JP6667155B2 - 照明環境のシミュレーション方法、照明環境のシミュレーション装置、プログラム - Google Patents

照明環境のシミュレーション方法、照明環境のシミュレーション装置、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、照明環境のシミュレーション方法、照明環境のシミュレーション装置、プログラムに関する。
従来、点光源群から発せられる光の照度を算出するために、特許文献1では、以下のような技術が提案されている。すなわち、特許文献1には、点光源の配光特性と、照度を算出する評価点と点光源との距離、評価点における評価面の法線と点光源の光軸とがなす角度に基づいて、評価点の照度を点光源それぞれについて算出し、求めた照度を重ね合わせる技術が記載されている。
特開2012−79537号公報
特許文献1に記載された技術は、LED照明パネルのような点光源群を用いた場合の評価点での照度を計算している。この技術では、評価点ごとに点光源それぞれの照度を重ね合わせる計算が必要であるから、点光源群と評価点との少なくとも一方の個数が増加すると、計算量が大幅に増加し、処理負荷が大きくなるという問題がある。また、点光源群を備える照明に適用する技術であるから、通常の照明器具には適用することができない。
本発明は、照明器具の種類にかかわらずシミュレーションを行うことが可能であり、処理負荷が比較的少ないシミュレーションを可能にした照明環境のシミュレーション方法、照明環境のシミュレーション装置、プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る照明環境のシミュレーション方法は、照明器具が光束を放射する放射領域の寸法および前記照明器具が放射する全光束の値を入力情報として受け取るステップと、前記放射領域に配置した1つの発光点を第1点光源とし、前記全光束の値を前記第1点光源に割り当てるステップと、前記放射領域に配置した複数の発光点を複数の第2点光源とし、前記全光束を前記複数の発光点に分配した部分光束の値を前記複数の第2点光源に割り当てるステップと、コンピュータにて、前記放射領域からの距離が所定の閾値以上である第1の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記第1点光源で模擬し、前記放射領域からの距離が前記閾値未満である第2の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記複数の第2点光源で模擬するステップとを有することを特徴とする。
本発明に係る照明環境のシミュレーション方法は、照明器具が光束を放射する放射領域の寸法および前記照明器具が放射する全光束の値を入力情報として受け取るステップと、前記放射領域に配置した1つの発光点を第1点光源とし、前記全光束の値を前記第1点光源に割り当てるステップと、前記放射領域に配置した複数の発光点を複数の第2点光源とし、前記全光束を前記複数の発光点に分配した部分光束の値を前記複数の第2点光源に割り当てるステップと、前記放射領域からの距離が所定の閾値以上である第1の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記第1点光源で模擬し、前記放射領域からの距離が前記閾値未満である第2の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記複数の第2点光源で模擬するステップと、出力部にて模擬結果を出力するステップとを有することを特徴とする。
本発明に係る照明環境のシミュレーション装置は、照明器具が光束を放射する放射領域の寸法および前記照明器具が放射する全光束の値を入力情報として受け取る入力部と、前記放射領域に配置した1つの発光点を第1点光源とし、前記全光束の値を前記第1点光源に割り当てる第1処理部と、前記放射領域に配置した複数の発光点を複数の第2点光源とし、前記全光束を前記複数の発光点に分配した部分光束の値を前記複数の第2点光源に割り当てる第2処理部と、前記放射領域からの距離が所定の閾値以上である第1の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記第1点光源で模擬し、前記放射領域からの距離が前記閾値未満である第2の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記複数の第2点光源で模擬する模擬部とを有することを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、コンピュータに、照明器具が光束を放射する放射領域の寸法および前記照明器具が放射する全光束の値を入力情報として受け取るステップと、前記放射領域に配置した1つの発光点を第1点光源とし、前記全光束の値を前記第1点光源に割り当てるステップと、前記放射領域に配置した複数の発光点を複数の第2点光源とし、前記全光束を前記複数の発光点に分配した部分光束の値を前記複数の第2点光源に割り当てるステップと、前記放射領域からの距離が所定の閾値以上である第1の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記第1点光源で模擬し、前記放射領域からの距離が前記閾値未満である第2の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記複数の第2点光源で模擬するステップとを実行させるためのものである。
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータに、照明環境のシミュレーション方法を実現させるためのものである。あるいは、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、照明環境のシミュレーション装置として機能させるためのものである。
