JP6658418B2 - 導電性パターンの形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性パターンの形成方法に関し、より詳しくは、導電性パターンを構成する導電性細線の線幅を低下でき、導電性パターンの導電性を改善できる導電性パターンの形成方法に関する。
特許文献1〜3は、コーヒーステイン現象を利用して、微細な導電性細線からなる導電性パターンを形成している。
WO2011/051952 特開2014−120353号公報 WO2015/005457
導電性パターンを構成する導電性細線の線幅を低下する観点で更なる改善の余地が見出された。また、導電性パターンの導電性を改善する観点でも更なる改善の余地が見出された。
そこで本発明の課題は、導電性パターンを構成する導電性細線の線幅を低下でき、導電性パターンの導電性を改善できる導電性パターンの形成方法を提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
基材上に金属ナノ粒子を含むインクを付与し、乾燥することで前記基材上に導電性パターンを形成する際に、
前記基材の表面エネルギーは40mN/m以下であり、
前記インクにおける前記金属ナノ粒子の含有量は5wt%以下であり、且つ前記インクは分散媒として1種又は複数種の疎水性有機溶剤をインクに対する総含有量として95wt%以上含有することを特徴とする導電性パターンの形成方法。
2.
前記インクは、前記金属ナノ粒子を安定分散できる疎水性有機溶剤を含むことを特徴とする前記1記載の導電性パターンの形成方法。
3.
前記インクは、1種の疎水性有機溶剤を、90wt%以上の含有量で含有することを特徴とする前記1又は2記載の導電性パターンの形成方法。
4.
前記インクに90wt%以上の含有量で含有される前記1種の前記疎水性有機溶剤は、前記金属ナノ粒子を安定分散できる疎水性有機溶剤であることを特徴とする前記3記載の導電性パターンの形成方法。
5.
前記インクの乾燥過程において該インクに含有される前記金属ナノ粒子を該インクの縁部に選択的に堆積させて前記導電性パターンを形成することを特徴とする前記1〜4の何れかに記載の導電性パターンの形成方法。
6.
前記基材上に前記インクからなる線分を付与し、
前記インクの乾燥過程において該インクに含有される前記金属ナノ粒子を該線分の長手方向に沿う両縁部に選択的に堆積させて前記導電性パターンを形成することを特徴とする前記1〜5の何れかに記載の導電性パターンの形成方法。
7.
前記インクの前記基材に対する接触角が10°以上30°以下の範囲であることを特徴とする前記1〜6の何れかに記載の導電性パターンの形成方法。
8.
前記インクは沸点が200℃以下である疎水性有機溶剤を含むことを特徴とする前記1〜7の何れかに記載の導電性パターンの形成方法。
9.
前記インクを付与する際の前記基材の温度は50℃以上であることを特徴とする前記1〜8の何れかに記載の導電性パターンの形成方法。
10.
前記基材はクリアハードコート付きポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル又はシクロオレフィンポリマーからなることを特徴とする前記1〜9の何れかに記載の導電性パターンの形成方法。
本発明によれば、導電性パターンを構成する導電性細線の線幅を低下でき、導電性パターンの導電性を改善できる導電性パターンの形成方法を提供することができる。
導電性パターンの形成方法の一例を説明する図
以下に、本発明を実施するための形態について詳しく説明する。
本発明の導電性パターンの形成方法は、基材上に金属ナノ粒子を含むインクを付与し、乾燥することで前記基材上に導電性パターンを形成する。
ここで、基材の表面エネルギーは40mN/m以下である。
また、インクは金属ナノ粒子を含む。インクにおける金属ナノ粒子の含有量は5wt%以下とする。更に、インクは分散媒として1種又は複数種の疎水性有機溶剤をインクに対する総含有量として95wt%以上含有する。
かかる導電性パターンの形成方法によれば、線幅の細い導電性細線からなる導電性パターンを形成できる。更に、導電性が良好な導電性パターンを形成できる。
(導電性パターン)
導電性パターンは、基材上に設けられた1又は複数の導電性細線によって形成することができる。特に複数の導電性細線を組み合わせて種々の導電性パターンを形成することができる。例えば、ストライプ状、メッシュ状等の種々の規則性のあるパターンを形成することができる。また、パターンは規則性を有しなくてもよく、複数の導電性細線をランダムに形成(配置)して、ランダムパターンを形成してもよい。
