[第1実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成されている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図7参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(特別遊技状態)、小当り遊技状態(小当り状態)である。
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下させる右打ちが含まれる。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2Aを参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2Aは、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図2Aに示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステージ部40bは、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動した遊技球は始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞しやすくなっている。
センターケース40の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dが設けられる。上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dは、盤装飾装置46(図4参照)及び盤演出装置44(図4参照)の一部を構成している。
センターケース40の右側方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a〜35n(図3参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する始動入賞口(第1始動入賞領域)36が設けられ、その直下には第2始動入賞口(第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37が設けられる。普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する可動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
可動部材37bは、所謂ベロ型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図3参照)を介して回動して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
普通変動入賞装置37の右下方の遊技領域32には、大入賞口ソレノイド(39b)(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉39cを有する特別変動入賞装置39が設けられている。特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウントスイッチ39a(図3参照)が配設されている。また、特別変動入賞装置39の大入賞口内や大入賞口近傍(大入賞口の周囲)には、大入賞口を照らす1つ又は複数の大入賞口LED39d(フルカラーLED)が配設されている。
一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置39の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。また、普通変動入賞装置37の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える(図2B参照)。
図2Bは、一括表示装置50の構成を示す図である。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51(特図1表示器、ランプD1)及び第2特図変動表示部52(特図2表示器、ランプD2)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(普図表示器、ランプD8、D10、D18)と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、を有している。特図1保留表示器54はランプD11、D12により構成される。特図2保留表示器55は、ランプD13、D14により構成される。普図保留表示器56は、ランプD15、D16により構成される。
また、一括表示装置50には、右打ち時(右打ちすべき時)又は左打ち時(通常打ち時)であることを報知する第1遊技状態表示部57(第1遊技状態表示器、ランプD7)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58(第2遊技状態表示器、ランプD17)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部59(第3遊技状態表示器、確率状態表示部、ランプD9)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(ランプD3−D6)が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52において、変動表示ゲームは、識別情報(例えば、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、このようなセグメント型の表示部に限らず、複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよい。普図表示器53においても、変動表示ゲームは、ランプD10、D18の点灯消灯を繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。また、普図表示器53も特図1表示器51、特図2表示器52と同様に適宜構成することが可能である。
ランプ表示装置80は、図柄(後述の第四特別図柄)として点灯表示と消灯表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行するランプ表示部1、2(LED)と、各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用のランプ表示部3−6(LED)を有する。なお、ランプ表示装置80は、演出制御装置300(後述)で制御される。
ランプ表示部1、2は、変動表示として所定の点滅周期(例えば200msec(ミリ秒))で点滅する。一括表示装置50の特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53における変動表示の変動時間が遊技制御装置100で計測されるのに対して、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2の変動時間は演出制御装置300(後述)で計測される。
ランプ表示部3、4(特図1保留LED1、特図1保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態の組合せによって、特図1保留数(第1始動記憶数)を表示する。同様に、ランプ表示部5、6(特図2保留LED1、特図2保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態の組合せによって、特図2保留数(第2始動記憶数)を表示する。ランプ表示部3−6は、大当り発生により保留数の表示を終了するが、大当り状態中以外の場合(表示装置41で後述のリーチが発生している場合も含む)では、保留数の表示を行う。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の始動入賞口36への入賞及び普通変動入賞装置37への入賞は、始動口1スイッチ36a(図3参照)及び始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2において、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)によって第四特別図柄が変動する。ランプ表示部1、2の変動表示は、開始から所定時間後に、はずれの場合は「消灯」、大当りもしくは小当りの場合は「点灯」で停止する。
始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド(39b)(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が小当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定結果態様(小当り結果態様)が導出され、小当り状態となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は小当り結果態様となる。なお、本実施形態では、小当りの判定にも大当り乱数値が使用されるが、小当り値(小当り判定値)は、大当り値(大当り判定値)と異なる。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の短時間だけ閉状態から開状態に変換される。なお、大入賞口の全開放時間は、小当り状態(小当り遊技状態)の方が大当り状態(特別遊技状態)よりも短いため、小当り状態では大当り状態よりも遊技者が獲得可能な遊技価値(獲得球数)が少ない。なお、小当り状態と大当り状態では両方とも大入賞口が開放状態となるが、大当り状態を第1特別遊技状態と呼び、小当り状態を第2特別遊技状態と呼んでもよい。
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。
大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特定結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選した場合のように上述の特定のフラグがセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様の意味を有する用語として使用している。
具体的には、大当りの場合は、大当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放されるのに対して、小当りの場合は、小当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ(39a)には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100(主基板)は、操作者の回転操作等によってオンすることによって遊技条件(遊技)に関する設定値を変更可能な状態にする設定キースイッチ93と、操作者の操作に応じて遊技条件に関する設定値を変更可能な設定値変更スイッチ102と、を備える。本実施形態では、遊技条件(遊技)に関する設定値は、大当り確率の確率設定値であるが、大当り確率以外の他の遊技条件(小当り確率や確変突入率など)も確率設定値に応じて変更可能である。設定キースイッチ93と設定値変更スイッチ102は、遊技条件に関する設定(設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)を構成する。なお、本実施形態において、設定値を確定させるための確定信号として、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチのタッチスイッチ信号を利用するが、操作可能な確定ボタンスイッチ(操作手段、操作部)を遊技制御装置100に設けて、確定ボタンスイッチからの信号を、設定値を確定させるための確定信号として利用してもよい。
設定キースイッチ93と設定値変更スイッチ102は、遊技機10内部の遊技制御装置100上に設けられることによって、前面枠12(本体枠)が開放されなければ操作できない位置(アクセスできない位置)に配置される。即ち、一般の遊技者は、設定キースイッチ93と設定値変更スイッチ102にアクセスして操作することができない。なお、本実施形態において、設定キースイッチ93と設定値変更スイッチ102は、遊技制御装置100上に組み付けるようにして設けるが、電源装置400の電源基板上など、前面枠12(本体枠)が開放されなければアクセスできない位置に設けてもよい。
遊技機10の電源投入の際に、前面枠12(本体枠)が開放されて設定キースイッチ93がオンした状態にある場合、操作者が設定値変更スイッチ102(設定値変更ボタン)を操作することによって、大当りの確率や確変突入率などの遊技条件に関する設定(設定値)を変更することができる。即ち、電源投入のときに、前面枠12が開放され設定キースイッチ93がオンした状態が、設定(設定値)の変更が可能となる設定可変状態となる。通常の手順では、操作者は、前面枠12を開放して設定キースイッチ93を回転操作してオン位置にし電源投入を行うと、設定変更中の状態に相当する設定可変状態となる。設定可変状態は、スピーカからの音声によって報知されてもよい。なお、電源投入のときに、ガラス枠15が開放され設定キースイッチ93がオンした状態を設定可変状態としてもよいし、前面枠12とガラス枠15の両方が開放され設定キースイッチ93がオンした状態を設定可変状態としてもよい
本実施形態において、遊技条件に関する設定値は、6段階で規定され、設定値1(設定1)、設定値2(設定2)、設定値3(設定3)、設定値4(設定4)、設定値5(設定5)、設定値6(設定6)がある。設定値1が遊技者に最も不利な設定であり、設定値6が遊技者に最も有利な設定である。設定値1、2が低設定であり、設定値3、4が中間の設定(中間設定)であり、設定値5、6が高設定である。
設定値変更処理では、操作者によって設定値変更スイッチ102(設定値変更ボタン)が操作される度に、設定値(設定)を設定値1→設定値2→設定値3→設定値4→設定値5→設定値6→設定値1→設定値2→・・・のように変更して選択する。なお、設定値変更ボタンの操作ではなく、設定キースイッチ93を所定の位置に回転操作して設定値を変更する構成としてもよい。また、設定値は6段階に限られない。そして、選択されている1〜6の設定値が、7セグメント型の表示器である確率設定値表示装置143等に表示される。なお、確率設定値表示装置143は、電気回路を介して設定値変更スイッチ102の操作に直接連動して表示を変化させてよい。後述のように、一括表示装置50の変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51及び/又は第2特図変動表示部52に、選択されている1〜6の設定値を表示してもよい。
操作者が操作ハンドル24に触れることによってタッチスイッチ信号が遊技制御装置100に入力されると、選択(変更)された設定値(即ち設定)が確定してRWM(記憶手段)内の確率設定値領域に記憶され、設定値変更処理は終了する。なお、タッチスイッチ信号に関係なく、設定値変更後に設定キースイッチ93をオフしたり、設定可変状態になってから所定時間経過すると、遊技制御装置100が設定値(即ち設定)を確定して記憶する構成も可能である。
一方、遊技機10の電源投入後に、前面枠12(本体枠)を開放して設定キースイッチ93を回転操作してオフ状態からオン状態にすると、設定値確認モード(設定確認状態)になる。設定値確認モードでは、確率設定値表示装置143に表示された設定値を確認できる。一括表示装置50の変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51及び/又は第2特図変動表示部52に、選択されている1〜6の設定値を表示して確認してもよい。設定値確認モード(設定確認状態)は、スピーカからの音声によって報知されてもよい。
なお、設定値変更スイッチ102(設定値変更ボタン)はRAM初期化スイッチ(RAMクリアスイッチ)としても使用可能であり、電源投入(電源復旧)の際に初期化スイッチがオン状態であると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様(大当り態様)が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出の系統として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、大当りの期待度(期待値)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、小当りの図柄を決定するための小当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aの検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠12(本体枠)等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号が入力される。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第2入力ポート123に入力されるようにしてもよい。
また、第2入力ポート123(入力ポート3)は、設定キースイッチ93からの設定キースイッチ信号と、設定値変更スイッチ102からの設定値変更スイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポート124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート123や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号、アウト球検出スイッチからのアウト球検出スイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。本実施形態において、アウト球検出スイッチ(不図示)は、遊技領域に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するものである。アウト球検出スイッチ(不図示)は、アウト口30bを通過する遊技球のみを検出してもよい。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放させるソレノイド(普電ソレノイド)37c、特別変動入賞装置39を開放させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)39bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
また、出力部130には、設定値(確率設定値)の情報を確率設定値表示装置143に出力するための第6出力ポート141(確率設定値表示出力ポート)が設けられている。本実施形態において、確率設定値表示装置143は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)であるが、設定値(確率設定値)の情報を、第6出力ポート141からドライバ(LEDドライバ)を介して確率設定値表示装置143に出力してよい。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド39bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置250へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置250との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力されるシリアルデータ(制御用データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)など)を受けて、状態表示装置152を駆動するドライバ150が設けられている。本実施形態では、状態表示装置152は、複数(4つ)の7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)からなり、ドライバ150はLEDドライバであるが、これに限られるものではない。
状態表示装置152は、遊技制御装置100(主基板)上に設けられるものであるが、他の場所に設けられてもよい。例えば、状態表示装置152は、4桁の7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器であり、役物比率や出玉率や排出球数を表示可能である。なお、状態表示装置152は、役物比率や出玉率や排出球数を直接的に表示するものに限られずに、排出球数、出玉率、役物比率を間接的に表示するものでもよい。即ち、状態表示装置152は、役物比率や出玉率や排出球数に関する情報を表示できればよい。
ここで、排出球数は、遊技領域32から排出された遊技球の数(アウト球数とも呼ぶ)であり、入賞口を通過した遊技球の数(入賞数)とアウト口30bを通過した遊技球の数との合計である。排出球数は、球発射装置から遊技領域32に発射された遊技球の個数である発射球数と基本的に同じになる。排出球数は、アウト球検出スイッチの信号をカウント(計数)することにより取得できる。本実施形態では、入賞口には、一般入賞口35、始動入賞口36(第1始動入賞口、始動口1)、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動口2)、及び、特別変動入賞装置39(大入賞口)が含まれる。排出球数は、カウントダウン表示され、(100−排出球数)が表示され、100個(所定個数)までしかカウントされない。なお、排出球数は、「00」から「99」へとカウントアップ表示されてもよい。
出玉率は、排出球数(或は発射球数)に対する賞球数の合計の比率(割合)であり、(獲得球数÷排出球数)×100(%)で計算される。即ち、出玉率は、排出球数100個当りの獲得球数(賞球数の合計)となる。
なお、本実施形態では、出玉率は、排出球数が100個になる度に、排出球数が0から100個になるまでの間の獲得球数から簡易に求められる。即ち、排出球数は、100個(所定個数)までしかカウントされない。なお、排出球数が100個(所定個数)になる度に、出玉率は、排出球数が1から100個に変化するまでの間の最新の出玉率へと更新される。これにより、状態表示装置152に獲得球数(賞球数の合計)をそのまま表示すれば、出玉率が表示されることになる。
例えば、役物比率は、所定期間(例えば、遊技機10の電源投入から現在まで)に入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物比率)である。なお、役物比率は、全賞球数のうち、大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(大当り状態中と小当り状態中)の割合(=大入賞口比率)でもよいし、或は、大入賞口及び普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球数の割合(=一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率))でもよい。
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。なお、盤装飾装置46には、前述のランプ表示装置80が含まれてよい。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。高確率状態(確変状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態となる。なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして普電サポートを実行する。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を通常の第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間にする時間短縮変動が可能である(例えば、10000msecが1000msec)。なお、時短状態においては、特図変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され、特図変動表示ゲームの時間短縮変動も実行する。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604msec)よりも短い第2停止時間(例えば704msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100msec)よりも長い第2開放時間(例えば1352msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、通常遊技状態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲームの実行回数が通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5A及び図5Bに示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5A及び図5Bは、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
図5Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h〜01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、入力ポート3(第2入力ポート123)の状態を読み込む(A1006)。これにより、設定キースイッチ93、設定値変更スイッチ102、ガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号を読み込むことができる。
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第2入力ポート123(入力ポート3)には、設定キースイッチ93からの設定キースイッチ信号と設定値変更スイッチ102からの設定値変更スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第2入力ポート123の状態を読み込むことで、設定キースイッチ93や設定値変更スイッチ102の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ93や設定値変更スイッチ102の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ93や設定値変更スイッチ102を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ93や設定値変更スイッチ102を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った設定キースイッチ93や設定値変更スイッチ102の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1012)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(A1008)、停電監視信号がオンである否かを判定する(A1009)。
遊技制御装置100は、停電監視信号がオンである場合には(A1009の結果が「Y」)、ステップA1008の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1010)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1010の結果が「N」)、ステップA1009の停電監視信号がオンであるか否かを判定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンでない場合(A1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1011)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1012)。タイマの値が0でない場合(A1012の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の停電監視信号のチェック回数を設定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1012の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1013)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1014)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1015)。さらに、状態表示装置152を駆動するドライバ150を初期設定する(A1016)。
ここで、遊技制御装置100は、初期設定の内容に対応する制御用データを含むコマンドを、第2出力ポート134(シリアル通信回路)の送信バッファに書き込んでドライバ150に送信する。例えば、遊技制御装置100は、初期設定においてデューティ比を設定する。デューティ比は、状態表示装置152の各LEDの明るさに対応する。デューティ比に対応する制御用データは、ドライバ150(LEDドライバ)のデューティ設定部で使用される。各LEDを省電力で暗めにするため、ドライバ150のデューティ比を通常より小さくしてよい。次に、遊技制御装置100は、初期設定において、状態表示装置152の使用桁数を設定する。本実施形態では、使用桁数は4である。使用桁数に対応する制御用データは、ドライバ150(LEDドライバ)の桁数設定部で使用される。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1017)。そして、正常であれば(A1017の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1018)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1018の結果が「Y」)、RWM内の所定領域(例えば遊技制御用作業領域)のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1019)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1020)。チェックサムが一致する場合には(A1020の結果が「Y」)、RAM111cは正常であり、RAMクリア先頭アドレス2を設定する(A1021)。
図5Cは、遊技用マイコン111のRAM111cの構成を示す図である。図5Cのように、RAMクリア先頭アドレス2は、確率設定値領域をクリア対象のRAM領域から外すように設定される。RAMクリア先頭アドレス2によって、クリア対象のRAM領域は、図5Cのクリア領域#2となる。クリア領域#2は、乱数領域、制御用情報領域、遊技制御用スタック領域を含む。乱数領域は、各種初期値乱数を記憶する初期値乱数領域と、変動パターン乱数を記憶する変動パターン乱数領域を含む。制御用情報領域は、停電検査領域1からチェックサム領域までの領域であり、停電検査領域1、停電検査領域2、チェックサム領域などを含む。なお、乱数領域はクリア領域#2から除いてもよい。なお、クリア領域#2に、役物比率など状態表示装置152に表示する情報を記憶する状態表示用作業領域と、状態表示装置152に表示する情報を処理するための状態表示用スタック領域は含まれない。
なお、図5Cにおいて、確率設定値領域、乱数領域、制御用情報領域からなる遊技制御用作業領域と遊技制御用スタック領域との間に、未使用領域を設けてもよい。また、状態表示用作業領域と状態表示用スタック領域との間に、未使用領域を設けてもよい。また、状態表示用スタック領域がRAM111cのアドレスの最後尾に配置され、図5Cの最後尾の未使用領域(図5Cの最下部)をなくしてもよい。
次に、遊技制御装置100は、確率設定変更中(設定可変状態中、設定変更状態中)であるか否かを判定する(A1022)。遊技制御装置100は、確率設定変更中である場合に(A1022の結果が「Y」)、ステップA1036−A1041の確率設定変更中の処理を実行する。確率設定値変更中フラグ(A1038)がセットされている場合に確率設定変更中であると判定できる。
遊技制御装置100は、確率設定変更中でない場合に(A1022の結果が「N」)、前面枠12(本体枠)は開放状態であるか否か判定する(A1023)。前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号が入力されている場合に、前面枠12(本体枠)は開放状態であると判定できる。なお、ステップA1023では、前面枠12の代わりにガラス枠15が開放状態であるか否か判定してもよいし、前面枠12とガラス枠15の両方が開放状態であるか否か判定してもよい。なお、ガラス枠開放検出スイッチ63からの信号が入力されている場合に、ガラス枠15は開放状態であると判定できる。
遊技制御装置100は、前面枠12(本体枠)が開放状態である場合に(A1023の結果が「Y」)、設定キースイッチ93はオンであるか否かを判定する(A1024)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1024の結果が「Y」)、設定(設定値)の変更が可能となる設定可変状態であるため、ステップA1036−A1041の設定可変状態でのRAM初期化処理(RAMクリア処理)と設定変更中の処理を実行する。
遊技制御装置100は、前面枠12(本体枠)が開放状態でない場合(閉状態の場合)(A1023の結果が「N」)、又は、設定キースイッチ93がオフの場合に(A1024の結果が「N」)、設定値変更スイッチ102がオンしているか否かを判定する(A1025)。設定値変更スイッチ102がオンしていない場合に(A1025の結果が「N」)、ステップA1031−A1035の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を実行する。
一方、遊技制御装置100は、設定値変更スイッチ102がオンしている場合に(A1025の結果が「Y」)、ステップA1042−A1045のRAM初期化(RAMクリア)の処理を実行する。なお、ここで、設定キースイッチ93のオフ状態で、電源投入の際に設定値変更スイッチ102が操作されて(押されて)オンしているため、設定値変更スイッチ102はRAM初期化スイッチ(RAMクリアスイッチ)として使用されていることになる。なお、前面枠12の閉状態(A1023の結果が「N」)で、設定値変更スイッチ102がオンする状況は実際にはない。初期化スイッチとしても機能し得る設定値変更スイッチ102は外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
また、遊技制御装置100は、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1017の結果が「N」、又は、A1018の結果が「N」)、チェックサムが一致しない場合には(A1020の結果が「N」)、RAM111cの異常が生じており、ステップA1026以降のRAM異常に対処する処理に移行する。まず、RAMクリア先頭アドレス1を設定する(A1026)。図5Cのように、RAMクリア先頭アドレス1は、遊技制御用作業領域の先頭アドレスであるため、確率設定値領域もクリア対象のRAM領域に含まれる。RAMクリア先頭アドレス1によって、クリア対象のRAM領域は、図5Cのクリア領域#1に設定される。クリア領域#1は、遊技制御用作業領域(確率設定値領域、乱数領域、制御用情報領域からなる)、及び、遊技制御用スタック領域を含む。なお、クリア領域#1に、状態表示装置152に表示する情報を記憶する状態表示用作業領域と、状態表示装置152に表示する情報を処理するための状態表示用スタック領域は含まれない。
次に、遊技制御装置100は、前面枠12(本体枠)は開放状態であるか否か判定する(A1027)。前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号が入力されている場合に、前面枠12は開放状態であると判定できる。
遊技制御装置100は、前面枠12が開放状態である場合に(A1027の結果が「Y」)、設定キースイッチ93はオンであるか否かを判定する(A1028)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1028の結果が「Y」)、設定値の変更が可能となる設定可変状態であるため、ステップA1036−A1041の設定可変状態でのRAM初期化処理(RAMクリア処理)と設定変更中の処理を実行する。なお、この場合のRAM初期化処理でのクリア対象のRAM領域は、図5Cのクリア領域#1となる。従って、RAM異常が解消できる。
遊技制御装置100は、前面枠12(本体枠)が開放状態でない場合(閉状態の場合)(A1027の結果が「N」)、又は、設定キースイッチ93がオフの場合に(A1028の結果が「N」)、遊技者に設定変更することを促すための設定変更指示のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する(A1029)。なお、設定変更指示のコマンドを受信した演出制御装置300は、遊技者に設定変更することを促す設定変更指示表示を表示装置41に表示する。設定変更指示表示により、遊技者が設定変更を行おうとして設定キースイッチ93がオンになり(A1028の結果が「Y」)、設定変更の際のRAMクリア処理(A1036)によって、RAM異常が解消できる。
その後、遊技制御装置100は、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1030)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
次に、ステップA1031−A1035の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を説明する。
遊技制御装置100は、まず、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(A1031)。初期化すべき領域とは、図5Cのクリア領域#2(乱数領域、制御用情報領域、遊技制御用スタック領域)となる。ここで、制御用情報領域には、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域が含まれる。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、遊技制御装置100は、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(A1032)。
ここで、遊技制御装置100は、遊技状態が高確率状態でない場合には(A1032の結果が「N」)、ステップA1033及びステップA1034の処理をスキップして、ステップA1035の処理に移行する。また、遊技状態が高確率状態である場合には(A1032の結果が「Y」)、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(A1033)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示部59、エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(A1034)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1035)、ステップA1046の処理に移行する。
次に、ステップA1036−A1041の設定可変状態でのRAM初期化処理(RAMクリア処理)と設定変更中の処理を説明する。
遊技制御装置100は、まず、クリア対象のRAM領域を0クリアする(A1036)。クリア対象のRAM領域は、RAM111cが正常である場合に(A1020の結果が「Y」)、RAMクリア先頭アドレス2が設定されているため、図5Cのクリア領域#2となる。RAM111cが異常である場合に(A1020の結果が「N」)、RAMクリア先頭アドレス1が設定されているため、図5Cのクリア領域#1となる。即ち、RAM正常時には確率設定値領域はクリアされないが、RAM異常時には、確率設定値領域もクリアされることになる。
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1037)。なお、この時点では、前面枠12が開放状態であることが前提であり、セキュリティ信号を出力するためのセキュリティ信号制御タイマ(後述)の初期値をセーブし、前面枠12(本体枠)が開放されたことなどを外部装置(ホールコンピュータなど)に出力できるようにする。なお、RAM異常時に確率設定値領域がクリアされた場合には、デフォルト値(例えば設定値1)を確率設定値領域に初期値としてセーブしてよい。
そして、遊技制御装置100は、設定変更が可能となる設定可変状態であること(即ち、設定変更中であること)を示す確率設定値変更中フラグをセットする(A1038)。続いて、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値変更時の初期データとして確率設定値表示データ領域にセーブし(A1039)、確率設定値領域の値をロードし、確率設定値変更時の初期データとして作業用確率設定値領域にセーブする(A1040)。続いて、設定可変状態(確率設定変更中)であることを示す確率設定変更中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1041)、ステップA1046の処理に移行する。確率設定変更中のコマンドによって、演出制御装置300は、設定可変状態(確率設定変更中)であることを認識できる。
次に、ステップA1042−A1045のRAM初期化スイッチ(RAMクリアスイッチ、設定値変更スイッチ102)によるRAM初期化(RAMクリア)の処理を説明する。
遊技制御装置100は、まず、RAMクリア先頭アドレス2を設定し(A1042)、クリア対象のRAM領域を0クリアする(A1043)。クリア先頭アドレス2が設定されているため、クリア対象のRAM領域RAMは、図5Cのクリア領域#2となる。このため、RAM初期化スイッチ(設定値変更スイッチ102)の操作によるRAM初期化(RAMクリア)の処理において、確率設定値領域はクリアされない。
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1044)。ここで、初期化すべき領域とは、例えば、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1045)、ステップA1046の処理に移行する。
なお、ステップA1035の処理で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1045の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入されたこと示す電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、演出回数情報コマンド、高確率状態での残りゲーム数を示す高確率回数情報コマンドが含まれる。なお、RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマンド)も含まれる。RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマンド)を受信した演出制御装置300は、例えば、表示装置41に客待ちデモを表示し、盤装飾装置46等のLEDとスピーカの音でRAM初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。
さらに、停電復旧時のコマンド及びRAM初期化時のコマンドには、遊技機10の設定値(確率設定値)の情報である設定値情報を示す設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)が含まれる。遊技制御装置100は、電源の復旧(投入)時に、一度だけ設定値情報コマンドを演出制御装置300に送信するだけでよく、以降、演出制御装置300は自身が記憶した設定値情報を参照して演出制御を行える。
ステップA1035、A1041、A1045の処理の後、遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1046)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
ステップA1046のCTC起動処理の実行後、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1047)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、小当り図柄を決定する乱数(小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)等)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブし(A1048)、割込みを許可する(A1049)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1050)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
ステップA1050の初期値乱数更新処理の後、遊技制御装置100は、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(A1051)、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1052)。停電監視信号がオンでない場合には(A1052の結果が「N」)、ステップA1050の初期値乱数更新処理に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(A1050)の前に割込みを許可する(A1049)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待機させられることで割込み処理が圧迫されることを回避することができる。なお、設定変更中(設定可変状態中)は、初期値乱数更新に係るステップA1046、A1047、A1048、A1050の処理を実行しなくてもよい。
なお、ステップA1050の初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要がある。一方、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合には(A1052の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、ステップA1051の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1053)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1053の結果が「N」)、ステップA1052に戻り、停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1053の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止し(A1054)、全出力ポートにオフデータを出力する(A1055)。
その後、遊技制御装置100は、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1056)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1057)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1058)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1059)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1060)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図6は、タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。さらに、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理を実行する(A1304)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。
次に、遊技制御装置100は、乱数更新処理1(A1305)、乱数更新処理2(A1306)を実行する。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、確率設定変更中(設定可変状態中)である場合に乱数更新処理1と乱数更新処理2を実行しなくてよい。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1307)。
次に、遊技制御装置100は、確率設定値を変更するための確率設定値変更処理を実行する(A1308)。続いて、確率設定変更中(設定可変状態中)であるか否かを判定する(A1309)。確率設定変更中であるか否かは、確率設定値変更中フラグ(A1038)によって判定できる。次に、確率設定確認中(設定確認状態中)であるか否かを判定する(A1310)。後述の確率設定値確認モード中フラグがセットされている場合に、確率設定確認中であると判定できる。
遊技制御装置100は、確率設定変更中でも確率設定確認中でもない場合に(A1310の結果が「N」)、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行する(A1311)。さらに、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行し(A1312)、次に、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1313)。遊技制御装置100は、確率設定変更中である場合に(A1309の結果が「Y」)又は確率設定確認中である場合に(A1310の結果が「Y」)、必要がないため、払出コマンド送信処理(A1311)、特図ゲーム処理(A1312)、普図ゲーム処理(A1313)を実行せず、ステップA1314の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1314)。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1315)。例えば、磁石不正監視処理では、異常があった場合に磁石不正フラグ領域に磁石不正発生フラグをセーブする。さらに、遊技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1316)。例えば、電波不正監視処理では、異常があった場合に盤電波不正フラグ領域に盤電波不正発生フラグをセーブする。
その後、遊技制御装置100は、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1317)。そして、状態表示装置152への出力データを編集して出力する状態表示編集出力処理を実行する(A1318)。状態表示編集出力処理では、状態表示装置152への出力データとして、役物比率や出玉率や排出球数などを計算してよい。また、状態表示編集出力処理では、電源投入(電源復旧)時において状態表示用作業領域のチェックサムを計算して電源断時のチェックサムと一致しない場合に、状態表示用作業領域と状態表示用スタック領域をクリアしてもよい。その後、タイマ割込み処理を終了する。なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(A1304)の詳細について説明する。図7は、出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力するポート135(図3参照)にオフデータを出力(リセット)する(A1601)。次に、大入賞口ソレノイド39bのデータを出力するソレノイド出力ポート134に出力するデータを合成して出力する(A1602)。
そして、遊技制御装置100は、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新する(A1603)。さらに、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(A1604)。そして、取得したデータと外部情報データを合成し(A1605)、合成したデータをデジット出力・外部情報出力用の第4出力ポート136に出力する(A1606)。その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(A1607)、ロードしたデータをセグメント出力用の第3出力ポート135に出力する(A1608)。
続いて、遊技制御装置100は、外部情報端子71に出力するデータをロードして合成し(A1609)、さらに、合成したデータと発射許可の出力データを合成し(A1610)、最終的に合成したデータを外部情報・発射許可信号出力用の第5出力ポート137に出力する(A1611)。
次に、遊技制御装置100は、確率設定値表示のオフ出力データを設定する(A1612)。オフ出力データは、確率設定値表示を行わない期間の出力データ(消灯するためのブランクデータ)である。そして、確率設定値の表示を許可する確率設定値表示許可フラグがセットされているか判定する(A1613)。確率設定値表示許可フラグは、後述の確率設定値変更処理で設定されるものである。
遊技制御装置100は、確率設定値表示許可フラグがセットされている場合に(A1613の結果が「Y」)、確率設定値表示データ領域から確率設定値表示データをロードし(A1614)、ロードした確率設定値表示データを確率設定値表示出力ポート(第6出力ポート141)に出力する(A1615)。確率設定値表示許可フラグがセットされていない場合に(A1613の結果が「N」)、確率設定値表示データをロードせず、オフ出力データを確率設定値表示出力ポート(第6出力ポート141)に出力する(A1615)。従って、確率設定値表示許可フラグがセットされている場合に、確率設定値表示装置143に確率設定値が表示され、確率設定値表示許可フラグがセットされていない場合に、確率設定値表示装置143は消灯する(ブランク表示)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1に合成したデータを出力する(A1616)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2に合成したデータを出力する(A1617)。
次に、遊技制御装置100は、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(A1618)。さらに、試射試験装置の試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4に合成したデータを出力する(A1619)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5に合成したデータを出力し(A1620)、出力処理を終了する。
その後、遊技制御装置100は、確率設定値の試験信号出力データをロードする(A1621)。ここでは、確率設定値に関する試験信号出力データとして、確率設定値表示装置143(7セグメント型の表示器)の表示データそのもの、即ち、確率設定値表示データ領域の確率設定値表示データを出力する。なお、試験信号出力データは、設定値を表す数値データ(1〜6)でもよいし、その他の形態の出力データでもよい。そして、設定キースイッチ93がオンであるか否かを判定する(A1622)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1622の結果が「Y」)、ロードしたデータと設定キースイッチオン情報を合成し(A1623)、合成したデータを試験信号出力ポート6に出力する(A1624)。一方、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1622の結果が「N」)、確率設定値の試験信号出力データをそのまま試験信号出力ポート6に出力する(A1624)。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図8は、入賞口スイッチ/状態監視処理の手順を示すフローチャートである。入賞口スイッチ/状態監視処理は、タイマ割込み処理におけるステップA1307にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、確率設定変更中(設定可変状態中)であるか否かを判定する(A2001)。遊技制御装置100は、確率設定変更中でない場合に(A2001の結果が「N」)、確率設定確認中(設定確認状態中)であるか否かを判定する(A2002)。確率設定確認中でない場合に(A2001の結果が「N」)、通常の通り、ステップA2003からA2010までの監視処理等を実行する。一方、確率設定変更中である場合に(A2001の結果が「Y」)又は確率設定確認中である場合に(A2002の結果が「Y」)、ガラス枠15が解放されている場合もあるため何れかの入賞口に手で遊技球を入れられる可能性があり、監視処理等を行っても意味がないため、ステップA2003からA2010までの監視処理等を実行せず、ステップA2011の処理に移行する。
遊技制御装置100は、確率設定変更中でない場合に(A2001の結果が「N」)、大入賞口(特別変動入賞装置39)内の大入賞口スイッチ39a(2個)の一方に対応する入賞口監視テーブル1を準備する(A2003)。そして、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないかを監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2004)。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口(特別変動入賞装置39)内の大入賞口スイッチ39a(2個)の他方に対応する入賞口監視テーブル2を準備する(A2005)。そして、不正入賞を監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2006)。
そして、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37aに対応する入賞口監視テーブルを準備する(A2007)。そして、不正入賞を監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2008)。続いて、不正監視が不要な入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(A2009)。不正監視が不要な入賞口スイッチは、始動口1スイッチ36aと一般入賞口35の入賞口スイッチ(SW)35aである。
次に、遊技制御装置100は、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理を実行する(A2010)。そして、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(A2011)。状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。
その後、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(A2012)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2013)。なお、遊技機状態チェック処理の詳細は、後述する。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号1に基づく状態(スイッチ異常1エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ信号に基づく状態(シュート球切れエラー)の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が2である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態(オーバーフローエラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態(払い出し異常エラー)の監視が設定される。
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(A2014)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2015)。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はガラス枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態(ガラス枠開放エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は前面枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態(本体枠開放エラー、前面枠開放エラー)の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が2である場合は枠電波不正信号に基づく状態(枠電波不正)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値が0であるか否かを判定する(A2016)。そして、エラースキャンカウンタの値が0でない場合には(A2016の結果が「N」)、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。
また、遊技制御装置100は、エラースキャンカウンタの値が0である場合には(A2016の結果が「Y」)、遊技機状態監視テーブル3を準備し(A2017)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2018)。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号2に基づく状態(スイッチ異常2エラー)の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが1から3の場合は定義されていない。
その後、遊技制御装置100は、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号に基づきビジー信号ステータス(払出ビジー信号フラグ)を設定する払出ビジー信号チェック処理を実行し(A2019)、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。
なお、ステップA2017からA2019までの処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が0の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4ms毎に行われる場合は、16ms毎にA2017からA2019までの処理が行われることとなる。
なお、不正&入賞監視処理(A2008)において、大入賞口(特別変動入賞装置39)や普通変動入賞装置37に関する入賞数と役物別獲得球数(賞球数の合計)をカウントし記憶し、さらに、入賞数と役物別獲得球数の情報を演出コマンドとして設定してよい。入賞数カウンタ更新処理(A2010)において、始動入賞口36と一般入賞口35に関する入賞数と役物別獲得球数(賞球数の合計)をカウントし記憶し、さらに、入賞数と役物別獲得球数の情報を演出コマンドとして設定してよい。また、入賞口スイッチ/状態監視処理(図8)において、アウト球検出スイッチによってアウト球数(排出球数)をカウントし記憶し、さらに、アウト球数の情報を演出コマンド(アウト球数コマンド)として設定してよい。出玉率は、排出球数に対する全賞球数(全役物別獲得球数)の比率(割合)である。役物比率は、例えば、全賞球数のうち、大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物比率)である。状態表示編集出力処理(A1318)で、状態表示装置152への出力データとして、役物比率や出玉率や排出球数などを計算してよい。
〔遊技機状態チェック処理〕
図9は、遊技機状態チェック処理の手順を示すフローチャートである。遊技機状態チェック処理は、図8に示した入賞口スイッチ/状態監視処理におけるステップA2013、A2015及びA2018にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得する(A2201)。状態スキャンカウンタは遊技状態に対応して0から3の範囲の値が設定されている。なお、状態監視テーブルと状態スキャンカウンタとの関係については、図8に示した入賞口スイッチ/状態監視処理にて説明した通りである。
続いて、遊技制御装置100は、チェック対象の信号がオンであるか否かを判定する(A2202)。チェック対象の信号がオンでない場合(A2202の結果が「N」)、すなわち、チェック対象の信号がオフの場合には、状態フラグとして状態オフフラグを準備し(A2203)、対象の状態オフコマンドを取得し、準備する(A2204)。さらに、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得する(A2205)。状態オフフラグは、エラー系の信号に関しては、正常状態を示し、タッチスイッチ信号に関しては、タッチ無しの状態を示す。
一方、遊技制御装置100は、チェック対象の信号がオンの場合には(A2202の結果が「Y」)、状態フラグとして状態オンフラグを準備し(A2206)、対象の状態オンコマンドを取得し、準備する(A2207)。さらに、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得する(A2208)。状態オンフラグは、エラー系の信号に関しては、異常又は不正状態を示し、タッチスイッチ信号に関しては、タッチ有りの状態を示す。
ステップA2205又はステップA2208の処理が終了すると、遊技制御装置100は、対象の信号制御領域の値が取得された信号の状態と一致するか否かを判定する(A2209)。一致する場合には(A2209の結果が「Y」)、ステップA2212の処理に移行する。一致していない場合には(A2209の結果が「N」)、対象の信号制御領域に取得した信号状態をセーブし(A2210)、対象の状態監視タイマをクリアする(A2211)。
続いて、遊技制御装置100は、対象の状態監視タイマを+1更新する(A2212)。さらに、更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値以上であるか否かを判定する(A2213)。更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値未満の場合には(A2213の結果が「N」)、遊技機状態チェック処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値以上の場合には(A2213の結果が「Y」)、状態監視タイマを−1更新し、タイマ比較値−1の値に留める(A2214)。さらに、準備した状態フラグが対象の状態フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(A2215)。一致している場合には(A2215の結果が「Y」)、遊技機状態チェック処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、準備した状態フラグが対象の状態フラグ領域の値と一致していない場合には(A2215の結果が「N」)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブする(A2216)。最後に、演出コマンドを設定する演出コマンド設定処理を実行し(A2217)、遊技機状態チェック処理を終了する。ここでの演出コマンドは、状態オフコマンドか状態オンコマンドの何れかである。状態オンコマンドがエラー系のコマンドであれば、演出制御装置300にエラー報知を開始させる。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。
〔確率設定値変更処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における確率設定値変更処理(A1308)の詳細について説明する。図10は、確率設定値変更処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値変更中(設定可変状態中)であるか否かを判定する(A2401)。確率設定値変更中でない場合に(A2401の結果が「N」)、確率設定値を確認するための確率設定値確認処理を実行する(A2402)。
遊技制御装置100は、確率設定値変更中である場合に(A2401の結果が「Y」)、確率設定値消灯タイマが0でなければ−1更新し(A2403)、確率設定値消灯タイマは0であるか否かを判定する(A2404)。確率設定値消灯タイマが0である場合に(A2404の結果が「Y」)、確率設定値表示許可フラグをセットし(A2405)、ステップA2406の処理に移行する。確率設定値消灯タイマが0でない場合に(A2404の結果が「N」)、何もせず、ステップA2406の処理に移行する。
そして、遊技制御装置100は、ステップA2406において、確率設定値が変更済みであるか否かを判定する(A2406)。後述の確率設定値変更済みフラグがセットされている場合に、確率設定値が変更済みである。確率設定値が変更済みである場合に(A2406の結果が「Y」)、ステップA2416からA2421の設定変更終了の処理を実行する。
遊技制御装置100は、確率設定値が変更済みでない場合に(A2406の結果が「N」)、設定値変更スイッチ102からの入力があるか否かを判定する(A2407)。設定値変更スイッチ102からの入力がない場合に(A2407の結果が「N」)、ステップA2411の処理に移行する。
遊技制御装置100は、設定値変更スイッチ102からの入力がある場合に(A2407の結果が「Y」)、作業用確率設定値領域の値を0〜5の範囲で+1更新する(A2408)。このように、設定値変更スイッチ102が操作される度に、作業用確率設定値領域の値が1だけ増加する。なお、作業用確率設定値領域の値が5になった後、設定値変更スイッチ102が操作されると、作業用確率設定値領域の値は0に戻るようにしてよい。作業用確率設定値領域の値0〜5は、6段階の確率設定値1〜6に対応する。なお、確率設定値は6段階に限られるものではない。
そして、遊技制御装置100は、作業用確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(A2409)。次に、確率設定値消灯タイマ領域に初期値(例えば100ms)をセーブする(A2410)。この初期値は、確率設定値表示装置143が消灯(ブランク表示)する消灯期間(ブランク期間)に対応する。
このように、確率設定値消灯タイマが0である場合に、確率設定値表示許可フラグをセットすることによって、確率設定値表示データが設定変更中の確率設定値(作業用確率設定値)として確率設定値表示装置143に表示され、確率設定値消灯タイマが0でない場合に、確率設定値表示装置143は消灯する。確率設定値消灯タイマによって設定値変更スイッチ102(設定値変更ボタン)が操作されてから所定の消灯期間だけ消灯するため、設定が一段階だけしかない場合(設定値が1のみである場合)でも、設定値変更スイッチ102が操作されたことが確率設定値表示装置143で視認できる。
次に、遊技制御装置100は、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチからのタッチスイッチ信号の入力があるか否かを判定する(A2411)。タッチスイッチ信号の入力がない場合に(A2411の結果が「N」)、確率設定値変更処理を終了する。タッチスイッチ信号の入力がある場合に(A2411の結果が「Y」)、作業用確率設定値領域の値をロードし、確率設定値領域にセーブする(A2412)。タッチスイッチ信号は、設定値を確定させるための確定信号となる。そして、確定した確率設定値に対応する値0〜5が確率設定値領域に記憶されることになる。
なお、設定キースイッチ93をオフしたり、設定可変状態になってから所定時間経過すると、確率設定値を確定して確率設定値領域に記憶する構成も可能である。また、操作可能な確定ボタンスイッチ(操作手段、操作部)を遊技制御装置100に新たに設けて、この確定ボタンスイッチからの信号を、設定値を確定させるための確定信号として利用してもよい。即ち、タッチスイッチの操作の代わりに、新たに設けた確定ボタンスイッチの操作を確定操作としてもよい。
続いて、遊技制御装置100は、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(A2413)。これにより、確定した確率設定値が確率設定値表示装置143に表示される。そして、確率設定値が変更済みであることを示す確率設定値変更済みフラグをセットし(A2414)、確率設定値が変更されたことを示す確率設定値変更のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A2415)、確率設定値変更処理を終了する。
ステップA2416からA2421の設定変更終了の処理において、遊技制御装置100は、まず、設定キースイッチ93はオフであるか否かを判定する(A2416)。設定キースイッチ93がオン状態の場合に(A2416の結果が「N」)、確率設定値変更処理を終了する。設定キースイッチ93はオフ状態の場合に(A2416の結果が「Y」)、RAMクリア先頭アドレス3を設定し(A2417)、クリア対象のRAM領域を0クリアする(A2418)。ここでのクリア対象のRAM領域は、図5Cのクリア領域#3となる。クリア領域#3は、制御用情報領域(停電検査領域1からチェックサム領域までの領域)と遊技制御用スタック領域からなり、確率設定値領域と乱数領域は除外されている。なお、クリア領域#3は、クリア領域#2から乱数領域を除いたものであり、設定変更中に更新した乱数は無駄にならない。クリア対象のRAM領域を0クリアすることによって、作業用確率設定値領域の情報や、確率設定値変更中フラグ、確率設定値変更済みフラグなど、設定変更のために使用した情報やフラグはクリアされる。
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A2419)。なお、設定変更終了の際であるため、セキュリティ信号を出力するためのセキュリティ信号制御タイマ(後述)の初期値をセーブし、前面枠12(本体枠)が開放されたことなどを外部装置(ホールコンピュータなど)に出力できるようにする。その後、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(A2420)。これにより、設定変更終了の際の確率設定値が確率設定値表示装置143に表示され、維持される。
次に、遊技制御装置100は、確率設定変更が終了したことを示す確率設定変更終了のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A2421)、メイン処理(図5B)に戻り、ステップA1049の処理に移行する。ここで送信するコマンドは、前述の機種指定コマンド、飾り特図1保留数コマンド、飾り特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)、確率設定変更終了のコマンド(RAM初期化のコマンドでよい)である。機種によって、演出モード情報コマンド、演出回数情報コマンド、高確率回数情報コマンドが送信される。確率設定変更終了のコマンドを受信した演出制御装置300は、例えば、表示装置41に客待ちデモを表示し、盤装飾装置46等のLEDとスピーカの音でRAM初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。
〔確率設定値確認処理〕
次に、前述の確率設定値変更処理における確率設定値確認処理(A2402)の詳細について説明する。図11は、確率設定値確認処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値を確認可能なモードである確率設定値確認モード中(設定値確認可能状態中)であるか否かを判定する(A2501)。後述の確率設定値確認モード中フラグがセットされている場合に、確率設定値確認モード中であると判定できる。確率設定値確認モード中である場合に(A2501の結果が「Y」)、ステップA2509以降の処理を実行する。
遊技制御装置100は、確率設定値確認モード中でない場合に(A2501の結果が「N」)、確率設定値表示許可フラグをクリアする(A2502)。そして、遊技中であるか否かを判定する(A2503)。例えば、変動表示ゲーム実行中や大当り状態中であれば、遊技中であると判定できる。遊技中である場合に(A2503の結果が「Y」)、確率設定値の確認を不可とすべく確率設定値確認処理を終了する。遊技中でない場合に(A2503の結果が「N」)、設定キースイッチ93はオンであるか否かを判定する(A2504)。設定キースイッチ93がオフである場合に(A2504の結果が「N」)、確率設定値確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオンである場合に(A2504の結果が「Y」)、確率設定値確認モード中フラグをセットする(A2505)。これにより、確率設定値変更中(設定可変状態中)でない場合において(A2401の結果が「N」)、設定キースイッチ93がオンになれば、確率設定値を確認可能な確率設定値確認モード(設定値確認可能状態)になる。続いて、確率設定値表示許可フラグをセットする(A2506)。これにより、出力処理(図7)によって、確率設定値表示データ領域からロードした確率設定値表示データに基づいて、確率設定値が確率設定値表示装置143に表示される。
次に、遊技制御装置100は、セキュリティ信号を出力可能とするために、セキュリティ信号制御タイマ領域に初期値をセーブする(A2507)。設定値を確認するとセキュリティ信号が出力されることになり、前面枠12が開放されたことなどを外部装置(ホールコンピュータなど)に出力できるようになる。確率設定値確認中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A2508)、確率設定値確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、確率設定値確認モード中である場合に(A2501の結果が「Y」)、設定キースイッチ93はオンであるか否かを判定する(A2509)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A2509の結果が「Y」)、確率設定値確認モードが継続し、確率設定値確認確率設定値確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A2509の結果が「N」)、確率設定値確認モード中フラグをクリアする(A2510)。従って、設定キースイッチ93がオフすることによって、確率設定値確認モードが終了する。そして、確率設定値が確率設定値表示装置143に表示されないようにするため、確率設定値表示許可フラグをクリアする(A2511)。続いて、確率設定値確認が終了したことを示す確率設定値確認終了のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する(A2512)。
なお、以上において、設定値変更スイッチ102をRAM初期化スイッチ(RAMクリアスイッチ)としても使用可能であるように構成したが、設定値変更スイッチ102とは別にRAM初期化スイッチを設けてもよい。この場合に、電源投入(電源復旧)の際に、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチがオンであれば設定可変状態(設定変更状態)となり、設定キースイッチ93がオンでRAM初期化スイッチがオフであれば設定確認状態(設定値確認可能状態)となり、設定キースイッチ93がオフでRAM初期化スイッチがオンであればRAM初期化(RAMクリア)が可能になり、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチがオフであれば通常の電源投入(電源復旧)の状態となるように構成してもよい。さらに、設定キースイッチ93がオンからオフしたときに、設定値(設定)が確定するように構成してもよい。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1312)の詳細について説明する。図12は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2601)。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。なお、大入賞口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の結果が「N」)、ステップA2619の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については、図17にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理を実行する(A2609)。なお、特図変動中処理の詳細については、図28にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理を実行する(A2610)。例えば、特図表示中処理では、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りファンファーレコマンド(演出コマンド)、大当りファンファーレ時間、確率情報コマンド(低確率)など必要な情報を設定して、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果が小当りであれば、小当りファンファーレコマンド(演出コマンド)や小当りファンファーレ時間など必要な情報を設定して、小当りファンファーレ中処理に係る処理番号「7」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りでなければ、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2611)。例えば、ファンファーレ/インターバル中処理では、実行するラウンド遊技のラウンドに対応するラウンドコマンド(演出コマンド)や大入賞口の開放時間など必要な情報を設定して、大入賞口開放中処理に係る処理番号「4」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A2612)。例えば、大入賞口開放中処理では、演出コマンドとしてのインターバルコマンドやエンディングコマンドなど必要な情報を設定して、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理を実行する(A2613)。例えば、大入賞口残存球処理では、最終ラウンドでなければインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。最終ラウンドであればエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、大当り終了処理に係る処理番号「6」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「6」の場合には、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A2614)。例えば、大当り終了処理では、大当り状態終了後の確率状態や大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)など必要な情報の設定を行い、これら確率状態や時短状態などを確率情報コマンド(演出コマンド)として設定し、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。確率情報コマンドには、大当り状態終了後の確率状態(高確率/低確率)、及び、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の継続ゲーム回数(時間短縮変動回数、電サポ回数)の情報などが含まれる。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「7」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理を実行する(A2615)。例えば、小当りファンファーレ中処理では、大入賞口の小当り開放時間など必要な情報を設定して、小当り中処理に係る処理番号「8」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「8」の場合には、小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理を実行する(A2616)。例えば、小当り中処理では、小当り残存球処理時間など必要な情報を設定して、大入賞口残存球処理に係る処理番号「9」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「9」の場合には、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理を実行する(A2617)。例えば、小当り残存球処理では、小当りエンディング時間など必要な情報を設定して、特図小当り終了処理に係る処理番号「10」を設定し特図1ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「10」の場合には、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理を実行する(A2618)。
