JP2021009883A - 導電性配線パターンの製造方法及び導電性配線パターン - Google Patents

導電性配線パターンの製造方法及び導電性配線パターン Download PDF

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一歩 浦山
星野 秀樹
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Abstract

【課題】本発明の課題は、配線距離差等の配線デザインに起因した面内のめっきムラを防止し、均質なめっき被膜を安価に形成でき、生産性に優れた導電性配線パターンの製造方法及び導電性配線パターンを提供することである。【解決手段】本発明の導電性配線パターンの製造方法は、電解めっき処理工程を有する導電性配線パターンの製造方法であって、めっき処理を施す導電性配線パターン100を、配線距離が異なる複数の配線11からなるパターンA部10と、当該パターンA部10に電気的に接続された配線距離が同一の複数の配線21からなるパターンB部20とを有する形態にし、当該導電性配線パターン100の前記電解めっき処理工程において、前記パターンA部10から前記パターンB部20に順次電解めっき処理を施して、前記パターンA部10及び前記パターンB部20に均質なめっき被膜を形成するように制御することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性配線パターンの製造方法及び導電性配線パターンに関し、特に、配線距離差等の配線デザインに起因した面内のめっきムラを防止し、均質なめっき被膜を安価に形成でき、生産性に優れた導電性配線パターンの製造方法等に関する。
近年、ディスプレイの大型化が進んでおり、大型化に対応するタッチセンサーパネルの需要が高まっている。その中において従来の導電材として用いられているITOは抵抗が大きく、センサーサイズの大型化に伴い、センサーの感度が低下してしまうという問題が存在する。
そのための解決手段として、メタルメッシュセンサーが挙げられる。一般に、メタルメッシュセンサーの製法としては、フォトリソグラフィー法がある。しかしながら、この方法では、工程時にエッチング用の版が必要となり、大ロット少品種の場合には各々に版を製造する必要性により製造コストが高くなってしまうという問題がある。
一方、別の製法としてインクジェット方式等のデジタル印刷をした上でめっき加工をする方法が考案されている。めっき加工法の一つとして、無電解めっき(高抵抗から中抵抗に変化させる)をした後で、電解めっき(中抵抗から低抵抗に変化させる)を行う方法があり、無電解めっきにより全体の抵抗を下げた後で電解めっき処理を行うことから、均一なめっき形成を行いやすいというメリットがある。しかしながら、無電解めっきはめっき液消耗が速く、ランニングコスト面での問題が残る。
一方、電解めっきのみを行う場合は、ランニングコスト面では良いものの、配線距離差(配線長差)等のセンサーデザインに起因した面内めっきムラが発生しやすく、製品品質に影響を与えることが分かっている。
そこで、配線距離差の異なる導体の均質めっき方法として、給電ラインとなる配線部の抵抗値を変化させることで、めっき成長速度を調整する方法が提案されているが(例えば、特許文献1参照。)、大面積のタッチセンサーパネルにおいては、最短部と最長部の配線距離差が大きいため、これらを調整するための前段給電ラインの長さの調整を実施する場合に製品部外となる給電ライン長が長くなってしまい、生産性が著しく低下してしまう点が問題であった。
特開2006−40984号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、配線距離差等の配線デザインに起因した面内のめっきムラを防止し、均質なめっき被膜を安価に形成でき、生産性に優れた導電性配線パターンの製造方法及び導電性配線パターンを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、配線デザインを工夫し、電解めっき成長をコントロールすることにより、均質なめっき被膜を形成することができることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.電解めっき処理工程を有する導電性配線パターンの製造方法であって、
めっき処理を施す導電性配線パターンを、配線距離が異なる複数の配線からなるパターンA部と、当該パターンA部に電気的に接続された配線距離が同一の複数の配線からなるパターンB部とを有する形態にし、
当該導電性配線パターンの前記電解めっき処理工程において、前記パターンA部から前記パターンB部に順次電解めっき処理を施して、前記パターンA部及び前記パターンB部に均質なめっき被膜を形成するように制御することを特徴とする導電性配線パターンの製造方法。
2.前記パターンA部の複数の配線のうち、配線距離が最も短い配線部分を配線Aminとし、配線距離が最も長い配線部分を配線Amaxとし、前記配線Aminに電気的に接続されたパターンB部の配線部分を配線Bminとし、かつ前記配線Amaxに電気的に接続されたパターンB部の配線部分を配線Bmaxとしたとき、
当該配線Bminと配線Bmaxとのめっき開始時間差が、3分以内であることを特徴とする第1項に記載の導電性配線パターンの製造方法。
3.前記パターンA部における複数の配線が互いに隣接して並設されており、
当該パターンA部の複数の配線のうち、一方から数えてn番目の配線部分を配線Aとし、n+1番目の配線部分を配線An+1とし、前記配線Aに電気的に接続された前記パターンB部の配線部分を配線Bとし、かつ前記配線An+1に電気的に接続された前記パターンB部の配線部分を配線Bn+1としたとき、
当該配線Bと配線Bn+1とのめっき開始時間差が、20秒以下であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の導電性配線パターンの製造方法。
4.前記パターンA部の複数の配線の単位時間当たりのめっき成長速度が、配線距離が長い配線ほど速くなるように、めっき成長速度を調整することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の導電性配線パターンの製造方法。
5.前記パターンA部の複数の配線の単位長さ当たりの抵抗値が、配線距離が長い配線ほど低くなるように、前記パターンA部の複数の配線の抵抗値を調整することを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の導電性配線パターンの製造方法。
6.電解めっき処理が施された導電性配線パターンであって、
配線距離が異なる複数の配線からなるパターンA部と、当該パターンA部に電気的に接続された配線距離が同一の複数の配線からなるパターンB部とを有し、
前記パターンA部の複数の配線の単位長さ当たりの抵抗値が、配線距離が長い配線ほど低くなるように、前記パターンA部の複数の配線の抵抗値が調整されており、
前記パターンA部及び前記パターンB部に均質なめっき被膜が形成されていることを特徴とする導電性配線パターン。