本発明の構成によれば、照明器具の種類にかかわらずシミュレーションを行うことが可能であり、処理負荷が比較的少ないシミュレーションが可能になるという利点を有する。
実施形態のシミュレーション装置を示すブロック図である。 実施形態のシミュレーション方法を示す流れ図である。 図3Aは実施形態の照明器具を示す斜視図、図3Bは実施形態において境界面の例を示す正面図、図3Cは実施形態において境界面の例を示す側面図である。 図4Aは現実の照度の例を示す説明図、図4Bはシミュレーションによる照度の例を示す説明図である。 実施形態において境界面の他の設定例を示す概略図である。 図6Aは実施形態において第1点光源の配置例を示す説明図、図6Bは実施形態において第2点光源の配置例を示す説明図である。図である。 実施形態において壁面の一部が第2の空間領域に含まれる例を示す概略図である。
以下に説明する実施形態は、照明環境のシミュレーション方法、照明環境のシミュレーション装置、プログラム、とくに、照明設備が配置された空間における照明環境のシミュレーション方法、およびコンピュータに照明環境のシミュレーション方法を実現させるためのプログラムに関する。
以下に説明する照明環境のシミュレーション方法は、コンピュータを用いて照明環境のシミュレーションを行う空間(以下、「対象空間」という)について、照明環境に関連したデータが提供されていることを前提にしている。対象空間の照明環境に関連したデータは、対象空間を記述する3次元CAD(Computer Aided Design)のデータに加え、対象空間を構成する部材に関する反射特性のデータを含む。3次元CADのデータは、少なくとも、対象空間を構成する部材の形状、寸法、向きを表すデータと、部材間の相対位置を表すデータとを含む。反射特性は、正反射率、拡散反射率を含み、さらに、分光反射率を含むことが望ましい。また、照明環境に関連したデータは、部材の表面のがら、部材を構成する材料または素材のデータなどを含むこともある。
本実施形態において、対象空間を記述するデータは、建物を構成する部材に関するデータを含む建築モデルデータの一部を想定している。この種の建築モデルデータは、建物に関連する様々なデータの総体であって、以下では、このような建築モデルデータを、BIMデータと呼ぶ(BIM:Building Information Modeling)。BIMデータは、工業製品の部品表と同様に、建物の部品表とも言える部材のリストを含んでいる。
本実施形態において、建物は、オフィスビルあるいは商業ビルなどを想定しているが、集合住宅、戸建て住宅などであってもよい。また、建物は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、スポーツ施設、美術館、博物館、病院などでもよい。本実施形態のシミュレーション方法は、建物の種類によらず、照明器具が配置される空間であれば適用可能である。
建物において照明環境のシミュレーションを行う対象空間は、建物の部屋のように壁、床、天井に囲まれた独立した空間のほか、床と天井はあるが壁は一部が開放されているか壁が存在しない空間であってもよい。後者の空間は、たとえば建物内の通路(廊下)と教室との間に仕切りとなる壁を設けていないオープン教室、部屋の中に設定したコーナあるいはゾーンと呼ばれる場所などを意味する。また、対象空間は、パーティションなどで仕切られ天井がないブースであってもよい。
BIMデータにおいて、対象空間に配置される照明器具のデータは、照明器具の仕様に基づくデータであり、品番、消費電力、形状、寸法、価格などに加えて、全光束の値を含み、さらに色温度の値などを含むこともある。照明器具の全光束および色温度には、経時的な変化が生じる可能性があるから、全光束および色温度の経時的な変化を考慮したシミュレーションを行ってもよい。ただし、本実施形態では、照明器具の全光束および色温度の経時的な変化については説明しない。全光束あるいは色温度の経時的変化を考慮する場合は、点灯時間に対する全光束または色温度の標準的な変化の特性を求めておき、点灯時間に応じた全光束または色温度をシミュレーションに適用すればよい。
照明器具の仕様としての全光束は、積分球などを用いた全光束測定装置により測定される。全光束測定装置では全光束は測定されるが、全光束測定装置による測定結果では照明器具の配光に関する情報は得られない。そのため、全光束測定装置で測定した照明器具の全光束の値を用いて照明環境のシミュレーションを行う場合、一般的には、全光束に相当する光束を放射する点光源を、照明器具に定めた代表点の位置に配置している。つまり、照明器具の形状にかかわらず、点光源に置き換えたシミュレーションを行って対象空間の照度を求めている。
また、方位(極座標)と光度(強度)とを併せて測定する装置を用いると、照明器具から放射される光について、配光特性データ(またはパラメトリック照明データ)と呼ばれるデータが得られる。ただし、光を放射する領域が直線状である照明器具、あるいは光を放射する領域が面状に広がる照明器具であっても、放射特性データは、上述した積分球での測定結果と同様に、点光源に置き換えて作成されているのが現状である。
ところで、照明器具から離れた場所であれば、照明器具を点光源に置き換えたシミュレーションで求めた照度と、照明器具の配光を考慮したシミュレーションで求めた照度との間に大きな差は生じない。とくに、対象空間がオフィスなどであって、同じ種類の照明器具が天井に規則的に配置されている場合、照明器具からの距離が2m程度離れた場所の照度は、どちらの方法でシミュレーションを行っても大きな差は生じない。これは、照明器具からの距離が2m程度離れた場所では、複数の照明器具から放射された光束が十分に混合され、しかも照度が距離の二乗に反比例するために、個々の照明器具の影響が軽減されるからである。
