JP6659730B2 - アクチュエータ駆動ロボットジョイントの開ループ/閉ループ制御のための方法および装置 - Google Patents

アクチュエータ駆動ロボットジョイントの開ループ/閉ループ制御のための方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6659730B2
JP6659730B2 JP2017560790A JP2017560790A JP6659730B2 JP 6659730 B2 JP6659730 B2 JP 6659730B2 JP 2017560790 A JP2017560790 A JP 2017560790A JP 2017560790 A JP2017560790 A JP 2017560790A JP 6659730 B2 JP6659730 B2 JP 6659730B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fault
sensor
failure
torque
detector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017560790A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018524185A (ja
Inventor
ハダディン,サミ
Original Assignee
カスタニエンバウム ジーエムビーエイチ
カスタニエンバウム ジーエムビーエイチ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カスタニエンバウム ジーエムビーエイチ, カスタニエンバウム ジーエムビーエイチ filed Critical カスタニエンバウム ジーエムビーエイチ
Publication of JP2018524185A publication Critical patent/JP2018524185A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6659730B2 publication Critical patent/JP6659730B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25JMANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
    • B25J9/00Programme-controlled manipulators
    • B25J9/16Programme controls
    • B25J9/1674Programme controls characterised by safety, monitoring, diagnostic
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25JMANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
    • B25J19/00Accessories fitted to manipulators, e.g. for monitoring, for viewing; Safety devices combined with or specially adapted for use in connection with manipulators
    • B25J19/06Safety devices
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25JMANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
    • B25J9/00Programme-controlled manipulators
    • B25J9/16Programme controls
    • B25J9/1628Programme controls characterised by the control loop
    • B25J9/1653Programme controls characterised by the control loop parameters identification, estimation, stiffness, accuracy, error analysis
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25JMANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
    • B25J9/00Programme-controlled manipulators
    • B25J9/16Programme controls
    • B25J9/1656Programme controls characterised by programming, planning systems for manipulators
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B9/00Safety arrangements
    • G05B9/02Safety arrangements electric
    • G05B9/03Safety arrangements electric with multiple-channel loop, i.e. redundant control systems
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B2219/00Program-control systems
    • G05B2219/20Pc systems
    • G05B2219/24Pc safety
    • G05B2219/24182Redundancy
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B2219/00Program-control systems
    • G05B2219/30Nc systems
    • G05B2219/39Robotics, robotics to robotics hand
    • G05B2219/39001Robot, manipulator control

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Robotics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Manipulator (AREA)
  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Description

本発明は、故障検出機能および対応する反応を伴うアクチュエータ駆動ロボットジョイントの開ループ/閉ループ制御のための方法および装置に関する。
本発明が対処する課題は、アクチュエータ駆動ロボットジョイントの開ループ/閉ループ制御のための方法および装置を示すことであり、それにおいてロボットジョイントの動作中単一故障保護をする費用対効果に優れたロバストな故障検出機能が可能であるべきである。
本発明は、独立請求項の特徴から生じる。有利な展開および構成は、従属請求項の主題である。本発明のさらなる特徴、可能な用途および利点は、以下の説明、ならびに図面に示される本発明の実施形態の説明にて見られる。
故障検出、診断、管理の図表である。 状態オブザーバの図表である。 出力オブザーバの図表である。 方程式の誤差の最小化の図表である。 パラメータ推定時の出力誤差の最小化の図表である。 バンドパスフィルタの階段状の配置の図表である。 急峻な故障のグラフ表示である。 ドリフト故障のグラフ表示である。 間欠的な故障のグラフ表示である。 量子化ノイズを伴う量子化信号の図である。 単一ピークの図である。 信号ノイズである。 三相インバータの回路図である。 各種インバータ故障の概略図である。 フレキシブルロボットジョイントの概略図である。 ジョイントシミュレーションの一般的な構造の図である。 インバータの可能な切り替え状態の図である。 ジョイントシミュレーションの物理モデルの図である。 BEMFの測定の図である。 デルタ接続におけるBLDCの図表である。 エンコーダ信号と位置の計算の図である。 基準位置と比較したモータとカップリングの位置(故障なし)の図である。 モータとカップリング速度(故障なし)の図である。 ジョイントトルク(故障なし) 線電流(故障なし)の図である。 一般的なセンサの故障の信号操作の図表である。 センサ読み取り操作の信号フローチャートである。 故障「増幅」に関する測定位置qと実際の位置q*の図である。 故障「オフセット」に関する測定位置qと実際の位置q*の図である。 故障「ノイズ」に関する測定位置qと実際の位置q*の図である。 故障「ホールド」および「シャットダウン」に関する測定位置qと実際の位置q*の図である。 測定値センサの操作の図表である。 誤差「インクリメントスキップ」に関する測定位置qと実際の位置q*である。 誤差「Aの損失」に関する測定位置qと実際の位置q*である。 インバータの故障「シャットダウン」を伴うモータトルクτの図である。 インバータの故障「シャットダウン」を伴う相電流の図である。 インバータの故障「シャットダウン」を伴うカップリング位置q*である。 インバータの故障「単一スイッチ開」を伴うモータトルクτの図である。 インバータの故障「単一スイッチ閉」を伴うモータトルクτの図である。 インバータの故障「単一スイッチ閉」を伴う位置の誤差Δq=q*−qidの図である。 誤差「相の破断」を伴う相電流の図である。 誤差「相の破断」を伴うジョイントトルクの図である。 誤差「相間短絡」を伴う相電流の図である。 故障「相間短絡」を伴うモータトルクτの図である。 故障「相間短絡」を伴うカップリング位置q*の図である。 歯車列の破損を伴う位置θ*とq*の図である。 歯車列破損間のジョイントトルクの図である。 ジョイントのブロックの位置θ*とq*の図である。 ジョイントブロック中のトルクの図である。 モータのブロックの位置θ*とq*の図である。 モータのブロックにおけるジョイントのトルクの図である。 摩擦の増加を伴う位置q*の図である。 トルクリップルを伴う摩擦トルクの図である。 の故障「シャットダウン」を伴う電流の合計の図である。 能動的故障がない場合の推定剛性[数119]の図である。 能動的故障なしでのギア伝達比[数120]の推定の図である。 センサ信号を分離しないパリティ方程式の残差の図である。 パリティ方程式の残差と能動的故障(iの分離)の図である。 能動的故障のない分離したθを伴うパリティ方程式の残差の図である。 フレキシブルジョイントのプロトタイプの設計の図である。 検証軌道に続く故障フリーの動作のプロトタイプの出力側位置qの図である。 FDIと検証構造との接続の図表である。 故障「シャットダウンi」を伴うセンサ信号が分離されていないパリティ方程式の残差の図である。 故障「センサqのジョイントのプロトタイプがアンプラグ」を伴うオブザーバ信号の図である。 故障「センサqのジョイントのプロトタイプがアンプラグ」を伴うオブザーバ信号の図である。 故障「センサqのジョイントのプロトタイプがアンプラグ」を伴うオブザーバ信号の図である。 故障「センサqのジョイントのプロトタイプがアンプラグ」を伴うパリティ方程式の残差の図である。 故障「センサqのジョイントのプロトタイプがアンプラグ」を伴うパリティ方程式の残差の図である。 故障「センサqのジョイントのプロトタイプがアンプラグ」を伴うパリティ方程式の残差の図である。 提案された方法の概略的なプロセスシーケンスの図である。 提案された装置の概略的な設計の図である。
本発明の第1の態様は、電気モータによって駆動されるロボットジョイントの開ループ/閉ループ制御のための方法であって、前述のロボットジョイントが、電気モータの第1の動作電流ik,1(t)(式中k=1、2、...、)を検出する第1のセンサエレクトロニクスを含む電流センサと、ロボットジョイントの駆動列の駆動位置θ(t)を検出する第1の位置センサと、ロボットジョイントの出力列の出力位置q(t)を検出する第2の位置センサと、駆動列のトルクτJ,1(t)を検出する第1のトルクセンサであって、電気モータが所定の目標制御変数τ(t)に基づいて開ループ/閉ループ制御によって制御される第1のトルクセンサとを有する方法に関する。「センサエレクトロニクス」という用語は、本件では、センサ、測定および通信用のエレクトロニクスを意味すると理解すべきものである。
提案された方法は、以下のステップを含む。1つのステップで、測定値θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)が提供される。
さらなるステップでは、第1の故障検出器が故障の存在をチェックし、測定値θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)および/またはその時間微分が所定の第1の閾値条件を満たしていないときに故障の存在を検出する。有利には、各々の測定値の少なくとも第1および第2の時間微分が計算される。第1の閾値条件は、測定値、θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)その時間微分、および/またはそれらから導出された(フィルタされた、補間された、観測されたなどの)値を含むことができる。
さらなるステップでは、第2の故障検出器が故障の存在をチェックし、プロセスモデルベースの方法の測定値θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)に基づいて故障が検出され、プロセスモデルはロボットジョイントの所定の数学的動的モデルであり、モデルのパラメータ、プロセスモデルによって再構成された変数間の残差、およびモデル内で計算された測定された変数および/またはパラメータが所定の第2の閾値条件を満たしていないとき故障が検出される。プロセスモデルベースの方法に応じて、例えば、測定値θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)の時間微分および/または測定値θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)および/またはそれらの時間微分から導き出された変数を利用できる。また、故障が存在するかどうかを判断するために、プロセスモデルに応じて1つまたは複数の測定値θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)が使用されないままになることがある。
さらなるステップでは、信号ベースの方法に基づいて故障の存在を検出する第3の故障検出器に測定値τ(t)を提供し、測定値τ(t)の振幅および/または特性周波数などの信号変数が所定の第3の閾値を満たしていないときに故障が検出されるか、またはトルクセンサもしくは他の第1のトルクセンサの重複して設計されたセンサエレクトロニクスが出力列のトルクτJ,2(t)を検出し、τJ,1(t)とτJ,2(t)の比較が第4の閾値条件を満たしていないときに第4の故障検出器が故障を検出する。ロボットジョイントが第2のトルクセンサまたは重複して設計されたセンサエレクトロニクスを有する第1のトルクセンサを有する限り、このステップではトルクのτJ,1(t)とτJ,2(t)の評価のみが生じるときに有利である。
さらなるステップでは、ロボットジョイントに設けられた故障検出器の1つによって故障が検出されるたびに、警告信号を生成し、および/または所定の故障状態FZでロボットジョイントを制御する制御変数

を用いて電動モータを作動させ、および/またはロボットジョイントの移動を制動するための機械的機構を作動させる。後者の場合、制動は能動的であってもよいし、安全ブレーキによって実行されてもよい。
有利には、警告信号は、視覚的および/または音響的に放出される。
提案された方法の有利な展開は、第1の電流センサが、第1のセンサエレクトロニクスに対して重複する第2のセンサエレクトロニクスを有し、電気モータの第2の動作電流iki2(t)(式中k=1、2、...)を判定し、iki1(t)とik:2(t)との比較が第5の閾値条件を満たしていないときに第5の故障検出器によって故障が検出される点で区別される。
有利には、ロボットジョイントセンサにリンクされた故障検出器のいくつかまたはすべては、検出された各タイプの故障(特に、以下の説明で見出すことができる故障のタイプ)の1つが識別されるように配置および構成される。
有利には、制御変数

および/または故障状態FZは、検出された故障Fのタイプに依存する。例えば、異なる故障状態FZが、異なるタイプの故障に対して定義され得るか、制御変数

が、異なるタイプの故障Fに対して相違のあるよう定義することができる。すなわち、検出される故障のタイプに応じて反応を定義することができる。
有利には、第2の故障検出器は、モデルおよび/または状態変数オブザーバおよび/またはカルマンフィルタおよび/または「拡張」カルマンフィルタおよび/または「unscented」カルマンフィルタ(unscented Kalman Filter)および/またはパリティ方程式(parity equation)に基づく故障検出機能(特に後述にて示すように)および/または外乱変数オブザーバおよび/または故障を検出するための減少した状態変数オブザーバをベースにしたパラメータ推定値を使用するが、ただし外乱変数オブザーバは基本的には状態オブザーバ以上のものではない。以下の説明から分かるように、第2の故障検出器は、故障を検出するためにパリティ方程式と1つ以上の状態オブザーバとの組合せを用いることが特に好ましい。
有利には、第3の故障検出器は、高速フーリエ変換および/または電力密度スペクトルおよび/またはモーダル解析および/または補正分析および/またはニューロンネットワークおよび/または故障検出のための統計的推定法を使用する。
本発明はさらに、データ処理装置を有するコンピュータシステムに関し、前述のデータ処理装置は、上述したような方法がデータ処理装置で実行されるように設計されている。
さらに、本発明は、電子的に読み取り可能な制御信号を用いるデジタル記憶媒体に関し、制御信号は、上述のように、方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと相互作用することができる。
さらに、本発明は、プログラムコードをデータ処理装置で実行させるときに、上述したような方法を実行するための、機械可読のキャリアに保存されるプログラムコードを用いるコンピュータプログラム製品に関する。
本発明はまた、プログラムをデータ処理装置で実行させるときに、上述したような方法を実行するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムに関する。
本発明はさらに、電気モータによって駆動されるロボットジョイントの開ループ/閉ループ制御のための装置に関し、前述のロボットジョイントは、電気モータの第1の動作電流ik,1(t)を識別するための第1のセンサエレクトロニクス(式中k=1、2)を含む電流センサと、ロボットジョイントの駆動列の駆動位置θ(t)を検出する第1の位置センサと、ロボットジョイントの出力列の出力位置q(t)を検出する第2の位置センサと、出力列のトルクτJ,1(t)を検出する第1のトルクセンサであって、電気モータが所定の目標制御変数τ(t)に基づいて開ループおよび閉ループ制御ユニットの開ループ/閉ループ制御下にある第1のトルクセンサを有する。提案された装置は、測定値θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)を提供するためのインターフェースと;測定値θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)および/またはその時間微分が所定の第1の閾値条件を満たしていないときに故障の存在を検出するように設計される、故障の存在を検証するための第1の故障検出器と;
さらなるステップで、故障の存在をチェックするための第2の故障検出器とを含み、プロセスモデルに基づく方法の測定値θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)に基づいて故障を検出し、プロセスモデルがロボットジョイントの所定の数学的動的モデルであり、モデルのパラメータ、プロセスモデルによって再構成された変数間の残差、およびモデル内で計算された測定された変数θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)および/またはパラメータが所定の第2の閾値条件を満たしていないとき故障が検出される。
さらに装置は、故障の存在を検証するための第3の故障検出器であって、測定値τ(t)および信号に基づく方法に基づいて故障の存在が検出されるように設計され、測定値τ(t)の振幅および/または特性周波数が所定の第3の閾値条件を満たしていないときに故障が検出される第3の故障検出器、または出力列のトルクτJ,2(t)を検出するための第2のトルクセンサ、および故障の存在を検証する第4の故障検出器を含み、第4の検出器は、故障の存在が測定値τJ,1(t)とτJ,2(t)に基づいて検出されるよう設計され、τJ,1(t)とτJ,2(t)の比較が第4の閾値条件を満たしていないときに故障を検出する。装置の開ループ/閉ループ制御ユニットは、利用可能な故障検出器の1つによって故障が検出されるたびに、警告信号を生成し、および/または所定の故障状態FZでロボットジョイントを制御する制御変数