本発明の上記手段により、電解めっき成長をコントロールして、配線距離差等の配線デザインに起因した面内のめっきムラを防止し、均質なめっき被膜を安価に形成でき、生産性に優れた導電性配線パターンの製造方法及び導電性配線パターンを提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明においては、めっき処理を施す導電性配線パターン(導電性配線部材)を、配線距離が異なる複数の配線からなるパターンA部と、当該パターンA部に電気的に接続された配線距離が同一の複数の配線からなるパターンB部とを有する形態にデザインし、当該導電性配線パターンの電解めっき処理工程において、前記パターンA部から前記パターンB部に順次電解めっき処理を施して、当該パターンA部及びパターンB部に均質なめっき被膜が形成されるように制御することにより本発明の課題を解決することを特徴とする。当該制御は、前記パターンA部における配線の長さや抵抗値のデザインを工夫することにより、各配線のめっき開始時間やめっき成長速度をコントロールでき、その結果として、目的とする導電性配線パターンを安価にかつ生産性良好に形成することがでたものと推測している。
めっき処理前の導電性配線パターンの一例を示す概略図 めっき処理前の導電性配線パターンの他の例を示す概略図 めっき処理前の導電性配線パターンの他の例を示す概略図 めっき処理前の導電性配線パターンの他の例を示す概略図 導電性配線パターンの電解めっき処理工程の一例を説明するための概略図 導電性配線パターンの電解めっき処理工程の他の例を説明するための概略図 機能性細線の形成方法の一例を説明する図
本発明の導電性配線パターンの製造方法は、電解めっき処理工程を有する導電性配線パターンの製造方法であって、配線距離が異なる複数の配線からなるパターンA部と、当該パターンA部に電気的に接続された配線距離が同一の複数の配線からなるパターンB部とを有する導電性配線パターンの前記電解めっき処理工程において、前記パターンA部から前記パターンB部に順次電解めっき処理を施して、前記パターンA部及び前記パターンB部に均質なめっき被膜を形成することを特徴とする。
この特徴は、下記各実施形態に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記パターンA部の複数の配線のうち、配線距離が最も短い配線部分を配線Aminとし、配線距離が最も長い配線部分を配線Amaxとし、前記配線Aminに電気的に接続されたパターンB部の配線部分を配線Bminとし、かつ前記配線Amaxに電気的に接続されたパターンB部の配線部分を配線Bmaxとしたとき、当該配線Bminと配線Bmaxとのめっき開始時間差が、3分以内であることが、より均質なめっき被膜を形成することができる点で好ましい。
また、前記パターンA部における複数の配線が互いに隣接して並設されており、当該パターンA部の複数の配線のうち、一方から数えてn番目の配線部分を配線Aとし、n+1番目の配線部分を配線An+1とし、前記配線Aに電気的に接続された前記パターンB部の配線部分を配線Bとし、かつ前記配線An+1に電気的に接続された前記パターンB部の配線部分を配線Bn+1としたとき、当該配線Bと配線Bn+1とのめっき開始時間差が、20秒以下であることが、より均質なめっき被膜を形成することができる点で好ましい。
前記パターンA部の複数の配線の単位時間当たりのめっき成長速度が、配線距離が長い配線ほど速くなるように、めっき成長速度を調整することが、配線距離が長いものと短いものとで、均質なめっき被膜を形成することができる点で好ましい。
前記パターンA部の複数の配線の単位長さ当たりの抵抗値が、配線距離が長い配線ほど低くなるように、前記パターンA部の複数の配線の抵抗値を調整することが、安価にかつ容易に抵抗値を調整でき、均質なめっき被膜を形成することができる点で好ましい。
本発明の導電性配線パターンは、電解めっき処理が施された導電性配線パターンであって、配線距離が異なる複数の配線からなるパターンA部と、当該パターンA部に電気的に接続された配線距離が同一の複数の配線からなるパターンB部とを有し、前記パターンA部の複数の配線の単位長さ当たりの抵抗値が、配線距離が長い配線ほど低くなるように、前記パターンA部の複数の配線の抵抗値が調整されており、前記パターンA部及び前記パターンB部に均質なめっき被膜が形成されていることを特徴とする。これにより、均質なめっき被膜が形成された安価でかつ生産性が良好な導電性配線パターンが提供される。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[本発明の概要]
本発明の導電性配線パターンの製造方法は、電解めっき処理工程を有する導電性配線パターンの製造方法であって、めっき処理を施す導電性配線パターンを、配線距離が異なる複数の配線からなるパターンA部と、当該パターンA部に電気的に接続された配線距離が同一の複数の配線からなるパターンB部とを有する形態にし、当該導電性配線パターンの前記電解めっき処理工程において、前記パターンA部から前記パターンB部に順次電解めっき処理を施して、前記パターンA部及び前記パターンB部に均質なめっき被膜を形成するように制御することを特徴とする。
本発明において、導電性配線パターンとは、配線距離が異なる複数の配線からなるパターンA部と、当該パターンA部に電気的に接続された配線距離が同一の複数の配線からなるパターンB部とを有する導電性配線部材である。
<電解めっき処理工程>
電解めっき処理工程では、前記パターンA部から前記パターンB部に順次電解めっき処理を施すことにより、パターンA部及びパターンB部に均質なめっき被膜を形成する。
本発明において、「均質なめっき被膜」とは、めっき処理後の導電性配線パターンにおいて、パターンB部における各配線の端子間の抵抗値バラツキσが0〜30%の範囲内であることをいう。
前記抵抗値バラツキσは以下のようにして算出する。
めっき処理後の導電性配線パターンにおいて、パターンB部における各配線の端子間の抵抗値(Ω)をそれぞれ測定し、得られた測定値の「標準偏差÷平均値=変動係数(バラツキ)」を求めることによりσが算出される。
前記パターンA部からパターンB部に順次電解めっき処理を施すためには、金属めっき槽中に浸漬したパターンA部及びパターンB部において、パターンA部から先に電流を印加していくことが好ましい。
図1は、めっき処理前のパターンA部及びパターンB部を有する導電性配線パターンの一例を示す概略図、図2は、めっき処理前のパターンA部及びパターンB部を有する導電性配線パターンの他の例を示す概略図である。
本発明に係るパターンB部20は、前記パターンA部10に電気的に接続された配線距離が同一の複数の配線21からなる。すなわち、パターンA部10を構成する各配線11に対応して、パターンB部20を構成する各配線20がそれぞれ電気的に接続されている。
前記パターンB部20は、具体的には、後述する機能性細線付き基材であることが好ましい。
前記パターンB部20を構成する各配線21は、互いに隣接して並設されていることが好ましく、図1に示すように左右に互いに隣接して並設されていてもよいし、図2に示すように上下に互いに隣接して並設されていてもよい。なお、図1に示すパターンB部の場合、例えば、後述するタッチパンセルセンサーとして用いた際のYセンサーに好適に用いられ、図2に示すパターンBの場合は、Xセンサーとして好適に用いられる。
本発明に係るパターンA部10は、配線距離が異なる複数の配線11からなる。各配線11は、1本の配線からなっていてもよいし、複数の配線からなっていてもよい。
複数の配線からなる場合には、例えば、電解めっき時に電流を印加するための給電用配線12と、当該給電用配線12と前記パターンB部20とを電気的に接続するための引出配線13とを備えた構成とすることが好ましい(図1及び図2参照。)。そして、前記給電用配線12から引出配線13を介してパターンB部20の各配線21に電流を印加することが好ましい。
図1において、前記パターンB部20の中央に位置する配線21cに接続された引出配線13cは、パターンB部20の外側に位置する配線21dに接続された引出配線13dに比べて配線距離が短くなっている。すなわち、パターンB部20の外側に位置する配線に接続された引出配線ほど配線距離が長くなっている。
