以下、図面を参照して実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。また、以下に説明する各種の例示的態様は、適宜に組み合わせて実施しても構わない。なお、以下の実施形態で用いる図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
図1は、一実施形態に係る無線通信システムの構成例を示すブロック図である。
図1に示す無線通信システム1は、例示的に、基地局2と、無線端末3と、を備えてよい。図1の例では、1台の基地局2と1台の無線端末3とに着目しているが、基地局2及び無線端末3は、いずれも、無線通信システム1において2台以上存在してよい。
基地局2は、例示的に、コアネットワーク4に接続されてよい。コアネットワーク4は、「バックボーンネットワーク4」と称されてもよいし、「上位ネットワーク4」と称されてもよい。
無線端末(以下「端末」と略称することがある。)3は、基地局2が形成又は提供する無線エリア200において当該基地局2と無線通信することが可能である。「無線端末」は、「無線デバイス」、「無線装置」、あるいは「端末装置」等と称されてもよい。
端末3は、その位置が変化しない固定端末であってもよいし、その位置が変化する移動端末(「移動機」と称してもよい。)であってもよい。
非限定的な一例として、端末3は、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末等のUEであってよい。「UE」は、「user equipment」の略称である。
また、端末3は、IoT(Internet of Things)端末であってもよい。IoTによって、様々な「物」に通信機能が搭載され得る。通信機能を搭載した様々な「物」は、インターネットや無線アクセス網等に接続して通信を行なうことができる。
例えば、IoT端末には、無線通信機能を具備したセンサデバイスやメータ(測定器)等が含まれてよい。センサデバイスやメータを搭載した監視カメラや火災報知器等の何らかの監視装置が端末3に該当してよい。
基地局2と端末3との間の無線通信は、便宜的に、「セルラー通信」と称してよい。「セルラー通信」には、例示的に、LTEに準拠した無線通信方式が適用されてよい。
なお、監視装置等のIoT端末である端末3と基地局2との間の無線通信は、MTC(machine type communications)と称されることがあり、当該端末3は「MTCデバイス」と称されることがある。IoT端末やMTCデバイスもUEの一例であると捉えてよい。
基地局2は、端末3との無線通信を可能にする無線エリア200を形成又は提供する。「無線エリア」は、「セル」、「カバレッジエリア」、「通信エリア」、「サービスエリア」等と称されてもよい。
基地局2は、例示的に、LTEに準拠した「eNB」であってよい。「eNB」は、「evolved Node B」の略称である。なお、remote radio equipment(RRE)やremote radio head(RRH)等と称される、基地局本体から分離されて遠隔地に配置された通信ポイントが、基地局2に該当してもよい。また、端末3の送受信信号を中継する装置、例えば、LTEのリレーノード(RN)が基地局2に該当してもよい。
基地局2が形成又は提供する「セル」は「セクタセル」に分割されてもよい。「セル」には、マクロセルやスモールセルが含まれてよい。スモールセルは、マクロセルよりも通信が可能な範囲(カバレッジ)の小さいセルの一例である。
スモールセルは、カバレッジエリアに応じて呼称が異なってよい。例えば、スモールセルは、「フェムトセル」、「ピコセル」、「マイクロセル」、「ナノセル」、「メトロセル」、「ホームセル」等と称されてもよい。
コアネットワーク4には、図1に例示するように、MME41、PGW42、及び、SGW43が含まれてよい。「MME」は、「Mobility Management Entity」の略称である。「PGW」は、「Packet Data Network Gateway」の略称であり、「SGW」は、「Serving Gateway」の略称である。
コアネットワーク4は、基地局2に対する「上位ネットワーク」に相当すると捉えてよい。MME41、PGW42、及び、SGW43は、「コアネットワーク」のエレメント(NE)あるいはエンティティに相当すると捉えてよく、「コアノード」と総称してよい。「コアノード」は、基地局2の「上位ノード」に相当すると捉えてもよい。
基地局2は、コアネットワーク4に、有線インタフェースの一例である「S1インタフェース」によって接続されてよい。ただし、基地局2は、無線インタフェースによってコアネットワーク4と通信可能に接続されても構わない。
基地局2とコアネットワーク4とを含むネットワークは、無線アクセスネットワーク(RAN)と称されてもよい。RANの一例は、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network, E-UTRAN」である。
また、基地局2は、例示的に、MME41及びSGW43と通信可能に接続されてよい。基地局2と、MME41及びSGW43と、の間は、例えば、S1インタフェースと称されるインタフェースによって通信可能に接続されてよい。
SGW43は、S5インタフェースと称されるインタフェースによってPGW42と通信可能に接続されてよい。PGW42は、インターネットやイントラネット等のパケットデータネットワーク(PDN)と通信可能に接続されてよい。
PGW42及びSGW43を介して、端末3とPDNとの間でユーザパケットの送受信が可能である。ユーザパケットは、ユーザデータの一例であり、ユーザプレーン信号と称してもよい。
例示的に、SGW43は、ユーザプレーン信号を処理してよい。制御プレーン信号は、MME41が処理してよい。SGW43は、S11インタフェースと称されるインタフェースによってMME41と通信可能に接続されてよい。
MME41は、例示的に、端末3の位置情報を管理する。SGW43は、MME41で管理されている位置情報を基に、例えば、端末3の移動に伴うユーザプレーン信号のパス切り替え等の移動制御を実施してよい。移動制御には、端末3のハンドオーバに伴う制御が含まれてよい。
なお、図1には図示を省略しているが、RANに複数の基地局2が存在する場合、基地局2間は、例えば、X2インタフェースと称される基地局間インタフェースによって通信可能に接続されてよい。基地局間インタフェースは、有線インタフェースでもよいし、無線インタフェースでもよい。
基地局2の一例であるeNB2が形成する無線エリア200は、「マクロセル」と称されてよい。マクロセル200を形成するeNB2は、便宜的に、「マクロ基地局」、「マクロeNB」、又は、「MeNB」等と称されてもよい。マクロセル内には、マクロセルよりもカバレッジの小さい「スモールセル」が配置(オーバレイ)されてもよい。
eNB2は、UE3との無線通信に用いる無線リソースの設定(「割当」と称してもよい。)を制御してよい。当該制御は、「スケジューリング」と称されてもよい。無線リソース(以下、単に「リソース」と略称することもある)は、例示的に、周波数領域及び時間領域によって2次元的に区別されてよい。
eNB2は、UE3との無線通信に利用可能な無線リソースを、周波数領域及び時間領域の2次元で区切られる周波数・時間グリッドの単位でリソースの割り当てを実施してよい。リソースの割り当てを行なうことは、「スケジューリング」と称されることがある。LTEにおいて、スケジューリングの単位は、「リソースブロック(RB)」と称される。
RBは、eNB2がUE3との無線通信に利用可能な無線リソースを、時間領域におけるスロットと、周波数領域において隣り合う複数のサブキャリア(搬送波)と、を単位に分割した1つのブロックに相当する。
例えば、LTEにおいて、1スロットは、0.5msの時間長を有し、2スロットで1ms長の1サブフレームが構成され、10個のサブフレームで10ms長の無線フレームが構成される。RBは、例えば、2スロット(=1サブフレーム)×12サブキャリアで表される。
なお、eNB2とUE3との間の無線通信には、時分割複信(Time Division Duplex:TDD)、及び、周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)のいずれが適用されてもよい。
TDDでは、1つの周波数(又は周波数帯域)を用いて、下り(ダウンリンク,DL)の通信と、上り(アップリンク,UL)の通信と、が異なる時間に実施される。
例えば、eNB2は、UE3に対して、1つの周波数帯域においてDL通信のための時間とUL通信のための時間とを異なる時間にスケジューリングする。
したがって、eNB2及びUE3は、1つの周波数帯域において送信と受信とを異なる時間に実施する。
これに対し、FDDでは、DLの通信とULの通信とが異なる周波数(又は周波数帯域)を用いて実施される。
例えば、eNB2は、DL通信のための周波数とUL通信のための周波数とを通信のタイミングに関わらず異なる周波数にスケジューリングしてよい。
したがって、eNB2及びUE3は、送信を行ないながら送信周波数とは異なる周波数にて受信を行なうことができる。
eNB2は、複数の端末3のそれぞれにULのデータ送信のためのリソースを個別排他的に割り当てる。したがって、複数の端末3間でULのデータ送信に用いるリソースは競合せず、個々の端末3は、それぞれ、他の端末3との間で衝突が発生することなく、基地局2とULの通信を行なうことができる。
ここで、端末3において基地局2宛に送信するデータ(「データ信号」と称してもよい。)が発生した時点では、ULのリソースが当該端末3に割り当てられていないことがある。
