JP6659457B2 - ミグリトール含有口腔内崩壊錠 - Google Patents

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本発明は、ミグリトールを含有する口腔内崩壊錠に関する。特に多湿条件下での保存時に必要な硬度を備えるミグリトールを含有する口腔内崩壊錠に関する。
ミグリトール((−)-(2R,3R,4R,5S)-1-(2-hydroxyethyl)-2-(hydroxymethyl)piperidine-3,4,5-triol)は、二糖類水解酵素(α-グルコシダーゼ)を阻害し、二糖類から単糖への分解を抑制して、糖質の消化・吸収を遅延させることにより食後の過血糖を改善する効能を有し、ミグリトール含有錠であるセイブル(登録商標)錠を毎食直前に経口投与することにより、食後高血糖改善効果を食事開始直後から発現することが、非特許文献1に記載されている。
糖尿病患者において適切なタイミングで糖尿病治療薬を服用し、血糖値を好ましい値にコントロールすることが重要であり、ミグリトール含有錠を服用する場合、服用するタイミングが食事の直前であることや患者の服用時の利便性等を考慮して、水なしで簡便に服用できるミグリトールの口腔内崩壊錠が、特に有用であり、最近、ミグリトール含有口腔内崩壊錠であるセイブル(登録商標)OD錠の製造販売承認がなされた。
しかし、非特許文献1には、ミグリトール含有口腔内崩壊錠であるセイブル(登録商標)OD錠が無包装状態で高湿度により錠剤の硬度低下が認められることが記載されており、開封後も湿気を避けて保存する旨の指示がある。
また、特許文献1および特許文献2においてミグリトールを有効成分として含有する口腔内崩壊錠が記載されているが、いずれも湿度に対する影響を改善する効果を有することは記載されていない。
国際公開第2015/007676号パンフレット 国際公開第2015/008825号パンフレット
セイブル錠 医薬品インタビューフォーム(2015年3月改訂(第11版)
本発明は、多湿条件下での保存時に必要な硬度を備え、さらに口腔内での良好な崩壊性を備えるミグリトール含有口腔内崩壊錠を提供する。
本発明の一実施形態によると、ミグリトールと、水不溶性ポリマーを含有することを特徴とする、ミグリトール含有口腔内崩壊錠が提供される。
前記ミグリトール含有口腔内崩壊錠において、前記水不溶性ポリマーが、エチルセルロースである。
前記ミグリトール含有口腔内崩壊錠において、前記ミグリトールに対して10質量%以上25質量%以下の前記エチルセルロースを含有する。
本発明によると、多湿条件下での保存時に必要な硬度を備えるミグリトール含有口腔内崩壊錠が提供される。また、口腔内での良好な崩壊性を備えるミグリトール含有口腔内崩壊錠が提供される。
本発明の実施例に係るミグリトール含有口腔内崩壊錠の製剤物性等を示す図である。
以下、本発明に係るミグリトール含有口腔内崩壊錠について説明する。但し、本発明のミグリトール含有口腔内崩壊錠は、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明において「後添加」とは、有効成分を含有する粒子を造粒・乾燥・整粒した後に添加混合することをいう。また、本発明において「口腔内での良好な崩壊性」とは、口腔内の唾液のみ又は少量の水で約30秒前後、もしくはそれ以下の時間で速やかに崩壊することをいう。
本発明者らは、多湿条件下での保存時に必要な硬度を備えるミグリトール含有口腔内崩壊錠について検討を行ったところ、水不溶性ポリマーを添加することで、ミグリトールが水不溶性ポリマーによりコーティングされ、ミグリトール含有口腔内崩壊錠の硬度を得られることを新たに見出した。
本発明に係るミグリトール含有口腔内崩壊錠は、ミグリトールと、水不溶性ポリマーを含有する。本実施形態において、ミグリトール含有口腔内崩壊錠は、所定量のミグリトールを含み、ミグリトールの含有量は、例えば、25mg/錠、50mg/錠又は75mg/錠である。
本発明に係るミグリトール含有口腔内崩壊錠に添加する水不溶性ポリマーとしては、pH非依存型水不溶性ポリマー及びpH依存型水不溶性ポリマーの何れも用いることができる。例えば、pH非依存型水不溶性ポリマーとしては、エチルセルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、pH依存型水不溶性ポリマーとしては、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、メタクリル酸コポリマーL、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
