以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
まず、図1〜図3を参照して、本実施形態に係るハイブリッド型の作業機械の一例として、ショベルの基本構成について説明をする。
図1は、本実施形態に係る作業機械の一例であるショベルを示す側面図である。
図1に示すように、ショベルの下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載される。上部旋回体3には、ブーム4が取り付けられる。ブーム4の先端には、アーム5が取り付けられ、アーム5の先端には、バケット6が取り付けられる。アタッチメントとしてのブーム4、アーム5、及びバケット6は、油圧アクチュエータとしてのブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。また、上部旋回体3には、オペレータが搭乗するキャビン10が設けられると共に、動力源であるディーゼルエンジン11(図2参照)等が搭載される。
図2は、本実施形態に係る作業機械の一例であるショベルの駆動系の構成を示すブロック図である。図中、機械的動力系は二重線、高圧油圧ラインは太い実線、パイロットラインは破線、電気駆動・制御系は細い実線でそれぞれ示されている。
本実施形態に係るショベルにおけるメイン駆動部としてのディーゼルエンジン11と、アシスト駆動部としての電動発電機12は、減速機13の2つの入力軸にそれぞれ接続される。減速機13の出力軸には、メインポンプ14及びパイロットポンプ15が接続される。即ち、ディーゼルエンジン11は、減速機13を介してメインポンプ14及びパイロットポンプ15を駆動し、電動発電機12は、減速機13を介して、ディーゼルエンジン11をアシストし、メインポンプ14及びパイロットポンプ15を駆動する。また、電動発電機12は、インバータ18Aを介して、蓄電装置の一例としてのキャパシタ19(図3参照)を含む蓄電系120に接続される。
メインポンプ14は、高圧油圧ライン16を介してコントロールバルブ17に接続される。メインポンプ14は、例えば、可変容量式油圧ポンプであり、斜板の角度(傾転角) を制御することでピストンのストローク長を調整し、吐出流量を制御することができる。
パイロットポンプ15は、例えば、固定容量式油圧ポンプである。パイロットポンプ15は、パイロットライン25を介して操作装置26に接続される。
コントロールバルブ17は、操作装置26における操作(油圧ライン27を介して入力される二次側のパイロット圧)に応じて、油圧系の制御を行う制御装置である。下部走行体1を駆動する油圧モータ1A(右用),1B(左用)、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9は、高圧油圧ラインを介してコントロールバルブ17に接続される。
操作装置26は、レバー26A,26B、ペダル26Cを含む。レバー26A,26B、及びペダル26Cは、油圧ライン27及び油圧ライン28を介して、コントロールバルブ17及び圧力センサ29にそれぞれ接続される。圧力センサ29は、コントローラ30に接続される。
また、本実施形態に係るショベルは、旋回機構2が電動化され、旋回機構2を駆動する旋回用電動機21が設けられる。旋回用電動機21は、インバータ18Bを介して蓄電系120に接続される。旋回用電動機21の回転軸21Aには、レゾルバ22、メカニカルブレーキ23、及び旋回減速機24が接続される。
尚、本実施形態では、インバータ18A、18Bは、同一の筐体(以下、「インバータ筐体」と称する)18H(図8等参照)に収められる。以下、インバータ18A,18Bが一体化された部品をインバータ18と称する。
コントローラ30は、本実施形態に係るショベルの駆動制御を行う主たる制御装置である。コントローラ30は、例えば、CPU及びROMを含む演算処理装置で構成され、ROMに格納される駆動制御用のプログラムをCPU上で実行することにより各種駆動制御が実現される。
コントローラ30は、圧力センサ29から供給される信号(操作装置26における上部旋回体3の旋回操作に対応するパイロット圧)を速度指令に変換し、旋回用電動機21の駆動制御を行う。
また、コントローラ30は、電動発電機12の運転制御(電動運転(アシスト運転)又は発電運転の切り替え)を行うとともに、昇降圧コンバータ100(図3参照)を駆動制御することによるキャパシタ19(図3参照)の充放電制御を行う。コントローラ30は、キャパシタ19の充電状態、電動発電機12の運転状態(電動運転(アシスト運転)又は発電運転)、及び旋回用電動機21の運転状態(力行運転又は回生運転)に基づき、昇降圧コンバータ100の昇圧動作と降圧動作の切替制御を行うことにより、キャパシタ19の充放電制御を行う。
