JP6663059B2 - 表示装置の取付部材 - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置の取付部材に関し、表示装置の保守性を向上させる表示装置の取付部材に関する。
近年、車載型のナビゲーションシステムやデジタルビデオディスク(DVD(Digital Versatile Disc))装置等の普及はめざましく、これに伴ってナビゲーションシステムやDVD装置等の本体に接続されるディスプレイいわゆる車載ディスプレイ装置も様々な態様で車両に取り付けられている。
車載ディスプレイ装置の取り付け設置に関する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の車載用画像表示装置は、図10に示すように、車両のフロントパネル部分の空間部内に設置され、画像表示面に画像を表示する画像表示装置25と、引出し押し込み可能に設けられ画像表示装置25を保持する車載取付部材である摺動支持部26とにより構成される。画像表示装置25は、摺動支持部26に、画像表示面が摺動支持部26の主面に対して並置(倒した状態、水平)されるか若しくは所定の角度(起こした状態、例えば垂直)を形成する様に、その基底部が摺動支持部26の旋回軸に旋回自在に保持されている。この旋回(第1の旋回)はチルト方向の旋回である。また、画像表示装置25は、摺動支持部26の側面に水平に設けたスリットの方向に旋回軸をずらすことにより、画像表示面が、第1の旋回方向と異なる方向に更に旋回可能であるようにしている。この旋回(第2の旋回)はスイブル方向の旋回である。
このように、特許文献1に開示の技術は、画像表示面をチルト方向とスイブル方向の旋回を行うようにして、運転席以外の例えば助手席にいる人に対して、見やすく構成された画像表示装置25を持った車載用画像表示装置を提供している。
実開平6−6112号公報
上述した特許文献1に開示の車載用画像表示装置は、画像表示装置25の画像表示面をチルト方向とスイブル方向の旋回を行うようにして見やすくしている。
一方、車載用画像表示装置に備えられた画像表示装置25は、通常、車両内の画像表示装置25とは別の個所に設置されたナビゲーションシステムやDVD装置等の本体にケーブルで接続されている。そして、画像表示装置25の修理や点検等の保守時には、画像表示装置25からケーブルを抜き、画像表示装置25を、車両のフロントパネル部分の空間部内に設置された、画像表示装置25の車載取付部材である摺動支持部26から取り外して保守作業を行う。あるいは、画像表示装置25を摺動支持部26から取り外した後に画像表示装置25からケーブルを抜いて保守作業を行う。そして、保守作業終了後、画像表示装置25に、本体へ接続するためのケーブルを接続し、車両のフロントパネル部分の空間部内に設置された摺動支持部26に画像表示装置25を取り付ける。あるいは、画像表示装置25を摺動支持部26に取り付けた後に画像表示装置25にケーブルを接続する。
このため、特許文献1に開示の装置は、画像表示装置25の保守時に、車両のフロントパネル部分の空間部内といった保守しにくい場所に設置された摺動支持部26(車載取付部材)に取り付けられた画像表示装置25に対してケーブルを挿抜する必要がある。また、画像表示装置25の保守時に、摺動支持部26から画像表示装置25を取り外したり取り付けたりする必要がある。このため、保守作業が容易でなく保守がしにくいといった問題がある。
本発明の目的は、上記課題を解決して、チルト方向とスイブル方向との旋回を可能としつつ、保守性の向上を可能とした表示装置の取付部材を提供することである。
本発明の表示装置の取付部材は、所定の個所に固定されるベースブラケットと、前記ベースブラケットに旋回可能に取り付けられたチルトブラケットと、前記チルトブラケットに傾斜可能に取り付けられたアームブラケットと、表示装置が固定されるとともに、前記アームブラケットに設けられた中心軸を中心に回転し、前記表示装置の背面と前記アームブラケットとの間が閉じられた状態と、開かれた状態とを選択可能に前記アームブラケットに取り付けられるジョイントブラケットとを備えている。