(基材)
基材の表面エネルギーは40mN/m以下である。表面エネルギーは、25℃、50%RH環境下での値とすることができる。
基材の材質は格別限定されないが、例えば、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ABS、ポリスチレン等)、金属(銅、ニッケル、アルミ、鉄等や、あるいは合金)、セラミック等が挙げられる。これらは、例えば、1種を単独で用いてもよいし、複数種を貼り合せた状態で用いてもよい。
特に好ましい基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(略称PET)、ポリカーボネート(略称PC)、ポリプロピレン(略称PP)、ポリ塩化ビニル(略称PVC)、シクロオレフィンポリマー(略称COP)等が挙げられる。
基材は、表面にクリアハードコート(CHC)を備えてもよい。特にPETを用いる場合は、CHCを積層した積層体(CHC付きPET)として用いることも好ましい。
基材には表面処理を施すことができる。特にプラスチックからなる基材に好適な表面処理として、コロナ放電処理等を例示できる。コロナ放電処理等の表面処理を施すことによって、基材の表面エネルギーを変更できる。特に、表面処理の処理条件を調整することによって、表面エネルギーを調整することもできる。
基材の材質自体に起因する表面エネルギーが40mN/mを超える場合は、表面処理等を施すことによって、表面エネルギーを40mN/m以下に調整することができる。このようにして、種々の基材を汎用性高く適用できる。
(インク)
<金属ナノ粒子>
インクは金属ナノ粒子を含む。金属ナノ粒子としては、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Ni、Cr、Rh、Pd、Zn、Co、Mo、Ru、W、Os、Ir、Fe、Mn、Ge、Sn、Ga、In等からなるものを好ましく例示できる。中でも、Au、Ag、Cuのような金属微粒子を用いると、電気抵抗が低く、且つ腐食に強い導電性パターンを形成することができる。また、コスト及び安定性の観点から、Agを含む金属ナノ粒子が特に好ましい。
金属ナノ粒子の平均粒子径は、例えば1〜100nmの範囲、好ましくは3〜50nmの範囲である。平均粒子径は、体積平均粒子径であり、マルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより測定することができる。
インクにおける金属ナノ粒子の含有量は5wt%以下とする。含有量の下限は格別限定されないが、例えば0.01wt%以上とすることができる。
<疎水性有機溶剤>
インクは1種又は複数種の疎水性有機溶剤を含有する。疎水性有機溶剤は金属ナノ粒子の分散媒として機能する。
疎水性有機溶剤として、水への溶解度が10wt%以下のものを好ましく用いることができる。溶解度は、25℃環境下での値とすることができる。
疎水性有機溶剤として、例えば、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、1−ペンタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、ノニルアルコール等のアルコール;C6〜C14の直鎖アルカン等のアルカン;テトラリン、トルエン、シネン、ハイネン等の芳香族炭化水素;エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;等が挙げられる。
インクは1種又は複数種の疎水性有機溶剤を総含有量として95wt%以上含有する。
疎水性有機溶剤として、沸点が200℃以下である疎水性有機溶剤を好ましく用いることができる。これにより、導電性細線の線幅を更に低下でき、且つ導電性パターンの導電性を更に向上できる。
疎水性有機溶剤は、インクに用いられる金属ナノ粒子を安定分散できるものであることが好ましい。これにより、導電性細線の線幅を更に低下でき、且つ導電性パターンの導電性を更に向上できる。金属ナノ粒子の安定分散は、例えば沈殿の有無(沈降性評価)等により評価できる。例えば、金属ナノ粒子が10wt%以上の含有量で分散された液体に疎水性有機溶剤を添加して前記金属ナノ粒子の含有量を5wt%以下に希釈した後、25℃において24時間静置し、沈殿が生じない場合、該疎水性有機溶剤は、金属ナノ粒子を安定分散できる疎水性有機溶剤として好ましく用いることができる。インクに用いられる金属ナノ粒子に応じて、これを安定分散できる疎水性有機溶剤を選択することができる。