一方、照明器具に近い場所では、照明器具が光を放射する領域(以下、「放射領域」という)の形状によっては、照明器具を点光源に置き換えたシミュレーションで求めた照度分布が、現実の照度分布とは大きく異なってしまうことがある。たとえば、放射領域が長方形状である照明器具から近い部位の照度を求める際に、照明器具を点光源に置き換えたとすると、照明器具の放射領域の形状が照度分布に反映されない可能性がある。
このように、線状光源を点光源に置き換えて照明環境のシミュレーションを行うと、照明器具の近傍における照度分布が、現実とは大きく異なってしまうという問題が生じる。つまり、シミュレーションの結果をコンピュータのモニタ画面に表示した場合、照明器具の周囲の天井面における照度分布が、現実の照度分布とは異なるから、モニタ画面を見た使用者にとっては違和感が生じるという問題がある。
そこで、対象空間の照度分布について、シミュレーションではなく3次元CADを用いて、現実のイメージに近い画像を作成しているのが現状である。言い換えると、現状の技術では、BIMデータから照明環境に関連したデータを抽出し、BIMデータから抽出したデータによるシミュレーションを行うだけでは、現実のイメージに近い画像が得られていない。したがって、3次元CADによる画像の作成に要する作業工数が多く、照明環境の試案を様々な条件で作成しようとすると作業時間が膨らむという問題が生じる。
ところで、照明器具から光が放射される方向と光束とを対応付けて測定する配光測定装置が提供されている。配光測定装置の測定結果を用いて照明環境のシミュレーションを行えば、全光束測定装置の測定結果を用いてシミュレーションを行う場合に比較すると、照度分布の再現性が高くなる。ただし、配光測定装置による測定結果をシミュレーションに反映させるには、照明器具からの光束の放射方向ごとに光束の値を割り当てなければならない。そのため、点光源を用いたシミュレーションに比べて計算量が大幅に増加し、シミュレーションに多大な時間を要するという問題が生じる。
すなわち、照明器具を点光源とみなして全光束の値を用いてシミュレーションを行うと照度分布が現実とは異なる結果になることがあり、配光測定装置の測定結果を用いてシミュレーションを行うと計算量が増加するという問題が生じる。そのため、図1に示す本実施形態の照明環境のシミュレーション装置10は、入力部14と第1処理部11と第2処理部12と模擬部13とを有する。入力部14は、照明器具20(図3A参照)が光束を放射する放射領域24(図6A参照)の寸法および照明器具20が放射する全光束の値を入力情報として受け取る。第1処理部11は、放射領域24に配置した1つの発光点を第1点光源25(図6A参照)とし、全光束の値を第1点光源25に割り当てる。第2処理部12は、放射領域24に配置した複数の発光点を複数の第2点光源26(図6B参照)とし、全光束を複数の発光点に分配した部分光束の値を複数の第2点光源26に割り当てる。模擬部13は、放射領域24からの距離が所定の閾値以上である第1の空間領域31(図3A参照)に対する照明器具20の配光を第1点光源25で模擬する。また、模擬部13は、放射領域24からの距離が閾値未満である第2の空間領域32(図3A参照)に対する照明器具20の配光を複数の第2点光源26で模擬する。
図1に示すシミュレーション装置10は、上述した構成のほかに、模擬部13による計算の結果をモニタ画面に出力するための出力部15を備える。
入力部14は、BIMデータから抽出された照明環境に関連するデータを入力情報として読み込むインターフェイス部であり、光ディスク、半導体メモリのような記録媒体から照明環境に関連するデータを読み取るように構成される。または、入力部14は、電気通信回線を通して照明環境に関連するデータを入力情報として受け取るように構成される。入力部14には入力装置も接続可能である。入力装置は、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチパネル、タブレットなどから選択される。
出力部15は、模擬部13での計算結果のデータを出力する機能を有し、また模擬部13の計算結果を3次元画像にして表示するモニタ装置を接続可能であり、必要に応じて計算結果のデータおよび3次元画像を出力するプリンタを接続することが可能である。入力部14および出力部15の構成は、一例であって、必要に応じて変更することが可能である。
シミュレーション装置10の具体的な動作は、以下の説明により明らかになる。本実施形態のシミュレーション装置10は、コンピュータでプログラムを実行することにより実現される。コンピュータは、パーソナルコンピュータのような汎用のコンピュータのほか、クライアントとなる端末装置との間で電気通信回線を通して通信を行うサーバであってもよい。電気通信回線は、インターネット、移動体電話網などを想定しているが、他の電気通信回線でもよい。サーバは、1台のコンピュータを備える構成のほか、複数台のコンピュータを備える構成であってもよく、またクラウドコンピューティングシステムであってもよい。
プログラムは、コンピュータに搭載されたROMに書き込まれた状態で提供可能であるが、コンピュータで読取可能な記録媒体に書き込まれた状態で提供することが望ましい。記録媒体は、光ディスク、半導体メモリなどから選択される。また、プログラムは、電気通信回線を通して受け取ることも可能である。
コンピュータをシミュレーション装置10として機能させるためのプログラムは、以下のステップをコンピュータに実行させる。すなわち、コンピュータは、プログラムに従って図2に示す照明環境のシミュレーション方法を実行する。このシミュレーション方法は、基本的には4つのステップを有する。第1のステップでは、照明器具20が光束を放射する放射領域24(図6A参照)の寸法および照明器具20が放射する全光束の値を入力情報として受け取る(S1)。第2のステップでは、放射領域24に配置した1つの発光点を第1点光源25とし、全光束の値を第1点光源25(図6A参照)に割り当てる(S2)。第3のステップでは、放射領域24に配置した複数の発光点を複数の第2点光源26(図6B参照)とし、全光束を複数の発光点に分配した部分光束の値を複数の第2点光源26に割り当てる(S3)。第4のステップでは、放射領域24からの距離が所定の閾値以上である第1の空間領域31(図3A参照)に対する照明器具20の配光を第1点光源25で模擬し、放射領域24からの距離が閾値未満である第2の空間領域32(図3A参照)に対する照明器具20の配光を複数の第2点光源26で模擬する(S4、S5、S6)。