本発明によれば、チルト方向とスイブル方向との旋回を可能としつつ、保守性の向上を可能とした表示装置の取付部材を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る表示装置の取付部材の一例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る表示装置の取付部材の一例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る表示装置の取付部材の一例を示す図である 本発明の第3の実施の形態に係る表示装置の取付部材の一例を示す分解斜視図である。 ベースブラケットのスイブル機構の一例を示す図である。 チルトブラケットのチルト機構の一例を示す図である。 表示装置の通常の使用状態と保守時の状態とにおけるアームブラケットとジョイントブラケットとの位置関係、及びジョイントブラケットに設けられたピンの差し込み個所を説明する図である。 ジョイントブラケットのアームブラケットに対する回転を、ケンジントンロックによりロックする一例を示す図である。 表示装置の保守時における取付部材の動作の一例を示すフローチャートである。 関連技術における、車載用画像表示装置を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る表示装置の取付部材の一例を示す図である。
(a)は、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態を示し、(b)は、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が開かれた状態を示している。
本実施の形態に係る表示装置の取付部材1は、ベースブラケット2と、チルトブラケット3と、アームブラケット4と、ジョイントブラケット5とにより構成される。
ベースブラケット2は、所定の個所(例えば、車両のフロントパネルの上面)に固定される。チルトブラケット3は、ベースブラケット2に、このベースブラケット2に旋回(スイブル方向の旋回)可能に取り付けられる。アームブラケット4は、チルトブラケット3に傾斜(チルト方向の旋回)可能に取り付けられる。ジョイントブラケット5は、表示装置6が固定される。そして、ジョイントブラケット5は、アームブラケット4に設けられた中心軸を中心に回転し、表示装置の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態と、開かれた状態とを選択可能にアームブラケット4に取り付けられる。
通常、表示装置6は、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態で使用される。そして、表示装置6の保守時に、保守者の操作により、ジョイントブラケット5をアームブラケット4に設けられた中心軸を中心に回転させ、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態であったものを、開かれた状態にする。表示装置6の背面とアームブラケット4との間が開かれているので、保守者は、通常背面にあるケーブルを、容易に挿抜することができる。また、表示装置6を取付部材1から取り外すことなく背面への保守作業ができる。
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、表示装置の保守時に、保守し易い開かれた状態でケーブルを挿抜でき、また、取付部材から表示装置を取り外すことなく保守作業ができる。このため、チルト方向とスイブル方向との旋回を可能としつつ、保守性が向上する。
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る表示装置の取付部材の一例を示す図である。
(a)は、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態を示し、(b)は、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が開かれた状態を示している。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態をより具体化したものである。主に第1の実施の形態と相違する部分について説明する。
本実施の形態に係る表示装置の取付部材1は、ベースブラケット2と、チルトブラケット3と、アームブラケット4と、ジョイントブラケット5とにより構成される。
ベースブラケット2は、所定の個所(例えば、車両のフロントパネルの上面)に固定される平板形状の例えば板金のブラケットである。
チルトブラケット3は、ベースブラケット2に、このベースブラケット2の平面と水平に旋回(スイブル方向の旋回)可能に取り付けられ、左右の折り曲げ面にチルト調整用の固定穴を(円周上に)複数開けた、例えば板金のブラケットである。