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A2619)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2620)。そして、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A2621)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2622)。なお、図柄変動制御処理の詳細については、図29にて後述する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2601)の詳細について説明する。図13は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、始動入賞口36への入賞があるか否かを判定する(A2703)。始動入賞口36への入賞がない場合(A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行する。一方、始動入賞口36への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A2704)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する(A2706)。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、始動入賞口36へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に始動入賞口36に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入賞口への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場合(A2711の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」)、ステップA2714の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A2713の結果が「Y」)と判定した場合にも、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A2715)の詳細について説明する。図14は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロードした値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(A2906)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(A2907)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(A2908)、ステップA2805にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2909)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2910)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2911)。
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)への入賞であるか否かを判定する(A2912)。始動入賞口36への入賞でない場合(A2912の結果が「N」)には、ステップA2915の処理に移行する。一方、始動入賞口36への入賞である場合(A2912の結果が「Y」)、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2913)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2914)。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(A2915)、特図保留情報判定処理を実行する(A2916)。そして、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A2917)、演出コマンド設定処理(A2918)を実行して、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(A2916)の詳細について説明する。図15は、特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み(事前判定)処理である。
遊技制御装置100は、まず、ステップA2907にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、始動入賞口36(始動口1)への入賞であるか否かを判定する(A3001)。始動入賞口36への入賞でない場合(A3001の結果が「N」)、ステップA3004の処理に移行する。一方、始動入賞口36への入賞である場合(A3001の結果が「Y」)には、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A3002)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A3002の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。一方、特図時短中でない場合(A3002の結果が「N」)には、大当り中または小当り中であるか否かを判定する(A3003)。大当り中または小当り中である場合(A3003の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、大当り中または小当り中でない場合(A3003の結果が「N」)、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるかを判定する大当り判定処理を実行する(A3004)。そして、判定結果が大当りである場合(A3005の結果が「Y」)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3006)、ステップA2910にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(A3007)、ステップA3014の処理に移行する。
遊技制御装置100は、判定結果が大当りでない場合(A3005の結果が「N」)は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるか否かを判定する(A3008)。始動入賞口36への入賞でない場合(A3008の結果が「N」)、はずれの停止図柄情報を設定して(A3013)、ステップA3014の処理に移行する。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞である場合(A3008の結果が「Y」)、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるかを判定する小当り判定処理を実行する(A3009)。そして、判定結果が小当りでない場合(A3010の結果が「N」)、はずれの停止図柄情報を設定して(A3013)、ステップA3014の処理に移行する。一方、判定結果が小当りである場合(A3010の結果が「Y」)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3011)、ステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(A3012)、ステップA3014の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを演出コマンドとして準備し(A3014)、演出コマンド設定処理を実行する(A3015)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を行い(A3016)、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3017)。
その後、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして準備して(A3018)、演出コマンド設定処理を行い(A3019)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA3016における特図情報設定処理、ステップA3017における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(A2602)の詳細について説明する。図16は、大入賞口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるか否かを判定する(A3101)。大入賞口開放中処理中である場合(A3101の結果が「Y」)、ステップA3105の処理に移行する。また、大入賞口開放中処理中でない場合(A3101の結果が「N」)、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるか否かを判定する(A3102)。
遊技制御装置100は、大入賞口残存球処理中である場合(A3102の結果が「Y」)、ステップA3105の処理に移行する。また、大入賞口残存球処理中でない場合(A3105の結果が「N」)、特図ゲーム処理番号の値が「8」であるか、すなわち小当り中処理中であるか否かを判定する(A3103)。小当り中処理中である場合(A3104の結果が「Y」)、ステップA3105の処理に移行する。また、小当り中処理中でない場合(A3103の結果が「N」)、特図ゲーム処理番号の値が「9」であるか、すなわち小当り残存球処理中であるか否かを判定する(A3104)。特図ゲーム処理タイマが0になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
遊技制御装置100は、小当り残存球処理中でない場合(A3104の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、小当り残存球処理中である場合(A3104の結果が「Y」)は、ステップA3105の処理に移行する。そして、入賞カウンタに0をセットして(A3105)、大入賞口スイッチ1(一方の大入賞口スイッチ39a)に入力があるか否かを判定する(A3106)。
遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ1に入力がない場合(A3106の結果が「N」)、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ39a)に入力があるか否かを判定する(A3110)。また、大入賞口スイッチ1に入力がある場合(A3106の結果が「Y」)、大入賞口カウントコマンドを演出コマンドとして準備して(A3107)、演出コマンド設定処理(A3108)を実行する。そして、入賞カウンタを+1更新し(A3109)、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ39a)に入力があるか否かを判定する(A3110)。
遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ2に入力がない場合(A3110の結果が「N」)、入賞カウンタの値が0であるか否かを判定する(A3114)。また、大入賞口スイッチ2に入力がある場合(A3110の結果が「Y」)、大入賞口カウントコマンドを演出コマンドとして準備して(A3111)、演出コマンド設定処理(A3112)を実行する。そして、入賞カウンタを+1更新し(A3113)、入賞カウンタの値が0であるか否かを判定する(A3114)。
遊技制御装置100は、入賞カウンタの値が0である場合(A3114の結果が「Y」)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、入賞カウンタの値が0でない場合(A3114の結果が「N」)、大入賞口残存球処理中であるか否かを判定する(A3115)。大入賞口残存球処理中である場合(A3115の結果が「Y」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、大入賞口残存球処理中でない場合(A3115の結果が「N」)、小当り残存球処理中であるか否かを判定する(A3116)。
遊技制御装置100は、小当り残存球処理中である場合(A3116の結果が「Y」)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り残存球処理中でない場合(A3116の結果が「N」)、入賞カウンタの値(1又は2)を大入賞口カウント数に加算し(A3117)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったか否かを判定する(A3118)。
遊技制御装置100は、大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(A3118の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(A3118の結果が「Y」)、大入賞口カウント数を上限値に留め(A3119)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(A3120)、小当り中処理中であるかを判定する(A3121)。
遊技制御装置100は、小当り中処理中でない場合(A3121の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り中処理中である場合(A3121の結果が「Y」)、大入賞口制御ポインタ領域に小当り開放動作終了の値をセーブして(A3122)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。図17は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3201)。特図2保留数が0である場合(A3201の結果が「Y」)、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3205)。そして、特図1保留数が0である場合(A3205の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定し(A3209)、客待ちデモが開始済みでない場合(A3209の結果が「N」)は、客待ちデモフラグ領域に、客待ちデモ状態(客待ちデモ中の状態)であることを示す客待ちデモ中フラグをセットする(A3210)。
続けて、遊技制御装置100は、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備して(A3211)、演出コマンド設定処理を行い(A3212)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定する(A3213)。一方、ステップA3209にて、客待ちデモが開始済みである場合(A3209の結果が「Y」)も、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定する(A3213)。その後、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A3214)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A3215)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A3216)、特図普段処理を終了する。
このように、客待ちデモコマンドは、特図1保留数(第1始動記憶数)と特図2保留数(第2始動記憶数)が0である場合に送信され、客待ちデモコマンドを受信した演出制御装置300は、表示装置41等に客待ちデモを表示する設定を行う。なお、遊技制御装置100は、操作ハンドル24のタッチスイッチからのタッチスイッチ信号がオフ信号となった場合にのみ、客待ちデモコマンドを送信する構成も可能である。
また、遊技制御装置100は、特図2保留数が0でない場合(A3201の結果が「N」)、特図2変動開始処理を実行し(A3202)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図2保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3203)、演出コマンド設定処理を実行し(A3204)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(A3205の結果が「N」)、特図1変動開始処理を実行し(A3206)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3207)、演出コマンド設定処理を実行し(A3208)、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には特図2変動開始処理(A3202)が実行されることとなる。すなわち、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(A3206)の詳細について説明する。図18は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(A3401)。続いて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特図1停止図柄設定処理の詳細については後述する。さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3405)。その後、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3407)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、特図1変動表示ゲームに関して、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を行う。
そして、遊技制御装置100は、処理番号として特図変動中処理に係る「1」を設定し(A3408)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3409)。
そして、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A3410)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3411)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A3412)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(A3413)。続いて、特図1変動図柄番号領域に初期値(例えば0)をセーブし(A3414)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(A3202)の詳細について説明する。図19は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図18に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(A3501)。続いて、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
次に、遊技制御装置100は、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。さらに、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3504)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3505)。
その後、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3506)。そして、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行する(A3507)。変動開始情報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、特図2変動表示ゲームに関して、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を行う。
次に、遊技制御装置100は、まず、処理番号として特図変動中処理に係る「1」を設定し(A3508)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3509)。
そして、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A3510)、特図2の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3511)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A3512)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(A3513)。続いて、特図2変動図柄番号領域に初期値(例えば0)をセーブし(A3414)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細について説明する。図20は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、小当りフラグ領域にはずれ情報をセーブして(A3601)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3602)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3603)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3604)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3605)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りである場合(A3606の結果が「Y」)、ステップA3602にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3607)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りでない場合(A3606の結果が「N」)、準備した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実行する(A3608)。
遊技制御装置100は、小当り判定処理(A3608)の判定結果が小当りである場合(A3609の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ領域に小当り情報を上書きしてセーブし(A3610)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(A3608)の判定結果が小当りでない場合(A3609の結果が「N」)は、大当りフラグ1領域にも小当りフラグ領域にもはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「小当り」、及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細について説明する。図21は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図20に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A3701)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3702)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3703)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3704)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りである場合(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りでない場合(A3705の結果が「N」)、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図2変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(A3605、A3704)の詳細について説明する。図22は、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理のステップA3004などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値に対応する上限判定値のテーブル(上限判定値テーブル)を設定する(A3801)。上限判定値テーブルは、高確率状態の場合と低確率状態の場合のそれぞれに関して、確率設定値に応じて上限判定値を定めるものである。そして、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3802)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3803)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3803の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3808)、大当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3803の結果が「N」)、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)であるか否かを判定する(A3804)。そして、高確率状態である場合には(A3804の結果が「Y」)、上限判定値テーブルを用いて、確率設定値に対応して高確率中の上限判定値を設定する(A3805)。一方、高確率状態でない場合には(A3804の結果が「N」)、上限判定値テーブルを用いて、確率設定値に対応して低確率中の上限判定値を設定する(A3806)。
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3807)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3807の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3808)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3807の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3809)。判定結果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理における小当り判定処理(A3608)の詳細について説明する。図23は、小当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、小当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における小当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理のステップA3009などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値に対応する小当り上限判定値を設定する(A3901)。そして、対象(特図1)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満であるか否かを判定する(A3902)。なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。
当然ながら、同じ特図変動表示ゲームの結果が小当り且つ大当りとなることを避けるべく、小当り判定値の範囲(小当り下限判定値と小当り上限判定値の間)は、前述の大当り判定値の範囲(下限判定値と上限判定値の間)とは重ならない。なお、本実施形態では、独自に小当り乱数を設けることはせず、小当りの判定にも大当り乱数を利用するが、独自の小当り乱数を設ける構成も可能である。
遊技制御装置100は、対象(特図1)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(A3902の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(A3904)、小当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合には(A3902の結果が「N」)、対象(特図1)の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいか否かを判定する(A3903)。大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(A3903の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定する(A3904)。一方、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(A3903の結果が「N」)、判定結果として小当りを設定する(A3905)。判定結果を設定すると、小当り判定処理を終了する。
〔大当り確率、小当り確率〕
図24(A)(B)(C)は、上述の大当り判定処理(図22)と小当り判定処理(図23)の結果として決定される特図変動表示ゲームの大当り確率と小当り確率を各設定(各設定値)に対して例示するテーブルである。
図24(A)の例では、設定(各設定値)ごとに大当り確率と小当り確率が異なる場合を示す。大当り確率(低確率時と高確率時)と小当り確率は、設定値が大きくなる(高い設定になる)とともに高くなり、設定値が大きいほど大当りが発生し易くなり遊技者に有利となる。なお、大当り確率は、図22の上限判定値と下限判定値の差分を大当り乱数の値の範囲で割ったものである。大当り確率は、上限判定値の他に、下限判定値又は大当り乱数の値の範囲を設定値に対応して変更することによって、設定値に応じて変更できる。別例では、低確率時の大当り確率と高確率時の大当り確率のうち一方だけを、設定値が大きくなるとともに高くするように構成してもよい。大当り確率と小当り確率が設定(設定値)に応じて変化することによって、遊技者は設定(設定値)を大当り確率と小当り確率から推定する楽しみがあり、遊技の興趣が向上する。
図24(B)の例では、設定1、2、3(設定値1、2、3)と設定4、5、6(設定値4、5、6)の大当り確率と小当り確率が同じに設定されている。なお、設定1〜3又は設定4〜6において、大当り確率と小当り確率は、設定値が大きくなる(高い設定になる)とともに高くなる。図24(B)の例では、遊技者は設定(設定値)を大当り確率と小当り確率から推定することが、図24(A)の場合より難しくなり、遊技者を飽きさせないようにできる。
図24(C)の例では、設定(設定値)によらず、大当り確率(低確率時と高確率時)と小当り確率は同じである。この場合に、遊技者は設定(設定値)を他の設定判別要素から推定することになる。
他の設定判別要素としては、確変突入率(後述)、大当り終了後の普電サポートの継続回数(後述)、ST機での確変状態の継続回数、大当りラウンド回数(ラウンド数上限値)、特図変動表示ゲームの変動パターン(変動時間値)、特図ゲーム処理で設定される各種の時間(停止表示時間、ファンファーレ時間等)などがある。これら設定判別要素の所定の内容が選択される確率を設定値ごとに異ならせておけば、遊技者は設定値をこれら設定判別要素から推定することができる。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(A3403)の詳細について説明する。図25は、特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1が大当りか否かを判定し(A4001)、大当りである場合(A4001の結果が「Y」)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4002)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定する(A4003)。
続いて、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(A4004)。この処理により特別結果の種類(大当りの種類)が選択される。
その後、遊技制御装置100は、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(A4005)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(A4006)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブする(A4007)。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする(A4008)。時間短縮判定データには、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の有無の情報が含まれる。
その後、遊技制御装置100は、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(A4009)。そして、遊技制御装置100は、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(A4018)。
なお、演出モード移行情報は、演出モードを移行させるための情報である。ここでの演出モード移行情報は、大当りの場合(A4001の結果が「Y」)に設定され大当り終了処理で使用される。即ち、演出モード移行情報によって、大当りを契機に演出モードを移行させることができる。また、上記のように演出モード移行情報は大当りの停止図柄パターン(確変大当り図柄/通常大当り図柄であるか等)に応じて設定されるため、大当り図柄の種類(大当りの種類)で、大当り終了後に移行する演出モードの移行先が変化することになる。また、上記のように演出モード移行情報は確率状態に応じて設定されるため、現在特図高確率状態(確変状態)中か否かによっても、演出モードの移行先が影響を受ける。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A4001の結果が「N」)、小当りフラグが小当りか否かを判定し(A4010)、小当りである場合(A4011の結果が「Y」)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(A4011)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(A4012)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(A4013)。
その後、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブして(A4014)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブする(A4015)。ここでの演出モード移行情報は、小当りの場合(A4010の結果が「Y」)に設定され、小当りを契機に演出モードを移行させることができる。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4018)。
また、小当りフラグが小当りでない場合(A4010の結果が「N」)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(A4016)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A4017)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4018)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A4019)、演出コマンド設定処理を実行する(A4020)。この飾り特図コマンドは、演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4021)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(A4022)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(A4023)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(A3503)の詳細について説明する。図26は、特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2が大当りか否かを判定し(A4101)、大当りである場合(A4101の結果が「Y」)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4102)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定する(A4103)。続いて、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(A4104)。この処理により特別結果の種類(大当りの種類)が選択される。
その後、遊技制御装置100は、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定して(A4105)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(A4106)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブする(A4107)。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、
時間短縮判定データ領域にセーブする(A4108)。時間短縮判定データには、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の有無の情報が含まれる。
その後、遊技制御装置100は、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(A4109)。ここでの演出モード移行情報は、大当りの場合(A4101の結果が「Y」)に設定され大当り終了処理で使用される。そして、遊技制御装置100は、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(A4112)。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ2が大当りでない場合(A4101の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(A4110)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A4111)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4112)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A4113)、演出コマンド設定処理を実行する(A4114)。この飾り特図コマンドは、演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4115)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(A4116)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
〔特図大当り図柄振分の一例〕
図27は、上述の特図ゲーム処理によって制御される特図変動表示ゲームの大当り図柄振分(大当り内訳)を各設定に対して例示するテーブルである。
図27は、大当りの種類を示す大当り図柄番号1〜6(停止図柄番号)とその振分率を規定する大当り図柄テーブルを各設定に対して例示する。図27のように、大当り図柄番号(大当りの種類、図柄1〜6)の振分率は、設定(設定値)に応じて変更でき、確変突入率は設定値が大きくなるほど高くなり遊技者に有利となる。なお、確変突入率は、大当り終了後の確率状態が高確率になる確変大当り図柄が全図柄に対して占める割合である。また、大当り終了後の普電サポートの回数は、特に通常大当り(大当り終了後の確率状態が低確率になるもの)に対して、設定1〜3又は設定4〜6において、設定値が大きくなるほど大きくなる。設定1、2、3(設定値1、2、3)と設定4、5、6(設定値4、5、6)の普電サポートの回数は同じに設定されている。なお、ST機では、確変状態の継続回数を設定値が大きくなるほど大きくするような構成も可能である。
また、図27では、1回の大当りで付与されるラウンド回数(ラウンド数上限値、例えば2R、6R、16R)は設定値に対して変化しないが、ラウンド数を設定値が大きくなるほど大きくするような構成も可能である。また、図27では、特図2変動表示ゲームの大当りに対して、特図1変動表示ゲームの大当りよりも大きなラウンド回数が付与され易くなっており、特図2変動表示ゲームの方が特図1変動表示ゲームよりも遊技者に有利になっている。
なお、図24(C)と同様に、設定(設定値)によらず、大当り図柄振分(大当り内訳)を同じにする構成も可能である。
〔特図変動中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図変動中処理(A2609)の詳細について説明する。図28は、特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、変動中の図柄に対応する図柄停止コマンド(特図1図柄停止コマンド又は特図2図柄停止コマンド)を演出コマンドとして準備し(A4701)、演出コマンド設定処理を実行する(A4702)。変動中の図柄は、変動図柄判別フラグ(特図1変動フラグ又は特図2変動フラグ)から判別できる。図柄停止コマンドを受信した演出制御装置300は、対応する飾り特図変動表示ゲーム(飾り特図1変動表示ゲーム又は飾り特図2変動表示ゲーム)を停止する。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄パターンを示す停止図柄パターン番号に対応する表示時間を設定して(A4703)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4704)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターン、大当り図柄パターン、小当り図柄パターンである場合に、表示時間として共通に600msecを設定する。
次いで、遊技制御装置100は、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(A4705)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A4706)。
次に、遊技制御装置100は、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A4707)、さらに、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A4708)。
続いて、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号を外部情報端子に出力する際に使用する図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256msec)をセーブする(A4709)。
その後、遊技制御装置100は、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブする(A4710)。さらに、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(A4711)、特図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔図柄変動制御処理〕
図29に、前述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(A2620、A2622)、後述の普図ゲーム処理における図柄変動制御処理を示した。図柄変動制御処理は、一括表示装置50の変動表示部における変動表示ゲームの特別図柄(第1特図、第2特図等)や普通図柄(普図)の変動の制御と、特別図柄や普通図柄の表示データの設定を行う処理である。
遊技制御装置100は、まず、制御対象の図柄(例えば、第1特図、第2特図、及び普図の何れか)にかかる変動制御フラグが変動中であるかチェックする(A7501)。本実施形態の場合、ステップA2619、ステップA2621、ステップA7614にて準備した変動制御テーブル上に、変動制御フラグ領域の下位アドレス、点滅制御タイマの初期値、変動図柄番号上限判定値、表示テーブル2(停止用)のアドレス、表示テーブル1(変動用)のアドレスが定義されている。
遊技制御装置100は、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中である場合(A7502の結果が「Y」)、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(A7503)。本実施形態の場合、ステップA2619、ステップA2621、ステップA7614にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(変動用、表示テーブル1)のアドレスが定義されている。
次に、遊技制御装置100は、制御対象の点滅制御タイマを−1更新し(A7504)、更新後の点滅制御タイマが0であるかを判定して(A7505)、更新後の点滅制御タイマが0でない場合(A7505の結果が「N」)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(A7508)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A7511)、図柄変動制御処理を終了する。
また、更新後の点滅制御タイマが0である場合(A7505の結果が「Y」)は、対象の点滅タイマ領域に対応する点滅制御タイマ初期値をセーブし(A7506)、制御対象の変動図柄番号を対応する範囲で+1更新して(A7507)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(A7508)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A7511)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中でない場合(A7502の結果が「N」)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(A7509)。本実施形態の場合、ステップA2619、ステップA2621、ステップA7614にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(停止用、表示テーブル2)のアドレスが定義されている。次に、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(A7510)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A7511)、図柄変動制御処理を終了する。
ステップA7506でセーブする点滅制御タイマ初期値は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された値がセーブされる。ここでは、点滅制御タイマ初期値として100msecに相当する値が定義されている。この点滅制御タイマ初期値は、一括表示装置50において変動時間中に点灯パターンを更新する間隔である。
また、ステップA7507における対応する範囲は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された変動図柄番号上限判定値により規定される。ステップA7507において変動図柄番号を+1更新することで変動図柄番号上限値に達した場合は変動図柄番号を0にするようにされており、変動図柄番号は0〜(変動図柄番号上限判定値−1)の範囲で順次更新される。ステップA7508、A7511ではこの変動図柄番号に応じた表示データ(点灯パターン)を取得して表示する設定を行うようになっており、変動図柄番号上限判定値に等しい回数の点灯パターンの更新(変更)が行われることで一巡する表示が繰り返し行われることとなる。
このように処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値と変動図柄番号上限値を定義することで、一括表示装置50において点灯パターンを更新させる間隔や表示が一巡する更新回数をゲームごとに設定することができる。
〔普図ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図ゲーム処理(A1313)の詳細について説明する。図30は、普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(A7601)。ゲートスイッチ監視処理の詳細については、後述する。
続いて、遊技制御装置100は、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理を実行する(A7602)。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A7603)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A7604)。
遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0である場合(A7604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A7605)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A7606)。そして、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A7607)。
遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理を実行する(A7608)。普図普段処理の詳細については、図32にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理を実行する(A7609)。例えば、普図変動中処理では、普図表示中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「2」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図表示時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理を実行する(A7610)。例えば、普図表示中処理では、普図変動表示ゲームの結果が当りの場合に、普図当り中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「3」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする一方、はずれの場合に、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理を実行する(A7611)。例えば、普図当り中処理では、所定回数だけ普通変動入賞装置37を開放するための設定を行った後、普電残存球処理に移行するために、ゲーム処理番号として「4」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理を実行する(A7612)。例えば、普電残存球処理では、普図当り終了処理に移行するために、ゲーム処理番号として「5」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図エンディング時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(A7608)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理を実行する(A7613)。例えば、普図当り終了処理では、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備する(A7614)。その後、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A7615)、普図ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A7604の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA7614以降の処理を実行する。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
図31は、ゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。ゲートスイッチ監視処理は、図30に示した普図ゲーム処理におけるステップA7601にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるか否かを判定する(A7701)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(A7701の結果が「Y」)、右打ちする遊技状態であるか否かを判定する(A7702)。右打ちする遊技状態は、大当り状態、小当り状態、時短状態(普電サポート状態)である。右打ちする遊技状態である場合(A7702の結果が「Y」)、ステップA7705の処理に移行する。右打ちする遊技状態でない場合(A7702の結果が「N」)、左打ち指示報知コマンド(左打ち指示コマンド)を演出コマンドとして準備し(A7703)、演出コマンド設定処理を実行する(A7704)。左打ち指示報知コマンドを受信した演出制御装置300は、左打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(例えば4)未満であるか否かを判定する(A7705)。遊技制御装置100は、普図保留数が上限値未満である場合には(A7705の結果が「Y」)、普図保留数を+1更新し(A7706)、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(A7707)。そして、当り乱数を抽出してRWMの当り乱数格納領域にセーブし(A7708)、当り図柄乱数を抽出し、当り図柄乱数格納領域にセーブし(A7709)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、ゲートスイッチ34aに入力がない場合(A7701の結果が「N」)、又は、普図保留数が上限値未満でないと判定された場合には(A7705の結果が「N」)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図普段処理(A7608)の詳細について説明する。図32は、普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図保留数が0であるか否かを判定する(A7901)。普図保留数が0でない場合には(A7901の結果が「N」)、RWMの普図当り乱数格納領域(保留数1用)から当り乱数をロードし、RWMの普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から当り図柄乱数をロードし、ロードした後の普図当り乱数格納領域(保留数1用)と普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A7902)。さらに、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高い普図高確率中(高確率状態中)であるか否か、すなわち、時短状態(普電サポート状態)であるか否かを判定する(A7903)。なお、高確率中の普図当り確率は250/251であり、低確率中での普図当り確率は0/251である。
遊技制御装置100は、普図高確率中でない場合(A7903の結果が「N」)、普図低確率中の下限判定値である低確率下限判定値(ここでは251)を設定し(A7904)、普図高確率中である場合(A7903の結果が「Y」)、普図高確率中の下限判定値である高確率下限判定値(ここでは1)を設定し(A7905)、ステップA7906の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が上限判定値(ここでは251)以上であるか否か判定する(A7906)。なお、ここでの上限判定値は、普図高確率中と普図低確率中とで共通する。当り乱数が上限判定値以上である場合(A7906の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、ステップA7908の処理に移行する。当り乱数が上限判定値未満である場合(A7906の結果が「N」)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する(A7907)。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満である場合(A7907の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(A7908)。さらに、普図停止図柄番号としてはずれ停止図柄番号を設定し(A7909)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7910)、ステップA7914の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満でない場合(A7907の結果が「N」)、即ち、当りの場合、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(A7911)、ロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(A7912)、当り停止図柄番号に対応する当り停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7913)、ステップA7914の処理に移行する。なお、当り停止図柄は、数種類存在してよく、本実施形態では2個存在する。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブし(A7914)、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブし(A7915)、普図当り乱数格納領域をシフトし(A7916)、シフト後の空き領域を0クリアした後(A7917)、普図保留数を−1更新する(A7918)。
すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数3を抽出し(A7919)、変動パターン乱数3に対応する変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A7920)。例えば、変動時間は、確率200/256で500msec、確率40/256で1500msec、確率16/256で3000msecに振り分けられる。そして、普図変動中処理移行設定処理を実行し(A7921)、普図普段処理を終了する。例えば、普図変動中処理移行設定処理では、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする。そして、普図表示器の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値(例えば100msec)を普図点滅制御タイマ領域にセーブし、普図変動図柄番号領域に初期値(ここでは0)をセーブする。
また、遊技制御装置100は、普図保留数が0である場合には(A7901の結果が「Y」)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A7922)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A7923)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A7924)、普図普段処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、タイマ割込み処理における外部情報編集処理(A1317)の詳細について説明する。図33は、外部情報編集処理の手順を示すフローチャートである。図33Aは外部情報編集処理の前半部分を示し、図33Bは外部情報編集処理の後半部分を示す。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(A1311)、入賞口スイッチ/状態監視処理(A1307)、磁石不正監視処理(A1315)、盤電波不正監視処理(A1316)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ガラス枠開放エラーが発生中であるか否かを判定する(A9501)。ガラス枠開放エラーが発生中でない場合(A9501の結果が「N」)、本体枠開放エラー(前面枠開放エラー)が発生中であるか否かを判定する(A9502)。本体枠開放エラーが発生中でない場合(A9502の結果が「N」)、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9503)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(A9504)。
遊技制御装置100は、ガラス枠開放エラーが発生中である場合(A9501の結果が「Y」)、又は、本体枠開放エラーが発生中である場合(A9502の結果が「Y」)、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9505)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9506)。
遊技制御装置100は、ステップA9504、A9506の後、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ−1更新し(A9507)、セキュリティ信号制御タイマが0であるか否か(タイムアップしたか否か)を判定する(A9508)。セキュリティ信号制御タイマの初期値は、初期化スイッチ(設定値変更スイッチ102)の操作等によりRAMに記憶されたデータが初期化されたときや、設定変更終了時に、所定時間(例えば256msec)が設定される(メイン処理のA1044、A2419)。そして、セキュリティ信号制御タイマはRAM初期化時や設定変更終了時から計時されることになる。また、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、設定キースイッチ93や設定値変更スイッチ102の操作等により設定可変状態(設定変更モード)や設定確認状態(設定確認モード)になった場合に設定され(メイン処理のA1037、A2507)、確率設定値変更中フラグがセットされている設定変更中(設定可変状態中)や確率設定値確認モード中フラグがセットされている設定確認状態中は、セキュリティ信号をずっと出力するようにしてもよい。なお、確率設定値変更中フラグがクリアされるとき(A2418)ではなく、確率設定値変更済みフラグがセットされたときに(A2414)、セキュリティ信号制御タイマが0に設定され、セキュリティ信号の出力を終了する構成も可能である。
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でない場合(A9508の結果が「N」)、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9509)、ステップA9510の処理に移行する。即ち、RAMに記憶されたデータの初期化が行われたことが外部情報として出力される。
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0である場合(A9508の結果が「Y」)、磁石不正が発生中であるか否かを判定する(A9510)。なお、磁石不正フラグ領域に磁石不正発生フラグがセーブされている場合に、磁石不正が発生中であると判定できる。磁石不正が発生中でない場合(A9510の結果が「N」)、さらに、盤電波不正が発生中であるか否かを判定する(A9511)。なお、盤電波不正フラグ領域に盤電波不正発生フラグがセーブされている場合に、盤電波不正が発生中であると判定できる。
遊技制御装置100は、盤電波不正が発生中でない場合(A9511の結果が「N」)、さらに、枠電波不正が発生中であるか否かを判定する(A9512)。枠電波不正が発生中でない場合(A9512の結果が「N」)、さらに、普電不正発生中であるか否かを判定する(A9513)。普電不正発生中でない場合(A9513の結果が「N」)、さらに、大入賞口不正が発生中であるか否か判定する(A9514)。なお、不正&入賞監視処理によって大入賞口に関しての不正入賞発生フラグが不正フラグ領域にセーブされている場合、大入賞口不正が発生中であると判定できる。大入賞口不正が発生中でない場合(A9514の結果が「N」)、スイッチ異常エラーが発生中であるか否かを判定する(A9515)。
遊技制御装置100は、スイッチのコネクタ抜けなどのスイッチ異常エラー(前述のスイッチ異常1エラー)が発生中である場合(A9515の結果が「N」)、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9516)。スイッチ異常エラーが発生中である場合(A9515の結果が「Y」)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9518)。
一方、遊技制御装置100は、磁石不正が発生中である場合(A9510の結果が「Y」)、盤電波不正が発生中である場合(A9511の結果が「Y」)、枠電波不正が発生中である場合(A9512の結果が「Y」)、普電不正発生中である場合(A9513の結果が「Y」)、又は、大入賞口不正が発生中である場合(A9514の結果が「Y」)、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9517)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9518)。セキュリティ信号のオンデータの設定によって、セキュリティ信号が外部情報として外部装置(ホールコンピュータなど)に出力される。
遊技制御装置100は、ステップA9516、A9518の後、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理を実行する(A9519)。続いて、遊技制御装置100は、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理を実行する(A9520)。
次に、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが0でなければ−1更新する(A9521)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は0に設定されている。
そして、遊技制御装置100は、図柄確定回数制御タイマの値が0であるか否かを判定する(A9522)。図柄確定回数制御タイマの値が0である場合(A9522の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9523)、外部情報編集処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、図柄確定回数制御タイマの値が0でない場合(A9522の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9524)、外部情報編集処理を終了する。
〔設定変更中の一括表示装置の表示〕
図34は、確率設定変更中(設定の変更が可能となる設定可変状態中)の一括表示装置50の各表示部の表示、即ち、一括表示装置50の各発光部(LEDランプD1−D18)の発光態様(点灯・消灯の態様)について説明する図である。
確率設定変更中において、遊技制御装置100は、電源投入の前の電源遮断時の遊技機10の状態(遊技状態など)によらず、所定の表示を一括表示装置50の特図変動表示ゲーム用の表示部51、52に表示する。例えば、電源投入の前の電源遮断時に大当り図柄が停止表示されていても、遊技制御装置100は、確率設定変更中において、一括表示装置50の電源遮断時の状態にかかわらず所定の表示を一括表示装置50の表示部51、52に表示できる。従って、確率設定変更中(設定可変状態)において、遊技機10の正面から視認し易い特図変動表示ゲーム用の表示部51、52での所定の表示によって、確率設定変更中であることや、遊技機10が遊技(例えば変動表示ゲーム)のできない状態であることを示唆することができる。
図34Aでは、確率設定変更中(設定可変状態中)において、一括表示装置50の特図1変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51(7セグメント型のLEDランプD1)に、所定の表示として確率設定値(ここでは6)が表示される。このように、確率設定変更中において、第1特図変動表示部51に変動停止時と異なる表示(通常と異なる表示)を行うことによって、遊技機10が遊技(例えば変動表示ゲーム)のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。なお、第1特図変動表示部51及び第2特図変動表示部52の変動停止時の停止表示では、確率設定値を示す数字1〜6は使用されないものとする。
例えば、遊技制御装置100は、作業用確率設定値に対応する確率設定値表示データ(A2409)や確率設定値に対応する確率設定値表示データ(A2413)に基づいて、第3出力ポート135と第4出力ポート136に出力データを出力して、作業用確率設定値や確率設定値を第1特図変動表示部51(LEDランプD1)に点灯表示又は点滅表示してよい(出力処理のA1603−A1608)。
なお、一括表示装置50の特図2変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部52(7セグメント型のLEDランプD2)に、確率設定値が点灯表示又は点滅表示されてもよい。また、第1特図変動表示部51と第2特図変動表示部52の両方を用いて、確率設定値が点灯表示又は点滅表示されてもよい。
さらに、設定変更する権限のない者が遊技機10から離れた場所で確率設定値を視認し難くするように、明るさを通常よりも弱くして確率設定値が点灯表示又は点滅表示されてもよい。
図34Bでは、確率設定変更中において、第1特図変動表示部51(LEDランプD1)に、所定の表示として、確率設定変更中(設定可変状態中)であることを示唆する変更中情報表示(例えば文字「P」)が表示される。このように、確率設定変更中において、第1特図変動表示部51に変動停止時と異なる表示(通常と異なる表示)を行うことによって、遊技機10が遊技のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。なお、第1特図変動表示部51及び第2特図変動表示部52の変動停止時の停止表示では、変更中情報表示(例えば文字「P」)と同じ識別情報(特別図柄)は使用されないものとする。
例えば、遊技制御装置100は、確率設定変更中であると判定された場合に(A2401の結果が「Y」)、第3出力ポート135と第4出力ポート136への変更中情報表示に関する出力データを生成する処理を実行して(図10に処理ステップを追加する)、変更中情報表示を第1特図変動表示部51に点灯表示又は点滅表示してよい(出力処理のA1603−A1608)。また、例えば、遊技制御装置100は、前面枠12(本体枠)が開放状態で設定キースイッチ93がオンである場合に(A1024の結果が「Y」)、確率設定値変更中フラグをセットするときに(A1038)、第3出力ポート135と第4出力ポート136に出力データを出力して、変更中情報表示を第1特図変動表示部51(LEDランプD1)に点灯表示又は点滅表示してもよい。
なお、一括表示装置50の特図2変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部52(7セグメント型のLEDランプD2)に、変更中情報表示が点灯表示又は点滅表示されてもよい。また、第1特図変動表示部51と第2特図変動表示部52の両方を用いて、変更中情報表示が点灯表示又は点滅表示されてもよい。
図34Cでは、確率設定変更中において、第1特図変動表示部51に、所定の表示として、特別結果以外(大当り以外)の変動表示ゲームの停止結果(はずれ結果)と同じ表示が表示される。本実施形態において、はずれ結果(はずれ図柄)は、第1特図変動表示部51(7セグメント型のLEDランプD1)の中央のセグメントが点灯する表示である。このように、確率設定変更中において、第1特図変動表示部51に所定の表示を行うことによって、遊技機10が遊技の実行中でないことを遊技機10の正面において示唆できる。また、設定変更終了にRAM領域を0クリアするが(A2418)、はずれ結果(はずれ図柄)を確率設定変更中から表示しておくことによって、第1特図変動表示部51に表示するデータの初期値設定(A2419)が不要になる場合もある。
例えば、遊技制御装置100は、確率設定変更中であると判定された場合に(A2401の結果が「Y」)、第3出力ポート135と第4出力ポート136へのはずれ結果(はずれ図柄)の表示に関する出力データを生成する処理を実行して(図10に処理ステップを追加する)、はずれ結果の表示を第1特図変動表示部51に点灯表示してよい(出力処理のA1603−A1608)。また、例えば、遊技制御装置100は、前面枠12(本体枠)が開放状態で設定キースイッチ93がオンである場合に(A1024の結果が「Y」)、確率設定値変更中フラグをセットするときに(A1038)、第3出力ポート135と第4出力ポート136に出力データを出力して、はずれ結果の表示を第1特図変動表示部51(LEDランプD1)に点灯表示してもよい。
なお、一括表示装置50の特図2変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部52(LEDランプD2)に、はずれ結果の表示が点灯表示されてもよい。また、第1特図変動表示部51と第2特図変動表示部52の両方を用いて、はずれ結果の表示が点灯表示されてもよい。
図34Dでは、確率設定変更中において、第1特図変動表示部51(LEDランプD1)に、所定の表示として、消灯表示が表示される。このように、確率設定変更中において、第1特図変動表示部51に変動停止時と異なる表示(通常と異なる表示)を行うことによって、遊技機10が遊技のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。なお、第1特図変動表示部51及び第2特図変動表示部52の変動停止時の停止表示では、消灯表示は使用されないものとする。
例えば、遊技制御装置100は、電源投入(電源復旧)から確率設定値が変更済みになるまで(A2406の結果が「Y」)、第3出力ポート135と第4出力ポート136への第1特図変動表示部51用の出力データを生成しないようにし、消灯表示を第1特図変動表示部51に表示してよい。
なお、一括表示装置50の特図2変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部52(7セグメント型のLEDランプD2)に、消灯表示されてもよい。また、第1特図変動表示部51と第2特図変動表示部52の両方で、消灯表示されてもよい。
以上の図34Aから図34Dにおいて、確率設定変更中において、特図変動表示ゲーム用の表示部51、52(D1、D2)以外のLEDランプ(例えばLEDランプD3−D18)は、消灯されてもよいし、循環的に点灯させてアニメーションを表示してもよい。
図34Eと図34Fでは、確率設定変更中において、一括表示装置50の全ての表示部(即ち、全ての発光部:LEDランプD1−D18)を点灯表示又は点滅表示することによって、所定の表示として、全点灯表示又は全点滅表示が一括表示装置50に表示される。このように、確率設定変更中において、一括表示装置50に変動停止時と異なる表示(通常と異なる表示)を行うことによって、遊技機10が遊技のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。
なお、図34Fの全点滅表示は、一括表示装置50の全消灯表示と全点灯表示が所定時間間隔で繰り返されることによって、実行される。
例えば、遊技制御装置100は、確率設定変更中であると判定された場合に(A2401の結果が「Y」)、第3出力ポート135と第4出力ポート136への全点灯表示又は全点滅表示に関する出力データを生成する処理を実行して、全点灯表示又は全点滅表示を一括表示装置50に表示してよい(出力処理のA1603−A1608)。また、例えば、遊技制御装置100は、前面枠12(本体枠)が開放状態で設定キースイッチ93がオンである場合に(A1024の結果が「Y」)、確率設定値変更中フラグをセットするときに(A1038)、第3出力ポート135と第4出力ポート136に出力データを出力して、全点灯表示又は全点滅表示を一括表示装置50(LEDランプD1−D18)に表示してもよい。
図34Gは、図34A−図34Fの一括表示装置50の他の構成例を示す。図34Gでは、一括表示装置50のLEDランプD1−D18の周囲において、遊技機10の性能(スペック)に関する性能表示が表示されている。なお、性能表示は印字されているが、LEDランプや液晶ディスプレイ等の発光によって表示されてもよい。性能表示として、設定1(最低設定)と設定6(最高設定)における低確率時における大当り確率の表示85a「1/300と1/200」、賞球数の表示85b「3&2&10&14」、ラウンド数上限値の表示85c「2,6,16」、型式(正式な名称)の表示85d「CRxxxxx」、確変大当りに関するリミットの有無の表示85e(ここでは「リミットなし」)が表示される。
賞球数の表示85bでは、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、及び特別変動入賞装置39の賞球数が順に表示される。確変大当りに関するリミットとは、連続して発生する確変大当りの回数が所定のリミット回数に制限されることを意味する(一回の大当りで所定のリミット回数(連荘回数)の大当りが発生可能になる)。
なお、低確率時における大当り確率の表示85aを設定1(最低設定)と設定6(最高設定)に対してだけ表示するため、一括表示装置50の周囲の空き領域に収まるように表示できる。なお、低確率時における大当り確率の表示85aを設定3(中間設定)に対してだけ表示したり、低確率時における大当り確率の表示85aを設定1(最低設定)と設定6(最高設定)のいずれか一方(最低値1/300と最高値1/200の一方)だけ表示したり、低確率時における大当り確率の範囲(1/300〜1/200)を表示してもよい。
また、低確率時における大当り確率のうち、一括表示装置50のLEDランプD1−D18の周囲で表示しきれないもの(設定2、4、5等の大当り確率)は、遊技領域32の外で一括表示装置50とは別部材の空き領域に表示してよい。なお、この別部材に一括表示装置50に表示したものを重複して表示してもよい。例えば、図2Aの遊技盤の右上や左下や左上の空き領域や、遊技領域32を区画する部材(ガイドレール31)などに、設定2、4、5等に対する低確率時における大当り確率を表示してもよい。或は、遊技領域内の空き領域(例えば左下の一般入賞口35の表面)に、設定2、4、5等に対する低確率時における大当り確率を表示してもよい。また、確変大当りに関するリミットの有無の表示85eは、リミットがある場合のみ「リミットあり」と表示され、リミットがない場合には何も表示しなくてよい。このように、一括表示装置50のLEDランプD1−D18の周囲に性能表示として表示する項目は適宜変更可能である。例えば、大当り時のラウンド数上限値の表示85cは別領域や表示装置41に表示する等、性能表示として表示する一部又は全部の項目は、必要に応じて一括表示装置50に表示させたり、表示させなくてもよい。
また、演出制御装置300は、表示装置41に、設定変更中、設定確認中、及び/又は、客待ち中に、設定2、4、5等に対する低確率時における大当り確率を表示してもよい。演出制御装置300は、低確率時における大当り確率を予めメモリ(プログラムROM321等)に記憶しておいてよい。なお、この表示装置41に一括表示装置50に表示したものを重複して表示してもよい。各設定の大当り確率の表示の切替えは、演出ボタン25や十字キー等の操作部を操作することによって実行されてよい。
図35(A)(B)は、確率設定変更中において、一括表示装置50の第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52に所定の表示(ここでは確率設定値6)を表示する場合において、遊技機10の正面以外の斜め方向から所定の表示を視認し難くする構成を示す。この構成によって、確率設定変更中に、設定変更する権限のない者が遊技機10の斜め方向から所定の表示(特に確率設定値)を視認することを防止できる。
図35(A)では、一括表示装置50の正面に2つの窪み部51a、51b(凹部)を設けて、窪み部51a、51bの中にそれぞれ第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52が配置される。図35(B)では、一括表示装置50の正面に、第1特図変動表示部51と第2特図変動表示部52を包囲する環状の壁部50a(凸部)を設ける。これによって、第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52の表示を斜め方向から視認し難くなる。
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を説明する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図36は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。なお、演出制御装置300が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B0001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B0002、B0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU311が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
その後、演出制御装置300は、計時手段としてのRTC(リアルタイムクロック)338から時刻の情報を読み込むRTC読込処理を実行する(B0009)。
RTC読込処理では、所定の周期(例えば1分おき)でRTC338から時刻の情報を読み込む構成としてもよく、ステップB0009へ処理が移行する度に時刻の情報を読み込む必要はない。また、演出制御装置300への電源投入(即ち遊技機10への電源投入)の際に、一度だけ、RTC読込処理を実行する構成としてもよい(RTC読込処理の位置を変えて、例えばステップB0003とB0004の間で実行してもよい)。演出制御装置300は、RAM内のタイマ領域に時刻を計時する時刻用タイマ(計時手段)を設定し、所定の周期でRTC338から時刻の情報を読み込んだ際又は電源投入時に一度だけRTC338から時刻の情報を読み込んだ際に、時刻用タイマをRTC338の時刻に合わせるよう調整してよい。そして、演出制御装置300は、RTC338に代えて、時刻用タイマを使用して各種処理を実行してもよい。このようにすれば、RTC338から時刻を読み込む処理の回数を低減でき、CPU311の負荷が減少する。
なお、RTC読込処理において、読み込んだ時刻が複数の所定時刻(第1所定時刻、第2所定時刻、・・・)のいずれかに合致する場合に、所定の演出を実行してよいが、複数の所定時刻の時間間隔を設定値に応じた確率で抽選することによって、遊技者はこの時間間隔から設定値を推定することができる。例えば、長い時間間隔の選択率が、設定値が大きいほど小さくなるように抽選されてよい。また、所定の演出を実行する実行期間を設定値に応じた確率で抽選することによって、遊技者は所定の演出の実行期間から設定値を推定することができる。例えば、長い実行期間の選択率が、設定値が大きいほど大きくなるように抽選されてよい。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンスイッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0010)。続いて、遊技場(遊技店)の責任者や遊技者等によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0011)。ホール・遊技者設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズすることができる。
