JP6660752B2 - 焼入装置 - Google Patents

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Description

本発明は、焼入装置に関する。
被焼入部が回転対称なワークの焼入では、ワークを軸まわりに回転させながら被焼入部を冷却することによって、曲りなどの歪の発生が抑制されている。一方、被焼入部が非回転対称なワークでは、冷却速度の対称性が崩れることに起因して曲りなどの歪が発生し易く、そこで、ワークの被焼入部の外周を型で拘束した状態で冷却し、歪の発生が抑制されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ワークの被焼入部が加熱されてから冷却されるまでの間に、被焼入部の表面が酸化して被焼入部の表面にスケールが発生するが、スケールの発生を抑制する方策の一つとして、窒素ガスなどの不活性ガスを充満させたチャンバ内でワークの加熱及び冷却が行われている(例えば、特許文献2参照)。
特開平06−200320号公報 特開2007−131938号公報
ワークの被焼入部の外周を型で拘束した状態で冷却する焼入装置では、ワークを冷却する冷却部がワークを加熱する加熱部とは別に設けられ、ワークは加熱部から冷却部に移送されるが、移送される間にワークの被焼入部の表面にスケールが発生しやすい。
加熱部及び冷却部並びにワークを移送する搬送部をチャンバ内に設置し、チャンバ内を不活性ガスで満たすことによってスケールの発生を抑制することはできるが、加熱部及び冷却部並びに搬送部を収容するチャンバを含めた焼入装置の大型化が不可避であり、また、不活性ガスの消費量が増加して焼入装置のランニングコストの上昇が懸念される。
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、小型化及びラニングコストの低減が可能な焼入装置を提供することを目的としている。
本発明の一態様の焼入装置は、ワークの被焼入部を加熱する加熱部と、加熱されたワークの被焼入部を冷却する冷却部と、ワークを搬送し、ワークの被焼入部を前記加熱部から前記冷却部に移動させる搬送部と、前記加熱部から前記冷却部に移動されるワークの被焼入部の移動経路に設けられ、被焼入部が出入りする開放された開口部及び一つ以上のガス噴射口を有し、前記ガス噴射口から噴射される不活性ガスによって満たされる不活性雰囲気室と、を備え、ワークの被焼入部の前記加熱部への進入経路と前記冷却部への進入経路とは非同一線上にあり、前記不活性雰囲気室は、前記加熱部への進入経路と前記冷却部への進入経路との間の中継経路を挟んで対向する一対の壁体を含み、前記ガス噴射口は、少なくとも一方の前記壁体の対向面に開口して設けられている。
本発明によれば、小型化及びラニングコストの低減が可能な焼入装置を提供することができる。
本発明の実施形態を説明するための、ワークの一例を示す斜視図である。 本発明の実施形態を説明するための、焼入装置の一例の模式図である。 図2の焼入装置の冷却部の断面図である。 図2の焼入装置の冷却部の側面図である。 図2の焼入装置の不活性雰囲気室の斜視図である。 図5の不活性雰囲気室の平面図である。 図5の不活性雰囲気室の断面図である。 本発明の実施形態を説明するための、焼入装置の他の例の模式図である。 図8の焼入装置の不活性雰囲気室の縦断面図である。 図8の焼入装置の不活性雰囲気室の横断面図である。 実験例のワークの被焼入部の表面性状を示す写真及びグラフである。 他の実験例のワークの被焼入部の表面性状を示す写真及びグラフである。 他の実験例のワークの被焼入部の表面性状を示す写真及びグラフである。 他の実験例のワークの被焼入部の表面性状を示す写真及びグラフである。
図1は、本発明の実施形態を説明するための、ワークの一例を示す。
図1に示すワークは、自動車等の車両のステアリング装置に組み込まれるラックバーである。ラックバー1は、例えばJIS−S45Cといった炭素鋼などの金属材料で形成された断面円形状の中実な棒材、又は管材からなる。
ラックバー1の軸方向の一方の端部側には、ステアリング装置のピニオンと噛み合う複数のラック歯が形成された歯部2が設けられており、他方の端部側にはステアリング装置のすべり軸受によって摺動自在に支持される軸部3が設けられている。