図3は、本実施形態に係る作業機械の一例であるショベルの蓄電系120の構成の一例を示す回路図である。蓄電系120は、キャパシタ19、昇降圧コンバータ100、DCバス110等を含む。DCバス110は、キャパシタ19、電動発電機12、及び旋回用電動機21の間での電力の授受を制御する。キャパシタ19には、キャパシタ19の電圧値、及び電流値を検出するキャパシタ電圧検出部112、及びキャパシタ電流検出部113が設けられる。キャパシタ電圧検出部112、及びキャパシタ電流検出部113により検出されるキャパシタ電圧値、及びキャパシタ電流値は、コントローラ30に供給される。
昇降圧コンバータ100は、電動発電機12、及び旋回用電動機21の運転状態に応じて、DCバス電圧値を一定の範囲内に収まるように昇圧動作と降圧動作を切り替える。DCバス110は、インバータ18A,18Bと昇降圧コンバータ100との間に配設され、キャパシタ19、電動発電機12、及び旋回用電動機21は、DCバス110を介して、電力の授受を行う。
昇降圧コンバータ100の昇圧動作と降圧動作の切替制御は、DCバス電圧検出部111により検出されるDCバス電圧値、キャパシタ電圧検出部112により検出されるキャパシタ電圧値、及びキャパシタ電流検出部113により検出されるキャパシタ電流値に基づき行われる。
次に、図4〜図6を参照して、本実施形態に係るハイブリッド型の作業機械の他の例として、リフマグ機の基本構成について説明をする。以下、上述したショベルと同様の構成には、同一の符号を付し、異なる部分を中心に説明をする。
尚、リフマグ機の蓄電系120の構成は、上述したショベルと同様、図3で表される。
図4は、本実施形態に係る作業機械の他の例であるリフマグ機を示す側面図である。
図4に示すように、本実施形態に係るリフマグ機は、上述したショベルのバケット6の代わりに、アーム5の先端にリフティングマグネット6A(以下、「リフマグ」と称する)が取り付けられる。
図5は、本実施形態に係る作業機械の他の例であるリフマグ機の駆動系の構成を示すブロック図である。図2の場合と同様、図中、機械的動力系は二重線、高圧油圧ラインは太い実線、パイロットラインは破線、電気駆動・制御系は細い実線でそれぞれ示されている。
リフマグドライバ48は、蓄電系120、及び電動発電機12を駆動制御するインバータ18Aと、リフマグ6Aとの間の電力経路に配置され、リフマグ6Aに含まれる電磁コイル6M(図6参照)を励磁駆動する駆動回路である。リフマグドライバ48は、極性を切り替えて、DCバス110の電圧Vdcをリフマグ6Aに印加することが可能な構成を有し、かかる構成により、リフマグ6Aの吸着と釈放(即ち、電磁コイル6Mの励磁と消磁)を切り替えることができる。以下、図6を参照して、リフマグドライバ48の構成について説明する。
図6は、リフマグドライバ48の構成の一例を示す図である。リフマグドライバ48は、スイッチング素子48Ta〜48Td、及び転流用ダイオード48Da〜48Ddを含む既知のHブリッジ回路により構成される。具体的には、スイッチング素子48Ta,48Tb、及びスイッチング素子48Tc,48Tdのそれぞれが直列接続されると共に、直列接続されたスイッチング素子48Ta,48Tb、及びスイッチング素子48Tc,48Tdが並列接続される。また、直列接続されたスイッチング素子48Ta,48Tb、及びスイッチング素子48Tc,48Tdの中間点には、それぞれ、リフマグ6Aの電磁コイル6Mの端子MP及び端子MNが接続される。また、スイッチング素子48Ta〜48Tdのそれぞれには、転流用ダイオード48Da〜48Ddが並列接続される。
リフマグ6Aの電磁コイル6Mを励磁させる場合(吸着スイッチ42がONされた場合)、スイッチング素子48Ta、48Tdは、ONされ、スイッチング素子48Tb,38Tcは、OFFされる。これにより、スイッチング素子48Ta,48Tdを介して、リフマグ6Aの電磁コイル6MにDCバス110の電圧Vdcが印加され、電磁コイル6Mの端子MPから端子MNに向けた励磁電流が流れる。そのため、電磁コイル6Mが励磁され、リフマグ6Aは、鋼材等を吸着することができる。
一方、リフマグ6Aの電磁コイル6Mを消磁させる場合(即ち、釈放スイッチ44がONされた場合)、スイッチング素子48Tb,48Tcは、ONされ、スイッチング素子48Ta,48Tdは、OFFされる。これにより、リフマグ6Aの電磁コイル6MにDCバス110の電圧Vdcが逆方向に印加され、電磁コイル6Mから、転流用ダイオード48Dc、DCバス110、及び転流用ダイオード48Dbを介して、電磁コイル6Mに戻る消磁電流が流れる。そのため、リフマグ6Aの電磁コイル6Mが消磁され、リフマグ6Aに吸着されていた鋼材等を釈放することができる。また、このとき、インバータ18Aは、消磁電流として電磁コイル6MからDCバス110に放出される回生電力を電動発電機12に供給する。
