JP6665153B2 - 磁場調整用磁気モーメント配置算出方法 - Google Patents

磁場調整用磁気モーメント配置算出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6665153B2
JP6665153B2 JP2017500573A JP2017500573A JP6665153B2 JP 6665153 B2 JP6665153 B2 JP 6665153B2 JP 2017500573 A JP2017500573 A JP 2017500573A JP 2017500573 A JP2017500573 A JP 2017500573A JP 6665153 B2 JP6665153 B2 JP 6665153B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
eigenmode
magnetic moment
magnetic
order mode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017500573A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016132831A1 (ja
Inventor
光 花田
光 花田
榊原 健二
健二 榊原
充志 阿部
充志 阿部
拓也 藤川
拓也 藤川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Publication of JPWO2016132831A1 publication Critical patent/JPWO2016132831A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6665153B2 publication Critical patent/JP6665153B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/38Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field
    • G01R33/387Compensation of inhomogeneities
    • G01R33/3875Compensation of inhomogeneities using correction coil assemblies, e.g. active shimming
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/05Detecting, measuring or recording for diagnosis by means of electric currents or magnetic fields; Measuring using microwaves or radio waves 
    • A61B5/055Detecting, measuring or recording for diagnosis by means of electric currents or magnetic fields; Measuring using microwaves or radio waves  involving electronic [EMR] or nuclear [NMR] magnetic resonance, e.g. magnetic resonance imaging
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/38Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field
    • G01R33/387Compensation of inhomogeneities
    • G01R33/3873Compensation of inhomogeneities using ferromagnetic bodies ; Passive shimming

