、調理現場へ持ち込み、調理前に検査を行うことはほとんど不可能である。
また、重金属などの金属物質を分析することができる装置として、波長分散型蛍光X線分析装置やエネルギー分散型蛍光X線分析装置も知られている。しかし、波長分散型蛍光X線分析装置を用いて試料中に微量にしか含まれない特定成分を定量分析しようとしても十分なX線強度が得られず、検出感度が不足するという問題がある。また、波長分散型蛍光X線分析装置はICP発光分光分析装置や原子吸光分析装置などと同様に高価である。エネルギー分散型蛍光X線分析装置は波長分散型蛍光X線分析装置に比べると小型かつ安価であり、比較的取扱いも容易であるが、特定成分が微量にしか含まれていない場合には、測定感度が不足するという問題がある。さらに、残留農薬の分析については、質量分析計で測定する際のイオン化過程による分解、目的物質の化学的性質の違いによるイオン化の有無によって、目的とする農薬がイオン化できない、若しくはすべての物質がイオン化できないという問題がある。加えて、高速液体クロマトグラフィーによる分析では、移動相や固定相の選択、さらに、移動相に毒性の高い溶液を使用するため、調理前の野菜への残留農薬をその場で測定することはほとんど不可能である。
近年、電気化学測定を用いた重金属測定も行われるようになり、カーボン薄膜を電極として用いた小型の電気化学測定装置も存在する。小型の電気化学測定装置として、平板状の基板にスパッタリングによってカーボンからなる微細な測定用電極を形成したものがある。そのような電気化学測定装置を用いて測定する場合、試料溶液をピペットによって吸引し、電気化学測定装置の測定用電極の部分に試料溶液を滴下し、試料溶液を測定用電極に接液させなければならない。しかし、微細な測定用電極に微量の試料溶液を確実に接液させることは容易ではない。
従来から、イオン電極、あるいはPH電極と呼ばれるガラス電極を利用して、金属イオン、例えば、アンモニア、シアン化合物、塩素などを測定する方法がある。この電極はガラスチューブの中に標準電極、作用電極、標準溶液、対極を内包した複雑でさらに壊れやすく、加えて高価である。高価であること、内部に封入される標準液が危険物質、毒性の高い物質であるため、現場で、簡易的に測定する目的で使用することは不可能である。また、使い捨て電極を利用する例としては、電極表面に酵素を固定化した酵素電極が上げられる。電極の表面に固定化した酵素、たとえばグルコースオキシダーゼ(GOD)などでは、GODとグルコースが反応する際の還元力を利用してグルコースの濃度を定量する。しかし、その電極を使用する場合においても、サンプリングは困難なことが多く、また、血液などが飛び散ることで、汚染してしまう場合があった。
そこで、本発明は、微量の試料溶液であっても確実に試料溶液を測定電極に接液させ、簡便に試料の電気化学測定を行なうことができるようにすることを目的とするものである。
本発明に係る測定用ピペットチップは、先端に試料溶液を吸引するための吸引口を有するとともに前記吸引口から吸引された所定量の試料溶液を貯留するための内部空間を有し、ピペットの先端に装着されるものである。当該測定用ピペットチップは、測定用電極とチップ側端子を有する。測定用電極は、前記吸引口から吸引され前記内部空間に貯留された試料溶液と触れる位置に設けられ、試料溶液の電気化学測定を行なうためのものである。チップ側端子は、当該測定用ピペットチップの外部に設けられる電気回路を前記測定用電極に電気的に接続するためのものである。
ここで、本発明における電気化学測定には、試料溶液の電気伝導度の測定、電極表面での化学変化の特性の測定、例えば、酵素で修飾された電極表面での化学反応の電気化学的な測定、2液、3液の混合系における電極表面での電気化学的な化学反応の測定、電極表面で吸収や発光を電子変換した電気化学反応の測定を含む。
本発明に係る測定装置は、上記の測定用ピペットチップを装着するためのチップ装着部と、前記チップ装着部と連通する内部空間を有し、その内部空間においてピストンが摺動することにより、前記チップ装着部に装着された前記測定用ピペットチップの先端から所定量の試料溶液を吸引するように構成されたシリンジ部と、前記チップ装着部に装着された前記測定用ピペットチップのチップ側端子と電気的に接続するための装置側端子と、前記装置側端子を介して前記測定用ピペットチップの測定用電極と導通し、前記測定用電極を介して前記測定用ピペットチップの先端から吸引された試料溶液の電気化学測定を行なう測定回路と、を備えている。
すなわち、本発明に係る測定装置は、チップ装着部に上記の測定用ピペットチップを装着するとともに、装置側端子を測定用ピペットチップのチップ側端子と電気的に接続し、シリンジ部のピストンを動作させて測定用ピペットの先端の吸引口から所定量の試料溶液を吸引するだけで、測定用ピペットチップの測定用電極を介して試料溶液の電気化学測定を行なうことができるように構成されたものである。