例えば、端末3の電源投入直後等の、基地局2に対する初回アクセス時には、当該端末3に対するULのリソースは未割当の状態である。また、基地局2との接続確立後に接続が切断されてULリソースがリリースされた状態(「アイドル状態」と称してよい。)で端末3がデータ送信を行なおうとした場合も、端末3は、ULのリソースが未割当な状態である。
端末3に対してULのリソースが未割当の可能性がある非限定的な幾つかの事例としては、以下が挙げられる。
(1)携帯電話やスマートフォンである端末3が通話を開始するケース
(2)ユーザが端末3でウェブブラウジングを行なっている途中で一時的に通信が中断した後に、ユーザが端末3を操作して次ページのデータを要求するケース
(3)センサデバイスである端末3が、センシングしたデータの送信準備ができてデータ送信を開始しようとしたケース
(4)監視カメラや火災報知器等の監視装置である端末3が、不審者を検知したり火災発生等の異常を検出したりして異常通知を行なおうとしたケース
以上のケースのように、端末3が基地局2宛にデータを送信しようとしてもデータ送信のためのリソースが割り当てられていなければ、端末3は、データ送信のためのリソースの割り当てを基地局2に要求する。
ここで、3GPPが定める無線通信システムの仕様TS36.300 “Overall description; Stage 2”では、端末3が基地局2宛にデータを送信するためのリソースの割り当てを基地局2に要求するためのランダムアクセス(RA)手順を規定している。
当該RA手順によれば、端末3は、まず、RAプリアンブルを送信し、基地局2は、当該RAプリアンブルを受信すると、RAレスポンスを端末3宛に返信する。この段階では複数の端末3が送信したRAプリアンブルが競合している可能性があるため、基地局2では、どの端末3と通信を行なうのかが特定されていない。
端末3は、当該端末3を識別可能な識別子(ID)を含む接続要求信号を基地局2宛に送信し、基地局2は、受信したIDを用いて端末3を接続状態にする手順を開始する。
端末3は、当該端末3のIDを含む接続手順が開始されて接続状態になった後に、スケジューリングリクエスト(SR)を基地局2宛に送信する。
基地局2は、端末3からSR信号を受信すると、端末3がデータ送信に使用するリソースをスケジューリングする。スケジューリングに成功すれば、基地局2は、SRの送信元端末3宛に、送信許可(UL grant)を送信してスケジューリング結果であるリソースの割当情報を端末3に通知する。
端末3は、当該送信許可を基地局2から受信することで、割り当てられたリソースを用いてULのデータ送信を行なうことが可能になる。
なお、RAプリアンブルが競合した場合、端末3がRAレスポンスに対して当該端末3のIDを含む接続要求信号を基地局2宛に送信しても、当該IDに対する接続手順が開始されないことがある。このような場合、端末3は、RAプリアンブルの送信からRA手順をやり直すことになる。
既に接続状態になるまでの手順が実行済みで、端末3が基地局2と接続状態にある場合でも、当該端末3は、SRの送信以降の手順を再実行することになる。
なお、図21に、UEがアイドル状態からeNBと接続状態になるまでの手順の一例を示す。また、図22に、UEがスケジュール要求(SR)信号をeNBに送信してからeNBへのデータ送信が可能になるまでの手順の一例を示す。図21及び図22は、3GPP TR36.912から引用した図である。
ところで、端末3が基地局2にデータ送信のためのリソースの割り当てを要求する前掲の事例のうち、端末3が何らかの監視装置である事例については、異常を検知した後の通知が速やかに行なわれることが要求される場合がある。
例えば、3GPP TR22.885の“Study on LTE Support for V2X Services”には、「Pre-crash Sensing Warning」の事例が記載されている。当該事例では、自動車が、衝突が避けられないことを検知したとき、その情報を周囲に伝えるためのデータ伝送が20ms以内に行なわれる必要がある、とされている。
しかしながら、3GPP TR36.912の“Feasibility study for Further Advancements for E-UTRA (LTE-Advanced)”によれば、端末3が接続状態になるまでにかかる時間は、50msであると報告されている。また、端末3がSRを送信してからデータ送信が可能になるまでにかかる時間は、9.5msであると報告されている。
これらの時間は、RAプリアンブルの送信で競合が生じて接続手順の実行に失敗した場合、RAプリアンブルの送信からやり直すことになるので、端末3が基地局2宛にデータを送信することが可能になるまでにかかる時間が更に長くなる可能性がある。
そこで、例えば、端末3に対してULのデータ送信のためのリソースを定常的に割り当てておけば、端末3は、送信データの発生によって当該リソースを使用してUL送信を行なえばよいから、低遅延(low latency)なデータ伝送が可能になる。
しかしながら、監視装置のような端末3が検出する異常は、常時発生するわけではなく、一時的、突発的に発生するものであると考えられる。
それにも関わらず、一時的、突発的にしか発生しないULの送信データのために定常的にリソースを割り当てておくことは、リソースが無駄になる確率が高いため、リソース利用効率が低下し得る。
なお、以下の説明において、一時的、突発的に発生するULの送信データを、便宜的に、「突発的データ」と称することがある。また、突発的データであって低遅延な伝送が求められるデータを、便宜的に、「突発的低遅延データ」と称してよい。
「突発的データ」や「突発的低遅延データ」は、通常のデータとの対比で、便宜的に、「特殊データ」と称してもよい。「特殊データ」は、通常のデータに比して緊急性の高いデータの一例であると捉えてもよい。通常のデータは、緊急性の低いデータの一例であると捉えてもよい。
通常のデータは、第1のデータ信号の一例であり、特殊データは、第2のデータ信号の一例であって、第1のデータ信号よりも発生頻度が低く、かつ、低遅延な伝送が要求される信号である。
ただし、第2のデータ信号の一例である特殊データは、第1のデータ信号の一例である通常のデータよりも発生頻度が低いデータ信号、及び、低遅延な伝送が求められるデータ信号のいずれか一方に該当してもよい。
上述のようなリソース利用効率の低下を回避又は抑制するために、本実施形態の無線通信システム1では、端末3に割り当て可能なリソースの少なくとも一部を、「特殊データの送信に関連するリソース」として設定、確保する。
「特殊データの送信に関連するリソース」には、端末3が特殊データの送信に使用する可能性のあるリソースに限らず、端末3が基地局2へ特殊データを送信可能になるまでに実行する手順において使用する可能性のあるリソースが含まれてよい。
例えば、「特殊データの送信に関連するリソース」には、以下に例示する3種類のリソースが含まれてよい。
(1)端末3が基地局2宛に特殊データの送信許可を要求する信号を送信するために使用する可能性があるリソース
(2)基地局2が端末3に特殊データの送信許可を示す信号を送信するために使用する可能性があるリソース
(3)端末3が基地局2宛に特殊データを送信するために使用する可能性のあるリソース
なお、「特殊データの送信に関連するリソース」は、特殊データの送信に関連して使用される可能性(又は潜在性)があるリソースと称してもよい。「使用される可能性があるリソース」とは、例えば、端末3において特殊データの送信が必要でない場合は、特殊データではない他の信号の送信に使用が許容されてよいことを意味する。
別言すると、特殊データの送信に関連して使用される可能性があるリソースは、端末3において特殊データの送信が実際に必要になった場合に限って、特殊データではない他の信号の送信に優先して使用されてよい。
そのため、特殊データの送信に関連して使用される可能性があるリソースは、便宜的に、特殊データの送信に関連して使用が予約されたリソースであると捉えてもよい。当該リソースは、便宜的に、「特殊データ用予約リソース」あるいは「特殊データ関連リソース」と称してもよい。
したがって、基地局2は、特殊データ用予約リソース、又は、特殊データ用予約リソースの全部又は一部を含むリソースを、通常のリソース割当手順によって、いずれかの端末3に割り当てることが許容されてよい。
「通常のリソース割当手順」とは、例示的に、基地局2において、端末3に割り当てようとするリソースが特殊データ用予約リソースであるか否かを意識あるいは区別しないでリソースの割り当てを行なってよいことを意味する。
リソースの割り当てを受けた端末3は、割り当てられたリソースを用いて基地局2と通信を行なってよい。ただし、割り当てられたリソースの全部又は一部が特殊データ送信のために他の端末3によって実際に使用されることとなった場合、当該リソースの割り当てを受けた端末3は、ULのデータ送信を停止してよい。
あるいは、当該端末3は、基地局2によって割り当てられたリソースのうち、特殊データ用予約リソースとは重複しない異なるリソースが存在すれば、当該リソースにてULのデータ送信を行なってもよい。
特殊データ用予約リソースが端末3によって実際に使用されることとなったか否かは、例示的に、基地局2から当該端末3宛に特殊データの送信を許可する信号が送信されているか否かを他の端末3において監視することで判定できる。
特殊データ用予約リソースの情報は、基地局2の無線エリア200に位置する端末3に通知されてよい。通知の対象には、特殊データを送信する可能性のある端末3に限らず、特殊データ用予約リソースの全部又は一部を含むリソースが通常のリソース割当手順によって割り当てられる可能性のある端末3が含まれてよい。特殊データ用予約リソースの割り当てを受けた端末3は、当該リソースを通常のデータ送信に使用できなくなる可能性があるからである。
当該通知は、端末3が特殊データの送信に使用する可能性のあるリソースの情報と、端末3が特殊データを送信できるようになるまでに実行する手順において使用する可能性のあるリソースの情報とを、個別的に明示して行なわれてよい。