を用いて電気モータを制御し、および/またはロボットジョイントの移動を制動するために機械的機構を作動させるよう構成される。
提案された装置の利点および有利な展開は、提案された方法に関してなされた上記の記述の類似した伝達および論理の伝達から生じる。
本発明はさらに、上述したような装置を備えたロボットマニピュレータに関する。最後に、本発明は、上述の装置を備えたロボットに関する。
提案された装置は、ロボットジョイントが作動している間、故障の検出中の単一故障保護ができるようにし、機械のレベル(例えば、「機械ブレーキを作動する」または「制御された停止を開始する」)およびソフトウェアのレベルなどで故障が検出されるときはいつも反応をトリガできるようにし、特にユーザへ故障の状態をマルチモーダルに通信することを可能にする。提案された装置は、特にデータクラウドおよび対応するデータベースによって相互にリンクされたヒューマノイドシステム、マニピュレータ、飛行システムまたは潜在的に異種のマルチロボットシステムにおいて、ロボットのロボットジョイントで有利に用いられる。これらの各システムには、1つの駆動ユニット(電動モータ)あたり2つ以上の異なるセンサおよび/または独立したセンサが装備されている。
ロボットジョイントの好適な構成は、トルクセンサに基づく以下の電気機械駆動ユニットを含む:駆動位置θを検出するための駆動位置センサ、出力位置qを検出するための出力位置センサ、通常適切な相電流iを検出するためにモータが有する相の数(モータの相の選択:例えば3)に従って選択される複数の電流センサ、およびトルクセンサτである。本発明は、各駆動ユニット(電気モータ)における、したがって当然ロボット全体に亘る、別々の故障検出と分離(Fault detection and isolation)を可能にする。特に、本発明の概念は、すべてのセンサが明示的にデュアルチャネルであることなく、単一故障保護を実装することを可能にする。
故障検出の目的は、ロボットに関連する機械的および/または電気的および/または熱的変数、および測定された変数、例えばモータの位置、ジョイントトルク、モータトルク、モータ電流、出力位置、出力加速度、特に1つおよび/または複数の観測変数への変化から生じるあらゆる不正確さを認識することである。この不正確さは、まさに1つの故障によって引き起こされる可能性がある。提案された装置および提案された方法により、特に、高レベルの保証された確実性および堅牢性で、変数の故障フリーの名目的な変化と対応する故障誘起の変化との間で区別できるようになる。
故障フリーの変化には、特にノイズまたは量子化、およびデータのモデルの不正確さ、ならびに、例えば所望のルールの挙動、および特に「位置制御」モードにおける位置の追跡性能に基づいて、変数に対する意図的な変更が含まれる。故障認識/故障検出の原則は、少なくとも1つの故障フリーの変数値との比較に基づいている。この値は、第2のセンサ(同じ基本測定値であるが、必ずしも同じ測定原理である必要はない)によって提供することができるが、これは従来技術の古典的方法に相当する。
故障フリーの変数値との比較には、以下が適している:
a)行動または変数の期待値の範囲に関する予備知識の利用
b)故障フリーの変数値の推定を含み、比較のために引き出すことができる方法
a)予備知識
行動または期待値の範囲に関する予備知識を利用する方法には、変数の予想される故障フリーの値の範囲における特定の制限(特に第4章で後に説明する一定の制限、ただし動的制限も同様に可能である)が含まれる。
b)推定
単一故障保護を確実にすべきであることから、特に、他の変数を使用して計算された1つまたは複数の推定値を用いて比較を実行することができる。1つの欠陥であろうと存在している限り、システムは、測定される変数と推定される変数との間に差異が存在し、検出のための計算に組み込まれているという事実によって、欠陥を認識することができなければならない。ここで、測定値と推定値との間に直接的な微分を成す必要はなく、代わりに他の実際的な数学的/物理的相関を利用できることに留意すべきである。別の好ましい展開によれば、変数の故障フリーの変化(特に、変数に対するノイズまたは意図的な変化)までたどらない、測定値と推定値との間に差があることを示す計算を用いることができる。言い換えれば、名目上の理由ではない。
故障フリーの変数値の提案された推定方法の中には、オブザーバおよびパリティ方程式があり、それは特に第4章で後述する。さらに別の好ましい推定方法は、共分散または相関の方法に基づいている。エントロピーや情報獲得の尺度などの情報理論に関連する背景は、1つの有利な展開に従う推定方法として利用することができる。これらの変数のそれぞれは、基本的に、関連する状況で解釈される故障の大きさである。
記載しているような故障検出には、記載したセンサに関する予備知識か、記載したセンサの推定値のための計算が必要である。
予備知識は、極力故障フリーである条件下で、特にデータシート/製造者の仕様書および/または識別実験から得ることができる。ロボットの作動の有無に関わらず、これらの目的のために特別に設計されたアルゴリズムなどのより複雑な方法も、同様に好ましく適用することができる。ロボットのモデル知識を使用するのと並行して変数を計算する可能性も存在する(以下の実施形態を参照)。特に、この目的のために2つの異なる計算方法を使用するが、それらは少なくとも概ね同等のロボットモデルを反映している。
1つまたは複数の他のセンサ値を使用して前述のセンサ値の1つを推定することは、特に、特定のロボットジョイントに関するモデル知識を適用することによって行われる。ここで重要なことは、モデルの方程式が確立/提供され、特定のセンサ値の推定が、それによって関連センサの測定値が測定の方程式(複数可)に直接的または間接的に組み込まれることなく、各々の事例で可能であるように、変換されることである。これは、特に、特定のセンサ値の式における他の変数(他のセンサの値だけでなくセンサに依存するもの、およびそれらから独立しているもの)が、推定される特定の変数の測定値から独立していなければならないことを意味する。有利な展開によれば、単一故障保護を確実にするために、複数のマージナルな独立性を同時に使用すること、およびそのためにそれが可能になることも意味を成す可能性がある。故障検出は、明らかに、特定の論理的な故障クラスに割り当てることができる。
観測するための各ロボットジョイントの基礎となるモデルは、観測される変数ごとに一貫している必要はないが、代わりに、必要な抽象化と表現の効率/簡素さが各々の場合に確立されるように、手近の目的に適合されるべきである。これは、必要な計算時間のコンタクトに特に関係する。以下の章で、好ましい実施形態としての、ロボットのジョイント摩擦モデルを、異なる数学的抽象化/モデルに基づいて十分に説明する。
故障検出の選択されたモデルは、故障分離/故障分類の可能性を判定し、それによりロボットは、相応する分意味のある動きをとることおよび/またはソフトウェアが反応することが可能になる。
一般的に言えば、より正確かつ現実的にジョイントモデルが定義されるほど、故障検出と分離もより正確になる。しかし、実際のロボットジョイントの行動の正確な再現は、通常、近似させることしかできない。このため、対応するモデルが必要となる。対応するモデルには、故障検出、故障分離、および反応の目的に関する最も重要なロボットのジョイントの特性が含まれている。この目的のために、特に以下の態様が考えられる。
1.重要な慣性本体(inertial body)を剛体に結合すること(可能な場合);
2.システム内の重要な弾性を結び付け、感知可能な点で弾性を生じさせること(特に、歯車列の下流で、かつモータの前側ではなく、要は側面で、ジョイントの柔軟性を仮定する);
3.ロボットの運動学に関する感知可能な仮定、特にDenavit−Hartenbergの慣習;
4.各効果をそれ自体の慣性本体などに割り当てるのではなく、著しい摩擦効果を組み合わせ、共通のトルクベクトルに至るようにすること。
好ましい実施形態に基づいて、これをパリティ方程式によって説明する。パリティ方程式は、通常は比較される2つの変数間の差を計算すること(主に実際に重要である)から、一定の閾値よりもドリフトに悩まされているシステムに、一般に適している。同様の結果は、リミットおよびパリティ方程式に関する後の章において見出すことができるが、突発的な変化のみが表されている。ここで使用することができる基本的な方法には、例えば、特に「Generalized likelihood test for FDI in redundant sensor configurations」(Daly、Kevin C and Gai、Eliezer and Harrison、James V)に基づくプロセス、および特に「Springer Handbook of Robotics」の13.1章「Robots with flexible joints」に基づく方程式が含まれるが、これらは記載した推定のタイプを達成するような方法で適合される。
本発明による故障検出の基礎となる(ロボットジョイントの)モデル方程式の好ましい実施形態は、対応する代替案とともに、特に第4章に見出すことができる。
並行して変数を計算するための中心的な好ましい実施形態を、ここで、マルチマニピュレータのためのいわゆるジョイントトルクτの計算のために提示する。
1.左側/出力側の計算:
M(q)*q”+c(q,q’)+g(q)+場合によりtau_extまたはtau_friction_left+またはtau_disturbance_left
2.駆動側の計算:B*theta”−tau_m(コントローラ入力)+場合によりtau_friction_motor
3.2つの方程式を以下により結合する:tau_J=K*(theta−q)
記号は次のように定義される:
特定の仮定/制約により、tau_Jは、2つの方法で重複/独立して計算することが可能である。外乱や摩擦条件などの特定の変数、または純粋な加速度が利用できないときいつでも、特定の評価を行うことができる。これは、もはやtau_Jの正確な計算ができるようにはしないが、前述の可能性のうちの1つ以上を用いて範囲を計算して、実際の測定されたジョイントトルクtau_Jの一貫性に関する結論を引き出すことが可能である。正確には、さらなる(重複する)センサを省略するが、測定されたトルクが、評価する間に確立された前述の限界を超えない限り、カップリングトルクの実際の測定値を信頼することができるようになるのは、この「準」デュアルチャネル形式なのである。
最良の場合のシナリオでは、故障を分離することができる。そうでなければ、有利には、ロボットの反応におけるさらなる処理のために故障分類が実行される。故障の分離は、特に、故障の因果関係を反転させることによって確立できる。故障認識/故障検出で記載した式は、故障を分離するために、言い換えればその起点を認識するために有利に使用される。これは特に、計算が予測値(故障測定または推定による)と測定値との間の偏差を特定することを意味する。これは必ずしも差の直接的な計算を必要とするのではなく、対応する偏差を通知し、対応する閾値を超えることによって示される、記述された計算/数学的−物理的測定を含む。
上述したように、選択された故障検出モデルは、故障分離/故障分類、それによって、ひいてはロボットによる特定の論理的反応(目標制御変数で電気モータを作動させる)、特に制御された停止、またはコントローラのためにセンサのフィードバックにおける純粋に独立した推定変数へ切り替えることに対する可能性を判定する。加えて、前述のセンサはロボットジョイントにおいて故障があるだけでなく、他の干渉源も発生する可能性がある。第1章で述べた故障は、特に、故障検出、故障分離、および反応の目的に関連している。当然、他のすべての外乱変数(他のセンサとは別の故障源を含む)の特定のセンサ値に対する故障測定または推定を独立させるほど、分離が容易になることは依然確かである。しかし、実際には、主に設けられる故障のクラスは、記載されたセンサの故障(failure)の1つだけを含み得るが、他の故障源も含むことができるものである。したがって、説明している本発明による分離方法は、特に第4章に記載しているように、故障クラスに同等に適用することができる。
ロボットによる故障のメッセージ(ジョイントの電気モータの適切な作動による)に対する反応は、単一のセンサの故障の分離に可能な限り基づき、そうでなければ故障のクラスの発生の報告に基づく。
さらに、同一の反応(複数可)を引き起こすさらなる故障のクラスを作り出すことができる。そうすることで、故障、またはロボットのジョイント関連変数に対する故障関連の変化のメッセージを、複数の共通要素を欠く故障のクラスに割り当てることができ、その各々は故障にリンクされているか、または対応する計画立案コンポーネントにより選択される反応をトリガする。特に、それぞれが駆動(クラス1)または出力(クラス2)の故障を表示する2つの故障クラスを形成することができる。2つのクラスのどちらに故障が属するかを示す情報は、ユーザまたは計画立案コンポーネントに報告される。そのとき、ユーザまたは計画立案コンポーネントは、この情報だけに基づいて故障を絞り込むことができる。
それを分離する考えられるアプローチは、通常、以下のクラスに編成することができる。
・論理:予備知識の他に、観測値または実測値に基づく閾値のある相互排除または判定木
・確率ベースのアプローチ(例えば、隠れマルコフモデル、ガウスプロセスなど)。
・ファジー論理などのヒューリスティックアプローチ。
これに関する好ましい実施形態は、第5章で見出せる。
例えば、推定変数theta_m(「isolating theta_m」列)による計算が使用されている限り、これは故障が発見されていないという故障「shutdown theta_m」のテーブルに示される。theta_mの故障値を利用する他の3つの計算では、故障を「拒否」し、したがって、これを通知する。これは、この場合の故障がtheta_mにあることを示す。
上述した本発明による故障検出方法は、記載された故障分離および故障分類と、ロボットによる反応との両方を可能にし、これは必要であれば、故障の場合の簡単な制動を超えることもできる。故障および故障のクラスは現在知られているので、特に安全関連の反応も生じ得る。これは、高リスクの場合または高リスクの故障が発生した場合、そのリスクを最小限に抑える反応を選択し、実行することを意味する。これは特に、人間とロボットとの相互作用中に被る人間の傷害の可能なリスクだけでなく、特にセンサの問題が生じて補償できない場合(特に推定値または代替の計算のような比較用の記載した値による)、物質への損傷にも当てはまる。1つの好ましい展開によれば、高リスクであることまたは高リスクの事例の場合に、直接的な制動などの機械的反応が引き起こされる。それは、純粋に機械的および/または制御された反応、または両者を組み合わせたものである。他の場合(センサの故障(failure)およびリスクに応じて)には、緩やかな減速または制御された停止がトリガされ得る。
交換を利用することができれば(特に、他の信号によって支援される推定信号の一時的な使用、異なるコントローラの使用)、好ましい展開に従い、作動が(一時的に)継続する。
さらに、ユーザを関与させ、その人物に故障を知らせることが可能である(例えば、通信、緊急遮断、赤信号、人物への信号)。このようにすると、好適な展開によれば、一般に故障を通知できるが、より正確な情報(正確な故障、故障のクラス、...)もまた伝達できる。好ましい実施形態によれば、この可能性をさらに考慮することができ、またはそれは単独で考えることができる。両方の場合において、ユーザは、どのように進行するかを(少なくとも部分的に)判断することができる。ユーザが利用可能な情報が多いほど、また故障の危険性が低いほど、ユーザはより多くの判断を独立して行うことができる。
あらゆる場合において、起こりうる反応の数を論理的に減らすことができるので、故障のタイプまたは故障自体に関するより正確な情報にアクセスすることが有利である。この場合、故障または故障のクラスに応じて潜在的なリスクを減少させることができるため、プロセスの安全性を高めることができる。これは、ユーザとの対話処理の場合にも当てはまる。なぜなら、この場合でも、故障または故障のクラスに関する利用可能な情報のおかげで、特にロボットオペレータの経験が少ない場合に、可能な反応の範囲を制限し得るからである。例えば、リスクを増加させる尺度は、当初、ユーザにまったく提示されない場合もある。
ここで説明するすべてのケースでは、必要に応じて(例えば、ロボット、アプリケーション、可能な人間とロボットの対話処理への注意)、適宜反応を故障または故障のクラスに適合させられることに留意されたい。
第1〜5章において、本発明の概念を再度より詳細に提示して、具体例に基づいて説明する。
第1章
用語と定義
国際自動制御連盟(IFAC)の技術プロセスに関する故障検出、監督、安全に関する技術委員会(SAFEPROCESS)は、「故障/故障検出など」というテーマで一般的に使用される用語のリストを作成し、様々な定義を構築させてきた。
状態と信号
種々の状態や信号を、以下のように定義する。
故障
システムの少なくとも1つの特徴的な特性またはパラメータが、許容可能/通常の/標準的な状態から許容できないほど逸脱していること。
故障(failure)
特定の動作状況で必要な機能を実行するシステムの能力が永続的に止まること。
機能不全
システムの所望の機能を実行する際の間欠的な不規則性。
誤差
(出力変数の)測定値または計算値と、実際の値、指定された値、または理論上正しい値との間の偏差。
外乱
システムに作用する未知の(および制御されていない)入力。
パータベーション(Perturbation)
システムに作用する入力。現在の状態から一時的に逸脱する結果となる。
残差
測定値とモデル方程式に基づく計算との間の偏差に基づいて故障を示すもの。
症状
正常な挙動からの観測可能な量の変化。
機能
システムの挙動のモニタリングおよび管理は、様々な機能の助力により達成することができる。
故障検出
システムに存在する故障と検出時間の判定。
故障の分離
故障の種類、場所、検出時間の判定。故障検出に従う。
故障の識別
故障の大きさと時変行動の判定。故障の分離に従う。
故障診断
故障の種類、サイズ、場所および検出時間の判定。故障検出に従う。故障の分離と識別が含まれる。
モニタリング
情報を記録し、行動の異常を認識し、示すことによって、物理システムの状態を判定する連続的なリアルタイムのタスク。
監督
物理システムをモニタリングし、故障の場合でも作動を維持するための適切な処置を講じること。
保護
可能であれば、システムの潜在的に危険な行動が抑制される手段、または危険な行動の結果を回避する手段。
モデル
システムの変数間の関係に応じて、基礎となるシステムモデルを様々な方法で記述することができる。
定量的モデル
システムの行動を定量的な数学的な用語で記載するために、システムの変数やパラメータの間で、静的および動的な関係を利用すること。
定性的モデル
システムの行動を定性的な数学的な用語で記載するために、システムの変数やパラメータの間で、静的および動的な関係を利用すること。例えば、因果関係やif−thenルールを利用すること。
診断モデル
特定の入力変数(症状)を特定の出力変数(故障)にリンクする静的または動的な関係の集合。
分析の冗長性
変数の決定に2つ以上の(ただし必ずしも同一ではない)方法を使用することであり、そのうちの1つが解析フォームで数学的プロセスモデルを使用する。
システム特性
システムの個々の状態や信号だけでなく、システム全体についてもステートメントを作成することができる。
信頼性
所与の期間に所与の範囲内で、所定の条件下で機能するシステムの能力。尺度:平均故障(failure)間隔(MTBF)は、故障(failure)率A(例えば、1年当たりの故障(failure))を伴い、以下が当てはまる。
安全性
人、設備または環境に危険を及ぼすことのないシステムの能力。
利用可能率(availability)
任意の時点で、システムまたは機器が十分かつ効果的に動作する確率。測定は、