アームブラケット4は、チルトブラケット3のチルト調整用の複数の固定穴に対応する部分に予め備えた雌ネジを重ね、雄ネジにて固定することにより、チルトブラケット3に傾斜(チルト方向の旋回)可能に取り付けられる。アームブラケット4は、板金の略箱状のブラケットであり、左上部に、外側に折り曲げたL字部21を有する。L字部21の下側にジョイントブラケット5を支えるための板片22を有する。L字部21の先端付近にアームブラケット4とジョイントブラケット5とをネジ固定するためのネジ穴が設けられている。
ジョイントブラケット5は、表示装置6を、表示装置6の背面側でネジ止めにて固定する。ジョイントブラケット5は、アームブラケット4のL字部21の先端付近に設けられたネジ穴に挿し込むネジ(ネジJR14)の中心軸を中心に回転可能である。ジョイントブラケット5は回転することにより、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態(図2(a))と、開かれた状態(図2(b))とを選択可能にアームブラケット4に取り付けられる。
通常、表示装置6は、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態で使用される。
そして、表示装置6の保守時に、保守者の操作により、ジョイントブラケット5をアームブラケット4に設けられた中心軸を中心に回転(A方向)させ、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態であったものを、開かれた状態にする。
表示装置6の背面とアームブラケット4との間が開かれているので、保守者は、通常背面にあるケーブルを、容易に挿抜することができる。また、表示装置6を取付部材1から取り外すことなく背面への保守作業ができる。
そして、保守作業終了後、保守者の操作により、ジョイントブラケット5をアームブラケット4の中心軸を中心に回転(B方向)させ、表示装置6の背面とアームブラケット4との間を閉じられた状態にして、表示装置6を通常の使用状態にする。
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、ベースブラケット2にスイブル方向の旋回が可能に取り付けられたチルトブラケット3を有し、チルトブラケット3にチルト方向の旋回が可能に取り付けられたアームブラケット4を有する。そして、このアームブラケット4に、表示装置6が固定されたジョイントブラケット5を取り付ける。このジョイントブラケット5は、アームブラケット4に設けられた中心軸を中心に回転し、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態と、開かれた状態とを選択可能にアームブラケット4に取り付けられる。
そして、表示装置6の保守時に、保守者の操作により、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態であったものを、開かれた状態にするように選択する。このため、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が開かれた状態であるので、通常背面にあるケーブルを、容易に挿抜できる。また、表示装置6を取付部材から取り外すことなく背面への保守作業ができる。
そして、保守作業終了後、保守者の操作により、表示装置6の背面とアームブラケット4との間を閉じられた状態にして、表示装置6を通常の使用状態にする。
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、表示装置の保守時に、保守し易い開かれた状態でケーブルを挿抜でき、また、取付部材から表示装置を取り外すことなく保守作業ができる。このため、チルト方向とスイブル方向との旋回を可能としつつ、保守性が向上する。
(第3の実施の形態)
図3乃至図9を参照して、本発明の第3の実施の形態を説明する。
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態の表示装置の取付部材1に、ピン(ピンA8)と、切欠き(切欠きJA11、切欠きJB12、切欠きJC13)を付加して第1の実施の形態をより具体化したものである。主に第2の実施の形態と相違する部分について説明する。
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る表示装置の取付部材の一例を示す図である。図3(a)は、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態を示し、(b)は、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が開かれた状態を示している。