一実施形態において、ミグリトール含有口腔内崩壊錠の製造時に水不溶性ポリマーとしてエチルセルロースを添加する場合、ミグリトールに対して10質量%以上25質量%以下の範囲でエチルセルロースを添加することが好ましい。エチルセルロースの含有量は、ミグリトールの含有量及び他の添加物に応じて、この範囲で適宜調節可能である。また、エチルセルロースの含有量がミグリトールに対して10質量%より少ないと、崩壊時間が遅くなり、口腔内で溶けるまでに時間がかかる。また、ミグリトールに対するエチルセルロースの含有量が25質量%を超えると、多湿条件下での保存時に必要な硬度が得られるものの、ミグリトール含有口腔内崩壊錠からのミグリトールの溶出性が低下するため、好ましくない。
なお、本明細書において、多湿条件下で口腔内崩壊錠を保存した場合に必要な硬度とは、25℃、湿度75%に1週間、開封状態で保存した口腔内崩壊錠の硬度が20 N以上となることを意味する。
本発明に係るミグリトール含有口腔内崩壊錠は、水不溶性ポリマーを添加することにより、ミグリトールが水不溶性ポリマーによりコーティングされ、多湿条件下に保存しても、口腔内崩壊錠の硬度を十分に維持することができる。また、硬度とともに、口腔内崩壊錠に必要な崩壊性と、ミグリトールの溶出性をも得ることができる。
本実施形態のミグリトール含有口腔内崩壊錠は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、乳化剤、安定剤、矯味矯臭剤、可塑剤、滑沢剤等の添加剤をさらに添加することができる。
賦形剤は、例えば、糖誘導体、澱粉誘導体、セルロース誘導体、アラビアゴム、デキストラン、プルラン、ケイ酸塩誘導体、燐酸塩、炭酸塩及び硫酸塩等から選択することができる。糖誘導体としては、例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニトール、エリスリトール、トレハロース、マルトース、キシリトール及びソルビトール等を例示することができる。また、澱粉誘導体としては、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α−澱粉、デキストリン等を例示することができる。セルロース誘導体としては、結晶セルロース等を例示することができる。また、ケイ酸塩誘導体としては、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等を例示することができる。燐酸塩としては、燐酸水素カルシウム等を例示することができる。炭酸塩としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等を例示することができる。硫酸塩としては、硫酸カルシウム等を例示することができる。これらの賦形剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
崩壊剤は、例えば、クロスポビドン、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、架橋化ポリビニルピロリドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、各種デンプン類等から選択することができる。これらの崩壊剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
結合剤は、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、マクロゴール及び上記に賦形剤として示した化合物等から選択することができる。これらの結合剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
乳化剤は、例えば、コロイド性粘土、金属水酸化物、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤等から選択することができる。コロイド性粘土としては、ベントナイト、ビーガム等を例示することができる。金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等を例示することができる。陰イオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、等を例示することができる。陽イオン界面活性剤としては、塩化ベンザルコニウム等を例示することができる。また、非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等を例示することができる。これらの乳化剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
