JP6661512B2 - 懸濁液送液分離装置 - Google Patents

懸濁液送液分離装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6661512B2
JP6661512B2 JP2016209839A JP2016209839A JP6661512B2 JP 6661512 B2 JP6661512 B2 JP 6661512B2 JP 2016209839 A JP2016209839 A JP 2016209839A JP 2016209839 A JP2016209839 A JP 2016209839A JP 6661512 B2 JP6661512 B2 JP 6661512B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
suspension
liquid
unit
separating
liquid sending
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016209839A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018069135A (ja
Inventor
琢也 神林
琢也 神林
浅野 隆
浅野  隆
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Original Assignee
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi GE Nuclear Energy Ltd filed Critical Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority to JP2016209839A priority Critical patent/JP6661512B2/ja
Publication of JP2018069135A publication Critical patent/JP2018069135A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6661512B2 publication Critical patent/JP6661512B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)

Description

本発明は、懸濁液中の濁質を分離する懸濁液送液分離装置に関する。
工場排水処理施設等、各種の用途で、懸濁液中の濁質を効率的に分離除去できる仕組みが求められている。濁質は、液中に分散した状態で懸濁している固形成分や液滴等の物質であり、分離対象物を指す。
従来例において、懸濁液を送液しながら濁質を分離する方法として、懸濁液に超音波を照射することで懸濁液から濁質を分離する方法がある。
懸濁液濁質分離方法に関する先行技術例として、国際公開WO2016−042832号明細書(特許文献1)が挙げられる。特許文献1には、超音波を用いた懸濁液の送液分離装置として、以下の旨が記載されている。油性成分と水性成分を含む乳濁液を分離する乳濁液分離装置であって、乳濁液を供給される乳濁液供給部と、分離された乳濁液を排出する乳濁液排出部と、乳濁液供給部に接続された流路部を有しており、乳濁液供給部と乳濁液排出部とは、第一と第二の配管ユニットを介して接続され、配管ユニットは、流路部を挟み対向するように配置された超音波振動子と超音波反射部材とから構成される乳濁液分離装置。
国際公開WO2016−042832号明細書
従来例の懸濁液の送液分離方法、例えば特許文献1の乳濁液分離装置では、超音波振動子を貼り付けた超音波ユニットを接続して流路部を形成することで、乳濁液分離装置送液を止めることなく、或いは送液停止時間が短い保守点検が可能となる方法を得る旨が記載されている。
特許文献1の分離装置では、超音波ユニットを連結して形成した流路部内の液体に超音波を照射する。すると、振動子から照射された超音波が反射板によって反射されることで、流路部内に定在波が形成される。そして、音圧が高い領域である節と、低い領域である腹とが、流路部に沿って周期的に発現する。この際、流路部内に節と腹の間隔よりも十分小さな濁質が存在する場合、その濁質は腹か節の位置に捕捉される。そして、それらの濁質は、お互いに凝集し、その凝集物は、その物性等に応じて、その沈降速度または浮上速度が大きくなる。その凝集物は、沈降速度が大きくなった場合、流路部の鉛直方向下部に沈降して濃縮される。
しかし、ユニット底部に下降した濁質は以下の二つが原因となり、その殆どがユニット底部に堆積してしまい、長時間連続駆動すると濁質がユニット内に堆積し、流路が閉塞してしまう。(a)底部近辺に存在する腹、或いは節部に下降した濁質が捕捉される、(b)底部近傍は境界層領域となるため流れが遅くなる。即ち、分離装置の送液機能を保持するためには、鉛直方向下部に沈降した濁質を効率的に排出する必要がある。
上記のように、先行技術例の乳濁液分離方法及び装置等では、濁質の排出性能の点で課題がある。
本発明は、超音波を用いた懸濁液中の濁質を分離する技術に関して、濃縮した濁質を高効率に排出することができる懸濁液送液分離装置を提供するものである。
本発明のうち代表的な実施の形態は、懸濁液送液分離装置であって、以下に示す構成を用いることを特徴とする。
即ち、本発明では、懸濁液送液分離装置を、外部を壁面で囲んだ第1の空洞構造体と、この第1の空洞構造体の外部からこの第1の空洞構造体の内部に超音波を発生させる超音波振動部とを備えて第1の空洞構造体の内部に懸濁液を送液しながら懸濁液に超音波振動部から超音波を印加して懸濁液の濁質を分離する送液分離ユニットと、送液分離ユニットで濁質を分離した懸濁液を濁質の濃度が濃くなった懸濁液と分離されて濁質の濃度が薄くなった懸濁液とに分離して排出する排出ユニットと、送液分離ユニットの超音波振動部に超音波を発生させるための駆動信号を印加する制御部とを備えて構成し、送液分離ユニットを複数備え、複数の送液分離ユニットのそれぞれの第1の空洞構造体は、内部を液送する懸濁液の液送する方向に対して左右方向に対向する一対の壁面とこの一対の壁面と接続して上下方向で対向する一対の底面と上面とを有し、超音波振動部は、左右方向に対向する一対の壁面のうちの一方の壁面の外部であって、超音波振動部で発生させて第1の空洞構造体の内部に伝播させた超音波が第1の空洞構造体の底面にまで拡散する前に一対の壁面のうち他方の壁面で反射されるような位置に設置するようにした。
本発明によれば、超音波を用いた懸濁液の濁質を分離する技術に関して、懸濁液中の濁質を高効率に排出することができるようになった。
本発明の実施例1に係る懸濁液送液分離システムの概略の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る懸濁液送液分離システムにおける送液分離ユニットの平面図である。 本発明の実施例1に係る懸濁液送液分離システムにおける送液分離ユニットの正面図である。 本発明の実施例1に係る懸濁液送液分離システムにおける送液分離ユニットのXZ面における断面図である。 本発明の実施例1に係る懸濁液送液分離システムにおける送液分離ユニットのXY面における断面図である。 本発明の実施例1に係る懸濁液送液分離システムにおける送液分離ユニットの正面図である。 本発明の実施例1に係る懸濁液送液分離システムにおける送液分離ユニットのXZ面における断面図である。 本発明の実施例1に係る懸濁液送液分離システムにおける排出ユニットのYZ面における断面図である。 本発明の実施例1に係る懸濁液送液分離システムにおける排出ユニットの間仕切り板の変形例の断面図である。 本発明の実施例1に係る懸濁液送液分離システムにおける送液分離ユニットの実験モデルの平面図である。 本発明の実施例1に係る懸濁液送液分離システムにおける送液分離ユニットの実験モデルの正面図である。 本発明の実施例1に係る懸濁液送液分離システムにおける送液分離ユニットの実験モデルにおいて測定した送液分離ユニットの清澄液排出口から排出された懸濁液の濁度と濃縮液排出口から排出された懸濁液の濁度とを示すグラフである。 本発明の実施例1に係る懸濁液送液分離システムの変形例で、2つの送液分離ユニットの間に超音波振動子を装着していない送液ユニットを配置した構成を示す、懸濁液送液分離システムの部分的な平面図である。 本発明の実施例2に係る懸濁液送液分離システムにおける送液分離ユニットの部分的な平面図である。 本発明の実施例2に係る懸濁液送液分離システムにおける薬剤添加ユニットの構成を示すYZ面の断面図である。 本発明の実施例2に係る懸濁液送液分離システムにおける攪拌ユニットの構成をYZ面の断面図である。 本発明の実施例3に係る懸濁液送液分離システムの概略の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例3に係り分流ユニットで第1送液分離ユニット群と第2送液分離ユニット群に分留する構成を有する懸濁液送液分離システムの概略の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例4に係る懸濁液送液分離システムの概略の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例4の変形例に係る懸濁液送液分離システムの概略の構成を示すブロック図である。