歯部2に形成される複数のラック歯は、ラックバー1が中実な棒材からなる場合に、例えば切削加工や鍛造加工によって形成され、ラックバー1が管材からなる場合には、例えば以下のようにして形成される。
まず、管材の長手方向の一部で歯部とされる部位(以下、歯部形成部位という)に平坦状の歯形成面が予備成形される。歯形成面は、例えば成形型を用いて管材の歯部形成部位を潰すプレス加工によって形成される。
次いで、歯形成面に押し付けられる歯型を含み、管材の歯部形成部位を全周にわたって取り囲む成形型に管材が設置され、管材に芯金が挿通される。歯形成面を構成している管材の肉が、挿通された芯金によって内側からしごかれ、歯形成面に押し付けられている歯型に食い込む。挿通される芯金の太さが次第に大きくされ、しごき加工が繰り返されることにより、歯型に対応した複数のラック歯が管材に形成される。
以下、ラックバー1の歯部2の焼入を例に、焼入装置について説明する。
図2は、本発明の実施形態を説明するための、焼入装置の一例を示す。
図2に示す焼入装置10は、加熱部11と、冷却部12と、搬送部13と、不活性雰囲気室14と、を備える。
加熱部11は、ラックバー1の歯部2を加熱する。加熱方法は特に限定されるものではなく、例えば炉加熱であってもよいが、歯部2を取り囲む加熱コイルに高周波の電力を供給し、電磁誘導によって歯部2に渦電流を生じさせ、歯部2の電気抵抗に基づくジュール熱によって歯部2を加熱する誘導加熱が好適である。誘導加熱は、一般に、炉加熱に比べてエネルギ効率に優れ、また、ワークを直接加熱することから短時間で加熱することができる。
冷却部12は、加熱部11によって加熱されたラックバー1の歯部2を冷却する。ラックバー1の歯部2は非回転対称であり、そこで、冷却部12は、冷却速度の対称性が崩れることに起因して歯部2に曲りなどの歪が発生することを抑制するため、歯部2の外周を拘束した状態で冷却するよう構成されている。冷却部12の詳細な構成は後述する。
ラックバー1の歯部2は、加熱部11及び冷却部12それぞれに対してラックバー1の軸方向に抜き挿しされ、本例では、歯部2の加熱部11への進入経路と歯部2の冷却部12への進入経路とが非同一線上にあって互いに平行するように加熱部11と冷却部12とが並設されている。
搬送部13は、ラックバー1の軸部3を保持してラックバー1を搬送し、まず、軸方向に加熱部11と対向する位置にラックバー1を配置して歯部2を加熱部11に挿し入れ、加熱部11によって焼入温度に加熱された歯部2を加熱部11から抜き出し、次いで加熱部11及び冷却部12の並びに沿ってラックバー1を移動させ、そして軸方向に冷却部12と対向する位置にラックバー1を配置して歯部2を冷却部12に挿し入れ、冷却部12によって冷却された歯部2を冷却部12から抜き出す。以上の工程を経て歯部2は焼入される。
ラックバー1の歯部2の加熱部11への進入経路と歯部2の冷却部12への進入経路とが非同一線上にあって互いに平行するように加熱部11と冷却部12とが並設されている本例では、加熱部11での加熱と冷却部12での冷却とを並列に行うことができ、稼働効率が高まる。
不活性雰囲気室14は、ラックバー1が加熱部11との対向位置から冷却部12との対向位置に搬送される際の歯部2の移動経路(中継経路)に設けられている。不活性雰囲気室14は、歯部2が中継経路に沿って出入り可能に構成されており、室内は、ガス供給部15から供給される窒素ガスなどの不活性ガスによって満たされている。
ラックバー1の歯部2は、加熱部11によって加熱されてから冷却部12によって冷却されるまでの間、不活性雰囲気室14の室内を移動される。これにより、歯部2の表面にスケールが発生することが抑制される。
図3及び図4は、冷却部12の構成を示す。
冷却部12は、歯部2の外周を拘束する型20を有し、ラックバー1の歯部2の外周を拘束した状態で冷却するよう構成されている。
型20は、上型21及び下型22によって構成され、上型21及び下型22には半円筒状の凹面がそれぞれ設けられている。ラックバー1の歯部2は、上型21及び下型22が閉じられた状態で、上型21及び下型22それぞれの凹面が合わさって形成される円筒状のキャビティに収容される。