安定剤は、例えば、パラヒドロキシ安息香酸エステル類、アルコール類、フェノール類、チメロサール、デヒドロ酢酸及びソルビン酸等から選択することができる。パラヒドロキシ安息香酸エステル類としては、メチルパラベン、プロピルパラベン等を例示することができる。アルコール類としては、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等を例示することができる。これらの安定剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
矯味矯臭剤は、例えば、甘味料、酸味料及び香料等から選択することができる。甘味料としては、サッカリンナトリウム、スクラロース、タウマチン、アセスルファムカリウム、ステビア抽出物、白糖、アスパルテーム等を例示することができる。酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等を例示することができる。また、香料としては、メントール、レモンエキス、オレンジエキス等を例示することができる。これらの矯味矯臭剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
可塑剤は、例えば、クエン酸トリエチル、グリセリン脂肪酸エステル、トリアセチン、プロピレングリコール、マクロゴール、モノステアリン酸グリセリン等を例示することができる。これらの可塑剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
滑沢剤は、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸金属塩(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等)、タルク、コロイドシリカ、ワックス類(ビーズワックス、ゲイ蝋等)、硼酸、アジピン酸、硫酸塩(硫酸ナトリウム等)、グリコール、フマル酸、フマル酸ステアリルナトリウム、安息香酸ナトリウム、D,L−ロイシン、ラウリル硫酸塩(ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム等)、酸類(無水ケイ酸、ケイ酸水和物等)及び上記に賦形剤として示した化合物等から選択することができる。これらの滑沢剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
(製造方法)
本発明に係るミグリトール含有口腔内崩壊錠は、薬学分野において公知の製造方法に従って製造することができる。例えば、ミグリトール及び必要に応じて、上記各種添加剤などを含む混合物に、水不溶性ポリマーを含む溶液をスプレーしつつ流動層造粒又は転動流動層造粒する。
本発明の製造方法において、流動層造粒装置としては、「MP−1」(パウレック社製)、「FLO−5」(フロイント社製)等の市販機を用いることができる。また、「MP−1」(パウレック社製)は、転動流動層造粒装置として用いることもできる。
湿式造粒工程で得られた造粒物は乾燥し整粒した後、崩壊剤、滑沢剤及び必要に応じて、上記各種添加剤などを添加して混合する。混合した組成物を打錠して一実施形態に係るミグリトール含有口腔内崩壊錠を得ることができる。
なお、一実施形態において、湿式造粒工程後の造粒物に、上記の添加剤の何れかを混合し成形するようにしてもよい(後添加)。
(硬度)
本明細書において、硬度は、シュロイニゲル錠剤硬度計(MODEL6D、シュロイニゲル社製)により各錠剤5錠について硬度を測定し、その平均値を錠剤硬度とする。
(口腔内崩壊時間)
本明細書において、口腔内崩壊時間は、試験液として人口唾液を用い、トリコープテスタ(岡田精工社製)により評価する。
(溶出試験)
本明細書において、溶出試験は、第十六改正日本薬局方 溶出試験法 パドル法に準じ、パドル回転数:50回転、試験液:水900mlの条件にて、試験開始後15分の溶出率を測定することにより評価する。
(類縁物質)
本明細書において、安定性の評価として、液体クロマトグラフィーを用いてミグリトールの純度を評価する。ミグリトール由来の類縁物質のピーク面積からミグリトールのピーク面積に対する比率を算出し、総類縁物質とする。
上述した本発明に係るミグリトール含有口腔内崩壊錠の具体的な実施例及び試験結果を示して、より詳細に説明する。
(実施例1)