第1のステップは入力部14が行い、第2のステップは第1処理部11が行い、第3のステップは第2処理部12が行う。第4のステップは模擬部13が行い、第4のステップでは、対象空間において照度を求める場所が第1の空間領域31か第2の空間領域32かを判断する(S4)。また、第4のステップでは、照度を求める場所が第1の空間領域31であれば(S4:yes)、第1点光源25で模擬し(S5)、照度を求める場所が第2の空間領域32であれば(S4:no)、第2点光源26で模擬する(S6)。
ここに、対象空間の照度は、対象空間を複数に区分した小領域ごとに求められる。すなわち、小領域は、照明器具20が放射した光束の被照射面であり、第4のステップでは、小領域が第1の空間領域31に属しているか、第2の空間領域32に属しているかに応じて、照度を模擬する方法を変更する。小領域のサイズは、シミュレーションの精度、対象空間の広さ、およびコンピュータの性能(スループット)などにより定められる。シミュレーションの精度を高めるには、小領域のサイズを小さくすることが望ましいが、小領域のサイズが小さいほど計算量が増加してコンピュータの処理負荷が増加する。また、小領域のサイズが一定であっても対象空間が広いほど処理負荷が増加する。したがって、運用上で適正なリードタイムが得られるように小領域のサイズが定められる。
ところで、上述したシミュレーション装置10および上述したシミュレーション方法では、放射領域24からの距離が閾値以上である第1の空間領域と、放射領域24からの距離が閾値未満である第2の空間領域とに分けている。したがって、第1の空間領域と第2の空間領域とを分ける境界面の形状は、照明器具20の放射領域24の形状に応じて変化する。また、第1の空間領域および第2の空間領域は照明器具20ごとに決まるから、複数の照明器具20によって対象空間の照明環境が決まる場合には、いずれかの照明器具20に対して定めた第1の空間領域が、他の照明器具20の第2の空間領域と重なる場合もある。
いま、一例として、図3Aに示す構成の照明器具20を想定する。図3Aに示す照明器具20は、天井面41に直方体状の器具本体21を取り付ける構成であり、直管状の蛍光ランプあるいは直管状のLEDランプ(LED:Light Emitting Diode)のような線状光源22を備える。線状光源22は、器具本体21の長手方向に線状光源22の長手方向が沿う状態で器具本体21に配置される。図3Aに示す照明器具20では、器具本体21の下面に線状光源22が露出する構成を例示している。図示する線状光源22は、断面U字状であって器具本体21の下面に配置されている。この構成に代えて、断面U字状の拡散透過性を有するカバーが器具本体21に配置され、器具本体21の内部に配置された光源からの光がカバーを透過する構成であってもよい。
すなわち、図3Aに示す照明器具20は、放射領域24から放射する光束の一部が照明器具20を取り付けた設置面(天井面41)に照射されるように、設置面の前方に露出する部分を放射領域24に有する構成である。そして、複数の第2点光源26は、放射領域24のうち設置面に光束を放射する部位に配置される。
ただし、器具本体21の下面から線状光源22の下部が露出する構成、あるいは器具本体21に内蔵した線状光源22が放射した光を、器具本体21の下面に配置したカバーを通して器具本体21の外部に取り出す構成であってもよい。カバーは、乳白色であって拡散透過性を有し、半円筒状に形成されていることが望ましい。
図3Aに示す照明器具20の場合、第1の空間領域31と第2の空間領域32との境界面33は、線状光源22の長手方向に沿った断面では図3Bのような形状であり、線状光源22の長手方向に直交する断面では図3Cのような形状である。境界面33の形状は、照明器具20の放射領域24の形状および寸法に基づいて定める。また、境界面33の形状は、厳密に定めなくてもよく、第1点光源25および第2点光源26に基づいて定まる境界面33よりも第1の空間領域31が狭くなるように境界面33を設定することが可能である。シミュレーションにより得られた対象空間の照度を対象空間の3次元画像に適用し、この3次元画像を人が見たときに違和感が生じない程度のシミュレーションが行えるように、境界面33が定まっていればよい。第1点光源25および第2点光源26については後述する。
配光特性データが得られている場合、境界面33の形状は、配光特性データで得られる形状を使用する。また、シミュレーションの精度を高めるために、境界面33の位置(照明器具20から境界面33までの距離)は、放射領域24の長手方向の長さの2倍以上に設定することが推奨される。
ところで、図3Aに示す照明器具20では、線状光源22の長手方向に直交する断面における光束の分布は、線状光源22の長手方向のどの部位でもほぼ等しい。そのため、照明器具20の周囲の天井面における現実の照度は、図4Aのように線状光源22の略全長において大きく変化しない。これに対して、図3Aに示す照明器具20を点光源で模擬してシミュレーションを行うと、照明器具20の周囲の天井面における照度は、図4Bのように線状光源22の長手方向の中央付近で高く、線状光源22の両端付近において大きく低下する。つまり、線状光源22を点光源で模擬すると、線状光源22の長手方向の中央部に光束が集中し、シミュレーションによる照度分布が現実の照度分布から大きくずれる結果になる。
