以下に、本願に係る提供装置、提供方法および提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法および提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[実施形態]
〔1.情報提供装置が提供する処理について〕
まず、図1を用いて、提供装置の一例となる情報提供装置が実行する提供処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報提供装置が実行する提供処理の一例を示す図である。
なお、以下の説明では、情報提供装置10が実行する提供処理として、所定の対象に関する広告やニュース等の配信情報により、所定の対象に対する利用者の印象がどのように変化したのかを評価するための情報を提供する処理の一例について説明する。ここで、所定の対象とは、任意の商品、役務、会社、店舗、ブランド、施設等、広告やニュース等の配信情報により、情報が任意の利用者に対して伝達される対象であれば、任意の対象が採用可能である。また、所定の対象は、例えば、俳優等の人物、動物、映画や音楽等の各種コンテンツであってもよい。なお、以下の説明では、配信情報と関連する所定の対象を「判定対象」と記載する。また、以下の説明では、各種判定対象を利用者に想起させるテキスト、画像、音声等各種のコンテンツ等、判定対象と関連するコンテンツを判定対象を示すコンテキストと記載する。
また、配信情報は、判定対象に関する情報を任意の利用者に対して伝達するものであれば、広告やニュース以外にも、任意の情報が採用可能である。また、広告とは、営利若しくは非営利の広告だけではなく、ボランティアの募集、公共広告、公共に対する通知、その他任意のコンテンツを含む概念である。また、配信情報は、いわゆる広告関連の情報を含むコンテンツのみならず、利用者に興味を抱かせ、任意の対象に関する情報、または、任意の対象と関連するコンテンツ(例えば、ランディングページ等)に含まれる情報を広く報知するものであれば、画像、動画像、テキスト、図形、記号、ハイパーリンク、その他任意のコンテンツがテキストと共に含まれていてよい。なお、以下の説明では、配信情報として、所定のブランドに関する広告が配信情報として配信された際に実行する提供処理の一例について説明する。
〔1−1.情報提供装置の一例〕
情報提供装置10は、インターネット等の所定のネットワークN(例えば、図2を参照。)を介して、情報管理サーバ100、配信サーバ200、需要者サーバ300、および利用者端末400と通信可能な情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。なお、情報提供装置10は、ネットワークNを介して、任意の数の情報管理サーバ100、配信サーバ200、需要者サーバ300、および利用者端末400と通信可能であってよい。
情報管理サーバ100は、任意のウェブサービスを利用者に対して提供する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステムにより実現される。例えば、情報管理サーバ100は、利用者が投稿した情報を他の利用者に対して提供する各種のSNS(Social Networking Service)を提供するサーバ装置である。なお、情報管理サーバ100は、ブログ、マイクロブログ、ウェブページ、メッセージ、静止画像、動画像、音声等といった各種コンテンツの投稿を受付けると、受付けたコンテンツを公開することで、コンテンツに関する各種の情報を世間一般に拡散するサーバ装置であってもよい。
また、情報管理サーバ100は、各種の辞書に関する情報や、ニュース等を利用者に対して提供するサーバ装置であってもよい。また、情報管理サーバ100は、ポータルサイト、インターネットオークション、電子商店街、ウェブ検索、経路検索、地図検索、ゲーム、不動産情報の提供、金融情報の提供、宿泊施設の予約サービス等、任意のウェブサービスを提供するサーバ装置であってもよい。また、情報管理サーバ100は、任意の対象に対する利用者の評価等を受付け、評価結果を提供するサービスを提供するサーバ装置であってもよい。また、情報管理サーバ100は、利用者の位置情報や購買履歴等、実社会またはネットワーク上における行動履歴を示すログを収集するサーバ装置であってもよい。このような情報管理サーバ100は、任意の利用者が投稿した各種のコンテンツ、任意の利用者の行動履歴、任意の利用者の検索履歴、若しくは電子商取引の対象に関する情報等を管理することとなる。
配信サーバ200は、利用者端末400に対し、広告やニュース等の各種配信情報を配信するサーバ装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、配信サーバ200は、広告に関する情報を配信する場合、利用者端末400を利用する利用者のデモグラフィック属性やサイコグラフィック属性等に基づいて、配信対象となる広告のリスティングを行い、リスティング結果に応じた広告を利用者端末400へと配信する。なお、配信サーバ200は、利用者端末400に対して配信情報を配信するのであれば、広告のみならず、任意の情報を配信してもよい。また、配信サーバ200は、情報管理サーバ100と一体として実現されてもよい。
需要者サーバ300は、配信情報の影響を示す情報を所望する需要者が使用する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、需要者サーバ300は、配信情報として所定の対象に関する広告が配信される場合、広告主等といった広告が利用者に及ぼした影響を所望する需要者により利用される。
利用者端末400は、任意の利用者が使用する端末装置であり、例えば、PC(Personal Computer)、スマートデバイス、移動端末装置、サーバ装置、クラウドシステム等といった情報処理装置により実現される。例えば、利用者端末400は、利用者が入力した投稿を情報管理サーバ100へと送信する機能、情報管理サーバ100が管理する情報を表示する機能、配信情報を表示することで、配信情報の内容を利用者に対して伝達する機能等を有する。
〔1−2.提供処理の一例〕
ここで、広告やニュース等といった各種の配信情報が利用者に及ぼした影響を評価する手法が提案されている。例えば、配信情報が閲覧された回数や、配信情報が利用者によって選択された回数等に基づき、配信情報と関連する対象に関する情報を利用者にどれくらい伝えたかを評価する手法が知られている。しかしながら、このような従来技術では、配信情報が判定対象に関する情報を利用者にどれくらい伝えたかを評価しているに過ぎず、配信情報によって判定対象に対する利用者の印象がどのように変化したのかを評価しているとは言えない場合がある。
例えば、企業が有するブランドイメージ(すなわち、判定対象に対する利用者の印象)を誘導するような広告の配信が所望される場合がある。このような広告が配信された場合、従来技術では、広告がどれくらい閲覧されたか等を示しているに過ぎず、実際に広告がブランドイメージを変化させたか否か、すなわち、企業に対する利用者の印象を広告が実際に変化させたか否かを適切に示しているとは言えない。
そこで、情報提供装置10は、以下の提供処理を実行する。まず、情報提供装置10は、複数のコンテキストが有する相対的な関連性に基づいて、各コンテキストの分散表現を生成する。そして、情報提供装置10は、所定のコンテキストに関する配信情報が配信される前に生成された所定のコンテキストの分散表現と、その配信情報が配信された後で生成された所定のコンテキストの分散表現との変化を示す情報を提供する。
例えば、情報提供装置10は、情報管理サーバ100が管理する各種の情報を取得し、企業名、商品名、役務名、ブランド名、施設名、人名等、配信情報と関連する各種判定対象を示すテキストや画像等の各種コンテンツを、判定対象を示すコンテキスト(以下、「判定対象コンテキスト」と記載する。)とする。そして、情報提供装置10は、w2v(word2vec)等、各コンテキストが有する相対的な関連性に基づいて各コンテキストを多次元量に変換する技術を用いて、各コンテキストの分散表現を生成する。なお、情報提供装置10は、各コンテキストが有する相対的な関連性に基づいて各コンテキストを多次元量に変換する技術であれば、w2v以外にも任意の技術を採用してよい。