また、図1中、左側に位置する引出配線13eに接続された給電用配線12eは、右側に位置する引出配線13fに接続された給電用配線12fに比べて配線距離が短くなっている。すなわち、右側に位置する引出配線に接続された給電用配線ほど、配線距離が長くなっている。
一方、図2では、前記パターンB部20の上部に位置する配線21gに接続された引出配線13gは、パターンB部20の下部に位置する配線21hに接続された引出配線13hに比べて配線距離が短くなっている。すなわち、パターンB部20の下部に位置する配線に接続された引出配線ほど配線距離が長くなっている。
また、図2中、前記パターンB部20の上部に位置する引出配線13gに接続された給電用配線12gは、下部に位置する引出配線13hに接続された給電用配線12hに比べて配線距離が長くなっている。すなわち、前記パターンB部20の上部に位置する引出配線に接続された給電用配線ほど、配線距離が長くなっている。
なお、図1及び図2に記載のパターンA部及びパターンB部の配線パターンはこれらに限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明では、前記パターンA部の複数の配線の単位時間当たりのめっき成長速度が、配線距離が長い配線ほど速くなるように、めっき成長速度を調整することが、より均質なめっき被膜を形成できる点で好ましい。
前記めっき成長速度を調整するための具体的な手段としては、例えば、パターンA部の複数の配線の単位長さ当たりの抵抗値が、配線距離が長い配線ほど低くなるように、前記パターンA部の複数の配線の抵抗値を調整することが好ましい。ここで、抵抗値の調整方法として、引出配線又は給電用配線を形成する導電性材料の量を調整することが挙げられる。
引出配線又は給電用配線を形成する導電性材料としては、格別限定されず、例えば、導電性微粒子、導電性ポリマー等が挙げられる。また、導電性微粒子として、例えば、金属微粒子、カーボン微粒子等が挙げられる。
前記金属微粒子を構成する金属としては、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Ni、Cr、Rh、Pd、Zn、Co、Mo、Ru、W、Os、Ir、Fe、Mn、Ge、Sn、Ga、In等が挙げられる。これらの中でも、Au、Ag、Cuが好ましく、Agが特に好ましい。
金属微粒子の平均粒径は、例えば1〜100nm、さらには3〜50nmの範囲内とすることが好ましい。平均粒径は、体積平均粒径であり、マルバーン社製「ゼータサイザ1000HS」により測定することができる。
前記カーボン微粒子としては、例えば、グラファイト微粒子、カーボンナノチューブ、フラーレン等が挙げられる。
前記導電性ポリマーとしては、格別限定されないが、π共役系導電性高分子を好ましく挙げることができる。π共役系導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン類やポリアニリン類等が挙げられる。π共役系導電性高分子は、例えばポリスチレンスルホン酸等のようなポリアニオンとともに用いてもよい。
また、引出配線又は給電用配線の形成方法は、これらをパターニングできれば格別限定されず、例えば印刷法等が好適に用いられる。印刷法においては、導電材料を含有するインクを基材上に付与してパターニングすることができる。
印刷法は格別限定されず、例えば、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット法等が挙げられ、中でもインクジェット法が好ましい。インクジェット法におけるインクジェットヘッドの液滴吐出方式は格別限定されず、例えばピエゾ方式やサーマル方式等が挙げられる。
また前記導電性材料の塗布量を調整することで、引出配線又は給電用配線の太さや厚さを変えて、抵抗値を変化させることができる。
図1及び図2では、引出配線13の単位長さ当たりの抵抗値を変化させている場合で、パターンA部10において、引出配線13及び当該引出配線13に接続された給電用配線12の全体の配線距離が長い配線ほど、抵抗値が低くなるように各引出配線13の金属の塗布量を調整している。
図3及び図4は、給電用配線12の単位長さ当たりの抵抗値を変化させている場合で、パターンA部10において、引出配線13及び当該引出配線13に接続された給電用配線12の全体の配線距離が長い配線ほど、抵抗値が低くなるように各給電用配線12の金属の塗布量を調整している。
なお、図1〜図4において、パターンA部の各配線(給電用配線12及び引出配線13)の色の濃さは抵抗値の変化を表している。
ここで、パターンA部における各配線の抵抗値の変化は、各引出配線の配線間距離抵抗(Ω)が等しくなるように設計することが望ましい。
さらに、図1〜図4では、引出配線又は給電用配線のいずれか一方の金属の塗布量を調整して抵抗値を変化させたが、引出配線及び給電用配線の両方について金属の塗布量を調整して抵抗値を変化させてもよい。
図5は、図2及び図4に示すめっき処理前の導電性配線パターンを用いて、電解めっき処理を施す場合の概略図であり、図6は、図1及び図3に示すめっき処理前の導電性配線パターンを用いて、電解めっき処理を施す場合の概略図である。
図5では、各給電用配線12が給電用バスライン30に電気的に接続されており、めっき処理前の導電性配線パターン100が随時搬送されて金属めっき槽40に浸漬される。金属めっき槽40に浸漬されると、給電用バスライン30を介して電流が印加されて、給電用配線12、引き出し配線13及びパターンB部20の順に電解めっき処理が施される。
ここで、図5では、パターンB部20における搬送方向の下流側に位置する配線と、上流側に位置する配線とでは、金属めっき槽40への浸漬開始時間に差が生じてしまう。
そのため、パターンA部10の複数の配線11のうち、一方から数えてn番目の配線部分を配線Aとし、n+1番目の配線部分を配線An+1とし、前記配線Aに電気的に接続された前記パターンB部の配線部分を配線Bとし、かつ前記配線An+1に電気的に接続された前記パターンB部の配線部分を配線Bn+1としたとき、当該配線Bと配線Bn+1とのめっき開始時間差を、20秒以下とすることが好ましく、5秒以下とすることがより好ましい。
前記めっき開始時間差は、めっき処理中にパターンB部の配線Bと配線Bn+1において、それぞれめっきが開始されたことを目視又は該当箇所の抵抗値の変化で確認するとともに開始時間を測定し、測定しためっき開始時間の両者の差から算出することができる。
また、図6では、パターンA部10における配線距離が最大の配線11と、最小の配線11とで、その配線距離差が大きい。
そのため、パターンA部10の複数の配線11のうち、配線距離が最も短い配線部分を配線Aminとし、配線距離が最も長い配線部分を配線Amaxとし、前記配線Aminに電気的に接続されたパターンB部の配線部分を配線Bminとし、かつ前記配線Amaxに電気的に接続されたパターンB部の配線部分を配線Bmaxとしたとき、当該配線Bminと配線Bmaxとのめっき開始時間差を、3分以内でとすることが好ましく、1分以内とすることがより好ましい。
前記めっき開始時間差は、めっき処理中にパターンB部の配線Bminと配線Bmaxにおいて、それぞれめっきが開始されたことを目視又は該当箇所の抵抗値の変化で確認するとともに開始時間を測定し、測定しためっき開始時間の両者の差から算出することができる。
(金属めっき槽)
本発明に係る金属めっき槽としては、例えば、硫酸銅5水塩と硫酸と塩酸等をイオン交換水で調製した銅めっき槽や、硫酸ニッケルと塩化ニッケルとホウ酸等をイオン交換水で調製したニッケルめっき槽等を用いることが好ましい。
また、電解めっき処理は、めっき金属を異ならせて、複数回のめっきを施してもよい。