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Description

本発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴信号(以下、NMR信号と呼ぶ)を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を画像化する磁気共鳴イメージング(以下、MRIと呼ぶ)装置に関し、特に、計測領域内の静磁場を均一化する技術に関する。
MRI装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生するNMR信号を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を2次元的に或いは3次元的に画像化する装置である。
NMR信号を計測する領域では空間的に均一な静磁場が求められる。静磁場の均一度は、画質(画像の歪みや輝度ムラ、SNR等)に影響を及ぼすためである。計測領域内の静磁場を均一化するため、鉄片などの、所定の大きさの磁気モーメントを有する物質(以下、単に磁気モーメントと呼ぶ。)を、所定の位置に配置する磁場調整(シミング)が行われる。シミングには、例えば、特異値分解を利用し、磁気モーメントの配置を決定する手法がある(例えば、特許文献1参照)。
特許第4902787号公報
特許文献1に開示の手法では、静磁場の不均一な磁場分布(誤差磁場)から、誤差磁場を打ち消す磁場分布を発生させる磁気モーメントの配置を求める。この計算は、磁場から磁場モーメントの配置を求める逆問題であり、これを解くために、打ち切り型特異値分解を利用する。打ち切り型特異値分解では、現実的な範囲内で誤差磁場を低減させるため、特異値分解で得た各固有モードのうち、影響の大きい、固有モードから優先的に補正し、制約された磁気モーメント量の中で、最大の補正効果を得る。
しかしながら、補正対象とする固有モードを1つ増やすと、補正に必要となる鉄量が段階的に変化する。このため、限られた磁気モーメント量で補正する場合、所定の固有モード数しか補正できず、磁気モーメント量が余ることがある。このように、従来手法では、必ずしも用意された磁気モーメント量を有効に活用できず、用意された磁気モーメント量の範囲で最も効果的なシミングを実現できていないことがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、静磁場不均一を是正する際、与えられた磁気モーメント量を最大限使用した効果的なシミングを実現する技術を提供する。
本発明は、静磁場の不均一な磁場分布を補正するための磁気モーメント配置を算出する際、誤差磁場分布を特異値分解により得られる固有モードの成分に分解し、高次の固有モードの成分の補正量を調整することにより、予め用意された使用可能な磁気モーメント量を最大限使用した磁気モーメント配置を算出する。固有モードの低次、高次の区分は、例えば、主コイル数に応じて行ってもよい。
本発明によれば、静磁場不均一を是正する際、与えられた磁気モーメント量を最大限使用し、効果的なシミングを実現できる。
第一の実施形態のMRI装置の全体構成図 (a)は、第一の実施形態のMRI装置の、静磁場発生系120の、XY断面図であり、(b)は、(a)のAA断面図 第一の実施形態の特異値分布のグラフ 第一の実施形態の、誤差磁場の固有モード分布のグラフ シミング時の使用鉄量の変化と、均一度の変化とを説明するためのグラフ シミング時の使用鉄量の変化と、均一度の変化とを説明するためのグラフ 第一の実施形態の制御系の機能ブロック図 (a)〜(g)は、主コイル数が6の場合の、対称基底の形状を説明するための説明図 第一の実施形態のシミング処理のフローチャート 第一の実施形態の低高次決定処理のフローチャート 第一の実施形態の磁気モーメント配置計算処理のフローチャート 従来手法でのシミング処理後の固有モード分布のグラフ 第一の実施形態の手法によるシミング処理後の固有モード分布のグラフ 第二の実施形態の強度係数のグラフ 第二の実施形態の低高次決定処理のフローチャート 第二の実施形態の磁気モーメント配置計算処理のフローチャート
本発明によれば、磁気モーメントを配置することにより静磁場を調整する磁場調整機構を備える磁場発生装置内の、予め定めた評価領域の磁場分布を計測し、前記計測した磁場分布と前記評価領域の予め定めた目標磁場強度との差である誤差磁場分布を算出し、前記誤差磁場分布を、特異値分解により得られる前記磁場発生装置が発生する磁場の各固有モードの成分に分解し、前記固有モードのうち、低次モードの成分の補正と高次モードの成分の補正とを組み合わせて、前記誤差磁場分布を近似的に補正する前記磁気モーメントの配置の算出を行い、前記低次モードは、特異値の大きさの順に各固有モードに付した固有モード番号の1番目から第一の閾値で特定される固有モード番号までの固有モード群であり、前記高次モードは、前記第一の閾値より大きい固有モード番号の固有モード群であり、前記高次モードの成分の補正量は、前記低次モードの成分の補正量より小さいことを特徴とする磁場調整用磁気モーメント配置算出方法が提供される。
また、前記算出された磁気モーメントの配置による総磁気モーメント量である計算磁気モーメント量と予め用意された使用可能な磁気モーメント量である使用可能磁気モーメント量とを比較し、前記計算磁気モーメント量が前記使用可能磁気モーメント量を超えるまで、前記高次モードの成分の補正量を増加させて、前記磁気モーメントの配置の算出を繰り返すことを特徴とする磁場調整用磁気モーメント配置算出方法が提供される。
また、前記磁場発生装置はN個(Nは1以上の整数)の主コイルを備え
前記第一の閾値は、前記磁場発生装置が備える主コイルの数Nに応じて定められることを特徴とする磁場調整用磁気モーメント配置算出方法が提供される。
また、前記各固有モードのうち、当該固有モードの基底が、前記磁場発生装置が発生する磁場方向に対して軸対称で、かつ、当該磁場方向に直交する面に対して面対称となる固有モードに、前記特異値の大きさの順に識別番号を付し、前記識別番号の小さい方からN番目の固有モードの前記固有モード番号より1つ小さい固有モード番号を、前記第一の閾値とすることを特徴とする磁場調整用磁気モーメント配置算出方法が提供される。
また、前記磁気モーメントの配置の算出を繰り返す際、前記高次モードの成分を組み合わせる回数を増加させることで、前記高次モードの成分の補正量を増加させることを特徴とする磁場調整用磁気モーメント配置算出方法が提供される。
また、前記高次モードは、前記第一の閾値で特定される固有モード番号より1つ大きい固有モード番号から前記第一の閾値より大きい第二の閾値で特定される固有モード番号までの固有モード群であることを特徴とする磁気調整用磁気モーメント配置算出方法が提供される。
また、前記第二の閾値は、前記固有モード番号の最大値であり、前記磁気モーメント配置の算出を繰り返す際、前記固有モードの成分に予め定めた強度係数を乗算し、前記強度係数は、前記繰り返しの回数が増加するに従って、前記高次モードの成分の補正量が増加するよう決定されることを特徴とするが提供される。
また、前記磁場発生装置はN個(Nは1以上の整数)の主コイルを備え、前記各固有モードのうち、当該固有モードの基底が、前記磁場発生装置が発生する磁場方向に軸対称で、かつ、当該磁場方向に直交する面に対して面対称となる固有モードに、前記特異値の大きさの順に識別番号を付し、前記識別番号の小さい方からN番目の固有モードの前記固有モード番号より1つ小さい固有モード番号を、前記第一の閾値とし、前記各固有モードのうち、前記識別番号の小さい方からN+1番目の固有モードの前記固有モード番号より1つ小さい固有モード番号を、前記第二の閾値とすることを特徴とする磁場調整用磁気モーメント配置算出方法が提供される。
また、前記磁気モーメントの配置の算出の際、前記磁場調整機構の前記磁気モーメントの収容量を制約条件として探索することを特徴とする磁場調整用磁気モーメント配置算出方法が提供される。
また、磁気モーメントを配置することにより静磁場を調整する磁場調整機構を備える磁場発生装置内の、予め定めた評価領域の磁場分布を計測する磁場分布計測部と、前記計測した磁場分布と、前記評価領域の予め定めた目標磁場強度との差である誤差磁場分布を補正する前記磁気モーメントの配置を計算する配置計算部と、前記磁場発生装置が発生する磁場の各固有モードを、特異値の大きさの順に各固有モードに付した固有モード番号の1番目から第一の閾値で特定される固有モード番号までの固有モード群である低次モードと、前記第一の閾値大きい固有モード番号の固有モード群である高次モードとに区分けする低高次決定部と、を備え、前記配置計算部は、前記誤差磁場分布を、特異値分解により得られる前記各固有モードの成分に分解し、前記低次モードの成分の補正と前記高次モードの成分の補正とを組み合わせて前記誤差磁場分布を近似的に補正する前記磁気モーメントの配置を算出し、前記高次モードの成分の補正量は、前記低次モードの成分の補正量より小さいことを特徴とする磁場調整装置が提供される。
また、前記磁場発生装置は、磁気共鳴イメージング装置の静磁場発生系であることを特徴とする磁場調整装置が提供される。
また、前記高次モードは、前記第一の閾値で特定される固有モード番号より1つ大きい固有モード番号から前記第一の閾値より大きい第二の閾値で特定される固有モード番号までの固有モード群であることを特徴とする磁場調整装置が提供される。
また、コンピュータを、磁気モーメントを配置することにより静磁場を調整する磁場調整機構を備える磁場発生装置内の、予め定めた評価領域の磁場分布を計測する磁場分布計測手段と、前記計測した磁場分布と、前記評価領域の予め定めた目標磁場強度との差である誤差磁場分布を補正する前記磁気モーメントの配置を計算する配置計算手段と、前記磁場発生装置が発生する磁場の各固有モードを、特異値の大きさの順に各固有モードに付した固有モード番号の1番目から第一の閾値で特定される固有モード番号までの固有モード群である低次モードと、前記第一の閾値より大きい固有モード番号の固有モード群である高次モードとに区分けする低高次決定手段として機能させるためのプログラムであって、前記配置計算手段は、前記誤差磁場分布を、特異値分解により得られる前記各固有モードの成分に分解し、前記低次モードの成分の補正と前記高次モードの成分の補正とを組み合わせて前記誤差磁場分布を近似的に補正する前記磁気モーメント配置を算出し、前記高次モード成分の補正量は、前記低次モード成分の補正量より小さいことを特徴とするプログラムが提供される。
また、前記高次モードは、前記第一の閾値で特定される固有モード番号より一つ大きい固有モード番号から前記第一の閾値より大きい第二の閾値で特定される固有モード番号までの固有モード群であることを特徴とするプログラムが提供される。
<<第一の実施形態>>
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態の一例を説明する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、特に断らない限り、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[MRI装置構成]
まず、本実施形態のMRI装置の一例の全体概要を説明する。図1は、本実施形態のMRI装置100の全体構成を示すブロック図である。本実施形態のMRI装置100は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、図1に示すように、静磁場発生系120と、傾斜磁場発生系130と、送信系150と、受信系160と、制御系170と、シ−ケンサ140と、センサ180と、を備える。
静磁場発生系120は、垂直磁場方式であれば、被検体101の周りの空間にその体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば、体軸方向に、均一な静磁場を発生させるもので、被検体101の周りに配置される永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源を備える。以後、MRI装置100の座標系(装置座標系)において、静磁場方向をZ方向とする。
傾斜磁場発生系130は、MRI装置100の座標系(装置座標系)であるX、Y、Zの3軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル131と、それぞれの傾斜磁場コイル131を駆動する傾斜磁場電源132とを備え、シ−ケンサ140からの命令に従ってそれぞれの傾斜磁場コイル131の傾斜磁場電源132を駆動することにより、X、Y、Zの3軸方向に傾斜磁場Gx、Gy、Gzを印加する。傾斜磁場強度は、傾斜磁場コイル131に流す電流値を制御することにより変化させる。
