以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図24は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1〜図3において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第1ヒンジ4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向における第1ヒンジ4と反対側、例えば右端側に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。
前枠3は、本体枠6と、その本体枠6の前側に配置されたガラス扉7とを備えている。ガラス扉7は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第2ヒンジ8を介して本体枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって本体枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。なお、第1ヒンジ4と第2ヒンジ8とは例えば同一軸心となるように配置されている。
外枠2は、図2に示すように左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。外枠2の前側下部には、例えば合成樹脂製の前カバー部材9が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材9は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に本体枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が例えば左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材9の上側に夫々配置されている。
本体枠6は合成樹脂製で、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを例えば一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が例えば前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、後述する遊技領域23に向けて遊技球を発射可能な発射手段17の他、下部スピーカ18等が配置されている。また本体枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが例えば左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が例えば左下部に夫々配置されている。
ガラス扉7は、本体枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備えている。この扉ベース22には、遊技盤16に形成された遊技領域23の前側に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、例えば窓孔24aの周囲に複数(ここでは4つ)の上部スピーカ25、送風演出装置26等の演出手段が配置され、それら上部スピーカ25等を前側から略覆う上装飾カバー27が装着されている。
また扉ベース22の下部前側には、本体枠6の後側に配置された払い出し手段28から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿30、その上皿30が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿31、発射手段17を作動させるために操作する発射ハンドル32等が配置され、更に上皿30、下皿31等を前側から略覆う下装飾カバー33が装着されている。下装飾カバー33は、例えば前向きの膨出状に形成されており、例えばその上部側には、左右方向の略中央に演出ボタン34が、その左側に十字操作手段35が夫々押下操作可能に配置され、また下装飾カバー33内には、回転演出体29aを備えた枠側可動演出手段29が配置されている。
回転演出体29aは、例えば略球状に形成されており、回転駆動モータ(図示省略)の駆動により例えば左右方向の軸廻りに所定の動作パターンで回転動作可能となっている。回転演出体29aの内部には、回転演出体29aを所定の発光パターンで発光させるためのLED等が配置されている。
演出ボタン34は、下装飾カバー33から上向きに露出する例えば平面視略円形の押下操作部34aと、下装飾カバー33内に配置され且つ例えば縦方向の略円筒状に形成された本体部34bとを一体に備え、本体部34bの内側に回転演出体29aを配置した状態で、その回転演出体29aや扉ベース22、下装飾カバー33等に対して上下方向に相対移動可能となっており、バネ(図示省略)により上向きに弾性付勢されている。押下操作部34aが下向きに押下されると、バネの付勢力に抗して演出ボタン34が回転演出体29aの外周側で下向きに移動し、操作検出スイッチ(図示省略)がONとなる。
なお、演出ボタン34は例えばその略全体が透明で、また下装飾カバー33のうち、演出ボタン34の周辺部分を覆うボタンカバー部33aも透明に形成されているため、遊技者は遊技機本体1の前側からボタンカバー部33a、演出ボタン34を介して内部の回転演出体29aを視認可能である。
扉ベース22の背面側には、窓孔24aを後側から略塞ぐようにガラスユニット36が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金37と、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金38と、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金39とがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具40が例えば左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具41が例えば左下部に夫々配置されている。
また、例えば下部補強板金39の背面側には、球送りユニット42、下皿案内ユニット43等が装着されている。球送りユニット42は、上皿30内の遊技球を1個ずつ発射手段17に供給するためのもので、発射手段17の前側に対応して配置されている。下皿案内ユニット43は、上皿30が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿31に案内するためのもので、例えば球送りユニット42に隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
また、本体枠6の例えば上部側には、前枠3が外枠2に対して開放しているか否かを検出可能な扉開放スイッチ44が設けられている。この扉開放スイッチ44は、例えば前枠3が外枠2に対して前側に開放したときにON、閉鎖したときにOFFとなるように構成されている。
遊技盤16は、図4に示すように例えばベニヤ板等のベース板45を備え、そのベース板45の前側に、発射手段17から発射された遊技球を案内するガイドレール46が環状に配置されると共に、そのガイドレール46の内側の遊技領域23に、中央表示枠ユニット47、始動入賞ユニット48、普通入賞ユニット49等のユニット部品の他、多数の遊技釘(図示省略)が配置され、また遊技領域23の外側の例えば下部側には遊技情報表示手段50が配置されている。もちろん、遊技情報表示手段50は遊技領域23内に配置してもよい。
遊技情報表示手段50は、図5に示すように、例えば8個のLED60で構成されるLEDグループを4つ備えており、それら計32個のLED60が普通図柄表示手段51、普通保留個数表示手段52、第1特別図柄表示手段53、第2特別図柄表示手段54、第1特別保留個数表示手段55、第2特別保留個数表示手段56、変動短縮報知手段57、右打ち報知手段58及びラウンド数報知手段59に所定個数ずつ割り当てられている。即ち、第1,第2LEDグループ50a,50bに属する各8個のLED60は夫々第1,第2特別図柄表示手段53,54を構成し、第3LEDグループ50cに属する8個のLED60は、2個ずつに分けられて夫々第1特別保留個数表示手段55、第2特別保留個数表示手段56、普通保留個数表示手段52、変動短縮報知手段57を構成し、第4LEDグループ50dに属する8個のLED60は、そのうちの2個が普通図柄表示手段51を、他の2個が右打ち報知手段58を、残りの4個がラウンド数報知手段59を夫々構成している。
遊技盤16の複数のユニット部品47〜49上には、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、大入賞手段64、複数の普通入賞手段65等が設けられている。またベース板45の後側には、液晶表示手段(画像表示手段)66の他、液晶表示手段66の前側を例えば上下方向に移動可能な昇降演出体67aを備えた盤側可動演出手段67等が配置されている。
中央表示枠ユニット47は、液晶表示手段66の表示枠を構成するもので、ベース板45に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着されている。この中央表示枠ユニット47は、図4に示すように、ベース板45の前面に沿って装着孔の外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板71と、液晶表示手段66の前側における左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板71の内周側で前向きに突設された装飾枠72と、その装飾枠72の左右の下端部間に配置されるステージ73とを備えている。発射手段17により発射され、遊技領域23の上部側に進入した遊技球は、装飾枠72の頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠ユニット47の左側の左流下経路74aと右側の右流下経路74bとの何れかを流下する。
中央表示枠ユニット47には、左流下経路74a側と右流下経路74b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路74a側に、遊技球が流入可能なワープ入口75が設けられている。左流下経路74aを流下中にワープ入口75に流入した遊技球は、ステージ73上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域23の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部76とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。またステージ73の上側には、跳ね返り等による後側への遊技球の侵入を阻止するための侵入防止手段77が設けられている。
始動入賞ユニット48は、中央表示枠ユニット47の下側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。普通入賞ユニット49は、中央表示枠ユニット47の下側で始動入賞ユニット48の左側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。
普通図柄始動手段61は、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、遊技球の通過を検出する通過検出手段(図示省略)を備えている。この普通図柄始動手段61は、例えば中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71の前側に設けられており、右流下経路74bを流下する遊技球が通過可能となっている。
