JP6658935B2 - 回路構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品が埋設されている樹脂成型体を有する回路構造体に関する。
近年、携帯用電子機器、小型センサ、または健康機器(電子体温計、血圧計など)を、薄型、軽量、小型、かつ高耐水性のウエアラブルな製品として低コストで実現する需要が高まっている。
通常、このような電子機器は、受動部品(抵抗、コンデンサ等)、能動部品(LSI、IC等)、電源装置(電池等)、表示装置(LED等)、それからその他の電子部品(センサ、スイッチ等)を、プリント回路基板上に組み込むことによって構築されている。従来、このようなプリント回路基板は、ガラス繊維によって強化されたエポキシ樹脂製の板(ガラスエポキシ基板)上、またはポリイミド製のシート(フレキシブルプリント基板)上に積層された銅箔をエッチングすることによって配線回路を形成する方法によって製造される。さら、この基板上の配線回路に、はんだ、導電性接着剤、または金属ワイヤ等を用いることによって、他の電子部品が実装される。
しかし、ガラスエポキシ基板またはフレキシブルプリント基板に積層された銅箔をエッチングすることによって配線回路が形成される従来のプリント回路基板では、材料費および加工費等のコストが高くなる課題がある。さらに、エッチング加工による廃液が環境に与える負荷も大きい。また、はんだ、導電性接着剤、または金属ワイヤ等を用いた電子部品の実装でも、材料費および加工費等のコストが高価になる課題がある。
さらに、このようなプリント回路基板上に複数の電子部品を実装するためには、各電子部品間に一定以上のスペースを設ける必要があるので、基板が大型化する課題がある。また、プリント基板を樹脂製筐体などの構造部品に取り付ける際、基板−構造部品間にある程度のスペースを要するので、製品の厚みが増したり、あるいは製品の小型化に限界が生じたりするといった課題がある。
以上のように、電子機器の薄型、小型化、および低コスト化を実現するためには、従来の常用されていたプリント回路基板を使わずに済む電子部品の組み立て方法が必要である。
従来、このようなプリント回路基板を不要とする電子機器を実現するための技術の例が、特許文献1〜3に開示されている。これらの文献に開示された技術の概要を以下に記す。
特許文献1:電子部品、回路素子等を電極面が露出する様成形樹脂に埋設し、該成形樹脂に成形した配線パターンで回路構成したことを特徴とする電子回路パッケージ。
特許文献2:携帯型電子機器の外装部品であって、外装本体と、前記外装本体の内側面側に電極が露出する状態で埋め込まれた電子部品と、前記内側面に配置されて前記電子部品の電極に接続された回路と、を備えることを特徴とする外装部品。
特許文献3:少なくとも一部が樹脂成形品で構成された筐体と、該筐体内に実装される電子部品と、を備える電子部品実装装置であって、前記電子部品は、該電子部品の電極が露出された状態で、前記樹脂成形品内に埋め込まれており、露出した電極に配線が電気的に接続されていることを特徴とする電子部品実装装置。
特開平成7−66570号公報(1995年3月10日公開) 特開2004−111502号公報(2004年4月日公開) 特開2010−272756号公報(2010年12月2日公開)
これらの従来技術が抱える課題について、図6を参照して以下に説明する。図6は、従来技術の課題を説明するための図である。図6の(a)に、従来技術に係る回路構造体101の構成を示す。回路構造体101は、樹脂製の樹脂成型体102、電子部品103、および配線141,142を備えている。電子部品103は2つの電極131,132を備えており、樹脂成型体102に埋設されている。電極131に配線141が接続され、電極132に配線142が接続されている。配線141,142はいずれも金属製である。
図6の(b)に、従来技術に係る回路構造体101における配線141,142の断線発生を示す。一般に樹脂および金属は互いに異なる線膨張係数を有する。図6の(b)に示すような膨張または収縮の形状変化151,152が樹脂成型体102に生じると、樹脂製の樹脂成型体102と金属製の電極131,132との間に亀裂161,162が生じる。これにより、配線141における亀裂161と重畳する箇所に断線が生じ、同様に、配線142における亀裂162に重畳する箇所にも断線が生じる。
本発明は前記の課題を解決するためになされたものである。そしてその目的は、樹脂成型体に形状変化による配線の断線が生じ難い回路構造体を提供することにある。
