JP6663241B2 - ピストンリング構造 - Google Patents

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本発明は、ピストンリング構造に関するものである。
図5に示す如く、自動車等における一般的なエンジンでは、シリンダ1内に収容されたピストン2がピストンピン3を介しコンロッド4の小端部4aにより揺動自在に支持されており、該コンロッド4の大端部4bがクランクピン5を介しクランクシャフトCSと連結されている。
そして、クランクピン5はクランクアームCAによりクランクシャフトCSの中心からずらした位置に支持されており、クランクピン5がクランクシャフトCSの中心回りに円軌道(図5中の一点鎖線を参照)を描いて移動し、コンロッド4がピストンピン3を中心に揺動しつつピストン2がシリンダ1内を昇降するようになっている。
更に、図6に要部を拡大して示す如く、ピストン2の上部外周には、上から順にファーストリング6、セカンドリング7、オイルリング8が外嵌装着されており、ファーストリング6とセカンドリング7がシリンダ1内の排気ガスを二段構えで逃がさないようにしている。
一方、前記シリンダ1内には、耐摩耗性を向上させる目的で円筒状のシリンダライナ9が嵌合され、このシリンダライナ9の内壁に潤滑油が補給されてファーストリング6とセカンドリング7の摩擦を防ぐようになっており、これらの下段側にあるオイルリング8がシリンダライナ9の内壁に残る余分な潤滑油を掻き落とす役割を果たすようになっている。
ここで、図7に平面図で示す如く、前述したファーストリング6、セカンドリング7、オイルリング8は、何れもピストン2の上部外周の環状溝10,11,12に対し外嵌装着し得るよう周方向の一箇所を合口6a,7a,8aとして切欠いたC形を成しており、この合口6a,7a,8aを拡げる方向に前記ファーストリング6、セカンドリング7、オイルリング8を弾性変形させることで拡径して前記環状溝10,11,12まで送り込み、該環状溝10,11,12への外嵌時には復元力により前記ファーストリング6、セカンドリング7、オイルリング8を合口6a,7a,8aを狭める方向に縮径させて確実な嵌合状態が得られるようにしてある。
尚、この種のピストンリング構造に関連する先行技術文献情報としては下記の特許文献1等がある。
特開2009−281421号公報
しかしながら、近年においては、多段過給システムの採用等により高過給化を進めて従来エンジンと同等の動力性能を確保したまま小型化を図り、これによりエンジン効率を上げて巡行時の燃費を改善するようにしたダウンサイジングエンジンの開発が進められており、これまでは特に問題とならなかったブローバイガスの増加が問題視されるようになってきている。
即ち、ダウンサイジングエンジンの高過給化に伴い筒内圧力と排気ガス温度が従来より大幅に上昇してきているため、ファーストリング6の合口6aの僅かな隙間を排気ガスが通り抜けて前記合口6a近傍の局部的な熱変形を招き、この局部的な熱変形により環状溝10とのシール面に隙間ができ易くなってガスシール性の大幅な低下を招いてしまっている。
事実、本発明者の鋭意研究によれば、あるエンジンで回転数を1000rpmとした高負荷運転条件において、ファーストリング6における合口6a直近の測定温度が230℃であった場合に、そこから周方向に10°ずれただけで184℃まで測定温度が下がるのに対し、更に周方向に10°ずれても174℃までしか測定温度が下がらないという測定結果が得られており、ファーストリング6の合口6a近傍だけが他の部位よりも局部的に温度上昇していることが確認されている。
ここで、ブローバイガスについて補足しておくと、ブローバイガスとは、エンジンの圧縮・燃焼行程で燃焼室13からクランクケース内に漏れ出たガスのことを指し、ミスト状のオイルが含まれていて大気汚染の原因にもなり得るため、大気開放せずにベンチレータを通してオイルを捕捉除去した後に吸気系に戻して再燃焼させなければならないものであり、このようなブローバイガスの増加が望ましくないことは言うまでもない。
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、高過給化に伴い筒内圧力と排気ガス温度が上昇しても高いガスシール性を確実に保持してブローバイガスの増加を回避し得るピストンリング構造を提供することを目的とする。
