JP6664024B1 - 人工弁形成用テンプレート及び人工弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】弁置換術の術後にも、弁輪部〜乳頭筋の連結が失われず、かつ、人工物であるリングの使用に伴う感染や栓塞栓症のリスクを回避することができる人工弁に関連する技術を提供すること。【解決手段】1本のベースラインと、前記ベースラインの両端から垂下する2本の垂下ラインと、前記2本の垂下ラインの下端からそれぞれ内向き下方かつ半放物線状に延びる2本のサイドラインと、前記2本のサイドラインの下端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第一水平ラインと、前記2本の水平ラインの内端からそれぞれ上方かつ放物線状に延びる2本の第一湾曲ラインと、前記2本の湾曲ラインの内端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第二水平ラインと、前記2本の第二水平ラインの内端から上方かつ放物線状に延びる1本の第二湾曲ラインを有する、人工弁形成用テンプレート。【選択図】図1

Description

本発明は、人工弁形成用テンプレート及び人工弁に関する。
人口の高齢化に伴い、心臓血管外科分野において弁膜症の手術件数が年々増加傾向にある。
弁膜症は、心臓の弁が正しく機能しなくなる疾患であり、弁の開きが悪くなり血液の流れが妨げられる「狭窄」と、弁の閉じ方が不完全なために血液が逆流してしまう「閉鎖不全」がある。代表的には、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁狭窄症、及び三尖弁閉鎖不全症の各疾患がある。これらのうち、特に近年、高齢者における大動脈弁狭窄症や、僧帽弁閉鎖不全症の増加が著しい。
弁膜症に対する治療方式として、狭窄症や閉鎖不全症などにより機能不全に陥った弁を全部切除した後に、人工弁に置き換える術式(以下、弁置換術ともいう)と、自己の弁を温存して異常弁尖を切除した後に再縫合する術式、又は自己の弁を温存して異常弁尖を切除した後に生体膜で形成された弁尖を縫合して弁を再生する術式(以下、前記の再縫合する術式及び前記の再生する術式を合わせて弁形成術ともいう)がある。その他、カテーテルを用いた治療(経カテーテル的大動脈弁置換術など)も近年盛んに施行されている。
上記の治療方式のうち、弁形成術は、従来の弁の機能や形態の連続性が維持されやすく、弁置換術と比較して術後の予後が良いと考えられている。また、自分の弁を生かせるため血栓症などの合併症が少ないというメリットがある。
弁形成術に関し、弁尖素材を得るためのテンプレートに関する技術が開示されている(特許文献1、2)。
一方、弁や心筋の傷みが激しい場合には、弁置換術が適している。
現在、房室弁(僧帽弁及び/又は三尖弁)の狭窄及び/又は閉鎖不全の各疾患に対しては、弁置換術が標準的治療となっている。
房室弁の弁置換術は、病変のある房室弁を全部切除した後に人工弁に置き換える開胸手術である。前記人工弁は、カーボンなどの人工材料で構成される機械弁と、ウシ、ブタ心膜などの生体由来の材料から成る生体弁の2種類に分類される。
房室弁の弁置換術において、以前は機械弁が使用される頻度が高かったが、近年、患者の高齢化に伴い生体弁の使用頻度が大幅に増加している。
図6に示すように、房室弁(僧帽弁101及び/又は三尖弁102)は、弁輪部103より連続して弁尖104、腱索105、乳頭筋106の複合体で構成されている。従来、房室弁の弁置換術では、弁尖104と腱索105を切除して、半月弁(大動脈弁107及び/又は肺動脈弁108)に類似した構造の生体弁を上下反転させて弁輪部のみに縫合する術式が採用されている。これら従来の生体弁は、腱索に相当するものがなく乳頭筋とのつながりもないため、形態学的、解剖学的及び生理学的に、正常な房室弁とはかけ離れたものとなる。このため、従来の生体弁を用いて僧帽弁の置換を行った場合、弁輪部〜乳頭筋の連結が失われ、術後の心機能低下が問題となる。
実際の僧帽弁に近い弁挙動をさせることができる人工僧帽弁として、リングと当該リングの周縁に沿って連なる特殊な構造からなる人工弁葉とを備えた人工僧帽弁が開示されている(特許文献3)。
しかし、特許文献3の人工僧帽弁では、弁輪を補正あるいは補強する人工物であるリングの使用に伴う感染や栓塞栓症のリスクがある。
また、特許文献3の人工僧帽弁は、複数の弁尖部材及びリングからなり、構造が複雑であるという問題もある。
特許第6411043号公報 特許第5106019号公報 特許第5392539号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、簡易な構造からなり、弁置換術の術後にも、弁輪部〜乳頭筋の連結が失われず、人工物であるリングの使用に伴う感染や栓塞栓症のリスクを回避することができる人工弁に関連する技術を提供することである。
前記人工弁に関連する技術とは、前記人工弁の形成に用いる人工弁形成用テンプレート及び前記人工弁形成用テンプレートを用いて形成した人工弁を意味する。