上型21の凹面には、軸方向及び周方向に適宜な間隔をあけて複数の凸部23が形成されている。下型22の凹面にもまた、軸方向及び周方向に適宜な間隔をあけて複数の凸部23が形成されている。これらの凸部23は、上型21及び下型22が閉じられた状態で、上記キャビティに収容されているラックバー1の歯部2にそれぞれ当接し、歯部2の外周を拘束する。
そして、上型21の凹面において、凸部23の周囲は、歯部2との間に隙間をあける凹部24とされており、凹部24には、複数の焼入液噴射口25が形成されている。そして、上型21の内部には、上型21の凹部24に形成された複数の焼入液噴射口25に通じる液溜め室26が形成されている。同様に、下型22の凹面において、凸部23の周囲は、歯部2との間に隙間をあける凹部24とされており、凹部24には、複数の焼入液噴射口25が形成されている。そして、下型22の内部には、下型22の凹部24に形成された複数の焼入液噴射口25に通じる液溜め室26が形成されている。
焼入温度に加熱されたラックバー1の歯部2が冷却部12によって冷却される際には、上型21及び下型22が閉じられ、上型21及び下型22それぞれの凹面に形成された複数の凸部23によって歯部2の外周が拘束される。そして、歯部2の外周が拘束された状態で、上型21及び下型22それぞれの液溜め室26に図示しない冷却液供給部から冷却液が供給され、上型21及び下型22それぞれの凹部24に形成された複数の焼入液噴射口25から歯部2に向けて焼入液が噴射される。これにより、歯部2は焼入され、焼入に伴う歪の発生も抑制される。
図5から図7は、不活性雰囲気室14の構成を示す。
不活性雰囲気室14は、対をなす天井壁30及び底壁31を有する。天井壁30及び底壁31は、ラックバー1が加熱部11との対向位置から冷却部12との対向位置に搬送される際の歯部2の移動経路(中継経路)を挟んで対向して配置されており、天井壁30及び底壁31それぞれの外縁の間に、中継経路の延在方向一方側に向けて開放された開口部33及び他方側に向けて開放された開口部34、並びに開口部33の一端から開口部34の一端に亘る開口部35が設けられている。これらの開口部33,34,35を除き、天井壁30及び底壁31それぞれの外縁の間は、側壁32によって塞がれている。
ラックバー1の歯部2は、一方の開口部33を通して、天井壁30と底壁31との間、即ち不活性雰囲気室14に搬入され、他方の開口部34を通して不活性雰囲気室14から搬出される。歯部2が不活性雰囲気室14の室内を移動される間、歯部2に隣設されているラックバー1の軸部3は、開口部35を移動される。
不活性雰囲気室14には、ガス供給部15(図2参照)から供給される不活性ガスを室内に向けて噴射するガス噴射口36が設けられている。不活性雰囲気室14の室内は、ガス噴射口36から継続して噴射される不活性ガスによって満たされる。これにより、不活性雰囲気室14の室内を移動されるラックバー1の歯部2の表面にスケールが発生することが抑制される。
不活性雰囲気室14は、加熱部11から冷却部12に移動されるラックバー1の歯部2の移動経路に設けられ、移動経路を通過する歯部2を収容するのみであり、加熱部11及び冷却部12並びに搬送部13を収容する場合に比べて室内の容積を小さくできる。これにより、焼入装置10を小型化でき、また不活性ガスの消費量を削減して焼入装置10のランニングコストを低減することができる。
ガス噴射口36は、例えば開口部35を臨む側壁32に設けられていてもよいが、好ましくは、不活性雰囲気室14の内面に対向するように、天井壁30及び底壁31の少なくとも一方の対向面に開口して設けられる。図示の例では、ガス噴射口36は、天井壁30の底壁31との対向面に開口して設けられており、ガス噴射口36から噴射された不活性ガスは、底壁31に略垂直に当たり、底壁31に沿って放射状に広がり、開放されている開口部33,34,35それぞれから不活性雰囲気室14の外部に放出される。これにより、外気の巻き込みを抑制して、不活性雰囲気室14の室内に不活性ガスを等しく充満させることができ、ラックバー1の歯部2の表面にスケールが発生することを一層抑制することができる。