本発明に係る測定装置の好ましい実施形態では、前記測定用ピペットチップの前記チップ側端子が当該測定用ピペットチップの内部空間に設けられ、前記装置側端子は、前記チップ装着部に装着された前記測定用ピペットチップの前記チップ側端子と接触するように前記チップ装着部に設けられている。これにより、測定用ピペットチップをチップ装着部に装着するだけで、測定用ピペットチップに設けられている測定用電極に測定回路を電気的に接続することができる。
上記の場合、前記チップ装着部は、前記測定用ピペットチップの基端に設けられた開口に一定の位置関係をもって嵌め込まれる形状を有し、前記チップ装着部が前記測定用ピペットチップの前記開口に一定の位置関係をもって嵌め込まれたときに、前記装置側端子が前記チップ側端子に対して位置決めされるように構成されていることが好ましい。そうすれば、装置側端子とチップ側端子の位置ずれによる接触不良が発生しにくくなり、測定用電極に対する測定回路の接続をより確実に行なうことができる。
本発明の測定装置では、前記測定回路による測定結果を表示するための表示部を外面に備えていることが好ましい。そうすれば、測定用ピペットの先端から吸引した試料溶液についての測定結果をユーザがすぐに確認することができる。
本発明に係る測定方法は、ピペットの先端に本発明の測定用ピペットチップを装着するステップと、前記測定用ピペットチップの先端から試料溶液を吸引し、当該測定用ピペットチップの内部に設けられた測定用電極に試料溶液を接液させるステップと、前記測定用電極を介して前記測定用ピペットチップの先端から吸引した試料溶液の電気化学測定を行なうステップと、をその順に備えたものである。
上記ピペットは、上記の測定装置であることが好ましい。そうすれば、測定用ピペットチップの先端から吸引した試料溶液の測定を即座にかつ簡便に行なうことができる。
本発明の測定用ピペットチップでは、先端の吸引口から吸引され内部空間に貯留された試料溶液と接する位置に測定用電極を備えているとともに、測定用電極に外部の電気回路を接続するためのチップ側端子を備えているので、当該測定用ピペットチップをピペットの先端に装着し、チップ側端子に測定用の電気回路を接続した状態で先端の吸引口から所定量の試料溶液を吸引することによって、測定用端子に試料溶液を確実に接液させ、その試料溶液の電気化学測定を簡便に行なうことができる。また、ピペットに装着し吸引によってサンプリングすることが可能であるため、口腔内の唾液や尿、血液といった生化学試料の測定を、コンタミネーションを防止しかつ実験者に感染しにくい状況で行なうことが可能になる。
本発明の測定装置では、チップ装着部に上記の測定用ピペットチップを装着するとともに、装置側端子を測定用ピペットチップのチップ側端子と電気的に接続し、シリンジ部のピストンを動作させて測定用ピペットの先端の吸引口から所定量の試料溶液を吸引するだけで、測定用ピペットチップの測定用電極を介して試料溶液の電気化学測定を行なうことができるように構成されているので、試料溶液の電気化学測定を簡便に行なうことができる。
さらに、本発明の測定装置はシリンジとしての機能を有するため、試料溶液を正確な容量で保持することができ、試料量に正確性が求められる分析方法、例えば吸光度分析や蛍光分析といった分析で、サンプリングの正確性を保障することができる。また、測定用ピペットチップの先端から吸引によって試料をサンプリングすることが可能であるため、口腔内の唾液や尿、血液といった生化学試料の測定を、コンタミネーションを防止しかつ実験者に感染しにくい状況で行なうことが可能になる。
本発明の測定方法では、ピペットの先端に上記の測定用ピペットチップを装着し、測定用ピペットチップの先端から所定量の試料溶液を吸引して測定用電極に試料溶液を接液させ、測定用電極を介して測定用ピペットチップの先端から吸引した試料溶液の電気化学測定を行なうので、試料溶液が微量であっても測定用電極に試料溶液を確実に接液させることができ、試料溶液の電気化学測定を簡便に行なうことができる。
測定用ピペットチップの一実施例を示す斜視図である。 (A)は同実施例の測定用ピペットチップの内部構造を示す断面図であり、(B)は同ピペットチップの電極基板の平面図である。 測定装置の一実施例を示す正面図である。 同実施例の測定装置に測定用ピペットチップを装着した状態を示す図である。 同実施例の測定装置の回路構成を概略的に示すブロック図である。 同実施例の測定装置を用いた測定方法を工程順に示すフローチャートである。
以下に、測定用ピペットチップとその測定用ピペットチップを用いる測定装置及び測定方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、測定用ピペットチップの一実施例について、図1及び図2を用いて説明する。
