JP6662020B2 - 揺動関節装置、歩行アシスト装置、搬送装置及びマニピュレータ - Google Patents

揺動関節装置、歩行アシスト装置、搬送装置及びマニピュレータ Download PDF

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Description

本発明は、周期的な揺動運動をする揺動関節装置、歩行アシスト装置、搬送装置及びマニピュレータであって、関節の剛性が可変である揺動関節装置、歩行アシスト装置、搬送装置及びマニピュレータに関する。
周期的な揺動運動をする関節を制御する装置の例として、例えば特許文献1には、ユーザ(利用者)の下肢(股関節から足先まで)に補助力を与える歩行補助装置が開示されている。当該歩行補助装置は、ユーザの腰部を巻回するように装着される腰部装具と、股関節の側方からひざ関節の側方へと延びる連結バーと、ひざ関節の側方からふくらはぎへと延びる下腿部装具と、連結バーにおける股関節の側方の位置に取り付けられた股関節アクチュエータと、連結バーにおけるひざ関節の側方の位置に取り付けられたひざ関節アクチュエータと、を有している。そして股関節アクチュエータは、腰部装具の連結部に取り付けられ、股関節の側方にて、腰部装具に対して股関節回りに連結バーを前後に揺動する。また、ひざ関節アクチュエータは、ひざ関節の側方にて、連結バーに対してひざ関節回りに下腿部装具を前後に揺動する。また股関節アクチュエータとひざ関節アクチュエータは電動モータであり、当該電動モータへの電力は、腰部装具に取り付けられたバッテリから供給されている。
また特許文献2には、ユーザの下腿(ひざから足首まで)の揺動運動を支援する歩行リハビリ装置が開示されている。当該歩行リハビリ装置は、ユーザの腰周りに配置されるコントローラと、股関節の側方からひざ関節の側方へと延びる大腿リンクと、ひざ関節の両側方のそれぞれから足首関節へと延びる下腿リンクと、ひざ関節の側方に配置されたモータと、足首関節から足裏へと延びる足リンクと、を有している。そしてモータは、大腿リンクと下腿リンクとの連結部であってひざ関節の側方に取り付けられ、ひざ関節の側方にて、大腿リンクに対してひざ関節回りに下腿リンクを前後に揺動する。またモータへの電力は、コントローラに内蔵されたバッテリから供給されている。
また特許文献3には、一方の脚が健脚で他方の脚が患脚であるユーザの患脚に装着されて、患脚の揺動運動を支援する片脚式歩行支援機が開示されている。当該片脚式歩行支援機は、ユーザの腰の側方に配置される腰装着部と、股関節の側方からひざ関節の側方へと延びる大腿リンク部と、ひざ関節の側方から下方へと延びる下腿リンク部と、股関節の側方に配置されたトルク発生装置と、ひざ関節の側方に配置されたダンパーと、を有している。そしてトルク発生装置は、カムと圧縮バネによって構成され、健脚の振り出しによって患脚が後方に揺動した際にトルクを発生させ、発生したトルクを用いて患脚の振り出しを支援しており、電動モータ等のアクチュエータを必要としていない。また、圧縮バネの初期圧縮量を調整可能に構成されており、発生トルクの大きさを可変としている。
特開2004−344304号公報 特開2012−125388号公報 特開2013−236741号公報
特許文献1に記載された歩行補助装置、及び特許文献2に記載された歩行リハビリ装置は、どちらも電動モータを用いて下肢または下肢の一部、の歩行動作を支援しているが、バッテリからの電力の供給が続かなければ支援することができない。また、歩行の支援が必要なユーザに、大きくて重いバッテリを持たせるわけにはいかないので、比較的小さく軽量のバッテリが用いられると推定される。また、特許文献1及び特許文献2には、電動モータの消費電力を軽減させるような特別な構成は示されていない。従って、特許文献1及び特許文献2に記載の支援装置は、連続動作時間が比較的短いと推定される。
また、特許文献3に記載の片脚式歩行支援機は、電動モータを用いることなく、カムと圧縮バネにて脚を振り出すためのトルクを発生させており、連続動作時間は特許文献1及び特許文献2よりも長い。しかし、ユーザ毎の体格の違い(下肢の慣性モーメントの違い)や、ユーザ毎の下肢の揺動角度の違いや、ユーザの体調や、歩行場所の傾斜の違い等に対して、トルク発生装置の圧縮バネの上部に設けられた決定部の位置をマイナスドライバ等の工具で調整し、圧縮バネの初期圧縮量をユーザが手動で調整しなければならないので手間がかかる。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、揺動運動する関節の剛性を自動的に調整することで揺動運動によって発生するトルクを自動的に調整し、消費電力あるいはユーザの負荷をより低減することができる、揺動関節装置、歩行アシスト装置、搬送装置及びマニピュレータを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る揺動関節装置、歩行アシスト装置、搬送装置及びマニピュレータは、次の手段をとる。まず、本発明の第1の発明は、駆動軸部材と、前記駆動軸部材の軸である駆動軸回りに揺動する第1出力部と、前記第1出力部の揺動角度である第1揺動角度に応じた付勢トルクを発生させる弾性体と、前記第1出力部から見た前記弾性体の見かけ上の剛性を可変とする見かけ上剛性可変手段と、前記第1揺動角度を検出する第1角度検出手段と、前記第1角度検出手段にて検出した前記第1揺動角度に応じて前記見かけ上剛性可変手段を制御して、前記第1出力部から見た前記弾性体の前記見かけ上の剛性を調整する制御手段と、を有する、揺動関節装置である。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る揺動関節装置であって、前記弾性体は、ゼンマイバネを含み、前記第1出力部から見た前記弾性体の前記見かけ上の剛性は、前記第1出力部から見た前記ゼンマイバネの見かけ上のバネ定数を含み、前記第1出力部から見た前記弾性体の前記見かけ上の剛性を可変とする前記見かけ上剛性可変手段は、前記第1出力部から見た前記ゼンマイバネの前記見かけ上のバネ定数を可変とする見かけ上バネ定数可変手段を含んでいる、揺動関節装置である。
次に、本発明の第3の発明は、上記第2の発明に係る揺動関節装置であって、前記ゼンマイバネに隣接する位置には、前記ゼンマイバネの固定端を支持するバネ固定部材が配置されており、前記ゼンマイバネの一方端である自由端は、前記第1出力部の前記第1揺動角度に応じた角度で揺動するバネ入力軸部材に接続されており、前記ゼンマイバネの他方端である前記固定端は、前記バネ固定部材における前記駆動軸から離れた位置に設けられたバネ支持体に接続されている。そして、前記見かけ上バネ定数可変手段は、前記駆動軸回りに旋回自在に支持されて前記駆動軸回りに所定旋回角度で旋回されることで前記駆動軸に対する前記バネ支持体の位置を前記駆動軸回りに前記所定旋回角度分だけ移動させる前記バネ固定部材と、前記バネ固定部材を前記駆動軸回りに旋回させて前記ゼンマイバネの前記固定端の位置を可変とする剛性調整手段と、にて構成されている。
次に、本発明の第4の発明は、上記第3の発明に係る揺動関節装置であって、前記第1出力部と前記ゼンマイバネとの間には変速機が設けられており、前記変速機は、前記第1出力部が前記第1揺動角度で揺動すると所定の変速比で変速した変速後揺動角度で揺動する前記バネ入力軸部材を有している。
次に、本発明の第5の発明は、上記第3の発明または第4の発明に係る揺動関節装置であって、前記制御手段は、前記第1揺動角度がゼロの場合において前記ゼンマイバネが付勢トルクを発生していない前記バネ支持体の位置を基準位置とした場合、前記第1出力部の前記第1揺動角度に応じて、前記剛性調整手段を制御して前記バネ固定部材の旋回角度を調整して前記基準位置に対する前記バネ支持体の位置を調整することで、前記第1出力部から見た前記ゼンマイバネの前記見かけ上のバネ定数を調整する。
次に、本発明の第6の発明は、上記第2の発明〜第5の発明のいずれか1つに係る揺動関節装置であって、前記制御手段からの制御信号に基づいて前記第1出力部を前記駆動軸回りに揺動させる第1駆動手段を有している。
次に、本発明の第7の発明は、上記第2の発明〜第6の発明のいずれか1つに係る揺動関節装置であって、前記駆動軸回りに揺動自在に支持された第2出力部と、前記第2出力部の揺動角度である第2揺動角度を検出する第2角度検出手段と、前記制御手段からの制御信号に基づいて前記第2出力部を前記駆動軸回りに揺動させる第2駆動手段と、前記第1出力部と前記第2出力部とに接続されて前記第1出力部の前記第1揺動角度と前記第2出力部の前記第2揺動角度とに基づいて動作する揺動リンク部材と、を有している。
次に、本発明の第8の発明は、上記第1の発明〜第7の発明のいずれか1つに係る揺動関節装置を有する、歩行アシスト装置である。
次に、本発明の第9の発明は、上記第3の発明に係る揺動関節装置を有する搬送装置であって、前記駆動軸部材と、前記駆動軸部材の前記駆動軸回りに揺動するように往復旋回動作する前記第1出力部であるピニオンと、前記ピニオンに噛み合うラック部を有して前記ピニオンの往復旋回角度である揺動角度に応じて往復直線運動するアームであって、ワークの把持と解放が可能な前記アームと、前記ピニオンを回転駆動するピニオン駆動手段と、前記ピニオンの前記揺動角度である前記第1揺動角度を検出する前記第1角度検出手段と、前記ピニオン駆動手段が前記ピニオンを回転駆動する際にエネルギーを蓄え、蓄えたエネルギーを放出する際に前記ピニオンを回転駆動する前記ゼンマイバネと、前記バネ固定部材と、前記剛性調整手段と、を有する前記見かけ上バネ定数可変手段と、前記ピニオン駆動手段と前記剛性調整手段を制御する前記制御手段と、を有し、前記アームを往復直線運動させながらワークの把持と解放を行うことで、ワークを移動させる、搬送装置である。
次に、本発明の第10の発明は、上記第3の発明に係る揺動関節装置を有するマニピュレータであって、前記駆動軸部材と、前記駆動軸部材の前記駆動軸回りに揺動する前記第1出力部である揺動部と、前記揺動部を揺動する揺動部駆動手段と、前記揺動部の揺動角度である前記第1揺動角度を検出する前記第1角度検出手段と、前記揺動部駆動手段が前記揺動部を揺動する際にエネルギーを蓄え、蓄えたエネルギーを放出する際に前記揺動部を揺動する前記ゼンマイバネと、前記バネ固定部材と、前記剛性調整手段と、を有する前記見かけ上バネ定数可変手段と、前記揺動部駆動手段と前記剛性調整手段を制御する前記制御手段と、を有する、マニピュレータである。
第1の発明によれば、制御手段を用いて、第1揺動角度に応じて見かけ上剛性可変手段を制御することで、第1出力部を含む揺動対象物による揺動運動に対して、揺動運動を支援するために必要なトルクの大きさを自動的に調整するので、手間なくトルクを調整することができる。また、弾性体を用いて、揺動運動を支援するために必要なトルクを発生させているので、消費電力あるいはユーザの負荷をより低減することができる。
