以下、本発明の実施形態について説明する。
LTE(およびLTE−A Pro)とNRは、異なるRAT(Radio Access Technology)として定義されてもよい。NRは、LTEに含まれる技術として定義されてもよい。本実施形態はNR、LTEおよび他のRATに適用されてよい。以下の説明では、LTEに関連する用語を用いて説明するが、他の用語を用いる他の技術においても適用されてもよい。
図1は、本実施形態の無線通信システムの概念図である。図1において、無線通信システムは、端末装置1A、端末装置1B、基地局装置3を具備する。端末装置1A、および、端末装置1Bを、端末装置1とも称する。端末装置1は、移動局装置、ユーザ端末(UE: User Equipment)、通信端末、移動機、端末、MS(Mobile Station)などと称される場合もある。基地局装置3は、無線基地局装置、基地局、無線基地局、固定局、NB(Node B)、eNB(evolved Node B)、NR NB(NR Node B)、gNB(next generation Node B)、アクセスポイント、BTS(Base Transceiver Station)、BS(Base Station)などと称される場合もある。基地局装置3は、コアネットワーク装置を含んでもよい。また、基地局装置3は、1または複数の送受信点4(transmission reception point:TRP)を具備してもよい。基地局装置3は、基地局装置3によって制御される通信可能範囲(通信エリア)を1つまたは複数のセルとして端末装置1をサーブしてもよい。また、基地局装置3は、1または複数の送受信点4によって制御される通信可能範囲(通信エリア)を1つまたは複数のセルとして端末装置1をサーブしてもよい。また、1つのセルを複数の部分領域(Beamed area)にわけ、それぞれの部分領域において端末装置1をサーブしてもよい。ここで、部分領域は、プリコーディングのインデックスに基づいて識別されてもよい。
基地局装置3がカバーする通信エリアは周波数毎にそれぞれ異なる広さ、異なる形状であっても良い。また、カバーするエリアが周波数毎に異なっていてもよい。また、基地局装置3の種別やセル半径の大きさが異なるセルが、同一の周波数または異なる周波数に混在して1つの通信システムを形成している無線ネットワークのことを、ヘテロジニアスネットワークと称する。
基地局装置3から端末装置1への無線通信リンクを下りリンクと称する。端末装置1から基地局装置3への無線通信リンクを上りリンクと称する。端末装置1から他の端末装置1への無線通信リンクをサイドリンクと称する。
図1において、端末装置1と基地局装置3の間の無線通信および/または端末装置1と他の端末装置1の間の無線通信では、サイクリックプレフィックス(CP: Cyclic Prefix)を含む直交周波数分割多重(OFDM: Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、シングルキャリア周波数多重(SC-FDM: Single-Carrier Frequency Division Multiplexing)、離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT-S-OFDM: Discrete Fourier Transform Spread OFDM)、マルチキャリア符号分割多重(MC-CDM: Multi-Carrier Code Division Multiplexing)が用いられてもよい。
また、図1において、端末装置1と基地局装置3の間の無線通信および/または端末装置1と他の端末装置1の間の無線通信では、ユニバーサルフィルタマルチキャリア(UFMC: Universal-Filtered Multi-Carrier)、フィルタOFDM(F-OFDM: Filtered OFDM)、窓が乗算されたOFDM(Windowed OFDM)、フィルタバンクマルチキャリア(FBMC: Filter-Bank Multi-Carrier)が用いられてもよい。
なお、本実施形態ではOFDMを伝送方式としてOFDMシンボルで説明するが、上述の他の伝送方式の場合を用いた場合も本発明の一態様に含まれる。
また、図1において、端末装置1と基地局装置3の間の無線通信および/または端末装置1と他の端末装置1の間の無線通信では、CPを用いない、あるいはCPの代わりにゼロパディングをした上述の伝送方式が用いられてもよい。また、CPやゼロパディングは前方と後方の両方に付加されてもよい。
図1において、端末装置1と基地局装置3の間の無線通信および/または端末装置1と他の端末装置1の間の無線通信では、サイクリックプレフィックス(CP: Cyclic Prefix)を含む直交周波数分割多重(OFDM: Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、シングルキャリア周波数多重(SC-FDM: Single-Carrier Frequency Division Multiplexing)、離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT-S-OFDM: Discrete Fourier Transform Spread OFDM)、マルチキャリア符号分割多重(MC-CDM: Multi-Carrier Code Division Multiplexing)が用いられてもよい。
本実施形態では、端末装置1に対して1つまたは複数のサービングセルが設定される。設定された複数のサービングセルは、1つのプライマリーセルと1つまたは複数のセカンダリーセルとを含む。プライマリーセルは、初期コネクション確立(initial connection establishment)プロシージャが行なわれたサービングセル、コネクション再確立(connection re-establishment)プロシージャを開始したサービングセル、または、ハンドオーバプロシージャにおいてプライマリーセルと指示されたセルである。RRC(Radio Resource Control)コネクションが確立された時点、または、後に、1つまたは複数のセカンダリーセルが設定されてもよい。
本実施形態の無線通信システムは、TDD(Time Division Duplex)および/またはFDD(Frequency Division Duplex)が適用されてよい。複数のセルの全てに対してTDD(Time Division Duplex)方式またはFDD(Frequency Division Duplex)方式が適用されてもよい。また、TDD方式が適用されるセルとFDD方式が適用されるセルが集約されてもよい。
下りリンクにおいて、サービングセルに対応するキャリアを下りリンクコンポーネントキャリア(あるいは下りリンクキャリア)と称する。上りリンクにおいて、サービングセルに対応するキャリアを上りリンクコンポーネントキャリア(あるいは上りリンクキャリア)と称する。サイドリンクにおいて、サービングセルに対応するキャリアをサイドリンクコンポーネントキャリア(あるいはサイドリンクキャリア)と称する。下りリンクコンポーネントキャリア、上りリンクコンポーネントキャリア、および/またはサイドリンクコンポーネントキャリアを総称してコンポーネントキャリア(あるいはキャリア)と称する。
本実施形態では、上りリンクビームフォーミングのために端末装置1および/または基地局装置3が行う処理を上りリンクプリコーディングまたはプリコーディングと称する。また、本実施形態では、下りリンクビームフォーミングのために端末装置1および/または基地局装置3が行う処理を下りリンクプリコーディングと称する。プリコーディングは、ビームと称してもよい。
本実施形態の物理チャネルおよび物理信号について説明する。
図1において、端末装置1と基地局装置3の無線通信では、以下の物理チャネルが用いられる。物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・PBCH(Physical Broadcast CHannel)
・PCCH(Physical Control CHannel)
・PSCH(Physical Shared CHannel)
・PRACH(Physical Random Access CHannel)
PBCHは、端末装置1が必要とする重要なシステム情報(Essential information)を含む重要情報ブロック(MIB:Master Information Block、EIB:Essential Information Block)を基地局装置3が報知するために用いられる。ここで、1つまたは複数の重要情報ブロックは、重要情報メッセージとして送信されてもよい。例えば、重要情報ブロックにはフレーム番号(SFN:System Frame Number)の一部あるいは全部を示す情報(例えば、複数のフレームで構成されるスーパーフレーム内における位置に関する情報)が含まれてもよい。例えば、無線フレーム(10ms)は、1msのサブフレームの10個で構成され、無線フレームは、フレーム番号で識別される。フレーム番号は、1024で0に戻る(Wrap around)。また、セル内の領域ごとに異なる重要情報ブロックが送信される場合には領域を識別できる情報(例えば、領域を構成する送信ビームの識別子情報)が含まれてもよい。ここで、送信ビームの識別子情報は、プリコーディングのインデックスを用いて示されてもよい。また、セル内の領域ごとに異なる重要情報ブロック(重要情報メッセージ)が送信される場合にはフレーム内の時間位置(例えば、当該重要情報ブロック(重要情報メッセージ)が含まれるサブフレーム番号)を識別できる情報が含まれてもよい。すなわち、異なるプリコーディングのインデックスが用いられた重要情報ブロック(重要情報メッセージ)の送信のそれぞれが行われるサブフレーム番号のそれぞれを決定するための情報が含まれてもよい。例えば、重要情報には、セルへの接続やモビリティのために必要な情報が含まれてもよい。
PCCHは、上りリンクの無線通信(端末装置1から基地局装置3の無線通信)の場合には、上りリンク制御情報(Uplink Control Information: UCI)を送信するために用いられる。ここで、上りリンク制御情報には、下りリンクのチャネルの状態を示すために用いられるチャネル状態情報(CSI: Channel State Information)が含まれてもよい。また、上りリンク制御情報には、UL−SCHリソースを要求するために用いられるスケジューリング要求(SR: Scheduling Request)が含まれてもよい。また、上りリンク制御情報には、HARQ−ACK(Hybrid Automatic Repeat request ACKnowledgement)が含まれてもよい。HARQ−ACKは、下りリンクデータ(Transport block, Medium Access Control Protocol Data Unit: MAC PDU, Downlink-Shared Channel: DL-SCH)に対するHARQ−ACKを示してもよい。
また、PCCHは、下りリンクの無線通信(基地局装置3から端末装置1への無線通信)の場合には、下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)を送信するために用いられる。ここで、下りリンク制御情報の送信に対して、1つまたは複数のDCI(DCIフォーマットと称してもよい)が定義される。すなわち、下りリンク制御情報に対するフィールドがDCIとして定義され、情報ビットへマップされる。
例えば、DCIとして、スケジューリングされたPSCHに含まれる信号が下りリンクの無線通信か上りリンクの無線通信か示す情報を含むDCIが定義されてもよい。
例えば、DCIとして、スケジューリングされたPSCHに含まれる下りリンクの送信期間を示す情報を含むDCIが定義されてもよい。
例えば、DCIとして、スケジューリングされたPSCHに含まれる上りリンクの送信期間を示す情報を含むDCIが定義されてもよい。