撮影時には、例えば、スライス面(撮影断面)に直交する方向に傾斜磁場パルスGsを印加して被検体101に対するスライス面を設定し、そのスライス面に直交し、且つ、互いに直交する残りの2つの方向に傾斜磁場パルスGpと傾斜磁場パルスGfとを印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。以下、本明細書では、スライス面を決定するために印加する傾斜磁場パルスをスライス選択傾斜磁場パルスと呼び、エコー信号に位置情報をエンコードするために、エコー信号読み出し時に印加する傾斜磁場を読み出し傾斜磁場パルスと呼ぶ。
送信系150は、被検体101の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるために、被検体101に高周波磁場パルス(RFパルス)を照射するもので、高周波発振器(シンセサイザ)、変調器、高周波増幅器等を備える送信処理部152と送信側の高周波コイル(送信コイル)151とを備える。高周波発振器はRFパルスを生成し、出力する。変調器は、出力されたRFパルスをシーケンサ140からの指令によるタイミングで振幅変調し、高周波増幅器は、この振幅変調されたRFパルスを増幅し、被検体101に近接して配置された送信コイル151に供給する。送信コイル151は供給されたRFパルスを被検体101に照射する。
受信系160は、被検体101の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出される核磁気共鳴信号(NMR信号、エコー信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)161と、信号増幅器、直交位相検波器と、A/D変換器等を備える受信処理部162とを備える。受信コイル161は、被検体101に近接して配置され、送信コイル151から照射された電磁波によって誘起された被検体101の応答のエコー信号を検出する。検出されたエコー信号は、信号増幅器で増幅された後、シーケンサ140からの指令によるタイミングで直交位相検波器により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器でディジタル量に変換されて、制御系170に送られる。
シ−ケンサ140は、RFパルスと傾斜磁場パルスとを所定のパルスシーケンスに従って繰り返し印加する。なお、パルスシーケンスは、高周波磁場パルス、傾斜磁場パルス、信号受信のタイミングや強度を記述したもので、予め制御系170に保持される。シ−ケンサ140は、制御系170からの指示に従って動作し、被検体101の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系150、傾斜磁場発生系130、および受信系160に送信する。
制御系170は、MRI装置100全体の動作の制御、信号処理、画像再構成等の各種演算、処理結果の表示及び保存等を行うもので、CPU171と記憶装置172と表示装置173と入力装置174とを備える。記憶装置172は、ハードディスク、ROM、RAMなどの内部記憶装置と、外付けハードディスク、光ディスク、磁気ディスクなどの外部記憶装置とにより構成される。表示装置173は、CRT、液晶などのディスプレイ装置である。入力装置174は、MRI装置100の各種制御情報や制御系170で行う処理の制御情報の入力のインタフェースであり、例えば、トラックボールまたはマウスとキーボードとを備える。入力装置174は、表示装置173に近接して配置される。操作者は、表示装置173を見ながら入力装置174を通してインタラクティブにMRI装置100の各種処理に必要な指示、データを入力する。
CPU171は、操作者が入力した指示に従って、記憶装置172に予め保持されるプログラムを実行することにより、MRI装置100の動作の制御、各種データ処理等の制御系170の各処理、各機能を実現する。例えば、受信系160からのデータが制御系170に入力されると、CPU171は、信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体101の断層像を表示装置173に表示するとともに、記憶装置172に記憶する。
なお、制御系170の、全部または一部の機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(field-programmable gate array)などのハードウェアによって実現されてもよい。また、各機能の処理に用いる各種のデータ、処理中に生成される各種のデータは、記憶装置172に格納される。
センサ180は、静磁場発生系120が生成する静磁場を計測する。計測結果は、制御系170に通知される。
送信コイル151と傾斜磁場コイル131とは、被検体101が挿入される静磁場発生系120の静磁場空間内に、垂直磁場方式であれば被検体101に対向して、水平磁場方式であれば被検体101を取り囲むようにして設置される。また、受信コイル161は、被検体101に対向して、或いは取り囲むように設置される。
現在、MRI装置の撮像対象核種で、臨床で普及しているものは、被検体101の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。MRI装置100では、プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または機能を、二次元もしくは三次元的に撮像する。
[シミング処理]
上述のように、静磁場の均一度は、画質(画像の歪みや輝度ムラ、SNR等)に影響を及ぼすため、NMR信号を計測する領域では空間的に均一な静磁場が求められる。静磁場の均一度(Homogeneity)は、ppm(parts per million:1/1000000)の単位で表現され、例えば、以下の式(1)により算出される。
Figure 0006665153
ここで、Bmaxは、評価空間における最大磁場強度、Bminは、評価空間における最小磁場強度、Baveは、評価空間における平均磁場強度である。評価空間には、通常、球もしくは楕円の表面が指定される。
臨床において使用される平均磁場強度1.5[T]のMRI装置の場合、直径400[mm]の球の表面において3[ppm]程度の均一度が求められる。つまり、式(1)のBmaxとBminとの差が、直径400[mm]の球の表面において4.5[μT]程度以下であることが要求される。
このような静磁場空間を実現するため、MRI装置100では、シミングと呼ばれる誤差磁場を低減させる作業が行われる。なお、誤差磁場は、評価空間における計測された磁場と、目標とする磁場との差である。シミングでは、鉄片などの、磁気モーメントを有する物質(以下、単に磁気モーメントと呼ぶ。)を、所定の位置に配置することにより、誤差磁場を低減させる。このため、シミングでは、効果的に誤差磁場を低減させる、磁気モーメントの配置位置および配置量(以下、単に磁気モーメント配置と呼ぶ)を決定する必要がある。
[静磁場発生系]
水平磁場方式のMRI装置100の静磁場発生系120の代表的な構造の概略を図2(a)および図2(b)に示す。図2(a)は、XY断面図であり、図2(b)は、図2(a)のAA断面図である。
静磁場発生系120は、超電導磁石121と、磁気モーメントを配置するための容器122と、鉄片などの磁気モーメント123と、超電導磁石121を構成する主コイル125と、を備える。また、124は、評価空間(評価領域)である。
本実施形態の静磁場発生系120は、N個の主コイル125を備えるものとする。なお、Nは、1以上の整数とする。
容器122は、磁気モーメント123を配置することにより静磁場を調整する磁場調整機構である。このため、磁気モーメント123を挿入する複数のポケットを備える。
上述のように、シミングでは、容器122の中の適切な位置に適切な量の磁気モーメント123を配置することで評価空間124における静磁場分布を調整(補正)する。このシミングの精度、すなわち磁気モーメント123の配置の適切さに依存して、達成できる静磁場の均一度が決定する。従って、容器122の各ポケットに配置する磁気モーメントの量の決定は重要である。以下、各ポケットに配置する磁気モーメント量を決定することを、磁気モーメント配置の決定と呼ぶ。
[特異値分解を利用したシミング]
上述の特許文献1に開示の技術による、特異値分解を利用して、磁気モーメント配置を決定する手法を説明する。この手法では、静磁場の不均一な磁場分布(誤差磁場)から、その誤差磁場を打ち消す磁場分布を発生させる磁気モーメント配置を求める。この計算は、磁場から磁気モーメント配置を求める逆問題である。当該手法ではこの逆問題を解くために打ち切り型特異値分解を利用する。
特異値分解は、容器122上の電流ポテンシャルから評価空間124の磁場に対する応答行列Aに対して行われ、その結果、容器122上の電流ポテンシャル分布の基底vjと評価空間124上の磁場分布の基底ujとを得る。2つの基底vjとujとの間には、以下の式(2)の関係がある。
λj・uj=A・vj ・・・(2)
ここでλjは、特異値であり、単位当たりの電流ポテンシャルが作りだす磁場の大きさを表す。また添え字jは特異値λjの大きさ順に振られた番号であり、固有モード番号、または、固有モードの次数、と呼ぶ。ujは、応答関数Aを特異分解して得られる磁場分布の基底である。また、ujおよびvjは、ベクトルである。
すなわち、式(2)は、容器122上の磁場分布と、評価空間124表面上の磁場分布との関係を対応づけたものである。なお、電流ポテンシャルは、磁気モーメント配置に換算できる。
図3に、MRI装置100の静磁場発生系120が発生する磁場について、固有モード番号jごとの、特異値λjの分布(特異値分布)200を示す。上述のように、固有モード番号jは、特異値λjの大きい順に振られた番号であるため、特異値λjは、固有モード番号jが大きくなるにつれて、小さくなる。なお、固有モード番号jごとの特異値λjは、容器122と評価空間124の位置関係から定まるものである。
シミングの対象は、評価領域124で計測した磁場(計測磁場)と、目標とする磁場分布との差である誤差磁場である。誤差磁場は、固有モード番号の成分に分解して表すことができる。誤差磁場Beの持つ各固有モード番号jの成分の強度Cjは、以下の式(3)から算出される。
Cj=Be・uj ・・・(3)
すなわち、誤差磁場Beと磁場分布の基底ujとの内積を取ることで、固有モード番号jの成分の強度(以下、固有モード強度と呼ぶ)Cjが求められる。なお、Beはベクトルである。なお、誤差磁場Beと磁場分布の基底ujとの内積を取り、各固有モード番号jの成分の強度Cjを得ることを、誤差磁場分布Beを、固有モードの成分に分解すると呼ぶ。
図4に、誤差磁場Beの、固有モード番号j毎の、固有モード強度Cjの分布300を示す。以下、本分布を、固有モード分布300と呼ぶ。また、本分布の各点(固有モード番号jの固有モード強度Cj)を、単に固有モードと呼ぶ。
誤差磁場Beを完全に無くすためには、図4に示す全ての固有モード番号jについて、その成分である固有モード強度Cjをゼロにする必要がある。しかしながら、完全に誤差磁場Beを無くすためには多量の磁気モーメント123が必要となる。これは、容器122の大きさが有限であることから現実的ではない。そのため、容器122による磁気モーメント123の配置位置および量の制約を考慮した上で、最も効果的な磁気モーメント配置の解、すなわち、最も静磁場の均一度が良くなる解を算出する必要がある。
一般に、シミングでは、小さい固有モード番号jを優先的に選択して、固有モード強度Cjをゼロに近づける補正を行う。これは、図3から明らかなように、小さい固有モード番号jの成分ほど特異値λjが大きく、単位磁気モーメント当たりの補正できる磁場が大きいためである。
具体的には、図4に示すように、補正対象とする固有モード番号jの最大値の閾値301を設定し、閾値301以下の固有モード番号jの固有モード強度Cjが固有モード強度の閾値302以下となるような磁気モーメント配置を決定する。
上述したように、特許文献1に開示の技術では、閾値301以下の固有モード番号jを補正対象とし、補正対象の固有モード番号jの固有モード強度Cjの全てが閾値302以下となるようにシミングの計算を行う。
補正対象の固有モードを増やすほど、より多くの磁気モーメントが必要となり、誤差磁場がより補正される。そのため、使用可能な磁気モーメント量の範囲内で、最大の補正効果が得られるように補正対象とする固有モードを定める必要がある。しかしながら、上述したように、特許文献1に開示の方法では、使用可能な磁気モーメント量が余ることがある。すなわち、固有モード番号jと、固有モード番号j+1との間で、必要となる磁気モーメント量が急激に変化することがあり、補正対象とする固有モード番号jの選び方によっては、固有モード番号jでは、必要とする磁気モーメント量が使用可能な磁気モーメント量より少なく、次の固有モード番号j+1では、足りないということが起こり得る。
これを実例で説明する。図5及び図6は、特許文献1の手法で閾値301(補正対象とする固有モード番号の最大値)を変化させたときの磁気モーメント量と均一度[ppm]との関係の実例のグラフである。