普通図柄表示手段51は、普通図柄を変動表示するためのもので、図5に示すように遊技情報表示手段50における例えば2個のLED60で構成されており、普通図柄始動手段61が遊技球を検出することに基づいて、普通図柄を構成するそれら2個のLED60が普通変動中発光パターンで発光した後、普通図柄始動手段61による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様(所定態様)で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。なお、普通図柄を構成する2個のLED60は、それらの発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の当たり態様と一又は複数のはずれ態様とを表示可能であり、また普通変動中発光パターンは、例えば特定の複数種類(ここでは2種類)の発光態様を所定時間(例えば128ms)毎に切り替えるようになっている。
また、普通図柄表示手段51の図柄変動中と普通利益状態中とを含む普通保留期間中に普通図柄始動手段61が遊技球を検出した場合には、それによって取得された普通乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通保留期間が終了する毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段52等によって遊技者に報知される。普通保留個数表示手段52は、図5に示すように遊技情報表示手段50における例えば2個のLED60で構成されており、それら2個のLED60の夫々の発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより、0〜4個の5種類の普通保留個数を表示可能となっている。
第1特別図柄始動手段(図柄始動手段)62は、第1特別図柄表示手段53による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段(図示省略)を備えている。この第1特別図柄始動手段62は、例えば始動入賞ユニット48に設けられ、ステージ73の中央落下部76に対応してその下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路74a側のワープ入口75からステージ73を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路74bを流下してきた遊技球よりも左流下経路74aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。なお、この第1特別図柄始動手段62に遊技球が入賞すると、1入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
第2特別図柄始動手段(図柄始動手段)63は、第2特別図柄表示手段54による図柄変動を開始させるためのもので、開閉部78の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段(図示省略)を備えており、普通図柄表示手段51の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉部78が所定時間閉状態から開状態に変化するようになっている。
この第2特別図柄始動手段63は、例えば中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71上で且つ普通図柄始動手段61の下流側に配置されており、右流下経路74bを流下してきた遊技球が入賞可能となっている。なお、開閉部78は例えば下部側に設けられた左右方向の回転軸廻りに揺動可能であり、閉状態では例えば前面装着板71と略面一となって遊技球が前側を通過可能となり、開状態では前面装着板71の前側で後ろ下がりの傾斜状となって遊技球を後向きに入賞させるようになっている。なお、この第2特別図柄始動手段63に遊技球が入賞すると、1入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
第1特別図柄表示手段53は、図5に示すように遊技情報表示手段50における例えば8個のLED60で構成されており、第1特別図柄始動手段62が遊技球を検出することを条件に(図柄始動条件が成立した場合に)、第1特別図柄を構成するそれら8個のLED60が特別変動中発光パターンで発光した後、第1特別図柄始動手段62による遊技球検出時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合(乱数抽選で当選した場合)には第1大当たり態様で、それ以外の場合には第1はずれ態様で変動を停止するようになっている。第1特別図柄表示手段53の変動後の停止図柄が第1大当たり態様となった場合には第1特別利益状態が発生する。
第2特別図柄表示手段54は、図5に示すように遊技情報表示手段50における例えば8個のLED60で構成されており、第2特別図柄始動手段63が遊技球を検出することを条件に(図柄始動条件が成立した場合に)、第2特別図柄を構成するそれら8個のLED60が特別変動中発光パターンで発光した後、第2特別図柄始動手段63による遊技球検出時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合(乱数抽選で当選した場合)には第2大当たり態様で、それ以外の場合には第2はずれ態様で変動を停止するようになっている。第2特別図柄表示手段54の変動後の停止図柄が第2大当たり態様となった場合には第2特別利益状態が発生する。
第1,第2特別図柄表示手段53,54は、各8個のLED60の発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の第1,第2大当たり態様と一又は複数の第1,第2はずれ態様とを表示可能であり、また特別変動中発光パターンは、例えば特定の複数種類(ここでは2種類)の発光態様を所定時間(例えば128ms)毎に切り替えるようになっている。
また、第1特別図柄表示手段53の図柄変動中、第2特別図柄表示手段54の図柄変動中及び第1,第2特別利益状態中を含む特別保留期間中に第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出した場合には、それによって取得された第1,第2特別乱数情報(乱数情報)が夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶される。そして、特別保留期間が終了した時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合にはその第2特別図柄の保留記憶を1個消化して第2特別図柄の変動を行い、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合にはその第1特別図柄の保留記憶を1個消化して第1特別図柄の変動を行う。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動を優先的に行うようになっている。
なお、第1,第2特別乱数情報の記憶個数(第1,第2特別保留個数)は、第1,第2特別保留個数表示手段55,56、液晶表示手段66等によって遊技者に報知される。ここで、第1,第2特別保留個数表示手段55,56は、図5に示すように遊技情報表示手段50における各2個のLED60で構成され、それらの発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより、0〜4個の5種類の第1,第2特別保留個数を表示可能となっている。
大入賞手段64は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板79を備えた開閉式入賞手段で、例えば中央表示枠ユニット47に設けられ、第2特別図柄始動手段63の下流側で且つ第1特別図柄始動手段62の上流側に配置されており、左流下経路74aを流下してきた遊技球よりも右流下経路74bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。この大入賞手段64は、第1,第2特別図柄表示手段53,54の第1,第2特別図柄が変動後に第1,第2大当たり態様で停止した場合に発生する第1,第2特別利益状態において、開閉板79が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下してきた遊技球を内部へと入賞させるようになっている。この大入賞手段64に遊技球が入賞すると、1入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。なお以下の説明では、第1特別利益状態と第2特別利益状態とを合わせて「大当たり遊技(特別遊技)」という。
大当たり遊技における大入賞手段64の開放パターンには、例えば4R,6R等の複数種類が設けられている。例えば4R,6Rの各開放パターンは、いわゆる出玉ありのラウンドを夫々4回,6回行うように構成されている。ここで、出玉ありのラウンド(単位開放期間)は、大入賞手段64の開放後、その大入賞手段64への入賞個数が所定個数(例えば9個)に達するか、所定時間(例えば28秒)経過した時点で大入賞手段64を閉じるように設定されており、遊技者が右流下経路74b側の大入賞手段64を狙って右打ちをすれば最大個数の遊技球を容易に入賞させて大量の賞球を獲得できる。なお、出玉ありのラウンドに加えて、大入賞手段64が極短時間(例えば0.2秒)だけ開放する出玉なしのラウンドを有する開放パターンを設けてもよいし、出玉なしのラウンドのみの開放パターンを設けてもよい。
また液晶表示手段(図柄表示手段)66には、例えば第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動表示と並行して演出図柄80を変動表示可能である他、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留画像X1〜X4,Y1〜Y4,変動中保留画像Z等の各種画像を表示可能となっている。
ここで演出図柄80は、複数個の図柄Pで構成される図柄列を複数(ここでは3つ)備えており、またそれら各図柄列を構成する各図柄Pは、図4に示すように、例えば1〜8等の数字、その他で構成される図柄本体部Paと、この図柄本体部Paに付随する装飾部Pbとの結合で構成されている。本実施形態では、図柄本体部Paには「1」〜「8」の8種類の数字が割り当てられており、図柄Pはそれら8種類の図柄本体部Paに対応して8種類設けられている(図6参照)。また、装飾部Pbは図柄本体部Paに対して例えば1対1で対応しており、夫々任意のキャラクタ等が割り当てられている。以下の説明では、図柄本体部Paが「1」〜「8」の8種類の図柄Pを図柄P1〜P8として区別する。
演出図柄80は、例えば第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン上の停止図柄が所定態様となるように例えば第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止するようになっている。なお演出図柄80では、例えば有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当たり演出態様、それ以外が外れ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が第1,第2大当たり態様となる場合には演出図柄80は大当たり演出態様(特定態様)となり、第1,第2特別図柄が第1,第2外れ態様となる場合には演出図柄80は外れ演出態様(非特定態様)となる。