また、例えば、情報提供装置10は、判定対象コンテキストと、その判定対象を広告する配信情報が配信された日時とを需要者サーバ300から受付ける。このような場合、情報提供装置10は、判定対象コンテキストと対応する分散表現であって、配信情報が配信される前の情報から生成した分散表現と、判定対象コンテキストと対応する分散表現であって、配信情報が配信された後の情報から生成した分散表現とを特定する。
ここで、配信情報によって判定対象に対する利用者の印象が変化した場合は、その判定対象コンテキストに対応する分散表現は、配信情報が配信される前後で異なる分散表現になると考えられる。より具体的には、任意のコンテキストの分散表現を基準として選択した場合、判定対象コンテキストの分散表現は、基準となるコンテキストの分散表現に対し、配信情報が配信される前と後とで変化していると考えられる。
例えば、ブランドAとブランドBが存在し、ブランドBのイメージをブランドAへと近づけるような配信情報が配信されたものとする。このような場合、配信情報がブランドBのイメージをブランドAへと近づけたのであれば、ブランドBの分散表現は、配信情報を配信することでブランドAの分散表現に類似するよう変化すると考えられる。また、配信情報がブランドBのイメージをブランドAへと近づけていない、若しくは遠ざけたのであれば、ブランドBの分散表現は、配信情報を配信することでブランドAの分散表現から類似しないように変化すると考えられる。
そこで、情報提供装置10は、基準となるコンテキスト(以下、「基準コンテキスト」と記載する。)の分散表現と判定対象コンテキストの分散表現との関連性の変化を示す情報を、配信情報が判定対象に対する利用者の印象を変化させたか否かを示す指標として出力する。この結果、情報提供装置10は、配信情報が利用者の印象を変化させたか否かを示す情報を提供することができる。
〔1−3.分散表現の生成について〕
ここで、各コンテキストの分散表現を生成する処理について説明する。例えば、情報提供装置10は、情報管理サーバ100等、ネットワーク上の任意のサーバ装置から、利用者が投稿したコンテンツ、検索クエリの履歴、ニュース、辞書、利用者の行動情報等、その他任意の情報を収集する。なお、以下の説明では、情報提供装置10が分散表現を生成するために収集する各種の情報を「ログ」と記載する場合がある。続いて、情報提供装置10は、形態素解析等の処理を実行することで、ログから任意のコンテキストを抽出する。なお、係るコンテキストは、判定対象を示すコンテキストに限定されるものではない。
続いて、情報提供装置10は、各コンテキストと共に現れる他の単語の出現頻度等に基づいて、類似するコンテキストの分散表現が類似し、類似しないコンテキストの分散表現が類似しなくなるように、コンテキストから分散表現を生成する学習器の学習を行う。すなわち、情報提供装置10は、複数のコンテキストが有する相対的な関連性に基づき各コンテキストのベクトル化(すなわち、分散表現化)を行う学習器の生成を行う。そして、情報提供装置10は、生成した学習器を用いて、各コンテキストの分散表現を生成する。なお、以下の説明では、各コンテキストの分散表現の集合を、分散表現空間と記載する場合がある。
ここで、任意の利用者が投稿した情報には、「Aは可愛い」や、「Bは高級」等というように、判定対象に対する利用者の印象を示す単語が含まれる場合がある。このような情報から各コンテキストの分散表現空間を生成した場合、判定対象に対する利用者の印象が各判定対象コンテキストの分散表現に反映されると考えられる。より具体的には、利用者が高級な印象を有している複数の判定対象については、対応するコンテキストから相互に類似する分散表現が生成されると考えられる。
そこで、情報提供装置10は、各コンテキストが有する相対的な関連性に基づいて各コンテキストを多次元量に変換する技術を用いて、利用者が投稿した情報等から各コンテキストの分散表現を生成する。この結果、情報提供装置10は、各コンテキストと対応する判定対象に対して任意の利用者が有する印象の相対的な関連性に基づいて、各コンテキストの分散表現を生成することができる。
なお、情報提供装置10は、任意の利用者が投稿したコンテンツ、任意の利用者の行動履歴、任意の利用者の検索履歴、若しくは電子商取引の対象に関する情報等、各判定対象に対する利用者の印象を示す情報が含まれうる情報であれば、任意の情報に基づいて、各コンテキストの分散表現空間を生成してよい。
また、情報提供装置10は、同一の投稿や同一の文章に含まれる形容詞等に基づいて判定対象に対する利用者の印象を反映させる必要はない。すなわち、情報提供装置10は、利用者Uが投稿した情報のみならず、例えば、利用者Uが投稿を行った際の生体情報や行動内容に基づいて、投稿に関する判定対象に対する利用者Uの印象を推定し、推定した印象を反映させた分散表現を生成してもよい。また、利用者Uが判定対象と関連する店舗や場所を頻繁に訪れているか否か等に基づいて、判定対象に対する利用者Uの印象を推定し、推定した印象を反映させた分散表現を生成してもよい。すなわち、情報提供装置10は、判定対象に対する利用者Uの相対的な印象を分散表現に反映させることができるのであれば、任意の情報から任意の手法で分散表現の生成を行ってよい。
〔1−4.提供処理の一例について〕
続いて、情報提供装置10が実行する提供処理の一例について説明する。なお、以下の例では、ブランド「A」に関する配信情報を配信した際に、かかる配信情報が印象を変化させたか否かを評価する情報を提供する処理の一例について説明する。また、以下の説明では、「利用者U」とは、特定の利用者を示すものではなく、不特定多数の利用者を示すものである。
例えば、利用者Uは、ブランド「A」に関する各種の情報を情報管理サーバ100に投稿する(ステップS1)。例えば、利用者Uは、「Aは可愛い」等といったAに関する印象を含む情報を投稿する。このような場合、情報提供装置10は、各種投稿を取得する(ステップS2)。そして、情報提供装置10は、取得した各種投稿から、広告やニュース等の配信情報が配信される前における各ブランドに対して利用者が有する印象の相対的な関連性に基づく分散表現を生成する(ステップS3)。
例えば、情報提供装置10は、「Aは可愛い」、「Bは高級」、「Aは普及品」、「Cはレア」等といった利用者Uが投稿した各種の情報から、形態素解析等の解析技術を用いて、各種ブランドを示すコンテキストである「A」、「B」、「C」を抽出する。そして、情報提供装置10は、w2vを用いて、利用者が有する印象の相対的な関連性を反映するように「A」、「B」、「C」をそれぞれ分散表現に変換する。例えば、情報提供装置10は、類似する印象を有するブランドの分散表現が類似するように、ブランドのコンテキストを分散表現に変換する学習器を用いて、各種ブランド「A」、「B」、「C」の分散表現を生成する。そして、情報提供装置10は、各ブランドのコンテキストの分散表現(以下、「各ブランドの分散表現」と記載する。)を含む分散表現空間VS1を生成する。なお、図1に示す例では、ブランド「A」〜「E」の分散表現を含む分散表現空間の一例を記載した。
次に、配信サーバ200は、ブランド「A」の広告やニュース等といった配信情報を利用者Uの利用者端末400に配信する(ステップS4)。また、情報管理サーバ100は、配信情報配信後に利用者Uが投稿した各種投稿を改めて受付ける(ステップS5)。また、情報提供装置10は、利用者Uの各種投稿を改めて取得する(ステップS6)。そして、情報提供装置10は、配信情報が配信された後における各ブランド(すなわち、各ブランドを示すコンテキスト)について、利用者が有する印象の相対的な関連性に基づく分散表現を生成する(ステップS7)。例えば、情報提供装置10は、「Aもいいね」、「Bは高級」、「Aの質感がいい」、「Aが高級路線?」等といった利用者Uが投稿した各種の情報から、各ブランドの分散表現を生成し、生成した分散表現を含む分散表現空間VS2を生成する。