インクは、1種の疎水性有機溶剤を、90wt%以上の含有量で含有することが好ましい。これにより、導電性細線の線幅を更に低下でき、且つ導電性パターンの導電性を更に向上できる。
インクに90wt%以上の含有量で含有される1種の前記疎水性有機溶剤として、上述した、金属ナノ粒子を安定分散できる疎水性有機溶剤を用いることは好ましいことである。これにより、本発明の効果がより好適に発揮される。後に詳述するように、特にコーヒーステイン現象を用いた細線形成において、この効果は顕著になる。
<他の成分>
インクは、本発明の目的を損なわない範囲で、疎水性有機溶剤以外の他の有機溶剤や水等の溶媒を含んでもよい。
インクは、界面活性剤など種々の添加剤を含んでもよい。界面活性剤としては、格別限定されないが、例えばシリコン系界面活性剤等を用いることができる。シリコン系界面活性剤とはジメチルポリシロキサンの側鎖、又は末端をポリエーテル変性したものであり、例えば、信越化学工業製の「KF−351A、KF−642」やビッグケミー製の「BYK347、BYK348」などが市販されている。界面活性剤の添加量は、インクの全量に対して、1重量%以下とすることができる。また、インクは界面活性剤を実質的に含まないものであってもよい。
インクは、実質的に金属ナノ粒子と疎水性有機溶剤のみによって構成してもよい。
<接触角>
インクは、基材に対する接触角が10°以上30°以下の範囲であることが好ましい。これにより、導電性細線の線幅を更に低下でき、且つ導電性パターンの導電性を更に向上できる。接触角は、静的接触角であり、例えば、協和界面科学社製「DM−500」を用いて、25℃、50%RH環境下で、測定しようとする液滴(5μl程度)をシリンジから基材上に乗せ、液滴端部の接線と基材面がなす角度を測定することで求めることができる。接触角は、基材の材質の選択、基材の表面処理、インクの処方等によって適宜調整できる。
(パターニング)
インクを基材上に付与する方法は格別限定されないが、例えば印刷法等を用いることができる。印刷法としては、例えば、グラビアオフセット印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。
インクを付与する際の基材の温度は50℃以上であることが好ましい。これにより、導電性細線の線幅を更に低下でき、且つ導電性パターンの導電性を更に向上できる。
<コーヒーステイン現象を用いた導電性パターンの形成方法>
インクの乾燥過程において、インクに含有される金属ナノ粒子をインクの縁部に選択的に堆積させて導電性パターンを形成することが好ましい。かかる選択的な堆積には、コーヒーステイン現象を利用することができる。
コーヒーステイン現象を用いた導電性パターンの形成方法の一例について、図1を参照して説明する。
まず、図1(a)に示すように、基材1上にインク2を付与する。インク2の乾燥過程において、基材1上に付与されたインク2内部の流動を利用してインク2に含有される金属ナノ粒子をインク2の縁部に堆積させる。これにより、図1(b)に示すように、インク2の付与幅よりも微細な幅を有する導電性細線31、32を形成することができる。
即ち、インク2の乾燥に伴って、インク2の縁部での蒸発により失った液体を補うように中央部から縁部に向かう流動が形成される。この流動によって金属ナノ粒子が縁部に運ばれて堆積する。この流動は、乾燥に伴うインク2の接触線(インク2の縁に沿う線)の固定化と、インク2の中央部と縁部との蒸発量の差に起因し得る。そのため、この流動を促進させるように、金属ナノ粒子の濃度、インク2と基材1との接触角、インク2の液量、インク2の配置密度、又は温度、湿度、気圧等の環境因子等の条件を設定することが好ましい。
この例では、基材1上にインク2からなる線分(ライン状液体)を付与し、インク2の乾燥過程においてインク2に含有される金属ナノ粒子を線分の長手方向に沿う両縁部に選択的に堆積させている。これにより、導電性パターンとして、一対の導電性細線31、32からなる平行線3を形成することができる。つまり、この例では、1本のライン状のインク2から、2本の導電性細線31、32を形成している。これにより、導電性細線を形成する際の生産性を向上することができる。
コーヒーステイン現象を利用することによって、細い線幅の導電性細線が得られる。更に、基材の表面エネルギーとインク処方に上述した本発明の構成を適用することで、線幅を更に低下させることができる。例えば、導電性細線の線幅を10μm以下にすることができる。
導電性細線の線幅が10μm以下であることにより、該導電性細線により構成される導電性パターンの視認性を低下させることができ、透過率を向上することができる。特に線幅が10μm以下である場合、該導電性細線を構成する材料(金属)自体が透明でなくても、視覚的に透明に見える効果が発揮される。本明細書において「透明」というのは、材料自体が透明である場合だけでなく、視覚的に透明に見える場合も含む。
