JP6171019B2 - 懸濁液処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、懸濁液処理の技術に関する。また本発明は、超音波を用いた懸濁液処理装置に関する。
従来例における超音波を用いた懸濁液処理装置は、懸濁液が流れる流路部を介して超音波振動子と反射板との対が配置され、外部の駆動制御用の回路として、ファンクションジェネレータ等を有する。ファンクションジェネレータは、超音波振動子に与える制御用の波形信号を生成する波形生成器である。懸濁液処理装置は、超音波振動子への波形信号の印加により、超音波振動子と反射板との間で超音波による音場を発生させ、流路部内の微粒子ないし固形物等を捕捉する。これにより懸濁液から固形物等が分離される。
上記懸濁液処理に関する先行技術例として、特許第2723182号(特許文献1)、特開2004−24959号公報(特許文献2)が挙げられる。
特許文献1は、複数の電極を有する矩形振動子から発振する超音波を用いた、懸濁液中の微粒子の非接触マニュピレーション方法について記載されている。
特許文献2は、流路中に振動子と反射板が平行に設置され、超音波が反射板で反射され、流路中に生成される定在波の音場の音圧の節もしくは腹に微小物体を捕捉することが記載されている。特許文献2のように、単一の振動子と反射板との組合せでも、振動子への入力信号の変調により、液中の固形物の濃縮及び分離が可能である。
上記いずれの先行技術例も、超音波振動子から発生する超音波を用いて、非接触で、懸濁液ないし液体媒質中の微粒子ないし固形物等を、捕捉、搬送、濃縮、分離、またはフィルタリング等を行う技術について記載されている。
特許第2723182号 特開2004−24959号公報
上述の超音波を用いた懸濁液処理装置は、懸濁液処理の駆動時の回路の構成及び回路の消費電力に関して課題がある。上述の先行技術例のいずれの技術でも、振動子から超音波を発生させる駆動のためには、ファンクションジェネレータで生成した波形信号を増幅して振動子に入力する必要がある。このため、懸濁液処理装置は、駆動制御用の回路として、上記ファンクションジェネレータ等の回路を具備する必要があり、これらの回路を駆動するための電力が必要である。
本発明の目的は、超音波を用いた懸濁液処理装置に関して、駆動時の消費電力を低減することができる技術を提供することである。
本発明のうち代表的な実施の形態は、超音波を用いた懸濁液処理装置であって、以下に示す構成を有することを特徴とする。
一実施の形態の懸濁液処理装置は、懸濁液が流れる流路部が構成される懸濁液処理部と、前記懸濁液処理部を駆動する駆動部と、を備え、前記懸濁液処理部は、前記流路部の少なくとも一部の領域を挟むように、第1の振動子及び第2の振動子を含む2つ以上の振動子が設けられ、前記駆動部は、信号増幅部を含み、前記第1の振動子及び第2の振動子は、前記信号増幅部を介して電気的に接続され、前記信号増幅部は、前記第2の振動子からの電気信号を増幅して前記第1の振動子へ入力し、前記第1の振動子と前記第2の振動子との間の前記流路部の領域に超音波を発生させることにより、前記懸濁液から微粒子または固形物を分離する処理を行う。
本発明のうち代表的な実施の形態によれば、超音波を用いた懸濁液処理装置に関して、駆動時の消費電力を低減することができる。
本発明の実施の形態1の超音波を用いた懸濁液処理装置を含むシステムの構成を示す図である。 実施の形態1の懸濁液処理装置の懸濁液処理部の構造をXZ断面で示す図である。 図2の懸濁液処理部の超音波に関する動作原理をXZ断面で示す図である。 実施の形態1の懸濁液処理装置による懸濁液処理の効果を比較例との対比で示す図である。 本発明の実施の形態2の超音波を用いた懸濁液処理装置を含むシステムの構成を示す図である。 実施の形態2の懸濁液処理装置の懸濁液処理部の構造をXZ断面で示す図である。 (a),(b),(c)は、実施の形態2の懸濁液処理部の第1の振動子及び排出口の付近の構造を示す図である。 本発明の実施の形態3の超音波を用いた懸濁液処理装置を含むシステムの構成を示す図である。 実施の形態3の懸濁液処理装置の懸濁液処理部の構造をXZ断面で示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお実施の形態を説明するための全図において同一部には原則として同一符号を付しその繰り返しの説明は省略する。説明上の方向として、X,Y,Zを用いる。X,Yは水平面を構成する方向とし、Zは鉛直方向とする。説明上、分離等の処理対象となる微粒子ないし固形物等を「固形物」と略称する場合がある。
<概要等>
各実施の形態の懸濁液処理装置は、浄水の用途に好適な構成を有する。懸濁液処理装置による懸濁液処理ないし浄水処理として、工場排水などの懸濁液を、微粒子ないし固形物等を多く含む濃縮液と、それ以外の清澄液とに分離する。
各実施の形態の懸濁液処理装置は、懸濁液が流れる流路部が構成される懸濁液処理部と、懸濁液処理部を駆動する信号増幅器を含む駆動制御部とを備える。懸濁液処理部は、流路部を挟むように、一対の振動子が設けられる。第1の振動子及び第2の振動子は、信号増幅器を介して電気的に接続される。一対の振動子及び信号増幅器による回路における自励振動により、振動子間の流路部に振動による超音波を発生させ、流路部内に音場を形成する。当該音場において流路部内を流れる懸濁液から微粒子ないし固形物等が捕捉されて分離される。
<実施の形態1>
図1〜図4等を用いて、本発明の実施の形態1の超音波を用いた懸濁液処理装置について説明する。実施の形態1の懸濁液処理装置1Aは、流路部30を構成する懸濁液処理部3Aに一対の振動子40が配置され、一対の振動子40が信号増幅器22を介して電気的に接続される。当該振動子40及び信号増幅器22による回路における自励振動により、流路部30の振動子40間に超音波による音場を発生する。当該音場において流路部30内の懸濁液51に含まれる固形物が捕捉され分離される。
