JP6662268B2 - フックレバー構造 - Google Patents
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Description
本発明は、フックレバー構造、特に電話機のフックレバー構造に関する。
従来、電話機において、ハンドセットをオンフック又はオフフックすることにより、回線を切断又は捕捉するフックレバー構造が知られている。すなわち、ハンドセットの受話部を収容する凹部には、揺動自在に取り付けられているフックレバーのボタン部が常時は突出するように設けられており、ボタン部を押下げると、フックレバーの作動部に係合して動作するように設けられているフックスイッチがオフとなることにより、回線が切断される。反対に、ボタン部が突出しているときは、フックスイッチがオンとなることにより、回線が捕捉される。
このようなフックレバー構造を有する電話機は、一般的には固定電話であり、壁掛け状態と卓上状態で使用される。ここで、壁掛け状態の電話機では、ハンドセットが落下しないようにフックが設けられており、概ねハンドセットの位置は固定される。これに対し、卓上状態の電話機では、使用者の便宜を考慮して、筐体の角度を数段階に調整できるものが多いが、その角度によっては、ハンドセットの位置が必ずしも固定されないことがある。例えば、筐体の角度が小さい(電話機が寝ている状態)ときは、ハンドセットの自重によってフックレバーのボタン部が確実に押下げされるが、筐体の角度が大きい(電話機が立っている状態)ときは、使用者の置き方によっては、ハンドセットの自重がフックレバーのボタン部に十分には掛からず、半掛けの状態となる。そうすると、フックスイッチがオフとならず、ひいては回線が切断されないという事象が発生する。
この事象を解消する発明として、例えば特許文献1が開示されている。特許文献1は、フックスイッチのスイッチが確実に開くとともに、フックスイッチの破損を防止することを目的として、フックレバーの回転軸とボタン部との間、又は同回転軸と作動部との間のいずれか一方において、回動軸の周りを弾性変形可能な連結部材で連結するものである。この弾性変形可能な連結部材は、フックレバーのストローク量を大きく取るとともに、大きくなったストロークを吸収する。
しかしながら、特許文献1では、連結部材を形成する必要があるため、フックレバーが大型化するという問題があり、また、連結部材の弾性変形の調整が困難であったり、製造上の個体差や時間の経過に伴う塑性変形によってフックスイッチを完全に押下げできなかったりするという問題があった。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであり、回動する際のストローク量の増大ひいてはフックレバーの大型化を招くとことなく、確実にフックスイッチを動作させることができるフックレバー構造を提供する。
上記した課題を解決するために、本発明は、以下の態様によって把握される。(1)本発明に係る態様は、電話機のフックレバー構造であって、電話機の筐体に支持される軸部と、前記軸部に回動可能に軸支されるフックレバーと、を備え、前記フックレバーが、前記電話機のハンドセットの受話部によって押下げされるボタン部と、前記軸部を挟んで前記ボタン部の反対側に位置して回線を開閉するフックスイッチを作動させる作動部とを有し、前記作動部が、前記軸部からみて手前側及び奥側において、前記フックスイッチを動作させる突起部を有することを特徴とする。
(2)上記(1)に記載の構成において、前記フックスイッチが前記フックレバーの前記作動部に対して交差する方向に形成された作動レバーを有し、前記作動レバーが前記突起部によって押上げされる。
(3)上記(2)に記載の構成において、前記ボタン部が押下げされたとき、前記突起部が、まずは手前側において、引き続いて奥側において、前記作動レバーを押上げる。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の構成において、前記突起部が、互いに離間する手前側の第1突起部と奥側の第2突起部とを含む。
本発明によれば、回動する際のストローク量の増大ひいてはフックレバーの大型化を招くとことなく、確実にフックスイッチを動作させることができるフックレバー構造を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明するが、各図において、同一符号は同一又は対応する部分を示す。また、本発明は、以下の説明からも明らかなようにこれらの実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において当業者であれば種々の変形が可能である。
