JP6659404B2 - 排水処理制御装置及び排水処理システム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、排水処理制御装置及び排水処理システムに関する。
下水管を流れた汚水は、スクリーン、沈砂池、及び最初沈澱池等を経て、曝気槽へと供給される。汚水中の有機物質は、曝気槽内の活性汚泥に含まれる微生物の一種である従属栄養細菌により、二酸化炭素と水に分解される。また、汚水中のアンモニア成分は、曝気槽内の活性汚泥に含まれる微生物の一種である硝化菌(亜硝酸菌と硝酸菌)により、硝酸と水に分解される。これらの分解反応によって、従属栄養細菌や硝化菌は各々増殖する。
汚水中の有機物質やアンモニアが分解除去された後の処理水は、曝気槽内に配置された分離膜により活性汚泥から分離される。活性汚泥中の固形成分は分離膜を通過することができず、処理水のみが分離膜を通過する。分離膜を通過した処理水は、曝気槽から排出される。
分離膜によって処理水が排出されるにつれ、活性汚泥に含まれる微生物や、微生物の代謝物質であるEPS(Extracellular Polymeric Substance)等の高分子化合物や、無機物等が分離膜の処理水通過流路に入り込む。これによって、分離膜の目詰まりが徐々に発生する。この目詰まり状態を検出するために、処理水排出時において分離膜の上流側(一次側)の水圧と下流側(二次側)の水圧の差である膜差圧(TMP:Trans Membrane Pressure)が測定される。
分離膜の目詰まりが生じると、同じ処理水の排出流量を得るのに必要な膜差圧が徐々に上昇する。分離膜の目詰まりを抑制するため、曝気槽内には、分離膜を空気洗浄するための散気部が分離膜の下方に設けられている。特許文献1の技術においては、散気部から供給される空気の量は、膜差圧の目標値と実測値との差分値に基づくPID(Proportional-Integral-Derivative)制御により調整される。なお、膜差圧の目標値は、時間の経過とともに直線的に増加する値に設定されている。
しかしながら、膜差圧は、分離膜の使用初期の段階では変化が小さく、膜差圧が所定値(例えば、10[kPa])を超えると急激に増加する傾向がある。このため、膜差圧の目標値が、時間の経過とともに直線的に増加する値に設定されると、実際の膜差圧が目標値から大きくずれる可能性があった。実際の膜差圧と目標値との差が大きいと、分離膜へ供給する空気の量を適切に算出できない可能性があった。
特開2013−202471号公報
本発明が解決しようとする課題は、分離膜の実際の膜差圧と、膜差圧の目標値との差を小さくすることができる排水処理制御装置及び排水処理システムを提供することである。
実施形態の排水処理制御装置は、目標値取得部と、予測値取得部と、風量制御部とを持つ。目標値取得部は、汚水をろ過する分離膜の膜差圧の初期値に基づき、前記初期値の測定時以降の前記膜差圧の目標値を取得する。予測値取得部は、前記分離膜の目詰まりに関する測定値に基づき、前記測定値の測定時以降の前記膜差圧の予測値を取得する。風量制御部は、前記目標値取得部によって取得された前記目標値と、前記予測値取得部によって取得された前記予測値とに基づき、散気部から前記分離膜に向けて供給される空気の風量を制御する。特に、フラックスの変動が大きい場合、前記膜差圧に代わって、膜差圧をフラックスで除した値(=膜差圧/フラックス)としてもよい。
第1の実施形態の下水処理システム10を示す図。 第1の実施形態の曝気槽400で実施される処理を示す図。 第1の実施形態の下水処理システム10のブロック図。 第1の実施形態における膜差圧と時間との関係を示す図。 第1の実施形態における目標値取得部451の処理を示すフローチャート。 第1の実施形態における予測値取得部453の処理を示すフローチャート。 第1の実施形態における風量制御部452の処理を示すフローチャート。 第4の実施形態の下水処理システム10のブロック図。 第5の実施形態の曝気槽400で実施される処理を示す図。 第6の実施形態の下水処理システム10のブロック図。 第6の実施形態におけるブロワ制御部417の動作を説明するための図。 制御モード決定テーブルの具体例を示す図。 第8の実施形態における風量制御部452の処理を示すフローチャート。
以下、実施形態の排水処理制御装置及び排水処理システムを、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の排水処理システムとしての下水処理システム10を示す図である。下水処理システム10は、スクリーン100、沈砂池200、最初沈澱池300、曝気槽400、及び処理水槽500を備える。
スクリーン100は、下水処理システム10に流れてきた汚水から、大きなゴミ(髪の毛、トイレットペーパー等)や小石等を除去する。スクリーン100を通過して排出された汚水は、沈砂池200へ流れ込む。
スクリーン100で除去できなかった土砂や、水よりも比重が大きく、粗い浮遊物は、沈砂池200の底に沈められる。沈砂池200の底に沈んだ土砂等は、除塵機で除去される。除塵機で除去されずに沈砂池200から排出された汚水は、最初沈澱池300へ流れ込む。
沈砂池200で除去できなかった汚泥等の、水よりも比重が大きく、小さな浮遊物は、最初沈澱池300の底に沈められる。最初沈澱池300の底に沈んだ汚泥等は、掻き寄せ機によって集められて除去される。掻き寄せ機によって除去されずに最初沈澱池300から排出された汚水は、曝気槽400へ流れ込む。
曝気槽400内の活性汚泥の中には、空気が吹き込まれる。これによって、汚水中の有機物やアンモニアは分解されて除去される。活性汚泥中の処理水は、分離膜を使って排出される。曝気槽400内で実施される生物化学的処理の詳細は、図2を用いて後述する。
分離膜を通過して排出された汚水は、処理水槽500へ流れ込む。
処理水槽500内には、必要に応じて次亜塩素酸ソーダ等の消毒剤が投入される。これによって、大腸菌等の病原菌が殺菌される。処理水槽500内で消毒された処理水は、川や海へと放流される。以上が、下水処理システム10の全体的な処理の流れである。
図2は、第1の実施形態の曝気槽400で実施される処理を示す図である。最初沈澱池300から排出された汚水は、流路401を通って曝気槽400へと流れ込む。また、曝気槽400内には、好気性の微生物(従属栄養細菌や硝化菌等)が活性化された活性汚泥が貯留されている。
ブロワ402は、配管403内に空気を供給する。曝気部404は、配管403を通過した空気を曝気槽400内の活性汚泥に供給する曝気装置である。これにより、曝気槽400内の活性汚泥中に気泡405が放出される。また、流量計406は、ブロワ402から供給される空気の風量を測定する。
汚水中の有機物質は、曝気槽400内の従属栄養細菌により分解される。具体的には、有機物質がブドウ糖であれば、下記の化学式(1)に示されるように、有機物質(C12)が曝気部404から供給される空気に含まれる酸素(O)と反応し、二酸化炭素(CO)と水(HO)に分解される。
Figure 0006659404