あるいは、両リソースを関連付けておけば、端末3に通知する情報は、いずれか一方のリソースの情報であってもよい。また、端末3に通知する情報は、特殊データ用予約リソースの情報から生成(「加工」と称してもよい。)された情報であって特殊データ用予約リソースを間接的(又は暗示的)に示す情報であってもよい。
また、端末3宛に通知する特殊データ用予約リソースの情報は、報知情報として基地局2から送信されてよい。別言すると、基地局2は、報知チャネルの信号(「報知信号」と称してよい。)を用いて特殊データ用予約リソースの情報の通知を行なってよい。
特殊データ用予約リソースを全部又は一部に含むリソースが通常のリソース割当手順によって割り当てられる可能性のある端末3に対しては、当該リソース割当手順において、特殊データ用予約リソースの情報が通知されてもよい。
例えば、基地局2は、端末3に割り当てるリソースに特殊データ用予約リソースの全部又は一部が含まれる場合、特殊データ用予約リソースを示す情報(例えばフラグ情報)を、当該端末3宛に送信するリソース割当情報に付与してもよい。
図2及び図3に、特殊データの送信を可能にする無線フレームの構成(フォーマット)例を示す。図2は、TDD(Time Division Duplex)ベースの無線フレームの構成例を示し、図3は、FDD(Frequency Division Duplex)ベースの無線フレームの構成例を示す。無線フレームは、例示的に、無線エリア200での通信に用いられる。
図2及び図3において、例示的に、R1で示すリソースは、基地局2がDLの制御信号(「制御メッセージ」と称してもよい。)を送信するために使用するリソースである。リソースR1は、便宜的に、「制御信号リソースR1」と称してもよい。
R2で示すリソースは、基地局2が無線エリア200に報知信号を送信するために使用するリソースである。リソースR2は、「報知信号リソースR2」と称してもよい。
R3で示すリソースは、端末3が特殊データの送信許可を基地局2に要求する信号を送信するために使用する可能性があるリソースである。リソースR3は、便宜的に、「特殊データ送信許可要求リソースR3」と称してもよい。
R4で示すリソースは、基地局2が端末3宛に特殊データの送信許可を示す信号を送信するために使用する可能性があるリソースである。リソースR4は、便宜的に、「特殊データ送信許可リソースR4」と称してもよい。
R5で示すリソースは、端末3が基地局2宛に特殊データを送信するために使用する可能性があるリソースである。リソースR5は、便宜的に、「特殊データ送信リソースR5」と称してもよい。
R6で示すリソースは、通常のリソース割当手順に従って割り当てられたULのリソースであって、端末3が特殊データではない通常のデータをULへ送信するために使用するリソースである。特殊データ送信リソースとの対比で、リソースR6は、便宜的に、「通常データ送信リソースR6」と称してもよい。
特殊データ送信リソースR5と、通常データ送信リソースR6とは、図2及び図3に例示するように部分的に重複する関係であってもよい。
あるいは、図4(A)に例示するように、特殊データ送信リソースR5と通常データ送信リソースR6とは同一のリソースでもよい。また、特殊データ送信リソースR5及び通常データ送信リソースR6の一方が他方に包含されてもよい。
例えば、図4(B)に示すように、特殊データ送信リソースR5の全部が通常データ送信リソースR6に包含されてもよいし、逆に、図4(C)に示すように、通常データ送信リソースR6の全部が特殊データ送信リソースR5に包含されてもよい。
包含する側のリソースは、無線フレームにおいて端末3に割り当て可能なリソースの一部に限られてもよいし、全部にわたってもよい。例えば図4(D)に示すように、特殊データ送信リソースR5を包含する通常データ送信リソースR6は、無線フレームにおいて端末3に割り当て可能なULのリソースの全部にわたっていてもよい。
逆に、図4(C)に例示した、通常データ送信リソースR6を包含する特殊データ送信リソースR5が、無線フレームにおいて端末3に割り当て可能なULのリソースの全部にわたっていてもよい。
なお、通常データ送信リソースR6は、第1の無線リソースの一例であり、特殊データ送信リソースR5は、第2の無線リソースの一例である。また、特殊データ送信許可要求リソースR3は、第3の無線リソースの一例であり、特殊データ送信許可リソースR4は、第4の無線リソースの一例である。
基地局2は、制御信号リソースR1にて送信される制御信号によって、通常のリソース割当手順に従って割り当てられた通常データ送信リソースR6の情報を端末3に通知したり、報知信号リソースR2の情報を端末3に通知したりすることができる。
報知信号リソースR2にて送信される報知信号には、上述した特殊データ送信許可要求リソースR3、特殊データ送信許可リソースR4、及び、特殊データ送信リソースR5のいずれか1以上の設定を示す情報が、報知情報として設定されてよい。
各リソースR3〜R5の全部又は一部の間には、予め一定の関連付けが設定されてよい。当該関連付けに関する情報が基地局2及び端末3で共有されていれば、報知信号には、各リソースR3〜R5の情報のうちの一部だけが設定されることとしてもよい。
各リソースR3〜R5の情報のうちの一部だけを無線エリア200に報知することとすれば、無線エリア200におけるDLリソースの利用効率向上を図ることができる。
或る端末3において基地局2宛に送信する特殊データが発生すると、当該端末3は、特殊データ送信許可要求リソースR3にて、特殊データの送信許可を要求する信号を基地局2宛に送信する。
なお、特殊データの送信許可を要求する信号は、便宜的に、「割り込み信号」と称してもよい。そのため、特殊データ送信許可要求リソース(R3)は、「割り込み信号送信用リソース(R3)」と称してもよい。
基地局2は、当該割り込み信号を受信、検出して端末3の送信許可要求を許可する場合、特殊データ送信許可リソースR4にて、特殊データの送信許可を示す信号を要求元の端末3宛に送信してよい。
端末3は、基地局2から特殊データの送信許可を示す信号を特殊データ送信許可リソースR4にて受信すると、特殊データ送信リソースR5にて、特殊データを基地局2宛に送信してよい。
ここで、通常データ送信リソースR6の割り当てを受けていた他の端末3は、ULのデータ送信を停止してもよいし、通常データ送信リソースR6のうち、特殊データ送信リソースR5を避けた他のリソースにてULのデータ送信を行なってもよい。
なお、通常データ送信リソースR6は、特殊データ送信許可要求リソースR3と部分的に重複してもよい。あるいは、通常データ送信リソースR6及び特殊データ送信許可要求リソースR3の一方が他方に包含される関係であってもよい。
通常データ送信リソースR6及び特殊データ送信許可要求リソースR3の一方が他方に包含される場合は、リソースR3で送信される割り込み信号と、リソースR6で送信される通常のデータ信号と、が衝突し得る。
このような衝突が発生し得る場合であっても、例えば、リソースR6よりもリソースR3で送信される割り込み信号の送信電力を高く設定したり符号化率を低く設定したりすることで、基地局2において割り込み信号を検出し易くすることが可能である。別言すると、基地局2での割り込み信号の受信成功率を向上することができる。
(無線通信システム1の動作例)
以下、上述した無線通信システム1の動作例について、図5を参照して説明する。図5は、無線通信システム1の動作例を示すシーケンス図である。
図5に例示するように、基地局2は、特殊データ用予約リソースの情報(例示的に、図2又は図3に例示したリソースR3〜R5の情報)を、例えば報知信号リソースR2で送信される報知信号に設定して、端末3−1及び3−2へ通知してよい(処理P11)。なお、端末3−1及び端末3−2は、いずれも、基地局2との通信が可能な無線エリア200に位置する端末である。
ここで、端末3−2が、特殊データを送信し得る端末(第1の端末)であり、端末3−1は、他の端末3−2に対して特殊データの送信が基地局2によって許可された場合にULのデータ送信処理を変更可能な端末(第2の端末)であると仮定する。
端末3−1は、端末3−2において特殊データが発生していない通常時には、通常のリソース割当手順に従って基地局2から割り当てられたULの通常データ送信リソースR6にて、ULのデータ送信を行なってよい(処理P12及びP13)。
一方、端末3−2において特殊データが発生すると(処理P14)、特殊データの送信許可を要求する信号(割り込み信号)を、基地局2から報知信号によって示された特殊データ送信許可要求リソースR3にて、基地局2宛に送信してよい(処理P15)。
基地局2は、特殊データの送信許可を要求する信号を受信、検出し、特殊データの送信を許可する場合は、要求元の端末3−2に対して特殊データの送信許可を示す信号を、特殊データ送信許可リソースR4にて送信してよい(処理P16)。
併せて、基地局2は、特殊データの送信許可を示す信号を、特殊データ送信リソースR5と重複する通常データ送信リソースR6が通常のリソース割当手順に従って割り当てられている端末3−1宛にも送信してよい(処理P17)。
なお、処理P16及びP17の順序は不問であり、また、処理P16及びP17は並列に実施されても構わない。
端末3−2は、特殊データ送信許可リソースR4にて特殊データの送信許可を示す信号を受信すると、処理P11で報知信号によって通知された特殊データ送信リソースR5にて、特殊データを基地局2宛に送信してよい(処理P18)。
一方、通常のリソース割当手順で通常データ送信リソースR6を割り当てられている端末3−1は、例えば特殊データ送信許可リソースR4にて特殊データの送信許可を示す信号が受信されるか否かを監視してよい。
特殊データの送信許可を示す信号の受信が検出されると、端末3−1は、通常のリソース割当手順で割り当てられた通常データ送信リソースR6が、特殊データの送信され得る特殊データ送信リソースR5であると判断してよい。