図5は、閾値301を、10から110まで10刻みで変化させた時の、鉄量の変化のグラフ310および均一度の変化のグラフ320である。図6は、閾値301を、90から100まで1刻みで変化させた時の、鉄量の変化のグラフ311および均一度の変化のグラフ312である。
図5および図6の各グラフでは、磁気モーメント量は、鉄量[cc]に換算して表示する。磁気モーメント量から鉄量への換算には、飽和した純鉄(2.15T)の磁気モーメント123を、1.711[Am2/cc]として計算した。
図5及び図6から分かるように、必要な磁気モーメント量の変化は連続的ではなく階段状である。従って、使用可能な磁気モーメント量を全て使用する閾値301が無い場合もあり得る。
具体例として、使用可能な鉄量が1000[cc]の場合を考える。この時、補正対象とする固有モード番号jの最大値すなわち閾値301を96とした場合、その補正に使われる鉄量は約737[cc]であり、使用可能な鉄量1000[cc]の全量に満たない。閾値301を1だけ増やし97とすると補正に必要な鉄量は約1070[cc]となり、使用可能な鉄量1000[cc]を超える。
このように、低次の固有モード番号の強度から順に補正していく従来の手法では、用意された、使用可能な磁気モーメント量を有効に使い切ることが難しい。すなわち、従来手法では、与えられた磁気モーメント量の制約の下で最善の静磁場均一度を達成できていない。
[制御系]
本実施形態では、シミングにおいて、誤差磁場分布の各固有モードを、固有モード番号を基準に低次領域と高次領域とに分け、低次領域の固有モード(低次モード)は、従来どおり所定の閾値以下となるよう補正し、高次領域の固有モード(高次モード)は、使用可能な磁気モーメントの範囲内で可能な限り補正を行う。
これを実現するため、本実施形態の制御系170は、シミング処理に関連する機能として、図7に示すように、シミングを行うシミング部700を備える。そして、シミング部700は、高次モードの補正量を増加させながら、予め用意された磁気モーメント量Vsetを使い切るまで磁気モーメント配置計算を行う。このため、シミング部700は、評価空間124の磁場分布を実測する磁場計測部710と、低次モードおよび高次モードそれぞれの上限の固有モード番号jを決定する低高次決定部720と、磁気モーメント配置を決定する配置計算部730と、を備える。
[磁場計測部]
本実施形態の磁場計測部710は、静磁場発生系120内の予め定めた評価領域124の磁場分布(計測磁場分布)Bmを計測する。計測は、センサ180により行われ、磁場計測部710は、センサ180から、計測結果を受信する。
[低高次決定部]
本実施形態の低高次決定部720は、静磁場発生系120の固有モードを特定する基底ujを得、それを、主コイル125の数Nに応じて、区分けする。区分けは、従来通り、固有モード強度Cjが所定の閾値以下となるよう補正する低次モードと、使用可能な磁気モーメント量の範囲内で可能な限り補正を行う高次モードの補正範囲と、する。区分け結果として、低次モードおよび高次モードの補正範囲それぞれの、上限の固有モード番号jを出力する。低高次決定処理に必要な各種の情報は、装置情報として、予め記憶装置172に格納される。
具体的には、本実施形態の低高次決定部720は、まず、磁場発生装置(静磁場発生系120)が発生する磁場の各固有モードを、特異値の大きさの順に各前記固有モードに付した固有モード番号の1番目から第一の閾値TLで特定される固有モード番号までの固有モード群である低次モードと、第一の閾値TLで特定される固有モード番号より1つ大きい固有モード番号から第一の閾値TLより大きい第二の閾値THで特定される固有モード番号までの固有モード群である高次モードに区分けする。
すなわち、第一の閾値TLは、低次モードに属する固有モード群の固有モード番号jの上限値である。また、第二の閾値THは、高次モードに属する固有モード群の固有モード番号jの上限値である。
本実施形態の低高次決定部720は、これらの第一の閾値T L および第二の閾値T H は、静磁場発生系120が備える主コイル125の数Nに応じて定められる。
具体的には、各固有モードのうち、当該固有モードの基底ujが、静磁場発生系120が発生する磁場方向に対して軸対称で、かつ、当該磁場方向に直交する面に対して面対称な固有モードに、特異値の大きさの順に識別番号#pを付し、識別番号#pの小さい方からN番目の固有モードの固有モード番号jより1つ小さい固有モード番号(j−1)を、第一の閾値TLとする。そして、各固有モードのうち、識別番号#pの小さい方からN+1番目の固有モードの固有モード番号jより1つ小さい固有モード番号(j−1)を、第二の閾値THとする。
以下、磁場方向の軸に軸対称で、かつ、当該磁場方向に直交する面に対して面対称な固有モードの基底を、対称基底ujと呼ぶ。上述のように、本実施形態では、磁場方向をZ軸方向とする。よって、対称基底ujは、Z軸に対して軸対称で、XY平面に対して面対称な基底ujである。
図4に示す誤差磁場Beにおける、対称基底ujに対応する固有モード番号jの、固有モード強度Cjに識別番号#pを付して示す。
例えば、主コイル125の数Nが6の場合の、各識別番号#pの対称基底ujの形状を図8(a)〜図8(g)に示す。なお、図8(a)〜図8(g)は、超電導磁石121の主コイル125の数が6の場合の例である。各図は、基底が持つ評価空間上における各点のベクトルの集合を図示したものである。図8(a)〜図8(g)中に記載した#1〜#7の識別番号は、図4に示した固有モード分布に記載した番号に対応する。なお、図8(a)〜図8(g)の各対称基底の形状において、横軸は、Z軸方向の距離(位置)(Axial position)であり、縦軸は、XY平面上におけるZ軸を起点とした半径距離(Radial position)である。
本実施形態では、上述のように、静磁場発生系120が発生する磁場方向はZ軸方向である。また、磁場分布を構成する磁場のうち、主コイル125による磁場は、その形状から、Z軸に対して軸対称かつXY平面に対して面対称である。
従って、この、静磁場発生系120が発生する磁場方向に軸対称で、かつ、当該磁場方向に直交する面に対して面対称な固有モードの基底ujは、各主コイル125が生成する磁場に対応する基底ujである。
各対称基底ujは、Z軸対称かつXY平面対称であることから分かるように、主コイル125の形状および位置によってその強度が決まり、容器122内の磁気モーメント123の配置には依存しない。
多くの超電導磁石では、読み出す主コイル数をNとした時、識別番号#pがN未満の対称基底ujの固有モードの強度を抑えるように設計されている。そのため、一般に、識別番号#pがN未満の対称基底ujの固有モードまでは比較的少ない磁気モーメント量でシミング可能である。しかし、N以上の対称基底ujを含む固有モードを補正対象とするシミングを行う場合、多くの磁気モーメント量を必要とする。
そこで、主コイル数Nを基準とし、識別番号#pがNの対称基底ujを固有モードの低次と高次として区別する閾値とする。すなわち、本実施形態では、低高次決定部720は、上述のように、超電導磁石121の主コイル125の数(主コイル数と呼ぶ)に応じて、低次モード、高次モード各々の区分を決定する。
そこで、本実施形態の低高次決定部720は、この対称基底ujを用い、低次モードおよび高次モードを決定する。すなわち、識別番号#pが、主コイル数Nの対称基底ujを、固有モードの低次モードと高次モードとを区別する閾値とする。
具体的には、識別番号として#Nを持つ対称基底ujの添え字(固有モード番号j)から1を減算した値(j−1)をTLとして低次モードの上限値とする。また、識別番号として#(N+1)を持つ対称基底の添え字(固有モード番号j)から1を減算した値(j−1)をTHとして高次モードの上限値として設定する。
本実施形態の低高次決定部720は、低次モードの上限値TLを決定する。すなわち、TLより小さい固有モード番号jを有する固有モードは、低次の固有モードとする。低次モードの上限値は、特定固有モード番号の識別番号#pの中で、小さいほうからN番目の識別番号#pに対応する、固有モード番号jより1つ小さい固有モード番号、すなわち、j−1とする。
一方、低高次決定部720は、高次モードの上限値THも併せて決定する。高次モードの上限値THは、N+1番目の識別番号#pに対応する固有モード番号jより1つ小さい固有モード番号、すなわちj−1とする。
図4に示す固有モード分布300の例で、具体的に説明する。固有モード分布300を測定した超電導磁石の主コイル125の数Nは6である。識別番号#6に対応する固有モード番号jは97である。さらに、識別番号#7に対応する固有モード番号jは121である。この場合、低次モードの上限値であるTLは、97−1で96と決定される。また、高次モードの上限値THは、121−1で120と決定される。
以上の処理により、本実施形態の低高次決定部720は、超電導磁石121の形状をもとにして固有モードを、低次モードと高次モードとの2つの領域に区分けする。
なお、X、Y、Zの各軸の方向は図2中に示した通りである。すなわち、MRI装置の磁石の磁場方向がZ軸であり、その他の軸がX及びY軸である。なお、図2は水平磁場型のMRI装置であるが、垂直磁場型のMRI装置でも同様の定義である。
なお、低次モードおよび高次モードの決定手法はこれに限定されない。例えば、上記第一の閾値および/または第二の閾値を、ユーザが指定するよう構成してもよい。
[配置計算部]
配置計算部730は、計測した磁場分布(計測磁場分布Bm)と、評価領域124の予め定めた目標磁場強度BTargetとの差である誤差磁場分布Beを補正する磁気モーメント配置を計算する。なお、磁気モーメント配置を決定するとは、容器122の各ポケットに配置する磁気モーメント量を決定することである。すなわち、ポケット毎の、磁気モーメント量を決定することである。
磁気モーメント配置を計算する際、本実施形態の配置計算部730は、誤差磁場分布Beを、特異値分解により得られる磁場発生装置(静磁場発生系120)が発生する磁場の各固有モードの成分に分解し、低次モードの成分の補正と高次モードの成分の補正とを組み合わせて前記誤差磁場分布を近似的に補正する前記磁気モーメント配置を算出する。そして、このとき、高次モード成分の補正量を、低次モード成分の補正量より小さくする。
このとき、本実施形態の配置計算部730は、算出された磁気モーメント配置による総磁気モーメント量である計算磁気モーメント量Vsumと予め用意された使用可能な磁気モーメント量である使用可能磁気モーメント量Vsetとを比較し、計算磁気モーメント量Vsumが使用可能磁気モーメント量Vsetを超えるまで、高次モードの成分の補正量を増加させて、磁気モーメント配置の算出を繰り返す。
本実施形態の配置計算部730は、磁気モーメント配置の算出を繰り返す際、高次モードに区分けされた固有モード群の成分を組み合わせる回数を増加させることで、高次モード区分けされた固有モード群の成分の補正量を増加させる。
なお、本実施形態では、配置計算部730は、磁気モーメント配置の算出の際、磁場調整機構である容器122の各ポケットの、磁気モーメント収容量を制約条件として、最適解を探索する。
[シミング処理]
以下、本実施形態のシミング部700の各部によるシミング処理の詳細を、処理の流れとともに、図9の処理フローに従って説明する。
まず、低高次決定部720は、静磁場発生系120の固有モード(基底uj)と、主コイル125の数Nとを用い、固有モードを、低次モードと高次モードとに区分けする低高次決定処理を行う(ステップS1101)。なお、本処理は、磁気モーメント配置計算処理より前であれば、どのタイミングで行ってもよい。
また、磁場計測部710は、評価空間(評価領域)124の磁場分布(計測磁場分布)Bmを計測する(ステップS1102)。
そして、配置計算部730は、計測磁場分布Bmと、低次モードを特定する第一の閾値TLと、高次モードを特定する第二の閾値THとを用い、容器122の各ポケットの磁気モーメント収容量を拘束条件とし、磁気モーメント配置を計算する磁気モーメント配置計算処理を行う(ステップS1103)。磁気モーメント配置計算処理では、高次モードに区分された固有モード群の成分を組み合わせる回数を増加させながら、磁気モーメント配置の最適解を探索し、磁気モーメント配置を計算する。
[低高次決定処理]
低高次決定部720による、低高次決定処理の流れを図10の処理フローに従って説明する。
まず、低高次決定部720は、応答行列Aを特異値分解して得られる磁場分布の基底ujを読み出す(ステップS1201)。そして、読み出した基底ujの中で、対称基底ujを特定する。対称基底ujには、上述のように、対応する固有モードの固有モード番号j順(特異値の大きさ順)に、識別番号#pを付与する(ステップS1202)。
また、低高次決定部720は、主コイル125の数Nを読み出す(ステップS1203)。主コイル数は、予め、装置情報等として保持される。