[懸濁液処理装置及びシステム]
図1は、実施の形態1の超音波を用いた懸濁液処理装置1Aを含むシステムの構成を示す。図1では、懸濁液処理装置1Aを使用して懸濁液を処理するシステムの構成例を示している。図1のシステム全体は、懸濁液処理装置1Aと、懸濁液槽11と、送液ポンプ14と、濃縮液槽12と、清澄液槽13とを含む構成である。
実施の形態1の懸濁液処理装置1Aは、懸濁液処理部3Aと、それに接続される駆動制御部2とを備える。懸濁液処理部3Aは、流路部30(後述の図2)が構成され、懸濁液51が流れて処理され、濃縮液52と清澄液53とに分離されて排出される。駆動制御部2は、懸濁液処理部3Aを駆動する制御を行う回路部である。懸濁液処理装置1Aによる懸濁液処理の機能として、一対の振動子(後述の図2)による超音波を用いて、懸濁液51を濃縮液52と清澄液53とに分離する。
懸濁液槽11は、懸濁液51で満たされる槽である。懸濁液槽11と送液ポンプ14とが送液管60で接続され、送液ポンプ14と懸濁液処理部3Aの供給口31(後述の図2)とが送液管61で接続される。送液ポンプ14により、懸濁液槽11の懸濁液51を、送液管60及び送液管61を通じて、懸濁液処理部3Aの供給口31に供給する。
濃縮液槽12は、濃縮液52が排出される槽である。濃縮液槽12は、送液管62を通じて、懸濁液処理部3Aの第1の排出口である濃縮口32(後述の図2)と接続され、懸濁液処理部3Aからの濃縮液52が排出される。
清澄液槽13は、清澄液53が排出される槽である。清澄液槽13は、送液管63を通じて、懸濁液処理部3Aの第2の排出口である清澄口33(後述の図2)と接続され、懸濁液処理部3Aからの清澄液53が排出される。
懸濁液51は、液体中に微粒子ないし固形物等が分散した処理対象の懸濁液であり、例えば工場排水である。懸濁液51は、懸濁液処理装置1Aによる懸濁液処理により、濃縮液52と清澄液53とに分離されて排出される。
濃縮液52は、懸濁液51が処理された結果の処理液のうち、固形物を相対的に多く含む処理液ないし排出液である。清澄液53は、懸濁液51が処理された結果の処理液のうち、濃縮液52以外の処理液であり、固形物を相対的に少なく含む処理液ないし排出液である。
[懸濁液処理部]
図2は、図1の懸濁液処理部3Aの構造及び流れ等をXZ断面で示す。懸濁液処理部3Aは、主に、流路部30を構成する管状構造体35Aと、流路部30の領域を挟んで設けられる一対の振動子40とを備える。流路部30の管状構造体35は、開口部として、供給口31、濃縮口32、及び排出口33が設けられる。
懸濁液処理装置3Aは、管状構造体35Aによる流路部30が、(X,Y,Z)の空間内において図示の通りに配置される。即ち、管状構造体35Aによる流路部30は、長軸がX方向に配置され、半径及び短軸がZ方向及びY方向に配置される。管状構造体35AのYZ断面は例えば円形である。管状構造体35Aは、少なくとも3つ以上の面を持つ。管状構造体35Aの面のうちX方向で対向する2つの面に一対の振動子40が配置され、他の面である管状の側面に供給口31等が設けられる。
流路部30は、供給口31から懸濁液51が流入し、一対の振動子40間での超音波による音場の作用により分離等の処理がされる。処理された懸濁液51は、一方は、第1の排出口である濃縮口32から濃縮液52として排出され、他方は、第2の排出口である排出口33から清澄液53として排出される。なお流路部30内は懸濁液51ないしその処理液が満たされるが図示は省略する。
供給口31は、送液管61のZ方向下向きの端部と接続され、懸濁液51が流入する。供給口31は、管状構造体35Aの円形断面の側面におけるX方向右端部付近にZ方向上向きに開口する配置で設けられる。
濃縮口32は、第1の排出口であり、送液管62のZ方向上向きの端部と接続され、濃縮液52を排出する。濃縮口32は、管状構造体35AにおけるX方向中間付近の位置にZ方向下向きに開口する配置で設けられる。
排出口33は、第2の排出口であり、送液管63のZ方向下向きの端部と接続され、清澄液53を排出する。排出口33は、管状構造体35Aの側面におけるX方向左端部付近にZ方向上向きに開口する配置で設けられる。
流路部30内は、懸濁液51等の流れとしてf1,f2,f3のような流れを有する。f1のようにX方向右側の供給口31から流路部30内に懸濁液51が流入する。流入した懸濁液51は、流路部30内を、上流であるX方向右側から、長軸であるX方向を経由して、下流であるX方向左側へ向かって流れる。f1の流れのうち一方は、f2のようにX方向中間付近で濃縮口32から濃縮液52として排出される。f1の流れのうち他方は、f3のようにX方向左側の下流の排出口33から清澄液53として排出される。
懸濁液51の流れる向きは、送液管61内と流路部30内とでf1のようにZ方向下向きからX方向左向きへ変わる。濃縮液52の流れる向きは、流路部30内と送液管62内とでf2のようにX方向左向きからZ方向下向きへ変わる。清澄液53の流れる向きは、流路部30内と送液管63内とでf3のようにX方向左向きからZ方向上向きへ変わる。
実施の形態1では、X方向が長軸の流路部30において、流れる懸濁液51から、超音波の作用により固形物が捕捉される。捕捉された固形物は、凝集による自重によりZ方向下方へ沈降する。これにより流路部30は、Z方向下方の底部の方が固形物が多く集まる。これに対応させて、流路部30における濃縮口32は、X方向における右側の供給口31と左側の排出口33との間において、Z方向下方にある底部における任意の位置に設けられる。特に、実施の形態1では、濃縮口32は、流路部30の底部のX方向中間付近の位置に設けられる。また、流路部30における排出口33は、X方向右側でZ方向上方の位置に設けられる。
[振動子]
一対の振動子40である第1の振動子40a及び第2の振動子40bは、信号増幅器22を介して電気的に接続される。第1の振動子40a、第2の振動子40b、及び信号増幅器22は、流路部30を介在した回路を構成し、当該回路により自励振動が生じる。