例えば、DCIとして、スケジューリングされたPSCHに対するHARQ−ACKを送信するタイミング(例えば、PSCHに含まれる最後のシンボルからHARQ−ACK送信までのシンボル数)示す情報を含むDCIが定義されてもよい。
例えば、DCIとして、スケジューリングされたPSCHに含まれる下りリンクの送信期間、ギャップ、及び上りリンクの送信期間を示す情報を含むDCIが定義されてもよい。
例えば、DCIとして、1つのセルにおける1つの下りリンクの無線通信PSCH(1つの下りリンクトランスポートブロックの送信)のスケジューリングのために用いられるDCIが定義されてもよい。
例えば、DCIとして、1つのセルにおける1つの上りリンクの無線通信PSCH(1つの上りリンクトランスポートブロックの送信)のスケジューリングのために用いられるDCIが定義されてもよい。
ここで、DCIには、PSCHに上りリンクまたは下りリンクが含まれる場合にPSCHのスケジューリングに関する情報が含まれる。ここで、下りリンクに対するDCIを、下りリンクグラント(downlink grant)、または、下りリンクアサインメント(downlink assignment)とも称する。ここで、上りリンクに対するDCIを、上りリンクグラント(uplink grant)、または、上りリンクアサインメント(Uplink assignment)とも称する。
PSCHは、媒介アクセス(MAC: Medium Access Control)からの上りリンクデータ(UL-SCH: Uplink Shared CHannel)または下りリンクデータ(DL-SCH: Downlink Shared CHannel)の送信に用いられる。また、下りリンクの場合にはシステム情報(SI: System Information)やランダムアクセス応答(RAR: Random Access Response)などの送信にも用いられる。上りリンクの場合には、上りリンクデータと共にHARQ−ACKおよび/またはCSIを送信するために用いられてもよい。また、CSIのみ、または、HARQ−ACKおよびCSIのみを送信するために用いられてもよい。すなわち、UCIのみを送信するために用いられてもよい。
ここで、基地局装置3と端末装置1は、上位層(higher layer)において信号をやり取り(送受信)する。例えば、基地局装置3と端末装置1は、無線リソース制御(RRC: Radio Resource Control)層において、RRCシグナリング(RRC message: Radio Resource Control message、RRC information: Radio Resource Control informationとも称される)を送受信してもよい。また、基地局装置3と端末装置1は、MAC(Medium Access Control)層において、MACコントロールエレメントを送受信してもよい。ここで、RRCシグナリング、および/または、MACコントロールエレメントを、上位層の信号(higher layer signaling)とも称する。
PSCHは、RRCシグナリング、および、MACコントロールエレメントを送信するために用いられてもよい。ここで、基地局装置3から送信されるRRCシグナリングは、セル内における複数の端末装置1に対して共通のシグナリングであってもよい。また、基地局装置3から送信されるRRCシグナリングは、ある端末装置1に対して専用のシグナリング(dedicated signalingとも称する)であってもよい。すなわち、端末装置固有(UEスペシフィック)な情報は、ある端末装置1に対して専用のシグナリングを用いて送信されてもよい。PSCHは、上りリンクに置いてUEの能力(UE Capability)の送信に用いられてもよい。
なお、PCCHおよびPSCHは下りリンクと上りリンクで同一の呼称を用いているが、下りリンクと上りリンクで異なるチャネルが定義されてもよい。例えば、下りリンク用のPCCHをPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)と定義し、上りリンク用のPCCHをPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)と定義してもよい。例えば、下りリンク用のPSCHをPDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)と定義し、上りリンク用のPSCHをPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)と定義してもよい。
PRACHは、ランダムアクセスプリアンブル(ランダムアクセスメッセージ1)を送信するために用いられてもよい。PRACHは、初期コネクション確立(initial
connection establishment)プロシージャ、ハンドオーバプロシージャ、コネクション再確立(connection re−establishment)プロシージャ、上りリンク送信に対する同期(タイミング調整)、および上りリンクのPSCH(UL−SCH)リソースの要求を示すために用いられてもよい。
図1において、下りリンクの無線通信では、以下の下りリンク物理信号が用いられる。ここで、下りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するために使用されないが、物理層によって使用される。
・同期信号(Synchronization signal: SS)
・参照信号(Reference Signal: RS)
同期信号は、端末装置1が下りリンクの周波数領域および時間領域の同期をとるために用いられてもよい。同期信号は、PSS(Primary Synchronization Signal)、および/または、SSS(Second Synchronization Signal)を含んでもよい。また、同期信号は、端末装置1が基地局装置3によるプリコーディングまたはビームフォーミングにおけるプリコーディングまたはビームの選択に用いられて良い。すなわち、同期信号は、基地局装置3によって下りリンク信号に対して適用されたプリコーディングのインデックスまたはビームのインデックスを、端末装置が決定するために用いられてもよい。
下りリンクの参照信号(以下、単に、参照信号とも記載する)は、主に端末装置1が物理チャネルの伝搬路補償を行なうために用いられる。すなわち、下りリンクの参照信号には、復調参照信号が含まれてもよい。下りリンクの参照信号は、端末装置1が下りリンクのチャネル状態情報を算出するためにも用いられてよい。すなわち、下りリンクの参照信号には、チャネル状態情報参照信号が含まれてもよい。また、下りリンクの参照信号は、無線パラメータやサブキャリア間隔などのヌメロロジーやFFTの窓同期などができる程度の細かい同期(Fine synchronization)に用いられて良い。
下りリンク物理チャネルおよび下りリンク物理信号を総称して、下りリンク信号と称してもよい。上りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理信号を総称して、上りリンク信号と称してもよい。
以下、サブフレームについて説明する。本実施形態ではサブフレームと称するが、リソースユニット、無線フレーム、時間区間、時間間隔などと称されてもよい。
図2に、サブフレーム(サブフレームタイプ)の一例を示している。同図において、Dは下りリンク、Uは上りリンクを示している。同図に示されるように、ある時間区間内(例えば、システムにおいて1つのUEに対して割り当てなければならない最小の時間区間)においては、
・下りリンクパート
・ギャップ
・上りリンクパートのうち1つまたは複数を含んでよい。
図2(a)は、ある時間区間(例えば、1UEに割当可能な時間リソースの最小単位)で、全て下りリンク送信に用いられている例であり、図2(b)は、最初の時間リソースで例えばPCCHを介して上りリンクのスケジューリングを行い、PCCHの処理遅延及び下りから上りの切り替え時間、送信信号の生成のためのギャップを介して上りリンク信号を送信する。図2(c)は、最初の時間リソースで下りリンクのPCCHおよび/または下りリンクのPSCHの送信に用いられ、処理遅延及び下りから上りの切り替え時間、送信信号の生成のためのギャップを介してPSCHまたはPCCHの送信に用いられる。ここで、一例としては、上りリンク信号はHARQ−ACKおよび/またはCSI、すなわちUCIの送信に用いられてよい。図2(d)は、最初の時間リソースで下りリンクのPCCHおよび/または下りリンクのPSCHの送信に用いられ、処理遅延及び下りから上りの切り替え時間、送信信号の生成のためのギャップを介して上りリンクのPSCHおよび/またはPCCHの送信に用いられる。ここで、一例としては、上りリンク信号は上りリンクデータ、すなわちUL−SCHの送信に用いられてもよい。図2(e)は、全て上りリンク送信(上りリンクのPSCHまたはPCCH)に用いられている例である。
上述の下りリンクパート、上りリンクパートは、LTEと同様複数のOFDMシンボルで構成されてよい。
ここで、リソースグリッドが、複数のサブキャリアと複数のOFDMシンボルまたはSC−FDMAシンボルによって定義されてもよい。また、1つのスロットを構成するサブキャリアの数は、セルの帯域幅に依存してもよい。1つの下りリンクパート、上りリンクパートを構成するOFDMシンボルの数は1または2以上であってもよい。ここで、リソースグリッド内のエレメントのそれぞれはリソースエレメントと称される。また、リソースエレメントは、サブキャリアの番号とOFDMシンボルまたはSC−FDMAシンボル番号を用いて識別されてもよい。
本実施形態のランダムアクセス手順(Random Access procedure)について説明する。
ランダムアクセス手順は、競合ベース(contention based)と非競合ベース(non−Contention based)の2つの手順に分類される。
競合ベースのランダムアクセス手順は、基地局装置3と接続(通信)していない状態からの初期アクセス時、および/または、基地局装置3と接続中であるが端末装置1に送信可能な上りリンクデータあるいは送信可能なサイドリンクデータが発生した場合のスケジューリングリクエスト時などに行なわれる。
端末装置1に送信可能な上りリンクデータが発生していることは、送信可能な上りリンクデータに対応するバッファステータスレポートがトリガーされていることを含んでもよい。端末装置1に送信可能な上りリンクデータが発生していることは、送信可能な上りリンクデータの発生に基づいてトリガーされたスケジューリングリクエストがペンディングされていることを含んでもよい。
端末装置1に送信可能なサイドリンクデータが発生していることは、送信可能なサイドリンクデータに対応するバッファステータスレポートがトリガーされていることを含んでもよい。端末装置1に送信可能なサイドリンクデータが発生していることは、送信可能なサイドリンクデータの発生に基づいてトリガーされたスケジューリングリクエストがペンディングされていることを含んでもよい。
非競合ベースのランダムアクセス手順は、基地局装置3から指示された端末装置1が用いる手順であり、基地局装置3と端末装置1とが接続中であるがハンドオーバーや移動局装置の送信タイミングが有効でない場合に、迅速に端末装置1と基地局装置3との間の上りリンク同期をとるために用いられる。
本実施形態における競合ベースのランダムアクセス手順について説明する。
本実施形態の端末装置1は、ランダムアクセス手順を開始する(initiate)前に上位層を介してランダムアクセス設定情報を受信する。該ランダムアクセス設定情報には下記の情報が含まれてよい。
・ランダムアクセスプリアンブルを送信するために利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディング(ビーム)(例えば、利用可能な上りリンクプリコーディングのセット)
・利用可能なPRACHリソース(例えば、利用可能なPRACHリソースのセット)
・利用可能な1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブル(例えば、利用可能なランダムアクセスプリアンブルのセット)