により得られ、平均修復時間(MTTR=1/μ)および修復率μを伴う。
依存性
必要なときは常に利用できる特性を備える利用可能率の一形態。項目が期間の開始時に利用できれば、指定された稼働時間の任意のランダムに選択した時間にシステムが作動可能であり、要求された機能を果たすことができる程度である。依存性は、

により得られる。Tは利用可能な時間であり、Tは要求される時間である。
故障検出と分類のための戦略
図1.1に、故障検出、故障診断、および故障管理を示す図表を示す。通常、故障検出と正しい反応には、次の3点の計画を使用する。
1.故障検出
2.故障診断
3.故障への反応(故障管理)
この3段階の計画は、様々なアプローチで実装できる。次の章では、最も一般的な方法を示している。
モデルベースの故障検出
モデルベースの方法では、不規則性を検出するために、基礎となるモデルに関する知識が必要である。例えば、ロボットの物理的構造を有するモデル、または特定の標準偏差などの特定の特性を有する信号のモデルを含むことができる。
プロセスモデルベースの方法
プロセスモデルベースの方法は、通常、特定のパラメータを有する数学的構造の形態の動的プロセスモデルを必要とする。これは、システムの入力変数UJt)および出力変数Y_(t)の測定の補助により実装される。
パリティ方程式
n次の線形数学モデルの構造に関する知識に基づいて、状態方程式を以下のように設定することができる。
(1.2)とρ次微分(ρ≦n)に(1.1)を適用すると、式(1.3)と式(1.4)が得られる。最適なρは、観測可能性の検証によって決定できる。
非線形の場合、式(1.4)は行列Wと乗算する。式中、Wは以下の条件
WT=(1.5)
を満たさねばならない。
このステップにより、式(1.4)は状態ベクトル(t)と無関係になり、これは未知であり得る。パリティ関係は、
(t)=W(t)−WQ(t)(1.6)
で続く。
故障がない場合、パラメータは変わらない。したがって、いわゆる残差(t)を観測することによって、故障を検出することができる:
(t)=→故障フリー
(t)≠→故障が発生した。
ノイズまたは他の不確実性などといった影響の少ない結果として、故障フリーのインスタンスの式も、
(t)≒
に拡張できる。
状態と出力のオブザーバ
名前が示唆するように、古典的な状態オブザーバは、状態変数Δxの変化を認識することによって故障を検出することができる。プロセスモデルは、次のように定義される:


式中、v(t)およびn(t)は干渉信号を表し、f(t)およびf(t)は加算故障信号である。
さらに、状態オブザーバ用の得られた式(図1.2参照)により、


が得られる。
パリティ方程式と同様に、故障の発生を検出するために残差が必要である。状態オブザーバの場合、これらは、
Δx(t)=x(t)−x0(t),e(t)またはr(t)=We(t)
により記述できる。
多出力プロセスの場合、オブザーバの特別な配置が推奨される。例えば、オブザーバは、センサ信号によって操作することができる。他の信号は、プロセスにおいて再構成され、測定信号と比較される。これにより、個々のセンサの故障を認識することができる。さらに、すべての出力によって駆動されるオブザーバのバンクを操作することも可能である。したがって、各オブザーバは、具体的な故障信号用に設計され、すべての出力信号によって駆動される。オブザーバのバンクは同様に個々の出力信号によって励起でき、その場合各オブザーバはただ1つのセンサ信号を使用し、推定された出力信号は、次に測定信号と比較される。さらなる可能性は、出力信号の1つを除くすべてが使用されるような方法で、オブザーバのベンチを駆動することである。同様に、このようにして複数の故障を検出することができる。別のアプローチは、故障を感知するフィルタの使用である。この場合、特定の故障信号f(f)が特定の方向に変化し、故障信号f(f)が特定の平面で変化するように、フィードバックHが選択される。
入力が不明であるか、状態変数x(t)の再構成が対象ではない場合、出力オブザーバは特によく適している。線形変換は、新しい状態変数ξ(t)=Tx(t)およびオブザーバ方程式(図1.3参照)に至る。
変換に必要な式は、
A−Aξ=HξC,(1.13)
ξ=TB,(1.14)
V=0,(1.15)
ξT1−TC=0.(1.16)
である。
結果の残差r(t)は、
r(t)=Cξξ(t)−TMf(t)(1.17)
で得られる。
残差はx(t)とu(t)から独立しているように見え、f(t)とf(t)にのみ依存する。
識別およびパラメータ推定
使用する事例で、パラメータが部分的にしか分かっていないか、完全に未知であることが頻繁にある。しかし、単純なモデル構造が利用可能であれば、入力信号および出力信号を測定することによって、パラメータを推定することができる。この場合、式の誤差を最小化するアプローチと、出力誤差を最小化するアプローチという基本的な2つのアプローチがある。
式の誤差を最小にするために(図1.4参照)、これを
e(t)=y(t)−Ψ (t)Θ(1.18)
と定義する。これは、