また、汚水中のアンモニア成分は、曝気槽400内の硝化菌(亜硝酸菌と硝酸菌)により分解される。具体的には、下記の化学式(2)に示されるように、アンモニウムイオン(NH )が曝気部404から供給される空気に含まれる酸素(O)と反応し、硝酸イオン(NO )と、水素イオン(H)と、水(HO)に分解される。
Figure 0006659404
分離膜407は、曝気槽400内の汚水中に浸漬して配置されている。分離膜407は、例えば平均孔径0.4[μm]の複数の透過流路を備えた多孔性の平膜である。活性汚泥に含まれる微生物のサイズは、約1[μm](細菌)〜数10[μm](原生動物等)である。このため、活性汚泥に含まれる微生物は、分離膜407を通過することができず、清澄な処理水のみが分離膜407を通過する。分離膜407を通過した処理水は、吸引ポンプ408が駆動されることにより配管409内を流れる。
配管409には、圧力計410及び流量計411が設けられている。圧力計410の測定値に基づき、分離膜407の膜差圧を演算することができる。流量計411は、配管409内を流れる処理水の流量を測定する。
ブロワ412は、配管413内に空気を供給する。散気部414は、配管413からの空気を分離膜407に向けて供給する散気装置である。これにより、曝気槽内400内の活性汚泥中に気泡415が放出される。散気部414が分離膜407に向けて気泡415を放出することで、分離膜407の表面が洗浄される。これによって、分離膜407の目詰まりが抑制される。また、流量計416は、ブロワ412から供給される空気の風量を測定する。
なお、分離膜407の膜差圧が予め設定された上限値に達した場合、分離膜407は薬液洗浄される。具体的には、曝気槽400への流入汚水を一時的に停止する。その後、分離膜407は、分離膜407の下流側(二次側)より次亜塩素酸ナトリウムやシュウ酸等の薬液が注入されて洗浄される。分離膜407の洗浄が完了すると、分離膜407の膜差圧は初期値近くまで回復する。薬液洗浄された分離膜407は、曝気槽400内で再び使用される。
図3は、第1の実施形態の下水処理システム10のブロック図である。下水処理システム10は、制御装置450を備える。制御装置450は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、プロセッサが実行するプログラムを格納するメモリとを備える。
制御装置450は、メモリに格納されたプログラムを実行することで、目標値取得部451、風量制御部452、及び予測値取得部453の各機能を実現する。なお、目標値取得部451、風量制御部452、及び予測値取得部453は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアであってもよい。
まず、目標値取得部451の処理について説明する。目標値取得部451は、以下の数式(3)の微分方程式を解くことにより、分離膜407の膜差圧TMP(t)の目標値TMPref(t)をtの関数として算出する。なお、tは時刻を表す。
Figure 0006659404
ここで、閉塞指数kは、分離膜407の閉塞の進行度合いを表すパラメータである。閉塞指数kは正の値である。k=1の場合には、数式(3)の解は、膜差圧TMP(t)が指数関数的に増加する関数となる。一方、k>1の場合には、ある有限の時間において膜差圧TMP(t)の値が無限大に発散する関数となる。
閉塞指数kは、分離膜407の閉塞の進行度合いを判断して、k=1、1.5、及び2のいずれかの値に設定される。例えば、中間閉塞の場合はk=1、標準閉塞の場合はk=1.5、完全閉塞の場合はk=2に設定される。
k=1で設定された場合、目標値取得部451は、以下の数式(4)に基づき、数式(3)におけるパラメータAを算出する。ここで、TMPは膜差圧TMP(t)の初期値、Lはメンテナンス周期、TMPlimは膜差圧TMP(t)の上限値である。初期値TMPは、圧力計410によって測定される。また、操作者は、マウスやキーボード等の入力部460を用い、閉塞指数k、メンテナンス周期L、及び上限値TMPlimを入力する。
Figure 0006659404
k>1で設定された場合、目標値取得部451は、以下の数式(5)に基づき、数式(3)におけるパラメータAを算出する。
Figure 0006659404
図4は、第1の実施形態における膜差圧と時間との関係を示す図である。図4に示されるように、初期値TMPは、分離膜407の薬液洗浄直後のタイミング(T)における膜差圧である。メンテナンス周期Lは、分離膜407をメンテナンス(薬液洗浄)する周期である。具体的には、メンテナンス周期Lは、分離膜407の薬液洗浄直後のタイミング(T)から、次の薬液洗浄タイミング(Tlim)までの時間である。メンテナンス周期Lは、例えば30日に設定される。上限値TMPlimは、例えば20[kPa]に設定される。
圧力計410は、分離膜407が薬液洗浄された後のろ過運転が再開されたタイミング(T)において、膜差圧の初期値TMPを測定する。圧力計410は、測定された初期値TMPを制御装置450の目標値取得部451へと送信する。一方、操作者は、マウスやキーボード等の入力部460を用い、閉塞指数k、メンテナンス周期L、及び上限値TMPlimを入力する。入力部460は、入力された閉塞指数k、メンテナンス周期L、及び上限値TMPlimを、制御装置450の目標値取得部451へと送信する。
目標値取得部451は、受信した初期値TMP、閉塞指数k、メンテナンス周期L、及び上限値TMPlimに基づき、数式(4)又は数式(5)を用いてパラメータAを算出する。目標値取得部451は、算出されたパラメータA及び閉塞指数kを用いて数式(3)の微分方程式を解くことにより、分離膜407の膜差圧TMP(t)の目標値TMPref(t)を算出する。
なお、目標値取得部451は、メンテナンス周期Lと上限値TMPlimの代わりに、メンテナンス周期Lよりも小さいLpと、上限値TMPlimよりも小さい膜差圧TMPmaxとに基づいて、パラメータAと閉塞指数kを同時に算出してもよい。
例えば、膜差圧TMP(t)が10[kPa]に達すると、ブロワ412の風量を増加させても膜差圧TMP(t)の上昇を抑制することが困難な場合がある。この場合、目標値取得部451は、上限値TMPlim(20[kPa])の代わりにTMPmax(10[kPa])を算出してもよい。また、目標値取得部451は、メンテナンス周期L(30日)の代わりに、膜差圧TMP(t)が10[kPa]に達するまでの時間Lp(20日)を設定してもよい。これにより、最適なパラメータAと閉塞指数kを、数式(3)〜(5)により同時に算出することができる。一方、この方法では、数式(4)及び(5)のような解析解を求めることが難しいため、数値探索によりパラメータAと閉塞指数kを算出することになる。
具体的には、例えば、以下の様な手順でkの値を探索することができる。
(STEP1)
k=1として、目標値取得部451は、(LとTMPlim)の組み合わせに対する数式(4)のA(=A1とする)と、(LpとTMPmax)の組み合わせに対する数式(4)のA(=A2とする)を計算し、A1=A2か否かをチェックする。A1=A2の場合はk=1とする。A1≠A2の場合はSTEP2に進む。