本発明は、懸濁液を送液しながら懸濁液の濁質を分離する懸濁液送液分離装置に係るものであって、いくつかの実施例が挙げられるが、その代表的なものを挙げると、複数の送液分離ユニットの連結により構成される送液分離部を有し、送液分離ユニットは、懸濁液が送液される流路となる空洞構造体を有し、この空洞構造体における水平方向のうち、懸濁液の送液方向に沿って対面する2つの側面部と、この側面部の一方の第1側面部に設けられた、懸濁液が供給される供給口と、側面部の他方の第2側面部に設けられた、懸濁液が排出される排出口と、空洞構造体における水平方向のうち、懸濁液の送液方向に直交する方向に対面する2つの平面部と、この平面部の少なくとも一方の面の鉛直方向上側のみに設けられた、駆動信号に基づいて超音波を流路に発生させる超音波振動部とを有し、送液分離部の流路で懸濁液が送液されながら、超音波により懸濁液の濁質が捕捉されて鉛直方向で分離され、超音波振動部が、平面部の鉛直方向上側に配置されていることを特徴とするものである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお実施の形態を説明するための全図において同一部には原則として同一符号を付しその繰り返しの説明は省略する。
図1〜図5を用いて、本発明の第1の実施例における懸濁液送液分離装置、システム、及び懸濁液送液の分離方法について説明する。
実施例1に係る懸濁液送液分離装置は、工場排水等の懸濁液を送液する用途、及び懸濁液から濁質を分離する懸濁液処理や浄水処理等を行う用途に好適な構成を有する。本実施例において、懸濁液とは、濁質(液中に浮遊している固形物)を含む液のことを指す。
本実施例に係る懸濁液送液分離装置及び懸濁液送液の分離方法は、懸濁液の送液及び濁質の分離を行う送液分離工程において、懸濁液を、濁質が濃縮された濃縮液と、それ以外の濁質をあまり含まない清澄液とに分離する。分離後の清澄液とは、懸濁液送液分離装置に供給された元の懸濁液よりも、体積あたりの液中の濁質数が少なくなった液を指す。また、分離後の濃縮液とは、懸濁液送液分離装置に供給された元の懸濁液よりも、体積あたりの液中の濁質数が多くなった液を指す。
[懸濁液送液分離システム]
図1は、本実施例の懸濁液送液分離装置9を含む、懸濁液送液分離システム900の構成をXY平面で示す。図1の懸濁液送液分離システム900は、送液タンク1と、懸濁液送液分離装置9と、清澄液排出部5と、濃縮液排出部6とを有し、それらが接続されている。送液タンク1の後段に懸濁液送液分離装置9が接続され、懸濁液送液分離装置9の後段に清澄液排出部5及び濃縮液排出部6が並列に接続されている。
懸濁液送液分離装置9は、懸濁液を送液しながら懸濁液の濁質を分離する処理を行う装置である。懸濁液送液分離装置9は、複数の種類のユニットの接続により構成される。懸濁液送液分離装置9は、送液分離部2と、制御部4と、排出ユニット3とを有し、それらが接続されている。送液分離部2は、連結される複数の送液分離ユニット200を有する。送液分離ユニット200の数をNとし、Nは2以上である。複数の送液分離ユニット200は、送液タンク1の側の懸濁液が供給される側から順に、送液分離ユニット200−1、送液分離ユニット200−2、……、送液分離ユニット200−nを有する。各送液分離ユニット200−n(2≦n<N)と200−n+1との間は、接続部28で接続されている。
なお、図1で、説明上の方向及び座標系として、(X,Y,Z)を示す。X方向及びY方向は、水平方向及び水平面を構成する直交する2つの方向であり、Z方向は鉛直方向である。図1では、懸濁液送液分離システム900全体をX方向及びY方向により構成されるXY平面で示している。
送液タンク1は、懸濁液が溜められた懸濁液蓄積部である。送液タンク1と送液分離部2は、接続部28を介して接続されている。接続部28は、開閉可能なバルブ等を含む。接続部28のバルブを開状態とすることで、送液タンク1内の懸濁液が送液分離部2へ流れる。なお、送液タンク1と送液分離部2との間に接続部28を必ずしも設ける必要は無く、送液タンク1のZ方向上から懸濁液を入れてそのまま送液分離部2へ流す構成としてもよい。送液タンク1は、外部システムと接続されてもよい。懸濁液は、水等の媒質に1種類以上の濁質(固形物)が分散して含まれている液である。
送液分離部2は、複数の送液分離ユニット200−nの連結により、懸濁液が送液される流路が構成されている。送液分離部2の流路内で懸濁液が送液されると共に、懸濁液中の濁質がZ方向で分離される。方向a1は、送液分離ユニット200−n内を懸濁液が流れる概略的な送液方向を示し、Y方向に対応している。複数の送液分離ユニット200−nは、同じ種類のユニットであり、形状等が同じである。
送液分離部2の第1番目の送液分離ユニットである送液分離ユニット200−1の供給口は、接続部28を通じて、送液タンク1と接続されている。送液分離ユニット200−1の排出口は、接続部28を通じて、第2番目の送液分離ユニットである送液分離ユニット200−2の供給口と接続されている。送液分離部2の最終段の送液分離ユニットである送液分離ユニット200−nの排出口は、接続部28を通じて、排出ユニット3と接続されている。送液分離ユニット200−1及び送液分離ユニット200−n以外の各々の送液分離ユニット200−nは、排出口24−nが、接続部28を通じて、次段の送液分離ユニット200−n+1の供給口と接続されている。また、各々の送液分離ユニット200−nには超音波振動子25−nが取り付けられており、各超音波振動子25−nは、信号線42を通じて、制御部4と電気的に接続されている。
制御部4は、送液分離部2の複数の送液分離ユニット200−nを制御する部分であり、信号駆動部41を含む。制御部4は、例えばLSI基板等により構成可能である。信号駆動部41は、各送液分離ユニット200−nに取付けられた超音波振動子25−nから超音波を発生させるための駆動信号を生成し、その駆動信号を、信号線42を通じて各超音波振動子25−nへ供給する。本実施例では、制御部4は、複数の各々の送液分離ユニット200−nの超音波振動子25−nを、同じ駆動信号を用いて同時に駆動する。
排出ユニット3は、送液分離部2から排出された懸濁液を排出及び最終分離するための懸濁液排出部である。排出ユニット3は、懸濁液を清澄液と濃縮液とに最終分離して排出する。排出ユニット3の詳しい構成は、図4で後述する。排出ユニット3は、清澄液排出部5に清澄液を排出し、濃縮液排出部6に濃縮液を排出する。
清澄液排出部5は、排出ユニット3から排出された清澄液が蓄積または排出される部分である。濃縮液排出部6は、排出ユニット3から排出された濃縮液が蓄積または排出される部分である。清澄液排出部5及び濃縮液排出部6は、外部システムと接続されてもよい。
懸濁液送液分離装置9を構成する各ユニットには、ユニット間を接続するための接続部、例えば送液分離ユニット200−nと200−n+1の間を接続する接続部28を有する。接続部28は、例えば配管の端部のフランジにおけるねじ止め等の手段により構成可能であり、その構造については特に限定しない。また、接続部28は、流体の流れを調整するための開閉可能なバルブ等の手段を備えてもよい。
送液分離部2の複数の送液分離ユニット200−nは、懸濁液送液分離システム900に要求される分離性能に応じた数Nが設けられる。この数Nは、必要に応じて増減の調整が可能である。この数Nは、懸濁液送液分離システム900が設けられる空間の大きさ等の都合に応じて調整が可能である。送液分離ユニット200−nの数を増加した場合、送液分離部2の配置スペースが増える代わりに、全体的な分離性能を向上させることができる。送液分離ユニット200の数を減少した場合、全体的な分離性能が減少する代わりに、送液分離部2の配置スペースを減らすことができる。懸濁液送液分離システム900を一旦構築した後でも、送液分離ユニット200−nの増減により分離性能を変更できる。本実施例によれば、送液分離ユニット200−nの数Nの調整により、従来システムでは実現できなかった、分離性能や空間都合に合わせた柔軟なシステム構築等が実現できる。