本発明者は、鋭意検討の結果、特定形状の人工弁形成用テンプレートにより、上記の課題を解決できることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成した。
本発明は、以下の[1]〜[9]を提供する。
(人工弁形成用テンプレート:僧帽弁用)
[1] 僧帽弁の弁輪と縫合される弁輪縫合部及び乳頭筋と縫合される乳頭筋縫合部を有する人工弁を形成するための人工弁形成用テンプレートであって、
1本のベースラインと、
前記ベースラインの両端から垂下する2本の垂下ラインと、
前記2本の垂下ラインの下端からそれぞれ内向き下方かつ半放物線状に延びる2本のサイドラインと、
前記2本のサイドラインの下端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第一水平ラインと、
前記2本の第一水平ラインの内端からそれぞれ上方かつ放物線状に延びる2本の第一湾曲ラインと、
前記2本の湾曲ラインの内端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第二水平ラインと、
前記2本の第二水平ラインの内端から上方かつ放物線状に延びる1本の第二湾曲ラインを有する、人工弁形成用テンプレート。
(人工弁形成用テンプレート:三尖弁用)
[2] 三尖弁の弁輪と縫合される弁輪縫合部及び乳頭筋と縫合される乳頭筋縫合部を有する人工弁を形成するための人工弁形成用テンプレートであって、
1本のベースラインと、
前記ベースラインの両端から垂下する2本の垂下ラインと、
前記2本の垂下ラインの下端からそれぞれ内向き下方かつ半放物線状に延びる2本のサイドラインと、
前記2本のサイドラインの下端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第一水平ラインと、
前記2本の第一水平ラインの内端からそれぞれ上方かつ放物線状に延びる2本の第一湾曲ラインと、
前記2本の湾曲ラインの内端をつなぐ1本の第二水平ラインを有する、
人工弁形成用テンプレート。
(人工弁形成用テンプレート:大動脈用)
[3] 大動脈弁の弁輪と縫合される弁輪縫合部及び大動脈壁と縫合される大動脈壁縫合部を有する人工弁、を形成するための人工弁形成用テンプレートであって、
1本のベースラインと、
前記ベースラインの両端から垂下する2本の垂下ラインと、
前記2本の垂下ラインの下端からそれぞれ内向き下方かつ半放物線状に延びる2本のサイドラインと、
前記2本のサイドラインの下端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第一水平ラインと、
前記2本の第一水平ラインの内端からそれぞれ上方かつ放物線状に延びる2本の第一湾曲ラインと、
前記2本の湾曲ラインの内端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第二水平ラインと、
前記2本の第二水平ラインの内端から上方かつ放物線状に延びる1本の第二湾曲ラインを有する、人工弁形成用テンプレート。
(人工弁形成用テンプレート:肺動脈用)
[4] 肺動脈弁の弁輪と縫合される弁輪縫合部及び肺動脈壁と縫合される肺動脈壁縫合部を有する人工弁、を形成するための人工弁形成用テンプレートであって、
1本のベースラインと、
前記ベースラインの両端から垂下する2本の垂下ラインと、
前記2本の垂下ラインの下端からそれぞれ内向き下方かつ半放物線状に延びる2本のサイドラインと、
前記2本のサイドラインの下端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第一水平ラインと、
前記2本の第一水平ラインの内端からそれぞれ上方かつ放物線状に延びる2本の第一湾曲ラインと、
前記2本の湾曲ラインの内端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第二水平ラインと、
前記2本の第二水平ラインの内端から上方かつ放物線状に延びる1本の第二湾曲ラインを有する、人工弁形成用テンプレート。
(人工弁:僧帽弁用)
[5] [1]に記載の人工弁形成用テンプレートを用いて形成された膜部材からなり、僧帽弁の弁輪と縫合される弁輪縫合部と、前乳頭筋と縫合される前乳頭筋縫合部と、後乳頭筋と縫合される後乳頭筋縫合部を有し、
前記弁輪縫合部が、前記膜部材において前記ベースラインに該当する箇所を下方に折り返した後、前記2本の垂下ラインに該当する箇所を突き合わせて縫合してなり、
前記前乳頭筋縫合部が、前記膜部材において前記2本の第二水平ラインに該当する箇所を縫合してなり、
前記後乳頭筋縫合部が、前記膜部材において前記2本の第一水平ラインに該当する箇所を縫合してなる、人工弁。
(人工弁:三尖弁用)
[6] [2]に記載の人工弁形成用テンプレートを用いて形成された膜部材からなり、三尖弁の弁輪と縫合される弁輪縫合部と、内側乳頭筋と縫合される内側乳頭筋縫合部と、後乳頭筋と縫合される後乳頭筋縫合部を有し、