第2の発明によれば、弾性体にゼンマイバネを用い、例えばユーザの脚を揺動対象物とした場合ではユーザの歩行や走行等の動作に応じて、第1出力部から見た見かけ上のバネ定数(剛性)を適切に調整する。揺動対象物の動作に応じて、第1出力部から見た見かけ上のバネ定数(剛性)を調整することで、ゼンマイバネへのエネルギーの保存と、ゼンマイバネからのエネルギーの放出と、をスムーズかつ適切に行うことができる。
第3の発明によれば、ゼンマイバネの見かけ上バネ定数を調整する見かけ上バネ定数可変手段を、具体的に実現することができる。
第4の発明によれば、変速機を用いることで、第1出力部の第1揺動角度を増幅した変速後揺動角度をゼンマイバネに入力することができるので、バネ定数がより小さなゼンマイバネを用いることが可能となる。従って、揺動関節装置の小型化を促進することができる。
第5の発明によれば、制御手段から剛性調整手段を制御してバネ固定部材を旋回させるだけで見かけ上バネ定数を調整できるので、容易に見かけ上バネ定数を調整することができる。
第6の発明によれば、第1出力部を第1駆動手段にて揺動させるので、例えば揺動関節装置を、ユーザの歩行や走行を支援する脚力支援装置として利用した場合、ユーザの歩行または走行の際の負荷をより低減することができる。
第7の発明によれば、例えば揺動関節装置を、ユーザの歩行や走行を支援する脚力支援装置として利用した場合、第1出力部でユーザの大腿部の運動を支援し、第2出力部でユーザの下腿部を支援することができるので、ユーザの歩行または走行の際の負荷を、さらに低減することができる。
第8の発明によれば、ユーザの歩行の際の負荷をより低減することができる歩行アシスト装置を実現することができる。
第9の発明によれば、ピニオン駆動手段の消費電力をより低減することができる搬送装置を実現することができる。
第10の発明によれば、揺動部駆動手段の消費電力をより低減することができるマニピュレータを実現することができる。
第1の実施の形態の揺動関節装置を構成する各構成要素の概略形状、及び組み付け位置を説明する分解斜視図である。 図1に示した各構成要素を組み付けて構成した揺動関節装置の斜視図である。 図2に示した揺動関節装置をユーザ(ユーザの腕の記載は省略)に装着した状態を説明する図である。 大腿揺動アーム(第1揺動アーム)の揺動状態、及び下腿アーム(第2揺動アーム)の揺動の例を説明する図である。 図1におけるV部の拡大図であり、ゼンマイバネ及び見かけ上バネ定数可変手段の構成を説明する分解斜視図である。 図2をVI方向から見た図であり、駆動軸部材の駆動軸に同軸状に設けられた各部材の配置を説明する図である。 図6をVII方向から見た図であり、大腿揺動アームの第1揺動角度に対して、変速機の変速出力軸部材の変速後揺動角度が所定の変速比で増幅された状態を説明する図である。 大腿揺動アームの揺動角度がゼロの場合においてゼンマイバネに付勢トルクが発生していない状態を示しており、バネ支持体(すなわち、バネ固定端)における駆動軸に対する基準位置を示す斜視図である。 図8の状態から、バネ固定部材を所定旋回角度だけ旋回させて、駆動軸に対するバネ支持体の位置を基準位置から移動させた状態を示す図である。 図9の状態から大腿揺動アームが前方に揺動した場合におけるゼンマイバネの自由端と固定端の周囲を示す図である。 図9の状態から大腿揺動アームが後方に揺動した場合におけるゼンマイバネの自由端と固定端の周囲を示す図である。 制御手段の入出力を説明する図である。 制御手段の処理手順の例を説明するフローチャートである。 第5の実施の形態の搬送装置の全体構成及び動作の概略を説明する図である。 第6の実施の形態のマニピュレータの全体構成及び動作の概略を説明する正面図である。 図15に示すマニピュレータの側面図である。
以下に本発明を実施するための形態である第1の実施の形態を、図面を用いて順に説明する。なお、各図においてX軸、Y軸、Z軸が記載されている場合、X軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、特に記載がない場合、Z軸方向は鉛直上向き方向を示し、X軸方向はユーザ(揺動関節装置を装着したユーザ)に対する前方向を示し、Y軸方向はユーザに対する左方向を示している。なお本明細書では、図1に示す「大腿揺動アーム13」が「第1出力部」に相当し、「下腿揺動アーム33」が「第2出力部」に相当している。また「回転角度検出手段11S」が「第1角度検出手段」に相当しており、「回転角度検出手段31S」が「第2角度検出手段」に相当している。また「電動モータ11」が「第1駆動手段」に相当しており、「電動モータ31」が「第2駆動手段」に相当し、「電動モータ21」が「剛性調整手段」に相当している。また、以下の説明において、駆動軸部材6が凸状の部材である例を示しているが、駆動軸部材6は、凸形状の軸であってもよいし、軸を支持する凹形状(孔形状)であってもよい。従って、「駆動軸部材6回り」という記載は、「駆動軸部材6の中心軸である駆動軸線6J回り」と同じことを示す。なお「駆動軸線6J」は「駆動軸」に相当している。また、変速機25の「シャフト25A」は「バネ入力軸部材」に相当している。また、「バネ固定部材23」と「電動モータ21」は「見かけ上バネ定数可変手段」に相当している。また、「剛性」とは、大腿揺動アーム13を揺動させるために必要とする単位角度変位あたりのトルクを指す。また、「下腿中継アーム34」と「下腿アーム35」は「揺動リンク部材」に相当している。また、「第1〜第4の実施の形態にて説明する揺動関節装置」は、「歩行アシスト装置」に相当している。
●●[第1の実施の形態の揺動関節装置1の全体構成(図1〜図4)]
第1の実施の形態の揺動関節装置1は、ユーザの片脚(第1の実施の形態では左脚)に取り付けられて、ユーザの歩行または走行等の動作を支援する。図1に示すように、揺動関節装置1は、符号2、3、4、5、6等にて示したユーザ装着部と、符号11、12、14、14B、15、13、19等にて示した大腿揺動部と、符号21、22、23、24、25等にて示した剛性調整部と、符号31、32、32P、32B、33、34、35、36、39等にて示した下腿揺動部と、にて構成されている。なお、図1は揺動関節装置1の各構成要素の形状と組み付け位置等を示す分解斜視図であり、各構成要素を組み付けた状態の揺動関節装置1を図2に示す。また図3は揺動関節装置1をユーザに装着した状態を説明しており、図4は大腿揺動アーム13及び下腿揺動アーム33の揺動の例を示している。
●[ベース部2、腰装着部3、肩ベルト4、制御ユニット5、駆動軸部材6等にて構成されたユーザ装着部(図1〜図4)]
ベース部2は、腰装着部3に固定され、前記大腿揺動部、前記剛性調整部、前記下腿揺動部を保持するためのベース(基板)となる部材である。またベース部2には、揺動関節装置1を装着したユーザの股関節の側方に相当する位置に、Y軸にほぼ平行に延びる駆動軸部材6が取り付けられている。なお、駆動軸部材6は、後述する下腿揺動アーム33の貫通孔33Hに挿通された後、大腿揺動アーム13の貫通孔13Hに挿通される。なお駆動軸線6Jは、駆動軸部材6の中心軸を示している。
腰装着部3は、ユーザの腰に巻回されてユーザの腰に固定される部材であり、ユーザの腰周りの寸法に応じて調整可能に構成されている。また腰装着部3には、ベース部2が固定され、肩ベルト4の一方端と他方端が接続されている。
肩ベルト4は、一方端が腰装着部3の前面側に接続され、他方端が腰装着部3の背面側に接続され、長さを調節可能に構成されており、制御ユニット5が取り付けられている。ユーザは、肩ベルト4の長さを調節して自身の肩に肩ベルト4を装着することで、背中に制御ユニット5をバックパックやランドセルのように背負うことができる。
制御ユニット5は、電動モータ11、21、31を制御する制御手段と、当該制御手段及び電動モータ11、21、31への電力を供給するバッテリ等を収容している。なお制御手段については、図12を用いて後述する。
●[電動モータ11、ブラケット12、プーリ14、ベルト14B、プーリ15、大腿揺動アーム13、大腿装着部19等にて構成された大腿揺動部(図1〜図4)]
大腿揺動アーム13は、円板部13Gと、円板部13Gから下方に延びるアーム部にて構成されている。そして円板部13Gの中心には貫通孔13Hが形成されており、貫通孔13Hには駆動軸部材6が挿通される。従って、大腿揺動アーム13は、駆動軸部材6回りに揺動自在に支持される。また大腿揺動アーム13の貫通孔13Hは、ユーザの股関節の側方に相当する位置に配置され、大腿揺動アーム13の下端に設けられたリンク孔13Lは、ユーザのひざ関節の側方に相当する位置に配置される。なお、大腿揺動アーム13の下方に延びる長さは調整可能に構成されており、ユーザは、自身のひざ関節の位置に応じて、リンク孔13Lの上下方向の位置を調整可能である。また大腿揺動アーム13には、大腿装着部19が取り付けられ、大腿装着部19は、ユーザの大腿部(ふとももの周囲)にあてがわれ、ユーザの大腿部へ大腿揺動アーム13を装着することを容易にする。また円板部13Gには、プーリ15が固定され、プーリ15は大腿揺動アーム13と一体となって揺動する。従って、プーリ15のプーリ軸部材15Jは、大腿揺動アーム13の揺動角度と同じ角度で、駆動軸線6J回りに揺動する。そしてプーリ15と、後述するプーリ14と、の間にはベルト14Bがかけられており、電動モータ11による揺動動力が、プーリ14及びベルト14Bを介してプーリ15に伝達され、大腿揺動アーム13を揺動させる。
ブラケット12は、ベース部2に対して、電動モータ11を固定するための部材であり、電動モータ11の回転軸を挿通するための貫通孔12Hが設けられて、ベース部2に固定される。なお、ブラケット12の貫通孔12Hに電動モータ11の回転軸が挿通され、挿通された回転軸にプーリ14が取り付けられた後、ブラケット12がベース部2に固定される。
電動モータ11は、先端に減速機11Dが取り付けられ、減速機11Dはブラケット12の貫通孔12Hに挿通されてプーリ14に取り付けられている。また電動モータ11は、ブラケット12に固定されている。また電動モータ11には、制御ユニット5に収容されているバッテリ及び制御手段から駆動信号とともに電力が供給されている。そして電動モータ11は、ブラケット12(すなわちベース部2)に対して、駆動軸部材6回りに大腿揺動アーム13を前後方向に揺動させることができる(図4参照)。また電動モータ11には、エンコーダ等の回転角度検出手段11Sが設けられている。回転角度検出手段11Sは電動モータ11のシャフトの回転角度に応じた信号を制御手段に出力する。そして制御手段は、回転角度検出手段11Sからの検出信号と、減速機11Dの減速比と、プーリ14とプーリ15とのプーリ比と、に基づいて、減速機11Dの回転角度を検出可能であり、大腿揺動アーム13の揺動角度を検出することが可能である。なお、ブラケット22(図1参照)やベース部2に、ベース部2に対する大腿揺動アーム13の揺動角度を検出する角度検出手段(角度センサ)を設けるようにしてもよいし、ブラケット22やベース部2に、ベース部2に対する下腿揺動アーム33の揺動角度を検出する角度検出手段(角度センサ)を設けるようにしてもよい。なお、電動モータ11は空回り可能なモータであり、通電していない場合に大腿揺動アーム13から揺動の力が入力されると、減速機11Dが旋回され、減速機11Dの旋回角度に応じた信号が回転角度検出手段11Sから出力される。