次に、低高次決定部720は、対称基底ujの中で、識別番号#pがNの基底の添え字jを用い、上記手法で低次モードの上限値TLを算出する(ステップS1204)。また、対称基底ujの中で、識別番号#pがN+1の基底の添え字jを用い、上記手法で、高次モードの上限値THを算出する(ステップS1205)。
[配置計算処理]
本実施形態の配置計算部730による磁気モーメント配置計算処理の流れを、図11の処理フローに従って説明する。
上述のように、本実施形態の磁気モーメント配置計算処理では、第一の処理ループと、第二の処理ループとの2つの処理ループがある。
第一の処理ループは、使用可能な磁気モーメント量を最大限使用するまで、高次モードに区分けされた固有モード成分の組合せる回数を増大させていく繰り返し処理である。すなわち、高次モードの補正量を増加させる繰り返し処理である。本処理ループは、終了条件を満たすか、あるいは、繰り返し回数が上限値となるまで繰り返す。
また、第二の処理ループは、磁気モーメント配置計算処理内において、容器122の各ポケットの収容量という拘束条件によるものである。本処理ループは、収束するまで、あるいは、繰り返し回数が上限値となるまで繰り返す。
以下、両処理ループの繰り返し回数の上限値をRmax(Rmaxは1以上の整数)とし、第一の処理ループの繰り返しカウンタ(磁気モーメント量調整カウンタ)をR、第二の処理ループの繰り返しカウンタ(繰返カウンタ)をiとする。なお、繰り返し回数の上限値Rmaxは、磁気モーメント配置計算が十分に収束する回数を、予め保持しておく。
例えば、500程度とする。
まず、配置計算部730は、磁気モーメント量調整カウンタを初期化(R=0と)する(ステップS1301)。
そして、配置計算部730は、シミングにおいて、補正対象となる誤差磁場Beを、計算する。誤差磁場Beは、以下の式(4)に従って計算する(ステップS1302)。
Be=Bm−BTarget ・・・(4)
ここで、BTargetは、目標とする静磁場の強度である。Be、Bmは、それぞれ、ベクトルである。
次に、配置計算部730は、繰返カウンタiを初期化(i=0と)する(ステップS1303)。
配置計算部730は、誤差磁場分布を、特異値分解により得られる各固有モードの成分に分解する。ここでは、誤差磁場Beの、各固有モードの強度Cjを算出する(ステップS1304)。誤差磁場Beの各固有モード強度Cjは、上記式(3)で示されるとおり、誤差磁場Beと磁場分布の基底ujの内積をとることにより計算できる。
配置計算部730は、繰返カウンタiと磁気モーメント量調整カウンタRとを比較する(ステップS1305)。
比較した結果、繰返カウンタiが、磁気モーメント量調整カウンタRより小さい場合、高次モードの上限値THまでの固有モード番号jの固有モード強度Cjを用いて、磁気モーメント配置Vkを算出する(ステップS1306)。一方、比較した結果、繰返カウンタiが、磁気モーメント量調整カウンタR以上の場合、低次モードの上限値TLまでの固有モード番号jの固有モード強度Cjを用いて、磁気モーメント配置Vkを算出する(ステップS1307)。
ここで、磁気モーメント配置Vkは、上記特許文献1に記載されている手法を用いて計算する。すなわち、容器122の各ポケットkに配置する磁気モーメント量Vkを算出する。kは、各ポケットに付与された番号(ポケット番号)である。
磁気モーメントの配置Vkは、式(3)で求めた固有モード強度Cjに、容器122上の電流ポテンシャル分布の基底vjを掛け合わせ、特異値λjで割ることで得られる。
電流ポテンシャルをシミングで用いる鉄片の量に置き換えるには、電流ポテンシャルを、飽和した鉄片の磁気モーメント123の大きさm(例えば1.711[Am2/cc])で割ればよい。すなわち、以下の式(5)に従って、次式となる。
Figure 0006665153
ここで、繰返カウンタiおよび磁気モーメント量調整カウンタRを考慮して、式(5)で算出されるVkをV(i,R)kと記載する。
配置計算部730は、次に、算出した各ポケットkの磁気モーメント量V(i,R)kに対し、容器122(の各ポケットk)の収容量による制約を与える(ステップS1308)。
容器122の各ポケットkには、格納できる磁気モーメント量の上限値Vmaxと下限値Vminとがある。これを加味し、以下の式(6)に従って、制約を与えた後の、磁気モーメント量V(i,R)k’を算出する。なお、以下、制約を与えた後の磁気モーメント量V(i,R)k’を、制約後磁気モーメント量と呼ぶ。
Figure 0006665153
ここで、V(i−1、R)k’は、i−1回目、すなわち、第二の処理ループにおいて、1回前に算出した、制約後磁気モーメント量である。なお、iが0のとき、V(i−1、R)k’は0とする。
配置計算部730は、求めた制約後磁気モーメント量V(i,R)k’に従って、各ポケットに配置された磁気モーメント123による磁場分布Bvを算出する(ステップS1309)。算出は、応答行列Aを用い、以下の式(7)に従って行う。
Figure 0006665153
ここでは、各ポケットkについて、当該ポケットに配置される磁気モーメント量V(i)k’と応答行列Aとの内積に各鉄片の磁気モーメントの大きさmを乗算したものを計算し、それらの和を計算する。この磁場分布Bvは、上述のような制約を与えているため、第二の処理ループの1回前(iがi−1の時)の値とは異なる。Bvはベクトルである。
そして、配置計算部730は、制約後磁気モーメント量V(i,R)k’による磁場分布Bvの、当初の誤差分布Beに対する割合を算出し、磁気モーメント配置計算が収束しているか否かを判別する(ステップS1310)。判別は、以下の式(8)に従って行う。
Figure 0006665153
EPSは、収束の判断基準に用いる閾値である。例えば、0.001(0.1%)などの値を用いることができる。EPSは、予め定め、記憶装置等に格納しておく。このように、配置計算部730は、磁場分布Bvの誤差分布Beに対する割合が、一定値EPS以下になっているか否かにより、磁気モーメント配置計算の繰返カウンタiによる第二の処理ループの計算が収束しているか否かを判別する。
そして、未収束と判断した場合は、配置計算部730は、まず、誤差磁場Beを、以下の式(9)に従って、更新する(ステップS1311)。
Be=Be+Bv ・・・(9)
そして、iを1インクリメントし、ステップS1304から、繰返カウンタiがRmaxになるまで、第二の処理ループの処理を繰り返す。
一方、ステップS1310で収束していると判断した場合は、配置計算部730は、高次モードを考慮する回数がRの場合の、磁気モーメント配置計算を終了し(ステップS1312)、その時点で算出された使用する磁気モーメント量の総和Vsumを、計算する(ステップS1313)。
使用する磁気モーメント量の総和Vsumは、各ポケットkに配置される磁気モーメント量V(i)k’の和であり、以下の式(10)により算出できる。
Figure 0006665153
そして、配置計算部730は、算出した、使用する磁気モーメント量の総和Vsumと、予め用意された使用可能な鉄量Vsetとの比較を行い(ステップS1314)、VsumがVsetより大きい場合(超過した場合)、第一の処理ループの1回前に算出した、V(i,R−1)k’を解として出力し(ステップS1315)、処理を終了する。
一方、VsumがVset以下の場合は、Rを1インクリメントし、ステップS1302へ戻り、磁気モーメント量調整カウンタRがRmaxになるまで、第一の処理ループの処理を繰り返す。なお、RがRmaxになった場合も、第一の処理ループの1回前に算出した、V(i,R−1)k’を解として出力し、処理を終了する。
<実施例>
本実施形態の効果を示すため、図12及び図13に、図4の固有モード分布300を示す静磁場データに対してシミング処理を行った後の固有モード分布300a、300bを示す。使用可能な磁気モーメント量(鉄量)は900[cc]と指定した。
図12には、従来どおり、低次の固有モードから順に補正した場合の結果の固有モード分布300aを、図13には、本実施形態を適用し、補正した場合の結果の固有モード分布300bを示す。
従来手法においては、補正対象とする固有モード番号jの最大値の閾値301を96と設定した。これは、図6に示したように鉄量が大幅に増加する直前の固有モード番号であり、後述する本実施形態の手法を適用した場合の低次モード上限値TLと同じ値である。
また、固有モード成分の強度の下限値の閾値302は、10-10と設定した。
また、静磁場分布データを取得した超電導磁石の主コイル数は6である。そのため、本実施形態の手法を適用するにあたり、識別番号#pが6(6番目)の対称基底ujを低次モードと高次モードとを分ける閾値とした。6番目の対称基底ujの固有モード番号jは97である。従って、低次モードの上限値TLは96となる。また、7番目の対称基底ujの固有モード番号を121であるため、高次モードの上限値THは、120となる。
従来手法の結果の固有モード分布300aでは、図12に示すように、シミングに使用された鉄量は737[cc]であり、400[mm]の球の表面における到達予想均一度は9.1[ppm]となった。
一方、本実施形態の手法による結果の固有モード分布300bでは、図13に示すように、シミングに使用される鉄量は、指定された900[cc]となり、使用可能な鉄量を全て使い切った。また、400[mm]の球の表面における到達予想均一度は8.2[ppm]となった。このように、図12に示す従来手法より良好な均一度が得られる。
また、固有モード分布300aおよび300bからは、図12、図13中に破線の円303で示したTLとTH間(97〜120)の領域について、固有モードの強度が、図12に示す固有モード分布300aに比べて図13に示す固有モード分布300bでは低下していることが確認できる。
なお、従来法で閾値301を96ではなく97とした場合には必要となる鉄量が1070[cc]となり、使用可能な鉄量900[cc]を超えることは前述した通りである。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置は、磁気モーメントを配置することにより静磁場を調整する磁場調整機構を備える磁場発生装置(静磁場発生系120)内の、予め定めた評価領域の磁場分布を計測し、前記計測した磁場分布と前記評価領域の予め定めた目標磁場分布との差である誤差磁場分布を算出し、前記誤差磁場分布を、特異値分解により得られる前記磁場発生装置が発生する各固有モードの成分に分解し、前記固有モードのうち、低次モードの成分の補正と高次モードの成分の補正とを組み合わせて、前記誤差磁場分布を近似的に補正する前記磁気モーメント配置の算出を行い、前記低次モードは、特異値の大きさの順に各前記固有モードに付した固有モード番号の1番目から第一の閾値で特定される固有モード番号までの固有モード群であり、前記高次モードは、前記第一の閾値で特定される固有モード番号より1つ大きい固有モード番号から前記第一の閾値より大きい第二の閾値で特定される固有モード番号までの固有モード群であり、前記高次モード成分の補正量は、前記低次モード成分の補正量より小さい。
また、前記算出された磁気モーメント配置による総磁気モーメント量である計算磁気モーメント量と予め用意された使用可能な磁気モーメント量である使用可能磁気モーメント量とを比較し、前記計算磁気モーメント量が前記使用可能磁気モーメント量を超えるまで、前記高次モードの成分の補正量を増加させて、前記磁気モーメント配置の算出を繰り返してもよい。
前記磁気モーメント配置の算出を繰り返す際、前記高次モードの成分を組み合わせる回数を増加させることで、前記高次モードの成分の補正量を増加させてもよい。
また、前記磁場発生装置はN個(Nは1以上の整数)の主コイルを備え、前記各固有モードのうち、当該固有モードの基底が、前記磁場発生装置が発生する磁場方向に軸対称で、かつ、当該磁場方向に直交する面に対して面対称となる固有モードに、前記特異値の大きさの順に識別番号を付し、前記識別番号の小さい方からN番目の固有モードの前記固有モード番号より1つ小さい固有モード番号を、前記第一の閾値とし、前記各固有モードのうち、前記識別番号の小さい方からN+1番目の固有モードの前記固有モード番号より1つ小さい固有モード番号を、前記第二の閾値としてもよい。
このように、本実施形態によれば、誤差磁場を補正するシミングにおいて、特異値分解された各固有モードについて、影響の大きい低次モードは確実に補正され、影響が小さい高次モードは、磁気モーメント量が使用可能である限り、補正される。このため、使用される磁気モーメント量が増える分、補正の精度も向上する。
従って、本実施形態によれば、可能な限り高次の固有モード成分まで補正することと、可能な限り与得られた磁気モーメント量を有効に活用することとを両立できる。すなわち、本実施形態によれば、使用可能な磁気モーメント量を有効に使い、高精度なシミングを実現できる。
<<第二の実施形態>>
次に、本発明の第二の実施形態を説明する。第一の実施形態では、磁気モーメント配置を計算する繰返し処理の中で、高次モードに区分された固有モードを計算に含める回数を変化させ、予め用意された磁気モーメント(鉄量)を使い切る。一方、本実施形態では、低次モード以外を全て高次モードとし、高次モードに区分された固有モード強度を調整することにより、補正量を調整し、予め用意された磁気モーメント(鉄量)を、できる限り使用する。