前記電解めっき処理工程後、パターンA部の給電用配線を、引出配線から切断して、めっき処理後の導電性配線パターン(パターンB部と、当該パターンB部に接続された引き出し配線)を使用することが好ましい。
[導電性配線パターン]
本発明の導電性配線パターンは、電解めっき処理が施された導電性配線パターンであって、配線距離が異なる複数の配線からなるパターンA部と、当該パターンA部に電気的に接続された配線距離が同一の複数の配線からなるパターンB部とを有し、前記パターンA部の複数の配線の単位長さ当たりの抵抗値が、配線距離が長い配線ほど低くなるように、前記パターンA部の複数の配線の抵抗値が調整されており、前記パターンA部及び前記パターンB部に均質なめっき被膜が形成されていることを特徴とする。
本発明に係るパターンB部としては、具体的には、機能性細線付き基材であることが好ましい。そして、複数の当該機能性細線付き基材に、パターンA部を構成する各配線(引き出し配線及び給電用配線)が電気的に接続されることが好ましい。
以下、本発明に係るパターンB部として用いられる機能性細線付き基材について説明する。
<機能性細線付き基材>
前記機能性細線付き基材は、基材上に下引き層を有し、該下引き層上に機能性細線を有することが好ましい。
(基材)
前記基材の材質は、例えば、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ABS、ポリスチレン等)、金属(銅、ニッケル、アルミ、鉄等や、あるいは合金)、セラミック等が挙げられる。これらは、例えば、1種を単独で用いてもよいし、複数種を貼り合せた状態で用いてもよい。
例えばガラス等を用いることにより、機能性細線付き基材の耐熱性を向上できる。また、例えば、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー等を用いることにより、機能性細線付き基材の耐熱性と折曲げ耐性を向上できる。
また、例えばプラスチック又はガラスからなる基材、中でもポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリスチレン又はガラスからなる基材は、基材としての物性に優れる反面、本来的に機能性細線が密着しにくいが、本発明によれば、このような密着困難な基材に対しても、下引き層を介して機能性細線を強固に密着させることができる。また、基材が透明であることによって、光学特性の効果をより顕著に発揮させることができる。
(下引き層)
下引き層は、疎水性変性されたポリエステル樹脂からなることが好ましい。
疎水性変性されたポリエステル樹脂としては、疎水性基が導入されたポリエステル樹脂を用いることができる。疎水性変性されたポリエステル樹脂として、例えば、1又は2種以上のジカルボン酸と1又は2種以上のジオールからなるポリエステル樹脂に、疎水性基を有する1又は2種以上の変性基を結合あるいは重合させたものを用いることができる。
ジカルボン酸は格別限定されないが、例えば、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、飽和脂肪族ジカルボン酸等が挙げられ、具体的には、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸等が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,7−デカヒドロナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。また、芳香族ジカルボン酸として、スルホン酸塩の基を有する芳香族ジカルボン酸を用いてもよい。スルホン酸塩の基を有する芳香族ジカルボン酸としては、例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸、5−ホスホニウムスルホイソフタル酸等が挙げられる。
ジオールは格別限定されないが、例えば、脂肪族ジオール、脂環式ジオール、フルオレン骨格を有するジオール等が挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。
脂環式ジオールとしては、例えば、1,2−シクロペンタンジメタノール、1,3−シクロペンタンジメタノール、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ、[5.2.1.0]デカン等の5員環ジオールや、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の6員環ジオール等が挙げられる。
フルオレン骨格を有するジオールとしては、例えば、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジエチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−プロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジイソプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−n−ブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジ−n−ブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジイソブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−メチルプロピル)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ビス(1−メチルプロピル)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジフェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−ベンジルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジベンジルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン9,9−ビス[4−(4−ヒドロキシブトキシ)フェニル]フルオレン等が挙げられる。
変性基に含まれる疎水性基は、水や極性溶剤に対して親和性が低い(疎水性が高い)ものであれば格別限定されず、例えば、ポリフルオロアルキル基、ポリフルオロエーテルアルキル基等の有機フッ素化合物基;オルガノポリシロキサン基、トリメチルシリル基、ジメチルシリレン基等の有機ケイ素化合物;例えば炭素数5以上20以下の長鎖アルキル基;等が挙げられる。変性基は、このような疎水性基により主に構成されたものを用いることができる。変性基は、親水基が少ないか、親水基を有しないことが好ましい。
ポリエステル樹脂への変性基の導入方法は限定されず、例えば、ポリエステル樹脂に変性基を重合する方法等を用いることができる。重合する方法を用いる場合、例えば、変性基の存在下でポリエステル樹脂を重合してもよいし、ポリエステル樹脂を重合した後で変性基を重合してもよい。重合方法は格別限定されず、例えば、グラフト重合等を挙げることができる。
疎水性変性されたポリエステル樹脂は、アクリル変性ポリエステル樹脂であることが好ましい。これにより、下引き層のヘイズ(曇り)を小さくする効果が得られ、機能性細線付き基材全体としての光学特性を更に改善することができる。
アクリル変性ポリエステル樹脂を得る際には、変性基として、疎水性を高めたアクリル樹脂(疎水性アクリル樹脂)を用いることができる。
アクリル樹脂の疎水性を高める方法は格別限定されないが、例えば、側鎖や反応基間に疎水性基(例えば長鎖アルキル基等)を有するアクリルモノマーの割合を増やし、親水性基(例えばカルボン酸等)を有するアクリルモノマーの割合を減らす等の方法が挙げられる。
アクリルモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ソーダ、アクリル酸アンモニウム、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート等が挙げられる。
変性基として用いるアクリル樹脂は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ソーダ、ビニルスルホン酸ソーダ、メタクリル酸ソーダ、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルエーテル、酢酸ビニル等を共重合成分として更に含んでもよい。
疎水性変性されたポリエステル樹脂の変性率は、変性基の疎水性の度合い等を考慮して適宜設定可能であるが、一例として10%〜70%とすることができる。変性率が上記範囲であれば、機能性細線の形成が安定化し、該機能性細線の断線が防止され、さらに密着性も向上する。なお、変性率(%)は、疎水性変性されたポリエステル樹脂の質量に対する変性基の質量を百分率で示したものである。
(架橋剤)
下引き層は架橋剤を含有することが好ましい。これにより、下引き層と機能性細線の密着性がさらに向上する。
下引き層に含有される架橋剤は、下引き層を構成するポリエステル樹脂を架橋可能なものであればよく、例えば、オキサゾリン系、イソシアネート系、カルボジイミド系、メラミン系又はエポキシ系の架橋剤等を挙げることができ、中でもオキサゾリン系の架橋剤が好適である。オキサゾリン系の架橋剤を用いることで、下引き層と機能性細線の密着性が顕著に向上する。
オキサゾリン系架橋剤としては、オキサゾリン基を有する架橋剤を用いることができる。
オキサゾリン基を有する架橋剤として、例えば、オキサゾリン基を有するモノマーを含む重合体等が挙げられる。
オキサゾリン基を有するモノマーとしては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン等が挙げられる。
オキサゾリン基を有するモノマーを含む重合体(樹脂架橋剤ともいう)としては、例えば、オキサゾリン基を有するアクリル樹脂架橋剤等が挙げられる。
オキサゾリン基を有するアクリル樹脂架橋剤としては、例えば、水又は多少の有機溶剤を含有する水に可溶性又は分散性を有するアクリル樹脂が挙げられる。そのようなアクリル樹脂として、例えば、上述したオキサゾリン基を有するモノマーを、その他の共重合成分と共重合させたアクリル樹脂等が挙げられる。アクリル樹脂のその他の共重合成分としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレートや(メタ)アクリルアミド等のようなモノマー成分等を用いることができる。
オキサゾリン基を有するアクリル樹脂架橋剤は、上述したモノマーに加えて、更にポリアルキレンオキシド鎖を有するモノマーを含んでもよい。
ポリアルキレンオキシド鎖を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸のカルボキシル基にポリアルキレンオキシドを付加させたエステル等が挙げられる。ここで、ポリアルキレンオキシド鎖としては、例えば、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド等が挙げられる。ポリアルキレンオキシド鎖の繰り返し単位は例えば3〜100の範囲とすることができる。
アクリル樹脂架橋剤の具体例として、例えば、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンとメチルメタクリレートの共重合体等が挙げられる。
架橋剤の添加量は、例えば、下引き層の総質量に対して3〜12質量%の範囲とすることができる。添加量が3質量%以上であることにより、架橋の効果が十分に発揮され、下引き層と機能性細線の密着性を好適に向上することができる。また、添加量が12質量%以下であることにより、下引き層がオキサゾリン基及び又はポリアルキレンオキシド鎖によって過剰に親水化されることが防止され、インクの濡れ性を好適に保持でき、機能性細線を安定に形成することができる。特に、後述するコーヒーステイン現象を用いた機能性細線の形成を良好に安定化でき、得られる機能性細線の線幅を細くすることができる。
(機能性細線)
機能性細線は、機能性微粒子の堆積物(集積体又は集合体ともいう)からなる。
機能性微粒子としては、粒子状の機能性材料を用いることができる。機能性材料は、基材に特定の機能を付与するための材料であれば格別限定されない。特定の機能を付与するとは、例えば、導電性材料を用いて基材に導電性を付与することや、絶縁性材料を用いて基材に絶縁性を付与すること等をいう。機能性材料としては、求められる機能に応じて、例えば導電性材料、絶縁性材料、半導体材料、光学材料(例えば光学フィルター材料)、誘電体材料、磁性材料等を使用することができる。機能性材料は、該機能性材料が付与される基材の表面を構成する材料とは異なる材料であることが好ましい。
機能性微粒子として、特に導電性微粒子(導電性材料)を好ましく用いることができる。
導電性微粒子は格別限定されないが、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Ni、Cr、Rh、Pd、Zn、Co、Mo、Ru、W、Os、Ir、Fe、Mn、Ge、Sn、Ga、In等の金属微粒子を好ましく例示でき、中でも、Au、Ag、Cuのような金属微粒子を用いると、電気抵抗が低く、且つ腐食に強い細線を形成することができる。コスト及び安定性の観点から、Agを含む金属微粒子が特に好ましい。これらの金属微粒子は、金属ナノ粒子であることが好ましく、その平均粒子径は、好ましくは1〜100nmの範囲、より好ましくは3〜50nmの範囲である。平均粒子径は、体積平均粒子径であり、マルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより測定することができる。
また、導電性微粒子は、カーボン微粒子であってもよい。カーボン微粒子としては、例えば、グラファイト微粒子、カーボンナノチューブ、フラーレン等が挙げられる。
また、導電性微粒子は、導電性ポリマーであってもよい。導電性ポリマーとしては、例えば、π共役系導電性高分子等が挙げられる。π共役系導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリアズレン類、ポリイソチアナフテン類、ポリチアジル類等の鎖状導電性ポリマー等が挙げられる。
機能性細線の線幅が1μm以上であることにより、該機能性細線による機能が良好に発揮される。また、機能性細線の線幅が10μm以下であることにより、該機能性細線の視認性を低下させることができ、透過率を向上することができる。特に線幅が10μm以下である場合、該細線を構成する材料(機能性微粒子等)自体が透明でないときでも、視覚的に透明に見える効果が発揮される。本明細書において「透明」というのは、材料自体が透明である場合だけでなく、視覚的に透明に見える場合も含む。
また、機能性細線の線幅が1μm以上10μm以下という微細なものであっても、上述した下引き層を介して基材に密着性高く安定に保持することができる。また、下引き層を備えた基材は、該下引き層上に、線幅が1μm以上10μm以下である微細な機能性細線を安定に形成できる効果を奏する。
(機能性細線の形成方法)
前記機能性細線の形成方法は、基材上に下引き層を形成し、次いで、該下引き層上に機能性細線を形成する。