送液分離ユニット200−n毎に保守交換が容易に可能である。その際には、例えば、保守の場合、送液タンク1から送液分離部2への送液等を停止して、送液分離部2から懸濁液を排出した状態としてから、対象の送液分離ユニット200−nの前後のユニット間との接続部28の接続状態が解除され、対象の送液分離ユニット200−nが取り外される。対象の送液分離ユニット200−nの保守作業後、その送液分離ユニット200−nが、元の位置に再度接続される。また、故障した一部の送液分離ユニット200−nを交換する場合、対象の送液分離ユニット200−nが取り外され、その位置に、交換する新たな送液分離ユニット200−n’が接続される。一部のユニットの故障等により送液分離処理が停止した場合でも、代替ユニットの接続により、送液分離処理を長時間停止すること無く再開することができる。
懸濁液送液分離システム900は、懸濁液送液分離装置9によって懸濁液を送液しつつ高効率に濁質を分離することができ、清澄液及び濃縮液として排出することができる。そのため、この懸濁液送液分離システム900は、従来システムのような大きな浄化槽等の具備が不要であり、省スペースで実現できる。
[送液分離方法]
本実施例における懸濁液送液分離方法は、図1の懸濁液送液分離装置9で行われるステップとして以下を有する方法である。本実施例における懸濁液送液分離方法は、送液タンク1より懸濁液を送液分離部2に供給するステップと、送液分離部2の流路で懸濁液を送液しながら、超音波により懸濁液の濁質が捕捉されて鉛直方向(Z方向)で分離されるステップと、送液分離部2から排出された鉛直方向(Z方向)で濁質が分離された分離液である懸濁液を、清澄液と濃縮液に分けて排出するステップと、を有する。
[送液分離ユニット(1)]
図2は、送液分離ユニット200−nの構造をXY断面で示す。送液分離ユニット200−nは、懸濁液が送液され超音波が照射される流路となる空洞構造体201−nを有する。空洞構造体201−nは、周囲が壁面で囲まれて内部が空洞である構造体であり、特有の形状を持たせた配管である。図2に示した送液分離ユニット200−nの場合は、X方向で対向する一対の第一平面部21aと第二平面部21bと、Z方向で対向する一対の上面部22aと下面部22bとが溶接などにより接合された状態で内部が空洞な空洞構造体201−nが形成されている。一対の第一平面部21a−nと第二平面部21b−nと、一対の上面部22a−nと下面部22b−nとのY方向の端部20a−nと20b−nにより、懸濁液が供給される供給口23−nと懸濁液が排出される排出口24−nとが形成されている。
空洞構造体201−nには、供給口23−n、排出口24−nと、第一平面部21aの外側に取付けられた超音波振動子25−n、供給口23−nと隣接する送液分離ユニット200−n−1の排出口24−n−1とを接続する接続部28a−n、排出口24−nと隣接する送液分離ユニット200−n+1の供給口23−n+1とを接続する接続部28b−nが備えられている。
供給口23−nは、Y方向で懸濁液を送液分離ユニット200−nの空洞構造体内に供給する。排出口24−nは、Y方向で空洞構造体201−n内から懸濁液を排出する。
供給口23−nは、接続部28a−nと接続されている。排出口24−nは、接続部28b−nと接続されている。接続部28a−n及び接続部28b−nは、前述のフランジ及びねじ止め等の手段により、他のユニットの接続部28b−n−1、28a−n+1と接続可能となっている。また、接続部28a−n及び接続部28b−nは、前述のバルブ等を備えてもよい。
例えば、送液分離ユニット200−1の供給口23−1の側に取り付けた接続部28a−1は、送液タンク1と接続される。送液分離ユニット200−1の排出口24−1の側に取り付けた接続部28b−1は、送液分離ユニット200−2の供給口23−2の接続部28a−2と接続される。送液分離ユニット200−nの排出口24−Nの接続部28b−Nは、排出ユニット3の接続部と接続される。接続部28a−n、28b−nを通じて複数の送液分離ユニット200の空洞構造体が連結され、連続する流路が構成される。
送液分離ユニット200−nは、空洞構造体201−nを構成する一対の第一平面部21a−nと第二平面部21b−nと、一対の上面部22a−nと下面部22b−nとの少なくとも一方の対の平面部、本実施例では第一平面部21a−nの側の外部に、超音波振動部を取り付けた構成とする。超音波振動部は、制御部4の信号駆動部41から発信される駆動信号に基づいて超音波振動子25を駆動して、超音波を空洞構造体201−nの内部の流路に発生させて懸濁液に照射する部分である。
図2に示した構成では、第一平面部21a−nの外側に、超音波振動子25−nが、第一平面部21n−nと平行に固定されている。超音波振動子25−nは、ZY平面を持つ平板形状を有する。超音波振動子25−nが設けられた第一平面部21a−nは超音波発生部として機能する。一方、第一平面部21a−nと対向する第二平面部21b−nは、第一平面部21a−nの側の超音波振動子25−nで発生させて空洞構造体201−nの内部の流路を伝播してきた超音波を第一平面部21a−nの側に反射する反射部として機能する。
制御部4は、超音波振動子25−nに駆動信号E1を供給して超音波振動子25−nを駆動する。超音波振動子25−nは、供給された駆動信号E1に基づいて振動し、第一平面部21a−nを介して空洞構造体201−nの内部の流路に超音波を発生させ、その超音波を流路の懸濁液に照射する。超音波振動子25−nの振動に伴って第一平面部21a−nも振動する。
送液分離部2では、送液分離ユニット200−nにおける空洞構造体201−nの内部の流路に沿って懸濁液が送液されながら、超音波振動子25−nで発生させた超音波により懸濁液の濁質が捕捉されて鉛直方向であるZ方向で分離される。その分離された懸濁液が送液分離部2から排出ユニット3に排出される。
[送液分離ユニット(2)]
図3Aに、送液分離ユニット200−nの構造をX方向から見た側面図を、図3BにZX断面を示す。以下の説明においては、送液分離ユニット200−nの−nの表記を省略して説明する。超音波振動子25は、第一平面部21aの外側に、送液分離ユニット200の底面からZ方向上に距離(L)離れた位置に、固定されている。図3Bに示す空洞構造体201のZX断面において、超音波振動子25の下端251と空洞構造体201の内部における第一平面部21aに対向する第二平面部21bの下端211bを結ぶ直線を直線D1で表す。また、超音波振動子25の下端251から、第二平面部21bまでを最短距離で結んだ直線を直線D2で表し、直線D1と直線D2の成す角度を第一角度(θ1)とする。
図4Aと図4Bを用いて、送液分離ユニット200−nについて詳しく説明する。以下の説明においても、送液分離ユニット200−nの−nの表記を省略して説明する。図4Aは、送液分離ユニット200の超音波による音場や、概略的な送液方向を示すXY断面図である。また、図4Bには、送液分離ユニット200をX方向から見た側面図を示す。送液分離ユニット200の上流側の供給口23から空洞構造体201の内部に、懸濁液が流入する。流入した懸濁液は、空洞構造体201の内部を、Y方向に沿って流れ、下流側の排出口24から排出される。
超音波振動子25は、制御部4の信号駆動部41から出力された電気信号である駆動信号E1を受けて駆動され、振動により超音波を発生する。言い換えると、超音波振動子25は、電気信号を超音波振動に変換し、第一平面部21aを通じて空洞構造体201の内部の流路に超音波を発生させる。その超音波は、空洞構造体201の内部の流路を送液される懸濁液に対して全体的に照射される。この超音波は、所定の高い振動周波数を持つ音波である。第一平面部21aを通じて発生した超音波は、空洞構造体201の内部でX方向に対応する超音波伝播方向A1へ伝播する。
更に、X方向で第一平面部21aに対向する位置にある第二平面部21bへ向かって伝播した超音波は、第二平面部21bで第一平面部21aの方向へ反射される。このX方向で互いに逆向きに進む超音波により、空洞構造体内の流路には、X方向に沿った強い定在波が形成される。その定在波は、超音波振動子25の固有周波数に応じた音場となる。
この定在波による音場においては、X方向に、節301と腹302とが周期的に発現する。節301と腹302との間隔は、超音波の固有周波数に応じた距離となる。