例えば、端末3−2は、図2又は図3において、特殊データ送信リソースR5と重複する通常データ送信リソースR6が通常のリソース割当手順で割り当てられていると判断してよい。この場合、端末3−2は、通常のリソース割当手順で割り当てられたリソースR6を用いたULのデータ送信を停止してよい(処理P19)。
あるいは、端末3−2は、例えば図2又は図3において、割り当てられた通常データ送信リソースR6のうち特殊データ送信リソースR5との重複部分を避けたリソースにてULのデータ送信を行なってもよい。
以上のように、上述した実施形態によれば、端末3−2は、基地局2へ送信する特殊データが発生すると、無線エリア200において基地局2が設定、確保した特殊データ送信リソースR5にて特殊データを送信できるから、低遅延な伝送を実現できる。
また、特殊データ送信リソースR5は、特殊データの送信用に定常的に確保されたリソースではなく、特殊データの送信に使用されない場合には、例えば端末3−1が通常データの送信に使用することが許容される。
したがって、一時的、突発的にしか発生しない特殊データの送信用にリソースを定常的に確保しておくことによる、リソース利用効率の低下を回避あるいは抑制できる。よって、無線通信システム1において、低遅延なデータ伝送と、リソースの利用効率向上と、の両立を図ることができる。
更に、端末3−1は、割り当てられた通常データ送信リソースR6のうち特殊データ送信リソースR5とは重複しないリソースが有れば、当該リソースにて通常データを送信することが許容されるため、ULのスループット低下を抑制することもできる。
(基地局2の動作例)
次に、上述した無線通信システム1の基地局2に着目した動作例について、図6を参照して説明する。図6は、基地局2の動作例を示すフローチャートである。
図6に例示するように、基地局2は、無線フレームにおけるリソース配置を決定してよい(処理P31)。
例えば、基地局2は、図2又は図3に例示したように、無線フレームにおける、特殊データ送信許可要求リソースR3、特殊データ送信許可リソースR4、及び、特殊データ送信リソースR5の配置を決定してよい。
リソース配置が決定すると、基地局2は、例えば無線フレームにおいて各リソースR3〜R5を特定(又は識別)可能な情報を、例えば既述の報知信号によって、当該基地局2の無線エリア200に位置する各端末3に通知してよい(処理P32)。各リソースR3〜R5を特定(又は識別)可能な情報は、便宜的に、「リソース配置情報」と称してもよい。
報知信号の送信は、定期的でもよいし不定期でもよい。定期的な送信は、例示的に、必ずしも無線フレームのフレーム毎でなくてよい。例えば、無線フレームの送信周期よりも長い周期(別言すると、低い頻度)で報知信号が送信されてよい。
既述のとおり、報知信号リソースR2の情報は、制御信号リソースR1にてDLの制御信号によって端末3に通知されてよい。
通常時において、基地局2は、基地局2に接続している1以上の端末3がULのデータ送信に使用するリソースR6を通常のリソース割当手順に従ってスケジューリングしてよい。なお、「通常時」とは、基地局2に接続している端末3のいずれにおいても特殊データが発生していない状態を意味すると捉えてよい。
基地局2は、スケジューリングに成功すると、スケジューリング結果であるリソースR6の割当情報を、例えばDLの制御信号によって端末3に通知してよい(処理P33)。当該制御信号は、個々の端末3に宛てた個別の制御信号であってよい。
その後、基地局2は、当該リソースR6を割り当てた端末3がリソースR6を用いて送信したULの送信データを受信する。
一方で、基地局2は、特殊データ送信許可要求リソースR3での受信処理を行ない、特殊データの送信許可を要求する信号が受信、検出されたか否かを判定してよい(処理P34)。
特殊データの送信許可を要求する信号がリソースR3にて受信、検出されていれば(処理P34でYES)、基地局2は、特殊データの送信を許可するか否かを判定してよい(処理P35)。
特殊データの送信を許可すると判定した場合(処理P35でYES)、基地局2は、特殊データの送信許可を示す信号を、特殊データ送信許可リソースR4にて、要求元の端末3宛に送信してよい(処理P36)。
その後、基地局2は、特殊データの送信許可を示す信号を受信した端末3が特殊データ送信リソースR5にて送信した特殊データを受信してよい(処理P37)。
また、基地局2は、特殊データ送信リソースR5とは異なる通常データ送信リソースR6にて、特殊データの送信を行なう端末3とは異なる端末3が送信した通常のデータを受信してよい(処理P38)。
別言すると、基地局2は、端末3に割り当てた通常データ送信リソースR6のうち特殊データ送信リソースR5と重複する部分での通常データの受信処理は行なわなくてよい。
なお、処理P37及びP38の順序は不問であり、また、処理P37及びP38は並列に実施されても構わない。
処理P34において、特殊データの送信許可を要求する信号が受信、検出されていない場合(NO)、基地局2は、通常のリソース割当手順に従って割り当てたリソースR6を用いて端末3が送信した通常のデータを受信してよい(処理P39)。
また、処理P35において、特殊データの送信を許可しないと判定した場合(NO)も、基地局2は、通常のリソース割当手順に従って割り当てた通常データ送信リソースR6を用いて端末3が送信した通常のデータを受信してよい(処理P39)。
(端末3の動作例)
次に、上述した無線通信システム1の端末3に着目した動作例について、図7及び図8を参照して説明する。
図7は、特殊データの送信を行なう端末3(例えば図5における端末3−1)の動作に着目したフローチャートである。
一方、図8は、特殊データを送信し得る端末3とは異なる端末3であって、特殊データを送信し得る端末3に対して特殊データの送信が許可された場合にULのデータ送信処理を変更可能な端末3の動作例を示すフローチャートである。例えば、図5に例示した端末3−2が、図8に例示したフローチャートに従って動作すると捉えてよい。
(端末3−1の動作例)
図7に例示するように、端末3−1は、基地局2が送信した制御信号を例えば制御信号リソースR1にて受信すると(処理P51)、当該制御信号に、報知信号が送信される報知信号リソースR2の情報が設定されているか否かを判定してよい(処理P52)。
報知信号リソースR2の情報が設定されていれば(処理P52でYES)、端末3−1は、当該報知信号リソースR2の情報によって示される報知信号リソースR2にて、報知信号を受信する。
報知信号には、既述のように、特殊データ送信許可要求リソースR3、特殊データ送信許可リソースR4、及び、特殊データ送信リソースR5に関する情報が設定されていてよい。端末3−1は、当該報知信号を受信することで、リソースR3〜R5の情報を取得する(処理P53)。
その後、端末3−1は、基地局2宛に送信する特殊データが発生しているか否かを監視し(処理P54)、発生している場合(YES)、特殊データ送信許可要求リソースR3にて特殊データの送信許可を要求する信号を基地局2宛に送信してよい(処理P55)。
特殊データの送信許可を要求する信号を送信すると、端末3−1は、特殊データ送信許可リソースR4にて受信処理を行ない、当該送信許可を示す信号が受信されるか否かを監視してよい(処理P56)。
特殊データの送信許可を示す信号が受信されれば(処理P56でYES)、端末3−1は、特殊データ送信リソースR5にて、特殊データを基地局2宛に送信してよい(処理P57)。
特殊データの送信許可を示す信号が有る時間を経過しても受信されなければ(処理P56でNO)、端末3−1は、送信しようとしていた特殊データが、再度、特殊データとして送信する必要があるか否かを判断してよい(処理P58)。
当該判断が肯定的な判断結果であれば(処理P58でYES)、端末3−1は、処理P55へ移行して、特殊データの送信許可を要求する信号を特殊データ送信許可要求リソースR3にて再送してよい。
一方、送信しようとしていた特殊データが、もはや特殊データとしては送信する必要がないと判断される場合(処理P58でNO)、端末3−1は、当該データの送信を中止してよい。その後、端末3−1は、処理P51へ戻り、制御信号の受信、及び、他の特殊データの発生有無を監視してよい。
なお、処理P52において、報知信号にリソースR3〜R5の情報が設定されていなければ(NO)、端末3−1は、過去に取得したリソース情報の有無を確認してよい(処理P59)。
過去に取得したリソース情報が有れば(処理P59でYES)、端末3−1は、処理P54以降の処理を実行してよい。過去に取得したリソース情報が無ければ(処理P59でNO)、端末3−1は、処理P51へ戻ってよい。
(端末3−2の動作例)
次に、図8を参照して、上述した端末3−1に対して特殊データの送信が許可された場合にULのデータ送信処理を変更可能な端末3−2の動作例について説明する。
図8に例示するように、端末3−2は、基地局2が送信した制御信号を例えば制御信号リソースR1にて受信すると(処理P71)、当該制御信号に、報知信号リソースR2の情報が設定されているか否かを判定してよい(処理P72)。
報知信号リソースR2の情報が設定されていれば(処理P72でYES)、端末3−2は、当該情報によって示される報知信号リソースR2にて、報知信号を受信する。
報知信号には、特殊データ送信許可リソースR4、及び、特殊データ送信リソースR5に関する情報が設定されていてよい。端末3−2は、当該報知信号を受信することで、リソースR4及びR5の情報を取得する(処理P73)。
なお、端末3−2が受信する報知信号には、特殊データ送信許可要求リソースR3の情報が設定されていてもよい。例えば、端末3−2は、端末3−1と同様に、特殊データを送信し得る端末であってもよい。
また、端末3−2は、通常のリソース割当手順において制御信号によってULの通常データ送信リソースR6(例えば図2〜図4参照)が割り当てられているか否かを判定してよい(処理P74)。