流動層造粒装置(パウレック社製、機種:MP-01)にて、ミグリトール450gに、エチルセルロース(エトセル7FP、ダウケミカル)45gを溶解させたエタノール溶液をスプレーし、転動流動層造粒を行った。転動流動層造粒工程で得られた造粒物を、60℃で乾燥した。
乾燥した造粒物を篩22号で整粒した後、整粒品49.5gにプレミックス添加剤(D−マンニトール、カルメロース、結晶セルロース及びクロスポビドンの混合物)121.32g、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ)0.18g、結晶セルロース(セオラスUF711、旭化成ケミカルズ)1.8g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2、富士化学工業)5.4gを加えビニール袋で混合した。さらに、ステアリン酸マグネシウム(太平化学)1.8gを添加して混合し、ミグリトールを含む打錠前粉末を得た。打錠機(VELA5、菊水製作所社製)を用い、重量300mgとなるよう打錠前粉末を打錠し、実施例1のミグリトール含有口腔内崩壊錠を得た。
(実施例2)
実施例1においてはミグリトールに対して10質量%となるようエチルセルロース溶解液をスプレーしたが、実施例2においては、ミグリトールに対して25質量%となるようエチルセルロース溶解液をスプレーした。実施例2においては、エチルセルロース(エトセル7FP、ダウケミカル)112.5g、整粒品56.25g、プレミックス添加剤(D−マンニトール、カルメロース、結晶セルロース及びクロスポビドンの混合物)116.37gとし、結晶セルロースを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に口腔内崩壊錠を得た。
(実施例3)
実施例3においては、ミグリトールに対して20質量%となるようエチルセルロース溶解液をスプレーした。流動層造粒装置(パウレック社製、機種:MP-01)にて、ミグリトール450gに、エチルセルロース(エトセル7FP、ダウケミカル)90gを溶解させたエタノール溶液をスプレーし、流動層造粒を行った。流動層造粒工程で得られた造粒物を、60℃で乾燥した。
乾燥した造粒物を篩22号で整粒した後、整粒品45gにプレミックス添加剤(D−マンニトール、カルメロース、結晶セルロース及びクロスポビドン混合物)62.73g、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ)0.15g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2、富士化学工業)3.5gを加えビニール袋で混合した。さらに、ステアリン酸マグネシウム(太平化学)1.13gを添加して混合し、ミグリトールを含む打錠前粉末を得た。打錠機(VELA5、菊水製作所社製)を用い、重量225mgとなるよう打錠前粉末を打錠し、実施例3のミグリトール含有口腔内崩壊錠を得た。
(実施例4)
実施例4においては、実施例3に対して、後添加するプレミックス添加剤(D−マンニトール、カルメロース、結晶セルロース及びクロスポビドン混合物)を別のプレミックス添加剤(D−マンニトール及びコーンスターチ混合物)に変更した。実施例3と同様に乾燥した造粒物を篩22号で整粒した後、整粒品にプレミックス添加剤(D−マンニトール及びコーンスターチ混合物)64.55g、クロスポビドン(コリドンCL−F、BASF)1.69g、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ)0.15gを加えビニール袋で混合した。さらに、ステアリン酸マグネシウム(太平化学)1.13gを添加して混合し、ミグリトールを含む打錠前粉末を得た。打錠機(VELA5、菊水製作所社製)を用い、重量225mgとなるよう打錠前粉末を打錠し、実施例4のミグリトール含有口腔内崩壊錠を得た。
(実施例5)
実施例5においては、ミグリトールに対して20質量%となるようエチルセルロース溶解液をスプレーするともに、滑沢剤としてタルクを添加して転動流動層造粒により造粒物を製した。流動層造粒装置(パウレック社製、機種:MP-01)にて、ミグリトール450gに、エチルセルロース(エトセル7FP、ダウケミカル)90g及びタルク(日本タルク)9gを溶解及び分散させたエタノールと水を8対2の割合で混合した溶解液をスプレーし、転動流動層造粒を行った。転動流動層造粒工程で得られた造粒物を、60℃で乾燥した。