本実施形態における照明環境のシミュレーション方法は、シミュレーションの結果を実空間での現実の照度分布に近づけることを一つの目的にしている。また、本実施形態における照明環境のシミュレーション方法を採用することにより、配光測定装置の測定結果のみを用いて対象空間の照度を求める場合よりも、シミュレーションに要する時間を短縮することが可能になる。
本実施形態は、対象空間において、照明器具20からの距離が比較的大きい場所では、照明器具20の形状にかかわらず1つの点光源から放射された光束で照度のシミュレーションを行うことが可能であるという経験則に基づいている。すなわち、照明器具20から離れた第1の空間領域31では、照明器具20を1つの点光源で模擬可能であるということである。一方、図3Aに示すような形状の照明器具20に近い場所では、照明器具20を点光源で模擬した場合に、シミュレーションで求めた照度分布が現実の照度分布から大きくずれてしまう。すなわち、図3Aに示すような形状の照明器具20の場合、照明器具20に近い第2の空間領域32では、照明器具20を1つの点光源で模擬することはできない。
光源自体を点光源で模擬しても照度分布のシミュレーションを精度よく行える距離は、一般的には、線状光源22で管長の5倍以上の距離、また円環状光源で直径の10倍以上の距離であることが知られている。ただし、線状光源22を点光源で模擬しても、線状光源22からの距離が管長の2倍以上の場所であれば、シミュレーションによる照度分布と現実の照度分布との差異はモニタ装置の画面上ではほとんど見分けが付かない。
なお、点光源を用いてシミュレーションを行う範囲を、線状光源22から管長の2倍以上の距離とすることは一例である。すなわち、モニタ装置の画面上でシミュレーションの結果を人が見たときに違和感がなければ、線状光源22の管長の2倍より小さい距離であっても点光源を用いてシミュレーションを行うことが可能である。また、線状光源22を点光源で模擬する範囲を、線状光源22の管長の2倍より大きい距離に定めることも可能である。
上述した構成では、説明を簡単にするために、照明器具20に代えて線状光源22を例に挙げたが、実際の照明器具20は、線状光源22とは限らない。そのため、本実施形態の照明環境のシミュレーション方法では、照明器具20の放射領域24の形状および寸法に応じて点光源で模擬する領域を定める。
なお、対象空間の照度分布をシミュレーションで求める際の処理負荷は、線状光源22を点光源で模擬する範囲が広いほど低減される。そのため、モニタ装置の画面に表示されるシミュレーションの結果に違和感が生じない限り、照明器具20を点光源で模擬する範囲を広く設定することが望ましい。
上述した説明から明らかなように、照明器具20の形状および寸法に応じて第1の空間領域31と第2の空間領域32とを分ける境界面33の位置が変わる。すなわち、模擬部13(図1参照)は、照明器具20の仮想的な放射面である放射領域24の形状および寸法に基づいて境界面33の位置を定める。境界面33の形状は、照明器具20の放射領域24を囲むように設定することが望ましいが、照明器具20の放射領域24からの最小距離が所要の条件を満足していれば、平面状に設定することも可能である。
なお、放射領域24は、上述のように、照明器具20からの仮想的な光の放射面であって、放射領域24は、照明器具20の形状に応じて異なる。たとえば、光源が器具本体21の外部に露出している場合、器具本体21の反射面と光源の表面のうち反射面と向かい合わせになっていない部位を連続させた仮想的な曲面が放射領域24になる。また、光源が器具本体21の内部に収納されている場合、光源からの光を器具本体21の外へ放射する面が放射領域24になる。あるいは、光源からの光を拡散させるために、拡散板、ルーバ、セード、またはグローブのような拡散部材が設けられた照明器具20であれば、拡散部材の表面が放射領域24に含まれる。
照明器具20の放射領域24から境界面33までの最小距離は、1つの点光源で模擬可能な最小距離に相当する。したがって、照明器具20の放射領域24が線状光源22に類似した形状である場合、最小距離は放射領域24の長さ寸法の2倍程度になる。
たとえば、天井に配置される照明器具20には、下面に長方形状の開口を有する器具本体21に線状光源22が収納され、器具本体21の上部が天井に埋め込まれる照明器具20がある。この照明器具20は、器具本体21の下面に形成された長方形状の開口面が放射領域24であるから、放射領域24は長方形状である。この放射領域24に対する境界面33は、線状光源22の場合と同様に、放射領域24からの最小距離が放射領域24の長手方向の2倍程度の距離になるように設定される。したがって、図3Aに示した照明器具20と同様の境界面33を設定することが可能である。この境界面33は、放射領域24を天井面41との間で囲むように設定される。
上述したように、境界面33は必ずしも放射領域24を囲む必要はなく、放射領域24からの最小距離が上述した条件を満足していれば、図5A、図5Bに示すように、境界面33は平面状であってもよい。図5A、図5Bに示す境界面33は、天井面41の下方において、照明器具20の下面(つまり、放射領域24)から一定距離の位置に設定される。照明器具20の下面から境界面33までの距離は、たとえば、放射領域24の長手方向の2倍程度に設定される。
上述したように、境界面33に対して照明器具20から遠い第1の空間領域31における照度のシミュレーションは、照明器具20を点光源とみなして行うことが可能である。そのため、第1処理部11は、図6Aのように、放射領域24に発光点としての第1点光源25を配置し、第1点光源25に照明器具20の仕様として与えられている全光束の値を割り当てる。第1点光源25は、放射領域24の中心位置に1つだけ配置される。中心位置は、放射領域24の幾何学的な中心の位置であって、放射領域24の上で互いに直交する方向の中心線が交わる交点の位置、あるいは放射領域24の重心の位置を用いる。なお、放射領域24が曲面であれば中心線は曲線になる。