前記下引き層は、疎水性変性されたポリエステル樹脂からなる。前記機能性細線は、機能性微粒子の堆積物からなる。該機能性細線は、1〜10μmの範囲内の線幅を有することが好ましい。
このような機能性細線の形成方法によれば、得られる機能性細線付き基材の光学特性や、機能性細線の密着性に優れる効果が得られる。また、光学特性として特に透過率の向上及びヘイズの低下に有効である。また、前記下引き層を備えた基材は、該下引き層上に、線幅が微細な機能性細線を安定に形成できる効果を奏する。
機能性細線の形成は、例えば、下引き層上に付与された前記機能性微粒子を含む液体(インクともいう)中から該下引き層上に該機能性微粒子を堆積させるウェットプロセスにより行うことができる。このとき、液体は適宜除去することができる。液体は、堆積の進行と平行して除去されてもよいし、堆積が完了した後に除去されてもよい。このようなプロセスとしては、例えば印刷法等を好ましく用いることができる。
印刷法としては、例えば、グラビアオフセット印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット法等が挙げられる。
インクジェット法としては、例えば、通常の液滴より小さい小液滴を吐出可能なスーパーインクジェットを使用することが微細な幅の機能性細線を直接的に形成することができる点で好ましい。
また、コーヒーステイン現象を利用して、下引き層上に付与されたインク内部の流動を利用して該インクに含有される機能性微粒子を該インクの縁部に堆積させて、該インクの付与幅よりも微細な幅を有する機能性細線を形成することができる。これにより、インクの付与幅によらず、線幅が微細な機能性細線を形成できるため、通常のインクジェット法、ディスペンサー法や、上述した各種印刷法等のウェットプロセスを汎用性高く使用できる。
<コーヒーステイン現象を用いた機能性細線の形成方法>
以下に、コーヒーステイン現象を用いた機能性細線の形成方法の一例について、図7を参照して説明する。
まず、図7(a)に示すように、基材1を用意する。
基材1には、必要に応じて表面処理を施すことができる。特にプラスチックからなる基材に好適な表面処理として、コロナ放電処理等を例示できる。コロナ放電処理によって、基材1の表面を親水化することができ、下引き層を形成するための塗布液の塗布性を向上することができる。
次いで、図7(b)に示すように、基材1上に下引き層2を形成する。
下引き層2の形成方法は格別限定されないが、例えば塗布法等により形成することが好ましい。塗布法は格別限定されず、例えばワイヤーバー等を用いて塗付する方法等が挙げられる。塗布法を用いる場合は、下引き層2を形成するための成分を溶媒中に含有する塗布液を調製し、これを基材1上に塗布した後、溶媒を乾燥させて下引き層2を形成することができる。溶媒としては、例えば水や有機溶剤等を用いることができ、特に水が好適である。
下引き層2が架橋剤を含有する場合は、架橋反応を進行させるための処理を適宜施すことができる。
なお、基材1と下引き層2の間には図示しない中間層を設けてもよい。
次いで、図7(c)に示すように、下引き層2上に、機能性微粒子を含むインク3を付与する。
次いで、下引き層2上に付与されたインク3内部の流動を利用してインク3に含有される機能性微粒子をインク3の縁部に堆積させて、インク3の付与幅よりも微細な幅を有する機能性細線4を形成することができる。
すなわち、インク3の乾燥に伴って、インク3の縁部での蒸発により失った液体を補うように中央部から縁部に向かう流動が形成される。この流動によって機能性微粒子が縁部に運ばれて堆積する。この流動は、乾燥に伴うインク3の接触線の固定化と、インク3の中央部と縁部との蒸発量の差に起因し得る。そのため、この流動を促進させるように、導電性材料の濃度、インク3と下引き層2との接触角、インク3の液量、インク3の配置密度、又は温度、湿度、気圧等の環境因子等の条件を設定することが好ましい。
ここでは、インク3を線分として付与することによって、該線分の長手方向に沿う両縁部の各々に機能性細線4、4を形成している。このようにして、一対の機能性細線4、4からなる平行線5を形成することができる。これにより、機能性細線を形成する際の生産性を向上することができる。
(インク)
インクとしては、液体中に前記機能性微粒子を含んでなるものを用いることができる。液体は、水や、有機溶剤等の1種又は2種以上を組合せて構成することができる。
有機溶剤は、格別限定されないが、例えば、1,2−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール等のアルコール類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。
また、インクには、界面活性剤など種々の添加剤を含有させてもよい。界面活性剤としては、格別限定されないが、例えばシリコン系界面活性剤等を用いることができる。シリコン系界面活性剤とはジメチルポリシロキサンの側鎖、又は末端をポリエーテル変性したものであり、例えば、信越化学工業製の「KF−351A、KF−642」やビッグケミー製の「BYK347、BYK348」などが市販されている。界面活性剤の添加量は、ライン状液体24を形成する液体の全量に対して、1重量%以下であることが好ましい。
インクにおける機能性微粒子の濃度は格別限定されないが、上述したコーヒーステイン現象を用いる場合は、例えば0.01wt%以上1.0wt%以下に調整することができる。
上述したように、機能性細線、すなわち機能性微粒子の堆積物は、インクに由来する堆積物であり得る。この場合、インクは、機能性微粒子、水及び水より沸点の高い高沸点溶剤を含むことが好ましい。高沸点溶剤は、例えばジエチレングリコールモノブチルエーテル等であることが好ましい。これにより、特にコーヒーステイン現象を用いて形成される機能性細線の線幅を低下することができる。
また、下引き層を構成するポリエステル樹脂を上述した架橋剤で架橋しておくことにより、高沸点溶剤の下引き層に対する接触角が高くなる。その結果、乾燥初期の水と高沸点溶剤からなるインクの下引き層に対する接触角と、乾燥後期の高沸点溶剤を主体とするインクの下引き層に対する接触角との差が小さくなる。これにより、乾燥の進行に伴う接触角の変化が防止され、乾燥の進行に伴うインク周縁部の移動が防止される。そのため、周縁部に堆積される機能性微粒子からなる機能性細線の線幅を顕著に低下させることができる。
(両面形成)
以上の説明では、基材の一方の面に下引き層を形成し、該下引き層上に機能性細線を形成する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、基材の両面に下引き層を形成し、両面の各下引き層上に、機能性細線を形成してもよい。
(コーヒーステイン現象を用いた機能性細線の形成方法の他の例)
以上の説明では、コーヒーステイン現象の一例として、インクを線分として付与することによって、該線分の長さ方向に沿う両縁部の各々にライン状の機能性細線を形成する場合について主に示したが、これに限定されない。
インクの付与形状によって、所望する種々の形状の機能性細線を形成することができる。例えば、インクを円形状に付与することによって、該インクの周縁部(円周部)に、円状(リング状)の機能性細線を形成することもできる。インクの付与形状は、円形状の他、多角形状、波線状、折れ線状等、自在に設定でき、これら形状に応じた機能性細線が得られる。
コーヒーステイン現象は、インクの周縁部の全周にわたって機能性微粒子を堆積させる場合に限定されるものではない。例えば、インクの周縁部のうちの一部の周のみに選択的に機能性微粒子を堆積させてもよい。