乾燥した造粒物を篩22号で整粒した後、整粒品45.75gにプレミックス添加剤(D−マンニトール、カルメロース、結晶セルロース及びクロスポビドンの混合物)96.6g、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ)0.15g、結晶セルロース(セオラスUF711、旭化成ケミカルズ)1.5g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2、富士化学工業)4.5gを加えビニール袋で混合した。さらに、ステアリン酸マグネシウム(太平化学)1.5gを添加して混合し、ミグリトールを含む打錠前粉末を得た。打錠機(VELA5、菊水製作所社製)を用い、重量300mgとなるよう打錠前粉末を打錠し、実施例5のミグリトール含有口腔内崩壊錠を得た。
(実施例6)
実施例6においては、実施例5のタルクに替えて、ヒプロメロース(TC−5E、信越化学)を添加して溶媒としてエタノールと水を8対2の割合の混合液に溶解したこと以外は、実施例5と同様にミグリトール含有口腔内崩壊錠を得た。
(実施例7)
実施例7においては、ミグリトール450gに、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(AEA(登録商標)、三菱化学フーズ株式会社)90gを溶解させたエタノールと水を8対2の割合で混合した溶解液をスプレーし、転動流動層造粒を行ったこと以外は、実施例3と同様にミグリトール含有口腔内崩壊錠を得た。
(実施例8)
実施例8においては、流動層造粒装置(パウレック社製、機種:MP-01)にて、ミグリトール450gに、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS(オイドラギット(登録商標)RS、EVONIK)90g、マクロゴール6000(日油株式会社)9g及びタルク(日本タルク)81gを溶解させたエタノールと水を8対2の割合で混合した溶解液をスプレーし、流動層造粒を行った。流動層造粒工程で得られた造粒物を、60℃で乾燥した。
乾燥した造粒物を篩22号で整粒した後、整粒品52.5gにプレミックス添加剤(D−マンニトール、カルメロース、結晶セルロース及びクロスポビドン混合物)55.23g、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ)0.15g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2、富士化学工業)3.5gを加えビニール袋で混合した。さらに、ステアリン酸マグネシウム(太平化学)1.13gを添加して混合し、ミグリトールを含む打錠前粉末を得た。打錠機(VELA5、菊水製作所社製)を用い、重量225mgとなるよう打錠前粉末を打錠し、実施例8のミグリトール含有口腔内崩壊錠を得た。
(比較例1)
比較例1として、エチルセルロースを添加せずに、口腔内崩壊錠を製した。ミグリトール25gに、プレミックス添加剤(D−マンニトール、カルメロース、結晶セルロース及びクロスポビドン混合物)69.9g、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ)0.1g、結晶セルロース(セオラスUF711、旭化成ケミカルズ)1g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2、富士化学工業)3gを加えビニール袋で混合した。さらに、ステアリン酸マグネシウム(太平化学)1gを添加して混合し、ミグリトールを含む打錠前粉末を得た。打錠機(VELA5、菊水製作所社製)を用い、重量300mgとなるよう打錠前粉末を打錠し、比較例1のミグリトール含有口腔内崩壊錠を得た。
(比較例2)
比較例2として、ミグリトールに対して5質量%となるようエチルセルロースと水を8対2の割合で混合した溶解液をスプレーし、実施例6に準じて口腔内崩壊錠を製した。流動層造粒装置(パウレック社製、機種:MP-01)にて、ミグリトール450gに、エチルセルロース(エトセル7FP、ダウケミカル)22.5g及びヒプロメロース(TC−5E、信越化学)2.25gを溶解させたエタノール溶液をスプレーし、転動流動層造粒を行った。転動流動層造粒工程で得られた造粒物を、60℃で乾燥した。
乾燥した造粒物を篩22号で整粒した後、整粒品39.56gにプレミックス添加剤(D−マンニトール、カルメロース、結晶セルロース及びクロスポビドンの混合物)102.85g、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ)0.15g、結晶セルロース(セオラスUF711、旭化成ケミカルズ)1.5g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2、富士化学工業)4.5gを加えビニール袋で混合した。さらに、ステアリン酸マグネシウム(太平化学)1.5gを添加して混合し、ミグリトールを含む打錠前粉末を得た。打錠機(VELA5、菊水製作所社製)を用い、重量300mgとなるよう打錠前粉末を打錠し、比較例2のミグリトール含有口腔内崩壊錠を得た。