ところで、境界面33に対して照明器具20に近い第2の空間領域32では、照明器具20の配光を考慮したシミュレーションを行う必要がある。すなわち、照明器具20からの距離が比較的小さい部位では、照明器具20の配光が照度分布に影響する。ただし、照明器具20の配光の情報をシミュレーションに用いるためには、第1の空間領域31に対するシミュレーションとはまったく異なる処理が必要である上に、第1の空間領域31とは異なるデータが必要である。そのため、シミュレーションに際してデータを入力する作業が繁雑になり、しかもプログラムにおいても処理が複雑になる。
そのため、本実施形態のシミュレーション装置10は、第2の空間領域32に対するシミュレーションを行うときには、図6Bのように、放射領域24に複数の第2点光源26を配置する。すなわち、第2処理部12は、発光点である第2点光源26を放射領域24に複数配置する。第2処理部12は、放射領域24の形状と面積とに基づいて第2点光源26の個数を定める。たとえば、隣り合う一対の第2点光源26の間隔としてあらかじめ定められた基準値と、放射領域24の主要寸法とを比較し、基準値よりも主要寸法が大きければ、放射領域24に複数の第2点光源26を配置する。
主要寸法は、たとえば、放射領域24が長方形であれば長辺の寸法と短辺の寸法とであり、放射領域24が球面の一部であれば放射領域24の中心を通る球面の表面に沿った曲線上で計測される寸法である。また、放射領域24が一方向に延長され、かつ延長方向に直交する放射領域24の断面がU字状であれば、主要寸法は、延長方向の寸法と延長方向に直交する断面内で放射領域24に沿った曲線上で計測される寸法とである。
放射領域24に複数の第2点光源26を並べる場合、複数の第2点光源26は等間隔であることが望ましい。また、複数の第2点光源26は主要寸法を計測する線上に配置される。隣り合う一対の第2点光源26の間隔である基準値は、実空間において1cm程度から50cm程度の範囲で選択される。基準値が大きいと、放射領域24に複数の第2点光源26を配置できないことがあり、基準値が小さいと、第2点光源26の個数の増加によりシミュレーションに要する処理時間が長くなる。
したがって、第2点光源26の個数が適切な個数になるように、放射領域24の形状に応じて基準値を変えることが望ましい。たとえば、放射領域24が一方向に延長され、かつ延長方向に直交する放射領域24の断面がU字状であり、放射領域24の延長方向の長さが1m程度、延長方向に直交する放射領域24の断面における幅が3cm程度である場合を想定する。この場合には、放射領域24の延長方向においては基準値を20cm程度に定め、延長方向に直交する断面内では基準値を1cm程度に定めることが望ましい。この例において、照明器具20に設定される第2点光源26の個数は30個程度である。この例のように、放射領域24の形状によっては、放射領域24の主要寸法を計測する方向に応じて基準値を変えることが望ましい。ただし、複数の第2点光源26は、放射領域24の中心に対して対称に並ぶことが望ましい。上述した数値は、実施形態の目安を示すための一例であり、この数値に限定する趣旨ではない。
このように、第2点光源26は、照明器具20の放射領域24の寸法に応じて配置される。したがって、放射領域24の形状にかかわらず、第2点光源26を適正に配置することが可能であって、放射領域24が複雑な形状であってもシミュレーションを行うことが可能になる。
ここに、多くの照明器具20の放射領域24は対称性を有している。たとえば、図3Aに示す照明器具20であれば、放射領域24は2つの対称面を備える。一方の対称面は、長手方向の中心線を含み、他方の対称面は長手方向に直交する中心線を含む。すなわち、放射領域24は対象性を有する4つの部分領域で形成されている。したがって、模擬部13は、この照明器具20について境界面33を定める際に、放射領域24の1つの部分領域について境界面33を求め、求めた境界面33に放射領域24の対称性を反映させればよい。このように放射領域24が対称性を有している場合、境界面33を定める際の模擬部13の処理負荷が軽減される可能性がある。
ところで、天井面41に照明器具20が設置されている場合、図7のように、壁面42の一部分が、照明器具20について設定した第2の空間領域32に含まれる場合がある。この場合、模擬部13は、壁面42のうち第2の空間領域32に含まれる部分について第2処理部12が設定した第2点光源26を用いて照度を求める。また、模擬部13は、壁面42のうち第1の空間領域31に含まれる部分について第1処理部11が設定した第1点光源25を用いて照度を求める。要するに、天井面41か壁面42かにかかわらず、模擬部13は、第1の空間領域31か第2の空間領域32かに応じて、異なるシミュレーションを行う。
なお、シミュレーション装置10は、入力部14に接続された入力装置をユーザが用いることにより、第2処理部12が定めた第2点光源26の追加と削除との少なくとも一方の操作を行えるように構成されていることが望ましい。また、入力部14に接続された入力装置をユーザが用いることにより、第2処理部12が定めた第2点光源26の変更の操作を行えるように構成されていることが望ましい。第2点光源26の変更は、基本的には位置の変更であるが、放射する光束の値の変更が可能であってもよい。このように、第2処理部12が定めた第2点光源26について修正を許容すると、熟練したユーザなどが、シミュレーションの結果をより現実に近づけるように修正を加えることが可能になる。すなわち、本実施形態の照明環境のシミュレーション方法は、複数の第2点光源26の追加と削除と変更とのうちの少なくとも1種類の処理を行うステップを備えていてもよい。