図1に示されているように、測定用ピペットチップ2は、後述するピペット型の測定装置24(図4を参照。)の先端に装着して使用するものである。測定用ピペットチップ2が、基端側から先端側へいくにしたがって細くなる形状を有する。先端には液を吸引するための吸引口4が設けられ、基端には測定装置24の先端部が挿入される開口6が設けられている。先端の吸引口4は、吸引した溶液が測定中も滴下されることなく保持されるように工夫されている。
図2(A)に示されているように、測定用ピペットチップ2の内部には、先端の吸引口4から吸引された所定量の試料溶液を貯留するための空間8が設けられており、基端の開口6は空間8を介して先端の吸引口4と連通している。空間8内に平板状の電極基板10が固定されている。先端の吸引口4の内径は、吸引口4から所定量の試料溶液を吸引した後で吸引口4が鉛直下方へ向けられたときに、空間8内の試料溶液が吸引口4から滴下されないような大きさ(例えば、0.5mm以下)である。
図2(B)に示されているように、電極基板10の一端側(図において右側)に3つの測定用電極12,14,16が設けられている。測定用電極12,14,16は電気化学測定を行なうためのものであり、いずれかが作用電極、参照電極、対極としての機能を果たすものである。測定用電極12,14,16はそれぞれ、電極基板10の他端側へ引き出されて接続用の端子18,20,22(チップ側端子)をなしている。
電極基板10は、測定用電極12,14,16の設けられている一端が測定用ピペットチップ2の先端側、端子18,20,22の設けられている他端が測定用ピペットチップ2の基端側を向くように配置されている。電極基板10は、測定用ピペットチップ2内の空間8に所定量(例えば、10μL)の試料溶液が吸引されたときに、測定用電極12,14,16が試料溶液と接し、端子18,20,22が試料溶液と接しない位置に設けられている。
電極基板10の測定用電極12,14,16及び端子18,20,22は、例えばスパッタリング又はプリント印刷により形成されたカーボン薄膜により構成されている。測定対象に応じて、そのカーボン薄膜の表面に鍍金が施されていてもよい。例えば、測定対象が砒素や水銀などの重金属である場合には、カーボン薄膜の表面に金メッキ等を施すことができ、それによって測定感度を向上させることができる。
なお、この実施例では、電極基板10に3つの測定用電極12,14,16を設けているが、電極の数は2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。少なくとも2つの測定用電極が設けられていれば、試料溶液の電気伝導度測定を行なうことが可能である。
次に、上記の測定用ピペットチップ2を用いる測定装置24の一実施例について、図3及び図4を用いて説明する。
測定装置24は、液の吸引と吐出を行なうピペットとしての機能を有するものである。測定装置24の筐体の内部には、液の吸引と吐出を行なうためのシリンジ部32と、電気化学測定を行なうための測定回路基板42が収容されている。先端部にチップ装着部28が設けられており、チップ装着部28を測定用ピペットチップ2の基端に設けられた開口6(図1を参照。)に挿入することで、先端部に測定用ピペットチップ2が装着されるようになっている。チップ装着部28の先端面にシリンジ部32と連通する開口30が設けられている。
シリンジ部32の内部にはピストン34が一軸方向へ摺動可能に設けられている。チップ装着部28に測定用ピペットチップ2が装着された状態でピストン34をシリンジ部32内で摺動させることによって、測定用ピペットチップ2を介して液の吸引と吐出を行なうことができる。ピストン34を駆動するための駆動軸36は筐体26の基端面から突出しており、駆動軸36の端部に例えば円盤形状の押圧部38が設けられている。
図示は省略されているが、駆動軸36はコイルバネなどの弾性体によって基端側(図において上側)へ付勢されており、ユーザが押圧部38を先端側(図において下側)へ押圧すると弾性体の弾性力によって駆動軸36が基端側へ自動的に戻るようになっている。
チップ装着部28の先端部に端子部40が設けられている。端子部40は、図4に示されているように、チップ装着部28に測定用ピペットチップ2が装着されたときに電極基板10の端子18,20,22(図2を参照。)と接触するように設けられている。端子部40には、測定用ピペットチップ2内の電極基板10の端子18,20,22のそれぞれに対応する装置側端子が設けられている。端子部40の各装置側端子は測定用回路基板42と導通している。