また第1,第2保留画像X1〜X4,Y1〜Y4,変動中保留画像Zに関しては、第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出することに基づいて第1,第2特別保留個数が増加した場合に、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を液晶表示手段66上に1個追加表示し、また第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の新たな変動が開始することに基づいて第1,第2特別保留個数が減少した場合に、例えば変動中保留画像Zを消去し、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Zに変化させるようになっている。
また遊技盤16の裏側には、図3に示すように中央表示枠ユニット47等を後側から覆う裏カバー81が装着され、この裏カバー81の背面側に、主制御基板82aが格納された主基板ケース82、演出制御基板83a及び演出インターフェイス基板83bが格納された演出基板ケース83、液晶制御基板84aが格納された液晶基板ケース84等が着脱自在に装着されている。
また、前枠3の裏側には、遊技盤16の裏側を開閉自在に覆う開閉カバー85が着脱自在に装着されると共に、その上側に遊技球タンク86aとタンクレール86bとが、左右一側に払い出し手段28と払い出し通路87とが夫々装着されており、遊技球が大入賞手段64等の入賞口に入賞したとき、又は図外の自動球貸し機から球貸し指令があったときに、遊技球タンク86a内の遊技球をタンクレール86bを経て払い出し手段28により払い出し、その遊技球を払い出し通路87を経て上皿30に案内するようになっている。なお、開閉カバー85は、例えば主基板ケース82の上部側の一部分を後側から覆うように配置されている。
また、前枠3の裏側下部には、基板装着台88が着脱自在に装着されており、この基板装着台88の背面側に、電源基板89aが格納された電源基板ケース89、払出制御基板90aが格納された払出基板ケース90が夫々着脱自在に装着されている。なお、例えば電源基板89aには、電源基板ケース89の外側からON/OFF操作が可能な電源スイッチ98が設けられている。
また主制御基板82aには、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93等の操作手段と、性能情報表示手段97等の表示手段とが接続されている。図3に示すように、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とは何れも主基板ケース82の外側から操作可能な状態で、また性能情報表示手段97は主基板ケース82の外側から視認可能な状態で、夫々主制御基板82aに装着されている。なお本実施形態では、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93、性能情報表示手段97は、何れも開閉カバー85で覆われない位置に配置されている。
RAMクリアスイッチ92は、電源投入時にRAMクリアを行う場合等に操作するもので、主基板ケース82の外側から例えば押圧操作可能であり、非操作時にOFF、押圧操作時にONとなるように構成されている。また設定変更操作手段93は、設定変更を行う場合等に操作するもので、主基板ケース82の外側から例えば専用の設定キーを鍵穴部に差し込んで回転操作することによりON/OFFの切り替えが可能となっている。なお本実施形態では、この設定変更操作手段93等を操作することにより、設定値を複数段階(ここでは設定1〜6の6段階)に変更可能となっている。設定値は大当たり確率、即ち第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率(乱数抽選で当選する確率)に対応しており、例えば設定値が大きいほど大当たり確率が高くなるように設定されている。
性能情報表示手段97は、設定表示手段94と性能表示手段95とを構成するもので、例えば4桁の7セグ表示部97a〜97dを備え、透明な主基板ケース82を通して視認可能となるように例えば主基板ケース82内で主制御基板82aに装着されており、第1期間中は設定表示手段94として機能し、第1期間とは異なる第2期間中は性能表示手段95として機能するようになっている。
設定表示手段94は、設定値(設定1〜6の何れか)に関する設定情報を、例えばその設定値が確定前であるか否かに応じて異なる表示態様で表示するもので、例えば設定1〜6に対応して「1」〜「6」、「1.」〜「6.」の何れかを性能情報表示手段97の少なくとも一部に表示可能であり、設定変更期間中は確定前の設定値に対応する設定情報を例えばドットなしの「1」〜「6」で、設定変更期間終了後の所定期間及び設定確認期間中は確定された設定値に対応する設定情報を例えばドット付きの「1.」〜「6.」で夫々表示可能となっている。
なお本実施形態では、性能情報表示手段97の4桁の7セグ表示部97a〜97dのうち、前枠3を開いたときに前側から最も近くに見える背面視左端側の7セグ表示部97dを設定表示手段94として使用するようになっている。
性能表示手段95は、いわゆるベース値を、性能情報表示手段97の少なくとも一部、例えば7セグ表示部97a〜97dに表示するものである。ベース値は、遊技実績に基づいて得られる特定情報の一例であり、例えば「(低確率状態での払い出し個数÷低確率状態でのアウト個数)×100」で算出される。なお本実施形態の性能表示手段95は、複数種類のベース値、例えばリアルタイムベース値、第1累計ベース値、第2累計ベース値、第3累計ベース値の4種類を切り替え表示可能となっている。リアルタイムベース値は、アウト個数が所定個数(例えば60000個)に達するまでを単位計測期間としてその単位計測期間中におけるリアルタイムでのベース値である。第1〜第3累計ベース値は、夫々1〜3回前の単位計測期間における累計のベース値である。もちろん、リアルタイムでのベース値のみを表示してもよいし、1種類、2種類又は4種類以上の累計ベース値を表示可能としてもよい。
以上のように、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93、性能情報表示手段97(設定表示手段94及び性能表示手段95)は、何れも遊技機本体1の後側に配置されており、それらにアクセスするためには解錠して前枠3を開放する必要があるため、ホール関係者等以外はRAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93を操作することができず、また性能情報表示手段97(設定表示手段94、性能表示手段95)の表示内容を見ることもできない。
図7(a)は本パチンコ機の制御系の概略ブロック図である。図7(a)において、主制御基板82aは遊技制御動作を統括するもので、上述したRAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93、性能情報表示手段97等の他、遊技盤16上の遊技情報表示手段50、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、大入賞手段64、普通入賞手段65等が例えば図示しない中継基板等を経由して接続され、またその下位には、主制御基板82aからの制御コマンドに基づいて音声出力、電飾発光、可動体駆動等の演出制御を行う演出制御基板83a、この演出制御基板83aからの制御コマンドに基づいて液晶表示手段66を制御する液晶制御基板84a、主制御基板82aからの制御コマンドに基づいて払い出し手段28を制御する払出制御基板90a、この払出制御基板90aからの発射制御信号等に基づいて発射手段17を制御する発射制御基板91等のサブ制御手段が接続されている。
演出制御基板83a及び液晶制御基板84aは、図7(a)に示すように主制御基板82aに接続された演出インターフェイス基板83bに接続されており、主制御基板82aから演出制御基板83aへの制御コマンド、演出制御基板83aから液晶制御基板84aへの制御コマンドは共に演出インターフェイス基板83bを経由して送信されるようになっている。
また、演出制御基板83aの制御対象である各種演出手段、例えばスピーカ18,25、電飾手段96、枠側可動演出手段29、盤側可動演出手段67等の他、遊技者が操作可能な演出ボタン34、十字操作手段35等は例えば演出インターフェイス基板83bを介して演出制御基板83aに接続されている。なお、電飾手段96は、上下の装飾カバー27,33内や遊技盤16等に配置された多数のLED(図示省略)により構成されている。
続いて、電源投入時に主制御基板82aにおいて実行される電源投入処理(図8)について説明する。この電源投入処理(図8)では、まずタイマ割込み等の割込み処理が実行されないように割込み禁止とし(S1)、スタックポインタを設定し(S2)、サブ基板の起動待ち処理(S3〜S5)を実行する。即ち、サブ基板起動待ち時間(例えば2秒)に対応する値を所定のレジスタにセットし(S3)、その値が0になるまで、即ちサブ基板起動待ち時間が経過するまで、減算処理(S4)を繰り返し実行する。また、電源異常信号がOFFになるまで待機する電源異常信号監視処理(S6)を実行すると共に、RAMのプロテクト及び禁止領域を無効とする(S7)。
続いて、作業領域の初期設定(S8)を行うとともに、演出制御基板83aに対して電源投入時コマンド(BA08H)を送信する(S9)。演出制御基板83aが電源投入時コマンド(BA08H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「Please Wait」等の表示が行われる。そして、入力ポートから取得される電源投入時信号及び払出通信確認信号がONになるまで、WDT(Watchdog Timer)をクリアしつつ待機する(S10,S11)。
続いて図9に示すS12〜S22の処理に移行する。このS12〜S22の処理は、設定変更処理(S14)及びRAMクリア処理(S15)を実行する「設定変更」、設定変更処理(S14)を実行することなくRAMクリア処理(S15)を実行する「RAMクリア」、設定確認処理(S20)及びバックアップ復帰処理(S21)を実行する「設定確認」、設定確認処理(S20)を実行することなくバックアップ復帰処理(S21)を実行する「バックアップ復帰」、電源再投入待ち処理(S17)を実行する「RAM異常」の5種類の処理態様の何れかで行われる。
また、これら5種類の処理態様のうち、「RAM異常」を除く4種類については、設定変更操作手段93のON/OFF状態、RAMクリアスイッチ92のON/OFF状態、扉(前枠3)の開放/閉鎖状態の組み合わせに応じて選択される。
本実施形態では、図10に示すように、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とが共にONの場合には原則として「設定変更」の処理態様が選択され、RAMクリアスイッチ92がON、設定変更操作手段93がOFFの場合には「RAMクリア」の処理態様が選択されるが、設定変更操作手段93とRAMクリアスイッチ92とが共にONであっても、扉閉鎖の場合には「設定変更」ではなく「RAMクリア」が選択されるようになっている。また同様に、RAMクリアスイッチ92がOFF、設定変更操作手段93がONの場合には原則として「設定確認」の処理態様が選択され、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とが共にOFFの場合には「バックアップ復帰」の処理態様が選択されるが、RAMクリアスイッチ92がOFF、設定変更操作手段93がONであっても、扉閉鎖の場合には「設定確認」ではなく「バックアップ復帰」が選択されるようになっている。