本実施形態のMRI装置は、基本的に第一の実施形態のMRI装置100と同様の構成を有する。ただし、補正量の調整手法が異なるため、制御系170の、シミング部700の処理が異なる。以下、本実施形態について、第一の実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
本実施形態のシミング部700においても、高次の固有モードの補正量を増加させながら、予め用意された磁気モーメント量Vsetを、最大限使うまで磁気モーメント配置計算を行う。このとき、補正量の調整を、固有モード強度を調整することにより行う。このため、本実施形態のシミング部700は、第一の実施形態と同様に、磁場計測部710と、低高次決定部720と、配置計算部730とを備える。
磁場計測部710の処理は、第一の実施形態と同様である。しかし、低高次決定部720および配置計算部730の処理が異なる。
本実施形態の低高次決定部720は、低次領域の上限値TLのみを決定する。上述のように、本実施形態では、低次モード以外を全て高次モードとするためである。言い換えると、本実施形態では、第二の閾値THは、固有モード番号jの最大値である。
また、本実施形態の配置計算部730は、従来の手法で制約を付しながら磁気モーメント配置を決定する毎に、算出された使用磁気モーメント量Vsumが用意された磁気モーメント量VseTより少ない場合、高次モードの固有モード強度Cjの補正量を変更し、最大限Vsumが使用されるまで処理を繰り返す。
補正量は、高次領域の固有モード強度Cjに乗算する係数を変化させることにより、変化させる。乗算する係数を固有モード強度係数と呼ぶ。
すなわち、本実施形態の配置計算部730は、磁気モーメント配置の算出を繰り返す際、固有モードの成分に予め定めた強度係数を乗算し、この強度係数は、繰り返しの回数が増加するに従って、前記高次モードの成分の補正量が増加するよう決定される。
強度係数は、固有モード番号jと、高次モードの補正量を増加させる繰り返し処理の繰り返し回数を示すカウンタ(磁気モーメント量調整カウンタ)Rの関数で表され、例えば、以下の式(11)で表される。
Figure 0006665153
ここで、SCj(R)は、R回目の繰り返しの際に用いる固有モード番号jの関数である固有モード強度係数である。
上記式(11)で決定する強度係数の例を図14に示す。図14において、グラフ410は、Rが0の場合の強度係数SCj(R)のグラフ、グラフ420は、Rが15の場合の強度係数SCj(R)のグラフ、グラフ430は、Rが30の場合の強度係数SCj(R)のグラフの例である。
いずれのグラフも、固有モード番号jが大きくなるに従って、すなわち、高次になるに従って、係数の値は0に近づく。これにより、固有モードが高次になるに従って、補正量が少なくなる。
なお、強度係数を記述する式は、指数関数を用いた上記式(11)に限定されない。高次成分を完全にゼロとしないことを意図したものであれば、他の関数を用いてもよい。
また、固有モード番号jおよび繰り返し回数Rに応じた強度係数SCj(R)は、予め用意され、記憶装置172等に保持される。
[処理の流れ]
本実施形態のシミング処理全体の流れは、第一の実施形態と同様である。
[低高次決定処理]
本実施形態の低高次決定部720による低高次決定処理の流れを、図15を用いて説明する。
まず、低高次決定部720は、応答行列Aを特異値分解して得られる磁場分布の基底ujを読み出す(ステップS2201)。そして、読み出した基底ujの中から、対称基底ujを抽出する(ステップS2202)。対称基底ujには、上述のように、対応する固有モードの固有モード番号j順(特異値の大きさ順)に、識別番号#pを付与する。
また、低高次決定部720は、主コイル125の数Nを読み出す(ステップS2203)。主コイル数は、予め、装置情報等として保持される。
次に、低高次決定部720は、対称基底ujの中で、識別番号#pがNの基底の添え字jを用い、上記手法で低次モードの上限値TLを算出する(ステップS2204)。そして、処理を終了する。
[配置計算処理]
次に、本実施形態の配置計算部730による、磁気モーメント配置決定処理の流れを、図16の処理フローに従って説明する。
本実施形態においても、磁気モーメント配置決定処理は、高次モードの補正量を増大させる第一の処理ループと、容器122の各ポケットの収容量という拘束条件による第二の処理ループとがある。本実施形態においても、第一の実施形態同様、両処理ループの繰り返し回数の上限値をRmax(Rmaxは1以上の整数)とし、第一の処理ループの繰り返しカウンタ(磁気モーメント量調整カウンタ)をR、第二の処理ループの繰り返しカウンタ(繰返カウンタ)をiとする。なお、繰り返し回数の上限値Rmaxは、磁気モーメント配置計算が十分に収束する回数を、予め保持しておく。例えば、500程度とする。
まず、配置計算部730は、磁気モーメント量調整カウンタを初期化(R=0)とする(ステップS2301)。
次に、配置計算部730は、磁気モーメント量調整カウンタRに応じて、予め定めた固有モード強度係数SCj(R)を設定する(ステップS2302)。
そして、配置計算部730は、シミングにおいて、補正対象となる誤差磁場Beを、計算する(ステップS2303)。誤差磁場Beは第一の実施形態同様、上記式(4)に従って計算する。
次に、配置計算部730は、繰返カウンタiを初期化(i=0と)する(ステップS2304)。
配置計算部730は、第一の実施形態と同様の手法で、誤差磁場Beの、各固有モードの強度Cjを算出する(ステップS2305)。このとき、本実施形態の配置計算部730は、固有モード強度係数SCj(R)および閾値TLを用い、以下の式(12)に従って、固有モード強度Cjを調整する。
Cj=(Be・uj)×SCj(R) ・・・(12)
次に、配置計算部730は、固有モード番号jによる閾値を設定することなく、各ポケットの磁気モーメント量V(i,R)kを算出する(ステップS2306)。磁気モーメント配置の計算は、第一の実施形態同様の手法を用いる。
そして、配置計算部730は、算出結果V(i,R)kに、第一の実施形態同様、式(6)に従って容器122による制約を与え、制約後磁気モーメント量V(i,R)k’を算出する(ステップS2307)。
算出した、制約後磁気モーメント量V(i,R)k’を用い、配置計算部730は、第一の実施形態同様、上記式(7)に従って、各ポケットに配置された磁気モーメント123による磁場分布Bvを算出し(ステップS2308)、上記式(8)に従って、収束しているか否かを判別する(ステップS2309)。
そして、未収束と判断した場合は、配置計算部730は、第一の実施形態同様、誤差磁場Beを、式(9)に従って、更新し(ステップS2310)、iを1インクリメントし、ステップS2304から、繰返カウンタiがRmaxになるまで、第二の処理ループの処理を繰り返す。
一方、収束していると判断した場合は、配置計算部730は、第一の実施形態同様、磁気モーメント配置計算を終了し(ステップS2311)、その時点で算出された使用する磁気モーメント量の総和Vsumを、上記式(10)により計算し、当該総和Vsumと予め用意された使用可能な鉄量Vsetとの比較を行う(ステップS2312)。
そして、VsumがVsetより大きい場合(超過した場合)、1回前に算出した、V(i,R−1)k’を解として出力し(ステップS2314)、処理を終了する。一方、VsumがVset以下の場合は、Rを1インクリメントし、ステップS2302へ戻り、磁気モーメント量調整カウンタRがRmaxになるまで、第一の処理ループの処理を繰り返す。なお、本実施形態においても、RがRmaxになった場合も、第一の処理ループの1回前に算出したV(i,R−1)k’を解として出力し、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置は、磁気モーメントを配置することにより静磁場を調整する磁場調整機構を備える磁場発生装置(静磁場発生系120)内の、予め定めた評価領域の磁場分布を計測し、前記計測した磁場分布と前記評価領域の予め定めた目標磁場分布との差である誤差磁場分布を算出し、前記誤差磁場分布を、特異値分解により得られる前記磁場発生装置が発生する磁場の各固有モードの成分に分解し、前記固有モードのうち、低次モードの成分の補正と高次モードの成分の補正とを組み合わせて、前記誤差磁場分布を近似的に補正する前記磁気モーメント配置の算出を行い、前記低次モードは、特異値の大きさの順に各前記固有モードに付した固有モード番号の1番目から第一の閾値で特定される固有モード番号までの固有モード群であり、前記高次モードは、前記第一の閾値で特定される固有モード番号より1つ大きい固有モード番号から前記第一の閾値より大きい第二の閾値で特定される固有モード番号までの固有モード群であり、前記高次モード成分の補正量は、前記低次モード成分の補正量より小さい。
また、前記算出された磁気モーメント配置による総磁気モーメント量である計算磁気モーメント量と予め用意された使用可能な磁気モーメント量である使用可能磁気モーメント量とを比較し、前記計算磁気モーメント量が前記使用可能磁気モーメント量を超えるまで、前記高次モードの成分の補正量を増加させて、前記磁気モーメント配置の算出を繰り返してもよい。
前記磁気モーメント配置の算出を繰り返す際、前記固有モードの成分に予め定めた強度係数を乗算し、前記強度係数は、前記繰り返しの回数が増加するに従って、前記高次モードの成分の補正量が増加するよう決定されてもよい。
このように、本実施形態によれば、第一の実施形態同様、影響の大きい低次モードは確実に補正され、影響が小さい高次モードは、磁気モーメント量が使用可能である限り、補正されるため、使用可能な磁気モーメント量を有効に使い、高精度なシミングを実現できる。
また、本実施形態によれば、高次の各固有モードの強度の低下率とその分布とを指定できる。すなわち、シミングを行う作業者が意図した関数の形状で、高次の固有モード成分を抑制することができる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されない。高次と低次の区別のために主コイル数に対応させた対称基底の固有モード番号を用いたが、任意もしくは補正に必要な鉄量を基準として固有モード番号を指定してもよい。
また、第二の処理ループにおいては、上記式(8)を用い、磁場分布Bvの総和値の誤差磁場Beの総和値に対する割合を基準として判断を行っているが、これに限定されない。例えば、磁場分布Bvと誤差磁場Beとの和(更新された誤差磁場Beの総和値)の、誤差磁場Beの総和値に対する割合を基準にしてもよい。
また、使用可能な磁気モーメント量を指定しその制約内で可能な磁気モーメント配置を求める手法を示したが、磁気モーメント量を指定せずに任意の繰り返し回数のみ高次モードを計算に入れる、もしくは任意の強度係数で磁気モーメント配置を求めてもよい。
また、第一の実施形態の手法と第二の実施形態の手法とを組み合わせてもよい。
なお、上記各実施形態において、制御系170の各機能は、CPU171が記憶装置172に格納されたプログラムを、メモリにロードして実行することにより実現される。また、全部または一部の機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(field-programmable gate array)などのハードウェアによって実現してもよい。また、各機能の処理に用いる各種のデータ、処理中に生成される各種のデータは、記憶装置172に格納される。
さらに、上記各実施形態においては、シミング部700はMRI装置100の制御系170が実現するものとして記載したが、これに限定されない。シミング部700は、MRI装置100とデータの送受信が可能な、MRI装置100から独立した情報処理装置上で、例えば、磁場調整装置等として実現されてもよい。また、磁場調整対象の装置は、MRI装置でなくてもよい。
100 MRI装置、101 被検体、120 静磁場発生系、121 超電導磁石、122 容器、123 磁気モーメント、124 評価空間(評価領域)、125 主コイル、130 傾斜磁場発生系、131 傾斜磁場コイル、132 傾斜磁場電源、140 シーケンサ、150 送信系、151 送信コイル、152 送信処理部、160 受信系、161 受信コイル、162 受信処理部、170 制御系、171 CPU、172 記憶装置、173 表示装置、174 入力装置、180 センサ、300 固有モード分布、300a 固有モード分布、300b 固有モード分布、301 閾値、302 閾値、303 領域、310 鉄量の変化のグラフ、311 均一度の変化のグラフ、312 鉄量の変化のグラフ、320 均一度の変化のグラフ、410 強度係数、420 強度係数、430 強度係数、700 シミング部、710 磁場計測部、720 低高次決定部、730 配置計算部