本発明に係る回路構造体は、上記の課題を解決するために、電極を有する電子部品と、前記電子部品が埋設された樹脂成型体と、前記電極に接続される配線とを有する回路構造体であって、前記樹脂成型体における前記電子部品の周囲に溝が形成されており、前記配線は、前記溝内を通過するように設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、樹脂成型体における配線の下部に、膨張または収縮の形状変化が生じても、それに追随して溝の形状が追随して変化する。そのため、樹脂成型体の形状変化によって生じた力が溝の形状変化によって分散され、配線における一点に集中して作用することがない。これにより配線の断線発生を生じ難くすることができる。
本発明に係る回路構造体では、前記配線は、前記溝内に充填されるように設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、樹脂成型体における配線の下部に、膨張または収縮の形状変化が生じても、それに追随して配線における溝への充填箇所の形状が配線材料の展性によって、樹脂成型体の形状変化に追随して変化する。したがって、樹脂成型体の形状変化による配線の断線が生じ難くなる。
本発明に係る回路構造体では、前記配線における前記溝に対応する位置に、前記溝の底部に向かう凹み部が形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、樹脂成型体の形状変化に追随して凹み部の形状も変化するので、樹脂成型体の形状変化による配線の断線をさらに生じ難くすることができる。
本発明の態様4に係る回路構造体は、上記態様1〜3のいずれかにおいて、前記溝内において前記配線と前記電子部品との間に設けられる少なくとも1つの導電層をさらに備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、配線と電極との直接接続に難がある場合でも、導電層を介して配線を電極に問題なく接続することができる。
本発明に係る製造方法は、上記の課題を解決するために、電極を有する電子部品を接着性の液状層が表面に塗布されたシートに配置した際の前記液状層の濡れ上がりによって、前記電子部品の周囲に濡れ上がり部を形成する工程と、前記濡れ上がり部を硬化する工程と、前記濡れ上がり部が硬化された後、前記シートにおける前記電子部品の配置面に樹脂材料を射出成型する工程と、前記シートと共に前記濡れ上がり部を剥離することによって、前記電子部品の周囲に前記濡れ上がり部に応じた溝が配置された樹脂成型体を形成する工程と、前記電極に接続される配線を、前記溝を通過するように形成する工程とを有することを特徴としている。
上記の構成によれば、樹脂成型体の形状変化による配線の断線が生じ難い回路構造体を製造することができる。
本発明の一態様によれば、樹脂成型体の形状変化による配線の断線が生じ難い回路構造体を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る回路構造体の要部構成を示す図である。 本発明の実施形態1に係る回路構造体の製造方法を示す図である。 本発明の実施形態2に係る回路構造体の要部構成を示す図である。 本発明の実施形態2に係る回路構造体の製造方法を示す図である。 本発明の実施形態3に係る回路構造体の要部構成を示す図である。 従来技術の課題を説明するための図である。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について、図1および2に基づいて以下に説明する。
(回路構造体1の構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る回路構造体1の要部構成を示す図である。図1の(a)は回路構造体1の上面図であり、(b)は回路構造体1の側部断面図である。図1の(a)に示すように、回路構造体1は、樹脂成型体2、電子部品3、および配線41,42を備えている。
回路構造体1は、携帯用電子機器、小型センサ、または健康機器(電子体温計、血圧計など)などの各種の機器に組み込まれ、当該機器の主要なまたは補助的な機能を担う部分である。回路構造体1には複数の電子部品3を組み込むことができるので、同等の機能を実現する従来のプリント基板ベースの回路構造に比べて、そのサイズを小さくすることができる。これにより回路構造体1は、それが組み込まれる各種機器を、薄型、軽量、かつ小型のウエアラブルな製品として実現することに寄与する。