このように本実施形態では、扉(前枠3)が開放していないにも拘わらずRAMクリアスイッチ92や設定変更操作手段93がONであるという状況は不正行為が疑われることから、設定変更機能に関する「設定変更」及び「設定確認」については扉開放を条件とし、扉閉鎖の場合には、設定変更処理(S13)を実行しない「RAMクリア」、設定確認処理(S19)を実行しない「バックアップ復帰」を選択するようになっている。
S12では、入力ポートデータから扉開放信号、RAMクリアスイッチ92のON/OFF信号、設定変更操作手段93のON/OFF信号を取得する。そして、処理態様として「設定変更」を選択するための条件を満たしているか否かを判定する設定変更分岐判定処理(S13)を実行する。この設定変更分岐判定処理(S13)では、図10に示すように、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とが共にONで且つ扉開放の場合に「設定変更」の条件を満たしていると判定し(S13:Yes)、設定変更処理(S14)に移行する。
設定変更処理(S14)では、図11に示すように、まず演出制御基板83aに対して設定変更開始コマンド(BA76H)を送信する。なお、演出制御基板83aが設定変更開始コマンド(BA76H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「設定変更中」等の表示が行われる。
次に、RAMの設定値ワーク領域から設定値データを読み出して設定作業値としてレジスタにセットする(S32)。本実施形態では、設定値として設定1〜6の何れかを選択可能であり、RAM上の設定値ワーク領域には、それら設定1〜6の何れが選択されているかに応じて例えば0〜5の何れかの設定値データが格納されている。そして、設定作業値が正常範囲である0〜5の範囲内にない場合には(S33:No)、例えば設定作業値に強制的に0をセットする(S34)。もちろん、設定作業値にセットする値は0に限られるものではなく、正常範囲内(0〜5)の何れかであればよい。
続いて、所定の設定変更操作が行われたか否かを判定する(S35)。本実施形態では、RAMクリアスイッチ92を設定変更操作用にも利用しており、S35ではRAMクリアスイッチ92のONエッジを検出した場合に設定変更操作が行われたものと判定する。S35で設定変更操作が行われたと判定された場合には(S35:Yes)、設定作業値の更新処理(S36〜S38)を実行する。即ち、設定作業値をインクリメントし(S36)、インクリメント後の設定作業値が5を超えた場合(S37:No)にはその設定作業値を0に戻す(S38)。
続いて、設定作業値に基づいて、設定表示手段94に表示する設定情報を指定するための設定表示用データ(例えばドットなし)を作成し、出力する(S39)。これにより、設定表示手段94、即ち性能情報表示手段97の7セグ表示部97dには、設定作業値に対応する値(例えば設定作業値が0であれば「1」、設定作業値が5であれば「6」)が例えばドットなしで表示される。このように、S39では設定値ワーク領域の設定値データではなくレジスタの設定作業値に基づいて設定表示用データを作成するため、設定変更期間中に設定表示手段94に表示される値(例えば1〜6の何れか)はその時点の確定した設定情報ではなく、確定前の暫定的な設定情報を示している。また、そのことを明示すべく、設定表示手段94には例えばドットを付加しない「1」〜「6」を表示するようになっている。
以上のS35〜S39の処理を、設定変更終了条件が満たされるまで(S40:Yes)繰り返し実行する。本実施形態では、設定変更操作手段93のOFFエッジを検出した場合に設定変更終了条件が満たされたと判定する。以上の処理により、設定変更期間中は、RAMクリアスイッチ92の押下回数に応じて設定作業値が0〜5の範囲で循環的に変更される。
設定変更期間中に設定変更終了条件が満たされると(S40:Yes)、設定変更期間を終了し、レジスタの設定作業値を設定値ワーク領域に格納する(S41)。これにより、設定変更期間中にRAMクリアスイッチ92の操作により変更された暫定的な設定作業値が設定値データとして確定する。
そして、その確定した設定値データに基づいて、設定表示手段94に表示する設定情報を指定するための設定表示用データ(例えばドットあり)を作成し、出力する(S42)と共に、演出制御基板83aに対して設定変更終了コマンド(BA77H)を送信し(S43)、設定処理を終了する。これにより、設定表示手段94、即ち性能情報表示手段97の7セグ表示部97dには、確定した設定値データに対応する値(例えば設定値データが0であれば「1.」、設定値データが5であれば「6.」)が例えばドット付きで表示される。なお、この設定表示手段94による確定後の設定値データ(0〜5の何れか)に対応する表示は所定時間(例えば1秒間)継続することが望ましい。
このように本実施形態では、電源投入時にRAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とが共にONで且つ扉開放中である場合には、設定変更操作手段93がOFFに切り替えられるまでの設定変更期間中、設定表示手段94に表示される設定情報(例えば「1」〜「6」の何れか)を参照しつつ、RAMクリアスイッチ92を押下することによって設定作業値を0〜5の範囲で変更することができ、その後に設定変更操作手段93をOFFに切り替えることによってその暫定の設定作業値を設定値データとして確定させることができ、またそのときに設定表示手段94に表示される設定情報(例えばドット付きの「1.」〜「6.」の何れか)によってその確定内容を確認することができる。以上のように、主制御基板82aは設定変更処理(S14)を実行することにより設定変更処理手段として機能する。
以上の設定変更処理(S14)が終了すると、RAMクリア処理(S15)を実行し、後述する共通処理(S22)に移行する。このRAMクリア処理では、例えば領域内RAMにおける設定値ワーク領域とスタック領域とを除く領域を0クリアすると共に、バックアップフラグ、所定タイマ、特図停止図柄番号等に初期値を設定する。
S13の設定変更分岐判定処理に戻って説明を続ける。S13で「設定変更」の条件(図10参照)を満たしていないと判定された場合には(S13:No)、RAM異常判定処理(S16)へと移行する。RAM異常判定処理(S16)は、「RAM異常」の処理態様を選択するか否かを判定するもので、例えば設定値ワーク領域から取得した設定値データが正常範囲(ここでは0〜5の何れか)にない場合とバックアップ異常との何れかの場合に「RAM異常」の処理態様を選択して電源再投入待ち処理(S17)に移行するようになっている。
電源再投入待ち処理(S17)では、演出制御基板83aに対して電源再投入コマンド(BA7FH)を送信し、設定表示手段94、即ち性能情報表示手段97の7セグ表示部97dに例えばエラーを示す「E」を表示し、電源異常チェック処理を無限に繰り返す電源再投入待ち状態となる。演出制御基板83aが電源再投入コマンド(BA7FH)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「RAMエラー 電源再投入して設定を1に決定してください」等の表示が行われる。
このように本実施形態では、RAM異常又はバックアップ異常の場合には、電源再投入待ち状態に移行することにより、強制的に電源を再投入させるように構成されている。なお、RAM異常により電源再投入待ち処理(S17)が実行された場合、次の電源再投入時のS13で「設定変更」の条件を満たしていない場合には再びRAM異常と判定され、電源再投入待ち処理(S17)が実行される。よって、電源再投入待ちとなって電源を再投入する際には、扉(前枠3)を開放し、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とを共にONにすることによって設定変更処理(S14)を実行させ、設定値を任意の値に設定する必要がある。
S16のRAM異常判定処理に戻って説明を続ける。S16でRAM異常でもバックアップ異常でもないと判定された場合には、RAMクリア分岐判定処理(S18)へと移行する。このRAMクリア分岐判定処理(S18)は、処理態様として「RAMクリア」を選択するための条件を満たしているか否かを判定するもので、例えばRAMクリアスイッチ92がONである場合には「RAMクリア」の条件を満たしていると判定し(S18:Yes)、既に説明したRAMクリア処理(S15)に移行する。
RAMクリア分岐判定処理(S18)でRAMクリアスイッチ92がOFFの場合(処理態様として「RAMクリア」を選択するための条件を満たしていない場合)には、設定確認分岐判定処理(S19)へと移行する。この設定確認分岐判定処理(S19)は、処理態様として「設定確認」を選択するための条件を満たしているか否かを判定するもので、図10に示すように、扉(前枠3)が開放し、RAMクリアスイッチ92がOFF、設定変更操作手段93がONの場合には「設定確認」の条件を満たしていると判定し(S19:Yes)、設定確認処理(S20)に移行するが、それ以外の場合には「バックアップ復帰」の処理態様を選択してバックアップ復帰処理(S21)に移行する。
「バックアップ復帰」の処理態様が選択された場合に移行するバックアップ復帰処理(S21)では、例えば領域内RAMにおけるバックアップフラグワーク領域と、それに続くエラー関連のワーク領域とを0クリアする。このように、バックアップ復帰時であっても、エラー関連のワーク領域だけは0クリアすることで、電断前のエラー情報を持ち越さないようになっている。
「設定確認」の処理態様が選択された場合に移行する設定確認処理(S20)では、図12に示すように、まず設定確認期間が開始したことを示す設定確認開始コマンド(BA60H)を送信する(S51)。演出制御基板83aが設定確認開始コマンド(BA60H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「設定確認中」等の表示が行われる。
そして、領域内RAMの設定値ワーク領域から取得した設定値データに基づいて、設定表示手段94に表示する設定情報を指定するための設定表示用データ(例えばドットあり)を作成し、出力する処理(S53)を、設定確認終了条件が満たされるまで、即ち設定変更操作手段93のOFFエッジが検出されるまで繰り返し実行する(S53)。これにより、設定表示手段94、即ち性能情報表示手段97の7セグ表示部97dには、その時点の設定値データに対応する値(例えば設定値データが0であれば「1.」、設定値データが5であれば「6.」)が例えばドット付きで表示される。
そして、設定変更操作手段93のOFFエッジが検出されると(S53:Yes)、設定確認期間が終了したことを示す設定確認終了コマンド(BA67H)を送信し(S54)、既に説明したバックアップ復帰処理(S21)に移行する。
このように本実施形態では、電源投入時にRAMクリアスイッチ92がOFF、設定変更操作手段93がONで且つ扉開放中である場合には、設定変更操作手段93がOFFに切り替えられるまでの設定確認期間中、設定表示手段94の表示によりその時点の設定情報(例えば「1」〜「6」の何れか)を確認することができる。
上述したRAMクリア処理(S15)又はバックアップ復帰処理(S21)に続いては共通処理(S22)を実行する。この共通処理(S22)では、まず処理態様に応じて、例えば「設定変更」、「RAMクリア」の場合にはイニシャライズコマンド(BA01H)、RAMクリアコマンド(BA02H)、設定値データに基づく設定値コマンド(F6xxH)、客待ち中コマンド(BA04H)等を順次送信し、「設定確認」、「バックアップ復帰」の場合には、イニシャライズコマンド(BA01H)、停電復帰表示コマンド(BA03H)、第1,第2特別保留個数の値に基づく第1,第2特別保留個数指定コマンド(B0xxH,B1xxH)、設定値データに基づく設定値コマンド(F6xxH)、遊技状態に基づく状態指定コマンド(FAxxH〜FDxxH)及び客待ち中の場合には客待ち中コマンド(BA04H)を順次送信する。そして、各種内部機能レジスタに初期値を設定すると共に作業領域の初期設定を行う。