本実施の形態に係る表示装置の取付部材1は、ベースブラケット2と、チルトブラケット3と、アームブラケット4と、ジョイントブラケット5と、ピン(ピンA8)と、切欠き(切欠きJA11、切欠きJB12、切欠きJC13)とにより構成される。
ピン(ピンA8)は、ジョイントブラケット5の下面に設けられ、アームブラケット4に設けられた穴に挿入することにより、ジョイントブラケット5を表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態または開かれた状態に仮固定可能とする。ピンA8は、ジョイントブラケット5の下側に隠れているので、図3ではピンA8の位置を示してある。
アームブラケット4に設けられた穴は、第1のピン穴(ピン穴AA18)と第2のピン穴(ピン穴AB19)(図7参照)とである。
ピン(ピンA8)は、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態のときに、ピン穴AA18に挿入してジョイントブラケット5を仮固定する。そして、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が開かれた状態のときに、ピン穴AB19に挿入してジョイントブラケット5を仮固定する。表示装置6の背面とアームブラケット4との間が開かれた状態は、閉じられた状態からアームブラケット4に設けられた中心軸を中心に所定の方向にジョイントブラケット5を90°回転したときの状態である。表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態は、開かれた状態からアームブラケット4に設けられた中心軸を中心に所定の方向とは反対の方向にジョイントブラケット5を90°回転したときの状態である。
切欠き(切欠きJA11、切欠きJB12、切欠きJC13)は、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態でアームブラケット4に設けられた雌ネジに螺合するネジ(ネジJA15、ネジJB16、ネジJC17)を通すためにジョイントブラケット5に設けられている。
切欠きは、切欠きJA11、切欠きJB12、及び切欠きJC13である。ネジは、ネジJA15、ネジJB16、及びネジJC17である。切欠き(切欠きJA11、切欠きJB12、切欠きJC13)は、ジョイントブラケット5の回転時(A方向)に螺合したネジが通過すべくジョイントブラケット5の縁に形成され、縁に続く部分が開放されたU字状の切欠きである。
ジョイントブラケット5は、ジョイントブラケット5をアームブラケット4に固定するネジが緩んだ状態で、ジョイントブラケット5のピン(ピンA8)がアームブラケット4のピン穴AA18から抜かれて仮固定から開放される。仮固定から開放されることにより所定の方向に90°回転可能となる。緩んだ状態のネジは、ジョイントブラケット5を所定の方向に90°回転させたときに、ネジに対応する個所にあるジョイントブラケット5の切欠きの開放個所をそれぞれ通過する。
また、ジョイントブラケット5は、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が開かれた状態からアームブラケット4の中心軸を中心に所定の方向とは反対の方向にジョイントブラケット5を90°回転させたときに仮固定する。このとき、ジョイントブラケット5は、ジョイントブラケット5の切欠きの開放個所に、緩んでいるネジを嵌めた後に仮固定する。
次に、本実施の形態の表示装置の取付部材の動作を、図4、図5、図6、図7、図8及び図9を使用して説明する。
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る表示装置の取付部材の一例を示す分解斜視図である。ベースブラケット2は、所定の個所に固定される平板形状の例えば板金のブラケットである。チルトブラケット3は、ベースブラケット2に、このベースブラケット2の平面と水平に旋回(スイブル方向の旋回)可能に取り付けられ、左右の折り曲げ面にチルト調整用の固定穴を円周上に複数設けた、例えば板金のブラケットである。