(比較例3)
比較例3においては、エチルセルロース溶解液に替えて、エタノールと水を8対2の割合で混合した溶液をミグリトールと粉末のエチルセルロースにスプレーした。ミグリトール450gに、エタノールと水を8対2の割合で混合した溶液をスプレーし、転動流動層造粒を行ったこと以外は、実施例3と同様に口腔内崩壊錠を得た。
(打錠障害)
打錠前粉末を打錠した際の、打錠障害(スティッキング)について評価した。評価結果を図1に示す。エチルセルロースを添加しない比較例1においては、スティッキングが生じ、比較例3に於いては、バインディングが生じた。一方、実施例1〜8の打錠前粉末においては、打錠障害が認められなかった。
(硬度)
シュロイニゲル錠剤硬度計(MODEL6D、シュロイニゲル社製)により実施例1〜8及び比較例1〜3の口腔内崩壊錠、5錠について硬度を測定し、その平均値をそれぞれの錠剤硬度とした。硬度の測定結果を図1に示す。また、25℃、湿度75%に1週間、開封状態で保存した口腔内崩壊錠の硬度も同様に測定し、図1に示す。エチルセルロースを添加しない比較例1においては、製造直後では硬度が得られたものの、保存後の硬度が20 Nを下回り、十分な硬度を維持できないことが明らかとなった。また、ミグリトールに対するエチルセルロースの添加量が5質量%の比較例2においては、保存後の硬度が23 Nと実施例に比して著しく低下した。保存後の硬度は20 N以上を維持していたが、後述するように口腔内崩壊時間が遅延した。粉末のエチルセルロースを添加し、エタノールと水の混合液を用いて造粒した比較例3においては、著しく低い硬度を示した。一方、実施例1〜8においては、保存後の硬度が20 Nを上回り、十分な硬度を維持できていることが明らかとなった。
(口腔内崩壊時間)
試験液として人口唾液を用い、実施例1〜8及び比較例1〜3の口腔内崩壊錠をトリコープテスタ(岡田精工社製)により、それぞれ2錠評価した。口腔内崩壊時間の測定結果を図1に示す。実施例1〜8の口腔内崩壊錠においては、30秒以下の速やかな口腔内崩壊が確認された。一方、エチルセルロースを添加しない比較例1、ミグリトールに対するエチルセルロースの添加量が5質量%の比較例2及び粉末のエチルセルロースを添加し、エタノールと水の混合液を用いて造粒した比較例3においては、口腔内崩壊時間の著しい遅延が認められた。
(溶出試験)
試験液として900mlの水を用い、実施例1〜8及び比較例1〜3の口腔内崩壊錠を第十六改正日本薬局方 溶出試験法 パドル法に準じ、15分間撹拌し、溶出率を測定した。溶出率の測定結果を図1に示す。実施例1〜8の口腔内崩壊錠において、エチルセルロースを添加したことに伴う溶出率の低下は認められなかった。
(類縁物質)
実施例1〜8の口腔内崩壊錠の安定性の評価として、液体クロマトグラフィーを用いてミグリトールの純度を評価した。ミグリトール由来の類縁物質のピーク面積からミグリトールのピーク面積に対する比率を算出し、総類縁物質とした。また、60℃で2週間および、60℃湿度60%で2週間、開封状態で保存した口腔内崩壊錠の総類縁物質も同様に測定したが、実施例1〜8の口腔内崩壊錠において、保存前後での総類縁物質の増加は認められなかった。
以上説明したように、本発明に係るミグリトール含有口腔内崩壊錠は、水不溶性ポリマーを添加することにより、多湿条件下に保存しても、口腔内崩壊錠の硬度を十分に維持することができる。また、硬度とともに、口腔内崩壊錠に必要な崩壊性と、ミグリトールの溶出性をも得ることができる。

Claims (2)

  1. ミグリトールと、前記ミグリトールに対して10質量%以上25質量%以下のエチルセルロースを含有し、
    前記エチルセルロースを含む溶液を前記ミグリトールにスプレーし、流動層造粒又は転動流動層造粒した造粒物を含むことを特徴とする、ミグリトール含有口腔内崩壊錠。
  2. エチルセルロースを含む溶液を、ミグリトールに対して10質量%以上25質量%以下となるように、前記ミグリトールにスプレーし、流動層造粒又は転動流動層造粒することを特徴とする、ミグリトール含有口腔内崩壊錠の製造方法。
JP2016100795A 2015-05-26 2016-05-19 ミグリトール含有口腔内崩壊錠 Active JP6659457B2 (ja)

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