Claims (2)

  1. 磁気モーメントを配置することにより静磁場を調整する磁場調整機構を備える磁場発生装置内の、予め定めた評価領域の磁場分布を計測し、
    前記計測した磁場分布と前記評価領域の予め定めた目標磁場強度との差である誤差磁場分布を算出し、
    前記誤差磁場分布を、特異値分解により得られる前記磁場発生装置が発生する磁場の各固有モードの成分に分解し、
    前記固有モードのうち、低次モードの成分の補正と高次モードの成分の補正とを組み合わせて、前記誤差磁場分布を近似的に補正する前記磁気モーメントの配置の算出を行い、
    前記低次モードは、特異値の大きさの順に各固有モードに付した固有モード番号の1番目から第一の閾値で特定される固有モード番号までの固有モード群であり、
    前記高次モードは、前記第一の閾値より大きい固有モード番号の固有モード群であり、
    前記高次モードの成分の補正量は、前記低次モードの成分の補正量より小さく、
    前記磁場発生装置はN個(Nは1以上の整数)の主コイルを備え、
    前記第一の閾値は、前記磁場発生装置が備える主コイルの数Nに応じて定められ、
    前記各固有モードのうち、当該固有モードの基底が、前記磁場発生装置が発生する磁場方向に対して軸対称で、かつ、当該磁場方向に直交する面に対して面対称となる固有モードに、前記特異値の大きさの順に識別番号を付し、前記識別番号の小さい方からN番目の固有モードの前記固有モード番号より1つ小さい固有モード番号を、前記第一の閾値とすること
    を特徴とする磁場調整用磁気モーメント配置算出方法。
  2. 磁気モーメントを配置することにより静磁場を調整する磁場調整機構を備える磁場発生装置内の、予め定めた評価領域の磁場分布を計測し、
    前記計測した磁場分布と前記評価領域の予め定めた目標磁場強度との差である誤差磁場分布を算出し、
    前記誤差磁場分布を、特異値分解により得られる前記磁場発生装置が発生する磁場の各固有モードの成分に分解し、
    前記固有モードのうち、低次モードの成分の補正と高次モードの成分の補正とを組み合わせて、前記誤差磁場分布を近似的に補正する前記磁気モーメントの配置の算出を行い、
    前記低次モードは、特異値の大きさの順に各固有モードに付した固有モード番号の1番目から第一の閾値で特定される固有モード番号までの固有モード群であり、
    前記高次モードは、前記第一の閾値より大きい固有モード番号の固有モード群であり、
    前記高次モードの成分の補正量は、前記低次モードの成分の補正量より小さく、
    前記算出された磁気モーメントの配置による総磁気モーメント量である計算磁気モーメント量と予め用意された使用可能な磁気モーメント量である使用可能磁気モーメント量とを比較し、前記計算磁気モーメント量が前記使用可能磁気モーメント量を超えるまで、前記高次モードの成分の補正量を増加させて、前記磁気モーメントの配置の算出を繰り返し、
    前記高次モードは、前記第一の閾値で特定される固有モード番号より1つ大きい固有モード番号から前記第一の閾値より大きい第二の閾値で特定される固有モード番号までの固有モード群であり、
    前記第二の閾値は、前記固有モード番号の最大値であり、
    前記磁気モーメントの配置の算出を繰り返す際、前記固有モードの成分に予め定めた強度係数を乗算し、
    前記強度係数は、前記繰り返しの回数が増加するに従って、前記高次モードの成分の補正量が増加するよう決定され、
    前記磁場発生装置はN個(Nは1以上の整数)の主コイルを備え、
    前記各固有モードのうち、当該固有モードの基底が、前記磁場発生装置が発生する磁場方向に軸対称で、かつ、当該磁場方向に直交する面に対して面対称となる固有モードに、前記特異値の大きさの順に識別番号を付し、前記識別番号の小さい方からN番目の固有モードの前記固有モード番号より1つ小さい固有モード番号を、前記第一の閾値とし、
    前記各固有モードのうち、前記識別番号の小さい方からN+1番目の固有モードの前記固有モード番号より1つ小さい固有モード番号を、前記第二の閾値とすること
    を特徴とする磁場調整用磁気モーメント配置算出方法。
JP2017500573A 2015-02-20 2016-01-27 磁場調整用磁気モーメント配置算出方法 Active JP6665153B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015032325 2015-02-20
JP2015032325 2015-02-20
PCT/JP2016/052258 WO2016132831A1 (ja) 2015-02-20 2016-01-27 磁場調整用磁気モーメント配置算出方法、磁場調整装置およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016132831A1 JPWO2016132831A1 (ja) 2017-11-30
JP6665153B2 true JP6665153B2 (ja) 2020-03-13