本発明は、ピストンの上部外周に形成された環状溝に対し外嵌装着し得るよう周方向の一箇所を合口として切欠いたファーストリングを有するピストンリング構造であって、前記ファーストリングの合口を挟んで対峙する両端部に、少なくとも該両端部における対峙面同士が被覆されるように前記ファーストリングの母材よりも熱伝導率の低い断熱材により断熱層を形成し、前記ファーストリングの母材と断熱材との間に両者の密着性を高めるボンドコート材を介在させたことを特徴とするものである。
而して、このようにすれば、ファーストリングの合口の僅かな隙間を排気ガスが通り抜けることで、ファーストリングの両端部の対峙面同士が高温に曝されたとしても、該対峙面同士が断熱層により被覆されているので、排気ガスからの伝熱が阻まれてファーストリングの合口近傍だけが高温化する事態が回避され、ファーストリングの周方向の温度勾配が小さくなって合口近傍の局部的な熱変形が抑制される結果、ピストン側の環状溝とのシール面に隙間ができ難くなって従前通りの高いガスシール性が確保されることになる。
また、ファーストリングの合口の僅かな隙間を通り抜ける排気ガスからの伝熱が阻まれることにより、ファーストリングに入る熱量が少なくなって該ファーストリングの温度が低下するため、シリンダライナとの間における潤滑油の適度な粘性が保たれ易くなって油膜の形成が良好となる。
尚、断熱材による断熱層の形成は、ファーストリングの合口を挟んで対峙する両端部についてのみ行われるようになっているので、水冷構造を持つシリンダ側へピストンの熱を逃がすファーストリングの役割が損なわれることはない。
更に、本発明においては、ファーストリングの母材と断熱材との間に両者の密着性を高めるボンドコート材を介在させているので、ファーストリングの母材と断熱材との密着性を高めて熱サイクル疲労寿命を延ばすことが可能となる。
また、本発明においては、断熱材がジルコニアであり、ボンドコート材がNiCrAlYであることが好ましい。即ち、ジルコニアは、熱伝導率が低いだけでなく、その熱膨張率が金属に近いことからファーストリングの母材(金属)との組み合わせに適しており、熱サイクル疲労寿命をより確実に延ばすことが可能となる。しかも、ジルコニアを断熱材とした場合のボンドコート材としてはNiCrAlYが好適である。
上記した本発明のピストンリング構造によれば、高過給化に伴い筒内圧力と排気ガス温度が上昇しても高いガスシール性を確実に保持することができるので、燃焼室からクランクケース内に漏れ出るブローバイガスの増加を回避することができ、しかも、シリンダライナとの間における油膜を良好に形成し得るようにして耐焼き付き性能も大幅に向上することができ、更には、ボンドコート材の介在によりファーストリングの母材と断熱材との密着性を高めて熱サイクル疲労寿命を延ばすことができ、特に断熱材がジルコニアでボンドコート材がNiCrAlYである場合には、熱サイクル疲労寿命をより効果的に延ばすことができる等種々の優れた効果を奏し得る。
本発明を実施する形態の一例を示す平面図である。 図1のII−II方向の矢視図である。 本発明の別の形態例を示す図1のII−II矢視相当図である。 本発明の更に別の形態例を示す図1のII−II矢視相当図である。 従来例を示す概略図である。 図5の要部を拡大して示す断面図である。 図6の主としてファーストリングに関する平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例を示すものであるが、これら図1及び図2に図示のないまま以下文中で図5及び図6と同一の符号を付して説明している部分については同一物を表わしているものとする。
本形態例においては、先に説明した図5及び図6の従来例と略同様に構成したピストンリング構造に関し、ファーストリング6の合口6aを挟んで対峙する両端部に、少なくとも該両端部における対峙面同士が被覆されるように前記ファーストリング6の母材よりも熱伝導率の低い断熱材により断熱層14を形成したところを特徴としており、ここに図示している例の場合は、ファーストリング6の両端部における対峙面だけでなく、その近傍の限定的な範囲まで含めた断熱層14とした例としている。
即ち、実質的には、ファーストリング6の合口6aを挟んで対峙する両端部における対峙面同士が被覆されていれば十分な断熱効果が期待できるものと考えられるが、前記対峙面だけを断熱材で被覆するというのも技術的に難しい上、前記対峙面の近傍の限定的な範囲まで含めた断熱層14となっていれば、ファーストリング6の合口6aの僅かな隙間を通り抜ける排気ガスに対し一層確実な断熱を図れるものとも考えられるため、敢えて対峙面だけを断熱材で被覆することには限定されない。