上記定在波による音場が形成された空洞構造体201の内部の流路に懸濁液が流れる。その際、流路を流れる懸濁液に含まれている濁質は、その定在波における節301や腹302の位置に捕捉されて、鉛直方向で分離される。詳しくは、節301と腹302との間隔よりも十分小さな濁質が存在する場合、その濁質は、その物性値に応じて、節301または腹302へ向かう力を受ける。これにより、その濁質は、節301または腹302の位置に捕捉される。捕捉された濁質は、主に分子間力により凝集する。上記捕捉の位置は、空洞構造体201の音場が形成される領域の全体に含まれている。
節301または腹302の位置に補足された濁質は、凝集して一定の大きさになると、自身の浮力によってZ方向上方に向けて浮上するか、または自身の自重によってZ方向下方に向けて沈降する。例えば、懸濁液の濁質の密度が媒質よりも大きい場合には、凝集して自重が大きくなるため、Z方向下方へ沈降する。このとき、濁質は、濁質を捕捉する節301や腹302が存在しない超音波照射非照射領域を通過しながら、Z方向下方へ沈降する。超音波非照射領域では、濁質を捕捉する力が働いていないため、濁質は、懸濁液の流れの向きであるY方向に沿った流体抵抗力と重力のみを受けるため、下流方向に搬送されやすくなる。
送液分離ユニット200の流路内で超音波が照射された懸濁液は、上記捕捉の作用を通じて、濁質が空洞構造体201の下面部に沈降するように分離される。また、その沈降過程で、特に、超音波非照射領域を沈降する際に下流方向に搬送される。そのため、懸濁液は、送液分離ユニット200の排出口24から外へ排出される時点では、Z方向下部の濁質よりも、Z方向上部の濁質の方が、体積あたりの濁質の数が相対的に少なくなっている。即ち、Z方向の上下において濁質が分離されている。この分離の度合いは、複数の送液分離ユニット200を順次に経由するほどに進む。複数の送液分離ユニット200を経由後、濁質がZ方向下方に集中するように分離された懸濁液が排出される。
図5に示した空洞構造体201のX−Z断面図を用いて、空洞構造体201の内部の流路に照射された超音波の指向性を説明する。超音波振動子25から、第一平面部21aを介して空洞構造体201の内部の流路に照射された超音波は、指向角(θ2)の範囲まで広がりながら、懸濁液内を伝播する。
超音波振動子25の鉛直方向(Z方向)の長さ(幅)がTである場合、指向角(θ2)は、以下の式で表される。
θ2=57 × λ/T ・・・(数1)
式(数1)においてλは超音波の波長を表す。
式(数1)より、流路の幅がD2である場合、超音波が第二平面部21bに到達した時の広がり幅(L0)は以下の式(数2)で表される。
L0=D2 × tanθ2・・・(数2)
送液分離ユニット200内に超音波非照射領域を設ける場合、超音波振動子25は、第一平面部21aの外側に、送液分離ユニット200の底面22bからZ方向上に距離(L0)よりも離れた位置に、固定する必要がある。
実施の形態1で、送液分離ユニット200の構成条件は、超音波振動子25の下面251から底面22bの上面までの寸法をLとするとき、以下の式で示す構成条件を含む。
L>L0 ・・・(数3)
上記条件を満たす角度等を用いて、超音波非照射領域を形成するように、送液分離ユニット200の空洞構造体の内部領域の寸法を含む寸法等が設計されている。
また、本実施例では、供給口23の開口面積と排出口24の開口面積とは同じである。 しかし、これに限らず、供給口23の開口面積と排出口24の開口面積とを異ならせた形態としてもよい。
[排出ユニット]
図6は、排出ユニット3の構成をZY断面で示す。排出ユニット3は、主要な配管である分液部30、受入口31、接続部32、濃縮液排出口33、清澄液排出口34、間仕切り板35を有する。分液部30の受入口31には接続部32が設けられ、前段の送液分離ユニット200−nの排出口24の接続部28bと接続される。分液部30のY方向の下流側には、間仕切り板35が、分液部30のZ方向の底面から直立するように設けられており、そのZ方向上方の一部が開口している。間仕切り板35の高さHは、図5で説明した寸法Lよりも大きく設定する。分液部30のZ方向の底面の所定領域には、間仕切り板35を境に、上流側に濃縮液排出口33が、下流側に清澄液排出口34が設けられている。
送液分離ユニット200−nの排出口24から排出された懸濁液は、排出ユニット3の接続部32及び受入口31を通じて内部に供給されてY方向に流れる。方向b1は、その分離液の流れを示す。方向b11は、その分離液の流れのうち、間仕切り板35を超えて流れる濁質が少ないZ方向上部の流れを示し、方向b12は、間仕切り板35で遮られた濁質が多いZ方向下部の流れを示す。
分液部30内において、濁質を多く含むZ方向下部を流れる分離液は、間仕切り板35によって遮られて、Z方向上部の成分とZ方向下部の成分とに分離される。即ち、方向b11で示す濁質をあまり含まないZ方向上部の成分は、間仕切り板35を超えてその先の領域に送液され、その領域の底面の清澄液排出口34を通じて清澄液として分離排出される。その清澄液が清澄液排出部5に供給される。
また、他方、方向b12で示す濁質を多く含むZ方向下部の成分は、間仕切り板35を超えられず、手前の領域の底面の濃縮液排出口33を通じて濃縮液として排出される。その濃縮液が濃縮液排出部6に供給される。このように、排出ユニット3では、分離液が、濁質を多く含む濃縮液と、濁質を殆ど含まない清澄液とに最終分離される。
なお、分離対象の濁質の特性に応じて、間仕切り板35や排出口が設計されている。本実施例では、前述のように濁質は沈降する特性であるため、間仕切り板35のZ方向上方の一部が開口している。濁質が浮上する特性である場合、分液部30の間仕切り板35は、Z方向下方が開口となるように設計され、分液部30のZ方向上面にそれぞれの排出口が設けられる。分液部30の間仕切り板35は、長さや位置が調節可能な機構を有してもよい。
また、間仕切り板35の形状は、図6Bに示すように、平板351に先端部分に庇状の突起部352を取り付けた間仕切り板350のような形状にしても良い。このように、庇状の突起部352を設けることにより、上部を流れる濁質をあまり含まない懸濁液と下部を流れる濁質を多く含む懸濁液とが交じり合うことなく分離することができる。
即ち、本実施例に係る懸濁液送液分離装置9は、送液分離ユニット200を含む送液分離部2を有する。送液分離ユニット200は、懸濁液が送液される流路となる空洞構造体を有し、空洞構造体における水平方向のうち、懸濁液の送液方向に沿って対面する2つの開口部と、この開口部の一方の第1開口部に設けられた、懸濁液が供給される供給口と、開口部の他方の第2開口部に設けられた、懸濁液が排出される排出口と、空洞構造体における水平方向のうち、懸濁液の送液方向に直交する方向に対面する2つの平面部と、この平面部の少なくとも一方の面の鉛直方向上側のみに設けられた、駆動信号に基づいて超音波を流路に発生させる超音波振動部と、を有し、送液分離部の流路で懸濁液を送液しながら、超音波振動部から印加した超音波により送液分離部の流路内に鉛直方向に定在波を形成して懸濁液の濁質を捕捉して分離する構成とし、空洞構造体の底部には超音波が照射されず定在波が生成されない領域を形成するように構成したものである。
[実験]
図7は、送液分離ユニットの実験モデルを示す。発明者は、この実験モデルに対応する装置を用いて実験及び評価を行った。その実験及び評価結果に基づいて、実施の形態1の送液分離ユニット2の構成や懸濁液処理の効果と、実施の形態1に対する比較例の送液分離ユニットの構成や効果とについて比較説明する。
実施の形態1の懸濁液送液分離装置9は、図7の送液分離部1200の実験モデルに基づいて構成されている。この送液分離部1200の送液分離ユニット1201、1202、1203は、図2〜5で示した送液分離ユニット200と同じ構成である。
送液分離ユニット1201、1202、1203は、空洞構造体の内部の流路の領域におけるX方向の長さを20mm、Y方向の長さを20mm、Z方向の高さを30mmとした。いずれの送液分離ユニット1201、1202、1203も、第一平面部1021に20×20mmの超音波振動子1025をLが10mmとなる位置に配置した。
下流方向の最端部に配置した送液分離ユニット1203のY方向端面のZ方向上方端部に清澄液排出口1034を、Z方向下方端部に濃縮液排出口1033を配置した。いずれの排出口も開口部は直径2mmとした。送液分離部1200は、送液タンク1001に接続部1028を介して接続されており、接続部1028より懸濁液サンプルが流入される。