・各上りリンクプリコーディングにおけるプリアンブルの最大送信回数
・ランダムアクセス手順を行なうサービングセルにおける端末装置1の送信電力
・ランダムアクセス応答のウィンドウサイズおよび衝突解消(コンテンションレゾリューション:Contention Resolution)タイマー(mac-ContentionResolutionTimer)
・パワーランピングステップ
・プリアンブル送信の最大送信回数
・プリアンブルの初期送信電力
・プリアンブルフォーマットに基づく電力オフセット
ただし、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングは、各プリコーディングに対応するインデックス(プリコーディングインデックスあるいは上りリンクプリコーディングインデックス)によって示されてよい。ただし、利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングは1つ1つの上りリンクプリコーディングのインデックスがビットマップなどで示されてもよいし、使用可能なプリコーディングインデックスの範囲が示されてもよい。ただし、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために利用可能な上りリンクのプリコーディングを特定するためにインデックスを用いずにその他の情報が用いられた場合でも同様の処理を行なうことができる。ランダムアクセスプリアンブルを送信するために利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディング(ビーム)を設定できることで、下りリンクのプリコーディングと上りリンクのプリコーディングを一対一対応するだけではなく、1対複数で対応させることが可能となる。それによって、下りと上りのビームの方向のマッチングが柔軟になる。
ただし、端末装置1は、1つまたは複数のランダムアクセス設定情報を受信し、該1つまたは複数のランダムアクセス設定情報から1つを選択してランダムアクセス手順を行なってもよい。図3は、本実施形態に係る端末装置1の動作の一例を示すフロー図である。端末装置1は、複数のランダムアクセス設定情報を受信し(S301)、受信した複数のランダムアクセス設定情報の中から、ランダムアクセス手順において用いられるランダムアクセス設定に使用するランダムアクセス設定情報を選択する(S302)。端末装置1は、選択したランダムアクセス設定情報に基づいてランダムアクセスプリアンブルを送信する(S303)。図4は、本実施形態に係る基地局装置3の動作の一例を示すフロー図である。基地局装置3は、複数のランダムアクセス設定情報を送信し(S401)、送信した複数のランダムアクセス設定情報のそれぞれに基づいて送信されるランダムアクセスプリアンブルをモニタする(S402)。
ただし、端末装置1は、選択したランダムアクセス設定情報にランダムアクセスプリアンブルを送信するために利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディング(ランダムアクセスプリアンブルを送信するために利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングのインデックスであってもよい)を示す情報が示されていた場合に、該1つまたは複数の上りリンクプリコーディングをランダムアクセス手順において利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングとしてもよい。ただし、利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングを示す複数の情報が1つのランダムアクセス設定情報に含まれており、該利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングを示す複数の情報から1つの情報を選択して、ランダムアクセス手順において利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングとしてもよい。
ただし、端末装置1は、複数のランダムアクセス設定情報を異なるセルで受信してもよい。例えば、端末装置1は基地局装置3が構成する第1のセルで受信したランダムアクセス設定情報と、同一または異なる基地局装置3が構成する第2のセルで受信したランダムアクセス設定情報と、から1つのランダムアクセス設定情報を選択してランダムアクセス手順を行なってもよい。
ただし、1または複数のランダムアクセス設定情報を端末装置1がランダムアクセスプリアンブルを送信する基地局装置3とは異なる基地局装置3から受信してもよい。例えば、端末装置1は第1のセルを形成する第1の基地局装置3から受信したランダムアクセス設定情報の少なくとも1つに基づいて第2のセルを形成する第2の基地局装置3へランダムアクセスプリアンブルを送信してもよい。
ただし、端末装置1は、ランダムアクセスプリアンブルを送信する上りリンクキャリアに対応する下りリンクキャリアとは異なる下りリンクキャリアで1または複数のランダムアクセス設定情報を受信してもよい。ただし、端末装置1は、ランダムアクセスプリアンブルを送信するサービングセルと異なるサービングセルでランダムアクセス設定情報を受信してもよい。これにより、例えば、ランダムアクセスプリアンブルを送信する上りリンクキャリアに対応する下りリンクキャリアおよび上りリンクキャリアにビームスウィーピングが適用されている場合であっても、端末装置1は、予めそれぞれのビーム方向に適用されるランダムアクセス設定情報を取得し、端末装置1が最適なビームに対応する1つのランダムアクセス設定情報を選択できる。そのため、1つの例として、端末装置1は、ランダムアクセスプリアンブルを送信する上りリンクキャリアに対応する下りリンクキャリアでの測定に基づいて、1または複数のランダムアクセス設定情報から一つのランダムアクセス設定情報を選択してもよい。
ただし、利用可能な1または複数のPRACHリソースは、利用可能な上りリンクプリコーディング毎に独立な設定であってもよい。ただし、利用可能な1または複数のランダムアクセスプリアンブルは、利用可能な上りリンクプリコーディング毎に独立な設定であってもよい。例えば、上りリンクプリコーディング毎にランダムアクセスプリアンブルグループが設定され、該ランダムアクセスプリアンブルグループ毎に、使用可能なランダムアクセスプリアンブルのインデックスが設定されてもよい。ただし、各上りリンクプリコーディングにおけるプリアンブルの最大送信回数は、全ての利用可能な上りリンクプリコーディングに対して共通な値が設定されてもよい。
図5は、端末装置1が基地局装置3へランダムアクセスプリアンブルを送信するために利用可能な上りリンクプリコーディングの一例を示す概念図である。端末装置1は、プリコーディングインデックスがIp1である上りリンクプリコーディングが用いられたビームp1、プリコーディングインデックスがIp2である上りリンクプリコーディングが用いられたビームp2、プリコーディングインデックスがIp3である上りリンクプリコーディングが用いられたビームp3、および、プリコーディングインデックスがIp4である上りリンクプリコーディングが用いられたビームp4のいずれかを用いてランダムアクセスプリアンブルを送信する。
ただし、端末装置1は、前記ランダムアクセス設定情報により利用可能な上りリンクプリコーディングが設定されている場合に、設定された上りリンクプリコーディングのいずれか1つを用いてランダムアクセスプリアンブルを送信する。例えば、受信したランダムアクセス設定情報に示される利用可能な上りリンクプリコーディングのインデックスがIp1とIp2であった場合に、端末装置1はIp1とIp2のインデックスにいずれかに対応する上りリンクプリコーディングを用いてランダムアクセスプリアンブルを送信する。
ただし、端末装置1は、基地局装置3から設定の独立な複数のランダムアクセス設定情報を受信してもよい。例えば、端末装置1は、前記ランダムアクセス設定情報を受信する下りリンク信号に適用される下りリンクプリコーディングごとに独立なランダムアクセス設定情報を受信してもよい。
図6は、端末装置1が、基地局装置3により複数の異なる下りリンクプリコーディングの何れかが適用されたビームを用いた下りリンク信号を受信する場合を示す図である。基地局装置3は、プリコーディングインデックスがIb1である下りリンクプリコーディングが用いられたビームb1、プリコーディングインデックスがIb2である下りリンクプリコーディングが用いられたビームb2、および/またはプリコーディングインデックスがIb3である下りリンクプリコーディングが用いられたビームb3を用いて下りリンク信号を端末装置3へ送信する。ただし、ビームb1、b2および/またはb3を用いた複数の下りリンク信号が重複した時間で送信されてもよいし、異なる時間で送信されてもよい。
図7は、ランダムアクセス設定情報を受信した下りリンク信号に用いられたビームと該ランダムアクセス設定情報に示される利用可能な上りリンクプリコーディングインデックスの関係の一例を示す図である。ビームb1で受信したランダムアクセス設定情報には、ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な上りリンクプリコーディングのインデックスがIp1およびIp2であることが示されている。ビームb2で受信したランダムアクセス設定情報には、ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な上りリンクプリコーディングのインデックスがIp2およびIp3であることが示されている。ビームb3で受信したランダムアクセス設定情報には、ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な上りリンクプリコーディングのインデックスがIp3およびIp4であることが示されている。端末装置1は、受信したランダムアクセス設定情報に示されている利用可能な上りリンクプリコーディングのいずれかを用いてランダムアクセスプリアンブルを送信する。
ただし、端末装置1は、複数のランダムアクセス設定情報を受信した場合に、該複数のランダムアクセス設定情報に基づいてランダムアクセスプリアンブルを送信してもよい。例えば、端末装置1は図6におけるビームb1とビームb2によりランダムアクセス設定情報を受信し、それぞれ図7の例に示すように利用可能な上りリンクプリコーディングインデックスが示されている場合に、端末装置1は利用可能な上りリンクプリコーディングインデックスをIp1、Ip2、および、Ip3としてもよい。
ランダムアクセス設定情報に含まれる利用可能な1つまたは複数のPRACHリソースとして、PRACHリソースのそれぞれでランダムアクセスプリアンブルを送信可能なサブフレーム番号、システムフレーム番号、シンボル番号、利用可能な上りリンクプリコーディング、および/または、プリアンブルのフォーマットが設定されてもよい。
図8は、ランダムアクセス設定情報において、利用可能なPRACHリソースのセットとして送信可能なサブフレーム番号が示される場合のテーブルの一例である。図8では、PRACH設定インデックスとして0、1、2、3が設定可能であり、それぞれサブフレーム番号i1、i2、i3、i4が利用可能であることが示されている。ただし、各PRACH設定インデックスにおいて利用可能なサブフレーム番号はシステムフレーム内のサブフレーム番号の1つまたは複数であってよい。ただし、PRACH設定インデックスのそれぞれに対して、利用可能なシステムフレーム番号が示されてもよい。ただし、利用可能なシステムフレーム番号は、奇数であるか偶数であるかが示されてよい。ただし、PRACH設定インデックスのそれぞれに対して、利用可能なプリアンブルのフォーマットが示されてもよい。ただし、PRACH設定インデックスのそれぞれに対して、利用可能なシンボル番号が示されてもよい。