前記弁輪縫合部が、前記膜部材において前記ベースラインに該当する箇所を下方に折り返した後、前記2本の垂下ラインに該当する箇所を突き合わせて縫合してなり、 前記内側乳頭筋縫合部が、前記膜部材において第二水平ラインに該当する箇所を中心点で折り曲げて突き合わせて縫合してなり、
前記後乳頭筋縫合部が、前記膜部材において前記2本の第一水平ラインに該当する箇所を縫合してなる、人工弁。
(人工弁:大動脈弁用)
[7] [3]に記載の人工弁形成用テンプレートを用いて形成された膜部材からなり、大動脈弁の弁輪と縫合または圧着される弁輪縫合部と、大動脈壁と縫合される大動脈壁縫合部を有し、
前記弁輪縫合部が、前記膜部材において前記ベースラインに該当する箇所を下方に折り返した後、前記2本の垂下ラインに該当する箇所を突き合わせて縫合してなり、
前記大動脈壁縫合部が、前記膜部材において前記2本の第二水平ラインに該当する箇所を縫合してなり、かつ、前記膜部材において前記2本の第一水平ラインに該当する箇所を縫合してなり、
前記弁輪縫合部の前記下方に折り返して形成された袋状空間にワイヤーを挿入してなる、人工弁。
(人工弁:肺動脈弁用)
[8] [4]に記載の人工弁形成用テンプレートを用いて形成された膜部材からなり、肺動脈弁の弁輪と縫合または圧着される弁輪縫合部と、肺動脈壁と縫合される肺動脈壁縫合部を有し、
前記弁輪縫合部が、前記膜部材において前記ベースラインに該当する箇所を下方に折り返した後、前記2本の垂下ラインに該当する箇所を突き合わせて縫合してなり、
前記肺動脈壁縫合部が、前記膜部材において前記2本の第二水平ラインに該当する箇所を縫合してなり、かつ、前記膜部材において前記2本の第一水平ラインに該当する箇所を縫合してなり、
前記弁輪縫合部の前記下方に折り返して形成された袋状空間にワイヤーを挿入してなる、人工弁。
(人工弁:僧帽弁用、三尖弁用、肺動脈弁用、大動脈弁用)
[9] 前記膜部材が心膜である、[5]〜[8]のいずれかに記載の人工弁。
本発明の一形態の人工弁形成用テンプレートは、僧帽弁の弁輪と縫合される弁輪縫合部及び乳頭筋と縫合される乳頭筋縫合部を有する人工弁を形成するための人工弁形成用テンプレートであって、1本のベースラインと、前記ベースラインの両端から垂下する2本の垂下ラインと、前記2本の垂下ラインの下端からそれぞれ内向き下方かつ半放物線状に延びる2本のサイドラインと、前記2本のサイドラインの下端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第一水平ラインと、前記2本の第一水平ラインの内端からそれぞれ上方かつ放物線状に延びる2本の第一湾曲ラインと、前記2本の湾曲ラインの内端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第二水平ラインと、前記2本の第二水平ラインの内端から上方かつ放物線状に延びる1本の第二湾曲ラインを有する簡易な構造からなる。これらの各ラインを含む線で囲まれた形状は、正常な僧帽弁と腱索と乳頭筋を展開した形態に準ずる。
前記の人工弁形成用テンプレートを用意し、その人工弁形成用テンプレートを、人工弁形成用の膜の上に置き、その外周に沿って膜を切離して、人工弁形成用テンプレートと略同一形状の膜を得ることができる。前記切離後の膜において、前記人工弁形成用テンプレートの前記ベースラインに該当する箇所を下方に折り返した後、前記2本の垂下ラインに該当する箇所を突き合わせて縫合して弁輪縫合部とし、前記2本の第二水平ラインに該当する箇所を縫合して前乳頭筋縫合部とし、前記2本の第一水平ラインに該当する箇所を縫合して後乳頭筋縫合部として、簡易な構造の人工弁を得ることができる。
施術時には、病変のある房室弁と腱索を切除した後、前記人工弁の前乳頭筋縫合部を前乳頭筋と縫合し、後乳頭筋縫合部を後乳頭筋と縫合し、弁輪縫合部を僧帽弁の弁輪と縫合して、弁置換が行われる。
前記人工弁形成用テンプレートの第一湾曲ラインと第二湾曲ラインに該当する線に挟まれた箇所は二股の脚状の構造からなり、腱索に相当する機能を果たす。このため、前記の構造からなる人工弁によれば、正常な僧帽弁同様に、弁輪部〜乳頭筋の連結が維持される。
前記のように、前記人工弁形成用テンプレートを、人工弁形成用の膜の上に置き、その外周に沿って膜を切離して、人工弁形成用テンプレートと略同一形状の膜を得、前記膜部材において前記ベースラインに該当する箇所を下方に折り返した後、前記2本の垂下ラインに該当する箇所を突き合わせて縫合して弁輪縫合部とすることで、弁輪を補正あるいは補強する人工物であるリングの使用が不要になり、人工物の使用に伴う感染や栓塞栓症のリスクを回避することができる。
本発明の一実施形態におけるにおける人工弁の全体斜視図である。 本発明の一実施形態における人工弁形成用テンプレートの正面図である。 僧帽弁の上面図である。 (a)図3の僧帽弁を後尖の中央で切断して展開した状態の上面図である。(b)図3の僧帽弁を前尖の中央で切断して展開した状態の上面図である。 本発明の他の実施形態における人工弁形成用テンプレートの正面図である。 心臓の概略図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