●[電動モータ31、ブラケット32、動力伝達部(32P、32B)、下腿揺動アーム33、下腿中継アーム34、下腿アーム35、足先保持部36、下腿装着部39等にて構成された下腿揺動部(図1〜図4)]
下腿揺動アーム33は、駆動軸部材6が挿通される貫通孔33Hが形成されている。駆動軸部材6が貫通孔33Hに挿通されると、下腿揺動アーム33は、駆動軸部材6回りに揺動自在に支持される。そして下腿揺動アーム33にはベルト32Bがかけられ、電動モータ31と、プーリ32P及びベルト32Bにて構成された動力伝達部から動力が伝達されて駆動軸部材6回りに揺動する。
下腿中継アーム34は、上方端が下腿揺動アーム33の先端に揺動自在に接続され、下方端が下腿アーム35の上方端の側の平行リンク形成部35Mの端部に揺動自在に接続されている。なお、下腿中継アーム34の下方に延びる長さは調整可能に構成されており、大腿揺動アーム13の調整された長さに応じて、下腿中継アーム34の長さは調節される。
下腿アーム35は、略逆L字状であり、L字の屈曲部に相当する位置に、大腿揺動アーム13の下端のリンク孔13Lと接続するためのリンク孔35Lが形成されている。従って下腿アーム35は、上方端の側の平行リンク形成部35Mの一方端が下腿中継アーム34の下方端に揺動自在に接続され、平行リンク形成部35Mの他方端が大腿揺動アーム13の下方端に揺動自在に接続されている。また下腿アーム35の下方端には、足先保持部36の上方端が揺動自在に接続されている。なお、下腿アーム35の下方に延びる長さはユーザの下腿に合うように調整可能に構成されている。また、足先保持部36は、略L字状であり、下端部がユーザの足の裏に配置される。また下腿アーム35には、下腿装着部39が取り付けられ、下腿装着部39は、ユーザの下腿(ふくらはぎの周囲)にあてがわれ、ユーザの下腿部へ下腿アーム35を装着することを容易にする。
ブラケット32は、ベース部2に対して、電動モータ31を固定するための部材であり、ベース部2に固定される。またブラケット32には、貫通孔32Hが形成されている。
電動モータ31は、先端に減速機31Dが取り付けられ、減速機31Dはブラケット32の貫通孔32Hに挿通される。また減速機31Dにはプーリ32Pが取り付けられ、プーリ32Pと下腿揺動アーム33にはベルト32Bがかけられる。また電動モータ31には、制御ユニット5に収容されているバッテリ及び制御手段から駆動信号とともに電力が供給されている。そして電動モータ31は、プーリ32Pとベルト32Bを介して下腿揺動アーム33を、駆動軸部材6回りに前後方向に揺動させることができる(図4参照)。また電動モータ31には、エンコーダ等の回転角度検出手段31Sが設けられている。回転角度検出手段31Sは電動モータ31のシャフトの回転角度に応じた信号を制御手段に出力する。そして制御手段は、回転角度検出手段31Sからの検出信号と減速機31Dの減速比とプーリ比とに基づいて、下腿揺動アーム33の回転角度を検出可能であり、下腿揺動アーム33の揺動角度を検出することが可能である。なお、電動モータ31は空回り可能なモータであり、通電していない場合に下腿揺動アーム33から揺動の力が入力されると、減速機31Dが旋回され、減速機31Dの旋回角度に応じた信号が回転角度検出手段31Sから出力される。
次に図4を用いて、大腿揺動アーム13を装着したユーザの大腿部UL1の揺動支援と、下腿アーム35を装着したユーザの下腿部UL2の揺動支援の動作を説明する。大腿揺動アーム13は、電動モータ11の動力によって駆動軸部材6回りに揺動運動する。同様に下腿揺動アーム33は、電動モータ31の動力によって駆動軸部材6回りに揺動運動する。また、大腿揺動アーム13と下腿揺動アーム33と下腿中継アーム34と(下腿アーム35の)平行リンク形成部35Mは、平行四辺形からなる平行リンクを構成している。従って、下腿中継アーム34と下腿アーム35は、大腿揺動アーム13と下腿揺動アーム33とに接続されて、大腿揺動アーム13の揺動角度(図4中の角度θ1)と下腿揺動アーム33の揺動角度(図4中の角度θ1−θ2)とに基づいて動作する揺動リンク部材に相当している。なお、図4において実線にて示す大腿揺動アーム13、下腿揺動アーム33、下腿中継アーム34、下腿アーム35、の位置を、各アームの初期位置(ユーザが直立状態で静止した位置)とする。
大腿揺動アーム13を、大腿揺動アーム13の初期位置から角度θ1にて前方に揺動させると、図4に示すように、ユーザの大腿部UL1を角度θ1にて前方に振り出すことができる。同時に、下腿揺動アーム33を、下腿揺動アーム33の初期位置から角度(θ1―θ2)にて前方に揺動させると、図4に示すように、大腿揺動アーム13に対して角度θ2の傾斜を有するように、ユーザの下腿部UL2を前方に振り出すことができる。電動モータ11による大腿揺動アーム13の揺動運動と、電動モータ31による下腿揺動アーム33の揺動運動を、それぞれ独立して制御することができるので、角度θ1、角度θ2を、ユーザの所望する角度に合わせて自由に調整することができる。また、この構成によれば、大きなトルクが必要である大腿部の振り出しを、電動モータ11と電動モータ31の双方のトルクで行うことができるので、大型のモータを必要としない。
また、大腿揺動アーム13を揺動運動させると、揺動運動のエネルギーを、ゼンマイバネ24に蓄え、反対方向への揺動運動に利用する。つまり、大腿揺動アーム13を前方に振り出した際のエネルギーをゼンマイバネ24に蓄えて大腿揺動アーム13を後方に振り出す際に利用し、大腿揺動アーム13を後方に振り出した際のエネルギーをゼンマイバネ24に蓄えて大腿揺動アーム13を前方に振り出す際に利用する。次に、ゼンマイバネ24を含む剛性調整部について説明する。
●[電動モータ21、ブラケット22、バネ固定部材23、ゼンマイバネ24、変速機25等にて構成された剛性調整部(図1〜図3、図5〜図7)]
ブラケット22は、ベース部2に対して、電動モータ21を固定する部材であり、電動モータ21の回転軸を挿通するための貫通孔22Hが設けられて、ベース部2に固定される。また、図1、図6に示すように、大腿揺動アーム13の円板部13Gの貫通孔13H、プーリ15のプーリ軸部材15J、変速機25のシャフト25A、ゼンマイバネ24の中心軸、バネ固定部材23の貫通孔23H、ブラケット22の貫通孔22H、電動モータ21の減速機21D、は駆動軸線6Jと同軸に配置されている。
変速機25は、図5に示すように、大腿揺動アーム13の円板部13Gに固定されたプーリ15のプーリ軸部材15Jが入力部25Cに接続されており、予め設定された変速比[n]に基づいて、入力部25Cへの入力旋回角度θをn倍した出力旋回角度nθをシャフト25Aの旋回角度として出力する。従って、変速機25は、図7に示すように、大腿揺動アーム13が第1揺動角度(θf)で揺動すると、所定の変速比(n)で変速した変速後揺動角度(nθf)で揺動するシャフト25Aを有している。またシャフト25Aには、図5に示すように、ゼンマイバネ24の自由端24Bの側を固定するための駆動軸線6J方向に延びる溝であるバネ自由端挿通溝25Bが形成されている。なお変速機25は、ゼンマイバネ24からの付勢トルクによってシャフト25Aが旋回角度θbだけ旋回されると、プーリ軸部材15Jを旋回角度θb・(1/n)だけ旋回させる。
ゼンマイバネ24は、所定の軸回りに螺旋状にバネ材等の弾性体が巻回されており、図5に示すように、巻回の中心部近傍に位置している端部である一方端を自由端24B、巻回の中心部から離れた位置に位置している端部である他方端を固定端24Aとしている。なお、図5において、自由端24Bはシャフト25Aのバネ自由端挿通溝25Bに固定され、固定端24Aはバネ固定部材23のバネ支持体23Jに固定される。
バネ固定部材23には、電動モータ21の先端部の減速機21Dが挿通される貫通孔23Hが形成されて減速機21Dにて支持され、ブラケット22及び電動モータ21にてベース部2に対して固定されている。またバネ固定部材23のゼンマイバネ24に対向する面には、ゼンマイバネ24の固定端24Aを支持するバネ支持体23Jが、駆動軸線6Jから離れた位置に設けられている。例えばバネ支持体23Jは駆動軸線6J方向に沿って延びる軸状部材であり、ゼンマイバネ24の固定端24Aの位置に形成された筒状部に挿通される。そしてバネ固定部材23は、電動モータ21にて駆動軸線6J回りに旋回され、ゼンマイバネ24の固定端24Aの位置を周方向に可変とする。このようにバネ固定部材23は、駆動軸線6J回りに旋回自在に支持されて、駆動軸線6J回りに所定旋回角度で旋回されることで、駆動軸線6Jに対するバネ支持体23Jの位置を、駆動軸線6J回りに所定旋回角度分だけ周方向に移動させる。
電動モータ21は、先端に減速機21Dが取り付けられている。そして、減速機21Dはブラケット22の貫通孔22Hに挿通され、電動モータ21はブラケット22に固定され、ブラケット22はベース部2に固定されている。また電動モータ21には、制御ユニット5に収容されているバッテリ及び制御手段から駆動信号とともに電力が供給されている。そして電動モータ21は、ブラケット22(すなわちベース部2)に対して駆動軸線6J回りにバネ固定部材23を旋回させ、ゼンマイバネ24の固定端24Aの位置を周方向に移動させることができる。また電動モータ21には、エンコーダ等の回転角度検出手段21Sが設けられている。回転角度検出手段21Sは電動モータ21のシャフトの回転角度に応じた信号を制御手段に出力する。そして制御手段は、回転角度検出手段21Sからの検出信号と減速機21Dの減速比に基づいて、減速機21Dの回転角度を検出可能であり、バネ固定部材23の旋回角度を検出することが可能である。なお、ブラケット22に、ブラケット22に対するバネ固定部材23の旋回角度を検出する角度検出手段(角度センサ)を設けるようにしてもよい。また、電動モータ21は空回りしないモータであり、減速機21Dの旋回角度位置は、通電していない場合であっても維持され、ゼンマイバネ24に付勢トルクが発生した場合であっても固定端24Aの位置は維持される。
●[ゼンマイバネ24の固定端24Aの位置と、オフセット角度θs(図8〜図11)]