(STEP2)
目標値取得部451は、(LとTMPlim)の組み合わせと(LpとTMPmax)の組み合わせに対する数式(5)の連立方程式を解く。探索法として、ニュートン法などの適当な探索アルゴリズムを用いることができる。他の方法としては、例えば、目標値取得部451は、k=1+α(α>0の微小量)からkを徐々に増加させて数式(5)に対するA1とA2を各々計算して、|A1−A2|<ε(ε:許容誤差)となるkを見つけるなどの方法を採用する。
また、別のkの設定法としては、後述する数式(9)と数式(10)の予測モデルを構築する際に、過去の実際のデータに最も適合するkを探索により求め、その値を数式(3)〜数式(5)の目標値取得部451の目標曲線のkとして採用することもできる。
次に、予測値取得部453の処理について説明する。予測値取得部453は、以下の数式(6)を解くことにより、分離膜407の膜差圧TMP(t)の予測値TMPhat(t)をtの関数として算出する。
Figure 0006659404
ここで、フラックスJ(t)は、時刻tにおいて単位時間に単位面積あたりに分離膜407を通過する処理水の量である。具体的には、予測値取得部453は、流量計411によって測定された流量Q(t)を分離膜407の膜面積Maで除算することにより、フラックスJ(t)を算出する。
上記数式(6)は、以下の数式(7)及び(8)からR(t)を消去し、TMP(t)の係数をAm(t)と定義することによって得られる。ここで、μは粘性係数、J(t)はフラックス、R(t)は膜ろ過抵抗、kは閉塞指数(k=1、1.5、2)、f(X)は膜ろ過抵抗を上昇させる要因である。通常、f(X)はフラックスJ(t)に比例するか、水質濃度c×フラックスJ(t)に比例する。
Figure 0006659404
Figure 0006659404
一方、フラックスJ(t)の値が一定に制御されている場合は、上記数式(6)は、以下の数式(9)で表される。数式(9)は、数式(3)におけるパラメータAがパラメータAm(t)に置き換えられた式となっている。
Figure 0006659404
数式(6)や数式(9)の予測モデルに含まれるパラメータAm(t)は、数式(10)に示されるように、係数a、係数a、フラックスX(t)、及び風量X(t)に基づいて算出される。ここで、予測値取得部453は、前述のフラックスJ(t)をフラックスX(t)として用いる。また、予測値取得部453は、流量計416から受信した風量Q(t)を風量X(t)として用いる。
Figure 0006659404
なお、数式(10)において、X(t)はブロワ412から供給される空気の風量としたが、X(t)はブロワ412から供給される空気の空気倍率としてもよい。空気倍率は、曝気槽400へ流入する汚水量に対する、曝気槽400へ送る空気量の比を意味する。
予測値取得部453は、フラックスX(t)(=J(t))及び風量X(t)(=Q(t))に基づき、数式(10)を用いてパラメータAm(t)を算出する。予測値取得部453は、算出されたパラメータAm(t)、フラックスJ(t)、及び閉塞指数kを用いて数式(6)の微分方程式を解くことにより、分離膜407の膜差圧TMP(t)の予測値TMPhat(t)を算出する。
次に、風量制御部452の処理について説明する。風量制御部452は、目標値取得部451によって算出された目標値TMPref(t)と、予測値取得部453によって算出された予測値TMPhat(t)とに基づいて、ブロワ412の風量を制御する。この点について、以下詳細に述べる。
風量制御部452は、数式(11)に基づいて、目標値TMPref(t)と予測値TMPhat(t)との差分E(t)を算出する。
Figure 0006659404
次に、風量制御部452は、算出された差分E(t)を用いて、ブロワ412に対してPI(Proportional-Integral)制御を行う。具体的に、風量制御部452は、数式(12)に基づいて、ブロワ412の操作量u(t)を算出する。Kpは、PI制御における比例ゲインである。Kiは、PI制御における積分ゲインである。Tnowは、現在時刻である。Tpは、現在時刻Tnowからの経過時間である。例えば、Tpは1日(24時間)に設定される。
Figure 0006659404
図4に示されるように、膜差圧の目標値TMPref(t)は太い実線で示される。膜差圧の実測値TMPact(t)は細い実線で示される。現在時刻Tnow以降の膜差圧の予測値TMPhat(t)は、破線で示される。
現在時刻Tnowにおいて、膜差圧の目標値と膜差圧の実測値は、ともにTMPnowで等しい。しかし、現在時刻TnowからTp経過後の時刻Tnextにおいて、目標値TMPと予測値TMPとの間には差分E(t)が生じている。したがって、風量制御部452は、目標値TMPref(t)と予測値TMPhat(t)との差分E(t)に基づき、ブロワ412の操作量u(t)を算出する。風量制御部452は、2つのパラメータ(比例ゲインKp及び積分ゲインKi)を用いてブロワ412を制御するので、パラメータ調整を容易かつシンプルに行うことができる。
なお、風量制御部452はPI制御を行うこととしたが、PID(Proportional-Integral-Derivative)制御を行ってもよい。この場合、風量制御部452は差分E(t)の微分値を考慮してブロワ412の操作量u(t)を算出するため、より安定した制御を行うことができる。
図5は、第1の実施形態における目標値取得部451の処理を示すフローチャートである。本フローチャートは、分離膜407が薬液洗浄された後にろ過運転が再開された際に目標値取得部451によって実行される。
まず、目標値取得部451は、膜差圧の初期値TMPを圧力計410から受信する(ステップS10)。次に、目標値取得部451は、操作者によって閉塞指数k、上限値TMPlim、及びメンテナンス周期Lが入力されたかどうかを判断する(ステップS11)。操作者は、入力部460を用いてこれらの値を入力する。
操作者によって閉塞指数k、上限値TMPlim、及びメンテナンス周期Lが入力された場合(ステップS11:YES)、目標値取得部451は、前述の数式(4)又は数式(5)に基づいてパラメータAを算出する(ステップS12)。その後、目標値取得部451は、前述の数式(3)の微分方程式を解くことにより、膜差圧の目標値TMPref(t)を算出する(ステップS13)。目標値取得部451は、算出された目標値TMPref(t)を制御装置450内のメモリに格納し、本フローチャートによる処理を終了する。
図6は、第1の実施形態における予測値取得部453の処理を示すフローチャートである。まず、予測値取得部453は、流量計411から処理水の流量Q(t)を受信する(ステップS20)。次に、予測値取得部453は、流量計416からブロワ412の風量Q(t)を受信する(ステップS21)。