本発明は、弁膜症を発症したヒト、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、ブタ、ヤギ、ウサギなどの哺乳類動物に対し、弁置換術を行う際に使用される人工弁を形成するための人工弁形成用テンプレート及びその人工弁形成用テンプレートを用いて形成した人工弁に関する。
<実施形態1:僧帽弁>
本実施形態では、ヒトの僧帽弁の弁置換術において使用される人工弁形成用テンプレート及び人工弁について説明する。
本実施形態の人工弁形成用テンプレートは、図1に示す人工弁1、具体的には、僧帽弁の弁輪と縫合される弁輪縫合部2及び前乳頭筋と縫合される前乳頭筋縫合部3及び後乳頭筋と縫合される後乳頭筋縫合部4を有する人工弁1を形成する用途に用いることができる。
(僧帽弁の弁置換術において使用される人工弁形成用テンプレート)
本実施形態の人工弁形成用テンプレート5は、図2に示すように、1本のベースライン6と、前記ベースラインの両端から垂下する、2本の垂下ライン7と、前記2本の垂下ライン7の下端からそれぞれ内向き下方かつ半放物線状に延びる2本のサイドライン8と、前記2本のサイドライン8の下端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第一水平ライン9と、前記2本の第一水平ライン9の内端からそれぞれ上方かつ放物線状に延びる2本の第一湾曲ライン10と、前記2本の第一湾曲ライン10の内端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第二水平ライン11と、前記2本の第二水平ライン11の内端から上方かつ放物線状に延びる1本の第二湾曲ライン12を有する。
これらの各ラインを含む線で囲まれた形状は、正常な僧帽弁と腱索と乳頭筋を展開した形状に準ずる。
僧帽弁は、図3に示すように、前尖(A〜A)と後尖(P〜P)からなる。正常な僧帽弁と腱索と乳頭筋を展開した形状とは、図4(a)の破線で囲まれた形状と図4(b)の破線で囲まれた形状とをつなぎ合わせた形状を意味する。
図4(a)に示すように、前尖には、中央部(A2)を中心に何本もの二次腱索が繋がり、図4(b)に示すように、後尖にも、中央部(P2)を中心に何本もの二次腱索が繋がっている。ここで、二次腱索とは、乳頭筋から始まり僧帽弁に付着する腱索を意味する。
本実施形態の人工弁形成用テンプレート5のサイドライン8と、第一水平ライン9と、第一湾曲ライン10と、第二水平ライン11と、第二水平ライン12で囲まれてなる箇所(人工弁形成用テンプレートの「二股の脚状」部分)は前尖の中央部(A2)及び後尖の中央部(P2)に付着する二次腱索を纏めて含む形態に準ずる。
ただし、正常な僧帽弁の二次腱索は前尖の二次腱索の方が後尖の二次腱索より長いのに対し、本実施形態の人工弁形成用テンプレート5では、(Y1)及び(Y2)を共に前尖の中央部(A2)に付着している二次腱索の中で、最も太い支柱腱索を基準に設計している。これにより、弁置換後に後尖のふくらみを出すことができる。
ベースライン6の長さ(X)は、弁置換が行われる患者(以下、患者という)の僧帽弁の弁輪の周長に相当する長さ(X´)であることが好ましい。
本明細書において、相当する長さとは、略同一の長さを意味する。測定や切離等の手作業に起因する誤差は略同一の範囲に含まれるものとする。
人工弁形成用テンプレート5のベースライン6から第一水平ライン9までの直線距離(Y1)の長さは、患者の僧帽弁の前尖弁輪と後乳頭筋間の直線距離に相当する長さ(Y1´)の107.5%〜109.5%の長さであることが好ましく、108.0%〜109.0の長さであることがより好ましい。
人工弁形成用テンプレート5のベースライン6から第二水平ライン11までの直線距離(Y2)の長さは、患者の僧帽弁の前尖弁輪と前乳頭筋間の直線距離に相当する長さ(Y2´)の107.5%〜109.5%の長さであることが好ましく、108.0%〜109.0の長さであることがより好ましい。
ここで、前尖弁輪とは、前尖と後尖と呼ばれる二つの弁尖からなる僧帽弁の前尖側の弁輪を意味し、後尖弁輪とは僧帽弁の後尖側の弁輪を意味する。
前記X´、Y1´及びY2´は、弁置換術の施術時に測定することができる。測定の方法は限定されないが、例えば、心臓を露出させた状態で人工心肺による体外循環を開始し、心拍を停止させた後、弁輪部及び乳頭筋の一部分を切除して病変のある僧帽弁の切除を行った後、切除した僧帽弁を実測する方法で測定できる。実測方法として、サイザーを用いた方法や、測定対象箇所に沿わせてカットした糸の長さを測定する方法を例示することができる。
前記X´、Y1´及びY2´は、弁置換術の施術前に、経胸壁心臓超音波検査及び/又は経食道心臓超音波検査、MRI検査などであらかじめ測定することもできる。
(僧帽弁の弁置換術において使用される人工弁)