アームブラケット4は、チルトブラケット3のチルト調整用の複数の固定穴に対応する部分に予め備えた左右各2つの雌ネジを重ね、左右各2つの雄ネジにて固定することにより、チルトブラケット3に傾斜(チルト方向の旋回)可能に取り付けられる。アームブラケット4は、例えば板金の略箱状のブラケットであり、左上部に、外側に折り曲げたL字部21を有する。L字部21の下側に、ジョイントブラケット5を支えるための、ジョイントブラケット5に設けられたピンB9を挿し込む穴(ピン穴AC20)が設けられた板片22を有する。L字部21の先端付近に、アームブラケット4とジョイントブラケット5とをネジ固定するためのネジ穴が設けられている。また、L字部21の先端付近に、ジョイントブラケット5を仮固定するための、ジョイントブラケット5に設けられたピンA8を挿し込む穴(第1のピン穴(ピン穴AA18)と第2のピン穴(ピン穴AB19))が設けられている。
ジョイントブラケット5は、表示装置6を、表示装置6の背面側でネジ止めにて固定する。ジョイントブラケット5は、アームブラケット4のL字部21の先端付近に設けられたネジ穴に挿し込むネジ(ネジJR14)の中心軸(アームブラケット4の板片22の穴(ピン穴AC20)に挿し込むピンB9の中心軸)を中心に回転可能である。ジョイントブラケット5には、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態でアームブラケット4に設けられた雌ネジに螺合するネジを通すための例えばU字状の切欠き(切欠きJA11、切欠きJB12、切欠きJC13)が設けられている。この切欠き(切欠きJA11、切欠きJB12、切欠きJC13)は、ジョイントブラケット5の開かれた状態への回転時に螺合したネジ(ネジJA15、ネジJB16、ネジJC17)が通過すべくジョイントブラケット5の縁に形成され、縁に続く部分が開放された切欠きである。
図5は、ベースブラケットのスイブル機構の一例を示す図である。(a)はスイブル機構による回転前の取付部材を示す図、(b)はスイブル機構による回転後の取付部材1を示す図、(c)は回転前の取付部材1のA−A断面図、(d)は回転後の取付部材1のB−B断面図をそれぞれ示す。チルトブラケット3はベースブラケット2に対して軸BR(スイブル回転支点)を中心にして回転可能に取り付けられている。(c)図に示すネジBA、ネジBBに対応するベースブラケット2の位置には、チルトブラケット3を固定するための雌ねじが設けてある。チルトブラケット3の底面には軸BRを中心に円周状に6個の穴と1個の長穴が設けてある。ネジBAとネジBBの固定ネジを隣の穴に移動させるように、チルトブラケット3を回転させることにより、チルトブラケット3(表示装置6)を15°回転させることができる。例えば、(d)図の位置までチルトブラケット3を回転させ、ネジBAとネジBBを固定することにより右にチルトブラケット3、すなわち、アームブラケット4を30°回転させることができる。
図6は、チルトブラケットのチルト機構の一例を示す図である。(a)はチルトブラケット3にアームブラケット4を垂直に固定したときの側面図、(b)はチルトブラケット3にアームブラケット4を水平に固定したときの側面図をそれぞれ示す。チルトブラケット3には、軸TRを中心に円周状にチルト調整用の13個の固定穴が設けてある。図に示すネジTA、ネジTBに対応するアームブラケット4の位置には、アームブラケット4を固定するための雌ねじが設けてある。ネジTAとネジTBの各固定ネジを(a)図で示す垂直固定時から時計回りに一つ隣の穴に移動することでアームブラケット4(表示装置6)をC方向に15°傾けることができる。例えば、ネジTAとネジTBを取り外し、アームブラケット4を15°傾かせ、ネジTAとネジTBを(a)図で示す垂直固定時から時計回りに一つ隣の穴に移動して固定することによる。一つ移動させるたびに15°傾き、90°まで傾けることができる。例えば、ネジTAとネジTBを取り外し、アームブラケット4を傾かせ(b)図で示す水平固定時の位置に取り付ける。このことにより、アームブラケット4(表示装置6)の向きを軸TRを支点にベースブラケット2の面の垂直方向から水平方向に90°回転させることができる。
図7は、表示装置の通常の使用状態と保守時の状態とにおけるアームブラケット4とジョイントブラケット5との位置関係、及びジョイントブラケット5に設けられたピン(ピンA8)の差し込み個所を説明する図である。本図は、アームブラケット4の左下からL字部21を見上げた状態を示す。(a)は、表示装置の通常の使用状態での図を示す。表示装置6の通常の使用状態とは、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態である。(a)図は、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態のときに、アームブラケット4のL字部21にジョイントブラケット5の対応する個所(ジョイントブラケット5のL字部21)を重ね、ジョイントブラケット5に設けられたピンA8をピン穴AA18に挿入した状態を示す。また、アームブラケット4の板片22のピン穴AC20に、ジョイントブラケット5に設けられたピンB9を挿入した状態を示す。