Family

ID=56689094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017500573A Active JP6665153B2 (ja) 2015-02-20 2016-01-27 磁場調整用磁気モーメント配置算出方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10379183B2 (ja)
JP (1) JP6665153B2 (ja)
CN (1) CN107205688B (ja)
WO (1) WO2016132831A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016133205A1 (ja) * 2015-02-20 2016-08-25 株式会社日立製作所 磁場調整方法
CN108802644B (zh) * 2018-05-24 2020-09-15 上海东软医疗科技有限公司 梯度线圈的匀场方法和装置
CN114424930B (zh) * 2022-01-07 2024-02-27 煤炭科学研究总院有限公司 基于奇异值分解的超宽带uwb生命信号数据处理方法和装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8947089B2 (en) 2008-05-09 2015-02-03 Hitachi, Ltd. Magnetic field shimming adjustment: reducing magnetic distribution errors by obtaining current potential distributions of MRI apparatus
JP5427565B2 (ja) * 2009-11-24 2014-02-26 株式会社日立製作所 Mri装置用磁場調整
US9588200B2 (en) 2011-03-25 2017-03-07 Hitachi, Ltd. Method for adjusting static magnetic field homogeneity, static magnetic field generation device for magnetic resonance imaging, magnetic field adjustment system, and program
WO2015005109A1 (ja) 2013-07-09 2015-01-15 株式会社 日立メディコ 磁場調整支援装置、磁場調整支援方法、mri装置および磁石装置

Also Published As

Publication number Publication date
US10379183B2 (en) 2019-08-13
WO2016132831A1 (ja) 2016-08-25
CN107205688B (zh) 2020-04-28
JPWO2016132831A1 (ja) 2017-11-30
CN107205688A (zh) 2017-09-26
US20180003784A1 (en) 2018-01-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10658109B2 (en) System and method for electromagnet coil construction and operation
JP5184049B2 (ja) 磁気共鳴検査装置及び高周波パルス波形算出方法
JP5525596B2 (ja) 加速b1マッピング
JP2013505046A (ja) Mriにおけるrfパワー及びrfフィールド均一性の同時最適化
JP6162142B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置、及び、sarの予測方法
WO2010041706A1 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP6665153B2 (ja) 磁場調整用磁気モーメント配置算出方法
US20110254545A1 (en) Method and device for determining a magnetic resonance system control sequence
JP2024056688A (ja) 3次元勾配インパルス応答関数の高次項の決定
JP6618988B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置およびrfシミングパラメータの設定方法
US10126383B2 (en) RF pulse alignment
JP5808659B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置及びT1ρイメージング法
US9146292B2 (en) Method and device for determining a magnetic resonance system control sequence
WO2015076082A1 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP2011229632A (ja) 磁気共鳴イメージング装置及びシミング方法
US10139462B2 (en) Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance spectroscopic method using the same
US10408902B2 (en) Method for improving shim pre-settings of a magnetic resonance device
JP5670037B2 (ja) 静磁場測定器
US9594137B2 (en) Controlling magnetic resonance systems
JP6227270B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング方法
US20230306599A1 (en) Trained function for providing magnetic field data, and the application of the trained function
US20240151795A1 (en) Method for calculating an operating parameter of a magnetic resonance sequence, magnetic resonance apparatus and computer program product
JP2017213042A (ja) 磁気共鳴イメージング装置及び多チャンネルrfパルス生成方法
US20180313916A1 (en) Magnetic resonance imaging apparatus and pulse design method
JP6151583B2 (ja) 静磁場発生磁石及び磁気共鳴撮影装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170622

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170831

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20171030

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20171107

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191015

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6665153

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250