図8は、図3に示すユーザT(利用者)が直立状態であり、大腿揺動アーム13の揺動角度がゼロの場合の例であって、ゼンマイバネ24の付勢トルクがゼロの場合の例を示している。そして図8の例におけるゼンマイバネ24の固定端24Aの位置では、自由端24Bには、駆動軸線6J回りの時計回り方向の付勢トルクも、駆動軸線6J回りの『反』時計回り方向の付勢トルクも、発生していない状態の例を示している。そして図8に示す基準線J1は、大腿揺動アーム13の揺動角度がゼロの際に、自由端24Bに付勢トルクが発生しないように固定端24Aの位置を調整した場合(バネ固定部材23の旋回角度を調整した場合)において、駆動軸線6Jとバネ自由端挿通溝25Bとを通る仮想直線であり、シャフト25Aの基準旋回角度位置を示している。また、この図8の例に示す固定端24A(バネ支持体23J)の位置を、ゼンマイバネ24の固定端24A(バネ支持体23J)の基準位置とする。
また図9は、図8に示した状態から、電動モータ21を駆動させ、ゼンマイバネ24の固定端24Aの位置を、上記の基準位置から時計回り方向に旋回角度(θs)だけ周方向に移動した位置へと変更した状態を示している。この状態を、「ゼンマイバネ24に、時計回り方向のオフセット角度θsを付与した状態」とする。この状態では、ユーザTが直立状態で大腿揺動アーム13の揺動角度がゼロであっても、時計回り方向のオフセット角度θsによってシャフト25Aにゼンマイバネ24の付勢トルクが働き、シャフト25Aから変速機25とプーリ15を介して大腿揺動アーム13に付勢トルクが働いている。
また図10は、図9に示した「時計回り方向のオフセット角度θs」を付与している状態において、大腿揺動アーム13を時計回り方向に揺動角度θfで揺動させた場合の例を示している。変速機25の変速比を[n]とした場合、大腿揺動アーム13が時計回り方向に揺動角度θfで揺動すると、変速機25のシャフト25Aは時計回り方向に揺動角度nθfで揺動する。すなわち、図10に示す例では、ゼンマイバネ24には、揺動角度nθfからオフセット角度θsだけ減算した角度(nθf−θs)に応じた、『反』時計回り方向の付勢トルクが発生していることになる。
また図11は、図9に示した「時計回り方向のオフセット角度θs」を付与している状態において、大腿揺動アーム13を『反』時計回り方向に揺動角度θrで揺動させた場合の例を示している。変速機25の変速比を[n]とした場合、大腿揺動アーム13が『反』時計回り方向に揺動角度θrで揺動すると、変速機25のシャフト25Aは『反』時計回り方向に揺動角度nθrで揺動する。すなわち、図11に示す例では、ゼンマイバネ24には、揺動角度nθrとオフセット角度θsを加算した角度(nθr+θs)に応じた、時計回り方向の付勢トルクが発生していることになる。以上に説明した変速機25(変速機25は省略してもよい)、ゼンマイバネ24、バネ固定部材23、電動モータ21(剛性調整手段)にて、大腿揺動アーム13から見た見かけ上バネ定数可変手段が構成されている。そして、この見かけ上バネ定数可変手段は、駆動軸線6J回りの剛性を可変としている。このように、「剛性」とは、大腿揺動アーム13を揺動させるために必要とする単位角度変位あたりのトルクを指し、大腿揺動アーム13から見たゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数は当該トルクに関連している。従って、「大腿揺動アーム13から見た弾性体(ゼンマイバネ)の見かけ上の剛性」は、「大腿揺動アーム13から見たゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数」を含んでいる。バネ定数は、剛性の一種とされている。そして、弾性体の剛性を可変させて、エネルギーを最適に保存し、保存したエネルギーを最適に放出することが可能である。また、「大腿揺動アーム13から見た弾性体の見かけ上の剛性を可変とする見かけ上剛性可変手段」は、「大腿揺動アーム13から見たゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数を可変とする見かけ上バネ定数可変手段」を含んでいる。
●[制御手段の入出力(図12)]
次に図12を用いて、制御手段50の入出力について説明する。制御ユニット5には、制御手段50及びバッテリ60が収容されている。また制御ユニット5は、起動スイッチ54、入出力手段であるタッチパネル55、バッテリ60への充電用コネクタ61等が設けられている。また制御手段50(制御装置)は、CPU50A、モータドライバ51、52、53等を有している。なお、制御手段50の処理を実行させるためのプログラムや各種の計測結果等を記憶する記憶装置も備えているが、図示省略する。
制御手段50は、後述するように、大腿揺動アーム13を揺動運動させるための目標揺動周期や目標揺動角度を求め、モータドライバ51を介して駆動信号を電動モータ11に出力する。電動モータ11は制御手段50からの駆動信号に基づいて減速機11Dを揺動させ、プーリ14とベルト14Bとプーリ15を介して、大腿揺動アーム13を所定周期で所定角度にて揺動運動させる。また電動モータ11のシャフトの回転速度や回転量は、回転角度検出手段11Sにて検出され、検出信号はモータドライバ51に入力されるとともにモータドライバ51を介してCPU50Aに入力される。CPU50Aは、回転角度検出手段11Sからの検出信号に基づいた大腿揺動アーム13の実際の揺動周期と実際の揺動角度が、目標揺動周期及び目標揺動角度に近づくようにフィードバック制御する。
また制御手段50は、後述するように、大腿揺動アーム13から見たゼンマイバネ24の見かけ上バネ定数が最適な値となるバネ固定部材23の旋回角度である目標剛性調整角度を求め、モータドライバ52を介して駆動信号を電動モータ21に出力する。電動モータ21は制御手段50からの駆動信号に基づいて減速機21Dを介してバネ固定部材23を旋回させる。また電動モータ21のシャフトの回転速度や回転量は、回転角度検出手段21Sにて検出され、検出信号はモータドライバ52に入力されるとともにモータドライバ52を介してCPU50Aに入力される。CPU50Aは、回転角度検出手段21Sからの検出信号に基づいた実際のバネ固定部材23の旋回角度が、目標剛性調整角度に近づくようにフィードバック制御する。
制御手段50は、後述するように、下腿揺動アーム33を揺動運動させるための目標揺動周期や目標揺動角度を求め、モータドライバ53を介して駆動信号を電動モータ31に出力する。電動モータ31は制御手段50からの駆動信号に基づいて減速機31D及びプーリ32Pとベルト32Bを介して下腿揺動アーム33を所定周期で所定角度にて揺動運動させる。また電動モータ31のシャフトの回転速度や回転量は、回転角度検出手段31Sにて検出され、検出信号はモータドライバ53に入力されるとともにモータドライバ53を介してCPU50Aに入力される。CPU50Aは、回転角度検出手段31Sからの検出信号に基づいた下腿揺動アーム33の実際の揺動周期と実際の揺動角度が、目標揺動周期及び目標揺動角度に近づくようにフィードバック制御する。
起動スイッチ54は、制御手段50を起動するためのスイッチである。またタッチパネル55は、ユーザの身長や体重等の入力や、設定状態の表示等を行うための装置である。また充電用コネクタ61は、バッテリ60を充電する際に、充電用ケーブルが接続されるコネクタである。
●[制御手段の処理手順(図13)]
次に図13に示すフローチャートを用いて、制御手段50の処理手順について説明する。ユーザが制御ユニットの起動ボタンを操作すると(ステップS10)、制御手段はステップS15に進む。
ステップS15にて制御手段は、タッチパネルからのユーザの初期設定入力を待つ。ユーザからの身長と体重の入力を確認すると、制御手段はステップS20に進む。なお制御手段は、所定時間が経過してもユーザからの入力が確認されない場合、例えば、予め設定された標準身長と標準体重を設定してステップS20に進む。
ステップS20にて制御手段は、所定期間の間、電動モータ11、21、31に通電せず、ユーザの歩行状態(または走行状態)を計測し、計測時間に対応させて回転角度検出手段11S、31Sからの検出信号を計測データとして記憶装置に記憶する。電動モータ11、31のシャフトは、非通電時には空回りする構成とされている。なお電動モータ21のシャフトは、非通電時には空回りせずロックされる構成とされており、電動モータ21によるバネ固定部材23の旋回角度は、大腿揺動アーム13の揺動角度がゼロの際、ゼンマイバネ24に付勢トルクが発生しない旋回角度となるように調整されている。そして制御手段は、例えば所定歩数あるいは所定時間の間、計測データを収集すると、ステップS25に進む。
ステップS25にて制御手段は、回転角度検出手段11Sからの検出信号に基づいた計測データから、大腿揺動アームの揺動角度(揺動振幅)や、大腿揺動アームの角速度及び角加速度から歩行周期(揺動周期)を算出する。また同様に制御手段は、回転角度検出手段31Sからの検出信号に基づいた計測データから、下腿揺動アームの揺動角度(揺動振幅)や、下腿揺動アームの角速度及び角加速度から歩行周期(揺動周期)を算出する。そして制御手段はステップS30に進む。
ステップS30にて制御手段は、ステップS25にて算出した、大腿揺動アームの揺動角度、大腿揺動アームの揺動周期、ステップS15にて入力されたユーザの身長及び体重等に基づいて、最適関節剛性である目標剛性調整角度を算出し、ステップS35に進む。なお、目標剛性調整角度の具体的な算出方法については後述する。
ステップS35にて制御手段は、電動モータ21を制御してバネ固定部材23のオフセット角度を、ステップS30にて求めた目標剛性調整角度に設定し、ステップS40に進む。
ステップS40にて制御手段は、ステップS25にて算出した、大腿揺動アームの揺動角度、大腿揺動アームの揺動周期、下腿揺動アームの揺動角度、下腿揺動アームの揺動周期、バッテリの出力電圧等に基づいて、ユーザの大腿部のアシストパターン(電動モータ11への駆動信号の出力パターン等)と、ユーザの下腿部のアシストパターン(電動モータ31への駆動信号の出力パターン)とを算出し、ステップS45に進む。
ステップS45にて制御手段は、ステップS40にて算出したアシストパターンに基づいて、電動モータ11及び電動モータ31に駆動信号の出力を開始して、大腿揺動アーム13及び下腿揺動アーム33を揺動運動させ、ユーザの歩行動作(または走行動作)を継続するように、ユーザの歩行動作(または走行動作)を支援し、ステップS50に進む。なお、電動モータ11及び電動モータ31への駆動信号の出力は、他のステップに移行した場合も継続される。
ステップS50にて制御手段は、電動モータ11及び電動モータ31を動作させてユーザの歩行(または走行)の動作を支援しながら、ステップS20にて計測したように、計測時間に対応させて回転角度検出手段11S、31Sからの検出信号を計測データとして記憶装置に記憶し、ステップS55に進む。なお、計測データの収集は、他のステップに移行した場合も継続される。
ステップS55にて制御手段は、ステップS50にて収集した計測データに基づいて、ユーザが歩行動作(または走行動作)の支援の停止を所望しているか否かを判定し、支援の停止を所望していると判定した場合(Yes)は、電動モータ11及び電動モータ31への駆動信号の出力を停止して処理を終了し、支援の停止を所望していないと判定した場合(No)はステップS25に戻る。