振動子40は、超音波振動子であり、電気信号と振動による超音波とを変換する素子である。振動子40は、例えば振動面を持つ振動板と電極とが接続された構造である。振動子40の電極は、導線を通じて、信号増幅器22に接続される。第1の振動子40aは、電気信号E1の入力側であり、導線を通じて、信号増幅機22の出力側に接続される。第2の振動子40bは、電気信号E2の出力側であり、導線を通じて、信号増幅機22の入力側に接続される。
一対の振動子40である第1の振動子40a及び第2の振動子40bは、流路部30の長軸における懸濁液51が流れる領域を挟むようにX方向左右両端に分かれて設けられる。一対の振動子40は、流路部30内の主な流れの方向であるX方向の直線上に、第1の振動子40aの振動面s1と第2の振動子40bの振動面s2とが平行に対向するように配置される。一対の振動子40は、懸濁液51で満たされる流路部30のうち少なくとも一部の領域、実施の形態1では長軸の流れのX方向のほぼ全体の領域を挟むように配置される。
流路部30の上流のX方向右側の端部のYZ平面に第2の振動子40bが配置され、下流のX方向左側の端部のYZ平面に第1の振動子40aが配置される。第1の振動子40aは、a1のように流路部30内のX方向右方へ超音波を放射する。第2の振動子40bは、a2のように流路部30内からのX方向右方への超音波を受ける。
また一対の振動子40の配置に対応させて、供給口31及び排出口33が配置されている。即ち、供給口31は、流路部30の管状構造体35Aの側面においてX方向右端の第2の振動子40bの近傍である左隣に配置されている。排出口33は、流路部30の管状構造体35Aの側面においてX方向左端の第1の振動子40aの近傍である右隣に配置されている。
第1の振動子40aの振動面s1と第2の振動子40bの振動面s2とは、流路部30の短軸の方向に対応したYZ平面で平行に対向する。各振動面は、流路部30内のX方向を向いて配置される。各振動面のX方向の中心軸が一致する。振動子40のYZ平面は、管状構造体35Aの断面形状に対応させて例えば円形であるが、これに限らず矩形なども可能である。
第1の振動子40aの振動面s1は、流路部30の左端の面において流路部30内に露出するように接続される。第2の振動子40bの振動面s2は、流路部30の右端の面において流路部30内に露出するように接続される。なお変形例として、第1の振動子40aの振動面s1は、流路部30の左端の面の外側に接触して接続されてもよい。第2の振動子40bの振動面s2は、流路部30の左端の面の外側に接触して接続されてもよい。
[駆動制御部]
図1の駆動制御部2は、スイッチ21と、信号増幅器22と、信号検出器23と、出力制御部24と各部を接続する配線とを含む回路の構成を有する。駆動制御部2は、例えば電子回路基板などで実装される。なお駆動制御部2は、図示しない電源部と接続され、電源部から信号増幅器22等に対して電力が供給される。
スイッチ21は、懸濁液処理装置1Aの利用者の操作に基づき、信号増幅器22と振動子40との電気的接続におけるオン及びオフ状態を切り替える。懸濁液処理の際には、利用者によるスイッチ21のオンにより、一対の振動子40及び信号増幅器22の電気的接続の状態がオン状態にされ、信号増幅器22等は電力が供給される。
上記オン状態では、一対の振動子40及び信号増幅器22を含む回路において、電気信号及び超音波が自動的に励起されて流れ繰り返し増幅される現象(自励振動と称する)が生じる。自励振動により、一対の振動子40間は、信号増幅器22を介して電気信号が流れると共に、流路部30において超音波が発生する。これにより、懸濁液処理部3Aは、外部から所定の波形信号が与えられなくても、自動的に超音波による懸濁液処理の作用を発揮する。
上記オン状態では、一対の振動子40間は、信号増幅器22を介して自動的に電気信号が励起され、最初は微弱な電流が流れ、信号増幅器22を通じて増幅される。第2の振動子40bからの電気信号E2が信号増幅器22に入力され、増幅された電気信号E1が第1の振動子40bに入力される。電気信号E1及びE2は、自励振動に対応した交流波形となる。電気信号E1は、自励振動による信号であり、本実施の形態の構成は、従来の波形生成器による波形信号を振動子に印加する構成とは異なる。
駆動制御部2にスイッチ21を設ける構成により、利用者がスイッチ21の操作によって懸濁液処理の状態を制御可能である。なおスイッチ21を設けずに信号増幅器22自体に備えるスイッチ等で代用する形態としてもよい。
信号増幅器22は、入力の電気信号E2を増幅して電気信号E1として出力する回路部である。信号増幅器22は、出力端側が導線を通じて第1の振動子40aの電極に接続され、入力端側がスイッチ21を介して導線を通じて第2の振動子40bの電極に接続される。また信号増幅器22は、出力端が信号検出器23と接続される。また信号増幅器22は、出力制御部24が接続される。信号増幅器22としては、負帰還増幅回路等の公知の各種の増幅回路を適用可能である。
信号検出器23は、オシロスコープ等であり、出力の電気信号E1を検出及び計測して波形表示する。信号検出部23を設ける構成により、利用者により電気信号E1及び懸濁液処理の状態を確認可能である。
出力制御部24は、信号増幅器22の出力の電気信号E1の大きさを、所定の範囲または所定の上限値以内に収まるように制限する。当該最大出力の制限のために、出力制御部24は、信号増幅器22の増幅レベル等を制御する。
駆動制御部2内のスイッチ21のオンにより上記回路の自励振動を生じさせることができる。ただしこのオン時、当該回路は、信号増幅器22の増幅の作用によって、殆ど瞬時に最大出力まで信号が励起されることが想定される。そのため、駆動制御部2内に、自励振動に関する最大出力を制御する出力制御手段として、出力制御部24を設ける。なお出力制御部24は、信号増幅器22等に内蔵されてもよい。出力制御部24により、懸濁液処理部3Aの超音波による懸濁液処理の強さの調整などが可能である。