(b)は、表示装置の保守時(90°回転)の状態での図を示す。表示装置6の保守時の状態とは、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が開かれた状態である。(b)図のジョイントブラケット5は、(a)図のジョイントブラケット5に対し90°回転している。(b)図は、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が開かれた状態のときに、アームブラケット4のL字部21の先端部分に90°回転したジョイントブラケット5の対応する個所を重ね、ジョイントブラケット5に設けられたピンA8をピン穴AB19に挿入した状態を示す。また、アームブラケット4の板片22のピン穴AC20に、ジョイントブラケット5に設けられたピンB9を挿入した状態を示す。ジョイントブラケット5は、アームブラケット4に対し、ネジJR14の中心軸(アームブラケット4の板片22のピン穴AC20に挿し込むピンB9の中心軸)を中心に回転可能である。
図8は、ジョイントブラケット5のアームブラケット4に対する回転を、ケンジントンロックによりロックする一例を示す図である。(a)はケンジントンロックを掛ける前の図である。(b)はケンジントンロックを掛けた後の図である。アームブラケット4にはセキュリティスロット(不図示)が設けられ、ジョイントブラケット5には、ロック用穴が設けられている。ロック用穴は、表示装置6の背面とアームブラケット4との間を閉じたときに、アームブラケット4に設けられたセキュリティスロットに重なるように設けられ、セキュリティスロットに挿入されたケンジントンロックの先端が貫通する。このようにすることにより、特殊な工具を使用することな表示装置6および取付部材の盗難を防止できる。
図9は、表示装置の保守時における取付部材の動作の一例を示すフローチャートである。
ここで、表示装置6の保守時における取付部材の動作について説明する。
取付部材1はベースブラケット2により、例えば、車両のフロントパネルの上面等に固定される。そして、表示装置6は、取付部材1のジョイントブラケット5に取り付けられて使用される。通常、表示装置6は、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態で使用される。このときには、アームブラケット4に設けられた所定のネジ穴に挿入される所定のネジを、この所定のネジに対応するジョイントブラケット5の穴や切欠き(切欠きJA11、切欠きJB12、切欠きJC13)をそれぞれ介して締付けてジョイントブラケット5をアームブラケット4に固定する。所定のネジとは、ネジJR14、ネジJA15、ネジJB16及びネジJC17である。すなわち、この所定のネジを、ネジJR14に対応する穴、ネジJA15に対応する切欠きJA11、ネジJB16に対応する切欠きJB12、ネジJC17に対応する切欠きJC13、をそれぞれ介して締付けてジョイントブラケット5をアームブラケット4に固定する。所定のネジや、これに対応する切欠き(切欠きJA11、切欠きJB12、切欠きJC13)は、ネジJR14、ネジJA15、ネジJB16及びネジJC17や、切欠きJA11、切欠きJB12、及び切欠きJC13に限らず、適宜設置して良い。また、このとき、ジョイントブラケット5のピンA8はアームブラケット4に設けられたピン穴AA18に、ジョイントブラケット5のピンB9はアームブラケット4に設けられたピン穴AC20にそれぞれ挿入されている。
そして、図9のステップS1では、表示装置6の保守時に、保守者の操作により、所定のネジ(ネジJR14、ネジJA15、ネジJB16及びネジJC17)を緩める。
図9のステップS2では、保守者の操作により、ジョイントブラケット5(表示装置6)を若干(ピンが抜ける程度)持ち上げてピンA8をピン穴AA18から抜く。そして、ジョイントブラケット5をアームブラケット4に設けられた中心軸(ネジJR14の中心軸)を中心にA方向に90°回転させる。
このとき、緩めたネジJA15、ネジJB16及びネジJC17は、ジョイントブラケット5のこれらのネジに対応する個所にあるU字状の切欠きJA11、切欠きJB12及び切欠きJC13部分の開放個所をそれぞれ通過する。このため、ネジを外すことなく、緩めるだけでジョイントブラケット5を回転させることができる。