と同等である。
走査時間Tでの別々の時間k=t/T=0、1、2 ...の走査に続いて、最小の誤差の2乗の和に対する、以下の

の結果が得られ[17]、

を伴う。
この方法は線形であるため、パラメータを直接求めることができる。推定は、非再帰的に

または再帰的に

を実行することができる。
上記で、それらは近似することができる。出力誤差を最小にするために(図1.5)、出力誤差

が必要であり、モデル出力

を伴う。
e’(t)が非線形であるため、パラメータ推定値Θを直接計算することはできない。したがって、損失関数(1.20)を数値最適化法によって最小化する。しかし、これは計算時間の増加につながる。図1.5は、パラメータ推定中の出力誤差の最小化の図表を示す。
信号モデルに基づく方法
信号モデルに基づく方法では、基礎となるプロセスモデルの知識は必要ない。システム出力y(t)のみを解析する。周期的な出力を有するシステムでは、出力信号は、使用可能な部分yu(t)とノイズ部分n(t)からなると仮定する。
ノイズの平均値が0であり、2つの信号が無相関であると仮定するが、使用可能な信号を分析するべきである。フーリエ級数の理論によれば、各周期信号は高調波成分の重ね合わせによって表すことができる。
各成分は、振幅y0v、周波数ω、位相角φおよび減衰係数dによって定義される。これらのパラメータを求めることにより、不良の信号の第1の指標を、すでに提供することが可能である。既知の信号モデルでの異常を識別するさらなる方法を以下に説明する。
バンドパスフィルタ
出力信号が依然として特定の周波数範囲にあることを確実にするために、バンドパスフィルタを故障検出に使用することもできる。これらはアナログとデジタルの形態両方で使用できる。いくつかのフィルタ構成では、さらに、パワースペクトルを観測することができる。この場合、信号は、平均電力を計算するために二乗し、積分する。RMS振幅は平方根をとることで得られる。図1.6は、階段状フィルタ適合の図表を示す。
スペクトル解析(高速フーリエ変換)
高速フーリエ変換(FFT)により、信号のスペクトルを故障について検証することができる。
最大エントロピー推定
この方法はスペクトル分析に似ている。しかし、ほんのわずかな周波数しか対象にしていなければ、この方法はFFTよりも正確な結果をもたらす。
その他
システムの正常な行動からの逸脱は、他の方法によっても認識することができる。例えば、ランダムな信号の平均値または分散の変化は故障を示し、または静的確率密度関数のパラメータの変化は突然変わる[35]。
故障診断方法
故障診断の問題は、検出された故障のタイプ、範囲、位置および時間をより正確に判定することである。特定の故障に対していくつかの症状が異なる様式で変化する場合、症状ベクトルの変化に基づく分類方法を適用することができる。一般に使用される分類方法は、幾何学的間隔および確率の方法、人工ニューラルネットワークまたは「ファジークラスタリング」である。症状と故障の間の関係についてより多くのことが分かっている場合、決定木のような診断判定モデルも採用できる。次に、単純なIF−THENルールで関係を表すことができる。「近似的推論」方法の例には、確率の思考や人工ニューラルネットワークによる思考が含まれる。
第2章
フレキシブルロボットジョイントにおける故障
ロボットシステムは、熱や湿気や電磁放射などの様々な外的影響を受ける。リークや、不適切な潤滑や、短絡などの内部の問題も、同様に発生する可能性がある。これらは、内部プロセスパラメータまたは状態変数に変化をもたらす可能性があり、その結果、頻繁にロボットによる不良な行動を引き起こす。前述のように、これらの変化は故障と呼ばれる。以下では、フレキシブルロボットジョイントにおける可能な一連の故障を、分類を試みながら提示していく。
故障の分類
故障は、その形態、その時間の振舞い、またはその程度に基づいて分類することができる。
形態
故障の形態は、系統的とランダムのいずれかになる。システムの構造およびパラメータが分かっている場合、系統的な故障を予測することができる。これらには、別の故障の影響を表す故障、または単に特定の時間後に生じる故障(摩耗)も含まれる。ランダムな故障はいつでも発生する可能性があり、予測できない。
時間の振舞い
様々な時間の振舞いのパターンは、分類の別の変形を表しているものである。この場合、突発的な故障とドリフト故障の間で大まかに区別できる。突発的または段階的な故障は突然最大限出現し、その後定常とみなすことができる(図2.1)が、ドリフトな故障はゆっくりと、徐々に明白になるように現れる(図2.2)。突発的な故障の特別な形態は間欠的な故障であり、これは断続的に逸脱を経て、再開したときにその振幅が変わり得る(図2.3)。典型的な緩み接触が例である。
程度
程度による分類は非常に簡単である。故障の影響は、システムの内部(ローカル)または外部(グローバル)のいずれかで作用する可能性がある。ロボットシステムでは、ローカルの程度は内部コンポーネントに影響を与える内部温度の上昇にすぎないが、グローバルな程度の故障はロボットが環境と相互作用するのを阻止する。
起こりうる故障の累積
以下に、ロボットジョイントで発生し得る可能な故障のリストを示す。リストは完全に網羅しているわけではない。
ベアリングの摩耗
機械式アクチュエータのあらゆる概念において、ベアリングは回転エネルギーを可能な限り少ない損失で他の部品に伝達するなど、重要な役割を果たす。この例では、回転軸が同心での回転を可能にする正確な位置に保持されている。故障解析の観点から、ベアリングはロボットシステムの外乱の最も一般的な原因を代表する。交流モータシステムにおけるすべての外乱の51%は、ベアリングに関与する故障に遡ることができる。以下の故障が発生する可能性がある:
ベアリングの摩耗:ベアリング内の部品が互いに擦れ合うので、これらの位置での摩耗は避けられない。肉眼ではほとんど見えない場合もあるが、システムに深刻な影響を及ぼす可能性がある。摩耗および裂傷は、振動の形で動作中に明らかになる可能性があり、また、したがって様々なセンサのノイズが増加し、伝達されるトルクまたは速度またはトルクリップルが減少する。摩耗は、潤滑が不十分であることまたは欠落していることや、過負荷、激しい衝突、異質な粒子または不適切なジョイント設計によって加速される。
ベアリングの破砕:ベアリングのケージや内輪、外輪などの部品は、高い機械的負荷で破砕する可能性がある。この作用は、摩耗および裂傷と本質的に同じであるが、ジョイントの完全な障壁を含んでおり、程度がはるかに大きい。
歯車列の故障
ロボットジョイントでは、歯車列を使用して、モータのより速い動きを、遅いが強いトルクを有する隣の部材の動きに変換する。簡素な設計のために、ハーモニックドライブ(登録商標)(HD)がよく使用される。可能性のある歯車列の故障は、以下を含む:
波形発生器のベアリング摩耗:前述のように、摩耗の証拠はまた、HD波形発生器自体で感知できる。
ラチェット効果:ラチェット効果は、一般に、最大トルクを超えたときに発生する。この場合、トルクの一時的な逸脱が生じ、円形の棘状突起や撓む棘状突起が、少数の歯によって互いに対して変位する。これは、駆動側と出力側の間の小さなオフセットに匹敵する。作用がより頻繁に生じると、歯が変形し、振動、あるいは撓む棘状突起の破損にさえ至ることがある。
撓む棘状突起の破損:許容最大トルクを超えると、撓む棘状突起が破損することがあり、それにより歯車列を介した動力の伝達が妨げられる。
ケーブルの破損
ケーブルが破損しているか、正しく接続されていないと、電子部品が正常に機能しないかまったく機能しなくなることが多い。この場合、電力供給が不十分なことから、信号が失われたり、コンポーネントがオフになったりする。
BLDCの故障
ブラシレスDCモータ(BLDC)は、多くの利点のおかげで、ロボット工学にて頻繁に採用されている。すでに対処している機械的故障以外にも、これらの他の故障が発生する可能性がある:
副流:絶縁が不十分な場合、BLDCの相とそのハウジングとの間に追加の流れが生じることがある。これは、相流の増加に現れ、相流はもはやゼロまで加算されない。最悪の場合、電流センサといった他のコンポーネントが損傷を受けたり、機械の近くの人物らが短絡によって損傷を受けたりする可能性がある。
相の破断:機構や熱のストレス、または過度に大きな電流によってトリガされる材料の損傷は、フリーホイーリングに相当するモータの相の破断につながり得る。その結果、3相のうちの2相のみが作動し、これにより、発生したトルクが減少し、トルクリップルが増加する。場合によっては、疑わしい相の破断はケーブルが緩んでいるだけである。
短絡コイル:短絡コイルとは、ある相のコイルの2つの巻線間、ある相の2つのコイルの巻線の間、または異なる相の2つのコイルの間での短絡である。
相間短絡:相間短絡では、モータの2つの相の間に短絡が発生する。これにより、モータが始動するのを防ぐことが可能である。
ADCの故障
測定される各々の実際のプロセスは、アナログの世界で行われる。信号をマイクロコントローラまたはDSPが利用するのに有用であるようにすべく、アナログデジタル変換器(ADC)が必要である。これらは、プロセッサまたはセンサに統合すること、または自律したコンポーネントとして存在させることができる。ADCの欠点は、避けられない量子化ノイズにある(図2.4)。このため、常に適切な解像度を選択しなければならない。
ADCの可能性のある故障は、ビットの損失である。そうすることで、ADCは出力で1ビット以上の制御を失う。そのとき、当該のビットはその状態(HIGHまたはLOW)を維持する。これは、恒久的なオフセットまたはいくつかの量子化ステップのスキップにつながる。
一般的なセンサの故障
何が測定されているかに関わらず、すべてのセンサでいくつかの故障が発生する可能性がある。故障の原因がセンサごとに異なり得るだけである。
単一ピーク:単一のサンプルが、他の値と大きく異なる任意の値を突然採用することがある(図2.5)。
ノイズ利得:電磁放射や他の影響の結果、信号はノイズ(量子化ノイズに加えて)が発生する可能性がある。これは、信号が特定の範囲内で実際の値付近で変動することを意味する(図2.6)。
恒久の故障:恒久の故障は永続的であり、最も可能性が高いのはセンサの不正確な較正または設置に起因するものである。この例での信号の値は、オフセットの故障や増幅の故障がある。
電流センサの故障
一般に、BLDCの3相のそれぞれに1つの電流センサがある。一般的なセンサの故障に加えて、それらはまた焼損する可能性がある。これはセンサを完全に破壊し、システムが過度に高い温度または電流になることによって引き起こされる。
位置センサの故障
このタイプの位置センサでは、以下の故障が発生し得る:
位置の潜行性のシフト:センサの取り付けが不十分であると、センサがゆっくりと滑り、それがドリフトのオフセットを発生させる可能性がある。このプロセスは、振動や鋭い衝撃によって促進される。
量子化効果:厳密に言えば、量子化ノイズは故障ではない。それにもかかわらず、システムや他のコンポーネント(コントローラなど)に大きな影響を与える可能性があるため、このポイントで注意するべきである。
インクリメンタルエンコーダ(incremental encoder)を備えた位置センサは、通常、3つの信号「A」、「B」および「Z」を引き出す。これらの信号の1つまたは複数が失われた場合(特に「A」または「B」)、センサは誤った値を出力する。また、信号の一時的な消失は、例えばインクリメントディスクの汚れによっても引き起こされる可能性がある。
トルクセンサの故障
トルクセンサの設計が非常に多様であるため、特定の故障を特定することは困難である。一般的な故障が扱われる。いくつかを例としてここに挙げる:
位置決めの故障:センサを正しく設置していないか、その軸を正しく位置合わせしていないと、測定値が不正確になる。
最大トルクの超過:センサの構成物が破損または変形して、値のオフセットや増幅(材料の軟化/硬化)を引き起こす可能性がある。
不良電圧源
次のような電圧源の故障があり得る。
ノイズの利得:電源電圧も同様にノイズを発生させることがある。ノイズが強すぎると、電子部品は、過電圧によって損傷を受けたり、電源の供給不足のために動作が一時的に停止したりすることがある。しかし、通常、電源電圧は一定とみなされる。
完全な故障(failure):電圧源が故障した場合、電子部品がいずれも機能せず、非常ブレーキが作動して、ロボットが停止する。
インバータの故障
インバータは、BLDCを流れる電流を制御する。本発明の概念を制限することなく、本議論は三相インバータを含む。これは2つの分岐部からなり、各々上部および下部用のスイッチがある。MOSFETは通常、スイッチとして使用される(図2.7)。次の誤差が発生する可能性がある:
インバータのシャットダウン:インバータが完全に故障(failure)すると(図2.8a)、すべてのスイッチが開のままになり、電流の流れを妨げる。したがって、モータを制御することはできない。
単一スイッチが開:スイッチの1つが永続的に開の状態である(図2.8b)。モータは動作可能であるが、不規則なトルクを発生する。これは、主にモータを始動する際に問題を生じる。
単相短絡:スイッチの1つが永続的に閉の状態である(図2.8c)。これは重大な故障である。非常に高い電流は、ロータの磁石の減磁さえ引き起こす可能性がある。
偏りのない短絡:全上部スイッチまたは全下部スイッチ(図2.8d)について、3つのスイッチが閉の状態である。この場合過度に大きな電流も発生する可能性があるが、この故障は単相短絡ほど深刻ではない。モータは引き続き動作できる。
単相開回路:この場合、MOSFETがない(図2.8e)。この場合、相を一方向のみで動作できる。
第3章
ロボットジョイントのシミュレーション
本文書は、FDIをジョイントのレベルで検討している。したがって、図3.1に概略的に示しているように、単一のジョイントを検証するべきである。
フレキシブルロボットジョイントのモデリング
問題のジョイントは、Simulinkモデルであり、コントローラ、物理モデル、およびセンサシステムに大別することができる(図3.2)。これらのシミュレーションの一部の信号には、「実際の」値と「測定された」値の両方が存在する。両バージョンの変数を同じ文脈で記述している場合、混乱を避けるために「実際の」値には「*」という印を付けている。例えば、

はモータの実際の位置を示し、θは測定された異種、すなわち位置センサの出力である。ここではコントローラは特に重要ではないので、詳細な説明は行わない。代わりに従来技術を参照している。これは、モータの必要トルクのみを計算し、それに対して与えられた軌道の1つを追跡するようにする。この目的のためにセンサ出力を利用することができる。コントローラは、モータを所望のトルクで動作させるためにインバータをどのように切り替えねばならないかを示している。これらの切り替わる状態は、ベクトル

として、図3.3に示すような可能な状態で表される。
物理モデルは、インバータ、BLDCのモデル、および機械モデルに分かれている(図3.4)。インバータは三相インバータで、図2.7で説明したように、Simscapeモデルとして構成されている。インバータのモデルは、計算された相電圧vab、vbc、およびvcaを、デルタ接続として実装されているBLDCモデルに送る。誘起電圧eab、ebc、およびecaは、モータの「実際の」速度

および位置

を用いて計算される:

電気角
θ=pθ mod 2π(3.2)
を伴い、式中、pは磁対数を表す。標準化されたBEMFAphaseは、実際のモータでの以前の測定の結果である(図3.5)。既知のパラメータL(インダクタンス)およびR(抵抗)ならびに誘起電圧を用いて、相電流iab、ibc、およびicaを計算することができる。続いて測定される線電流は、

により形成される。
BLDCモデルはまた、モータトルク

を付与し、これはトルク定数kとコギングトルクrを伴う。コギングトルクはΘにのみ依存し、手作業で測定結果を記入したループアップテーブルにて見出すことができる。
機械モデルは、モータの位置

と速度

カップリング位置q*と速度

ならびにカップリングトルク

を計算する。ジョイントは常にゼロの位置で開始するため、モータの位置と速度は、

により、モータ座標のモータ慣性B、ギア伝達比N、減衰トルクtで計算することができ、減衰トルクtは、

を伴い、減衰定数dと摩擦トルクτを伴う。出力側については、式

が当てはまり、出力側の慣性Mを伴う。外部トルクτextは、重力トルクτと負荷トルクτからなる。
摩擦モデルはLund−Grenobleモデル[1]に基づいており、yにより、