導電性細線の線幅の下限は格別限定されないが、例えば1μm以上であれば、導電性を良好に発揮できる。
<金属ナノ粒子の堆積密度>
通常の導電性細線は細くなるほど電気抵抗が増大するが、本発明により得られる導電性細線は細く且つ電気抵抗が低い特性を示す。この特性は、金属ナノ粒子の堆積密度が向上することによって実現される。
まず、基材の表面エネルギーは40mN/m以下という低いものである。そして、インクに主成分として含有される溶剤は疎水性有機溶剤である。疎水性有機溶剤は表面張力が低い性質を示すため、表面エネルギーが低い基材上で、インク乾燥過程において、インクの基材に対する接触角を良好な範囲に維持することができる。特に、接触角を、コーヒーステイン現象の生起に最適な範囲に維持することができる。これにより、金属ナノ粒子の堆積密度を向上できる。水を主体とするインクはこのような効果を発揮しにくい。
金属ナノ粒子の堆積密度は、金属ナノ粒子を安定分散できる疎水性有機溶剤を選択することによって顕著に向上する。一方、金属ナノ粒子との親和性が低く、安定分散できない溶剤(貧溶剤ともいう)は、金属ナノ粒子の堆積密度を向上する効果が金属ナノ粒子を安定分散できる疎水性有機溶剤に比べて発揮しにくい。
更に、金属ナノ粒子の堆積密度は、インクが1種の疎水性有機溶剤を90wt%以上の含有量で含むことによって顕著に向上する。ほとんどが単一溶剤で構成されたインクを用いることによって、インク乾燥過程におけるインク組成の変化を抑制することができる。これにより、インクの接触線の移動を抑制することができる。その結果、インク乾燥過程において、実質的に固定された接触線の位置に継続的に金属ナノ粒子を堆積させて、堆積密度を向上することができる。
(その他の実施形態)
以下に、本発明のその他の実施形態について説明する。
<金属積層>
導電性パターンを構成する導電性細線の上に金属を積層することは好ましいことである。
金属は、導電性細線上に、金属膜として積層することができる。金属膜は、無電解めっきや電解めっきにより形成することが好ましい。導電性細線の導電性を利用して、該導電性細線上に選択的に金属膜を形成することができる。
金属膜を構成する金属は、導電性細線を構成する金属と同じでもよいが、異なってもよい。例えば、導電性細線を銀(例えば銀ナノ微粒子)により構成し、金属膜を銅、ニッケル又はクロム等により構成することができる。
めっき金属を異ならせて複数回のめっきを施してもよい。これにより、導電性細線上に複数の金属膜を形成することができる。
例えば、導電性細線上に、銅からなる第1金属膜、ニッケル又はクロムからなる第2金属膜を形成することによって、銅による導電性向上の効果と、ニッケル又はクロムによる耐候性向上の効果を得ることができる。また、銅等のような色味の強い金属を、ニッケル又はクロムで被覆することによって、強い色味が消えてニュートラルな色になり、導電性細線が視認されにくくなる効果も得られる。
また、メッキにより金属を積層する場合、金属は主に高さ方向に積層されることが確認されている。そのため、メッキに伴う導電性細線の太りは抑制することができる。これにより、導電性細線と積層金属の複合体からなる細線の線幅は、十分な細さ(メッキ条件にもよるが、好ましくは10μm以下)を好適に維持することができる。
<両面形成>
以上の説明では、基材の一方の面に導電性パターンを形成する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、基材の両面に導電性パターンを形成してもよい。
<コーヒーステイン現象を用いた機能性細線の形成方法の他の例>
以上の説明では、コーヒーステイン現象の一例として、インクを線分として付与することによって、該線分の長さ方向に沿う両縁部の各々にライン状の導電性細線を形成する場合について主に示したが、これに限定されない。
インクの付与形状によって、所望する種々の形状の導電性細線を形成することができる。例えば、インクを円形状に付与することによって、該インクの周縁部(円周部)に、円状(リング状)の導電性細線を形成することもできる。インクの付与形状は、円形状の他、多角形状、波線状、折れ線状等、自在に設定でき、これら形状に応じた導電性細線が得られる。
コーヒーステイン現象は、インクの周縁部の全周にわたって金属ナノ粒子を堆積させる場合に限定されるものではない。例えば、インクの周縁部のうちの一部の周のみに選択的に金属ナノ粒子を堆積させてもよい。