図には表れていないが、チップ装着部28は測定用ピペットチップ2の開口6に一定の位置関係をもって嵌め込まれる形状を有し、測定用ピペットチップ2の開口6にチップ装着部28が嵌め込まれたときに、端子部40の各装置側端子が電極基板10の端子18,20,22に対して位置決めされるようになっている。これにより、チップ装着部28に測定用ピペットチップ2が装着されたときに、測定装置24の内部に設けられている測定回路基板42が測定用ピペットチップ2の電極基板10の測定用電極12,14,16と電気的に接続され、吸引口4から吸引された試料溶液Sの電気化学測定を、測定用電極12,14,16を介して行なうことができる。
なお、測定用ピペットチップ2の吸引口4からの吸引量が常時一定になるようにしてもよい。例えば、ユーザが押圧部38を奥まで押し下げてから手を離すだけで、所定量(例えば、10μL)の試料溶液が自動的に吸引されるように構成する。これにより、測定用ピペットチップ2の吸引口4から試料溶液が吸引されたときに、電極基板10の測定用電極12,14,16に試料溶液が確実に接液するようになる。
なお、端子部40は、チップ装着部28に測定用ピペットチップ2が装着されたときに、各装置側端子が電極基板10の各端子18,20,22と接触するものであれば、いかなる形状であってもよい。例えば、端子部40の各装置側端子が円環形状を有し、チップ装着部28に対する測定用ピペットチップ2の装着方向に関係なく、互いに対応する端子同士が接触するように構成されていてもよい。
筐体26の外面(この実施例では基端面)に操作部44と表示部46が設けられている。操作部44は、電源のオン・オフや測定の開始、表示部46に表示される情報の変更といった操作をユーザが行なうための操作ボタンである。表示部46は、例えば小型液晶ディスプレイによって実現されるものである。なお、表示部46をタッチパネルで構成し、表示部46に操作部44の機能を兼ね備えさせてもよい。操作部44と表示部46はともに、測定回路基板42と電気的に接続されている。
また、図3及び図4には示されていないが、測定装置24は電源部48(図5を参照。)を備えている。電源部48は、例えば乾電池や充電バッテリーなどによって実現することができる。電源部48により、測定回路基板42や表示部46へ必要な電力が供給される。
測定装置24の回路構成の一例について、図5のブロック図を用いて説明する。
測定回路基板42は、演算制御部50、電圧印加部52及び電流検出部54を備えている。演算制御部50は、電気化学測定で得られた測定値を用いて所定の演算処理を行なうとともに、操作部44を介して入力されたユーザからの指令に基づいて、電圧印加部52に必要な信号を送信したり、表示部46に測定結果等の情報を表示させたりする機能である。演算制御部50は、例えばマイクロコンピュータが所定のプログラムを実行することによって実現される機能である。
電圧印加部52は、演算制御部50からの測定開始の信号を受信したときに、端子部40の装置側端子を介して測定用ピペットチップ40の2つの測定用電極(作用電極と参照電極)間に所定の大きさの電圧を印加するように構成されている。
電流検出部54は、端子部40の装置側端子を介して測定用ピペットチップ40の2つの測定用電極(作用電極と対極)間を流れる電流の大きさを検出するように構成されている。電流検出部54は、検出した電流の大きさに関する信号は演算制御部50に取り込まれる。
演算制御部50は、電流検出部54から取り込んだ信号の基づき、例えば予め用意された検量線を用いて、試料溶液中の特定成分濃度等の計算を行ない、測定結果を表示部46に表示するように構成されている。
また、検出装置24は、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)端子といった有線通信手段や無線通信手段によってパーソナルコンピュータ等の外部機器へ情報を出力することができるように、外部出力部56を備えていてもよい。その場合、演算制御部50は、外部出力部56を介して測定データ等を外部機器へ出力するように構成されている。
以上において説明した測定用ピペットチップ2及び測定装置24を用いた測定方法の一例について、図5とともに図6のフローチャートを用いて説明する。
まず、検出装置24の先端に測定用ピペットチップ2を装着する(ステップS1)。測定用ピペットチップ2の先端を試料溶液に浸し、所定量の試料溶液Sを吸引する(ステップS2)。これにより、測定用ピペットチップ2内において測定用電極12,14,16が試料溶液Sに浸漬される(図4を参照。)。
この状態で、例えばユーザが測定開始ボタン(操作部44)を押下することによって、演算制御部50が電圧印加部52へ測定開始の信号を発し、電圧印加部52が2つの測定用電極(作用電極と参照電極)間に所定の大きさの電圧を印加する(ステップS3)。電圧を印加してから一定時間(例えば、30秒)が経過した後、電流検出部54が2つの測定用電極(作用電極と対極)の間を流れる電流値を測定する(ステップS4)。