と表される。
上記で、これらは近似させることができる。ジョイントトルクは剛性係数a、a、aならびに式

で計算でき、τは係数Aと係数aをもつヒステリシストルクである([10]による)。
「実際の」値はセンサモデルに入力され、機械モデルとBLDCモデルで計算される。実装されたものは、とりわけ、位置q*およびθ*を使用する2つの位置センサを含み、位置qとθならびに測定された速度

および

から決定される。これら2つのセンサは、[14]によるエンコーダモデルを利用する。この場合、インクリメンタルエンコーダがシミュレートされ、これは2つの信号AおよびBをエミュレートし、それらの位置の関数として90°互いにオフセットされる。このようにして、現在位置と移動方向の両方を決定することができる。さらに、インデックス信号Zも生成され、これはジョイントのゼロ交差を通知する。さらに実装されたセンサは、トルクセンサであり、これは「実際の」

を測定してτを放出する。その際、最初に付加的なノイズが加えられ、次いで信号が量子化されて飽和(saturated)される。最後に、線電流i*、i*、i*を測定する。この動作の過程は、トルクセンサの過程と一致する。
ジョイントを追跡するべきコントローラに、軌道が提供される。以下、これを

と定義する。式中、[°]と時間tにおける基準位置qidを伴う。コントローラは偏差Δq=qid−qを最小化しようとする。
駆動側の座標θにおけるモータ位置は、

として定義され、ギア伝達比Nを伴う。図3.7にエンコーダ信号と計算された位置を示す。実行時間t=3sの誤動作では、物理モデルの出力は、図3.8、図3.9、図3.10、および図3.11に示すように現れる。この例では、θとqはほぼ一致している。慣性、遅れ、コントローラによる調整の結果、現在の位置は常に所望の位置より少し遅れている。センサシステム内のノイズは、ここでは実際の値との差異が肉眼では分からないほど低くなるように選択される。
故障モデリング
シミュレーションで故障検出を検証できるようにするために、故障がSimulinkで実装された。すべての故障を「パラメータスクリプト」に設定することができ、いつでも作動/非作動にできる。故障は物理的モデルとセンサモデルに統合されているが、コントローラはそのままである。以後、インデックスID(例えば、qid内)は理想を表し、故障フリーの場合の変数の進捗を記載する。
センサの故障
図3.12に、一般的なセンサの故障の信号操作の図表を示す。センサの故障ブロックは、センサモデルのすぐ後ろにある(図3.12)。測定結果は操作され、その後コントローラに転送される。信号操作の図表を図3.13に示す。
一般的なセンサの故障
増幅:センサ値に特定の値を乗算する。図3.14は、0.5s≦t<1.5sの間、2の増幅で不良な位置センサqを示している。qはセンサ値、q*は「実際の」位置であり、qidは故障なしの位置を示す。コントローラが誤った値で計算を実行しているため、q*はqidと差異がある。
オフセット:測定されたセンサ値から特定の値を加算または減算する。例えば、0.02 radのオフセットが0.5s≦t<1.5sにある不良の位置センサq(図3.15)が挙げられる。
ノイズ利得:センサによって加えられる通常のノイズの上に、さらにノイズが追加される。そのとき、ノイズ利得が設定される。設定値が0の場合、追加ノイズのみが消えるが、標準のノイズは消えない。図3.16に、0.5s≦t<2sの間のノイズ利得(1の係数で増幅された)の例を挙げる。
ホールド/シャットダウン:コントローラの設定に応じて、センサへの接続の喪失は2つの異なる様式で処理できる。測定されたセンサ値が0(「シャットダウン」)に設定されているものか、または接続が再確立され、新しい有効値が検出される(「ホールド))まで、最後の有効な値を保持するものである。これは、0.5s≦t<0.75sでホールドがアクティブで、1.5s≦t<1.75sでシャットダウンがアクティブの不良の位置センサq(図3.17)の例で確認できる。
上記の図表(図3.13)は、モデルのすべてのセンサにて使用されている。その特定の特性のために、特定のセンサに追加の故障が実装された。
位置センサ
インクリメントスキップ(Increment Skip) 前述のように、位置センサはインクリメントをスキップすることもできる。この故障が能動的なときは、位置信号にそれ以上の変化は検出されない。この故障が非作動になると、信号にオフセットが残る。信号Zの正のフランク(positive flank)はこのオフセットをリセットする。図3.18に0.25s≦t<0.5sの場合のこの故障を示す。
通常、一度に多くのインクリメントがスキップされるわけではないが、この故障の影響はこのようにしてより明確に示される。
信号A、B、またはZの喪失:標準的な故障ブロックに加えて、さらなる故障ブロックが位置センサに実装されている。それは信号A、BおよびZを遮断し、能動的な故障がない場合にのみそれらを送信する。図3.20は、Aの0.25s≦t<0.5sの喪失を示している。「ホールド」と対照的に、発生するオフセットは、Zによりリセットされてはいない。
電流センサ
電流センサに追加の故障は実装されていない。一般的なセンサの故障の各々は、各電流センサに対して個別に設定することができる。
トルクセンサ
一般的なセンサの故障を除いて、このセンサに追加の故障は作出しなかった。
インバータの故障
インバータには以下の故障が含まれていた:
シャットダウン すべてのスイッチが開である。この故障は図2.8a)に示されている。図3.21、図3.22、および図3.23は、ジョイントの故障の影響を示す。システムはすぐに停止することはない。残りの運動エネルギーおよび重力のために、ジョイントはゼロ位置に戻るまで徐々に揺動を停止する。ジョイントは、摩擦rおよびBEMF誘導モータトルクrによってのみ制動される。誘起された電流は、t≧0.1sについて、図3.22に示される。
単一開状態:あるスイッチが、図2.8のb)で説明したように開のままである。この故障は、6つのMOSFETのいずれかに対して調整できる。ジョイントの行動はここではあまり影響を受けない。図3.24を参照すると、MOSFET1はrについてt≧0.1sで開のままである。
単一閉状態:スイッチの1つが閉のままである。システムのこの故障の影響は、肉眼ではほとんど見えない。図3.25と図3.26に、この故障のt≧0.1sの影響を示す。
偏りのない閉状態:6つのスイッチのうちの3つが閉のままである(上側スイッチと下側スイッチのいずれか)。その結果は、故障「単一スイッチが閉」と大きな違いはない。
単一短絡:MOSFETの1つがブリッジされる。この故障は、故障「単一スイッチが閉」とほぼ同じである。
偏りのない短絡:6つのMOSFETのうち3つがブリッジされている。故障は、「偏りのない閉状態」と同等である。
単一のアイドル状態:MOSFETの1つが完全に分離されており、この位置でフリーホイーリングに至る。したがって、この故障は「単一スイッチ開状態」(フリーホイールダイオード以外)と同等である。この故障に対しては、追加の影響は観測されない。
BLDCの故障
実装されているBLDCの故障には、次のものがある:
相の破断:相電流の1つが0に設定される。図3.27に、相1のt≧0.1sの破断の結果を示す。ジョイントのトルクにはわずかな偏差しか認められない(図3.28)。
相間短絡 3つの相のうちの2つがブリッジされている。これにより3つの組み合わせが可能になる。モデルでは、この故障はインバータにて実装されている。図3.29、図3.29、図3.31、および図3.30は、t>0.1sのこの故障(vab=0)の影響を示している。この例の故障が能動的な場合、相電流iabはBEMFによって生成されるのみである。
機械的故障
機械的故障は、以下を含む:
歯車列の破損:モータとジョイントの残りの部分が完全に分離されている。カップリングトルクτ*と減衰トルクrは0に等しい。ジョイントはゼロの位置の周りを揺動し、摩擦τによって減衰する。図3.32と図3.33では、0.1秒後に歯車列が制動する。
ジョイントのブロック:ジョイントの速さが0に設定され、歯車列がモータに作用するばねのように作動する。その結果、カップリングトルクが非常に高くなる。そのような高いトルクはまた、歯車列を急速に破損する可能性がある。通常、このシナリオはFDIでは検出されないが、代わりに衝突検出の対象となる。図3.34と図3.35は、t≧0.1sにてブロックされたジョイントを示している。
モータのブロック:モータの速度を0に設定する。モータをブロックすると、ジョイント全体が静止する。しかし、歯車列はばねのように作用するので、ジョイントは短時間振動し続ける。図3.36および図3.37では、t≧0.1sにわたってモータがブロックされている。
摩擦利得:同じスピードでジョイントを動かすためにはモータがより多くの動力を必要とするため、摩擦を増加させると、電流が大きくなる。図3.38では、t≧0.5sの間、摩擦が100倍に増加している。
トルクリップル:シミュレーションでは、トルクリップルは、モータの位置に応じて、摩擦の増加として表される。リップルの位置と範囲を調整することができる。図3.39に、t≧1.5sのトルクリップルを示す。
第4章
シミュレーションにおけるFDI法の実装
ここでの目的は、以前に説明したロボットジョイントのシミュレーションで、実装された故障を検出することである。これを行うための様々な手法が可能であり、そのために多数のセンサ信号が利用可能である。これらのセンサ信号は、位置センサθおよびqならびに電流センサi、iおよびi、ならびにトルクセンサτの出力を包含する。コントローラと故障検出は後で同じチップに実装するべきであるため、一部の信号をコントローラからタップできる可能性が存在する。シミュレーションでは、次のパラメータが故障検出に使用されている(タブ4.1)。
提示の方法は、極力簡素になるように選択されており、そのため、リソースを節約するべきであることから、コントローラが同じDSPで動作しているときに外乱やラグがコントローラに発生しないようにする。
リミットチェック
最も簡単で最もリソースに優しい方法は、リミットチェックである。この方法では、センサ信号yの値が閾値ε内にあるかどうかが判定される。εが閾値を超えるかそれを下回ると、故障が通知される。
下限と上限の両方を課すことは、不要であることが頻繁にあり、それらはセンサ信号の量に対する閾値を確立することができる。
この場合にチェックされるセンサ信号は、個々の電流センサi(∀kε{1,2,3})、トルクτ、および駆動側/出力側速度



からの信号で、各々がそれ自身の閾値




を有する。
位置θとqは、絶対的な角度として得られ、したがって±360°の範囲に束縛されないので、直接的にチェックしない。このシステムのさらなる特徴は、線電流のすべてが合計でゼロになることである。
センサ信号のノイズのために、もちろん、合計は正確にゼロであるわけではなく、故障検出のために別の閾値を定義することもできる。
各閾値は、個々に適合させなければならず、ノイズの強度、測定範囲、および基礎となる物理モデルに依存する。これらの設定は、故障が存在していない場合(「ゼロ偽陽性」)、誤ったアラームをトリガしないようにするが、また発生する任意の故障が信頼して検出される(「ゼロ偽陰性」)のを確実にするよう意図している。
明らかに、これらの簡素な方法はあらゆる種類の故障の検出には適していない。しかし、それらは多くのリソースを使用するわけではないので、より複雑な検出方法の追加に役立つ可能性がある。それにもかかわらず、これらの基本的な方法に基づいていくつかの故障が検出される可能性がある。とりわけ、位置信号の突発的な変化が検出される。トルクがチェックされたときには、故障「ブロックジョイント」のみが検出できた。これは簡素なバージョンの衝突検出を表している。電流センサの大部分の故障は、電流の合計を用いて検出することもできる。上記の表は、閾値をチェックした各センサ信号に関する検出された故障のリストを提示する。
パラメータの推定
ジョイントの基礎となるプロセスモデルが分かると、いくつかのプロセスパラメータを推定し、以前に測定または設定した値と比較することができる。
プロセスモデルは、次のように記述することができる。
したがって、推定されるパラメータは:
可能な故障を検出するために、すべてのパラメータ

に対して残差が、

で構築される。
再度、閾値εを超過した場合、故障が通知される。
本ジョイントモデルにおいては、容易に解くことができ、相当な努力を要することのない大半のパラメータの式を特定するのは困難である。実際のロボットのリソースが限られているため、以下の原則を示すために2つの非常に簡単なパラメータを選択した。推定されるパラメータは、ロボットの剛性

で、ギア伝達比が

である。
推定されたパラメータKおよびN”*は、ひいては既知の「実際の」パラメータ付近の所定の範囲内になければならない。
この場合、選択されたパラメータは故障検出には適していない。ここではノイズの多い信号で除算が行われるため、パラメータの推定も非常にノイズが多い(図4.2および図4.3参照)。一部の状況は、推定のため他のパラメータを選択することが、はるかに複雑であり、後にハードウェアにとって計算量が多すぎることになる可能性がある。
オブザーバ
故障検出のための別の可能な手段は、比較用の値がない状態を観測することである。これらのオブザーバは、観測の過程で故障が極端な変化を経たとき、または故障の結果として、観測値が既知の物理モデルともはや一致しない値であると推定するとき、FDIに適している。
観測される状態は、以下を含む:
・減衰トルクr
・モータトルクτ
・摩擦トルクτ
・外部トルクText
減衰トルクtの観測は、

により達成され、減衰定数dを伴う。モータトルクを計算するにはd/q変換が必要である。このためには、モータの電気的位置θと相電流iphaseが必要である。極対数pを用いて、以下で電気的位置θ
θ=(pθm) mod 2π.(4.18)

を計算する。
相電流iphaseはiとiに変換(d/q変換)される。モータのトルク

は、そのとき

として表すことができ、トルク定数kを伴う。
摩擦トルクτは、

で認められる。式中、Lをオブザーバ利得とし、Bをモータの慣性、τを測定したカップリングトルク、

を測定された速度とし、

をモータトルクのオブザーバから得る。摩擦オブザーバと減衰トルクオブザーバを用いて、外部トルクも観測することができる。
加速度q¨は、測定された速度qを微分することによって得ることができる。したがって、加速度を得るために位置信号を2回微分しなければならないので、非常に正確で低ノイズの位置センサが必要とされ、普通なら過度のノイズがqを与え、使用できなくするからである。これは、当然、シミュレーション中に問題を引き起こすことはない。ジョイントに追加の負荷が加えられていない場合、外部トルクはロボットの自重のみによってもたらされる重力のトルクによってのみ決定される。
故障検出の別の方法は、センサ信号自体を観測し、それらを測定値と比較することである。出力側の位置は、