予測値取得部453は、流量Q(t)を分離膜407の膜面積Maで除算することにより、フラックスJ(t)を算出する(ステップS22)。その後、予測値取得部453は、前述の数式(10)に基づいてパラメータAm(t)を算出する(ステップS23)。ここで、数式(10)におけるフラックスX(t)はフラックスJ(t)であり、風量X(t)はステップS21で受信された風量Q(t)である。
次に、予測値取得部453は、前述の数式(6)の微分方程式を解くことにより、膜差圧の予測値TMPhat(t)を算出する(ステップS24)。予測値取得部453は、算出された予測値TMPhat(t)を制御装置450内のメモリに格納し、本フローチャートによる処理を終了する。
図7は、第1の実施形態における風量制御部452の処理を示すフローチャートである。まず、風量制御部452は、制御装置450内のメモリから、図5のステップS13で目標値取得部451によって算出された目標値TMPref(t)を読み出す(ステップS30)。次に、風量制御部452は、制御装置450内のメモリから、図6のステップS24で予測値取得部453によって算出された予測値TMPhat(t)を読み出す(ステップS31)。
次に、風量制御部452は、前述の数式(11)に基づいて、目標値TMPref(t)と予測値TMPhat(t)との差分E(t)を算出する(ステップS32)。風量制御部452は、算出された差分E(t)を用いて、前述の数式(12)に基づいてブロワ412の操作量u(t)を算出する(ステップS33)。風量制御部452は、算出された操作量u(t)に基づいて、ブロワ412の風量を制御する(ステップS34)。風量の調整が完了すると、風量制御部452は、本フローチャートによる処理を終了する。
以上説明したように、風量制御部452は、目標値TMPref(t)と予測値TMPhat(t)との差分E(t)に基づき、散気部414から分離膜407に向けて供給される空気の風量を制御する。これによって、分離膜407の実際の膜差圧と目標値TMPref(t)との差を小さくすることができ、分離膜407へ供給される空気の量を適切に算出することができる。
なお、曝気槽400は、A2O(Anaerobic Anoxic Oxic)を実施するための生物処理槽構造に分離膜407を設置したものであってもよい。具体的に、生物処理槽は、酸素(O)も結合酸素(NO等)も全く存在しない嫌気領域と、酸素は存在しないが結合酸素が存在する無酸素領域と、酸素が存在する好気領域とに分割されてもよい。これによって、生物学的窒素及びリン除去が可能となる。
その他、本実施形態は、AO(Anaerobic Oxic)法、循環式硝化脱窒法、凝集剤添加法を実施するための生物処理槽構造に分離膜407を設置したものであってもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、風量制御部452は、PI制御又はPID制御を行うこととした。一方、第2の実施形態においては、風量制御部452はルールベース制御を行う。具体的に、風量制御部452は、テーブルTBを参照してブロワ412によって供給される空気の風量を段階的に制御する。テーブルTBには、ブロワ412の操作量の変化値Δu(t)が設定される。
例えば、膜差圧TMP(t)の目標値TMPref(t)より予測値TMPhat(t)の方が小さい場合、風量制御部452はブロワ412の風量を低下させる必要がある。このため、膜差圧TMP(t)の目標値TMPref(t)より予測値TMPhat(t)の方が小さい場合、テーブルTBに設定される変化値Δu(t)はマイナスの値となる。
一方、膜差圧TMP(t)の目標値TMPref(t)より予測値TMPhat(t)の方が大きい場合、風量制御部452はブロワ412の風量を増加させる必要がある。このため、膜差圧TMP(t)の目標値TMPref(t)より予測値TMPhat(t)の方が大きい場合、テーブルTBに設定される変化値Δu(t)はプラスの値となる。
また、テーブルTBは、目標値TMPref(t)と予測値TMPhat(t)との差分E(t)が大きいほど、ブロワ412の操作量の変化値Δu(t)が大きな値となるよう設定される。このようなルールベース制御によれば、制御についての経験や知識が少ない操作者であっても、制御パラメータを容易に調整することができる。
また、本実施形態を採用する場合においても、ルールベース制御によって決定された風量を、所定の制御周期の間一定値に保つのではなく、制御周期の間の平均値が決定された風量になるように、より短い周期で振動的にブロワ412を制御することができる。
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態では、風量制御部452は、PI制御、PID制御、又はルールベース制御を行うこととした。一方、第3の実施形態においては、風量制御部452は極値制御を行う。極値制御は、システムに課せられた効率・収益・損失等を一つの評価関数として表現し、その評価関数の値を最大もしくは最小に維持する制御である。
本実施形態では、風量制御部452は、数式(13)に示される評価関数EVを用いて極値制御を行う。Tnowは、現在時刻である、Tpは、現在時刻Tnowからの経過時間である。例えば、Tpは1日(24時間)に設定される。
Figure 0006659404
数式(13)に示されるように、評価関数EVは、現在時刻TnowからTp経過時点までの予測誤差の2乗和である。風量制御部452は、この評価関数EVを最小化するように極値制御を実行する。極値制御は、所定の周期で操作量(ブロワ412の風量)を増減させながら、評価関数が最小になるように最適な操作量を探索する制御である。したがって、風量制御部452は、ブロワ412の風量を所定の周期で増減しながら、最適なブロワ412の風量を自動的に探索する。
本実施形態によれば、風量制御部452は、一つの積分器を用いて評価関数EVを算出することができる。このため、PLCコントローラ等の簡易的なコントローラを用いて、風量制御部452を実現することができる。
また、本実施形態を採用する場合においても、極値制御によって決定された風量を、所定の制御周期の間一定値に保つのではなく、制御周期の間の平均値が決定された風量になるように、より短い周期で振動的にブロワ412を制御することができる。
(第4の実施形態)
第1の実施形態では、予測値取得部453は、数式(10)に示されるように、フラックスX(t)及び風量X(t)に基づいてパラメータAm(t)を算出することとした。一方、第4の実施形態においては、予測値取得部453はフラックスX(t)及び風量X(t)だけでなく、これら以外の測定値を更に用いてパラメータAm(t)をより精度良く算出する。
図8は、第4の実施形態の下水処理システム10のブロック図である。図8に示されるように、温度計417は風量制御部452に接続されている。温度計417は、曝気槽400内の水温Te(t)を測定するためのセンサである。温度計417は、測定された水温Te(t)を風量制御部452へと送信する。
数式(6)や数式(9)の予測モデルに含まれるパラメータAm(t)は、数式(14)に示されるように、係数a〜a、フラックスX(t)、風量X(t)、及び水温X(t)に基づいて算出される。水温X(t)は、温度計417によって測定された曝気槽400内の水温Te(t)である。