3つの送液分離ユニット1201、1202、1203で構成される流路では、超音波により懸濁液の濁質が捕捉されて鉛直方向(Z方向)で分離され、最端部に配置した送液分離ユニット1203の排出口より清澄液と濃縮液に分けて排出される。上記実験モデルを用いて行った実験の結果を第1の実験結果とする。
比較例として、L=0mmとする比較実験用の超音波分離ユニット(図示せず)も作製した。比較実験用の超音波ユニットは、図7A及び図7Bに示した送液分離ユニット1201〜1203の空洞構造体に対応する空洞構造体の内部の流路の領域におけるX方向の長さを20mm、Y方向の長さを20mm、Z方向の高さを20mmとし、第一平面部1021に対応する面に20mm×20mmの超音波振動子をL(図7B参照)が0mmとなる位置に配置した。比較実験用の超音波ユニットを用いて行った実験の結果を第2の実験結果とする。
本実験で用いた懸濁液サンプル10011としては、水道水にアルミナ粒子を懸合した懸濁液を用いた。平均粒径が2.8μmのアルミナ粒子を0.43g/Lの分量で添加し懸濁液サンプルを調整した。懸濁液サンプルは流速が1.4mm/秒となるように流量を調整した。実験モデルの全ての超音波振動子25は、それぞれ、駆動周波数が2.2MHz、振幅が52Vの駆動信号E1で駆動させ、空洞構造体内部の流路に超音波を発生させた。上記駆動周波数の場合、超音波の節と腹の間隔は約0.37mmである。空洞構造体のX方向においては、上記節と腹の間隔で複数のYZ面が存在し、それらの節及び腹のYZ面で懸濁液サンプル中のアルミナ粒子が捕捉される。
駆動周波数2.2MHz、超音波振動子サイズ20×20mm、X方向の長さ20mmの場合、(1)式と(2)式より、超音波が第二平面部22に到達した時の広がり幅(L0)は0.75mmとなる。実施例1では、L=10mmであるため、L0よりも十分大きく、(3)式を満たす。即ち、超音波が照射されない領域が送液分離部1200内に形成される。
いずれの実験においても、濃縮液排出口1033から排出された排液の濁度を計測し、送液分離部1200に供給される前の懸濁液の懸濁液の濁度と比較した。
図8は、送液分離部1200に供給される前の懸濁液の濁度と、各実験における清澄液排出口1034から排出された排液の濁度を示す。802は実施例1に対応する濃縮液排出口1033から排出された排液の濁度を、801は比較例に対応する濃縮液排出口1033から排出された排液の濁度を示す。
濁度は、懸濁液サンプルの懸濁度合い及び透明度合いを表す指標値であり、懸濁液サンプル中の濁質であるアルミナ粒子が多いほど高くなり、少ないほど低くなる。濁度が低いことは、透明度が高いことに対応する。
比較例の場合、濃縮液排出口1033から排出された懸濁液サンプルの濁度は41.7度であるのに対し、実施の形態1の場合、濃縮液排出口1033から排出された排液の濁度は125度まで上昇する。即ち、実施の形態1の方が比較例よりも濁度が上昇しており、濁質の排出性能が高い。
懸濁液サンプル中のアルミナ粒子は、空洞構造体内の節や腹の面に捕捉される。捕捉されたアルミナ粒子は凝集し、沈降する。このとき、実施例1においては、濁質は、濁質を捕捉する節301や腹302が存在しない超音波照射非照射領域を通過しながら、Z方向下方へ沈降する。超音波非照射領域では、濁質を捕捉する力が働いていないため、濁質は、懸濁液サンプルの流れの向きであるY方向に沿った流体抵抗力と重力のみを受け、下流方向に搬送されやすくなる。そのため、実施例1においては、濃縮液排出口1033から排出された懸濁液サンプルの濁度が、比較例において、濃縮液排出口1033から排出された懸濁液サンプルの濁度よりも高くなる。
このように、超音波照射によって懸濁液中の濁質を捕捉及び凝集させる場合には、超音波が照射されない領域を設けるように送液分離ユニットを設計することで、濁質を効率的に排出できることがわかった。
従来例の懸濁液濁質分離方法では、空洞構造体に超音波を照射することで濁質を凝集、分離することができる。一方、実施の形態1では、空洞構造体内に超音波が照射されない領域を設けることで、濁質を凝集、分離するだけでなく、凝集した濁質を効率的に排出することができる。
[効果等]
上記のように、実施の形態1の懸濁液送液分離装置9等によれば、懸濁液中の濁質を高効率に排出することができる。また、実施の形態1によれば、必要な分離性能を容易に省スペースで実現できる。実施の形態1によれば、懸濁液送液分離装置9において懸濁液の送液と分離、濁質の排出とを同時に実現でき、効率的である。
本実施例では、簡便な構成を意図して、1つの制御部4により複数の送液分離ユニット200をまとめて制御する構成としている。これに限らず、送液分離ユニット200毎に個別の制御部が設けられた構成としてもよい。また、送液分離ユニット200毎に制御部が超音波振動子25と共に超音波振動部として一体化されて設けられたユニットでもよい。
[実施例1の変形例]
実施例1では、図1に示したように、送液分離ユニット200−nと、次段の送液分離ユニット200−n+1が直接的に接続されている。これに対して、本変形例では、図9に示すように、送液分離ユニット200−nと、次段の送液分離ユニット200−n+1との間に、別の送液ユニット210が接続された構成とする。この送液ユニット210は、実施例1で説明した超音波振動子25を装着しておらず、懸濁液の送液機能を有しているだけで、濁質分離機能は有していない。送液分離ユニット200−nとは異なる形状でよい。
この送液ユニット210は、図6に示したように直線形状の配管でもよい。この送液ユニット210は、例えば90度で折れ曲がる形状や、所定の角度で折れ曲がる形状の配管でもよい。この送液ユニットは、流れの方向を、180度等、所定の方向へ変換する形状の配管でもよい。各種の送液ユニットが選択使用可能である。上記送液ユニットを組み合わせて用いる形態の場合、懸濁液送液分離装置9の複数の送液分離ユニット200の配置位置、サイズ、送液方向等を詳細に調整でき、より柔軟なシステム構築が可能である。
送液分離ユニット200−nと送液分離ユニット200−n+1との間に超音波振動子25を装着していない送液ユニット210を設置することにより、送液分離ユニット200−n内で超音波による節301または腹302の位置に捕捉して凝集させた濁質を、送液ユニット210の内部を通過させるときに、節301または腹302の影響を受けずにZ方向下方に確実に沈降させることができる。
このように、節301または腹302の影響を受けずに濁質をZ方向下方に沈降させた懸濁液を、送液分離ユニット200−n+1内で、送液分離ユニット200−n内よりもZ方向により低い位置(第二平面部22bに、より近い側)で再度超音波による節301または腹302の位置に捕捉して凝集させることにより、濁質を確実にZ方向下方に沈降させることができる。
これにより、送液分離ユニット200の排出口24から外へ排出される時点では、清澄液排出部5に排出されるZ方向上部の懸濁液の濁質の方が、濃縮液排出部6に排出されるZ方向下部の懸濁液の濁質よりも、体積あたりの濁質の数(密度)を確実に少なくすることができる。
また、送液ユニット室210を設ける代わりに、接続部28a、28bの長さを調節して送液分離ユニット200−nと送液分離ユニット200−n+1との間隔をあけ、超音波が印加されない領域を形成するようにしても良い。
実施例1においては、図1に示したように、送液タンク1から送液分離部2の送液分離ユニット200−1に直接懸濁液を送液する構成であったが、本実施例では、送液タンク1から供給された懸濁液に先ず薬剤投入してから送液分離ユニット200−1に送液する構成とした。
図10に、本実施例に係る懸濁液送液分離装置91の構成を示す。図10に示した構成は、懸濁液送液分離装置91をX方向から見た側面図である。送液タンク1と送液分離部2の間には、薬剤供給ユニット7と攪拌ユニット8が順に設けられている。
図11は薬剤供給ユニット7の構成をZY断面図で示す。薬剤供給ユニット7は、供給口723、排出口724、薬剤供給器71を有する。薬剤供給器71は、薬剤供給ユニット7の流路70内に、薬剤72を供給する。送液タンク1から供給された懸濁液は、供給口723から薬剤供給ユニット7の内部に流入する。薬剤供給ユニット7の内部では、懸濁液に薬剤供給器71から薬剤72が添加、懸合されて、薬剤供給ユニット7の排出口724から隣接する攪拌ユニット8へ流出する。薬剤供給器71から供給される薬剤72は、懸濁液の濁質の凝集促進や、pH等の水質調整等を目的としたものである。
図12は攪拌ユニット8の構成をZY断面図で示す。攪拌ユニット8は、供給口823、排出口824、モータ81、攪拌翼82を有する。モータ81は、連結されている攪拌翼82を旋回させる。これにより、薬剤72を含む懸濁液の攪拌機能が実現される。薬剤供給ユニット7で薬剤72が懸合された懸濁液は、攪拌ユニット8の供給口23から流入し、攪拌されて、攪拌ユニット8の排出口824から流出する。