判定の結果、ULの通常データ送信リソースR6が割り当てられていれば(処理P74でYES)、端末3−2は、処理P73で取得した情報を基に、当該リソースR6が特殊データ送信リソースR5と重複があるか否かを判定してよい(処理P75)。
重複が無いと判定した場合(処理P75でNO)、端末3−2は、通常のリソース割当手順において割り当てられた通常データ送信リソースR6を用いて、基地局2宛にデータ送信を行なってよい(処理P79)。
一方、通常データ送信リソースR6と特殊データ送信リソースR5との重複があると判定した場合(処理P75でYES)、端末3−2は、特殊データ送信許可リソースR4の受信処理を行なってよい(処理P76)。
なお、特殊データ送信許可リソースR4の情報は、端末3−1及び3−2に報知されているから、特殊データ送信許可リソースR4は、端末3−1及び2−3の双方において受信処理できる。
そして、端末3−2は、特殊データ送信許可リソースR4の受信処理によって、他の端末3−1宛に、特殊データの送信許可を示す信号が送信されているか否かを判定してよい(処理P77)。
別言すると、端末3−2は、特殊データ送信許可リソースR4の受信処理によって、通常データ送信リソースR6のうち特殊データ送信リソースR5と重複する部分が特殊データの送信に使用されるか否かを確実に検出できる。
特殊データの送信許可を示す信号が送信されていると判定した場合(処理P77でYES)、端末3−2は、通常のリソース割当手順で割り当てられた通常データ送信リソースR6でのULのデータ送信は行なわない(処理P78)。別言すると、端末3−2は、通常データ送信リソースR6を用いたULの送信処理を停止してよい。
端末3−2は、通常のリソース割当手順で割り当てられた通常データ送信リソースR6のうち、特殊データ送信リソースR5と重複しないリソースがあれば、当該リソースにてULのデータ送信を行なってよい(処理P78)。
なお、図4(A)及び図4(C)に例示したように、端末3−2に割り当てられた通常データ送信リソースR6の全部が、特殊データ送信リソースR5と同じかリソースR5に包含されている場合がある。
この場合は、特殊データ送信リソースR5と重複しないリソースが存在しないので、端末3−2は、通常データ送信リソースR6を用いたULのデータ送信を行なわず、リソースR6でのULの送信処理を停止してよい。
一方、特殊データの送信許可を示す信号が送信されていないと判定した場合(処理P77でNO)、端末3−2は、リソースR5及びR6に重複が無い場合と同様に、通常データ送信リソースR6にて通常データの送信を行なってよい(処理P79)。
この場合、端末3−2は、通常データ送信リソースR6のうち特殊データ送信リソースR5と重複する部分を含む無線リソースを用いて通常データの送信を行なうことが許容される。
なお、処理P72において、受信した制御信号に報知信号リソースR2の情報が設定されていなければ(NO)、端末3−2は、過去に取得したリソース情報の有無を確認してよい(処理P80)。
過去に取得したリソース情報が有れば(処理P80でYES)、端末3−2は、処理P74以降の処理を実行してよい。過去に取得したリソース情報が無ければ(処理P80でNO)、端末3−2は、処理P71へ戻ってよい。
また、処理P74において、ULの通常データ送信リソースR6が割り当てられていない場合(NO)も、端末3−2は、処理P71へ戻ってよい。
(特殊データの送信許可を要求する信号の設計例)
次に、上述した特殊データの送信許可を要求する信号(割り込み信号)の設計例について、図9及び図10を参照して説明する。
端末3が基地局2に特殊データの送信許可を要求するために送信する割り込み信号には、例えば、3GPP TS36.211で定義される物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)に準じた信号を用いてよい。
例えば、決められたRB数分の周波数領域を使用した異なる時間長(例えば、133μs,800μs,1600μs等)のZadoff−Chuシーケンス(符号系列)のいずれかを、特殊データの送信許可を要求するために送信する信号に用いてよい。
図10に例示するように、シーケンスの末尾の一部がサイクリックプレフィクス(CP)としてシーケンスの先頭に付加されてよい。CP長は、3GPP TS36.211に規定されている。
どれだけのRB数分の周波数領域を使い、どの程度の長さのZadoff−Chuシーケンスを使い、どの程度の長さのCPを使うかは、上位レイヤの信号で定め、報知情報として端末3に通知されるものとすることができる。なお、「上位レイヤ」は、物理レイヤよりも上位のレイヤを意味する。
特殊データを送信し得る端末3を収容するセルがマクロセルよりも小さく、また、当該端末3が何らかの監視装置であって高速移動しないと仮定すれば、133μsの長さのシーケンスを用いるのが好ましい選択であるかもしれない。
特殊データ送信許可要求リソースR3は、図9に模式的に例示するように、指定するRB数分の周波数領域と、使用する割り込み信号の長さに電波伝搬遅延時間のマージンを加えた時間領域と、で規定されてよい。
非限定的な一例として、6RB分に相当する1.08MHzの周波数領域で、133μsのZadoff−Chuシーケンスを用い、CP長が14.6μsであり、9.4μsの伝搬遅延時間マージンをとる場合を想定する。
この場合、1.08MHzの周波数領域において(133μs+14.6μs+9.4μs)=157μsの時間長の領域が、特殊データ送信許可要求リソースR3に設定されてよい。
一方、3GPPが現在定めている無線フレームフォーマットに準じなくてもよい場合においては、使用する周波数領域やシーケンスの長さ等は比較的自由に設定できる。
この場合でも、3GPP TS36.211で定義されるPRACHに準じたZadoff−Chuシーケンスを用いることとすれば、特殊データの送信許可を要求する割り込み信号が複数の端末3間で競合、衝突した場合にも、検出特性の優れたシステム設計が可能である。
3GPP TS36.211によれば、端末3は64個のシーケンスから1つを選んでPRACH信号として送信する。既存のPRACH信号と本実施形態の割り込み信号との競合、衝突が問題になる場合であっても、新たなルートシーケンス番号を定義して既存のシーケンスと競合しないように設定したり、利用可能なシーケンスの数を適切に選定することで対応可能である。
(特殊データの送信許可を示す信号の例)
次に、図11(A)〜図11(E)を参照して、特殊データの送信許可を示す信号の幾つかの例について説明する。
図11(A)は、特殊データの送信の許可及び不許可を1ビットの1(許可)/0(不許可)で表した信号の例である。この場合、通信路のエラーに対して耐性が低いので、様々な誤り対策の符号化を施してもよい。例えば図11(B)に示すように、許可を“111”、不許可を“000”の3ビットで表すこととしてもよい。
通信路のエラー耐性を更に高めるに、図11(C)に模式的に例示するように、更に長いシーケンスを2つ用意して、一方のシーケンスで「許可」を示し、他方のシーケンスで「不許可」を示すこととしてもよい。
端末3は、許可又は不許可に対応するシーケンスとの相関演算を行なうことで許可か不許可を判断してよい。そのため、2つのシーケンスには、負の相関関係があるものが好ましい。
上述した“1”/“0”や“111”/“000”は、負の相関関係のある符号の一例である。また、特殊データの送信を許可する場合に信号を送信し、不許可の場合には信号を送信しない設定としてもよい。
また、特殊データの送信許可を示す信号に、特殊データが送信され得るリソースR5の情報を含ませる場合、より高度な誤り訂正符号化処理を施すことも選択肢の1つである。
例えば図11(D)に模式的に示すように、送信側である基地局2は、特殊データの送信許可を示す信号に含ませるリソースR5の情報に、復号誤りを判定可能にするためのCRC符号を付加し、信号全体を誤り訂正符号化して送信してよい。
受信側である端末3では、受信した信号の誤り訂正符号を復号し、CRC符号により復号誤り無くリソースR5の情報が得られた場合、当該リソースR5において特殊データの送信が基地局2によって許可されたと判断できる。
特殊データの送信が「不許可」の場合、基地局2は、例えば、“0”を示すアドレス情報をリソースR5の情報として設定してよい。端末3は、リソースR5の情報として“0”を示すアドレス情報を受信すれば「不許可」と判断してよい。
また、「端末3がリソースR4で受信した信号を正しく復号できなかった場合、端末3は、特殊データの送信が不許可であるとして動作する」設定であれば、基地局2は、特殊データの送信が不許可の場合にはリソースR4にて信号を送信しないこととしてもよい。信号を送信しないことで「不許可」であることを端末3に暗示的に通知することができる。
例えば図11(E)に模式的に示すように、基地局2は、図11(A)〜図11(D)に例示した通知手法のいずれかによって「許可」を端末3に通知し、「不許可」の場合には、信号を送信しないことで「不許可」であることを端末3に暗示的に通知してよい。
(報知信号の設計例)
次に、図12及び図13を参照して、上述した報知信号の設計例について説明する。
既述の動作例を実現するために、基地局2は、特殊データ送信許可要求リソースR3、特殊データ送信許可リソースR4、及び、特殊データ送信リソースR5に関する情報を、例えば報知信号を用いて無線エリア200に位置する1以上の端末3に事前に通知する。
リソースR3〜R5に関する情報は、図12(A)〜図12(C)に例示するように、それぞれ、個別の報知信号に設定されてもよいし、図13に例示するように、1つの共通の報知信号に設定されてもよい。
図12(A)に例示する報知信号は、リソースR3に関する情報R3INFOを含む報知信号であることを示す識別子IDR3と、リソースR3に関する情報R3INFOと、を含む。