樹脂成型体2は、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)などの樹脂材料によって構成される樹脂製の基体であり、その表面に、電子部品3が埋設される形で配置されている。
電子部品3は、回路構造体1に形成される1つの電子回路を構成する回路要素である。電子部品3は、受動部品(たとえば抵抗、コンデンサ等)または能動部品(LSI、IC等)であり得る。電子部品3は、樹脂成型体2のある面における各端部から一定距離を置いた箇所に埋設されている。電子部品3は一対の電極31,32を備えている。樹脂成型体2における電子部品3の埋設箇所の周囲に、一定の幅および深さの溝21が形成されている。溝21の幅および深さは、回路構造体1を構成する電子部品3および樹脂成型体2の種類およびサイズに応じて適宜定められる。電極31,32の一面は樹脂成型体2から露出しており、それらの露出面において電極31,32が配線41,42の一端に接続されている。
配線41,42は、樹脂成型体2における電子部品3の埋設面に形成される。配線41,42は各種の導電性材料(金、銀、銅等)によって構成された導電性の配線である。図1の(b)では、配線41は、溝21における電極31に対向するいずれかの箇所を充填するように、樹脂成型体2上に形成されている。一方、配線42は、溝21における電極32に対向するいずれかの箇所を充填するように、樹脂成型体2上に形成されている。
本実施形態では、溝21における、樹脂成型体2の表面と同一面に当たる位置よりも深い箇所には、配線41,42の材料が隙間なく充填されている。すなわち、配線41,42はさらに、溝21の表面および電極31,32の表面との間に隙間を作ることなく、樹脂成型体2上に形成されている。この結果として、配線41,42の表面(露出面)は、配線41,42の下部に溝21が位置するか否かに関わらず、一様に平らである。さらには、配線41,42における溝21に対応する箇所の厚みは、配線41,42におけるその他の箇所(樹脂成型体2における溝21のない表面に対向する箇所)の厚みよりも、大きい。
配線41,42の他端は、回路構造体1における図示しない他の電子部品の電極に接続される。これにより電子部品3は、他の電子部品と電気的かつ機能的に接続される。
図1の(c)に、樹脂成型体2の形状変化51,52が生じた状態の回路構造体1を示す。樹脂成型体2における配線41の下部に、何らかの原因(熱衝撃、周囲温度の変化、機械的負荷等)によって膨張または収縮の形状変化51が生じても、配線41における溝21に充填された箇所の形状が、配線41の材料の展性によって、樹脂成型体2の形状変化51に追随して変化する。すなわち配線41は、樹脂成型体2における形状変化51によって受ける力を吸収するように機能する。たとえば図1の(c)では形状変化51は樹脂成型体2の膨張であり、これによって溝21の幅が広がる。このとき、配線41における溝21への充填個所もその広がりに追随して広がるので、配線41の断線発生を生じ難くすることができる。同様に、形状変化52によって溝21の幅が広がった際、配線42における溝21への充填個所もその広がりに追随して広がるので、配線42の断線発生を生じ難くすることができる。
(回路構造体1の製造方法)
図2は、本発明の実施形態1に係る回路構造体1の製造方法を示す図である。以下に、この図を参照して回路構造体1の製造方法を説明する。
(仮固定工程)
図2の(a)に示すように、まず、電子部品3を仮固定するためのシート5を用意する。シート5の基材シートの材料としては、紫外線を透過できる透明性と、後で説明する剥離時の工程を確実にできるようにする柔軟性とを有している材料が好ましく、たとえば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等を用いることができる。本実施形態ではシート5は50μmの厚さのPETシートである。
シート5の片面に、接着性の液状層6が塗布されている。液状層6としては、硬化時間が短いものが好ましく、たとえば、紫外線硬化型の接着剤を用いることができる。紫外線硬化型の接着剤は、紫外線が照射されると、硬化し、基材シートと電子部品とを接着する。そのため、紫外線を接着剤が塗布されている表面から照射した場合は、電子部品自身が接着剤に紫外線が照射されるのを阻害する障壁となり、硬化(接着)が不十分となってしまう可能性がある。そこで、基材シートに紫外線を透過する材料を用い、基材シートの接着剤が塗布されていない表面から紫外線を照射することで、接着剤を十分に硬化させ、電子部品を短時間で確実に基材シートに固定することができる。本実施形態では液状層6は2〜3μmの厚さの紫外線硬化型接着剤(クルーラボ製GL−3005H)である。