更に、出力制御部24は、信号増幅器22の出力の電気信号E1の周波数などを制御する機能を備えるようにしてもよい。これにより振動子40による超音波による音場の特性を制御し、懸濁液51中の固形物の捕捉の特性などを調整することができる。出力制御部24を設ける構成により、懸濁液処理を好適に制御可能である。
[懸濁液処理]
図3は、図2の懸濁液処理部3Aの振動子40による超音波に関する動作原理を含む懸濁液処理に関する説明図を示す。前述のように、スイッチ21のオン状態による一対の振動子40及び信号増幅器22による回路の自励振動により、電気信号E1,E2が流れると共に、第1の振動子40aと第2の振動子40bとの間の流路部30に超音波が発生し、当該超音波による強い音場が形成される。当該超音波による音場は、振動子40に固有の周波数に応じた定在波の音場である。
第1の振動子40aは、信号増幅器22から入力される電気信号E1を、振動面s1の振動による超音波に変換し、a1のように流路部30内のX方向右方へ超音波を放射する。第1の振動子40aは、固有の周波数で超音波を放射する。第1の振動子40aからの超音波は、流路部30内をX方向右方へ伝わり、a2のように第2の振動子40bへ到達する。第2の振動子40bは、振動面s2で受ける超音波の振動を電気信号E2に変換し、スイッチ21を介して信号増幅器22へ出力する。
流路部30内の長軸のX方向において形成される強い音場において、図3に示すように、振動子40の固有周波数に応じた、音圧が高い領域である節301と音圧が低い領域である腹302とがX方向に沿って周期的に発現する。なお図3中では、音場における一部の節301及び腹302のイメージを概略的に示す。
上記流路部30における超音波による音場の形成時、流路部30内の媒質である懸濁液51中に、腹302と節301の間隔よりも十分小さな固形物が存在する場合、当該固形物は補足される。即ち、当該固形物は、その物性値に応じて、音場の腹302または節301へ向かう力を受け、これにより腹302または節301の位置に捕捉される。捕捉された固形物は、分子間力により凝集する。上記捕捉の位置は、流路部30内の音場が形成されるX方向の全体の中に含まれる。
上記補足及び凝集した固形物は、一定の大きさになると、その自重によって、Z方向下方の底部に向かって沈降する。また沈降する固形物は、流路部30内の懸濁液51のX方向左方への流れに応じて、X方向左方へ搬送されるように力を受ける。また超音波の方向がa1,a2のようにX方向右向きであり、これにより、沈降する固形物は、X方向右方へ搬送される力も受ける。上記沈降の位置は、詳細には、流路部30及び振動子40等の設計、並びに流路部30内の流速や懸濁液51の特性などに依存する。
そして流路部30の底部に沈降する固形物を多く含む処理液が、f2のように濃縮口32から濃縮液52として排出される。また濃縮液52以外のX方向左方へ流れる処理液が、f3のようにX方向左端の排出口33から清澄液53として排出される。流路部30の底部における濃縮口32の位置は、X方向の任意の位置が可能であるが、特に、上記固形物の沈降の位置などを考慮して、X方向中間付近の位置に設けている。
上記超音波を用いた懸濁液処理により、供給口31から流路部30内に供給される懸濁液51を、濃縮液52と清澄液53とに分離することができる。即ち、固形物を多く含んだ濃縮液52を濃縮口32から選択的及び効率的に回収及び排出でき、またそれ以外の清澄液53を排出口33から選択的及び効率的に回収及び排出できる。
[効果等]
図4を用いて、実施の形態1の懸濁液処理装置1Aを用いた懸濁液処理における処理性能及び効果等について説明する。図4は、実施の形態1の懸濁液処理装置1Aによる懸濁液処理の効果を比較例との対比で示し、実施の形態1及び比較例により懸濁液のサンプル液を処理した結果として排出液の濁度で評価した結果を示す。401は、実施の形態1に対する比較例の懸濁液処理装置による結果を示す。402は、実施の形態1の懸濁液処理装置1Aによる結果を示す。図4の縦軸は、清澄液53に対応する排出液のサンプル液の濁度を表す。
402に対応する実施の形態1の懸濁液処理装置1Aの処理性能について、懸濁液処理部3Aにおける供給口31から懸濁液51のサンプル液を供給し、排出口33から排出される排出液である清澄液53のサンプル液の濁度によって評価した。本評価で用いた懸濁液51のサンプル液は、純水に平均粒径53ミクロン径のアルミナ粒子を分散させた、濁度が16〜18度の懸濁液を用いた。本評価で用いた振動子40は、固有周波数に対応する共振周波数が2.01MHzである超音波振動子を用いた。
401に対応する比較例の懸濁液処理装置は、以下の構成を有する。比較例の懸濁液処理装置は、流路部を介して超音波振動子とアルミ製反射板との対が配置される懸濁液処理部と、超音波振動子に接続される駆動制御部の回路とを有する。駆動制御部は、超音波振動子に与える制御用の波形信号を生成する波形生成器であるファンクションジェネレータ、及び当該波形信号を増幅するパワーアンプ等の回路を含む。懸濁液処理部は、流路部内の懸濁液の流れの方向に対して直交する方向に、超音波振動子と反射板との組が平行に対向して配置される。波形生成器からの波形信号は、所定の周波数の交流電圧による波形信号である。
比較例の懸濁液処理部は、外部の波形生成器を含む回路からの波形信号を超音波振動子に印加することにより、超音波振動子から振動による超音波を発生する方式である。超音波振動子から放射された超音波は、流路部を介して反射板で反射される。超音波振動子と反射板との間に超音波による音場が形成される。そして音場において懸濁液中の微小物体ないし固形物等が捕捉される。流路部の一方の排出口からは捕捉物を多く含む排出液が排出され、他方の排出口からはそれ以外の排出液が排出される。