(実施形態の構成) 図1は、電話機1の筐体10のうち、ハンドセット20の受話部21(ハンドセット20については、図3参照)を収容する凹部11の周辺を示している。凹部11の略中央には開口部12が設けられており、フックレバー30のボタン部32が露出している。凹部11の裏面側にはフックレバー30の軸部31を回動可能に支持する軸受部13が設けられている。
フックレバー30は、軸受部13に支持される軸部31と、軸部31が貫通する基部35と、基部35から図中上方に延在する前述のボタン部32と、基部35から図中下方に延在する作動部33を備えている。軸部31は、ボタン部32から延在する一対の軸支持部34によって挟持されている。フックレバー30は、軸部31が軸受部13によって回動可能であり、ボタン部32がハンドセット20の受話部21などによって押下げされると、作動部33が押上げられる。
作動部33と交差する方向にはフックスイッチ40が位置しており、作動レバー41の昇降に応じてフックスイッチ40がOFF/ONとなる。作動部33の作動レバー41側には、作動レバー41の下面に対向する位置に舌片330が延在しており、舌片330の上面には、軸部31から見て手前側に第1突起部331が、奥側に第2突起部332が設けられている。作動部33が上昇すると、第1突起部331及び第2突起部332によって作動レバー41が押上げされる。
図2は、フックレバー30及びフックスイッチ40を抽出して示した斜視図であり、フックレバー30は、例えば合成樹脂で形成されている。
図3及び図4を参照して、ハンドセット20の受話部21を凹部11に載置したときのフックレバー30の機能を説明する。図3及び図4では、ハンドセット20を載置しない場合の常時の状態(初期状態)におけるフックレバー30を実線で、動作した後の状態を二点鎖線で示している。図3は、筐体10やハンドセット20をフックレバー30とともに図示したもの、図4は、筐体10やハンドセット20を省略してフックレバー30を図示したものである。
図3に示すように、ハンドセット20の受話部21が凹部11に載置されると、フックレバー30のボタン部32は、軸部31を中心として、筐体10の内側に向かって(図4の矢印A)押下げされる。反対に、作動部33は押上げされる(図4の矢印B)。
ここで、図3(a)及び図4(a)は、フックレバー30が動作を開始した後、第1突起部331と第2突起部332が同時にフックスイッチ40の作動レバー41に当接した時点を示しており、後述するように、この時点の前後で、両突起部の当接が切替る。この前の状態では、第1突起部331のみが作動レバー41に当接しており、この後の状態では、図3(b)及び図4(b)に示すように、第2突起部332のみが作動レバー41に当接する。
第1突起部331と第2突起部332は、フックレバー30の動作する方向と平行する向きに並設されている。換言すると、第1突起部331が軸部31から見て手前側(近い側)に、第2突起部332が軸部31から見て奥側(遠い側)に設けられている。したがって、第1突起部331は、小さな力で動作するが、そのストローク量は小さい。逆に、第2突起部332は、ストローク量は大きいが、動作するのに大きな力が必要となる。
本実施形態では、これら2つの突起部の特徴を利用することにより、ハンドセット20が半掛け状態のような場合であっても、確実に、フックスイッチ40をOFFさせ、回線を切断することができる。
すなわち、ハンドセット20が半掛けされると、通常の場合、フックレバー30のボタン部32が十分に押下げされないため、作動部33が中途半端にしか押上げされない。これに対し、本実施形態では、半掛け状態の小さい力であっても、作動部33の第1突起部331が作動レバー41を押上げる。しかし、第1突起部331のストローク量が小さいため、作動レバー41を押上げ切ることはできない。
そのとき、第2突起部332が第1突起部331に替わって作動レバー41に当接し、その大きなストローク量を利用して、作動レバー41を最後まで押上げ切る。ここで、第2突起部332は、動作させるのに大きな力を必要とするが、作動レバー41は第1突起部331によって既に動作中であり、第2突起部332は小さな力でも動作を開始することができる。このようにして、本実施形態では、2つの突起部による押上げを滑らかに引き継ぐことにより、半掛け状態のような場合であっても、作動レバー41を押上げ切ることが可能となる。
(実施形態の動作) 図5を参照して、本実施形態に係るフックレバー30の一連の動作を時系列的に説明する。図5(a)は、電話機1のハンドセット20が取り外されている状態
(初期状態ともいう)を示しており、フックレバー30は、ボタン部32が電話機1から最大限露出し、作動部33が筐体10の底面に対してほぼ平行な状態となっている(図中、縦方向。図3の実線で表したフックレバー30と筐体10の位置関係を参照)。