薬剤供給ユニット7の排出口724と、攪拌ユニット8の供給口823とが接続されており、流路として連結されている。送液タンク1からの懸濁液が薬剤供給ユニット7に流入する。攪拌ユニット8から流出した懸濁液は、送液分離ユニット200−1の供給口23−1に送液される。
送液分離部2で超音波処理を行う前に、薬剤供給ユニット7で薬剤72を供給し、攪拌ユニット8で懸濁液の攪拌の処理を行うことにより、濁質の分離時間を短縮することができる。また、それにより、通常では分離が困難である数百nm径の濁質を凝集させることも可能となる。このような薬剤供給ユニット7と攪拌ユニット8を送液分離部2よりも上流側に配置して用いることにより、懸濁液の分離をより効率的に実現できる。
また、薬剤供給ユニット7や攪拌ユニット8の各供給口や排出口には、接続及び解除が可能な接続部(実施例1で説明した接続部28a、28bに相当)が設けられてもよい。即ち、薬剤供給ユニット7や攪拌ユニット8は、それぞれ必要に応じて接続が可能な機能ユニットとして設けられてもよい。その場合、各機能ユニット毎の保守交換が可能である。
送液分離部2の後に排出ユニット3と清澄液排出部5、濃縮液排出部6を設け、送液分離部2を制御する制御部4を設ける構成は、実施例1で説明した図1に示した構成と同じである。本実施例では、送液分離部2の前に薬剤供給ユニット7と攪拌ユニット8を設けた構成としたが、これに限ることなく、送液分離部2での濁質の凝集と分離とを促進させるための機能を持つユニットとしてもよい。また、送液分離部2と排出ユニット3の少なくとも一方に、懸濁液を送液する際の流速等を調整するための駆動部を設けてもよい。その駆動部は、例えばポンプ等により構成可能である。
本実施例においても、簡便な構成を意図して、1つの制御部4により複数の送液分離ユニット200−nをまとめて制御する構成としている。これに限らず、送液分離ユニット200−n毎に個別の制御部が設けられた構成としてもよい。また、送液分離ユニット200−n毎に制御部が超音波振動子25と共に超音波振動部として一体化されて設けられたユニットでもよい。
図13は、本実施例に係る懸濁液送液分離装置1309を備えた懸濁液送液分離システム1300の構成をXY平面で示したものである。懸濁液送液分離装置1309は、分流ユニット10と、送液分離部1302と、排出ユニット1303とを有する。送液分離部1302は、第1送液分離ユニット群1320Aと、第2送液分離ユニット群1320Bとを有する。送液分離部1302では、分流ユニット10の第1分流排出口103の側に第1送液分離ユニット群1320Aが、また、第2分流排出口104の側に第2送液分離ユニット群1320Bが並列に配置されている。第1送液分離ユニット群1320Aは第1送液分離部を構成し、第2送液分離ユニット群1320Bは第2送液分離部を構成する。第1送液分離ユニット群1320A及び第2送液分離ユニット群1320Bは、それぞれ、実施例1の図1の複数の送液分離ユニット200の構成と同様である。
第1送液分離ユニット群1320Aは、送液分離ユニット1320A−1から送液分離ユニット1320A−Nまでの複数の送液分離ユニットが直列に連結されている。送液分離ユニット1320A−NのZ方向の上部に沿って送液された清澄液は、排出ユニット1303Aを介して配管1338Aで接続されている清澄液排出部1305Aに排出される。
第2送液分離ユニット群1320Bは、送液分離ユニット1320B−1から送液分離ユニット1320B−Nまでの複数の送液分離ユニットが直列に連結されている。送液分離ユニット1320B−NのZ方向の上部に沿って送液された清澄液は、第2排出ユニット1303Bを介して配管1338Bで接続されている清澄液排出部1305Bに排出される。
一方、送液分離ユニット1320A−NのZ方向の下部に沿って送液された濁質が濃縮された濃縮液は、第1排出ユニット1303Aを介して配管1339で接続されている濃縮液排出部1306に排出される。
同様に、送液分離ユニット1320B−NのZ方向の下部に沿って送液された濁質が濃縮された濃縮液は、第2排出ユニット1303Bを介して配管1339で接続されている濃縮液排出部1306に排出される。
第1送液分離ユニット群1320A−nのそれぞれの超音波振動子1325A−nは、制御部1304Aと接続されている。第2送液分離ユニット群1320B−nのそれぞれの超音波振動子1325B−nは、制御部1304Bと接続されている。並列の送液分離ユニット1320A−nと1320B−nとの組合せ毎に制御部1304−nが設けられてもよいし、全体で1つの制御部1304として統合されてもよい。送液分離ユニット群のそれぞれの超音波振動子1325A−n及び1325B−n25は、実施例1で説明したのと同様に駆動される。
図14は、本実施例に係る分流ユニット10の構成をXY断面図で示す。分流ユニット10は、分流部101、分流部供給口102、第1分流部排出口103、第2分流部排出口104を有する。送液タンク1からの懸濁液は、分流部供給口102から流入する。その懸濁液は、分流部101内の分岐する流路部によって、第1分流部排出口103への流れと、第2分流部排出口104への流れとに分流される。第1分流部排出口103には第1送液分離ユニット群200Aの送液分離ユニット200−1に接続されている。同様に、第2分流部排出口104には第2送液分離ユニット群200Bの送液分離ユニット200−1に接続されている。
本実施例では、懸濁液の流れは、分流ユニット10の分流部101を通じて、第1分流部排出口103から第1送液分離ユニット群1320Aで送液分離される流れと、第2分流部排出口104から第2送液分離ユニット群1320Bで送液分離される流れとの二つに分流される。それぞれの送液分離ユニット群で、並列に、送液分離処理が行われる。そのため、本実施例では、実施例1の場合に対し、同じ量の懸濁液を短い時間で処理することができる。
また、送液分離ユニット1320A−Nの後段には、実施の形態1と同様の第1排出ユニット1303Aが、また、送液分離ユニット1320B−Nの後段には、実施の形態1と同様の第2排出ユニット1303Bが接続されている。即ち、第1送液分離ユニット群1320Aに接続される第1排出ユニット1303Aと、第2送液分離ユニット群1320Bに接続される第2排出ユニット1303Bとを有する。なお、それらの第1及び第2排出ユニット1303Aと1303Bとは、分岐を合流するユニットを含む1つの排出ユニットとして構成されてもよい。
本実施例では、送液分離部1302の送液分離ユニット群の並列数を2としたが、3以上としてもよい。システムに要求されている分離性能に応じて、送液分離ユニット群の並列数を増減して調整することができる。
[効果等]
上記のように、本実施例の懸濁液送液分離装置1309を備えた懸濁液送液分離システム1300によれば、懸濁液中の濁質を高効率に分離することができる高い分離性能を実現できる。また、本実施例によれば、送液分離部1302を構成する複数の送液分離ユニット群のうち、一部の送液分離ユニット群の送液ユニット1320A(B)−nが故障等の場合でも、他の送液分離ユニット群で送液分離処理を停止せずに継続稼動できる。継続稼動の状態で、故障等の送液ユニット1320A(B)−nの修理や交換の作業を、実施の形態1と同様に行うことができる。
次に、図15を用いて、本発明の第4の実施例における懸濁液送液分離装置1509について説明する。本実施例における懸濁液送液分離装置1509の基本的な構成は実施例1で説明した懸濁液送液分離装置9の構成と同様であり、以下、本実施例において実施例1とは異なる構成部分について説明する。
図15は、本実施例における懸濁液送液分離装置1509を、X方向から見た側面図で示す。本実施例における送液分離部1502の構成は実施例1で説明した送液分離部2の構成と同様であり、例えば送液分離ユニット1520−1から送液分離ユニット1520−3までを有する。それぞれの送液分離ユニット1520−nの超音波振動子1525−nとして、超音波振動子1525−1,1525−2,1525−3を有する。各超音波振動子1525−nは、それぞれの信号線を通じて、制御部1504の信号駆動部1541に接続されている。
本実施例では、制御部1504は、それぞれの送液分離ユニット1520−nの超音波振動子1525−nを、独立に個別の駆動信号E1〜E3によって駆動制御する。信号駆動部1541は、それらの駆動信号E1〜E3を発生する。制御部1504は、複数の超音波振動子1525−nを、異なるタイミングで駆動することが可能である。また、制御部1504は、複数の超音波振動子1525−nを、異なる電圧等を持つ駆動信号E1〜E3によって駆動することが可能である。