以上の共通処理(S22)が終了すると、メインループ処理(S23〜S28)に移行する。このメインループ処理では、割込みを禁止し(S23)、各種乱数を更新し(S24)、全レジスタをスタック領域に退避させ(S25)、領域外処理(S26)を実行した後、全レジスタを復帰させて(S27)割込みを許可する(S28)という一連の処理を繰り返し実行する。これにより、例えば4ms周期でタイマ割込み処理が呼び出され、実行される。
ここで、領域外処理(S26)では、領域外RAMチェック処理、性能表示集計除算処理等を実行する。領域外RAMチェック処理は、領域外RAMに異常があるか否かを判定し、領域外RAMに異常があると判定することを条件に、領域外RAMを初期化(クリア)する処理である。また性能表示集計除算処理は、性能表示手段95に表示するベース値を算出するもので、アウト個数が所定個数(例えば60000個)に達するまでの単位計測期間中に、その単位計測期間中における「低確率状態での払い出し個数」と「低確率状態でのアウト個数」とをカウントし、前者を後者で除算することによりリアルタイムベース値を算出する。なお、単位計測期間が終了するとき、その時点のリアルタイムベース値が新たな第1累計ベース値となり、それまでの第1,第2累計ベース値が夫々新たな第2,第3累計ベース値となる。
続いて、主制御基板82aのタイマ割込み処理(図13)について説明する。このタイマ割込み処理(図13)では、まず電源異常チェック処理(S61)を実行する。この電源異常チェック処理(S61)では、電源異常信号を監視し、電源異常と判断した場合には、RAMに記憶されているデータ(遊技情報)のバックアップ処理を行うと共に、演出制御基板83a等に対して電源断コマンドを送信し、RAMのプロテクトを有効にすると共に禁止領域を無効とする。これにより、以降の処理においてRAMへのデータ書込みが禁止される。また、全ての出力ポートの出力データをクリアし、タイマ割込みを禁止した後、WDTをクリアしつつ無限ループ処理を繰り返すことにより、電源電圧が降下してCPUが非動作状態になるのを待つ。
以上の電源異常チェック処理(S61)が終了すると、続いて遊技制御に用いられる各種タイマを管理するタイマ管理処理(S62)、各入賞手段に設けた遊技球検出手段や操作手段等の各種センサによる検出情報を管理する入力管理処理(S63)、設定値に関する異常チェックを行う設定異常チェック処理(S64)、各種エラーの発生を監視するエラー管理処理(S65)、大当たり判定乱数等の各種乱数を更新する乱数更新処理(S66)、払出制御基板90aに払出制御コマンドを送信する等の賞球管理を行う賞球管理処理(S67)を実行する。
また、賞球管理処理(S67)に続いては、普通図柄管理処理(S68)、普通電動役物管理処理(S69)、特別図柄管理処理(S70)、特別電動役物管理処理(S71)を実行する。
普通図柄管理処理(S68)は、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動を管理するもので、普通図柄始動手段61が遊技球を検出することに基づいて、当たり判定乱数値等の普通乱数情報を取得すると共にその普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の記憶領域に記憶する。そして、普通図柄表示手段51が変動表示可能な状態となり且つ1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数情報の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/はずれの判定(当たり判定)を行うと共に、その当たり判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄及び変動時間を選択し、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動を行うようになっている。
なお本実施形態では、後述する特別遊技状態中(時短状態中及び確変状態中)の当たり確率がそれ以外の通常遊技状態中の当たり確率よりも高く設定され、また特別遊技状態中における普通図柄の変動時間が通常遊技状態中よりも短くなるように設定されている。
また、普通電動役物管理処理(S69)は、普通利益状態を管理するもので、S68の当たり判定結果が当たりとなることに基づいて普通図柄表示手段51の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に、第2特別図柄始動手段63の開閉部78を所定の開閉パターンに従って開状態に変化させる普通利益状態を発生させるようになっている。
なお本実施形態では、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間が大となるように設定された延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は延長開閉パターンが夫々選択されるようになっている。
特別図柄管理処理(S70)は、第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動を管理するもので、第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出することに基づいて、大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値、その他の乱数値よりなる第1,第2特別乱数情報を取得すると共にその第1,第2特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の記憶領域に記憶する。そして、第1,第2特別図柄表示手段53,54が変動表示可能な状態となったときに、第2特別保留個数が1以上であれば第2特別乱数情報の待ち行列から、第1特別保留個数のみが1以上であれば第1特別乱数情報の待ち行列から、その先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値を用いた乱数抽選により所定の大当たり確率で大当たり/はずれの判定を行うと共に、その大当たり判定結果に応じて、演出図柄80の変動パターンを選択する変動パターン選択処理、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択処理等を実行した後、第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動を行うようになっている。このように主制御基板82aは、特別図柄管理処理(S70)を実行することにより、大当たり/はずれに関する乱数抽選を行う乱数抽選手段として機能する。
また、特別図柄管理処理では先読み判定処理も実行可能となっている。この先読み判定処理は、第1,第2特別図柄始動手段62,63に遊技球が入賞したときに取得する第1,第2特別乱数情報について、図柄変動に供されるよりも前の所定のタイミング、例えば第1,第2特別乱数情報の取得時に、その第1,第2特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値等について先読み判定を行うようになっている。
なお、例えば第1,第2特別保留個数が増加した場合には、例えば先読み判定結果に応じた保留加算コマンドを演出制御基板83aに送信し、また第1,第2特別図柄の変動を開始する際には、保留減算コマンド、変動パターンに対応する変動パターンコマンド、停止図柄に対応する停止図柄コマンドを演出制御基板83aに送信し、また第1,第2特別図柄の変動開始から変動パターンに対応する変動時間が経過して第1,第2特別図柄の変動を停止する際には変動停止コマンドを演出制御基板83aに送信する。また、第1,第2特別図柄の変動が終了し且つその時点で第1,第2特別保留個数が共に0である場合には客待ち中コマンド(BA04H)を演出制御基板83aに送信する。
ここで、大当たり確率には低確率と高確率の2種類があり、後述する特別遊技状態のうちの確変状態中は高確率に、それ以外は低確率に夫々設定される。また本実施形態では、設定値を設定1〜6の6段階に変更可能であり、その設定値に応じて大当たり確率(低確率及び高確率)が6段階に変化する。大当たり確率は、例えば設定値が大きいほど高くなっている。
また、演出図柄80の変動パターンには、リーチ状態が成立することなくはずれ態様となる通常変動パターン、リーチ状態を経てはずれ態様又は大当たり態様となるリーチはずれ/大当たり変動パターン等がある。通常変動パターンは、例えば変動時間が異なる複数種類設けられている。またリーチはずれ/大当たり変動パターンについても、リーチ成立後のリーチ演出が例えばノーマルリーチ演出で終了するノーマルリーチはずれ/大当たり変動パターン、ノーマルリーチ演出後にスーパーリーチ演出に移行するスーパーリーチはずれ/大当たり変動パターン等の種類があり、更にそれら各リーチ変動パターンの種類毎に変動時間や演出内容が異なる複数種類設けられている。
また、例えば変動パターン選択処理では、大当たり判定結果が大当たりとなった場合には、大当たり図柄乱数値等に基づいて大当たりを通常4R,確変6R等の複数種類の中から選択するようになっている。大当たりの種類は、例えば大当たり遊技の種類(開放パターンの種類)と、大当たり遊技の終了後に発生する特別遊技状態の種類等に応じて複数設けられている。例えば「通常4R」は、4Rの開放パターンによる大当たり遊技の終了後に時短状態を発生させることとなる大当たりで、大当たり遊技中は例えば出玉ありのラウンドを4ラウンド行うようになっている。また例えば「確変6R」は、6Rの開放パターンによる大当たり遊技の終了後に確変状態を発生させることとなる大当たりで、大当たり遊技中は例えば出玉ありのラウンドを6ラウンド行うようになっている。以下の説明では、終了後に確変状態を発生させない(時短状態を発生させる)大当たり遊技を通常大当たり遊技、終了後に確変状態を発生させる大当たり遊技を確変大当たり遊技という。
時短状態中は、例えば第1,第2特別図柄に関して第1,第2特別図柄表示手段53,54の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率から高確率へ、変動時間が通常変動時間から短縮変動時間へ、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は大当たり遊技が終了した時点で開始し、例えば第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の大当たり遊技が発生した時点で終了する。
また、確変状態中は、例えば時短状態と同様の切り換えに加えて、大当たり確率が低確率から高確率に切り換えられるようになっている。なお、確変状態は大当たり遊技が終了した時点で開始し、例えば次の大当たり遊技が発生した時点で終了する。
特別電動役物管理処理(S71)は、大当たり遊技を管理するもので、大当たり判定の結果が大当たりとなり、第1,第2特別図柄表示手段53,54の変動後の停止図柄が大当たり態様となった場合に、大入賞手段64を、S70で選択された4R,6R等の開放パターンに従って開状態に変化させる大当たり遊技(第1,第2特別利益状態)を発生させるようになっている。このように主制御基板82aは、特別電動役物管理処理(S71)を実行することにより、大当たり遊技(特別遊技)を実行する特別遊技実行手段として機能する。