(初期状態ともいう)を示しており、フックレバー30は、ボタン部32が電話機1から最大限露出し、作動部33が筐体10の底面に対してほぼ平行な状態となっている(図中、縦方向。図3の実線で表したフックレバー30と筐体10の位置関係を参照)。
この状態で、ハンドセット20又は使用者の手などでフックレバー30のボタン部32を押下げすると、軸部31によって軸支されているフックレバー30は、ボタン部32が押下げされると同時に、シーソー状に、ボタン部32とは反対側の作動部33が押上げられていく。その際、作動部33に軸部31から見て手前側に設けられている第1突起部331が、奥側に設けられている第2突起部332よりもわずかに背高に構成されていることから、フックスイッチ40の作動レバー41は、小さい力で第1突起部331によって押上げられていく。
そして、徐々に作動レバー41が押上げられていくと、図5(b)に示すように、ある時点で、第1突起部331と第2突起部332の双方が作動レバー41に当接する状態に至る。フックレバー30は、前述のとおり、軸部31の周りをシーソー状に回動するため、手前側にある第1突起部331はストローク量が小さく、第1突起部331のみが設けられていると、作動レバー41を最後まで押上げ切ることができない。
本実施形態では、このようなことを避けるため、図5(b)に示すように、第1突起部331が離間する前に、作動部33の奥側に設けられている第2突起部332も作動レバー41に当接させる。そして、フックレバー30がさらに回動すると、図5(c)に示すように、第1突起部331が作動レバー41から離間し、第1突起部331による動作を利用して小さい力でストローク量の大きい第2突起部332が作動レバー41の押上げを引き継いでいく。これにより、作動レバー41を最後まで押し切ることが可能となる。
(変形例) 上記の実施形態では、手前側の第1突起部331と奥側の第2突起部332とが互いに離間する別々の突起部として説明したが、第1突起部331と第2突起部332とを一つの突起部として構成してもよい。例えば、手前側が奥側よりもわずかに背高になるようにした、フックレバー30の長手方向に延在する態様のものでもよい。その際、手前側と奥側とを結ぶ頂部は直線状でも凹曲線状でもよい。
(実施形態の効果) 本実施形態では、フックレバー30の作動部33に、軸部31から見て、手前側に第1突起部331を、奥側に第2突起部332を設けたことから、フックレバー30が回動する際のストローク量の増大ひいては大型化を招くとことなく、確実にフックスイッチ40を動作させることができるフックレバー構造を提供することができる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は、具体的な実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を行ったものも含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
1…電話機10…筐体11…凹部12…開口部13…軸受部20…ハンドセット21…受話部30…フックレバー31…軸部32…ボタン部33…作動部330…舌片331…第1突起部(手前側)332…第2突起部(奥側)34…軸支持部35…基部40…フックスイッチ41…作動レバー
Claims (4)
- 電話機のフックレバー構造であって、 電話機の筐体に支持される軸部と、 前記軸部に回動可能に軸支されるフックレバーと、を備え、 前記フックレバーが、前記電話機のハンドセットの受話部によって押下げされるボタン部と、前記軸部を挟んで前記ボタン部の反対側に位置して回線を開閉するフックスイッチを作動させる作動部とを有し、 前記作動部が、前記軸部からみて手前側及び奥側において、前記フックスイッチを動作させる突起部を有することを特徴とするフックレバー構造。
- 前記フックスイッチが前記フックレバーの前記作動部に対して交差する方向に形成された作動レバーを有し、前記作動レバーが前記突起部によって押上げされることを特徴とする請求項1に記載のフックレバー構造。
- 前記ボタン部が押下げされたとき、前記突起部が、まずは手前側において、引き続いて奥側において、前記作動レバーを押上げることを特徴とする請求項2に記載のフックレバー構造。
- 前記突起部が、互いに離間する手前側の第1突起部と奥側の第2突起部とを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフックレバー構造。
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