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制御処理を実行する(B0012)。演出ポイント制御処理では、演出ポイントの加算対象となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報等を含む情報がQRコード(登録商標)として表示装置41に表示される。例えば、演出制御装置300は、ホール・遊技者設定モード処理において、QRコード(登録商標)を表示装置41に表示できる。なお、演出ポイントに加算する値(加算値)を設定値に応じた確率で抽選することによって、遊技者は加算値から設定値を推定することができる。例えば、大きな加算値の選択率が、設定値が大きいほど大きくなるように抽選してよい。
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B0013)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B0014)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図37にて後述する。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等の表示装置(表示手段)に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0015)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B0016)。
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B0017)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0017の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB0017の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B0017の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B0018)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B0019)。
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B0020)。装飾制御処理では、例えば、LED等の装飾装置の発光制御を実行する。
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置44、枠演出装置)を制御する可動体制御処理を実行する(B0021)。可動体制御処理では、例えば、モータを駆動する役物動作演出を設定する。
そして、演出制御装置300は、前述のB0021の処理を終えると、B0008の処理に戻る。以降、B0008からB0021までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図37を参照して、上述したメイン処理(図36)における受信コマンドチェック処理(B0014)の詳細について説明する。図37は、演出制御装置300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェックするためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100から受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B1104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0〜31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返す。
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y])、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、次の図38にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していない場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y])、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図38を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図37)における受信コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図38は、演出制御装置300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B1202)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンを指令するコマンドであり、変動コマンド(図42の変動開始情報設定処理で設定)がある。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B1205の結果が「N」)、次に、MODE部が大当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B1207)。なお、大当り系コマンドは、大当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドであり、例えば、ファンファーレコマンド(特図表示中処理で設定)、ラウンドコマンド(ファンファーレ/インターバル中処理で設定)、インターバルコマンド(大入賞口開放中処理で設定)、エンディングコマンド(大入賞口開放中処理で設定)などである。そして、MODE部が大当り系コマンドを表す場合には(B1207の結果が「Y」)、大当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が大当り系コマンドを表していない場合には(B1207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1209)。なお、図柄系コマンドには、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンド(A4018)、飾り特図2コマンド(A4112)がある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B1209の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B1211の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1213)。先読み図柄系コマンドには、前述の先読み停止図柄コマンド(図15のA3014)がある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、前述の先読み変動パターンコマンド(図15のA3018)がある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、図39を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図38)における単発系コマンド処理(B1212)の詳細について説明する。図39は、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B1302)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1301の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧時のコマンドを表すか否かを判定する(B1305)。そして、MODE部が停電復旧時のコマンドを表す場合には(B1305の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧時のコマンドを表していない場合には(B1305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B1307の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンド(A2917、A3207)を表すか否かを判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合には(B1309の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合には(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンド(A2917、A3203)を表すか否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す場合には(B1311の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B1312)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合には(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを判定する(B1315)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コマンド(不正の発生した際に不正&入賞監視処理で設定)、不正解除コマンド(不正の解除した際に不正&入賞監視処理で設定)、状態オフコマンド(A2204)、状態オンコマンド(A2207)がある。状態オンコマンドとして、ガラス枠開放検出スイッチ63からの信号の発生(ガラス枠開放エラー)や、前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号の発生(本体枠開放エラー、前面枠開放エラー)を示すコマンドがある。また、状態オフコマンドは、エラーの不発生を示す。
そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1315の結果が「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(B1316)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合には(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンド(特図表示中処理等で設定)を表すか否かを判定する(B1317)。そして、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード切替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合には(B1317の結果が「N」)、次に、MODE部がアウト球数コマンドを表すか否かを判定する(B1319)。そして、MODE部がアウト球数コマンドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、アウト球数受信時処理を実行し(B1320)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がアウト球数コマンドを表していない場合には(B1319の結果が「N」)、次に、MODE部がカウントのコマンド(A3107、A3111の大入賞口カウントコマンド)を表すか否かを判定する(B1321)。そして、MODE部がカウントのコマンドを表す場合には(B1321の結果が「Y」)、カウント情報設定処理を実行し(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がカウントのコマンドを表していない場合には(B1321の結果が「N」)、MODE部が設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)を表すか否かを判定する(B1323)。設定値情報コマンドは、図5BのステップA1035の停電復旧時のコマンド及びステップA1045の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドに含まれる。また、前述のように、ステップA2421の確率設定変更終了のコマンドに伴って、確率設定変更終了の際に設定値情報コマンドが遊技制御装置100から送信される。そして、MODE部が設定値情報コマンドを表す場合には(B1323の結果が「Y」)、設定値受信時処理を実行し(B1324)、単発系コマンド処理を終了する。設定値受信時処理では、設定値(確率設定値)をRAM等の記憶部に記憶するとともに必要な処理を実行する。
演出制御装置300は、MODE部が設定値情報コマンドを表していない場合には(B1323の結果が「N」)、MODE部が設定変更系のコマンドを表すか否かを判定する(B1325)。設定変更系のコマンドとして、例えば、設定変更指示のコマンド(A1029)、確率設定変更中のコマンド(A1041)、確率設定値変更のコマンド(A2415)、確率設定変更終了のコマンド(A2421)がある。そして、MODE部が設定変更系のコマンドを表す場合には(B1325の結果が「Y」)、設定変更系情報設定処理を実行し(B1326)、単発系コマンド処理を終了する。設定変更系情報設定処理では、設定変更系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、設定変更指示のコマンドを受信した場合に、設定変更系情報設定処理では、遊技者に設定変更することを促す設定変更指示表示を表示装置41に表示する。また、確率設定変更中のコマンドを受信した場合に、設定変更系情報設定処理では、遊技者に設定変更中であること報知する設定変更中表示を表示装置41に表示する。
演出制御装置300は、MODE部が設定変更系のコマンドを表していない場合には(B1325の結果が「N」)、MODE部が設定確認系のコマンドを表すか否かを判定する(B1327)。設定確認系のコマンドとして、例えば、確率設定値確認中のコマンド(A2508)、確率設定値確認終了のコマンド(A2512)がある。そして、MODE部が設定確認系のコマンドを表す場合には(B1327の結果が「Y」)、設定確認系情報設定処理を実行し(B1328)、単発系コマンド処理を終了する。設定確認系情報設定処理では、設定確認系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定値確認中のコマンドを受信した場合に、設定確認系情報設定処理では、遊技者に設定確認中であること報知する設定確認中表示を表示装置41に表示する。
次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1329)。なお、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンドと特図2の図柄停止コマンドがある。そして、MODE部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1329の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1330)。
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1330の結果が「Y」)、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1331)、全図柄が停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1332)、単発系コマンド処理を終了する。B1332の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定しているが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り中」「小当り中」のフラグが設定される。
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1329の結果が「N」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1330の結果が「N」)には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、図40を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図38)における先読み図柄系コマンド処理(B1214)の詳細について説明する。図40は、演出制御装置300によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、最新保留情報が特図1保留(特図1始動記憶)の情報であるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図1保留数コマンドであるか否かを判定する(B1601)。最新保留情報が特図1保留の情報である場合(B1601の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1602)。
演出制御装置300は、最新保留情報が特図1保留の情報でない場合(B1601の結果が「N」)、即ち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図2保留数コマンドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1603)。
演出制御装置300は、ステップB1602とB1603の後、先読み変動系コマンドの受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(B1604)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっているため、遊技制御装置100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマンドが送信されるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、図41を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図38)における先読み変動系コマンド処理(B1216)の詳細について説明する。図41は、演出制御装置300によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、先読み変動系コマンドの受信待ち中であるか否かを判定する(B1701)。前述の先読み変動系コマンド受信待ちフラグ(B1604)が設定されている場合、先読み変動系コマンドの受信待ち中であると判定できる。先読み変動系コマンドの受信待ち中でない場合(B1701の結果が「N」)、先読み変動系コマンド処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信待ち中である場合(B1701の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをクリアする(B1702)。
次に、演出制御装置300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特図1又は特図2)の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(B1703)、先読み変動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得する(B1704)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(B1705)、先読み変動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み変動コマンドACT部を取得する(B1706)。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(B1707)。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMODE部、ACT部が共に0以外である場合(B1707の結果が「Y」)、変換後のMODE部とACT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)にセーブする(B1708)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行して(B1709)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判定する(B1710)。
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になければ長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる。従って、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置300の内部コマンドが同じに扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマンドMODE部に変換しておく。
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置300がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、ノーマルリーチ−1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。従って、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT部に変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の負担を軽減する。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(B1707の結果が「N」)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(B1710の結果が「N」)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(B1710の結果が「Y」)、先読み対象の保留情報(最新保留の情報)を先読み変動コマンド領域からロードし(B1711)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理を実行する(B1712)。先読み演出としては、例えば、連続予告演出(チャンス目先読み演出を含む)、先読みゾーン演出、保留変化予告などがある。続いて、最新保留の先読み予告演出(保留変化予告等)が発生するか否かを判定する(B1713)。最新保留の先読み予告演出が発生する場合(B1713の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応するポイント情報を設定する(B1714)。
次に、演出制御装置300は、発生する先読み予告演出(保留変化予告)が直ちに開始する演出であるか否か判定する(B1715)。発生する先読み予告演出が直ちに開始する演出である場合(B1715の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する表示を設定する(B1716)。そして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、最新保留の先読み予告演出が発生しない場合(B1713の結果が「N」)、又は、発生する先読み予告演出が直ちに開始する演出でない場合(B1715の結果が「N」)、そのまま。先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図42を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図38)における図柄系コマンド処理(B1210)の詳細について説明する。図42は、演出制御装置300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B1802)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、本実施形態において、図柄種別は、はずれ図柄や、図27に示した2R確変大当り図柄(2R−A1等)、2R通常大当り図柄(2R−A2等)、6R確変大当り図柄(6R−A1等)、6R通常大当り図柄(6R−A2等)、16R確変大当り図柄(16R−A1等)、16R通常大当り図柄(16R−A2等)に対応する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図43を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図38)における変動系コマンド処理(B1206)の詳細について説明する。図43は、演出制御装置300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1904)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B1905)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続予告演出の先読み演出回数(連続予告演出の残り回数)が0でなければ−1更新する(B1907)。
〔変動演出設定処理〕
次に、図44を参照して、前述した変動系コマンド処理(図43)における変動演出設定処理(B1905)の詳細について説明する。図44は、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にならない変動)であるか否かを判定する(B2001)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(B2001の結果が「Y」)、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、設定値(確率設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2002)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2003)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対応するテーブルのアドレスを取得している。
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B2001の結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定値(確率設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2004)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2005)。
演出制御装置300は、ステップB2003、B2005の後、前半変動中(リーチ前)に出現する予告の抽選を行う(B2006)。なお、予告の抽選確率は、設定値に依存することになる。続いて、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定値(確率設定値)に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2007)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(B2008)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(B2009)。なお、予告の抽選確率は、設定値に依存することになる。その後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容を決定する(B2010)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などがわかる。
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決定する(B2011)。その後、例えばリーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する停止図柄設定処理を実行する(B2012)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する。
次に、演出制御装置300は、リーチ演出等の変動演出の表示設定を行い(B2013)、予告演出の表示設定を行う(B2014)。続いて、特図種別に対応する保留減少(保留シフト)の表示設定を行い、例えば、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減る表示が設定される(B2015)。続いて、スピーカの音声による演出態様(音出力態様)を定める音声番号、装飾装置の発光による演出態様を定める装飾番号を設定する(B2016)。装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)は、複数の装飾用発光部(装飾LED等)を有し、装飾番号で定められる発光態様(各LEDの色や発光タイミング等)で発光する。
なお、音声番号や装飾番号を、演出内容に基づいて設定するだけでなく、設定値(確率設定値)に応じた抽選確率で抽選して設定することも可能である。このようにすると、遊技者は、装飾装置の発光態様、即ち、装飾用発光部(LED)の発光態様から遊技機10の設定値(確率設定値)を推測することを楽しめる。
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B2017)、表示装置41で変動する前述の第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄、識別情報)に関する第4図柄変動の表示設定を行う(B2018)。なお、第4図柄変動は、表示装置41以外に設けた前述のランプ表示装置80のランプ表示部1、2(LED)で表示される。
〔大当り系コマンド処理〕
次に、図45を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図38)における大当り系コマンド処理(B1208)の詳細について説明する。図45は、演出制御装置300によって実行される大当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表すか否かを判定する(B2101)。大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表す場合(B2101の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがファンファーレコマンドである場合、ファンファーレ演出を設定するためのファンファーレ演出設定処理を実行する(B2102)。なお、ファンファーレコマンドには、今回の大当りのラウンド数上限値の情報が含まれている。続いて、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにファンファーレ中を設定し(B2103)、大当り系コマンド処理を終了する。なお、ラウンド数上限値は、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)から判定される図柄種別からも得ることができる。
演出制御装置300は、受信した大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さない場合には(B2101の結果が「N」)、大当り系コマンドのMODE部がラウンドを表すか否かを判定する(B2104)。MODE部がラウンドを表す場合(B2104の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがラウンドコマンドである場合、演出制御装置300は、ラウンド演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにラウンド中を設定し(B2105、B2106)、大当り系コマンド処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(B2104の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部がインターバルを表すか否かを判定する(B2107)。MODE部がインターバルを表す場合(B2107の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制御装置300は、インターバル演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定し(B2108、B2109)、大当り系コマンド処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(B2107の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部がエンディングを表すか否かを判定する(B2110)。MODE部がエンディングを表す場合(B2110の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがエンディングコマンドである場合、演出制御装置300は、エンディング演出を設定するためのエンディング演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中を設定し(B2111、B2112)、大当り系コマンド処理を終了する。
なお、受信した大当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(B2110の結果が「N」)、演出制御装置300は、いずれの処理も実行せずに、大当り系コマンド処理を終了する。
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態によると、遊技機10は、始動条件の成立(例えば始動入賞口への入賞)に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを表示部(例えば、第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52)に表示可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)を備え、変動表示ゲームの停止結果が特別結果となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる。設定変更手段(例えば、設定キースイッチ93と設定値変更スイッチ102)は、遊技機10への電源投入の際に、遊技条件に関する設定(又は遊技に関する設定)を変更可能である。遊技制御手段(遊技制御装置100)は、遊技機10への電源投入の際に、設定の変更が可能となる設定可変状態に移行可能であり、設定可変状態に移行する前の電源遮断時の遊技機10の状態によらず、所定の表示を表示部に表示する(図34)。
従って、設定可変状態(設定変更中)において、遊技機10の正面から視認し易い特図変動表示ゲーム用の表示部での所定の表示によって、設定変更中であることや、遊技機10が遊技(例えば変動表示ゲーム)のできない状態であることを示唆することができる。なお、設定可変状態においても電源遮断時の遊技機10の状態を維持して、特図変動表示ゲーム用の表示部に変動停止時の通常の表示(はずれ図柄、大当り図柄)などを表示したままだと、例えば設定変更完了前に前面枠12(本体枠)を閉じてしまった場合などに、遊技のできる状態であると誤認させる可能性がある。
第1実施形態によると、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを発光部(例えば、LEDランプD1やD2)に表示可能である。遊技機10は、この発光部、及び、当該発光部と異なる他の発光部を含む表示装置(一括表示装置50)と、を備える。遊技制御手段は、設定の変更が可能となる設定可変状態において、表示装置の全ての発光部を点滅させてよい(図34F)。
従って、設定可変状態(設定変更中)において、表示装置(一括表示装置50)に通常と異なる表示を行うことによって、遊技機10が遊技のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。
第1実施形態によると、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、設定可変状態(設定変更中)において、設定可変状態であることを示唆する情報を表示部(例えば、第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52)に表示してよい(図34B)。
従って、設定可変状態(設定変更中)において、変動表示ゲーム用の表示部に通常と異なる表示を行うことによって、遊技機10が遊技のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。
第1実施形態によると、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、設定可変状態(設定変更中)において、表示部(例えば、第1特図変動表示部51及び第2特図変動表示部52)を消灯してよい(図34D)。
従って、設定可変状態(設定変更中)において、変動表示ゲーム用の表示部に通常と異なる表示(変動表示ゲームの変動停止時と異なる表示)を行うことによって、遊技機10が遊技のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。
第1実施形態によると、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、設定可変状態において、特別結果以外(大当り結果以外)の変動表示ゲームの停止結果(はずれ結果)と同じ表示を表示部(例えば、第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52)に表示してよい(図34C)。
従って、設定可変状態(設定変更中)において、変動表示ゲーム用の表示部に所定の表示を行うことによって、遊技機10が遊技の実行中でないことを遊技機10の正面において示唆できる。特別結果以外(大当り結果以外)の変動表示ゲームの停止結果(はずれ結果)を設定変更中から表示しておくことによって、変動表示ゲーム用の表示部に表示するデータに関して、設定変更終了時の初期値設定が不要になる。
[第2実施形態]
図46から図49を参照して、第2実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
第1実施形態は、はずれ図柄によるチャンス目先読み演出(チャンス目先読み予告)に関するものである。飾り特図変動表示ゲームの特定の停止結果態様(特定のはずれ停止図柄態様)であるチャンス目を設定値(確率設定値)に応じて抽選又は選択可能として、チャンス目によって設定値を示唆又は報知可能にする。
〔停止図柄設定処理〕
図46を参照して、第2実施形態に係る停止図柄設定処理を説明する。図46は、特図変動表示ゲームを実行する際の変動演出設定処理(図44)において、演出制御装置300によって実行される停止図柄設定処理(B2012)の手順を示すフローチャートである。停止図柄設定処理では、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄(停止結果)が決定される。
演出制御装置300は、まず、受信した変動系コマンドに係る特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定する(B2301)。特図変動表示ゲームが大当りである場合に(B2301の結果が「Y」)、図柄種別(B1802)に応じて大当り停止図柄(「2,2,2」等)を抽選する(B2302)。
演出制御装置300は、特図変動表示ゲームが大当りでない場合に(B2301の結果が「N」)、連続予告演出としてのチャンス目先読み演出の先読み演出回数(連続予告演出の残り回数)が0であるか否かを判定する(B2303)。先読み演出回数(連続予告演出の残り回数)が0である場合に(B2303の結果が「Y」)、ステップB2308の処理に移行する。なお、先読み演出回数(連続予告演出の残り回数)の初期値は、先読み対象の保留の大当りの期待度、即ち、先読み対象の保留によって実行される特図変動表示ゲームの大当りの期待度に応じて設定してもよい。
演出制御装置300は、先読み演出回数(連続予告演出の残り回数)が0でない場合に(B2303の結果が「N」)、チャンス目停止図柄態様(チャンス目態様、はずれ図柄グループ)を先読み対象の保留の大当りの期待度に応じて設定する(B2304)。チャンス目停止図柄態様には、設定値を示唆又は報知することができない通常態様、設定値を示唆することができる特殊態様(設定示唆態様)、設定値を確定的に報知することができる確定態様(設定報知態様)がある(図47参照)。
例えば、先読み対象の保留(始動記憶)に係る特図変動表示ゲームにスペシャル1リーチ(SP1リーチ)が発生する場合に、チャンス目停止図柄態様を通常態様に設定し、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)が発生する場合に特殊態様に設定し、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)が発生する場合に確定態様に設定できる。前述のように大当りの期待度(期待値)はSP1リーチ<SP2リーチ<SP3リーチの順になっているため、チャンス目停止図柄態様を先読み対象の保留の大当りの期待度に応じて設定できる。なお、逆に、先読み対象の保留に係る特図変動表示ゲームにSP3リーチが発生する場合に、チャンス目停止図柄態様を通常態様に設定し、SP2リーチが発生する場合に特殊態様に設定し、SP3リーチが発生する場合に確定態様に設定してもよい。
以上のように、チャンス目停止図柄態様を先読み対象の保留のリーチ種別(リーチ演出の系統)に対応して設定することによって、チャンス目停止図柄態様を先読み対象の保留の大当りの期待度に応じて設定できる。従って、チャンス目停止図柄態様によって、先読み演出として、先読み対象の保留の大当りの期待度を報知できる。なお、先読み対象の保留に係る特図変動表示ゲームで発生するリーチ種別は、先読み変動系コマンド(B1215)としての先読み変動パターンコマンドや変動演出の内容(B2010)からわかる。
次に、演出制御装置300は、設定値を示唆又は報知する設定示唆演出(設定関連演出)を実行するか否かを判定する(B2305)。チャンス目停止図柄態様が通常態様であり、設定示唆演出を実行しない場合に(B2305の結果が「N」)、通常態様のはずれ図柄態様(はずれ図柄グループ)から設定値とは無関係にはずれ停止図柄を抽選し(B2306)、停止図柄設定処理を終了する。チャンス目停止図柄態様が特殊態様又は確定態様であり、設定示唆演出を実行する場合に(B2305の結果が「Y」)、特殊態様であれば、特殊態様のはずれ図柄態様(はずれ図柄グループ)から設定値に応じた抽選確率ではずれ停止図柄を抽選し、確定態様であれば、確定態様のはずれ図柄態様(はずれ図柄グループ)から設定値に応じてはずれ停止図柄を確定(決定)する(B2307)。
演出制御装置300は、先読み演出回数(連続予告演出の残り回数)が0である場合に(B2303の結果が「Y」)、設定値を示唆又は報知する設定示唆演出(設定関連演出)を実行するか否かを判定する(B2308)。例えば、抽選を行って当選した場合に、設定示唆演出を実行すると判定してよい。設定示唆演出を実行しない場合に(B2308の結果が「N」)、設定値とは無関係にはずれ停止図柄を抽選する(B2309)。設定示唆演出を実行する場合に(B2308の結果が「Y」)、設定値に応じた抽選確率ではずれ停止図柄を抽選する(B2310)。このように、先読み演出回数(連続予告演出の残り回数)が0でありチャンス目先読み演出を実行しない場合でも(B2303の結果が「Y」)、チャンス目先読み演出とは独立に設定示唆演出が実行できる。
なお、ステップB2308からB2310までの処理は、オプションであり、実行しない構成としてもよい。
〔チャンス目停止図柄態様〕
図47は、チャンス目先読み演出におけるチャンス目停止図柄態様について説明する図である。チャンス目停止図柄態様には、通常態様、特殊態様(設定示唆態様)、確定態様(設定報知態様)がある。
通常態様のはずれ図柄態様(はずれ図柄グループ)には、例えば、「2,4,6」(青色)、「1,5,9」(緑色)、「3,7,7」(赤色)のはずれ停止図柄がある。特殊態様のはずれ図柄態様(はずれ図柄グループ)には、例えば、「2,4,6」(緑色)、「1,5,9」(赤色)、「3,7,7」(青色)のはずれ停止図柄がある。確定態様のはずれ図柄態様(はずれ図柄グループ)には、色彩は関係なく「○,1,1」「○,2,2」「○,3,3」「○,4,4」「○,5,5」「○,6,6」のはずれ停止図柄がある。なお、○は、左右中の3つの飾り識別図柄(識別情報)のうちの中と右の揃った2つの図柄(ゾロ目)と異なる任意の図柄を示す。
なお、確定態様(設定報知態様)のはずれ停止図柄は、通常態様と特殊態様で用いられていない色彩(例えば、青色、緑色、赤色以外の金色や虹色など)や形状を有して、わかりやすくなるように区別してもよい。
通常態様では、各はずれ停止図柄の抽選における選択率(振分率)が設定(設定値)にかかわらず同じ値に定められている。従って、図47に示すように、通常態様の1つのはずれ停止図柄が選択された場合の各設定の確率(期待度)は同じ(100/6≒17%)となる。図47の確率は、特定のはずれ停止図柄が表示された場合に、遊技者が推測できる各設定値の期待度である。このため、通常態様は、遊技者が設定値を推定することができない態様、即ち、設定値を示唆又は報知することができない態様である。なお、図47の例では、1回の抽選における通常態様のはずれ停止図柄の選択率は、いずれも100/3(≒33.3)%である。
特殊態様では、各はずれ停止図柄の抽選における選択率が設定(設定値)によって異なるように定められている。従って、図47に示すように、特殊態様の1つのはずれ停止図柄が選択された場合の各設定の確率(期待度)は異なる(一部の設定では同じでもよい)。このため、特殊態様は、遊技者が設定値を推定することができる態様、即ち、設定値を示唆することができる態様である。
確定態様では、各はずれ停止図柄の抽選における選択率が、所定の1つの設定(設定値)に対してのみ100%に定められている。従って、図47に示すように、確定態様の1つのはずれ停止図柄が選択された場合に、所定の1つの設定である確率(期待度)が100%になり、他の設定である確率(期待度)は0%になる。このため、確定態様は、遊技者が設定値を認識できる態様、即ち、設定値を確定的に報知することができる態様である。
なお、特殊態様の3つの飾り識別図柄は、特定の色彩を有することによって、設定値を示唆することができる。例えば、通常態様のはずれ停止図柄「2,4,6」(青色)は、設定値を示唆できない。しかし、通常態様のはずれ停止図柄「2,4,6」(青色)と数字部分が同じで色彩だけが異なる特殊態様のはずれ停止図柄「2,4,6」(緑色)は、特定の色彩(緑色)を有することによって、設定値を示唆できる。なお、特殊態様の3つの飾り識別図柄は、特定の形状を有することによって、設定値を示唆するようにしてもよい。
図48は、ステップB2304のチャンス目停止図柄態様(チャンス目態様、はずれ図柄グループ)を選択する別例を示す図である。図48の例では、チャンス目停止図柄態様は、先読み対象の保留に係る特図変動表示ゲームが大当りの場合とはずれの場合とで異なる選択率(振分率)で抽選され設定される。従って、チャンス目停止図柄態様を先読み対象の保留のリーチ種別に対応して設定する場合と同様に、図48の例でも、チャンス目停止図柄態様によって、先読み演出として、先読み対象の保留の大当りの期待度を報知できる。なお、先読み対象の保留が大当りであるか又ははずれであるかは、図柄種別(B1802)からわかる。
図48(A)のように、通常態様<特殊態様<確定態様の順に先読み対象の保留の大当りの期待度が高くなってよい。或は、図48(B)のように、確定態様<特殊態様<通常態様の順に先読み対象の保留の大当りの期待度が高くなってよい。図48(B)の場合には、確定態様や特殊態様が選択されて、遊技者が先読み対象の保留の大当りの期待度が低いと認識しても、確定態様によって設定(設定値)が確定的に報知されるため、遊技者が落胆しなくなる。
なお、図48の通常態様、特殊態様、確定態様の選択率をSP1リーチ、SP2リーチ、SP3リーチの選択率と同じにすれば、前述のように先読み対象の保留に係る特図変動表示ゲームにSP1リーチ、SP2リーチ、SP3リーチが発生する場合に対応して通常態様、特殊態様、確定態様を設定することと同じである。
なお、遊技機10の電源投入や遊技開始からの大当り回数、大当り開始から通常遊技状態に戻るまでの大当りの連荘回数(連チャン回数)、遊技機10の稼働時間が大きくなるに応じて、確定態様の選択率を高くする構成も可能である。確定態様は遊技者にとって特典となるため、この構成によって遊技機10の稼働を増加することができる。
以上のように、チャンス目停止図柄態様が先読み対象の保留の大当りの期待度と関連付けられ、チャンス目停止図柄態様(特に特殊態様、確定態様)のはずれ停止図柄が設定値に応じた確率で抽選できる。結果的に、はずれ停止図柄は、先読み対象の保留に係る特図変動表示ゲームの結果(大当り又ははずれ)、及び、設定値に応じた確率(選択率)で抽選されていることになる。
〔画面遷移〕
図49Aと図49Bは、第2実施形態に関して、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図である。
図49Aの(ア)は、飾り特図変動表示ゲームを実行中の表示画面である。飾り特別図柄(大図柄)の変動(↓↓↓)が変動表示領域610で実行中であり、飾り縮小図柄(小図柄)の変動(↓↓↓)が変動表示領域615で実行中である。表示装置41の表示画面の右上隅の特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「2」と特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。
保留表示部630(始動記憶表示部)は、第1始動記憶を第1保留表示(第1始動記憶表示)として表示する第1保留表示部630aと、第2始動記憶を第2保留表示(第2始動記憶表示)として表示する第2保留表示部630bからなる。第1保留表示部630aに第1保留表示として保留表示633が2つ表示されている。第2保留表示部630bには、現時点で、保留表示633は表示されていない。また、四角形枠の保留消化領域640が表示画面の中央下部に表示される。実行中の特図変動表示ゲームに係る保留(この特図変動表示ゲームの実行権利となっていた始動記憶)を示す変動中保留表示633aが、保留消化領域640に表示されている。
その後、(イ)では、始動入賞口36への入賞によって保留(第1始動記憶)が発生するとともに、発生した保留に対応する保留表示633(黒)は、保留変化予告により通常態様から態様(色)が変化した保留表示となっている。そして、大当りの期待度の高い発生した保留を先読み対象の保留として、チャンス目先読み演出(連続予告演出)が設定される(B1712、B1716)。また、特図1保留数表示部650における特図1保留数を示す数字「3」に増加する。
そして、(ウ)では、飾り特図変動表示ゲームが終了して、第1回目のチャンス目先読み演出が、通常態様のはずれ停止図柄「2,4,6」(青色)の表示で実行される。ここで、チャンス目先読み演出であることを遊技者に認識させるようにはずれ停止図柄の全体又は一部を点滅させてもよい。なお、飾り特図変動表示ゲームの終了時に変動中保留表示633aは消去されている。通常態様では、遊技者が設定(設定値)を推定することができない。
その後、(エ)では、次の飾り特図変動表示ゲームが実行中となる。保留表示633が右側に移動(保留シフト)するとともに、保留消化領域640に第1保留表示部630aの右端の保留表示633が移動する。また、特図1保留数表示部650における特図1保留数を示す数字が「2」に減少する。
そして、(オ)では、飾り特図変動表示ゲームが終了して、第2回目のチャンス目先読み演出が、特殊態様(設定示唆態様)のはずれ停止図柄「1,5,9」(赤色)の表示で実行される。ここで、チャンス目先読み演出であることを遊技者に認識させるようはずれ停止図柄の全体又は一部を点滅させてもよい。特殊態様のはずれ停止図柄によって、設定(設定値)が示唆され、遊技者は設定(設定値)を推定することができる(図47によると設定4である確率が高い)。
その後、(カ)では、次の飾り特図変動表示ゲームが実行中となる。保留表示633が右側に移動(保留シフト)するとともに、保留消化領域640に第1保留表示部630aの右端の保留表示633が移動する。また、特図1保留数表示部650における特図1保留数を示す数字が「1」に減少する。
そして、図49Bの(キ)では、飾り特図変動表示ゲームが終了して、第3回目のチャンス目先読み演出が、確定態様(設定報知態様)のはずれ停止図柄「1,6,6」の表示で実行される。ここで、チャンス目先読み演出であることを遊技者に認識させるようはずれ停止図柄の全体又は一部を点滅させてもよい。確定態様のはずれ停止図柄によって、設定(設定値)が確定的に報知され、遊技者は設定(設定値)を認識することができる(図47によると設定6であることが確定する)。
また、確定態様の場合には、文字画像としてのセリフ635を表示してもよい。セリフ635は、確定態様のはずれ停止図柄によって確定する設定(設定値)に応じて選択される。例えば、(キ)のようにはずれ停止図柄「○,6,6」で設定6(設定値6)が確定する場合には、「おめでとう!」と表示されるが、はずれ停止図柄「○,1,1」で設定1(設定値1)が確定する場合には、「残念」と表示されてもよい。
その後、(ク)では、先読み対象の保留によって次の飾り特図変動表示ゲームが実行中となる。保留表示633が右側に移動(保留シフト)するとともに、保留消化領域640に第1保留表示部630aの右端の先読み対象の保留表示633(黒)が移動する。また、特図1保留数表示部650における特図1保留数を示す数字が「0」に減少する。
その後、(ケ)では、飾り特図変動表示ゲームが終了して変動中保留表示633aが消去されるとともに、大当り停止図柄「5,5,5」が表示される。そして、(コ)では、特別遊技状態として大当りのラウンドが開始する。
以上の画面遷移に関して、図49Aの(オ)の特殊態様でも、文字画像としてのセリフを表示してもよい。セリフは、特殊態様のはずれ停止図柄に応じて選択されてよい。また、セリフと、特殊態様のはずれ停止図柄との組合せによって、設定を示唆する構成も可能である。例えば、はずれ停止図柄「1,5,9」(赤色)とセリフ「おめでとう!」の組合せでは、設定6(設定値6)である確率が高くなるようにし、はずれ停止図柄「1,5,9」(赤色)とセリフ「残念」では、設定1(設定値1)である確率が高くなるようにしてよい。
また、以上の図49の画面遷移に関して、確定態様のはずれ停止図柄が表示される場合のみ、目立つようにはずれ停止図柄の全体又は一部を点滅させてもよい。さらに、図49では、3回のチャンス目先読み演出でのチャンス目停止図柄態様は毎回異なるようにしたが、毎回、チャンス目停止図柄態様を同じ態様にしてもよい。そして、この同じ態様は、先読み対象の保留の大当りの期待度に応じて決定してもよい。
[第2実施形態の作用・効果]
第2実施形態によると、遊技機10は、始動条件の成立(例えば始動入賞口への入賞)に基づき複数の識別情報(飾り特別図柄)を変動表示させる変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示装置41に表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備え、変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様(大当り結果態様)となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる。設定変更手段(例えば、設定キースイッチ93と設定値変更スイッチ102)は、遊技条件に関する設定(設定値)を変更可能である。始動記憶手段(例えば、遊技制御装置100)は、始動条件の成立に基づき、変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を記憶可能である。事前判定手段(例えば、遊技制御装置100)は、始動記憶手段によって記憶される始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に当該始動記憶に関する変動表示ゲームの実行情報(例えば変動表示ゲームの結果や変動パターンなど)を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する。
また、第2実施形態によると、演出制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)の停止結果態様が特別結果態様(大当り結果態様)とならない場合に、当該停止結果態様を特定の停止結果態様(例えば特殊態様、確定態様)とすることによって、事前判定手段の判定結果に基づく予告演出(チャンス目先読み演出、チャンス目先読み予告)を実行可能である。さらに、演出制御手段(演出制御装置300)は、当該特定の停止結果態様(例えば特殊態様、確定態様)を用いて、設定(設定値)を示唆又は報知する設定関連演出(設定示唆演出)を実行可能である。
従って、事前判定手段の判定結果に基づく予告演出において、設定(設定値)を示唆又は報知するも可能となるため、遊技者は、大当りとなるか否かの推測だけでなく設定(設定値)も推測でき、当該予告演出が単調になることを防止できる。このため、遊技の興趣が向上する。さらに、当該予告演出において、大当りの期待度が低い場合でも、遊技者は、設定(設定値)を推測する楽しみが増え、遊技の興趣が向上する。
第2実施形態によると、演出制御手段(演出制御装置300)は、特定の停止結果態様の複数の識別情報(飾り特別図柄)が特定の色彩を有することによって、設定関連演出を実行可能である。従って、遊技者は、停止結果態様の識別情報(飾り特別図柄)の色彩にも注目することになり、遊技の興趣が向上する。
第2実施形態によると、演出制御手段(演出制御装置300)は、特定の停止結果態様(例えば特殊態様、確定態様)の複数の識別情報(はずれ停止図柄)を、当該特定の停止結果態様を導出する変動表示ゲームを実行する際に選択する(図43、図44、図46)。従って、事前判定時ではなく、変動表示ゲームを実行する際に複数の識別情報(はずれ停止図柄)を選択できるため、事前判定時の処理(制御)の負担が軽減される。
[第3実施形態]
図50から図54を参照して、第3実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態や第2実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態や第2実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第3実施形態は、電源投入時の役物(可動部材)の初期動作に関するものである。
〔遊技機の裏面〕
始めに、図50を参照して、第3実施形態に係る遊技機10の裏面側に配設された遊技制御装置100(主基板)等の構成について説明する。図50は、第3実施形態に係る遊技機10の裏面図である。
遊技盤30の裏面には、スイッチベース738を介して遊技を統括的に制御する遊技制御装置100(主基板)が配設され、スイッチベース738の上方の制御ベース733を介して遊技制御装置100から送信される演出制御指令(演出コマンド)に基づいて表示装置41等を制御する演出制御装置300が配設される。演出制御装置300の後方には、演出制御装置300の裏面及び遊技制御装置100の裏面上部を覆う保護カバー737が設けられる。このように構成された遊技盤30が前面枠12の収納部に収納された状態では、遊技盤30の裏面に配設された保護カバー737及び遊技制御装置100は、前面枠12の後方に突出する。
前面枠12の裏面上部には、島設備に設けられた補給装置(図示省略)から補給される遊技球を貯留するとともに、貯留した遊技球を整列させて流下させる貯留ユニット750が配設される。前面枠12の一方の内側部には、貯留ユニット750から流下してきた遊技球を上皿21(図1参照)に払い出す払出ユニット790が配設される。
また、前面枠12の裏面下部には、遊技制御装置100から送信されるデータに基づいて払出ユニット790の動作を制御する払出制御装置200と、操作ハンドル24の回動操作に基づいて遊技球を発射する球発射装置742と、カードユニット(図示省略)と接続する接続端子743と、各種装置に電力を供給する電源装置400とが配設される。
また、遊技制御装置100の裏面下部には、遊技条件に関する設定を変更可能な設定変更装置42(設定変更手段)の設定キースイッチ93(キースイッチ)及び設定値変更スイッチ102(設定値変更ボタンスイッチ、ボタンスイッチ)と、7セグメント型の確率設定値表示装置143(表示器、LEDランプ)と、が配設される。このように、設定キースイッチ93、設定値変更スイッチ102、及び確率設定値表示装置143は、遊技機10内部に設けられており、例えば前面枠12を開けなければ操作できない(アクセスできない)。すなわち、一般の遊技者は、設定変更装置42にアクセスして操作することができず、確率設定値表示装置143の表示も確認することはできない。また、設定キースイッチ93、設定値変更スイッチ102、及び確率設定値表示装置143は、遊技機10内部に設けられているので、後述する内部役物44a、44bや外部役物95aの初期動作によって隠蔽される(重なる)ことがない。
なお、確率設定値表示装置143は、内部役物44a、44bや外部役物95aの初期動作で隠蔽されない位置に設けられていればよく、例えば遊技盤30の前面に専用に設けてもよい。また、確率設定値を遊技盤30の前面から視認可能に表示する場合には、一括表示装置50の表示器(LEDランプ)等を確率設定値表示装置143として利用してもよく、表示装置41を確率設定値表示装置143として利用してもよい。さらに、このように遊技盤30の前面から視認可能に確率設定値表示装置143を設けた場合であっても、遊技者には見えず操作者のみが視認可能となることが好ましい。例えば、操作者が演出ボタン25に特定の操作をすることによって、確率設定値表示装置143の表示を見えるようにしてもよい。また、確率設定値表示装置143の表示は、遊技者が特殊の部材(例えば、偏光フィルター)を用いることによって、又は図示しないホールコンピュータからの特定の信号の受信によって見えるようにしてもよい。同様に、設定変更装置42は前面枠12が開放された場合にアクセス可能となることとしたが、遊技盤30の前面や表示装置41等に設けて操作者が特定の操作等をすることによって操作可能となるようにしてもよい。
また、図78(A)で後述する役物比率を表示する状態表示装置152の役物比率表示部68を確率設定値表示装置143として用いてもよく、確率設定値表示装置143として状態表示装置152の役物比率表示部68を用いる場合には、設定変更中又は設定確認中に、役物比率表示部68の4個の7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器900のうちいずれか一つ(例えば左端又は右端の表示器900)に確率設定値を表示すればよい。なお、設定変更中又は設定確認中以外は、役物比率表示部68には役物比率が表示される。したがって、役物比率表示部68を役物比率の表示及び設定値の表示に併用することができる。
また、設定キースイッチ93の前面を覆うようにカバー部材を設けてもよい。このようにカバー部材を設けることで、設定キーを持っていない者や不正を行う者による設定キースイッチ93の操作を防止することができ、防犯効果を高くすることができる。さらに、カバー部材を設けるようにした場合において、カバー部材が設定キースイッチ93を覆ったか否かを検出するために検出センサを設けてもよい。検出センサからの検出信号が例えば図3に示すような第2入力ポート123に入力されることで、遊技制御装置100はカバー部材が設定キースイッチ93を覆ったか否かの判定を行うことができる。例えば、前面枠12が閉じられているのにカバー部材が設定キースイッチ93の前面を覆わない状態となっているときに、遊技制御装置100は、エラー報知を表示装置41やスピーカ19、LED、ランプ等から行うことによって、防犯対策や不正対策をとることができる。
〔第3実施形態に係る演出制御装置〕
次に、図51を参照して、第3実施形態に係る演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図51は、第3実施形態に係る遊技機10の演出制御系の構成例を示すブロック図である。
第3実施形態の演出制御装置300では、図51に示すように、盤演出可動体制御回路334の代わりに可動体制御回路334aが設けられている点が第1実施形態の演出制御装置300(図4参照)とは相違する。
演出制御装置300には、盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332と、枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333とともに、可動体制御回路334aが設けられている。
可動体制御回路334aは、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44を駆動制御するとともに、ガラス枠15に設けられている枠演出装置95を駆動制御する。
盤演出装置44は、例えば図52Aに示すように、表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める内部役物44a、44b(内側可動部材)と図示しないモータ等を備える。
図52Aは第3実施形態に係る遊技盤30の盤演出装置44が動作したときの正面図である。
盤演出装置44の内部役物44aは、センターケース40の背面に遊技者から視認できないように収容されており、移動動作することで表示装置41の前方に位置し、表示装置41の上側を覆う。内部役物44aには、大当りの期待度が特に高いことを報知する「激熱」という文字が描かれている。同様に、盤演出装置44の内部役物44bは、移動動作することで表示装置41の前方に位置し、表示装置41の左下側を覆う。また、内部役物44bには、大当りの期待度が高いことを報知する「♪」という文字が描かれている。内部役物44bの移動動作とともに、スピーカから音声が発生してもよい。
なお、演出制御装置300は、図44のステップB2006、B2009の予告抽選において、内部役物44a、44bを設定値に応じた選択率(確率)で抽選して動作させるようにすると、設定値を示唆できる。そして、遊技者は設定値を推測する楽しみが増え、遊技の興趣が向上する。
また、枠演出装置95は、例えば図52Bに示すように、表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める外部役物95a(外側可動部材)や図示しないモータ等を備える。
図52Bは第3実施形態に係るガラス枠15(開放部)の枠演出装置95が動作したときの正面図である。
枠演出装置95の外部役物95aは、ガラス枠15の内側に遊技者から視認できないように収容されており、枠演出装置95が駆動することでガラス枠15の上方で半球状の部材となって突出する。外部役物95aには、大当りの期待度が高いことを報知するキャラクタ95bが描かれている。なお、枠演出装置95は、ガラス枠15に限らず、前面枠12に設けてもよい。
なお、演出制御装置300は、図44のステップB2006、B2009の予告抽選において、外部役物95aを設定値に応じた選択率(確率)で抽選して動作させるようにすると、設定値を示唆できる。そして、遊技者は設定値を推測する楽しみが増え、遊技の興趣が向上する。
そして、演出制御装置300は、可動体制御回路334aを用いて盤演出装置44及び枠演出装置95を駆動制御するために可動体制御処理を実行する。
〔可動体制御処理〕
図53は、第3実施形態に係る可動体制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、電源投入時であるか否かを判定する(B3001)。なお、停電復旧時であるか否かを判定することとしてもよい。
演出制御装置300は、電源投入時でないと判定した場合には(B3001の結果が「N」)、変動演出設定処理(図44)等で設定された演出内容に応じた通常の制御処理を開始する(B3003)。他方で、演出制御装置300は、電源投入時であると判定した場合には(B3001の結果が「Y」)、確率設定変更中のコマンドを受信しているか否かを判定する(B3002)。
確率設定変更中のコマンドは、単発系コマンド処理(図39)で確率設定変更中のコマンドによってMODE部が設定変更系を表す場合に(B1325の結果が「Y」)、受信していると判定される。すなわち、前面枠12(本体枠、本体部)が開放され(図5AのA1023又はA1027の結果が「Y」)、設定変更装置42の設定キースイッチ93がオンにされることによって(A1024又はA1028の結果が「Y」)、確率設定変更中のコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される(図5BのA1041)。確率設定変更中に、設定変更装置42の設定値変更スイッチ102が押下されることで、遊技条件に関する設定値が変更される。また、変更された遊技条件に関する設定値の情報は、確率設定値表示装置143に表示される。
演出制御装置300は、確率設定変更中のコマンドを受信していると判定した場合には(B3002の結果が「Y」)、確率設定変更終了のコマンドを受信しているか否かを判定する(B3004)。
確率設定変更終了のコマンドは、単発系コマンド処理(図39)で確率設定変更終了のコマンドによってMODE部が設定変更系を表す場合に(B1325の結果が「Y」)、受信していると判定される。すなわち、確率設定値変更済みとなり(図10のA2406の結果が「Y」)、設定キースイッチ93がオフにされることによって(A2416の結果が「Y」)、確率設定変更終了のコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される(A2421)。
他方で、演出制御装置300は、確率設定変更中のコマンドを受信していないと判定した場合(B3002の結果が「N」)、すなわち通常の電源投入時である場合には、本体枠開放エラー発生中であるか否かを判定する(B3006)。例えば、エラー/不正系のコマンドとして、本体枠開放エラー(前面枠開放エラー)を示す状態オンコマンドを受信した場合に(B1315)、本体枠開放エラー発生中であると判断できる。
演出制御装置300は、確率設定変更終了のコマンドを受信していると判定した場合(B3004の結果が「Y」)、すなわち確率設定変更が終了した場合には、本体枠開放エラー発生中であるか否かを判定する(B3006)。他方で、演出制御装置300は、確率設定変更終了のコマンドを受信していないと判定した場合(B3004の結果が「N」)、すなわち確率設定変更中である場合には、内部役物44a、44bのみ初期動作制御処理を開始する(B3005)。
内部役物44a、44bの初期動作制御処理(B3005)では、例えば、盤演出装置44の内部役物44aを動かすモータ及び内部役物44bを動かすモータをそれぞれ駆動させて、内部役物44a、44bを表示装置41の前方に動作させた後、初期位置まで動作させる制御が行われる(初期動作制御)。また、例えば、内部役物44aの初期動作制御が完了した後に内部役物44bの初期動作制御が行われる。このように、内部役物44aの初期動作制御及び内部役物44bの初期動作制御は、順番に実行される。なお、内部役物44a、44bとは異なる他の内部役物をさらに取り付けた場合も同様に、それぞれの内部役物の初期動作制御が順番に実行される。なお、内部役物44aの初期動作制御及び内部役物44bの初期動作制御を同時に並行して実行してもよい。
演出制御装置300は、本体枠開放エラー発生中であると判定した場合(B3006の結果が「Y」)には、すなわち前面枠12(本体枠)が開放されている場合には、内部役物44a、44bのみ初期動作制御処理を開始する(B3005)。このように、演出制御装置300は、設定変更装置42が操作されているか、前面枠12が開放されている場合には、内部役物44a、44bの初期動作制御処理のみを開始し、外部役物95aの初期動作を規制して実行させない規制手段として機能する。
他方で、演出制御装置300は、本体枠開放エラー発生中でないと判定した場合(B3006の結果が「N」)には、すなわち前面枠12(本体枠)が閉められている場合には、外部役物95aの初期動作の規制を解除し、内部役物44a、44bと外部役物95aの初期動作制御処理を開始する(B3007)。
内部役物44a、44bと外部役物95aの初期動作制御処理(B3007)において、盤演出装置44の内部役物44a、44bでは、B3005の処理と同様の初期動作制御が行われる。枠演出装置95の外部役物95aでは、外部役物95aを動かすモータを駆動させて、外部役物95aをガラス枠15(開放部)の上方から突出させるように動作させた後、初期位置まで動作させる制御が行われる(初期動作制御)。このように、演出制御装置300は、内部役物44a、44b及び外部役物95aの動作を制御する制御手段として機能する。なお、外部役物95aとは異なる他の外部役物をさらに取り付けた場合には、外部役物95aの初期動作制御及び他の外部役物の初期動作制御は、順番に実行される。
また、内部役物44a、44bと外部役物95aの初期動作制御処理(B3007)において、可動する役物の数が多い内部役物44a、44bの初期動作制御にかかる時間の方が、外部役物95aの初期動作制御にかかる時間よりも長くなる。なお、可動する役物の数によらず、内部役物44a、44bの演出態様が複数あり動作が複雑となる場合においても、内部役物44a、44bの初期動作制御にかかる時間の方が、外部役物95aの初期動作制御にかかる時間よりも長くなる。また、センターケース40とガラス枠15(開放部)との間(例えば内部役物44a、44bと外部役物95aとの中間の位置)に、例えば遊技機10の中央側に向かって動作する可動する役物を設けた場合には、当該可動する役物に対しても外部役物95aと同じように初期動作制御を行うことが望ましい。すなわち、前面枠12(本体枠、本体部)が開放されている場合には、当該可動する役物の初期動作が、外部役物95aの初期動作と同様に規制されており実行されない。
なお、前面枠12(本体枠、本体部)が開放されている場合に、外部役物95aの初期動作を規制して実行されないようにしたが、外部役物95a(第1演出部、第1可動部材)全体の初期動作のみを規制し、すなわち外部役物95a全体の初期動作を実行せずに、当該初期動作以外の外部役物95aの可動部材(第2演出部、第2可動部材、キャラクタ95b)の動作態様(例えば振動や揺動等)や発光部材(第2演出部、第2可動部材)の発光態様(例えばキャラクタ95bの目(LED)が発光)といった初期態様については実行可能としてもよい。即ち、このような第2演出部は、第2演出部の所定動作(通常動作)を実行する前の初期状態において演出態様を初期態様に切替え可能である。このようにすることで、外部役物95aは、第1演出部の初期動作が規制され実行されていないときでも、開放された前面枠12(本体枠、本体部)の内部で第2演出部の初期態様を先行して実行することができる。
〔初期動作制御処理のタイミングチャート〕
次に、図54A及び図54Bを参照して、第3実施形態に係る演出制御装置300の初期動作制御処理のタイミングについて説明する。図54Aは第3実施形態に係る初期動作制御処理のタイミングの一例を示すタイミングチャートであり、図54Bは比較例の初期動作制御処理のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
まず、第3実施形態に係る初期動作制御処理のタイミングを、図54Aを参照して説明する。
時刻T1で電源が投入されると、確率設定値変更中フラグと前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)の信号がオンになるとともに、内部役物44aの初期動作が実行開始される。なお、予め電源投入前に、前面枠12(本体枠)は開放され、設定キースイッチ93はオンにされるが、遊技制御装置100等は稼働していないので、電源が投入されるまで確率設定値変更中フラグ及び前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)の信号はオンにはならない。また、内部役物44aの初期動作制御処理が実行される(図53のB3005)。なお、外部役物95aの初期動作は規制されており実行されない。
確率設定値変更中フラグはメイン処理(図5B)でセットされることで(A1038)、オンになり、確率設定値確認モード中フラグは確率設定値確認処理(図11)でセットされることで(A2505)、オンになる。これらのフラグに対応するコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される(図5BのA1041、図11のA2508)。また、前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)の信号がオンになると(A2202)、本体枠開放エラー(前面枠開放エラー)を示す状態オンコマンドが演出制御装置300に送信される(A2207、A2217)。
時刻T2で操作者による確率設定値の変更が終了すると(図10のA2414、A2415)、確率設定値変更中フラグはクリアされてオフになり、確率設定値確認モード中フラグがセットされてオンになる(図11のA2505)。なお、第1実施形態では設定キースイッチ93がオフにされるまで確率設定値変更中フラグがオンになっていたが、第3実施形態では確率設定値の変更が終了することで確率設定値変更中フラグがオフなり、確率設定値確認モード中フラグがオンになるものとする。なお、第1実施形態と同様に確率設定値確認モード中フラグを省いて、設定キースイッチ93がオフにされるまで確率設定値変更中フラグをオンにしてもよい。
そして、時刻T3で設定キースイッチ93がオフにされることによって、確率設定値確認モード中フラグはクリアされてオフになる(図11のA2510)。
時刻T3後の時刻t1では、内部役物44aの初期動作制御処理が終了することによって、内部役物44bの初期動作制御処理が実行される(図53のB3005)。
なお、本実施形態では、内部役物44a、44b及び外部役物95aの初期動作に要する時間(初期動作時間)をそれぞれ同じ時間にしているが、異なる時間としてもよい。例えば、複雑な動作態様となり易い内部役物44a、44bの初期動作時間が、外部役物95aの初期動作時間より長くなってもよい。また、演出制御装置300は、モータ出力を上げて内部役物44a、44bの初期動作の速度を上げることで、内部役物44a、44bの初期動作時間を外部役物95aの初期動作時間より短くしてもよい。
時刻T4で前面枠12(本体枠)が閉じられることによって、前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)の信号がオフになり、本体枠開放エラーの不発生を示す状態オフコマンド(A2204)がエラー/不正系のコマンドとして演出制御装置300に送信される。そして、外部役物95aの初期動作の規制が解除され、外部役物95aの初期動作制御処理が実行される(図53のB3007)。このように、本実施形態の初期動作制御処理では、前面枠12が開放されているときに、外部役物95aの初期動作制御処理が実行されることがない。
時刻T4後の時刻t2では、内部役物44bの初期動作制御処理が終了する。このように本実施形態の初期動作制御処理では、内部役物44a、44bの初期動作制御処理は、外部役物95aの初期動作制御処理よりも先立って開始され、外部役物95aの初期動作制御処理よりも先に終了する。
その後、時刻t3で、外部役物95aの初期動作制御処理が終了することで、遊技機10で遊技することができるようになる。
次に、第3実施形態の比較例に係る初期動作制御処理のタイミングを、図54Bを参照して説明する。なお、比較例の確率設定値変更中フラグ、確率設定値確認モード中フラグ、及び前面枠開放検出スイッチ64の信号も、第3実施形態の初期動作制御処理と同じタイミングで時刻T1から時刻T4にかけてオンオフされる。
ここで、比較例の内部役物44aは、時刻T1で電源が投入されても初期動作制御処理が実行されることがなく、時刻T1で前面枠12(本体枠)が閉じられることによって初期動作制御処理が実行される。したがって、比較例の内部役物44a及び外部役物95aの初期動作制御処理は、同じタイミング(時刻T4)で開始される。
その後、時刻t3で、内部役物44a及び外部役物95aの初期動作制御処理が終了すると、内部役物44bの初期動作制御処理が実行される。一方で時刻t3は、上述のように本実施形態に係る初期動作制御処理によれば、遊技機10で遊技可能になる時刻である。
そして、時刻t4で、内部役物44bの初期動作制御処理が終了することで、比較例の遊技機10でも遊技することができるようになる。このように、比較例の遊技機10では、遊技可能となる時刻が本実施形態の遊技機10よりも遅い時刻になる。
なお、本実施形態の内部役物44a、44bは時刻T1で電源が投入されることで初期動作制御処理が実行されたが、時刻T4で前面枠12が閉じられた際に、外部役物95aと同じタイミングで初期動作制御処理が実行される内部役物を設けてもよい。例えば、大入賞口の開閉扉39cや普通変動入賞装置37の可動部材37bといった遊技に影響のある可動部材(内部役物)の動作態様を設定値に応じて変化させてもよく、この場合には、設定値が設定された後に当該設定値の動作態様に合わせた初期動作制御処理を実行してもよい。このように設定値が設定された後に初期動作制御処理を実行することで、遊技に影響のある可動部材(大入賞口の開閉扉39cや普通変動入賞装置37の可動部材37b、V入賞口(所定の領域)を開閉する可動部材)が当該設定値の動作態様に合わせて正常に動作するか確認することができる。なお、V入賞口(所定の領域)は、特別変動入賞装置39内に設けられることがある入賞装置であり、V入賞口に遊技球が入球した場合にV入賞の報知が行われ大当り終了後の確変状態(高確率状態、特定遊技状態、所定遊技状態の一つ)が確定する。また、このような遊技に影響のある可動部材の初期動作制御処理は、時刻T4で前面枠12が閉じられた際に限らず、時刻T3で設定キースイッチ93がオフにされたときに実行することとしてもよい。さらに、当該可動部材の初期動作制御処理を時刻T2の確率設定の変更が終了したときに実行することとしてもよい。
また、確率設定変更中のコマンドは、前面枠12(本体枠)が開放され(図5AのA1023又はA1027の結果が「Y」)、設定変更装置42の設定キースイッチ93がオンにされることによって(A1024又はA1028の結果が「Y」)、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されることとしたが(図5BのA1041)、前面枠12の開放状態に関わらず設定変更装置42の設定キースイッチ93がオンにされることによって送信されてもよい。さらに、設定キースイッチ93をオンにした後、設定値変更スイッチ102を始めに押下したタイミングで確率設定変更中のコマンドが送信されるようにしてもよい。
さらに、電源を投入した後に設定キースイッチ93をオンにした場合や前面枠12を開放した場合に、確率設定値変更中フラグがセットされるようにして(確率設定変更中のコマンドが送信された状態)確率設定値を変更可能な設定可変状態としてもよく、さらにこの設定可変状態で確率設定値確認モード中フラグがセットされるようにして確率設定値を確認できる状態としてもよい。そして、確率設定値確認モード中フラグがセットされる場合には、内部役物44a、44b及び外部役物95aの動作を両方規制して実行されないようにしてもよく、初期位置に戻してもよい。なお、本実施形態の確率設定変更中のコマンドが送信されたときと同じように、確率設定値確認モード中フラグがセットされる場合に、内部役物44a、44bの初期動作制御処理を実行する一方で、外部役物95aの初期動作を規制して実行されないようにしてもよい。
[第3実施形態の作用・効果]
第3実施形態に係る遊技領域32を有する遊技盤30が配設される開放可能な枠(例えばガラス枠15や前面枠12(本体枠))を備えた遊技機10は、枠の内側で所定の動作を実行する内側可動部材(内部役物44a、44b)と、枠の外側で所定の動作を実行する外側可動部材(外部役物95a)と、所定の条件の成立によって遊技に関する設定を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)と、内側可動部材と外側可動部材の動作を制御する制御手段(演出制御装置300)と、を備える。制御手段は、当該遊技機10に電源が投入されることで、内側可動部材及び外側可動部材の初期動作を実行可能であり、当該遊技機10に電源が投入されるとともに設定を変更可能とする状態になっている場合に、外側可動部材の初期動作を実行せず、内側可動部材の初期動作を実行可能とする。