●[目標剛性調整角度の算出方法(図10):大腿揺動アーム13の時計回り方向の揺動角度θfに対する目標剛性調整角度]
まず、図10を用いて、図13に示すフローチャートのステップS30にて行う目標剛性調整角度の算出手順について説明する。図10では、時計回り方向のオフセット角度がθs(『反』時計回り方向のオフセット角度は−θs)、大腿揺動アーム13が時計回り方向に揺動角度θfで揺動した場合の例を示しており、変速機25のシャフト25Aの時計回り方向の揺動角度がnθfである場合の例を示している(すなわち、変速機25の変速比を[n]としている)。また、変速機25の効率をηとし、大腿揺動アーム13の側から見たゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数をk1とし、バネ固定部材23の側から見たゼンマイバネ24のバネ定数をk(ゼンマイバネ24の、本来のバネ定数)とし、大腿揺動アーム13の揺動によって発生したトルクをτとすると、以下の式(1)が成立する。
τ=k1・θf=η・n・k(nθf−θs) 式(1)
上記の式(1)を整理すると、以下の式(2)にて、大腿揺動アーム13の側から見たゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数k1を求めることができる。また式(2)を整理して式(3)を得ることができる。
k1=η・n・k[1−θs/(n・θf)] 式(2)
θs=n・θf[1−k1/(η・n・k)] 式(3)
以上の式(2)より、例えば、大腿揺動アーム13の側から見たゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数k1をゼロにしたい場合は、オフセット角度θs=n・θfとすればよいことがわかる。また例えば、オフセット角度θsをゼロとした場合は、式(2)より、大腿揺動アーム13の側から見たゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数k1は、k1=η・n・kとなることがわかる。また例えば大腿揺動アーム13の側から見たゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数k1=2・η・n・kとしたい場合は、θs=−n・θfとすればよいことがわかる(図10の例に対して、バネ固定部材23を、基準線J1に対して『反』時計回り方向にn・θfだけ旋回させた状態とすればよい)。
ここで、ユーザの歩行周波数(大腿揺動アームの揺動周波数)をf、その場合の角周波数(角速度)をωとすると、以下の式(4)が成立する。歩行周波数fは、計測したユーザの歩行(または走行)の周期から求めることができる。従って、下記の式(4)のωの値を求めることができる。
ω=2・π・f 式(4)
また、上記のように、大腿揺動アーム13の側から見たゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数をk1とする。また、ユーザの下肢と大腿揺動アーム13等とを含む駆動軸線6J回りの慣性モーメントをIとする。例えば、慣性モーメントIは、駆動軸線6J回りに揺動する各部材の合計質量(既知)と、当該合計質量の重心の位置(駆動軸線6Jからの距離であって、既知)と、ユーザの体重及び身長から推定した下肢の質量と重心の位置(駆動軸線6Jからの距離であって、既知)とから、求めることが可能であり、以下の式(5)、式(6)が成立する。上記よりωの値がわかっており、慣性モーメントIもわかっているので、下記の式(6)から、大腿揺動アーム13の側から見たゼンマイバネ24の見かけ上バネ定数k1を求めることができる。
ω=√(k1/I) 式(5)
k1=I・ω 式(6)
また、大腿揺動アーム13の運動方程式(重力の影響が十分小さいとみなせる場合)は、一般的に、関節軸(駆動軸線6J)まわりの粘性係数をρとすると、以下の式(7)のように表される。なお、式(7)では、上記のτ、I、k1を用い、揺動角度をθとしている。
Figure 0006662020
大腿部の揺動は、ほぼ正弦波とみなせるので、θ=A・sinωtとして上記の式(7)に代入すると、以下の式(7A)を得ることができる。
τ=−A・I・ω・sinωt+A・ρ・ω・cosωt+A・k1・sinωt
=A(k1−I・ω)・sinωt+A・ρ・ω・cosωt 式(7A)
上記の式(7A)において、k1=I・ω、すなわち共振状態が成り立つとき、τを最小にできる。従って、トルクと角度変位の積となるエネルギーも最小化できる。
図10の例において、大腿揺動アーム13を時計回り方向に揺動角度θfで揺動させる際、電動モータ11の消費電力を最小にするオフセット角度θsが、目標剛性調整角度であり、上記の式(7)と式(2)から求められたオフセット角度θsが目標剛性調整角度である。また、上記の式(6)と式(2)から、角周波数ωと慣性モーメントIに応じたオフセット角度θs(ゼンマイバネの共振周波数と、揺動対象物の揺動周波数と、を一致させるオフセット角度θs)を求めることができる。
●[目標剛性調整角度の算出方法(図11):大腿揺動アーム13の『反』時計回り方向の揺動角度θrに対する目標剛性調整角度]
次に、図11を用いて、図13に示すフローチャートのステップS30にて行う目標剛性調整角度の算出手順について説明する。図11では、時計回り方向のオフセット角度がθs(『反』時計回り方向のオフセット角度は−θs)、大腿揺動アーム13が『反』時計回り方向に揺動角度θrで揺動した場合の例を示しており、変速機25のシャフト25Aの『反』時計回り方向の揺動角度がnθrである場合の例を示している(すなわち、変速機25の変速比を[n]としている)。また、変速機25の効率をηとし、大腿揺動アーム13の側から見たゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数をk2とし、バネ固定部材23の側から見たゼンマイバネ24のバネ定数をkとし、大腿揺動アーム13の揺動によって発生したトルクをτとすると、以下の式(8)が成立する。
τ=k2・θr=η・n・k(nθf+θs) 式(8)
上記の式(8)を整理すると、以下の式(9)にて、大腿揺動アーム13の側から見たゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数k2を求めることができる。また式(9)を整理して式(10)を得ることができる。
k2=η・n・k[1+θs/(n・θr)] 式(9)
θs=−n・θr[1−k2/(η・n・k)] 式(10)
以上の式(9)より、例えば、大腿揺動アーム13の側から見たゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数k2をゼロにしたい場合は、オフセット角度θs=−n・θrとすればよいことがわかる。また例えば、オフセット角度θsをゼロとした場合は、式(9)より、大腿揺動アーム13の側から見たゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数k2は、k2=η・n・kとなることがわかる。また例えば大腿揺動アーム13の側から見たゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数k2=2・η・n・kとしたい場合は、θs=n・θrとすればよいことがわかる(図11の例に対して、バネ固定部材23を、基準線J1に対して時計回り方向にn・θrだけ旋回させた状態とすればよい)。
ここで、ユーザの歩行周波数(大腿揺動アームの揺動周波数)をf、その場合の角周波数(角速度)をωとすると、上記の式(4)が成立する。また、上記のように、大腿揺動アーム13の側から見たゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数をk2として、ユーザの下肢と大腿揺動アーム13等とを含む駆動軸線6J回りの慣性モーメントを、上記と同様にIとした場合、以下の式(11)、式(12)が成立する。上記よりωの値がわかっており、慣性モーメントIもわかっているので、下記の式(12)から、大腿揺動アーム13の側から見たゼンマイバネ24の見かけ上バネ定数k2を求めることができる。
ω=√(k2/I) 式(11)
k2=I・ω 式(12)
また、大腿揺動アーム13の運動方程式は、一般的に、関節軸(駆動軸線6J)まわりの粘性係数をρとすると、以下の式(13)のように表される。なお、式(13)では、上記のτ、I、k2を用い、揺動角度をθとしている。
Figure 0006662020
大腿部の揺動は、ほぼ正弦波とみなせるので、θ=A・sinωtとして上記の式(13)に代入すると、以下の式(13A)を得ることができる。
τ=−A・I・ω・sinωt+A・ρ・ω・cosωt+A・k2・sinωt
=A(k2−I・ω)・sinωt+A・ρ・ω・cosωt 式(13A)
上記の式(13A)において、k2=I・ω、すなわち共振状態が成り立つとき、τを最小にできる。従って、トルクと角度変位の積となるエネルギーも最小化できる。
図11の例において、大腿揺動アーム13を『反』時計回り方向に揺動角度θrで揺動させる際、電動モータ11の消費電力を最小にするオフセット角度θsが、目標剛性調整角度であり、上記の式(13)と式(9)から求められたオフセット角度θsが目標剛性調整角度である。また、上記の式(12)と式(9)から、角周波数ωと慣性モーメントIに応じたオフセット角度θs(ゼンマイバネの共振周波数と、揺動対象物の揺動周波数と、を一致させるオフセット角度θs)を求めることができる。
以上、図10及び図11を用いて説明したように、制御手段50を用いて、駆動軸部材6回りの大腿揺動アーム13の揺動周波数(f)と、大腿揺動アーム13を含む揺動対象物(ユーザの下肢と大腿揺動アーム13とを含み、駆動軸線6J回りに揺動する全ての物体)における駆動軸部材6回りの慣性モーメント(I)と、ゼンマイバネ24のバネ定数(k)と、ゼンマイバネ24のオフセット角度(θs)と、大腿揺動アーム13の時計回り方向の揺動角度(θf)または大腿揺動アーム13の『反』時計回り方向の揺動角度(θr)と、に基づいて、ゼンマイバネ24の共振角周波数(ω)が、揺動対象物の揺動の周波数と一致するように剛性調整角度(時計回り方向のオフセット角度θs)を調整する。