機能性微粒子を堆積させる部位は、例えばインク内部の流動を制御することによって選択可能である。インクの乾燥時に、例えばインク内部に局所的な温度の差を形成し、インクの周縁部のうちの一部の周におけるインク蒸発量を増大させることで、該一部の周に機能性微粒子を選択的に堆積させることができる。この方法を用いれば、例えばライン状のインクの長さ方向に沿う片方の縁部におけるインク蒸発量を増大させて、1本のライン状のインクから、1本の機能性細線を形成することも可能である。
前記機能性細線は、複数の機能性細線を組み合わせることによって、例えば、ストライプ状、メッシュ状等の種々の規則性のあるパターンを形成してもよい。また、パターンは規則性を有しなくてもよく、複数の機能性細線をランダムに形成(配置)して、ランダムパターンを形成してもよい。
(用途)
前記機能性細線付き基材の用途は格別限定されず、付与される機能に応じて、種々の用途に利用することができる。
例えば、機能性細線の機能として導電性を付与した導電性細線は、電気回路を構成する電気配線等として用いることができる。ポリエステル樹脂からなる下引き層は、絶縁層として好適に用いることができるため、該下引き層上に複数の独立した電気配線を形成することができる。
また、例えば、複数の導電性細線(機能性細線)からなる機能性細線パターン(導電性細線集合体)を、一つの透明導電膜(透明導電体又は面状の透明電極)として用いることができる。
このようにして、導電性細線、導電性細線パターン、導電性細線付き基材を、種々の電子機器が備える種々のデバイスに利用することができる。
また、機能性細線は、透明性に優れ、さらに基材及び下地層にも透明性を付与することが容易であるため、透明性が要求される種々のデバイスに利用することができる。
例えば、機能性細線付き基材の用途として、液晶、プラズマ、有機エレクトロルミネッセンス、フィールドエミッション等の各種方式のディスプレイ用透明電極、又は、タッチパネルや携帯電話、電子ペーパー、各種太陽電池、各種エレクトロルミネッセンス調光素子等に用いられる透明電極等を挙げることができる。機能性細線付き基材を、スマートフォン、タブレット端末等のような電子機器のタッチパネルセンサーとして用いることは特に好ましい。
タッチパネルセンサーとして用いる場合は、透明導電膜(機能性細線パターン)を位置検出用電極(X電極(Xセンサー)及びY電極(Yセンサー))として用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」及び「部」は、それぞれ、「質量%」及び「質量部」を意味する。
[比較例1]
<機能性細線付き基材(パターンB部)の作製>
(1)基材の調製
厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面にコロナ放電処理を施して基材とした。
(2)ポリエステル樹脂Aの調製(合成)
下記組成比からなるポリエステル樹脂aに対して、ポリシロキサンを変性率20%で重合して疎水性変性(シロキサン変性)されたポリエステル樹脂Aを調製した。
〔ポリエステル樹脂a〕
・テレフタル酸(ジカルボン酸成分):30mol%
・イソフタル酸(ジカルボン酸成分):14mol%
・5−スルホイソフタル酸(ジカルボン酸成分):2mol%
・エチレングリコール(グリコール成分):34mol%
・ビスフェノールA(グリコール成分):20mol%
(3)塗布液の調製
上記ポリエステル樹脂Aを純水にて固形分濃度5重量%に調整して塗布液を調製した。
(4)下引き層の形成
上記基材のコロナ放電処理を施した面に、上記塗布液を、湿潤膜厚で3μm(乾燥膜厚で0.15μm)になるようにワイヤーバーで塗布し、その後100℃で3分乾燥させて下引き層を形成した。
(5)インクの調製
下記組成からなるインクを調製した。
〔インク組成〕
・銀ナノ粒子の水分散液1(銀ナノ粒子:40質量%):1.75質量%
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル:20質量%
・純水:残部
(6)機能性細線パターンの形成
上記インクを用いて、基材上に複数の機能性細線からなる機能性細線パターン(メッシュパターン)を形成した。
具体的には、先ず、コニカミノルタ製インクジェットヘッド「512LHX」(標準液滴容量42pL)を取り付けたXYロボット(武蔵エンジニアリング製「SHOTMASTER300」)と、インクジェットコントロールシステム(コニカミノルタ製「IJCS−1」)を用いて、上記インクをノズル列方向間ピッチ282μm、走査方向間ピッチ45μmとなるように、基材の一方の面上に設けられた下引き層上に、液滴として順次吐出し、下引き層上において走査方向に連続的に付与された液滴を合一させることで複数の第1のライン状のインク3を形成した(図7(a))。なお、印字しながら基材を載せたステージを70℃で加熱し、これらライン状のインク3を乾燥させる過程で、縁部(長手方向に沿う両縁部)に固形分を堆積させることで、1本のライン状インク3から機能性微粒子を含む2本の(一対の)機能性細線4、4により構成された第1の平行線5を形成した。
その後、基材を90°回転して、第1の平行線5と直交する方向に、上記インクによる複数の第2のライン状のインク3を上記と同様の方法で塗布、乾燥して、第2の平行線5を形成した。このようにして、メッシュパターンからなる機能性細線パターンを形成した。
(7)焼成処理
機能性細線パターンが形成された基材を130℃のオーブンに入れ、10分間焼成処理した。
以上のようにして、機能性細線付き基材を作製した。
<めっき処理前の導電性配線パターンの作製>
作製した機能性細線付き基材を複数個、左右に隣接して並設して、各機能性細線付き基材の一端部に、それぞれ引出配線及び給電用配線を接続して、めっき処理前の導電性配線パターンを作製した。
なお、引出配線及び給電用配線としては、
・銀ナノ粒子の水分散液1(銀ナノ粒子:40質量%):32.5質量%
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル:20質量%
・純水:47.5質量%
の組成からなるインクを使用し、前記した(7)焼成処理を実施することで得たものを使用した。
前記複数の機能性細線付き基材を本発明に係るパターンB部とし、前記引出配線及び給電用配線を本発明に係るパターンA部とした。
ここで、前記パターンB部を構成する複数の機能性細線付き基材は、それぞれ同一の配線距離とし、前記パターンA部を構成する各引出配線及び給電用配線は、それぞれ配線距離が異なるものとした。パターンA部を構成する配線(引出配線及び給電用配線)のうち最長配線距離は、1.2m、最短配線距離は0.3mであった。
また、前記最長配線距離の配線Amaxのめっき前端子間抵抗値が12kΩ(単位長さ当たりの抵抗値:10kΩ/m)、最短配線距離の配線Aminのめっき前端子間抵抗値が1.5kΩ(単位長さ当たりの抵抗値:5kΩ/m)となるように、パターンA部を構成する引出配線又は給電用配線に塗布する銀ナノ粒子の塗布量を調整した。
<めっき処理が施された導電性配線パターンの作製>
前記めっき処理前の導電性配線パターンを、図5に示すように、随時搬送して、銅めっき槽に浸漬し、給電用配線から電流を印加して、給電用配線、引出配線及び機能性細線付き基材の順にめっき処理を施した。
前記銅めっき槽には、硫酸銅5水塩30g、硫酸19g、1N塩酸2g、光沢付与剤(メルテックス社製「ST901C」)5gを、イオン交換水で1000mlに仕上げる処方で調製しためっき液を使用した。また、アノードにはめっき用銅板を用いた。
[実施例1〜3]
前記比較例1において、パターンA部の配線のうち最長配線距離の配線Amaxのめっき前端子間抵抗値、最短配線距離の配線Aminのめっき前端子間抵抗値が、それぞれ下記表Iに示すとおりとなるように、パターンA部を構成する引出配線又は給電用配線に塗布する銀ナノ粒子の塗布量を調整した以外は、前記比較例1と同様にして実施例1〜3についてめっき処理を施した。