第2処理部12は、放射領域24に配置した複数の第2点光源26に対して、全光束測定装置で測定された全光束の値を第2点光源26に分配した部分光束の値を割り当てる。第2点光源26に割り当てる部分光束の値は、全光束の値を等分した値を用いることが望ましい。ただし、放射領域24の形状によっては、第2点光源26を配置した位置に応じて部分光束の値を調節することが可能である。全光束の値は照明器具20の仕様として与えられているから、全光束の値を複数の第2点光源26に等分して部分光束の値を決めることは容易である。
すなわち、複数の第2点光源26は、放射領域24に均等に分布するように配置され、部分光束の値は、全光束を第2点光源26の個数に応じて均等に配分される。この構成を採用することにより、照明器具20から第2の空間領域32に放射する光束を、簡単な方法で模擬することが可能になる。また、照明器具20が線状光源22を備える場合、複数の第2点光源26は、少なくとも線状光源22の長手方向に分配されることが望ましい。
模擬部13は、第2点光源26を用いて対象空間における照度を求めるために、複数の第2点光源26それぞれについて求めた照度を加算する。つまり、複数の第2点光源26が放射領域24に配置されていると、対象空間において照度を求める場所では、複数の第2点光源26のうちの少なくとも一部の第2点光源26から放射された光束が重なる。そのため、照度を求めるには、必要に応じて複数の第2点光源26から放射された光束を重ね合わせる計算を行う。
たとえば、天井面41に複数の照明器具20が設置されている場合、天井面41と壁面42との一部分は、一部の照明器具20に設定した第1の空間領域31に含まれるだけではなく、残りの照明器具20に設定した第2の空間領域32に含まれることがある。つまり、天井面41と壁面42との一部分は、一部の照明器具20の第1の空間領域31と残りの照明器具20の第2の空間領域32との両方に含まれることがある。この場合、模擬部13は、照明器具20それぞれについて求めた照度分布を重ね合わせる計算を行い、目的の箇所の照度を求める。
上述のように、模擬部13は、照明器具20の放射領域24からの距離に基づいて対象空間を第1の空間領域31と第2の空間領域32とに分け、第1の空間領域31と第2の空間領域32とで照度を計算する方法を異ならせている。そのため、第1の空間領域31と第2の空間領域32とを分ける境界面33の近傍において、模擬部13が計算した照度が不連続になる可能性がある。照度の不連続を回避するためには、境界面33の近傍に緩衝領域を設定し、緩衝領域で照度の変化が連続的になるように照度を調節することが望ましい。すなわち、境界面33の内側と外側とに跨がる緩衝領域を定め、第1の空間領域31と第2の空間領域32との照度が連続的に変化するように緩衝領域の照度分布を定めることが望ましい。第1の空間領域31と第2の空間領域32との照度を連続的に変化させるには、たとえば、緩衝領域において照度を補間すればよい。
以上のように、模擬部13は、照明器具20に対して境界面33より遠い第1の空間領域31の照度を、1つの第1点光源25だけを用いて計算する。したがって、対象空間の照度のすべてを第2点光源26で求める場合に比べると、計算量を大きく低減させることが可能になる。
また、模擬部13は、対象空間を区分した小領域について、個々の第2点光源26による照度を求める計算と、求めた照度を合計する計算とを行うことにより、第2の空間領域32における照度を求める。この計算は簡易化した計算であり、求めた照度は必ずしも正確ではないが、光束の放射方向に光束の値を結び付けて計算する場合に比べると、計算量を低減させることが可能である。また、第2の空間領域32における照度は、第1の空間領域31における照度と同様に、照明器具20に配置した点光源を用いて計算するから、第1の空間領域31の照度と第2の空間領域32の照度とを求める処理の一部を共用することが可能である。すなわち、点光源に対して照度を求める処理をサブルーチン化することが可能である。
しかも、対象空間のうち照明器具20に近い第2の空間領域32では放射領域24に複数の第2点光源26を配置しているから、シミュレーションの結果をモニタ装置の画面に表示しときに、違和感を生じさせない照度分布を得ることが可能になる。すなわち、モニタ装置の画面に表示したときに、違和感のない照度分布が得られるようにシミュレーションを可能にしながらも、コンピュータの処理負荷を軽減し、結果的にリードタイムの少ないシミュレーションが可能になる。
ところで、対象空間に複数の照明器具20が配置されている場合、被照射面(小領域)が複数の照明器具20からの光束を受ける場合がある。このような場合には、複数の照明器具20それぞれからの光束を重ね合わせる計算を行うことにより被照射面の照度を求める。すなわち、被照射面が光束を受ける複数の照明器具20それぞれについて、被照射面に照射する光束を計算し、計算した光束を合算することによって、被照射面の照度を求める。被照射面は、いずれかの照明器具20に対して第1の空間領域31に属し、他の照明器具20に対して第2の空間領域32に属することがあるが、この場合でも、上述した計算により被照射面の照度を求めることが可能である。
上述した構成例では、照明器具20が天井面41を設置面としているが、壁面、床面などを設置面とする照明器具20であっても上述した技術を適用可能である。
上述したプログラムは、コンピュータに、照明環境のシミュレーション方法を実現させるためのものである。また、上述したプログラムは、コンピュータを、照明環境のシミュレーション装置10として機能させるためのものである。
このようなプログラムをコンピュータに実行させることによって、上述したシミュレーションが可能になる。
なお、上述した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんのことである。
10 シミュレーション装置
11 第1処理部
12 第2処理部
13 模擬部
14 入力部
20 照明器具
24 放射領域
25 第1点光源
26 第2点光源
30 天井面(設置面)