比較例の方式は、懸濁液処理部の駆動時に超音波振動子に波形信号を入力する必要があるため、駆動制御部の回路として波形生成器であるファンクションジェネレータ等の具備が必要である。そのため比較例は、当該回路の駆動のための消費電力が必要である。
図4の実施の形態1の結果である402は、比較例の結果である401に対して、排出液の濁度において大きな違いは見られない。即ち、実施の形態1による懸濁液処理は、比較例とほぼ同様の処理性能が得られる。
402に対応する実施の形態1の懸濁液処理装置1Aは、前述のように、一対の振動子40と信号増幅器22との接続の回路による自励振動により超音波を発生させる方式である。駆動制御部2の回路として、基本的に信号増幅器22のみで、自励振動による駆動が可能である。比較例の方式は、自励振動による方式ではない。駆動制御部2は、波形生成器等の回路を具備して振動子40に波形信号を印加することは不要である。実施の形態1は、比較例に対して、回路構成が簡略化されるので、消費電力を抑えることができる。
以上のように、実施の形態1によれば、比較例とほぼ同様の処理性能を維持すると共に、懸濁液処理の駆動時の消費電力を低減することができる。第1の振動子40aの振動面s1と第2の振動子40bの振動面s2との対向配置により、振動子40間で超音波を効率的に照射し、回路の自励振動を効率的に生じることができる。流路部30の管状構造体35Aにおいて好適な位置に供給口31、濃縮口32、排出口33、及び一対の振動子40を設ける構成により、流路部30内の流れ、重力、及び超音波の作用による効率的な懸濁液処理を実現し、濃縮液52及び清澄液53を効率的に得ることができる。
[変形例]
実施の形態1は、以下のような変形例が可能である。
(1) 実施の形態1は、一対の振動子40の電気信号E1,E2の入出力に応じて流路部30の超音波の方向を、a1,a2のように、懸濁液51の流れであるX方向左向きに対して逆であるX方向右向きとした。これに限らず、実施の形態1の変形例として、流路部30の長軸に対応するX方向において左端側に第2の振動子40b、右端側に第1の振動子40aを配置し、超音波の方向を、懸濁液51の流れであるX方向左向きと同じにしてもよい。
(2) 実施の形態1は、懸濁液処理部3Aの管状構造体35Aに設ける濃縮口32の位置は、X方向中間付近の位置とした。実施の形態1の変形例として、濃縮口32の位置は、懸濁液51が流れる領域であるX方向左右両端の間において、流路部30内の流速や懸濁液51の特性などに応じて決めた任意の位置としてもよい。例えば、濃縮口32の位置は、X方向中央よりもX方向右側の供給口31に寄った位置としてもよいし、X方向左側の排出口33に寄った位置としてもよい。
(3) 実施の形態1の変形例として、供給口51及び排出口53の位置は、それぞれ、管状構造体35Aの長軸の側面におけるY方向に開口する位置にしてもよい。また流路部30において2つ以上の供給口51や2つ以上の排出口53が設けられてもよい。また流路部30の底部において2つ以上の濃縮口32が設けられてもよい。
(4) 実施の形態1の変形例として、懸濁液処理部3Aは、流路部30に3つ以上の振動子40が設けられてもよい。2つの振動子40の配置は、1直線上での対向配置が望ましいが、必ずしもそれに限らず、管状構造体35A及び流路の形状等に応じて、2つの振動子40の振動面の中心軸の向きがずれた配置としてもよい。流路部30において、懸濁液51の流れの方向またはそれに直交する方向に、2つ1組の振動子40を複数組設けてもよい。例えば2組の振動子40が並列でX方向に配置されてもよい。例えば一方の1組の振動子40がX方向に配置され、他方の1組の振動子40がZ方向に配置されてもよい。
<実施の形態2>
次に、図5〜図7を用いて、本発明の実施の形態2の超音波を用いた懸濁液処理装置について説明する。図5は、実施の形態2の懸濁液処理装置1Bを含むシステムの構成を示す。実施の形態2の懸濁液処理装置1Bは、実施の形態1の懸濁液処理装置1Aに対して主に異なる構成要素として、懸濁液処理部3Bを有する。懸濁液処理部3B以外はほぼ同様の構成を有する。
図6は、実施の形態2の懸濁液処理装置1Bにおける懸濁液処理部3Bの構造及び流れ等をXZ断面で示す。懸濁液処理部3Bは、管状構造体35Bによる流路部30と、一対の振動子40である第1の振動子40a及び第2の振動子40bとを有する。流路部30は、懸濁液51の供給口31、濃縮液52の濃縮口32、及び清澄液53の排出口33が設けられる。
管状構造体35Bによる流路部30は、図示の通り、長軸がZ方向、短軸がX方向及びY方向となるように配置される。管状構造体35BのXY断面は例えば円形である。
供給口31は、管状構造体35Bの長軸の側面におけるZ方向中間付近の位置に、X方向右向きに開口する配置で設けられ、送液管61のX方向左向きの端部と接続される。濃縮口32は、管状構造体35Bの側面におけるZ方向下端の位置に、X方向左向きに開口する配置で設けられ、送液管62のX方向右向きの端部と接続される。排出口33は、管状構造体35BのZ方向上端の位置に、Z方向上向きに開口する配置で設けられ、送液管63のZ方向下向きの端部と接続される。
一対の振動子40である第1の振動子40a及び第2の振動子40bは、流路部30の長軸であるZ方向において流路部30のほぼ全体の領域を挟んでZ方向上下両端に各々の振動面が平行して対向するように設けられる。第1の振動子40aの振動面s1はZ方向上端の流路部30のXY平面において流路部30内に露出して配置される。第2の振動子40aの振動面s2はZ方向下端の流路部30のXY平面において流路部30内に露出して配置される。
流路部30内は、懸濁液51等の流れとしてf1,f2,f3のような流れを有する。供給口31から流路部30内に流入した懸濁液51は、f1のように流路部30内をZ方向上下に分かれて流れる。f1のうち一方は、f2のようにZ方向下側へ流れ濃縮口32から濃縮液52として排出され、f1のうち他方は、f3のようにZ方向上側へ流れ排出口33から清澄液53として排出される。