図9は、本実施形態に係るランダムアクセス設定情報で示されるPRACHリソースのセットの一例として、ランダムアクセスプリアンブルの送信に用いられる上りリンクプリコーディングのインデックスとPRACH設定インデックスの関係を示している。端末装置1は、利用可能な上りリンクプリコーディングのインデックス毎に個別にPRACH設定インデックスが設定されたランダムアクセス設定情報を受信する。図9では、上りリンクプリコーディングのインデックス毎に独立なPRACH設定インデックスが設定されており、図8に基づいて、上りリンクプリコーディングのインデックス毎に独立に設定されたサブフレームを用いてランダムアクセスプリアンブルが送信されてよい。
ただし、図9ではランダムアクセスプリアンブルの送信に用いられる上りリンクプリコーディング毎に独立なPRACH設定が設定される場合を示したが、異なる手段により上りリンクプリコーディング毎に独立なPRACHリソースのセットが設定されてもよい。例えば、1つのPRACH設定に対して複数の上りリンクプリコーディングに対応する設定が個別に定義されてもよい。例えば、ランダムアクセス設定情報に対して1つのPRACH設定が示された場合に、端末装置1がランダムアクセスプリアンブルの送信に用いる上りリンクプリコーディングによって該ランダムアクセスプリアンブルを送信するサブフレームが異なってもよい。図10は、PRACH設定インデックス、ランダムアクセスプリアンブルの送信に用いられる上りリンクプリコーディングのインデックスおよび利用可能なサブフレーム番号のインデックスの関係の一例を示す図である。図10では、PRACH設定インデックスが0である場合に、インデックスがIp1である上りリンクプリコーディングを用いたランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能なサブフレーム番号はi1であり、インデックスがIp2である上りリンクプリコーディングを用いたランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能なサブフレーム番号はi2であることを示している。また、PRACH設定インデックスが1である場合に、インデックスがIp1である上りリンクプリコーディングを用いたランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能なサブフレーム番号はi3であり、インデックスがIp2である上りリンクプリコーディングを用いたランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能なサブフレーム番号はi4であることを示している。
図11に示すように、競合ベースのランダムアクセス手順は端末装置1と基地局装置3との間の4種類のメッセージの送受信により実現される。
<メッセージ1(S800)>
送信可能な上りリンクデータあるいは送信可能なサイドリンクデータが発生した端末装置1は、基地局装置3に対して、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH; Physical Random Access Channel)でランダムアクセスのためのプリアンブル(ランダムアクセスプリアンブルと称する)を送信する。この送信されるランダムアクセスプリアンブルをメッセージ1またはMsg1と称する。ランダムアクセスプリアンブルは、複数のシーケンスによって基地局装置3へ情報を通知するように構成される。例えば、64種類のシーケンスが用意されている場合、6ビットの情報を基地局装置3へ示すことができる。この情報は、ランダムアクセスプリアンブル識別子(Random Access preamble Identifier)として示される。プリアンブルシーケンスは、プリアンブルインデックスを用いるプリアンブルシーケンスセットの中から選択される。指定されたPRACHのリソースにおいて送信電力PPRACHで、選択された1つのランダムアクセスプリアンブルが送信される。
<メッセージ2(S801)>
ランダムアクセスプリアンブルを受信した基地局装置3は、端末装置1に送信を指示するための上りリンクグラントを含むランダムアクセス応答を生成し、生成したランダムアクセス応答を下りリンクのPSCHで端末装置1へ送信する。ランダムアクセス応答を、メッセージ2またはMsg2と称する。また、基地局装置3は、受信したランダムアクセスプリアンブルから端末装置1と基地局装置3との間の送信タイミングのずれを算出し、該ずれを調整するための送信タイミング調整情報(Timing Advance Command)をメッセージ2に含める。また、基地局装置3は、受信したランダムアクセスプリアンブルに対応したランダムアクセスプリアンブル識別子をメッセージ2に含める。また、基地局装置3は、ランダムアクセスプリアンブルを送信した端末装置1宛てのランダムアクセス応答を示すためのRA−RNTI(ランダムアクセス応答識別情報:Random Access-Radio Network Temporary Identity)を、下りリンクのPCCHで送信する。RA−RNTIは、ランダムアクセスプリアンブルを送信した物理ランダムアクセスチャネルの位置情報および/またはランダムアクセスプリアンブルの送信に使用されたプリコーディングのインデックスに応じて決定される。ここで、メッセージ2(下りリンクのPSCH)には、ランダムアクセスプリアンブルの送信に使用されたプリコーディングのインデックスが含まれてもよい。また、下りリンクのPCCHおよび/またはメッセージ2(下りリンクのPSCH)を用いてメッセージ3の送信に使用されるプリコーディングを決定するための情報が送信されてもよい。ここで、メッセージ3の送信に使用されるプリコーディングを決定するための情報には、ランダムアクセスプリアンブルの送信に使用されたプリコーディングのインデックスからの差分(調整、補正)を示す情報が含まれてもよい。
<メッセージ3(S802)>
ランダムアクセスプリアンブルを送信した端末装置1は、該ランダムアクセスプリアンブル送信後の複数のサブフレーム期間(RA応答ウィンドウと称される)内で、RA−RNTIによって識別されるランダムアクセス応答に対する下りリンクのPCCHのモニタリングを行う。ランダムアクセスプリアンブルを送信した端末装置1は、該当するRA−RNTIを検出した場合に、下りリンクのPSCHに配置されたランダムアクセス応答の復号を行う。ランダムアクセス応答の復号に成功した端末装置1は、該ランダムアクセス応答に、送信したランダムアクセスプリアンブルに対応したランダムアクセスプリアンブル識別子が含まれるか否か確認する。ランダムアクセスプリアンブル識別子が含まれる場合、ランダムアクセス応答に示される送信タイミング調整情報を用いて同期のずれを補正する。また、端末装置1は受信したランダムアクセス応答に含まれる上りリンクグラントを用いて、バッファに保管されているデータを基地局装置3へ送信する。この時上りリンクグラントを用いて送信されるデータをメッセージ3またはMsg3と称する。
また、端末装置1は、復号に成功したランダムアクセス応答が一連のランダムアクセス手順において初めて受信に成功したものであった場合に、送信するメッセージ3に端末装置1を識別するための情報(C−RNTI)を含めて基地局装置3へ送信する。
<メッセージ4(S803)>
基地局装置3は、ランダムアクセス応答で端末装置1のメッセージ3に対して割り当てたリソースで上りリンク送信を受信すると、受信したメッセージ3に含まれるC−RNTI MAC CEを検出する。そして、該端末装置1と接続を確立する場合、基地局装置3は検出したC−RNTI宛てにPCCHを送信する。基地局装置3は、検出したC−RNTI宛てにPCCHを送信する場合、該PCCHに上りリンクグラントを含める。基地局装置3が送信するこれらのPCCHはメッセージ4、Msg4あるいはコンテンションレゾリューションメッセージと称される。
メッセージ3を送信した端末装置1は、基地局装置3からのメッセージ4をモニタリングする期間を定めたコンテンションレゾリューションタイマーを開始し、タイマー内で基地局から送信される下りリンクのPCCHの受信を試みる。メッセージ3でC−RNTI
MAC CEを送信した端末装置1は、送信したC−RNTI宛てのPCCHを基地局装置3から受信し、かつ該PCCHに新規送信のための上りリンクグラントが含まれていた場合、他の端末装置1とのコンテンションレゾリューションに成功したものとみなし、コンテンションレゾリューションタイマーを停止し、ランダムアクセス手順を終了する。タイマー期間内で、自装置がメッセージ3で送信したC−RNTI宛てのPCCHの受信が確認できなかった場合は、コンテンションレゾリューションが成功しなかったとみなし、端末装置1は再度ランダムアクセスプリアンブルの送信を行い、ランダムアクセス手順を続行する。ただし、ランダムアクセスプリアンブルの送信を所定の回数繰り返し、コンテンションレゾリューションに成功しなかった場合には、ランダムアクセスに問題があると判定し、上位層にランダムアクセスプロブレムを指示する。例えば、上位層は、ランダムアクセスプロブレムに基づいてMACエンティティをリセットしてもよい。上位層によってMACエンティティのリセットを要求された場合、端末装置1は、ランダムアクセス手順をストップする。
以上の4つのメッセージの送受信により、端末装置1は基地局装置3との同期をとり、基地局装置3に対する上りリンクデータ送信を行なうことができる。
図12は、本実施形態に係る端末装置1のランダムアクセスプリアンブルの送信処理の一例を示すフロー図である。端末装置1は、1つのランダムアクセス手順の中でプリアンブル送信全体の送信回数をカウントする第1のカウンタ、1つの上りリンクプリコーディング当たりのプリアンブル送信回数をカウントする第2のカウンタ、および、上りリンクプリコーディングの変更ごとにインクリメントされる第3のカウンタのうち少なくとも1つのカウンタを用いて一連の送信処理を行なってよい。
端末装置1は、ランダムアクセス手順を開始するにあたり初期設定を行なう(S901)。端末装置1は送信処理に使用するカウンタ(第1のカウンタ、第2のカウンタおよび/または第3のカウンタ)を1にセットする。また、端末装置1は、上位層により通知されたランダムアクセス設定情報に基づいて、利用可能な1または複数の上りリンクプリコーディング、利用可能な1または複数のPRACHリソースのセット、ランダムアクセスプリアンブルのグループおよび各グループで利用可能な1また複数のランダムアクセスプリアンブル、1つのランダムアクセス手順の中でのプリアンブルの最大送信回数、各上りリンクプリコーディングにおけるプリアンブルの最大送信回数、ランダムアクセス手順を行なうサービングセルにおける端末装置1の送信電力、ランダムアクセス応答のウィンドウサイズ、コンテンションレゾリューションタイマー、パワーランピングステップ、プリアンブル送信の最大送信回数、プリアンブルの初期送信電力、および/または、プリアンブルフォーマットに基づく電力オフセットを設定してもよい。
端末装置1は、ランダムアクセスプリアンブルのリソース選択を行なう(S902)。端末装置1は、ランダムアクセスプリアンブル送信のために利用可能な1または複数の上りリンクプリコーディングから後述するプリコーディングの選択ルールに基づいて1つの上りリンクプリコーディングを選択してもよい。ただし、端末装置1は、所定の条件を満たす場合に上りリンクプリコーディングを選択してもよい。例えば、端末装置1は、第1のカウンタが所定の回数に達した場合に上りリンクプリコーディングの選択処理を行なってもよい。例えば、端末装置1は、第2のカウンタが1である場合に上りリンクプリコーディングの選択処理を行なってもよい。また、端末装置1は、利用可能なPRACHリソースのセットからランダムアクセスプリアンブルの送信に用いるPRACHリソースを選択する。ただし、該PRACHリソースは、選択された上りリンクプリコーディングに基づいて設定されてもよい。また、端末装置1は、使用するランダムアクセスプリアンブルのグループを選択する。ただし、端末装置1は、選択した上りリンクプリコーディングに基づいて利用可能なランダムアクセスプリアンブルのグループを設定してもよい。端末装置1は、選択したPRACHリソースの情報に基づいてランダムアクセスプリアンブルを送信するサブフレームを決定する。ただし、端末装置1は、選択した上りリンクプリコーディングと選択したPRACHリソースからランダムアクセスプリアンブルを送信するサブフレームを決定してもよい。端末装置1は、選択したランダムアクセスプリアンブルのグループの中から1つのランダムアクセスプリアンブルをランダムに選択する。