図12(B)に例示する報知信号は、リソースR4に関する情報R4INFOを含む報知信号であることを示す識別子IDR4と、リソースR4に関する情報R4INFOと、を含む。
図12(C)に例示する報知信号は、リソースR5に関する情報R5INFOを含む報知信号であることを示す識別子IDR5と、リソースR5に関する情報R5INFOと、を含む。
一方、図13に例示する報知信号は、当該報知信号が特殊データの送信に関する情報であることを示す識別子IDと、リソースR3〜R5のそれぞれに関する情報R3INFO〜R5INFOと、を含む。
基地局2は、以上のような報知信号が送信されるリソースR2に関する情報を、制御信号リソースR1で送信する制御信号によって端末3に通知する(例えば図6の処理P32)。
端末3は、制御信号リソースR1にて制御信号を受信することによって、報知信号が送信されるリソースR2に関する情報を取得し、当該リソースR2の受信処理を行なうことで、報知信号を取得する。
そして、端末3は、報知信号に付与されている識別子によって当該報知信号がどのような情報を含む信号であるかを識別する。識別子は、他の情報の識別子とは異なる識別子に設定されてよい。例えば、他の情報の識別子として用いられているシーケンスとは異なるシーケンスを、上述した識別子に用いてよい。
なお、図13に例示した報知信号に含めるリソースの情報は、リソースR3〜R5の一部で足りる場合もある。例えば、既述のとおり、各リソースR3〜R5の間に何らかの関連付けが設定されているような場合である。
また、特殊データの送信に関連するリソースR3〜R5の情報の全部又は一部は、報知信号に代えて、端末3毎の個別の信号によって端末3に通知されてもよい。
例えば、通常のリソース割当手順において端末3宛に個別的に送信されるリソースR6の割当情報に、当該リソースR6に特殊データの送信に用いられる可能性のあるリソースR5が含まれるか否かを示すフラグ情報が付加されてよい。
別言すると、基地局2は、端末3に対してリソースR6を割り当てる手順において、当該リソースR6に特殊データ送信リソースR5と重複する部分が含まれることを示すフラグ情報を当該端末3に通知してよい。
端末3は、当該フラグ情報によって、通常のリソース割当手順で割り当てられたリソースR6に、特殊データの送信に用いられる可能性のあるリソースR5が含まれているか否かを識別することができる。
リソース(R3〜R5)に関する情報(以下、便宜的に「リソース情報」と略称することがある。)は、時間領域及び周波数領域において区切られたリソースの番号として表示されてもよいし、リソース番号のビットマップとして表示されてもよい。
例えば図14(A)に示すように、時間領域及び周波数領域で区切られる各リソースにシリアル番号が付与されてよい。シリアル番号は、時間領域及び周波数領域においてリソースを識別する識別子の一例である。
リソース情報は、リソースのシリアル番号によって表示されてもよいし、図14(B)に例示するように、シリアル番号に対応するビットマップとして表すことができる。
例えばシリアル番号が「10」及び「11」の2つのリソースをリソースR3〜R5のいずれかに設定する場合、図14(B)に例示するように、10番目と11番目の2ビットを「1」に設定したビットマップでリソース情報が表示されてよい。
あるいは、図14(C)に例示するように、リソース情報は、リソースの開始位置と終了位置とをシリアル番号で表示した情報であってもよい。
また、図15(A)に例示するようにリソースを周波数及び時間それぞれのインデクスで識別する場合、図15(B)に例示するように、リソース情報は、リソースの開始位置と終了位置とを周波数及び時間のインデクスの組み合わせで表示した情報としてもよい。
(第1変形例)
特殊データを送信し得る端末3が無線エリア200に2台以上存在する場合、特殊データの送信に関連するリソースR3〜R5は、それぞれ、複数設定されてもよい。
例えば図16に模式的に示すように、無線フレームにおいて、特殊データ送信許可要求リソースR3、特殊データ送信許可リソースR4、及び、特殊データ送信リソースR5がそれぞれ2つずつ設定されてよい。なお、図16の例では、2つのリソースR3をリソースR3−1及びR3−2として区別している。リソースR4及びR5についても同様である。
ただし、特殊データ送信許可要求リソースR3、特殊データ送信許可リソースR4、及び、特殊データ送信リソースR5の全部又は一部は、特殊データを送信し得る端末3毎に設定されてよい。
個々の端末3が、どのリソースを使用するかは、例えば、当該端末3のハードウェア設定として予め決めておいてもよいし、上位レイヤの信号を用いて基地局2から端末3に指示を与えてもよい。
なお、「上位レイヤの信号」は、物理的な無線フレームにおいて特定のリソースを使用して伝送される物理レイヤの制御信号とは異なる。ただし、「上位レイヤの信号」は、個々の端末3が、無線フレームにおいてどのリソースを使用して通信を行なうかを制御するという意味で広義の「制御信号」と捉えることも可能である。
また、端末3がどのリソースを使用するかは決めずに、特殊データの送信を行なおうとしている端末3が、複数のリソースから1つのリソースを選択して、選択したリソースにて特殊データ送信に関する信号を送信するようにしてもよい。リソースの選択は、何らかの規則に従って行なわれてもよいし、乱数等を用いてランダムに行なわれてもよい。
以上によって、異なる複数の端末3から送信された、複数の特殊データ送信に関する信号が競合して衝突することを回避したり、その発生確率を低減したりすることができる。
以下、図16に例示した無線フレーム構成での通信動作について説明する。なお、図16において、特殊データ送信許可要求リソースR3−1には、特殊データ送信許可リソースR4−1及び特殊データ送信リソースR5−1が対応する設定であると仮定する。また、特殊データ送信許可要求リソースR3−2には、特殊データ送信許可リソースR4−2及び特殊データ送信リソースR5−2が対応する設定であると仮定する。
特殊データを送信しようとする端末3は、予め設定されているか、上位レイヤで指示されたか、あるいはランダムに選択したリソースR3−1又はR3−2にて、特殊データの送信許可を要求する信号を基地局2宛に送信してよい。
基地局2は、特殊データの送信を端末3に許可する場合、特殊データの送信許可を要求する信号を受信したリソースR3−1又はR3−2に対応したリソースR4−1又はR4−2にて、特殊データの送信許可を示す信号を要求元端末3宛に送信してよい。
特殊データの送信許可を要求する信号を送信した端末3は、当該信号を送信したリソースR3−1又はR3−2に対応したリソースR4−1又はR4−2にて特殊データの送信許可を示す信号を受信する。
特殊データの送信許可を示す信号を受信した端末3は、当該信号を受信したリソースR4−1又はR4−2に対応したリソースR5−1又はR5−2にて、基地局2宛に特殊データの送信を行なってよい。
他の端末3は、通常のリソース割当手順で基地局2によって割り当てられた通常データ送信リソースR6が、特殊データ送信リソースR5−1及びR5−2の一方又は双方と重複があるか否かを判定する。
重複があると判定した場合、当該他の端末3は、リソースR6と重複のあるリソースR5−1及び/又はR5−2に対応するリソースR4−1及び/又はR4−2にて、特殊データの送信許可を示す信号が送信されているか否かを確認してよい。
特殊データの送信許可を示す信号が送信されていれば、当該他の端末3は、リソースR4−1及び/又はR4−2に対応するリソースR5−1及び/又はR5−2と重複するリソースR6を用いたULの送信は行なわない。
当該他の端末3は、割り当てられたリソースR6のうち、リソースR4−1及び/又はR4−2に対応するリソースR5−1及び/又はR5−2と重複しないリソースが存在すれば、当該リソースにてULの送信を行なってよい。
(第2変形例)
図16の例では、無線フレームにおいて、リソースR3〜R5のそれぞれが複数設定されたが、例えば図17に模式的に示すように、リソースR3〜R5のうち複数設定するリソースはリソースR5に限られてもよい。
例えば、特殊データ送信許可要求リソースR3、及び、特殊データ送信許可リソースR4は、図2の例と同様に、いずれも無線フレームにおいて1つだけ設定され、特殊データ送信リソースR5は、図16の例と同様に、複数設定されてもよい。
図17の例では、基地局2は、特殊データの送信を許可する場合、複数の特殊データ送信リソースR5−1及びR5−2のうちの1つ(例えばR5−1)に関する情報を、特殊データ送信許可リソースR4で送信する信号と共に送信してよい。
特殊データを送信する端末3は、送信許可と共に通知されたリソースR5−1に関する情報を基に、特殊データをリソースR5−1にて基地局2宛に送信してよい。他の端末3は、リソースR4で送信された信号の受信処理を行なうことによって、リソースR5−1にて特殊データの送信が許可されたことを認知できる。
したがって、当該他の端末3は、通常のリソース割当手順で基地局2によって割り当てられた通常データ送信リソースR6のうち、リソースR5−1と重複するリソースでの送信は行なわない。
リソースR6のうちリソースR5−1と重複しないリソースが存在すれば、当該他の端末3は、リソースR5−1と重複しないリソースにてULの送信を行なってよい。
上述した例では、基地局2が、複数の端末3から同時に送信された、特殊データの送信許可を要求する信号を検出可能な場合に、それぞれの要求に対して異なる特殊データ送信リソースR5を指定して特殊データの送信許可を行なうことができる。
なお、図16及び図17により上述した各変形例は、図2の例と同様のTDDベースのフレーム構成を前提としているが、図3に例示したFDDベースの無線フレーム構成が前提であっても、同様の動作が可能である。
(基地局2の構成例)