次に上記の人工弁形成用テンプレート5を用いて得た人工弁について説明する。
本実施形態の人工弁は、図1に示すように、僧帽弁の弁輪と縫合される弁輪縫合部2と、前乳頭筋と縫合される前乳頭筋縫合部3と、後乳頭筋と縫合される後乳頭筋縫合部4を有する。
本実施形態の人工弁は、次の方法で得ることができる。
まず、図2の人工弁形成用テンプレート5を、膜部材である心膜の上に置き、その外周に沿って心膜を切離して、人工弁形成用テンプレート5と略同一形状の心膜を得る。
続いて、前記人工弁形成用テンプレート5と略同一形状の心膜において、人工弁形成用テンプレート5のベースラインに該当する箇所を下方に折り返した後、前記2本の垂下ラインに該当する箇所を突き合わせて縫合して弁輪縫合部2を形成する。また、前記心膜において、人工弁形成用テンプレート5の前記2本の第二水平ラインに該当する箇所を縫合して前乳頭筋縫合部3とし、人工弁形成用テンプレート5の前記2本の第一水平ラインに該当する箇所を縫合して後乳頭筋縫合部を形成する。
前記弁輪縫合部2の上下幅(すなわち、前記折り返した後のベースラインに該当するラインと、弁輪縫合部2の上端との間の距離)は、前記Y1の7.5%〜9.5%の長さであることが好ましく、8.0%〜9.0%の長さであることがより好ましい。これにより、従来の人工弁における「リング」の機能と同等の機能を維持しつつ、人工物であるリングの使用に伴う感染や栓塞栓症のリスクを回避することができる。
上記の構造からなる人工弁1は、弁輪縫合部2を患者の僧帽弁の弁輪と縫合し、前乳頭筋縫合部3を患者の前乳頭筋と縫合し、後乳頭筋縫合部4を後乳頭筋と縫合して、心臓内に植え込まれる。
(弁置換後に確認される効果)
サイドライン8と、第一水平ライン9と、第一湾曲ライン10と、第二水平ライン11と、第二湾曲ライン12に該当する線に囲まれた箇所は二股の脚状の構造からなり、腱索105に相当する機能を果たすため、上記の構造からなる人工弁1によれば、正常な僧帽弁同様に、弁輪部〜乳頭筋の連結が維持され、置換後の心機能の維持が期待できる。
上記の構造からなり、弁輪縫合部2を有する人工弁1によれば、従来、弁輪を補正あるいは補強する人工物であるリングの使用が不要になり、人工物の使用に伴う感染や栓塞栓症のリスクを回避することができる。ワーファリンといった抗血栓薬・抗凝固薬の内服も不要である。
僧帽弁のサイズには個体差があるが、ベースライン6の長さ(X)を患者の僧帽弁の弁輪の周長に相当する長さ(X´)とした人工弁形成用テンプレート5を用いて作成した人工弁1によれば、例えば、従来は弁置換を行うことができなかった新生児の狭小弁輪(直径15mm以下)に対しても、最適なサイズの人工弁を用いて弁置換を行うことができる。
また、従来の人工弁では、リングの外側に心臓に縫い付けるための布(カフ)を設けているため、置換後にカフの分だけ弁口面積の狭小化が生じるが、本発明の人工弁では、リングもカフも不要であり、本来の心臓にあった大きな有効弁口面積が得られ、心臓の収縮期拡張期に合わせた弁輪部の動きを保つことができる。
また、本発明の人工弁を用いた場合、十分な接合面の長さを保てるため、長期にわたり、弁の逆流を抑制することができる。
人工弁形成用テンプレート5のベースライン6から第一水平ライン9までの直線距離(Y1)及びベースライン6から第二水平ライン11までの直線距離(Y2)を、それぞれ前記長さとした人工弁形成用テンプレート5を用いて作成した人工弁によれば、正常な弁と同様に、乳頭筋〜前尖弁輪間の距離(Y1´)を、乳頭筋〜後尖弁輪間の距離(Y2´)より長く確保できる。これにより、弁閉鎖時には、後尖を正常の弁同様に可動させることができる。
さらに、Y1及びY2をそれぞれ前記長さとした人工弁形成用テンプレート5を用いて作成した人工弁によれば、僧帽弁収縮期前方運動(SAM/systolic anterior movement)を回避することができる。
心膜は、自己心膜が好ましい。自己心膜を用いることで、感染及び溶血性貧血の発生を回避することができ、組織適合性もよく、より長く柔軟性を保つことができる。
前記のように心膜は自己心膜が好ましいが、用途に応じて、牛、馬、豚などの異種心膜や、人工材料からなる膜を用いることもできる。
<実施形態2:三尖弁>
本実施形態では、ヒトの三尖弁の弁置換術において使用される人工弁形成用テンプレート及び人工弁について説明する。実施形態1と共通の構造については説明を省略する。
本実施形態の人工弁形成用テンプレート15は、図5に示すように、1本のベースライン16と、前記ベースライン16の両端から垂下する、2本の垂下ライン17と、前記2本の垂下ライン17の下端からそれぞれ内向き下方かつ半放物線状に延びる2本のサイドライン18と、前記2本のサイドライン18の下端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第一水平ライン19と、前記2本の第一水平ライン19の内端からそれぞれ上方かつ放物線状に延びる2本の第一湾曲ライン20を有する点は実施形態1と同様である。一方、実施形態1における2本の第二水平ライン11及び前記2本の第二水平ライン11の内端から上方かつ放物線状に延びる1本の第二湾曲ライン12に該当するラインは有さず、第一湾曲ライン20の内端をつなぐ1本の第二水平ライン21を有する点で相違している。