本実施例では、送液分離部1502における流れの後段の送液分離ユニット1520−nになるにつれて、懸濁液の送液分離が進むことを考慮する。制御部1504は、制御例として、送液タンク1に近い前段の送液分離ユニット1520−nほど、超音波の発生のための電気信号を強めにし、排出ユニット3側に近い後段の送液分離ユニット1520−nほど、その電気信号を弱めにする。これにより、送液分離部1502の送液分離性能の最適化が図られる。
また、本実施例では、送液タンク1と送液分離部1502との間に通液ユニット1510を設置し、この通液ユニット1510の内部に濁度検出部1527を設けている。濁度検出部1527は、通液ユニット1510から送液分離ユニット1520−1へ供給する懸濁液の濁度を検出する機能を有する。濁度検出部1527は、例えば一対の投光器と受光器とを組み合わせて構成され、投光器から通液ユニット1510の図示していない光透過窓を通して通液ユニット1510に照射した光を通液ユニット1510の反対側に設けた図示していない光透過窓を通して受光器で検出する構成とする。制御部1504は、濁度検出部1527の受光器からの出力信号を受けて、複数の超音波振動子1525−nを、異なる電圧等を持つ駆動信号E1〜E3で制御する。
[効果等]
上記のように、本実施例の懸濁液送液分離装置1509によれば、懸濁液中の濁質を高効率に分離、排出することができる。また、本実施例によれば、各々の送液分離ユニット1520−nの超音波振動子1525−nを独立に制御できるので、よりきめ細かな制御により、懸濁液中の濁質の分離性能の向上を図ることができる。
[実施例4の変形例]
本実施例の変形例としては、図16に示すように、懸濁液送液分離装置1609において、実施例4における懸濁液を液送する上流側の通液ユニット1510に加えて、排出ユニット3に排出する直前、即ち送液分離ユニット1520−nの最後段の後段にも通液ユニット1510と同じ機能を有する濁度検出部1528を備えた通液ユニット1511を設けた構成がある。
このように、送液分離部1602の前後に濁度検出部1527と1528とを設置して懸濁液中の濁質をモニタすることにより、送液分離ユニット1520−nで懸濁液中の濁質を分離する前後のデータを得ることができる。制御部1604では、濁度検出部1527と1528とで検出したデータを比較することにより、複数の超音波振動子1525−nを、信号駆動部1641により、異なる電圧等を持つ駆動信号E11〜E31で制御することができる。
これにより、複数の超音波振動子1525−nをよりきめ細かに制御することができ、懸濁液中の濁質の分離性能の向上、及び清澄液中の濁質の量の低減を図ることができる。
また、別の変形例としては、図16の通液ユニット1511ををなくして、濁度検出部1528を、図6Aに示した排出ユニット3の清澄液排出口34の上部に配置する構成としても良い。制御部1604では、濁度検出部1527と1528とで検出したデータを比較することにより、複数の超音波振動子1525−nを、信号駆動部1641により、異なる電圧等を持つ駆動信号E11〜E31で制御することができる。
これにより、通液ユニット1511ををなくした分だけ装置全体がコンパクトになるとともに、清澄液排出口34から排出される直前の清澄液中の濁度をより正確に計測することができる。また、この計測結果に基づいて、複数の超音波振動子1525−nをよりきめ細かに制御することができ、懸濁液中の濁質の分離性能の向上、及び清澄液中の濁質の量の低減を図ることができる。
更に、別の変形例として、図16における上流側の通液ユニット1510及び濁度検出部1527をなくして、排出ユニット3に濁度検出部1528を備えた通液ユニット1511を設けた構成としても良く、また、通液ユニット1510及び通液ユニット1511のいずれもなくして、濁度検出部1528を排出ユニット3の清澄液排出口34の上部に配置する構成としても良い。制御部1604では、濁度検出部1528で検出したデータを用いて、複数の超音波振動子1525−nを、信号駆動部1641により、異なる電圧等を持つ駆動信号E11〜E31で制御することができる。
これにより、通液ユニット1510と1511とををなくした分だけ装置全体をコンパクトにできるとともに、清澄液排出口34から排出される直前の清澄液中の濁度をより正確に計測することができる。また、この計測結果に基づいて、複数の超音波振動子1525−nをきめ細かに制御することができ、懸濁液中の濁質の分離性能の向上、及び清澄液中の濁質の量の低減を図ることができる。
なお、上記した変形例は、実施例1乃至3で説明した構成にも適用することができ、懸濁液中の濁質の分離性能の向上、及び清澄液中の濁質の量の低減を図ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。本発明は、乳濁液等の廃油を含む液体にも適用可能である。
1・・・送液タンク 2・・・送液分離部 3・・・排出ユニット 4・・・制御部 5・・・清澄液排出部 6・・・濃縮液排出部 7・・・薬剤供給ユニット 8・・・攪拌ユニット 9・・・懸濁液送液分離装置 10・・・分流ユニット 21a・・・第一平面部 21b・・・第二平面部 22a・・・上面部 22b・・・下面部 23・・・供給口 24・・・排出口 25・・・超音波振動子 27・・・流量調整部 28・・・接続部 41・・・信号駆動部 51・・・信号駆動部 101・・・分流部 102・・・分流部供給口 103・・・第1分流部排出口 102・・・第2分流部排出口。

Claims (9)

  1. 外部を壁面で囲んだ第1の空洞構造体と、前記第1の空洞構造体の外部から前記第1の空洞構造体の内部に超音波を発生させる超音波振動部と、を備えて前記第1の空洞構造体の内部に懸濁液を送液しながら前記懸濁液に前記超音波振動部から超音波を印加して前記懸濁液の濁質を分離する送液分離ユニットと、
    前記送液分離ユニットで濁質を分離した前記懸濁液を前記濁質の濃度が濃くなった懸濁液と前記分離されて前記濁質の濃度が薄くなった懸濁液とに分離して排出する排出ユニットと、
    前記送液分離ユニットの前記超音波振動部に前記超音波を発生させるための駆動信号を印加する制御部と
    を備えた懸濁液送液分離装置であって、
    前記送液分離ユニットを複数備え、前記複数の送液分離ユニットのそれぞれの前記第1の空洞構造体は、前記内部を液送する前記懸濁液の前記液送する方向に対して左右方向に対向する一対の壁面と前記一対の壁面と接続して上下方向で対向する一対の底面と上面とを有し、前記超音波振動部は、前記左右方向に対向する前記一対の壁面のうちの一方の壁面の外部であって、前記超音波振動部で発生させて前記第1の空洞構造体の内部に伝播させた超音波が前記第1の空洞構造体の前記底面にまで拡散する前に前記一対の壁面のうち他方の壁面で反射されるような位置に設置されていることを特徴とする懸濁液送液分離装置。
  2. 請求項1記載の懸濁液送液分離装置であって、前記超音波振動部で発生させた超音波と前記対向する一対の壁面のうち他方の壁面で反射された超音波により、前記第1の空洞構造体の内部で前記液送する方向に対して前記左右方向に対向する前記一対の壁面の間に前記液送する方向に沿って定在波が生成される領域と前記定在波が生成されない領域とを形成することを特徴とする懸濁液送液分離装置。
  3. 請求項2記載の懸濁液送液分離装置であって、前記第1の空洞構造体の内部で前記液送する方向に沿って上部に定在波が生成される領域を形成し、前記第1の空洞構造体の内部で前記液送する方向に沿って下部に前記定在波が生成されない領域を形成することを特徴とする懸濁液送液分離装置。
  4. 請求項2記載の懸濁液送液分離装置であって、前記第1の空洞構造体の内部で前記底面の近傍に前記定在波が生成されない領域を形成することを特徴とする懸濁液送液分離装置。
  5. 請求項1記載の懸濁液送液分離装置であって、前記空洞構造体の一方の壁面に取り付けた前記超音波振動部の下端部の前記空洞構造体の前記底面からの高さをLとし、前記超音波振動部の前記下端部から上端部までの長さをTとし、前記空洞構造体の前記一方の壁面と前記他方の壁面との間隔をDとし、前記懸濁液に前記超音波振動部から印加する超音波の周波数をλとするとき、前記Lは、
    L>D×tan((57×λ)/T)
    を満たすことを特徴とする懸濁液送液分離装置。