[評価]
<パターンB部における隣接する配線のめっき開始最大時間差>
めっき処理中の導電性配線パターンについて、パターンB部における互いに隣接する配線同士のめっき開始最大時間差を測定した。具体的には、パターンB部における各配線のめっきが開始されたことを目視で確認し、そのときのめっき開始時間をそれぞれ測定した。測定しためっき開始時間から、隣接する配線同士のめっき開始時間差をそれぞれ算出し、最大時間差を下記表Iに示した。
<パターンB部における配線Bminと配線Bmaxとのめっき開始時間差>
めっき処理中の導電性配線パターンについて、パターンA部のうち最も短い配線Aminに接続されたパターンB部の配線Bminと、パターンA部のうち最も長い配線Amaxに接続されたパターンB部の配線Bmaxにおいて、それぞれめっきが開始されたことを目視で確認し、そのときのめっき開始時間をそれぞれ測定した。測定しためっき開始時間から両者の差を算出し、下記表Iに示した。
<めっき処理後のパターンB部における端子間抵抗バラツキσ>
前記めっき処理後の導電性配線パターンにおいて、パターンBにおける各配線の端子間の抵抗値(Ω)をそれぞれ測定し、得られた測定値の「標準偏差÷平均値=変動係数(バラツキ)」を求めることによりσを算出した。
[比較例2]
前記比較例1において、下記の「めっき処理前の導電性配線パターンの作製」及び「めっき処理が施された導電性配線パターンの作製」以外は、同様にして比較例2についてめっき処理をした。
<めっき処理前の導電性配線パターンの作製>
比較例1で作製した機能性細線付き基材を複数個、上下に隣接して並設して、各機能性細線付き基材の一端部に、それぞれ引出配線及び給電用配線を接続してめっき処理前の導電性配線パターンを作製した。
引出配線及び給電用配線としては、前記した比較例1で用いたものと同様のものを使用した。
前記複数の機能性細線付き基材を本発明に係るパターンB部とし、前記引出配線及び給電用配線を本発明に係るパターンA部とした。
ここで、前記パターンB部を構成する複数の機能性細線付き基材は、それぞれ同一の配線距離とし、前記パターンA部を構成する各引出配線及び給電用配線は、それぞれ配線距離を異なるものとした。パターンA部を構成する配線(引出配線及び給電用配線)のうち最長配線距離は、0.9m、最短配線距離は0.2mであった。
また、前記最長配線距離の配線Amaxのめっき前端子間抵抗が9.0kΩ(単位長さ当たりの抵抗値:10kΩ/m)、最短配線距離の配線Aminのめっき前端子間抵抗が1.0kΩ(単位長さ当たりの抵抗値:5kΩ/m)となるように、パターンA部を構成する引出配線又は給電用配線に塗布する銀ナノ粒子の塗布量を調整した。
<めっき処理が施された導電性配線パターンの作製>
前記めっき処理前の導電性配線パターンを、図6に示すように、随時搬送して、銅めっき槽に浸漬し、給電用配線から電流を印加して、給電用配線、引出配線及び機能性細線付き基材の順にめっき処理を施した。
前記銅めっき槽には、硫酸銅5水塩30g、硫酸19g、1N塩酸2g、光沢付与剤(メルテックス社製「ST901C」)5gを、イオン交換水で1000mlに仕上げる処方で調製しためっき液を使用した。また、アノードにはめっき用銅板を用いた。
[実施例4〜6]
前記比較例2において、パターンB部の最長配線距離の配線Amaxのめっき前端子間抵抗値、最短配線距離の配線Aminのめっき前端子間抵抗値が、それぞれ下記表IIに示すとおりとなるように、パターンA部を構成する引出配線又は給電用配線に塗布する銀ナノ粒子の塗布量を調整した以外は、前記比較例2と同様にして実施例3〜6についてめっき処理を施した。
[評価]
前記比較例1及び実施例1〜3で行った評価方法と同様に、「パターンB部における隣接する配線のめっき開始最大時間差」及び「パターンB部における配線Bminと配線Bmaxとのめっき開始時間差」について算出した。
また、「めっき処理後のパターンB部における端子間抵抗バラツキσ」についても算出し、下記表IIに示した。
上記結果に示されるように、本発明(実施例1〜6)では、比較例(比較例1及び2)に比べて、めっき処理後のパターンB部における端子間抵抗バラツキが非常に小さいことから、面内におけるムラがなく、均質なめっき膜が形成されたことが分かる。
1 基材
2 下引き層
3 インク
4 機能性細線
5 平行線
10 パターンA部
11 配線
12 給電用配線
13 引出配線
20 パターンB部
21 配線
30 給電用ライン
40 金属めっき槽
100 導電性配線パターン

Claims (6)

  1. 電解めっき処理工程を有する導電性配線パターンの製造方法であって、
    めっき処理を施す導電性配線パターンを、配線距離が異なる複数の配線からなるパターンA部と、当該パターンA部に電気的に接続された配線距離が同一の複数の配線からなるパターンB部とを有する形態にし、
    当該導電性配線パターンの前記電解めっき処理工程において、前記パターンA部から前記パターンB部に順次電解めっき処理を施して、前記パターンA部及び前記パターンB部に均質なめっき被膜を形成するように制御することを特徴とする導電性配線パターンの製造方法。
  2. 前記パターンA部の複数の配線のうち、配線距離が最も短い配線部分を配線Aminとし、配線距離が最も長い配線部分を配線Amaxとし、前記配線Aminに電気的に接続されたパターンB部の配線部分を配線Bminとし、かつ前記配線Amaxに電気的に接続されたパターンB部の配線部分を配線Bmaxとしたとき、
    当該配線Bminと配線Bmaxとのめっき開始時間差が、3分以内であることを特徴とする請求項1に記載の導電性配線パターンの製造方法。
  3. 前記パターンA部における複数の配線が互いに隣接して並設されており、
    当該パターンA部の複数の配線のうち、一方から数えてn番目の配線部分を配線Aとし、n+1番目の配線部分を配線An+1とし、前記配線Aに電気的に接続された前記パターンB部の配線部分を配線Bとし、かつ前記配線An+1に電気的に接続された前記パターンB部の配線部分を配線Bn+1としたとき、
    当該配線Bと配線Bn+1とのめっき開始時間差が、20秒以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の導電性配線パターンの製造方法。
  4. 前記パターンA部の複数の配線の単位時間当たりのめっき成長速度が、配線距離が長い配線ほど速くなるように、めっき成長速度を調整することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の導電性配線パターンの製造方法。
  5. 前記パターンA部の複数の配線の単位長さ当たりの抵抗値が、配線距離が長い配線ほど低くなるように、前記パターンA部の複数の配線の抵抗値を調整することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の導電性配線パターンの製造方法。
  6. 電解めっき処理が施された導電性配線パターンであって、
    配線距離が異なる複数の配線からなるパターンA部と、当該パターンA部に電気的に接続された配線距離が同一の複数の配線からなるパターンB部とを有し、
    前記パターンA部の複数の配線の単位長さ当たりの抵抗値が、配線距離が長い配線ほど低くなるように、前記パターンA部の複数の配線の抵抗値が調整されており、
    前記パターンA部及び前記パターンB部に均質なめっき被膜が形成されていることを特徴とする導電性配線パターン。
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