端末装置1は、ランダムアクセスプリアンブルの送信処理を行なう(S903)。端末装置1は、ステップS901において設定されたプリアンブルの初期送信電力、プリアンブルフォーマットに基づく電力オフセット、パワーランピングステップに基づいてランダムアクセスプリアンブルの送信電力をセットしてもよい。また、端末装置1は、第1のカウンタ、第2のカウンタ、および/または、第3のカウンタに基づいてランダムアクセスプリアンブルの目標受信電力PTARGETをセットしてもよい。例えば、目標受信電力PTARGETは「PTARGET=プリアンブルの初期送信電力+(第1のカウンタ−1)*パワーランピングステップ+プリアンブルフォーマットに基づく電力オフセット」でセットされてもよい。例えば、目標受信電力PTARGETは「PTARGET=プリアンブルの初期送信電力+(第2のカウンタ−1)*パワーランピングステップ+プリアンブルフォーマットに基づく電力オフセット」でセットされてもよい。端末装置1は、選択されたPRACHリソース、サブフレーム、目標受信電力を用いて、ランダムアクセスプリアンブルを送信する。
一旦ランダムアクセスプリアンブルが送信されると、端末装置1は、ランダムアクセス応答の受信処理を行う。端末装置1は、ランダムアクセス応答のウィンドウ内でRA−RNTIにより識別される下りリンクのPCCHをモニタする。端末装置1は、送信したランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセスプリアンブル識別子を含むランダムアクセス応答の受信に成功した場合(S904−YES)、ランダムアクセス応答のモニタリングをストップし、ランダムアクセスプリアンブルの送信およびランダムアクセス応答の受信処理を終了してもよい。
端末装置1は、ランダムアクセス応答のウィンドウ内でランダムアクセス応答を受信しなかった場合、あるいは受信したランダムアクセス応答の全てに、送信したランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセスプリアンブル識別子が含まれていない場合(S904−NO)、ランダムアクセス応答の受信が成功しなかったものとして下記の処理を行なう。
端末装置1は、プリアンブルの送信回数が設定された最大数に達した場合には(S905−YES)、ランダムアクセス手順は成功できなかったものとしてランダムアクセスプリアンブルの送信及びランダムアクセス応答の受信処理を終了する。例えば、端末装置1は、第1のカウンタを1増加させ、第1のカウンタが上位層からの情報であるプリアンブル送信の最大送信回数より大きくなった場合に、プリアンブルの送信回数が設定された最大数に達したものとみなす。
端末装置1は、プリアンブルの送信回数が設定された最大数に達していない場合には(S905−NO)、ステップS902に戻る。ただし、端末装置1は、S905−NOの処理において第2のカウンタを1増加させてもよい。ただし、端末装置1は、第2のカウンタが上りリンクプリコーディングあたりの最大送信回数より大きくなった場合にのみ、第2のカウンタをリセットし、つづくステップS902でランダムアクセスプリアンブルの送信に用いる上りリンクプリコーディングの変更を行なうように処理してもよい。ただし、端末装置3は、S905−NOの処理において第3のカウンタを1増加させてもよい。ただし、端末装置1は、第3のカウンタが利用可能なプリコーディングの数より大きくなった場合にのみ、第3のカウンタをリセットして第2のカウンタを1増加させてもよい。
ただし、図12の処理においてランダムアクスプリアンブルを送信したPRACHに割り当てられるRA−RNTIは、下記の式のように算出されてよい。
RA−RNTI=1+t_id+10*f_id+64*b_id
ただし、t_idは当該PRACHの最初のサブフレームのインデックスであり、f_idは該サブフレームにおける当該PRACHの周波数方向のインデックスであり、b_idは選択した上りリンクプリコーディングのインデックスである。つまり、RA−RNTIは、ランダムアクセスプリアンブルの送信に用いる上りリンクプリコーディングに基づいて定められてよい。
本実施形態に係る端末装置1が、複数のランダムアクセス設定情報を受信し、該複数のランダムアクセス設定情報からランダムアクセス手順に使用する1つのランダムアクセス設定情報の選択する場合の選択ルールについて説明する。
端末装置1は、基地局装置3との間の伝搬路特性に基づいてランダムアクセス手順に使用するランダムアクセス設定情報を選択してもよい。端末装置1は、基地局装置3から受信した下りリンク参照信号により測定した伝搬路特性に基づいてランダムアクセス手順に使用するランダムアクセス設定情報を選択してもよい。
端末装置1は、受信した複数のランダムアクセス設定情報から1つのランダムアクセス設定情報をランダムに選択してもよい。
端末装置1は、基地局装置3から受信した下りリンク信号に基づいて、受信した複数のランダムアクセス設定情報から1つのランダムアクセス設定情報を選択してもよい。ただし、該下りリンク信号は、ランダムアクセスプリアンブルの送信先である基地局装置3から受信したものであってもよいし、異なる基地局装置3から受信したものであってもよい。例えば、第1のセルを形成する第1の基地局装置3からの下りリンク信号に基づいて選択したランダムアクセス設定情報を第2のセルを形成する第2の基地局装置3とのランダムアクセス手順に用いてもよい。
ただし、以上の選択ルールは、ランダムアクセス設定情報を複数受信した場合において1つのランダムアクセス設定情報を受信した場合の選択に適用されるものとして説明したが、ランダムアクセス設定情報の一部の情報にのみに適用されてもよい。例えば、本実施形態に係る端末装置1が、1または複数のランダムアクセス設定情報によりランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングを示す複数の情報を受信した場合に該複数の情報からから1つの情報を選択して利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングを特定する際に同様のルールが用いられてもよい。
図13は、本実施形態に係る端末装置1の上りリンクプリコーディングの設定に関する処理を示すフロー図である。
図13のステップS1001において、端末装置1は、ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数のプリコーディングを特定する情報を受信する。ただし、ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数のプリコーディングを特定する情報は、ランダムアクセス設定情報に含まれる情報であってよい。ただし、ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数のプリコーディングを特定する情報は、利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングのインデックスを示す情報であってもよい。ただし、端末装置1は、ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数のプリコーディングを特定する情報に加えて、該利用可能な1つまたは複数のプリコーディングの各々に対応するPRACHリソースに関する情報を受信してもよい。ただし、PRACHリソースに関する情報は対応するプリコーディングを用いてランダムアクセスプリアンブルを送信する際に利用可能な時間リソースおよび/または周波数リソースの情報であってもよい。ただし、該利用可能な時間リソースの情報は利用可能なシンボル番号、サブフレーム番号、および/または無線フレーム番号を示す情報であってもよい。ただし、該利用可能な周波数リソースの情報は、利用可能なサブキャリアおよび/またはリソースブロックを示す情報であってもよい。
図13のステップS1002において、端末装置1は利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングから1つの上りリンクプリコーディングを選択する。本実施形態に係るランダムアクスプリアンブルの送信に適用する上りリンクプリコーディングの選択ルールについて説明する。
本実施形態に係る端末装置1は、利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングから1つの上りリンクプリコーディングをランダムに選択してもよい。例えば、端末装置1は、受信したランダムアクセス設定情報によりIp1、Ip2およびIp3が利用可能な上りリンクプリコーディングのインデックスであった場合にIp1、Ip2およびIp3の中から1つをランダムに選択し、該インデックスに対応する上りリンクプリコーディングをランダムアクセスプリアンブルの送信に用いてもよい。この場合に使用した上りリンクプリコーディングでランダムアクセス応答を受信できずに上りリンクプリコーディングを変更する場合には、Ip1、Ip2およびIp3のうち使用していないインデックスの中からランダムに選択してもよいし、Ip1、Ip2およびIp3の中からランダムに選択してもよい。ただし、利用可能な1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルに対して利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングのいずれか1つが関連付けられてもよい。この場合、1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルの中から1つのランダムアクセスプリアンブルを選択することにより、選択されたランダムアクセスプリアンブルに関連付けられた上りリンクプリコーディングが選択される。すなわち、1つのランダムアクセスプリアンブルには1つのプリアンブル系列と利用可能な上りリンクプリコーディングのうち1つの上りリンクプリコーディングが関連付けられる。ただし、プリアンブル系列は1つのルート系列と1つのサイクリックシフトにより特定される系列であってよい。例えば、インデックスが0と1の上りリンクプリコーディングが利用可能であり、1つの上りリンクプリコーディングのインデックスあたり64個のプリアンブル系列が利用可能である場合に、プリアンブルのインデックスが0〜63をインデックスが0の上りリンクプリコーディングを用いるランダムアクセスプリアンブルとし、プリアンブルのインデックスが64〜127をインデックスが1の上りリンクプリコーディングを用いるランダムアクセスプリアンブルとし、端末装置1は、プリアンブルのインデックスが0〜127のランダムアクセスプリアンブルの中から1つをランダムに選択して使用してもよい。
本実施形態に係る端末装置1は、利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングから1つの上りリンクプリコーディングを予め定められた規則に基づいて選択してもよい。例えば、端末装置1は、受信したランダムアクセス設定情報によりインデックスがIp1、Ip2およびIp3である上りリンクプリコーディングが利用可能であった場合に、インデックスの値が最も小さいものを選択し、選択した上りリンクプリコーディングをランダムアクセスプリアンブルの送信に用いてもよい。この場合に送信したランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス応答を受信できずに上りリンクプリコーディングを変更する場合には、Ip1、Ip2およびIp3のうち使用していないインデックスの中からインデックスの値が最も小さいものを選択してもよい。ただし、選択される上りリンクプリコーディングのインデックスは第3のカウンタに関連付けられてもよい。例えば、第3のカウンタの値毎に選択される上りリンクプリコーディングが定められてもよい。