ただし、ファーストリング6には、水冷構造を持つシリンダ1(図5及び図6参照)側へピストン2(図5及び図6参照)の熱を逃がす役割もあるため、断熱材による断熱層14の形成は、ファーストリング6の合口6aを挟んで対峙する両端部についてのみ限定的に行われるようにしておくことが重要である。
ここで、断熱材による断熱層14の形成は、例えば溶射や溶着、電着、化学結合等のコーティング方法を用いて行うことができるが、その際には、ファーストリング6の母材と断熱材との間に両者の密着性を高めるボンドコート材を介在させることが好ましく、特に本形態例の場合には、断熱材をジルコニアとし且つボンドコート材をNiCrAlYとして断熱層14を形成するようにしている。
而して、このようにすれば、ファーストリング6の合口6aの僅かな隙間を排気ガスが通り抜けることで、ファーストリング6の両端部の対峙面同士が高温に曝されたとしても、該対峙面同士が断熱層14により被覆されているので、排気ガスからの伝熱が阻まれてファーストリング6の合口6a近傍だけが高温化する事態が回避され、ファーストリング6の周方向の温度勾配が小さくなって合口6a近傍の局部的な熱変形が抑制される結果、ピストン2(図5及び図6参照)側の環状溝10(図5及び図6参照)とのシール面に隙間ができ難くなって従前通りの高いガスシール性が確保されることになる。
また、ファーストリング6の合口6aの僅かな隙間を通り抜ける排気ガスからの伝熱が阻まれることにより、ファーストリング6に入る熱量が少なくなって該ファーストリング6の温度が低下するため、シリンダライナ9(図5及び図6参照)との間における潤滑油の適度な粘性が保たれ易くなって油膜の形成が良好となる。
従って、上記形態例によれば、高過給化に伴い筒内圧力と排気ガス温度が上昇しても高いガスシール性を確実に保持することができるので、燃焼室13(図5及び図6参照)からクランクケース内に漏れ出るブローバイガスの増加を回避することができ、しかも、シリンダライナ9(図5及び図6参照)との間における油膜を良好に形成し得るようにして耐焼き付き性能も大幅に向上することができる。
また、特に本形態例の場合には、ファーストリング6の母材と断熱材との間に両者の密着性を高めるボンドコート材を介在させているので、ファーストリング6の母材と断熱材との密着性を高めて熱サイクル疲労寿命を延ばすことができ、特にジルコニアを断熱材とした場合のボンドコート材としてはNiCrAlYが好適であり、熱サイクル疲労寿命を効果的に延ばすことができる。
更に、断熱材として用いたジルコニアは、熱伝導率が低いだけでなく、その熱膨張率が金属に近いことからファーストリング6の母材(金属)との組み合わせに適しており、熱サイクル疲労寿命をより効果的に延ばすことができる。
また、図1及び図2は合口6aの形状を直角型にした例を示しているが、図3に示す如き斜め型の合口6aに同様に適用したり、図4に示す如き段付き型の合口6aに同様に適用したりすることも可能であり、これら以外の型式の合口6aに同様に適用して前述と同じ作用効果を得ることができることは言うまでもない。
尚、本発明のピストンリング構造は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、断熱材をジルコニアとし且つボンドコート材をNiCrAlYとすることに限定されないこと、また、セカンドリングにも同様にして断熱層を形成するようにしても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
2 ピストン
6 ファーストリング
6a 合口
14 断熱層

Claims (2)

  1. ピストンの上部外周に形成された環状溝に対し外嵌装着し得るよう周方向の一箇所を合口として切欠いたファーストリングを有するピストンリング構造であって、前記ファーストリングの合口を挟んで対峙する両端部に、少なくとも該両端部における対峙面同士が被覆されるように前記ファーストリングの母材よりも熱伝導率の低い断熱材により断熱層を形成し、前記ファーストリングの母材と断熱材との間に両者の密着性を高めるボンドコート材を介在させたことを特徴とするピストンリング構造。
  2. 断熱材がジルコニアであり、ボンドコート材がNiCrAlYであることを特徴とする請求項に記載のピストンリング構造。
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