ここで、利用者Uに対しては、様々なブランドに関する配信情報が配信されていると考えられるため、各ブランドに対する利用者の印象は、時間の経過とともに変化するとも考えられる。この結果、各ブランドの分散表現は、分散表現の生成を行う度に変化すると考えられるため、単一のブランドの分散表現のみを用いて配信情報の評価を行うのは、困難であるとも考えられる。しかしながら、例えば、配信情報がブランド「A」の印象をブランド「B」の印象に近づけることができる情報であるならば、少なくとも、図1中(A)に示すように、配信情報の配信後におけるブランド「A」の分散表現は、配信情報の配信前におけるブランド「A」の分散表現よりも、ブランド「B」の分散表現に近づく。
そこで、情報提供装置10は、所定の基準コンテキストに対し、判定対象コンテキストの分類情報がどのように変化したのかを示すコンテンツを、配信情報を評価する情報として生成する(ステップS8)。例えば、情報提供装置10は、配信情報が配信される前に生成された基準コンテキストの分散表現と判定対象コンテキストの分散表現との差と、配信情報が配信された後で生成された基準コンテキストの分散表現と判定対象コンテキストの分散表現との差との変化を示す情報を生成する。より具体的には、情報提供装置10は、複数の基準コンテキストの分散表現と、所定のコンテキストの分散表現との関連性の変化を示す情報を生成する。
例えば、情報提供装置10は、判定対象コンテキストとして、配信情報と関連するブランド「A」のコンテキストを選択する。また、情報提供装置10は、基準コンテキストとして、ブランド「B」、「C」、「E」のコンテキストを選択する。なお、判定対象コンテキストや基準コンテキストの選択は、需要者サーバ300を利用する需要者からの指定を受付けてもよい。
そして、情報提供装置10は、配信情報が配信される前の基準コンテキストの分散表現を所定の位置に投影する第1の正規化関数と、配信情報が配信された後の基準コンテキストの分散表現を所定の位置に投影する第2の正規化関数とを生成する。そして、情報提供装置10は、配信情報が配信される前における判定対象コンテキストの分散表現が第1の関数により投影された位置と、配信情報が配信された後における判定対象コンテキストの分散表現が第2の関数により投影された位置とを示す情報を提供する。すなわち、情報提供装置10は、正規化関数により基準コンテキストの分散表現の変化を正規化することで、判定対象コンテキストの分散表現の変化を特定する。
例えば、情報提供装置10は、配信情報が配信される前の投稿情報等から生成した分散表現空間VS1において、基準コンテキストの分散表現、すなわち、ブランド「B」、「C」、「E」のコンテキストの分散表現をそれぞれ特定する。そして、情報提供装置10は、分散表現空間VS1における基準コンテキストの分散表現を、それぞれ所定の位置に投影するための正規化関数F1(x)を算出する。例えば、情報提供装置10は、分散表現空間VS1におけるブランド「B」、「C」、「E」の分散表現を、所定の2次元平面(以下、「出力平面」と記載する。)における正三角形の各頂点へと投影する正規化関数F1(x)を算出する。そして、情報提供装置10は、正規化関数F1(x)を用いて、分散表現空間VS1におけるブランド「A」の分散表現を、出力平面上に投影する。この結果、情報提供装置10は、配信情報の配信前においてブランド「B」、「C」、「E」に対して相対的に利用者が有するブランド「A」の印象を示すグラフを生成することができる。
続いて、情報提供装置10は、配信情報が配信された後の投稿情報等から生成した分散表現空間VS2において、基準コンテキストの分散表現、すなわち、ブランド「B」、「C」、「E」のコンテキストの分散表現をそれぞれ特定する。そして、情報提供装置10は、分散表現空間VS2におけるブランド「B」、「C」、「E」の分散表現を、出力平面における正三角形の各頂点へと投影する正規化関数F2(x)を算出する。そして、情報提供装置10は、正規化関数F2(x)を用いて、分散表現空間VS2におけるブランド「A」の分散表現を、出力平面上に投影する。この結果、情報提供装置10は、配信情報の配信後において、ブランド「B」、「C」、「E」に対して相対的に利用者が有するブランド「A」の印象を示すグラフを生成することができる。
そして、情報提供装置10は、複数の基準コンテキストの分散表現をそれぞれ所定の位置に投影した際に、判定対象コンテキストが投影される位置の変化を示す情報を生成する。例えば、情報提供装置10は、各頂点と対応するブランドが一致するように、分散表現空間VS1と分散表現空間VS2とから生成したグラフを重ね合わせたグラフC10を生成する。すなわち、情報提供装置10は、複数のコンテキストが有する相対的な関係性を分散表現空間ごとに、正規化することで、基準コンテキストと判定対象コンテキストとの相対的な関係性の変化を特定する。
そして、情報提供装置10は、配信情報の配信前におけるブランド「A」の分散表現が投影された位置から、配信情報の配信後におけるブランド「A」の分散表現が投影された位置までを示す矢印をグラフC10上に設定する。この結果、情報提供装置10は、図1中(B)に示すように、ブランド「B」、「C」、「E」に対して相対的に利用者が有するブランド「A」の印象の変化を示す情報を生成することができる。
その後、情報提供装置10は、生成したコンテンツを配信情報が利用者の印象に及ぼした影響を評価するコンテンツとして、需要者サーバ300に配信する(ステップS9)。この結果、需要者は、ステップS4にて配信した配信情報が実際にブランド「A」の印象を変化させたかを判定することができる。
例えば、需要者は、ブランド「A」の分散表現がブランド「B」の分散表現に近づいている場合は、ブランド「A」の配信情報が、ブランド「A」の印象をブランド「B」の印象へと近づけたと判定することができる。また、例えば、需要者は、ブランド「A」の分散表現がブランド「E」の分散表現から遠ざかっている場合は、ブランド「A」の配信情報が、ブランド「A」の印象をブランド「E」の印象から遠ざけたと判定することができる。また、需要者は、ブランド「A」の分散表現が、ブランド「B」、「C」、「E」を基準として移動していない場合は、ブランド「A」の配信情報が、ブランド「B」、「C」、「E」の印象を基準として、ブランド「A」の印象を変化させなかったと判定することができる。すなわち、需要者は、配信情報が利用者の印象を変化させたか否かを判定することができる。
なお、情報提供装置10により提供された情報は、任意の態様で配信情報の評価に用いられてよい。例えば、需要者は、ブランド「A」の分散表現が配信情報の配信前後であまり変化していないにも関わらず、ブランド「A」に関する売り上げが上昇した場合は、配信情報がブランドイメージを変化させることなく売上を伸ばしていると判定してもよい。また、需要者は、ブランド「A」の分散表現が配信情報の配信後に、ブランド「B」の分散表現へと近づけている場合は、配信情報がブランド「A」のブランドイメージを「ブランドB」に近づけていると判定してもよい。
このように、情報提供装置10は、複数のコンテキストが有する相対的な関連性に基づいて、各コンテキストの分散表現を生成する。そして、情報提供装置10は、所定のコンテキストに関する配信情報が配信される前に生成された所定のコンテキストの分散表現と、配信情報が配信された後で生成された所定のコンテキストの分散表現との変化を示す情報を提供する。このため、情報提供装置10は、ブランド「A」のコンテキスト等といった所定のコンテキストに対する利用者の印象を評価する指針を提供できる。
〔2.提供処理のバリエーションについて〕
上記では、情報提供装置10による提供処理の一例について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。以下、情報提供装置10が実行する提供処理のバリエーションについて説明する。
〔2−1.利用者の印象について〕