本実施形態に係る端末装置1は、受信したランダムアクセス設定情報によりインデックスがIp1、Ip2およびIp3である上りリンクプリコーディングが利用可能であった場合に、各上りリンクプリコーディングに割り当てられたPRACHリソースのうち最も早いサブフレームでランダムアクセスプリアンブルを送信できる上りリンクプリコーディングを用いてもよい。この場合に送信したランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス応答を受信できずに上りリンクプリコーディングを変更する場合には、Ip1、Ip2およびIp3のうち使用していない上りリンクプリコーディングのインデックスの中からランダムアクセスプリアンブルを送信できるインデックスを選択してもよい。
本実施形態に係る端末装置1は、受信したランダムアクセス設定情報によりインデックスがIp1(i)、Ip2(i)およびIp3(i)である上りリンクプリコーディングがPRACHリソースiで利用可能であった場合に、複数のPRACHリソースiのうち最も早いサブフレームでランダムアクセスプリアンブルを送信できるPRACHリソースiの上りリンクプリコーディングの中からランダムに選択した上りリンクプリコーディングを用いてランダムアクセスプリアンブルを送信してもよい。送信したランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス応答を受信できない場合は、再度、複数のPRACHリソースiのうち最も早くサブフレームでランダムアクセスプリアンブルを送信できるPRACHリソースiの上りリンクプリコーディングの中からランダムに選択した上りリンクプリコーディングを用いてもよい。
本実施形態に係る端末装置1は、ランダムアクセスプリアンブルの送信に用いる上りリンクプリコーディングを基地局装置3からの下りリンク信号の受信に使用する下りリンクプリコーディングに基づいて選択してもよい。例えば、端末装置1は、受信したランダムアクセス設定情報によりインデックスがIp1、Ip2およびIp3である上りリンクプリコーディングが利用可能であった場合に、前記下りリンク信号の受信に使用した下りリンクプリコーディング(または、前記下りリンクの信号の測定によって最も良いと判断された下りリンクプリコーディング)と関連付けられている(例えば、下りリンク信号から推測して最も良い伝送特性が得られる)上りリンクプリコーディングを選択し、ランダムアクセスプリアンブルの送信に用いてもよい。この場合に送信したランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス応答を受信できずに上りリンクプリコーディングを変更する場合には、Ip1、Ip2およびIp3のうち使用していない上りリンクプリコーディングのインデックスの中から前記伝送特性が最もよくなると推測されるものを選択してもよい。
図13のステップS1003において、端末装置1はステップS1002で選択した上りリンクプリコーディングを用いてランダムアクセスプリアンブルを送信する。
図14は、本実施形態に係る基地局装置3のランダムアクセスプリアンブルの受信に関する処理を示すフロー図である。
図14のステップS1101において、基地局装置3は、端末装置1がランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングを特定するための情報を送信する。該端末装置1がランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数のプリコーディングを特定するための情報は、基地局装置3が端末装置1に送信するランダムアクセス設定情報の一部として送信されてよい。ただし、基地局装置3は、端末装置1がランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングを特定するための情報に加えて、該利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングの各々に対応するPRACHリソースに関する情報を送信してもよい。ただし、該PRACHリソースに関する情報には、対応する上りリンクプリコーディングを用いてランダムアクセスプリアンブルを送信する際に利用可能な時間リソースおよび/または周波数リソースの情報が含まれてもよい。ただし、該利用可能な時間リソースの情報は利用可能なシンボル番号、サブフレーム番号、および/または無線フレーム番号を示す情報であってもよい。ただし、該利用可能な周波数リソースの情報は、利用可能なサブキャリアおよび/またはリソースブロックを示す情報であってもよい。
図14のステップS1102において、基地局装置3はステップS1101で送信したランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングを特定するための情報で示される1つまたは複数の上りリンクプリコーディングのうちの1つの上りリンクプリコーディングを適用したランダムアクセスプリアンブルを端末装置1から受信する。ただし、基地局装置3は、端末装置1に送信したPRACHリソースに関する情報で示される時間リソースおよび/または周波数リソースでのみランダムアクセスプリアンブルを受信してもよい。ただし、基地局装置3は、ランダムアクセスプリアンブルを受信した時間リソースおよび/または周波数リソースに基づいてランダムアクセスプリアンブルの送信に用いられた上りリンクプリコーディングを識別してもよい。
本実施形態に係る端末装置1において、端末装置1が1つの上りリンクプリコーディングを用いて送信したランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス応答を検出しなかった場合のランダムアクセスプリアンブルの再送処理の例について説明する。
図15は、本実施形態に係る端末装置1におけるランダムアクセスプリアンブルの再送処理の一例を示すフロー図である。端末装置1は、利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングから1つの上りリンクプリコーディングを選択し(S1501)、選択した1つの上りリンクプリコーディングを用いたランダムアクセスプリアンブルを基地局装置3へ送信する(S1502)。端末装置1は、送信した1つのランダムアクセスプリアンブルに対するランダムアクセス応答をモニタし、該ランダムアクセス応答の受信に成功した場合に(S1503−YES)ランダムアクセスプリアンブルの送信処理を終了し、該ランダムアクセス応答の受信に成功しなかった場合に(S1503−NO)、カウンタの値をインクリメントする(S1504)。端末装置1は、カウンタの値をインクリメントした際に、カウンタの値が所定の値を超えた場合に(S1505−YES)、ランダムアクセスプリアンブルの送信処理を終了し、カウンタの値が所定の値を超えていない場合に(S1505−NO)、ステップS1501に戻り、ランダムアクセスプリアンブルの再送を行なう。
ランダムアクセスプリアンブルの再送処理の一例として、端末装置1は、送信したランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス応答を設定されたランダムアクセス応答ウィンドウの期間で検出しなかった場合に、第1のカウンタをインクリメントする。インクリメントされた第1のカウンタの値が、ランダムアクセス設定情報により設定されたランダムアクセスプリアンブルの最大送信回数を超えていない場合に、ランダムアクセスプリアンブルの再送処理を行なう。ただし、端末装置1は、第1のカウンタがインクリメントされる毎に、ランダムアクセスプリアンブルの送信に用いる上りリンクプリコーディングを変更してもよい。ただし、端末装置1は、第1のカウンタが所定の回数インクリメントされる毎にランダムアクセスプリアンブルの送信に用いる目標受信電力PTARGETの値を増加させてもよい。ただし、端末装置1は、ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングを全て用いてランダムアクセスプリアンブルを送信した場合に目標受信電力PTARGETの値を増加させてもよい。ただし、目標受信電力PTARGETは「PTARGET=ランダムアクセスプリアンブルの初期送信電力+Floor((第1のカウンタ−1)/利用可能な上りリンクプリコーディングの数)*パワーランピングステップ+プリアンブルフォーマットに基づく電力オフセット」で設定されてもよい。ただし、Floor(X)はXの床関数を表している。
ランダムアクセスプリアンブルの再送処理の別の一例として、端末装置1は、送信したランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス応答を設定されたランダムアクセス応答ウィンドウの期間で検出しなかった場合に、第3のカウンタをインクリメントする。インクリメントされた第3のカウンタの値が、ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な上りリンクプリコーディングの数を超えていない場合に、ランダムアクセスプリアンブルの送信に用いる上りリンクプリコーディングを変更し、ランダムアクセスプリアンブルの再送処理を行なう。端末装置1は、インクリメントされた第3のカウンタの値がランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な上りリンクプリコーディングの数を超えた場合に、第2のカウンタをインクリメントし、第3のカウンタをリセットする。インクリメントされた第2のカウンタの値が、上りリンクプリコーディング当たりのランダムアクセスプリアンブルの最大送信回数を超えていない場合に、ランダムアクセスプリアンブルの送信に用いる上りリンクプリコーディングを変更し、ランダムアクセスプリアンブルの再送処理を行なう。ただし、端末装置1は、第2のカウンタがインクリメントされる毎にランダムアクセスプリアンブルの送信に用いる目標受信電力PTARGETの値を増加させてもよい。ただし、目標受信電力PTARGETは「PTARGET=ランダムアクセスプリアンブルの初期送信電力+(第2のカウンタ−1)*パワーランピングステップ+プリアンブルフォーマットに基づく電力オフセット」で設定されてもよい。
ランダムアクセスプリアンブルの再送処理の別の一例として、端末装置1は、送信したランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス応答を設定されたランダムアクセス応答ウィンドウの期間で検出しなかった場合に、第2のカウンタをインクリメントする。端末装置1は、インクリメントされた第2のカウンタの値が上りリンクプリコーディング当たりのランダムアクセスプリアンブルの最大送信回数を超えていない場合に、ランダムアクセスプリアンブルの送信に用いる上りリンクプリコーディングを変更せずにランダムアクセスプリアンブルの再送処理を行なう。端末装置1は、インクリメントされた第2のカウンタの値が上りリンクプリコーディング当たりのランダムアクセスプリアンブルの最大送信回数を超えた場合に、第2のカウンタをリセットし、ランダムアクセスプリアンブルの送信に用いる上りリンクプリコーディングを変更してランダムアクセスプリアンブルの再送処理を行なう。ただし、端末装置1は、第2のカウンタがインクリメントされる毎にランダムアクセスプリアンブルの送信に用いる目標受信電力PTARGETの値を増加させてもよい。ただし、目標受信電力PTARGETは「PTARGET=ランダムアクセスプリアンブルの初期送信電力+(第2のカウンタ−1)*パワーランピングステップ+プリアンブルフォーマットに基づく電力オフセット」で設定されてもよい。
ただし、本実施形態に係る端末装置1は、ランダムアクセスプリアンブルの送信の際に利用可能な1つまたは複数の上りリンクプリコーディングのうちの複数の上りリンクプリコーディングを用いて複数のランダムアクセスプリアンブルを送信してもよい。例えば、端末装置1は、第1の上りリンクプリコーディングと第2の上りリンクプリコーディングが利用可能であった場合に、第1のプリコーディングを用いた第1のランダムアクセスプリアンブルと第2のプリコーディングを用いた第2のランダムアクセスプリアンブルを送信してもよい。ただし、第1上りリンクプリコーディングに対応する時間リソースが第1の時間リソースであり、第2の上りリンクプリコーディングに対応するランダムアクセスプリアンブルの時間リソースが第2の時間リソースである場合に、端末装置1は、第1のランダムアクセスプリアンブルを第1の時間リソースで送信し、第2のランダムアクセスプリアンブルを第2の時間リソースで送信してもよい。