により観測できる。
故障が発生しない場合、残差rは特定の値の範囲内に収まるべきである。
式4.24を用いると、θとτも観測する必要はない。これらの3つの値の間に強い依存性があるため、残差はこれらの信号のいずれかが不良であるとすぐに故障を知らせる。最終的に、線電流i、i、およびiのみが、依然観測される。これは若干より困難であり、またコントローラからの信号Sも必要とされ、これはインバータを切り替え、これにより相電圧vphaseを計算することができる(図3.3参照)。
BEMFのvBEMFも同様に必要である。それは事前に測定され、標準化され、ルックアップテーブルにおいてλ(θ)として保存される。
はモータのトルク定数である。相電流iab、ibcおよびicaは、状態−空間を解くことによって計算される。
ここでも、故障がない場合、残差は特定の範囲内で移動するべきである。
実際には、ここでτmとτfについて提示されたオブザーバは、故障検出にはあまり適していないことが分かっている。しかし、それらは他の状態の観測に必要である。外部トルクのオブザーバは、衝突検出(ジョイントのブロック)にのみ適している。これとは対照的に、ジョイントの観測者は位置qの観測を位置決めし、電流inneはより有望になる。シミュレーションでは、2つの位置センサのすべての故障を、式4.24を使用して検出できる。BLDCの検証済みの故障のすべてについて、4.36によって、電流センサおよびインバータを同様に見出すことができる。
パリティ方程式と個々のセンサ信号の分離
この方法は、オブザーバと組み合わせたパリティ方程式の理論に基づいている。基礎となるモデルは、(4.37)

で得られる。
様々な不確実性のために、閾値εの別の有効値の範囲が導入される。(4.38)
方程式4.38の個々の被加数とセンサ出力との間の依存性を以下の表に示す。この表は、個々の信号を分離することなく、パリティ方程式の被加数とセンサ信号との間の依存性を示している。以後、各センサ信号は分離され、オブザーバに置き換えられる。これは、このようにして結果として生じる様々なパリティ方程式の残差がセンサ信号に対し異なる依存性を有する、という考え方である。
したがって、故障は、残差の変化に基づいて検出できるだけでなく、大まかに位置付けられる。例えば、1つを除くすべての残差が故障を示す場合、これにより、不変の残差で分離された信号に、故障が存在していると疑うに至る。しかし、不良の信号が分離されているにもかかわらず、残差が故障を示すことがある。これは、コントローラ内の不良の信号によって引き起こされる副作用に起因する可能性がある。信号を分離することなく、(4.38)の助けで故障を検出することができる(図4.4参照)。シミュレーションでは、この式を使用して、短時間の高い速度qにつながる位置信号qの急激な変化を検出することができる。すべての検証された故障は、強いノイズ、誤った増幅または信号τのオフセット、相間短絡、モータのブロックおよび衝突のように、位置センサθおよび電流センサを検出することができる。
線電流の分離
電流には次の関係が当てはまる:
+i+i=0(4.39)
したがって、各々の電流は、



を利用してその他の2つで置き換えることができる。
これは、電流ベクトル

の3つの異なるバージョン

に至る。
ここで、残差は式4.38に示すように計算できる。

式中、

は、

のd/q変換によって計算される。ここで、位置センサθのいずれかの故障、電流センサのいずれかの故障、トルクセンサτの誤った増幅やオフセットなどのように、信号qの突然の変化は同様に検出することができる。相間短絡、モータのブロック、および衝突も同様に検出可能である。また、先に述べたように、残差は、分離されているが、信号iの不良を通知する。これは、不良の信号がコントローラの副作用をトリガし、それに対して残差が反応するという事実に遡ることができる(図4.5参照)。
位置信号qの分離
位置信号は、

置き換えることができる。
速度

は、観測された位置q?の微分により得られ、これによりパリティ方程式が得られる。
摩擦トルクτおよびモータトルクτが、式4.21および4.20を用いて得られる。
qの分離により、残差とセンサ信号との間の依存性も変化する(以下の表参照)。すべてのことにもかかわらず、このシミュレーションの結果は、この場合の上記の結果とも一致する。コントローラが明らかに十分に強く反応したため、信号qの不良も検出することができる。
位置信号θの分離
位置θは、

により置換できる。
速度

および加速度

は、i、i、iのd/q変換および観測位置

を介して、観測位置

および電流

を微分することによって得られる。パリティ方程式は、

のように定義される。式中、



である。
シミュレーションは、式4.49と共に160のギア伝達比Nを使用し、実際の信号よりもはるかに低い分解能の観測位置

に導いている。これらの不確実性の増加はまた、偏差

および

で再現されている。したがって、残差はこの場合使用できない。不良がない場合でも、25%を超える誤警報の確率が生じる(図4.6)。
トルクτの分離
トルクセンサτを分離する場合、トルクは、

と近似される。
このとき残差は、

である。式中、
この残差のバージョンは、基本的に、電流センサまたは位置qの分離と同様に反応する。検出された故障は同じである。
第5章
フレキシブルロボットジョイントのプロトタイプにおける故障検出法の評価
シミュレーションの結果を確認するために、ここで提示した故障検出法をフレキシブルロボットジョイントのプロトタイプで検証した。図5.1は、この目的のための基本的なジョイントの設計を示している。
フレキシブルロボットジョイントのプロトタイプは、自由度1のジョイントである。生成されたトルクは、伝達比NでHDを介してBLDCによって次のリンクに伝達される(図5.1参照)。採用されるセンサは、モータ側位置センサθ、出力側位置センサq、およびHDに組み込まれ、出力側座標のトルクを測定するトルクセンサτである。第2のモータを出力側に設置し、一定の負荷をシミュレートする。この設計はデジタル信号処理装置(DSP)によって制御され、その回路基板にはモータ電流を読み出す補助をし得る電流センサも収容されている。DSPはすでにi(d/q変換後)を計算しているので、この電流は相電流の代わりに故障の検出にも使用される。すべてのセンサ信号は、DSPによって別のPCに送信され、これがプロットをし、次に、移動すべき軌道をDSPに返す。出力側リンクの3つの異なる角度が軌道として与えられる(図5.2参照)。これらの点は緩いカーブで連続して移動する。
ジョイントのプロトタイプで検証されたFDI法
故障検出法を検証するために、第4章で提示したアプローチの大半を、フレキシブルロボットジョイントのプロトタイプにも実装している。まず、リミットチェックが検証される。ここで、速度

および

ならびにトルクτがモニタリングされる。ただし、相電流の代わりに電流iがチェックされる。オブザーバも実装されており、モータトルクのオブザーバ

から始まり、これはトルク定数kを伴う。また、摩擦トルク

が観測され、オブザーバ利得Lを伴い、同様に減衰トルクは

であり、減衰定数dを伴い、外部トルク

を伴うものとする。
また、出力側位置qも、

を用いて近似にされる。
故障を伴って動作しているとき、推定位置

は、作動している位置センサの測定値から大きく外れるべきではない。
再度、パリティ方程式がセンサ分離法の基礎となる。
このセンサ分離の方法(またはパリティ方程式)は、本質的に前述のように実行される。唯一の例外は、相電流の分離が実現されなかったことである。それは、この電流の代わりに、当該の方法では故障検出に電流iを使用しているためである。故障検出は独立して機能し、取得した知識をコントローラにフィードバックしない(図5.3参照)。
故障の検証
シミュレーションでは、ほぼすべての故障をわずかな労力で実行することができるが、ハードウェアで故障のシミュレーションを実行するにはいくつかの制約がある。このため、選択された故障のみがジョイントのプロトタイプで検証される。可能性のあるすべての故障を網羅することは、本報告書の範囲を超える。センサの故障は、入力されるセンサ信号を最初に操作してそれらをFDIで評価することにより、ソフトウェア側で実装される。ただし、これらの操作信号はコントローラに戻されない。再度図5.3は、センサ信号操作がどのように機能するかを示している。入力される信号は、2つの位置qおよびθ、ジョイントのトルクτおよび電流iを含む。これらの信号のそれぞれについて、オフセットと増幅を設定することができ、故障「シャットダウン」は信号を0に設定する。ハードウェア側では、故障「シャットダウン」は同様に、単にセンサのプラグを引くことで(電流センサを除く)引き起こされる。この場合、コントローラであっても故障信号を受信する。さらに、外力によってモータを減速させることにより、摩擦の増大が生み出される。「実際の」ハードウェアの故障の欠点は、故障が発生した正確な時間を特定すること、または外乱の質(例えばNmの摩擦トルク)を測定することが困難であることである。また、検証された故障のリストは、以下の表に見出される。
ジョイントのプロトタイプの検証結果
実際のジョイントのFDI法で実行された検証では、以前のシミュレーションと類似した結果が得られた。リミットチェックによって検出できる故障を下の表に示す。位置の値が急激に変化すると、対応する速度のピークが短くなる。当然、検出は故障がいつ発生したかにも依存する。例えば、ジョイントがすでにゼロの位置にあるときにプラグが位置センサから引き抜かれた場合、故障は当然表示されない。
オブザーバに関しては、いずれの検証された故障も、モータのトルクと摩擦についてオブザーバで検出できなかった。閾値を非常に高く設定しているため、摩擦を増加させても、関連するオブザーバで警報をトリガしなかった。減衰トルクオブザーバを用いて、位置センサのすべての故障を検出することができた。外部のトルクオブザーバ、ならびに観測位置q?(またはΔq=q?−q)についても同様であり、唯一の違いは、外部トルクを観測することによって、τプラグのアンプラグが、θのプラグのプルアウトの代わりに検出され、オブザーバqがこれらの2つの場合を認識していることである。減衰トルクτ、外部トルクτextおよび故障「位置センサq”からのプラグのアンプラグ」に関するΔqのオブザーバからの信号がまた、図5.5に示される。
再び、パリティ方程式をオブザーバと組み合わせて使用することが最も有望なアプローチであることが証明される。式5.7と利用可能なすべてのセンサ信号を利用して、位置センサqおよびθにおけるシャットダウンおよびオフセット故障、ならびに増幅故障q、θおよびiを検出することが可能であった。摩擦の増加およびセンサのアンプラグθおよびτは、さらに警報をトリガした。予想どおり、分離した位置センサqの残差は、このセンサの故障に反応しない。同じことが、同様にセンサθの故障に反応しない、分離したθに関する式に当てはまる。ただし、ここには含まれていないが、コントローラがモータに正しく電力を供給できないようにする故障「センサθのアンプラグ」である。したがって、これらの不良な電流は、結局警報をトリガする。様々なパリティ方程式により検出された故障の概要は、タブ5.5に見出すことができる。故障「位置センサqのアンプラグ」の残差を図5.6に示す。
さらなる利点、特徴および詳細は、以下の説明で見出すことができる。それにおいては、場合によって図面を参照し、少なくとも1つの実施形態が詳細に記載されている。同じ、類似または機能的に等価なコンポーネントには、同じ参照符号が付されている。
以下が図示される。
[図1.1]故障検出、診断、管理の図表である。
[図1.2]状態オブザーバの図表である。
[図1.3]出力オブザーバの図表である。
[図1.4]方程式の誤差の最小化の図表である。
[図1.5]パラメータ推定時の出力誤差の最小化の図表である。
[図1.6]バンドパスフィルタの階段状の配置の図表である。
[図2.1]急峻な故障のグラフ表示である。
[図2.2]ドリフト故障のグラフ表示である。
[図2.3]間欠的な故障のグラフ表示である。
[図2.4]量子化ノイズを伴う量子化信号の図である。
[図2.5]単一ピークの図である。
[図2.6]信号ノイズである。
[図2.7]三相インバータの回路図である。
[図2.8]各種インバータ故障の概略図である。
[図3.1]フレキシブルロボットジョイントの概略図である。
[図3.2]ジョイントシミュレーションの一般的な構造の図である。
[図3.3]インバータの可能な切り替え状態の図である。
[図3.4]ジョイントシミュレーションの物理モデルの図である。
[図3.5]BEMFの測定の図である。
[図3.6]デルタ接続におけるBLDCの図表である。
[図3.7]エンコーダ信号と位置の計算の図である。
[図3.8]基準位置と比較したモータとカップリングの位置(故障なし)の図である。
[図3.9]モータとカップリング速度(故障なし)の図である。
[図3.10]ジョイントトルク(故障なし)
[図3.11]線電流(故障なし)の図である。
[図3.12]一般的なセンサの故障の信号操作の図表である。
[図3.13]センサ読み取り操作の信号フローチャートである。
[図3.14]故障「増幅」に関する測定位置qと実際の位置q*の図である。
[図3.15]故障「オフセット」に関する測定位置qと実際の位置q*の図である。
[図3.16]故障「ノイズ」に関する測定位置qと実際の位置q*の図である。
[図3.17]故障「ホールド」および「シャットダウン」に関する測定位置qと実際の位置q*の図である。
[図3.19]測定値センサの操作の図表である。
[図3.18]誤差「インクリメントスキップ」に関する測定位置qと実際の位置q*である。
[図3.20]誤差「Aの損失」に関する測定位置qと実際の位置q*である。
[図3.21]インバータの故障「シャットダウン」を伴うモータトルクτの図である。
[図3.22]インバータの故障「シャットダウン」を伴う相電流の図である。
[図3.23]インバータの故障「シャットダウン」を伴うカップリング位置q*である。
[図3.24]インバータの故障「単一スイッチ開」を伴うモータトルクτの図である。
[図3.25]インバータの故障「単一スイッチ閉」を伴うモータトルクτの図である。
[図3.26]インバータの故障「単一スイッチ閉」を伴う位置の誤差Δq=q*−qidの図である。
[図3.27]誤差「相の破断」を伴う相電流の図である。
[図3.28]誤差「相の破断」を伴うジョイントトルクの図である。
[図3.29]誤差「相間短絡」を伴う相電流の図である。
[図3.30]故障「相間短絡」を伴うモータトルクτの図である。
[図3.31]故障「相間短絡」を伴うカップリング位置q*の図である。
[図3.32]歯車列の破損を伴う位置θ*とq*の図である。
[図3.33]歯車列破損間のジョイントトルクの図である。
[図3.34]ジョイントのブロックの位置θ*とq*の図である。
[図3.35]ジョイントブロック中のトルクの図である。
[図3.36]モータのブロックの位置θ*とq*の図である。
[図3.37]モータのブロックにおけるジョイントのトルクの図である。
[図3.38]摩擦の増加を伴う位置q*の図である。
[図3.39]トルクリップルを伴う摩擦トルクの図である。
[図4.1]iの故障「シャットダウン」を伴う電流の合計の図である。
[図4.2]能動的故障がない場合の推定剛性