このような遊技機10によれば、制御手段(演出制御装置300)は、遊技機10に電源が投入された場合において、設定を変更可能とする状態になっているとき(例えば、設定変更手段が操作されているとき(設定キースイッチ93がオンとなっているとき)や枠が開放されているとき)に、外側可動部材の初期動作が実行されない。そのため、設定変更手段を操作する際や、枠の開閉を行う際に、外側可動部材が操作者に接触することや枠に干渉することを抑制でき、遊技機において、可動部材の初期動作を適切に実行できる。
また、第3実施形態に係る遊技機10では、遊技に関する設定に対応した設定値を表示可能な設定表示装置(確率設定値表示装置143)をさらに備える。設定表示装置は、内側可動部材(内部役物44a、44b)及び外側可動部材(外部役物95a)の初期動作によって隠蔽されない位置に設けられる。このような遊技機10によれば、確率設定変更中に設定表示装置が内側可動部材や外側可動部材の初期動作によって隠蔽されることを回避できるので、操作者の操作が中断されることを抑制できる。
第3実施形態に係る遊技機10では、制御手段(演出制御装置300)は、設定を変更可能とする状態が終了した場合に、外側可動部材(外部役物95a)の初期動作に関する規制を解除可能とする。このような遊技機10によれば、設定変更手段を操作する際や、枠の開閉を行う際に、外側可動部材が操作者に接触することや枠に干渉することを抑制できる。
さらに、第3実施形態に係る遊技機10では、制御手段(演出制御装置300)は、外側可動部材(外部役物95a)の初期動作に要する時間よりも長い時間をかけて内側可動部材(内部役物44a、44b)の初期動作を実行する。このような遊技機10によれば、初期動作制御に要する時間が長い内側可動部材の初期動作は、確率設定変更中に開始され、初期動作制御に要する時間が短い外側可動部材の初期動作は、確率設定変更終了後に枠(前面枠12、本体枠)が閉じられることによって開始される。したがって、枠が閉じられてから同時に内側可動部材及び外側可動部材の初期動作を開始した場合と比べて、時間のかかる内側可動部材の初期動作を先行して開始できるので、遊技が開始可能となるまでの時間を短縮することができる。
また、第3実施形態に係る遊技機10では、制御手段(演出制御装置300)は、当該遊技機10に電源が投入された場合でも、設定変更手段(設定変更装置42)が操作されているか又は枠(前面枠12、本体枠)が開放されている場合に、外側可動部材(外部役物95a)の初期動作を規制する規制手段(演出制御装置300)を備える。このような遊技機10によれば、確率設定変更中や枠が開放されている場合に外側可動部材が動かなくなるので、外側可動部材が操作者に接触することや枠に干渉することを抑制できる。
また、第3実施形態に係る遊技機10は、本体部(前面枠12、本体枠)に対して開閉可能に取り付けられる開放部(ガラス枠15)を備える。遊技機10は、開放部の外側で所定の動作を実行する第1演出部(外部役物95a、第1可動部材)と、所定条件の成立によって遊技に関する設定を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)と、第1演出部の動作を制御する制御手段(演出制御装置300)と、を備える。第1演出部には、所定の動作(通常動作)を実行する前の初期状態において演出態様を切替え可能な第2演出部(キャラクタ95b、第2可動部材)を有する。制御手段は、遊技機10に電源が投入されることで、第2演出部の初期態様及び第1演出部の初期動作を実行可能であり、遊技機10に電源が投入されるとともに設定を変更可能とする状態になっている場合に、第1演出部の初期動作を実行せず、第2演出部の初期態様を実行可能とする。このような遊技機10によれば、操作者に接触したり枠に干渉する可能性の低い第2演出部(キャラクタ95b、第2可動部材)を、第1演出部(外部役物95a、第1可動部材)の初期動作よりも先行して初期態様で初期化できる。
[第4実施形態]
図55から図67を参照して、第4実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第3実施形態までの実施形態と同様でよい。第4実施形態は、設定値を示唆し得る設定示唆演出に関するものである。
〔設定値受信時処理〕
始めに、図55を参照して、前述した単発系コマンド処理(図39)における設定値受信時処理(B1324)の詳細について説明する。図55は、第4実施形態に係る設定値受信時処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した設定値が正常なコマンドであるか否かを判定する(B4001)。正常なコマンドでない場合に(B4001の結果が「N」)、設定値受信時処理を終了する。正常なコマンドである場合に(B4001の結果が「Y」)、演出制御装置300のRAM等に設定値を記憶する(B4002)。そして、演出制御装置300は、設定値を示唆し得る設定示唆演出を所定の発光部で行うために、受信した設定値に応じて所定の発光部の発光態様(色)を抽選する(B4003)。所定の発光部は、例えば、突出演出ユニット13(図1参照)であり、所定の発光部の発光態様(色)は、遊技者に設定(設定値)を推定させる設定判別要素となる。なお、所定の発光部(演出装置)は、突出演出ユニット13に限らず、発光可能な照明部材(枠装飾装置18、装飾装置22、盤装飾装置46、大入賞口LED39d等)や表示装置41の表示画面を利用することができる。
〔初期発光態様の抽選テーブル〕
次に、図56を参照して、設定値受信時に、演出制御装置300が抽選する設定示唆演出の初期の発光態様(初期色)の選択率について説明する。図56は、第4実施形態の設定示唆演出の初期の発光態様を決定(初期色決定)するためのテーブルである。
設定示唆演出の初期色は、図56に示すように、例えば白、青、黄、緑、赤、虹の6種類から選択され、受信した設定値1〜6(設定1〜6)に応じて選択率や選択可能な種類が変化する。
まず、受信した設定値に応じて選択可能な初期色の種類が変化することについて説明する。受信した設定値が設定1〜3の場合には、設定示唆演出の初期色は白、青、緑の中から選択される。他方で、受信した設定値が、設定4の場合には緑も初期色として選択可能になり、設定5の場合には緑とともに赤も選択可能になり、設定6の場合には全種類を選択可能になる。したがって、遊技者は、遊技機10の所定の発光部の初期色が、緑である場合には設定4以上であり、赤である場合には設定5以上であり、虹である場合には設定6であると推定することができる。
次に、受信した設定値に応じて抽選で選択される初期色の選択率が変化することについて説明する。
受信した設定値が設定1の場合には、初期色として白の選択率が80%、青の選択率が15%、黄の選択率が5%になる。そして、初期色としての白の選択率は、設定2の場合には75%、設定3の場合には70%等と、受信した設定値が高くなるにつれて選択率が低くなるように設定される。なお、本実施形態では、受信した設定値が1つ高くなる毎に、白の選択率が5%刻みで低下するように設定されているが、ある設定値の範囲(例えば設定4〜6)では同一となるように設定されてもよい。このように、設定値が低い時ほど初期色として白の選択率が高くなるので、遊技者は、所定の発光部の初期色が白になっている遊技機10を見つけた際に当該遊技機10が低設定の台である可能性が高いと推定し易くなる。
他方で、初期色としての黄の選択率は、設定1の場合には5%、設定2の場合には10%、設定3〜6の場合には15%と、受信した設定値が高くなるにつれて選択率が高くなるように設定される。なお、本実施形態では設定3〜6の場合の黄の選択率が15%に固定されているが、設定値が高くなるにつれて選択率を高く設定してもよい。
また、設定4又は設定5で選択可能となる初期色(緑、赤)や設定6で選択可能となる初期色(緑、赤、虹)の選択率は、それぞれ5%に設定される。したがって、設定値が高い時ほど初期色として白以外が選択される確率が高くなるので、遊技者は、所定の発光部の初期色が白以外になっている遊技機10を見つけた際に当該遊技機10が高設定の台である可能性が高いと推定し易くなる。
なお、各初期色の選択率は、図56の態様に限らず、適宜値を変えてもよい。例えば、設定6における虹の選択率は5%に限らず、1%としてもよく、10%としてもよい。この場合には、虹の選択率変更に合せて全体の選択率が100%となるように、他の色の選択率が適宜調整される。
〔ファンファーレ演出設定処理〕
続いて、図57を参照して、設定示唆演出の発光態様が変化する態様として、前述した大当り系コマンド処理(図45)におけるファンファーレ演出設定処理(B2102)の詳細について説明する。図57は、第4実施形態に係るファンファーレ演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したファンファーレコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B4101)。正常なコマンドでない場合に(B4101の結果が「N」)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。正常なコマンドである場合に(B4101の結果が「Y」)、演出制御装置300のRAM等に記憶されている大当り回数を+1更新する(B4102)。
そして、演出制御装置300は、大当り回数が所定回数となったか否かを判定する(B4103)。大当り回数が所定回数となっている場合に(B4103の結果が「Y」)、演出制御装置300は、受信した設定値に応じて所定の発光部の発光態様(色)を抽選し(B4104)、表示装置41におけるファンファーレ表示とスピーカからのファンファーレ音を設定値に応じて設定する(B4105)。所定回数は、3回、6回、9回・・・と特定(例えば3)の倍数ごとに設定されることができる。また、所定回数は、自然数であればよく、例えば奇数回ごと(1回、3回・・・)又は整数回ごと(2回、4回・・・)に設定されたり、特定の数列(例えば1回、2回、3回、5回、8回、13回・・・というフィボナッチ数列)となるように設定されたりすることができる。
他方で、大当り回数が所定回数となっていない場合に(B4103の結果が「N」)、演出制御装置300は、ファンファーレ表示とファンファーレ音を設定値に応じて設定する(B4105)。ここで、ファンファーレ表示とファンファーレ音を設定値に応じた選択率(確率)で抽選して設定してよい。その後、B4105の処理が終わると、演出制御装置300は、ファンファーレ演出設定処理を終了する。
〔発光態様の昇格抽選テーブル〕
次に、図58を参照して、大当り開始の際にファンファーレ演出設定処理における抽選(B4104)によって決定される設定示唆演出の昇格(ステップアップ)抽選による発光態様(昇格抽選色)の選択率について説明する。図58は、第4実施形態の設定示唆演出の昇格抽選による発光態様を決定(昇格抽選色決定)するためのテーブルである。図58(A)は所定の発光部の現在の色が白の場合の昇格抽選色決定用のテーブルであり、図58(B)は現在の色が青の場合の昇格抽選色決定用のテーブルである。
所定の発光部の現在の色が白の場合の設定示唆演出の昇格抽選色は、図58(A)に示すように、例えば昇格なし(白継続)、青、黄、緑、赤、虹の6種類から選択され、現在の設定値(設定1〜6)に応じて選択率や選択可能な種類が変化する。
まず、現在の設定値に応じて選択可能な昇格抽選色の種類が変化することについて説明する。現在の設定値が設定1〜3の場合には、設定示唆演出の昇格抽選色は昇格なし、青、黄の中から選択される。他方で、現在の設定値が、設定4の場合には緑も昇格抽選色として選択可能になり、設定5の場合には緑とともに赤も選択可能になり、設定6の場合には全種類を選択可能になる。したがって、遊技者は、遊技機10の所定の発光部の昇格抽選色が緑である場合には設定4以上であり、赤である場合には設定5以上であり、虹である場合には設定6であると推定することができる。
次に、現在の設定値に応じて抽選で選択される昇格抽選色の選択率が変化することについて説明する。
現在の設定値が設定1の場合には、昇格抽選色として昇格なし(白継続)の選択率が80%、青の選択率が15%、黄の選択率が5%になる。そして、昇格抽選色としての昇格なしの選択率は、設定2の場合には75%、設定3の場合には70%等と、現在の設定値が高くなるにつれて選択率が低くなるように設定される。なお、本実施形態では、現在の設定値が1つ高くなる毎に、昇格なしの選択率が5%刻みで低下するように設定されているが、ある設定値の範囲(例えば設定4〜6)では同一となるように設定されてもよい。このように、設定値が低い時ほど昇格抽選色として昇格なし(白継続)の選択率が高くなるので、遊技者は、遊技中に所定の発光部の昇格抽選色が昇格なしの状態になっていることを確認することによって、遊技中の遊技機10が低設定の台である可能性が高いと推定し易くなる。
他方で、昇格抽選色としての黄の選択率は、設定1の場合には5%、設定2の場合には10%、設定3〜6の場合には15%と、現在の設定値が高くなるにつれて選択率が高くなるように設定される。なお、本実施形態では設定3〜6の場合の黄の選択率が15%に固定されているが、設定値が高くなるにつれて選択率を高く設定してもよい。
また、設定4又は設定5で選択可能となる昇格抽選色(緑、赤)や設定6で選択可能となる昇格抽選色(緑、赤、虹)の選択率は、それぞれ5%に設定される。したがって、設定値が高い時ほど昇格抽選色として昇格なし(白継続)以外が選択される確率が高くなるので、遊技者は、遊技中に所定の発光部の昇格抽選色が昇格によって変化していることを確認することによって、遊技中の遊技機10が高設定の台である可能性が高いと推定し易くなる。また、昇格抽選によって、遊技中の遊技機10が高設定の台である可能性が高いと推定できることによって、遊技者の継続遊技の動機につなげることができる。
続いて、所定の発光部の現在の色が青の場合の設定示唆演出の昇格抽選色は、図58(B)に示すように、例えば昇格なし(青継続)、黄、緑、赤、虹の5種類から選択され、前述した現在の色が白の場合のときと同様に、現在の設定値1〜6(設定1〜6)に応じて選択率や選択可能な種類が変化する。
まず、現在の設定値に応じて選択可能な昇格抽選色の種類が変化することについて説明する。現在の設定値が設定1又は設定2の場合には、設定示唆演出の昇格抽選色は昇格なし又は黄のいずれかが選択される。他方で、現在の設定値が、設定3の場合には緑も昇格抽選色として選択可能になり、設定4又は設定5の場合には緑とともに赤も選択可能になり、設定6の場合には全種類を選択可能になる。したがって、遊技者は、遊技機10の所定の発光部の昇格抽選色が緑である場合には設定3以上であり、赤である場合には設定4以上であり、虹である場合には設定6であると推定することができる。
次に、現在の設定値に応じて抽選で選択される昇格抽選色の選択率が変化することについて説明する。
現在の設定値が設定1の場合には、昇格抽選色として昇格なし(青継続)の選択率が95%、黄の選択率が5%になる。そして、昇格抽選色としての昇格なしの選択率は、設定2や設定3の場合には80%、設定4の場合には75%等と、現在の設定値が高くなるにつれて選択率が低くなるように設定される。なお、本実施形態では、現在の設定値が1つ高くなる毎に、昇格なしの選択率が同じ値又は低下するように設定されている。このように、設定値が低い時ほど昇格抽選色として昇格なし(青継続)の選択率が高くなるので、遊技者は、遊技中に所定の発光部の昇格抽選色が昇格なしの状態になっていることを確認することによって、遊技中の遊技機10が低設定の台である可能性が高いと推定し易くなる。
他方で、昇格抽選色としての黄の選択率は、設定1の場合には5%、設定2の場合には20%、設定3又は設定4の場合には15%、設定5又は設定6の場合には20%に設定される。ここで、昇格抽選色としての黄の選択率は、設定3又は設定4の場合(15%)に比べて、低設定である設定2の場合(20%)の方が、高い選択率となっている。しかし、設定3の場合に昇格ありとなる選択率は、黄の選択率(15%)と緑の選択率(20%)との和となり、設定2の場合の昇格ありとなる選択率と同等となる。さらに、設定2の場合と比べて、設定3の場合には一気に2段階昇格して緑となる可能性があり、設定4の場合には3段階昇格して赤となる可能性がある。なお、設定5の場合には昇格抽選色が一気に赤まで3段階昇格する可能性があり、設定6の場合には虹まで4段階昇格する可能性がある。したがって、遊技者は、遊技中に所定の発光部の昇格抽選色が多段階昇格したことを確認することによって、遊技中の遊技機10が高設定の台である可能性が高いと推定し易くなる。
また、所定の発光部の現在の色が緑以降の場合の設定示唆演出の昇格抽選色(図示せず)も、現在の色が青の場合と同様に、昇格なしか昇格して上位の色に変化するかの昇格抽選色決定を行うことができる。このような態様によれば、遊技者は、遊技中に所定の発光部の昇格抽選色がより上位(赤や虹)に昇格したことを確認することによって、遊技中の遊技機10が高設定の台である可能性が高いと推定し易くなる。
なお、本実施形態では、ファンファーレ演出設定処理における抽選(B4104)において昇格抽選が行われる場合について説明したが、降格抽選を行うこととしてもよい。降格抽選を行うことによって、例えば、所定の発光部の現在の色が青の場合に白に変化させることができる。
また、降格抽選を行うようにした場合において、例えば、虹まで昇格した後は、降格抽選を行わないようにしてもよい。このように虹到達後に降格抽選を行わないようにすることによって、遊技者は高設定(設定6)の設定示唆演出に至ったという達成感を継続して得ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、昇格抽選では多段階昇格が可能であったが、降格抽選では一段階ずつ下位の色に降格させるようにしてもよい。このように降格抽選において、多段階降格する態様を避けることによって、設定示唆演出が低設定に一気に落ちて遊技者が落胆することを回避することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、各昇格抽選色の選択率は、図56で説明した初期色の選択率と同様に、図58の態様に限らず適宜値を変えることができる。例えば、設定6における虹の選択率は5%に限らず、1%としてもよく、10%としてもよい。また、現在の色が上位の色になるにつれて、さらに上位の色の選択率が高くなるようにしてもよい。具体的には、例えば設定6の場合において、現在の色が緑の場合に虹の選択率を10%に設定し、赤の場合に虹の選択率を35%に設定するなど、現在の色の階層に応じて上位の色の選択率を高くすることができる。
〔エンディング演出設定処理〕
なお、前述した大当り系コマンド処理(図45)における設定示唆演出の発光態様が変化する態様は、ファンファーレ演出設定処理(B2102)に限らず(図57参照)、図59に示すようにエンディング演出設定処理(B2111)にて発生させることとしてもよい。図59は、第4実施形態の変形例に係るエンディング演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したエンディングコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B4201)。正常なコマンドでない場合に(B4201の結果が「N」)、エンディング演出設定処理を終了する。正常なコマンドである場合に(B4201の結果が「Y」)、演出制御装置300のRAM等に記憶されている大当り回数を+1更新する(B4202)。
そして、演出制御装置300は、大当り回数が所定回数となったか否かを判定する(B4203)。大当り回数が所定回数となっている場合に(B4203の結果が「Y」)、演出制御装置300は、受信した設定値に応じて所定の発光部の発光態様(色)を抽選し(B4204)、表示装置41におけるエンディング表示とスピーカからのエンディング音を設定値に応じて設定する(B4205)。ここで、エンディング表示とエンディング音を設定値に応じた選択率(確率)で抽選して設定してよい。所定回数は、自然数であればよく、特定の倍数ごとや奇数回又は整数回ごとに設定されたり、特定の数列となるように設定されたりすることができる。
他方で、大当り回数が所定回数となっていない場合に(B4203の結果が「N」)、演出制御装置300は、エンディング表示とエンディング音を設定値に応じて設定する(B4205)。その後、B4205の処理が終わると、演出制御装置300は、エンディング演出設定処理を終了する。
なお、大当り開始の際にエンディング演出設定処理における抽選(B4204)によって決定される設定示唆演出の昇格抽選による発光態様(昇格抽選色)の選択率については、図58で前述したファンファーレ演出設定処理における抽選(B4104)と同様でよい。
〔アウト球数受信時処理〕
また、アウト球数受信時に、設定示唆演出の発光態様を変化させてもよい。図60は、第4実施形態に係るアウト球数受信時処理(図39のB1320)の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したアウト球数コマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B4301)。正常なコマンドでない場合に(B4301の結果が「N」)、アウト球数受信時処理を終了する。正常なコマンドである場合に(B4301の結果が「Y」)、演出制御装置300のRAM等にアウト球数を記憶する(B4302)。アウト球数は、例えば入賞口スイッチ/状態監視処理(図8)においてカウントされることができる。
そして、演出制御装置300は、アウト球数が所定数となったか否かを判定する(B4303)。アウト球数が所定数となっている場合に(B4303の結果が「Y」)、演出制御装置300は、受信した設定値に応じて所定の発光部の発光態様(色)を抽選する(B4304)。所定数は、自然数であればよく、例えば特定の数の倍数ごと(1000球ごと等、即ち1000、2000、3000・・・)に設定されることができる。なお、抽選(B4304)による発光態様(昇格抽選色)の選択率は、図58で前述したファンファーレ演出設定処理における抽選(B4104)と同様でよい。
他方で、アウト球数が所定数となっていない場合に(B4303の結果が「N」)、演出制御装置300は、アウト球数受信時処理を終了する。
〔RTC読込処理〕
さらに、メイン処理(図36)におけるRTC読込処理時(B0009)に、設定示唆演出の発光態様を変化させてもよい。図61は、第4実施形態に係るRTC読込処理(B0009)の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したRTC338からの信号が正常な信号であるか否かを判定する(B4401)。正常な信号でない場合に(B4401の結果が「N」)、RTC読込処理を終了する。正常な信号である場合に(B4401の結果が「Y」)、演出制御装置300は現在時刻を示す情報を取得する(B4402)。現在時刻を示す情報は、計時手段をなすRTC338からの信号によって生成される。
そして、演出制御装置300は、遊技開始(又は電源投入)からの経過時間を演算し(B4403)、経過時間が所定時間となったか否かを判定する(B4404)。経過時間が所定時間となっている場合に(B4404の結果が「Y」)、演出制御装置300は、受信した設定値に応じて所定の発光部の発光態様(色)を抽選する(B4405)。所定時間は、例えば2時間ごとに設定されることができる(例えば、11時、13時、15時・・・)。なお、抽選(B4405)による発光態様(昇格抽選色)の選択率は、図58で前述したファンファーレ演出設定処理における抽選(B4104)と同様でよい。
他方で、経過時間が所定時間となっていない場合に(B4404の結果が「N」)、演出制御装置300は、RTC読込処理を終了する。
〔カウント情報設定処理〕
また、単発系コマンド処理(図39)におけるカウント情報設定処理時(B1322)に、設定示唆演出の発光態様を変化させてもよい。図62は、第4実施形態に係るカウント情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したカウントのコマンド(大入賞口カウントコマンド)が正常なコマンドであるか否かを判定する(B4501)。正常なコマンドでない場合に(B4501の結果が「N」)、カウント情報設定処理を終了する。正常なコマンドである場合に(B4501の結果が「Y」)、演出制御装置300は大当たり動作中であるか否かを判定する(B4502)。大当たり動作中でない場合に(B4502の結果が「N」)、カウント情報設定処理を終了する。
大当たり動作中である場合に(B4502の結果が「Y」)、演出制御装置300はカウント数を+1更新し(B4503)。獲得出玉数に大入賞口の賞球数を加算し(B4504)、獲得出玉数表示とカウント表示(カウント数の表示)の更新設定を行う(B4505)。ここで、カウント数と獲得出玉数は、大当り開始から通常遊技状態に戻るまでの連荘(連チャン)中のカウント数と獲得出玉数であるが、1回の大当りでのカウント数と獲得出玉数でもよいし、或は、遊技機10の電源投入からの合計のカウント数と獲得出玉数でもよい。
そして、演出制御装置300は、獲得出玉数が所定数となったか否かを判定する(B4506)。獲得出玉数が所定数となっている場合に(B4506の結果が「Y」)、演出制御装置300は、受信した設定値に応じて大入賞口LED39dの発光態様(色)を昇格抽選する(B4507)。所定数は、自然数であればよく、例えば特定の数の倍数ごと(5000球ごと等、即ち5000、10000、15000・・・)に設定されることができる。なお、昇格抽選(B4507)による発光態様(昇格抽選色)の選択率は、図58で前述したファンファーレ演出設定処理における抽選(B4104)と同様でよい。次に、獲得出玉数表示とカウント表示等を、図63A、図63B、図64にて後述するように設定値に応じた表示設定とする(B4508)。ここでは、獲得出玉数表示とカウント表示等の表示態様を設定値に応じた選択率で抽選する。
他方で、獲得出玉数が所定数となっていない場合に(B4506の結果が「N」)、演出制御装置300は、カウント情報設定処理を終了する。
なお、カウント情報設定処理では、大当たり動作中である場合に(B4502の結果が「Y」)、獲得出玉数に大入賞口の賞球数を加算して(B4504)、大入賞口LED39dの発光態様(色)を昇格抽選したが(B4507)、通常遊技状態中に獲得出玉数に始動入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞を獲得出玉数に加算することによって、始動入賞口36や普通変動入賞装置37に設けた発光部(LED)を設定値に応じて発光させてもよい。
ここで、獲得出玉数表示とカウント表示の更新設定を設定値に応じた表示設定とすることについて、図63A及び図63Bを参照して説明する。図63Aは第4実施形態において大当りになった際の表示装置41の表示画面の一例を示す図であり、図63Bは別の一例を示す図である。図63A及び図63Bの例では、獲得出玉数が所定数となったときに、獲得出玉数表示やカウント表示やその他の情報の表示の表示態様を設定値に応じた選択率で抽選して表示設定する。
獲得出玉数が所定数(例えば5000)に達していない場合(B4506の結果が「N」)の大当りラウンド中の表示装置41の表示画面は、例えば図63Aに示すようになる。
表示画面の左上隅には、現在の大当りラウンド数を表示するラウンド数表示676が例えば「1」Rと数字表記(アラビア数字(「1、2、3・・・」))で表示される。また、表示画面の右上隅及び左下隅には、右打ちするよう指示する報知である右打ち指示報知691が表示される。さらに、表示画面の左端には、大当り結果態様(大当り停止図柄、特別結果態様)となった直前の特別変動表示ゲームの大当り停止図柄「7,7,7」(停止結果、停止図柄)が例えば「7」と数字表記(アラビア数字)で表示される。そして、表示画面の右下隅には、演出ポイントを表示する演出ポイント表示678が例えば「0030」ptと数字表記(アラビア数字)で表示される。表示画面の右中隅には、獲得出玉数表示681やカウント表示682が、例えば「4910」両、「150」と数字表記(アラビア数字)で表示される。
次に、獲得出玉数が所定数(例えば5000)となっている場合(B4506の結果が「Y」)の大当りラウンド中の表示装置41の表示画面は、例えば図63Bに示すようになる。
ここで、例えば設定値が低い場合ほど、図64(a)に示すように、現在の大当りラウンド数表示676(「壱」R)や演出ポイント表示678(「三十」pt)が漢字表記(漢字(「壱、弐、参・・・」))で表示され易くなる。また、現在の獲得出玉数表示681(「五千」両)やカウント表示682(「百五十七」)が漢字表記(漢字(「壱、弐、参・・・」))で表示され易くなる。
図64は、第4実施形態において、設定示唆演出としての獲得出玉数表示681やカウント表示682やその他の情報の表示(大当りラウンド数表示676、演出ポイント表示等)の表示態様を決定するためのテーブルの一例を示す図である。図64(A)は設定値に応じてアラビア数字(数字表記)又は漢字(漢字表記)の選択率(振分率)が変化することを示すテーブルであり、図64(B)は設定値に応じて色の選択率が変化することを示すテーブルである。
例えば、設定1の場合には、数字表記の選択率が45%となり、漢字表記の選択率が55%となる。他方で設定6の場合には、数字表記の選択率が75%と高くなり、漢字表記の選択率が25%と低くなる。したがって、遊技者は、設定示唆演出が行われている場合に、表示画面の表示が数字表記であるか、又は漢字表記であるかを確認することで設定値を推定することができる。
なお、数字表記となる場合には、図63Aのように獲得出玉数が所定数となっていない場合と同じ表示画面になる。また、獲得出玉数が所定数となる場合に、設定値に応じて大当り停止図柄677を漢字表記(「七(又は漆)」)で表示させてもよく、「設定示唆演出発生!」等の文字などを表示画面に表示して遊技者に設定示唆演出が発生したことを報知してもよい。さらに、数字表記や漢字表記に加えて他の表記形式(例えばローマ数字(「I、II、III・・・」))で表示されるように選択率を設定してもよい。
また、設定示唆演出の表示態様の決定は、数字表記や漢字表記等の選択率を変更するとともに、図64(B)に示すように、設定値に応じて表示される色の選択率を変更してもよい。
例えば、設定1の場合には、黒色の選択率が35%、青色の選択率が45%となる。他方で、設定6の場合には、黒色の選択率が70%と高くなり、青色の選択率が20%と低くなる。したがって、遊技者は、設定示唆演出が行われている場合に、表示画面の表示が何色になっているかを確認することで設定値を推定することができる。
また、設定値が奇数(1、3、5)の場合には赤色の選択率が20%、偶数(2、4、6)の場合には赤色の選択率が10%となる。したがって、遊技者は、設定示唆演出が行われている場合に、表示画面の表示が赤色であるか否かを確認することで設定値が奇数又は偶数であることを推定することができる。
このように、大当りラウンド中の表示装置41の表示画面の表示態様を設定値に応じて決定して設定示唆演出を行うことによって、遊技者は表示画面から設定値を推定することができる。なお、表示画面の表示態様は、数字表記等や色だけに限らず、文字の大きさやフォント等を変更することによって行ってもよい。また、設定示唆演出によって設定値に応じた所定の記号や図形等を表示画面に表示させることとしてもよい。
〔発光態様変化(昇格等)の変形例〕
なお、所定の発光部の発光態様(色)は、特図変動表示ゲームの実行中に初期発光態様(初期色)から変化(昇格)させてもよい。この場合の大当りの期待度の関係性について、大当りではない場合(期待度が低い場合)には、設定値に対応した発光態様(初期色)となりそのまま変化しない態様や、設定値に対応した発光態様(初期色)から演出の期待度に対応した発光態様へと変化する態様としてもよい。なお、特図変動表示ゲームの終了後に、所定の発光部を、期待度に対応した発光態様から設定値に対応した発光態様(初期色)に戻してもよい。さらに、大当りではない場合(期待度が低い場合)において、遊技意欲の低下を抑制できるように、所定の発光部の発光態様を低設定値で昇格し易いようにする、具体的には、図58等の昇格抽選の表の設定1〜6の選択される割合が逆転する態様(例えば設定1〜3までと設定4〜6までとの選択される割合が逆転する態様)にして、遊技者が興味を持てるようにしてもよい。
他方で、大当りの場合(期待度が高い場合)においても同様に、設定値に対応した発光態様となりそのまま変化しない態様や、設定値に対応した発光態様から演出の期待度に対応した発光態様へと変化する態様としてもよい。なお、特図変動表示ゲームの終了後に、所定の発光部を、期待度に対応した発光態様から設定値に対応した発光態様(初期色)に戻してもよい。このように、設定示唆演出を実行可能な実行期間(例えば特図変動表示ゲームの実行中)において、特図変動表示ゲームの結果が大当り(特別結果)となる期待度に応じて、設定値に対応した発光態様(設定示唆演出)と演出の期待度に対応した発光態様(期待度を報知する期待度報知演出)とを切り替えることができる。
従って、大当りの期待度が高い場合において、設定示唆演出から期待度報知演出に変更して大当りの期待度を報知すれば、遊技を盛り上げることができ遊技の興趣が向上する。逆に、期待度が低い場合において、期待度報知演出から設定示唆演出に変更すれば、遊技者に期待を持たせることができ、遊技の興趣が向上するとともに遊技機の稼働が向上する可能性がある。
さらに、大当りの場合(期待度が高い場合)において、表示装置41上の演出に注視させ易くするように、所定の発光部の発光態様を高設定値で昇格し難いようにする、具体的には、図58等の昇格抽選の表の設定1〜6の選択される割合が逆転する態様(例えば設定1〜3までと設定4〜6までとの選択される割合が逆転する態様)にして、高設定時の所定の発光部の発光態様を遊技者にとって興味のないものにしてもよい。このように、所定の発光部の発光態様を高設定値で昇格し難いようにすることができる。その結果、表示装置41上の期待度の高い演出と、所定の発光部の期待度の低い発光態様とで、過度に期待感を煽ることなくバランスよく遊技者に期待感を煽ることができるとともに、表示装置41上の演出と所定の発光部の発光態様とが対応していないことにより意外性のある演出となり、興趣を向上させることができる。
また、その他の場合(当落報知時や大当り開始時等の遊技者が表示装置41に注視する場合)において、所定の発光部を一旦演出に基づいた発光態様にして、表示装置41に注視しなくなる状態(状況)になることで設定値に基づいた割合の発光態様に戻してもよい。さらに、表示装置41で注視される演出が行われている場合でも、当該演出に関わらず設定値に基づいた割合の発光態様としてもよい。加えて、一旦期待度の低い発光態様(色)にしてから、演出に基づいた発光態様に変化させるようにしてもよい。
〔ホール・遊技者設定モード処理〕
次に、図65を参照して、上述したメイン処理(図36)におけるホール・遊技者設定モード処理(B0011)の詳細について説明する。図65は、演出制御装置300によって実行される第4実施形態に係るホール・遊技者設定モード処理の手順を示すフローチャートである。
ホール・遊技者設定モード処理によって、ホール(遊技店)の責任者等が遊技機10の各種設定を行えるホール設定モード、又は、遊技者が遊技機10の各種設定を行える遊技者設定モードを起動させることができる。
演出制御装置300は、まず、ホール設定モード中であるか否か判定する(B4601)。後述のホール設定モード中フラグが設定されている場合に、ホール設定モード中であると判定できる。ホール設定モード中である場合に(B4601の結果が「Y」)、B4606−B4616の処理を行って、ホール(遊技店)の責任者等による演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a、タッチパネル25b)の操作に基づいて、各種設定や各種調整を行う。
演出制御装置300は、ホール設定モード中でない場合に(B4601の結果が「N」)、遊技者設定モード中であるか否か判定する(B4602)。後述の遊技者設定モード中フラグが設定されている場合に、遊技者設定モード中であると判定できる。遊技者設定モード中である場合に(B4602の結果が「Y」)、B4620−B2425の処理を行って、遊技者による演出ボタン25の操作に基づいて各種設定や各種調整を行う。
演出制御装置300は、遊技者設定モード中でない場合に(B4602の結果が「N」)、ホール設定モード開始条件が成立したか否か判定する(B4603)。例えば、客待ち中に、ホール設定モードに入るための演出ボタン25の操作が操作信号として演出ボタン入力処理(B0010)で検出された場合などに、ホール設定モード開始条件が成立したと判定できる。なお、客待ち中とは、例えば、表示装置41に客待ち用の映像(客待ちデモ)が表示されるような状態である。ホール設定モード開始条件が成立していない場合に(B4603の結果が「N」)、B4617の処理を実行する。
演出制御装置300は、ホール設定モード開始条件が成立した場合に(B4603の結果が「Y」)、ホール設定モードにおける表示装置41に対する画面描画(ホール設定画面の描画)を開始するための画面描画開始設定を行う(B4604)。そして、ホール設定モード中フラグを設定する(B4605)。
次に、演出制御装置300は、ホールの責任者等による演出ボタン25の操作に基づいて、上スピーカ19a及び下スピーカ19bの音量を調整するホール音量調整処理(B4606)、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの輝度(明るさ)や発光色を調整するホールLED調整処理(B4607)、表示装置41の表示部(液晶ディスプレイ等)の輝度を調整する液晶輝度調整処理(B4608)、省電力の設定を行う省電力設定処理(B4609)を実行する。次に、演出制御装置300は、ロゴ役物の発光色等を設定するロゴカラー設定処理を実行する(B4610)。
続いて、設定確定操作入力があったか否か判定する(B4611)。演出ボタン25の設定確定操作による操作信号が演出ボタン入力処理(B0010)で検出された場合に、設定確定操作入力があったと判定できる。設定確定操作入力がない場合に(B4611の結果が「N」)、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。
そして、演出制御装置300は、設定確定操作入力があった場合に(B4611の結果が「Y」)、工場出荷時の設定で確定したか否か判定する(B4612)。設定確定操作以外に演出ボタン25の操作がなかった場合に、工場出荷時の設定で確定したと判定できる。工場出荷時の設定で確定しなかった場合に(B4612の結果が「N」)、B4614の処理に進む。工場出荷時の設定で確定した場合に(B4612の結果が「Y」)、工場出荷時の設定で各種設定や各種調整を行う工場出荷時設定処理を実行する(B4613)。工場出荷時の設定は、ROM321等のメモリに記憶されているデフォルトの設定である。次に、B4606−B4610やB4613で決定された音量や各種輝度などのホール設定データ(又はホール調整データ)をバックアップメモリ(例えばFeRAM323)に書き込む(B4614)。
次に、演出制御装置300は、ホール設定モードにおける表示装置41に対する画面描画を終了するための画面描画終了設定を行う(B4615)。そして、ホール設定モード中フラグをクリアする(B4616)。
演出制御装置300は、ホール設定モード開始条件が成立していない場合に(B4603の結果が「N」)、遊技者設定モード開始条件が成立したか否か判定する(B4617)。客待ち中において、遊技者設定モードに入るための演出ボタン25の操作が操作信号として演出ボタン入力処理(B0010)で検出された場合などに、遊技者設定モード開始条件が成立したと判定できる。遊技者設定モード開始条件が成立していない場合に(B4617の結果が「N」)、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。
演出制御装置300は、遊技者設定モード開始条件が成立した場合に(B4617の結果が「Y」)、遊技者設定モードにおける表示装置41に対する画面描画を開始するための画面描画開始設定を行う(B4618)。そして、遊技者設定モード中フラグを設定する(B4619)。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作に基づいて、上スピーカ10a及び下スピーカ10bの音量を調整する遊技者音量調整処理(B4620)と、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの輝度(明るさ)を調整する遊技者LED調整処理(B4621)を実行する。
続いて、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25等の操作に基づいて演出をカスタマイズ(個別設定)する演出カスタマイズ処理を実行する(B4622)。そして、設定確定操作入力があったか否か判定する(B4623)。設定確定操作入力がない場合に(B4623の結果が「N」)、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。設定確定操作入力があった場合に(B4623の結果が「Y」)、遊技者設定モードにおける表示装置41に対する画面描画を終了するための画面描画終了設定を行う(B4624)。そして、遊技者設定モード中フラグをクリアする(B4625)。なお、B4620−B4622で決定された音量や輝度などの遊技者設定データ(又は遊技者調整データ)は、消えてもよいため、バックアップメモリに書き込まない。
〔ホール設定モードの表示画面例〕
図66Aは、第4実施形態において、ホール設定モードになっているときの表示装置41の表示画面の一例を示す図である。
演出制御装置300は、ホール設定モード開始条件が成立することで(B4603の結果が「Y」)、ホール設定モードにおける画面描画を開始し(B4604)、図66Aに示すように、表示画面に音量設定窓711、発光色設定窓712、及び輝度設定窓713を表示する。音量設定窓711はホール音量調整処理(B4606)に用いられる表示であり、輝度設定窓713はホールLED調整処理(B4607)や液晶輝度調整処理(B4608)に用いられる表示である。発光色設定窓712は、ホールLED調整処理(B4607)に用いられる表示であり、上述したように所定の発光部で抽選テーブルに応じて行われる設定示唆演出を、ホール設定で選択したホール発光色に切り替えるための表示である。上述したようにこれらの音量設定窓711、発光色設定窓712、及び輝度設定窓713の操作は、ホールの責任者等による演出ボタン25の操作(タッチパネル25bの操作を含む)に基づいて行われる。
発光色設定窓712で何れかの色がホール発光色として選択されることによって、ホール発光色を優先して所定の発光部に表示することができる。したがって、例えば高設定であることを示唆する赤や虹(特定の発光色)にホール発光色を設定しておくことによって、イベント等において高設定の台が豊富に並んでいるようにみせることができる。このように、発光色設定窓712とホールLED調整処理は、所定の発光部の発光態様に関する設定を、遊技者によって設定不能であるとともにホールの責任者等によってのみ設定可能な第2設定手段として機能する。なお、ホール設定モード中は、飾り特別図柄(識別情報)や保留表示部630、保留表示633、保留消化領域640、特図変動中保留表示643といった遊技に関係ある表示を非表示にしてもよい。ホール設定モードは遊技中に行われるものではないため、不必要なものを除外することで、ホール設定モードに係る表示を見易くすることができるとともに、処理負担の軽減を図ることができる。なお、遊技に関係ある表示を非表示にする場合に、飾り縮小図柄(小図柄)616のみを表示させるようにしてもよい。
また、設定示唆演出は、抽選テーブルに応じて行われるものよりもホール発光色が優先して表示されるようにしたが、客待ち中のみ優先して表示されるようにして、実際の遊技中はホール発光色よりも抽選テーブルに応じて行われる設定示唆演出を優先することができる。したがって、遊技者は、実際に遊技することによって遊技中の遊技機10の設定をより詳細に推定することができる。
〔遊技者設定モードの表示画面例〕
図66Bは、第4実施形態において、遊技者設定モードになっているときの表示装置41の表示画面の別の一例を示す図である。
演出制御装置300は、遊技者設定モード開始条件が成立することで(B4617の結果が「Y」)、遊技者設定モードにおける画面描画を開始し(B4618)、図66Bに示すように、表示画面に音量設定窓711及び輝度設定窓713とともに発光有無設定窓714を表示する。音量設定窓711、輝度設定窓713、及び発光有無設定窓714の操作は、遊技者による演出ボタン25の操作に基づいて行われる(B4620、B4621)。遊技者設定モードにおいて、音量設定窓711は遊技者音量調整処理(B4620)に用いられる表示であり、輝度設定窓713及び発光有無設定窓714は遊技者LED調整処理(B4621)に用いられる表示である。
発光有無設定窓714によって、所定の発光部の発光を行うか否かを選択でき、例えば遊技者が発光なしを選択することによって、所定の発光部の設定示唆演出に係る発光を行わないようにできる。このように、発光有無設定窓714と遊技者LED調整処理は、所定の発光部の発光態様に関する設定を遊技者によって設定可能な第1設定手段として機能する。なお、遊技中において、所定の発光部の発光態様(色)は、前述のように設定値に応じて制御(図55−図62)されるため、ホール設定モードと異なり、遊技者設定モードでは発光色設定窓712は表示されない。
なお、遊技者設定モードでは、所定の発光部の発光の有無のみを選択できるようにしたが、所定の発光部の発光態様(色)等を含む演出装置の演出態様を設定値に応じてどの範囲で表示できるかを設定可能にしてもよいし、ホール設定モードと同様に発光色設定窓712によって演出装置の所定の発光部の演出態様(色)を設定可能にしてもよい。演出装置の演出態様は、演出制御装置300の設定値に依存した制御(図44、図55−図62)によって行われる演出態様であり、例えば照明部材の発光態様、内部役物44a、44bや外部役物95aの動作態様、表示装置41の表示画面への演出態様等である。また、演出装置の演出態様が、遊技者によってどの範囲で表示可能になるように設定されたかや、又は設定値に依存した設定示唆演出が行われているか否かを、遊技者設定モード等で確認可能にしてもよい。
また、演出制御装置300は、磁石不正監視処理(A1315)や、電波不正監視処理(A1316)等による不正が検出された場合には、設定示唆演出を行わないようにしてもよく、設定示唆演出における昇格抽選色等をリセットしてデフォルトの色(例えば白)で表示してもよい。
〔客待ちデモ設定処理〕
また、単発系コマンド処理(図39)における客待ちデモ設定処理時(B1308)に、設定示唆演出の発光態様ではなく、ホール設定モード(発光色設定窓712とホールLED調整処理)で設定されたホール発光色で所定の発光部を発光させる。図67は、第4実施形態に係る客待ちデモ設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した設定値が正常なコマンドであるか否かを判定する(B4701)。正常なコマンドでない場合に(B4701の結果が「N」)、客待ちデモ設定処理を終了する。正常なコマンドである場合に(B4701の結果が「Y」)、演出制御装置300はホール設定モードで設定されたホール設定の発光態様(ホール発光色)に所定の発光部の発光態様(色)を設定する(B4702)。そして、客待ちデモ開始設定を行い(B4703)、客待ちデモ設定処理を終了する。
このように、客待ち中(客待ちデモ中)において、設定示唆演出の発光態様(色)ではなく、ホール設定モードで設定された発光態様(ホール発光色)が優先的に使用される。従って、特定の発光態様(特定の色=赤や虹等)に発光態様(ホール発光色)を設定しておくことによって、イベント等において高設定の台が豊富に並んでいるようにみせることができる。また、客待ち中では、設定示唆演出の発光態様(色)が所定の発光部に表示されず、遊技者が遊技して設定示唆演出の発光態様(色)を確認しようとするため、遊技機10の稼働が向上する可能性がある。
なお、遊技者設定モードにおいて発光態様(色)が設定される場合には、客待ち中(客待ちデモ中)において、遊技者設定モードで設定された発光態様(色)が優先的に使用される構成も可能である。
以上の第4実施形態において、演出装置(所定の発光部)の発光態様として、主に、色が設定値に依存して制御される例を示したが、演出装置の発光態様として、輝度(明るさ)や、点灯或は消灯させる又は点滅させることが含まれ、点滅させる場合には点滅周期なども含まれる。また、演出装置が可動体であれば、演出装置の動作態様も、発光態様と同様に、設定値に依存して制御されてよい。
[第4実施形態の作用・効果]
第4実施形態に係る遊技機10は、所定の演出を実行可能な演出装置(例えば、所定の発光部)と、演出装置を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。遊技機10は、遊技に関する設定に応じた設定値を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42(設定キースイッチ93及び設定値変更スイッチ102))を備える。演出制御手段は、設定値に応じて演出装置の演出態様を変化させることによって、設定値を示唆し得る設定示唆演出を実行可能である。
このような遊技機10によれば、遊技する前又は遊技中に遊技機10の設定を遊技者が当該遊技機10の状態のみから推定することができるようになり、設定値の示唆を適切に実行することができるので、遊技の興趣を向上させることができる。また、このように遊技機10の設定を遊技者が当該遊技機10のみから推定できるので、ホール営業において遊技機10の周辺に設定値を暗に示唆する設定示唆札(例えば設定4を示唆するサメ札、設定5を示唆するエビ札、設定6を示唆する鮟鱇札)を設置する必要がなくなり、遊技機10の周辺の空間を広く確保して見栄えを良くできるとともに、ホールの責任者等の負担を軽減することができる。
第4実施形態に係る遊技機10の演出制御手段(演出制御装置300)は、演出装置の演出態様に関する設定を遊技者によって設定可能な第1設定手段(発光有無設定窓714、遊技者LED調整処理)と、演出装置の演出態様に関する設定を遊技者によって設定不能な第2設定手段(発光色設定窓712、ホールLED調整処理)と、を備える。演出制御手段は、設定示唆演出の演出態様を設定値又は第2設定手段によって変更可能である。このような遊技機10によれば、ホールの責任者等は、第2設定手段等によって、演出装置での設定示唆演出の演出態様として、高設定であることを示唆する演出態様(例えば、赤や虹等のホール発光色)を設定しておくことによって、遊技機10の見栄えを思い通りにでき、イベント等において高設定の台が豊富に並んでいるようにみせることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技者にとっても遊技者の好みに合う演出態様を設定できるため興趣を向上させることができる。その結果、ホール側と遊技者側との両方の設定に対するニーズを加味した演出態様を実行可能となる。
第4実施形態に係る遊技機10は、設定示唆演出を実行可能な実行期間において、ゲーム(例えば特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となる期待度に応じて、設定示唆演出と当該期待度を報知する期待度報知演出とを切り替え可能とした。従って、特別結果となる期待度が高い場合において、設定示唆演出から期待度報知演出に変更して特別結果となる期待度を報知すれば、遊技を盛り上げることができ遊技の興趣が向上する。逆に、期待度が低い場合において、期待度報知演出から設定示唆演出に変更すれば、遊技者に期待を持たせることができ、遊技の興趣が向上するとともに遊技機の稼働が向上する可能性がある。
[第5実施形態]
図68から図69Bを参照して、第5実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第4実施形態までの実施形態と同様でよい。
〔保留消化領域の始動記憶が変化するときの画面遷移例〕
図68は、第5実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、保留消化領域640の特図変動中保留表示643が保留変化するときの遊技全体の画面遷移の一例である。なお、特図変動中保留表示643の保留変化(消化中保留変化)の抽選は、例えば、変動演出設定処理(図44)の予告抽選(B2006又はB2009)にて行ってよい。
図68の(あ)は、飾り特図変動表示ゲームが開始される前の表示装置41の表示画面である。
表示装置41の表示画面の中央には、複数の変動表示領域610(左領域610A、右領域610B、中領域610C)が設けられ、左領域610Aには飾り第1図柄Aが、右領域610Bには飾り第1図柄Bが、中領域610Cには飾り第1図柄Cが、拡大表示され、「2,4,5」という図柄で停止表示されている。
表示画面の中央下部には、始動記憶表示領域として、保留消化領域640(特定表示部、変動中保留表示領域)と、保留表示部630と、が表示される。保留消化領域640及び保留表示部630は、変動表示領域610の変動表示よりも前面(上層のレイヤー)に優先して表示される。このような優先的な表示の設定は、例えば、演出表示編集処理にて実行されてよい(B0015)
保留消化領域640には、実行中(消化中)の特図変動表示ゲームに対応する特図変動中保留表示643(始動記憶表示、特図消化中保留表示)が表示される。また、保留消化領域640において、特図変動中保留表示643の背面(下層のレイヤー)には、特図変動中保留表示643の台座としての始動記憶表示背景640Aが低画質な状態で表示される。なお、図68から図69Bにおいて、始動記憶表示背景640Aの粗いハッチングは、始動記憶表示背景640Aが低画質な状態(第1表示態様)で表示されていることを示す。
ここで、低画質な状態(第1表示態様)は、省電力性能の向上やグラフィック処理負担の軽減を遊技者に対する視認性向上よりも優先した状態であり、例えば、通常の表示状態よりも画素数が低くなること(例えば921,600画素未満で表示されること)、明るさやコントラストやガンマや彩度等が抑えられること(例えば100段階で50未満や、−100から+100まで調整できる場合に±0未満で表示されること)、解像度が低いこと(例えば720p(1280×720)未満の解像度で表示されること)、1秒当たりのフレームレート(fps)が低くなること(例えば30fps未満)、又は高圧縮された画像が表示されることである。例えば、VDP312等の処理によって遊技機10内で元の高画質な始動記憶表示背景640Aの画像に低画質処理が施されることによって、高画質なものに代えて、表示装置41の表示画面に低画質な始動記憶表示背景640Aを表示可能になる。また、例えば、始動記憶表示背景640Aの低画質の画像と高画質(又は通常画質)の画像の両方を画像ROM325に記憶しておき、低画質の画像と高画質の画像を状況に応じて差し替えて使用することによって、始動記憶表示背景640Aが低画質(又は高画質)で表示される。
始動記憶表示背景640Aの上部には、始動記憶表示背景640Aと連動して変化する背景オブジェクト640Bが配置される。背景オブジェクト640Bは、例えば図68の(あ)に示すように左右端に配置される2つの双葉状の表示態様で表示される。背景オブジェクト640Bも、始動記憶表示背景640Aと同様に低画質な状態で表示される。また、背景オブジェクト640Bは、始動記憶表示背景640Aと同じ優先順位(同層のレイヤー)で、すなわち一体の態様で表示される。なお、始動記憶表示背景640Aと背景オブジェクト640Bは、例えば、変動演出設定処理(図44)のステップB2013において表示設定されてよい。また、背景オブジェクト640Bを始動記憶表示背景640Aの前面(上層のレイヤー)に優先して表示してもよい。加えて、逆に、始動記憶表示背景640Aを背景オブジェクト640Bの前面(上層のレイヤー)に優先して表示してもよい。
保留表示部630には、未消化の始動記憶に対応する保留表示633(始動記憶表示、特図保留表示)が4個まで表示され、図68の(あ)では、保留表示633は保留表示部630に3個表示されている。保留表示633は、始動記憶表示背景640Aの一部に重ねて配置され、始動記憶表示背景640Aの前面に表示される。このように、演出制御装置300は、保留表示633を保留表示部630に表示し、特図変動中保留表示643を保留消化領域640に表示する制御を実行する始動記憶表示制御手段として機能する。演出制御装置300は、保留表示633と特図変動中保留表示643の表示設定を、例えば、保留シフト時には、変動演出設定処理(図44)のステップB2015において実行し、保留発生時には、単発系コマンド処理の特図1保留情報設定処理(B1310)又は特図2保留情報設定処理(B1312)で実行してよい。
図68の(い)では、特図変動中保留表示643に対応して飾り特図変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。表示画面の複数の変動表示領域610では、飾り第1図柄A〜Cが通常の変動態様で変動表示されている。なお、以下の図において、飾り第1図柄A〜Cが通常の変動態様で変動表示されている場合には、変動表示されている飾り第1図柄A〜Cを「↓」で示す。
図68の(う)では、特図変動表示ゲームの実行中に所定の条件(例えば消化中保留変化や先読み予告等)の成立によって保留変化したときの表示装置41の表示画面である。ここでは、特図変動中保留表示643が保留変化するが、保留表示633が先読み予告演出として保留変化してもよい。消化中保留変化の場合には、例えば図68の(う)に示すように、特図変動中保留表示643は、保留変化することによって、通常の丸い表示態様から期待度の高いことを示唆する星状の表示態様になる。
また、始動記憶表示背景640Aは、保留変化と同時に、低画質な状態から高画質な状態に表示が切り替えられる。なお、図68から図69Bにおいて、始動記憶表示背景640Aの細かいハッチングは、始動記憶表示背景640Aが高画質な状態で表示されていることを示す。始動記憶表示背景640Aと同様に、背景オブジェクト640Bも高画質な状態(第2表示態様)で表示される。背景オブジェクト640Bは、通常の双葉状の表示態様から期待度が高いことを示唆する花状の表示態様に変化する。なお、始動記憶表示背景640Aと背景オブジェクト640Bの画質や表示態様の変化は、予告として抽選された特図変動中保留表示643の保留変化(消化中保留変化)と同じタイミングで実行されるように、例えば、変動演出設定処理(図44)のステップB2013において表示設定されてよい。
ここで、高画質な状態(第2表示態様)は、遊技者に対する視認性向上を省電力性能の向上やグラフィック処理負担の軽減よりも優先した状態であり、例えば、通常の表示態様よりも画素数が高くなること(例えば921,600画素以上で表示されること)、明るさやコントラストやガンマや彩度等が強くなること(例えば100段階で50以上や、−100から+100まで調整できる場合に±0以上で表示されること)、解像度が高いこと(例えば720p(1280×720)以上の解像度で表示されること)、1秒当たりのフレームレート(fps)が高くなること(例えば30fps以上)、又は無圧縮の画像や圧縮率の小さい画像が表示されることである。
図68の(え)は、実行中の特図変動表示ゲームが終了して、変動表示領域610の停止結果(停止図柄)がはずれ結果態様(はずれ停止図柄)となる場合の表示装置41の表示画面である。変動表示領域610の飾り第1図柄A〜Cには、はずれ停止図柄として「3,7,2」が停止表示される。また、特図変動中保留表示643が消化されて非表示になるとともに、始動記憶表示背景640A及び背景オブジェクト640Bが高画質な状態から低画質な状態に切り替えられて表示される。背景オブジェクト640Bは、花状の表示態様から双葉状の表示態様に戻る。特図変動表示ゲームの終了時の始動記憶表示背景640A及び背景オブジェクト640Bの表示設定は、例えば単発系コマンド処理の停止設定(B1331)の一環として、図柄種別(はずれ図柄又は大当り図柄)に基づいて実行してよい。その後、保留表示633の最も古い始動記憶が特図変動中保留表示643に移動して、次の特図変動表示ゲームが開始される。なお、始動記憶表示背景640A及び背景オブジェクト640Bが高画質な状態から低画質な状態に切り替えられるタイミングは、特図変動中保留表示643が消化されて非表示になるときに限らず、所定の演出が終了したときや、飾り第1図柄A〜Cが停止表示されたとき、次の特図変動表示ゲームが開始されたとき等としてもよい。
図68の(お)は、実行中の特図変動表示ゲームが終了して、変動表示領域610の停止結果(停止図柄)が大当り結果態様(大当り停止図柄、特別結果態様)となる場合の表示装置41の表示画面である。変動表示領域610の飾り第1図柄A〜Cには、大当り停止図柄として「3,3,3」が停止表示され、変動表示領域610の下方には「大当り!!」という文字が表示される。また、特図変動中保留表示643は消化されて非表示になるが、始動記憶表示背景640A及び背景オブジェクト640Bは高画質な状態が維持される。背景オブジェクト640Bの花状の表示態様もそのまま維持される。その後、大当りラウンドの遊技が開始され、大当りラウンド演出が実行される。
なお、始動記憶表示背景640Aや背景オブジェクト640Bを低画質から高画質に切り替えることは、特図変動中保留表示643が星状の表示態様に保留変化する際(図68の(う))に限らず、その前の段階、すなわち特図変動表示ゲームを開始する際(図68の(あ)直後)や、消化中保留変化が発生する直前(図68の(い))の段階で高画質に切り替えてもよい。また、段階的に保留変化する場合や連続演出時(連続予告演出時又は擬似連続演出時)には、始動記憶表示背景640Aの画質を段階的に切り替えてもよい。また、例えば特図変動中保留表示643や保留表示633が白色等の明るい色で表示されている場合に、始動記憶表示背景640Aの色を黒色等の暗めの色に切り替えて、特図変動中保留表示643や保留表示633と区別が付き易くるようにしてもよい。さらに、始動記憶が記憶されて新たに保留表示633が発生する場合や、例えば保留表示が上限の4個に達してオーバーフローした場合や一般入賞口35に遊技球が入賞した場合等にも始動記憶表示背景640Aを高画質に切り替えて、遊技者に視認させ易くしてもよい。また、飾り特図変動表示ゲームの実行によって飾り第1図柄A〜Cが、特定の図柄(保留変化を示唆又は確定する保留変化図柄やチャンス目が停止した場合等)で停止又は仮停止したときに始動記憶表示背景640Aを高画質に切り替えることとしてもよい。
加えて、第1表示態様は、始動記憶表示背景640Aや背景オブジェクト640Bを低画質で表示する態様に限らず、薄ら視認可能であるが始動記憶表示背景640Aや背景オブジェクト640Bを目立たなくさせる態様で表示してもよい。例えば、当該目立たなくさせる態様として、始動記憶表示背景640Aや背景オブジェクト640Bを被覆するように別の画像を始動記憶表示背景640Aや背景オブジェクト640Bの手前(前面、上層のレイヤー)に表示することができる。この場合の別の画像には、例えば、始動記憶表示背景640Aや背景オブジェクト640Bと同じであるが薄くなっている画像やモザイク画像、奥(背面、下層のレイヤー)の始動記憶表示背景640Aや背景オブジェクト640Bを視認できる透過性のある画像等を用いることができる。そして、第2表示態様は、始動記憶表示背景640Aや背景オブジェクト640Bを高画質で表示する態様に限らず、始動記憶表示背景640Aや背景オブジェクト640Bの手前に表示した別の画像を非表示にする態様で表示してもよい。
〔演出表示領域にて所定の演出が発生するときの画面遷移例〕
次に、図69Aを参照して、保留消化領域640とともに演出表示領域641が表示されるときの画面遷移例について説明する。図69Aは、第5実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、演出表示領域641にて所定の演出が発生するときの遊技全体の画面遷移の一例である。なお、以下の図69A及び図69Bの説明においては、図68と重複する説明は、適宜省略する。
図69Aの(か)は、飾り特図変動表示ゲームが開始される前の表示装置41の表示画面である。
表示装置41の表示画面において、複数の変動表示領域610には飾り第1図柄A〜Cが「2,4,5」という図柄で停止表示され、保留消化領域640には実行中の特図変動表示ゲームに対応する特図変動中保留表示643が表示される。また、保留消化領域640において、特図変動中保留表示643の背面(下層のレイヤー)には、特図変動中保留表示643の台座640Cと、低画質の始動記憶表示背景640Aとが、表示される。台座640Cは、始動記憶表示背景640Aの前面(上層のレイヤー)に優先して表示される。始動記憶表示背景640Aは、図68の始動記憶表示背景640Aよりも上部と左部の領域が狭くなっている。
さらに、表示装置41の表示画面の左下端には特図変動表示ゲームに関する演出を表示可能な演出表示領域641が表示され、演出表示領域641には当該演出によって表示態様が変化可能な歩く女の子のキャラクタ641Aが、表示される。演出表示領域641とキャラクタ641Aとは、低画質な状態で表示される。なお、図69A及び図69Bにおいて、キャラクタ641Aを表す線が細いことは、キャラクタ641Aが低画質な状態で表示されていることを示す。演出表示領域641は、保留消化領域640及び保留表示部630と同様に、変動表示領域610よりも前面(上層のレイヤー)に優先して表示される。例えば、演出表示領域641は、保留消化領域640及び保留表示部630と同じレイヤーに表示され、表示の優先順位が同じ関係になる。また、キャラクタ641Aは、演出表示領域641の前面(上層のレイヤー)に優先して表示される。なお、キャラクタ641Aと演出表示領域641とを同じ優先順序(同層のレイヤー)で、すなわち一体の態様で表示してもよい。また、キャラクタ641Aは、保留消化領域640や保留表示部630の前面(上層のレイヤー)に優先して表示してもよく、逆に保留消化領域640や保留表示部630をキャラクタ641Aの前面に優先して表示してもよい。このように表示の優先順序は適宜変更することができる。
図69Aの(き)は、特図変動中保留表示643に対応して飾り特図変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。複数の変動表示領域610では、飾り第1図柄A〜Cが通常の変動態様で変動表示(「↓」)されている。
ここで、低画質なキャラクタ641Aは、図69Aの(き)に示すものとは別のキャラクタ(後述の高画質なキャラクタ641Bとも異なる別のキャラクタ)で表示してよい。また、低画質なキャラクタ641Aは、図69Aの(き)に示すものとは別の態様で表示してよい。例えば、低画質なキャラクタ641Aの別の態様は、図69Aの(き)の立っている態様に対して寝ている態様でよいし、図69Aの(き)の歩いて動作している態様に対して静止している態様でもよい。なお、キャラクタ641Aは、飾り特図変動表示ゲームが開始される前(図69Aの(か))において立ったまま静止している態様にして、飾り特図変動表示ゲームの開始後(図69Aの(き))は、歩いて動作している態様としてもよい。
図69Aの(く)は、特図変動表示ゲームの実行中に演出表示領域641のキャラクタ641Aが所定の条件(例えば消化中保留変化や先読み予告や予告演出の発生等)の成立によってキャラクタ641Bに変化したときの表示装置41の表示画面である。キャラクタ641Bは、期待度が高いことを示唆するおにぎりを食べて喜ぶ女の子であり、高画質な状態で表示される。なお、図69A及び図69Bにおいて、キャラクタ641Bを表す線が太いことは、キャラクタ641Bが高画質な状態で表示されていることを示す。また、始動記憶表示背景640A、台座640C、保留消化領域640及び演出表示領域641も高画質な状態で表示される。また、所定の条件は、具体的には、キャラクタ641A(641B)が始動記憶表示背景640Aに一部侵入して特図変動中保留表示643や保留表示に作用する場合や、始動記憶表示背景640Aの近くに表示され特図変動中保留表示643や保留表示633に作用するタイミングまで待機するような保留変化演出を実行する場合である。そして、所定条件が成立して高画質のキャラクタ641Bに切り替えるタイミングは、キャラクタ641Aが始動記憶表示背景640Aに向かって移動するときや始動記憶表示背景640Aにの近くに表示されたときとすることができる。なお、キャラクタ641Aが特図変動中保留表示643や保留表示に作用したときに高画質なキャラクタ641Bに切り替えてもよく、キャラクタ641Aが始動記憶表示背景640Aに向かって移動するときや始動記憶表示背景640Aにの近くに表示されたときの次の特図変動表示ゲーム開始時等に高画質なキャラクタ641Bに切り替えてもよい。
ここで、高画質なキャラクタ641Bは、図69Aの(く)に示すものとは別のキャラクタ(後述の低画質なキャラクタ641Aとも異なる別のキャラクタ)で表示してよい。また、高画質なキャラクタ641Bは、図69Aの(く)に示すものとは別の態様で表示してよい。例えば、高画質なキャラクタ641Bの別の態様は、図69Aの(き)から歩く速度(動作速度)を速くしたものでよい。なお、図69Aの(き)では、低画質なキャラクタ641Aを静止しておき、図69Aの(く)では高画質なキャラクタ641Bを歩いて動作するようにしてもよい。
図69Aの(け)は、実行中の特図変動表示ゲームが終了して、変動表示領域610の停止図柄がはずれ停止図柄(「3,7,2」)となる場合の表示装置41の表示画面である。特図変動中保留表示643が消化されて非表示になるとともに、始動記憶表示背景640A、台座640C、及び演出表示領域641が低画質な状態で表示される。また、キャラクタ641Bは、通常のキャラクタ641Aに戻り、低画質な状態で表示される。その後、始動記憶が記憶されることで、次の特図変動表示ゲームが開始される。
図69の(こ)は、実行中の特図変動表示ゲームが終了して、変動表示領域610の停止図柄が大当り停止図柄(「3,3,3」)となる場合の表示装置41の表示画面である。変動表示領域610の下方には「大当り!!」という文字が表示される。特図変動中保留表示643は消化されて非表示になるが、始動記憶表示背景640A、台座640C、及び演出表示領域641は高画質な状態が維持される。また、キャラクタ641Bのおにぎりを食べて喜ぶ女の子の演出表示もそのまま維持される。その後、大当りラウンドの遊技が開始され、大当りラウンド演出が実行される。
〔演出表示領域にて所定の演出が発生するときの別の画面遷移例〕
続いて、図69Bを参照して、保留消化領域640とともに演出表示領域641が表示されるときの別の画面遷移例について説明する。図69Bは、第5実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、保留消化領域640、又は演出表示領域641にて所定の演出が発生するときの遊技全体の画面遷移の別の一例である。
図69Bの(く’)は、図69Aの(き)から演出表示領域641にて所定の演出(例えば予告演出等)が発生するときの特図変動表示ゲーム中の表示装置41の表示画面である。所定の演出の発生によって、演出表示領域641のキャラクタ641Aは、期待度が高いことを示唆するキャラクタ641Bに変化する。そして、キャラクタ641Bと演出表示領域641とは、高画質な状態で表示される。他方で、保留消化領域640の始動記憶表示背景640Aと台座640Cは低画質な状態での表示が維持される。その後、変動表示領域610の停止図柄が、はずれ停止図柄(例えば「3,7,2」)となる場合には図69Aの(け)に進み、大当り停止図柄(例えば「3,3,3」)となる場合には図69Aの(こ)に進む。なお、演出表示領域641にて所定の演出が発生する場合には、演出表示領域641を保留消化領域640よりも前面(上層のレイヤー)に優先して表示してもよい。このようにすることで、例えば、演出表示領域641を最前面で拡大させて表示して、キャラクタ641Bによる演出を強調することができる。また、予告演出は、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜Cがリーチとなる場合や、表示装置41の表示画面に表示されたボタン操作促進表示(操作促進画像)に応じて遊技者が演出ボタン25を操作した際等に発生可能である。
図69Bの(く’’)は、図69Aの(き)から保留消化領域640にて所定の演出(例えば消化中保留変化や先読み予告等)が発生するときの特図変動表示ゲーム中の表示装置41の表示画面である。所定の演出の発生によって、特図変動中保留表示643は、期待度が高いことを示唆する星状の表示態様に変化する。そして、台座640C、特図変動中保留表示643と始動記憶表示背景640Aとは、低画質な状態から高画質な状態に表示が切り替えられる。他方で、演出表示領域641のキャラクタ641Aはそのまま表示され続け、演出表示領域641とキャラクタ641Aとは低画質な状態での表示が維持される。なお、特図変動中保留表示643を星状の表示態様に変化させたことに対応させて、台座640Cの形状を例えば三日月形というように特図変動中保留表示643の表示態様と関連性のある形状に変化させてもよい。その後、変動表示領域610の停止図柄が、はずれ停止図柄(例えば「372」)となる場合には図69Aの(け)に進み、大当り停止図柄(例えば「333」)となる場合には図69Aの(こ)に進む。
なお、保留消化領域640にて所定の演出が発生する場合には、保留消化領域640を演出表示領域641よりも前面(上層のレイヤー)に優先して表示してもよい。このようにすることで、例えば、保留消化領域640を最前面で拡大させて表示して、特図変動中保留表示643や保留表示633の表示態様の変化を強調することができる。
また、所定の演出の発生時、例えば保留変化に対応した演出で変化した色と同じ色に台座640cが変化する場合等において、台座640cも特図変動中保留表示643と同じように高画質になるが、高画質の度合は特図変動中保留表示643よりも低くする(特図変動中保留表示643より低画質にする)ようにしてもよい。このように台座640cの画質を特図変動中保留表示643の画質より相対的に落としても、演出の主となる部分である特図変動中保留表示643を遊技者は注視し易いので、遊技の興趣を維持しつつ、処理負担の軽減を図ることができる。
他方で、所定の演出の発生時、例えば保留変化に対応した演出で変化した色と同じ色に台座640cが変化する場合等において、台座640cの高画質の度合を特図変動中保留表示643よりも高くする(特図変動中保留表示643より高画質にする)ようにしてもよい。高画質の台座640cの上に特図変動中保留表示643が相対的に低画質であえて表示されることにより意外性が生じ、かえって特図変動中保留表示643を目立せて、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、特図変動中保留表示643が高画質になるときに、台座640cは低画質を維持するようにしてもよい。特図変動中保留表示643の装飾及び特図変動中保留表示643が消化中の保留であることを示す機能を台座640cは備えていればよく、低画質で表示しても当該機能は維持されるためである。
[第5実施形態の作用・効果]
第5実施形態に係る遊技機10は、始動条件の成立に基づき、複数の識別情報(識別図柄、飾り特別図柄、飾り第1図柄A〜C)による変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を表示可能な表示装置41を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り結果態様、大当り停止図柄、特別結果態様)となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能である。遊技機10は、始動条件の成立に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、表示装置41において変動表示ゲームよりも優先して表示される始動記憶表示領域に、始動記憶に対応する始動記憶表示(特図変動中保留表示643、保留表示633)を表示する制御を実行可能な始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)と、を備える。始動記憶表示制御手段は、始動記憶表示領域において始動記憶表示と重なるように、始動記憶表示の背面に始動記憶表示背景640Aを第1表示態様(例えば低画質)で表示し、所定条件の成立に基づき始動記憶表示背景640Aを第1表示態様とは異なる第2表示態様(例えば高画質)に切り替え可能である。
このような遊技機10によれば、始動記憶表示の表示態様が変化する場合等所定条件の成立する場合に始動記憶表示背景640Aを第2表示態様(例えば高画質)で表示可能になり、その他の場合には始動記憶表示背景640Aを第1表示態様(例えば低画質)で表示させることができる。そのため、例えば台座640cがないと特図変動中保留表示643が飾り第1図柄A〜C等と混ざって見える可能性がある問題があったが、始動記憶表示を遊技者に視認させる必要がある場合に視認させ易く表示できるとともに、遊技者に視認させる必要が比較的少ない場合(期待度が低い場合等)に遊技機10の省電力性能の向上やグラフィック等の処理負担の軽減を図ることができる。したがって、遊技者に対する視認性の向上と、遊技機10の省電力性能の向上や処理負担の軽減を図ることを両立することができ、遊技機において、始動記憶表示領域の表示の仕方を改善することができる。また、例えば、始動記憶表示を遊技者に視認させる必要が比較的少ない場合には、相対的に目立たせたい変動表示領域610の識別情報(飾り第1図柄A〜C)が始動記憶表示よりも高画質で表示されることになるので、遊技者に識別情報を視認し易くさせることができる。加えて、その他の場合に始動記憶表示背景640Aが低画質で表示されることによって、遊技者が始動記憶表示領域に重要な情報があると勘違いすることを抑制できるとともに、液晶に表示画面の画像が焼き付くことを抑制することができる。
遊技機10は、表示装置41において変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)よりも優先して表示される演出表示領域641に、変動表示ゲームに関する演出を表示する制御を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)をさらに備える。演出制御手段は、演出表示領域641において演出を第1表示態様(例えば低画質)で表示し、所定条件の成立に基づき演出を第2表示態様(例えば高画質)に切り替え可能である。このような遊技機10によれば、例えば演出表示領域641が飾り第1図柄A〜C等と混ざって見える可能性がある問題があったが、始動記憶表示(特図変動中保留表示643、保留表示633)だけでなく、演出表示領域641も所定条件の成立した場合に遊技者に視認させ易く表示することができ、上記した効果と同様の効果を奏することができる。
第5実施形態に係る遊技機10は、始動条件の成立に基づき変動表示ゲーム(一括表示装置50での変動表示ゲーム)に対応する演出ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示装置41にて実行可能な演出ゲーム手段(演出制御装置300)と、表示装置41において演出ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)よりも優先して表示される特定表示領域(演出表示領域641)と、該特定表示領域に表示される特定キャラクタ(キャラクタ641A、641B)の表示制御を実行可能な表示制御手段(演出制御装置300)と、を備える。表示制御手段(演出制御装置300)は、常態において特定表示領域を第1表示態様(例えば低画質)で表示するとともに、特定キャラクタを第1演出態様(例えば低画質)で表示し、所定条件の成立に基づいて特定表示領域を当該第1表示態様とは異なる第2表示態様(例えば高画質)に切り替えるとともに、特定キャラクタを第2演出態様(例えば高画質)に切り替え可能である。
従って、遊技者に視認させる必要が比較的少ない場合に、特定表示領域(演出表示領域641)を第1表示態様(例えば低画質)で表示するとともに、特定キャラクタを第1演出態様(例えば低画質)で表示し、遊技機10の省電力性能の向上や、表示制御手段(演出制御装置300)のグラフィック等の処理負担の軽減を図ることができる。逆に、遊技者に視認させる必要がある場合(所定条件の成立する場合)に、特定表示領域を第1表示態様(例えば低画質)とは異なる第2表示態様(例えば高画質)に切り替えるとともに、特定キャラクタを第1表示態様(例えば低画質)から第2演出態様(例えば高画質)に切り替え、遊技者に特定表示領域(演出表示領域641)と特定キャラクタ(キャラクタ641A、641B)を視認させ易くできる。
[第6実施形態]
図70から図88を参照して、第6実施形態について説明する。本実施形態は、状態表示装置152のドライバ150(ここではLEDドライバ153)とその初期設定に関するものである。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第5実施形態までの実施形態と同様でよい。
〔タイマ割込み処理〕
図70は、第6実施形態に係るタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。図70に示すように、第6実施形態のタイマ割込み処理は、第1実施形態(図6)と同様であるが、状態表示編集出力処理(A1318)の後にLEDドライバ153(図71)を初期設定するLEDドライバ初期設定処理(A15001)が追加されていることが特徴である。また、LEDドライバ153の初期設定の後、LEDドライバ153の出力態様、すなわち状態表示装置152の表示態様を設定するためのLEDデータ送信処理(A16001)が行われる。本実施形態では、LEDドライバ153の構成について説明した後、LEDドライバ153の初期設定処理、LEDデータ送信処理について説明する。
なお、LEDドライバ初期設定処理(A15001)とLEDデータ送信処理(A16001)の順序を入れ替えてもよい。この場合には、LEDドライバ初期設定処理(A15001)は、次回のタイマ割込み処理におけるLEDデータ送信処理(A16001)のためにLEDドライバ153を初期設定することになる。
〔LEDドライバ〕
図71は、第6実施形態に係るLEDドライバ153の構成を示す図である。なお、本実施形態のLEDドライバ153は、第1実施形態のドライバ150(図3)と同一のものである。また、後述の一括用ドライバ153a、役比用ドライバ153b、及び、出玉率/排出球数用ドライバ153cも、LEDドライバ153と同一のものである。
LEDドライバ153は、ダイナミック駆動方式(ダイナミック点灯方式)で順次選択された桁の表示器900(900−3(桁3),900−2(桁2),900−1(桁1),900−0(桁0))のLEDに通電して点灯する。状態表示装置152を構成する桁の表示器900は、7セグメント型(又は8セグメント型)の他、点状の8つのLEDランプをまとめたものを含む。LEDドライバ153は、アノードコモンでもカソードコモンのどちらでもよい。
LEDドライバ153が、役比用ドライバ153bや出玉率/排出球数用ドライバ153cである場合には、点線のように、前段のLEDドライバ153(第1段の一括用ドライバ153aや第2段の役比用ドライバ153b)を介して、遊技用マイコン111から16ビットのコマンドが送信される。LEDドライバ153が一括用ドライバ153aである場合には、前段のLEDドライバ153を介さずに、遊技用マイコン111から直接16ビットのコマンドが送信される。
LEDドライバ153は、16ビットシフトレジスタ163、16ビットラッチ回路164、ラッチセレクタ165、4つの8ビットラッチ(ラッチ回路:桁0、桁1、桁2、桁3用)167a―167d、制御部173、発振部174、4対1のデータセレクタ183、キャラクタジェネレータ(デコーダ)185、2対1のデータセレクタ187、セグメント駆動部193、デジット駆動部195を備える。なお、制御部173は、桁数設定部175、デューティ設定部176、データ選択部177、スタンバイモード設定部178を備える。発振部174は、制御部173(特に桁数設定部175やデューティ設定部176)等において使用する信号を発生して送信する。8ビットラッチは、データレジスタとして機能する。さらに、LEDドライバ153は、LED(又はセグメント)の発光色を制御する発光色制御部を備えてよい。
16ビットのコマンドは、データ入力端子からLEDドライバ153の16ビットシフトレジスタ163に入力され、そのまま他のLEDドライバ153にデータ出力端子から出力可能である。16ビットシフトレジスタ163のデータは、16ビットラッチ回路164が遊技用マイコン111からのラッチ信号(ロード信号)を受信したタイミング(ラッチタイミング)で、16ビットラッチ回路164に保持される(セットされる)。
16ビットラッチ回路164に保持されたコマンドのうち、上位8ビットは、ラッチセレクタ165、桁数設定部175、デューティ設定部176、データ選択部177、及び、スタンバイモード設定部178に送られる。16ビットラッチ回路164に保持されたコマンドのうち、下位8ビット(データ部)は、8ビットラッチ167a―167dに送られる。また、下位8ビットのデータ(必要なビット(例えば4ビット)だけでも可)が桁数設定部175、デューティ設定部176、データ選択部177、スタンバイモード設定部178にも送られる。
上位8ビット(アドレス部)が桁数設定部175のアドレス(例えば21H(16進数表現))を示す場合に、桁数設定部175は、16ビットラッチ回路164に保持された制御用データ(初期設定データ)のうち、下位8ビット(必要なビットだけでも可)を取込み、対応する桁数(例えばX0H〜X3H(16進数表現、Xは任意))を設定(初期設定)する。なお、この設定される桁数は、LEDドライバ153が駆動する表示器900の個数(桁数)であり、本実施形態では4である。
上位8ビットがデューティ設定部176のアドレス(例えば20H(16進数表現))を示す場合に、デューティ設定部176は、16ビットラッチ回路164に保持された制御用データ(初期設定データ)のうち、下位8ビット(必要なビットだけでも可)を取込み、対応するデューティ比(例えば、X0H〜XFH(16進数表現、Xは任意))を設定(初期設定)する。なお、表示器900のセグメント(LED)の明るさ(発光強度)を示すデューティ比は、ソースドライバの出力時間幅に対応する。ソースドライバは、アノードコモンの場合にはデジット駆動部195が対応し、カソードコモンの場合にはセグメント駆動部193が対応する。