複数のランダムアクセスプリアンブルを送信した端末装置1は、送信した複数のランダムアクセスプリアンブルのそれぞれに対応するランダムアクセス応答をモニタする。設定されたランダムアクセス応答ウィンドウの期間で送信した複数のランダムアクセスプリアンブルのそれぞれに対応するランダムアクセス応答の何れも検出できなかった場合に、端末装置1は第2のカウンタをインクリメントする。インクリメントされた第2のカウンタの値が、上りリンクプリコーディング当たりのランダムアクセスプリアンブルの最大送信回数を超えていない場合に、ランダムアクセスプリアンブルの再送処理を行なう。ただし、端末装置1は、第2のカウンタがインクリメントされる毎にランダムアクセスプリアンブルの送信に用いる目標受信電力PTARGETの値を増加させてもよい。ただし、目標受信電力PTARGETは「PTARGET=ランダムアクセスプリアンブルの初期送信電力+(第2のカウンタ−1)*パワーランピングステップ+プリアンブルフォーマットに基づく電力オフセット」で設定されてもよい。
以下、本実施形態における装置の構成について説明する。
図16は、本実施形態の端末装置1の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、端末装置1は、無線送受信部10、および、上位層処理部14を含んで構成される。無線送受信部10は、アンテナ部11、RF(Radio Frequency)部12、および、ベースバンド部13を含んで構成される。上位層処理部14は、媒体アクセス制御層処理部15、および、無線リソース制御層処理部16を含んで構成される。無線送受信部10を送信部、受信部、または、物理層処理部とも称する。上位層処理部14を選択部、カウンタ部とも称する。
上位層処理部14は、ユーザの操作等により生成された上りリンクデータ(トランスポートブロック)を、無線送受信部10に出力する。上位層処理部14は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行なう。
上位層処理部14が備える媒体アクセス制御層処理部15は、媒体アクセス制御層の処理を行う。
上位層処理部14が備える無線リソース制御層処理部16は、無線リソース制御層の処理を行う。無線リソース制御層処理部16は、自装置の各種設定情報/パラメータの管理をする。無線リソース制御層処理部16は、基地局装置3から受信した上位層の信号に基づいて各種設定情報/パラメータをセットする。すなわち、無線リソース制御層処理部16は、基地局装置3から受信した各種設定情報/パラメータを示す情報に基づいて各種設定情報/パラメータをセットする。上位層処理部14は、基地局装置3から受信したランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な複数の上りリンクプリコーディングを特定する情報に基づいて、ランダムアクセスプリアンブルの送信に用いる上りリンクプリコーディングを選択する機能を有してもよい。上位層処理部14は、基地局装置3から受信した複数のランダムアクセス設定情報の中から、ランダムアクセス手順において用いる1つのランダムアクセス設定情報を選択する機能を有してもよい。上位層処理部14は、第1のカウンタ、第2のカウンタおよび/または第3のカウンタをインクリメントする機能を有してもよい。
無線送受信部10は、変調、復調、符号化、復号化などの物理層の処理を行う。無線送受信部10は、基地局装置3から受信した信号を、分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部14に出力する。無線送受信部10は、ランダムアクセス設定情報を受信する。無線送受信部10は、複数のランダムアクセス設定情報を受信する機能を有してもよい。無線送受信部10は、データを変調、符号化することによって送信信号を生成し、基地局装置3に送信する。無線送受信部10は、上層処理部14で選択した上りリンクプリコーディングを用いてランダムアクセスプリアンブルを基地局装置3に送信する機能を有してもよい。無線送受信部10は、上層処理部14で選択したランダムアクセス設定情報に基づいてランダムアクセスプリアンブルを基地局装置3に送信する機能を有してもよい。
RF部12は、アンテナ部11を介して受信した信号を、直交復調によりベースバンド信号に変換し(ダウンコンバート: down covert)、不要な周波数成分を除去する。RF部12は、処理をしたアナログ信号をベースバンド部に出力する。
ベースバンド部13は、RF部12から入力されたアナログ信号を、アナログ信号をデジタル信号に変換する。ベースバンド部13は、変換したデジタル信号からCP(CyclicPrefix)に相当する部分を除去し、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)を行い、周波数領域の信号を抽出する。
ベースバンド部13は、データを逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)して、SC−FDMAシンボルを生成し、生成されたSC−FDMAシンボルにCPを付加し、ベースバンドのデジタル信号を生成し、ベースバンドのデジタル信号をアナログ信号に変換する。ベースバンド部13は、変換したアナログ信号をRF部12に出力する。
RF部12は、ローパスフィルタを用いてベースバンド部13から入力されたアナログ信号から余分な周波数成分を除去し、アナログ信号を搬送波周波数にアップコンバート(up convert)し、アンテナ部11を介して送信する。また、RF部12は、電力を増幅する。また、RF部12は送信電力を制御する機能を備えてもよい。RF部12を送信電力制御部とも称する。
図17は、本実施形態の基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、基地局装置3は、無線送受信部30、および、上位層処理部34を含んで構成される。無線送受信部30は、アンテナ部31、RF部32、および、ベースバンド部33を含んで構成される。上位層処理部34は、媒体アクセス制御層処理部35、および、無線リソース制御層処理部36を含んで構成される。無線送受信部30を送信部、受信部、または、物理層処理部とも称する。
上位層処理部34は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行なう。
上位層処理部34が備える媒体アクセス制御層処理部35は、媒体アクセス制御層の処理を行う。
上位層処理部34が備える無線リソース制御層処理部36は、無線リソース制御層の処理を行う。無線リソース制御層処理部36は、物理下りリンク共用チャネルに配置される下りリンクデータ(トランスポートブロック)、システム情報、RRCメッセージ、MAC CE(Control Element)などを生成し、又は上位ノードから取得し、無線送受信部30に出力する。また、無線リソース制御層処理部36は、端末装置1各々の各種設定情報/パラメータの管理をする。無線リソース制御層処理部36は、上位層の信号を介して端末装置1各々に対して各種設定情報/パラメータをセットしてもよい。すなわち、無線リソース制御層処理部36は、各種設定情報/パラメータを示す情報を送信/報知する。すなわち、無線リソース制御層処理部36は、端末装置1各々に対してランダムアクセス設定情報を送信/報知する。
無線送受信部30の機能は、無線送受信部10と同様であるため説明を省略する。ただし、無線送受信部30は、ランダムアクセス設定情報を送信する機能を有してもよい。ただし、無線送受信部30は、ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な複数の上りリンクプリコーディングを特定するための情報を送信する機能を有してもよい。ただし、無線送受信部30は、ランダムアクセスプリアンブルを受信する機能を有してもよい。
端末装置1が備える符号10から符号16が付された部のそれぞれは、回路として構成されてもよい。基地局装置3が備える符号30から符号36が付された部のそれぞれは、回路として構成されてもよい。
以下、本発明の一態様における、端末装置1および基地局装置3の態様について説明する。
(1)本発明の第1の態様は、端末装置1であって、ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数のプリコーディング(上りリンクプリコーディングあるいはビームとも称される)を特定する情報を受信する受信部10と、前記1つまたは複数のプリコーディングから1つのプリコーディングを選択する選択部14と、前記選択した1つのプリコーディングを用いて前記ランダムアクセスプリアンブルを送信する送信部10と、を備える。
(2)本発明の第1の態様において、前記受信部10は、前記1つまたは複数のプリコーディングの各々に対応するPRACHリソースに関連する情報を受信し、前記選択部14は、前記1つまたは複数のプリコーディングの各々に対応するPRACHリソースの中から、前記選択した1つのプリコーディングに対応する1つのPRACHリソースを選択し、前記送信部10は、前記選択した1つのPRACHリソースを用いて前記ランダムアクセスプリアンブルを送信する。
(3)本発明の第1の態様において、前記受信部10は、1つのPRACHリソースに関連する情報を受信し、前記ランダムアクセスプリアンブルの送信に使用される時間リソースは、前記選択した1つのプリコーディングと前記1つのPRACHリソースに基づいて決定される。
(4)本発明の第1の態様において、前記選択部14は、前記1つのプリコーディングを、前記1つまたは複数のプリコーディングからランダムに選択する。
(5)本発明の第1の態様において、前記選択部14は、前記1つのプリコーディングを、前記1つまたは複数のプリコーディングから予め定められた規則に基づき選択する。
(6)本発明の第1の態様において、前記選択部14は、前記1つのプリコーディングを、前記基地局装置3から受信した信号の受信電力に基づいて、前記1つまたは複数のプリコーディングから選択する。
(7)本発明の第2の態様は、端末装置1であって、ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルを特定する情報を受信する受信部10と、前記利用可能な1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルから1つのランダムアクセスプリアンブルを選択する選択部14と、前記1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルのそれぞれは、1つのプリアンブル系列と1つのプリコーディング(上りリンクプリコーディングあるいはビームとも称される)に関連付けられ、前記選択したランダムアクセスプリアンブルに関連付けられた前記1つのプリアンブル系列および前記1つのプリコーディングを用いて、前記選択したランダムアクセスプリアンブルを送信する送信部10と、を備える。
(8)本発明の第2の態様において、前記1つのプリアンブル系列は、1つのルート系列と1つのサイクリックシフトにより特定される。
(9)本発明の第3の態様は、端末装置1であって、複数のグループに関する情報を受信し、前記複数のグループ(プリアンブルグループとも称される)のそれぞれに含まれる利用可能な1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルを特定する情報を受信する受信部10と、前記複数のグループのそれぞれは、利用可能な1つまたは複数のプリコーディング(上りリンクプリコーディングあるいはビームとも称される)のうちの1つのプリコーディングに関連付けられ、前記複数のグループから1つのグループを選択し、前記選択した1つのグループに含まれる利用可能な1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルのうちの1つのランダムアクセスプリアンブルを選択する選択部14と、前記選択した1つのグループに関連付けられた前記1つのプリコーディングを用いて前記選択された1つのランダムアクセスプリアンブルを送信する送信部10と、を備える。