懸濁液51の流れる向きは、送液管61内と流路部30内とでf1のようにX方向左向きからZ方向上下の向きへ変わる。濃縮液52の流れる向きは、流路部30内と送液管62内とでf2のようにZ方向下向きからX方向左向きへ変わる。清澄液53の流れる向きは、流路部30内と送液管63内とでf3のようにZ方向上向きで同じである。
実施の形態2では、Z方向が長軸の流路部30において、流れる懸濁液51から、超音波の作用により固形物が捕捉される。捕捉された固形物は、凝集による自重によりZ方向下方へ沈降する。これにより流路部30は、Z方向下方の底部の方が固形物が多く集まる。これに対応させて、流路部30における濃縮口32は、Z方向下方の底部の付近の位置に設けられ、排出口33は、Z方向上方の位置に設けられる。
管状構造体35Bによる流路部30は、一対の振動子40の配置と対応させて、Z方向上下両端に排出口33及び濃縮口32が離れて設けられ、Z方向中間付近の位置に供給口31が設けられる。濃縮口32は、管状構造体35Bの側面のZ方向下側における、Z方向下端の第2の振動子40bの近傍である左上隣に配置される。排出口33は、管状構造体35BのZ方向上端のXY平面における第2の振動子40bと同じ位置に配置される。このため、第1の振動子40aは、後述の図7のように開口部70を持つ。
一対の振動子40は、実施の形態1と同様に、信号増幅器22を介して電気的に接続される。第1の振動子40aは、信号増幅器22からの電気信号E1を入力して流路部30内へa1のように超音波を放射する。第2の振動子40bは、流路部30内からa2のように超音波を受けて電気信号E2に変換し信号増幅器22へ出力する。
図7は、図6の懸濁液処理部3BのZ方向上部における排出口33及び第1の振動子40aの付近の構造の一例を示す。図7(a)はXZ断面で見た図、図7(b)はXY平面のZ方向上側から見た図、図7(c)はXY平面のZ方向下側から見た図を概略で示す。
図7(a)のように、Z方向で下側から順に、管状構造体35B、第1の振動子40a、排出口33、及び送液管63が配置され、相互に接続されている。図7(a)〜(c)のように、XY平面の円形の中心に開口部70を有する。流路部30のZ方向上部に配置される第1の振動子40aは、振動面s1を含むXY平面内の中心に開口部70を有する。開口部70は、排出口33にも対応して設けられる。開口部70により、流路部30内と送液管63とがZ方向で通じる。
図7(a)の構成では、流路部30のZ方向上面において第1の振動子40aの振動面s1の外周部が管状構造体35Bの側面に対して固定され、流路部30内に第1の振動子40aの振動面s1が露出するように配置されている。これに限らず、前述同様に、流路部30の上面の外側に第1の振動子40aの振動面s1が接触して設けられる形態としてもよい。振動子40のXY平面の形状は、管状構造体35Bの断面形状に合わせて円形としたが、これに限らず、矩形なども可能である。
図6を用いて、懸濁液処理部3Bの振動子40による超音波の作用を含む懸濁液処理について説明する。駆動制御部2のスイッチ21のオン状態では、実施の形態1と同様に、一対の振動子40及び信号増幅器22の回路における自励振動により、電気信号E1,E2が流れると共に、振動子40間に超音波がa1,a2のように発生する。これにより、懸濁液処理部3Bの流路部30内に、振動子40の固有周波数に応じた強い音場が形成される。
供給口31から流入した懸濁液51は、f1のように音場が形成された流路部30内を通過する。流路部30内を流れる懸濁液51中の固形物は、音場における腹または節の位置に捕捉される。捕捉物は、凝集による自重によって流路部30内のZ方向下方の底部に向かって沈降する。これにより、沈降物を多く含む処理液が、f2のように流路部30の底部の付近の濃縮口32から濃縮液52として排出される。そして濃縮液52以外の処理液は、f3のように流路部30の上部の排出口33から清澄液53として排出される。
以上のように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、波形生成器等の回路を不要とするので、懸濁液処理の駆動時の消費電力を低減することができる。
実施の形態2の変形例として、流路部30の長軸に対応するZ方向において上端側に第2の振動子40b、下端側に第1の振動子40aを配置し、超音波の方向をZ方向上向きとしてもよい。
実施の形態2の変形例として、流路部30における排出口33は、前述の濃縮口32の構成と同様に、管状構造体35Bの側面における第1の振動子40aの近傍の位置にX方向またはY方向に開口する配置で設けられてもよい。また流路部30における濃縮口32は、前述の排出口33の構成と同様に、開口部を持つ第2の振動子40bと同じ位置にZ方向下向きに開口する配置で設けられてもよい。
また前述の実施の形態1の変形例として、実施の形態2の開口部70を持つ第1の振動子40a及び排出口33の構成と同様に、X方向左端の面に開口部を持つ第1の振動子40a及び排出口33を同じ位置に設けてもよい。またX方向右端の面に開口部を持つ第2の振動子40b及び供給口31を同じ位置に設けてもよい。
<実施の形態3>
次に、図8〜図9を用いて、本発明の実施の形態2の超音波を用いた懸濁液処理装置について説明する。実施の形態2は、実施の形態1に対して主に異なる構成要素として、懸濁液処理部3Cを有する。
図8は、実施の形態3の懸濁液処理装置1Cを含むシステムの構成を示す。実施の形態3の懸濁液処理装置1Cは、実施の形態1の懸濁液処理装置1Aに対して主に異なる構成要素として、懸濁液処理部3Cを有する。懸濁液処理部3C以外はほぼ同様の構成を有する。
図9は、実施の形態3の懸濁液処理装置1Cにおける懸濁液処理部3Cの構造及び流れ等をXZ断面で示す。懸濁液処理部3Cは、管状構造体35Cによる流路部30と、一対の振動子40である第1の振動子40a及び第2の振動子40bとを有する。流路部30は、懸濁液51の供給口31、濃縮液52の濃縮口32、及び清澄液53の排出口33が設けられる。