人工弁形成用テンプレート15を、心膜の上に置き、その外周に沿って心膜を切離して、人工弁形成用テンプレート15と略同一形状の心膜を得て弁輪縫合部を形成する点は実施形態1と共通である。
続いて、2本の第一水平ライン19に該当する箇所を突き合わせて縫合して後乳頭筋縫合部を形成するとともに、1本の第二水平ライン21に該当する箇所を中心点で折り曲げて突き合わせて縫合して内側乳頭筋縫合部を形成する。
上記の構造からなる人工弁は、弁輪縫合部を三尖弁の弁輪と縫合し、内側乳頭筋縫合部を内側乳頭筋と縫合し、後乳頭筋縫合部を後乳頭筋と縫合して、心臓内に植え込まれる。
<実施形態3:大動脈弁>
本実施形態では、ヒトの大動脈弁の弁置換術において使用される人工弁形成用テンプレート及び人工弁について説明する。実施形態1と共通の構造については説明を省略する。
本実施形態の人工弁形成用テンプレート5は、実施形態1と共通であり、図2に示すように、1本のベースライン6と、前記ベースライン6の両端から垂下する、2本の垂下ライン7と、前記2本の垂下ライン7の下端からそれぞれ内向き下方かつ半放物線状に延びる2本のサイドライン8と、前記2本のサイドライン8の下端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第一水平ライン9と、前記2本の第一水平ライン9の内端からそれぞれ上方かつ放物線状に延びる2本の第一湾曲ライン10と、前記2本の第一湾曲ライン10の内端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第二水平ライン11と、前記2本の第二水平ライン11の内端から上方かつ放物線状に延びる1本の第二湾曲ライン12を有する。
人工弁形成用テンプレート5を、心膜の上に置き、その外周に沿って心膜を切離して、人工弁形成用テンプレート5と略同一形状の心膜を得る点は実施形態1と共通である。
続いて、前記人工弁形成用テンプレート5と略同一形状の心膜において、人工弁形成用テンプレート5のベースラインに該当する箇所を下方に折り返して形成された袋状空間にワイヤーを挿入後、前記ワイヤーが前記袋状空間から露出しないように、前記ベースラインに該当する箇所を下方に折り返した位置で数か所を縫合する。前記縫合は、前記ベースラインに該当する箇所の両端間で8箇所程度、略等間隔で行うことが好ましい。前記ワイヤーの長さは、大動脈弁の弁輪の周径と略同一であることが好ましい。前記ワイヤーがらせん状や蛇腹状に加工した線材である場合、前記ワイヤーの長さとは、線材自体の長さを意味する。
続いて、前記2本の垂下ラインに該当する箇所を突き合わせて縫合して弁輪縫合部2を形成する。
続いて、前記2本の第一水平ライン9に該当する箇所を突き合わせて縫合して大動脈壁縫着部を形成するとともに、2本の第二水平ライン11に該当する箇所を突き合わせて縫合して大動脈壁縫着部を形成する。
上記の構造からなる人工弁は、弁輪縫合部を大動脈弁の弁輪と縫合または圧着し、大動脈壁縫着部を大動脈壁と縫合して、心臓内に植え込まれる。
本明細書において圧着とは、前記袋状空間に挿入したワイヤーの作用により、弁輪縫合部と大動脈弁を接合する手法を意味する。前記接合の手法として圧着を採用することで、縫合と比較して、手術手技の簡便化や、手術時間の短縮を図ることができる。
<実施形態4:肺動脈弁>
本実施形態では、ヒトの肺動脈弁の弁置換術において使用される人工弁形成用テンプレート及び人工弁について説明する。実施形態1と共通の構造については説明を省略する。
本実施形態の人工弁形成用テンプレート5は、実施形態1と共通であり、図2に示すように、1本のベースライン6と、前記ベースライン6の両端から垂下する、2本の垂下ライン7と、前記2本の垂下ライン7の下端からそれぞれ内向き下方かつ半放物線状に延びる2本のサイドライン8と、前記2本のサイドライン8の下端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第一水平ライン9と、前記2本の第一水平ライン9の内端からそれぞれ上方かつ放物線状に延びる2本の第一湾曲ライン10と、前記2本の第一湾曲ライン10の内端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第二水平ライン11と、前記2本の第二水平ライン11の内端から上方かつ放物線状に延びる1本の第二湾曲ライン12を有する。
人工弁形成用テンプレート5を、心膜の上に置き、その外周に沿って心膜を切離して、人工弁形成用テンプレート5と略同一形状の心膜を得る点は実施形態1と共通である。