金属ナノ粒子を堆積させる部位は、例えばインク内部の流動を制御することによって選択可能である。インクの乾燥時に、例えばインク内部に局所的な温度の差を形成し、インクの周縁部のうちの一部の周におけるインク蒸発量を増大させることで、該一部の周に金属ナノ粒子を選択的に堆積させることができる。この方法を用いれば、例えばライン状のインクの長さ方向に沿う片方の縁部におけるインク蒸発量を増大させて、1本のライン状のインクから、1本の金属ナノ粒子を形成することも可能である。
<用途>
導電性パターン、導電性パターン付き基材の用途は格別限定されず、種々の電子機器が備える種々のデバイス等に利用することができる。
例えば、導電性パターンを構成する導電性細線は、電気回路を構成する電気配線等として用いることができる。基材として絶縁性を有するものを用いれば、該基材上に複数の独立した電気配線を形成することができる。
また、例えば、複数の導電性細線からなる導電性パターン(導電性細線集合体)を、一つの透明導電膜(透明導電体あるいは面状の透明電極)として用いることができる。
また、導電性パターンは、導電性細線の線幅を低下させることによって透明性に優れ、更に基材にも透明性を付与することが容易であるため、透明性が要求される種々のデバイスに利用することができる。
例えば、導電性細線パターン付き基材の用途として、液晶、プラズマ、有機エレクトロルミネッセンス、フィールドエミッション等の各種方式のディスプレイ用透明電極、あるいは、タッチパネルや携帯電話、電子ペーパー、各種太陽電池、各種エレクトロルミネッセンス調光素子等に用いられる透明電極等を挙げることができる。導電性細線パターン付き基材を、スマートフォン、タブレット端末等のような電子機器のタッチパネルセンサーとして用いることは特に好ましい。タッチパネルセンサーとして用いる場合は、透明導電膜を位置検出用電極(X電極及びY電極)として用いることができる。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。
1.パターンの形成
(実施例1)
(1)インクの調製
インクとして、以下の組成のものを調製した。
〔インク組成〕
・銀ナノ粒子A(平均粒子径:20nm):1.0wt%
・1−ブタノール(沸点117℃):99.0wt%
沈降性評価として、金属ナノ粒子(実施例1では銀ナノ粒子A)が40wt%の含有量で分散されたインク原液に、インクに用いる有機溶剤(インクに複数の有機溶剤を含む場合は重量含有割合が最も大きい有機溶剤とする;実施例1では1−ブタノール)を添加して前記金属ナノ粒子を5wt%に希釈した後、25℃において24時間静置し、沈殿物の有無を目視で確認した。結果を表1に示す。ここで、沈殿を生じていない場合、該有機溶剤は、該金属ナノ粒子を安定分散できると評価できる。
(2)基材の調製
基材として、CHC付きPET基材を用意した。基材の表面エネルギー、及びインクの基材に対する接触角が表1に示す値になるように、基材に表面処理を施した。表面処理としては、信光電気計装社製「PS−1M」を用いてコロナ放電処理を行った。
(3)パターニング
インクジェットヘッド(コニカミノルタ社製「KM1024iLHE−30」(標準液滴容量30pL)を基材に対して相対移動させながら該インクジェットヘッドからインクを吐出して、相対移動方向と同方向に沿って、基材上に、ライン状液体を形成した。
前記ライン状液体を蒸発させ、乾燥させることにより、該ライン状液体の縁に銀ナノ粒子を選択的に堆積させて、相対移動方向と同方向に沿う平行線パターンを形成した。ここでは、表1に示す温度に加熱されたステージ上に配置した基材にパターンを形成することで、ライン状液体の乾燥を促進させている。
次いで、基材を90°回転させて、先に形成された平行線パターンの形成方向が、基材に対するインクジェットヘッドの相対移動方向と直交する様に配置した。
上記の通り配置を変更した後、液滴吐出装置を基材に対して相対移動させながらインクを吐出して、相対移動方向と同方向に沿って、基材上に、ライン状液体を形成した。
前記ライン状液体を蒸発させ、乾燥させることにより、該ライン状液体の縁に銀ナノ粒子を選択的に堆積させて、相対移動方向と同方向に沿う平行線パターンを形成した。ここでも、表1に示す温度に加熱されたステージ上に配置した基材にパターンを形成することで、ライン状液体の乾燥を促進させている。
以上のようにして、平行線パターンが交差したメッシュ状パターン(導電性パターン)を得た。
以上のパターン形成において、ライン状液体を形成する際のインクジェットヘットによるインク吐出は、以下のように制御された。
〔インク吐出制御〕
・搬送方向の液滴塗布間隔:34μm