また、好ましくは、ガス噴射口36は、歯部2の中継経路に沿って間隔をあけて複数設けられる。これにより、不活性雰囲気室14の室内に不活性ガスを等しく充満させ、ラックバー1の歯部2の表面にスケールが発生することを一層抑制することができる。
図8は、本発明の実施形態を説明するための、焼入装置の他の例を示す。なお、上述した焼入装置10と共通する要素には共通の符号を付することにより説明を省略又は簡略する。
図8に示す焼入装置40では、ラックバー1の歯部2の加熱部11への進入経路と歯部2の冷却部12への進入経路とが同一線上にあるように、冷却部12が歯部2の加熱部11への進入経路の延長上に設置されている。
搬送部13は、ラックバー1の軸部3を保持してラックバー1を搬送し、まず、軸方向に加熱部11と対向する位置にラックバー1を配置して歯部2を加熱部11に挿し入れ、加熱部11によって焼入温度に加熱された歯部2を、加熱部11から突き出して冷却部12に挿し入れ、冷却部12によって冷却された歯部2を冷却部12及び加熱部11から順に抜き出す。以上の工程を経て歯部2は焼入される。
ラックバー1の歯部2の加熱部11への進入経路と歯部2の冷却部12への進入経路とが同一線上にあって、ラックバー1の軸方向の移動により、加熱部11から突き出された歯部2が続けて冷却部12に挿し入れられる本例では、歯部2が加熱部11によって加熱されてから冷却部12によって冷却されるまでの間に移動される距離を短縮でき、歯部2の表面にスケールが発生することが抑制される。
不活性雰囲気室44は、加熱部11と冷却部12との間でラックバー1の歯部2の冷却部12への進入経路に設けられており、歯部2が冷却部12への進入経路に沿って出入り可能に構成されている。歯部2は、加熱部11によって加熱されてから冷却部12によって冷却されるまでの間、不活性雰囲気室44の室内を移動される。これにより、歯部2の表面にスケールが発生することが抑制される。
図9及び図10は、不活性雰囲気室44の構成を示す。
不活性雰囲気室44は、ラックバー1の歯部2の冷却部12への進入経路に沿って延びる筒体50を有する。筒体50の軸方向の一方の端部には、加熱部11に向けて開放された開口部51が設けられ、他方の端部には冷却部12に向けて開放された開口部52が設けられている。
加熱部11から突き出されたラックバー1の歯部2は、加熱部11側の開口部51を通して、筒体50の内部、即ち不活性雰囲気室44に搬入され、冷却部12側の開口部52を通して不活性雰囲気室44から搬出され、冷却部12に挿し入れられる。
不活性雰囲気室44のガス噴射口53は、筒体50の内周面に開口して設けられており、環状に形成されている。ガス噴射口53から噴射された不活性ガスは、筒体50の内周面に略垂直に当たり、内周面に沿って軸方向両側に広がり、開放されている開口部51,52それぞれから不活性雰囲気室44の外部に放出される。これにより、外気の巻き込みが抑制され、不活性雰囲気室44の室内に不活性ガスが等しく充満される。
好ましくは、図示の例のように、加熱部11側の開口部51が冷却部12側の開口部52よりも小さく形成される。これにより、不活性雰囲気室44の室内への不活性ガスの封入効率が高まり、不活性ガスの消費量を削減して焼入装置40のランニングコストを低減することができる。
本例においても、不活性雰囲気室44の室内の容積を小さくでき、これにより、焼入装置40を小型化でき、また不活性ガスの消費量を削減して焼入装置40のランニングコストを低減することができる。
以下、実験例について説明する。
実験例1では、上述した焼入装置10を用い、不活性雰囲気室14を窒素ガスで満たすことなくラックバー1の歯部2を焼入した。そして、焼入後に歯部2に対してWPC(Wide Peening Cleaning)処理を施した。図11(A)に歯部2の焼入後の表面写真を示し、図11(B)に歯部2の焼入後の表面粗さRaの測定結果を示す。また、図11(C)に歯部2のWPC処理後の表面拡大写真を示し、図11(D)に歯部2のWPC処理後の表面粗さRaの測定結果を示す。