上位8ビットがデータ選択部177のアドレス(例えば27H(16進数表現))を示す場合に、データ選択部177は、16ビットラッチ回路164に保持された制御用データのうち、下位8ビット(必要なビットだけでも可)を取込み、キャラクタジェネレータ185によるデコードデータの使用/不使用を設定する。なお、データ選択部177と桁数設定部175のアドレスを同じにして、データ選択部177によるデコードデータの使用/不使用の設定と桁数設定部175の桁数設定を同時に行ってもよい(データ選択部177と桁数設定部175は下位8ビットで区別する)。
即ち、データ選択部177は、8ビットラッチのデータをキャラクタジェネレータ185によってデコードしてデコードデータとして使用するか、8ビットラッチのデータをそのまま非デコードデータとして使用するか否かを選択する。デコードされる場合には、8ビットラッチのデータは、キャラクタコードとみなされてキャラクタの点灯パターンデータにデコードされる。データ選択部177は、8ビットラッチのデータをそのまま非デコードデータとして使用する場合には、非デコードデータの選択を示すデータ選択信号を2対1のデータセレクタ187に送る。このように、データ選択部177は、デコード機能の使用の有無を、遊技制御装置100(遊技用マイコン111)からのコマンド(指令、制御用データを含む)に基づいて設定可能である。
上位8ビットがスタンバイモード設定部178のアドレス又はスタンバイモード設定部178向けのコマンド(例えば41H、1XH、0XH(16進数表現:Xは任意)など)を示す場合に、スタンバイモード設定部178は、16ビットラッチ回路164に保持された制御用データのうち、下位8ビット(必要なビットだけでも可)を取込む。そして、スタンバイモード設定部178は、例えば、セグメント駆動部193又はデジット駆動部195にオフ状態とするようスタンバイ信号を送信しLEDドライバ153をスタンバイモードに移行させたり(41Hの場合)、セグメント駆動部193とデジット駆動部195を強制的にオフし全ての桁の表示器900を消灯したり(0XH(BLANKデータ)の場合)、LEDドライバ153のセグメント駆動部193とデジット駆動部195をダイナミック駆動方式で通常動作させたりする(1XHの場合)。なお、スタンバイモードでは、各設定はクリアされず、直前の設定が保持される。また、通常動作では、セグメント駆動部193とデジット駆動部195を一度駆動させた後は、8ビットラッチにデータを格納するだけで、即、8ビットラッチのデータが表示器900の表示に反映される。
上位8ビットが8ビットラッチ167aのアドレス(例えば22H(16進数表現))を示す場合に、ラッチセレクタ165は、8ビットラッチ167aにラッチ信号を転送する。これによって、8ビットラッチ167aは、下位8ビット(データ部)の点灯パターンデータ又はキャラクタコードをラッチ(保持)して取り込む(セットする)。同様に、上位8ビットが8ビットラッチ167b−167dのいずれかのアドレス(例えば23H、24H、25H(16進数表現))を示す場合に、ラッチセレクタ165は、アドレスに対応する8ビットラッチ167b−167dのいずれかにラッチ信号を転送する。これによって、8ビットラッチ167b−167dは、自身宛ての下位8ビット(データ部)の点灯パターンデータ又はキャラクタコードをラッチして取り込むことができる。
なお、ラッチセレクタ165には、遊技用マイコン111からのラッチ信号(ロード信号)が入力され、ラッチセレクタ165は、ラッチ信号を8ビットラッチ167a―167dのいずれか一つに転送して、8ビットラッチ167a―167dのいずれか一つを選択する。そして、8ビットラッチ167a―167dは、それぞれ自身宛ての桁0、桁1、桁2、桁3の表示器900用の表示データを保持できる。
4対1のデータセレクタ183は、ダイナミック駆動方式(ダイナミック点灯方式)を実現するため、デジット駆動部195が選択した各桁のデジット線に対応して、順次8ビットラッチ167a―167dのデータを選択する。4対1のデータセレクタ183は、選択した8ビットラッチ167a―167dのいずれか一つのデータを、キャラクタジェネレータ185及び2対1のデータセレクタ187に出力する。デジット線を選択は、デジット線にオン/オフ駆動信号を出力することにより行われ、アノードコモンの場合はデジット線にオン電圧が印加され、カソードコモンの場合はデジット線に電流引き込み電圧(オフ電圧)が印加される。なお、デジット駆動部195がどの桁のデジット線を選択しているかを示す情報が、4対1のデータセレクタ183に送信されてよい。
例えば、デジット駆動部195が駆動信号を出力して桁0のデジット線を選択している場合には、8ビットラッチ167aのデータが選択される。同様に、デジット駆動部195が駆動信号を出力して桁1、桁2、桁3のデジット線を選択している場合には、8ビットラッチ167b、167c、167dのデータがそれぞれ選択される。
キャラクタジェネレータ185は、4対1のデータセレクタ183から送られたデータをデコードする。4対1のデータセレクタ183から送られたデータがキャラクタコードである場合に、キャラクタジェネレータ185は、デコード処理によって、キャラクタコード(文字コード)を、そのキャラクタコードが示すキャラクタ(文字)の点灯パターンデータに変換する。
図72は、キャラクタコード(文字コード)とそれに対応するキャラクタの点灯パターンを例示する図である。なお、図72において、Xは任意(0又は1)であり、キャラクタコード「X10・・・・・B」は、小数点(Dp)を点灯させる場合の点灯パターンデータに対応する。キャラクタをどのようなキャラクタコードに対応付けるかは種々に定義可能であるが、キャラクタジェネレータ185は、キャラクタコード(入力)とキャラクタ(出力)(キャラクタの点灯パターンデータ)の対応付け関係を定義する論理回路などを備えている。例えば、キャラクタコード「X0011010B」は、キャラクタ「−」に対応し、セグメントgだけを点灯(オン)させる点灯パターンデータ((a,b,c,d,e,f,g,Dp)=(0,0,0,0,0,0,1,0))(例えば「00000010B」)に対応する。なお、一括用ドライバ153aは、非デコードデータを使用するため、セグメントgだけを点灯(オン)させる場合には、遊技用マイコン111から送信された点灯パターンデータ(例えば「00000010B」)をそのまま使用する。
図71を参照した説明に戻る。LEDドライバ153が役比用ドライバ153b又は出玉率/排出球数用ドライバ153cであれば、遊技用マイコン111から送信されたキャラクタコードが8ビットラッチ167a―167dに保持されているため、キャラクタジェネレータ185は、キャラクタコードが示すキャラクタ(文字)の点灯パターンデータを出力する。しかし、LEDドライバ153が一括用ドライバ153aであれば、遊技用マイコン111から送信された適切な点灯パターンデータが8ビットラッチ167a―167dに既に保持されているため、偶発的な場合を除いて、キャラクタジェネレータ185は、デコード処理によって、適切な点灯パターンデータを不適切な点灯パターンデータに変換するだけになってしまう。なお、偶発的にこの適切な点灯パターンデータがキャラクタコードのいずれかに一致する場合には、一括用ドライバ153aのキャラクタジェネレータ185がキャラクタ(文字)の点灯パターンデータを出力することもある。
2対1のデータセレクタ187は、データ選択部177からのデータ選択信号に対応して、キャラクタジェネレータ185から出力されるデコードされたデータ(デコードデータ)と、4対1のデータセレクタ183から直接出力される非デコードデータのいずれか一つを選択してセグメント駆動部193に出力する。非デコードデータは、キャラクタジェネレータ185を介さずに4対1のデータセレクタ183から出力されるデータであり、8ビットラッチ167a―167dの8ビットデータそのものである。非デコードデータの選択を示すデータ選択信号が入力された場合に、2対1のデータセレクタ187は、非デコードデータを出力し、データ選択信号が入力されない場合には、デコードデータを出力する。
LEDドライバ153が一括用ドライバ153aであれば、2対1のデータセレクタ187は、非デコードデータの選択を示すデータ選択信号が入力され、常に8ビットラッチ167a―167dに保持された適切な点灯パターンデータをセグメント駆動部193に出力することになる。一方、LEDドライバ153が役比用ドライバ153b又は出玉率/排出球数用ドライバ153cであれば、2対1のデータセレクタ187は、データ選択信号が入力されず、常にキャラクタ(文字)の点灯パターンデータ(デコードデータ)をセグメント駆動部193に出力することになる。
セグメント駆動部193は、2対1のデータセレクタ187からの点灯パターンデータ(デコードデータ又は非デコードデータ)を、デジット駆動部195で選択されたデジット線に対応する桁の表示器900に出力する(ダイナミック駆動方式)。点灯パターンデータは、選択された桁(即ち選択されたデジット線)の表示器900の8つのLED(セグメントa−g、Dp又は点状の8つのLED)の発光のオンオフデータとなる。セグメント駆動部193は、アノードコモンの場合はセグメント線に電流引き込み電圧(オフ電圧)を駆動電圧として印加することによってLEDをオン状態(発光状態)とする。カソードコモンの場合はセグメント線にオン電圧を駆動電圧として印加することによってLEDをオン状態(発光状態)とする。
表示器900の8つのLEDは、7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器900では、セグメントa−g、Dpとなる。一方、図34(A)の場合では、表示器900の8つのLEDは、点状の8つのLEDランプの集合(D3−D7、D8、D10、D18)、又は、点状の8つのLEDランプの集合(D9、D11−D16、D17)となり得る。
デジット駆動部195は、駆動信号を出力して各桁のデジット線を選択する。デジット駆動部195は、駆動信号として、アノードコモンの場合はデジット線にオン電圧を印加し、カソードコモンの場合はデジット線に電流引き込み電圧(オフ電圧)を印加する。
抵抗接続端子197(R−EXT端子)は、この端子とグランド(GND)間に外付け抵抗1個を接続することで、セグメント駆動部193とセグメント駆動部193から構成される定電流回路によってセグメント線に流れる電流値が設定可能になる。これにより、全LEDに共通の電流値を供給可能である。
さらに、LEDドライバ153の発光色制御部(図示せず)は、LED(又はセグメント)の発光色を制御する。発光色制御部は、メイン処理及びタイマ割込み処理において、LEDのカラー(色)に関するコマンド(制御用データ)を受信して、セグメント駆動部193に指令信号を送ってLEDの発光色を制御することができる。セグメント駆動部193は、発光色制御部からの指令信号に応じた色のセグメント線に駆動電圧を印加して駆動する。なお、セグメント線は、表示器900の各色のLED(又はセグメント)に対して設けられている。
前記のように、第1実施形態のドライバ150は、メイン処理において初期設定されていた。このとき、ドライバ150(LEDドライバ153)の桁数設定部175、デューティ設定部176(さらに、データ選択部177、スタンバイモード設定部178)に対して初期設定が行われる。一方、第6実施形態では、タイマ割込み処理においても桁数設定部175、デューティ設定部176のうちの少なくとも一つに対して初期設定が行われる。これにより、メイン処理の後、ノイズ等によりLEDドライバ153(駆動手段)の設定値が不定の値になったとしても、タイマ割込み処理において正しい設定値にしてから駆動用データ(LEDコマンド)を出力することが可能となり、状態表示装置152のノイズ等に起因する消灯を回避することができる。また、桁数設定部175及びデューティ設定部176(さらに、データ選択部177、スタンバイモード設定部178)がタイマ割込み処理において初期設定される場合は、メイン処理における初期設定(A1016)を省略することができる。第6実施形態では、桁数設定部175及びデューティ設定部176に対して初期設定を行う場合を例にして説明する。
〔初期設定コマンドの送信タイミングチャート〕
図73は、第6実施形態に係るLEDドライバに送信される初期設定コマンドとラッチとの関係を示す図である。なお、図73において、初期設定コマンドは、アドレス部(8ビット)を省略して示されている。遊技用マイコン111は、桁数設定部175用の初期設定データ(8ビット)を包含した初期設定コマンド(桁)((桁)は桁数の初期設定値)(16ビット)(図74)、デューティ設定部176用の初期設定データ(デュ)((デュ)はデューティ比の初期設定値)(8ビット)を包含した初期設定コマンド(デュ)(16ビット)(図74)を順に送信する。
遊技用マイコン111は、初期設定コマンド(16ビット)を送信するごとにラッチ信号を出力する。遊技用マイコン111は初期設定コマンドの最終ビットを送信する際にラッチ信号を出力する。これによりLEDドライバ153の16ビットラッチ回路164に最初の初期設定コマンド(桁)(図74)が保持され、当該初期設定コマンド(桁)により桁数設定部175に初期設定データ(桁)が記憶される。そして、次のラッチ信号により16ビットラッチ回路164に次の初期設定コマンド(デュ)(図74)が保持され、当該初期設定コマンド(デュ)によりデューティ設定部176に初期設定データ(デュ)が記憶される。なお、図73では、桁数設定部175用の初期設定コマンドがデューティ設定部176用の初期設定コマンドよりも先に送信された形をとっているが、順番は逆になってもよい。
〔LEDドライバ初期設定処理〕
図74を参照して、第6実施形態に係るLEDドライバ初期設定処理(図70のA15001)を説明する。図74は、第6実施形態に係るLEDドライバ初期設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、LEDドライバ153が役比用ドライバ153bであり、役比用ドライバ153bに記憶するキャラクタコード(8ビット)が役物比率表示データである場合を例にして説明する。
遊技用マイコン111は、まず、桁数設定部175の使用桁数に係る初期設定コマンド(桁)を生成し(A15002)、当該初期設定コマンド(桁)をシリアル通信回路の送信バッファに書き込んでクロック信号とともに送信する(A15003)。次に、遊技用マイコン111は、デューティ設定部176のデューティ比に係る初期設定コマンド(デュ)を生成し(A15004)、当該初期設定コマンド(デュ)を前述同様に送信する(A15005)。
〔LEDコマンドの送信タイミングチャート〕
図75は、第6実施形態に係るLEDドライバに送信されるLEDコマンドとラッチとの関係を示す図である。なお、図75において、LEDコマンドは、アドレス部(8ビット)を省略して示されている。遊技用マイコン111は、LEDコマンド(16ビット)を送信するごとにラッチ信号を出力する。遊技用マイコン111はLEDコマンドの最終ビットを送信する際にラッチ信号を出力する。
LEDドライバ153の16ビットラッチ回路164には、最初のラッチ信号により最初のLEDコマンド(桁0)が保持され、当該LEDコマンド(桁0)により8ビットラッチ167aに役物比率表示データ(桁0)が記憶される。同様に、16ビットラッチ回路164には、2番目のラッチ信号により2番目のLEDコマンド(桁1)が保持され、当該LEDコマンド(桁1)により8ビットラッチ167bに役物比率表示データ(桁1)が記憶される。16ビットラッチ回路164には、3番目のラッチ信号により3番目のLEDコマンド(桁2)が保持され、当該LEDコマンド(桁2)により8ビットラッチ167cに役物比率表示データ(桁2)が記憶される。16ビットラッチ回路164には、4番目のラッチ信号により4番目のLEDコマンド(桁3)が保持され、当該LEDコマンド(桁3)により8ビットラッチ167dに役物比率表示データ(桁3)が記憶される。
〔LEDデータ送信処理〕
図76を参照して、第6実施形態に係るLEDドライバ送信処理を説明する。図76は、第6実施形態に係るLEDデータ送信処理の手順を示すフローチャートである。遊技用マイコン111は、まず、8ビットラッチ167aに記憶させる役物比率表示データ(桁0)を包含するLEDコマンド(桁0)(16ビット)を生成し(A16003)、当該LEDコマンド(桁0)をシリアル通信回路の送信バッファに書き込んでクロック信号とともに送信する(A16005)。
遊技用マイコン111は、8ビットラッチ167bに記憶する役物比率表示データ(桁1)を包含するLEDコマンド(桁1)を生成し(A16009)、当該LEDコマンド(桁1)を前述同様に送信する(A16011)。遊技用マイコン111は、8ビットラッチ167cに記憶させる役物比率表示データ(桁2)を包含するLEDコマンド(桁2)を生成し(A16015)、当該LEDコマンド(桁2)を送信する(A16017)。遊技用マイコン111は、8ビットラッチ167dに記憶させる役物比率表示データ(桁3)を包含するLEDコマンド(桁3)を生成し(A16021)、当該LEDコマンド(桁3)を送信する(A16023)。図76ではLEDコマンド(役物比率表示データ=キャラクタコード)を桁0、桁1、桁2、桁3の順で送信しているが、送信順序は任意に設定することができる。
〔第1変形例に係るLEDドライバのカスケード接続〕
図77は、第6実施形態の第1変形例に係るLEDドライバ153(役比用ドライバ153b、出玉率/排出球数用ドライバ153c)のカスケード接続の詳細を示す。カスケード接続において、役比用ドライバ153bが第1段、出玉率/排出球数用ドライバ153cが第2段を構成する。遊技用マイコン111から送信されたシリアルデータ(初期設定コマンド、LEDコマンド)は、まず役比用ドライバ153bに送信され、役比用ドライバ153bから出玉率/排出球数用ドライバ153cにそのまま送信される。即ち、遊技用マイコン111から送信される初期設定データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)などのシリアルデータは、順番に役比用ドライバ153b、出玉率/排出球数用ドライバ153cに伝送される。従って、遊技用マイコン111は、一つのシリアル通信回路を用いて、初期設定データ、点灯パターンデータ、キャラクタコードをシリアル方式で送信できる。なお、遊技用マイコン111は、役比用ドライバ153b、出玉率/排出球数用ドライバ153cに、クロック信号とラッチ信号(ロード信号)を並列的(パラレル)に送信する。
〔状態表示装置〕
図78(A)は、役物比率を表示する役物比率表示部68の詳細を示す図である。状態表示装置152における役物比率表示部68は、4個の7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器900を横方向に並べたものであり、右から桁0、桁1、桁2、桁3を示す4桁の7セグメント型の表示器900である。役物比率表示部68は、全役物比率の表示(例えば「y50.8」)と連続役物比率の表示(例えば「r58.4」)を切り換えて表示することができる。なお、桁3(右から第4番目の桁)は、全役物比率(一般的に使用される役物比率)を示す文字「y」、又は、連続役物比率を示す文字「r」を表示してよい。
役比用ドライバ153b(図77)は、遊技用マイコン111から受信したキャラクタコード(文字コード)を、そのキャラクタコードが示すキャラクタ(文字)の点灯パターンデータに変換して、点灯パターンデータに基づいて役物比率表示部68の各桁(桁3、桁2、桁1、桁0)の表示器900の点灯を制御する。このキャラクタコード(役物比率表示データ)は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111が算出した役物比率(図6、図70のA1318)の各桁の数値に対応する。役比用ドライバ153bは、デコードによって、キャラクタコードからそのキャラクタコードが示すキャラクタの点灯パターンデータを生成するキャラクタジェネレータ185(デコーダ)を有するとともに、キャラクタジェネレータ185によるデコードデータの使用/不使用を設定できる場合には、デコードデータを使用するように設定される。即ち、役比用ドライバ153bは、文字コードから役物比率表示部68の点灯データを生成するデコード機能の使用の有無を設定可能である。
図78(B)は、排出球数を表示する排出球数表示部66と出玉率を表示する出玉率表示部67の詳細を示す図である。状態表示装置152における排出球数表示部66と出玉率表示部67は、4個の7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器900を横方向に並べたものであり、右から桁0を示す表示器900、桁1を示す表示器900が排出球数表示部66に対応し、右から桁2を示す表示器900、桁3を示す表示器900が出玉率表示部67に対応する。逆に、右から桁0を示す表示器900、桁1を示す表示器900が出玉率表示部67に対応し、右から桁2を示す表示器900、桁3を示す表示器900が排出球数表示部66に対応させてもよい。排出球数表示部66と出玉率表示部67は同時に表示可能である。
出玉率/排出球数用ドライバ153c(図77)は、役比用ドライバ153bを介して遊技用マイコン111から受信したキャラクタコード(文字コード)を、そのキャラクタコードが示すキャラクタ(文字)の点灯パターンデータに変換して、点灯パターンデータに基づいて排出球数表示部66と出玉率表示部67の各桁の表示器900の点灯を制御する。出玉率/排出球数用ドライバ153cは、デコードによって、キャラクタコードをそのキャラクタコードが示すキャラクタの点灯パターンデータ(排出球数表示データ、又は出玉率表示データ)に変換するキャラクタジェネレータ185(デコーダ)を有するとともに、キャラクタジェネレータ185によるデコードデータの使用/不使用を設定できる場合には、デコードデータを使用するように設定される。即ち、出玉率/排出球数用ドライバ153cは、文字コードから排出球数表示部66と出玉率表示部67の点灯データを生成するデコード機能の使用の有無を設定可能である。
〔第1変形例に係る初期設定コマンドの送信タイミングチャート〕
図79は、第6実施形態の第1変形例に係る役比用ドライバ、及び、出玉率/排出球数用ドライバに送られる初期設定コマンドを示すタイミングチャートである。なお、図79において、初期設定コマンドは、アドレス部(8ビット)を省略して示されている。遊技用マイコン111は、出玉率/排出球数用ドライバ153cの桁数設定部175用の初期設定データ(8ビット)、役比用ドライバ153bの桁数設定部175用の初期設定データ(8ビット)の順に初期設定コマンド(32ビット)に含めた形で送信し、出玉率/排出球数用ドライバ153cのデューティ設定部176用の初期設定データ(8ビット)、役比用ドライバ153bのデューティ設定部176用の初期設定データ(8ビット)の順に初期設定コマンド(32ビット)に含めた形で送信する。
遊技用マイコン111は、初期設定コマンド(32ビット)を送信するごとにラッチ信号を出力する。遊技用マイコン111は初期設定コマンドの最終ビットを送信する際にラッチ信号を出力する。これにより、出玉率/排出球数用ドライバ153cの桁数設定部175に初期設定データ(桁)cが記憶される。また同時に、当該ラッチ信号により、役比用ドライバ153bの桁数設定部175に初期設定データ(桁)bが記憶される。
そして、次のラッチ信号により、出玉率/排出球数用ドライバ153cのデューティ設定部176に初期設定データ(デュ)cが記憶される。また同時に、当該ラッチ信号により、役比用ドライバ153bのデューティ設定部176に初期設定データ(デュ)bが記憶される。
〔出玉率/排出球数用ドライバ及び役比用ドライバの初期設定処理〕
図80を参照して、第6実施形態の第1変形例に係るLEDドライバ初期設定処理(図70のA15001)を説明する。図80は、第6実施形態の第1変形例に係る役比用ドライバ、及び、出玉率/排出球数用ドライバの初期設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技用マイコン111は、まず出玉率/排出球数用ドライバ153cの桁数設定部175の使用桁数に係る初期設定データ(桁)c(8ビット)を包含する初期設定コマンド(桁)c(16ビット)を生成し(A15006)、役比用ドライバ153bの桁数設定部175の使用桁数に係る初期設定データ(桁)b(8ビット)を包含する初期設定コマンド(桁)b(16ビット)を生成し(A15007)、初期設定コマンド(桁)c、初期設定コマンド(桁)bの順に連結させた初期設定コマンド(桁)c,b(32ビット)をシリアル通信回路の送信バッファに書き込んでクロック信号とともに送信する(A15009)。
次に遊技用マイコン111は、出玉率/排出球数用ドライバ153cのデューティ設定部176のデューティ比に係る初期設定データ(デュ)cを包含する初期設定コマンド(デュ)c(16ビット)を生成し(A15011)、役比用ドライバ153bのデューティ設定部176のデューティ比に係る初期設定データ(デュ)bを包含する初期設定コマンド(デュ)b(16ビット)を生成し(A15012)、初期設定コマンド(デュ)c、初期設定コマンド(デュ)bの順に連結させた初期設定コマンド(デュ)c,b(32ビット)を前述同様に送信する(A15014)。
〔第1変形例に係るLEDコマンドの送信タイミングチャート〕
図81は、第6実施形態の第1変形例に係る役比用ドライバ、及び、出玉率/排出球数用ドライバに送られるLEDコマンドを示すタイミングチャートである。ここで、役比用ドライバ153bに記憶されるキャラクタコードは、役物比率表示データ(桁0−桁3)であり、出玉率/排出球数用ドライバ153cに記憶されるキャラクタコードは、排出球数表示データ(桁0、桁1)又は出球率表示データ(桁2、桁3)である。なお、図81において、LEDコマンドは、アドレス部(8ビット)を省略して示されている。
遊技用マイコン111は、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167aに記憶する排出球数表示データ(桁0)c(8ビット)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167aに記憶する役物比率表示データ(桁0)b(8ビット)の順にこれらをLEDコマンド(32ビット)に含めた形で生成して送信し、次に、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167bに記憶する排出球数表示データ(桁1)c(8ビット)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167bに記憶する役物比率表示データ(桁1)bの順にこれらをLEDコマンド(32ビット)に含めた形で生成して送信する。
ここで、遊技用マイコン111は、LEDコマンド(32ビット)を送信するごとにラッチ信号を出力する。遊技用マイコン111はLEDコマンドの最終ビットを送信する際にラッチ信号を出力する。これにより、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167aに排出球数表示データ(桁0)cが記憶される。また同時に、当該ラッチ信号により、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167bに役物比率表示データ(桁0)bが記憶される。
そして、次のラッチ信号により、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167bに排出球数表示データ(桁1)cが記憶される。また同時に、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167bに役物比率表示データ(桁1)bが記憶される。
図81では図示を省略しているが、その後、遊技用マイコン111は、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167cに記憶する出球率表示データ(桁2)c(8ビット)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167cに記憶する役物比率表示データ(桁2)bの順にこれらをコマンド(32ビット)に含めた形で生成して送信し、次に、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167bに記憶する出球率表示データ(桁3)c(8ビット)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167dに記憶する役物比率表示データ(桁3)bの順にこれらをコマンド(32ビット)に含めた形で生成して送信する。
よって、次のラッチ信号により、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167cに出球率表示データ(桁2)cが記憶される。また同時に、当該ラッチ信号により、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167cに役物比率表示データ(桁2)bが記憶される。
さらに、次のラッチ信号により、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167dに出球率表示データ(桁3)cが記憶される。また同時に、当該LEDコマンド(桁3)bにより役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167dに役物比率表示データ(桁3)bが記憶される。
〔第1変形例に係るLEDデータ送信処理〕
図82を参照して、第6実施形態の第1変形例に係るLEDドライバ送信処理を説明する。図82は、第6実施形態の第1変形例に係るLEDデータ送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技用マイコン111は、まず出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167aに記憶する排出球数表示データ(桁0)c(8ビット)を包含するLEDコマンド(桁0)c(16ビット)を生成し(A16002)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ176aに記憶する約物比率表示データ(桁0)bを包含するLEDコマンド(桁0)bを生成し(A16003)、LEDコマンド(桁0)c、LEDコマンド(桁0)bの順で連結させたLEDコマンド(桁0)c,b(32ビット)をシリアル通信回路の送信バッファに書き込んでクロック信号とともに送信する(A16006)。
遊技用マイコン111は、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167bに記憶する排出球数表示データ(桁1)cを包含するLEDコマンド(桁1)cを生成し(A16008)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ176bに記憶する役物比率表示データ(桁1)bを包含するLEDコマンド(桁1)bを生成し(A16009)、LEDコマンド(桁1)c、LEDコマンド(桁1)bの順で連結させたLEDコマンド(桁1)c,bを前述同様に送信する(A16012)。
遊技用マイコン111は、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167cに記憶する出玉率表示データ(桁2)cを包含するLEDコマンド(桁2)cを生成し(A16014)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ176cに記憶する役物比率表示データ(桁2)bを包含するLEDコマンド(桁2)bを生成し(A16015)、LEDコマンド(桁2)c、LEDコマンド(桁2)bの順で連結させたLEDコマンド(桁2)c,bを前述同様に送信する(A16018)。
遊技用マイコン111は、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167dに記憶する出玉率表示データ(桁3)cを包含するLEDコマンド(桁3)cを生成し(A16020)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ176dに記憶する役物比率表示データ(桁3)bを包含するLEDコマンド(桁3)bを生成し(A16021)、LEDコマンド(桁3)c、LEDコマンド(桁3)bの順で連結させたLEDコマンド(桁3)c,bを前述同様に送信する(A16024)。
〔第2変形例に係る遊技制御装置〕
図83は、第6実施形態の第2変形例に係る遊技機の遊技制御系の構成例を示すブロック図である。第6実施形態の遊技制御装置100は、第1実施形態の遊技制御装置100と類似するが、当該遊技制御装置100に取り付けられていた状態表示装置152が、一括表示装置50に組み込まれた形となっている。また、本実施形態の遊技制御装置100には、一括用ドライバ153a、役比用ドライバ153b、出玉率/排出球数用ドライバ153cがその順でデータ信号線によりカスケード接続され、遊技用マイコン111から延びるデータ信号線が一括用ドライバ153aに接続されている。
〔第2変形例に係るLEDドライバのカスケード接続〕
図84は、第6実施形態の第2変形例に係るLEDドライバのカスケード接続の詳細を示す図である。カスケード接続において、一括用ドライバ153aが第1段、役比用ドライバ153bが第2段、出玉率/排出球数用ドライバ153cが第3段を構成する。遊技用マイコン111から送信されたシリアルデータ(初期設定コマンド、LEDコマンド)は、一括用ドライバ153aに送信され、一括用ドライバ153aから役比用ドライバ153bにそのまま送信される。そして、役比用ドライバ153bに送信されたシリアルデータは、役比用ドライバ153bから出玉率/排出球数用ドライバ153cにそのまま送信される。即ち、遊技用マイコン111から送信される初期設定データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)などのシリアルデータは、順番に一括用ドライバ153a、役比用ドライバ153b、出玉率/排出球数用ドライバ153cに伝送される。従って、遊技用マイコン111は、一つのシリアル通信回路を用いて、初期設定データ、点灯パターンデータ、キャラクタコードをシリアル方式で送信できる。なお、遊技用マイコン111は、一括用ドライバ153a、役比用ドライバ153b、出玉率/排出球数用ドライバ153cに、クロック信号とラッチ信号(ロード信号)を並列的(パラレル)に送信する。
一括用ドライバ153aは、遊技用マイコン111から受信した点灯パターンデータに応じて、一括表示部(不図示)の点灯を制御する。一括用ドライバ153aは、7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器900(LEDランプ)として、第1特図変動表示部51(D1)を桁0の表示器900、第2特図変動表示部52(D2)を桁1の表示器900として制御する(図2B等参照)。
一括用ドライバ153aは、本来、4桁の7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器900そのものを制御するものであるが、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53と、ラウンド表示部60と、第1遊技状態表示部57の点状の8つのLEDランプ(D3−D7、D8、D10、D18)を桁2の表示器900のセグメント(a−g、Dp)とみなして制御する(図2B等参照)。また、一括用ドライバ153aは、保留記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、第2遊技状態表示部58、第3遊技状態表示部59の点状の8つのLEDランプ(D9、D11−D16、D17)を桁3の表示器900のセグメント(a−g、Dp)とみなして制御する(図2B等参照)。
なお、本実施形態では、実際には、一括用ドライバ153aは、役比用ドライバ153bと出玉率/排出球数用ドライバ153cと同種のLEDドライバ153(同じIC)であるが、一括用ドライバ153aは、キャラクタジェネレータ185を有しても、キャラクタジェネレータ185によるデコードデータを使用しない設定(不使用設定)とされている。
〔第2変形例に係る初期設定コマンドの送信タイミングチャート〕
図85は、第6実施形態の第2変形例に係る一括用ドライバ、役比用ドライバ、及び、出玉率/排出球数用ドライバに送られる初期設定コマンドを示すタイミングチャートである。なお、図85において、初期設定コマンドは、アドレス部(8ビット)を省略して示されている。
遊技用マイコン111は、出玉率/排出球数用ドライバ153cの桁数設定部175用の初期設定データ(8ビット)、役比用ドライバ153bの桁数設定部175用の初期設定データ(8ビット)、一括用ドライバ153aの桁数設定部175用の初期設定データ(8ビット)の順にコマンド(48ビット)に含めた形で送信し、出玉率/排出球数用ドライバ153cのデューティ設定部176用の初期設定データ(桁)c(8ビット)、役比用ドライバ153bのデューティ設定部176用の初期設定データ(桁)b(8ビット)、一括用ドライバ153aのデューティ設定部176用の初期設定データ(桁)a(8ビット)の順にコマンド(48ビット)に含めた形で送信する。
遊技用マイコン111は、初期設定コマンド(48ビット)を送信するごとにラッチ信号を出力する。遊技用マイコン111は初期設定コマンドの最終ビットを送信する際にラッチ信号を出力する。これにより、出玉率/排出球数用ドライバ153cの桁数設定部175に初期設定データ(桁)cが記憶される。また同時に、当該ラッチ信号により、役比用ドライバ153bの桁数設定部175に初期設定データ(桁)bが記憶される。さらに同時に、当該ラッチ信号により、一括用ドライバ153aの桁数設定部175に初期設定データ(桁)aが記憶される。
そして、次のラッチ信号により、出玉率/排出球数用ドライバ153cのデューティ設定部176に初期設定データ(デュ)cが記憶される。また同時に、当該ラッチ信号により、役比用ドライバ153bのデューティ設定部176に初期設定データ(デュ)bが記憶される。さらに同時に、当該ラッチ信号により、一括用ドライバ153aのデューティ設定部176に初期設定データ(デュ)aが記憶される。
〔出玉率/排出球数用ドライバ、役比用ドライバ、一括用ドライバの初期設定処理〕
図86を参照して、第6実施形態の第2変形例に係るLEDドライバ初期設定処理を説明する。図86は、第6実施形態の第2変形例に係る一括用ドライバ、役比用ドライバ、及び、出玉率/排出球数用ドライバの初期設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技用マイコン111は、まず出玉率/排出球数用ドライバ153cの桁数設定部175の使用桁数に係る初期設定データ(桁)c(8ビット)を包含する初期設定コマンド(桁)c(16ビット)を生成し(A15006)、役比用ドライバ153bの桁数設定部175の使用桁数に係る初期設定データ(桁)b(8ビット)を包含する初期設定コマンド(桁)b(16ビット)を生成し(A15007)、一括用ドライバ153aの桁数設定部175の使用桁数に係る初期設定データ(桁)a(8ビット)を包含する初期設定コマンド(桁)a(16ビット)を生成し(A15008)、初期設定コマンド(桁)c、初期設定コマンド(桁)b、初期設定コマンド(桁)aの順に連結させた初期設定コマンド(桁)c,b,a(48ビット)をシリアル通信回路の送信バッファに書き込んでクロック信号とともに送信する(A15010)。
次に遊技用マイコン111は、出玉率/排出球数用ドライバ153cのデューティ設定部176のデューティ比に係る初期設定データ(デュ)cを包含する初期設定コマンド(デュ)c(16ビット)を生成し(A15011)、役比用ドライバ153bのデューティ設定部176のデューティ比に係る初期設定データ(デュ)bを包含する初期設定コマンド(デュ)b(16ビット)を生成し(A15012)、一括用ドライバ153aのデューティ設定部176のデューティ比に係る初期設定データ(デュ)aを包含する初期設定コマンド(デュ)a(16ビット)を生成し(A15013)、初期設定コマンド(デュ)c、初期設定コマンド(デュ)b、初期設定コマンド(デュ)aの順に連結させた初期設定コマンド(デュ)c,b,a(48ビット)を前述同様に送信する(A15015)。
〔第2変形例に係るLEDコマンドの送信タイミングチャート〕
図87は、第6実施形態の第2変形例に係る一括用ドライバ、役比用ドライバ、及び、出玉率/排出球数用ドライバに送られるLEDコマンドを示すタイミングチャートである。ここで、役比用ドライバ153bに記憶されるキャラクタコードは、役物比率表示データ(桁0−桁3)であり、出玉率/排出球数用ドライバ153cに記憶されるキャラクタコードは、排出球数表示データ(桁0、桁1)又は出球率表示データ(桁2、桁3)である。また、一括用ドライバ153aには点灯パターンデータ(桁0−桁3)(以後「点灯データ」と称す。)が記憶される。なお、図87において、LEDコマンドは、アドレス部(8ビット)を省略して示されている。
遊技用マイコン111は、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167aに記憶するキャラクタコード(桁0)c(8ビット)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167aに記憶するキャラクタコード(桁0)b(8ビット)、一括用ドライバ153aの8ビットラッチ167aに記憶する点灯データ(桁0)a(8ビット)の順にこれらをLEDコマンド(桁0)c,b,a(48ビット)に含めた形で生成して送信し、次に、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167bに記憶するキャラクタコード(桁1)c(8ビット)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167bに記憶するキャラクタコード(桁1)b(8ビット)、一括用ドライバ153aの8ビットラッチ167bに記憶する点灯データ(桁1)a(8ビット)の順にこれらをLEDコマンド(桁1)c,b,a(48ビット)に含めた形で生成して送信する。
ここで、遊技用マイコン111は、LEDコマンド(48ビット)を送信するごとにラッチ信号を出力する。遊技用マイコン111はLEDコマンドの最終ビットを送信する際にラッチ信号を出力する。これにより、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167aに排出球数表示データ(桁0)cが記憶される。また同時に、当該ラッチ信号により、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167bに役物比率表示データ(桁0)bが記憶される。さらに同時に、当該ラッチ信号により、一括用ドライバ153aの8ビットラッチ167aに点灯データ(桁0)aが記憶される。
そして、次のラッチ信号により、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167bに排出球数表示データ(桁1)cが記憶される。また同時に、当該ラッチ信号により、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167bに役物比率表示データ(桁1)bが記憶される。さらに同時に、当該ラッチ信号により、一括用ドライバ153aの8ビットラッチ167bに点灯データ(桁1)aが記憶される。
図87では図示を省略しているが、その後、遊技用マイコン111は、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167cに記憶するキャラクタコード(桁2)c(8ビット)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167cに記憶するキャラクタコード(桁2)b(8ビット)、一括用ドライバ153aの8ビットラッチ167cに記憶する点灯データ(桁2)a(8ビット)の順にこれらをLEDコマンド(桁2)c,b,a(48ビット)に含めた形で生成して送信し、次に、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167dに記憶するキャラクタコード(桁3)c(8ビット)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167dに記憶するキャラクタコード(桁3)b(8ビット)、一括用ドライバ153aの8ビットラッチ167dに記憶する点灯データ(桁3)a(8ビット)の順にこれらをLEDコマンド(桁3)c,b,a(48ビット)に含めた形で生成して送信する。
よって、次のラッチ信号により、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167cに出玉率表示データ(桁2)cが記憶される。また同時に、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167cに役物比率表示データ(桁2)bが記憶される。さらに同時に、当該ラッチ信号により、一括用ドライバ153aの8ビットラッチ167cに点灯データ(桁2)aが記憶される。
さらに、次のラッチ信号により、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167dに出玉率表示データ(桁3)cが記憶される。また同時に、当該ラッチ信号により、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ167dに役物比率表示データ(桁3)bが記憶される。さらに同時に、当該ラッチ信号により一括用ドライバ153aの8ビットラッチ167dに点灯データ(桁3)aが記憶される。
〔第2変形例に係るLEDデータ送信処理〕
図88を参照して、第6実施形態の第2変形例に係るLEDドライバ送信処理を説明する。図88は、第6実施形態の第2変形例に係るLEDデータ送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技用マイコン111は、まず出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167aに記憶する排出球数表示データ(桁0)c(8ビット)を包含するLEDコマンド(桁0)c(16ビット)を生成し(A16002)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ176aに記憶する役物比率表示データ(桁0)bを包含するLEDコマンド(桁0)bを生成し(A16003)、一括用ドライバ153aの8ビットラッチ176aに記憶する点灯コード(桁0)a(特図1LEDの表示データ)を包含するLEDコマンド(桁0)aを生成する(A16004)。そして、LEDコマンド(桁0)c、LEDコマンド(桁0)b、LEDコマンド(桁0)aの順で連結させたLEDコマンド(桁0)c,b,a(48ビット)をシリアル通信回路の送信バッファに書き込んでクロック信号とともに送信する(A16007)。
遊技用マイコン111は、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167bに記憶する排出球数表示データ(桁1)c(8ビット)を包含するLEDコマンド(桁1)c(16ビット)を生成し(A16008)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ176bに記憶する役物比率表示データ(桁1)bを包含するLEDコマンド(桁1)bを生成し(A16009)、一括用ドライバ153aの8ビットラッチ176bに記憶する点灯コード(桁1)a(特図2LEDの表示データ)を包含するLEDコマンド(桁1)aを生成する(A16010)。そして、LEDコマンド(桁1)c、LEDコマンド(桁1)b、LEDコマンド(桁1)aの順で連結させたLEDコマンド(桁1)c,b,a(48ビット)を前述同様に送信する(A16013)。
遊技用マイコン111は、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167cに記憶する出玉率表示データ(桁2)c(8ビット)を包含するLEDコマンド(桁2)c(16ビット)を生成し(A16014)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ176cに記憶する役物比率表示データ(桁2)bを包含するLEDコマンド(桁2)bを生成し(A16015)、一括用ドライバ153aの8ビットラッチ176cに記憶する点灯コード(桁2)a(普図/ラウンド/第1遊技状態の表示データ)を包含するLEDコマンド(桁2)aを生成する(A16016)。そして、LEDコマンド(桁2)c、LEDコマンド(桁2)b、LEDコマンド(桁2)aの順で連結させたLEDコマンド(桁2)c,b,a(48ビット)を前述同様に送信する(A16019)。
遊技用マイコン111は、出玉率/排出球数用ドライバ153cの8ビットラッチ167dに記憶する出玉率表示データ(桁3)c(8ビット)を包含するLEDコマンド(桁3)c(16ビット)を生成し(A16020)、役比用ドライバ153bの8ビットラッチ176dに記憶する役物比率表示データ(桁3)bを包含するLEDコマンド(桁3)bを生成し(A16021)、一括用ドライバ153aの8ビットラッチ176dに記憶する点灯コード(桁3)a(保留/第2,第3遊技状態の表示データ)を包含するLEDコマンド(桁3)aを生成する(A16022)。そして、LEDコマンド(桁3)c、LEDコマンド(桁3)b、LEDコマンド(桁3)aの順で連結させたLEDコマンド(桁3)c,b,a(48ビット)を前述同様に送信する(A16025)。
[第6実施形態の作用・効果]
第6実施形態によると、遊技機10は、遊技制御プログラム(遊技制御のための不変の情報(プログラム))を記憶する遊技制御プログラム記憶手段(ROM111b)と、遊技制御プログラム(遊技制御のための不変の情報(プログラム))により所定の演算処理を行う演算処理手段(遊技用マイコン111)と、演算処理手段(遊技用マイコン111)により出力された駆動用データ(LEDコマンド)に基づいて発光部(役物比率表示部68)を駆動させる駆動手段(LEDドライバ153)と、を備える。駆動手段(LEDドライバ153)には、発光部(役物比率表示部68)における発光態様を設定する設定部(桁数設定部175、デューティ設定部176)が設けられ、遊技制御プログラムは、遊技の進行を制御するメイン処理(A1001〜)と、所定時間毎にメイン処理(A1001〜)を中断させて実行される割込み処理(A1301〜)と、を含み、演算処理手段(遊技用マイコン111)は、割込み処理(A1301)において、設定部(桁数設定部175、デューティ設定部176)(複数の設定部のうちの少なくとも一つ)を初期設定する初期設定データを駆動手段(LEDドライバ153)に送信(A15001)した後、駆動用データ(LEDコマンド)を駆動手段(LEDドライバ153)に送信する。
これにより、メイン処理の後、ノイズ等によりLEDドライバ153(駆動手段)の設定値が不定の値になったとしても、割込み処理においてLEDドライバ153を正常に復帰させることが可能となり、正しい設定値にしてから駆動用データ(LEDコマンド)を出力することが可能となり、状態表示装置152(及び一括表示装置50)のノイズ等に起因する消灯を回避することができる。
なお、割込み処理(A1301)において、駆動用データ(LEDコマンド)を駆動手段(LEDドライバ153)に送信した後、複数の設定部(桁数設定部175、デューティ設定部176)のうちの少なくとも一つを初期設定する初期設定データを駆動手段(LEDドライバ153)に送信する構成も可能である。この場合には、次回の割込み処理における駆動用データの送信のために、今回の割込み処理において初期設定データを駆動手段に送信して設定部を初期設定することになる。
即ち、割込み処理(A1301)において、駆動用データとともに初期設定データを駆動手段に送信する構成であれば、駆動用データと初期設定データの送信順序によらず、状態表示装置152(及び一括表示装置50)のノイズ等に起因する消灯を回避することができる。
また、第6実施形態によると、演算処理手段(遊技用マイコン111)は、メイン処理(A1001〜)においても、初期設定データを駆動手段(LEDドライバ153)に送信可能である。これにより、割込み処理が入る前でも状態表示装置152の消灯を回避することができる。
また、第6実施形態によると、設定部(桁数設定部175、デューティ設定部176)は、発光部(役物比率表示部68)において発光させる発光素子(表示器900)の個数を設定する桁数設定部175と、発光素子(表示器900)におけるデューティ比を設定するデューティ設定部176と、を含む。
これにより、ノイズ等によりLEDドライバ153(駆動手段)の設定値が不定の値になったとしても、正しい設定値(発光素子の個数と、そのデューティ比(発光強度、明るさ))にしてから駆動用データ(LEDコマンド)を出力することが可能となり、状態表示装置152(及び一括表示装置50)のノイズ等に起因する消灯を回避することができる。
また、第6実施形態によると、発光部は、役物比率を表示する役物比率表示部68である。これにより、役物比率表示部68をメイン処理後においても遊技制御プログラムに従って確実に表示させることができる。
[第7実施形態]
図3、図89から図93を参照して、第7実施形態について説明する。第7実施形態は、第1実施形態と同様の構成を有するが、試射試験装置に送信する試射試験信号(試験信号)、及び確率設定値(設定値)を変更する手順において第1実施形態とは相違する。なお、試射試験装置は、遊技機10の外部に存在する外部装置である。
本実施形態が行われる装置構成は、図3に示すものと同様であるが、主に遊技制御装置100(遊技制御手段)、中継基板70が用いられ、遊技制御装置100は、遊技用マイコン111、設定変更装置42(設定キースイッチ93、設定値変更スイッチ102)、入力ポート123、データバス140、バッファ133、第6出力ポート141を備える。また遊技制御装置100には、設定変更装置42(設定キースイッチ93、設定値変更スイッチ102)、確率設定値表示装置143(表示部)が取り付けられている。なお、第1実施形態に記載のように、バッファ133には、出力ポート(図7の出力処理で使用する試験信号出力ポート1〜6に対応)が設けられている。
入力ポート123、バッファ133(第2出力部)、第6出力ポート141(第1出力部)はデータバス140を介して遊技用マイコン111に接続されている。入力ポート123には設定キースイッチ93、設定値変更スイッチ102が接続されている。バッファ133には、中継基板70が接続されている。第6出力ポート141には確率設定値表示装置143が接続されている。
バッファ133(第2出力部)(試験信号出力ポート)及び第6出力ポート141(第1出力部)には、専用のアドレスがそれぞれ割り当てられており、遊技用マイコン111はアドレスを指定することによりバッファ133(試験信号出力ポート)と第6出力ポート141の任意のいずれかに情報を出力することができる。
確率設定値表示装置143は、例えば図71に示す状態表示装置152同様に7セグメント型(ドット表示部を含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)と、確率設定値の情報をLEDの点灯パターンを表す点灯パターンデータ(確率設定値表示データ)に変換するドライバにより構成されている。また、試射試験装置にも、確率設定値表示装置143と同様の表示器及びドライバを備えることができる。
遊技用マイコン111は、第6出力ポート141に確率設定値領域の情報(確率設定値の確定値に対応する確率設定値表示データ)、又は作業用確率設定値領域の情報(確率設定値の暫定値に対応する確率設定値表示データ)を出力する。一方、遊技用マイコン111は、バッファ133(試験信号出力ポート)に確率設定値領域の情報を出力するが、作業用確率設定値領域の情報は出力しないようにしている。
これにより、確率設定値表示装置143には確率設定値の確定値及び暫定値が表示される。また、試射試験装置が確率設定値表示装置143と同様の表示装置を備えている場合は、試射試験装置には確率設定値の確定値のみが表示される。
〔第7実施形態の確率設定値変更処理〕
図89は、第7実施形態に係る確率設定値変更処理の手順を示すフローチャートである。第7実施形態に係る確率設定値変更処理は第1実施形態(図10)と同様であるが、ステップA2413とステップA2414の間にステップA20002が追加され、ステップA2420とステップA2421の間にステップA20003が追加されている。
ステップA2002において、遊技用マイコン111は、確率設定値表示装置143に出力するものと同一の確率設定値の確定値に対応する点灯パターンデータ(確率設定値表示データ)を試射試験信号として試験信号出力データ領域にセーブする。例えば、点灯パターンデータと試験信号出力データは同一の「10111110B」((a,b,c,d,e,f,g,Dp)=(1,0,1,1,1,1,1,0))となる(点灯パターンデータについては第6実施形態参照のこと)。これにより、試射試験装置は、試射試験信号として確率設定値の確定値をデータ収集できるとともに、試射試験装置に表示器を備えている場合には確率設定値の確定値を表示することができる。
ステップA20003において、遊技用マイコン111は、ステップA2418により一度消去された試射試験信号を再び試験信号出力データ領域にセーブする。これにより、確率設定値の変更処理後(メイン処理)においても試射試験装置は、試射試験信号として確率設定値の確定値をデータ収集できるとともに、試射試験装置に表示器を備えている場合には確率設定値の確定値を表示することができる。
〔確率設定表示装置と試射試験装置における確率設定値の表示例〕
図90は、第7実施形態の設定変更時における、確率設定値表示装置143に送信される点灯パターンデータと、試射試験装置に送信される試射試験信号を7セグメント型(ドット表示部を含めると8セグメント型)の表示器に表示した場合の模式図である。ここでは、確率設定値を1から6に変更する場合を例にとって説明する。
本実施形態では、設定キースイッチ93のオンオフに関わらず、確率設定値領域にセーブされている確率設定値に対応する確率設定値表示データを試射試験信号として試射試験表示データ領域にセーブするようになっている。試射試験装置は、試射試験信号として確率設定値の確定値を常時データ収集できるとともに、試射試験装置に表示器を備えている場合には確率設定値の確定値を常時表示することができる。
初期状態においては、確率設定値表示装置143は消灯し、試射試験装置の表示器には、試射試験信号としての点灯パターンデータ(確率設定値表示データ)により確率設定値「1」が表示されている。
次に、設定キースイッチ93をオン状態にすると、設定可変状態となり、遊技用マイコン111は、確率設定値領域の値をロードし、確率設定値変更時の初期データとして作業用確率設定値領域にセーブする(A1040)。この段階では、図89において、ステップA2401(=Y)→ステップA2406(=N)→ステップA2407(=N)→ステップA2411(=N)を繰り返すことになる。このとき、図90(図7に係る出力処理による表示)に示すように、確率設定値表示装置143には、点灯パターンデータとして「1」(暫定値)が表示されるが、試射試験装置の表示器の表示は「1」(変更前の確定値)のままとなる。
次に、設定値変更スイッチ102が押下されると、図89においてステップA2407(=Y)となるので、ステップA2408−ステップA2410が実行される。このとき、図90に示すように、確率設定値表示装置143には所定の点灯ブランク期間(消灯期間)ののち「2」(暫定値)が表示されるが、試射試験装置の表示器の表示は「1」(変更前の確定値)のままとなる。
設定値変更スイッチ102をさらに押下していくと、図89においてステップA2408−ステップA2410が繰り返される。このとき、図90に示すように、設定値変更スイッチ102を押下するたびに確率設定値表示装置143の表示は「3」→「4」→「5」→「6」(いずれも暫定値)と変化するが、試射試験装置の表示器の表示は「1」(変更前の確定値)のままとなる。
そして、タッチスイッチから入力(ステップA2411(=Y))があると、ステップA2412、ステップA2413、ステップA20002が実行され、試験信号出力データ領域及び確率設定値表示データ領域に確率設定値「6」(確定値)に対応する確率設定値表示データが上書きされる。このとき、図90に示すように、確率設定値表示装置143の表示は「6」(暫定値)から「6」(確定値)となり、試射試験装置の表示器の表示は「1」(暫定値)から「6」(確定値)に変化する。
また、ステップA2406(=Y)及びステップA2416(=Y)を実行することで、ステップA2418が実行され、試験信号出力データ領域及び確率設定値表示データ領域にセーブされた確率設定値表示データ(確率設定値「6」)は一旦消去されるが、ステップA2420、ステップA20003により復活する。この場合、確率設定値表示装置143及び試射試験装置の表示器の表示は「6」(確定値)を維持する。
最後に、設定キースイッチ93をオフにすることにより、図89に示すように、ステップA2420により確率設定値「6」に対応する確率設定値表示データが確率設定値表示データ領域にセーブされ、ステップA20003により確率設定値「6」に対応する試射試験信号(点灯パターンデータ)が試験信号出力データ領域にセーブされる。設定キースイッチ93をオフした時点で、確率設定値表示許可フラグがセットされていないため、その後の設定変更又は設定確認において確率設定値表示許可フラグがセットされるまで(A2405、A2502)、確率設定値表示装置143で確率設定値表示データは表示されない(ステップA1613(=N))。一方、試験信号出力データは、試射試験装置に送信され続ける(A1621、A1622、A1624)。よって、図90に示すように、確率設定値表示装置143は消灯し、試射試験装置の表示器において確率設定値「6」の表示が維持される。
〔第7実施形態の第1変形例〕
図91は、第7実施形態の第1変形例の設定変更時における、確率設定値表示装置143に送信される点灯パターンデータと、試射試験装置に送信される試射試験信号を7セグメント型(ドット表示部を含めると8セグメント型)の表示器に表示した場合の模式図である。
確率設定値表示装置143、及び試射試験装置の表示器は、7セグメントの点灯パターンデータ(a,b,c,d,e,f,g)及びドットデータ(Dp)(付加情報)が表示可能である(図71参照)。7セグセグメントに付随するドット表示部は、例えば、ドットデータ(Dp)が「1」のときは点灯し、「0」のときは消灯する。
前記のように、図7に示す出力処理(ステップA1621、ステップA1622(=Y)、ステップA1623、ステップA1624)において、試射試験信号と設定キースイッチオン情報を合成して出力している。一方、ステップA1621及びステップA1622(=N)により、設定キースイッチオン情報がないときは試射試験信号をそのまま出力している。
本実施形態では、設定キースイッチ93がオン状態である場合に、設定キースイッチオン信号が遊技用マイコン111に入力される。ここで、設定キースイッチオン信号は、例えば「1」と表現することができる。一方、設定キースイッチ93がオフ状態であるときは設定キースイッチオフ信号(設定キースイッチオン信号がない状態)が遊技用マイコン111に入力されると考えることができる。このとき、設定キースイッチオフ信号は、例えば「0」と表現することができる。
そこで、本実施形態では、試射試験信号を点灯パターンデータとし、設定キースイッチオン情報をドットデータ(1)とし、設定キースイッチオフ情報をドットデータ(0)とし、点灯パターンデータとドットデータ(Dp=0or1)を合成したデータを試射試験装置に出力するようにしている。これにより、試射試験装置において、点灯パターンデータに基づき確率設定値の確定値が表示される。また、ドットデータ(1)の有無に伴うドット表示部の点灯・消灯により設定キースイッチ93のオンオフ状態、すなわち設定変更中か否かを把握することができる。本実施形態では、ドットデータ(1)によりドット表示部が点灯し設定変更中であることが把握することができ、ドットデータ(0)によりドット表示部が消灯し設定変更が終了したことを把握することができる。
本実施形態では、遊技用マイコン111は、点灯パターンデータ(確率設定値の確定値)及びドットデータを包含するデータ(a,b,c,d,e,f,g,Dp)をバッファ133(試験信号出力ポート)及び中継基板70(図3)を介して試射試験装置に出力するように構成されている。これにより、試射試験装置は、現在の確率設定値の確定値のみならず、設定変更中か否かを把握することができる。
図91に示すように、第1変形例においては、試射試験装置の表示器には、確率設定値の確定値が常時表示されるが、設定キースイッチ93をオンにすると、ドットが点灯し、確率設定値(暫定値)を「1」から「6」に切替えている間も当該確率設定値及びドットの点灯を維持する。そして、新たな設定値が確定すると、試射試験装置の表示器には更新後の確率設定値の確定値が表示され、設定キースイッチ93をオフにするとドットが消灯する。なお、ドットの点灯と消灯以外は、図90と同じである。
〔第7実施形態の第2変形例〕
図92は、第7実施形態の第2変形例に係る確率設定値変更処理の手順を示すフローチャートである。第2変形例においては、設定変更中であることを示すドットデータ(Dp=0or1)を確率設定値表示装置143においても表示するようにし、設定変更を行う作業者が、設定変更中か否かを視覚的に判断できるようにしている。
図90と比較して図92では、ステップA2406とステップA2407の間にステップA20001が追加され、これに伴いステップA2409がステップA2409aに変更され、ステップA2413がステップ2413aに変更され、ステップA2420がステップA2420aに変更されている。
ステップA2406(=N)において、少なくとも設定キースイッチ93はオン状態となっている。よって、ステップA20001において、遊技用マイコン111は、作業用確率設定値に対応する確率設定値表示データ及びドットデータ(Dp=1)を確率設定値表示データ領域にセーブする。これにより、確率設定値表示装置143において設定値変更スイッチ入力前の確率設定値(暫定値)を、ドット表示部を点灯させつつ表示することができる。
ステップA2409aにおいて、遊技用マイコン111は、作業用確率設定値に対応する確率設定値表示データ及びドットデータ(Dp=1)を確率設定値表示データ領域にセーブする。これにより、確率設定値表示装置143において設定値変更スイッチ入力により変化した確率設定値(暫定値)を、ドット表示部を点灯させつつ表示することができる。
ステップA2413aにおいて、遊技用マイコン111は、作業用確率設定値に対応する確率設定値表示データ及びドットデータ(Dp=0)を確率設定値表示データ領域にセーブする。これにより、確率設定値表示装置143において設定値変更スイッチ入力後の確率設定値(確定値)を、ドット表示部を消灯させつつ表示することができる。
ステップA2420aにおいて、遊技用マイコン111は、作業用確率設定値に対応する確率設定値表示データ及びドットデータ(Dp=0)を確率設定値表示データ領域にセーブする。これにより、ドット表示部を消灯させたままにすることができる。なお、設定キースイッチ93をオフした時点で、確率設定値表示許可フラグがセットされていないため、その後の設定変更又は設定確認において確率設定値表示許可フラグがセットされるまで(A2405、A2502)、確率設定値表示装置143で確率設定値表示データは表示されない(ステップA1613(=N))。一方、試験信号出力データは、試射試験装置に送信され続ける(A1621、A1622、A1624)。
図93は、第7実施形態の第2変形例の設定変更時における、確率設定値表示装置143に送信される点灯パターンデータと、試射試験装置に送信される試射試験信号を7セグメント型(ドット表示部を含めると8セグメント型)の表示器に表示した場合の模式図である。
初期状態においては、確率設定値表示装置143は消灯し、試射試験装置の表示器には、試射試験信号(点灯パターンデータ)として確率設定値「1」が表示されている。なお、試射試験装置の表示器に表示される情報については、上記の第1変形例と同様であるので、以後の説明を省略する。
次に、設定キースイッチ93をオン状態にすると、作業用確率設定値に対応する確率設定値表示データ及びドットデータ(1)が確率設定値表示データ領域にセーブされる(ステップA20001)。これにより、図93(図7に係る出力処理による表示)に示すように、確率設定値表示装置143には、点灯パターンデータとして「1」(暫定値)が表示され、ドット表示部が点灯する。
次に、設定値変更スイッチ102が押下されると、図92においてステップA2407の判定結果が「Y」となるので、ステップA2408−ステップA2410が実行される。このとき、図93に示すように、確率設定値表示装置143には所定の点灯ブランク期間(消灯期間)ののち「2」(暫定値)が表示されドット表示部が点灯する。
設定値変更スイッチ102をさらに押下していくと、図92においてステップA2408、ステップA2409a、ステップA2410が繰り返される。このとき、図93に示すように、設定値変更スイッチ102を押下するたびに確率設定値表示装置143の表示は「3」→「4」→「5」→「6」(いずれも暫定値)と変化し、ドット表示部も確率設定値の表示に連動して点灯する。
そして、タッチスイッチが入力(ステップA2411(=Y))されると、ステップA2412、ステップA2413a、ステップA20002が実行され、確率設定値表示データ領域に確率設定値「6」(確定値)に対応する確率設定値表示データが上書きされる。このとき、図93に示すように、確率設定値表示装置143の表示は「6」(暫定値)が点灯し、ドット表示部が点灯した状態から、「6」(確定値)が点灯しドット表示部が消灯した状態となる。これにより、作業者は確率設定値が「1」から「6」に更新されたことを視覚的に把握することができる。
最後に、設定キースイッチ93をオフにすることにより、図92に示すように、ステップA2420aにおいて確率設定値(確定値)に対応する確率設定値表示データ及びドットデータ(Dp=0)が確率設定値表示データ領域にセーブされる。なお、設定キースイッチ93をオフした時点で、確率設定値表示許可フラグがセットされていないため、その後の設定変更又は設定確認において確率設定値表示許可フラグがセットされるまで(A2405、A2502)、確率設定値表示装置143で確率設定値表示データは表示されない(ステップA1613(=N))。よって、図93に示すように、確率設定値表示装置143は消灯する。なお、図93において、試射試験装置の表示器のドット表示部の点灯を省略することもできる。
[第7実施形態の作用・効果]
上記のように、第7実施形態に係る遊技機10は、始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100の遊技用マイコン111)を備え、変動表示ゲームの停止結果が特別結果となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる。遊技機10は、遊技に関する設定に応じた設定値を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)と、設定値を表示可能な表示部(確率設定値表示装置143)と、表示部用の点灯パターンデータ(確率設定値表示データ)が出力される第1出力部(第6出力ポート141)と、第1出力部とは異なる第2出力部(バッファ133、試験信号出力ポート)と、を備える。遊技制御手段(遊技用マイコン111)は、設定値に基づいて点灯パターンデータ(確率設定値表示データ)を生成し、第1出力部(第6出力ポート141)を介して表示部(確率設定値表示装置143)に出力し、点灯パターンデータを当該遊技機の試験信号(試射試験信号)として第2出力部(バッファ133、試験信号出力ポート)を介して外部装置(試射試験装置)に出力可能とする。
従って、外部装置(試射試験装置)に出力する試験信号(試射試験信号)を点灯パターンと同じデータとすることで、試験信号が未加工の正しい情報であると担保できるとともに、遊技機10の表示部(確率設定値表示装置143)において設定値表示を行っていないときも、遊技機10の外部に設けられた外部装置に確率設定値を報知することができる。また、設定変更中の未確定設定情報を第1出力部(第6出力ポート141)に出力する一方、第2出力部(バッファ133、試験信号出力ポート)には出力しない場合には、未確定設定情報を外部に出力しないようにでき、不要な情報による混乱を防止できる。
本実施形態において、表示部(確率設定値表示装置143)は、点灯パターンデータ(確率設定値表示データ)に係る設定値と、当該設定値とは異なる付加情報(ドットデータ(Dp=0or1))を表示可能であり、設定変更手段(設定変更装置42)は、設定値の変更が可能である設定可変状態に移行させるためのスイッチ(設定キースイッチ93)を備え、遊技制御手段は、スイッチがオン状態のときに、付加情報(ドットデータ(Dp=1))を生成し、試験信号とともに付加情報を外部装置(試射試験装置)に出力可能とする。
従って、外部装置(試射試験装置)において、点灯パターンデータに基づき設定値の確定値が表示される。また、外部装置は、付加情報(ドットデータ(Dp=1))の有無により、スイッチ(設定キースイッチ93)のオンオフ状態、すなわち設定変更中か否かを把握することができる。本実施形態では、例えば、外部装置(試射試験装置)において、付加情報としてのドットデータ(Dp=1)によりドット表示部が点灯し設定変更中であることが把握することができ、ドットデータ(Dp=0)によりドット表示部の消灯し設定変更が終了したことを把握することができる。
本実施形態において、表示部(確率設定値表示装置143)は、点灯パターンデータ(確率設定値表示データ)に係る設定値と、当該設定値とは異なる付加情報(ドットデータ(Dp=0or1))を表示可能であり、設定変更手段(設定変更装置42)は、設定値の変更が可能である設定可変状態に移行させるためのスイッチ(設定キースイッチ93)を備え、遊技制御手段(遊技用マイコン111)は、スイッチがオン状態のときに、付加情報(ドットデータ(Dp=1))を生成し、点灯パターンデータとともに付加情報を表示部(確率設定値表示装置143)に出力する。
従って、付加情報(ドットデータ(Dp=0or1))を表示部に表示することにより(ドット表示部の点灯の有無により)、設定変更を行う作業者が、設定変更中か設定変更終了であるかを視覚的に判断することができる。
[第8実施形態]
図94Aは、第8実施形態に係る遊技制御系の構成例(その1)を示すブロック図である。第8実施形態に係る遊技制御系は第1実施形態と同様であるが、発明の効果を説明するために必要最小限の構成に簡略化して表示している。本実施形態では、遊技機10は、少なくとも遊技制御装置100(遊技制御手段)と電源装置400(電源手段)を備えている。電源装置400は、外部の定格電圧(例えば遊技島からのAC24V)が供給され所定の電源電圧(例えばDC32V,DC12V,DC5V)を生成して遊技制御装置100に出力する。
遊技制御装置100には、確率設定値表示装置143A(確率設定値表示装置143)とドライバ143aが取り付けられている。確率設定値表示装置143Aは、電源装置400を構成する通常電源部410からの電力(例えばDC5V)を受けて駆動するものであり、ドライバ143aを介して第6出力ポート141に接続されている。ドライバ143aは、遊技用マイコン111が出力する確率設定値の情報を点灯パターンデータに変換して出力するものである。確率設定値表示装置143Aはドライバ143aから入力される点灯パターンデータにより確率設定値を表示することができる。
電源装置400には、確率設定値表示装置143Bが取り付けられている。確率設定値表示装置143Bは、遊技制御装置100を介することなく通常電源部410からの電力(例えばDC5V)を受けて駆動するものであり、ドライバ143aを介して第6出力ポート141に接続されている。よって、確率設定値表示装置143Bも、ドライバ143aから入力される点灯パターンデータにより確率設定値を表示することができる。このように、確率設定値表示装置143Bが電源装置400に配置されることにより、確率設定値の確認を容易に行うことができる。また、確率設定値表示装置143Bは、遊技制御装置100を介することなく通常電源部410からの電力(例えばDC5V)を受けて駆動するので、遊技制御装置100から確率設定値表示装置143Bに電力供給を行う配線を省略することができるので、コストダウンを図ることができる。
図94A(破線)に示すように、本実施形態では、設定値変更スイッチ102を電源装置400に取り付けることもできる。上記のように、設定値変更スイッチ102は、RAMクリアスイッチとしても使用することができる。よって、このような構成とすることにより、設定値変更スイッチ102を用いた設定変更、又はRAMクリアを行う際の作業効率性を高めることができる。
なお、確率設定値表示装置143A及び確率設定値表示装置143Bにおける確率設定値の表示及びドット表示部の点灯・消灯の制御は、第7実施形態と同様であるので説明を省略する。
図94Bは、第8実施形態に係る遊技制御系の構成例(その2)を示すブロック図である。図94Bに示すように、第8実施形態では、遊技制御装置100にDC/DCコンバータ143b(電圧変換手段)を取り付け、その出力電圧を確率設定値表示装置143A及び確率設定値表示装置143Bに供給することも好適である。
図94Bの配置は、例えば、通常電源部410が確率設定値表示装置143A及び確率設定値表示装置143Bの駆動電圧(例えばDC5V)を生成しない場合や、当該駆動電圧を生成したとしても容量不足により確率設定値表示装置143A及び確率設定値表示装置143Bの駆動まで賄えない場合に好適な配置となる。このとき、DC/DCコンバータ143bの入力側に通常電源部410の出力電圧(例えばDC12V)が入力され、出力側(例えばDC5V)が確率設定値表示装置143A及び確率設定値表示装置143Bに接続される。
ここで、ドライバ143aから確率設定値表示装置143Bに点灯パターンデータを出力する配線143c、及びDC/DCコンバータ143bから確率設定値表示装置143Bに駆動電圧を供給する配線143dにおいて、遊技制御装置100と電源装置400との間を跨ぐ部分によりハーネスを形成し、遊技制御装置100及び電源装置400に配置される部分により、当該ハーネスに接続するコネクタをそれぞれ形成し、2つのコネクタを当該ハーネスにより接続する構成としてもよい。これにより、配線143c及び配線143dのいずれか一方の断線が発生する場合を低減し、確率設定値表示装置143Bの誤動作を防止できる。
[第8実施形態の作用・効果]
上記のように、第8実施形態に係る遊技機10は、始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)を備え、前記変動表示ゲームの停止結果が特別結果となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる。遊技機10は、遊技機外部から供給される定格電圧から所定の電源電圧を生成して遊技制御手段に供給する電源手段(電源装置400)と、遊技に関する設定に応じた設定値を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)と、を備える。遊技制御手段(遊技制御装置100)は、確率設定値に係る点灯パターンデータ(確率設定値表示データ)を生成する。電源手段(電源装置400)は、点灯パターンデータ(確率設定値表示データ)に基づいて確率設定値を表示する表示部(確率設定値表示装置143B)を備える。
従って、表示部(確率設定値表示装置143B)が電源手段(電源装置400)に配置されることにより、設定値の確認を容易に行うことができ、設定値の確認の機会を増やすことができる。
本実施形態において、表示部(確率設定値表示装置143B)は、遊技制御手段(遊技制御装置100)を介さずに電源手段(電源装置400)から所定の電圧値の電源電圧(駆動電圧)が供給される。これにより、遊技制御手段から表示部に電力供給を行う配線を省略することができるので、コストダウンを図ることができる。
本実施形態において、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、電源手段(電源装置400)から供給された電圧を変換して表示部(確率設定値表示装置143B)に供給する電圧変換手段(DC/DCコンバータ143b)を備える。
従って、電源手段(電源装置400)が表示部(確率設定値表示装置143B)の駆動電圧(例えばDC5V)を生成しない場合や、当該駆動電圧を生成したとしても容量不足により表示部の駆動まで賄えない場合に電圧変換手段(DC/DCコンバータ143b)が確率設定値表示装置143Bに確実に電源電圧を供給することができる。
本実施形態において、表示部(確率設定値表示装置143B)は、点灯パターンデータに係る設定値と、設定値とは異なる付加情報(ドットデータ(Dp=0or1))を表示可能であり、設定変更手段(設定変更装置42)は、設定値の変更が可能である設定可変状態に移行させるためのスイッチ(設定キースイッチ93)を備え、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、スイッチ(設定キースイッチ93)がオン状態のときに、付加情報(ドットデータ(Dp=1))を生成し、点灯パターンデータとともに付加情報(ドットデータ(Dp=1))を表示部に出力する。
従って、付加情報(ドットデータ(Dp=0or1))を表示部に表示することにより(ドット表示部の点灯の有無により)、設定変更を行う作業者が、設定変更中か設定変更終了であるかを電源手段(電源装置400)に配置された表示部の表示内容により視覚的に判断することができる。
[第9実施形態]
図95から図100を参照して、第9実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第8実施形態までの実施形態と同様でよい。第9実施形態は、設定変更時の外部情報出力に関するものである。
〔設定変更時の外部情報出力のタイミングチャート〕
始めに、図95を参照して、第9実施形態に係る設定変更時の外部情報出力のタイミングについて説明する。図95は、第9実施形態に係る設定変更時の外部情報出力のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
時刻u1で遊技機10の電源がオフにされた後、時刻u2で設定変更装置42(設定変更手段)の設定キースイッチ93(設定キー)がオン(第一態様)にされてから、時刻u3で遊技機10の電源が投入される。
時刻u3で遊技機10の電源が投入されると、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオンにされていることから確率設定値変更中フラグをセットするとともに(A1038)、確率設定値表示許可フラグをセットし(A2405)、消灯状態であった確率設定値表示装置143(設定表示装置)に設定値を表示する(設定値表示、A1615)。
なお、本実施形態において、第1実施形態と異なり、役物比率を表示する状態表示装置152の役物比率表示部68(図78)を確率設定値表示装置143として用いる。即ち、設定変更中又は設定確認中に、役物比率表示部68(図78)の4個の7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器900のうちいずれか一つに確率設定値を表示すればよい。なお、設定変更中又は設定確認中以外は、役物比率表示部68には役物比率が表示される。従って、役物比率表示部68を役物比率の表示及び設定値の表示に併用する。また、状態表示装置152の役物比率表示部68を確率設定値表示装置143として用いるものだけに限定されず、第9実施形態で記載した外部情報出力に関する内容を他の実施形態(特に第1〜8実施形態)で確率設定値表示装置143を状態表示装置152とは独立に設けた場合にも適用してもよい。
そして、確率設定値変更中フラグがセットされることで遊技機状態が遊技モードから設定変更モード(設定可変状態)に移行する。遊技モードは、設定変更モード(設定可変状態)や後述する設定確認モード(設定確認状態、設定値確認モード)以外の遊技機の状態を示す。
また、時刻u3で遊技機10の電源が投入されると、遊技制御装置100は、タイマ割り込み処理(図6)で外部情報編集処理(A1317、図33A及び図33B)を実行する。そして、外部情報編集処理の説明で前述したように設定変更モード(設定可変状態)になったことから、遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマの初期値を設定し(A1037)、セキュリティ信号を含む外部情報(所定の信号)を外部装置に出力する(外部情報出力オン、A1611)。外部装置(外部の各種装置)は、遊技機10外に設けられた装置であり、例えば情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)である。本実施形態では、設定キースイッチ93のオン操作によってRAMに記憶されたデータが初期化された場合のセキュリティ信号制御タイマの初期値には、所定時間(例えば256msec)が設定される(A1037)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値として設定される所定時間は、例えば図95の外部情報出力で示すような極端に長い時間(24hour等)でもよい。このように、遊技制御装置100は、外部装置に設定に関する情報(例えば設定変更モードや後述する設定確認モードに移行したこと示す情報)をセキュリティ信号に含めて外部情報として所定の信号を出力可能な外部信号出力手段として機能する。
設定変更装置42(設定変更手段)の設定値変更スイッチ102(設定スイッチ、設定値変更ボタン)が操作者に操作(押下)されることによって、時刻u4では設定1から設定2になり、時刻u5では設定2から設定3になり、時刻u6では設定3から設定4になる。このように、設定値変更スイッチ102が操作される毎に、設定値(設定)が+1ずつ変更され、設定6の後、設定値変更スイッチ102が操作されることで設定1に変更される。具体的には、設定値変更スイッチ102が操作される毎に、設定値1→設定値2→設定値3→設定値4→設定値5→設定値6→設定値1→設定値2→・・・のように設定値(設定)が変更される。