シート5における液状層6が塗布された表面に、電子部品3を位置合わせして配置する。具体的には、電子部品3を、シート5における、樹脂成型体2の表面の各端部から一定距離を置いた位置に対応する位置に配置する。このとき、図2の(b)に示すように、液状層6がその表面張力によって電子部品3の表面を濡れ上がることによって、電子部品3の周囲に濡れ上がり部61が形成される。濡れ上がり部61の形成後、シート5における電子部品3の配置面の反対側の面から3000mJ/cmの紫外線を照射する。この結果、液状層6が硬化することによって、電子部品3がシート5に接着固定される。このとき濡れ上がり部61も硬化され、紫外線の照射後もその形状を維持する。濡れ上がり部61は後で説明する射出工程において、溝21を形成するための中子(鋳型)として機能する。
濡れ上がり部61の形状(幅および高さ)は、液状層6の表面張力に応じて決まる。液状層6の表面張力を調整すれば、所望の高さの濡れ上がり部61を形成することができる。この結果として、後の工程において形成される樹脂成型体2の溝21を所望の深さにすることができる。
(射出工程)
シート5に電子部品3を仮固定した後、回路構造体1を製造するための金型にシート5を配置する。この金型は、電子部品3が埋設された樹脂成型体2を射出成型するための金型である。シート5における電子部品3が仮固定された表面の裏側の表面が、金型における対応する表面に接するように、シート5を配置する。シート5は、金型における樹脂成型体2の表面の形成位置に配置される。この状態で、ABS樹脂等の樹脂材料を、金型温度80℃、射出樹脂温度180℃、かつ射出圧力20kg/cmの条件で射出する。これにより、電子部品3が樹脂成型体2に埋設される。
樹脂材料内には熱伝導性フィラーが予め充填されていることが好ましい。これにより、射出成型時に電子部品3から発生する熱を外部に逃し易くすることができる。熱伝導性フィラーとして、銅などの金属粉末、あるいは窒化アルミニウまたは酸化アルミニウムなどの無機材料粉末などが挙げられる。
(電極露出工程)
前記の射出成型によって得られる成形物から、シート5を剥離することによって、樹脂成型体2の表面に電子部品3の電極31,32を露出させる。仮固定工程において形成される濡れ上がり部61も、シート5と共に樹脂成型体2から剥離される。この結果、電子部品3の周囲に溝21が配置された樹脂成型体2が形成される。
(配線形成工程)
最後に、樹脂成型体2の表面から露出する電極31,32を接続するための配線41,42を、当該表面に形成する。その際、たとえば、配線41,42の材料である導電性の銀ナノインクを噴射する方法(たとえばインクジェット印刷)が用いられる。配線41,42の形成時、インクジェットヘッドの噴出口が、溝21上を通過するように移動する。これにより配線41,42が溝21内を通過するように形成される。より詳細には、配線41,42は、樹脂成型体2における平らな表面および溝21の表面を連続的に覆うように形成される。
本実施形態では、配線41,42が、溝21における電極31,32に対向する箇所に充填されるように、銀ナノインクが噴射される。これは、単位時間当たりの銀ナノインクの噴出量を、樹脂成型体2の表面形状に応じて適宜変化することによって行われる。たとえば、樹脂成型体2における溝21の表面への銀ナノインクの単位時間当たりの噴出量を、樹脂成型体2における平らな表面への銀ナノインクの単位時間当たりの噴出量をよりも多くすればよい。配線41,42の形成が終わると、電子部品3が埋設された回路構造体1が完成する。なお、インクジェット印刷の代わりに、スクリーン印刷または銀めっきを用いてもよい。
以上のようにに説明した製造方法によって、樹脂成型体2の形状変化による配線41,42の断線が生じ難い回路構造体1を製造することができる。
〔実施形態2〕
本発明に係る実施形態2について、図3および4に基づいて以下に説明する。上述した実施形態1と共通する各部材には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
(回路構造体1aの構成)