Figure 0006659404
例えば、水温が高い夏場は、分離膜407に微生物が付着し易い。また、水温が低い冬場は、分離膜407に微生物が付着し難い。したがって、水温により分離膜407の目詰まり状態が変化した場合でも、パラメータAm(t)を精度よく算出することができる。このため、膜差圧の目標値TMPref(t)と膜差圧の予測値TMPhat(t)との差分をより小さくすることができる。
また、予測値取得部453は、より正確にパラメータAm(t)を算出するために、数式(15)に基づいてパラメータAm(t)を算出してもよい。ここで、nは4以上の整数である。また、a〜aは係数であり、X(t)〜X(t)は分離膜407の目詰まりに関する複数の測定値である。
Figure 0006659404
予測値取得部453は、分離膜の目詰まりの要因となる変数X(t)〜X(t)と予測される変数TMPの過去の運用データの中から、所定の期間の時系列データを抽出し、最小二乗法、部分最小二乗法、総最小二乗法、一般化最小二乗法、正則化最小二乗法、サポートベクトル回帰、及び適合ベクトル回帰のいずれかを適用して係数a〜aを決定する。
複数の測定値X(t)〜X(t)は、フラックスX(t)、風量X(t)、及び水温X(t)の他、種々の測定値を含む。例えば、複数の測定値X(t)〜X(t)は、MLSS(Mixed Liquor Suspended Solid)濃度、補助散気量、凝集剤注入量、循環ポンプ流量、及び返送ポンプ流量の少なくとも1つを含んでもよい。また、複数の測定値X(t)〜X(t)は、汚水又は処理水の溶存酸素濃度、ORP(Oxidation-Reduction Potential)、pH、EEM(Excitation Emission Matrix)、吸光度、BOD(Biochemical Oxygen Demand)、COD(Chemical Oxygen Demand)、TOC(Total Organic Carbon)、アンモニア濃度、硝酸濃度、リン酸濃度、全窒素濃度、全リン濃度、溶解性COD濃度、及び溶解性BOD濃度の少なくとも1つを含んでもよい。更に、複数の測定値X(t)〜X(t)は、これらの測定値を表す変数が四則演算されることによって得られる合成変数を含んでもよい。
以上説明したように、予測値取得部453は、配管409を流れる処理水のフラックスX(t)及びブロワ412によって供給される空気の風量X(t)のみならず、様々な測定値を用いて膜差圧の予測値TMPhat(t)を算出する。これによって、分離膜407の実際の膜差圧を目標値TMPref(t)により近づけることができ、分離膜へ供給される空気の量を適切に算出することができる。
(第5の実施形態)
第1の実施形態では、図2に示されるように、分離膜407と散気部414が一体化された分離膜ユニットが用いられていた。一方、第5の実施形態では、分離膜407が単体で使用される例について説明する。
図9は、第5の実施形態の曝気槽400で実施される処理を示す図である。図9に示されるように、本実施形態の曝気槽400には、ブロワ412、配管413、散気部414、及び流量計416が存在しない。
分離膜407は、曝気部404から供給される空気によって洗浄される。このため、予測値取得部453は、流量計416の代わりに流量計406に基づいて予測値TMPhat(t)を算出する。また、風量制御部452は、ブロワ412の代わりにブロワ402の風量を制御する。
以上説明したように、本実施形態では、ブロワ412、配管413、散気部414、及び流量計416を曝気槽400内に配置せず、曝気部404が分離膜407を洗浄するための空気を供給することとした。これによって、下水処理システム10の低コスト化を図ることができる。
(第6の実施形態)
第1の実施形態では、風量制御部452は、PI制御又はPID制御を行うこととした。一方、第6の実施形態においては、下水処理システム10が、風量制御部452が算出した操作量u(t)に基づいて操作量V(t)を算出するブロワ制御部417を新たに備えて、ブロワ制御部417(散気制御部)がブロワ412を制御する。
ここで、第6の実施形態の概要について説明する。通常、風量制御は、所定の風量の操作量をPIもしくはPID演算により算出し、算出された風量の操作量による風量を供給するように別のPI制御でブロワ412の弁や回転数を操作するカスケード制御がなされている(例えば、図10参照)。この際、通常のPIもしくはPID制御では、上位(図10における風量制御部452)のPI(D)制御による風量制御演算で算出された風量の操作量u(t)は、下位(図10におけるブロワ制御部417)のPI(D)制御に対する制御目標値として、上位の制御の制御周期(Tc_up)の間は一定値に維持される。しかし、ファウリング抑制のための洗浄曝気制御では、風量の変化(分散)を大きくした方が膜面に与えるせん断力が大きくなるため、ファウリング抑制のために好ましい場合がある。そこで、第6の実施形態では、上位の制御周期(Tc_up)よりも短い周期で風量の操作量u(t)を振動的に変化させ、制御周期(Tc_up)間の平均風量の操作量V(t)が上位のPI(D)制御で算出された風量の操作量u(t)に一致するように制御を行う。風量の操作量V(t)は、下位の制御周期(Tc_cn)以上の周期で振動させ、振動の振幅は、ブロワ412への負担に応じて決定される。このような制御を行うことにより、より効率的にファウリングを抑制することができる。以下、詳細に説明する。
図10は、第6の実施形態の下水処理システム10のブロック図である。図6に示すように、下水処理システム10にブロワ制御部417が備えられている点で図3に示す構成と異なる。その他の構成については、図3と同様であるためブロワ制御部417について説明する。なお、ブロワ制御部417は、制御装置450内に備えられてもよい。
ブロワ制御部417は、風量制御部452が算出した操作量u(t)に基づいてブロワ412を制御する。図11を用いて、ブロワ制御部417の具体的な動作について説明する。
図11は、第6の実施形態におけるブロワ制御部417の動作を説明するための図である。
図11において、T1は風量制御部452の制御周期を表し、a1は操作量u(t)を表す。ここで、a1は、風量制御部452によって上記の式(12)を用いて算出された操作量u(t)である。つまり、操作量u(t)は、制御周期T1で算出される。そこで、ブロワ制御部417は、操作量u(t)に基づいて、制御周期T1間において平均風量の操作量が操作量u(t)に一致する操作量V(t)を算出する。この際、ブロワ制御部417は、風量制御部452の制御周期T1未満、かつ、ブロワ412の操作端(弁、回転数)の制御周期T2以上の周期で振動させるように操作量V(t)を算出する。操作量V(t)は、図11におけるa2である。なお、図11では、一定の制御周期T2で制御する構成を示しているが、ブロワ制御部417は不定期な制御周期で制御してもよい。また、ブロワ制御部417は、制御周期T1間において平均風量の操作量が操作量u(t)に一致すれば、制御周期T2以上の周期で操作量V(t)がすべて異なるように算出してもよいし、一部が異なるように算出してもよい。