管状構造体35Cによる流路部30は、図示の通り、基本的にはX方向左方へ流れる流路が構成されるように配置される。流路部30のX方向右側の上流の領域901は、1つのX方向左方への流路が構成される。流路部30のX方向左側の下流の領域902は、二股に分岐した形状の流路部が構成される。管状構造体35Cの上流の領域901のYZ断面は例えば矩形である。
流路部30の上流の領域901は、X方向右端のYZ平面に、X方向で開口する供給口31が設けられ、送液管61のX方向左向きの端部と接続される。
流路部30の下流の領域902は、分岐の一方は、Z方向下方及びX方向左方へ延び、分岐の他方は、Z方向上方及びX方向左方へ延びている。分岐の一方は、X方向左端の面に、第1の排出口である濃縮口32がX方向で開口する配置で設けられ、送付管62のX方向右向きの端部と接続される。分岐の他方は、X方向左端の面に、第2の排出口である排出口33がX方向で開口する配置で設けられ、送付管63のX方向右向きの端部と接続される。
一対の振動子40は、上流側の分岐していない領域901の流路部をZ方向で挟むように、管状構造体35Cの側面のZ方向上下両端のXY平面に配置される。一対の振動子40の振動面は、上流の領域901の流れであるX方向に対して直交するZ方向の直線上で対向するように配置される。第1の振動子40aの振動面s1と第2の振動子40bの振動面s2とが流路部30内を向いてXY平面で平行に対向する。例えば上流の領域901における管状構造体35CのZ方向上側のXY平面の内側に第1の振動子40aの振動面s1が露出し、Z方向下側のXY平面の内側に第2の振動子40bの振動面s2が露出する。
流路部30内は、懸濁液51等の流れとしてf1,f2,f3のような流れを有する。供給口31から流路部30内に流入した懸濁液51は、f1のように流路部30内をX方向左方へ流れる。f2,f3のように分岐する。f1のうち一方は、f2のようにZ方向下側及びX方向左側へ流れ濃縮口32から濃縮液52として排出される。f1のうち他方は、f3のようにZ方向上側及びX方向左側へ流れ排出口33から清澄液53として排出される。
実施の形態3では、X方向の流れの流路部30において、上流の領域901に流れる懸濁液51から超音波の作用により捕捉された固形物は、凝集による自重によりZ方向下方へ沈降すると共に、X方向左方への流れによって下流の領域902へ進む。これにより下流の領域902におけるZ方向下方への分岐の領域の方が固形物が多く集まる。これに対応させて、流路部30のZ方向下方の分岐の領域の方に濃縮口32が設けられ、Z方向上方の分岐の領域の方に排出口33が設けられる。
一対の振動子40は、実施の形態1と同様に、信号増幅器22を介して電気的に接続される。第1の振動子40aは、信号増幅器22からの電気信号E1を入力して流路部30内へa1のように超音波を放射する。第2の振動子40bは、流路部30内からa2のように超音波を受けて電気信号E2に変換し信号増幅器22へ出力する。
図9を用いて、懸濁液処理部3Cの振動子40による超音波の作用を含む懸濁液処理について説明する。駆動制御部2のスイッチ21のオン状態では、実施の形態1と同様に、一対の振動子40及び信号増幅器22の回路における自励振動により、電気信号E1,E2が流れると共に、振動子40間に超音波がa1,a2のように発生する。これにより、懸濁液処理部3Cの流路部30内の特に上流の領域901に、振動子40の固有周波数に応じた強い音場が形成される。
供給口31から流入した懸濁液51は、f1のように上流の領域901内の音場を通過し、懸濁液51中の固形物は、音場における腹または節の位置に捕捉される。捕捉物は、凝集による自重によって流路部30内のZ方向下方の底部に向かって沈降する。それと共に、沈降物は、沈降の過程で、流路部30内のX方向左方への流れによって、下流の領域902へ搬送される。下流の領域902では、f2,f3のように処理液がZ方向上下の分岐の領域へ分かれる。沈降物を多く含む処理液は、f2のようにZ方向下側の分岐の領域へ進み、Z方向下側の分岐の先に設けられた濃縮口32から濃縮液52として排出される。そしてf3のようにZ方向上側の分岐へ進んだ処理液は、当該分岐の先に設けられた排出口33から清澄液53として排出される。
以上のように、実施の形態3によれば、実施の形態1と同様に、波形生成器等の回路を不要とするので、懸濁液処理の駆動時の消費電力を低減することができる。
実施の形態3の変形例として、一対の振動子40は、上流の領域901における管状構造体35Cの側面のZ方向上下の面の外側に接触して設けられてもよい。
実施の形態3の変形例として、管状構造体35Cの上流側の領域901のYZ断面は円形でもよい。その場合、一対の振動子40は、前述同様に、XY平面の矩形の平板としてもよいし、管状構造体35Cの側面の形状に沿って曲がった曲面板としてもよい。いずれの形態でも、一対の振動子40間で流路部30の媒質を介して超音波が伝達されるのであれば、懸濁液処理の作用を持つ。
実施の形態3の変形例として、流路部30における供給口31、濃縮口32及び排出口33は、X方向左向きで開口する配置に限らず、管状構造体35Cの形状及び懸濁液51の流れに合わせて、Z方向やY方向などの各種の向きで設けられてもよい。
実施の形態3の変形例として、流路部30の分岐の形状は、図9の二股の形状に限らず、3つ以上の分岐なども可能である。そして複数の分岐の領域にそれぞれ排出口が設けられてもよい。
実施の形態3の変形例として、下流側の領域902は、分岐を無くし、実施の形態1と同様に、X方向の途中の位置に濃縮口32を設け、X方向左端に排出口33を設けてもよい。即ち、実施の形態1等の変形例として、流路部30の長軸の途中に流れに直交するように振動子40が配置されてもよい。
<効果等>