特別電動役物管理処理(S71)に続いては、外部端子処理(S72)、情報表示管理処理(S73)を実行し、WDTをクリアして(S74)、タイマ割込み処理を終了する。外部端子処理(S72)では、外部出力端子からホールコンピュータ等の外部装置に各種情報を出力するための処理を行う。
また情報表示管理処理(S73)は、遊技情報表示手段50、性能表示手段95(性能情報表示手段97)等を構成するLEDについて例えばダイナミック点灯方式による駆動制御を行うようになっている。この情報表示管理処理(S73)により、性能表示手段95に関しては、まず全点灯と全消灯とを繰り返す動作確認表示が所定の動作確認時間(例えば約5秒間)行われた後、領域外処理(S25)の性能表示集計除算処理で算出される複数種類のベース値(ここではリアルタイムベース値、第1〜第3累計ベース値の4種類)が所定時間(例えば4.8秒)毎に切り換え表示される。
続いて、演出制御基板83aの制御動作について説明する。演出制御基板83aは、液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25、枠側可動演出手段29、盤側可動演出手段67等の各種演出手段による演出を制御するもので、図7(b)に示すように、電源投入時演出実行手段101、特別保留個数表示実行手段102、先読み予告演出実行手段103、図柄変動演出実行手段104、図柄変動中演出実行手段105、大当たり遊技中演出実行手段106、客待ち中演出実行手段107等を備えている。
電源投入時演出実行手段101は、電源投入時に主制御基板82aから各種制御コマンドを受信することに基づいて液晶表示手段66等の各種演出手段を制御するようになっている。例えば、主制御基板82aから電源投入時コマンド(BA08H)を受信すると(図8のS9)、電源投入時演出実行手段101は液晶表示手段66に「Please Wait」等の文字情報を表示する。また、設定変更開始コマンド(BA76H)を受信すると(図11のS31)、電源投入時演出実行手段101は液晶表示手段66に設定変更期間中であることを示す「設定変更中」等の文字情報を表示すると共に、電飾手段96を例えば所定の設定変更中パターンで発光させ、スピーカ18,25からは所定の設定変更中音を出力する。また、イニシャライズコマンド(BA01H)を受信すると(図9のS22)、液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25についてはそれまでの状態を継続するが、可動演出手段67等については初期動作(イニシャライズ動作)の実行を開始する。そして、RAMクリアコマンド(BA02H)を受信すると(図9のS22)、液晶表示手段66に演出図柄80による所定の図柄態様、例えば「2・3・7」(低確画面)を表示すると共に、電飾手段96を全て点灯させ、スピーカ18,25からは所定のRAMクリア音を出力し、可動演出手段67についてはそれまでの状態(初期動作)を継続する。
特別保留個数表示実行手段102は、液晶表示手段66への第1,第2特別保留個数の表示を行うもので、第1,第2特別保留個数の増減に対応して、第1特別保留個数分(最大4個)の第1保留画像X1〜X4と、第2特別保留個数分(最大4個)の第2保留画像Y1〜Y4と、変動中の第1,第2特別図柄に対応する変動中保留画像Zとを液晶表示手段66に表示するように構成されている。
本実施形態では、第1特別図柄の保留記憶よりも第2特別図柄の保留記憶を優先的に消化するため、保留表示に関しても第2特別図柄側を優先し、例えば図4に示すように第1保留画像X1〜X4の前側に第2保留画像Y1〜Y4を夫々一部重ねて表示している。主制御基板82aから第1,第2特別保留個数に関する保留加算コマンドを受信した場合には、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を待ち行列の最後尾に1個追加表示する。また、主制御基板82aから第1,第2特別保留個数に関する保留減算コマンドを受信した場合には、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を待ち行列の前側に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて変動中保留画像Zに変化させるようになっている。なお本実施形態では、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜、変動中保留画像Zの表示色(表示態様)については例えば「白」をデフォルトとし、後述する保留変化予告を実行する場合には先読み予告演出実行手段103で選択されたシナリオに従って変化させるようになっている。
先読み予告演出実行手段103は、先読み予告演出を実行するものである。先読み予告演出は、主制御基板82aによる先読み判定結果に基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となって大当たり遊技が発生するか否か等を予告するもので、先読み判定結果に基づいて、その先読み判定の対象となった特別乱数情報に対応する図柄変動までの複数回の図柄変動において例えば同一態様の演出を実行する「連続予告」、先読み判定結果に基づいて第1,第2保留画像(保留表示)X1〜,Y1〜の表示態様を異ならせる(変化させる)「保留変化予告」等がある。
図柄変動演出実行手段104は、演出図柄80の表示演出及びそれに伴う音声出力、電飾発光、可動体動作等の演出を行うもので、主制御基板82aから変動パターンコマンドを受信した場合に、指定された変動パターンに対応する変動パターンシナリオと、図柄変動中演出実行手段105によって選択された演出シナリオとに基づいて演出図柄80の変動及びそれに伴う音声出力、電飾発光、可動体動作を開始させると共に、変動停止コマンドを受信したときに、停止図柄コマンドと変動パターンコマンドとに基づいて選択された停止図柄で演出図柄80の変動を停止させ、またそれに伴う音声出力、電飾発光を停止させるようになっている。
また、図柄変動演出実行手段(設定示唆演出実行手段)104は、設定値(設定1〜6の何れか)を示唆する設定示唆演出の一例として、演出図柄80がリーチ外れ変動パターンに従って変動する場合(図柄変動でリーチが成立する場合)のリーチ構成図柄毎の出現率により設定値を示唆する設定示唆演出A(停止図柄設定示唆演出)を実行可能となっている。このように、設定示唆演出Aは、図柄変動中におけるリーチ成立時に実行される(図24参照)。
図14は設定示唆演出Aで用いるリーチ構成図柄選択テーブルで、リーチ外れ変動パターンの場合の各リーチ構成図柄(図柄P1〜P8)の選択率を設定値毎に示したものである。このリーチ図柄選択テーブルより明らかなように、設定1の場合には、図柄P1〜P8が均等に選択される(選択率0.125)のに対し、設定2〜6の場合には、夫々図柄P2〜P6の選択率(0.16)が他の図柄の選択率(0.11)よりも高くなっている。従って遊技者は、リーチ外れ変動パターンにおける各リーチ構成図柄の出現状況を観察することにより、例えば図柄P1〜P8の出現率が均等であれば設定1の可能性が高く、例えば図柄P2〜P6の何れかの出現率が他の図柄よりも高ければその図柄に対応する設定値(図柄P2であれば設定2)である可能性が高いというように設定値を予測することが可能である。
このように設定示唆演出Aを実行することにより、遊技者に対して図柄変動中の新たな楽しみを提供できる。また設定示唆演出Aの場合、遊技者が設定値を高精度で予測するためにはある程度の長さの観察期間が必要であるから、遊技継続のインセンティブとなりうる。
なお設定示唆演出Aのように、リーチ構成図柄としての図柄P1〜P8の選択率を、特定設定値の場合は均等に、それ以外の非特定設定値の場合は不均等にすることにより設定値を示唆する場合、特定設定値と非特定設定値とをどのようにするかは任意であり、例えば特定設定値を設定1,2等の複数の設定値としてもよい。
また設定示唆演出Aのように、リーチ構成図柄としての特定図柄の選択率をそれ以外の非特定図柄の選択率と異ならせることにより設定値を示唆する場合、特定図柄の選択率を非特定図柄の選択率よりも低くしてもよい。また、特定図柄を図柄P1,P2等の複数の図柄としてもよい。
図柄変動中演出実行手段(設定示唆演出実行手段)105は、演出図柄80の変動表示中に図柄変動中演出を実行するもので、例えば設定変更示唆演出実行手段108を備えている。設定変更示唆演出実行手段108は、今回の電源投入時に設定変更処理が実行されたことを示唆する設定変更示唆演出を実行するもので、電源投入時に設定変更処理が実行されたか否かに応じて、例えば電源投入後の最初の特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動開始時に、所定の可動体(ここでは枠側可動演出手段29の回転演出体29a)を所定の設定変更示唆態様で作動させるようになっている。
本実施形態の設定変更示唆演出では、設定変更示唆態様を1種類(例えば回転演出体29aを所定の原点位置から微小角度(例えば2度)だけ回転させてすぐに原点位置に戻す動作)のみ設けており(図15(b))、設定変更処理が実行された場合には、所定の確率(ここでは50%)で回転演出体29aを設定変更示唆態様で作動させ、設定変更処理が実行されていない場合には回転演出体29aを作動させないようになっている(図15(a))。これにより、遊技者が当該遊技機で朝一番の遊技を行う場合、最初の図柄変動開始時に回転演出体29aがガックンと動作すれば設定変更処理が行われたことが明らかとなる。また本実施形態の場合、設定変更示唆態様での作動率を50%としており、回転演出体29aが作動しなくても設定変更処理が行われた可能性は残るため、遊技者が完全に希望を失うことはない。
なお本実施形態の設定変更示唆演出の場合、最初の図柄変動開始時に回転演出体29aが設定変更示唆態様で作動することによって遊技者が知ることができるのは、電源投入時に設定変更処理が行われたという点のみであって、設定変更処理により設定値が実際に変更されたか否かについては知ることができず(設定変更処理を実行しても設定値は変化していない場合もある)、もちろん設定値が遊技者にとって有利/不利のどちらに変更されたかについても知ることはできない。しかしながら、遊技者はこの設定変更示唆演出によってその遊技機が前日とは異なる設定値に変更された可能性の有無を知ることができるため、一定の顧客誘引力が期待できる。即ち、例えばその遊技機の前日の設定値が1ではないかと遊技者が感じていたような場合、朝一番の図柄変動で回転演出体29aが動けば、今日は設定2以上に変更された可能性があるため、遊技者は期待感を持ってその遊技機で遊技を行うことができる。
続いて、図柄変動中演出実行手段105によって実行される図柄変動中演出について説明する。図柄変動中演出には、図柄変動後の停止図柄が大当たり態様となるか否かを予告する大当たり予告演出と、設定値(設定1〜6の何れか)を示唆する設定示唆演出とがあり、またそれらの両方の性格を併せ持つ演出もある。
図柄変動中演出実行手段105は、主制御基板82aから変動パターンコマンドを受信すると、その変動パターンコマンドから得られる情報(ここでは大当たり判定結果と変動パターン選択結果)、その時点の設定値(設定1〜6の何れか)、図柄変動中演出選択テーブル等に基づいて、各種図柄変動中演出を実行するか否かの抽選を行う。そして、複数種類の図柄変動中演出の少なくとも1つが選択された場合には、その図柄変動中演出について、複数種類のシナリオの中から1つを選択する。
以下、図柄変動中演出のうち、設定示唆演出(大当たり予告演出でもある場合を含む)の具体例を説明する。
図16(a)は、液晶表示手段66にメッセージを表示するインフォメーション予告演出(以下、設定示唆演出Bという)に関するシナリオ選択テーブルを示している。この設定示唆演出B(変動中設定示唆演出)は、大当たり予告演出でもあり、演出図柄80の変動中における任意のタイミング、例えば第1図柄(最初に停止する図柄)が停止するまでの期間中に実行される(図24参照)。