上述した例では、情報提供装置10は、判定対象コンテキストを分散表現に変換することで、判定対象に対して有する利用者の印象を分散表現に反映させた。かかる処理は、判定対象そのものに対する印象を反映させるための処理であると同時に、判定対象コンテキストに対する印象を反映させるための処理でもある。すなわち、分散表現に反映させる利用者の印象とは、判定対象そのものに対する印象のみならず、判定対象を示すコンテキストに対する印象をも含む概念である。
例えば、情報提供装置10は、同一のブランド名を示すテキストであって、フォントが異なる複数のテキストが存在する場合、それらのテキストを個別のコンテキストとして扱ってもよく、同一のコンテキストとして扱ってもよい。このような処理を実行することで、情報提供装置10は、ブランドそのもの(すなわち、判定対象)に対する印象を分散表現に反映させてもよく、ブランドを示す各コンテキストそれぞれに対する印象を分散表現に反映させてもよい。
〔2−2.提供する情報について〕
上述した例では、情報提供装置10は、判定対象に対する利用者の印象の変化を示す情報を提供した。ここで、情報提供装置10は、配信情報が配信される度に、分散表現空間を生成し、生成した分散表現空間のそれぞれから基準コンテキストの分散表現と判定対象コンテキストの分散表現との位置関係を示す情報を生成することで、利用者の印象の変化を時系列的に示す情報を生成してもよい。すなわち、情報提供装置10は、配信情報が複数回配信された場合は、判定対象コンテキストの分散表現の変化であって、配信情報が配信される度に生じる変化を示す情報を提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、判定対象コンテキストが投影された位置の変化の履歴、すなわち、判定対象に対する利用者の印象の変化の履歴を示す情報を生成し、提供してもよい。
なお、情報提供装置10は、配信情報が配信される度に、基準コンテキストの分散表現と判定対象コンテキストの分散表現との位置関係を示す情報を生成してもよく、配信情報が配信されるタイミングとは関係なく、位置関係を示す情報を生成してもよい。例えば、情報提供装置10は、所定の時間間隔で分散表現空間を生成し、生成した各分散表現空間から、基準コンテキストの分散表現と判定対象コンテキストの分散表現との位置関係を示す情報を生成する。そして、情報提供装置10は、生成した位置関係の変遷を示す情報を出力することで、判定対象に対する利用者の印象がどのように変化していったかを需要者に示してもよい。
また、情報提供装置10は、任意の数のコンテキストを基準コンテキストとしてよい。例えば、情報提供装置10は、n(自然数)個の数を基準コンテキストとして選択した場合、各基準コンテキストをn角形の各頂点に投影する正規化関数を生成し、生成した正規化関数を用いて、判定対象コンテキストの分散表現を投影することで、各基準コンテキストと判定対象コンテキストとに対して利用者が相対的に有する印象の変化を示す情報を生成してもよい。また、情報提供装置10は、n角形の内側領域に判定対象コンテキストの分散表現が投影されるように、基準コンテキストを自動的に選択してもよい。なお、n個の基準コンテキストを選択した場合は、n−1次元の単体に対して投影を行うようにしてもよく、例えば、n−1次元の単体からn角形に投影する場合には、単体の次元数と投影先となる多角形の頂点数との組合せごとに設定される所定の投影手法(すなわち、アドホックな投影手法)を用いて投影を行う正規化関数を生成してもよい。このような投影手法については、任意の手法が適用可能である。
また、情報提供装置10は、基準コンテキストが2つである場合は、各基準コンテキストが投影された位置の線分上に判定対象コンテキストの分散表現を投影することで、判定対象に対する印象が、各基準コンテキストのどちらに寄って行ったかを示す情報を生成してもよい。
また、情報提供装置10は、判定対象コンテキストと共通するカテゴリに属するコンテキストを基準コンテキストとしてもよい。例えば、食品企業と技術関連企業とでは、利用者が有する相対的な印象の関連性が異なると考えられる。そこで、情報提供装置10は、例えば、判定対象コンテキストが食品企業に関するコンテキストである場合、基準コンテキストとして他の食品企業に関するコンテキストを選択してもよい。
また、食品企業と技術関連企業とのコンテキストを合わせて分散表現に変換した場合は、各企業に対して利用者が実際に有する印象と、分散表現に反映される印象とに誤差が生じる恐れがある。そこで、情報提供装置10は、判定対象コンテキストが食品企業である場合は、各食品企業のコンテキストを分散表現とした分散表現空間を生成してもよい。
また、情報提供装置10は、分散表現空間VS1を示す情報と、分散表現空間VS2を示す情報とをそのまま出力してもよい。例えば、情報提供装置10は、分散表現空間VS1、2のそれぞれを二次元平面に投影するとともに、判定対象コンテキストの分散表現が投影された位置を示す情報を生成して提供してもよい。また、情報提供装置10は、複数のコンテキストのうち、基準コンテキストおよび判定対象コンテキスト以外のコンテキストの分散表現を示す情報を提供対象から除外してもよい。例えば、情報提供装置10は、分散表現空間VS1、2のそれぞれを二次元平面に投影するとともに、判定対象コンテキストの分散表現および基準コンテキストの分散表現以外の分散表現については、表示対象から除外してもよい。
また、情報提供装置10は、判定対象コンテキストの分散表現の変化に基づいて、配信情報を評価し、分散表現の変化を示す情報として、配信情報の評価結果を提供してもよい。例えば、ブランド「A」の印象をブランド「B」の印象に近づけるための配信情報が配信される場合、情報提供装置10は、配信情報が配信される前におけるブランド「A」の分散表現とブランド「B」の分散表現との距離(例えば、コサイン距離やハミング距離)と、配信情報が配信された後におけるブランド「A」の分散表現とブランド「B」の分散表現との距離とを算出する。そして、情報提供装置10は、配信前における距離よりも配信後における距離の方が短い場合には、配信情報がブランド「A」の印象をブランド「B」の印象に近づけることができた旨を示す評価結果を生成し、配信前における距離よりも配信後における距離の方が長い場合には、配信情報がブランド「A」の印象をブランド「B」の印象に近づけることがでなかった旨を示す評価結果を生成してもよい。
〔2−3.分散表現空間の生成について〕
ここで、情報提供装置10は、基準コンテキストの分散表現と判定対象コンテキストの分散表現との関連性をより明確にするため、分散表現空間を生成する際に任意の処理を実行してもよい。例えば、情報提供装置10は、基準コンテキストの分散表現同士が所定の閾値以上離れるように、各コンテキストの分散表現を生成してもよい。より具体的には、情報提供装置10は、予め基準コンテキストの選択が行われている場合、かかる基準コンテキストの分散表現が類似しないように、コンテキストを分散表現に変換する学習器の学習を行ってもよい。
また、情報提供装置10は、分散表現空間上での目安(アンカー)となるコンテキスト(以下、「アンカー」と記載する。)を分散表現に変換してもよい。例えば、情報提供装置10は、「高い」や「可愛い」等といった所定の形容詞をアンカーとして投稿等から抽出する。そして、情報提供装置10は、判定対象コンテキストとアンカーとの分散表現を生成する。
このような分散表現空間を生成した場合、アンカーは、判定対象に対して利用者がどのような印象を有しているかの1つの指標となる。そこて、情報提供装置10は、アンカーを含む分散表現空間を示す情報を需要者に提供することで、基準コンテキストの選択を容易にしてもよい。また、情報提供装置10は、所定の形容詞の分散表現と、判定対象コンテキストの分散表現との関係性の変化を示す情報を提供してもよい。
〔2−4.適用態様について〕
ここで、情報提供装置10は、配信情報等、ある情報を配信した際に、ある判定対象に対する利用者の印象がどのように変化したのかを示す情報を提供するのであれば、上述した実施形態以外にも、任意の形態に適用することができる。