次に、図18を参照して、上述した実施形態に係る基地局2の構成例を説明する。図18に示す基地局2は、例示的に、アンテナ20、送受信号分離器21、送信信号生成器22、無線(RF)送信機23、無線(RF)受信機24、受信信号処理器25、制御部26、及び、記憶部27を備えてよい。
アンテナ20は、端末3宛にDLの無線信号を送信し、また、端末3が送信したULの無線信号を受信する。
送受信号分離器21は、RF送信機23から入力された送信無線信号をアンテナ20へ出力し、また、アンテナ20から入力された受信無線信号をRF受信機24に出力する。送受信号分離器21は、「デュプレクサ21」と称してもよい。
デュプレクサ21によって、アンテナ20をRF送信機23とRF受信機24とで共用することができる。ただし、デュプレクサ21を用いずに、RF送信機23とRF受信機24とで個別のアンテナ20が基地局2に備えられてもよい。
送信信号生成器22は、例示的に、制御部26において生成された情報からDLの送信信号(例示的に、ベースバンド信号)を生成する。送信信号生成器22が生成する送信信号には、端末3宛に報知する報知信号や端末3に通知する通知信号が含まれてよい。
RF送信機23は、例示的に、送信信号生成器22で生成された送信信号を無線信号に変換(「アップコンバート」と称してもよい。)してデュプレクサ21へ出力する。送信無線信号は、RF送信機23において例えば高出力増幅器(HPA)を用いて所定の送信電力に増幅されてよい。
RF受信機24は、例示的に、デュプレクサ21から入力された受信無線信号を例えばベースバンド信号に変換(「ダウンコンバート」と称してもよい。)して受信信号処理器25に出力する。
受信無線信号は、RF受信機24において例えば低雑音増幅器(LNA)を用いて増幅されてよい。受信無線信号には、端末3が特殊データの送信許可を基地局2に要求する信号や、特殊データの送信許可を受けた端末3が実際に送信した特殊データが含まれてよい。
制御部26は、例示的に、端末3に対するリソースの割り当てを制御する。リソースの割り当て制御には、特殊データの送信に関連するリソース(R3〜R5)の設定が含まれてよい。また、制御部26は、通常データに関する信号処理、及び、特殊データに関する信号処理を実施してよい。
特殊データに関する信号処理には、例示的に、特殊データの送信許可を要求する信号の検出や、特殊データの送信許可を示す信号の生成、特殊データの検出等が含まれてよい。
そのため、制御部26は、例示的に、無線リソース割当制御部261、報知・通知メッセージ生成部262、特殊データ送信許可要求検出部263、特殊データ送信可否判断部264、及び、データ検出部265を備えてよい。
無線リソース割当制御部261は、「スケジューラ261」と称してもよい。スケジューラ261は、設定部の一例であり、無線エリア200における無線フレームフォーマットに既述のリソースR1〜R6を設定することが可能である。
例えば、スケジューラ261は、無線フレームのDL通信に使用可能なDLリソースにおいて、制御信号リソースR1及び報知信号リソースR2を設定してよい。また、スケジューラ261は、無線フレームのUL通信に使用可能なULリソースにおいて、特殊データ送信許可要求リソースR3、及び、特殊データ送信リソースR5を設定してよい。更に、スケジューラ261は、無線フレームのDL通信に使用可能なDLリソースにおいて、特殊データ送信許可リソースR4を設定してよい。
報知・通知メッセージ生成部262は、例示的に、設定したリソースR3〜R5に関する情報を端末3に報知又は通知するためのメッセージを生成する。生成したメッセージは、送信信号生成器22に入力されてよい。
また、報知・通知メッセージ生成部262は、特殊データの送信許可を要求する信号が検出されて、特殊データの送信を許可する場合に、特殊データの送信許可を示すメッセージを生成してよい。
特殊データの送信許可を要求する信号の検出は、例示的に、特殊データ送信許可要求検出部263によって行なわれてよい。また、特殊データの送信を許可するか否かは、例示的に、特殊データ送信可否判断部264によって判断されてよい。
例えば、特殊データ送信許可要求検出部263は、受信信号処理器25から入力された受信信号において、特殊データの送信許可を要求する信号を検出してよい。検出結果は、特殊データ送信可否判断部264に出力されてよい。
特殊データ送信可否判断部264は、特殊データ送信許可要求検出部263にて特殊データの送信許可を要求する信号が検出されていると、当該要求に対して特殊データの送信を許可するか否かを判断してよい。判断結果が「許可」である場合に、報知・通知メッセージ生成部262によって、特殊データの送信許可を示すメッセージが生成される。
データ検出部265は、例示的に、受信信号処理器25から入力された受信信号において、端末3が送信した通常データあるいは特殊データを検出する。
データ検出部265は、受信信号処理器25と共に受信部の一例を成すと捉えてもよい。受信部は、受信部は、端末3−2が特殊データ送信リソースR5を使用して送信した特殊データを受信する。
また、受信部は、端末3−1に割り当てた通常データ送信リソースR6のうち特殊データ送信リソースR5と重複する部分での通常データの受信処理は行なわなくてよい。重複する部分とは異なる無線リソースを使用して端末3−1が送信した通常データについては、受信部は受信処理してよい。
記憶部27は、上述した各部261〜265の処理に用いられる情報やデータ、各部261〜265が生成した情報やデータを記憶してよい。
例えば、無線フレームにおいて設定したリソースR3〜R5の情報や、図12や図13に例示した報知信号に設定する識別子等が、記憶部27に記憶されてよい。
なお、制御部26は、図18において図示していない基地局2としての他の機能と共にプロセッサによる処理で実現されてよい。
例えば、制御部26は、CPUやDSP、MPU等の演算能力を備えたプロセッサが、記憶部27に記憶されたプログラム(ソフトウェア又はアプリケーションと称してもよい)やデータを読み取って動作することで具現されてよい。
「CPU」は、「central processing unit」の略称であり、「DSP」は、「digital signal processor」の略称であり、「MPU」は、「micro processing unit」の略称である。演算能力を備えたプロセッサは、「プロセッサデバイス」、「プロセッサ回路」、あるいは、「コンピュータ」と称してもよい。
記憶部27には、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)等のいずれか1つ以上が用いられてよい。
記憶部27に記憶されるプログラムには、図18に例示した制御部26としての各種機能の全部又は一部を実現可能なプログラム(便宜的に「基地局制御プログラム」と称してよい。)が含まれてよい。基地局制御プログラムを成すプログラムコードの全部又は一部は、オペレーティングシステム(OS)の一部として記述されてもよい。
CPU等のプロセッサが、記憶部27に記憶された基地局制御プログラムを読み出して実行することにより、基地局2の制御部26としての各種機能が具現される。
記憶部27に記憶されるプログラムやデータは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供されてよい。記録媒体の一例としては、フレキシブルディスク、CD−ROM,CD−R,CD−RW,MO,DVD、ブルーレイディスク、ポータブルハードディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等が上げられる。
また、記憶部27に記憶されるプログラムやデータは、サーバ等から通信回線を介して提供(例えば、ダウンロード)されてもよい。
(端末3の構成例)
次に、図19及び図20を参照して、上述した実施形態に係る端末3の構成例を説明する。なお、図19は、特殊データを送信し得る端末3の構成例を示すブロック図である。例えば、図5に例示した端末3−2、別言すると、図7に例示したフローチャートを実行可能な端末3−2が、図19に例示した構成を備えてよい。
一方、図20は、特殊データを送信し得る端末3に対して特殊データの送信が許可された場合にULのデータ送信処理を変更可能な端末3の構成例を示すブロック図である。例えば、図5に例示した端末3−1、別言すると、図8に例示したフローチャートを実行可能な端末3−2が、図20に例示した構成を備えてよい。
ただし、端末3は、図19及び図20に例示した構成を複合的に備えていてもよい。別言すると、端末3は、特殊データの送信し得る端末であり、かつ、他の端末3に対して特殊データの送信が許可された場合にULの送信処理を変更可能な端末であってもよい。
以下、便宜的に、図19に例示する構成を端末3−2の構成として説明し、図20に例示する構成を端末3−1の構成として説明する。
(端末3−2の構成例)
図19に例示するように、端末3−2は、アンテナ30、送受信号分離器(デュプレクサ)31、送信信号生成器32、RF送信機33、RF受信機34、受信信号処理器35、制御部36A、及び、記憶部37Aを備えてよい。
アンテナ30は、基地局2宛にULの無線信号を送信し、また、基地局2が送信したDLの無線信号を受信する。
デュプレクサ31は、RF送信機33から入力された送信無線信号をアンテナ30へ出力し、また、アンテナ30から入力された受信無線信号をRF受信機34に出力する。
デュプレクサ31によって、アンテナ30をRF送信機33とRF受信機34とで共用することができる。ただし、デュプレクサ31を用いずに、RF送信機33とRF受信機34とで個別のアンテナ30が端末3−2に備えられてもよい。
送信信号生成器32は、例示的に、制御部36Aにおいて生成された情報からULの送信信号(例示的に、ベースバンド信号)を生成する。送信信号生成器32が生成する送信信号には、例示的に、特殊データの送信許可を要求する信号や、通常データ、特殊データ等が含まれてよい。