図9のステップS3では、保守者の操作により、ジョイントブラケット5をアームブラケット4に仮固定する。すなわち、ジョイントブラケット5のピンA8をピン穴AB19の上へ移動させ、ジョイントブラケット5をアームブラケット4上に降ろして、ピンA8をピン穴AB19へ挿し込む。これにより、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が閉じられた状態であったものが、開かれた状態になる。開かれた状態であっても、ジョイントブラケット5がアームブラケット4にピン(ピンA8)により仮固定されているので、ジョイントブラケット5が脱落することなく保守作業ができる。
ここで、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が開かれているので、保守者は、通常背面にあるケーブルを、容易に挿抜することができる。また、表示装置6を取付部材1から取り外すことなく背面への保守作業ができる。また、ジョイントブラケット5をアームブラケット4に仮固定したまま、表示装置6を運用することにより、保守した内容の良否を確認することができる。
そして、図9のステップS4では、保守作業を行った後、保守者の操作により、ジョイントブラケット5(表示装置6)を若干(ピンが抜ける程度)持ち上げてピンA8をピン穴AB19から抜く。そして、ジョイントブラケット5をアームブラケット4の中心軸を中心にA方向は反対のB方向に90°回転させる。このとき、ジョイントブラケット5の切欠きJA11、切欠きJB12及び切欠きJC13の開放個所に、緩んでいるネジJA15、ネジJB16及びネジJC17を嵌める。
図9のステップS5では、保守者の操作により、ジョイントブラケット5をアームブラケット4に仮固定する。すなわち、すなわち、ジョイントブラケット5のピンA8をピン穴AA18の上へ移動させ、ジョイントブラケット5をアームブラケット4上に降ろして、ピンA8をピン穴AA18へ挿し込む。これにより、表示装置6の背面とアームブラケット4との間が開かれた状態であったものが、閉じられた状態になる。
図9のステップS6では、保守者の操作により、ジョイントブラケット5をアームブラケット4に仮固定した後で、所定のネジ(ネジJR14、ネジJA15、ネジJB16及びネジJC17)を締めることによりジョイントブラケット5をアームブラケット4に本固定する。
このように、ジョイントブラケット5をアームブラケット4に仮固定した状態で本固定することができる。このため、保守者が、ネジ締め等の本固定をする際に、手等で表示装置6を持ったり、支えたりせずに済むので、保守作業が容易になり、通常の使用状態への普及が容易になる。
このように、本発明の第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態で取得した効果に加え、次のような効果がある。すなわち、ジョイントブラケットに切欠きを設け、表示装置の背面とアームブラケット4との間を開かれた状態にするときに、ジョイントブラケットをアームブラケット4に取り付けるネジを、この切欠きの開放個所を通過するようにした。このため、ネジを外すことなく、緩めるだけでジョイントブラケットを回転させることができるので、保守作業が容易となり、保守性が向上する。
また、表示装置の背面とアームブラケットとの間が開かれている状態で、ジョイントブラケットをアームブラケットにジョイントブラケットに設けたピン(ピンA8)により仮固定するようにした。このため、開かれた状態であっても、ジョイントブラケットがアームブラケットにピン(ピンA8)により仮固定されているので、ジョイントブラケットが脱落することなく保守作業ができる。
更に、表示装置の背面とアームブラケットとの間が開かれている状態に仮固定されるので、保守者は、通常背面にあるケーブルを、容易に挿抜することができる。また、表示装置を取付部材から取り外すことなく背面への保守作業ができる。また、ジョイントブラケットをアームブラケットに仮固定したまま、表示装置を運用することにより、保守した内容の良否を確認することができる。このため、保守作業が容易となり、保守性が向上する。
また、表示装置の背面とアームブラケットとの間が閉じられた状態で、ジョイントブラケットをアームブラケットに仮固定した後に本固定することができる。このため、保守者が、ネジ締め等の本固定をする際に、手等で表示装置を持ったり、支えたりせずに済むので、保守作業が容易になり、保守性が向上する。