の図である。
[図4.3]能動的故障なしでのギア伝達比

の推定の図である。
[図4.4]センサ信号を分離しないパリティ方程式の残差の図である。
[図4.5]パリティ方程式の残差と能動的故障(iの分離)の図である。
[図4.6]能動的故障のない分離したθを伴うパリティ方程式の残差の図である。
[図5.1]フレキシブルジョイントのプロトタイプの設計の図である。
[図5.2]検証軌道に続く故障フリーの動作のプロトタイプの出力側位置qの図である。
[図5.3]FDIと検証構造との接続の図表である。
[図5.4]故障「シャットダウンi」を伴うセンサ信号が分離されていないパリティ方程式の残差の図である。
[図5.5]故障「センサqのジョイントのプロトタイプがアンプラグ」を伴うオブザーバ信号の図である。
[図5.6]故障「センサqのジョイントのプロトタイプがアンプラグ」を伴うパリティ方程式の残差の図である。
[図6.1]提案された方法の概略的なプロセスシーケンスの図である。
[図6.2]提案された装置の概略的な設計の図である。
図1.1〜図5.6は、上記の説明においてすでに説明した。
図6.1は、電気モータによって駆動されるロボットジョイントの開ループ/閉ループ制御のための提案された方法の概略的なプロセスシーケンスを示し、前述のロボットジョイントが、電気モータの第1の動作電流ik,1(t)(式中k=1、2、...、)を検出する第1のセンサエレクトロニクスを含む電流センサと、ロボットジョイントの駆動列の駆動位置θ(t)を検出する第1の位置センサと、ロボットジョイントの出力列の出力位置q(t)を検出する第2の位置センサと、駆動列のトルクτJ,1(t)を検出する第1のトルクセンサであって、電気モータが所定の目標制御変数τ(t)に基づいて開ループ/閉ループ制御によって制御される第1のトルクセンサとを有する。
この方法は、以下のステップを含む。第1のステップ101では、測定値θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)が提供される。第2のステップ102では、第1の故障検出器が故障の存在をチェックし、測定値θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)および/またはその時間微分が所定の第1の閾値条件を満たしていないときに故障の存在を検出する。第3のステップ103において、第2の故障検出器が故障の存在をチェックし、プロセスモデルベースの方法の測定値θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)に基づいて故障が検出され、プロセスモデルはロボットジョイントの所定の数学的動的モデルであり、モデルのパラメータ、プロセスモデルによって再構成された変数間の残差、およびモデル内で計算された測定された変数および/またはパラメータが所定の第2の閾値条件を満たしていないとき故障が検出される。第4のステップ104において、信号ベースの方法に基づいて故障の存在を検出する第3の故障検出器に測定値τ(t)を提供し、測定値τ(t)の振幅および/または特性周波数などの信号変数が所定の第3の閾値を満たしていないときに故障が検出される。第5のステップ105において、ロボットジョイントに設けられた故障検出器の1つによって故障が検出されるたびに、警告信号を生成し、視覚的および/または音響的に放出され、所定の故障状態FZでロボットジョイントを制御する制御変数

を用いて電動モータを作動させる。
図6.2は、電気モータによって駆動されるロボットジョイントの開ループ/閉ループ制御のための提案された装置の模式的な設計を示し、前述のロボットジョイントが、電気モータの第1の動作電流ik,1(t)を識別するための第1のセンサエレクトロニクス(式中k=1、2、...、)を含む電流センサと、ロボットジョイントの出力列の出力位置θ(t)を検出する第1の位置センサと、ロボットジョイントの駆動列の駆動位置q(t)検出する第2の位置センサと、出力列のトルクτJ,1(t)を検出する第1のトルクセンサであって、電気モータが所定の目標制御変数τJ,1(t)に基づいて開ループおよび閉ループ制御ユニット206の開ループ/閉ループ制御下にある第1のトルクセンサを有する。装置は、測定値θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)を提供するためのインターフェース201と;測定値θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)および/またはその時間微分が所定の第1の閾値条件を満たしていないときに故障の存在を検出するように設計される、故障の存在を検証するための第1の故障検出器202と;故障の存在を検証するための第2の故障検出器203であって、測定値θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)に基づいて故障の存在を検出するよう設計され、プロセスモデルに基づく方法が識別され、プロセスモデルがロボットジョイントの所定の数学的動的モデルであり、モデルのパラメータ、プロセスモデルによって再構成された変数間の残差、およびモデル内で計算された測定された変数θ(t),ik,1(t),τ(t),q(t)および/またはパラメータが所定の第2の閾値条件を満たしていないとき故障が検出される第2の故障検出器203と;故障の存在を検証するための第3の故障検出器204であって、測定値τ(t)および信号に基づく方法に基づいて故障の存在が検出されるように設計され、測定値τ(t)の振幅および/または特性周波数などの信号変数が所定の第3の閾値条件を満たしていないときに故障が検出される第3の故障検出器204を含む。開ループ/閉ループ制御ユニット206は、利用可能な故障検出器202〜204の1つによって故障が検出されるたびに、警告信号を生成し、および/または所定の故障状態FZでロボットジョイントを制御する制御変数

を用いて電気モータを作動させ、および/またはロボットジョイントの移動を制動するための機械的機構を作動させるように構成される。

Claims (12)

  1. 電気モータによって駆動されるロボットジョイントの開ループ/閉ループ制御のための方法であって、
    前記ロボットジョイントは、
    前記電気モータの第1の動作電流ik,1(t)(式中k=1、2、...、)を検出する第1のセンサエレクトロニクスを含む電流センサと、
    前記ロボットジョイントの駆動列の駆動位置θ(t)を検出する第1の位置センサと、
    前記ロボットジョイントの出力列の出力位置q(t)を検出する第2の位置センサと、
    前記駆動列のトルクτJ,1(t)を検出する第1のトルクセンサであって、前記電気モータが所定の目標制御変数τ(t)に基づいて開ループ/閉ループ制御によって制御される第1のトルクセンサと
    を備え、
    前記方法は、
    前記変数:θ(t),ik,1(t),τ,1 (t),q(t)の測定値を提供するステップ(101)と、
    −θ (t),ik,1(t),τ,1 (t),q(t)の前記測定値および/またはその時間微分が所定の第1の閾値条件を満たしていないときに故障の存在を検出する第1の故障検出器により前記故障の存在をチェックするステップ(102)と、
    プロセスモデルに基づく方法のθ (t),i k,1 (t),τ J,1 (t),q(t)の前記測定値に基づいて故障を検出する第2の故障検出器により、前記故障の存在をチェックするステップ(103)であって、前記プロセスモデル前記ロボットジョイントの所定の数学的動的モデルであり、前記モデルのパラメータ、前記プロセスモデルによって再構成された変数間の残差、および前記モデル内で計算された前記測定された変数および/またはパラメータが所定の第2の閾値条件を満たしていないとき故障が検出される、ステップ(103)と、
    −信号ベースの方法に基づいて前記故障の存在を検出する第3の故障検出器に前記変数τ,1 (t)の前記測定値を提供するステップ(104a)であって、τ ,1 (t)の前記測定値の振幅および/または特性周波数などの信号変数が所定の第3の閾値を満たしていないときに故障が検出されるステップ(104a)、または
    2のトルクセンサまたは前記第1のトルクセンサの重複して設計されたセンサエレクトロニクスによって前記出力列のトルクτJ,2(t)を計算するステップ(104b)であって、τJ,1(t)とτJ,2(t)の比較の結果が第4の閾値条件を満たしていないときに第4の故障検出器によって故障を検出するステップ(104b)と、
    −前第1の故障検出器、第2の故障検出器、第3の故障検出器及び第4の故障検出器の1つによって故障が検出されるたびに、警告信号を生成(105a)するステップ、および/または所定の故障状態FZで前記ロボットジョイントを制御する制御変数

    を用いて前記電動モータを作動させるステップ(105b)、および/または前記ロボットジョイントの移動を制動するための機械的機構を作動させるステップ(105c)と
    を有する方法。
  2. 前記警告信号が、視覚的および/または音響的に放出される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記検出された故障の1つのタイプは、前記第1の故障検出器および前記第2の故障検出器のそれぞれによって識別される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記制御変数

    および/または前記故障状態FZは、検出された故障Fの種類に依存する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第2の故障検出器が、前記モデルおよび/または状態変数オブザーバおよび/またはカルマンフィルタおよび/または故障を検出するためのパリティ方程式に基づく故障検出機能をベースにしたパラメータ推定値を使用する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第3の故障検出器は、高速フーリエ変換および/または電力密度スペクトルおよび/またはモーダル解析および/または補正分析および/またはニューロンネットワークおよび/または故障検出のための統計的推定法を使用する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1の電流センサが、前記第1のセンサエレクトロニクスに対して重複する第2のセンサエレクトロニクスを有し、前記電気モータの第2の動作電流i(t)(式中k=1、2、...)を決定し、ik,1(t)とi(t)との比較の結果が第5の閾値条件を満たしていないときに第5の故障検出器によって故障が検出される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. データ処理装置を有するコンピュータシステムであって、前記データ処理装置が、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法が前記データ処理装置で実行されるよう設計される、コンピュータシステム。
  9. プログラムコードをデータ処理装置で実行させるとき、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法を実行するための、機械可読のキャリアに保存されるプログラムコードを有する、コンピュータプログラム製品。
  10. 電気モータによって駆動されるロボットジョイントの開ループ/閉ループ制御のための装置であって、
    前記ロボットジョイントは、前記電気モータの第1の動作電流ik,1(t)を識別するための第1のセンサエレクトロニクス(式中k=1、2)を有する電流センサと、前記ロボットジョイントの出力列の出力位置θ(t)を検出する第1の位置センサと、前記ロボットジョイントの駆動列の駆動位置q(t)を検出する第2の位置センサと、前記出力列のトルクτJ,1(t)を検出する第1のトルクセンサとを有し、前記電気モータ所定の目標制御変数τ(t)に基づいて開ループおよび閉ループ制御ユニット(206)の前記開ループ/閉ループ制御下にあ
    前記変数:θ(t),ik,1(t),τ,1 (t),q(t)の測定値を提供するためのインターフェース(201)と、
    前記変数:θ(t),ik,1(t),τ,1 (t),q(t)の前記測定値および/またはその時間微分が所定の第1の閾値条件を満たしていないときに故障の存在を検出するように設計される、前記故障の存在を検証するための第1の故障検出器(202)と、
    −前記故障の存在をチェックするための第2の故障検出器(203)であって、プロセスモデルに基づく方法のθ (t),ik,1(t),τ,1 (t),q(t)の前記測定値に基づいて故障を検出するよう構成され、前記プロセスモデル前記ロボットジョイントの所定の数学的動的モデルであり、前記モデルのパラメータ、前記プロセスモデルによって再構成された変数間の残差、および前記モデル内で計算された前記変数θ(t),ik,1(t),τ,1 (t),q(t)の前記測定値および/またはパラメータが所定の第2の閾値条件を満たしていないとき故障が検出される第2の故障検出器(203)と、
    −前記故障の存在を検証するための第3の故障検出器(204)であって、τ ,1 (t)の前記測定値および信号に基づく方法に基づいて前記故障の存在が検出されるように設計され、τ ,1 (t)の前記測定値の振幅および/または特性周波数などの信号変数が所定の第3の閾値条件を満たしていないときに故障が検出される第3の故障検出器(204)、または
    前記出力列のトルクτJ,2(t)を検出するための、またはトルクτJ,2(t)を検出するための前記第1のトルクセンサの重複して設計されたセンサエレクトロニクスにある第2のトルクセンサ、および前記故障の存在を検証する第4の故障検出器であって、第4の故障検出器(205)は、前記故障の存在がτ J,1(t)及びτJ,2(t)の前記測定値を基にして検出するよう設計され、τJ,1(t)とτJ,2(t)の比較の結果が第4の閾値条件を満たしていないときに故障を検出する第4の故障検出器、
    を含み、
    前記開ループおよび閉ループ制御ユニット(206)は、前記第1の故障検出器、第2の故障検出器、第3の故障検出器及び第4の故障検出器の1つによって故障が検出されるたびに、警告信号を生成し、および/または所定の故障状態FZで前記ロボットジョイントを制御する制御変数