コントローラ30は、吸着スイッチ42及び釈放スイッチ44からの操作入力に応じて、リフマグドライバ48に制御指令を出力し、リフマグ6A(具体的には、電磁コイル6M)の駆動制御を行う。即ち、コントローラ30は、吸着スイッチ42がONされると、スイッチング素子48Ta,48TdをONし、スイッチング素子48Tb,48TcをOFFする制御指令をリフマグドライバ48に出力する。この際、コントローラ30は、スイッチング素子48Ta,48TdをPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより、電磁コイル6Mに印加する電圧を調整することができる。また、コントローラ30は、吸着スイッチ42がONされると、スイッチング素子48Tb,48TcをONし、スイッチング素子48Ta,48TdをOFFする制御指令をリフマグドライバに出力する。この際、コントローラ30は、スイッチング素子48Tb,48TcをPWM制御することにより、電磁コイル6Mに印加する電圧を調整することができる。
尚、以下の説明において、インバータ18(インバータ18A,18B)、昇降圧コンバータ100、リフマグドライバ48、及びキャパシタ19を集合的に、或いは、個別に、「電気駆動部品」と称する場合がある。
上述した本実施形態に係る作業機械の一例であるショベルと、他の例であるリフマグ機を含む作業機械のシリーズ(以下、作業機械シリーズと称する)は、上述の如く、各作業機械に共通の構成と、各作業機械に特有の構成とを有する。以下、ショベルとリフマグ機を含む作業機械シリーズに含まれる各作業機械に共通の構成を中心に説明を行う。
次に、図7を参照して、ディーゼルエンジン11から排出される排気ガスを浄化処理する排気ガス処理装置150の構成について説明する。
図7は、排気ガス処理装置150の構成例を示す図である。本実施形態では、排気ガス処理装置150は、ディーゼルエンジン11から排出される排気ガスを浄化する。ディーゼルエンジン11は、エンジンコントロールモジュール(以下、「ECM」と称する。)60により制御される。
ディーゼルエンジン11から排出される排気ガスは、ターボチャージャ61を通じて排気管62に流れる。そして、排気ガスは、排気管62から排気ガス処理装置150に流入し、排気ガス処理装置150で浄化された後で大気に排出される。
一方、エアクリーナ63を通じて吸気管64内に導入された吸入空気は、ターボチャージャ61及びインタークーラ65を通過してディーゼルエンジン11に供給される。
排気管62には第1排気処理部と第2排気処理部とが直列に設けられる。本実施形態における第1排気処理部は、排気ガス中の粒子状物質を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)66である。また、第2排気処理部は排気ガス中のNOxを還元除去する選択還元触媒67である。
尚、第1排気処理部は、ディーゼル酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)であってもよい。
選択還元触媒67は液体還元剤の供給を受けて排気ガス中のNOxを連続的に還元することでNOxを除去する。本実施形態では、取扱性の観点から、液体還元剤として尿素水が用いられる。
尚、当然の如く、NOxを連続的に還元することのできる処理剤であれば、尿素水以外の他の処理剤が用いられてもよい。
排気管62における選択還元触媒67の上流側には選択還元触媒67に尿素水を供給するための尿素水噴射弁68が設けられる。尿素水噴射弁68は、尿素水供給配管69(以下、単に「配管69」と称する)を介して、尿素水タンク200に接続される。
配管69には、尿素水供給ポンプ70が設けられる。尿素水タンク200と尿素水供給ポンプ70との間には、フィルタ71が設けられる。尿素水タンク200内に貯留された尿素水は、尿素水供給ポンプ70により尿素水噴射弁68に供給される。そして、尿素水は、尿素水噴射弁68から排気管62における選択還元触媒67の上流位置において排気管62内に噴射される。
尿素水噴射弁68から噴射された尿素水は、選択還元触媒67に供給される。供給された尿素水は選択還元触媒67内において加水分解され、アンモニアが生成される。生成されたアンモニアは、選択還元触媒67内で排気ガスに含まれるNOxを還元する。これにより、ディーゼルエンジン11から排出された排気ガスが浄化される。
第1NOxセンサ72は尿素水噴射弁68の上流側に配設される。第2NOxセンサ73は選択還元触媒67の下流側に配設される。第1NOxセンサ72及び第2NOxセンサ73はそれぞれの配設位置における排気ガスに含まれるNOxの濃度を検出する。
尿素水タンク200には尿素水残量センサ74が配設される。尿素水残量センサ74は尿素水タンク200内の尿素水の残量を検出する。
第1NOxセンサ72、第2NOxセンサ73、尿素水残量センサ74、尿素水噴射弁68、及び尿素水供給ポンプ70は、排気ガスコントローラ75に接続される。排気ガスコントローラ75は、第1NOxセンサ72及び第2NOxセンサ73のそれぞれで検出されるNOx濃度に基づき、尿素水噴射弁68及び尿素水供給ポンプ70により適正量の尿素水が噴射されるよう噴射量制御を行う。