例えば、情報提供装置10は、判定対象コンテキストを広告する広告情報が配信される前に生成された判定対象コンテキストの分散表現と、広告情報が配信された後で生成された判定コンテキストの分散表現との変化を示す情報を提供してもよい。このような処理を実行した場合、情報提供装置10は、広告が判定対象に対する利用者の印象を適切に誘導することができなか否かを示す情報を提供できる。
また、例えば、情報提供装置10は、配信対象としてニュースが配信される前と後とで、所定の判定対象コンテキストの分散表現の変化を特定することで、そのニュースが所定の判定対象に対する利用者の印象を変化させたか否かを示す情報を提供してもよい。かかる処理を実行する場合、配信されたニュースと判定対象コンテキストとは、直接的に関連性を有するものであってもよく、間接的な関連性を有するものであってもよい。
また、例えば、情報提供装置10は、所定の時間間隔で、判定対象コンテキストの分散表現を生成し、生成した分散表現が変化したか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、ある期間において分散表現が変化していた場合には、その期間に配信された配信情報が利用者の印象を変化させた旨を需要者に提供してもよい。
〔3.情報提供装置の構成〕
以下、上記した情報提供装置10が有する機能構成の一例について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。図2に示すように、情報提供装置10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、情報管理サーバ100、配信サーバ200、需要者サーバ300、および利用者端末400との間で情報の送受信を行う。
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部30は、ログデータベース31、分散表現空間データベース32、およびモデルデータベース33を記憶する。
ログデータベース31には、分散表現を生成する際に用いる各種の投稿が登録される。例えば、図3は、実施形態に係るログデータベースに登録される情報の一例を示す図である。図3に示す例では、ログデータベース31には、「ログID(Identifier)」、「ログ種別」、「利用者ID」、「日時」、「ログ内容」等といった情報が登録されている。
ここで、「ログID」とは、ログを識別する識別子である。また、「ログ」とは、対応付けられた「ログID」が示すログが、SNS等の投稿であるか、検索クエリであるか等を示す情報である。また、「利用者ID」とは、対応付けられた「ログID」が示すログと関連性を有する利用者の識別子である。また、「日時」とは、対応付けられた「ログID」が示すログがネットワーク上に投稿された日時を示す。また、「ログ内容」とは、ログとして収集された各種のコンテンツである。
例えば、図3に示す例では、ログデータベース31には、ログID「ログID#1」、ログ種別「投稿」、利用者ID「利用者#1」、日時「日時#1」、ログ内容「Aは可愛い」といった情報が対応付けて登録されている。このような情報は、ログID「ログID#1」が示すログとして、利用者ID「利用者#1」が示す利用者により、日時「日時#1」が示す日時に投稿したコンテンツとして、ログ内容「Aは可愛い」が登録されている旨を示す。
なお、図3に示す例では、「ログID#1」、「利用者#1」、「日時#1」等という概念的な値を記載したが、実際には、ログデータベース31には、ログや利用者を識別する文字列や、日時を示す文字列が登録されることとなる。また、ログデータベース31には、図3に示す情報以外にも、ログとして収集される各種情報に関連する情報であれば、任意の情報が登録されていてよい。また、図3に示す例では、ログの種別として、利用者により投稿されたコンテンツや入力された検索クエリが登録されている例について記載したが、実際には、ログデータベース31には、ニュース、辞書、ウェブページといった各種のコンテンツが登録され、各コンテンツの種別を示す情報が登録されることとなる。
図2に戻り、説明を続ける。分散表現空間データベース32には、生成された分散表現空間が登録される。例えば、図4は、実施形態に係る分散表現空間データベースに登録される情報の一例を示す図である。図4に示す例では、分散表現空間データベース32には、「分散表現空間ID」、「生成日時」、「対応コンテキスト」、「分散表現」等といった情報が対応付けて登録されている。なお、分散表現空間データベース32には、図4に示す情報以外にも、例えば、分散表現に関する情報であれば、任意の情報が登録されていてよい。
ここで、「分散表現空間ID」とは、分散表現空間を識別する識別子である。また、「生成日時」とは、対応付けられた「分散表現空間ID」が示す分散表現空間が生成された日時、すなわち、対応付けられた「分散表現空間ID」が示す分散表現空に含まれる分散表現が生成される日時を示す情報である。また、「対応コンテキスト」とは、分散表現の元となったコンテキストを示す情報である。また、「分散表現」とは、対応付けられた「対応コンテキスト」の分散表現である。
例えば、分散表現空間データベース32には、分散表現空間ID「空間#1」、生成日時「日時#4」、対応コンテキスト「A」、分散表現「分散表現#1」等といった情報が対応付けて登録されている。このような情報は、分散表現空間ID「空間#1」が示す分散表現空間に含まれる分散表現として、生成日時「日時#4」が示す日時に生成された分散表現であって、対応コンテキスト「A」の分散表現が、分散表現「分散表現#1」である旨を示す。
なお、図4に示す例では、「空間ID#1」、「日時#1」、「A」等という概念的な値を記載したが、実際には、分散表現空間データベース32には、分散表現空間や日時を示す文字列、コンテキストとなるテキストや画像等のコンテンツが登録されることとなる。
図2に戻り、説明を続ける。モデルデータベース33には、コンテキストを分散表現に変換するためのモデルが登録される。例えば、モデルデータベース33には、各コンテキストの類似性に応じて分類を行う学習器であって、ログに含まれるコンテキスト(またはコンテキストが示す判定対象)に対する利用者の印象の類似性を要素の一つとして各コンテキストの分類を行う学習器がモデルとして登録される。このようなモデルは、例えば、コンテキストと共に現れる形容詞等の他の品詞の出現率や類似性に基づいて、各コンテキストの分類を行う学習器により実現される。例えば、モデルは、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Networks: CNN)等といった多段のニューラルネットワークにより実現されてもよく、上述した機能を果たし得るのであれば、例えば、SVM(Support Vector Machine)といった分類器により実現されてもよい。
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。なお、制御部40は、インデックスの読み込みを行う演算処理装置となる。
図2に示すように、制御部40は、収集部41、生成部42、受付部43、取得部44、および提供部45を有する。収集部41は、任意の情報管理サーバ100から、各種のログを収集する。例えば、収集部41は、利用者が投稿したコンテンツ、利用者の行動履歴、利用者の検索クエリの履歴、電子商取引の対象に関する評価や電子商取引のウェブページ等といった情報等、各種のログを収集し、収集したログをログデータベース31に登録する。
生成部42は、複数のコンテキストが有する相対的な関連性に基づいて、各コンテキストの分散表現を生成する。より具体的には、生成部42は、複数のコンテキストが有する相対的な関連性に基づき各コンテキストをベクトル化するモデルを用いて、各コンテキストを示すベクトルを分散表現として生成する。