このように、ゼンマイバネ24と慣性モーメントIの共振角周波数(ω)が、大腿揺動アーム13を含む揺動対象物(駆動軸部材6回りに揺動する物体全体)の揺動の周波数と一致するように、剛性調整角度(時計回り方向のオフセット角度θs)を設定することで、電動モータ11にて消費する電力を最小とすることができる。なお、剛性調整角度を上記の式から求めることなく、微小角度だけ剛性調整角度を変更して当該剛性調整角度における所定周期分の電動モータ11の消費電力を計測した後、再度微小角度だけ剛性調整角度を変更して所定周期分の電動モータ11の消費電力を計測することを繰り返し、最も消費電力が少ない剛性調整角度を求めるようにしてもよい。また、変速機25を設けて大腿揺動アーム13の揺動角度を増幅してゼンマイバネ24に増幅した揺動角度を入力することで、バネ定数が比較的小さな小型のゼンマイバネを用いることが可能である。また、電動モータ21も、より小さなトルクの小型の電動モータを用いることが可能である。
以上に説明した第1の実施の形態の揺動関節装置1は、ユーザの左脚用であるが、右脚用のベース部(ベース部2の左右対称版)、右脚用の大腿揺動部(符号11、12、14、14B、15、13、19等にて示した各部材の左右対称版)、右脚用の剛性調整部(符号21、22、23、24、25等にて示した各部材の左右対称版)、右脚用の下腿揺動部(符号31、32、32P、32B、33、34、35、36、39等にて示した各部材の左右対称版)を追加して、制御ユニット5からユーザの両脚の歩行動作(または走行動作)を支援するようにしてもよい。
●●[第2の実施の形態の揺動関節装置]
第2の実施の形態の揺動関節装置は、図1〜図4に示す第1の実施の形態の揺動関節装置1から電動モータ11(及び回転角度検出手段11S)、ブラケット12、プーリ14、ベルト14Bを省略し、大腿揺動アーム13の揺動角度を検出可能な回転角度検出手段を追加したものである。この第2の実施の形態では、ユーザの歩行(または走行)における大腿部の運動を電動モータで支援することはできないが、下腿部の運動を電動モータ31にて支援することができる。また、符号21、22、23、24、25等にて示した剛性調整部を有しているので、常に共振状態になるように剛性調整角度(時計回り方向のオフセット角度θs)を適切な角度とすることで、ユーザの大腿部の運動量を適切に軽減させることができる。
また、第1の実施の形態と同様に、右脚用のベース部(ベース部2の左右対称版)、右脚用の大腿揺動部(符号13、19等にて示した各部材の左右対称版)、右脚用の剛性調整部(符号21、22、23、24、25等にて示した各部材の左右対称版)、右脚用の下腿揺動部(符号31、32、32P、32B、33、34、35、36、39等にて示した各部材の左右対称版)を追加して、制御ユニット5からユーザの両脚の歩行動作(または走行動作)を支援するようにしてもよい。
●●[第3の実施の形態の揺動関節装置]
第3の実施の形態の揺動関節装置は、図1〜図4に示す第1の実施の形態の揺動関節装置1から、電動モータ31、ブラケット32、プーリ32P、ベルト32B、下腿揺動アーム33、下腿中継アーム34、下腿アーム35、足先保持部36、下腿装着部39を省略したものである。この第3の実施の形態では、ユーザの歩行(または走行)における大腿部の運動を電動モータ11にて支援し、下腿部の運動は支援しない。なお、符号21、22、23、24、25等にて示した剛性調整部を有しているので、常に共振状態になるように剛性調整角度(時計回り方向のオフセット角度θs)を適切な角度とすることで、電動モータ11の消費電力を、より低減することができる。
また、第1の実施の形態と同様に、右脚用のベース部(ベース部2の左右対称版)、右脚用の大腿揺動部(符号11、12、14、14B、15、13、19等にて示した各部材の左右対称版)、右脚用の剛性調整部(符号21、22、23、24、25等にて示した各部材の左右対称版)を追加して、制御ユニット5からユーザの両脚の歩行動作(または走行動作)を支援するようにしてもよい。
●●[第4の実施の形態の揺動関節装置]
第4の実施の形態の揺動関節装置は、第3の実施の形態の揺動関節装置から電動モータ11(及び回転角度検出手段11S)、ブラケット12、プーリ14、ベルト14Bを省略し、大腿揺動アーム13の揺動角度を検出可能な回転角度検出手段を追加したものである。この第4の実施の形態では、ユーザの歩行(または走行)における下腿部の運動の支援をすることはできない。またユーザの大腿部の運動を電動モータで支援することもできない。しかし、符号21、22、23、24、25等にて示した剛性調整部を有しているので、常に共振状態になるように剛性調整角度(時計回り方向のオフセット角度θs)を適切な角度とすることで、ユーザの大腿部の運動量を適切に軽減させることができる。
また、第1の実施の形態と同様に、右脚用のベース部(ベース部2の左右対称版)、右脚用の大腿揺動部(符号13、19等にて示した各部材の左右対称版)、右脚用の剛性調整部(符号21、22、23、24、25等にて示した各部材の左右対称版)を追加して、制御ユニット5からユーザの両脚の歩行動作(または走行動作)を支援するようにしてもよい。
●●[第5の実施の形態:往復直線運動体を有する搬送装置70に見かけ上剛性可変手段を適用した例(図14)]
次に説明する第5の実施の形態では、上記に説明した揺動関節装置の一部(少なくとも見かけ上剛性可変手段を含む)を有する搬送装置70の例を説明する。なお図14ではY軸方向が鉛直上向き方向を示している。
●[搬送装置70の全体構成(図14)]
図14に示す搬送装置70は、アーム71、ピニオン71B、減速機72(変速機)、従動プーリ73C、ベルト73B、駆動プーリ73A、上下駆動用アクチュエータ74M、回転角度検出手段74E、ゼンマイバネ24、バネ固定部材23、電動モータ21、回転角度検出手段21S、支持体78、スライド駆動体79A、制御手段50B等を有している。なお、上下駆動用アクチュエータ74Mは、ピニオン駆動手段に相当している。また、電動モータ21は、可変剛性用アクチュエータであり、剛性調整手段に相当している。図14の例に示す搬送装置70は、案内部材79B上を(左右に)往復運動しながらアーム71を上下に往復直線運動させて、コンベアC1上のワークWを把持し、把持したワークWをコンベアC2上に移動させる。なお、ゼンマイバネ24、バネ固定部材23、電動モータ21、回転角度検出手段21Sは、図5に示すものと同様である。
支持体78は、ピニオン71B、ピニオン側軸72A、減速機72、プーリ側軸72B、従動プーリ73C、バネ側軸73C1、ゼンマイバネ24、バネ固定部材23、電動モータ21、のそれぞれが同軸となるように支持している。また支持体78は、アーム71が上下に往復直線運動可能となるようにアーム71を案内している。また支持体78には、案内部材79Bに沿って(左右に)往復運動可能なスライド駆動体79Aが設けられている。制御手段50Bは、スライド駆動体79Aからの位置検出信号を検出しながらスライド駆動体79Aに制御信号を出力し、搬送装置70を、案内部材79Bに沿って往復運動させることが可能である。
アーム71は、ピニオン71Bに噛み合うラック部71Aを有し、上下に延びる部材であり、下端部にはワークWの把持と解放を行う把持部71Cを有している。アーム71は、ピニオン71Bの回転に応じて、支持体78に案内されて上方または下方に往復直線運動する。なお、アーム71の把持部71Cは制御手段50Bからの制御信号に応じてワークWを把持または解放する。
減速機72は、プーリ側軸72Bから入力された回転を、1/n倍に減速してピニオン側軸72Aに出力する(ピニオン側軸72Aから入力された回転をn倍に増幅してプーリ側軸72Bに出力する)。
従動プーリ73Cには、ピニオン側軸72Bとバネ側軸73C1が接続されており、駆動プーリ73A及びベルト73Bを介して上下駆動用アクチュエータ74Mの回転動力が伝達されている。制御手段50Bは、回転角度検出手段74Eからの検出信号を検出しながら上下駆動用アクチュエータ74Mに制御信号を出力する。なおバネ側軸73C1は、ゼンマイバネ24の一方端である自由端(図5における自由端24Bに相当)に接続されている。
以上の構成により、ゼンマイバネ24は、上下駆動用アクチュエータ74Mがピニオン71Bを回転駆動する際には、径が小さくなる側(あるいは径が大きくなる側)に巻回されてエネルギーを蓄える。このとき、上下駆動用アクチュエータ74Mによって従動プーリ73Cが回転駆動され、従動プーリ73Cは、減速機72とピニオン71Bを介してアーム71を上方(または下方)に運動させる。またゼンマイバネ24は、蓄えたエネルギーを放出する際には、縮径(あるいは拡径)された状態から復元しながらピニオン71Bを回転駆動する。このとき、ゼンマイバネ24によって従動プーリ73Cが回転駆動され、従動プーリ73Cは、減速機72とピニオン71Bを介してアーム71を下方(または上方)に運動させる。
ゼンマイバネ24の一方端である自由端は、上記のとおり、図5における自由端24Bに相当しており、バネ側軸73C1に接続されている。またゼンマイバネ24の他方端である固定端は、図5における固定端24Aに相当しており、バネ固定部材23のバネ支持体23Jにて支持されている。
バネ固定部材23は、図5に示すバネ固定部材23と同様であり、バネ支持体23Jを有しており、電動モータ21によって旋回される。そして制御手段50Bは、回転角度検出手段21Sからの検出信号を検出しながら電動モータ21に制御信号を出力する。
以上に説明したとおり、搬送装置70は、揺動関節装置における以下の各部を有している。揺動関節装置の駆動軸部材には、ピニオン側軸72Aが相当している。また揺動関節装置の第1出力部には、往復旋回動作するピニオン71Bが相当しており、揺動関節装置の第1揺動角度には、ピニオン71Bの往復旋回角度が相当している。また揺動関節装置における第1角度検出手段には、回転角度検出手段74Eが相当している。また揺動関節装置の弾性体には、ゼンマイバネ24が相当している。また揺動関節装置の(第1出力部から見た)見かけ上の剛性には、(ピニオン71Bから見た)ゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数が相当している。また揺動関節装置の見かけ上剛性可変手段には、バネ固定部材23と電動モータ21にて構成された(ピニオン71Bから見た)見かけ上バネ定数可変手段が相当している。
●[ピニオン71Bの旋回角度θに応じた目標剛性調整角度(バネ固定部材23の旋回角度)の算出方法]
ここで、アーム71の上下方向の推力をF、アーム71の質量をm(ワークWの質量は無視できるものとする)、アーム71の上下運動の粘性係数をd、Y軸方向の剛性をk、アーム71の下端位置のY軸座標をy、アーム71の上端位置のY座標をy、重力加速度をg、とすると、下記の(式14)に示す運動方程式が成立する。
Figure 0006662020
この場合、系のエネルギーの総和Eは、以下の(式15)にて表すことができる。
Figure 0006662020
ここで、(式15)のエネルギーの総和Eを最小化する条件は、以下の(式16)に示すとおりであり、(式16)から以下の(式17)、(式18)、(式19)を得ることができる。
Figure 0006662020

Figure 0006662020

Figure 0006662020

Figure 0006662020