  6. 請求項1記載の懸濁液送液分離装置であって、前記複数の送液分離ユニットに送液する前の前記懸濁液に前記懸濁液の濁質の凝集を促進させるための薬剤、または前記懸濁液のpHを調整するための薬剤を供給するための薬剤供給ユニットと、前記薬剤供給ユニットで供給した薬剤を前記懸濁液中で攪拌するための攪拌翼を供えた攪拌ユニットとを更に備えることを特徴とする懸濁液送液分離装置。
  7. 請求項1記載の懸濁液送液分離装置であって、前記排出ユニットは、外部を壁面で囲んで前記送液分離ユニットと接続する第2の空洞構造体と、前記送液分離ユニットから前記第2の空洞構造体の内部に送液された前記濁質が分離された前記懸濁液の前記分離されて前記濁質の濃度が濃くなった懸濁液と前記分離されて前記濁質の濃度が薄くなった懸濁液とを分離する分離部と、前記分離部で分離された前記濁質の濃度が濃くなった懸濁液を排出する濃縮液排出口と、前記分離部で分離された前記濁質の濃度が薄くなった懸濁液を排出する清澄液排出口とを有することを特徴とする懸濁液送液分離装置。
  8. 請求項1記載の懸濁液送液分離装置であって、前記送液分離ユニットで濁質が分離された前記懸濁液のうち前記濁質の濃度が薄くなった懸濁液の濁度を検出する濁度検出部をされに備え、前記制御部は、前記濁度検出部で検出した前記濁質の濃度が薄くなった懸濁液の濁度の情報を用いて前記超音波振動部に印加する前記超音波を発生させるための駆動信号を制御することを特徴とする懸濁液送液分離装置。
  9. 請求項1記載の懸濁液送液分離装置であって、前記制御部は、前記超音波振動部に印加する前記超音波を発生させるための駆動信号を、前記送液分離ユニットごとに制御することを特徴とする懸濁液送液分離装置。
JP2016209839A 2016-10-26 2016-10-26 懸濁液送液分離装置 Active JP6661512B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016209839A JP6661512B2 (ja) 2016-10-26 2016-10-26 懸濁液送液分離装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016209839A JP6661512B2 (ja) 2016-10-26 2016-10-26 懸濁液送液分離装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018069135A JP2018069135A (ja) 2018-05-10
JP6661512B2 true JP6661512B2 (ja) 2020-03-11

Family

ID=62113253

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016209839A Active JP6661512B2 (ja) 2016-10-26 2016-10-26 懸濁液送液分離装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6661512B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7122950B2 (ja) 2018-12-11 2022-08-22 株式会社日立製作所 分析試料前処理装置、分析試料前処理方法、及び分析試料前処理システム

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT389235B (de) * 1987-05-19 1989-11-10 Stuckart Wolfgang Verfahren zur reinigung von fluessigkeiten mittels ultraschall und vorrichtungen zur durchfuehrung dieses verfahrens
US20080181828A1 (en) * 2007-01-25 2008-07-31 Kluck William P Ultrasound one-quarter wave separator integrates with sterile tubing kit - optical sensing / valves manage purity - lowers apheresis extra corporeal blood volume - replacement for centrifuge
NL1039052C2 (en) * 2011-09-19 2013-03-21 Stichting Wetsus Ct Excellence Sustainable Water Technology Device and method for a heterogeneous waste water treatment reactor.
JP2014079748A (ja) * 2012-09-26 2014-05-08 Hitachi Ltd 超音波を用いた懸濁液処理装置
JP2015100719A (ja) * 2013-11-21 2015-06-04 株式会社日立製作所 懸濁液処理装置および懸濁液処理方法
WO2016042832A1 (ja) * 2014-09-16 2016-03-24 株式会社日立製作所 乳濁液分離方法及び乳濁液を送液する配管及び乳濁液分離装置及び乳濁液分離システム
WO2017216864A1 (ja) * 2016-06-14 2017-12-21 株式会社日立製作所 混濁液送液分離装置、システム、及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018069135A (ja) 2018-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10724029B2 (en) Acoustophoretic separation technology using multi-dimensional standing waves
US10350514B2 (en) Separation of multi-component fluid through ultrasonic acoustophoresis
KR102299927B1 (ko) 다-차원 정상파를 사용한 음향영동 분리 기술
US9340435B2 (en) Separation of multi-component fluid through ultrasonic acoustophoresis
ES2805323T3 (es) Plataforma de tecnología de separación acustoforética de múltiples componentes
US20140377834A1 (en) Fluid dynamic sonic separator
US20130284271A1 (en) Acoustophoretic multi-component separation technology platform
KR20180010216A (ko) 정재파장에서 입자의 음향 조작
CA2879365A1 (en) Improved separation of multi-component fluid through ultrasonic acoustophoresis
JP2014079748A (ja) 超音波を用いた懸濁液処理装置
JP6064640B2 (ja) 固液分離方法及び装置
JP6661512B2 (ja) 懸濁液送液分離装置
JP6454818B2 (ja) 混濁液送液分離装置、システム、及び方法
KR20110119257A (ko) 초음파를 이용한 유체내 미세입자 분리 장치 및 방법
JP2015100719A (ja) 懸濁液処理装置および懸濁液処理方法
JP6674399B2 (ja) 液体処理装置
JP6171019B2 (ja) 懸濁液処理装置
CN114345427B (zh) 流体设备
WO2015162773A1 (ja) 乳濁液分離装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190319

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191227

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6661512

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150