(10)本発明の第4の態様は、基地局装置3であって、端末装置1がランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数のプリコーディング(上りリンクプリコーディング、ビームとも称される)を特定するための情報を送信する送信部30と、前記利用可能な1つまたは複数のプリコーディングのうちの1つのプリコーディングを用いて送信された前記ランダムアクセスプリアンブルを受信する受信部30と、を備える。
(11)本発明の第4の態様において、前記送信部30は、前記1つまたは複数のプリコーディングの各々に対応するPRACHリソースに関連する情報を送信し、前記受信部30は、前記1つまたは複数のプリコーディングの各々に対応するPRACHリソースのうち前記1つのプリコーディングに対応する前記PRACHリソースにおいて、前記1つのプリコーディングを用いて送信された前記ランダムアクセスプリアンブルを受信する。
(12)本発明の第4の態様において、前記送信部30は、1つのPRACHリソースに関連する情報を送信し、前記受信部30は、前記1つのプリコーディングと前記1つのPRACHリソースに基づいて決定される時間リソースで前記ランダムアクセスプリアンブルを受信する。
(13)本発明の第5の態様は、基地局装置3であって、端末装置1がランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルを特定するための情報を送信する送信部30と、前記1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルのそれぞれは、1つのプリアンブル系列と1つのプリコーディング(上りリンクプリコーディングあるいはビームとも称される)に関連付けられ、前記1つまたは複数のランダムアクスプリアンブルのうちの1つのランダムアクセスプリアンブルに関連付けられた前記1つのプリアンブル系列および前記1つのプリコーディングを用いて送信された前記1つのランダムアクセスプリアンブルを受信する受信部30と、を備える。
(14)本発明の第5の態様において、前記1つのプリアンブル系列は、1つのルート系列と1つのサイクリックシフトにより特定される。
(15)本発明の第6の態様は、基地局装置3であって、複数のグループに関する情報を送信し、端末装置1が前記複数のグループのそれぞれに含まれる利用可能な1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルを特定するための情報を送信する送信部30と、前記複数のグループのそれぞれは、利用可能な1つまたは複数のプリコーディング(上りリンクプリコーディングあるいはビームとも称される)のうちの1つのプリコーディングに関連付けられ、前記複数のグループのうちの1つのグループに関連付けられた前記1つのプリコーディングを用いて送信された、前記1つのグループに含まれる利用可能な1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルのうちの1つのランダムアクセスプリアンブルを受信する受信部30と、を備える。
(16)本発明の第7の態様は、端末装置1であって、利用可能な複数のプリコーディング(上りリンクプリコーディングあるいはビームとも称される)から第1のプリコーディングを選択し、利用可能な複数のランダムアクセスプリアンブルから第1のランダムアクセスプリアンブルを選択する選択部14と、前記第1のプリコーディングを用いて、前記第1のランダムアクセスプリアンブルを基地局装置へ送信する送信部10と、前記第1のランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス応答をモニタする受信部10と、前記ランダムアクセス応答の受信に成功しなかった場合に、カウンタの値をインクリメントするカウンタ部14と、を備え、前記選択部14は、前記カウンタの値がインクリメントされた場合に、前記カウンタの値が所定の値に達していないならば、前記利用可能な複数のプリコーディングから第2のプリコーディングを選択し、且つ、前記利用可能な複数のランダムアクセスプリアンブルから第2のランダムアクセスプリアンブルを選択し、前記送信部10は、前記第2のプリコーディングを用いて、前記第2のランダムアクセスプリアンブルを前記基地局装置3へ送信する。
(17)本発明の第7の態様において、前記第1のランダムアクセスプリアンブルを送信する際の目標受信電力である第1の電力と前記第2のランダムアクセスプリアンブルを送信する際の目標受信電力である第2の電力をセットする電力制御部12を備え、前記第1の電力と前記第2の電力は、前記カウンタの値に基づいてセットされる。
(18)本発明の第7の態様において、前記インクリメントされたカウンタの値が所定の値である場合に、前記第2の電力は、前記第1の電力より大きい値にセットされる。
(19)本発明の第8の態様は、端末装置1であって、互いに異なる複数のプリコーディング(上りリンクプリコーディングあるいはビームとも称される)を適用した複数のランダムアクセスプリアンブルを基地局装置3へ送信する送信部10と、前記送信した複数のランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス応答をモニタする受信部10と、前記ランダムアクセス応答の受信に成功しなかった場合に、カウンタの値をインクリメントするカウンタ部14と、を備え、前記送信部10は、前記カウンタの値が1つインクリメントされた場合に、前記カウンタの値が所定の値に達していないならば、再度前記複数のプリコーディングを適用した複数のランダムアクセスプリアンブルを前記基地局装置3へ送信する。
(20)本発明の第8の態様において、前記複数のランダムアクセスプリアンブルを送信する際の目標受信電力をセットする電力制御部12を備え、前記目標受信電力は、前記カウンタの値がインクリメントされる毎に増加される。
(21)本発明の第9の態様は、基地局装置3であって、端末装置1が利用可能な1つまたは複数のプリコーディング(上りリンクプリコーディングあるいはビームとも称される)を特定するための情報を送信する送信部30と、前記端末装置1から前記1つまたは複数のプリコーディングのうちの1つのプリコーディングを用いて送信されたランダムアクセスプリアンブルを受信する受信部30と、を備え、前記送信部30は、前記受信したランダムアクセスプリアンブルおよび前記1つのプリコーディングに対応するランダムアクセス応答を送信する。
(22)本発明の第10の態様は、端末装置1であって、複数のランダムアクセス設定情報を受信する受信部10と、前記複数のランダムアクセス設定情報の中から、ランダムアクセス手順において用いられる1つのランダムアクセス設定情報を選択する選択部14と、前記選択した1つのランダムアクセス設定情報に基づいてランダムアクセスプリアンブルを送信する送信部10と、を備える。
(23)本発明の第10の態様において、前記送信部10は、前記選択した1つのランダムアクセス設定情報に、前記ランダムアクセスプリアンブルを送信するために利用可能な1つまたは複数のプリコーディング(上りリンクプリコーディングあるいはビームとも称される)が含まれていた場合に、前記利用可能な1つまたは複数のプリコーディングの中の1つのプリコーディングを用いて、前記ランダムアクセスプリアンブルを送信する。
(24)本発明の第10の態様において、前記1つのランダムアクセス設定情報は、前記基地局装置3と前記端末装置1との間の伝搬路特性に基づいて選択される。
(25)本発明の第10の態様において、前記1つのランダムアクセス設定情報は、ランダムに選択される。
(26)本発明の第10の態様において、前記複数のランダムアクセス設定情報を、前記ランダムアクセスプリアンブルの送信に用いられる上りリンクキャリアに対応する下りリンクキャリアとは異なる下りリンクキャリアで受信する。
(27)本発明の第11の態様は、基地局装置3であって、端末装置1に複数のランダムアクセス設定情報を送信する送信部30と、前記端末装置から前記複数のランダムアクセス設定情報のうちの1つのランダムアクセス設定情報に基づいて送信されたランダムアクセスプリアンブルを受信する受信部30と、を備える。
(28)本発明の第11の態様において、前記受信部30は、前記1つのランダムアクセス設定情報に、前記ランダムアクセスプリアンブルを送信するために利用可能な1つまたは複数のプリコーディング(上りリンクプリコーディングあるいはビームとも称される)が含まれていた場合に、前記端末装置1から前記利用可能な1つまたは複数のプリコーディングの中の1つのプリコーディングを用いて送信された前記ランダムアクセスプリアンブルを受信する。
(29)本発明の第11の態様において、前記1つのランダムアクセス設定情報は、前記基地局装置3と前記端末装置1との間の伝搬路特性に基づいて選択される。
(30)本発明の第11の態様において、前記1つのランダムアクセス設定情報は、前記端末装置1によってランダムに選択される。
(31)本発明の第11の態様において、前記複数のランダムアクセス設定情報を、前記ランダムアクセスプリアンブルの送信に用いられる上りリンクキャリアに対応する下りリンクキャリアとは異なる下りリンクキャリアで送信する。
本発明の一態様に関わる装置で動作するプログラムは、本発明の一態様に関わる実施形態の機能を実現するように、Central Processing Unit(CPU)等を制御してコンピュータを機能させるプログラムであっても良い。プログラムあるいはプログラムによって取り扱われる情報は、一時的にRandom Access Memory(RAM)などの揮発性メモリあるいはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやHard Disk Drive(HDD)、あるいはその他の記憶装置システムに格納される。
尚、本発明の一態様に関わる実施形態の機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録しても良い。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。ここでいう「コンピュータシステム」とは、装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、オペレーティングシステムや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体、短時間動的にプログラムを保持する媒体、あるいはコンピュータが読み取り可能なその他の記録媒体であっても良い。
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、または諸特徴は、電気回路、たとえば、集積回路あるいは複数の集積回路で実装または実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものを含んでよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。前述した電気回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、本発明の一又は複数の態様は当該技術による新たな集積回路を用いることも可能である。
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。実施形態では、装置の一例を記載したが、本願発明は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来る。
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。