図3は、本発明の実施形態1に係る回路構造体1aの要部構成を示す図である。図3の(a)は回路構造体1aの上面図であり、(b)は回路構造体1aの側部断面図である。図3の(a)に示すように、回路構造体1aは、本発明の実施形態1に係る回路構造体1と同様に、樹脂成型体2、電子部品3、および配線41,42を備えている。しかし本実施形態に係る回路構造体1aは、配線41,42に凹み部43,44が形成されている点において、実施形態1に係る回路構造体1と異なっている。
図3の(b)に示すように、配線41における溝21への充填箇所に、一定の深さを有する凹み部43が形成されている。また、配線42における溝21への充填箇所に、一定の深さを有する凹み部44が形成されている。このように、配線41,42の露出表面は一様に平らではなく、凹み部43,44の形成箇所において樹脂成型体2の底の方に陥没するような形状を有している。凹み部43,44は、配線41,42における溝21に対応する位置に形成された別の溝であるとも言える。
図3の(c)に、樹脂成型体2の形状変化51,52が生じた状態の回路構造体1aを示す。樹脂成型体2における配線41の下部に膨張または収縮の形状変化51が生じても、配線41における溝21に充填された箇所が実施形態1と同様に形状変化し、さらに、当該箇所に形成された凹み部43の形状も、樹脂成型体2の形状変化51に追随して変化する。たとえば図1の(c)では形状変化51は樹脂成型体2の膨張であり、これによって溝21の幅が広がる。このとき配線41における溝21に充填された箇所および当該箇所に形成された凹み部43の双方が、その広がりに追随していずれも広がるので、配線41の断線発生を、実施形態1よりもさらに生じ難くすることができる。同様に、形状変化52によって溝21の幅が広がった際、配線42における溝21への充填箇所および当該箇所に形成された凹み部44の双方がその広がりに追随していずれも広がるので、配線42の断線発生を実施形態1よりもさらに生じ難くすることができる。
(回路構造体1aの製造方法)
図4は、本発明の実施形態2に係る回路構造体1aの製造方法を示す図である。以下に、この図を参照して回路構造体1aの製造方法を説明する。
本実施形態における仮固定工程、射出工程、電極露出工程は、実施形態1と同一であるため、その詳細な説明を省略する。配線形成工程に、実施形態1と一部異なる点がある。本実施形態では、配線形成工程において、配線41,42における溝21への充填箇所に凹み部43,44が形成されるように、銀ナノインクが噴射される。これは、たとえば、単位時間当たりの銀ナノインクの噴出量を、樹脂成型体2の表面形状に関わらず一定にすることによって行われる。たとえば、樹脂成型体2における溝21の表面への銀ナノインクの単位時間当たりの噴出量を、樹脂成型体2における平らな表面への銀ナノインクの単位時間当たりの噴出量に等しくすればよい。これにより、均一な厚さの配線41,42が樹脂成型体2における平らな表面から、溝21の形成位置における湾曲した表面に連続的に形成される。その結果、樹脂成型体2における溝21の形成位置の湾曲形状に沿って、凹み部43,44が形成される。
凹み部43,44の形状(幅、深さ)は、仮固定工程における濡れ上がり部61の形状の調整(濡れ上がり量の調整)によって、調整することができる。さらには、配線形成工程における銀ナノインクの塗布量によっても調整することができる。
〔実施形態3〕
本発明に係る実施形態3について、図5に基づいて以下に説明する。上述した実施形態1または2と共通する各部材には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
(回路構造体1bの構成)
図5は、本発明の実施形態3に係る回路構造体1bの要部構成を示す図である。図5の(a)は回路構造体1bの上面図であり、(b)は回路構造体1bの側部断面図である。図5の(a)に示すように、回路構造体1bは、本発明の実施形態2に係る回路構造体1aと同様に、樹脂成型体2、電子部品3、および配線41,42を備えている。さらに、図5の(b)に示すように、本実施形態に係る回路構造体1bにおいても、実施形態2に係る回路構造体1aと同様に、配線41,42に凹み部43,44が形成されている。しかし本実施形態に係る回路構造体1bは、追加の導電層71,72をさらに備えている点において、実施形態2に係る回路構造体1aと異なっている。