この設定示唆演出Bでは、図16(a)のシナリオ選択テーブルに示すように、図16(b)に示す5種類のメッセージM1〜M5の何れかが、変動パターン毎に設定された選択率で選択されるようになっている。図16(a)のシナリオ選択テーブルより明らかなように、メッセージM1〜M3については、メッセージM1よりもメッセージM2の方が、またメッセージM2よりもメッセージM3の方が大当たり信頼度が高くなっている。また、メッセージM4については設定1〜3の場合にのみ選択され、メッセージM5については設定4〜6の場合にのみ選択されるため、遊技者は例えば「おみくじ引いたら小吉だったよ!」というメッセージM4が出たら低設定(設定1〜3の何れか)であり、例えば「おみくじ引いたら大吉だったよ!」というメッセージM5が出たら高設定(設定4〜6の何れか)であると判断できる。なお設定示唆演出Bの場合、メッセージM4,M5の何れかが出現した時点で設定値の範囲が確定してしまうため、メッセージM4,M5の選択率は高くなりすぎないようにすることが望ましい。図16(a)ではメッセージM4,M5の選択率はその他のメッセージM1〜M3よりも低くなっている。
図17(a),(b)は、特定の変動パターン、ここではスーパーリーチ変動パターンによる図柄変動中に例えばキャラクタを登場させるスーパーリーチ中予告演出(以下、設定示唆演出Cという)に関するシナリオ選択テーブルを示している。この設定示唆演出C(変動中設定示唆演出)は、大当たり予告演出でもあり、スーパーリーチ変動パターンによる演出図柄80の変動中における任意のタイミング、例えば第1図柄が停止するまでの期間中に実行される(図24参照)。
この設定示唆演出Cでは、図17(a),(b)のシナリオ選択テーブルに示すように、3種類のキャラクタC1〜C3の何れかが、スーパーリーチ変動パターンの種類毎に設定された選択率で選択されるようになっている。
また設定示唆演出Cでは、シナリオ選択テーブルが図17(a),(b)に示す2種類用意されており、図17(c)に示すように、通常は図17(a)に示すシナリオ選択テーブルaを使用し、所定条件が成立する場合(ここでは10〜11時、18〜19時、22時以降の3つの期間(特定期間)中である場合)のみ図17(b)に示すシナリオ選択テーブルbを使用するようになっている。
シナリオ選択テーブルa(図17(a))では、キャラクタC1よりもキャラクタC2の方が大当たり信頼度が高く、キャラクタC3については、設定値に応じて選択率が変化し、例えば高設定であるほどキャラクタC3の選択率が高くなっている。従って、遊技者はキャラクタC3の出現頻度が高いほど自分に有利な設定になっていると判断できる。また、シナリオ選択テーブルaでは設定1の場合にはキャラクタC3が選択されることはないため、キャラクタC3が出現した時点で設定2以上であることが明らかとなる。
またシナリオ選択テーブルb(図17(b))は、キャラクタC3の選択率のみがシナリオ選択テーブルa(図17(a))と異なっている。即ち、シナリオ設定テーブルaでは設定1〜設定6に対応するキャラクタC3の選択率は0.00〜0.25であるのに対し、シナリオ設定テーブルbでは設定1〜設定6に対応するキャラクタC3の選択率が0.00〜0.65となっており、キャラクタC3の選択率に関する設定値間格差がシナリオ選択テーブルaよりも大となっている。
これにより、10〜11時等の特定期間中であるか否かに拘わらず、遊技者はスーパーリーチ変動パターンにおけるキャラクタC3の出現状況を観察することにより、設定値を予測することが可能であるが、更に特定期間中については、キャラクタC3の出現率が高くなり、設定値毎のキャラクタC3の出現率の差が大きくなるため、遊技者はより高い精度で設定値を予測可能である。このように、本実施形態の設定示唆演出Cは、所定条件が成立する場合に設定示唆の内容が変化する設定示唆内容可変演出となっており、その特定期間は時刻で規定されている。即ち、所定条件が成立する場合に設定示唆演出Cによる設定値の示唆度合いが高くなり、その所定条件は時刻で規定する時間条件となっている。なお、RTC(Real−Time Clock)を搭載していない場合には時刻を認識できないため、例えばソフトウェアカウンタを利用した電源投入からの経過時間により特定期間を規定してもよい。
図18(a)は、リーチ成立後の変動中に実行されるリーチ中予告演出の一例としてのタイトル予告演出(以下、設定示唆演出Dという)に関し、設定値毎の大当たり信頼度を示している。この設定示唆演出D(変動中設定示唆演出、所定事象設定示唆演出)は、例えばスーパーリーチ変動パターンにおけるスーパーリーチ演出等の開始時に、そのタイトルの表示態様によって大当たりとなるか否かを予告するもので、大当たり予告演出でもある。このように設定示唆演出Dは、スーパーリーチ演出におけるタイトル表示時に実行される(図24参照)。設定示唆演出Dでは、図18(a)に示すように、例えばタイトルの表示態様がデンジャー柄となる場合(図18(b))の大当たり信頼度を設定値毎に異ならせている。
図18(a)の例では、デンジャー柄の大当たり信頼度が、設定1では100%、その他の設定2〜6では100%未満となっているため、デンジャー柄が出現したにも拘わらず外れとなった場合には設定2以上であることが明らかとなる。また、デンジャー柄の大当たり信頼度は高設定ほど低くなっている。従って、デンジャー柄が出現したにも拘わらず外れとなった場合、遊技者にとっては残念な結果であると同時に、高設定の可能性が高まるという意味では逆に期待感を高めることができる。このように設定示唆演出Dでは、本来は遊技者にとって不利な結果であるほど、設定値に関しては遊技者に有利となるような構成であることにより、遊技者の遊技意欲を高く維持できるという利点がある。
図19(a)は、図柄変動中における大当たり確定後の再抽選(昇格)演出(以下、設定示唆演出Eという)におけるシナリオ選択テーブルを示している。この設定示唆演出E(変動中設定示唆演出)は、再抽選時の背景色を複数種類、例えば青、緑、赤、レインボー(図19(b))の何れかとすることにより設定値を示唆するもので、図19(a)に示すように、各背景色の選択率が設定値毎に異なっている。このように設定示唆演出Eは、図柄変動中における再抽選開始時に実行される(図24参照)。図19(a)の例では、青の選択率は低設定ほど高く、赤の選択率は逆に高設定ほど高く、緑の選択率は設定値に拘わらず一定となっている。また、レインボーの選択率は、設定6以外は全て0となっている。これにより、再抽選時の背景色として青の出現率が低いほど、また赤の出現率が高いほど高設定の可能性が高く、レインボーとなった場合には遊技者に有利な設定6であることが明らかとなる。
なお、パチンコ機の世界では、演出において特定の態様(例えばレインボー)が出現した場合には遊技者に有利な状況(大当たり、確変昇格等)が確約されることが遊技者の間に浸透している場合がある。このような特定の態様を設定示唆演出で用いる場合、特定の態様が出現したことによって高設定が確約されたとしても、例えば図柄変動で遊技者に不利な結果になったのでは遊技者が混乱してしまう可能性がある。従って、特定の態様を設定示唆演出で用いる場合には、設定示唆演出だけでなく図柄変動結果等に関しても遊技者に有利な状況となる場合にのみ特定の態様が出現し、それ以外の場合には特定の態様が出現しないようにすることが望ましい。例えば本実施形態の設定示唆演出Eの場合であれば、再抽選により確変大当たりに昇格しない場合には設定示唆演出を実行しないようにすることが考えられる。
図20は、特別図柄の最終停止時(図柄確定時)に例えば所定の停止ランプを発光させる停止ランプ演出(以下、設定示唆演出Fという)における発光回数選択テーブルを示している。本実施形態では、所定の停止ランプが、特別図柄の最終停止毎に例えば最大1回発光可能となっている。設定示唆演出F(変動中設定示唆演出)は、特定のタイミング(ここでは特別図柄(第1,第2特別図柄)の累計変動回数が特定累計回数(ここでは2000回)に達した後、特定回数(ここでは100回)変動する毎)で実行され、特別図柄が所定回数(ここでは20回)変動する間の停止ランプの発光回数を0,1,2以上の何れかとすることにより設定値を示唆するようになっている。設定示唆演出Fの実行中以外は停止ランプは発光しない。このように設定示唆演出Fは、図柄変動中における図柄確定時に実行される(図24参照)。なお、遊技盤16等に専用の停止ランプを設けてもよいし、遊技盤16等に配置されている特定のランプを停止ランプとして利用してもよい。
図20に示す発光回数選択テーブルでは、設定1,2の場合には発光回数0回のみが選択され、設定3,4の場合には発光回数0,1回の何れかが選択され、設定5,6の場合には発光回数0,1,2回の何れかが選択されるようになっている。これにより、設定示唆演出Fにおける特定の20回の図柄変動中、停止ランプの発光回数が1回であれば設定3以上であることが明らかとなり、また2回以上であれば設定5以上であることが明らかとなる。
本実施形態では、電源投入後の特別図柄(第1,第2特別図柄)の累計変動回数が特定累計回数(ここでは2000回)に達した後、特定回数(ここでは100回)変動する毎に設定示唆演出Fを実行するようになっており、それ以外の期間(設定示唆演出Fを実行しない期間)については、設定示唆演出Fの発光回数選択テーブルを変更して発光回数0回のみを選択するものであるとも言える。即ち本実施形態の設定示唆演出Fは、所定条件が成立する場合に設定示唆演出の出現率が高くなる設定示唆内容可変演出となっており、その所定条件は特別図柄の累計変動回数(遊技を行うことによって増加する特定値)で規定する遊技実績条件となっている。
大当たり遊技中演出実行手段106は、大当たり遊技中の演出を実行するもので、例えば大当たり遊技の開始から終了までのオープニング中、ラウンド中、エンディング中に液晶表示手段66に各種演出画像を表示すると共にそれに伴う音声出力、電飾発光、可動体動作等の演出を行うようになっている。
また大当たり遊技中演出実行手段(設定示唆演出実行手段)106は、大当たり遊技中に設定値(設定1〜6の何れか)を示唆する設定示唆演出を実行可能となっている。以下、大当たり遊技中に実行する設定示唆演出の具体例を説明する。
図21は、大当たり遊技中の入賞音(ここではオーバー入賞音)による設定示唆演出(以下、設定示唆演出Gという)における入賞音選択テーブルを示している。ここで、オーバー入賞とは、大当たり1ラウンド(単位開放期間)における大入賞手段(特定入賞手段)64への上限個数を超えた入賞であり、オーバー入賞音とはそのオーバー入賞に対して出力される入賞音である。このように、設定示唆演出Gは大当たり遊技中における各ラウンド中に実行される(図24参照)。本実施形態では、オーバー入賞音(特定入賞音)として通常音と特別音の2種類設けられており、設定示唆演出G(入賞音設定示唆演出)ではそれら通常音と特別音の選択率が設定値毎に異なっている。即ち、図21に示すように、通常音については高設定になるほど選択率が低くなるが、特別音については逆に高設定になるほど選択率が高くなり、設定1の場合には必ず通常音が選択されるようになっている。これにより、オーバー入賞時に特別音が出力された場合には設定2以上であることが明らかとなり、また特別音の出力頻度が高いほど高設定である可能性が高くなる。このようなオーバー入賞音による設定予告演出Gを実行することにより、遊技者に大当たり遊技中の新たな楽しみを提供できる。なお、図21に示すオーバー入賞音選択テーブルによるオーバー入賞音の抽選はオーバー入賞毎に行ってもよいし、例えば大当たりラウンド毎に行ってもよい。