本実施形態によれば、風量制御部452の制御周期内において操作量が一定ではなく、風量制御部452の制御周期未満、かつ、風量制御を行うブロワ412の操作端(弁、回転数)の制御周期Tc_cn以上の周期で振動させて制御が行われる。そのため、より効率的にファウリングを抑制することができる。
(第7の実施形態)
第1の実施形態では、風量制御部452は、上記式(11)に基づいて算出した差分E(t)を用いて、ブロワ412に対してPI制御を行うこととした。一方、第7の実施形態においては、風量制御部452は、絶対値誤差と、風量制御部452の現在の制御モードとに応じて決定される制御モードで動作してブロワ412の制御を行う。第7の実施形態において風量制御部452は、通常制御モードと、風量一定制御モードとを有する。通常制御モードは、第1の実施形態と同様に上記式(12)で算出された操作量u(t)でブロワ412に対して制御を行うモードである。風量一定制御モードは、風量の操作量を固定してブロワ412に対して制御を行うモードである。風量一定制御モードで使用される操作量は、予め設定されていてもよい。
第7の実施形態における風量制御部452は、図12に示す制御モード決定テーブルに基づいて制御モードを決定し、決定した制御モードで動作する。図12は、制御モード決定テーブルの具体例を示す図である。図12に示すように、制御モード決定テーブルには、絶対値誤差の大きさと、現在の制御モードとの組合せ毎の制御モードに関する情報が登録されている。例えば、図12に示す制御モード決定テーブルでは、絶対値誤差が閾値TH1以上(絶対値誤差≧TH1)であり、かつ、現在の制御モードが通常制御モードである場合に風量一定制御モードに切り替えることが表されている。つまり、この場合、風量制御部452は、自身の制御モードを風量一定制御モードに決定し、制御モードを切り替えて制御を行う。また、絶対値誤差が閾値TH1以上(絶対値誤差≧TH1)であり、かつ、現在の制御モードが風量一定制御モードである場合に風量一定制御モードを維持することが表されている。つまり、この場合、風量制御部452は、自身の制御モードを風量一定制御モードに決定し、制御モードを維持して制御を行う。
ここで、絶定置誤差は、目標値取得部451から得られる目標値TMPref(t)と、予測値取得部453から得られる予測値TMPhat(t)との絶対値誤差である。本実施形態では、目標値周りの誤差の通常変動範囲を、例えば標準偏差σで表し、閾値TH1をTH1=k×σ(k=2〜4程度の設定値)、閾値TH2をTH2=k’×σ(k’<k)とすることが好ましい。また、風量一定制御モード時の固定風量の操作量u(t)は、入力が急変して洗浄風量が多量に必要になった場合の安全側を想定し、ある程度高めの値に設定しておくことが好ましい。
本実施形態によれば、風量制御部452は、絶対値誤差と、現在の制御モードに応じて制御モードを決定し、決定した制御モードで制御を行う。そのため、状況に応じて対応することができる。
本実施形態において、上記よりも細かく制御を行いたい場合には、風量一定制御を、設定値より高い値を持つ風量一定制御と、設定値より低い値を持つ風量一定制御とに分割して所定の条件にしたがって風量制御部452が制御モードを決定するように構成されもよい。一例について説明する。図12に示す制御モード決定テーブルにおいて絶対値誤差が閾値TH1以上(絶対値誤差≧TH1)であり、かつ、現在の制御モードが通常制御モードであり、絶対値誤差が目標値TMPref(t)を下回る方向に過大にずれる場合には、風量制御部452は入力変数の個別センサが異常値でないことを別途診断して確認した上で、設定値より低い値を持つ風量一定制御モードに切り替える。また、図12に示す制御モード決定テーブルにおいて絶対値誤差が閾値TH1以上(絶対値誤差≧TH1)であり、かつ、現在の制御モードが通常制御モードであり、絶対値誤差が目標値TMPref(t)を超える場合や入力変数の個別センサが異常値である場合には、風量制御部452は設定値より高い値を持つ風量一定制御モードに切り替える。
(第8の実施形態)
第1の実施形態ではブロワ412を制御対象としているが、MBRプロセスの多くは、生物処理を行うためのブロワ402による風量制御(補助曝気制御)とMBRプロセスの膜を洗浄するための風量制御(洗浄曝気制御)とがあり、上記各実施形態における風量制御部452の動作は洗浄曝気制御の動作に対応する。洗浄曝気の主目的は膜の洗浄であるが、洗浄曝気は生物処理を行うための酸素供給も兼用しており、洗浄風量だけでは生物処理に必要な酸素の供給が不足する場合が多い。そのため、補助曝気で酸素供給不足を補償している。上記の各実施形態では、洗浄風量を膜洗浄の観点から必要最小量供給することを目的としているが、膜洗浄に必要な風量が極めて少ない場合、補助曝気のみで生物処理を行うための十分な酸素供給を行なえないこともある。
それに対して、第8の実施形態では、上記のような問題に対応する。第8の実施形態では、風量制御部452は、複数の制御方式に基づいて風量の操作量の差分値を算出し、算出した差分値のいずれかを用いて風量を制御する。ここで、複数の制御方式として、通常制御方式と、濃度維持制御方式とがある。通常制御方式は、第1の実施形態と同様に上記式(12)で操作量u(t)を算出する方式である。濃度維持制御方式は、DO濃度目標値を維持するために補助曝気と同じ算出方法で操作量を算出する方式である。
生物処理に必要な酸素量は、溶存酸素濃度(DO濃度)で通常管理される。場合によっては、処理水の水質、例えばアンモニア濃度で管理する場合もある。ただし、その場合であっても、所定のアンモニア濃度を維持するために必要なDO濃度に換算してDO濃度を制御する場合が多いが、本実施形態においては必要酸素量がDO濃度やアンモニア濃度など何らかの指標で管理されているとする。なお、DO濃度は、不図示のセンサによって測定される。ここでは、説明の簡単化のため、多くの処理施設が採用している方式として、DO濃度で必要酸量を管理している場合を例に説明する。この時、DO濃度の目標値が操作者によって与えられ、補助曝気に対応するブロワ402がPI(D)制御などで制御されているものとする。
洗浄風量が極めて小さくなった場合には、ブロワ402の最大出力の風量を供給しても、補助曝気を行うブロワ402の所与のDO濃度の目標値を維持できなくなる場合があり、その場合、実際のDO濃度がDO濃度目標値を下回ることになる。そこで、DO濃度目標値−DO濃度が所定の閾値を超過した場合は、風量制御部452は通常動作しているモード(通常制御モード)と別のモードであるDO濃度を維持する制御モード(DO制御モード)で動作する。この制御は、通常のPI(D)制御で容易に実現できる。このような洗浄曝気制御のモード切替を持つことにより、生物処理に必要となる酸素供給量を常に確保することが可能になる。