以上説明したように、各実施の形態の懸濁液処理装置によれば、懸濁液処理の性能を確保しつつ、駆動時の消費電力を低減することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば本実施の形態は浄水の用途に限らず適用可能である。
1A,1B,1C…懸濁液処理装置、2…駆動制御部、3A,3B,3C…懸濁液処理部、11…懸濁液槽、12…濃縮液槽、13…清澄液槽、14…送液ポンプ、21…スイッチ、22…信号増幅器、23…信号検出器、24…出力制御部、30…流路部、31…供給口、32…濃縮口、33…排出口、35A,35B,35C…管状構造体、40,40a,40b…振動子、51…懸濁液、52…濃縮液、53…清澄液、60〜63…送液管。

Claims (12)

  1. 懸濁液が流れる流路部が構成される懸濁液処理部と、
    前記懸濁液処理部を駆動する駆動部と、
    を備え、
    前記懸濁液処理部は、前記流路部の少なくとも一部の領域を挟むように、第1の振動子及び第2の振動子を含む2つ以上の振動子が設けられ、
    前記駆動部は、信号増幅部を含み、
    前記第2の振動子と前記信号増幅部の入力部とが、電気的に接続され、前記第1の振動子と前記信号増幅部の出力部とが、電気的に接続されることによって、前記第1の振動子と前記第2の振動子と前記信号増幅部とを含んで構成された回路において自励振動が生じ、前記回路に外部からの波形信号の入力が無い状態で前記回路に前記自励振動による電気信号が流れて前記信号増幅部で前記電気信号の増幅が繰り返されることにより、前記一部の領域に、超音波を発生させ、発生した前記超音波、前記一部の領域で、前記懸濁液から微粒子または固形物を分離する処理を行
    前記駆動部は、前記回路における前記第1の振動子及び第2の振動子と前記信号増幅部との電気的な接続をオン状態とオフ状態とで切り替えるスイッチを有し、前記オン状態では前記回路に外部からの波形信号の入力が無い状態で前記回路に前記自励振動による電気信号が流れる、
    懸濁液処理装置。
  2. 請求項1記載の懸濁液処理装置において、
    前記分離する処理は、前記超音波が、前記懸濁液中の微粒子または固形物を捕捉することによって分離を実現する、懸濁液処理装置。
  3. 請求項1記載の懸濁液処理装置において、
    前記懸濁液に含まれる微粒子または固形物は、前記超音波によって形成される音場の腹と節の間隔よりも小さいものである、懸濁液処理装置。
  4. 請求項1記載の懸濁液処理装置において、
    前記駆動部は、前記信号増幅部による前記第1の振動子へ入力する電気信号の大きさを制限する出力制御部を有する、懸濁液処理装置。
  5. 請求項1記載の懸濁液処理装置において、
    前記駆動部は、前記信号増幅部による前記第1の振動子へ入力する電気信号を検出する信号検出部を有する、懸濁液処理装置。
  6. 請求項1記載の懸濁液処理装置において、
    前記流路部を構成する構造体の面の内側または外側において、前記第1の振動子の振動面と前記第2の振動子の振動面とが平行に対向する配置で設けられ、
    前記第1の振動子は、前記信号増幅部からの電気信号を振動面から超音波に変換して前記流路部の領域内へ放射し、
    前記第2の振動子は、前記流路部の領域内からの超音波を振動面で受けて電気信号に変換して前記信号増幅部へ出力する、懸濁液処理装置。
  7. 請求項1記載の懸濁液処理装置において、
    前記懸濁液処理部は、
    前記流路部を構成する構造体の面において、
    外部から懸濁液を前記流路部内へ供給する1つ以上の供給口と、
    前記流路部内から処理液を外部へ排出する第1の排出口、及び第2の排出口を含む2つ以上の排出口と、
    を有し、
    前記第1の排出口は、前記懸濁液から分離された微粒子または固形物を相対的に多く含む第1の処理液を排出し、
    前記第2の排出口は、前記懸濁液から分離された微粒子または固形物を相対的に少なく含む第2の処理液を排出する、懸濁液処理装置。
  8. 請求項記載の懸濁液処理装置において、
    前記懸濁液処理部は、
    前記流路部を構成する構造体の面において、
    前記第1の振動子の近傍の位置に前記第2の排出口を有し、
    前記第2の振動子の近傍の位置に前記供給口を有し、
    前記第2の排出口と前記供給口との間の位置に前記第1の排出口を有する、懸濁液処理装置。
  9. 請求項記載の懸濁液処理装置において、
    前記懸濁液処理部は、
    前記流路部を構成する構造体の面において、
    前記第1の振動子の近傍の位置に前記第2の排出口を有し、
    前記第2の振動子の近傍の位置に前記第1の排出口を有し、
    前記第2の排出口と前記第1の排出口との間の位置に前記供給口を有する、懸濁液処理装置。
  10. 請求項またはに記載の懸濁液処理装置において、
    前記懸濁液処理部は、
    前記第1の振動子及び第2の振動子の少なくとも1つに開口部を有し、
    前記開口部を有する振動子の位置に、前記供給口、第1の排出口、または第2の排出口が設けられる、懸濁液処理装置。
  11. 請求項1記載の懸濁液処理装置において、
    前記懸濁液処理部における前記流路部は、2つ以上に分岐する形状を持つ構造体により構成され、
    前記第1の振動子及び第2の振動子は、前記流路部の分岐しない側の第1の領域を挟むように設けられる、懸濁液処理装置。
  12. 請求項記載の懸濁液処理装置において、
    前記懸濁液処理部における前記流路部は、2つ以上に分岐する形状を持つ構造体により構成され、
    前記第1の振動子及び第2の振動子は、前記流路部の分岐しない側の第1の領域を挟むように設けられ、
    前記分岐しない側の第1の領域に前記供給口を有し、前記分岐する側の第1の分岐の領域に前記第1の排出口を有し、前記分岐する側の第2の分岐の領域に前記第2の排出口を有する、懸濁液処理装置。
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