排気ガスコントローラ75は、尿素水残量センサ74から出力される尿素水の残量に基づき、尿素水タンク200の全容積に対する尿素水の残量の割合を算出する。本実施形態では、尿素水タンク200の全容積に対する尿素水の残量の割合を尿素水残量比と定義する。例えば、尿素水残量比50%は、尿素水タンク200の容量の半分の尿素水が尿素水タンク200内に残存していることを示す。
排気ガスコントローラ75は、通信手段(例えば、CANプロトコルに準拠するLAN等)を介して、ディーゼルエンジン11の制御を行うECM60と通信可能に接続される。また、ECM60は、通信手段(例えば、CANプロトコルに準拠するLAN等)を介して、ショベルコントローラ76に接続されている。
排気ガスコントローラ75が有している排気ガス処理装置150の各種情報はショベルコントローラ76も共有し得る。ECM60、排気ガスコントローラ75、ショベルコントローラ76のそれぞれは、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、記憶装置等を含む。
ショベルコントローラ76には、モニター77(表示装置)が接続される。モニター77には、警告、運転条件等の情報やデータが表示される。
排気ガス処理装置150は、尿素水タンク200及び配管69の凍結を防止する凍結防止機構を有する。本実施形態では、凍結防止機構は、配管80を通過するディーゼルエンジン11のエンジン冷却水を利用する。具体的には、ディーゼルエンジン11を冷却した直後のエンジン冷却水は、比較的高い温度を維持しながら配管80の第1部分80aを通って第2部分80bに至る。第2部分80bは、尿素水タンク200の外面に接する配管80の一部である。エンジン冷却水は、第2部分80bを流れるときに、尿素水タンク200及びその内部にある尿素水に熱を供給する。その後、エンジン冷却水は、配管69に隣接して設置された配管80の第3部分80cを流れるときに、配管69及びその内部にある尿素水に熱を供給する。その後、熱を放出して比較的低い温度となったエンジン冷却水は配管80の第4部分80dを通ってラジエータ191(図8参照)に至る。このようにして、凍結防止機構は、エンジン冷却水を利用して尿素水タンク200及び配管69に熱を供給し、尿素水タンク200及び配管69の凍結を防止する。
次に、図8〜図12を参照して、本実施形態に係る作業機械(ショベル及びリフマグ機)の上部旋回体3における配置構造、即ち、本実施形態に係る作業機械シリーズの各作業機械(ショベル、リフマグ機)に共通の配置構造について説明する。
図8は、本実施形態に係る作業機械の上部旋回体3における各種部品の配置構造の一例を示す平面図である。図9は、本実施形態に係る作業機械の上部旋回体3の右側前部における各種部品の配置構造の一例を示す右側面図である。図10は、本実施形態に係る作業機械の上部旋回体3の右側前部における各種部品の配置構造の一例を示す正面図である。図11は、本実施形態に係る作業機械の上部旋回体3の右側前部を示す斜視図であり、図11(a)は、右斜め上前方から見た斜視図を表し、図11(b)は、左斜め上前方から見た斜視図を表す。図12は、本実施形態に係る作業機械の上部旋回体3の右側前部を示す正面図である。
図8に示すように、上部旋回体3は、旋回フレーム140を含み、上部旋回体3に搭載される各種部品は、旋回フレーム140上に固定される。
旋回フレーム140は、上部旋回体3の前後方向に縦断する態様で延設される一対のセンターフレーム141及びサイドフレーム142を中心とし、その他の補強フレームや各フレーム間を左右方向で連結するクロスメンバ等を含んで構成される。
センターフレーム141は、上部旋回体3の前部において、ブーム4を左右から挟み込む態様で支持する一対の左側フレーム180L及び右側フレーム180Rを含む。
サイドフレーム142は、上部旋回体3の左端部に設けられるサイドフレーム142Lと、上部旋回体3の右端部に設けられるサイドフレーム142Rを含む。
図8に示すように、上部旋回体3の後部中央には、ディーゼルエンジン11が配置される。ディーゼルエンジン11は、防振マウント(不図示)を介して、センターフレーム141に組み付けられる。
ディーゼルエンジン11には、その右側に位置する減速機13が動力伝達可能に接続されると共に、減速機13におけるディーゼルエンジン11が接続される側の反対側(即ち、右側)には、電動発電機12が動力伝達可能に接続される。即ち、ディーゼルエンジン11、減速機13、及び電動発電機12は、一体として、上部旋回体3の後部中央から右側後部にかけて配置される。
電動発電機12及び減速機13の上方には、排気ガス処理装置150が配置される。排気ガス処理装置150とディーゼルエンジン11(具体的には、図7に示すターボチャージャ61)は、排気管62で接続される。
上部旋回体3の左側後部(即ち、ディーゼルエンジン11の左側)には、冷却ユニット190が配置される。冷却ユニット190は、ディーゼルエンジン11用のラジエータ191、ハイブリッド用のラジエータ192、ウォータポンプ193等を含む。
上部旋回体3の左側前部には、キャビン10が配置される。