続いて、前記人工弁形成用テンプレート5と略同一形状の心膜において、人工弁形成用テンプレート5のベースラインに該当する箇所を下方に折り返して形成された袋状空間にワイヤーを挿入後、前記ワイヤーが前記袋状空間から露出しないように、前記ベースラインに該当する箇所を下方に折り返した位置で数か所を縫合する。前記縫合は、前記ベースラインに該当する箇所の両端間で8箇所程度、略等間隔で行うことが好ましい。前記ワイヤーの長さは、肺動脈弁の弁輪の周径と略同一であることが好ましい。前記ワイヤーがらせん状や蛇腹状に加工した線材である場合、前記ワイヤーの長さとは、線材自体の長さを意味する。
続いて、前記2本の垂下ラインに該当する箇所を突き合わせて縫合して弁輪縫合部2を形成する。
続いて、2本の第一水平ライン9に該当する箇所を突き合わせて縫合して肺動脈壁縫着部を形成するとともに、2本の第二水平ライン11に該当する箇所を突き合わせて縫合して肺動脈壁縫着部を形成する。
上記の構造からなる人工弁は、弁輪縫合部を大動脈弁の弁輪と縫合または圧着し、肺動脈壁縫着部を肺動脈壁と縫合して、心臓内に植え込まれる。
本発明は、弁膜症治療のための弁置換術に用いる人工弁に適用できる。
1 人工弁
2 弁輪縫合部
3 前乳頭筋縫合部
4 後乳頭筋縫合部
5、15 人工弁形成用テンプレート
6、16 ベースライン
7、17 垂下ライン
8、18 サイドライン
9、19 第一水平ライン
10、20 第一湾曲ライン
11、21 第二水平ライン
12 第二湾曲ライン
101 僧帽弁
102 三尖弁
103 弁輪部
104 弁尖
105 腱索
106 乳頭筋
107 大動脈弁
108 肺動脈弁

Claims (14)

  1. 僧帽弁の弁輪と縫合される弁輪縫合部及び乳頭筋と縫合される乳頭筋縫合部を有する人工弁を形成するための人工弁形成用テンプレートであって、
    1本のベースラインと、
    前記ベースラインの両端から垂下する2本の垂下ラインと、
    前記2本の垂下ラインの下端からそれぞれ内向き下方かつ半放物線状に延びる2本のサイドラインと、
    前記2本のサイドラインの下端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第一水平ラインと、
    前記2本の第一水平ラインの内端からそれぞれ上方かつ放物線状に延びる2本の第一湾曲ラインと、
    前記2本の湾曲ラインの内端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第二水平ラインと、
    前記2本の第二水平ラインの内端から上方かつ放物線状に延びる1本の第二湾曲ラインを有する、人工弁形成用テンプレート。
  2. 前記ベースラインから前記第一水平ラインまでの直線距離(Y1)及び前記ベースラインから前記第二水平ラインまでの直線距離(Y2)が、それぞれ、以下の長さである、請求項1に記載の人工弁形成用テンプレート。
    Y1=前記僧帽弁の前尖弁輪と後乳頭筋間の直線距離に相当する長さ(Y1´)の107.5%〜109.5%
    Y2=前記僧帽弁の前尖弁輪と前乳頭筋間の直線距離に相当する長さ(Y2´)の107.5%〜109.5%
  3. 前記ベースラインの長さ(X)が、前記僧帽弁の弁輪の周長に相当する長さ(X´)である、請求項1又は2に記載の人工弁形成用テンプレート。
  4. 前記2本の垂下ラインの長さが、それぞれ、前記Y1の25〜35%の長さである、請求項2又は3に記載の人工弁形成用テンプレート。
  5. 三尖弁の弁輪と縫合される弁輪縫合部及び乳頭筋と縫合される乳頭筋縫合部を有する人工弁を形成するための人工弁形成用テンプレートであって、
    1本のベースラインと、
    前記ベースラインの両端から垂下する2本の垂下ラインと、
    前記2本の垂下ラインの下端からそれぞれ内向き下方かつ半放物線状に延びる2本のサイドラインと、
    前記2本のサイドラインの下端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第一水平ラインと、
    前記2本の第一水平ラインの内端からそれぞれ上方かつ放物線状に延びる2本の第一湾曲ラインと、
    前記2本の湾曲ラインの内端をつなぐ1本の第二水平ラインを有する、
    人工弁形成用テンプレート。
  6. 前記ベースラインから前記第一水平ラインまでの直線距離(Y1)及び前記ベースラインから前記第二水平ラインまでの直線距離(Y2)が、それぞれ、以下の長さである、請求項5に記載の人工弁形成用テンプレート。
    Y1=前記三尖弁の前尖弁輪と後乳頭筋間の直線距離に相当する長さ(Y1´)の107.5%〜109.5%
    Y2=前記三尖弁の前尖弁輪と内側乳頭筋間の直線距離に相当する長さ(Y2´)の107.5%〜109.5%
  7. 前記ベースラインの長さ(X)が、前記三尖弁の弁輪の周長に相当する長さ(X´)である、請求項5又は6に記載の人工弁形成用テンプレート。
  8. 前記2本の垂下ラインの長さが、それぞれ、前記Y1の25〜35%の長さである、請求項6又は7に記載の人工弁形成用テンプレート。
  9. 大動脈弁の弁輪と縫合または圧着される弁輪縫合部及び大動脈壁と縫合される大動脈壁縫合部を有する人工弁、を形成するための人工弁形成用テンプレートであって、