その後、時刻u7で操作ハンドル24のタッチスイッチ信号がオンになることによって確率設定値変更済みフラグがセットされ(A2414)、確率設定値変更済みになる(A2406の結果が「Y」、設定確定)。その際、本実施形態では、設定変更モードにおいて設定が確定したという情報をセキュリティ信号に含めて外部情報(所定の信号)として出力するために、遊技制御装置100は、出力していた所定の信号を一旦オフにする。すなわち、時刻u3でセキュリティ信号制御タイマの初期値に極端に長い所定時間が設定されている場合でも、一時的に所定の信号の出力(外部情報出力)を中断させる。
そして、時刻u8で所定の信号の出力(外部情報出力)を中断しているときに、遊技制御装置100は、新たな所定の信号の出力(外部情報出力)を所定時間(所定のパルス幅、例えば256msec)オンにすることによって、設定変更モードにおいて設定が確定したという情報をセキュリティ信号に包含させた後、当該新たな所定の信号の出力をオフにする。その後、遊技制御装置100は、外部情報出力の中断を終了し、当該外部情報出力を再度オンにする。中断時間は、中断しているときに新たな所定の信号の出力を所定時間オンにする時間(所定のパルス幅、例えば256msec)と、当該新たな所定の信号の出力をオンにする時間の前に外部情報出力をオフにする時間(例えば256msec)及び後に当該新たな所定の信号の出力をオフにする時間(例えば256msec)と、を合わせた時間(例えば768msec)に設定される。
その後、時刻u9で設定キースイッチ93(設定キー)がオフ(第二態様)にされ、クリア対象のRAM領域が0クリアされることによって(A2417)、確率設定値変更中フラグとともに、セキュリティ信号制御タイマが所定時間経過したか否かに関わらず強制的にクリアされて、外部情報出力がオフになり、遊技機状態は設定変更モードから遊技モードになり、設定変更が終了する。また、クリア対象のRAM領域が0クリアされることで(A2417)、確率設定値表示許可フラグもクリアされ、設定値が表示されていた確率設定値表示装置143(本実施形態では、状態表示装置152の役物比率表示部68が兼用する)に役物比率が表示される(役物比率表示)。なお、確率設定値表示装置143と兼用される状態表示装置152には、役物比率に関する情報を表示する代わりに、出玉率や排出球数、ベース値(通常遊技状態における出玉率)に関する情報を表示してもよい(出玉率表示、排出球数表示、ベース値表示)。
〔設定変更時の外部情報出力のタイミングチャートの変形例〕
次に、図96を参照して、図95の設定変更時の所定の信号の出力(外部情報出力)のタイミングの変形例について説明する。図96は、第9実施形態に係る設定変更時の外部情報出力のタイミングの変形例を示すタイミングチャートである。なお、図96では、図95の外部情報出力のタイミングのみを抜き出して説明する。
始めに、図96(a)は、図95の設定変更時の所定の信号の出力(外部情報出力)のタイミングを示すタイミングチャートである。
前述のように、時刻u3において、設定キースイッチ93(設定キー)がオンにされている状態で遊技機10の電源が投入されると、遊技制御装置100は、外部情報出力(セキュリティ信号)をオンにする。
そして、時刻u7で設定が確定すると(設定確定)、遊技制御装置100は、一時的に外部情報出力を中断させ、時刻u8で設定変更モードにおいて設定が確定したという情報をセキュリティ信号に含めて外部情報(所定の信号)として出力するために外部情報出力を所定時間(所定のパルス幅、例えば256msec)オンにした後、当該外部情報出力をオフにする。
その後、時刻u7からの中断時間(例えば768msec)の経過後、遊技制御装置100は、外部情報出力を再度オンにした後、時刻u9で設定キースイッチ93(設定キー)がオフにされることで当該外部情報出力をオフにして、遊技機状態を設定変更モードから遊技モードに移行させる。
次に、図96(b)を参照して、設定変更時の所定の信号の出力(外部情報出力)のタイミングの第1変形例について説明する。
時刻u3において、設定キースイッチ93がオンにされている状態で遊技機10の電源が投入されると、遊技制御装置100は、図96(a)と同様に、外部情報出力をオンにする。
そして、時刻u7における設定確定に伴い、遊技制御装置100は、外部情報出力をオフにする。
その後、時刻u8において、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定が確定したという情報をセキュリティ信号に含めて外部情報(所定の信号)として出力するために外部情報出力を所定時間(所定のパルス幅、例えば256msec)オンにした後、当該外部情報出力をオフにする。以後、外部情報出力はオフの状態が維持され、時刻u9で設定キースイッチ93がオフにされる。このように、本第1変形例では、時刻t7の設定確定時に外部情報出力を一時的に中断させるのではなく終了させてから、時刻t8で外部情報出力を所定時間オンにする。
続いて、図96(c)を参照して、設定変更時の所定の信号の出力(外部情報出力)のタイミングの第2変形例について説明する。
時刻u3で、設定キースイッチ93がオンにされている状態で遊技機10の電源が投入される場合において、本第2変形例では、外部情報出力はオフの状態が維持される。
そして、時刻u7で設定が確定すると、遊技制御装置100は、外部情報出力を所定時間(例えば256msec)オンにする。その後、外部情報出力は再度オフの状態が維持され、時刻u9で設定キースイッチ93がオフにされる。このように、本第2変形例では、時刻t7の設定確定時に外部情報出力が所定時間オンにされ、設定確定時以外はオフの状態が維持される。
さらに、図96(d)を参照して、設定変更時の外部情報出力のタイミングの第3変形例について説明する。
時刻u3において、設定キースイッチ93がオンにされている状態で遊技機10の電源が投入されると、遊技制御装置100は、図96(a)、(b)と同様に、外部情報出力をオンにする。
その後、時刻u7で設定が確定すると、遊技制御装置100は、外部情報出力をオフにする。このように、本第3変形例では、時刻t3の電源投入時から時刻t7の設定確定時まで外部情報出力のオン状態が維持され、設定確定後はオフの状態になる。
〔設定確認時の外部情報出力のタイミングチャート〕
次に、図97を参照して、第9実施形態に係る設定確定時の所定の信号の出力(外部情報出力)のタイミングについて説明する。図97は、第9実施形態に係る設定確定時の外部情報出力のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
時刻u10で遊技機10の電源がオフにされた後、時刻u11で遊技機10の電源が投入される。そして、確率設定値表示装置143(状態表示装置152の役物比率表示部68が兼用する)は、時刻u11で遊技機10の電源が投入されたときの遊技状態が遊技モードであることから、役物比率を表示する(役物比率表示)。
その後、時刻u12で遊技機10の電源がオンの状態で設定キースイッチ93(設定キー)がオンにされると、遊技制御装置100は、確率設定値確認モード中フラグをセットするとともに(A2505)、確率設定値表示許可フラグをセットし(A2506)、役物比率が表示されていた確率設定値表示装置143(設定表示装置)に設定値を表示する(設定値表示、A1615)。
そして、確率設定値確認モード中フラグがセットされることで遊技機状態が遊技モードから設定確認モード(設定確認状態)に移行する。
また、時刻u12で設定キースイッチ93がオンにされた際、遊技制御装置100は、タイマ割り込み処理(図6)で外部情報編集処理(A1317、図33A及び図33B)を実行している。そして、外部情報編集処理の説明で前述したように設定確認モード(設定確認状態)になったことから、セキュリティ信号制御タイマの初期値を設定し(A2507)、セキュリティ信号を含む外部情報(所定の信号)を外部装置に出力する(外部情報出力オン、A1611)。本実施形態では、設定キースイッチ93のオン操作によってRAMに記憶されたデータが初期化された場合のセキュリティ信号制御タイマの初期値には、所定時間(例えば256msec)が設定される(A2507)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値として設定される所定時間は、例えば図97の外部情報出力で示すような極端に長い時間(24hour等)でもよい。
その後、時刻u13で設定キースイッチ93がオフにされることによって、確率設定値確認モード中フラグとともにセキュリティ信号制御タイマが所定時間経過したか否かに関わらず強制的にクリアされて(A2510)、外部情報出力がオフになり、遊技機状態は設定確認モードから遊技モードになり、設定確認が終了する。また、併せて、確率設定値表示許可フラグがクリアされて(A2511)、設定値が表示されていた確率設定値表示装置143(設定表示装置)に役物比率が表示される(役物比率表示)。なお、役物比率表示に限らず、出玉率表示や排出球数表示、ベース値表示としてもよい。
〔設定確認時の外部情報出力のタイミングチャートの変形例〕
次に、図98を参照して、図97の設定確認時の所定の信号の出力(外部情報出力)のタイミングの変形例について説明する。図98は、第9実施形態に係る設定確認時の外部情報出力のタイミングの変形例を示すタイミングチャートである。なお、図98では、図97の外部情報出力のタイミングのみを抜き出して説明する。
初めに、図98(a)は、図97の設定確定時の外部情報出力のタイミングを示すタイミングチャートである。
前述のように、時刻u11で電源が投入された後、時刻u12で設定キースイッチ93(設定キー)がオンにされると、遊技制御装置100は、外部情報出力(セキュリティ信号)をオンにする。
そして、時刻u13で設定キースイッチ93(設定キー)がオフにされると、遊技制御装置100は、外部情報出力をオフにして、遊技機状態を設定確認モードから遊技モードに移行させる。
次に図98(b)を参照して、設定確認時の外部情報出力のタイミングの変形例について説明する。
時刻u11で電源が投入された後、時刻u12で設定キースイッチ93がオンにされると、遊技制御装置100は、設定確認モードに移行したという情報をセキュリティ信号に含めて外部情報(所定の信号)として出力するために外部情報出力を所定時間(例えば256msec)オンにした後、当該外部情報出力をオフにする。以後、外部情報出力はオフの状態が維持され、時刻u13で設定キースイッチ93がオフにされると、遊技制御装置は、設定確認モードが終了し遊技モードに移行したという情報をセキュリティ信号に含めて外部情報(所定の信号)として出力するために外部情報出力を所定時間(例えば256msec)再度オンにした後、当該外部情報出力をオフにする。このように、設定確認時の外部情報出力のタイミングの変形例では、設定キースイッチ93がオン又はオフにされたときに外部情報出力が所定時間オンにされ、設定キースイッチ93がオン又はオフにされたとき以外では外部情報出力はオフの状態が維持される。
〔変形例の設定変更時の外部情報出力のタイミングチャート〕
次に、図99及び図100を参照して、第9実施形態の変形例に係る設定変更時の所定の信号の出力(外部情報出力)のタイミングについて説明する。図99は、第9実施形態の変形例に係る設定変更時の外部情報出力のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。なお、以下の図99及び図100の説明においては、図95と重複する説明は適宜省略する。
本変形例では、設定値変更スイッチ102とは別にRAM初期化スイッチが独自に設けられる。そして、電源投入(電源復旧)の際に、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチがオンであれば設定変更モード(設定可変状態)となる。具体的には、設定キースイッチ93をオンした後、RAM初期化スイッチをオン操作(押下)しながら、遊技機10の電源をオンすると、設定変更モード(設定可変状態)に移行する。
時刻w1で遊技機10の電源がオフにされた後、時刻w2で設定キースイッチ93(設定キー)がオンにされる。そして、時刻w3でRWMクリアスイッチを押下し、当該押下した状態を維持したまま時刻w4において遊技機10の電源が投入されることによって、確率設定値変更中フラグがセットされ(A1038)、第9実施形態の変形例に係る設定変更モードに移行する。第9実施形態の変形例に係る設定変更モードに移行すると、消灯状態であった確率設定値表示装置143(設定表示装置)に設定値が表示される(設定値表示、A1615)。その後、時刻w5でRWMクリアスイッチの押下した状態が解除され、時刻w6、w7、w8で設定値変更スイッチ102(設定スイッチ)が操作される毎に設定値(設定)が変更される。
そして、時刻w9で設定キースイッチ93がオフにされることによって確率設定値変更済みフラグがセットされ(A2414)、確率設定値変更済みになる(A2406の結果が「Y」、設定確定)。このように、本変形例では、操作ハンドル24のタッチスイッチ信号に代わり、設定キースイッチ93のオフによって設定が確定する。
また、時刻w9で設定キースイッチ93がオフにされることによってクリア対象のRAM領域も0クリアされる(A2417)。そのため、確率設定値変更中フラグとともにセキュリティ信号制御タイマがクリアされて外部情報出力がオフになり、遊技機状態は設定変更モードから遊技モードになり、設定変更が終了する。クリア対象のRAM領域が0クリアされることで(A2417)、確率設定値表示許可フラグもクリアされ、設定値が表示されていた確率設定値表示装置143(設定表示装置)に役物比率が表示される(役物比率表示)。
その後、時刻w10で、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定が確定したという情報をセキュリティ信号に含めて外部情報(所定の信号)として出力するために外部情報出力を所定時間(所定のパルス幅、例えば256msec)オンにした後、当該外部情報出力をオフにする。このように、本変形例に係る設定変更時の外部情報出力のタイミングでは、時刻w9の設定確定時に外部情報出力を終了させてから、時刻w10で外部情報出力を所定時間オンにする。
続いて、図100は、第9実施形態の変形例に係る設定変更時の所定の信号の出力(外部情報出力)のタイミングを変えた別の一例である。なお、図100では、図99の外部情報出力のタイミングのみを抜き出して説明する。
図100(a)は、図99の設定変更時の所定の信号の出力(外部情報出力)のタイミングを示すタイミングチャートである。
前述のように、時刻w4で設定キースイッチ93(設定キー)がオンにされている状態でRWMクリアスイッチが押下されながら遊技機10の電源が投入されると、遊技制御装置100は、外部情報出力をオンにする。
そして、時刻w9で設定キースイッチ93がオフにされることで設定が確定すると(設定確定)、遊技制御装置100は、外部情報出力(セキュリティ信号)をオフにする。
その後、時刻w10において、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定が確定したという情報をセキュリティ信号に含めて外部情報(所定の信号)として出力するために外部情報出力を所定時間(所定のパルス幅、例えば256msec)オンにした後、当該外部情報出力をオフにする。以後、外部情報出力はオフの状態が維持される。
次に、図100(b)を参照して、変形例に係る設定変更時の所定の信号の出力(外部情報出力)のタイミングを変えた第1変形例について説明する。
時刻w4で、設定キースイッチ93がオンにされている状態でRWMクリアスイッチが押下されながら遊技機10の電源が投入される場合において、本第1変形例では、外部情報出力はオフの状態が維持される。
そして、時刻w9で設定キースイッチ93がオフにされることで設定が確定すると、遊技制御装置100は、外部情報出力を所定時間(例えば256msec)オンにする。その後、外部情報出力は再度オフの状態が維持される。このように、本第1変形例では、時刻w9の設定確定時に外部情報出力が所定時間オンにされ、設定確定時以外はオフの状態が維持される。
さらに、図100(c)を参照して、変形例に係る設定変更時の所定の信号の出力(外部情報出力)のタイミングを変えた第2変形例について説明する。
時刻w4において、設定キースイッチ93がオンにされている状態でRWMクリアスイッチが押下されながら遊技機10の電源が投入されると、遊技制御装置100は、図100(a)と同様に、外部情報出力をオンにする。
その後、時刻w9で設定キースイッチ93がオフにされることで設定が確定すると、遊技制御装置100は、外部情報出力をオフにする。このように、本第2変形例では、時刻w4の電源投入時から時刻w9の設定確定時まで外部情報出力のオン状態が維持され、設定確定後はオフの状態になる。
[第9実施形態の作用・効果]
第9実施形態に係る遊技機10は、識別情報(識別図柄、飾り特別図柄、飾り第1図柄A〜C)を変動表示させる変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の表示結果が特別結果(大当り結果態様、大当り停止図柄、特別結果態様)となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能である。遊技機10は、遊技条件に関する設定(設定値、確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)と、当該遊技機10外に設けられた外部装置(例えば情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ))に外部情報として所定の信号を出力可能な外部信号出力手段(遊技制御装置100)と、を備える。設定変更手段は、第一態様(オン)にされることで設定を変更可能な設定可変状態(設定変更モード)に移行可能な設定移行手段(設定キ―スイッチ93、設定キー)を備える。外部信号出力手段は、設定移行手段によって設定可変状態に移行したことに対応して、所定の信号の出力(外部信号出力(例えば、セキュリティ信号の出力))を行う。
このような遊技機10によれば、設定可変状態(設定変更モード)に移行したときに外部信号出力手段(遊技制御装置100)から外部装置に対して設定に関する情報(例えば設定変更モードに移行したことを示す情報)が外部情報(所定の信号)として出力されるので、外部装置を通じて遊技場管理者に報知することができる。その結果、遊技場管理者は、遊技場管理者が意図しないタイミング(例えば不正や機械トラブル等)で遊技機10が設定変更モードに移行した際、当該移行したことに速やかに気づくことができる。
また、第9実施形態に係る遊技機10では、設定変更手段(設定変更装置42)は、設定可変状態(設定変更モード)に移行しているときに操作されることで設定を変更可能な変更操作手段(設定値変更スイッチ102、設定スイッチ、設定値変更ボタン)を備える。外部信号出力手段(遊技制御装置100)は、変更操作手段によって設定(設定値、確率設定値)を変更した後、設定移行手段(設定キースイッチ93、設定キー)が第二態様(オフ)にされたことに対応して、所定の信号の出力(外部信号出力)を行う。したがって、このような遊技機10によれば、設定が変更された際に外部装置を通じて遊技場管理者に報知することができるので、遊技場管理者は、意図しないタイミングで遊技機10の設定が変更されたことに速やかに気づくことができる。
さらに、第9実施形態に係る遊技機10では、外部信号出力手段(遊技制御装置100)は、設定移行手段(設定キースイッチ93、設定キー)によって設定可変状態(設定変更モード)に移行したことに対応して、所定の信号の出力(外部信号出力)を開始し、設定移行手段が第二態様(オフ)にされたことに対応して、所定の信号の出力(外部信号出力)を終了する。このような遊技機10によれば、設定可変状態になっている間は所定の信号の出力(外部信号出力)のオンの状態が維持され、外部装置を通じて遊技場管理者に報知し続けることができるので、遊技場管理者は、意図しないタイミングで遊技機10が設定可変状態に移行していることに速やかに気づくことができる。また、遊技場管理者が意図的に設定変更する際に、当該設定変更に係る作業時間がどの程度の長さなのか外部装置で履歴(ログ)をとることができ、作業時間の効率化を図るための統計情報として用いることができる。
また、第9実施形態に係る遊技機10では、外部信号出力手段(遊技制御装置100)は、設定移行手段(設定キースイッチ93、設定キー)が第二態様(オフ)にされたことに対応して、所定の信号の出力(外部信号出力)を終了した後、所定のパルス幅(例えば256msec)の信号を出力する。このような遊技機10によれば、設定可変状態になっている間だけでなく、設定移行手段が第二態様にされて設定が確定したときにも外部信号出力が所定のパルス幅で出力されるので、遊技場管理者は、意図しないタイミングで遊技機10が設定可変状態に移行した後、設定が確定したことに速やかに気づくことができる。
加えて、第9実施形態に係る遊技機10では、設定可変状態(設定変更モード)に移行する条件とは異なる条件(例えば、電源投入後に)で第一態様(オン)にされることで設定を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行可能な設定確認手段(設定キースイッチ93、設定キー)を備える。外部信号出力手段(遊技制御装置100)は、設定確認手段によって設定確認状態に移行している間、所定の信号の出力(外部信号出力)を行う。このような遊技機10によれば、設定変更状態に移行した際だけでなく設定確認状態に移行した際も、外部装置を通じて遊技場管理者に報知を行うことができるので、遊技場管理者は、意図しないタイミングで祐樹樹10が設定確認状態に移行したことを速やかに気づくことができる。なお、設定キースイッチ93(設定キー)は、設定移行手段と共に設定確認手段としても機能するようにしたが、設定移行手段としての設定キースイッチ93とは別のスイッチを設定確認手段として設けることとしてもよい。
[第10実施形態]
図101から図103を参照して、第10実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第9実施形態までの実施形態と同様でよい。第10実施形態は、確率設定値の表示態様に関するものである。
〔一括表示装置の表示〕
図101は、停止図柄番号(A4004、A4013、A4016、A7510)と当該停止図柄番号に対応する一括表示装置50の第1特図変動表示部51の点灯パターンと、確率設定値の点灯パターンと、を例示する図である。点灯パターンは、停止図柄パターン(A4006、A4014、A4017)に対応するものである。
始めに、図101(a)は、停止図柄番号と当該停止図柄番号に対応する一括表示装置50の特図1変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51(7セグメント型(又は8セグメント型)のLEDランプD1(図34A等))の点灯パターンを例示する図である。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)において、遊技制御装置100は、特図1表示部51で識別情報(特別図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示する。識別情報が変動表示した後の所定の結果態様は、例えば、図101(a)に示す点灯パターンのうち所定の結果態様の停止図柄番号(0〜50)に対応する点灯パターンが選択される。
次に、図101(b)は、確率設定値の点灯パターンを例示する図である。
設定キースイッチ93(設定キー)がオンにされ、設定値が変更可能な状態(設定変更モード、設定可変モード)にされたことに対応して、図101(a)の識別情報が変動表示した後の所定の結果態様を示す点灯パターンから、図101(b)の確率設定値の点灯パターンに切り替わる。
本実施形態に係る確率設定変更中(設定の変更が可能となる設定可変状態中)の一括表示装置50の各表示部の表示、即ち、一括表示装置50の各発光部(LEDランプD1−D18)の発光態様(点灯・消灯の態様)については、図34Aや図35で説明した第1実施形態に係る態様と同様に行うことができる。具体的には、第1特図変動表示部51には、作業用確率設定値に対応する確率設定値表示データ(A2409)や確率設定値に対応する確率設定値表示データ(A2413)に基づいて、作業用確率設定値や確率設定値を示す数字1〜6が点灯表示又は点滅表示される(出力処理のA1603−A1608)。
このように、確率設定変更中において、第1特図変動表示部51に変動停止時と異なる表示(通常と異なる表示)を行うことによって、遊技機10が遊技(例えば変動表示ゲーム)のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。なお、第1特図変動表示部51の変動停止時の停止表示(図101(a)の点灯パターン)では、確率設定値を示す数字1〜6は使用されないものとする。その結果、確率設定値の表示態様と、特図1変動表示ゲームの結果態様のような遊技に関する表示態様と、を容易に見分けることができる。
続いて、図101(c)は、確率設定値の別の点灯パターンを例示する図である。第1特図変動表示部51には、図101(c)に示すように、少数点(ドット表示部Dp)を点灯させて作業用確率設定値や確率設定値を示す数字1〜6が点灯表示又は点滅表示されるようにしてもよい。このように、作業用確率設定値や確率設定値を示す数字1〜6が点灯表示又は点滅表示される際に、少数点(Dp)を点灯させるようにすることで、遊技機10が確率設定変更中であることを遊技機10の正面において示唆できる。
なお、一括表示装置50の特図2変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部52(7セグメント型(又は8セグメント型)のLEDランプD2)に、図101(a)に示す停止図柄番号と当該停止図柄番号に対応する点灯パターンが、特図2変動表示ゲームで識別情報を変動表示した後の所定の結果態様として表示されてもよい。また、第2特図変動表示部52に、図101(b)、(c)に示す確率設定値が点灯表示又は点滅表示されてもよい。ここで、第2特図変動表示部52の変動停止時の停止表示(図101(a)の点灯パターン)でも、第1特図変動表示部51と同様に、確率設定値を示す数字1〜6は使用されないものとする。
さらに、設定値変更スイッチ102(設定スイッチ、設定値変更ボタン)が押されて確率設定値が変更される毎に、一括表示装置50の第1特図変動表示部51と第2特図変動表示部52とに、確率設定値を交互に切り替えて表示させてもよい。このように、第1特図変動表示部51と第2特図変動表示部52とに確率設定値を交互に切り替えて表示することで、設定値変更スイッチ102が押されて確率設定値が変更されたことを、より認識させ易くすることができる。
また、確率設定値の点灯パターンは、図101(a)に例示した停止図柄番号に対応する点灯パターンと異なるものが表示されるようにしたが、当該例示した停止図柄番号のうちはずれ図柄の停止図柄番号に対応する点灯パターンと異なるものが表示されるようにしてもよい。すなわち、確率設定値の点灯パターンが大当り図柄の点灯パターンと重複する可能性があるが、大当り図柄の点灯パターンが表示される確率は低くなっており、めったに表示されることはない。また、遊技者は大当りとなった場合には、特別遊技状態が終了するまで遊技を継続すると考えられるので、大当り図柄の点灯パターンが設定変更する際に表示されている確率は極めて小さい。したがって、このようにはずれ図柄の停止図柄番号に対応する点灯パターンと異なる点灯パターンが確率設定値として表示されることによっても、遊技機10が確率設定変更中であることを遊技機10の正面において示唆することができる。
加えて、確率設定変更中において、確率設定値を一括表示装置50の第1特図変動表示部51や第2特図変動表示部52に表示している間、第1特図変動表示部51や第2特図変動表示部52以外の一括表示装置50の全ての発光部(LEDランプD3−D18)を点滅表示させるようにしてもよい。このように、第1特図変動表示部51や第2特図変動表示部52以外の一括表示装置50の全ての発光部を、通常と異なる態様で点滅表示させることによっても、遊技機10が確率設定変更中であることを遊技機10の正面において示唆することができる。
〔状態表示装置の表示〕
図102は、出玉率に関する情報を表示する状態表示装置152の詳細を示す図である。状態表示装置152は、4個の7セグメント型(点部分を含めると8セグメント型)の表示器900を横に並べたものであり、右から桁0、桁1、桁2、桁3を示す4桁の7セグメント型の表示器である。状態表示装置152は、遊技機10の電源投入から現在までの全体の出玉率(例えば図102に示す「bL.35」)と、直近の所定数(例えば6万発)の排出球数に対する出球率(例えば「b6.36」)と、を切り換えて表示することができる。なお、状態表示装置152は、出球率だけでなく、ベース値や役物比率を表示してもよい。また、本実施形態において、状態表示装置152は、確率設定値表示装置143としても用いられ、確率設定値を表示可能である。
続いて、図103は、確率設定値を示す数字を表示する状態表示装置152の詳細を示す図である。
図103(a)は、確率設定値を示す数字(例えば3)を左端の桁3に表示した状態表示装置152の一例である。桁3は、図102に示す出球率表示において、数字以外の文字(例えば「b」)が表示される桁である。したがって、桁3に確率設定値を表示することで、確率設定値以外の他の表示、すなわち遊技に関する表示(例えば出球率表示)における数字部分と確率設定値とが被ることがない。また、図102に示す出球率表示と異なり、確率設定値を表示する桁3以外の桁は消灯状態になる。その結果、確率設定値の表示態様と、出球率表示といった他の表示態様と、を容易に見分けることができる。
図103(b)は、確率設定値を示す数字(例えば3)を桁2に表示した状態表示装置152の一例である。図103(a)と同様に、確率設定値を表示する桁2以外の桁は消灯状態になる。そのため、このような表示態様によれば、確率設定値が表示されていることを認識し易くできる。
図103(c)は確率設定値を示す数字(例えば3)を桁1に表示した状態表示装置152の一例であり、図103(d)は確率設定値を示す数字を桁0に表示した状態表示装置152の一例である。確率設定値を表示する桁1又は桁0以外の桁は消灯状態になる。そのため、これらの表示態様によれば、桁2以外の桁を消灯状態にした図103(b)の一例と同様の効果を得ることができ、確率設定値が表示されていることを認識し易くできる。
図103(e)は確率設定値を示す数字(例えば3)を桁0から桁3の全てに表示した状態表示装置152の一例である。このように、状態表示装置152の全ての桁に確率設定値を示す同一の数字が並ぶことによって、他の遊技に関する表示と異なる表示態様となるので、確率設定値の表示態様と、出球率表示といった他の遊技に関する表示態様と、を容易に見分けることができる。
なお、状態表示装置152に表示する確率設定値が確率設定変更中(設定変更モード)における作業用確率設定値である場合には点滅表示にし、確定した設定を表示する確率設定値である場合には点灯表示とすることが好ましい。
また、設定変更モードにおいて作業用確率設定値(確率設定値)を表示する場合に、設定値変更スイッチ102(設定スイッチ、設定値変更ボタン)が押されて確率設定値が変更される毎に、状態表示装置152に表示する確率設定値の桁を一つずつずらしてもよい。具体的には、例えば、確率設定値を桁3に3と表示している場合に設定値変更スイッチ102が押されることで確率設定値を桁2に4と表示し、設定値変更スイッチ102が再度押されることで確率設定値を桁1に5と表示することができる。また、桁0で設定値変更スイッチ102が押された場合には、桁3に確率設定値を表示することができる。なお、状態表示装置152に表示する確率設定値の桁を一つずつずらす態様は、左から右にずらす態様に限られず、右から左にずら態様にしてもよい。
〔第10実施形態の変形例〕
また、第10実施形態では、表示装置(一括表示装置50や状態表示装置152)は確率設定値表示装置143としても機能し、遊技に関する表示(例えば識別情報を変動表示した後の表示結果としての所定の結果態様や、出球率、ベース値、役物比率)と遊技条件に関する設定値(確率設定値)とをそれぞれ表示可能であった。しかしながら、このように表示装置(一括表示装置50や状態表示装置152)を確率設定値表示装置143と兼用させる態様に限らず、第1実施形態と同様に、表示装置(一括表示装置50や状態表示装置152(第1表示装置))とは異なる独立した第2表示装置として確率設定値表示装置143を遊技機10上に設けてもよい。また、一方の表示装置で表示を行っている際は、他方の表示装置の表示を消灯してもよい。具体的には、例えば第2表示装置(確率設定値表示装置143)に確率設定値を表示している際は、第1表示装置(一括表示装置50、状態表示装置152)の遊技に関する表示を非表示にすることができる。
[第10実施形態の作用・効果]
第10実施形態に係る遊技機10は、識別情報(識別図柄、飾り特別図柄、飾り第1図柄A〜C)を変動表示させる変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の表示結果が特別結果(大当り結果態様、大当り停止図柄、特別結果態様)となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な制御手段(遊技制御装置100)を備える。遊技機10は、遊技に関する表示(例えば識別情報を変動表示した後の表示結果としての所定の結果態様や出球率、ベース、役物比率)を表示可能な表示装置(一括表示装置50、状態表示装置152)と、遊技条件に関する設定値(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)と、を備える。制御手段は、設定変更手段によって設定値が変更可能な状態(設定変更モード、設定可変状態)にされたことに対応して、遊技に関する表示とは異なる態様で当該設定値を表示装置に表示する。
このような遊技機10によれば、確率設定値は、例えば変動表示ゲームにおいて識別情報を変動表示した後の所定の結果態様や出球率、ベース、役物比率といった遊技に関する表示とは異なる態様で表示装置(一括表示装置50、状態表示装置152)に表示されることになる。したがって、確率設定値の表示態様と、遊技に関する表示と、を容易に見分けることができる。
第10実施形態に係る遊技機10では、制御手段(遊技制御装置100)は、遊技に関する表示(例えば識別情報を変動表示した後の所定の結果態様)として変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の表示結果を表示装置(一括表示装置50)に表示し、設定変更手段(設定変更装置42)によって設定値(確率設定値)が変更可能な状態(設定変更モード、設定可変状態)にされたことに対応して、遊技に関する表示から設定値に表示装置の表示を切り替える。このような遊技機10によれば、設定値が変更可能な状態に切り替えられたときに、遊技に関する表示とは異なる態様で設定値が表示装置に表示されることになるので、遊技機10が遊技(例えば変動表示ゲーム)のできない状態であることを遊技機10の正面において明示できる。
なお、表示装置(一括表示装置50や状態表示装置152)の表示態様は、確率設定変更中だけに限らず、確率設定確認中(設定確認モード、設定確認状態)においても、上述したような遊技に関する表示と異なる表示態様とすることができる。
第10実施形態の変形例に係る遊技機10では、遊技に関する表示(例えば識別情報を変動表示した後の表示結果としての所定の結果態様や、出球率、ベース値、役物比率)を表示可能な第1表示装置(一括表示装置50、状態表示装置152)と、遊技条件に関する設定値(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)と、設定値を表示可能な第2表示装置(確率設定値表示装置143)と、を備える。制御手段(遊技制御装置100)は、設定変更手段によって設定値が変更可能な状態(設定変更モード、設定可変状態)にされたことに対応して、遊技に関する表示とは異なる態様で当該設定値を第2表示装置に表示する。このような遊技機10によれば、遊技に関する表示と遊技条件に関する表示とがそれぞれ別の表示装置に表示されることになるので、遊技に関する表示と遊技条件に関する表示とを容易に見分けることができる。
また、第10実施形態の変形例に係る遊技機10では、制御手段(遊技制御装置100)は、遊技に関する表示(例えば識別情報を変動表示した後の表示結果としての所定の結果態様や、出球率、ベース値、役物比率)を第1表示装置(一括表示装置50、状態表示装置152)に表示し、設定変更手段(設定変更装置42)によって設定値(確率設定値)が変更可能な状態(設定変更モード、設定可変状態)にされたことに対応して、第1表示装置の遊技に関する表示を非表示にし、第2表示装置(確率設定値表示装置143)に設定値を表示する。このような遊技機10によれば、第2表示装置に設定値を表示している際に、第1表示装置の遊技に関する表示が非表示となるので、遊技機10が遊技(例えば変動表示ゲーム)のできない状態であることを容易に見分けることができる。
[第11実施形態]
図104から図108を参照して、第11実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第10実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第10実施形態までの実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第11実施形態は、小当り等に関するものである。
〔大当り確率と小当り確率〕
図104Aと図104Bは、大当り判定処理(図22)と小当り判定処理(図23)の結果として決定される特図変動表示ゲームの大当り確率と小当り確率を各設定(各設定値)に対して例示するテーブルである。
なお、本実施形態では、第1実施形態と異なり、小当りは特図2変動表示ゲームの結果として発生し、特図1変動表示ゲームの結果としては発生しない(特図1変動表示ゲームでは小当り確率は各設定で0である)。なお、第1実施形態では、特図1変動表示ゲームの結果としてのみ小当りは発生する(特図2変動表示ゲームでは小当り確率は各設定で0である)。
このため、図104Cと図104Dのように、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理は、第1実施形態から制御内容が入れ替えられている。即ち、本実施形態の大当りフラグ1設定処理(図104C)は、第1実施形態の大当りフラグ2設定処理(図21)から「大当りフラグ2」と「特図2」を各々「大当りフラグ1」と「特図1」に置き換えたものに相当し、図104CのステップA17001−A17006は図21のステップA3701−A3706に対応する。また、本実施形態の大当りフラグ2設定処理(図104D)は、第1実施形態の大当りフラグ1設定処理(図20)から「大当りフラグ1」と「特図1」を各々「大当りフラグ2」と「特図2」に置き換えたものに相当し、図104DのステップA18001−A18010は図20のステップA3601−A3610に対応する。
図104AのパターンIのテーブルでは、小当りが発生する確率である小当り確率は、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順序で増加する。また、大当りが発生する確率である大当り確率も、同様に、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順序で増加する。即ち、設定値が大きくなるにつれて、大当り確率と小当り確率は増加し、大当り状態(第1特別遊技状態)と小当り状態(第2特別遊技状態)が発生し易くなり、特別変動入賞装置39(大入賞口)への入賞による獲得球数が増加して、遊技者に有利となる。
なお、パターンIの設定1では、特図2変動表示ゲームの小当り確率は0(0%)であり小当りは発生しない。しかし、設定6では、特図2変動表示ゲームの小当り確率は約1(100%)に近い。このため、パターンIの設定6では、特図2変動表示ゲームの実行頻度が増大する普電サポート状態(時短状態、確変状態)において、特図2変動表示ゲームの度にほぼ小当りが発生するような「小当りRUSH」(小当りラッシュ)と呼ばれる状態となる。なお、設定6では、高確率時の大当り確率と小当り確率の合計は100%になっているため、高確率時の特図2変動表示ゲームでは大当りと小当りの何れかが発生する(はずれはない)。
なお、普電サポート状態では、普通変動入賞装置37の入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、特図2変動表示ゲームの実行頻度が増大する。また、普図始動ゲート34が遊技領域32の右側に位置するため、普電サポート状態では、右打ちの方が有利になり遊技者が右打ちすべき状態である。
パターンIの設定4、5では、それぞれ、小当り確率は1/4と1/2であり、普電サポート状態(時短状態、確変状態)において、「1/4小当りRUSH」「1/2小当りRUSH」と呼ばれる状態となる。「1/4小当りRUSH」と「1/2小当りRUSH」では、「小当りRUSH」の約1/4と1/2の獲得球数が得られる。
パターンIの設定2では、小当り確率は、一般的な普図変動表示ゲームの当り確率と同程度であり、小当りによる獲得球数はほとんどない。パターンIの設定3では、小当り確率は、高確率時の大当り確率と同程度であり、小当りによる獲得球数は遊技者が意識できる程度には存在する。
なお、本実施形態では、設定値にかかわらず、高確率時の大当り確率の低確率時の大当り確率に対する比率は一定値(ここでは10倍)となっており、確率の制御が簡単になる場合がある。
図104AのパターンIIのテーブルでは、パターンIとは逆で、小当り確率は、設定6<設定5<設定4<設定3<設定2<設定1の順序で増加する。パターンIIの大当り確率は、パターンIと同じく、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順序で増加する。即ち、パターンIIでは、設定値が大きくなるにつれて、大当り確率は増加するが小当り確率は減少し、設定による獲得球数の差(設定差)がパターンIより縮まり、バランスがよくなる。
図104AのパターンIIIのテーブルでは、小当り確率は、設定4<設定5<設定6<設定1<設定2<設定3の順序で増加する。パターンIIIの大当り確率は、パターンIと同じく、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順序で増加する。パターンIIIでも、設定による獲得球数の差(設定差)がパターンIより縮まり、バランスがよくなる。
図104AのパターンIVのテーブルでは、小当り確率は、設定3<設定2<設定1<設定6<設定5<設定4の順序で増加する。パターンIVの大当り確率は、パターンIと同じく、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順序で増加する。パターンIVでも、設定による獲得球数の差(設定差)がパターンIより縮まり、バランスがよくなる。
図104AのパターンVのテーブルでは、小当り確率は、設定6<設定5<設定4<設定3<設定2<設定1の順序で増加する。パターンVの大当り確率は、設定1と設定4で同じであり、設定2と設定5で同じであり、設定3と設定6で同じである。パターンVでは、大当り確率から設定(設定値)を推定することが難しくなる。このため、遊技者は、小当りの発生から設定値を推定しようとして、小当りの発生に着目することになる。
図104AのパターンVIのテーブルでは、小当り確率は、設定1、2、4、5で0%であり、設定3、6で100%に近い。なお、設定3、6では、高確率時の大当り確率と小当り確率の合計は100%になっているため、高確率時の特図2変動表示ゲームでは大当りと小当りの何れかが発生する(はずれはない)。パターンVIの大当り確率は、設定1と設定4で同じであり、設定2と設定5で同じであり、設定3と設定6で同じである。パターンVIでは、大当り確率と小当り確率から特定の設定(設定3と設定6)を推定することが簡単になる。
他のパターンとしては、設定1〜3の低確率時の大当り確率を通常スペックの確率(例えば、確率1/200の周囲の所定範囲)にし、設定4〜6の低確率時の大当り確率をいわゆる甘デジスペック近傍の確率(例えば、確率1/99の周囲の所定範囲)にするパターンも考えられる。このようなパターンでは、設定(設定値)を変えることによってによって見かけ上2種類の機種を提供することもできる。
以上のように、遊技機10は、設定毎に、異なる遊技性(遊技の特性)やスペック(仕様)を有するとも言え、複数のスペックの遊技機を開発する必要がなくなり、開発コストの削減につながる。即ち、設定変更装置42(設定キースイッチ93と設定値変更スイッチ102)によって設定値を変更するだけで、遊技者に複数のスペックの遊技機を実質的に提供できることになる。例えば、小当り確率が0%である設定と、小当り確率が略100%に近い設定では、小当りが発生するか否かに関して大きな遊技性の違いがあり、完全に別のスペックと言える。さらに、大当り確率と小当り確率が設定(設定値)に応じて変化することによって、遊技者は設定(設定値)を大当り確率と小当り確率から推定する楽しみがあり、遊技の興趣が向上する。
〔小当り開放態様〕
図105は、小当り状態(第2特別遊技状態)における特別変動入賞装置39の開放態様(小当り開放態様、小当り開放パターン)の一例を示す。図105の例では、1回の小当りで、特別変動入賞装置39(即ち大入賞口)は4回開放され、1回の開放時間は200msで待ち時間は1500msである。なお、特別変動入賞装置39(即ち大入賞口)が1回だけ開放されるような小当り開放態様も可能である。
遊技制御装置100は、小当り開放態様を設定(設定値)によらず同一に設定する。従って、小当り状態の制御は簡単になる。しかし、小当り開放態様自体から設定(設定値)を推定することは困難となり、遊技者は小当り確率から設定を推定することになる。
〔普図当り確率〕
図106は、第11実施形態において、普図普段処理(図32)の結果として決定される普図変動表示ゲームの当り確率(低確率時と高確率時)を各設定(各設定値)に対して例示するテーブルである。
図106のパターンIのテーブルでは、普図当りが発生する確率である普図当り確率は、低確率時及び高確率時の両方において、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順序で増加する。即ち、設定値が大きくなるにつれて普図当り確率は増加し普図当りが発生し易くなり、普通変動入賞装置37への入賞による獲得球数と特図2変動表示ゲームの実行頻度が増加して、遊技者に有利となる。この場合、図104AのパターンIのように、特図2変動表示ゲームでのみ発生する小当りの小当り確率を、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順序で増加させると、相乗的に遊技者に有利となる。また、普図当り確率が設定(設定値)に応じて変化することによって、遊技者は設定(設定値)を普図当り確率から推定する楽しみがあり、遊技の興趣が向上する。
図106のパターンIIのテーブルでは、普図当りが発生する確率である普図当り確率は、低確率時及び高確率時の一方のみ(ここでは低確率時のみ)において、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順序で増加する。即ち、低確率時及び高確率時の一方において、設定値が大きくなるにつれて普図当り確率は増加し普図当りが発生し易くなり、普通変動入賞装置37への入賞による獲得球数と特図2変動表示ゲームの実行頻度が増加して、遊技者に有利となる。
〔客待ち中の表示画面〕
図107(A)(B)は、客待ち中(客待ち状態)での表示装置41の表示画面(客待ち画面)を例示する図である。演出制御装置300は、変動表示ゲームに関連する演出を表示していない客待ち中において、設定(設定値)に応じた画像を表示装置41に表示する。
このようにするため、演出制御装置300は、例えば、客待ちデモ設定処理(B1308)において、客待ちデモの動画が開始する前に、設定値に応じた画像を表示装置41に表示する。なお、客待ちデモの動画が繰り返して表示される場合には、客待ちデモの動画が終了して次に開始する前に、設定値に応じた画像を表示装置41に表示する。
例えば、図104AのパターンIのテーブルにおいて、設定1では小当りは発生せず、右打ち時の普電サポート状態では特別変動入賞装置39(大入賞口)よりも普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)を狙って遊技球を入賞させた方がよい。このため、設定1では、図107(A)のように客待ち中の表示画面に遊技性(遊技の仕方)を示す第1の文字画像501(右打ち時は「普電を狙え!!」)が表示される。第1の文字画像501は、右打ち時に入賞させるべき入賞口を明示的に示す。
そして、図104AのパターンIのテーブルにおいて、設定6では小当りRUSHが発生可能であるため、右打ち時の普電サポート状態では普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)よりも特別変動入賞装置39(大入賞口)狙って遊技球を入賞させた方がよい。このため、設定6では、図107(B)のように客待ち中での表示画面に遊技性を示す第2の文字画像502(右打ち時は「小当りRUSH!!」)が表示される。第2の文字画像502は、右打ち時に入賞させるべき入賞口を暗示的に示す。また、パターンIの設定4、5では、客待ち中での表示画面に文字画像(右打ち時は「1/4小当りRUSH!!」と「1/2小当りRUSH!!」)が表示されてよい。
なお、図107(A)(B)では、第1の文字画像501又は第2の文字画像502と同時に、普電サポート状態で右打ちすることを示す画像503が表示画面(客待ち画面)に表示される。
なお、パターンIの場合と同様に、図104A、BのパターンII、III、IV、V、VIのテーブルでは、それぞれ、設定6、設定4、設定3、設定6、設定1−2及び4−5で、小当りは発生せず、図107(A)のように第1の文字画像501(右打ち時は「普電を狙え!!」)が表示される。また、図104A、BのパターンII、III、IV、V、VIのテーブルでは、それぞれ、設定1、設定3、設定4、設定1、設定3、6で、小当りRUSHが発生可能となるため、図107(B)のように第2の文字画像502(右打ち時は「小当りRUSH!!」)が表示される。
このように、客待ち中(客待ち状態)において、設定(設定値)に応じた画像を表示装置41に表示して、その設定での遊技性を遊技者に示すことができる。そして、画像によって示された遊技性が、遊技者が遊技機を選定する目安になる。
なお、客待ち中での表示装置41の表示画面(客待ち画面)において、設定(設定値)に応じて、演出紹介の画像やゲームフローの画像を表示装置41に表示する構成も可能である。
〔表示部の設定に応じた表示〕
図108Aは、一括表示装置50において特図変動表示ゲームを実行するために使用する第1特図変動表示部51及び/又は第2特図変動表示部52(発光部)の発光態様を、設定(設定値)に応じて変更する例を示す。
例えば、図108A(I)のように、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの非実行中(ここでは、客待ち中)において、第1特図変動表示部51及び/又は第2特図変動表示部52で表示されるはずれ図柄の表示態様(発光態様)を設定1と設定6で異ならせてよい。
例えば、図108A(II)のように、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの非実行中(ここでは、客待ち中)において、第1特図変動表示部51及び/又は第2特図変動表示部52を点滅表示させ、点滅の周期を設定1と設定6で異ならせて、発光態様を設定に応じて変更してよい。点滅の周期は、例えば、設定1で256msと設定6で128msである。なお、特図変動表示ゲームの変動表示としても第1特図変動表示部51及び/又は第2特図変動表示部52を点滅表示させるが、その点滅の周期を設定に応じて変更してよい。
また、特図変動表示ゲームの非実行中(客待ち中)において、第1特図変動表示部51及び/又は第2特図変動表示部52だけでなく、一括表示装置50の他の表示部53〜60の発光態様を、設定(設定値)に応じて変更する構成も可能である。
図108Bは、外部情報端子71に接続する外部装置を示す図である。外部装置として、外部表示装置864(表示器)と遊技場内部管理装置866(ホールコンピュータ)が設けられる。遊技制御装置100は、設定値に応じて遊技機10の外部に設けられた外部表示装置864の表示態様を変更してよい。
遊技制御装置100は、所定のタイミングで、外部情報端子71を介して外部表示装置864に設定値に応じた制御指令を出力し、外部表示装置864の表示態様を設定値に応じて制御する。
例えば、外部表示装置864(表示器)は、発光可能なパトランプ864a、動画や静止画を表示可能な情報表示器864dである。パトランプ864aは、制御指令を受信した場合に発光(回転発光)する。情報表示器864dは、制御指令を受信した場合に、ゲーム数表示(回転数表示)などのデータ表示を実行する他、表示部868に制御指令に対応した動画や静止画を表示できる。
制御指令に遊技機10の設定値情報が含まれる場合には、パトランプ864aは、設定値に応じた発光態様(発光色など)で発光可能であり、情報表示器864dは、設定値に応じた動画や静止画を表示部868に表示可能である。
以上のように、第1特図変動表示部51及び/又は第2特図変動表示部52(発光部)の発光態様や、外部に設けられた外部表示装置864(表示器)の表示態様に基づいて遊技者は設定(設定値)を推定できる。
[第11実施形態の作用・効果]
第11実施形態によると、遊技機10において、始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)を備え、変動表示ゲームの停止結果が特別結果となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる。変動入賞装置(特別変動入賞装置39)は、特別遊技状態において、遊技球が入賞不可能な閉状態から遊技球が入賞可能な開放状態に変換可能である。設定変更手段(設定変更装置42)は、遊技条件(遊技者が遊技を行う上での条件)に関する設定値を変更可能である。遊技制御手段は、変動表示ゲームの停止結果が第1特別結果となる場合に、第1特別遊技状態(大当り状態)を発生させ、変動表示ゲームの停止結果が第2特別結果となる場合に、第1特別遊技状態よりも遊技者が獲得可能な遊技価値が少ない第2特別遊技状態(小当り状態)を発生させる。遊技制御手段は、変動表示ゲームの停止結果が第2特別結果(小当り)となる確率を、設定値に応じて設定し、第2特別遊技状態における変動入賞装置の開放態様(開放パターン)を、設定値によらず同一に設定する。
従って、変動表示ゲームの停止結果が第2特別結果(小当り)となる確率を、設定値に応じて設定できるため、設定値に応じて遊技機10の遊技性を変更できる。さらに、第2特別遊技状態における変動入賞装置の開放態様(開放パターン)を、設定値によらず同一に設定できるため、第2特別遊技状態における変動入賞装置の制御が簡単になる。
第11実施形態によると、遊技機10において、変動表示ゲームに関連する演出を表示装置に表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備える。演出制御手段は、変動表示ゲームに関連する演出を表示していない客待ち状態において、設定値に応じた画像を表示装置に表示する。従って、客待ち状態において、現在の設定値での遊技性を遊技者に示すことによって、遊技者が遊技場(遊技店)内で遊技機を選定し易くなる。
第11実施形態によると、遊技機10において、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの実行中又は非実行中において、変動表示ゲームを実行するために使用する発光部(特図1表示器51又は特図2表示器52)の発光態様を、設定値に応じて変更可能である。従って、変動表示ゲームを実行するために使用する発光部(特図1表示器51又は特図2表示器52)の発光態様に基づいて、遊技者は設定(設定値)を推定できる。
第11実施形態によると、遊技機10において、遊技制御手段は、設定値に応じて遊技機10の外部に設けられた表示器(パトランプ864a、情報表示器864d)の表示態様を設定可能である。従って、外部に設けられた表示器の表示態様に基づいて、遊技者は設定(設定値)を推定できる。
[第12実施形態]
図109から図118を参照して、第12実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第11実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第11実施形態までの実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
第12実施形態では、着脱可能なパーツ(部品、部材)510のパーツ識別情報(第1識別情報)と遊技機10の機種に対応する機種識別情報(第2識別情報)が不一致である場合に、不一致であることエラーとして報知する。
〔遊技機のパーツ〕
図109は、着脱可能なパーツ510が遊技機10に取り付けられている様子を示す。パーツ510は、電気的に読取り可能なパーツ識別情報が割り当てられている。例えば、パーツ510は、取り付けられるべき遊技機10の機種情報(機種ロゴ等)が表示された板状の部材でもよいし、また、枠演出装置や盤演出装置44を構成する可動役物でも、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDを有する装飾部材でもよい。パーツ510は、遊技場(遊技店)への搬入時の邪魔になる等の理由によって遊技場において遊技機10に取り付け可能なものであり、不慣れな係員が間違った機種に取り付ける可能性がある。
図109(A)のように、例えば、機種A用のパーツ510Aが遊技機10の機種Aに取り付けられている場合に問題は生じない。しかし、例えば、図109(B)のように、機種B用のパーツ510Bが遊技機10の機種Aに取り付けられている場合に問題が生じるため、演出制御装置300がスピーカ19a、19bや表示装置41を介してエラー報知する。
図110は、本実施形態の遊技機10の構成例を概略的に示す概略構成図である。遊技制御装置100は、遊技機10の電源投入の際などに、遊技機10の機種(種類)を示す機種指定コマンドを演出制御装置300に送信する(A1035、A1045)。演出制御装置300は、参照テーブル(後述の図118)から、受信した機種指定コマンド(B1301)に対応する機種識別情報を選択して設定する。また、演出制御装置300は、パーツ510から読取ったパーツ識別情報と、設定した機種識別情報とを比較する。さらに、演出制御装置300は、パーツ識別情報(第1識別情報)と機種識別情報(第2識別情報)が不一致である場合に、不一致であることエラーとして報知する。
パーツ510は、パーツ識別情報を保持する識別基板513を有する。識別基板513において、パーツ識別情報は、所定の電圧が印加された一又は複数の配線519(電線)によって設定される。図109では、配線519は、プルアップ抵抗を介して所定の電圧にプルアップされているが、プルアップ抵抗を設けなくてもよい。なお、パーツ510への電源(電圧)は、パーツ510が取り付けられた場合に、例えば、演出制御装置300又は電源装置400から供給される。
図110では、複数の配線519(複数の電線)は、それぞれ、パラレルシリアル変換部516における複数(8個)の端子(ポート)のうちの所定の端子に接続される。このようにして、所定の電圧が入力される所定の端子を値「1」のビットとして、所定の電圧が入力されない端子(配線519が接続されない)を値「0」のビットとして、例えば「01111100」のようなパーツ識別情報がパラレルシリアル変換部516を介して送信できる。
即ち、識別基板513は、複数の配線519によって、パラレルデータとしてのパーツ識別情報を割り当てられている。そして、パラレルシリアル変換部516は、入力されたパーツ識別情報(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して、シリアル通信(ここではI2C)によって、演出制御装置300に送信する。
図111は、識別基板513の別例を示す。図111では、パーツ識別情報は、ディップスイッチ521によって設定される。複数の配線519の各々は、ディップスイッチ521によって、所定の電圧又は接地電圧となり、パラレルシリアル変換部516における複数(8個)の端子(ポート)に、パーツ識別情報の各ビット(「1」又は「0」)の情報が入力される。図111の例では、ディップスイッチ521がオンになっている配線519に接続される端子は、接地電圧(値「0」のビット)となり、ディップスイッチ521がオフになっている配線519に接続される端子は、所定の電圧(値「1」のビット)となる。
〔パラレルシリアル変換部〕
図112は、パラレルシリアル変換部516が通常のパラレルシリアル変換ICである場合のパラレルシリアル変換部516の構成を示す。
パラレルシリアル変換部516は、複数のD型フリップフロップ516a(D−FF)を備える通常のパラレルシリアル変換ICの構成を有する。パラレルシリアル変換部516は、端子0〜7(ポート0〜7)から入力されたパーツ識別情報としてのパラレルデータ(例えば「01111100」)をシリアルデータに変換して、シリアル通信(ここではI2C通信)によって接続線SDA(データ線)を介して演出制御装置300に送信する。演出制御装置300はI2C通信におけるマスタIC300aを有し、複数のD型フリップフロップ516a用のクロック信号を接続線SCL(タイミング信号線)を介してパラレルシリアル変換部516に入力する。
複数のD型フリップフロップ516a(D−FF)は、クロック信号に同期して右から左にパラレルデータの各ビットデータが移動するシフトレジスタを構成している。あるクロックタイミングにおける各D型フリップフロップ516aのビットデータは、次のクロックタイミングで、隣のD型フリップフロップ516aに移動する。パラレルデータの各ビットデータは、あるクロックタイミングで、複数のD型フリップフロップ516aに取り込まれ、順次、左端のD型フリップフロップ516aからシリアルデータとして出力される。即ち、パラレルデータが取り込まれてから8クロックで、シリアルデータの出力が完了する。
〔識別基板の第1変形例〕
図113は、パーツ510の識別基板513の第1変形例を示す。第1変形例では、識別基板513のパラレルシリアル変換部516が、通常のパラレルシリアル変換ICではなく、入力用のI2CI/Oエクスパンダ815(スレーブIC)である。入力用のI2CI/Oエクスパンダ815は、演出制御装置300のマスタIC300aにポート0〜7から入力されたパーツ識別情報をデータとして入力する。
I2CI/Oエクスパンダ815(スレーブIC)は、接続線SDAに接続されるトランジスタ830、接続線SDAに接続されるフィルタ831、接続線SDAに接続されるドライバ832、接続線SCLに接続されるフィルタ833、バスコントローラ834、及びリセット信号発生回路839を備える。さらに、他のI2CI/Oエクスパンダ815によって接続線SDAが占有されているか否かを判断するためのバス監視WDT(ウォッチドッグタイマ)840、及びI2CI/Oエクスパンダ815自身が接続線SDAを占有しているか否かを判断するための自己占有WDT841を備えている。
接続線SDAは、演出制御装置300のマスタIC300aとI2CI/Oエクスパンダ815(スレーブIC)との間でデータ信号を授受するための接続線であり、データ線として機能する。接続線SCLは、接続線SDAでのデータ通信に用いられるクロック信号を入出力するための接続線であり、タイミング信号線として機能する。
フィルタ831は、接続線SDAに接続され、接続線SDAから入力されたデータ(ここでは返答信号やアドレスデータ等)のノイズを除去し、ノイズが除去されたデータをバスコントローラ834に出力する。
ドライバ832は、接続線SDAからマスタIC300aにデータ(ここではパーツ識別情報等)を出力する場合に、トランジスタ830が動作可能な電圧をトランジスタ830に印加する。
トランジスタ830は、電力消費を抑えるために電界効果トランジスタ(FET)が用いられており、トランジスタ830のゲートはドライバ832に接続され、ドレインはプルアップ抵抗Rにより所定の電圧が印加された接続線SDAに接続され、ソースは接地されている。
ドライバ832は、データ(パーツ識別情報等)をマスタIC300aに接続線SDAから出力する場合に、トランジスタ830にドレインとソースとの間に電流を流すためにトランジスタ830のゲートにトランジスタ830が動作可能な値の電圧を印加する。そして、ドライバ832は、接続線SDAの電圧をHIGHからLOWへ繰り返し変化させることによって、データを接続線SDAから出力する。
フィルタ833は、接続線SCLに接続され、接続線SCLから入力されたデータのノイズを除去し、ノイズが除去されたデータをバスコントローラ834に出力する。
また、I2CI/Oエクスパンダ815には、当該I2CI/Oエクスパンダ815に備わるアドレス設定用端子A0〜A3によって固有のアドレスが設定されており、バスコントローラ834に入力されている。さらに、I2CI/Oエクスパンダ815をリセットするためのアドレスも、あらかじめ設定されている。
I2CI/Oエクスパンダ815の固有のアドレス(8ビット)は、上位3ビットからなる固定アドレス部及び下位5ビットからなる可変アドレス部によって構成される。固定アドレス部は、所定の値(例えば「110」)が予め設定され、I2CI/Oエクスパンダ815によって変更することができない。
可変アドレス部は、I2CI/Oエクスパンダ815のA0〜A3の端子に設定されているパターンに対応した4ビットのI2CI/Oエクスパンダアドレスと、データが読み出し要求であるのか書き込み要求であるのかを示す1ビットのR/W識別データとによって構成される。入力用のI2CI/Oエクスパンダ815では、読み出し要求に対応して、R/W識別データには、通常「1」が登録される。
バスコントローラ834は、接続線SDAから入力されたデータのアドレスがI2CI/Oエクスパンダ815に設定された固有のアドレスと一致するか否かを判定し、一致している場合に、接続線SDAからマスタIC300aにデータ(パーツ識別情報)を出力する。I2CI/Oエクスパンダ815における8個のポート0〜7(端子0〜7)のうちの所定のポート(ここでは5つ)には、複数の配線519が接続されることによって所定の電圧が印加される。従って、バスコントローラ834には、8個のポート0〜7を介して8ビットのパーツ識別情報(例えば、「01111100」)がパラレルデータとして入力される。なお、所定の電圧が入力される所定のポートが値「1」のビットに対応し、それ以外の端子(配線519が接続されない)が値「0」のビットに対応する。
また、バスコントローラ834は、接続線SDAから入力されたデータのアドレスがI2CI/Oエクスパンダ815に設定されたリセット用のアドレスと一致するか否かを判定し、一致している場合に当該データを初期化指示データ(初期化コマンドRES)として取り込み、当該I2CI/Oエクスパンダ815を初期化する。
また、接続線SCLの信号レベルのLOWからHIGHへの変化回数が8回に達し、8ビット目のデータ(パーツ識別情報)をバスコントローラ834が出力した後、接続線SCLの信号レベルがHIGHからLOWへ変化すると、マスタIC300aは、返答信号を接続線SDAからにバスコントローラ834に出力する。さらに、接続線SCLの信号レベルがLOWからHIGHへ変化することが確認され、再度接続線SCLの信号レベルがHIGHからLOWへ変化すると、接続線SDAを開放する。つまり、マスタIC300aは、接続線SCLの信号レベルのLOWからHIGHへの変化回数が9回になるタイミングで返答信号を出力する。
リセット信号発生回路839には、I2CI/Oエクスパンダ815に電源を供給する接続線Vccに接続されるVcc端子、及び外部からのリセット信号を受け付けるRESET端子が接続されている。
リセット信号発生回路839は、I2CI/Oエクスパンダ815に電源が投入され、電圧が所定値まで立ち上がると、リセット信号を発生させ、発生させたリセット信号をバスコントローラ834に入力することによって初期化する。
したがって、ハーネスを抜くとロジック用の電源を供給するための接続線Vccが一時的に断線し、ハーネスを再度差し込むと電源供給が復帰して、リセット信号発生回路839がリセット信号を出力することになる。なお、ロジック用の電源を供給するための接続線Vcc、接続線SDA、接続線SCL、及び接地線GNDなどを束ねたものをハーネスという。
バス監視WDT840は、他のI2CI/Oエクスパンダ815が接続線SDAを占有していることを検出するために用いられる。バス監視WDT840は、リセット信号発生回路839に接続されており、接続線SDAが占有されてから所定の時間が経過すると、自身のリセット信号発生回路839を作動させて、当該I2CI/Oエクスパンダ815を初期化する。
自己占有WDT841は、自身(I2CI/Oエクスパンダ815)による接続線SDAの占有を検出するために使用される。自己占有WDT841が一定時間連続して作動すると、自己占有WDT841は、リセット信号発生回路839にリセット信号を発生させて当該I2CI/Oエクスパンダ815を初期化する。
〔識別基板の第2変形例〕
図114は、パーツ510の識別基板513の第2変形例を示す。第2変形例では、識別基板513のパラレルシリアル変換部516が、通常のパラレルシリアル変換ICではなく、出力用のI2CI/Oエクスパンダ815(スレーブIC)である。また、第2変形例では、パーツ510は演出装置を備え演出を実行できる。演出装置は、例えばLED(発光部)等の装飾装置であるが、可動役物でもよい。
出力用のI2CI/Oエクスパンダ815は、演出制御装置300のマスタIC300aから受信した演出制御データに基づいて、パーツ510に設けられた演出装置(ここではLED、発光部)の出力状態(ここでは発光状態)を出力側のポート0〜15を介して制御する。なお、I2CI/Oエクスパンダ815は、I2CI/Oエクスパンダ815の固有のアドレス(8ビット)をパーツ識別情報として利用して、演出制御装置300のマスタIC300aに入力する。
出力用のI2CI/Oエクスパンダ815は、入力用のI2CI/Oエクスパンダ815(図113)に、出力設定レジスタ835、出力コントローラ836、I2CI/Oエクスパンダ815の出力側の各ポート0〜15(端子0〜15)に接続されるドライバ837、各ポート0〜15に接続されるトランジスタ838A〜838Pが追加されたものである。このため、入力用のI2CI/Oエクスパンダ815(図113)と同じ構成については、適宜説明を省略する。
フィルタ831は、接続線SDAに接続され、接続線SDAから入力されたデータ(ここでは演出制御データや返答信号等)のノイズを除去し、ノイズが除去されたデータをバスコントローラ834に出力する。
ドライバ832は、接続線SDAからマスタIC300aにデータ(ここではパーツ識別情報や返答信号等)を出力する場合に、トランジスタ830が動作可能な電圧をトランジスタ830に印加する。
ドライバ832は、データ(パーツ識別情報や返答信号等)を接続線SDAから出力する場合に、トランジスタ830にドレインとソースとの間に電流を流すためにトランジスタ830のゲートにトランジスタ830が動作可能な値の電圧を印加する。そして、ドライバ832は、接続線SDAの電圧をHIGHからLOWへ繰り返し変化させることによって、データを接続線SDAから出力する。
バスコントローラ834は、接続線SDAから入力されたデータのアドレスがI2CI/Oエクスパンダ815に設定された固有のアドレスと一致するか否かを判定し、一致している場合に、接続線SDAからマスタIC300aにデータ(パーツ識別情報や返答信号等)を出力する。マスタIC300aに出力するパーツ識別情報は、前述のようにI2CI/Oエクスパンダ815の固有のアドレス(8ビット)である。なお、バスコントローラ834からマスタIC300aにパーツ識別情報を出力することは必ずしも必要でなく、演出制御装置300は、バスコントローラ834からの返答信号を受信すると、送信したデータのアドレスをパーツ識別情報と認識するように構成してもよい。
また、バスコントローラ834は、接続線SCLの信号レベルのLOWからHIGHへの変化回数が8回に達し、8ビット目の演出制御データを接続線SDAから取り込んだ後、接続線SCLの信号レベルがHIGHからLOWへ変化すると、返答信号を接続線SDAからマスタIC300aに出力する。さらに、接続線SCLの信号レベルがLOWからHIGHへ変化することが確認され、再度接続線SCLの信号レベルがHIGHからLOWへ変化すると、接続線SDAを開放する。つまり、バスコントローラ834は、接続線SCLの信号レベルのLOWからHIGHへの変化回数が9回になるタイミングで返答信号を出力する。
出力設定レジスタ835には、当該I2CI/Oエクスパンダ815の動作モードやポート0〜15の出力状態が設定される。バスコントローラ834が接続線SDAから初期化指示データを取り込んで、当該I2CI/Oエクスパンダ815が初期化された場合には、出力設定レジスタ835は、すべてのポート0〜15に電流が流れないように初期状態に設定される。
出力コントローラ836は、出力設定レジスタ835に設定されたデータに基づいて、ポートドライバ837を介して、各ポート0〜15に接続された演出装置(ここではLED、発光部)に電流を流すこと(点灯データの出力)によって、演出装置の出力状態(ここでは発光状態)を実際に制御する。この出力状態は、バスコントローラ834が接続線SDAから演出制御データを取り込むと、演出制御データに指定されている内容に更新される。
すなわち、マスタIC300aから受信した演出制御データに基づいて、出力設定レジスタ835に設定し、ストップコンディションを受信した時点で、各ポート0〜15の出力状態を更新して演出装置に反映させる。
ドライバ837は、ポートに電流を流す場合に、電流を流すポートに接続されるトランジスタ838A〜838Pが動作可能な電圧を当該トランジスタに印加する。
トランジスタ838A〜838Pのゲートはドライバ837に接続され、ドレインは演出装置を動作させるための電圧が印加された接続線に接続するポート端子に接続され、ソースは接地されている。
トランジスタ838A〜838Pのゲートに印加される電圧がトランジスタ838を動作させる所定値以上であれば、駆動電源からゲートに印加されている所定の電圧が、トランジスタ838のドレインを介して接地されているソースへ電流が流れることによって、ポート端子に接続された演出装置(ここではLED)の出力状態を制御できる。
〔識別基板の第3変形例〕
図115は、パーツ510の識別基板513の第3変形例を示す。第3変形例では、識別基板513のパラレルシリアル変換部516が存在せず、複数の配線519から所定の電圧が8ビットのパーツ識別情報(例えば「01111100」)として、演出制御装置300が備える入力ポート300b(ポート0〜7)に直接入力される。入力ポート300bに入力されたパーツ識別情報は、データバス340を介して主制御用マイコン(CPU)311に取り込まれる。なお、所定の電圧が入力される所定の端子が値「1」のビットに対応し、それ以外の端子(配線519が接続されない)が値「0」のビットに対応する
そして、演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311は、パーツ識別情報(第1識別情報)と機種識別情報(第2識別情報)が不一致である場合に、不一致であることエラーとして報知する処理を実行する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
図116は、第12実施形態に係るメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入(復旧)されると、演出制御装置300(主制御用マイコン311)によって実行される。
第12実施形態のメイン処理は、図36のメイン処理に対して、パーツ照合処理(B5000)を追加したものであり、その他の処理は図36と同じであるため同じステップ番号を付して説明を省略する。
パーツ照合処理では、パーツ510から読取ったパーツ識別情報と、機種指定コマンド(B1301)に対応する機種識別情報とを比較して、パーツ識別情報(第1識別情報)と機種識別情報(第2識別情報)が不一致である場合に、エラー報知によって警告する。本実施形態では、パーツ照合処理(B5000)は、受信コマンドチェック処理(B0014)の後に実行される。
パーツ照合処理(B5000)は、遊技機10の電源投入の際に最初に実行され、その後、ステップB0008からB0021までのループ処理によって、繰り返し実行される。
〔パーツ照合処理〕
次に、図117を参照して、メイン処理(図116)におけるパーツ照合処理(B5000)の詳細について説明する。図117は、演出制御装置300によって実行されるパーツ照合処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、照合時間タイマ(計時手段)が0でなければ−1更新する(B5001)。照合時間タイマは、パーツ識別情報を読取って機種識別情報と照合(比較)する照合タイミング或は照合時間間隔を定めるものである。そして、照合時間タイマが0であるか否かを判定する(B5002)。照合時間タイマが0でない場合に(B5002の結果が「N」)、照合タイミングでないため、パーツ照合処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、照合時間タイマが0である場合に(B5002の結果が「Y」)、照合タイミングであるため、パーツ510からパーツ識別情報を読取る(B5003)。そして、パーツ識別情報(第1識別情報)と機種識別情報(第2識別情報)とを比較(照合)する(B5004)。なお、機種識別情報は、遊技機10の電源投入の際の機種設定処理(B1302)において、遊技機の種類(機種)を示す情報として、機種指定コマンドに基づいて設定されている。
演出制御装置300は、メモリ(例えばプログラムROM321)内に、図118の参照テーブルを記憶している。図118の参照テーブルにおいて、機種指定コマンドと機種識別情報が対応付けられている。このようにして、演出制御装置300は、遊技機の機種に対応する機種識別情報(第2識別情報)を保持している。
次に、演出制御装置300は、パーツ識別情報と機種識別情報が一致するか否かを判定する(B5005)。パーツ識別情報と機種識別情報が一致しない場合に(B5005の結果が「N」)、エラー報知によって、パーツ識別情報と機種識別情報が不一致であることを報知する(B5006)。即ち、パーツ510が、パーツ510に適合(対応)しない間違った機種に取り付けられていることを報知する。演出制御装置300は、スピーカ19a、19bから音を発生させたり、表示装置41に文字を表示することで、エラー報知(警告)を実行してよい。また、ここで、演出制御装置300は、図118の参照テーブルを参照して、エラー報知と共に、パーツ510に適合(対応)する正しい機種を報知してもよい。正しい機種は、パーツ510のパーツ識別情報と同一の機種識別情報となる機種である。
続いて、演出制御装置300は、照合時間タイマの初期値を設定し(B5007)、パーツ照合処理を終了する。従って、電源投入時を初回として、照合時間タイマの初期値に相当する時間が経過する度に、定期的に、パーツ識別情報と機種識別情報とが比較(照合)されることになる。照合時間タイマの初期値は、例えば、数分に相当する時間であるが、これに限られない。
一方、演出制御装置300は、パーツ識別情報と機種識別情報が一致する場合に(B5005の結果が「Y」)、パーツ510がパーツ510に適合(対応)する正しい機種に取り付けられているため、エラー報知せずに、照合時間タイマの初期値を設定し(B5007)、パーツ照合処理を終了する。
以上のパーツ照合処理によって、例えば、機種B用のパーツ510Bが、遊技機10の機種Aに取り付けられている場合(図109(B))、機種識別情報(例えば「01111100」)とパーツ識別情報(例えば「01111101」)が不一致であり、エラー報知が実行される。エラー報知と共に、パーツ510Bに適合する正しい機種(機種B)を報知してもよい。一方、例えば、機種A用のパーツ510Aが、遊技機10の機種Aに取り付けられている場合(図109(A))、機種識別情報(例えば「01111100」)とパーツ識別情報(例えば「01111100」)が一致して、エラー報知は実行されない。
なお、変形例として、演出制御装置300は、メモリ(例えばプログラムROM321)内に、図118の参照テーブルを記憶せず、一種類の機種に対応する機種識別情報(第2識別情報)のみを保持してよい。この場合にも、演出制御装置300は、パーツ510から読取ったパーツ識別情報と、保持した機種識別情報とを比較して、パーツ識別情報(第1識別情報)と機種識別情報(第2識別情報)が不一致である場合に、不一致であることエラーとして報知する。
[第12実施形態の作用・効果]
第12実施形態によると、遊技機10において、遊技(例えば、始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技に関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。遊技機10は、電気的に読取り可能な第1識別情報(パーツ識別情報)が割り当てられた着脱可能な部品(パーツ510)を備える。演出制御手段は、遊技機10の機種に対応する第2識別情報(機種識別情報)を保持し、部品の第1識別情報を読取って第2識別情報と比較し、第1識別情報(パーツ識別情報)と第2識別情報(機種識別情報)が不一致である場合に、不一致であることを報知する。
従って、間違った部品(パーツ510)が取り付けられた場合でも適切に報知できる。このため、遊技場(遊技店)内での部品(パーツ510)の取り付けミスがあった遊技機10が稼働することを防止できる。
第12実施形態によると、遊技機10において、演出制御手段は、少なくとも遊技機10の電源投入の際に、部品(パーツ510)の第1識別情報を読取って第2識別情報と比較し、第1識別情報と第2識別情報が不一致である場合に、不一致であることを報知する。従って、間違った部品(パーツ510)が取り付けられた場合でも電源投入の際に報知できる。このため、遊技場(遊技店)内での部品(パーツ510)の取り付けミスがあった遊技機10が稼働することを早期に確実に防止できる。
第12実施形態によると、遊技機10において、演出制御手段は、遊技機10の電源投入の際に、遊技制御手段から遊技機10の機種に関する情報を受信し、遊技機10の機種に対応する第2識別情報(機種識別情報)をテーブル(参照テーブル)から選択し、部品(パーツ510)の第1識別情報と選択した第2識別情報を比較する。従って、遊技機10の様々な機種に対して、間違った部品(パーツ510)が取り付けられた場合にこれを報知できる。また、間違った部品が取り付けられるべき正しい機種を報知できる。
第12実施形態によると、遊技機10において、部品(パーツ510)において、第1識別情報(パーツ識別情報)は、所定の電圧にプルアップされた一又は複数の配線によって設定できるため、簡便に第1識別情報を設定できる。
第12実施形態によると、遊技機10において、部品(パーツ510)において、第1識別情報は、ディップスイッチによって設定できるため、簡便に第1識別情報を設定できる。
[第13実施形態]
図119から図134を参照して、第13実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第12実施形態までの実施形態と同様でよい。第13実施形態は、確率設定値の確定表示期間に関するものである。なお、確定表示期間は、確率設定値の確定値を表示するための期間である。
〔第13実施形態に係る遊技制御装置〕
始めに、図119を参照して、第13実施形態に係る設定変更時の外部情報出力のタイミングについて説明する。図119は、第13実施形態に係る遊技機10の遊技制御系の構成例を示すブロック図である。第13実施形態の遊技制御装置100は、第1実施形態や第6実施形態の遊技制御装置100と類似するが、当該遊技制御装置100に取り付けられていた確率設定値表示装置143が、状態表示装置152に組み込まれた形となっている。即ち、状態表示装置152が、第1実施形態や第6実施形態の確率設定値表示装置143としても機能する。また、第13実施形態の遊技制御装置100には、設定値変更スイッチ102(設定値変更ボタン)とは別にRAM初期化スイッチ112(RAMクリアスイッチ)が取り付けられる。
〔電源投入時の移行状態〕
図120は、第13実施形態に係る遊技機10の電源投入(電源復旧)時の移行状態を説明する図である。電源投入時のRAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ93のオンオフ状態によって、図120に示すように4つの状態(モード)へ移行する。
まず、電源投入時に、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ93とがオンにされている場合には、RAMクリアされた後、確率設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)に移行する(図5AのA1036−A1041)。ここでのRAMクリアでは、ステップA1036のクリア処理が実行され、図5CのA1021で設定されたRAMクリア先頭アドレス2によってクリア対象のRAM領域としてクリア領域#2が指定される。なお、第13実施形態において、第1実施形態と異なり、図5AのステップA1024とA1028では、RAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ93の両方がオンであるか否かを判定する。また、第1実施形態と異なり、図5AのステップA1025では、設定値変更スイッチ102ではなく、RAM初期化スイッチ112がオンであるか否かを判定する。
次に、電源投入時に、設定キースイッチ93がオンにされているがRAM初期化スイッチ112がオフの場合には、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する。なお、設定確認状態への移行は、通常の復電(A1031−A1035)が行われた後のタイマ割込み処理中において、確率設定値確認処理(図11)のステップA2504−A2508で実行できる。