例えば、生成部42は、ログデータベース31にログとして登録された各種の情報の中から、所定の期間の間に投稿された各種のログを抽出し、抽出したログからコンテキストを抽出する。そして、生成部42は、モデルデータベース33に登録されたモデルを用いて、抽出したコンテキストの類似性に基づいてコンテキストを分散表現に変換する。その後、生成部42は、生成した分散表現と分散表現の元となったコンテキストとの組に対し、分散表現を生成した日時と、分散表現空間IDとを対応付けて分散表現空間データベース32に登録する。
なお、生成部42は、所定の時間間隔で、ログデータベース31に登録された全てのログから分散表現を生成し、生成したタイミング毎に異なる分散表現空間として、生成した分散表現を分散表現空間データベース32に登録してもよい。また、生成部42は、例えば、分散表現を生成する日時から1日以内に投稿等がされたログから複数の分散表現を生成し、生成した複数の分散表現を1つの分散表現空間として分散表現空間データベース32に登録してもよい。すなわち、生成部42は、所定の期間における利用者の印象を反映させた分散表現空間を、期間ごとに生成してもよい。
また、生成部42は、予め基準コンテキストが設定されている場合は、基準コンテキストの分散表現同士が所定の閾値以上離れるように、各コンテキストの分散表現を生成してもよい。また、生成部42は、複数のコンテキストと、所定の形容詞との分散表現を生成してもよい。
受付部43は、需要者から判定対象コンテキストと、基準コンテキストとの指定を受付けるとともに、判定対象コンテキストの変化を判断する日時の指定を受付ける。例えば、受付部43は、判定対象コンテキストの変化を判断する日時として、判定対象に関する配信情報が配信された日時の指定を受付ける。なお、以下の説明では、判定対象コンテキストの変化を判断する日時を指定日時と記載する。
取得部44は、指定日時前における判定対象コンテキストおよび基準コンテキストの分散表現と、指定日時後における判定対象コンテキストおよび基準コンテキストの分散表現とを取得する。例えば、取得部44は、分散表現空間データベース32を参照し、指定日時の直前に生成された分散表現空間と、指定日時の直後に生成された分散表現空間とを選択する。また、取得部44は、特定した各分散表現空間から、判定対象コンテキストと対応付けられた分散表現と、基準コンテキストと対応付けられた分散表現とを取得する。すなわち、取得部44は、判定対象コンテキストに関する配信情報が配信される前に生成された判定対象コンテキストの分散表現と、配信情報が配信された後で生成された判定対象コンテキストの分散表現とを取得する。そして、取得部44は、特定した各分散表現を提供部45に出力する。
提供部45は、判定対象コンテキストに関する配信情報が配信される前に生成された判定対象コンテキストの分散表現と、配信情報が配信された後で生成された判定対象コンテキストの分散表現との変化を示す情報を提供する。例えば、提供部45は、判定対象コンテキストを広告する広告情報が配信される前に生成された判定対象コンテキストの分散表現と、広告情報が配信された後で生成された判定対象コンテキストの分散表現との変化を示す情報を提供する。また、例えば、提供部45は、各コンテキストが示す対象に対して任意の利用者が有する印象の相対的な関連性に基づいて、各コンテキストの分散表現を生成する。
ここで、提供部45は、基準コンテキストの分散表現と判定対象コンテキストの分散表現との関連性の変化を示す情報を生成する。より具体的には、提供部45は、配信情報が配信される前に生成された基準コンテキストの分散表現と判定対象コンテキストの分散表現との差、および、信情報が配信された後で生成された基準コンテキストの分散表現と判定対象コンテキストの分散表現との差を特定し、特定した差の変化を示す情報を生成する。例えば、提供部45は、複数の基準コンテキストの分散表現と、判定対象コンテキストの分散表現との関連性の変化を示す情報を生成する。
以下、提供部45が実行する処理の一例について説明する。例えば、提供部45は、判定対象コンテキストの分散表現として、ブランド「A」のコンテキストを示す分散表現(以下、「分散表現A」と記載する。)であって、ブランド「A」に関する配信情報の配信前に生成された分散表現と、配信後に生成された分散表現とを取得部44から受付ける。また、例えば、提供部45は、基準コンテキストの分散表現として、ブランド「B」、ブランド「C」、およびブランド「E」のコンテキストを示す分散表現(以下、「分散表現B」、「分散表現C」、および「分散表現E」と記載する。)であって、ブランド「A」に関する配信情報の配信前に生成された分散表現と、配信後に生成された分散表現とを取得部44から受付ける。
このような場合、提供部45は、基準コンテキストの分散表現をそれぞれ所定の位置に投影した際に、判定対象コンテキストが投影される位置の変化を示す情報を生成する。例えば、提供部45は、ブランド「A」に関する配信情報が配信される前に生成された分散表現B、分散表現C、および分散表現Eを、所定の大きさの正三角形の各頂点へと投影する第1の正規化関数を生成する。また、提供部45は、ブランド「A」に関する配信情報が配信された後に生成された分散表現B、分散表現C、および分散表現Eを、所定の大きさの正三角形の各頂点へと投影する第2の正規化関数を生成する。
そして、提供部45は、第1の正規化関数を用いて、配信情報が配信される前に生成された分散表現Aを、各頂点に基準コンテキストの分散表現が対応付けられた正三角形上に投影する。また、提供部45は、第2の正規化関数を用いて、配信情報が配信された後に生成された分散表現Aを、各頂点に基準コンテキストの分散表現が対応付けられた正三角形上に投影する。すなわち、提供部45は、基準コンテキストの分散表現を多角形の頂点に投影した際に、判定対象コンテキストが投影される多角形内の領域における位置の変化を示す情報を生成する。なお、提供部45は、例えば、基準コンテキストの数が2つである場合、基準コンテキストを線分の各頂点に投影する正規化関数を生成し、生成した正規化関数を用いて、判定対象コンテキストを線分上に投影することで、判定対象に対する印象の変化を示す情報を生成してもよい。
例えば、図5は、実施形態に係る情報提供装置が生成する情報の一例を示す図である。なお、図5に示す例では、情報提供装置10が生成する情報の一例として、ブランド「B」とブランド「E」とのコンテキストを基準コンテキストとした際における、ブランド「A」の印象の変化を示すコンテンツC20、および、ブランド「B」、ブランド「C」およびブランド「E」のコンテキストを基準コンテキストとした際における、ブランド「A」の印象の変化を示すコンテンツC30の一例について記載した。
まず、コンテンツC20を生成する処理の一例について説明する。例えば、情報提供装置10は、ブランド「A」に関する配信情報が配信された前に生成された分散表現Eと分散表現Bとを所定の長さの線分の頂点に投影する第1の正規化関数を生成し、第1の正規化関数を用いて、配信情報が配信される前に生成された分散情報Aを線分上に投影する。そして、情報提供装置10は、各頂点および分散表現Aを投影した位置に円形のアイコンを配置するとともに、対応するコンテキスト「E」、「A」、「B」を配置したコンテンツC21を配信前コンテンツとして生成する。
また、情報提供装置10は、ブランド「A」に関する配信情報が配信された後に生成された分散表現Eと分散表現Bとを所定の長さの線分の頂点に投影する第2の正規化関数を生成し、第2の正規化関数を用いて、配信情報が配信された後に生成された分散情報Aを線分上に投影する。そして、情報提供装置10は、各頂点および分散表現Aを投影した位置に円形のアイコンを配置するとともに、対応するコンテキスト「E」、「A」、「B」を配置したコンテンツC22を配信後コンテンツとして生成する。
また、情報提供装置10は、配信情報の配信前と後とで、分散表現Aが分散表現Bまでどれくらい近づいたかを示す情報を生成する。例えば、情報提供装置10は、配信情報の配信後における分散表現Aと分散表現Bとの距離(類似度)が、配信情報の配信前における分散表現Aと分散表現Bとの距離の3割程度である場合は、「達成率70パーセント」等というように、配信情報の配信により分散表現Aが分散表現Bまでどれくらい近づいたかを示す情報をコンテンツC22に配置する。