    を用いて前記電気モータを作動させ、および/または前記ロボットジョイントの移動を制動するための機械的機構を作動させる、装置。
  11. 請求項10に記載の装置を有するロボットマニピュレータ。
  12. 請求項10に記載の装置を有するロボット。
JP2017560790A 2015-05-21 2016-05-21 アクチュエータ駆動ロボットジョイントの開ループ/閉ループ制御のための方法および装置 Active JP6659730B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102015108097.4 2015-05-21
DE102015108097 2015-05-21
PCT/DE2016/000219 WO2016184451A1 (de) 2015-05-21 2016-05-21 Verfahren und vorrichtung zur steuerung/regelung eines aktorisch angetriebenen robotergelenks

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018524185A JP2018524185A (ja) 2018-08-30
JP6659730B2 true JP6659730B2 (ja) 2020-03-04

Family

ID=56292403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017560790A Active JP6659730B2 (ja) 2015-05-21 2016-05-21 アクチュエータ駆動ロボットジョイントの開ループ/閉ループ制御のための方法および装置

Country Status (9)

Country Link
US (1) US10730186B2 (ja)
EP (1) EP3297794B1 (ja)
JP (1) JP6659730B2 (ja)
KR (1) KR102034652B1 (ja)
CN (1) CN107645980B (ja)
DE (1) DE112016001831B4 (ja)
DK (1) DK3297794T3 (ja)
SG (1) SG11201709621TA (ja)
WO (1) WO2016184451A1 (ja)

Families Citing this family (41)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107710082B (zh) * 2015-09-29 2021-01-26 宝马股份公司 用于控制和/或调节机器人系统的外部控制系统的自动配置方法
JP6457473B2 (ja) * 2016-12-16 2019-01-23 ファナック株式会社 ロボットおよびレーザスキャナの動作を学習する機械学習装置,ロボットシステムおよび機械学習方法
US11351680B1 (en) 2017-03-01 2022-06-07 Knowledge Initiatives LLC Systems and methods for enhancing robot/human cooperation and shared responsibility
EP3418007A1 (en) * 2017-06-19 2018-12-26 ABB Schweiz AG Method of determining a joint torque in a joint of an articulated industrial robot
JP7021895B2 (ja) * 2017-10-03 2022-02-17 川崎重工業株式会社 異常の生じた部位の推定方法及び異常の生じた部位の推定を行わせるプログラム
JP6950612B2 (ja) * 2018-03-30 2021-10-13 オムロン株式会社 センサ、情報処理装置、センサ制御方法、情報処理方法、プログラム、および記録媒体
KR102114068B1 (ko) * 2018-04-19 2020-05-25 한국과학기술연구원 계산 토크 방식 제어기, 이의 파라미터 결정 및 성능 평가 방법
CN108908345B (zh) * 2018-08-31 2023-07-14 上海大学 一种欠驱动灵巧手传动系统状态感知系统
KR20200044206A (ko) 2018-10-10 2020-04-29 삼성전자주식회사 전자 장치 및 이의 제어 방법
CN109490776B (zh) * 2018-11-06 2020-10-02 杭州君谋科技有限公司 一种基于机器学习的手机振动马达良次品检测方法
DE102018133349A1 (de) * 2018-12-21 2020-06-25 Pilz Gmbh & Co. Kg Verfahren und Vorrichtung zur Momentschätzung
EP3902658A4 (en) * 2018-12-24 2022-10-19 ABB Schweiz AG METHOD OF DIAGNOSTICS A ROBOT, DEVICE AND SERVER
JP7358049B2 (ja) * 2019-01-11 2023-10-10 キヤノン株式会社 制御方法、プログラム、記録媒体、ロボットシステム、および物品の製造方法
US11865714B2 (en) 2019-02-17 2024-01-09 Samsung Electronics Co., Ltd. Robotic limb
CN109978059B (zh) * 2019-03-28 2024-02-23 南京富岛信息工程有限公司 一种原油蒸馏过程初馏塔冲塔故障预警方法
EP3747604B1 (en) * 2019-06-07 2022-01-26 Robert Bosch GmbH Robot device controller, robot device arrangement and method for controlling a robot device
KR102254934B1 (ko) * 2019-07-30 2021-05-25 한국생산기술연구원 로봇 관절부 고장진단 방법 및 이를 적용한 로봇 관절부 고장 진단 시스템
WO2021045352A1 (en) * 2019-09-03 2021-03-11 Samsung Electronics Co., Ltd. Robotic limb
DE102019124720B3 (de) * 2019-09-13 2020-12-03 Franka Emika Gmbh Online Konformitätsanalyse und Konformitätskennzeichnung für Roboter
DE102019214009B3 (de) * 2019-09-13 2020-12-10 Kuka Deutschland Gmbh Analyse von Sensormessdaten eines Roboters oder Manipulators
DE102019127260B4 (de) * 2019-10-10 2022-03-10 Franka Emika Gmbh Reibungskompensation für einen Greifer eines Robotermanipulators
DE102019128082B4 (de) * 2019-10-17 2022-03-10 Franka Emika Gmbh Drehmomentbegrenztes Bremsen eines Robotermanipulators
CN110733043A (zh) * 2019-11-22 2020-01-31 江苏方时远略科技咨询有限公司 一种机器人运行状态监测与切换的方法
KR102278744B1 (ko) * 2019-12-03 2021-07-20 주식회사 큐엔티 로봇의 이상 상태에 대한 알람을 출력하는 방법 및 장치
DE102020205265A1 (de) 2020-04-27 2021-10-28 Kuka Deutschland Gmbh Detektieren von Störungen in Roboteranordnungen
DE102020205379A1 (de) 2020-04-28 2021-10-28 Kuka Deutschland Gmbh Verfahren zum Erfassen und Auswerten eines Reibungszustands an einem Gelenk, Roboterarm und Computerprogrammprodukt
DE102020127532B3 (de) 2020-10-20 2021-11-11 Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt e.V. Regelungsverfahren zum Regeln des Drehmoments und/oder der Position mindestens eines elastizitätsbehafteten Gelenks einer Handhabungsvorrichtung, Drehmomentregler, Positionsregler und Verwendung des Verfahrens zur Regelung der Position und/oder des Drehmoments mindestens eines elastizitätsbehafteten Gelenks einer Handhabungsvorrichtung
TWI764377B (zh) * 2020-11-16 2022-05-11 達明機器人股份有限公司 機器人安全補償重量的系統及方法
TWI805978B (zh) * 2020-12-22 2023-06-21 達明機器人股份有限公司 雙迴路力矩感知系統及其感知方法
CN113609637B (zh) * 2021-06-24 2023-10-27 国网浙江杭州市余杭区供电有限公司 一种考虑故障连锁的多灾害配电网弹性评估方法
WO2023060423A1 (en) * 2021-10-12 2023-04-20 Shanghai Flexiv Robotics Technology Co., Ltd. Safety system, joint assembly with safety system, and robot having joint assembly
DE102021212128B8 (de) 2021-10-27 2023-04-06 Kuka Deutschland Gmbh Verfahren und System zum Steuern eines lasttragenden Roboters sowie zum Ermitteln eines Parameters der Last des Roboters
CN114035550B (zh) * 2021-11-15 2023-11-21 江苏科技大学 一种基于eso的自主式水下机器人执行机构故障诊断方法
CN113954078B (zh) * 2021-11-17 2023-02-24 深圳市优必选科技股份有限公司 力控关节控制方法、装置、机器人和可读存储介质
DE102022105335A1 (de) 2022-03-08 2023-09-14 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Verfahren zum bestimmen eines drehmoments
CN114571470B (zh) * 2022-05-05 2022-07-12 季华实验室 一种补偿结果优化方法、装置、电子设备和存储介质
DE102022116969A1 (de) * 2022-07-07 2024-01-18 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Verfahren zur dynamischen Erkennung von Ratcheting bei einem kollaborativen Roboter mittels Künstlicher Intelligenz und dynamischer Kompensation der Trajektorien
DE102022123243B3 (de) 2022-09-13 2024-03-14 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Künstliche Intelligenz zur präzisen Bestimmung von Ausgangsdrehmomenten kollaborativer Roboter
DE102022128423B3 (de) * 2022-10-27 2023-12-28 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Verfahren und ein Antriebsmodul zur Detektion, Quantifikation und Kompensation einer Eingriffsstörung eines Spannungswellengetriebes
CN116107219B (zh) * 2023-04-11 2023-06-30 珞石(北京)科技有限公司 一种基于模型的有约束的增量预测状态空间控制方法
CN116533253B (zh) * 2023-07-03 2023-09-19 佛山智能装备技术研究院 一种基于反馈电流频谱分析的工业机器人故障诊断方法

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09297614A (ja) 1996-04-30 1997-11-18 Kawasaki Steel Corp 電動機のトルク異常監視方法およびその異常処理方法
TR199600527A2 (xx) * 1996-06-24 1998-01-21 Ar�El�K A.�. Elektrik motorlar� i�in model bazl� hata tespit ve te�his sistemi.
JP4134369B2 (ja) * 1998-02-09 2008-08-20 株式会社安川電機 ロボットの制御装置
DE102004026185A1 (de) * 2004-05-28 2005-12-22 Kuka Roboter Gmbh Verfahren und Vorrichtung zum Betreiben einer Maschine, wie eines Mehrachs- Industrieroboters
JP4305323B2 (ja) * 2004-08-11 2009-07-29 ソニー株式会社 ロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法
DE102004056861A1 (de) * 2004-11-25 2006-06-08 Kuka Roboter Gmbh Verfahren und Vorrichtung zum Regeln, Steuern von Manipulatoren
US9104650B2 (en) * 2005-07-11 2015-08-11 Brooks Automation, Inc. Intelligent condition monitoring and fault diagnostic system for preventative maintenance
KR101322434B1 (ko) * 2005-07-11 2013-10-28 브룩스 오토메이션 인코퍼레이티드 지능형 상태 감시 및 결함 진단 시스템
EP1951482A2 (en) 2005-11-16 2008-08-06 Abb Ab Method and device for controlling motion of an industrial robot
JP2007301680A (ja) * 2006-05-11 2007-11-22 Nachi Fujikoshi Corp ロボットアーム診断装置
EP1932629B1 (en) * 2006-12-11 2019-04-24 ABB Research Ltd. A method and a control system for monitoring the condition of an industrial robot
DE102008054312A1 (de) 2008-11-03 2010-05-06 Kuka Roboter Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur sicheren Erfassung einer kinematischen Größe eines Manipulators
IT1401977B1 (it) 2010-09-28 2013-08-28 C N R Consiglio Naz Ricerche Apparecchiatura robotizzata con dispositivo di sicurezza perfezionato e metodo di controllo per la verifica in tempo reale delle grandezze cinematiche di stato dell'apparecchiatura robotizzata.
JP5149416B2 (ja) * 2011-04-06 2013-02-20 ファナック株式会社 ロボットの異常検出機能を有するロボットシステム及びその制御方法
CN102831919A (zh) 2011-06-15 2012-12-19 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 固态硬盘及支持所述固态硬盘的主板
JP5924107B2 (ja) 2012-05-09 2016-05-25 セイコーエプソン株式会社 ロボットハンド、およびロボット
WO2014036138A1 (en) 2012-08-28 2014-03-06 Rethink Robotics, Inc. Monitoring robot sensor consistency
EP2977150B1 (en) 2013-03-18 2017-06-28 Olympus Corporation Manipulator
DE102013016019B3 (de) 2013-09-25 2015-03-19 Festo Ag & Co. Kg Verfahren zum Betreiben eines mehrgliedrigen Manipulators

Also Published As

Publication number Publication date
US20180169864A1 (en) 2018-06-21
DE112016001831B4 (de) 2019-09-19
CN107645980A (zh) 2018-01-30
EP3297794B1 (de) 2021-12-01
DK3297794T3 (da) 2022-02-21
SG11201709621TA (en) 2017-12-28
WO2016184451A1 (de) 2016-11-24
CN107645980B (zh) 2021-01-15
DE112016001831A5 (de) 2017-12-28
EP3297794A1 (de) 2018-03-28
KR102034652B1 (ko) 2019-10-21
KR20180010220A (ko) 2018-01-30
JP2018524185A (ja) 2018-08-30
US10730186B2 (en) 2020-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6659730B2 (ja) アクチュエータ駆動ロボットジョイントの開ループ/閉ループ制御のための方法および装置
US11650581B2 (en) Intelligent condition monitoring and fault diagnostic system for preventative maintenance
JP5043839B2 (ja) 予知保全用インテリジェント状態監視及び障害診断システム
Huang et al. Fault diagnosis and fault-tolerant control in linear drives using the Kalman filter
Isermann Fault-diagnosis applications: model-based condition monitoring: actuators, drives, machinery, plants, sensors, and fault-tolerant systems
US9415515B2 (en) Method and apparatus for fixing a manipulator axis
Bittencourt et al. A Data-driven method for monitoring systems that operate repetitively-applications to wear monitoring in an industrial robot joint
Mellah et al. On fault detection and isolation applied on unicycle mobile robot sensors and actuators
Zeng et al. Adaptive fault diagnosis for robot manipulators with multiple actuator and sensor faults
Dixon et al. Application of condition monitoring to an electromechanical actuator: a parameter estimation based approach
Bouibed et al. Actuator fault detection by nonlinear sliding mode observers: Application to an actuated seat
Anand et al. FAULT DETECTION AND ISOLATION IN ROBOTIC MANIPULATOR VIA HYBRID NEURAL NETWORKS.
Sathish et al. A simulation based approach to detect wear in industrial robots
Getz Analysis Of Faults In Lightweight Robotic Joints And Evaluation Of Possible Fault Detection Techniques
Mahalik et al. Review and application of model and spectral analysis based fault detection and isolation scheme in actuators and sensors
Tian et al. 2A2-M01 Experimental Verification of Double Guarantee Kidnapping Detection

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190416

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190710

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6659730

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250