31 第1の空間領域
32 第2の空間領域

Claims (11)

  1. 照明器具が光束を放射する放射領域の寸法および前記照明器具が放射する全光束の値を入力情報として受け取るステップと、
    前記放射領域に配置した1つの発光点を第1点光源とし、前記全光束の値を前記第1点光源に割り当てるステップと、
    前記放射領域に配置した複数の発光点を複数の第2点光源とし、前記全光束を前記複数の発光点に分配した部分光束の値を前記複数の第2点光源に割り当てるステップと、
    コンピュータにて、前記放射領域からの距離が所定の閾値以上である第1の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記第1点光源で模擬し、前記放射領域からの距離が前記閾値未満である第2の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記複数の第2点光源で模擬するステップとを有する
    ことを特徴とする照明環境のシミュレーション方法。
  2. 照明器具が光束を放射する放射領域の寸法および前記照明器具が放射する全光束の値を入力情報として受け取るステップと、
    前記放射領域に配置した1つの発光点を第1点光源とし、前記全光束の値を前記第1点光源に割り当てるステップと、
    前記放射領域に配置した複数の発光点を複数の第2点光源とし、前記全光束を前記複数の発光点に分配した部分光束の値を前記複数の第2点光源に割り当てるステップと、
    前記放射領域からの距離が所定の閾値以上である第1の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記第1点光源で模擬し、前記放射領域からの距離が前記閾値未満である第2の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記複数の第2点光源で模擬するステップと、
    出力部にて模擬結果を出力するステップとを有する
    ことを特徴とする照明環境のシミュレーション方法。
  3. 前記複数の第2点光源は、前記放射領域に均等に分布するように配置され、前記部分光束の値は、前記全光束を前記第2点光源の個数に応じて均等に配分される
    請求項1又は2記載の照明環境のシミュレーション方法。
  4. 前記照明器具は、前記放射領域から放射する光束の一部が前記照明器具を取り付けた設置面に照射されるように、前記設置面の前方に露出する部分を前記放射領域に有する構成であって、
    前記複数の第2点光源は、前記放射領域のうち前記設置面に光束を放射する部位に配置される
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明環境のシミュレーション方法。
  5. 前記照明器具が線状光源を備える場合、
    前記複数の第2点光源は、少なくとも前記線状光源の長手方向に分配される
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明環境のシミュレーション方法。
  6. 前記複数の第2点光源の追加と削除と変更とのうちの少なくとも1種類の処理を行うステップをさらに備える
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明環境のシミュレーション方法。
  7. 前記第2点光源は、前記照明器具の前記放射領域の寸法に応じて配置される
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の照明環境のシミュレーション方法。
  8. 照明器具が光束を放射する放射領域の寸法および前記照明器具が放射する全光束の値を入力情報として受け取る入力部と、
    前記放射領域に配置した1つの発光点を第1点光源とし、前記全光束の値を前記第1点光源に割り当てる第1処理部と、
    前記放射領域に配置した複数の発光点を複数の第2点光源とし、前記全光束を前記複数の発光点に分配した部分光束の値を前記複数の第2点光源に割り当てる第2処理部と、
    前記放射領域からの距離が所定の閾値以上である第1の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記第1点光源で模擬し、前記放射領域からの距離が前記閾値未満である第2の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記複数の第2点光源で模擬する模擬部とを有する
    ことを特徴とする照明環境のシミュレーション装置。
  9. コンピュータに、
    照明器具が光束を放射する放射領域の寸法および前記照明器具が放射する全光束の値
    を入力情報として受け取るステップと、
    前記放射領域に配置した1つの発光点を第1点光源とし、前記全光束の値を前記第1点光源に割り当てるステップと、
    前記放射領域に配置した複数の発光点を複数の第2点光源とし、前記全光束を前記複数の発光点に分配した部分光束の値を前記複数の第2点光源に割り当てるステップと、
    前記放射領域からの距離が所定の閾値以上である第1の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記第1点光源で模擬し、前記放射領域からの距離が前記閾値未満である第2の空間領域に対する前記照明器具の配光を前記複数の第2点光源で模擬するステップとを実行させるためのプログラム。
  10. コンピュータに、請求項1〜7のいずれか1項に記載の照明環境のシミュレーション方法を実現させるためのプログラム。
  11. コンピュータを、請求項8記載の照明環境のシミュレーション装置として機能させるためのプログラム。
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