上部旋回体3の前部中央(キャビン10の右方)には、左側フレーム141L及び右側フレーム141Rに左右から挟まれる態様で、図示しないブーム4が支持される。具体的には、ブーム4は、左側フレーム141Lと右側フレーム141Rの間に挟まれた状態で、ブームピン(不図示)が左側フレーム141L、ブーム4、右側フレーム141Rを貫通することにより、上下方向で回動可能に支持される。
上部旋回体3の中央付近、即ち、上部旋回体3の旋回中心付近には、旋回用電動機21が配置される。
上部旋回体3の右側中央部(減速機13、電動発電機12、排気ガス処理装置150の前方)には、燃料タンク160が設けられる。燃料タンク160に貯蔵されるディーゼルエンジン11の燃料(軽油)は、燃料配管(不図示)を介してディーゼルエンジン11に供給される。
図8に示すように、電気駆動部品及び尿素水タンク200は、上部旋回体3の右側前部(即ち、右側中央部に配置される燃料タンク160の前側且つ前部中央で支持されるブーム4の右側)に配置される。
図9に示すように、尿素水タンク200は、燃料タンク160の前方に隣接して旋回フレーム140(のフロア面143)上に固定される。
図8〜図10に示すように、尿素水タンク200には、上方に向けて延設されるフィラーパイプ201が取り付けられており、フィラーパイプ201の先端には、フィラー202が設けられる。このように、フィラー202を比較的高い位置に持ち上げて設置することにより、後述する昇降ステップ220に上った状態で、作業者が尿素水の補給をし易くなる。即ち、例えば、フィラー202が尿素水タンク200の上端位置付近に設置されると、昇降ステップ220の第1段ステップ221(後述)或いは第2段ステップ222(後述)に上った状態で、尿素水の補給をする際に腰を大きく屈める必要がある。一方、フィラー202を比較的高い位置に持ち上げることにより、作業者は、尿素水を補給する際に腰を屈める量を減らすことができるため、尿素水の補給がし易くなる。
また、図10に示すように、フィラー202は、燃料タンク160の前端面の左上端部に設けられる燃料ゲージ161と、左右方向の位置がずらされている。これにより、後述するように、前方及び斜め上から燃料ゲージ161を視認可能な昇降ステップ220を設けることができる。
図9に示すように、キャパシタ19は、尿素水タンク200の前方に隣接して旋回フレーム140(のフロア面143)上に配置される。以下、図13を参照して、キャパシタ19の固定構造の一例について説明する。
図13は、キャパシタ19の固定構造の一例を示す図である。
図8〜図10及び図13に示すように、キャパシタ19は、略直方体の外形形状を有する筐体(以下、「キャパシタ筐体」と称する)19Hの内部に収容される。そして、キャパシタ筐体19Hは、前方及び後方に延出する平板状の取付足19bをその四隅に有し、かかる取付足19bが支持部19Mを介して、旋回フレーム140(のフロア面143)に固定される。具体的には、図13に示すように、支持部19Mは、制振ゴム19Ma、19Mb、ワッシャ19Mc、19Md、ボルト19Me、ナット19Mfを含む。下から旋回フレーム140(のフロア面143)、制振ゴム19Mb、ワッシャ19Md、取付足19b、ワッシャ19Mc、制振ゴム19Maの順で重ねられた積層体は、上下方向の貫通孔を有し、かかる貫通孔を下から上に挿通するボルト19Meとボルト19Meの先端に締結されるナット19Mfにより、上下方向で締結される。
尚、キャパシタ筐体19Hは、本実施形態に係る作業機械シリーズに含まれるショベルとリフマグ機とで、同一の体格を有する。即ち、キャパシタ筐体19Hは、ショベルとリフマグ機との間で共用される。但し、キャパシタ19の構成(例えば、内臓されるキャパシタセルの個数や各キャパシタセルの仕様等)は、ショベルとリフマグ機との間で同じであってもよいし、異なっていてよい。
図9及び図10に示すように、キャパシタ19(即ち、キャパシタ筐体19H)の上には、旋回フレーム140のフロア面143からかさ上げされた(即ち、離間した)上面205Aと、脚部205Bを有する支持部材205が設けられる。そして、インバータ18及び昇降圧コンバータ100は、支持部材205の上面205Aに配置される。即ち、インバータ18及び昇降圧コンバータ100は、キャパシタ19の上に配置されている。
また、図8に示すように、支持部材205の上面205Aの左前端部には、作業灯210が配置される。作業灯210は、後述するカバー部221Cに設けられるスリット部221Fを通じて、外部からその照射部(光を照射する部分)を視認することができる。
図8及び図10に示すように、インバータ18は、インバータ筐体18Hに収容されると共に、支持部材205の上面205Aに固定される。また、昇降圧コンバータ100は、筐体(以下、「コンバータ筐体」と称する)100Hに収容され、支持部材205の上面205Aに固定される。具体的には、インバータ筐体18H及びコンバータ筐体100Hは、それぞれ、略同一体格の略直方体の外形形状を有する。そして、インバータ筐体18H及びコンバータ筐体100Hは、それぞれの外形形状における長手方向を前後方向に合わせて、左からインバータ筐体18H、コンバータ筐体100Hの順で左右に並べて、支持部材205の上面205Aに固定される。