また、電源投入時に、設定キースイッチ93がオフであるがRAM初期化スイッチ112がオンにされている場合には、ステップA1042−1045のRAM初期化処理(RAMクリア処理)が実行され、図5Cに示すようにRAMクリア先頭アドレス2によってクリア対象のRAM領域としてクリア領域#2が指定されてRAMクリアされる。なお、RAMクリアでは、RAMクリア先頭アドレス3によってクリア対象のRAM領域としてクリア領域#3が指定されてもよい。
電源投入時に、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112とがオフである場合には、単に復電されるだけの状態になる。
〔確率設定値変更処理〕
次に、図121を参照して、タイマ割り込み処理における確率設定値変更処理(A1308)の詳細について説明する。図121は、第13実施形態に係る確率設定値変更処理の手順を示すフローチャートである。
第13実施形態の確率設定値変更処理は、図10の確率設定値変更処理に対して、ステップA2412、A2414、A2415の処理の位置を変更し、ステップA2411、A2413の処理を削除したものであり、その他の処理は図10と同じであるため同じステップ番号を付して説明を省略する。
遊技制御装置100は、ステップA2416の処理で、設定キースイッチ93がオフ状態の場合に(A2416の結果が「Y」)、作業用確率設定値領域の値をロードし、確率設定値領域にセーブする(A2412)。設定キースイッチ93をオフにすることで設定値が確定し、確定した確率設定値に対応する値0〜5が確率設定値領域に記憶されることになる。
続いて、遊技制御装置100は、確率設定値が変更済みであることを示す確率設定値変更済みフラグをセットし(A2414)、確率設定値が変更されたことを示す確率設定値変更のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する(A2415)。その後、第1実施形態と同様にステップA2417−A2421の処理を実行し、メイン処理(図5B)に戻り、ステップA1049の処理に移行する。ここで、ステップA2420で確率設定値に対応する確率設定値表示データが確率設定値表示領域にセーブされることで、確定した確率設定値が確率設定値表示装置143が組み込まれた状態表示装置152に表示可能になる。なお、確率設定値表示装置143として機能する状態表示装置152のドライバ150(図71の153)への確率設定値表示データの送信は、第6実施形態で、役物比率表示データ等を送信する場合と同様に実行できる。
〔設定値受信時処理〕
次に、図122を参照して、単発系コマンド処理における設定値受信時処理(B1324)の詳細について説明する。図122は、第13実施形態に係る設定値受信時処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B5201)。受信したコマンドが正常なコマンドでない場合には(B5201の結果が「N」)、設定値受信時処理を終了する。
演出制御装置300は、受信したコマンドが正常なコマンドである場合には(B5201の結果が「Y」)、RTC338(又は時刻用タイマ)から現在日時(現在時刻)を示す情報を取得し(B5202)、受信したコマンドが設定変更終了時の設定値情報コマンドであるか否かを判定する(B5203)。設定変更終了時の設定値情報コマンドとは、確率設定値変更処理のステップA2421で確率設定変更終了のコマンドと共に遊技制御装置100から送信される設定値情報コマンドである。受信したコマンドが設定変更終了時の設定値情報コマンドでない場合には(B5203の結果が「N」)、設定値受信時処理を終了する。
演出制御装置300は、受信したコマンドが設定変更終了時の設定値情報コマンドである場合には(B5203の結果が「Y」)、設定値と現在日時(現在時刻)とを関連付けてメモリに記憶し(B5204)、設定値受信時処理を終了する。ここでのメモリは、電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323である。
なお、受信したコマンドが設定変更終了時の設定値情報コマンドでない場合、即ち、停電復旧時の設定値情報コマンド(A1035)又はRAM初期化時の設定値情報コマンド(A1045)である場合には(B5203の結果が「N」)、設定値(確率設定値)を現在日時と関連付けることなくRAM322に記憶するようにしてもよい。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、図123を参照して、タイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(A1314)の詳細について説明する。図123は、第13実施形態に係るセグメントLED編集処理の手順を示すフローチャートである。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56、第1遊技状態表示部57、第2遊技状態表示部58、第3遊技状態表示部59、ラウンド表示部60を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。なお、図123で記載されていないが、セグメントLED編集処理では、変動表示ゲーム以外で特図1表示器51、特図2表示器52、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53を発光制御する場合に、特図1表示器51、特図2表示器52、変動表示部53の発光制御(消灯制御、点灯制御、点滅制御)を、保留表示器54−56の発光制御と同様に実行してよい。なお、変動表示ゲームにおいて、特図1表示器51、特図2表示器52、変動表示部53を発光(点滅)させる制御は、図柄変動制御処理(図29)で実行される。
遊技制御装置100は、まず、点滅制御タイマを+1更新し(A9201)、出力オンタイミングであるか否かを判定する(A9202)。点滅制御タイマの特定ビットが1である場合に、出力オンタイミングであると判定する。本実施形態では、特定ビットはビット5であるため、128msの点滅周期を作ることができる(図2B参照)。
遊技制御装置100は、出力オンタイミングである場合(A9202の結果が「Y」)、普図保留数表示テーブル1を設定し(A9203)、出力オンタイミングでない場合(A9202の結果が「N」)、普図保留数表示テーブル2を設定し(A9204)、普図保留数に対応する表示データを取得して普図保留表示器56(ランプD15、D16)のセグメント領域にセーブする(A9205)。保留数が0〜2なら、普図保留数表示テーブル1、2のどちらのテーブルでも表示データは同じになるため、普図保留表示器56は点滅しないが、保留数が3〜4なら、普図保留数表示テーブル1の表示データと普図保留数表示テーブル2の表示データは異なるため、普図保留表示器56は点滅する(図2B参照)。
次に、遊技制御装置100は、出力オンタイミングであるか否かを判定する(A9206)。出力オンタイミングである場合(A9206の結果が「Y」)、特図1保留数表示テーブル1を設定し(A9207)、出力オンタイミングでない場合(A9206の結果が「N」)、特図1保留数表示テーブル2を設定し(A9208)、特図1保留数に対応する表示データを取得して特図1保留表示器54(ランプD11、D12)のセグメント領域にセーブする(A9209)。
次に、遊技制御装置100は、出力オンタイミングであるか否かを判定する(A9210)。出力オンタイミングである場合(A9210の結果が「Y」)、特図2保留数表示テーブル1を設定し(A9211)、出力オンタイミングでない場合(A9210の結果が「N」)、特図2保留数表示テーブル2を設定し(A9212)、特図2保留数に対応する表示データを取得して特図2保留表示器55(ランプD13、D14)のセグメント領域にセーブする(A9213)。
その後、遊技制御装置100は、ラウンド表示部60(ランプD3−D7)での表示態様が規定されたラウンド表示LED表示テーブルを設定し(A9214)、ラウンド表示LED出力ポインタに対応する表示データを取得してラウンド表示部60のセグメント領域にセーブする(A9215)。
次に、遊技制御装置100は、第2遊技状態表示部58(ランプD9)や第3遊技状態表示部59(ランプD17)等での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル1を設定する(A9216)。さらに、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得して各遊技状態表示部のセグメント領域にセーブする(A9217)。
次いで、遊技制御装置100は、第1遊技状態表示部57(ランプD8)での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル2を設定する(A9218)。さらに、遊技状態表示番号2に対応する表示データを取得して第1遊技状態表示部57のセグメント領域にセーブする(A9219)。その後、セグメントLED編集処理を終了する。
〔設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングチャート〕
次に、図124を参照して、設定変更時(設定変更モード、設定可変状態)の確率設定値の確定表示期間のタイミングについて説明する。図124は、第13実施形態に係る設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
時刻x1で設定キースイッチ93(設定キー)がオンにされた後、時刻x2でRAM初期化スイッチ112がオンにされた状態で遊技機10の電源が投入されると、遊技機10の状態(遊技機状態)が設定変更モード(設定可変状態)になり、状態表示装置152には未確定の確率設定値(未確定値)が表示される(確率設定値表示(未確定値))。状態表示装置152の確率設定値表示(未確定値)では、未確定の確率設定値は点滅表示される。また、時刻x2において設定変更モードにされたことに対応して、表示装置41には、設定変更中であることが分かる所定の表示態様の表示が表示される。一括表示装置50(第1表示装置)、ランプ表示装置80(第4図柄)、及び装飾装置は、消灯状態が維持される。装飾装置は、装飾装置18a、18b等の枠装飾装置18、上部演出ユニット40c等の盤装飾装置46の他、装飾用発光部(LED)を有するものである。また、装飾装置は、消灯状態ではなく減光状態になってもよいし、特定の色以外の発光部だけが消灯してもよい。
時刻x3で設定キースイッチ93がオフにされると、遊技機状態が遊技を行える遊技可能状態になり、状態表示装置152(第2表示装置)には確定した確率設定値(確定値)が表示される(確率設定値表示(確定値))。状態表示装置152の確率設定値表示(確定値)では、確定した確率設定値は点灯表示される。遊技機状態が遊技可能状態であるときは、設定値の変更や確認を行えなくなる。また、時刻x3において遊技可能状態になったことに対応して、一括表示装置50の特図1表示器51及び/又は特図2表示器52にははずれ図柄の識別情報が表示され(本特図表示)、表示装置41には客待ちデモが表示される。なお、一括表示装置50の特図1表示器51と特図2表示器52以外の表示部(ランプD3−D18)も点滅表示するなどして、客待ち表示を実行してもよい。ランプ表示装置80及び装飾装置は、通常表示になる。なお、時刻x3で確率設定値が確定した際に、音や音声により確率設定値が確定したことを知らせる報知を合せて行うこととしてもよい。
時刻x4は、時刻x3から所定時間(所定期間、例えば2〜3sec)が経過したときの時刻である。状態表示装置152(第2表示装置)は、時刻x4になると確率設定値表示を終了して全点滅表示を開始し、全てのセグメントの全消灯表示と全点灯表示とを所定時間間隔で繰り返し行う。なお、状態表示装置152の全点滅表示は、図123のセグメントLED編集処理で使用する点滅制御タイマを使用して実行し、一括表示装置50の表示部の点滅表示(前述の客待ち表示)と同じ点滅周期で同期させてもよい。
なお、時刻x4は、時刻x3から所定時間(例えば2〜3sec)が経過したときに限らず、前面枠12(本体枠)が閉じられたときや操作ハンドル24のタッチスイッチ信号を検出したときでもよい。このように、設定変更状態から設定値が変更不能な遊技可能状態に切り替えた際に、状態表示装置152で確定した設定値が所定時間(例えば2〜3sec)確認できるようになるので、設定変更後に改めて設定確認モードに入らなくても確定した設定値を見ることができ、遊技場管理者の作業効率を向上させることができる。
時刻x5は、時刻x4から所定時間(所定期間、例えば0.5sec)が経過したときの時刻である。状態表示装置152は、時刻x5になると全点滅表示を終了して性能表示(役物比率表示)を開始し、役物比率が表示される。なお、状態表示装置152には、役物比率に関する情報を表示する代わりに、出玉率や排出球数、ベース値(通常遊技状態における出玉率)に関する情報を表示してもよい(出玉率表示、排出球数表示、ベース値表示)。なお、役物比率と出玉率(ベース値含む)は、前述のように、入賞により得られた賞球数に基づいて導出されるもので、遊技機の性能を示す性能情報となる。そして、状態表示装置152は、性能情報を表示する性能表示を実行可能である。
なお、時刻x2からの確率設定値表示(未確定値)を点滅表示とし、時刻x3からの状態表示装置152の確率設定値表示(確定値)を点灯表示としたが、これらの点滅表示又は点灯表示を入れ替えて、確率設定値表示(未確定値)を点灯表示とし、確率設定値表示(確定値)を点滅表示としてもよい。
〔設定変更時の表示装置の表示画面例〕
図125は、第13実施形態に係る設定変更時(設定変更モード、設定可変状態)の表示装置41(第3表示装置)の表示画面の一例を示す図である。図125には、表示装置41の表示画面とともに、ランプ表示装置80及び装飾装置の上部演出ユニット40cも表示画面の上方に示してある。
図125(さ)に示すように、演出制御装置300は、確率設定変更中のコマンドを受信することで(A1041)、表示装置41の表示画面に設定変更中であることを示す設定変更中表示721を表示する。また、上述したように設定変更中はランプ表示装置80及び上部演出ユニット40cが消灯されている。なお、演出制御装置300は、設定変更中表示721とともに音や音声によって設定変更中であることが分かる報知を行ってもよい。
図125(し)では、設定変更後に遊技可能状態となったことに対応して、表示装置41の表示画面に客待ちデモ画面722が表示される。遊技可能状態になると、ランプ表示装置80及び上部演出ユニット40cは通常表示となり、図125(し)に黒塗りで示すように客待ちデモに合わせて上部演出ユニット40cの一部が点灯又は点滅する。ランプ表示装置80は、前述のように、第4図柄(第四特別図柄)として変動表示(点滅)を実行するランプ表示部1、2(LED)と、各特図変動表示ゲームの始動記憶数報知用のランプ表示部3−6(LED)からなるため、通常表示では消灯しているが(消灯表示)、客待ちデモに合わせての一部が点灯又は点滅してもよい。
図125(す)は、特図2変動開始処理(A3202)又は特図1変動開始処理(A3206)によって、客待ちデモが終了し特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)が開始したときの表示装置41の表示画面である。図125(し)で示していた客待ちデモ画面722が非表示になり、変動表示領域610(左領域610A、右領域610B、中領域610C)で飾り第1図柄A〜Cが変動表示される。また、ランプ表示装置80や上部演出ユニット40cは、特図変動表示ゲームに合わせて一部が点灯又は点滅する演出態様となる。保留消化領域640には、実行中(消化中)の特図変動表示ゲームに対応する特図変動中保留表示643(始動記憶表示、特図消化中保留表示)が表示される。保留表示部630には、保留中の第1始動記憶や第2始動記憶が表示される。例えば、客待ちデモ後に特図変動表示ゲームが開始された場合には図125(す)に示すように保留表示部630には保留中の第1始動記憶や第2始動記憶がない状態になる。
〔設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングチャートの変形例〕
次に、図126を参照して、設定変更時(設定変更モード、設定可変状態)の確率設定値の確定表示期間のタイミングの変形例について説明する。図126は、第13実施形態に係る設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングの変形例を示すタイミングチャートである。なお、以下の図126、図127、図129及び図130の説明においては、図124と重複する説明は適宜省略する。
前述のように、時刻x3において設定キースイッチ93がオフにされ遊技機状態が設定変更モードから遊技可能状態に切り替わると、状態表示装置152は全点滅を開始する。
そして、時刻x3から所定時間(所定期間、例えば0.5sec)経過した時刻x4’で、状態表示装置152は全点滅から確率設定値表示(確定値)に表示を切り替える。状態表示装置152は、確率設定値表示に表示を切り替えた後、所定時間(所定期間、例えば2〜3sec)経過した時刻x5’で、性能表示(役物比率表示や出玉率表示)を開始して、役物比率を表示する。このように、設定キースイッチ93がオフにされ、設定変更モードから遊技可能状態にされたことに対応して状態表示装置152を全点滅表示にすることで、設定が確定したことを遊技場管理者に明示することができる。また、その後、確率設定値表示によって確定した設定値を所定時間(例えば2〜3sec)表示するので、遊技場管理者は、確定した設定値をそのまま確認することができ、作業効率を向上させることができる。
なお、図124と同様に、確率設定値表示の後、時刻x5’で全点滅を所定時間(例えば0.5sec)行ってから性能表示を開始するようにしてもよい。
〔設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングチャートの第2変形例〕
次に、図127を参照して、設定変更時(設定変更モード、設定可変状態)の確率設定値の確定表示期間のタイミングの第2変形例について説明する。図127は、第13実施形態に係る設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングの第2変形例を示すタイミングチャートである。
前述のように、時刻x3において設定キースイッチ93がオフにされ遊技機状態が設定変更モードから遊技可能状態に切り替わると、状態表示装置152は確率設定値表示を開始する。
そして、時刻x3から所定時間(例えば2〜3sec)経過した時刻x4で、状態表示装置152は確率設定値表示から報知表示に表示を切り替える。報知表示は、図128で後述するように、設定が確定したことを報知する表示である。状態表示装置152は、報知表示に表示を切り替えた後、所定時間(例えば0.5sec)経過した時刻x5で性能表示(役物比率表示や出玉率表示)を開始して、役物比率を表示する。
なお、時刻x3において、状態表示装置152にて確率設定値表示(確定値)を行う前に、所定時間(例えば0.5sec)全点滅又は報知表示を行うこととしてもよい。また、時刻x3において、状態表示装置152にて確率設定値表示(確定値)を行う前に報知表示を行うこととした場合には、確率設定値表示(確定値)後に時刻x4から時刻x5まで報知表示を行う代わりに全点滅を行うこととしてもよい。
〔状態表示装置の設定変更時の表示態様〕
図128は、第13実施形態の第2変形例に係る状態表示装置152の設定変更時の表示態様の一例を示す図である。
始めに、図128(a)は、図127の時刻x2までにおける電源がオフにされているときの状態表示装置152の表示態様であり、状態表示装置152の4個の7セグメント(点部分を含めると8セグメント)は全て消灯されている。
図128(b)は、時刻x2から時刻x4までにおいて確率設定値表示(未確定値、確定値)を表示しているときの状態表示装置152の表示態様であり、状態表示装置152の左端の桁3には現在の確率設定値(例えば「6」)が表示され、桁3以外の7セグメント(桁2、桁1、桁0)は消灯されている。なお、状態表示装置152の左端の桁3に表示される現在の確率設定値(例えば「6」)は、時刻x2から時刻x3までにおける確率設定値表示(未確定値)では点滅表示となり、時刻x3から時刻x4までにおける確率設定値表示(確定値)では点灯表示となる。
図128(c)は、時刻x4から時刻x5までにおいて報知表示をしているときの状態表示装置152の表示態様である。状態表示装置152の桁0〜3には確率設定値が確定したことを示す上下のバーが表示される。なお、状態表示装置152の桁0〜3に表示される報知表示は、上下のバーによる表示に限らず、確率設定値や性能表示と異なる表示態様で表示されればよい。
図128(d)は、時刻x5後に、性能表示される状態表示装置152の表示態様である。状態表示装置152には、図128(d)に示すように、直近の所定数(例えば1万発)の排出球数に対する出玉率(例えば「b1.35」)が性能表示として表示される。なお、状態表示装置152に遊技機10の電源投入から現在までの全体の出玉率(例えば図102に示す「bL.35」)やベース値、役物比率を表示させてもよく、これらの表示を所定間隔(例えば2〜3sec)周期で切替表示してもよい。
〔設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングチャートの第3変形例〕
次に、図129を参照して、設定変更時(設定変更モード、設定可変状態)の確率設定値の確定表示期間のタイミングの第3変形例について説明する。図129は、第13実施形態に係る設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングの第3変形例を示すタイミングチャートである。
前述のように、時刻x3において設定キースイッチ93がオフにされた後、時刻x4’’で特図2変動開始処理(A3202)又は特図1変動開始処理(A3206)が行われると、一括表示装置50の特図1表示器51又は特図2表示器52では停止表示されていたはずれ図柄から本特図表示(識別情報の表示)が変動表示を開始し、特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)が開始される。また、同時に、表示装置41の表示画面では、客待ちデモが終了し、飾り特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)が開始される。一括表示装置50(第1表示装置)及び表示装置41(第3表示装置)の特図変動表示ゲームの開始に対応して、ランプ表示装置80では第4図柄による特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)及び保留数表示が開始され、装飾用装置では特図変動表示ゲームの演出に対応する演出対応表示が行われる。
そして、時刻x4’’から所定時間(例えば0.5sec)経過した時刻x5’’で、状態表示装置152は、全点滅を終了し、性能表示(役物比率表示や出玉率表示)を開始する。このように、所定時間の経過を待たずに、特図変動表示ゲームが開始されたことに対応して、全点滅と性能表示を開始することで、遊技に関する情報を早期に表示させることができる。
なお、状態表示装置152は、特図2変動開始処理(A3202)又は特図1変動開始処理(A3206)が行われること、すなわち、普通変動入賞装置37又は始動入賞口36への遊技球の入賞があった場合に全点滅を開始する態様に限らず、一般入賞口35に遊技球の入賞があった場合や普図始動ゲート34を遊技球が通過した場合に全点滅を開始してもよい。また、前述の図124における例と同様に、前面枠12(本体枠)が閉じられたときや操作ハンドル24のタッチスイッチ信号を検出したときに全点滅を開始してもよい。
〔設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングチャートの第4変形例〕
次に、図130を参照して、設定変更時(設定変更モード、設定可変状態)の確率設定値の確定表示期間のタイミングの第4変形例について説明する。図130Aは、第13実施形態に係る設定変更時の確率設定値の確定表示期間のタイミングの第4変形例を示すタイミングチャートである。
時刻x2で遊技機10の電源が投入されると、遊技機状態が設定変更モードになるとともに、第4変形例の一括表示装置50、ランプ表示装置80及び装飾装置は、全点滅を開始する。その際、一括表示装置50の点滅周期は、図123のセグメントLED編集処理によって制御され、併せてランプ表示装置80及び装飾装置の点滅周期も一括表示装置50の点滅周期と同じとなるように設定されて、各装置の点滅タイミングの同期がとられる。遊技制御装置100は演出制御装置300にコマンドを送って、演出制御装置300で制御されるランプ表示装置80及び装飾装置と一括表示装置50との間で点滅タイミングの同期を取ってよい。また、状態表示装置152が点滅して確率設定値表示を行う場合には、状態表示装置152の点滅をセグメントLED編集処理で使用する点滅制御タイマを使用して制御して、一括表示装置50の点滅タイミングと状態表示装置152の点滅タイミングの同期を取ってもよい。
なお、一括表示装置50の全点滅表示は、図34Fに示すように全ての表示部(発光部、LEDランプD1−D18)で行うようにしてもよく、特図変動表示ゲーム用の表示部51、52(LEDランプD1、D2)だけで行うようにしてもよい。また、特図変動表示ゲーム用の表示部51、52(D1、D2)以外のLEDランプ(例えばLEDランプD3−D18)で一括表示装置50の全点滅表示を行うようにしてもよい。
そして、時刻x3で設定キースイッチ93がオフにされると、遊技機状態は設定変更モードから遊技可能状態になり、一括表示装置50、ランプ表示装置80及び装飾装置は全点滅を終了する。時刻x3になることで、一括表示装置50にははずれ図柄の識別情報が停止表示され(本特図表示)、ランプ表示装置80及び装飾装置は通常表示になる。また、状態表示装置152には確定した確率設定値(確定値)が表示され(確率設定値表示)、表示装置41の表示画面では設定変更中表示が終了し客待ちデモが開始される。
続いて、時刻x3から所定時間(例えば2〜3sec)が経過して時刻x5’’’になると、状態表示装置152は確率設定値表示(確定値)を終了し、性能表示(役物比率表示や出玉率表示)を開始する。このように、第4変形例に係る状態表示装置152では、確率設定値表示(確定値)を終了した後、全点滅を省略して性能表示(役物比率表示や出玉率表示)をすぐに行うので、遊技場管理者は、設定変更後に出玉率等を早期に確認することができる。なお、時刻x5’’’になることで、一括表示装置50及び表示装置41では特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)が開始され、ランプ表示装置80では第4図柄による特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)及び保留数表示が行われ、装飾装置では特図変動表示ゲームの演出に対応する表示が行われる(演出対応表示)。
〔設定確認時の確率設定値の確定表示期間のタイミングチャート〕
次に、図131を参照して、設定確認時(設定確認モード、設定確認状態)の確率設定値の確定表示期間のタイミングについて説明する。図131は、第13実施形態に係る設定確定時の確率設定値の確定表示期間のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
時刻x11で設定キースイッチ93(設定キー)がオンにされた後、時刻x12でRAM初期化スイッチ112がオフにされた状態で遊技機10の電源が投入されると、遊技機10の状態(遊技機状態)が設定確認モード(設定確認状態)になり、状態表示装置152には確定した確率設定値(確定値)が表示される(確率設定値表示)。そして、表示装置41の表示画面には、後述する図132で示すように停止図柄が表示される(停止図柄表示)。なお、遊技機状態が設定確認モードになっているときには、一括表示装置50、ランプ表示装置80及び装飾装置は、例えば全てのセグメント及びLEDが全点灯した全点灯状態になる(一部の点灯状態でもよい)。また、一括表示装置50は、設定確認モードにおいて、前回の特図変動表示ゲームの識別情報の停止図柄を表示してもよい。また、設定確認モードに移行する際は、表示装置41の表示画面に表示される停止図柄は、前回の特図変動表示ゲームの識別情報の停止図柄になる。
時刻x13で設定キースイッチ93がオフにされると、遊技機状態が設定確認モードから遊技可能状態になり、状態表示装置152には性能表示(役物比率表示や出玉率表示)が表示される。また、時刻x13において遊技機状態が遊技可能状態にされたことに対応して、一括表示装置50には直前(電源遮断時)に表示した図柄(識別情報)が本特図として表示される(本特図表示(直前表示図柄))。そして、表示装置41の表示画面では客待ちデモが開始され、ランプ表示装置80及び装飾装置は通常表示になる。このように、設定確認状態から遊技可能状態に切り替えた際に、状態表示装置152(第2表示装置)に性能情報を直ちに性能表示として表示させることができるので、遊技場管理者の作業効率を向上させることができる。
なお、時刻x13で状態表示装置152には性能表示が直ちに表示されるようにしたが、図126に示す設定変更時のときのタイミングチャートのように、性能表示させる前に所定時間(例えば0.5sec)全点滅を行わせてもよい。このように、設定確認モードと遊技可能状態との間に、確率設定値や性能表示とは異なる態様の表示(全点滅表示)を状態表示装置152に表示することで、遊技場管理者は、遊技可能状態に切り替わったことをより確実に把握しやすくなる。
〔設定変更時の表示装置の表示画面例〕
図132は、第13実施形態に係る設定確認時(設定確認モード、設定確認状態)の表示装置41(第3表示装置)の表示画面の一例を示す図である。図132には、表示装置41の表示画面とともに、ランプ表示装置80及び装飾装置の上部演出ユニット40cも表示画面の上方に示してある。なお、以下の図132、及び図134の説明においては、図125と重複する説明は適宜省略する。
図132(せ)に示すように、演出制御装置300は、確率設定確認中のコマンドを受信することで(A2508、B1327)、ランプ表示装置80及び装飾装置の上部演出ユニット40cを全点灯させる。このように、ランプ表示装置80及び装飾装置は、設定確認中は、設定変更中(図125)と異なる発光態様となる。なお、演出制御装置300は、ランプ表示装置80及び上部演出ユニット40cの全点灯とともに設定確認中であることが分かる報知(音などで)を行ってもよい。他方で、表示装置41の表示画面には、前回の特図変動表示ゲームの識別情報の停止図柄(停止結果)が表示されており、設定確認中であることが分からない表示態様となる。
図132(そ)では、設定確認後に遊技可能状態となったことに対応して、表示装置41の表示画面に客待ちデモ画面722が表示される。遊技可能状態になると、ランプ表示装置80及び上部演出ユニット40cは通常表示となる。
図132(た)は、特図2変動開始処理(A3202)又は特図1変動開始処理(A3206)によって、客待ちデモが終了し特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)が開始されたときの表示装置41の表示画面である。図125(す)と同様に、客待ちデモ画面722が非表示になり、変動表示領域620で飾り第1図柄A〜Cが変動表示され、ランプ表示装置80や上部演出ユニット40cが特図変動表示ゲームに合わせて点灯又は点滅する演出態様となる。
〔設定確認時の確率設定値の確定表示期間のタイミングチャートの変形例〕
次に、図133を参照して、設定確認時(設定確認モード、設定確認状態)の確率設定値の確定表示期間のタイミングの変形例について説明する。図133は、第13実施形態に係る設定確認時の確率設定値の確定表示期間のタイミングの変形例を示すタイミングチャートである。なお、以下の図133の説明においては、図131と重複する説明は適宜省略する。
前述のように、時刻x12においてRAM初期化スイッチ112がオフにされた状態で遊技機10の電源が投入されると、遊技機状態が設定確認モードに切り替わる。本変形例の設定確認モードでは、表示装置41の表示画面には、例えば図134(せ’)で後述するようにこれまでの確率設定値の設定履歴が分かる設定確認中表示723が一覧表示され、設定確認中であることが分かる表示態様となる(設定確認中表示(設定履歴表示))。また、状態表示装置152には確定した設定値が表示され(確率設定値表示(確定値))、ランプ表示装置80及び装飾装置は全点滅を開始する。一括表示装置50は、消灯状態が維持される。なお、設定確認中表示は、設定履歴表示に限らず、設定確認中であることが分かる表示態様であればよく、例えば文字等によって設定確認中であることを表示してもよい。また、設定確認中表示とともに、音や音声によって設定確認中であることを報知してもよい。
その後、時刻x13で設定キースイッチ93がオフにされると、遊技機状態は設定確認モードから遊技可能状態になり、表示装置41の表示画面は、設定確認中表示(設定履歴表示)を終了し客待ちデモを開始する。時刻x13において遊技機状態が遊技可能状態にされたことに対応して、状態表示装置152には性能表示(役物比率表示や出玉率表示)が表示され、一括表示装置50には直前(電源遮断時)に表示した図柄(識別情報)が本特図として表示される(本特図表示(直前表示図柄))。また、ランプ表示装置80及び装飾装置は通常表示になる。
〔設定変更時の表示装置の表示画面例〕
図134は、第13実施形態に係る設定確認時(設定確認モード、設定確認状態)の表示装置41の表示画面の変形例を示す図である。
図134(せ’)に示すように、演出制御装置300は、確率設定確認中のコマンドを受信することで(A2508、B1327)、表示装置41の表示画面に設定確認中表示723を表示する。設定確認中表示723は、これまでの確率設定値の設定履歴を一覧できる表示であり、例えば図124(せ’)に示すように設定履歴の番号、日付、変更した設定内容等が一覧表示される。図122で説明したように、演出制御装置300は、設定変更終了時の設定値情報コマンドを受信(B5203の結果が「Y」)する毎に、設定値とその設定値が確定した設定変更日時(設定変更終了の日時)とを関連付けてFeRAM323に記憶する(B5204)。そのため、演出制御装置300は、設定値とその設定変更日時をFeRAM323から読み出すことによって、設定確認中表示723に確率設定値の設定履歴を一覧表示する。ランプ表示装置80及び装飾装置の上部演出ユニット40cは、設定確認モードの間、全点滅になる。
図134(そ’)では、設定確認後に遊技可能状態になったことに対応して、表示装置41の表示画面に客待ちデモ画面722が表示され、ランプ表示装置80及び上部演出ユニット40cが通常表示となる。
図134(た’)は、図125(す)及び図132(た)と同様に客待ちデモが終了し特図変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)が開始されたときの表示装置41の表示画面である。表示装置41の表示画面は客待ちデモ画面722が非表示になり、変動表示領域620で飾り第1図柄A〜Cが変動表示され、ランプ表示装置80や上部演出ユニット40cが特図変動表示ゲームに合わせて点灯又は点滅する演出態様となる。
なお、内部役物44a、44b等(図52A参照)の可動役物に、特図変動表示ゲームに関連する演出を表示可能な表示画面を設けてもよい。当該可動役物に表示画面を設けた場合には、表示装置41の表示画面に設定確認中表示723を表示するとともに、当該可動役物の表示画面を用いて設定確認中であることが分かる表示を行うことができる。また、当該可動役物の表示画面は、設定確認モード時に単色表示(例えば白表示)といった遊技可能状態とは異なる状態にされてもよい。さらに、表示装置41の表示画面を単色表示(例えば白表示)にして、当該可動役物の表示画面上で設定確認中表示723を行って設定履歴を表示させてもよい。このような態様にすることで、表示装置41の表示画面が図132(せ)に示すように設定確認中であることが分からない場合でも、当該可動役物の表示画面から設定確認中であることが容易に分かるようにできる。なお、設定確認モード時に限らず、設定変更モード時においても、可動役物の表示画面を遊技可能状態とは異なる表示態様にしてもよい。
[第13実施形態の作用・効果]
第13実施形態に係る遊技機10は、識別情報(識別図柄、本特図)を変動表示させる変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の表示結果が特別結果(大当り結果態様、大当り停止図柄、特別結果態様)となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な制御手段(遊技制御装置100)を備える。遊技機10は、遊技領域32に設けられ、遊技球が入賞可能な入賞領域(一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置39の大入賞口)と、遊技球が入賞領域に入賞すると、入賞領域ごとに定められた賞球数の賞球を払い出し可能な払出制御手段(払出制御装置200)と、遊技に関する表示を表示可能な第1表示装置(一括表示装置50)と、遊技条件に関する設定値(設定値、確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42、RAM初期化スイッチ112)と、設定値と、入賞により得られた賞球数に基づいて導出される性能情報(役物比率、直近の所定数の排出球数に対する出玉率、全体の出玉率、ベース値)と、を表示可能な第2表示装置(状態表示装置152)と、を備える。制御手段は、設定変更手段によって設定値が変更可能な設定変更状態(設定変更モード、設定可変状態)にされたことに対応して、第1表示装置の表示を所定の表示態様(例えば消灯表示、全点滅表示)にし、設定変更状態から設定変更手段によって設定値が変更不能な遊技可能状態にされたことに対応して、第2表示装置に確定した当該設定値を所定期間(所定時間、例えば2〜3sec)にわたり表示可能である。
このような遊技機10によれば、設定変更状態から設定値が変更不能な遊技可能状態に切り替えた際に、第2表示装置で確定した設定値を所定期間(所定時間)確認できるので、遊技場管理者の作業効率を向上させることができる。
また、第13実施形態に係る遊技機10では、制御手段(遊技制御装置100)は、設定変更状態(設定変更モード、設定可変状態)から遊技可能状態にされたことに対応して、第2表示装置(状態表示装置152)に確定した当該設定値を遊技に関する信号(例えば、普通変動入賞装置37、始動入賞口36又は一般入賞口35に入賞した遊技球を検出した際の検出信号、普図始動ゲート34を遊技球が通過したことを知らせる信号、前面枠開放検出スイッチ64の信号、操作ハンドル24のタッチスイッチ信号)が検出されるまで表示する。このような遊技機10によれば、遊技に関する信号が検出されたときに性能情報が表示されるので、遊技場管理者は設定変更後に直ぐに性能情報を確認することができる。
第13実施形態に係る遊技機10は、識別情報(識別図柄、本特図)を変動表示させる変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の表示結果が特別結果(大当り結果態様、大当り停止図柄、特別結果態様)となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な制御手段(遊技制御装置100)を備える。遊技機10は、遊技領域32に設けられ、遊技球が入賞可能な入賞領域(一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置39の大入賞口)と、遊技球が入賞領域に入賞すると、入賞領域ごとに定められた賞球数の賞球を払い出し可能な払出制御手段(払出制御装置200)と、遊技に関する表示を表示可能な第1表示装置(一括表示装置50)と、遊技条件に関する設定値(設定値、確率設定値)を確認可能な設定確認手段(設定キースイッチ92、RAM初期化スイッチ112)と、設定値と、入賞により得られた賞球数に基づいて導出される性能情報(役物比率、直近の所定数の排出球数に対する出玉率、全体の出玉率、ベース値)と、を表示可能な第2表示装置(状態表示装置152)と、を備える。制御手段は、設定確認手段によって設定値が確認可能な設定確認状態(設定確認モード)にされたことに対応して、第1表示装置の表示を所定の表示態様(例えば、全点灯表示、前回の特図変動表示ゲームの識別情報の停止図柄の表示)にし、設定確認状態から設定確認手段によって設定値が確認不能な遊技可能状態にされたことに対応して、第2表示装置に性能情報を表示可能である。
このような遊技機10によれば、設定確認状態から設定値が確認不能な遊技可能状態に切り替えた際に、第2表示装置に性能情報を直ちに表示させることができるので、遊技場管理者の作業効率を向上させることができる。
また、第13実施形態に係る遊技機10は、設定変更状態(設定変更モード、設定可変状態)にされたときに設定値(設定値、確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42、RAM初期化スイッチ112)をさらに備える。制御手段(遊技制御装置100)は、設定確認状態にされたことに対応して、第1表示装置(一括表示装置50)の表示を設定変更状態にされたときの表示(確率設定値表示)、又は遊技に関する表示とは異なる態様(例えば、全点灯表示)にする。このような遊技機10によれば、第1表示装置の表示態様が設定確認状態と設定変更状態とで異なる表示態様となるので、遊技場管理者は、設定確認状態と設定変更状態とを容易に見分けることができ作業効率を向上させることができる。
また、第13実施形態に係る遊技機10は、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に関連する演出を表示可能な第3表示装置(表示装置41)と、第3表示装置における演出の表示を制御可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。演出制御手段は、設定確認状態(設定確認モード)にされたことに対応して、第3表示装置に設定変更の履歴を表示する。このような遊技機10によれば、第1表示装置(一括表示装置50)が設定確認状態であることが分かる表示態様となっていない場合でも、遊技場管理者は、第3表示装置から設定確認状態であることが分かり、設定履歴を確認することができる。
制御手段(遊技制御装置100)は、設定確認状態(設定確認モード)にされたことに対応して、第1表示装置(一括表示装置50)の表示態様を直前の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の表示結果(停止図柄、識別情報)を表示した態様にする。このような遊技機10によれば、第1表示装置の表示態様が設定確認状態と設定変更状態とで異なる表示態様となるので、遊技場管理者は、設定確認状態と設定変更状態とを容易に見分けることができ作業効率を向上させることができる。また、設定確認状態で専用の表示態様を第1表示装置に行わせる必要がないので、その分の処理負担やデータ量を抑制することができる。
制御手段(遊技制御装置100)は、設定確認状態(設定確認モード)から遊技可能状態にされたことに対応して、第2表示装置(状態表示装置152)に性能情報(役物比率、直近の所定数の排出球数に対する出玉率、全体の出玉率、ベース値)を直ちに表示する。このような遊技機10によれば、遊技場管理者は、設定確認状態から遊技可能状態にすることで直ぐに性能情報を確認できるので、作業効率を向上させることができる。
制御手段(遊技制御装置100)は、設定確認状態(設定確認モード)から遊技可能状態にされたことに対応して、第2表示装置(状態表示装置152)の表示を設定確認状態にされたときの表示(確率設定値表示)、又は性能情報(役物比率、直近の所定数の排出球数に対する出玉率、全体の出玉率、ベース値)の表示とは異なる態様にし、第2表示装置の表示を異なる態様にした後、第2表示装置に性能情報を表示する。このような遊技機10によれば、遊技可能状態になった直後に、これらの表示とは異なる態様の表示が第2表示装置に表示されるので、遊技場管理者は、遊技可能状態に切り替わったことをより確実に把握しやすくなる。
[第14実施形態]
図135は、第14実施形態の遊技機10における確率設定値の表示態様を表す模式図である。本実施形態は、第13実施形態に係る確率設定値の変更中及び変更後の表示の変形例となっている。したがって、本実施形態における確率設定値の変更する際の操作、及び確率設定値を確認する際の操作は、それぞれ第13実施形態と同様である。
本実施形態では、状態表示装置152の桁(0)(表示器900−0)、桁(1)(表示器900−1)、桁(2)(表示器900−2)、桁(3)(表示器900−3)用いて(図71参照)、後述のように、設定変更前(設定確認中)、設定変更中、設定変更後の確率設定値の表示を行う。
本実施形態では、図119等に示すRAM初期化スイッチ112(記憶消去手段)及び設定キースイッチ93(スイッチ、設定変更手段)をオン状態(第1状態)にして遊技機10に電源投入することで設定可変状態になる(図120参照)。このとき、遊技制御装置100を構成する遊技用マイコン111は、RAM111cの作業用確率設定値領域に記憶されている作業用確率設定値(暫定値であって0から5のいずれか)に対応するキャラクタコード(ドットデータ(Dp=1)を含む)を抽出する。そして、遊技用マイコン111は、当該キャラクタコードと8ビットラッチ167aのアドレス(例えば22H(16進数表現))と、を含む第1表示用データを生成して確率設定値表示データ領域に記憶する(図121、A2409)。これにより、第1表示用データ(ドットデータ(Dp=1)を含む)を包含するコマンドが状態表示装置152のドライバ150(153)に送信される。なお、状態表示装置152のドライバ150(153)への送信は、LEDデータ送信処理(図70のA16001)で、役物比率表示データを送信する場合と同様に実行できる。
次に、設定値変更スイッチ102(設定変更手段)の押下により設定値変更スイッチ102から信号が入力されると、遊技用マイコン111は、作業用確率設定値領域の値を更新(0〜5)し(図121、A2408)、更新後の作業用確率設定値の情報に対応するキャラクタコード(ドットデータ(Dp=1)を含む)抽出し、更新後のキャラクタコードと8ビットラッチ167aのアドレスと、を含む第1表示用データを生成して確率設定値表示データ領域に記憶する(図121、A2409)。これにより、更新後の第1表示用データ(ドットデータ(Dp=1)を含む)を包含するコマンドが状態表示装置152のドライバ150に送信される。
そして、設定キースイッチ93をオフ状態(第2状態)にすると、遊技用マイコン111は、作業用確率設定値領域に記憶されている作業用確率設定値の情報を設定変更後の確率設定値(確定値)として確率設定値領域に記憶(上書き)する(図121、A2412)。そして、遊技用マイコン111は、確率設定値領域に記憶された設定変更後の確率設定値に対応するキャラクタコード(ドットデータ(Dp=0)を含む)と、8ビットラッチ167aのアドレス(例えば22H(16進数表現))と、を含む第2表示用データを生成して確率設定値表示データ領域に記憶する(図121、A2409)。これにより、第2表示用データ(ドットデータ(Dp=0)を含む)を包含するコマンドが状態表示装置152のドライバ150に送信される。
或いは、設定キースイッチ93をオフにすると、遊技用マイコン111は、作業用確率設定値領域に記憶されている作業用確率設定値の情報に対応するキャラクタコード(ドットデータ(Dp=0)を含む)と、8ビットラッチ167aのアドレスと、を含む第2表示用データを生成して確率設定値表示データ領域に記憶することで、第2表示用データ(ドットデータ(Dp=0)を含む)を包含するコマンドを状態表示装置152のドライバ150に送信することもできる。
図135では、確率設定値を1から6に変更する場合について記載している。図135に示すように、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112をオン状態にして電源投入すると、遊技用マイコン111は、8ビットラッチ167aのアドレスと、キャラクタコード(例えば、X1000001B:「1」を表すとともに、ドットデータ(Dp=1)を含む)と、を含む第1表示用データを状態表示装置152のドライバ150に送信する。これにより、状態表示装置152の(桁0)に「1」が変更中の値として表示されるとともにドットが点灯する。
次に、設定値変更スイッチ102を押下していくと、設定値変更スイッチ102から入力される確率設定値(作業用確率設定値)の情報が「2」、「3」、・・・「6」と更新され、その都度第1表示用データは更新されて状態表示装置152の(桁0)に向けて送信される。よって、状態表示装置152の(桁0)において、「2」、「3」、・・・「6」と変更中の確率設定値として更新されつつ表示される一方、ドットの点灯は維持される。
そして、設定キースイッチ93をオフ状態(第2状態)にすると、遊技用マイコン111は、8ビットラッチ167aのアドレスと、確率設定値領域に記憶された確率設定値等に対応するキャラクタコード(例えば、X0000110B:「6」を表すとともに、ドットデータ(Dp=0)を含む)と、を含む第2表示用データを生成して状態表示装置152のドライバ150に送信する。よって、状態表示装置152の(桁0)において、「6」が設定変更後の確率設定値として表示される一方、ドットは消灯する。そして「6」の表示は、例えば、始動入賞口36等に遊技球が入賞するまで維持される。
このように、ドットデータ(Dp=1)(付加情報)の有無により、表示されている確率設定値が設定変更中の値(暫定値)であるか設定変更後の値(確定値)であるかを容易に識別することができる。
ここで、第1表示用データに係る設定変更中の確率設定値、及び/若しくは、ドットは点滅表示させることが可能である。ドットを点滅させる場合は、例えば、遊技用マイコン111が、8ビットラッチ167aのアドレスと、作業用確率設定値の情報に対応するキャラクタコード(ドットデータ(Dp=1)含む)と、を含む第1表示用データ(Dp=1)と、8ビットラッチ167aのアドレスと、作業用確率設定値の情報に対応するキャラクタコード(ドットデータ(Dp=0))と、を含む第1表示用データ(Dp=0)と、を確率設定値表示データ領域に交互に上書きすることで、第1表示用データ(Dp=1)と第1表示用データ(Dp=0)所定の時間間隔で交互に送信すればよい。
また、設定変更中の確率設定値及びドットを点滅させる場合は、例えば、遊技用マイコン111が、8ビットラッチ167aのアドレスと、作業用確率設定値の情報に対応するキャラクタコード(ドットデータ(Dp=1)を含む)と、を含む第1表示用データ(点灯)と、8ビットラッチ167aのアドレスと、無点灯に係るキャラクタコード「X0010000B」と、を含む第1表示用データ(無点灯)と、を上記同様に所定の時間間隔で交互に送信すればよい。これにより、8ビットラッチ167aには、第1表示用データ(設定値表示点灯)と第1表示用データ(無点灯)が交互に上書きされる。
なお、確率設定値を点滅させる場合は、ドットの点灯を省略してもよく、この場合、遊技用マイコン111は、例えば、8ビットラッチ167aのアドレスと、作業用確率設定値の情報に対応するキャラクタコード(ドットデータ(Dp=0)を含む)と、を含む第1表示用データと、8ビットラッチ167aのアドレスと、上記の無点灯に係るキャラクタコードと、を含む第1表示用データと、を上記同様に所定の時間間隔で交互に送信すればよい。
なお、本実施形態では、第1表示用データと第2表示用データとで表示態様が互いに異なることが特徴である。よって、ドットの有無、確率設定値の点滅の有無以外に、点灯する光の強度を第1表示用データと第2表示用データの間で互いに異ならせるように構成してもよい。また、状態表示装置152の発光部材(LED)が互い異なる複数の発光色を有する場合、第1表示用データと第2表示用データの間で互いに異なる色で発光させるように構成してもよい。
[第14実施形態の作用・効果]
本実施形態に係る遊技機10は、始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)を備え、変動表示ゲームの停止結果が特別結果となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる。遊技機10は、遊技に関する設定に応じた設定値(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)と、発光部材(LED等)を発光させることによって設定値に関する情報を表示可能な表示部(状態表示装置152)と、を備える。設定変更手段(設定変更装置42)は、設定値(確率設定値)の変更が可能である設定可変状態に移行させるためのスイッチ(設定キースイッチ93)を備え、スイッチ(設定キースイッチ93)は、設定可変状態への移行を許容する第1状態(オン状態)と、設定可変状態を終了させる第2状態(オフ状態)と、に状態を変換可能である。遊技制御手段(遊技制御装置100)は、設定値(確率設定値)、及びスイッチ(設定キースイッチ93)の状態に基づいて表示用データを生成して表示部(状態表示装置152)に表示させる。表示用データは、スイッチ(設定キースイッチ93)が第1状態である場合に生成される第1表示用データ(設定変更中の確率設定値)と、スイッチ(設定キースイッチ93)が第2状態である場合に生成され第1表示用データとは表示態様が互いに異なる第2表示用データ(設定変更後の確率設定値)と、を含む。
上記構成により、表示されている設定値(確率設定値)が、確定したものであるのか未確定のものであるのかを容易に識別することができる。
また、表示部(状態表示装置152)は、設定値(確率設定値)と、設定値(確率設定値)とは異なる付加情報(Dp=1)を表示可能であり、第1表示用データは、付加情報(Dp=1)を包含することを特徴とする。
これにより、付加情報の表示(ドットの点灯)の有無により設定値(確率設定値)が、確定したものであるのか未確定のものであるのかを容易に識別することができる。
また、付加情報(ドットデータ)は、点滅表示されることを特徴とする。これにより、設定変更中の確率設定値の識別性をドットの点滅により高めることができる。
また、第1表示用データに係る設定値(確率設定値)は、点滅表示されることを特徴とする。これにより、設定変更中の確率設定値の識別性を確率設定値の点滅により高めることができる。
[第14実施形態の第1変形例]
図136は、第14実施形態の遊技機10における確率設定値の表示態様の第1変形例を表す模式図である。第1変形例では、第1表示用データを表示する際、及び第2表示用データを表示する際に、状態表示装置152の(桁1)、(桁2)、(桁3)も点灯させる。
すなわち、遊技用マイコン111は、第1表示用データが表示する確率設定値が設定変更中であることを示唆する第3表示用データ(例えば「P−−」)を生成してこれを確率設定値表示データ領域(他の表示データ領域でもよい)に記憶することで、第1表示用データ及び第3表示用データを状態表示装置152のドライバ150に送信する。
また、遊技用マイコン111は、第2表示用データが表示する確率設定値が設定変更後であることを示唆する第4表示用データ(例えば「C−−」)を生成してこれを確率設定値表示データ領域(他の表示データ領域でもよい)に記憶することで、第2表示用データ及び第4表示用データを状態表示装置152のドライバ150に送信する。
第3表示用データ及び第4表示用データは、ROM111b、又はRAM111cであってRAM初期化スイッチ112により初期化されない領域に記憶されている。
第3表示用データは、状態表示装置152の(桁1)(表示器900−1)に向けて送信する第3表示用データ(桁1)と、状態表示装置152の(桁2)(表示器900−2)に向けて送信する第3表示用データ(桁2)と、状態表示装置152の(桁3)(表示器900−3)に向けて送信する第3表示用データ(桁3)と、を含む。
第3表示用データ(桁1)は、8ビットラッチ167bのアドレス(例えば23H(16進数表現))と、キャラクタコード(例えば「X0011010B」(−))と、を含むものである。
第3表示用データ(桁2)は、8ビットラッチ167cのアドレス(例えば24H(16進数表現))と、キャラクタコード(例えば「X0011010B」(−))と、を含むものである。
第3表示用データ(桁3)は、8ビットラッチ167dのアドレス(例えば25H(16進数表現))と、キャラクタコード(例えば「X0010100B」(P))と、を含むものである。
第4表示用データは、状態表示装置152の(桁1)に向けて送信する第4表示用データ(桁1)と、状態表示装置152の(桁2)に向けて送信する第4表示用データ(桁2)と、状態表示装置152の(桁3)に向けて送信する第4表示用データ(桁3)と、を含む。
第4表示用データ(桁1)は、8ビットラッチ167bのアドレス(例えば23H(16進数表現))と、キャラクタコード(例えば「X0011010B」(−))と、を含むものである。
第4表示用データ(桁2)は、8ビットラッチ167cのアドレス(例えば24H(16進数表現))と、キャラクタコード(例えば「X0011010B」(−))と、を含むものである。
第4表示用データ(桁3)は、8ビットラッチ167dのアドレス(例えば25H(16進数表現))と、キャラクタコード(例えば「X0001100B」(C))と、を含むものである。
図136に示すように、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112をオン状態にして遊技機10に電源投入すると、上記同様に第1表示用データ(設定変更中の確率設定値)が状態表示装置152の(桁0)に表示されるとともに、第3表示用データ(桁1)(−)が状態表示装置152の(桁1)に表示され、第3表示用データ(桁2)(−)が状態表示装置152の(桁2)に表示され、第3表示用データ(桁3)(P)が状態表示装置152の(桁3)に表示される。
図136ではドットが点灯しているが、第3表示用データの存在により、状態表示装置152の(桁0)に表示されている確率設定値が設定変更中のものであることが識別できるので、ドットの点灯は省略してもよい。
設定値変更スイッチ102を押下していくと、遊技用マイコン111から送信される確率設定値(作業用確率設定値)の情報が「2」、「3」、・・・「6」と更新され、その都度第1表示用データは更新されて状態表示装置152の(桁0)に表示されるが、状態表示装置152の(桁1)、(桁2)、(桁3)表示は変化しない。
そして、設定キースイッチ93をオフにすると、上記同様に第2表示用データが状態表示装置152の(桁0)に表示されるとともに、第4表示用データ(桁1)(−)が状態表示装置152の(桁1)に表示され、第4表示用データ(桁2)(−)が状態表示装置152の(桁2)に表示され、第4表示用データ(桁3)(C)が状態表示装置152の(桁3)に表示される。
このように、設定変更中(P−−)と設定変更後(C−−)で互いに異なる文字が表示されるので、現在表示されている値が設定変更中のものであるか設定変更後のものであるか容易に識別することができる。
[第14実施形態の第1変形例の作用・効果]
第1変形例において、表示部(状態表示装置152)は、複数桁(桁3、桁2、桁1、桁0)表示可能とされる。表示用データは、第1表示用データにより表示される設定値(確率設定値)が設定変更中であることを示唆するとともに表示部(状態表示装置152)において第1表示用データとは互いに異なる桁に表示される第3表示用データ(P−−)を含む。これにより、表示されている確率設定値が設定変更中のものであることが容易に識別できる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、第2表示用データを、第1表示用データを表示した桁(桁0)に向けて送信し、表示用データは、第2表示用データにより表示される設定値(確率設定値)が設定変更後のものであることを示唆するとともに表示部(状態表示装置152)において第2表示用データとは互いに異なる桁に表示される第4表示用データ(C−−)を含む。これにより、表示されている確率設定値が設定変更後のものであることが容易に識別できる。また、第2表示用データを第1表示用データと同じ桁に表示するので、設定変更中から設定変更後への変化を、視点を変えることなく識別することができる。
[第14実施形態の第2変形例]
図137は、第14実施形態の遊技機10における確率設定値の表示態様の第2変形例であって、設定変更時の確率設定値の表示態様と、設定確認時の確率設定値の表示態様と、を比較した模式図である。
第2変形例では、図119等に示すRAM初期化スイッチ112をオフ状態にして且つ設定キースイッチ93をオン状態にして電源投入することで設定確認状態(設定確認モード)となる(図120参照)。このとき、上記の第1表示用データ及び第2表示用データの生成は禁止される。ただし、表示されている確率設定値が設定変更中のものであるか、設定確認中のものであるかが容易に識別できるようになっている。
遊技用マイコン111は、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている確率設定値の情報に対応するキャラクタコード(ドットデータ(Dp=0)を含む)を抽出する。そして、遊技用マイコン111は、当該キャラクタコードと8ビットラッチ167aのアドレス(例えば22H(16進数表現))と、を含む第5表示用データを確率設定値表示データ領域に記憶することで、第5表示用データを包含するコマンドを状態表示装置152のドライバ150に送信する。
そして、設定キースイッチ93をオフにすると、例えば、第5表示用データの表示が終了するか、又は、始動入賞口36等に遊技球が入賞するまで第5表示用データの表示が維持される。
図137(A)に示すように、第5表示用データは、第1表示用データ(設定変更中の表示)と同様に状態表示装置152の(桁0)に表示されるが、ドットデータ(1)を有しないので、ドットは点灯しない。また、このとき、設定値変更スイッチ102を押下しても状態表示装置152における表示内容に変化はない。
また、遊技用マイコン111は、第5表示用データにより状態表示装置152に表示されている確率設定値が設定確認中のもの(設定可変状態へと移行する前のもの)であることを示唆する第6表示用データを生成して、状態表示装置152のドライバ150に送信することができる。第6表示用データは、例えばROM111b、又はRAM111cであってRAM初期化スイッチ112により初期化されない領域に記憶され、第4表示用データと同様に状態表示装置152の(桁1)、(桁2)、(桁3)において表示される。これにより、図137(B)に示すように、第6表示用データは、第4表示用データと同様の表示(C−−)とすることができるが、第4表示用データと異なる表示も可能である。
或いは、遊技用マイコン111は、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている確率設定値の情報に対応するキャラクタコード(ドットデータ(Dp=0)を含む)を抽出する。そして、遊技用マイコン111は、当該キャラクタコードと8ビットラッチ167d(又は8ビットラッチ167b、8ビットラッチ167c)のアドレス(例えば25H(16進数表現))と、を含む第5表示用データを確率設定値表示データ領域に記憶する。これにより、第5表示用データを包含するコマンドが状態表示装置152のドライバ150に送信される。したがって、図137(C)に示すように、設定変更中の確率設定値が表示される桁(桁0)と、設定確認中の確率設定値が表示される桁(桁3、又は桁1,桁2)が互いに異なるようにすることも可能である。
[第14実施形態の第2変形例の作用・効果]
第2変形例において、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、設定可変状態へと移行する前の設定値(確率設定値)の情報が記憶された記憶手段(RAM111c)と、記憶手段(RAM111c)において設定値(確率設定値)の情報と異なる情報を消去する記憶消去手段(RAM初期化スイッチ112)と、を備える。遊技制御手段(遊技制御装置100)は、スイッチ(設定キースイッチ93)が第1状態であって記憶消去手段(RAM初期化スイッチ112)がオン状態で遊技機10に電源投入されることで第1表示用データを生成し(設定変更モード)、スイッチ(設定キースイッチ93)が第1状態であって記憶消去手段(RAM初期化スイッチ112)がオフ状態で遊技機10に電源投入されることで第1表示用データ及び第2表示用データの生成を禁止(設定確認モード)する。そして、表示用データは、第1表示用データ及び第2表示用データの生成が禁止されたことを条件とし、設定可変状態へと移行する前の設定値(確率設定値)の情報に基づいて生成される第5表示用データを含むことを特徴とする。
これにより、確率設定値の設定変更を禁止した状態で確率設定値が表示されるので、設定値変更スイッチ102に触れることで不意に確率設定値を変更させてしまうエラーを回避することができる。
また、表示部(状態表示装置152)は、複数桁表示可能とされ、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、第5表示用データを第1表示用データとは異なる桁に表示する。これにより、表示位置の違いにより設定変更中であるか設定確認中であるかを容易に識別することができる。
また表示部(状態表示装置152)は、複数桁表示可能とされ、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、第5表示用データを第1表示用データと同じ桁に表示する。表示用データは、第5表示用データにより表示される設定値(確率設定値)が設定可変状態へと移行する前のものであることを示唆するとともに表示部(状態表示装置152)において第5表示用データとは互いに異なる桁に表示される第6表示用データ(C−−)を含む。これにより、表示されている確率設定値が設定確認中のものであることを容易に判断することができる。
[第14実施形態の第3変形例]
図138は、第14実施形態の遊技機10における確率設定値の表示態様の第3変形例を表す模式図である。第3変形例では、設定変更中において、設定変更中の確率設定値(暫定値)と、設定変更前(設定可変状態へと移行する前)の確率設定値(確定値)が同時に表示され、設定変更後において設定変更後の確率設定値(確定値)と、設定変更前の確率設定値(確定値)が同時に表示される。
本実施形態では、図119等に示すRAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ93をオン状態(第1状態)にして電源投入することで設定可変状態になる。このとき、遊技用マイコン111は、第1点灯用データ(第1表示用データと同じ)と、図137(C)に示す第2点灯用データ(第5表示用データと同じ)を同時に生成する。また、設定キースイッチ93をオフ状態にすることで、遊技用マイコン111は第4点灯用データ(第2表示用データと同じ)を生成する。
また、遊技用マイコン111は、第1点灯用データ(桁0)及び第2点灯用データ(桁3)を生成するとともに、第3点灯用データを生成して状態表示装置152のドライバ150に送信することもできるが、これは省略することも可能である。
第3変形例では、第2点灯用データ(桁3)の代わりに、第2点灯用データ(桁0)を生成し、これを第1点灯用データ(桁0)とは互いに異なるタイミング(交互)で状態表示装置152に表示するようにし、状態表示装置152(桁0)のみ(他の桁でもよい)で設定変更中の確率設定値と、設定変更前の確率設定値を交互に表示するようにしてもよい。ここで、設定変更中の確率設定値と設定変更前の確率設定値との間の切替周期は所定周期(例えば2秒)に設定され、設定変更中の確率設定値の表示時間(例えば1秒)と、設定変更前の確率設定値の表示時間(例えば1秒)は同じに設定される。また、確率設定値の表示時間及び設定変更前の確率設定値のうちの一方の表示時間を長くし、他方の表示時間を短くするようにしてもよい。さらに、設定変更中の確率設定値と設定変更前の確率設定値との区別を容易にするため、第1点灯用データはドットデータ(Dp=1)を包含するように構成することが好ましい。
第3点灯用データは、設定変更において、確率設定値を、第2点灯用データにより表示される設定変更前の確率設定値から第4点灯用データ(第1点灯用データ)により表示される確率設定値に変更することを示唆するものであり、第3点灯用データ(桁1)(中間桁)と、第3点灯用データ(桁2)(中間桁)を含む。
第3点灯用データ(桁1)は、8ビットラッチ167bのアドレス(例えば23H(16進数表現))と、キャラクタコード(例えば「X0011010B」(−))と、を含むものである。
第3点灯用データ(桁2)は、8ビットラッチ167cのアドレス(例えば24H(16進数表現))と、キャラクタコード(例えば「X0011010B」(−))と、を含むものである。
なお、第3点灯用データ(桁1、桁2)のキャラクタコードとしては、「X0011110B」(「T」を右に90度回転させたもの、左向きの矢印を模したもの)を用いることも好適である。
図138に示すように、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112をオン状態にして電源投入すると、上記同様に第1点灯用データ(設定変更中の確率設定値)が状態表示装置152の(桁0)に表示されるとともにドットが点灯する。また、第3点灯用データ(桁1)(−)が状態表示装置152の(桁1)に表示され、第3点灯用データ(桁2)(−)が状態表示装置152の(桁2)に表示され、第2点灯用データ(設定変更前の確率設定値)が状態表示装置152の(桁3)に表示される。
設定値変更スイッチ102を押下していくと、設定値変更スイッチ102から入力される確率設定値の情報が「2」、「3」、・・・「6」と更新され、その都度第1点灯用データは更新されて状態表示装置152の(桁0)に向けて送信されるが、状態表示装置152の(桁1)、(桁2)、(桁3)の表示は変化しない。
そして、設定キースイッチ93をオフにすると、上記同様に第4点灯用データ(設定変更後の確率設定値)が状態表示装置152の(桁0)に表示されるとともにドットが消灯する。また、第3点灯用データ(桁1)、第3点灯用データ(桁2)、第2点灯用データ(桁3)(設定変更前の確率設定値)の表示が維持される。この表示は、例えば、始動入賞口36等に遊技球が入賞するまで維持される。
このように、設定変更前の確率設定値と、設定変更中(及び設定変更後)の確率設定値と、が同時に表示されるので、確率設定値の設定ミスを低減することができる。
[第14実施形態の第3変形例の作用・効果]
第3変形例に係る遊技機10は、始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)を備え、変動表示ゲームの停止結果が特別結果となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる。遊技機10は、遊技に関する設定に応じた設定値(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)と、発光部材(LED等)を発光させることによって設定値(確率設定値)に関する情報を表示可能な表示部(状態表示装置152)と、を備える。設定変更手段(設定変更装置42)は、設定値(確率設定値)の変更が可能である設定可変状態に移行させるためのスイッチ(設定キースイッチ93)を備え、スイッチ(設定キースイッチ93)は、設定可変状態への移行を許容する第1状態と、設定可変状態を終了させる第2状態と、に状態を変換可能である。遊技制御手段(遊技制御装置100)は、設定可変状態へと移行する前の設定値(確率設定値)の情報が記憶された記憶手段(RAM111c)を備えるとともに、設定値(確率設定値)、及びスイッチ(設定キースイッチ93)の状態に基づいて点灯用データを生成して表示部(状態表示装置152)に向けて送信可能とされる。表示部(状態表示装置152)は、複数桁表示可能であるとともに、各桁が点灯用データにより表示可能とされる。点灯用データは、スイッチ(設定キースイッチ93)が第1状態である場合に生成される第1点灯用データ(設定変更中の確率設定値)と、スイッチ(設定キースイッチ93)が第1状態である場合に設定可変状態へと移行する前の設定値(確率設定値)に基づいて生成され、第1点灯用データとは互いに異なる桁に表示される第2点灯用データ(設定変更前の確率設定値)と、を含む。
これにより、表示部(状態表示装置152)において設定変更中の設定値(確率設定値)と設定変更前の設定値(確率設定値)が同時に表示されるので、設定変更前の設定値(確率設定値)を把握した上で設定値(確率設定値)の設定変更を確実に行うことができる。
第3変形例において、表示部(状態表示装置152)は、第1点灯用データを表示する桁(桁0)と、第2点灯用データを表示する桁(桁3)の間に中間桁(桁1、桁2)を有し、点灯用データは、中間桁に表示される第3点灯用データ(−−)を含む。従って、第3点灯用データによって、設定変更中において、第2点灯用データにより表示される確率設定値から、第4点灯用データ(又は第1点灯用データ)により表示される確率設定値に設定変更することを示唆することができる。
第3変形例において、点灯用データは、スイッチ(設定キースイッチ93)が第2状態となったときに生成される第4点灯用データを含み、第4点灯用データは、第1点灯用データと同じ桁(桁0)に表示される。これにより、設定変更中の確率設定値と設定変更後の確率設定値を、視点を変えることなく視認することができる。
また、第3変形例に係る遊技機10は、始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)を備え、変動表示ゲームの停止結果が特別結果となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる。遊技機10は、遊技に関する設定に応じた設定値(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)と、発光部材(LED等)を発光させることによって設定値(確率設定値)に関する情報を表示可能な表示部(状態表示装置152)と、を備える。設定変更手段(設定変更装置42)は、設定値(確率設定値)の変更が可能である設定可変状態に移行させるためのスイッチ(設定キースイッチ93)を備え、スイッチ(設定キースイッチ93)は、設定可変状態への移行を許容する第1状態と、設定可変状態を終了させる第2状態と、に状態を変換可能である。遊技制御手段(遊技制御装置100)は、設定可変状態へと移行する前の設定値(確率設定値)の情報が記憶された記憶手段(RAM111c)を備えるとともに、設定値(確率設定値)、及びスイッチ(設定キースイッチ93)の状態に基づいて点灯用データを生成して表示部(状態表示装置152)に向けて送信可能とされる。表示部(状態表示装置152)は、点灯用データにより表示可能とされる。点灯用データは、スイッチ(設定キースイッチ93)が第1状態である場合に生成される第1点灯用データ(設定変更中の確率設定値)と、スイッチ(設定キースイッチ93)が第1状態である場合に設定可変状態へと移行する前の設定値(確率設定値)に基づいて生成され、第1点灯用データとは互いに異なるタイミングで表示される第2点灯用データ(設定変更前の確率設定値)と、を含む。
これにより、表示部(状態表示装置152)において設定変更中の設定値(確率設定値)と設定変更前の設定値(確率設定値)が交互に表示されるので、設定変更前の設定値(確率設定値)を把握した上で設定値(確率設定値)の設定変更を確実に行うことができる。
[第14実施形態の第4変形例]
図139は、第14実施形態の遊技機10における確率設定値の表示態様の第4変形例を表す模式図である。第4変形例は、図138に示す設定変更後からの表示態様について表しており、図139において時間経過とともに(A)、(B)、(C)と変化することで、確率設定値(確定値)が更新されることを示唆する表示となる。
第4変形例において、第4点灯用データは、初め、8ビットラッチ167aのアドレスと、設定キースイッチ93をオフ状態にしたときの作業用確率設定値の情報に対応するキャラクタコード(例えば「X0000110B」(6))と、により生成される。
設定キースイッチ93をオフ状態にしてから所定時間経過後、遊技用マイコン111は、8ビットラッチ167b(桁1)のアドレスと、当該キャラクタコードにより第4点灯用データを生成して確率設定値表示データ領域に記憶(上書き)し、更に、8ビットラッチ167aのアドレスと、無点灯に係るキャラクタコード「X0010000B」と、により無点灯に係る点灯用データを生成して、確率設定値表示データ領域に記憶(上書き)する。
これにより、第2点灯用データ(桁3)(設定変更前の確率設定値)、第3点灯用データ(桁2)、第4点灯用データ(桁1)(設定変更後の確率設定値)、無点灯の点灯用データ(桁0)が状態表示装置152のドライバ150に送信される。よって、8ビットラッチ167bには、設定変更後の確率設定値(6)に係るキャラクタコードが上書きされ、8ビットラッチ167aには無点灯に係るキャラクタコードが上書きされる。
したがって、図139(A)に示すように、状態表示装置152の(桁3)及び(桁2)の表示は維持される一方、状態表示装置152の(桁1)には設定変更後の確率設定値(6)が表示され、状態表示装置152の(桁0)は消灯する。
その所定時間後、遊技用マイコン111は、8ビットラッチ167c(桁2)のアドレスと、前記キャラクタコードにより第4点灯用データを生成して確率設定値表示データ領域に記憶(上書き)し、更に、8ビットラッチ167bのアドレスと、無点灯に係るキャラクタコードにより無点灯に係る点灯用データを生成して、確率設定値表示データ領域に記憶(上書き)する。これにより、第2点灯用データ(桁3)(設定変更前の確率設定値)、第4点灯用データ(桁2)(設定変更後の確率設定値)、無点灯の点灯用データ(桁1)、無点灯の点灯用データ(桁0)が状態表示装置152のドライバ150に送信される。よって、8ビットラッチ167cには設定変更後の確率設定値に係るキャラクタコードが上書きされ、8ビットラッチ167bには無点灯を表すキャラクタコードが上書きされる。
したがって、図139(B)に示すように、状態表示装置152の(桁3)の表示は維持される一方、状態表示装置152の(桁2)には設定変更後の確率設定値(6)が表示され、状態表示装置152の(桁0)及び(桁1)は消灯する。
更にその所定時間後、遊技用マイコン111は、8ビットラッチ167d(桁3)のアドレスと、前記キャラクタコードにより第4点灯用データを生成して確率設定値表示データ領域に記憶(上書き)し、更に、8ビットラッチ167cのアドレスと、無点灯に係るキャラクタコードにより無点灯の点灯用データを生成して、確率設定値表示データ領域に記憶(上書き)する。これにより、第4点灯用データ(桁3)、無点灯の点灯用データ(桁2)、無点灯の点灯用データ(桁1)、無点灯の点灯用データ(桁0)が状態表示装置152のドライバ150に送信される。そして、8ビットラッチ167dには設定変更後の確率設定値に係るキャラクタコードが上書きされ、8ビットラッチ167cには無点灯に係るキャラクタコードが上書きされる。
これにより、図139(C)に示すように、状態表示装置152の(桁3)には設定変更後の確率設定値(6)が表示され、状態表示装置152の(桁0)、(桁1)、(桁2)は消灯する。
第4変形例においては、図139(C)の表示になったときに、確率設定値表示データ領域に記憶された作業用確率設定値を設定変更後の確率設定値として確率設定値領域に記憶(上書き)する。あるいは、図139(C)の表示以前の段階であっても、例えば、始動入賞口36等に遊技球が入賞することで、確率設定値表示データ領域に記憶された作業用確率設定値を設定変更後の確率設定値として確率設定値領域に記憶(上書き)する。
[第14実施形態の第4変形例の作用・効果]
第4変形例において、点灯用データは、スイッチ(設定キースイッチ93)が第2状態となったときに生成される第4点灯用データを含み、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、第4点灯用データを、第1点灯用データを表示した桁(桁0)、中間桁(桁1)、中間桁(桁2)、第2点灯用データを表示した桁(桁3)の順に移動するように表示部(状態表示装置152)に向けて送信する。
これにより、設定変更により、確率設定値が、設定変更前の確率設定値から設定変更後の確率設定値に更新される(上書きされる)ことが視覚的に把握することができる。
[第14実施形態の第5変形例]
図140は、第14実施形態の遊技機10における確率設定値の表示態様の第5変形例を表す模式図である。第5変形例は、第4変形例と同様に、図138に示す設定変更後からの表示態様について表しており、図139において時間経過とともに(A)、(B)と変化することで、確率設定値(確定値)が更新されたことを示唆する表示となる。
第5変形例において、遊技用マイコン111は、第4点灯用データが表示する確率設定値が設定変更後の確率設定値であることを示唆する第5点灯用データ(AFt)を生成する。
第5点灯用データは、第5点灯用データ(桁3)、第5点灯用データ(桁2)、第5点灯用データ(桁1)を含み、これらはROM111b、又はRAM111cであってRAM初期化スイッチ112により初期化されない領域に記憶されている。
第5点灯用データ(桁3)は、例えば、8ビットラッチ167dのアドレスと、キャラクタコード(「X0001010B」(A))と、を含むものである。
第5点灯用データ(桁2)は、例えば、8ビットラッチ167cのアドレスと、キャラクタコード(「X0001111B」(F))と、を含むものである。
第5点灯用データ(桁1)は、例えば、8ビットラッチ167bのアドレスと、キャラクタコード(「X0011100B」(t))と、を含むものである。なお、図72と異なり、キャラクタコード「X0011100B」は、キャラクタ「t」に対応するものとする。
遊技用マイコン111は、設定キースイッチ93をオフ状態(第2状態)にすると、8ビットラッチ167aのアドレスと、確率設定値領域に記憶されている確率設定値の情報に対応するキャラクタコード(例えば「X0000001B」(1))により設定変更前の確率設定値を表す第6点灯用データを生成する。
また、遊技用マイコン111は、状態表示装置152の(桁3)、(桁2)、(桁1)を用いて、第6点灯用データが表示する確率設定値が設定変更前のものであることを示唆する第7点灯用データ(bEf)を生成する。
第7点灯用データは、第7点灯用データ(桁3)、第7点灯用データ(桁2)、第7点灯用データ(桁1)を含み、これらもROM111b、又はRAM111cであってRAM初期化スイッチ112により初期化されない領域に記憶されている。
第7点灯用データ(桁3)は、例えば、8ビットラッチ167dのアドレスと、キャラクタコード(「X0001011B」(b))と、を含むものである。
第7点灯用データ(桁2)は、例えば、8ビットラッチ167cのアドレスと、キャラクタコード(「X0001110B」(E))と、を含むものである。
第7点灯用データ(桁1)は、例えば、8ビットラッチ167bのアドレスと、キャラクタコード(「X0001111B」(F))と、を含むものである。
設定キースイッチ93をオフ状態(第2状態)にしたのち、遊技用マイコン111は、8ビットラッチ167a(桁0)のアドレスと、確率設定値領域に記憶されている確率設定値に対応するキャラクタコード(例えば「X0000110B」(1))により第6点灯用データ(桁0)を生成して確率設定値表示データ領域に記憶(上書き)し、8ビットラッチ167b(桁1)のアドレスと、キャラクタコード(例えば「X0001111B」(F))により第7点灯用データ(桁1)を生成して確率設定値表示データ領域(他の表示データ領域でもよい)に記憶(上書き)する。
また、遊技用マイコン111は、8ビットラッチ167c(桁2)のアドレスと、キャラクタコード(例えば「X0001110B」(E))により第7点灯用データ(桁2)を生成して確率設定値表示データ領域(他の表示データ領域でもよい)に記憶(上書き)し、8ビットラッチ167d(桁3)のアドレスと、キャラクタコード(例えば「X0001011B」(b))により第7点灯用データ(桁3)を生成して確率設定値表示データ領域(他の表示データ領域でもよい)に記憶(上書き)する。これにより、第6点灯用データ(桁0)、第7点灯用データ(桁1、桁2、桁3)が状態表示装置152のドライバ150に送信される。
これにより、8ビットラッチ167aには、第6点灯用データ(桁0)に係るキャラクタコード「X0000001B」(1)が上書きされ、8ビットラッチ167bには第7点灯用データ(桁1)に係るキャラクタコード「X0001111B」(F)が上書きされ、8ビットラッチ167cには第7点灯用データ(桁2)に係るキャラクタコード「X0001110B」(E)が上書きされ、8ビットラッチ167dには第7点灯用データ(桁3)に係るキャラクタコード「X0001011B」(b)が上書きされる。
したがって、設定キースイッチ93をオフ状態(第2状態)にしたのち、図140(A)に示すように状態表示装置152には「bEF1」(Before1)が表示され、設定変更前の確率設定値が「1」であることを認識することができる。また第5変形例では、「1bEF」(1Before)と表示するように構成してもよい。
その後、遊技用マイコン111は、8ビットラッチ167a(桁0)のアドレスと作業用確率設定値領域に記憶されている作業用確率設定値に係るキャラクタコード(例えば「X0000110B」(6))により第4点灯用データ(桁0)を生成して確率設定値表示データ領域に記憶(上書き)し、8ビットラッチ167b(桁1)のアドレスと、キャラクタコード(「X0011100B」(t))により第5点灯用データ(桁1)を生成して確率設定値表示データ領域(他の表示データ領域でもよい)に記憶(上書き)する。
また、遊技用マイコン111は、8ビットラッチ167c(桁2)のアドレスと、キャラクタコード(例えば「X0001111B」(F))により第5点灯用データ(桁2)を生成して確率設定値表示データ領域(他の表示データ領域でもよい)に記憶(上書き)し、8ビットラッチ167d(桁3)のアドレスと、キャラクタコード(例えば「X0001010B」(A))により第5点灯用データ(桁3)を生成して確率設定値表示データ領域(他の表示データ領域でもよい)に記憶(上書き)する。