上記の(式19)のように剛性kを制御すればエネルギーの総和Eを最小化できる。ただし、y−y(ピニオン71Bの旋回角度θに相当)が0(ゼロ)に近いときには剛性kが正(または負)の無限大となるので、その付近では、kを上限(ゼンマイバネ24のバネ定数の物理的上限(一般的に設定されている))に固定する。
ここで、アーム71の上下運動がyを中心にほぼ正弦波状に振動して下記の(式20)のようにみなせる場合には、下記の(式21)のように制御する。
y≒y+Asinωt (式20)
L=m[(Aωsinωt−g)/(Asinωt)]=m[ω−g/(Asinωt)] (式21)
また垂直方向変位yと回転変位θ(ピニオン71Bの旋回角度)の関係は、ピニオンのピッチ円半径をrとすると、以下の(式22)にて表すことができる。なお、θは変位前の角度であり、yは変位前の位置である。
r(θ−θ)=y−y (式22)
また減速機72の出力がラック&ピニオンで直動方向の推力fに変換されることを考えると、以下の(式23)が成立し、(式23)と(式22)より、(式24)を得ることができる。
f=k(y−y) (式23)
f=kr(θ−θ) (式24)
ここで、ゼンマイバネ24によりピニオン71Bに生じるトルクをτ、回転方向の見かけ上の剛性をk、ゼンマイバネ24によるトルクをτ、減速機72の減速比をn、減速機72の効率をηとすると、以下の(式25)が成立する。また減速機72のプーリ側軸72Bに生じるトルクτは、ゼンマイバネのもともとのバネ定数をkとした場合、以下の(式26)となる。
τ=k(θ−θ)=ηnτ (式25)
τ=kn(θ−θ) (式26)
上記の(式25)と(式26)から以下の(式27)を得ることができる。
τ=ηk(θ−θ) (式27)
ここで、上記の(式26)に対して、ゼンマイバネ24の固定端24Aをθだけ旋回させる(図9中におけるオフセット角度θs(θに相当)を与える)ことを考えると、以下の(式28)を得ることができる。
τ=k[n(θ−θ)−θ] (式28)
上記の(式25)と(式28)から以下の(式29)を得ることができる。
τ=ηnk[n(θ−θ)−θ
=ηk{1−θ/[n(θ−θ)]}(θ−θ) (式29)
上記の(式29)と(式25)から以下の(式30)を得られ、この(式30)をkについて整理すると(式31)を得ることができる。
ηk{1−θ/[n(θ−θ)]}(θ−θ)=k(θ−θ) (式30)
=ηk{1−θ/[n(θ−θ)]} (式31)
ここでラック&ピニオン機構の効率をηとし、直動部の仕事が、回動部の仕事に等しい、と考えれば、以下の(式32)が得られ、(式32)と(式22)から以下の(式33)を得ることができる。
f(y−y)=ητ(θ−θ) (式32)
fr(θ−θ)=ητ(θ−θ) (式33)
上記の(式24)と(式33)から以下の(式34)を得ることができる。
(θ−θ=ητ(θ−θ) (式34)
上記の(式34)と(式29)から以下の(式35)を得られ、(式35)をkについて整理すると(式36)を得ることができる。また(式35)をθについて整理すると(式37)を得ることができる。従って、必要なkに対し、θを(式37)のように制御すればよい。
(θ−θ)=ηηk{1−θ/[n(θ−θ)]}(θ−θ) (式35)
=ηηk{1−θ/[n(θ−θ)]}1/r (式36)
θ=[1−k/(ηηk)]n(θ−θ) (式37)
以上、ゼンマイバネ24の固定端24Aの位置の角度θ(図9に示すオフセット角度θsに相当)を、ピニオン71Bの回転変位θに対してリアルタイムに(式37)を満足するように調整することで、上下駆動用アクチュエータ74Mの消費エネルギーを最小化することができる。
●●[第6の実施の形態:揺動運動体を有するマニピュレータ90に見かけ上剛性可変手段を適用した例(図15、図16)]
●[マニピュレータ90の全体構成(図15、図16)]
次に図15及び図16を用いて、揺動運動体(第2揺動部95及び第2旋回部94と一体化している第1揺動部93)に、上記の見かけ上剛性可変手段を適用した例を説明する。図15及び図16に示すマニピュレータ90は、ベース91、第1旋回部92、第1揺動部93、第2旋回部94、第2揺動部95、制御手段50C等を有している。
ベース91には、回転角度検出手段91Eを有する電動モータ91Mが設けられており、電動モータ91Mは、ベース91に対して第1旋回部92を旋回させる。また第1旋回部92には、回転角度検出手段84Eを有する電動モータ84M(揺動部駆動手段に相当)を備えた剛性可変式揺動装置80Gが設けられており、剛性可変式揺動装置80Gは、第1旋回部92に対して第1揺動部93を揺動させる。なお剛性可変式揺動装置80Gの詳細については後述する。また第1揺動部93には、回転角度検出手段93Eを有する電動モータ93Mが設けられており、電動モータ93Mは、第1揺動部93に対して第2旋回部94を旋回させる。また第2旋回部94には、回転角度検出手段94Eを有する電動モータ94Mが設けられており、電動モータ94Mは、第2旋回部94に対して第2揺動部95を揺動させる。制御手段50Cは、回転角度検出手段91Eからの検出信号を検出しながら電動モータ91Mに制御信号を出力し、回転角度検出手段84Eからの検出信号を検出しながら電動モータ84Mに制御信号を出力する。また制御手段50Cは、回転角度検出手段93Eからの検出信号を検出しながら電動モータ93Mに制御信号を出力し、回転角度検出手段94Eからの検出信号を検出しながら電動モータ94Mに制御信号を出力する。
剛性可変式揺動装置80Gは、揺動体側軸82A、減速機82、プーリ側軸82B、従動プーリ83C、ベルト83B、駆動プーリ83A、電動モータ84M、回転角度検出手段84E、バネ側軸83C1、ゼンマイバネ24、バネ固定部材23、電動モータ21(可変剛性用アクチュエータであり剛性調整手段に相当)、回転角度検出手段21Sを有し、第1旋回部92に設けられている。図15及び図16に示すマニピュレータ90は、第1揺動部93から上(第1揺動部93と第2旋回部94と第2揺動部95)を揺動運動させる。なお、ゼンマイバネ24、バネ固定部材23、電動モータ21、回転角度検出手段21Sは、図5に示すものと同様である。なお第1揺動部93から上は、所定の振幅を有して周期的に揺動しているものとする。
剛性可変式揺動装置80Gの支持体である第1旋回部92は、揺動体側軸82A、減速機82、プーリ側軸82B、従動プーリ83C、バネ側軸83C1、ゼンマイバネ24、バネ固定部材23、電動モータ21、のそれぞれが同軸となるように支持している。なお、減速機82、プーリ側軸82B、従動プーリ83C、ベルト83B、駆動プーリ83A、電動モータ84M、バネ側軸83C1、ゼンマイバネ24、バネ固定部材23、電動モータ21は、図14に示す減速機72、プーリ側軸72B、従動プーリ73C、ベルト73B、駆動プーリ73A、上下駆動用アクチュエータ74M、バネ側軸73C1、ゼンマイバネ24、バネ固定部材23、電動モータ21と同様であるので説明を省略する。減速機82は、プーリ側軸83Bから入力された回転を、1/n倍に減速して揺動体側軸82Aに出力する(揺動体側軸82Aから入力された回転をn倍に増幅してプーリ側軸82Bに出力する)。
以上の構成により、ゼンマイバネ24は、電動モータ84Mが従動プーリ83Cを回転駆動する際には、径が小さくなる側(あるいは径が大きくなる側)に巻回されてエネルギーを蓄える。このとき、電動モータ84Mによって回転駆動された従動プーリ83Cは、減速機82と揺動体側軸82Aを介して第1揺動部93を揺動運動させる。またゼンマイバネ24は、蓄えたエネルギーを放出する際には、縮径(あるいは拡径)された状態から復元しながら従動プーリ83Cを回転駆動する。このとき、ゼンマイバネ24によって回転駆動された従動プーリ83Cは、減速機82と揺動体側軸82Aを介して第1揺動部93を揺動運動させる。
以上に説明したとおり、マニピュレータ90は、揺動関節装置における以下の各部を有している。揺動関節装置の駆動軸部材には、揺動体側軸82Aが相当している。また揺動関節装置の第1出力部には、揺動する第1揺動部93が相当しており、揺動関節装置の第1揺動角度には、第1揺動部93の揺動角度θが相当している。また揺動関節装置における第1角度検出手段には、回転角度検出手段84Eが相当している。また揺動関節装置の弾性体には、ゼンマイバネ24が相当している。また揺動関節装置の(第1出力部から見た)見かけ上の剛性は、(第1揺動部93から見た)ゼンマイバネ24の見かけ上のバネ定数が相当している。また揺動関節装置の見かけ上剛性可変手段には、バネ固定部材23と電動モータ21にて構成された(第1揺動部93から見た)見かけ上バネ定数可変手段が相当している。
●[第1揺動部93の揺動角度θに応じた目標剛性調整角度(バネ固定部材23の旋回角度)の算出方法]
ここで、ゼンマイバネ24により生じるトルクτは、第1揺動部93から見たゼンマイバネ24の見かけ上の剛性(バネ定数)をk、第1揺動部93の揺動角度をθ、揺動の中心に相当する位置の角度をθ、減速機82の減速比をn、減速機82の効率をη、ゼンマイバネ24により減速機82のプーリ側軸82Bに生じるトルクをτ、とすると、以下の(式38)、(式39)が成立する。
τ=k(θ−θ) (式38)
τ=ηnτ (式39)
また減速機82のプーリ側軸82Bに生じるトルクτは、ゼンマイバネ24のもともとのバネ定数をk、ゼンマイバネ24の固定端に対する自由端の回転角度をθ´とした場合、以下の(式40)、(式41)が成立する。
τ=kθ´ (式40)
n(θ−θ)=θ´ (式41)
上記の(式40)と(式41)から以下の(式42)が得られ、当該(式42)と上記の(式39)から以下の(式43)を得ることができる。
τ=kn(θ−θ) (式42)
τ=ηn・kn(θ−θ)=ηk(θ−θ) (式43)
上記の(式43)と(式38)から以下の(式44)を得ることができる。
=ηk (式44)
ここでゼンマイバネ24の固定端をθ移動(旋回)させることを考えると、以下の(式45)が成立し、当該(式45)と上記の(式40)から以下の(式46)を得ることができる。
θ´=n(θ−θ)−θ (式45)
τ=k[n(θ−θ)−θ] (式46)
また上記の(式39)と(式46)から以下の(式47)を得ることができる。また(式47)と(式38)から下記の(式48)を得ることができる。
τ=ηn・k[n(θ−θ)−θ
=ηk{1−θ/[n(θ−θ)]}(θ−θ) (式47)
=ηk{1−θ/[n(θ−θ)]} (式48)
ここで、負荷(第2揺動部95及び第2旋回部94と一体化した第1揺動部93)の質量をm、負荷の慣性モーメントをJ、負荷の粘性係数をd、第1揺動部93の揺動中心から、負荷の重心までの距離をl(図15参照)、sinθ≒θとすると、以下の(式49)が成立する。なお、慣性モーメントJと、重心までの距離lは、負荷(第2揺動部95及び第2旋回部94と一体化した第1揺動部93)の姿勢によって変化するので、予めその値を計算して用いる。