インバータ筐体18H及びコンバータ筐体100Hの支持部材205(の上面205A)に対する固定構造は、図10に示すキャパシタ19の固定構造と同一であってもよいし、他の構造であってもよい。
また、図8及び図10に示すように、インバータ筐体18H及びコンバータ筐体100Hは、支持部材205の上面205Aの左端に寄せて配置される。具体的には、コンバータ筐体100Hは、支持部材205の上面205Aの左右方向の中央部に配置されると共に、インバータ筐体18Hは、支持部材205の上面205Aにおけるコンバータ筐体100Hの左側(即ち、上面205Aの左端部)に配置される。そして、支持部材205の上面205Aの左端部には、インバータ筐体18H、コンバータ筐体100Hと平面視で同一体格を有する他の部品を配置可能な領域208a(図14参照)が設けられる。コンバータ筐体100Hの右側に隣接する上面205Aの当該領域208aには、本実施形態に係る作業機械シリーズの各作業機械に特有の部品を配置することができる。例えば、当該領域208aには、リフマグ機に特有の部品であるリフマグドライバ48(図8及び図10中の点線枠参照)を収容する筐体(以下、「リフマグドライバ筐体」と称する)48Hを配置することができる。
また、図8及び図9に示すように、インバータ筐体18H、コンバータ筐体100H、及びリフマグドライバ筐体48Hは、支持部材205の上面205Aの前端になるべく寄せて配置される。これにより、インバータ筐体18H、コンバータ筐体100H、及びリフマグドライバ筐体48Hの後端部と、尿素水タンク200との前後間隔をある程度確保できるため、当該後端部に接続されるワイヤハーネスや冷却管等の取り回しがし易くなる。但し、上述の如く、支持部材205の上面205Aの左前端部には、作業灯210が固定されるため、インバータ筐体18Hの前端位置は、コンバータ筐体100Hやリフマグドライバ筐体48Hの前端位置よりも後方になる。以下、図14を参照して、インバータ筐体18H、コンバータ筐体100H、及びリフマグドライバ筐体48Hを固定する支持部材205の構成について説明する。
尚、インバータ筐体18Hは、支持部材205の上面205Aにおけるコンバータ筐体100Hの右側に配置され、本実施形態に係る作業機械シリーズの各作業機械に特有の部品(リフマグドライバ筐体48H)が左側に配置されてもよい。また、インバータ筐体18Hとコンバータ筐体100Hの左右位置は、逆であってもよい。また、インバータ筐体18Hとコンバータ筐体100Hが支持部材205の上面205Aにおける左端部或いは右端部に配置され、本実施形態に係る作業機械シリーズの各作業機械に特有の部品(リフマグドライバ筐体48H)が上面205Aの左右方向の中央部に配置可能な構造であってもよい。また、支持部材205の上面205Aには、
図14は、支持部材205の一例を示す斜視図である。
図14に示すように、支持部材205の上面205Aの左前端部には、作業灯210を固定する固定部209が設けられる。固定部209は、作業灯210を配置する領域209aと、前後2箇所の締結孔209bと、を含む。そして、支持部材205の上面205Aの左端部における固定部209の後方に、インバータ筐体18Hを固定する固定部206が設けられる。固定部206は、インバータ筐体18Hを配置する領域206aと、前2箇所、後2箇所の合計4箇所の締結孔206bと、を含む。
また、支持部材205の上面205Aの左右方向の中央部には、コンバータ筐体100Hを固定する固定部207が設けられる。固定部207は、コンバータ筐体100Hを配置する領域207aと、前2箇所、後2箇所の合計4箇所の締結孔207bと、を含む。
また、支持部材205の上面205Aの右端部には、本実施形態に係る作業機械シリーズの各作業機械に特有の部品(リフマグドライバ筐体48H)を固定する固定部208が設けられる。固定部208は、当該部品を配置する領域208aと、前2箇所、後2箇所の合計4箇所の締結孔208bと、を含む。
上述の如く、インバータ筐体18H、コンバータ筐体100H、及びリフマグドライバ筐体48Hをなるべく前に寄せて配置するため、固定部207、208は、固定部206
よりも前に寄せて設けられている。
このように、支持部材205の上面205Aには、インバータ筐体18H及びコンバータ筐体100Hが並べて配置される。そして、支持部材205の上面205Aには、本実施形態に係る作業機械シリーズの各作業機械に特有の部品(リフマグドライバ筐体48H)を更に配置し固定可能な固定部208が設けられる。これにより、本実施形態に係る作業機械シリーズに含まれるショベルとリフマグ機との間で、上部旋回体3の右側前部の配置構造を共用することができる。また、支持部材205は、本実施形態に係る作業機械シリーズに含まれるショベルとリフマグ機との間で、同一体格(少なくとも左右方向及び前後方向の寸法)が同じになるため、支持部材205の部品を共用することができる。また、支持部材205は、上部旋回体3のメインのハウス部を構成する図示しないフレーム(ハウスフレーム)とは別体で設けられる。そのため、ショベルとリフマグ機との間で、ハウスフレームを共用することができる。