    1本のベースラインと、
    前記ベースラインの両端から垂下する2本の垂下ラインと、
    前記2本の垂下ラインの下端からそれぞれ内向き下方かつ半放物線状に延びる2本のサイドラインと、
    前記2本のサイドラインの下端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第一水平ラインと、
    前記2本の第一水平ラインの内端からそれぞれ上方かつ放物線状に延びる2本の第一湾曲ラインと、
    前記2本の湾曲ラインの内端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第二水平ラインと、
    前記2本の第二水平ラインの内端から上方かつ放物線状に延びる1本の第二湾曲ラインを有する、人工弁形成用テンプレート。
  10. 肺動脈弁の弁輪と縫合または圧着される弁輪縫合部及び肺動脈壁と縫合される肺動脈壁縫合部を有する人工弁、を形成するための人工弁形成用テンプレートであって、
    1本のベースラインと、
    前記ベースラインの両端から垂下する2本の垂下ラインと、
    前記2本の垂下ラインの下端からそれぞれ内向き下方かつ半放物線状に延びる2本のサイドラインと、
    前記2本のサイドラインの下端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第一水平ラインと、
    前記2本の第一水平ラインの内端からそれぞれ上方かつ放物線状に延びる2本の第一湾曲ラインと、
    前記2本の湾曲ラインの内端からそれぞれ内向きかつ水平状に延びる2本の第二水平ラインと、
    前記2本の第二水平ラインの内端から上方かつ放物線状に延びる1本の第二湾曲ラインを有する、人工弁形成用テンプレート。
  11. 請求項5に記載の人工弁形成用テンプレートを用いて形成された膜部材からなり、三尖弁の弁輪と縫合される弁輪縫合部と、内側乳頭筋と縫合される内側乳頭筋縫合部と、後乳頭筋と縫合される後乳頭筋縫合部を有し、
    前記弁輪縫合部が、前記膜部材において前記ベースラインに該当する箇所を下方に折り返した後、前記2本の垂下ラインに該当する箇所を突き合わせて縫合してなり、
    前記内側乳頭筋縫合部が、前記膜部材において第二水平ラインに該当する箇所を中心点で折り曲げて突き合わせて縫合してなり、
    前記後乳頭筋縫合部が、前記膜部材において前記2本の第一水平ラインに該当する箇所を縫合してなる、人工弁。
  12. 請求項6〜8の何れかに記載の人工弁形成用テンプレートを用いて形成された膜部材からなり、三尖弁の弁輪と縫合される弁輪縫合部と、内側乳頭筋と縫合される内側乳頭筋縫合部と、後乳頭筋と縫合される後乳頭筋縫合部を有し、
    前記弁輪縫合部が、前記膜部材において前記ベースラインに該当する箇所を下方に折り返した後、前記2本の垂下ラインに該当する箇所を突き合わせて縫合してなり、
    前記内側乳頭筋縫合部が、前記膜部材において第二水平ラインに該当する箇所を中心点で折り曲げて突き合わせて縫合してなり、
    前記後乳頭筋縫合部が、前記膜部材において前記2本の第一水平ラインに該当する箇所を縫合してなり、
    前記弁輪縫合部の上端から前記内側乳頭筋縫合部の下端までが、前記Y2´に相当する長さを有し、
    前記弁輪縫合部の上端から前記後乳頭筋縫合部の下端までが、前記Y1´に相当する長さを有する、人工弁。
  13. 請求項9に記載の人工弁形成用テンプレートを用いて形成された膜部材からなり、大動脈弁の弁輪と縫合または圧着される弁輪縫合部と、大動脈壁と縫合される大動脈壁縫合部を有し、
    前記弁輪縫合部が、前記膜部材において前記ベースラインに該当する箇所を下方に折り返した後、前記2本の垂下ラインに該当する箇所を突き合わせて縫合してなり、
    前記大動脈壁縫合部が、前記膜部材において前記2本の第二水平ラインに該当する箇所を縫合してなり、かつ、前記膜部材において前記2本の第一水平ラインに該当する箇所を縫合してなり、
    前記弁輪縫合部の前記下方に折り返して形成された袋状空間にワイヤーを挿入してなる、人工弁。
  14. 請求項10に記載の人工弁形成用テンプレートを用いて形成された膜部材からなり、肺動脈弁の弁輪と縫合または圧着される弁輪縫合部と、肺動脈壁と縫合される肺動脈壁縫合部を有し、
    前記弁輪縫合部が、前記膜部材において前記ベースラインに該当する箇所を下方に折り返した後、前記2本の垂下ラインに該当する箇所を突き合わせて縫合してなり、
    前記肺動脈壁縫合部が、前記膜部材において前記2本の第二水平ラインに該当する箇所を縫合してなり、かつ、前記膜部材において前記2本の第一水平ラインに該当する箇所を縫合してなり、
    前記弁輪縫合部の前記下方に折り返して形成された袋状空間にワイヤーを挿入してなる、人工弁。
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