Figure 0006662020
また揺動の動作方向に重力が作用する場合のエネルギーの総和Eは、以下の(式50)にて与えられる。
Figure 0006662020
ここで、(式50)のエネルギーの総和Eを最小化する条件は、以下の(式51)に示すとおりであり、(式51)から(式52)、(式53)を得ることができる。
Figure 0006662020

Figure 0006662020

Figure 0006662020
揺動の動作が、θを中心とする正弦波とみなせる場合には、(式54)とみなすことができる。そして(式54)と(式53)から以下の(式55)を得ることができる。
θ=θ+Asinωt (式54)
R=[(JAωsinωt−mgl)/(Asinωt)]
=Jω−mgl/(Asinωt) (式55)
以上、ゼンマイバネ24の固定端24Aの位置の角度θ(図9に示すオフセット角度θsに相当)を、第1揺動部93の揺動角度θに対してリアルタイムに(式48)を満足するように調整することで、電動モータ84Mの消費エネルギーを最小化することができる。
本発明の揺動関節装置、歩行アシスト装置、搬送装置、マニピュレータの構造、構成、形状、外観等は、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施の形態にて説明した揺動関節装置の用途は、ユーザの下肢の揺動運動(歩行や走行)を支援する用途である歩行アシスト装置に限定されず、周期的な揺動運動をする搬送装置やマニピュレータ等、種々の対象物に適用可能である。
本実施の形態では、電動モータ11、電動モータ31、上下駆動用アクチュエータ74M、電動モータ84Mの揺動回転運動を、プーリとベルトで大腿揺動アーム13、下腿揺動アーム33、ピニオン71B、第1揺動部93に伝達したが、プーリとベルトに限定されず、ギアやリンク機構等を用いて伝達してもよい。
また本実施の形態の説明では、大腿揺動アーム13(プーリ15)とゼンマイバネ24との間に変速機25を設けて、大腿揺動アーム13(プーリ15)にゼンマイバネ24を間接的に接続した例を説明したが、変速機25を省略して、大腿揺動アーム13(プーリ15)とゼンマイバネ24とを直接的に接続してもよい。同様に、減速機72や減速機82を省略してもよい。
また、本実施の形態では、弾性体としてゼンマイバネ24を用いた例にて説明したが、ゼンマイバネ24の代わりに種々の弾性体を用いることができる。例えば、螺旋状に巻いた伸縮バネ、板状バネ、ウェーブスプリングなど別の弾性体でもよい。また、ゴム、樹脂などのエラストマや、オイルのような液体、気体を利用した弾性体でもよい。エネルギーを保存する対象物(動作)の運動量や保存するエネルギー量に合わせて弾性体を変更可能である。保存するエネルギー量が比較的少ない場合では、エラストマを使用することが効果的である。また、ユーザの歩行や走行等の動作に対しては、比較的大きなエネルギーの保存量、バネ定数(剛性)等の大きさ、調整の容易性等から、ゼンマイバネを使用することが効果的である。また、ゼンマイバネは、コストの面からも優位である。
1 揺動関節装置
2 ベース部
3 腰装着部
4 肩ベルト
5 制御ユニット
6 駆動軸部材
6J 駆動軸線
11 電動モータ(第1駆動手段)
11D、21D、31D 減速機
11S 回転角度検出手段(第1角度検出手段)
12 ブラケット
13 大腿揺動アーム(第1出力部)
13G 円板部
14、15 プーリ
14B ベルト
15J プーリ軸部材
19 大腿装着部
21 電動モータ(剛性調整手段)
21S 回転角度検出手段
22 ブラケット
23 バネ固定部材
23J バネ支持体
24 ゼンマイバネ(弾性体)
24A 固定端
24B 自由端
25 変速機
25A シャフト(バネ入力軸部材)
25B バネ自由端挿通溝
31 電動モータ(第2駆動手段)
31S 回転角度検出手段(第2角度検出手段)
32 ブラケット
32B ベルト
32P プーリ
33 下腿揺動アーム(第2出力部)
34 下腿中継アーム(揺動リンク部材)
35 下腿アーム(揺動リンク部材)
35M 平行リンク形成部
39 下腿装着部
50、50B、50C 制御手段
70 搬送装置
71 アーム
71B ピニオン(第1出力部)
72 減速機
72A ピニオン側軸(駆動軸部材)
73C 従動プーリ
74M 上下駆動用アクチュエータ(ピニオン駆動手段)
74E 回転角度検出手段(第1角度検出手段)
80G 剛性可変式揺動装置
82 減速機
82A 揺動体側軸(駆動軸部材)
83C 従動プーリ
84M 電動モータ(揺動部駆動手段)
84E 回転角度検出手段(第1角度検出手段)
91 ベース
92 第1旋回部
93 第1揺動部(第1出力部)
94 第2旋回部
95 第2揺動部
J1 基準線
θf 揺動角度(大腿揺動アームの時計回り方向の揺動角度)
θr 揺動角度(大腿揺動アームの『反』時計回り方向の揺動角度)
θs オフセット角度(剛性調整角度)

Claims (9)

  1. 駆動軸部材と、
    前記駆動軸部材の軸である駆動軸回りに揺動する第1出力部と、
    前記第1出力部の揺動角度である第1揺動角度に応じた付勢トルクを発生させる弾性体と、
    前記第1出力部から見た前記弾性体の見かけ上の剛性を可変とする見かけ上剛性可変手段と、
    前記第1揺動角度を検出する第1角度検出手段と、
    前記第1角度検出手段にて検出した前記第1揺動角度に応じて前記見かけ上剛性可変手段を制御して、前記第1出力部から見た前記弾性体の前記見かけ上の剛性を調整する制御手段と、を有し、
    前記第1出力部から見た前記弾性体の前記見かけ上の剛性は、前記第1出力部から見た前記弾性体の見かけ上のバネ定数を含み、
    前記第1出力部から見た前記弾性体の前記見かけ上の剛性を可変とする前記見かけ上剛性可変手段は、前記第1出力部から見た前記弾性体の前記見かけ上のバネ定数を可変とする見かけ上バネ定数可変手段を含んでいる、
    揺動関節装置。
  2. 請求項1に記載の揺動関節装置であって、
    前記弾性体は、ゼンマイバネを含み、
    前記ゼンマイバネに隣接する位置には、前記ゼンマイバネの固定端を支持するバネ固定部材が配置されており、
    前記ゼンマイバネの一方端である自由端は、前記第1出力部の前記第1揺動角度に応じた角度で揺動するバネ入力軸部材に接続されており、
    前記ゼンマイバネの他方端である前記固定端は、前記バネ固定部材における前記駆動軸から離れた位置に設けられたバネ支持体に接続されており、
    前記見かけ上バネ定数可変手段は、
    前記駆動軸回りに旋回自在に支持されて前記駆動軸回りに所定旋回角度で旋回されることで前記駆動軸に対する前記バネ支持体の位置を前記駆動軸回りに前記所定旋回角度分だけ移動させる前記バネ固定部材と、
    前記バネ固定部材を前記駆動軸回りに旋回させて前記ゼンマイバネの前記固定端の位置を可変とする剛性調整手段と、にて構成されている、
    揺動関節装置。
  3. 請求項2に記載の揺動関節装置であって、
    前記第1出力部と前記ゼンマイバネとの間には変速機が設けられており、
    前記変速機は、前記第1出力部が前記第1揺動角度で揺動すると所定の変速比で変速した変速後揺動角度で揺動する前記バネ入力軸部材を有している、
    揺動関節装置。
  4. 請求項2または3に記載の揺動関節装置であって、
    前記制御手段は、
    前記第1揺動角度がゼロの場合において前記ゼンマイバネが付勢トルクを発生していない前記バネ支持体の位置を基準位置とした場合、前記第1出力部の前記第1揺動角度に応じて、前記剛性調整手段を制御して前記バネ固定部材の旋回角度を調整して前記基準位置に対する前記バネ支持体の位置を調整することで、前記第1出力部から見た前記ゼンマイバネの前記見かけ上のバネ定数を調整する、
    揺動関節装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の揺動関節装置であって、
    前記制御手段からの制御信号に基づいて前記第1出力部を前記駆動軸回りに揺動させる第1駆動手段を有している、
    揺動関節装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の揺動関節装置であって、
    前記駆動軸回りに揺動自在に支持された第2出力部と、
    前記第2出力部の揺動角度である第2揺動角度を検出する第2角度検出手段と、
    前記制御手段からの制御信号に基づいて前記第2出力部を前記駆動軸回りに揺動させる第2駆動手段と、
    前記第1出力部と前記第2出力部とに接続されて前記第1出力部の前記第1揺動角度と前記第2出力部の前記第2揺動角度とに基づいて動作する揺動リンク部材と、を有している、
    揺動関節装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の揺動関節装置を有する、
    歩行アシスト装置。
  8. 請求項2に記載の揺動関節装置を有する搬送装置であって、
    前記駆動軸部材と、
    前記駆動軸部材の前記駆動軸回りに揺動するように往復旋回動作する前記第1出力部であるピニオンと、
    前記ピニオンに噛み合うラック部を有して前記ピニオンの往復旋回角度である揺動角度に応じて往復直線運動するアームであって、ワークの把持と解放が可能な前記アームと、
    前記ピニオンを回転駆動するピニオン駆動手段と、
    前記ピニオンの前記揺動角度である前記第1揺動角度を検出する前記第1角度検出手段と、
    前記ピニオン駆動手段が前記ピニオンを回転駆動する際にエネルギーを蓄え、蓄えたエネルギーを放出する際に前記ピニオンを回転駆動する前記ゼンマイバネと、
    前記バネ固定部材と、前記剛性調整手段と、を有する前記見かけ上バネ定数可変手段と、
    前記ピニオン駆動手段と前記剛性調整手段を制御する前記制御手段と、を有し、
    前記アームを往復直線運動させながらワークの把持と解放を行うことで、ワークを移動させる、
    搬送装置。
  9. 請求項2に記載の揺動関節装置を有するマニピュレータであって、
    前記駆動軸部材と、
    前記駆動軸部材の前記駆動軸回りに揺動する前記第1出力部である揺動部と、
    前記揺動部を揺動する揺動部駆動手段と、
    前記揺動部の揺動角度である前記第1揺動角度を検出する前記第1角度検出手段と、
    前記揺動部駆動手段が前記揺動部を揺動する際にエネルギーを蓄え、蓄えたエネルギーを放出する際に前記揺動部を揺動する前記ゼンマイバネと、
    前記バネ固定部材と、前記剛性調整手段と、を有する前記見かけ上バネ定数可変手段と、
    前記揺動部駆動手段と前記剛性調整手段を制御する前記制御手段と、を有する、
    マニピュレータ。

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