演算制御部50は、電流検出部54により測定された電流値に基づいて試料溶液中の特定成分濃度を定量し(ステップS5)、その測定結果を表示部46に表示する(ステップS6)。
以上において説明したように、実施例の測定装置24は、その先端に測定用ピペットチップ2を装着し、吸引口4から所定量の試料溶液を吸引するだけで、測定用電極12,14,16に試料溶液を確実に接液させて試料溶液の電気化学測定を行なうことができるので、簡便かつ迅速な電気化学測定の実施が可能である。
2 測定用ピペットチップ
4 吸引口
6 測定用ピペットチップの開口
8 測定用ピペットチップ内の空間
10 電極基板
12,14,16 測定用電極
18,20,22 端子(チップ側端子)
24 測定装置
26 筐体
28 チップ装着部
30 測定装置の開口
32 シリンジ部
34 ピストン
36 駆動軸
38 押圧部
40 端子部(装置側端子)
42 測定回路基板(測定回路)
44 操作部
46 表示部
48 電源部
50 演算制御部
52 電圧印加部
54 電流検出部
56 外部出力部

Claims (5)

  1. 先端及び基端を有し、前記先端に試料溶液を吸引するための吸引口を有するとともに前記吸引口から吸引された所定量の試料溶液を貯留するための内部空間を有する測定用ピペットチップを先端に装着し、前記測定用ピペットチップの前記内部空間に吸引された試料溶液の電気化学測定を行なうための測定装置であって、
    前記測定用ピペットチップは、
    一端が前記測定用ピペットチップの前記先端を向き、他端が前記測定用ピペットチップの前記基端を向く平板状の電極基板が内部に収容され、
    前記吸引口から吸引され前記内部空間に貯留された試料溶液と触れる位置に設けられ、その試料溶液の電気化学測定を行なうための測定用電極として作用電極、参照電極及び対極が前記電極基板の前記一端側に設けられ、
    当該測定用ピペットチップが先端に装着される前記測定装置の内部に設けられる電気回路を前記測定用電極に電気的に接続するためのチップ側端子が前記電極基板の前記他端側に設けられており
    前記吸入口の内径は、前記内部空間に試料溶液を貯留した状態で前記吸入口が鉛直下方へ向けられても前記試料溶液が前記吸入口から滴下されない大きさであり、
    前記測定装置は、
    測定用ピペットチップを装着するためのチップ装着部と、
    前記チップ装着部と連通する内部空間を有し、その内部空間においてピストンが摺動することにより、前記チップ装着部に装着された前記測定用ピペットチップの先端から試料溶液を吸引するように構成されたシリンジ部と、
    前記チップ装着部に装着された前記測定用ピペットチップの内部に収容された測定用電極に設けられているチップ側端子と電気的に接続するための装置側端子と、
    前記装置側端子を介して前記測定用ピペットチップに測定用電極として設けられている作用電極、参照電極及び対極と導通し、前記測定用電極を介して前記測定用ピペットチップの先端から吸引された試料溶液の電気化学測定を行なう測定回路と、を備え、
    前記測定回路は、前記電気化学測定において、前記作用電極と前記参照電極との間に電圧を印加してから一定時間が経過した後の前記作用電極と前記対極との間を流れる電流値を測定する、測定装置。
  2. 前記測定用電極及び前記チップ側端子は、前記電極基板の表面に形成されたカーボン薄膜からなるものである、請求項1に記載の測定装置
  3. 前記カーボン薄膜の表面に鍍金が施されている、請求項2に記載の測定装置
  4. 前記チップ装着部は、前記測定用ピペットチップの基端に設けられた開口に一定の位置関係をもって嵌め込まれる形状を有し、
    前記チップ装着部が前記測定用ピペットチップの前記開口に前記一定の位置関係をもって嵌め込まれたときに、前記装置側端子が前記チップ側端子に対して位置決めされるように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の測定装置。
  5. 前記測定回路による測定結果を表示するための表示部を外面に備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載の測定装置。
JP2018529079A 2017-06-28 2017-06-28 測定用ピペットチップ、その測定用ピペットチップを用いる測定装置及び測定方法 Active JP6668477B2 (ja)

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