尚、コンバータ筐体100Hは、支持部材205の上面205A以外の場所に配置されてもよい。即ち、上面205Aの固定部207が省略され、ショベルでは、固定部206にインバータ筐体18Hが固定され、リフマグ機では、固定部206及び固定部208に、それぞれ、インバータ筐体18H及びリフマグドライバ筐体48Hが固定される態様であってもよい。この場合、例えば、本実施形態に係る作業機械シリーズに共通で、キャパシタ19の代わりに、小型のキャパシタを採用し、上面205Aの下のフロア面143に小型のキャパシタ(を収容する筐体)とコンバータ筐体100Hを配置してよい。
図8に戻り、インバータ18は、昇降圧コンバータ100を介してキャパシタ19から供給される電力を用いて、電動発電機12、及び旋回用電動機21を駆動する。そのため、インバータ18と、電動発電機12及び旋回用電動機21とは、それぞれ、ワイヤハーネス31及びワイヤハーネス32を介して接続される。インバータ筐体18Hにおけるワイヤハーネス31、32の取り出し口(ワイヤハーネス31、32との接続コネクタ)は、インバータ筐体18Hの略直方体の外形形状における長手方向(以下、単に「インバータ筐体18Hの長手方向」と称する)の後端の側面(即ち、後端面)に設けられる。
尚、インバータ筐体18Hは、ワイヤハーネス31、32を接続する接続コネクタと同様、昇降圧コンバータ100との間のワイヤハーネス(不図示)を接続する接続コネクタを、長手方向の後端面に有する。また、昇降圧コンバータ100は、かかるワイヤハーネスを接続する接続コネクタを、略直方体の外形形状における長手方向(以下、単に「コンバータ筐体100Hの長手方向」と称する)の後端面に有する。また、昇降圧コンバータ100は、キャパシタ19との間のワイヤハーネス(不図示)を接続する接続コネクタを、長手方向の後端面に有する。また、キャパシタ筐体19Hは、かかるワイヤハーネスを接続する接続コネクタを後端面に有する。
図8に示すように、インバータ18から後方に延出するワイヤハーネス31は、後方の尿素水タンク200との干渉を避けるため、右向きに屈曲され、尿素水タンク200の前方を左から右に向けて延在する態様で配索される。図9及び図10に示すように、ワイヤハーネス31は、尿素水タンク200の右端より右方位置において、下向きに屈曲され、フロア面143に設けられる孔(不図示)を通じて、フロア面143の下に貫通する。フロア面143の下に貫通したワイヤハーネス31は、後向きに屈曲され、サイドフレーム142Rの内側に沿って、燃料タンク160の下を前から後ろに向けて縦断する態様で配索される。そして、ワイヤハーネス31は、燃料タンク160の後端よりも後方位置において、フロア面143に設けられる孔(不図示)を通じて、フロア面143の上に貫通し、右側に屈曲され、上部旋回体3の右側後部に配置される電動発電機12に接続される。
また、インバータ18から後方に延出するワイヤハーネス32は、左向きに屈曲され、尿素水タンク200の左側に位置する右側フレーム141Rを跨いで(或いは貫通して)、上部旋回体3の中央付近に配置される旋回用電動機21に接続される。
電気駆動部品には、ラジエータ192から冷却水が供給される。かかる冷却水は、インバータ筐体18H、コンバータ筐体100H、及びキャパシタ筐体19H内に設けられる冷却水路(ウォータジャケット)を循環する。また、リフマグドライバ48を搭載するリフマグ機では、冷却水が更にリフマグドライバ筐体48H内に設けられるウォータジャケットを循環する。これにより、インバータ18、昇降圧コンバータ100、キャパシタ19、及びリフマグドライバ48を冷却することができる。以下、図15を参照して、電気駆動部品の冷却系について説明する。
図15は、電動発電機12、旋回用電動機21、及び電気駆動部品を冷却する冷却系の一例を示す図である。
当該冷却系は、ラジエータ192、ウォータポンプ193、冷却管194、リザーブタンク195等を含む。
ウォータポンプ193は、当該冷却系内の冷却水、即ち、冷却管194及びリザーブタンク195内の冷却水を吸い込んで吐出し、冷却管194で構成される冷却回路内で冷却水を循環させる。具体的には、図14に示すように、ウォータポンプ193は、冷却管194aを通じて、ラジエータ192により冷却された冷却水を吸い込み、冷却管194bに吐出する。