・ノズル列方向のライン状液体塗布間隔:423μm
(実施例2)
実施例1において、銀ナノ粒子A(平均粒子径:20nm)を銀ナノ粒子B(平均粒子径:20nm)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性パターンを形成した。なお、実施例2では、沈降性評価において沈殿物が確認された。
(実施例3)
実施例1において、銀ナノ粒子A(平均粒子径:20nm)を銀ナノ粒子C(平均粒子径:20nm)に代え、1−ブタノール(沸点117℃)をテトラデカン(沸点253℃)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性パターンを形成した。
(実施例4)
実施例1において、インク組成を下記に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性パターンを形成した。
〔インク組成〕
・銀ナノ粒子A(平均粒子径:20nm):1.0wt%
・1−ブタノール(沸点117℃):90.0wt%
・p−シメン(沸点177℃):残量
(実施例5)
実施例4において、インク組成を下記に変更したこと以外は、実施例4と同様にして、導電性パターンを形成した。
〔インク組成〕
・銀ナノ粒子A(平均粒子径:20nm):1.0wt%
・1−ブタノール(沸点117℃):85.0wt%
・p−シメン(沸点177℃):残量
(実施例6〜9)
実施例1において、基材の表面処理条件を異ならせて、基材の表面エネルギー、及びインクの基材に対する接触角を表1に示す値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性パターンを形成した。
(実施例10)
実施例1において、1−ブタノール(沸点117℃)をp−シメン(沸点177℃)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性パターンを形成した。
(実施例11)
実施例1において、1−ブタノール(沸点117℃)をテトラリン(沸点207℃)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性パターンを形成した。
(実施例12)
実施例1において、インク付与時の基材温度を55℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性パターンを形成した。
(実施例13)
実施例1において、インク付与時の基材温度を45℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性パターンを形成した。
(実施例14)
実施例1において、CHC付きPET基材をPC基材に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性パターンを形成した。
(実施例15)
実施例1において、CHC付きPET基材をCOP基材に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性パターンを形成した。
(比較例1)
実施例1において、基材の表面処理条件を異ならせて、基材の表面エネルギー、及びインクの基材に対する接触角を表1に示す値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性パターンを形成した。
(比較例2)
実施例1において、インク組成を下記に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性パターンを形成した。
〔インク組成〕
・銀ナノ粒子A(平均粒子径:20nm):1.0wt%
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点231℃):20.0wt%
・水(沸点100℃):残量
2.評価方法
実施例及び比較例で得られた導電性パターンについて以下の方法により評価した。
(1)線幅の測定方法
光学顕微鏡を用いて、2本1組の平行線パターンを構成する各導電性細線(1本)の線幅を測定した。線幅は、任意の10点で測定された線幅の平均値とした。
(2)シート抵抗値の測定方法
シート抵抗値(Ω/□)は、ダイアインスツルメンツ社製ロレスタEP(MODEL MCP―T370型)直列4探針プローブ(ESP)を用いて測定した値である。上記測定の前に、125℃、10分間、焼成炉内で基材を加熱することによって、導電性パターンに加熱処理を施している。
以上の結果を表1〜表3に示す。
Figure 0006658418