更に、ジョイントブラケットのアームブラケットに対する回転を、ケンジントンロックによりロックするようにしたので、特殊な工具を使用することな表示装置および取付部材の盗難を防止できる。
1 取付部材
2 ベースブラケット
3 チルトブラケット
4 アームブラケット
5 ジョイントブラケット
6 表示装置
8 ピンA
9 ピンB
11 切欠きJA
12 切欠きJB
13 切欠きJC
14 ネジJR
15 ネジJA
16 ネジJB
17 ネジJC
18 ピン穴AA
19 ピン穴AB
20 ピン穴AC
21 L字部
22 板片
25 画像表示装置
26 摺動支持部

Claims (6)

  1. 所定の個所に固定されるベースブラケットと、
    前記ベースブラケットに旋回可能に取り付けられたチルトブラケットと、
    前記チルトブラケットに傾斜可能に取り付けられたアームブラケットと、
    表示装置が固定されるとともに、前記アームブラケットに設けられた中心軸を中心に回転し、前記表示装置の背面と前記アームブラケットとの間が閉じられた状態と、開かれた状態とを選択可能に前記アームブラケットに取り付けられるジョイントブラケットと、
    前記ジョイントブラケットに設けられ、前記アームブラケットに設けられた穴に挿入することにより、前記ジョイントブラケットを前記表示装置の背面と前記アームブラケットとの間が閉じられた状態または開かれた状態に仮固定可能なピンと、
    前記表示装置の背面と前記アームブラケットとの間が閉じられた状態で前記アームブラケットに設けられた雌ネジに螺合するネジを通すための前記ジョイントブラケットに設けられ、前記ジョイントブラケットの回転時に螺合した前記ネジが通過すべく前記ジョイントブラケットの縁に続く部分が開放された切欠きと、
    を備えことを特徴とする表示装置の取付部材。
  2. 前記アームブラケットに設けられた穴は、第1のピン穴と第2のピン穴とであり、
    前記ピンは、前記表示装置の背面と前記アームブラケットとの間が閉じられた状態のときに、前記第1のピン穴に挿入して前記ジョイントブラケットを仮固定し、前記閉じられた状態から前記アームブラケットに設けられた前記中心軸を中心に所定の方向に前記ジョイントブラケットを90°回転したときの状態である、前記表示装置の背面と前記アームブラケットとの間が開かれた状態のときに、前記第2のピン穴に挿入して前記ジョイントブラケットを仮固定する、
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置の取付部材。
  3. 前記ジョイントブラケットは、該ジョイントブラケットを前記アームブラケットに固定するネジが緩んだ状態で、前記ジョイントブラケットの前記ピンが前記アームブラケットの前記第1のピン穴から抜かれて前記仮固定から開放されることにより前記所定の方向に90°回転可能となり、
    緩んだ状態の前記ネジは、前記ジョイントブラケットを前記90°回転させたときに、前記ネジに対応する個所にある前記ジョイントブラケットの前記切欠きの開放個所をそれぞれ通過する、
    ことを特徴とする請求項2記載の表示装置の取付部材。
  4. 記アームブラケットに設けられた穴は、第1のピン穴と第2のピン穴とであり、
    前記ピンは、前記開かれた状態から前記アームブラケットに設けられた前記中心軸を中心に前記所定の方向とは反対の方向に前記ジョイントブラケットを90°回転したときの状態である、前記表示装置の背面と前記アームブラケットとの間が閉じられた状態のときに、前記第1のピン穴に挿入して前記ジョイントブラケットを仮固定する、
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の表示装置の取付部材。
  5. 前記所定の方向とは反対の方向に前記90°回転させたときに、前記ジョイントブラケットの切欠きの開放個所に、緩んでいる前記ネジを嵌めた後に前記仮固定する、
    ことを特徴とする請求項記載の表示装置の取付部材。
  6. 前記表示装置の背面と前記アームブラケットとの間を閉じたときに、前記アームブラケットに設けられたセキュリティスロットに重なるように前記ジョイントブラケットに設けられ、セキュリティスロットに挿入されたケンジントンロックの先端が貫通するロック用穴を有する、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の表示装置の取付部材。
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