図22は、例えば大当たり遊技の終了時(例えばエンディング中)に出力される台詞音声(特別遊技終了時演出)による設定予告演出(以下、設定示唆演出Hという)における台詞選択テーブルを示している。即ち設定示唆演出H(特別遊技終了時設定示唆演出)は、大当たり遊技の終了時に実行される(図24参照)。
設定示唆演出Hでは、大当たり遊技のうちの例えば通常大当たり遊技の終了時に、所定の確率(50%,100%等)で出力される台詞音声の種類が設定値毎に異なっている。即ち、図22(a)に示すように、台詞L1については設定2以上の場合のみ、台詞L2については設定値が偶数の場合のみ、台詞L3については設定値が奇数の場合のみ、台詞L4については設定3以上の場合のみ、台詞L5については設定6の場合のみ、夫々選択率が0よりも大となっている。これにより、台詞L1が出力された場合には設定2以上であり、台詞L2が出力された場合には設定2,4,6の何れかであり、台詞L3が出力された場合には設定1,3,5の何れかであり、台詞L4が出力された場合には設定3以上であり、台詞L5が出力された場合には設定6であることが夫々明らかとなる。
なお、台詞L1〜L5は、設定示唆内容を暗示するものとすることが望ましい。本実施形態では、図22(b)に示すように、設定2以上に対応する台詞L1は「いいことありそう」、それよりも遊技者に有利な設定3以上に対応する台詞L4は「もっといいことありそう」となっており、台詞L1よりも台詞L4の方が遊技者に有利であることを暗示している。また、偶数の設定値に対応する台詞L2は偶数を暗示する「(ぐー)っとこらえてがんばろう」、奇数の設定値に対応する台詞L3は奇数を暗示する「(き)っとだいじょうぶ」となっている。更に設定6に対応する台詞L5は最高設定値であることを暗示する「最高の天気だね」となっている。
客待ち中演出実行手段107は、主制御基板82aから客待ち中コマンド(BA04H)を受信してから第1,第2特別図柄表示手段53,54による図柄変動が開始されるまでの客待ち中の演出を実行するもので、バックアップ復帰時以外の客待ち中コマンド受信時には、液晶表示手段66の表示については、例えば180秒経過後にデモ演出を開始するまでそのまま継続し、電飾手段96を例えば所定の客待ちパターンで発光させ、スピーカ18,25からは例えば30秒経過後にフェードアウトするまでBGM出力を継続し、可動演出手段67については例えば原点位置に停止した状態を維持する(変化無し)ようになっている。一方、バックアップ復帰時における客待ち中コマンド受信時には、液晶表示手段66の表示については、例えば180秒経過後にデモ演出を開始するまで演出図柄80による所定の図柄態様、例えば「2・3・7」等の低確画面を表示すると共に、電飾手段96を例えば所定の客待ちパターンで発光させ、スピーカ18,25からは例えば30秒経過後にフェードアウトするまでBGM出力を継続し、可動演出手段67については例えば原点位置に停止した状態を維持する(変化無し)ようになっている。
また客待ち中演出実行手段107は、客待ち中に設定値(設定1〜6の何れか)を示唆する設定示唆演出を実行可能となっている。以下、客待ち中に実行する設定示唆演出の具体例を説明する。
図23は、客待ち中における特定デモ演出の出現率により設定値を示唆する設定示唆演出(以下、設定示唆演出Iという)に関し、設定値毎の特定デモ演出の出現率を示している。客待ち中に実行するデモ演出は例えば特定デモ演出を含む複数種類設けられている。設定示唆演出Iでは、図23に示すように、高設定ほど特定デモ演出の出現率が高くなっているため、遊技者は客待ち中における特定デモ演出の出現状況を観察することにより設定値をある程度予測することができる。
また本実施形態の設定示唆演出Iでは、特定デモ演出の出現率が特定期間中(ここでは大当たり間の特別図柄変動回数が500回以上)とそれ以外とで異なっている。即ち、図23に示すように、設定1から設定6までの特定デモ演出の出現率の差は、特定期間中もそれ以外も同じ0.2であるが、個々の出現率の値については特定期間中の方が高くなっている。これにより、特定期間中は特定デモ演出の出現率が全体に高くなるため、設定値の予測がより容易となる。このように、本実施形態の設定示唆演出Iは、所定条件が成立する場合に設定示唆の出現率が高くなる設定示唆内容可変演出となっており、その所定条件は大当たり間の特別図柄の変動回数(遊技を行うことによって増加する特定値)で規定する遊技実績条件となっている。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、設定値を示唆する設定示唆演出、電源投入時に設定変更処理が行われたことを示唆する設定変更示唆演出、所定条件が成立する場合に設定示唆演出の出現率を高くし、或いは設定値の示唆度合いを高くする設定示唆内容可変演出を実行可能であるため、その遊技機の設定状況を利用して遊技者の遊技意欲を効果的に喚起することが可能である。
図25は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態における設定変更示唆演出(図15)を一部変更して、設定示唆態様を複数種類設けた例を示している。
本実施形態の設定変更示唆演出は、電源投入時に設定変更処理が実行されたか否かに応じて、電源投入後の最初の特別図柄の変動開始時に、所定の可動体(ここでは枠側可動演出手段29の回転演出体29a)を所定の設定変更示唆態様で作動させる点については第1の実施形態と共通するが、設定変更示唆態様が複数種類(ここでは2種類)設けられており、回転演出体29aがそれら2種類の設定変更示唆態様の何れかで必ず作動する点で相違している。それら2種類の設定変更示唆態様は、回転演出体29aを所定の原点位置から所定角度だけ回転させてすぐに原点位置に戻す動作である点で共通するが、その回転角度が例えば設定変更示唆態様2よりも設定変更示唆態様1の方が大きくなっている(図25(b))。
本実施形態の設定変更示唆演出では、設定変更処理が実行された場合には、所定の確率(ここでは100%)で回転演出体29aを設定変更示唆態様1で作動させ、設定変更処理が実行されていない場合には、回転演出体29aを設定変更示唆態様1,2の何れか(例えば振分率50:50)で作動させるようになっている(図25(a))。これにより、遊技者は回転演出体29aが動作したか否かではなく、その動作角度によって設定変更処理の有無を予測する必要があるため、第1の実施形態に比べて難易度が高くなる。
なお、図25(a)を変更し、例えば設定変更処理が実行された場合には回転演出体29aを設定変更示唆態様1,2の何れか(例えば振分率50:50)で作動させ、設定変更処理が実行されていない場合には回転演出体29aを設定変更示唆態様1で作動させるようにしてもよい。
図26は本発明の第3の実施形態を例示し、設定変更処理が行われたか否かを背景画像の切り替えによって示唆する設定変更示唆演出の例を示している。
本実施形態のパチンコ機では、電源投入後に遊技を開始した後、例えば図柄変動中における液晶表示手段66の背景画像(演出態様)を所定のタイミング(例えば特別図柄が所定回数変動する毎)で順次切り替えるようになっている。そして本実施形態の設定変更示唆演出は、背景画像の切り替え時時(例えば初回切り替え時)に通常とは異なる特別背景画像(特別演出態様)を出現させることによって設定変更処理が実行されたことを示唆するようになっている。
即ち本実施形態の設定変更示唆演出では、図26に示すように、設定変更処理が実行されていない場合には、図柄変動中の背景画像を通常第1背景画像→通常第2背景画像→通常第3背景画像→…のように切り替えるのに対し、設定変更処理が実行された場合には、所定の確率(ここでは30%)で、通常第1背景画像→特別背景画像→通常第3背景画像→…のように初回切り替え時に通常第2背景画像ではなく特別背景画像に切り替えるようになっている。このように、本実施形態の設定変更示唆演出では、特別背景画像が出現した場合、その特別背景画像は次回切り替え時まで継続的に表示されるため、第1の実施形態の設定変更示唆演出に比べて出現期間が長く、遊技者が見逃してしまう可能性は小さくなる。
図27は本発明の第4の実施形態を例示し、設定変更処理が行われたか否かを客待ち中のデモ演出における特定画像によって示唆する設定変更示唆演出の例を示している。
本実施形態の設定変更示唆演出では、客待ち中のデモ演出で表示される特定画像(ここでは特定背景画像)として通常とは異なる特別画像(特別態様)を出現させることによって設定変更処理が実行されたことを示唆するようになっている。
即ち本実施形態の設定変更示唆演出では、図27に示すように、設定変更処理が実行されていない場合には、デモ演出で表示される特定背景画像として通常画像を用いるのに対し、設定変更処理が実行された場合には、所定の確率(ここでは10%)で通常画像ではなく特別画像を用いるようになっている。なお、特別画像についてはその後の所定のタイミング、例えば初回大当たり後に通常画像に切り替えられる。このように、本実施形態の設定変更示唆演出では、デモ演出で表示される特定背景画像として特別画像が出現した場合、その特別画像は例えば初回大当たりまではそのまま使用されるため、第1〜第3の実施形態の設定変更示唆演出に比べて出現期間が長く、遊技者が見逃してしまう可能性がより小さくなる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態の設定変更示唆演出では設定変更処理を実行したか否かを示唆するものとしたが、設定値が変更されたか否か、設定値が高設定方向に変更されたか否か等を示唆するものとしてもよい。
設定変更示唆演出C(図17)では、所定条件が成立する場合(時刻で規定する特定期間中)に設定示唆内容(設定値の示唆度合い)を変更するように構成したが、その設定示唆内容を変更するための所定条件としては、時刻又は電源投入時からの経過時間で規定する時間条件の他、遊技を行うことによって増加する特定値で規定する遊技実績条件を用いてもよいし、それらを組み合わせてもよい。この場合の特定値としては、アウト数(遊技領域23に打ち込まれた遊技球の個数)、特別図柄の変動回数等が考えられる。例えば時間条件のみを用いた場合、遊技実績があってもなくても例えば特定の時刻になれば条件成立となるが、時間条件と遊技実績条件とを組み合わせることにより、例えば特定の時刻になってもある程度遊技実績がなければ条件成立とはならないようにすることができる。
複数の設定示唆演出のうちの1つのみを設定示唆内容可変演出としてもよいし、複数の設定示唆演出を設定示唆内容可変演出としてもよい。
第1設定示唆演出と第2設定示唆演出とを含む複数の設定示唆演出を実行する場合、所定条件が成立した場合には第1設定示唆演出の出現率は変更せず、第2設定示唆演出の出現率を変更(高く/低くする)してもよい。この場合、第2設定示唆演出は1つでも2つ以上でもよい。
また、第1設定示唆演出と第2設定示唆演出とを含む複数の設定示唆演出を実行する場合、所定条件が成立した場合には第1設定示唆演出の出現率を高くし、第2設定示唆演出の出現率を低くしてもよい。この場合、第1設定示唆演出、第2設定示唆演出は1つでも2つ以上でもよい。また所定条件が成立しても出現率を変更しない第3設定示唆演出を設けてもよい。
また、第1設定示唆演出と第2設定示唆演出とを含む複数の設定示唆演出を実行する場合、所定条件が成立した場合には第1設定示唆演出の示唆度合いは変更せず、第2設定示唆演出の示唆度合いを変更(高く/低くする)してもよい。この場合、第2設定示唆演出は1つでも2つ以上でもよい。
また、第1設定示唆演出と第2設定示唆演出とを含む複数の設定示唆演出を実行する場合、所定条件が成立した場合には第1設定示唆演出の示唆度合いを高くし、第2設定示唆演出の示唆度合いを低くしてもよい。この場合、第1設定示唆演出、第2設定示唆演出は1つでも2つ以上でもよい。また所定条件が成立しても示唆度合いを変更しない第3設定示唆演出を設けてもよい。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。