続いて、コンテンツC30を生成する処理の一例について説明する。例えば、情報提供装置10は、配信情報が配信される前に生成された分散表現B、分散表現C、および分散表現Eを正三角形の各頂点に投影する第1の正規化関数を生成し、第1の正規化関数を用いて、配信情報が配信される前に生成された分散情報Aを正三角形内に投影する。そして、情報提供装置10は、分散表現Aを投影した位置に円形のアイコンを配置するとともに、各頂点および円形のアイコンに対応するコンテキスト「E」、「B」、「C」および「A」を配置したコンテンツC31を配信前コンテンツとして生成する。
また、情報提供装置10は、配信情報が配信された後に生成された分散表現B、分散表現C、および分散表現Eを正三角形の各頂点に投影する第2の正規化関数を生成し、第2の正規化関数を用いて、配信情報が配信された後に生成された分散情報Aを正三角形内に投影する。そして、情報提供装置10は、分散表現Aを投影した位置に円形のアイコンを配置するとともに、各頂点および円形のアイコンに対応するコンテキスト「E」、「B」、「C」および「A」を配置したコンテンツC32を配信後コンテンツとして生成する。
また、情報提供装置10は、配信情報の配信後における分散表現Aと分散表現Bとの距離が、配信情報の配信前における分散表現Aと分散表現Bとの距離の3割程度である場合は、「達成率70パーセント」等というように、配信情報の配信により分散表現Aが分散表現Bまでどれくらい近づいたかを示す情報をコンテンツC32に配置する。なお、情報提供装置10は、配信前コンテンツと配信後コンテンツとを重ね合わせるとともに、分散表現Aの移動前の位置と移動後の位置とを結ぶ矢印を配置することで、分散表現Aの移動を視覚的に示してもよい。
ここで、提供部45は、判定対象コンテキストが投影された位置の変化の履歴を示す情報を提供してもよい。例えば、提供部45は、配信情報が複数回配信された場合は、配信情報が配信される度に生じた判定対象コンテキストの分散表現の変化を示す情報を生成してもよい。
例えば、図6は、実施形態に係る情報提供装置が提供する分散表現の変化の履歴を示す情報の一例を示す図である。なお、図6に示す例では、ブランド「B」、ブランド「C」およびブランド「E」のコンテキストを基準コンテキストとした際における、ブランド「A」の印象の変化の履歴を示すコンテンツC40の一例を記載した。また、図6に示す例では、ブランド「A」に対する利用者の印象の変化を4回に分けて判定した際に生成するコンテンツC40の一例を記載した。
例えば、情報提供装置10は、第1のタイミングで生成した分散表現B、分散表現C、および分散表現Eを正三角形の各頂点に投影する第1の正規化関数を用いて、第1のタイミングで生成した分散表現A1を投影する。同様に、情報提供装置10は、第2のタイミング〜第4のタイミングで生成した分散表現B、分散表現C、および分散表現Eを正三角形の各頂点に投影する第2の正規化関数〜第4の正規化関数を用いて、第2のタイミング〜第4のタイミングで生成した分散表現A2〜A4を投影する。そして、情報提供装置10は、図6に示すように、分散表現A1〜A4を結ぶ矢印、すなわち、ブランド「A」に対する利用者の印象の変遷を示す矢印を配置する。この結果、情報提供装置10は、配信情報によりブランド「A」に対する利用者の印象が、基準コンテキストと比較してどのように変化したかを示すことができる。
なお、図6に示す例において、第1のタイミング〜第4のタイミングは、ブランド「A」に対応する配信情報の配信タイミングと対応していてもよく、対応していなくともよい。例えば、情報提供装置10は、ブランド「A」に対応する配信情報を配信する度に、上述した処理を実行することで、各タイミングで配信した配信情報が利用者の印象をどのように誘導したかを示すコンテンツC40を生成してもよい。また、例えば、情報提供装置10は、ブランド「A」に対応する配信情報を1回配信した後で、所定の期間の間、所定の時間間隔で上述した処理を実行することで、配信情報が利用者の印象をどのように誘導したかを示すコンテンツC40を生成してもよい。
なお、提供部45は、判定対象コンテキストと共通するカテゴリに属するコンテキストを基準コンテキストとしてもよい。例えば、提供部45は、判定対象コンテキストの指定のみを受付けた場合は、指定された判定対象コンテキストと共通するカテゴリのコンテキストを基準コンテキストとして自動的に選択してもよい。
また、提供部45は、複数のコンテキストのうち、基準コンテキストおよび判定対象コンテキスト以外のコンテキストの分散表現を示す情報を提供対象から除外してもよい。例えば、提供部45は、分散表現空間を所定の平面上に投影した図面を提供する場合、基準コンテキストおよび判定対象コンテキストのみを投影した図面を生成してもよい。
また、提供部45は、コンテキストとともに所定の形容詞がアンカーとして分散表現空間に含まれている場合、所定の形容詞の分散表現と、判定対象コンテキストの分散表現との関係性の変化を示す情報を生成してもよい。例えば、配信情報がブランド「A」の印象を「高級」に近づけたか否かを示す情報を需要者が所望する場合、アンカー「高級」に対する相対的な分散表現Aの位置を示す情報を生成してもよい。
また、提供部45は、判定対象コンテキストの分散表現の変化に基づいて、配信情報を評価し、分散表現の変化を示す情報として、配信情報の評価結果を生成してもよい。例えば、提供部45は、配信情報がブランド「A」の印象をブランド「B」に近づけたか否かを示す情報を需要者が所望する場合、分散表現Aと分散表現Bとの相対的な類似度の変化を特定し、特定した類似度の変化に応じて、配信情報を評価する。より具体的な例を挙げると、提供部45は、配信情報の配信後に、分散表現Aと分散表現Bとの相対的な類似度の上昇率が所定の閾値を超えた場合は、配信情報がブランド「A」の印象をブランド「B」に近づけた旨の評価結果を生成する。一方、提供部45は、配信情報の配信後に、分散表現Aと分散表現Bとの相対的な類似度の上昇率が所定の閾値を超えなかった場合や変化しなかった場合、散表現Aと分散表現Bとの相対的な類似度が減少している場合等には、配信情報がブランド「A」の印象をブランド「B」に近づけなかった旨の評価結果を生成する。
そして、提供部45は、生成した各種の情報を、需要者サーバ300に配信する。この結果、情報提供装置10は、判定対象に対する利用者の印象に配信情報が及ぼした影響を示す情報を提供することができるので、配信情報が及ぼした影響の評価を実現できる。
〔4.情報提供装置が実行する処理の流れの一例〕
続いて、図7を用いて、情報提供装置10が実行する提供処理の流れについて説明する。図7は、実施形態に係る情報提供装置が実行する提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、情報提供装置10は、図7に示す処理を、任意の単位で、任意のタイミングにより実行可能である。
例えば、情報提供装置10は、配信情報が配信される前のログデータから、各コンテキストの相対的な関連性に基づいて、分散表現を生成する(ステップS101)。続いて、情報提供装置10は、配信情報が配信された後のログデータから、各コンテキストの相対的な関連性に基づいて、分散表現を生成する(ステップS102)。そして、情報提供装置10は、基準コンテキストの分散表現を所定の位置に投影する正規化関数を、配信情報の前と後とのそれぞれについて生成する(ステップS103)。
また、情報提供装置10は、判定対象コンテキストと、基準コンテキストとの位置関係の変化を示すコンテンツを生成する(ステップS104)。そして、情報提供装置10は、生成したコンテンツを配信情報の評価結果として提供し(ステップS105)、処理を終了する。
〔5.変形例〕
上記では、情報提供装置10による提供処理や算出処理の一例について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。以下、情報提供装置10が実行する提供処理や算出処理のバリエーションについて説明する。
〔5−1.評価対象について〕