一方、洗浄曝気制御が、通常制御モードからDO制御モードに切り替わった場合、DO制御モードから通常制御モードに戻すタイミングも重要になる。それは、洗浄曝気制御を生物処理に必要な酸素量供給を目的に制御すると、条件によっては膜差圧の急上昇を許容してしまうことになるためである。そのためには、風量制御部452は、DO制御モードで動作している場合に、通常制御モードによる洗浄曝気制御を並列して計算しておき、これによって計算される風量の操作量がDO制御モードで動作している際に計算される風量の操作量を下回った場合に、通常制御モードに戻すことによって、本来の膜洗浄に必要な風量を供給することができる。
上記の一連の機能を簡潔なロジックで実現するためには、洗浄曝気制御における風量の操作量を通常制御方式と、補助曝気と同じ制御方式(例えば、DO制御方式など)の2種類の制御方式で算出しておき、図13のフローチャートに従えばよい。フローチャートを用いて具体的な処理について説明する。図13は、第8の実施形態における風量制御部452の処理を示すフローチャートである。なお、図13の処理開始時には、DO目標値及びDO測定値が制御装置450に入力されているものとする。
風量制御部452は、通常制御方式により洗浄風量の操作量QB1を計算し、前回決定された風量の操作量との差分値ΔQB1を算出する(ステップS60)。ここで、洗浄風量の操作量QB1は、上記式(12)で算出される操作量uに相当する。次に、風量制御部452は、補助曝気と同じ方式で洗浄風量の操作量QB2を計算し、前回決定された風量の操作量との差分値ΔQB2を算出する(ステップS61)。その後、風量制御部452は、ブロワ412が最大出力、かつ、DO目標値とDO測定値との差分値が閾値以上であるか否か判定する(ステップS62)。ブロワ412が最大出力、かつ、DO目標値とDO測定値との差分値が閾値以上である場合(ステップS62:YES)、風量制御部452はΔQB=MAX(ΔQB1、ΔQB2)を計算する(ステップS63)。そして、風量制御部452は、算出したΔQBを前回決定された風量の操作量に加算して今回の洗浄風量の操作量を決定する(ステップS64)。風量制御部452は、この決定された洗浄風量の操作量に基づいて、ブロワ412を制御する。
一方、ブロワ412が最大出力ではない場合や、DO目標値とDO測定値との差分値が閾値未満である場合(ステップS62:NO)、風量制御部452はΔQBをΔQB1とする(ステップS65)。その後、風量制御部452は、ステップS64の処理を実行する。
本実施形態によれば、膜洗浄に必要な風量が極めて少ない場合においても生物処理に必要な酸素量供給を確保することができる。
なお、2種類の制御方式が頻繁に切り替わることを抑制するために、制御モードの切り替わる周期に制約を設けることや、洗浄曝気風量を直接計算する方式では無く前回の洗浄曝気量からの差分を計算する方式(速度型制御)を採用することが好ましいことは言うまでもない。
また、本実施形態では、ブロワ412が最大出力、かつ、DO目標値とDO測定値との差分値が閾値以上である場合にステップS63の処理を実行する構成を示したが、風量制御部452はブロワ412が最大出力、かつ、DO目標値とDO測定値との差分値が閾値以上であり、かつ、所定時間(例えば、10分から数10分程度)以上継続している場合にステップS63の処理を実行するように構成されてもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、目標値TMPref(t)と予測値TMPhat(t)との差分E(t)に基づき、散気部414から分離膜407に向けて供給される空気の風量を制御する風量制御部452を持つことにより、分離膜407の実際の膜差圧と目標値TMPref(t)との差を小さくすることができる。
なお、本明細書に記載されたTMPの膜差圧は、すべて膜ろ過抵抗に置き換えてもよい。膜ろ過抵抗は一般的には直接計測できないが、一般式として、数式(16)で示されることが知られている。
Figure 0006659404
数式(16)において、TMPは膜差圧[kPa]、μは粘性係数[kPa/d]、Jはフラックス[m/d]、Rは膜ろ過抵抗[1/m]、Pはべき乗定数である。数式(16)を変形することにより、数式(17)が得られる。制御装置450は、数式(17)に基づき膜ろ過抵抗Rを算出する。
Figure 0006659404
べき乗定数Pは通常、1〜2の間で設定される調整パラメータである。フラックス算出部として機能する制御装置450は、流量計411の値(膜ろ過水量)を膜面積で除することによってフラックスJを算出する。連続測定可能のため、粘性係数μが一定と仮定すると、膜差圧TMPをフラックスJのP乗で除した値が膜ろ過抵抗Rに相当するものとなる。
すなわち、数式(18)に示されるように、膜ろ過抵抗算出部として機能する制御装置450は、膜ろ過抵抗Rを膜差圧TMP及びフラックスJの測定値に基づいて算出する。なお、数式(18)において、Bは定数である。
Figure 0006659404
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…下水処理システム、400…曝気槽、402…ブロワ、404…曝気部、406…流量計、407…分離膜、410…圧力計、411…流量計、412…ブロワ、414…散気部、416…流量計、417…ブロワ制御部、450…制御装置、451…目標値取得部、452…風量制御部、453…予測値取得部

Claims (12)

  1. 活性汚泥をろ過する分離膜の膜差圧又は膜ろ過抵抗の初期値に基づき、前記初期値の測定時以降の前記膜差圧又は膜ろ過抵抗の目標値を取得する目標値取得部と、
    前記分離膜の目詰まりに関する測定値に基づき、前記測定値の測定時以降の前記膜差圧又は膜ろ過抵抗の予測値を取得する予測値取得部と、
    前記目標値取得部によって取得された前記目標値と、前記予測値取得部によって取得された前記予測値とに基づき、散気部から前記分離膜に向けて供給される空気の風量を制御する風量制御部と、
    を備え
    前記目標値取得部は、前記膜差圧又は膜ろ過抵抗の初期値TMP0、前記膜差圧又は膜ろ過抵抗の上限値TMPlim、メンテナンス周期L、及び閉塞指数kに基づいてパラメータAを算出し、数式(1)に基づいて、前記膜差圧又は膜ろ過抵抗のTMP(t)の前記目標値を算出し、k=1の場合、前記目標値取得部は前記パラメータAを数式(2)に基づいて算出し、k>1の場合、前記目標値取得部は前記パラメータAを数式(3)に基づいて算出し、
    Figure 0006659404
    Figure 0006659404
    Figure 0006659404
    前記予測値取得部は、前記分離膜の目詰まりに関する測定値に基づいてパラメータAm(t)を算出するとともに、算出されたパラメータAm(t)、前記分離膜によってろ過された処理水のフラックスJ(t)、及び閉塞指数kを用い、数式(4)に基づいて前記膜差圧又は膜ろ過抵抗TMP(t)の前記予測値を算出する、
    Figure 0006659404
    排水処理制御装置。
  2. 前記予測値取得部は、前記分離膜の目詰まりに関する測定値の数n、前記分離膜の目詰まりに関する複数の測定値X1(t)〜Xn(t)、及び係数a1〜anを用い、数式(5)に基づいて前記パラメータAm(t)を算出する、
    Figure 0006659404