これにより、第4点灯用データ(桁0)、第5点灯用データ(桁1、桁2、桁3)が状態表示装置152のドライバ150に送信される。そして、8ビットラッチ167aには、第4点灯用データ(桁0)に係るキャラクタコード「X0000110B」(6)が上書きされ、8ビットラッチ167bには第5点灯用データ(桁1)に係るキャラクタコード(「X0011100B」(t))が上書きされ、8ビットラッチ167cには第5点灯用データに係るキャラクタコード「X00011111B」(F)が上書きされ、8ビットラッチ167dには第5点灯用データに係るキャラクタコード「X0001010B」(A)が上書きされる。
これにより、図140(A)の後、図140(B)に示すように、状態表示装置152には「AFt6」(After6)が表示され、設定変更後の確率設定値が「6」であることを認識することができる。また第5変形例では、「6AFt」(6After)と表示するように構成してもよい。特に、設定変更前の確率設定値と、設定変更後の確率設定値を同じ桁(桁0以外の桁でもよい)に表示することで、設定変更前の確率設定値と、設定変更後の確率設定値の識別を容易に行うことができる。
第5変形例においては、図140(B)の表示になったときに、確率設定値表示データ領域に記憶された作業用確率設定値を設定変更後の確率設定値として確率設定値領域に記憶(上書き)する。あるいは、図140(B)の表示以前の段階であっても、例えば、始動入賞口36等に遊技球が入賞することで、確率設定値表示データ領域に記憶された作業用確率設定値を設定変更後の確率設定値として確率設定値領域に記憶(上書き)する。
[第14実施形態の第5変形例の作用・効果]
第5変形例において、点灯用データは、第4点灯用データにより表示される設定値(確率設定値)が設定変更後のものであることを示唆するとともに第4点灯用データとは異なる桁に表示される第5点灯用データ(AFt)を含む。また、点灯用データは、スイッチ(設定キースイッチ93)が第2状態になったときに設定可変状態へと移行する前の設定値(確率設定値)に基づいて生成される第6点灯用データを含む。また、点灯用データは、第6点灯用データにより表示される設定値(確率設定値)が設定可変状態へと移行する前(設定変更前)のものあることを示唆するとともに第6点灯用データとは異なる桁に表示される第7点灯用データ(bEF)を含む。遊技制御手段(遊技制御装置100)は、スイッチ(設定キースイッチ93)が第2状態になったときに第6点灯用データ(設定変更前の確率設定値)及び第7点灯用データ(bEF)を出力し、その後所定時間経過後に第4点灯用データ(設定変更後の確率設定値)及び第5点灯用データ(AFt)を出力する。
これにより、設定変更前の確率設定値と設定変更後の確率設定値がそれらを示唆する表示とともに時間差で表示されるので、設定変更前の確率設定値と設定変更後の確率設定値を容易に識別することができる。
また、第4点灯用データ及び第6点灯用データは同一の桁(桁0)に表示されることを特徴とする。これにより設定変更前の確率設定値と設定変更後の確率設定値を、視線を動かすことなく容易に識別することができる。
[第15実施形態]
図141から図151を参照して、第15実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第14実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第14実施形態までの実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第15実施形態は、特図変動表示ゲームの変動パターンの設定等に関するものである。
〔変動パターン設定処理〕
図141を参照して、上述した特図1変動開始処理(図18)と特図2変動開始処理(図19)における変動パターン設定処理(A3406、A3506)の詳細について説明する。図141は、遊技制御装置100によって実行される第15実施形態に係る変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、後述の大当り終了処理によって大当り終了時に抽選・決定された情報(ここでは、変動パターングループ番号)に基づいて、変動グループテーブル(振分テーブル、変動パターングループ)を設定する(A4301)。具体的には、変動パターングループ番号によって、対応する変動グループテーブルを設定する。変動パターングループ番号は、変動グループテーブルに対応付けられて変動グループテーブルを定めるパラメータ(指標値、媒介値)として機能する。なお、変動グループテーブルは、変動パターングループ番号の他に、現在の遊技状態(確変状態や通常状態など)、及び、開始する特図変動表示ゲームの結果(はずれ、小当り、大当り)にも基づいて設定される。
そして、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から乱数をロードし、準備する(A4302)。そして、2バイト振り分け処理を実行して(A4303)、振り分けられた結果得られた変動選択テーブル(変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、変動選択テーブルを準備する(A4304)。
次に、遊技制御装置100は、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から乱数をロードし、準備する(A4305)。そして、振り分け処理を実行して(A4306)、振り分けられた結果得られた変動番号を取得し、変動番号領域にセーブする(A4307)。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(A4303)の詳細について説明する。図142Aは、2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの変動選択テーブルを選択するための処理である。
遊技制御装置100は、まず、選択テーブル(A4301にて準備した変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4401)。ここで、変動グループテーブルは、少なくとも一の変動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、変動パターンが「リーチなし」となる変動選択テーブルのみを規定する変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、選択テーブル(変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4402の結果が「Y」)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、選択テーブル(変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4402の結果が「N」)は、選択テーブル(変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4403)。
続けて、ステップA4302にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA4403にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4404)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4405)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4405の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4406)、ステップA4403の処理に移行して、それ以降の処理を行う。すなわち、選択テーブル(変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4403)、その後、前回のステップA4405にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4404)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4405)。
上記の処理をステップA4405にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4405の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、選択テーブル(変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の変動選択テーブルの中から何れか一の変動選択テーブル(変動パターン選択テーブル)が選択される。そして、ステップA4405にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4405の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における振り分け処理(A4306)の詳細について説明する。図142Bは、振り分け処理の手順を示すフローチャートである。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、変動選択テーブル(変動パターン選択テーブル)から特図変動表示ゲームの変動パターンを選択するための処理である。
遊技制御装置100は、まず、対象の選択テーブル(ステップA4304にて準備した変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4501)。ここで、変動選択テーブルは、少なくとも一の変動パターン(変動番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、対象の選択テーブル(変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4502の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。一方、対象の選択テーブル(変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4502の結果が「N」)、対象の選択テーブル(変動選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4503)。
続けて、遊技制御装置100は、ステップA4305にて準備した乱数値(変動パターン乱数2の値)からステップA4503にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4504)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4505)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4505の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4506)、ステップA4503の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4503)、その後、前回のステップA4505にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4504)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4505)。上記の処理をステップA4505にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4505の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、対象の選択テーブル(変動選択テーブル)に規定されている少なくとも一の変動パターン(変動番号)の中から何れか一の変動パターン(変動番号)が選択される。
そして、遊技制御装置100は、ステップA4505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4505の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、図143を参照して、上述した特図1変動開始処理(図18)と特図2変動開始処理(図19)における変動開始情報設定処理(A3407、A3507)の詳細について説明する。図143は、遊技制御装置100によって実行される第15実施形態に係る変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、対象の変動パターン乱数1〜2の乱数格納領域をクリアする(A4601)。次に、変動時間値テーブルを設定し(A4602)、変動番号に対応する変動時間値を取得する(A4603)。
そして、遊技制御装置100は、変動時間値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4604)。その後、変動番号に対応する変動コマンド(MODE,ACTION)を演出コマンドとして準備して(A4605)、演出コマンド設定処理を行う(A4606)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(A4607)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(A4608)。次いで、乱数格納領域をシフトし(A4609)、シフト後の空き領域をクリアして(A4610)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔大当り終了処理〕
図144を参照して、上述した特図ゲーム処理(図12)における大当り終了処理(A2614)の詳細について説明する。図144は、遊技制御装置100によって実行される第15実施形態に係る大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、確率変動判定データが、高確率データであるか否かを判定する(A6201)。なお、本実施形態において、特図1停止図柄設定処理(図25)のステップA4008と特図2停止図柄設定処理(図26)のステップA4108において、停止図柄番号に対応する確率変動判定データが設定されるものとする。確率変動判定データは、大当り終了後に確変状態になる確変大当りの停止図柄番号である場合に高確率データとなり、大当り終了後に時短状態になる通常大当りの停止図柄番号である場合に低確率データとなる。
遊技制御装置100は、高確率データでない場合(A6201の結果が「N」)は、大当り終了設定処理1を実行し(A6202)、高確率データである場合(A6201の結果が「Y」)は、大当り終了設定処理2を実行する(A6203)。
大当り終了設定処理1において、大当り終了後に時短状態(特図変動表示ゲームの低確率状態)とするために、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブするとともに、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短ありフラグをセーブする。また、大当り終了設定処理1において、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値をセーブする。
大当り終了設定処理2において、大当り終了後に確変状態(特図変動表示ゲームの高確率状態)とするために、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブするとともに、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする。
なお、本実施形態では、大当り終了後に普電サポート(時短)が発生するため(図146参照)、大当り終了設定処理2において普電サポートのない潜伏確変状態は発生させない。しかし、潜伏確変状態を発生させる場合には、大当り終了設定処理2では、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブするとともに、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブする。
次に、遊技制御装置100は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(A6204)、変動開始時の停止図柄設定処理(特にA4009、A4109)で設定した演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得し(A6205)、特別遊技状態(大当り状態)の終了後に設定される演出モードの演出モード番号(演出モードの番号)を取得してセーブする(A6206)。
次に、遊技制御装置100は、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数(初期値)を取得してセーブし(A6207)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得してセーブする(A6208)。
続いて、遊技制御装置100は、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(A6209)、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域に演出コマンドとしてセーブするとともに(A6210)、演出コマンド設定処理を実行する(A6211)。
ここで、確率情報コマンドには、特別遊技状態(大当り状態)の終了後における確率状態、時短(普電サポート)の有無、演出モードの情報が含まれる。確率情報コマンドとして、「高確率・時短あり」、「低確率・時短あり」、「高確率・時短なし」の何れかに、更に演出モードの情報が含まれた複数のコマンドがある。
次に、遊技制御装置100は、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コマンドとして準備し(A6212)、演出コマンド設定処理を実行する(A6213)。そして、時間短縮変動回数に対応する時間短縮変動回数コマンドを演出コマンドとして準備し(A6214)、演出コマンド設定処理を実行する(A6215)。
次に、遊技制御装置100は、大当り終了後に時短(普電サポート)があるか否かを判定する(A6216)。時短(普電サポート)がある場合(A6216の結果が「Y」)、ステップA6219の処理に移行する。時短(普電サポート)がない場合(A6216の結果が「N」)、左打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(A6217)、演出コマンド設定処理を実行し(A6218)、ステップA6219の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(A6219)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6220)。
その後、遊技制御装置100は、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をオフ、大当り3信号をオフ、大当り4信号をオフ)を外部情報出力データ領域にセーブして(A6221)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をオフ、役物連続作動装置作動中信号をオフ、特別図柄1当り信号をオフ、特別図柄2当り信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6222)。
続いて、遊技制御装置100は、時間短縮判定フラグ領域の情報をクリアし(A6223)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(A6224)、演出モード移行情報領域の情報をクリアする(A6225)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアし(A6226)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(A6227)。
次に、遊技制御装置100は、大当り終了後に特定遊技状態になるか否かを判定する(A6228)。本実施形態において、特定遊技状態は、確変状態(高確率状態)であるが、時短状態又は普電サポート状態を含めてもよい。なお、大当り終了設定処理1、2において、大当り状態終了後の特定遊技状態として時短状態(普電サポート有り)又は確変状態(普電サポート有り)が設定される(図146参照)。大当りが確変大当りである場合に、大当り状態終了後に確変状態となり、通常大当りである場合に時短状態となる。
遊技制御装置100は、大当り終了後に特定遊技状態にならない場合に(A6228の結果が「N」)、変動パターングループに対応する変動パターングループ番号(変動グループテーブルの番号)を通常設定する(A6229)。通常設定では、演出モード情報、停止図柄パターン等に基づいて変動振分情報を導出し、変動振分情報に対応する変動グループテーブルのアドレスを取得して、変動グループテーブル番号を設定する(後述の図163、図164参照)。
遊技制御装置100は、大当り終了後に特定遊技状態になる場合に(A6228の結果が「Y」)、変動パターングループ(変動グループテーブル)に対応する変動パターングループ番号を設定値に応じて抽選・設定する(A6230)。変動パターングループ番号は、変動パターングループを規定するパラメータである。ここでは、変動グループテーブルA〜Eの番号(変動パターングループ番号)を、選択率テーブル(図147参照)に規定されるような設定値に応じた選択率で抽選して設定する。なお、特別遊技状態の終了後に特定遊技状態になること以外の条件も加味して、ステップA6230の処理に移行するようにしてもよい。
このように、特定遊技状態である場合に(A6228の結果が「Y」)、通常設定と異なる方法(態様)で変動グループテーブル番号を設定するのは、特定遊技状態の普電サポートによって、「小当りRUSH」(小当りラッシュ)が発生することに対応するものである。従って、大当り状態終了後に普電サポートのない潜伏確変状態が発生する場合には、潜伏確変状態は、ステップA6228の判定における特定遊技状態には含めなくてもよい。なお、図145(後述)のように、本実施形態では、特図2変動表示ゲームでのみ小当りが発生し、特図2変動表示ゲームの度に小当りが高確率で発生するような「小当りRUSH」が発生する。また、仮に、第1実施形態のように、特図2変動表示ゲームではなく特図1変動表示ゲームでのみ小当りが発生するなら、大当り状態終了後に通常遊技状態となる場合に、通常設定と異なる方法(態様)で変動グループテーブル番号を設定する構成も可能である。
各変動グループテーブルA〜Eにおいて、変動選択テーブル(変動パターン選択テーブル)の振り分け値(変動パターンを振り分ける割合)が規定されている(図148参照)。このため、特別遊技状態の終了後の特定遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの変動パターンは、設定値に応じて抽選して決定されることになる。従って、大当り確率とは別に、設定値に応じて抽選される変動パターン(即ち変動時間値)を通して、遊技者が獲得する遊技球の獲得球数の増加速度を柔軟に調整できる。なお、獲得球数の増加速度(出玉スピード)とは、遊技者が単位時間当たりに獲得可能な遊技球の獲得球数である。
その後、遊技制御装置100は、大当り終了処理を終了する。
〔大当り確率と小当り確率〕
図145は、大当り判定処理(図22)と小当り判定処理(図23)の結果として決定される特図変動表示ゲームの大当り確率と小当り確率を各設定(各設定値)に対して例示するテーブルである。
なお、本実施形態では、第11実施形態と同じく、小当りは特図2変動表示ゲームの結果として発生し、特図1変動表示ゲームの結果としては発生しない(特図1変動表示ゲームでは小当り確率は各設定で0である)。大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理も、第11実施形態(図104Cと図104D)と同じである。
第15実施形態では、大当りが発生する確率である大当り確率は、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順序で増加する。従って、単位時間において大当りによって得られる獲得球数(出玉、賞球数の合計)の期待値は、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順序で増加し、獲得球数の増加速度が高くなる。
一方、第15実施形態では、小当りが発生する確率である小当り確率は設定値によらず一定である。また、小当り判定処理(図23)に示すように、小当り確率には低確率状態と高確率状態の区別はない。なお、小当り確率に若干の設定差を設けて、設定値に応じて小当り確率を若干変化させる構成も可能である。小当り確率は、通常(大当り確率程度)よりも高く設定されており、普電サポート状態(確変状態、時短状態)では、特図2変動表示ゲームの度に小当りが高確率(ここでは約60%)で発生するような「小当りRUSH」(小当りラッシュ)が発生する。
〔特図大当り図柄振分の一例〕
図146は、特図変動表示ゲームの大当り図柄振分(大当り内訳)を各設定に対して例示するテーブルである。
第15実施形態では、大当り図柄番号(大当りの種類、図柄1〜5)の振分率は、設定値にかかわらず一定であり、確変突入率も設定値にかかわらず一定である。なお、特図2変動表示ゲームの方が、特図1変動表示ゲームよりも16Rの大当りが発生し易く、遊技者に有利になっている。
〔変動グループテーブルの選択率〕
図147は、ステップA6230の抽選によって選択される変動グループテーブルA〜Eの番号(変動パターングループ番号)の選択率(割合、振分率)を規定する選択率テーブル(振分テーブル)である。なお、前述のように、本実施形態において、変動パターングループ番号は、大当り終了後に特定遊技状態になる場合において、設定値に応じて抽選される(図141のA6230)。このように、特別遊技状態の後に実行される特図変動表示ゲームの変動パターンを振り分ける割合を規定する変動グループテーブル(振分テーブル)が、設定値に応じた確率(選択率)で抽選される。
なお、変動グループテーブルA〜Eの変動パターンに関して、変動時間の期待値は、A>B>C>D>Eの順に小さくなる。即ち、特図変動表示ゲームの平均の変動時間(平均変動時間)は、選択された変動グループテーブルA〜Eに対して、A>B>C>D>Eの順に小さくなる。平均の変動時間は、変動グループテーブルAが選択された場合に最も長くなり、変動グループテーブルEが選択された場合に最も短くなる。
このように、実行される特図変動表示ゲームの平均の変動時間(変動時間の期待値)は、選択された変動グループテーブル(振分テーブル)ごとに異なる。図147の選択率テーブルにおいて、設定値の低い低設定であるほど、変動時間の期待値が小さい変動グループテーブルEが選択され易くなり、変動時間の期待値が比較的大きい変動グループテーブルBが選択され難くなる。従って、低設定であるほど、遊技機10の稼働中における特図変動表示ゲームの平均の変動時間(変動時間の期待値)は小さくなる。
このように設定値の低い低設定であるほど、特図変動表示ゲームの平均の変動時間(変動時間の期待値)は小さくなるため、小当り確率が一定でも、特定遊技状態中(ここでは確変状態)の単位時間において「小当りRUSH」によって得られる獲得球数(出玉、賞球数の合計)の期待値は、設定6<設定5<設定4<設定3<設定2<設定1の順序で増加し、獲得球数の増加速度は低設定であるほど高くなる。また、低設定であるほど、特定遊技状態中において、特図変動表示ゲームの平均の変動時間は小さくなるため、保留の消化が速くなり、「小当りRUSH」によって得られる獲得球数の増加速度が高まるとともに、保留が上限に達して普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に入賞しても特図変動表示ゲームが開始しない発射球が減ることになる。このように小当りに関して低設定であるほど遊技者に有利になるため、大当りに関して高設定であるほど遊技者に有利になることと逆の傾向となり、設定値による差(設定差)が緩和される。
〔変動グループテーブルと変動選択テーブルの例〕
図148と図149は、変動グループテーブルA〜Eと各変動グループテーブルで選択され得るリーチなし系の変動選択テーブルを例示する。なお、図148は、確変状態において特図変動表示ゲームがはずれとなる場合の例であり、図149は、確変状態において特図変動表示ゲームが小当りとなる場合の例である。なお、図148と図149で示すような具体的な変動グループテーブルは、変動パターン設定処理のステップA4301で、変動パターングループ番号の他に、現在の遊技状態、及び、開始する特図変動表示ゲームの結果(はずれ、小当り、大当り)に基づいて設定される。
図148A−Eでは、各変動グループテーブルA〜Eは、リーチなし系、ノーマルリーチ系、SP1リーチ系の変動パターンからなる変動パターングループを構成する。設定された変動グループテーブルA〜Eによる2バイト振り分け処理(A4303)の結果、リーチなし系、ノーマルリーチ系、SP1リーチ系の変動選択テーブル(変動パターン選択テーブル)が、所定の割合で選択される。さらに、選択された変動選択テーブルによる振り分け処理(A4306)の結果、変動番号(変動パターン番号)が所定の割合で選択される。なお、図148では、説明を簡単にするため、変動選択テーブルによって、一の変動番号が100%の割合で選択される例を、リーチなし系に関して示すが、図148A(別例)に示すように、変動選択テーブルによって、複数の変動番号が各々所定の割合で選択されてもよい。
図148A−Eのように、リーチなし系、ノーマルリーチ系、SP1リーチ系それぞれの変動選択テーブルが選択された場合の変動時間の期待値は、リーチなし系<ノーマルリーチ系<SP1リーチ系の順に大きくなるように設定される。例えば、変動時間の期待値は、リーチなし系で7秒、ノーマルリーチ系で15秒、SP1リーチ系で30秒と設定されてよい。
リーチなし系の変動選択テーブルの選択される割合は、変動グループテーブルA<変動グループテーブルB<変動グループテーブルC≦変動グループテーブルD、E(D’、E’)の順に増加し、ノーマルリーチ系又はSP1リーチ系の変動選択テーブルの選択される割合は、変動グループテーブルA>変動グループテーブルB>変動グループテーブルC≧変動グループテーブルD、E(D’、E’)の順に減少する。さらに、同じリーチ系統(リーチなし系、ノーマルリーチ系、SP1リーチ系のいずれか同じもの)の変動選択テーブルが選択された場合の変動時間の期待値(平均値)は、変動グループテーブルA>変動グループテーブルB>変動グループテーブルC>変動グループテーブルD(D’も含める)>変動グループテーブルE(E’ も含める)の順に減少するように設定される。従って、変動時間の期待値(平均値)は、変動グループテーブルA>変動グループテーブルB>変動グループテーブルC>変動グループテーブルD>変動グループテーブルEの順に減少することになり、特図変動表示ゲームは短い変動となっていく。
なお、変動グループテーブルD、Eとこれに付随する変動選択テーブルは、大当り状態終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数n(ここでは100回)を超えた場合に、変動パターングループ番号(パラメータ)の切り換えによって、変動グループテーブルD’、E’とこれに付随する変動選択テーブル切り換えられる。即ち、これらは、大当り状態終了後の特図変動表示ゲームの実行回数に応じて切り換えられる。なお、例えば、変動グループテーブルD’、E’に対応する変動パターングループ番号を例えば番号6、7とし、特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数n(ここでは100回)を超えた場合に、変動パターングループ番号を番号4、5から番号6、7に変更させる。なお、変動グループテーブルE’では、変動時間の期待値は変動グループテーブルD’よりも大幅に短くなる。
このように、大当り終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が1回からn回(ここでは100回)までは、変動時間の期待値が普通の長さ(例えば変動グループテーブルCと同じ)になるが、大当り終了後の特図変動表示ゲームの実行回数がn+1回(ここでは101回)以上では、変動時間の期待値が短くなる。従って、特別遊技状態(大当り状態)がなかなか発生しない状態(いわゆるハマリ状態)が所定回数(ここでは100回)を超えて続いた場合に、獲得球数の増加速度を大きくして遊技者に特典を与えることができ、遊技の興趣が向上する。また、獲得球数の増加速度に与える変動時間の影響が大きい特定遊技状態(確変状態、時短状態、普電サポート状態)において、大当り終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数(ここでは100回)を超えた場合に変動時間の期待値を短くして、獲得球数の増加速度を顕著に向上させることができる。
このように、特別遊技状態の後に通常状態よりも特別遊技状態が発生しやすい特定遊技状態(ここでは確変状態)が発生する場合に、特別遊技状態の後に実行される特図変動表示ゲームの実行回数に応じて、変動グループテーブル(振分テーブル)に対応するパラメータ(変動パターングループ番号)を変更することによって、変動グループテーブル(振分テーブル)が切り換えられる。従って、遊技者が変動パターンから設定値を推定することが困難になる。
なお、同じリーチ系統の変動選択テーブルが選択された場合の変動時間の期待値(平均値)は、図148に示すリーチなし系の変動選択テーブルだけに関して、変動グループテーブルA(7.0秒)>変動グループテーブルB(5.0秒)>変動グループテーブルC(3.0秒)>変動グループテーブルD(3.0秒〜2.0秒)>変動グループテーブルE(3.0秒〜0.5秒)の順に減少させて、ノーマルリーチ系又はSP1リーチ系では変化しないようにしてもよい。
図149も図148と同様であるが、確変状態において特図変動表示ゲームが小当りとなる場合において、各変動グループテーブルA〜Eで選択され得る変動選択テーブルは、リーチなし系とノーマルリーチ系だけになっている。また、リーチなし系の変動選択テーブルで規定されるリーチなし系の変動の変動時間値は、図148とは異なる。なお、リーチなし系の変動の変動時間値は、図149で図148より短くなっているが長くしてもよい。特図2変動表示ゲームでの小当り確率がはずれの確率よりも高いため、小当りが発生する場合の変動時間値をはずれの場合より短くすると、「小当りRUSH」での保留消化のスピードが速まるとともに獲得球数の増加速度が高くなる。
また、確変状態において特図変動表示ゲームが小当りとなる場合とはずれの場合で、変動グループテーブルA〜Eと変動選択テーブルの内容を同じにし、テーブルのデータ容量を削減してもよい。
〔第15実施形態の変形例〕
図150と図151を参照して、第15実施形態の変形例について説明する。本変形例は、変動グループテーブル(変動パターングループ)の抽選・設定に関するものである。
図150を参照して、変形例に係る特図ゲーム処理(図12)における大当り終了処理(A2614)について説明する。図150は、第15実施形態の変形例に係る大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。なお、図144と同じ内容の処理には同じステップ番号を付して適宜説明を省略する。
遊技制御装置100は、まず、時間短縮判定データが、時短作動データであるか否かを判定する(A7201)。なお、特図1停止図柄設定処理(図25)のステップA4008と特図2停止図柄設定処理(図26)のステップA4108において、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データが設定されている。なお、大当り終了後に普電サポートがある場合に、時間短縮判定データは時短作動データとなり、大当り終了後に普電サポートがない場合に、時間短縮判定データは時短作動データではない。
遊技制御装置100は、まず、時短作動データでない場合(A7201の結果が「N」)は、大当り終了設定処理3を実行し(A7202)、時短作動データである場合(A7201の結果が「Y」)は、大当り終了設定処理4を実行する(A7203)。
大当り終了設定処理3において、大当り終了後に潜伏確変状態とするために、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブするとともに、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブする。また、大当り終了設定処理3において、高確率変動回数領域に高確率変動回数初期値をセーブする。なお、本変形例では、大当り終了後に必ず普電サポートが発生する構成であるため、大当り終了設定処理3は実行されず、潜伏確変状態は発生しない。しかし、これに限られず、大当り終了後に潜伏確変状態を発生させる構成も可能である。
大当り終了設定処理4において、大当り終了後に確変状態(潜伏確変状態でない)とするために、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブするとともに、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする。また、大当り終了設定処理4において、高確率変動回数領域に高確率変動回数初期値をセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA6213の後に、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを演出コマンドとして準備し(A7214)、演出コマンド設定処理を実行する(A6215)。
そして、遊技制御装置100は、大当り終了後に特定遊技状態(ここでは確変状態)になる場合に(A6228の結果が「Y」)、変動パターングループ番号(ひいては変動グループテーブル)を、設定値に応じた確率で抽選した大当り図柄に対応して設定する(A7230)。なお、本変形例では、大当り終了後に特定遊技状態(ここでは確変状態)になるように構成されている。
なお、このように大当り図柄(大当り停止図柄)は、変動グループテーブル(振分テーブル)を規定するために、当該変動グループテーブルに対応付けられるパラメータ(指標値、媒介値)となるが、特図1停止図柄設定処理(図25)のステップA4004や特図2停止図柄設定処理(図26)のステップA4104において、大当り停止図柄番号として設定値に応じて抽選されている。
図151は、第15実施形態の変形例において、特図変動表示ゲームの大当り図柄振分(大当り内訳)を各設定に対して例示する大当り図柄テーブルである。この大当り図柄テーブルは、図27と同様に、大当りの種類を示す大当り図柄A〜E(それぞれ大当り停止図柄番号に対応)とその振分率(選択率)を規定する。なお、本実施例では、大当りの種類は全て確変大当りであり、遊技機10は、高確率変動回数が所定回数(例えば300回)のST機となる。
大当り図柄テーブルの振分率(選択率)に基づいて抽選(振分)された大当り図柄A〜Eに、それぞれ、変動グループテーブルA〜Eの番号(変動パターングループ番号)が対応して設定される(A7230)。
なお、変動グループテーブルA〜Eの変動パターンに関して、変動時間の期待値は、A>B>C>D>Eの順に小さくなる。図151の大当り図柄テーブルにおいて、低設定であるほど、変動時間の期待値が小さい変動グループテーブルEが選択され易くなり、変動時間の期待値が比較的大きい変動グループテーブルBが選択され難くなる(図147と同様)。従って、低設定であるほど、遊技機10の稼働中における特図変動表示ゲームの平均の変動時間(変動時間の期待値)は小さくなる。
[第15実施形態の作用・効果]
第15実施形態に係る遊技機10は、始動条件の成立(例えば始動入賞口への入賞)に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)を備え、変動表示ゲームの停止結果が特別結果となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当り状態)を発生させる。遊技機10は、遊技に関する設定に応じた設定値を変更可能な設定変更手段(例えば、設定キースイッチ93と設定値変更スイッチ102)を備える。制御手段は、特別遊技状態(例えば大当り)の後に実行される変動表示ゲームの変動パターンを、設定値に応じて抽選して決定する。
従って、特別遊技状態の発生確率(大当り確率)とは別に、設定値に応じて抽選される変動パターン(即ち変動時間値)を通して、遊技者が獲得する遊技球の獲得球数の増加速度を柔軟に調整できる。特に、通常、特別遊技状態の後は、特定遊技状態(確変状態、時短状態、普電サポート状態)になるため、変動パターン(即ち変動時間値)が獲得球数の増加速度に与える影響が大きい。
第15実施形態によると、制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、特別遊技状態の後に実行される変動表示ゲームの変動パターンを振り分ける割合を規定する振分テーブル(例えば、変動グループテーブル)に対応付けられるパラメータ(例えば、変動パターングループ番号や大当り図柄)を、設定値に応じた確率で抽選して決定する。
従って、振分テーブルに対応付けられるパラメータを設定値に応じた確率で抽選することによって振分テーブルを選択し、さらに振分テーブルによって変動パターンを振り分けることができる。このため、好適に、変動パターンを設定値に応じて抽選できる。また、振分テーブルごとに変動パターンを振り分ける割合(選択率)を異ならせるなどすると、さらに好適に変動パターンを設定値に応じて抽選できる。
第15実施形態によると、振分テーブルによって振り分けられる変動パターンの変動時間の期待値は、振分テーブルごとに異なる。従って、大当り確率の低い設定値に対して、変動時間の期待値が短い振分テーブルが抽選され易くすることによって、獲得球数の増加速度を大きくし、獲得球数の増加速度に対する設定差(設定値による差)を小さくできる。逆に、大当り確率の高い設定値に対して、変動時間の期待値が短い振分テーブルが抽選され易くすることによって、獲得球数の増加速度を大きくし、獲得球数の増加速度に対する設定差(設定値による差)を大きくできる。
第15実施形態によると、特別遊技状態の後に実行される変動表示ゲームの実行回数に応じて、振分テーブルを切り換えるように振分テーブルに対応するパラメータ(例えば、変動パターングループ番号)を変更する。従って、特別遊技状態の後の変動表示ゲームの実行回数に応じて、変動時間の期待値が短い又は長い振分テーブルに切り換えることによって、切り換えない場合よりも遊技者が変動パターンから設定値を推定することが困難になる。
また、例えば、特別遊技状態の後の変動表示ゲームの実行回数が所定回数(例えば100回)より大きくなったときに、変動時間の期待値が短い振分テーブルに切り換えることによって、特別遊技状態(大当り状態)がなかなか発生しない状態(いわゆるハマリ状態)が所定回数を超えて続いた場合に、獲得球数の増加速度を大きくして遊技者に特典を与えることができ、遊技の興趣が向上する。
第15実施形態によると、制御手段は、変動表示ゲームの停止結果が第1特別結果となる場合に、第1特別遊技状態(大当り状態)を発生させ、変動表示ゲームの停止結果が第2特別結果となる場合に、第1特別遊技状態よりも遊技者が獲得可能な遊技価値が少ない第2特別遊技状態(小当り状態)を発生させる。制御手段は、第1特別遊技状態の後に実行される変動表示ゲームの変動パターンを、設定値に応じて抽選して決定する。制御手段は、所定の条件が成立することにより(例えば確変大当りの場合)、第1特別遊技状態の後に、第2特別遊技状態(小当り状態)が発生しやすい遊技状態(例えば特定遊技状態における小当りRUSH)を発生させることが可能である。従って、第1特別遊技状態(大当り状態)の後に実行される変動表示ゲームの変動パターンを設定値に応じて短くなるように抽選すると、第2特別遊技状態(小当り状態)が発生しやすい遊技状態(例えば特定遊技状態における小当りRUSH)での保留消化のスピードが速まり、第2特別遊技状態(小当り状態)による獲得球数の増加速度が高くなり、遊技の興趣が向上する。
第15実施形態によると、制御手段は、特別遊技状態の後に実行される変動表示ゲームの変動パターンを振り分ける割合を規定する振分テーブルに対応付けられるパラメータを、設定値に応じた確率で抽選する。制御手段は、抽選された当該パラメータに対応する振分テーブルに基づいて、特別遊技状態の後に実行される変動表示ゲームの変動パターンを抽選によって決定する。制御手段は、特別遊技状態(大当り状態)の後に通常状態よりも特別遊技状態が発生しやすい特定遊技状態(確変状態、時短状態、普電サポート状態)が発生する場合に、特別遊技状態の後に実行される変動表示ゲームの実行回数に応じて、振分テーブルを切り換えるように振分テーブルに対応するパラメータ(例えば、変動パターングループ番号)を変更する。従って、例えば、変動表示ゲームの実行回数に応じて、変動時間の期待値が短い振分テーブルに切り換えることによって、通常遊技状態よりも獲得球数の増加速度に与える変動時間の影響が大きい特定遊技状態において、獲得球数の増加速度を大きく向上させることができる。
[第16実施形態]
図152から図166を参照して、第16実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第15実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第15実施形態までの実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
第16実施形態は、前述の設定値(設定)に応じて演出パターン(演出態様)を変更することに関する。特に、第16実施形態では、複数の設定値の間で大当り確率が同じである場合でも、当該複数の設定値のうちの設定値ごとに所定の演出の出現率(出現態様)を異ならせる。後述するように、所定の演出には、通常予告、リーチ演出、先読み演出、ラッキーナンバー報知演出のうちの特殊ナンバー報知演出、キャラクタ演出、背景演出などがある。演出の出現率は、一回の特図変動表示ゲーム当りにその演出が出現する確率(出現確率)でもよいし、単位時間(例えば、10分、1時間、1日)当たりのその演出の出現回数(出現速度)でもよい。
〔遊技盤〕
図152は、第16実施形態に係る遊技盤30の正面図である。第16実施形態に係る遊技盤30は、第1実施形態の遊技盤30(図2A)にラッキーナンバー表示装置82を追加したものである。ラッキーナンバー表示装置82は、演出制御装置300によって制御され、大当りが発生する場合に抽選によって選択された数字(ラッキーナンバー、ここでは1〜9)を報知するようなラッキーナンバー報知演出を行う。なお、ラッキーナンバー表示装置82は、大当りが発生する場合に選択された数字(ラッキーナンバー)を次回の大当りが発生するまで継続して報知するように、演出制御装置300によって制御されてよい。
また、ラッキーナンバー表示装置82において、ラッキーナンバー(1〜9)のうち特定の数字(例えば3、7)を報知する特殊ナンバー報知演出(特殊報知演出)が出現した場合には、遊技場(遊技店)の係員や管理者から遊技者に特典が与えられる。特典としては、獲得した遊技球の景品交換を一回の大当りごとに行わなくてよい権利や、遊技場で使用可能なポイント等がある。これにより、遊技者はラッキーナンバー表示装置82の数字(表示内容)に注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
図152において、ラッキーナンバー表示装置82の位置は、遊技盤30右下側且つ特別変動入賞装置39の下側であるが、これに限られるものではない。なお、図152のように、ラッキーナンバー表示装置82を特別変動入賞装置39に隣接して(対向して)設けると、ラッキーナンバー表示装置82の発光と、大当りによって特別変動入賞装置39が開状態となることを遊技者が連続して又は同時に関連付けて視認でき、遊技の興趣が向上する。また、図152のように、ラッキーナンバー表示装置82を一括表示装置50の第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52に隣接して(対向して)設けると、第1特図変動表示部51又は第2特図変動表示部52での特図変動表示ゲームと、ラッキーナンバー表示装置82の発光とを連続して又は同時に関連付けて視認でき、遊技の興趣が向上する。
本実施形態において、ラッキーナンバー表示装置82は、各数字1〜9に対応するLEDランプを発光部として備えており、数字1〜9のうち選択された数字に対応するLEDランプを点灯又は点滅させて、当該選択された数字を遊技者に報知するものである。例えば、数字3が選択された場合には、ラッキーナンバー表示装置82の数字3のLEDランプが発光する。
本実施形態において、発光部は、表面のカバーに記載されて形態として表された数字を発光部材(LED)の光によって裏から照らすようなLEDランプであり、図152のように複数(9個)設けられる。しかし、ラッキーナンバー表示装置82は、選択された数字を点灯又は点滅して表示する1つの7セグメント型のランプや1つの液晶表示装置(表示装置41も使用可能)でもよい。
〔大当り確率と演出パターン〕
図153は、大当り確率と演出パターンを、各設定(各設定値)に対して例示するテーブルである。特図変動表示ゲームにおいて大当りが発生する確率である大当り確率は、設定1、2、3において同じであり、設定4、5、6において同じである。設定4、5、6の大当り確率は、設定1、2、3の大当り確率よりも高い。複数の設定値(1、2、3又は4、5、6)の間で大当り確率が同じである場合でも、演出制御装置300は、当該複数の設定値のうちの設定値ごとに演出パターンを異ならせる。本実施形態において、演出パターンは、所定の演出(通常予告、リーチ演出、先読み演出、特殊ナンバー報知演出、キャラクタ演出、背景演出等)の出現態様(出現率など)である。
同じ大当り確率の設定1、2、3において、設定1では演出パターン1であり、設定2では演出パターン2であり、設定3では演出パターン3であり、設定値ごとに異なっている。同じ大当り確率の設定4、5、6において、設定4では演出パターン1であり、設定5では演出パターン2であり、設定6では演出パターン3であり、演出パターンは設定値ごとに異なっている。
図154(A)(B)は、設定値に応じた大当り確率と演出パターンの別例を示す。図154(A)では、同じ大当り確率の設定1、2において、設定1では演出パターン1であり、設定2では演出パターン2であり、演出パターンは設定値ごとに異なっている。同じ大当り確率の設定3、4において、設定3では演出パターン1であり、設定4では演出パターン2であり、演出パターンは設定値ごとに異なっている。同じ大当り確率の設定5、6において、設定5では演出パターン1であり、設定6では演出パターン2であり、演出パターンは設定値ごとに異なっている。図154(B)では、同じ大当り確率の設定1、2、3、4、5、6において、設定1では演出パターン1であり、設定2では演出パターン2であり、設定3では演出パターン3であり、設定4では演出パターン4であり、設定5では演出パターン5であり、設定6では演出パターン6であり、演出パターンは設定値ごとに異なっている。
以上のように、複数の設定値の間で大当り確率が同じで、設定値に起因する獲得球数の差(設定差)がない場合にでも、遊技者は、設定値による演出パターンの差(演出差)に期待することができ、所定の演出の発生が多い遊技機を選ぶことができる。そして、遊技場は遊技機の稼働が向上する。
また、例えば、演出パターン1において、所定の演出として、キャラクタA(例えば達磨)によるキャラクタ演出とキャラクタAに適合する背景演出(例えば正月)の出現率(選択率)を100%に、キャラクタB(例えばサンタクロース)によるキャラクタ演出とキャラクタBに適合する背景演出(例えばクリスマス)の出現率(選択率)を0%に設定し、逆に、演出パターン2において、キャラクタAによるキャラクタ演出とキャラクタAに適合する背景演出の出現率を0%に、キャラクタBによるキャラクタ演出とキャラクタBに適合する背景演出の出現率を100%に設定することができる。このようにすれば、設定値によって遊技機の演出の雰囲気を極端に変えることができ、あたかも別の遊技機になったような印象を与えることができ、遊技場に設置される遊技機の種類を見かけ上増やすことができる。
なお、キャラクタ演出は、キャラクタを表示装置41に表示する演出、飾り識別図柄をそのキャラクタを含んだものにする演出、キャラクタを模した可動役物を動作させる演出などでよい。背景演出は、表示装置41に背景を表示する演出である。
〔変動演出設定処理〕
図155を参照して、第16実施形態に係る変動演出設定処理(図43のB1905)の詳細について説明する。図155は、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、図44と同じ内容の処理には同じステップ番号を付して適宜説明を省略する。
説明を簡単にするため、図44のステップB2002、B2004に対応する図155のステップB2002a、B2004aでは、前半予告振分グループアドレステーブルは設定値に依存せずに設定される。従って、前半変動中に出現する予告の抽選(選択率、予告出現率)は、設定値に依存しない。
ステップB2007aにおいて、演出制御装置300は、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する。なお、説明を簡単にするため、図44のステップB2007と異なり、後半予告振分グループアドレステーブルは設定値に依存しない。次に、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2008)。
続いて、演出制御装置300は、ステップB2008で取得されたアドレスを変更して後半予告振分グループテーブルを変更可能な後半予告振分グループテーブル変更処理を実行する(B2008a)。なお、後半予告振分グループテーブルを変更するとは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを変更することと同義である。そして、変更された後半予告振分グループテーブル(変更されない場合もある)に基づいて、後半変動中(リーチ中)に出現する予告である後半予告の抽選を行う(B2009)。
また、ステップB2018の後に、演出制御装置300は、今回受信した変動系コマンド(変動コマンド)によって開始する飾り特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定する(B2019)。大当りであるか否かは、図柄種別(B1802)からわかる。飾り特図変動表示ゲームが大当りでない場合に(B2019の結果が「N」)、変動演出設定処理を終了する。
演出制御装置300は、飾り特図変動表示ゲームが大当りである場合に(B2019の結果が「Y」)、設定値と前回のラッキーナンバーに応じてラッキーナンバー振分テーブルを設定し(B2020)、設定されたラッキーナンバー振分テーブル(図161参照)に基づいて、数値1〜9の中からラッキーナンバーを抽選する(B2021)。前回のラッキーナンバーとは、前回の大当り時に選択されたラッキーナンバーである。その後、抽選によって選択されたラッキーナンバーをラッキーナンバー表示装置82に報知する報知設定を行う(B2022)。なお、設定値情報コマンドに含まれる設定値は、設定値受信時処理(B1324)においてRAM等の記憶部に記憶されている。
これにより、ラッキーナンバー報知演出が実行される。ここで、報知設定として、飾り特図変動表示ゲームの実行中はラッキーナンバー表示装置82の各数字のLEDランプを循環的に点灯し(或は1つの7セグメント型のランプである場合にラッキーナンバー表示装置82に1〜9までのラッキーナンバーを循環的に表示し)、飾り特図変動表示ゲームの終了直前に選択されたラッキーナンバーをラッキーナンバー表示装置82に報知するように設定してよい。
なお、ステップB2019−B2022の処理が、図柄停止のコマンドを正常に受信した場合(図39のB1329の結果が「Y」且つB1330の結果が「Y」の場合)に実行される構成も可能である。この構成では、飾り識別図柄の停止時に、選択されたラッキーナンバーをラッキーナンバー表示装置82に報知することになる。
また、ステップB2019−B2022の処理が、ファンファーレ演出設定処理(B2102)において実行される構成も可能である。この構成では、ファンファーレ演出の一環として、選択されたラッキーナンバーがラッキーナンバー表示装置82に報知される。
さらに、ステップB2019−B2022の処理が、停止図柄設定処理(B2012)において実行される構成も可能である。この構成では、表示装置41がラッキーナンバー表示装置82として使用され、飾り特図変動表示ゲームの大当り停止図柄が選択されたラッキーナンバーの数字になる。すなわち、ラッキーナンバー1〜9のそれぞれに対応して、大当り停止図柄は「1,1,1」「2,2,2」・・・「9,9,9」となる。逆の言い方では、飾り特図変動表示ゲームの大当り停止図柄の数字がラッキーナンバーとして使用される。
〔後半予告振分グループテーブル変更処理〕
図156を参照して、第16実施形態に係る後半予告振分グループテーブル変更処理(図155のB2008a)の詳細について説明する。図156Aは、図153に対応するものであり、演出制御装置300によって実行される後半予告振分グループテーブル変更処理の手順を示すフローチャートである。図156Bは、図154(A)に対応するものであり、演出制御装置300によって実行される後半予告振分グループテーブル変更処理の手順を示すフローチャートの別例である。
図156Aにおいて、演出制御装置300は、まず、設定値に応じた分岐処理を実行する(B5201)。
演出制御装置300は、設定値が1又は4である場合には、何もせず後半予告振分グループテーブル変更処理を終了し、ステップB2008でアドレスによって設定された後半予告振分グループテーブルは変更されない。
図157(A)は、変更がない通常の後半予告振分グループテーブルを例示する。なお、ボタン操作系予告、役物動作系予告、役物発光系予告、群予告の順に、テーブルの下側になるほど、遊技者に激しい賑やか印象を与え期待を抱かせる後半予告(リーチ中に出現する予告)になる。
演出制御装置300は、設定値が2又は5である場合には、計時手段(RTC338又は時刻用タイマ)によって計時された時刻が所定期間内であるか否かを判定する(B5202)。所定期間は、1時間ごとに定期的に設けられる期間(例えば1時間ごとに5分間)でもよいし、一日のうちの特定の期間(例えば午後2時から午後2時30分までの期間)でもよい。時刻が所定期間内でない場合に(B5202の結果が「N」)、何もせず後半予告振分グループテーブル変更処理を終了する。時刻が所定期間内である場合に(B5202の結果が「Y」)、後のステップB2009で参照される後半予告振分グループテーブルの変更(アドレス変更)を行って(B5203)、後半予告振分グループテーブル変更処理を終了する。
図157(B)は、設定値が2又は5で変更があった場合の後半予告振分グループテーブルを例示する。なお、図157(B)では、図157(A)の通常の場合(設定値が1又は4の場合)よりも、テーブルの下側の賑やかな後半予告(リーチ中に出現する予告)の選択率(割合)が増加する。また、予告なしの選択率が通常の場合よりも減少する。従って、設定値が2又は5では、所定期間内で、リーチ中の予告は、遊技者に大きな期待を抱かせるため、遊技者を飽きさせない。
演出制御装置300は、設定値が3又は6である場合には、現在(即ち変動系コマンド受信時)、客待ち中であるか否かを判定する(B5204)。客待ちデモコマンドを受信して表示装置41にて客待ちデモが実行中であれば、客待ち中であると判定できる。客待ち中でない場合に(B5204の結果が「N」)、何もせず後半予告振分グループテーブル変更処理を終了する。客待ち中である場合に(B5204の結果が「Y」)、後のステップB2009で参照される後半予告振分グループテーブルの変更(アドレス変更)を行って(B5205)、後半予告振分グループテーブル変更処理を終了する。
図157(C)は、設定値が3又は6で変更があった場合の後半予告振分グループテーブルを例示する。なお、図157(C)では、図157(A)の通常の場合(設定値が1又は4の場合)や図157(B)のように設定値が2又は5で変更があった場合よりも、テーブルの下側の賑やかな後半予告(リーチ中に出現する予告)の選択率がさらに増加する。また、予告なしの選択率がさらに減少する。従って、設定値が3又は6では、客待ち終了直後の第一回目のリーチ中の予告は、賑やかなものとなり遊技者に大きな期待を抱かせるため、その後も遊技者は遊技を継続する傾向が強くなる。
このように、後半変動中に出現する予告(所定の演出)の出現態様としての演出パターンは、図153に対応して、設定値が1又は4で演出パターン1、設定値が2又は5で演出パターン2、設定値が3又は6で演出パターン3になる。
図156Bは、後半予告振分グループテーブル変更処理の手順を示すフローチャートの別例である。なお、図156Bにおいて、図156Aと同じ内容の処理には同じステップ番号を付している。
図156Bにおいて、演出制御装置300は、まず、設定値に応じた分岐処理を実行する(B5201)。
演出制御装置300は、設定値が1、3、5である場合には、何もせず後半予告振分グループテーブル変更処理を終了し、ステップB2008でアドレスによって設定された後半予告振分グループテーブルは変更されない。
演出制御装置300は、設定値が2、4、6である場合には、計時手段によって計時された時刻が所定期間内であるか又は現在客待ち中であるか否かを判定する(B5202a)。時刻が所定期間内でなく且つ客待ち中でない場合に(B5202aの結果が「N」)、何もせず後半予告振分グループテーブル変更処理を終了する。時刻が所定期間内であるか又は現在客待ち中である場合に(B5202aの結果が「Y」)、後のステップB2009で参照される後半予告振分グループテーブルの変更(アドレス変更)を行って(B5203)、後半予告振分グループテーブル変更処理を終了する。
設定値が2、4、6で変更があった場合の後半予告振分グループテーブルは、図157(B)と同じでよく、通常の場合(設定値が1、3、5の場合)よりも、テーブルの下側の期待を抱かせる後半予告の選択率が増加する。また、予告なしの選択率が通常の場合よりも減少する。
図156A、Bに示すように、演出制御装置300(演出出現率設定手段)は、複数の設定値の間で大当り確率が同じでも、所定の条件下(例えば、時刻が所定期間内の場合又は客待ち中である場合)で、設定値に応じて後半予告振分グループテーブルの変更を行って、後半変動中に出現する予告(所定の演出)の出現率を設定値ごとに異ならせて設定する。このため、所定の条件下でのみ、特定の設定値に対して後半変動中に出現する予告を激しくしたり賑やかにすることができる。
なお、図156A、Bにおいて、ステップB5202(B5202a)とステップB5204を省略して、所定の条件に関係なく設定値に応じて後半予告振分グループテーブルの変更を行って、後半変動中に出現する予告(所定の演出)の出現率を設定値ごとに常に異ならせて設定する構成も可能である。
〔先読み変動系コマンド処理〕
図158を参照して、第16実施形態に係る先読み変動系コマンド処理(図38のB1216)の詳細について説明する。図158は、演出制御装置300によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。なお、図158は、図41に対してステップB1711aを追加しただけであり、図41と同じ内容の処理には同じステップ番号を付して適宜説明を省略する。
演出制御装置300は、ステップB1711において先読み対象の保留情報を先読み変動コマンド領域からロードした後、設定値ごとに先読み演出振分テーブルを設定する先読み演出振分テーブル設定処理を実行する(B1711a)。その後、設定した先読み演出振分テーブルと先読み対象の保留情報に基づいて先読み演出を抽選する先読み抽選処理を実行する(B1712)。
〔先読み演出振分テーブル設定処理〕
図159を参照して、第16実施形態に係る先読み演出振分テーブル設定処理(図158のB1711a)の詳細について説明する。図159Aは、図153に対応するものであり、演出制御装置300によって実行される先読み演出振分テーブル設定処理の手順を示すフローチャートである。図159Bは、図154(A)に対応するものであり、演出制御装置300によって実行される先読み演出振分テーブル設定処理の手順を示すフローチャートの別例である。
図159Aにおいて、演出制御装置300は、まず、通常の先読み演出振分テーブルを設定し(B5401)、その後、設定値に応じた分岐処理を実行する(B5402)。
演出制御装置300は、設定値が1又は4である場合には、何もせず先読み演出振分テーブル設定処理を終了し、ステップB5401で設定された先読み演出振分テーブルは変更されない。
図160(A)は、変更がない通常の先読み演出振分テーブルを例示する。なお、図160では、保留変化予告に関する先読み演出振分テーブルを例示する。保留(始動記憶)に対応して表示装置41等に表示される保留表示(始動記憶表示)の表示態様は、先読み対象の保留が大当りの場合とはずれの場合とで異なる振分率(選択率)で抽選される。保留表示の表示態様は、白(通常態様)、青(第一色変化態様)、赤(第二色変化態様)の順に、大当りの場合に選択され易くなりはずれの場合に選択され難くなり、この順に大当りの期待度が大きくなる。
演出制御装置300は、設定値が2又は5である場合には、計時手段(RTC338又は時刻用タイマ)によって計時された時刻が所定期間内であるか否かを判定する(B5403)。所定期間は、1時間ごとに定期的に設けられる期間でよいし、一日のうちの特定の期間でもよい。時刻が所定期間内でない場合に(B5403の結果が「N」)、何もせず先読み演出振分テーブルを終了する。時刻が所定期間内である場合に(B5403の結果が「Y」)、後のステップB1712で参照される先読み演出振分テーブルを通常のものから変更して(B5404)、先読み演出振分テーブルを終了する。
図160(B)は、設定値が2又は5で変更があった場合の先読み演出振分テーブルを例示する。なお、図160(B)では、図160(A)の通常の場合(設定値が1又は4の場合)よりも、テーブルの下側の大当りの期待度の高い保留表示(赤保留、青保留)の振分率(選択率)が増加する。ここでは、特に、先読み対象の保留が、大当りよりも頻繁に発生するはずれの場合に、通常態様よりも期待度の高い保留表示の選択率が増加する。従って、設定値が2又は5では、所定期間内で、期待度の高い表示態様への保留変化予告が通常よりも多く発生し、遊技者に大きな期待を抱かせるため、遊技者を飽きさせない。
演出制御装置300は、設定値が3又は6である場合には、現在(即ち変動系コマンド受信時に)、客待ち中であるか否かを判定する(B5405)。客待ち中でない場合に(B5405の結果が「N」)、何もせず先読み演出振分テーブル設定処理を終了する。客待ち中である場合に(B5405の結果が「Y」)、後のステップB1712で参照される先読み演出振分テーブルを通常のものから変更して(B5406)、先読み演出振分テーブル設定処理を終了する。
図160(C)は、設定値が3又は6で変更があった場合の先読み演出振分テーブルを例示する。なお、図160(C)では、図160(A)の通常の場合(設定値が1又は4の場合)や図160(B)のように設定値が2又は5で変更があった場合よりも、テーブルの下側の大当りの期待度の高い保留表示(赤保留、青保留)の選択率がさらに増加する。従って、設定値が3又は6では、客待ち終了直後の先読み演出は、特に賑やかなものとなり遊技者に大きな期待を抱かせるため、その後も遊技者は遊技を継続する傾向が強くなる。
このように、先読み演出(所定の演出)の出現態様としての演出パターンは、図153に対応して、設定値が1又は4で演出パターン1、設定値が2又は5で演出パターン2、設定値が3又は6で演出パターン3になる。
図159Bは、先読み演出振分テーブル設定処理の手順を示すフローチャートの別例である。なお、図159Bにおいて、図159Aと同じ内容の処理には同じステップ番号を付している。
図159Bにおいて、演出制御装置300は、まず、通常の先読み演出振分テーブルを設定し(B5401)、その後、設定値に応じた分岐処理を実行する(B5402)。
演出制御装置300は、設定値が1、3、5である場合には、何もせず先読み演出振分テーブル設定処理を終了し、ステップB5401で設定された先読み演出振分テーブルは変更されない。
演出制御装置300は、設定値が2、4、6である場合には、計時手段によって計時された時刻が所定期間内であるか又は現在客待ち中であるか否かを判定する(B5403a)。時刻が所定期間内でなく且つ客待ち中でない場合に(B5403aの結果が「N」)、何もせず先読み演出振分テーブル設定処理を終了する。時刻が所定期間内であるか現在客待ち中である場合に(B5403aの結果が「Y」)、後のステップB1712で参照される先読み演出振分テーブルを通常のものから変更して(B5404)、先読み演出振分テーブル設定処理を終了する。
設定値が2、4、6で変更があった場合の先読み演出振分テーブルは、図160(B)と同じでよく、通常の場合(設定値が1、3、5の場合)よりも、テーブルの下側の期待度の高い保留表示(赤保留、青保留)の選択率が増加する。
図159A、Bに示すように、演出制御装置300(演出出現率設定手段)は、複数の設定値の間で大当り確率が同じでも、所定の条件下(例えば、時刻が所定期間内の場合又は客待ち中である場合)で、設定値に応じて先読み演出振分テーブルの変更を行って、先読み演出(所定の演出)としての保留変化予告の出現率を設定値ごとに異ならせて設定する。このため、所定の条件下でのみ、特定の設定値に対して先読み演出を激しくしたり賑やかにすることができる。
なお、図159A、Bにおいて、ステップB5403(B5403a)とステップB5405を省略して、所定の条件に関係なく設定値に応じて先読み演出振分テーブルの変更を行って、先読み演出(保留変化予告)の出現率を設定値ごとに常に異ならせて設定する構成も可能である。
〔ラッキーナンバー振分テーブル〕
図161は、変動演出設定処理(図155)のステップB2020で設定されるラッキーナンバー振分テーブルを示す。
図161(A)のラッキーナンバー振分テーブルIは、通常使用されるものであり、各ラッキーナンバーの振分(選択率)は同じである。図161(B)のラッキーナンバー振分テーブルIIでは、所定の数字(4、9)の振分(選択率)が他の数字よりも低くなっている。図161(C)のラッキーナンバー振分テーブルIIIでは、特典が付与される特定の数字(例えば3、7)の振分が他の数字よりも高くなっている。図161(D)のラッキーナンバー振分テーブルIVでは、特典が付与される特定の数字(例えば3、7)の振分が他の数字よりも低くゼロになっている。
〔ラッキーナンバー振分テーブルの変更パターン〕
図162は、大当りが発生する場合に、設定値と前回のラッキーナンバーに対応して設定されるラッキーナンバー振分テーブル(B2020)の変更パターンについて示す。
設定値が1又は4である場合には、ラッキーナンバー振分テーブルは変更されずに常に通常のラッキーナンバー振分テーブルIが設定され、ラッキーナンバーの出現態様であるラッキーナンバー演出パターンは演出パターン1となる。
設定値が2又は5である場合に、前回のラッキーナンバー(前回の大当り時に選択されたもの)が特定の数字(例えば3、7)であると、ラッキーナンバー振分テーブルは、通常のIからIIに変更され、その後、IIからIに戻る(I→II→Iの変更パターン)。これにより、ラッキーナンバーとして特典の付与される特定の数字(例えば3、7)が選択されると、次回の大当りの際に一時的に特典が付与されない所定の数字(4、9)が選択され難くなる。従って、ラッキーナンバーの抽選(出現率)にメリハリが出て遊技の興趣が向上する。このように、設定値が2又は5である場合に、ラッキーナンバーの出現態様であるラッキーナンバー演出パターンは演出パターン2となる。
なお、通常のラッキーナンバー振分テーブルIからラッキーナンバー振分テーブルIIに変更された後に、ラッキーナンバー振分テーブルIIが一回だけでなく数回の大当りで連続して設定されてもよい。また、特定の数字(例えば3、7)が選択されると、ラッキーナンバー振分テーブルは、IIからIに戻るようにしてもよい。
設定値が3又は6である場合に、特典が付与される特定の数字(例えば3、7)の振分が他の数字よりも高いラッキーナンバー振分テーブルIIIがデフォルトで選択される。前回のラッキーナンバー(前回の大当り時に選択されたもの)が特定の数字(例えば3、7)であると、ラッキーナンバー振分テーブルは、IIIからIVに変更され、その後、IVからIIIに戻る(III→IV→IIIの変更パターン)。これにより、ラッキーナンバーとして特典の付与される特定の数字(例えば3、7)が一度選択されると、次回の大当りの際に一時的に特典の付与される特定の数字(例えば3、7)が選択され難くなる。従って、ラッキーナンバーの抽選(出現率)にメリハリが出て遊技の興趣が向上する。このように、設定値が3又は6である場合に、ラッキーナンバーの出現態様であるラッキーナンバー演出パターンは演出パターン3となる。
なお、通常のラッキーナンバー振分テーブルIIIからラッキーナンバー振分テーブルIVに変更された後に、ラッキーナンバー振分テーブルIVが一回だけでなく数回の大当りで連続して設定されてもよい。また、所定の数字(4、9)が選択されると、ラッキーナンバー振分テーブルは、IVからIIIに戻るようにしてもよい。
以上のように、演出制御装置300(演出出現率設定手段)は、複数の設定値の間で大当り確率が同じでも、特図変動表示ゲームの結果態様が大当り(特別結果態様)となる場合に、ラッキーナンバー(1〜9)のうち特定の数字(例えば3、7)を報知する特殊ナンバー報知演出(所定の演出)の出現率を設定値ごとに異ならせて設定する(図161参照)。このため、ラッキーナンバー演出にメリハリが出て遊技の興趣が向上する。
〔第16実施形態の変形例〕
図163から図166を参照して、第16実施形態の変形例について説明する。本変形例では、遊技制御装置100が設定値(設定)に応じて所定の演出の出現率(出現態様)を異ならせる。ここで、所定の演出は、リーチ演出である。
〔特図情報設定処理〕
図163を参照して、本変形例に係る特図情報設定処理(図18のA3404、図19のA3504)の詳細について説明する。図163は、遊技制御装置100によって特図1変動開始処理(図18)と特図2変動開始処理(図19)において実行される特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A4201)、演出モード情報に対応する変動グループ選択ポインタを取得する(A4202)。次いで、変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4203)、対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A4204)。
次に、遊技制御装置100は、変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A4205)、加算して得た値を変動振分情報領域にセーブする(A4206)。これにより変動振分情報領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報がセーブされる。この変動振分情報は、テーブルポインタであり、後に変動グループテーブル(変動パターングループ)を選択するために用いられる。
図164を参照して、第16実施形態の変形例に係る変動パターン設定処理(A3406、A3506)の詳細について説明する。図164は、遊技制御装置100によって特図1変動開始処理(図18)と特図2変動開始処理(図19)において実行される変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、図141と同じ内容の処理には同じステップ番号を付して適宜説明を省略する。
遊技制御装置100は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定する(A4300)。次に、変動グループ選択アドレステーブルを参照して、変動振分情報に対応する変動グループテーブル(変動パターングループ)のアドレスを取得して、変動グループテーブルを準備する(A4301a)。その後、変動グループテーブルを変更可能な変動グループテーブル変更処理を実行する(A4301b)。
そして、遊技制御装置100は、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から乱数をロードし、準備する(A4302)。そして、ステップA4301aで準備された変動グループテーブル又はステップA4301bで変更された変動グループテーブルを参照して、2バイト振り分け処理を実行する(A4303)。
〔変動グループテーブル変更処理〕
図165を参照して、第16実施形態の変形例に係る変動グループテーブル変更処理(図164のA4301b)の詳細について説明する。図165Aは、図153に対応するものであり、遊技制御装置100によって実行される変動グループテーブル変更処理の手順を示すフローチャートである。図165Bは、図154(A)に対応するものであり、遊技制御装置100によって実行される変動グループテーブル変更処理の手順を示すフローチャートの別例である。
図165Aにおいて、遊技制御装置100は、まず、設定値に応じた分岐処理を実行する(A4801)。
遊技制御装置100は、設定値が1又は4である場合には、何もせず変動グループテーブル変更処理を終了し、ステップA4301aでアドレスによって設定された変動グループテーブルは変更されない。
図166(A)は、変更がない通常の変動グループテーブルを、通常状態(通常遊技状態)で特図変動表示ゲームがはずれの場合について例示する。変動グループテーブルは、リーチなし系、ノーマルリーチ系、SP1リーチ系、SP2リーチ系、SP3リーチ系の変動パターンからなる変動パターングループを構成する。なお、リーチなし系、ノーマルリーチ系、SP1リーチ系、SP2リーチ系、SP3リーチ系の変動パターンの順に、テーブルの下側になるほど変動時間が長くなり、遊技者に大当りの期待を抱かせる。2バイト振り分け処理(A4303)の結果、リーチなし系、ノーマルリーチ系、SP1リーチ系、SP2リーチ系、SP3リーチ系の変動選択テーブル(変動パターン選択テーブル)が、所定の割合で選択される。さらに、選択された変動選択テーブルによる振り分け処理(A4306)の結果、変動番号(変動パターン番号)が所定の割合で選択される。
遊技制御装置100は、設定値が2又は5である場合には、現在の特図変動表示ゲームのゲーム数(回転数)が所定範囲内であるか否かを判定する(A4802)。所定範囲は、300回転ごとに定期的に設けられる範囲(例えば300回転ごとに50回転)でもよいし、一日のうちの特定の回転数範囲(例えば1000回転から1100回転までの範囲)でもよい。なお、特図変動表示ゲームのゲーム数は、遊技機10の電源投入からのゲーム数でもよいし、大当り終了からのゲーム数でもよい。ゲーム数が所定範囲内でない場合に(A4802の結果が「N」)、何もせず変動グループテーブル変更処理を終了する。ゲーム数が所定範囲内である場合に(A4802の結果が「Y」)、後の2バイト振り分け処理(A4303)で参照される変動グループテーブルの変更(アドレス変更)を行って(A4803)、変動グループテーブル変更処理を終了する。
図166(B)は、設定値が2又は5で変更があった場合の変動グループテーブルを、通常状態(通常遊技状態)で特図変動表示ゲームがはずれの場合について例示する。なお、図166(B)では、図166(A)の通常の場合(設定値が1又は4の場合)よりも、テーブルの下側の変動時間が長い変動パターン(長時間リーチ)の選択率が増加する。従って、設定値が2又は5では、所定範囲内のゲーム数で、表示装置41でも期待を抱かせる変動パターン(長いリーチ演出)が多く出現して、遊技者を飽きさせない。
遊技制御装置100は、設定値が3又は6である場合には、現在(即ち変動開始時)、客待ち中であるか否かを判定する(A4804)。遊技制御装置100は、客待ちデモ中フラグ(A3210)がセットされていれば、客待ち中であると判定できる。客待ち中でない場合に(A4804の結果が「N」)、何もせず変動グループテーブル変更処理を終了する。客待ち中である場合に(A4804の結果が「Y」)、後の2バイト振り分け処理(A4303)で参照される変動グループテーブルの変更(アドレス変更)を行って(A4805)、変動グループテーブル変更処理を終了する。
図166(C)は、設定値が3又は6で変更があった場合の変動グループテーブルを例示する。なお、図166(C)では、図166(A)の通常の場合(設定値が1又は4の場合)や図166(B)のように設定値が2又は5で変更があった場合よりも、テーブルの下側の変動時間が長い変動パターン(長時間リーチ)の選択率が増加する。従って、設定値が3又は6では、客待ち終了直後の表示装置41でのリーチ演出は、特に長く賑やかなものとなり遊技者に大きな期待を抱かせるため、その後も遊技者は遊技を継続する傾向が強くなる。
図165Bは、変動グループテーブル変更処理の手順を示すフローチャートの別例である。なお、図165Bにおいて、図165Aと同じ内容の処理には同じステップ番号を付している。
図165Aにおいて、遊技制御装置100は、まず、設定値に応じた分岐処理を実行する(A4801)。
遊技制御装置100は、設定値が1、3、5である場合には、何もせず変動グループテーブル変更処理を終了し、ステップA4301aでアドレスによって設定された変動グループテーブルは変更されない。
遊技制御装置100は、設定値が2、4、6である場合には、現在、特図変動表示ゲームのゲーム数が所定範囲内であるか否か又は現在客待ち中であるか否かを判定する(A4802a)。ゲーム数が所定範囲内でなく且つ客待ち中でない場合に場合に(A4802aの結果が「N」)、何もせず変動グループテーブル変更処理を終了する。ゲーム数が所定範囲内であるか又は現在客待ち中である場合に(A4802aの結果が「Y」)、後の2バイト振り分け処理(A4303)で参照される変動グループテーブルの変更(アドレス変更)を行って(A4803)、変動グループテーブル変更処理を終了する。
設定値が2、4、6で変更があった場合の変動グループテーブルは、図166(B)と同じでよく、通常の場合(設定値が1、3、5の場合)よりも、テーブルの下側の変動時間が長く期待を抱かせる変動パターン(長時間リーチ)の選択率(割合)が増加する。
図165A、Bに示すように、遊技制御装置100(演出出現率設定手段)は、複数の設定値の間で大当り確率が同じでも、所定の条件下(例えば、特図変動表示ゲームのゲーム数が所定範囲内の場合又は客待ち中である場合)で、設定値に応じて変動グループテーブルの変更を行って、変動時間が長い変動パターン(長時間リーチ)の出現率を設定値ごとに異ならせて設定する。このため、所定の条件下でのみ、遊技者に大当りの期待を大きく抱かせることができる。
[第16実施形態の作用・効果]
第16実施形態に係る遊技機10は、識別情報を変動表示させる変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる。遊技機10は、遊技に関する設定に応じた設定値を変更可能な設定変更手段(例えば、設定キースイッチ93と設定値変更スイッチ102)を備える。また、遊技機10は、複数の設定値の間で特別遊技状態の発生する確率が同じである場合に、当該複数の設定値のうちの設定値ごとに所定の演出(通常予告、リーチ演出、先読み演出、ラッキーナンバー報知演出のうちの特殊ナンバー報知演出、キャラクタ演出、背景演出など)の出現率を異ならせる演出出現率設定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)を備える。
従って、複数の設定値の間で大当り確率が同じで、設定値に起因する獲得球数の差(設定差)がない場合にでも、遊技者は、設定値による演出パターンの差(演出差)に期待することができ、所定の演出の発生が多い遊技機を選ぶことができる。そして、遊技場(遊技店)において遊技機の稼働が向上する。
第16実施形態によると、演出出現率設定手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、所定の条件下(例えば、時刻が所定期間内の場合又は客待ち中である場合)で、設定値ごとに所定の演出の出現率を異ならせる。従って、所定の条件下でのみ、特定の設定値に対して所定の演出の出現を多くしたり少なくしたりすることができる。
第16実施形態によると、遊技機10は、時刻を計時する計時手段を備える。演出出現率設定手段は、計時手段によって計時された時刻が所定期間内である場合に、設定値ごとに所定の演出の出現率を異ならせる。従って、時刻が所定期間内である場合に、特定の設定値に対して、所定の演出の出現を多くしたり少なくしたりすることができ所定期間内での遊技の興趣を著しく向上できる。所定期間を定期的に設けることにより、遊技機の稼働を向上できる。
第16実施形態によると、演出出現率設定手段は、客待ち中に変動表示ゲームが開始した場合に、当該変動表示ゲームに関連する所定の演出の出現率を設定値ごとに異ならせる。従って、特定の設定値に対して、客待ち終了後に賑やかな(派手な)所定の演出の出現を多くして、遊技者の期待を煽り、遊技機の稼働時間を長くすることができる。
第16実施形態によると、演出出現率設定手段は、変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となる場合に、設定値ごとに所定の演出の出現率を異ならせる。従って、特定の設定値に対して、特別結果態様(例えば大当り態様)に関連する演出(特殊ナンバー報知演出)や特別遊技状態(大当り状態)に関連する演出(ファンファーレ演出、大当り中演出)の出現を多くして、遊技者の期待を煽り、遊技機の稼働時間を長くすることができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、複数の実施形態を組合せることも可能である。また、例えば、本発明を他の種類の遊技機(スロットマシンなど)に適用することもできる。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。