上述した例では、情報提供装置10は、広告情報等、コンテキストが示す任意の判定対象に関する配信情報の評価を行った。ここで、情報提供装置10は、任意の配信情報の評価を行うための情報を提供して良い。例えば、情報提供装置10は、ニュース、ウェブページ、投稿形式の広告(すなわち、ネイティブ広告)等、任意の配信情報の評価を行うための情報提供して良い。また、情報提供装置10は、例えば、ある商品の販売前と販売後とで、その商品を販売する会社に対する利用者の印象の変化を提供してもよい。
すなわち、情報提供装置10は、ネットワークを介して利用者に対して伝達された各種の情報の評価だけではなく、商品の販売やイベントの提供等、判定対象コンテキストに関する所定の事象が生じる前に生成された判定対象コンテキストの分散表現と、判定対象コンテキストに関する所定の事象が生じた後に生成された判定対象コンテキストの分散表現との変化を示す情報を提供することで、利用者の印象にその事象が及ぼした影響を適切に評価することができる。
〔5−2.装置構成〕
情報提供装置10は、フロントエンドサーバと、バックエンドサーバとで実現されてもよい。このような場合、フロントエンドサーバには、図2に示す受付部43、および提供部45が配置され、バックエンドサーバには、収集部41、生成部42、および取得部44が配置される。また、記憶部30に登録された各データベース31〜33は、外部のストレージサーバに保持されていてもよい。
〔5−3.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
〔5−4.プログラム〕
また、上述した実施形態に係る情報提供装置10は、例えば図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。
〔6.効果〕
上述したように、情報提供装置10は、複数のコンテキストが有する相対的な関連性に基づいて、各コンテキストの分散表現を生成する。そして、情報提供装置10は、判定対象コンテキストに関する配信情報が配信される前に生成された判定対象コンテキストの分散表現と、配信情報が配信された後で生成された判定対象コンテキストの分散表現との変化を示す情報を提供する。このため、情報提供装置10は、判定対象に対する利用者の印象に配信情報が及ぼした影響を評価するための情報を提供できる。
また、情報提供装置10は、基準コンテキストの分散表現と判定対象コンテキストの分散表現との関連性の変化を示す情報を提供する。例えば、情報提供装置10は、配信情報が配信される前に生成された基準コンテキストの分散表現と判定対象コンテキストの分散表現との差と、配信情報が配信された後で生成された基準コンテキストの分散表現と判定対象コンテキストの分散表現との差との変化を示す情報を提供する。また、情報提供装置10は、複数の基準コンテキストの分散表現と、判定対象コンテキストの分散表現との関連性の変化を示す情報を提供する。このため、情報提供装置10は、様々なコンテキストに対する利用者の印象が逐次変化するような場合にも、基準コンテキストに対する判定対象コンテキストの相対的な関連性の変化を提供することができるので、判定対象に対する利用者の印象に配信情報が及ぼした影響を評価するための情報を提供できる。
また、情報提供装置10は、複数の基準コンテキストの分散表現をそれぞれ所定の位置に投影した際に、判定対象コンテキストが投影される位置の変化を示す情報を提供する。例えば、情報提供装置10は、配信情報が配信される前の基準コンテキストの分散表現を所定の位置に投影する第1の関数と、配信情報が配信された後の基準コンテキストの分散表現をその所定の位置に投影する第2の関数とを生成し、配信情報が配信される前の判定対象コンテキストの分散表現が第1の関数により投影された位置と、配信情報が配信された後の判定対象コンテキストの分散表現が第2の関数により投影された位置とを示す情報を提供する。このため、情報提供装置10は、需要者に対し、配信情報が利用者の印象に及ぼした影響を適切に示す情報を生成し、提供することができる。
また、情報提供装置10は、基準コンテキストの分散表現を直線または多角形の頂点に投影した際に、判定対象コンテキストが投影される直線上または多角形内の領域における位置の変化を示す情報を提供する。このため、情報提供装置10は、需要者に対し、配信情報が利用者の印象に及ぼした影響を視覚的に示す情報を生成し、提供することができる。
また、情報提供装置10は、基準コンテキストの分散表現同士が所定の閾値以上離れるように、各コンテキストの分散表現を生成する。このため、情報提供装置10は、判定対象コンテキストに対する利用者の印象の変化を強調することができるので、配信情報が利用者の印象に及ぼした影響を評価しやすい情報を提供することができる。
また、情報提供装置10は、判定対象コンテキストと共通するカテゴリに属するコンテキストを基準コンテキストとする。このため、情報提供装置10は、配信情報が利用者の印象に及ぼした影響を適切に評価する情報を提供することができる。
また、情報提供装置10は、複数のコンテキストのうち、基準コンテキストおよび判定対象コンテキスト以外のコンテキストの分散表現を示す情報を提供対象から除外する。このため、情報提供装置10は、配信情報が利用者の印象に及ぼした影響を評価しやすい情報を提供することができる。
また、情報提供装置10は、判定対象コンテキストの分散表現の変化の履歴を示す情報を提供する。このため、情報提供装置10は、判定対象に対する利用者の印象の変化の履歴を利用者に提供することができるので、配信情報が利用者の印象に及ぼした影響を適切に評価する情報を提供できる。
また、情報提供装置10は、判定対象コンテキストの分散表現の変化に基づいて、配信情報を評価し、その分散表現の変化を示す情報として、配信情報の評価結果を提供する。このため、情報提供装置10は、例えば、配信情報が利用者の印象を適切に誘導したか否かを示す評価結果を提供できる。
また、情報提供装置10は、複数のコンテキストが有する相対的な関連性に基づき各コンテキストをベクトル化する学習器を用いて、各コンテキストを示すベクトルを分散表現として生成する。また、情報提供装置10は、任意の利用者が投稿したコンテンツ、任意の利用者の行動履歴、任意の利用者の検索履歴、若しくは電子商取引の対象に関する情報のうち少なくともいずれか1つを含む情報から、各コンテキストの分散表現を生成する。また、情報提供装置10は、各コンテキストが示す対象に対して任意の利用者が有する印象の相対的な関連性に基づいて、各コンテキストの分散表現を生成する。このため、情報提供装置10は、利用者の印象を反映させた分散表現の変化を示す情報を提供するので、配信情報が利用者の印象に及ぼした影響を適切に評価する情報を提供できる。
また、情報提供装置10は、複数のコンテキストと、所定の形容詞との分散表現を生成し、所定の形容詞の分散表現と、判定対象コンテキストの分散表現との関係性の変化を示す情報を提供する。このため、情報提供装置10は、所定の形容詞をアンカーとして、判定対象に対する利用者の印象がどのように変化したかを示す情報を提供できる。
また、情報提供装置10は、判定対象コンテキストに関する所定の事象が生じる前に生成された分散表現と、その事象が生じた後で生成された分散表現との変化を示す情報提供してもよい。このような処理の結果、情報提供装置10は、例えば、商品や役務の提供開始、ブランドや企業、地域主催のイベント等、判定対象に関する事象が生じた前後での分散表現の変化を提供できるので、イベント等の事象が利用者の印象を適切に誘導したかを評価する情報を提供できる。
また、情報提供装置10は、判定対象コンテキストを広告する広告情報が配信される前に生成されたその判定対象コンテキストの分散表現と、その広告情報が配信された後で生成されたその判定対象コンテキストの分散表現との変化を示す情報を提供する。このため、情報提供装置10は、広告情報が判定対象に対する利用者の印象を適切に誘導したかを評価する情報を提供できる。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、提供部は、提供手段や提供回路に読み替えることができる。