RF送信機33は、例示的に、送信信号生成器32で生成された送信信号を無線信号に変換(「アップコンバート」と称してもよい。)してデュプレクサ31へ出力する。送信無線信号は、RF送信機33において例えば高出力増幅器(HPA)を用いて所定の送信電力に増幅されてよい。
RF受信機34は、例示的に、デュプレクサ31から入力された受信無線信号を例えばベースバンド信号に変換(「ダウンコンバート」と称してもよい。)して受信信号処理器35に出力する。
受信無線信号は、RF受信機34において例えば低雑音増幅器(LNA)を用いて増幅されてよい。受信無線信号には、例示的に、基地局2が送信した、制御信号や報知信号、特殊データの送信許可を示す信号等が含まれてよい。
制御部36Aは、例示的に、DLの受信処理及びULの送信処理を制御する。DLの受信処理には、例示的に、基地局2から受信された制御信号や報知信号、通知信号の内容を解析する処理が含まれてよい。
ULの送信処理には、例示的に、通常データに関する信号処理、及び、特殊データに関する信号処理が含まれてよい。特殊データに関する信号処理には、例示的に、特殊データの送信許可を基地局2に要求する信号を生成する処理や、基地局2から特殊データの送信許可を受けたことによって特殊データを基地局2宛に送信する処理が含まれてよい。
そのため、制御部36Aは、例示的に、特殊データ発生検出部361、特殊データ送信許可要求信号生成部362、特殊データ送信信号生成部363、及び、報知・通知メッセージ解析部364を備えてよい。
特殊データ発生検出部361は、例示的に、端末3−2から基地局2宛に送信する特殊データの発生を検出する。特殊データが発生したか否かは、例示的に、記憶部37Aに特殊データが記憶されたか否かを監視することで検出されてよい。また、特殊データの発生によって制御部36Aに対し割り込みが発生するように端末3−2を構成しておき、その割り込みを、特殊データ発生検出部361にて検出するようにしてもよい。検出結果は、特殊データ送信許可要求信号生成部362に与えられてよい。また、発生した特殊データは、特殊データ送信信号生成部363に与えられてよい。
特殊データ送信許可要求信号生成部362は、特殊データ発生検出部361にて特殊データの発生が検出されると、特殊データの送信許可を基地局2に要求する信号を生成してよい。
報知・通知メッセージ解析部364は、例示的に、受信信号処理器35から入力された受信信号に含まれる報知メッセージを解析し、特殊データの送信に関連するリソース情報を取得してよい。取得したリソース情報は、例えば、記憶部37Aに記憶されてよい。
また、報知・通知メッセージ解析部364は、特殊データの送信許可を要求する信号を基地局2宛に送信した後、特殊データの送信許可を示す信号が受信されたか否かを監視してよい。監視結果は、特殊データ送信信号生成部363に与えられてよい。
特殊データ送信信号生成部363は、報知・通知メッセージ解析部364において特殊データの送信許可を示す信号の受信が検出されると、基地局2宛に送信する特殊データの信号を生成する。
記憶部37Aは、上述した各部361〜364の処理に用いられる情報やデータ、各部361〜365が生成した情報やデータを記憶してよい。
例えば、報知信号から取得されたリソースR3〜R5の情報や、図12や図13に例示した報知信号に設定される識別子等が、記憶部37Aに記憶されてよい。
なお、制御部36Aは、基地局2の制御部26と同様に、図19において図示していない端末3−2としての他の機能と共にプロセッサによる処理で実現されてよい。
例えば、制御部36Aは、CPUやDSP、MPU等の演算能力を備えたプロセッサが、記憶部37Aに記憶されたプログラムやデータを読み取って動作することで具現されてよい。演算能力を備えたプロセッサは、「プロセッサデバイス」、「プロセッサ回路」、あるいは、「コンピュータ」と称してもよい。
記憶部37Aには、RAM、ROM、HDD、SSD等のいずれか1つ以上が用いられてよい。記憶部37Aに記憶されるプログラムには、図19に例示した制御部36Aとしての各種機能の全部又は一部を実現可能なプログラム(便宜的に「端末制御プログラム」と称してよい。)が含まれてよい。端末制御プログラムを成すプログラムコードの全部又は一部は、オペレーティングシステム(OS)の一部として記述されてもよい。
CPU等のプロセッサが、記憶部37Aに記憶された端末制御プログラムを読み出して実行することにより、端末3−2の制御部36Aとしての各種機能が具現される。
記憶部37Aに記憶されるプログラムやデータは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供されてよい。記録媒体の一例としては、フレキシブルディスク、CD−ROM,CD−R,CD−RW,MO,DVD、ブルーレイディスク、ポータブルハードディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等が上げられる。
また、記憶部37Aに記憶されるプログラムやデータは、サーバ等から通信回線を介して提供(例えば、ダウンロード)されてもよい。
(端末3−1の構成例)
一方、図20に例示する端末3−1は、図19に例示した端末3−2の構成例に比して、制御部36B及び記憶部37Bを備える点が異なる。
制御部36Bは、例示的に、DLの受信処理及びULの送信処理を制御する。DLの受信処理には、例示的に、基地局2から受信された制御信号や報知信号、通知信号の内容を解析する処理が含まれてよい。解析処理には、基地局2が他の端末3−1宛に送信した、特殊データの送信許可を示す信号を検出して解析する処理が含まれてよい。
ULの送信処理には、例示的に、通常データに関する信号処理が含まれてよい。通常データに関する信号処理には、例示的に、特殊データ送信リソースR5と重複するリソースR6を用いたUL送信処理を停止する処理や、特殊データ送信リソースR5と重複しないリソースR6を用いてUL送信を実施する処理が含まれてよい。
そのため、制御部36Bは、例示的に、報知・通知メッセージ解析部365、及び、送信データ生成部366を備えてよい。
報知・通知メッセージ解析部365は、例示的に、受信信号処理器35から入力された受信信号に含まれる報知メッセージを解析し、特殊データの送信に関連するリソース情報を取得する。取得したリソース情報は、記憶部37Bに記憶されてよい。
また、報知・通知メッセージ解析部365は、例示的に、基地局2から受信された制御メッセージを解析して、自端末3−1に割り当てられた通常データ送信リソースR6の有無を判定してよい。
リソースR6の割り当てが有ると判定した場合、報知・通知メッセージ解析部365は、報知メッセージから取得したリソース情報を基に、割り当てられたリソースR6の全部又は一部が特殊データ送信リソースR5と重複するか否かを更に判定してよい。
送信データ生成部366は、例示的に、特殊データの送信許可を示す信号の受信が報知・通知メッセージ解析部365において検出されていない場合、自端末3−1に割り当てられたリソースR6にて通常データを送信する信号を生成してよい。
特殊データの送信許可を示す信号の受信が報知・通知メッセージ解析部365において検出された場合、送信データ生成部366は、自端末3−1に割り当てられたリソースR6のうち特殊データ送信リソースR5と重複するリソースでのUL送信を行なわない。
自端末3−1に割り当てられたリソースのうち特殊データ送信リソースR5と重複しないリソースが存在すれば、送信データ生成部366は、当該重複しないリソースを用いて通常データを送信する信号を生成してよい。
送信データ生成部366及び送信信号生成器23は、送信部の一例を成すと捉えてもよい。送信部は、無線エリア200において基地局2から割り当てられた通常データ送信リソースR6にて通常データ信号基地局2宛に送信する。
そして、リソースR6のうちリソースR5と重複するリソースでのUL送信を行なわないことは、制御部36Bが、リソースR6のうちリソースR5と重複する部分を用いた通常データの送信を行なわないように送信部を制御することに相当すると捉えてもよい。
また、特殊データの送信許可が検出されていない場合に通常データを送信する信号を生成することは、制御部36Bが、リソースR6及びR5の重複部分を含むリソースを用いて、通常データの送信を行なうように送信部を制御することに相当すると捉えてもよい。
なお、制御部36Bは、端末3−2の制御部36Aと同様に、図20において図示していない端末3−1としての他の機能と共にプロセッサによる処理で実現されてよい。
例えば、制御部36Bは、CPUやDSP、MPU等の演算能力を備えたプロセッサが、記憶部37Bに記憶されたプログラムやデータを読み取って動作することで具現されてよい。演算能力を備えたプロセッサは、「プロセッサデバイス」、「プロセッサ回路」、あるいは、「コンピュータ」と称してもよい。
記憶部37Bには、RAM、ROM、HDD、SSD等のいずれか1つ以上が用いられてよい。記憶部37Bに記憶されるプログラムには、図20に例示した制御部36Bとしての各種機能の全部又は一部を実現可能なプログラム(便宜的に「端末制御プログラム」と称してよい。)が含まれてよい。端末制御プログラムを成すプログラムコードの全部又は一部は、オペレーティングシステム(OS)の一部として記述されてもよい。
CPU等のプロセッサが、記憶部37Bに記憶された端末制御プログラムを読み出して実行することにより、端末3−1の制御部36Bとしての各種機能が具現される。
記憶部37Bに記憶されるプログラムやデータは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供されてよい。記録媒体の一例としては、フレキシブルディスク、CD−ROM,CD−R,CD−RW,MO,DVD、ブルーレイディスク、ポータブルハードディスク、USBメモリ等が上げられる。
また、記憶部37Bに記憶されるプログラムやデータは、サーバ等から通信回線を介して提供(例えば、ダウンロード)されてもよい。