Figure 0006658418
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3.評価
基材の表面エネルギーが40mN/m以下であり、インクにおける金属ナノ粒子の含有量が5wt%以下であり、且つインクが分散媒として1種又は複数種の疎水性有機溶剤をインクに対する総含有量として95wt%以上含有することによって、導電性パターンを構成する導電性細線の線幅を低下でき、導電性パターンの導電性を改善できることがわかる。
また、金属ナノ粒子を安定分散できる疎水性有機溶剤を用いることによって、導電性細線の線幅を更に低下でき、且つ導電性パターンの導電性を更に向上できることがわかる。
また例えば、実施例4、5の対比より、インクが1種の疎水性有機溶剤を90wt%以上の含有量で含有することによって、導電性細線の線幅を更に低下でき、且つ導電性パターンの導電性を更に向上できることがわかる。
また例えば、実施例6〜9の対比より、インクの基材に対する接触角が10°以上30°以下の範囲であることによって、導電性細線の線幅を更に低下でき、且つ導電性パターンの導電性を更に向上できることがわかる。
また例えば、実施例10、11の対比より、疎水性有機溶剤として沸点が200℃以下である疎水性有機溶剤を用いることによって、導電性細線の線幅を更に低下でき、且つ導電性パターンの導電性を更に向上できることがわかる。
また例えば、実施例12、13の対比より、インクを付与する際の基材の温度が50℃以上であることによって、導電性細線の線幅を更に低下でき、且つ導電性パターンの導電性を更に向上できることがわかる。
1:基材
2:インク
3:平行線
31、32:導電性細線


Claims (10)

  1. 基材上に金属ナノ粒子を含むインクを付与し、乾燥することで前記基材上に導電性パターンを形成する際に、
    前記基材の表面エネルギーは40mN/m以下であり、
    前記インクにおける前記金属ナノ粒子の含有量は5wt%以下であり、且つ前記インクは分散媒として1種又は複数種の疎水性有機溶剤をインクに対する総含有量として95wt%以上含有することを特徴とする導電性パターンの形成方法。
  2. 前記インクは、前記金属ナノ粒子を安定分散できる疎水性有機溶剤を含むことを特徴とする請求項1記載の導電性パターンの形成方法。
  3. 前記インクは、1種の疎水性有機溶剤を、90wt%以上の含有量で含有することを特徴とする請求項1又は2記載の導電性パターンの形成方法。
  4. 前記インクに90wt%以上の含有量で含有される前記1種の前記疎水性有機溶剤は、前記金属ナノ粒子を安定分散できる疎水性有機溶剤であることを特徴とする請求項3記載の導電性パターンの形成方法。
  5. 前記インクの乾燥過程において該インクに含有される前記金属ナノ粒子を該インクの縁部に選択的に堆積させて前記導電性パターンを形成することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の導電性パターンの形成方法。
  6. 前記基材上に前記インクからなる線分を付与し、
    前記インクの乾燥過程において該インクに含有される前記金属ナノ粒子を該線分の長手方向に沿う両縁部に選択的に堆積させて前記導電性パターンを形成することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の導電性パターンの形成方法。
  7. 前記インクの前記基材に対する接触角が10°以上30°以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の導電性パターンの形成方法。
  8. 前記インクは沸点が200℃以下である疎水性有機溶剤を含むことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の導電性パターンの形成方法。
  9. 前記インクを付与する際の前記基材の温度は50℃以上であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の導電性パターンの形成方法。
  10. 前記基材はクリアハードコート付きポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル又はシクロオレフィンポリマーからなることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の導電性パターンの形成方法。
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