    請求項記載の排水処理制御装置。
  3. 前記分離膜の目詰まりに関する複数の測定値は、前記処理水のフラックスと、前記散気部から前記分離膜に向けて供給される空気の風量又は空気倍率とを含む、
    請求項記載の排水処理制御装置。
  4. 前記分離膜の目詰まりに関する複数の測定値は、更に、水温、MLSS濃度、補助散気量、凝集剤注入量、循環ポンプ流量、返送ポンプ流量、前記活性汚泥又は前記処理水の溶存酸素濃度、ORP、pH、EEM、吸光度、BOD、COD、TOC、アンモニア濃度、硝酸濃度、リン酸濃度、全窒素濃度、全リン濃度、溶解性COD濃度、及び溶解性BOD濃度を表す変数、及びこれらの変数が四則演算されることによって得られる合成変数の少なくとも1つを含む、
    請求項記載の排水処理制御装置。
  5. 前記予測値取得部は、前記分離膜の目詰まりに関する複数の測定値に基づき、最小二乗法、部分最小二乗法、総最小二乗法、一般化最小二乗法、正則化最小二乗法、サポートベクトル回帰、適合ベクトル回帰のいずれかを用いて前記係数a1〜anを算出する、
    請求項記載の排水処理制御装置。
  6. 前記風量制御部は、前記目標値と前記予測値との差分に基づき、PI制御、PID制御、ルールベース制御、又は極値制御のいずれかを実行することで、前記散気部から前記分離膜に向けて供給される空気の風量を制御する、
    請求項1記載の排水処理制御装置。
  7. 前記風量制御部によって算出された前記散気部から前記分離膜に向けて供給される空気の風量の操作量に基づいて前記散気部から前記分離膜に向けて供給される空気の風量の操作量を新たに算出する散気制御部をさらに備え、
    前記散気制御部は、前記風量制御部から得られる空気の風量の操作量が算出される制御周期間において、前記制御周期より短い周期で操作量を変動させて制御周期間における平均風量の操作量が前記風量制御部から得られる空気の風量の操作量に一致するように操作量を算出する、
    請求項1記載の排水処理制御装置。
  8. 前記風量制御部は、前記目標値と、前記予測値とに基づいて得られる前記空気の風量の操作量で前記散気部に対して制御を行う第1のモードと、風量の操作量を固定して前記散気部に対して制御を行う第2のモードとを有し、所定の条件に従って前記第1のモード又は第2のモードのいずれかで制御を行う、
    請求項1記載の排水処理制御装置。
  9. 前記風量制御部は、前記目標値と、前記予測値とに基づいて得られる前記空気の風量の操作量及び前回の風量の操作量の差分値と、生物処理に必要な酸素供給のための方式に基づいて得られる前記空気の風量の操作量及び前回の風量の操作量の差分値とに基づいて、前記散気部が最大出力時に前記差分値のうち大きい方の差分値を前回の風量の操作量に加算して前記風量の制御を行う、
    請求項1記載の排水処理制御装置。
  10. 汚水をろ過する分離膜と、
    前記分離膜に向けて空気を供給する散気部と、
    前記分離膜の膜差圧を測定する膜差圧測定部と、
    前記膜差圧測定部によって測定された前記膜差圧の初期値に基づき、前記初期値の測定時以降の前記膜差圧の目標値を取得する目標値取得部と、
    前記分離膜の目詰まりに関する測定値に基づき、前記測定値の測定時以降の前記膜差圧の予測値を取得する予測値取得部と、
    前記目標値取得部によって取得された前記目標値と、前記予測値取得部によって取得された前記予測値に基づき、前記散気部によって供給される空気の風量を制御する風量制御部と、
    を備え
    前記目標値取得部は、前記膜差圧又は膜ろ過抵抗の初期値TMP0、前記膜差圧又は膜ろ過抵抗の上限値TMPlim、メンテナンス周期L、及び閉塞指数kに基づいてパラメータAを算出し、数式(6)に基づいて、前記膜差圧又は膜ろ過抵抗のTMP(t)の前記目標値を算出し、k=1の場合、前記目標値取得部は前記パラメータAを数式(7)に基づいて算出し、k>1の場合、前記目標値取得部は前記パラメータAを数式(8)に基づいて算出し、
    Figure 0006659404
    Figure 0006659404
    Figure 0006659404
    前記予測値取得部は、前記分離膜の目詰まりに関する測定値に基づいてパラメータAm(t)を算出するとともに、算出されたパラメータAm(t)、前記分離膜によってろ過された処理水のフラックスJ(t)、及び閉塞指数kを用い、数式(9)に基づいて前記膜差圧又は膜ろ過抵抗TMP(t)の前記予測値を算出する、
    Figure 0006659404
    排水処理システム。
  11. 汚水をろ過する分離膜と、
    前記分離膜に向けて空気を供給する散気部と、
    前記分離膜の膜差圧を測定する膜差圧測定部と、
    膜ろ過水量を測定する流量計と、
    前記膜ろ過水量を膜面積で除することによりフラックスを算出するフラックス算出部と、
    前記膜差圧測定部によって測定された前記膜差圧と、フラックス算出部によって算出されたフラックスとに基づき、膜ろ過抵抗を算出する膜ろ過抵抗算出部と、
    前記膜ろ過抵抗算出部によって算出された前記膜ろ過抵抗の初期値に基づき、前記初期値の測定時以降の前記膜ろ過抵抗の目標値を取得する目標値取得部と、
    前記分離膜の目詰まりに関する測定値に基づき、前記測定値の測定時以降の前記膜ろ過抵抗の予測値を取得する予測値取得部と、
    前記目標値取得部によって取得された前記目標値と、前記予測値取得部によって取得された前記予測値との差分に基づき、前記散気部によって供給される空気の風量を制御する風量制御部と、
    を備え、
    前記目標値取得部は、前記膜差圧又は膜ろ過抵抗の初期値TMP0、前記膜差圧又は膜ろ過抵抗の上限値TMPlim、メンテナンス周期L、及び閉塞指数kに基づいてパラメータAを算出し、数式(10)に基づいて、前記膜差圧又は膜ろ過抵抗のTMP(t)の前記目標値を算出し、k=1の場合、前記目標値取得部は前記パラメータAを数式(11)に基づいて算出し、k>1の場合、前記目標値取得部は前記パラメータAを数式(12)に基づいて算出し、
    Figure 0006659404
    Figure 0006659404
    Figure 0006659404
    前記予測値取得部は、前記分離膜の目詰まりに関する測定値に基づいてパラメータAm(t)を算出するとともに、算出されたパラメータAm(t)、前記分離膜によってろ過された処理水のフラックスJ(t)、及び閉塞指数kを用い、数式(13)に基づいて前記膜差圧又は膜ろ過抵抗TMP(t)の前記予測値を算出する、
    Figure 0006659404
    排水処理システム。
  12. 前記膜ろ過抵抗算出部は、前記膜差圧測定部によって測定された前記膜差圧を前記フラックス算出部で算出された前記フラックスのべき乗で除した値に定数を乗じることにより、前記膜ろ過抵抗を算出することを特徴とする
    請求項11の排水処理システム。
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