図5の(b)に示すように、導電層71は配線41と電極31との間に形成されている。一方、導電層72は、配線42と電極32との間に形成されている。したがって配線41は電極31に直接的には接しておらず、また、配線42は電極32に直接には接していない。配線41,42は、電極31,32における露出表面および溝21に対向する表面を連続的に覆うように設けられている。本実施形態では導電層71,72は溝21の底部まで達するように形成されているが、必ずしもこれに限られない。
導電層71,72の形成後に配線41,42を形成する。導電層71,72は、配線41,42を形成するための手法と同一内容の手法によって形成することができる。たとえば、インクジェットで配線41,42を形成する場合、同じくインクジェットで導電層71,72を形成する。これにより、導電層71,72を形成するための別の手法を用いる必要がないので、回路構造体1bの製造コストをより抑えることができる。
導電層71,72の材料は、導電性であれば任意のものでよい。回路構造体1bのその他の構成要素の形状、大きさ、または材料の種類に応じて、最適な材料を選択して導電層71,72の形成に用いればよい。たとえば次の通り、導電層71,72の形成に可能な材料は多様にある。
(1)溝21が深いために配線41,42の材料(銀ナノインク等)の供給不足によって配線41,42が溝21の底部において形成時に断線する恐れがある場合、導電層71,72の製造に配線41,42の材料と同じ材料を用いればよい。これにより、配線41,42の形成時に溝21の底部において配線41,42の断線が発生したとしても、配線41,42は事前に形成されている導電層71,72を介して電極31,32に接続されることができる。
(2)配線41,42の材料が電極31,32との濡れ性が悪いものであるために配線41,42と電極31,32との接合不足になる恐れがある場合、導電層71,72の材料に、配線41,42の材料とは特性が異なる材料(アルコール系材料、水系材料等)を用いればよい。これにより接合不足を解消することができる。
(3)配線41,42の材料と電極31,32の材料との間に、がルバニック腐食等による接続抵抗の上昇が生じる恐れがある場合、導電層71,72の材料に、このような上昇を抑えることができる材料を用いる。たとえば、配線41,42の材料が銀ナノインクであり、電子部品3がスズでできているのなら、導電層71,72の材料として銅を用いればよい。これにより接続抵抗の上昇を抑えることができる。
導電層71,72に加えて、さらに別の導電層が溝に形成されていてもよい。たとえば、電極31上に金製の導電層71が形成され、その上に銀製の他の導電層が形成され、さらにその上に配線41が形成されてもよい。このように、配線41,42と電極31,32と間には、少なくとも1つの導電層が形成されればよい。
配線41,42の形成後、保護レジスト(図示せず)を、配線41,42および導電層71,72を少なくとも覆うように、樹脂成型体2における電子部品3の埋設面に形成することが好ましい。これにより、少なくとも配線41,42および導電層71,72が外部環境から遮断されるので、外部の悪因子(水分、湿気等)から配線41,42および導電層71,72を保護することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることによって、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、携帯用電子機器、小型センサ、または健康機器(電子体温計、血圧計など)などの各種の機器に組み込まれる回路構造体として、好適に利用することができる。
1,1a,1b 回路構造体
2 樹脂成型体
3 電子部品
5 シート
6 液状層
31,32 電極
41,42 配線
71,72 導電層

Claims (2)

  1. 電極を有する電子部品と、前記電子部品が埋設された樹脂成型体と、前記電極に接続される配線とを有する回路構造体であって、
    前記樹脂成型体における前記電子部品の周囲に溝が形成されており、前記配線は、前記溝内を通過するように設けられており、
    前記樹脂成型体における前記配線が設けられる表面と、前記電極の少なくとも一部とが、略同一平面内にあり、
    前記配線は、前記溝内に充填されるように設けられており、
    前記配線の表面は、前記配線の下部に前記溝が位置するか否かに関わらず、一様に平らであることを特徴とする回路構造体。
  2. 前記溝内において前記配線と前記電子部品との間に設けられる少なくとも1つの導電層をさらに備えていることを特徴とする請求項に記載の回路構造体。
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