実験例2では、上述した焼入装置10を用い、不活性雰囲気室14を窒素ガスで満たしてラックバー1の歯部2を焼入し、焼入後に歯部2に対してWPC処理を施した。不活性雰囲気室14を窒素ガスで満たしたことを除き、歯部2の加熱や冷却や搬送の条件は実験例1と同じとした。図12(A)に歯部2の焼入後の表面写真を示し、図12(B)に歯部2の焼入後の表面粗さRaの測定結果を示す。また、図12(C)に歯部2のWPC処理後の表面拡大写真を示し、図12(D)に歯部2のWPC処理後の表面粗さRaの測定結果を示す。
ラックバー1の歯部2が加熱部11から冷却部12に移動される間に大気雰囲気に置かれた実験例1では、歯部2の表面に発生したスケールが表層深くに浸潤しており、WPC処理によってもスケールの痕跡が歯部2の表面に確認された。これに対し、歯部2が加熱部11から冷却部12に移動される間に窒素ガス雰囲気に置かれた実験例2では、表面拡大斜視や表面粗さの測定結果から明らかなとおり、実験例1に比べて歯部2の表面のスケールの発生が抑制されており、スケールは、WPC処理によって痕跡なく歯部2の表面から除去された。
実験例3では、上述した焼入装置40を用い、不活性雰囲気室44を窒素ガスで満たすことなくラックバー1の歯部2を焼入した。そして、焼入後に歯部2に対して処理を施した。図13(A)に歯部2の焼入後の表面写真を示し、図13(B)に歯部2の研磨処理後の表面拡大写真を示し、図13(C)に歯部2のWPC処理後の表面粗さRaの測定結果を示す。
実験例4では、上述した焼入装置40を用い、不活性雰囲気室44を窒素ガスで満たしてラックバー1の歯部2を焼入し、焼入後に歯部2に対してWPC処理を施した。不活性雰囲気室44を窒素ガスで満たしたことを除き、歯部2の加熱や冷却や搬送の条件は実験例3と同じとした。図14(A)に歯部2の焼入後の表面写真を示し、図14(B)に歯部2のWPC処理後の表面拡大写真を示し、図14(C)に歯部2のWPC処理後の表面粗さRaの測定結果を示す。
歯部2が加熱部11から冷却部12に移動される間に窒素ガス雰囲気に置かれた実験例4では、表面拡大斜視や表面粗さの測定結果から明らかなとおり、歯部2が大気雰囲気に置かれた実験例3に比べて歯部2の表面のスケールの発生が抑制されており、スケールは、WPC処理によって痕跡なく歯部2の表面から除去された。
1 ラックバー
2 歯部
3 軸部
10 焼入装置
11 加熱部
12 冷却部
13 搬送部
14 不活性雰囲気室
15 ガス供給部
20 型
21 上型
22 下型
23 凸部
24 凹部
25 焼入液噴射口
30 天井壁
31 底壁
32 側壁
33,34,35 開口部
36 ガス噴射口
40 焼入装置
44 不活性雰囲気室
50 筒体
51,52 開口部
53 ガス噴射口

Claims (4)

  1. ワークの被焼入部を加熱する加熱部と、
    加熱されたワークの被焼入部を冷却する冷却部と、
    ワークを搬送し、ワークの被焼入部を前記加熱部から前記冷却部に移動させる搬送部と、
    前記加熱部から前記冷却部に移動されるワークの被焼入部の移動経路に設けられ、被焼入部が出入りする開放された開口部及び一つ以上のガス噴射口を有し、前記ガス噴射口から噴射される不活性ガスによって満たされる不活性雰囲気室と、
    を備え、ワークの被焼入部の前記加熱部への進入経路と前記冷却部への進入経路とは非同一線上にあり、
    前記不活性雰囲気室は、前記加熱部への進入経路と前記冷却部への進入経路との間の中継経路を挟んで対向する一対の壁体を含み、
    前記ガス噴射口は、少なくとも一方の前記壁体の対向面に開口して設けられている焼入装置。
  2. 請求項1記載の焼入装置であって、
    前記ガス噴射口は前記不活性雰囲気室の内面に対向して設けられている焼入装置。
  3. 請求項1又は2記載の焼入装置であって、
    前記ガス噴射口は、前記中継経路に沿って間隔をあけて複数設けられている焼入装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項記載の焼入装置であって、
    前記冷却部は、ワークの被焼入部の外周を拘束する型を有し、
    前記型には、ワークの被焼入部の外周との間に隙間をあける凹部が設けられており、
    前記凹部には、複数の焼入液噴射口が形成されている焼入装置。
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