ウォータポンプ193により吐出された冷却水は、キャパシタ19、インバータ18A,18B、昇降圧コンバータ100、旋回用電動機21、電動発電機12、及び減速機13のそれぞれに隣接するように配置される冷却管194を通過した後に、ラジエータ192に戻る。具体的には、ウォータポンプ193により冷却管194bに吐出された冷却水は、まず、キャパシタ19(キャパシタ筐体19H内のウォータジャケット)に供給された後、冷却管194cに吐出される。冷却管194cには、冷却水を分流可能な接続部196(例えば、流体継手等)が接続され、冷却管194cの冷却水を複数の機器に並列に供給することができる。本例では、接続部196は、冷却管194cの冷却水を冷却管194d〜194fの3つに分流可能に構成され、そのうち、冷却管194dは、インバータ18A,18B(即ち、インバータ筐体18H内のウォータジャケット)に接続され、冷却管194eは、昇降圧コンバータ100(即ち、コンバータ筐体100H内のウォータジャケット)に接続される。また、リフマグ機では、冷却管194fは、リフマグドライバ48(即ち、リフマグドライバ筐体48H内のウォータジャケット)に接続される。インバータ筐体18H及びコンバータ筐体100Hを通過した冷却水(リフマグ機では、インバータ筐体18H、コンバータ筐体100H、及びリフマグドライバ筐体48Hを通過した冷却水)は、接続部197で再度合流し、その後、冷却管194を通じて、旋回用電動機21、電動発電機12、及び減速機13の順で、循環し、ラジエータ192に戻る。
尚、図15に示す冷却回路の構成は一例であり、任意の接続方法が採用されてよい。例えば、図15において、ウォータポンプ193は、ラジエータ192で冷却される前の冷却水を吸い込んでラジエータ192に吐出してもよい。また、冷却管194は、インバータ18A,18B、及び昇降圧コンバータ100(リフマグ機では、インバータ18A,18B、昇降圧コンバータ100、及びリフマグドライバ48)のそれぞれに隣接する部分では並列に配置され、その他の部分では直列に配置されるが、全てが直列に配置されてもよいし、その他の部分の一部又は全部で並列接続が採用されてもよい。
図8に示すように、ラジエータ192の左側に隣接して配置されるウォータポンプ193から延設される冷却管194bは、ラジエータ192の下を前後方向に縦断した後、右向きに屈曲され、ラジエータ191やディーゼルエンジン11の前方を左から右に向けて横断する態様で配索される。そして、冷却管194bは、燃料タンク160の手前で前向きに屈曲され、燃料タンク160及び尿素水タンク200に沿って、後から前に向けて縦断する態様で配索され、キャパシタ19の後端面に接続される。キャパシタ筐体19Hの後端面から延出する冷却管194c(不図示)が接続する接続部196は、尿素水タンク200と、インバータ筐体18H及びコンバータ筐体100Hとの間の前後位置に配置される。接続部196と、インバータ筐体18H及びコンバータ筐体100Hのそれぞれとの間は、冷却管194d,194eで接続される。また、リフマグ機では、更に、接続部196と、リフマグドライバ筐体48Hとの間が冷却管194f(図8中の点線)で接続される。
尚、図8では、接続部197の図示を省略するが、接続部197の配置態様や、接続部197と、インバータ筐体18H及びコンバータ筐体100H(リフマグ機では、インバータ筐体18H、コンバータ筐体100H、及びリフマグドライバ筐体48H)との接続態様は、接続部196と同様である。
このように、電気駆動部品の冷却系の循環路は、インバータ筐体18Hに接続される冷却管194dと、冷却管194dと並列で配置され、コンバータ筐体100Hに接続される冷却管194eを有する。そして、冷却管194d及び冷却管194eと並列で配置され、リフマグドライバ筐体48Hに接続される冷却管194fを接続可能な接続部196を有する。これにより、本実施形態に係る作業機械シリーズに含まれるショベルとリフマグ機との間で、電気駆動部品の冷却系の共用化を図ることができる。
図9、図11、及び図12に示すように、上部旋回体3の右側前部には、各種部品群(尿素水タンク200、インバータ18、キャパシタ19、昇降圧コンバータ100、リフマグドライバ48、作業灯210等)を覆う態様で、昇降ステップ220が設けられる。昇降ステップ220は、後上がりで設けられ、作業者は、上部旋回体3の前方からハウス上部に昇り、エンジンルームの点検等を行うことができる。また、昇降ステップ220には、後述する尿素水タンク200のフィラー202にアクセスする開口(開口部223B)も設けられ、作業者は、昇降ステップ220に上って、尿素水タンク200に尿素水の補給を行うことができる。昇降ステップ220は、下から第1段ステップ221、第2段ステップ222、及び第3段ステップ223を含む。
尚、図11及び図12に示すように、昇降ステップ220の右端部には、手すり225が設けられる。昇降ステップ220の外側(右側端部)は、外装カバー230が取り付けられる。即ち、外装カバー230は、上部旋回体3の右側前部における各種部品群を右側から覆っている。また、昇降ステップ220の内側(左側端部)には、内側カバー240が取り付けられる。即ち、内側カバー240は、上部旋回体3の右側前部における各種部品群を左側から覆っている。
図9に示すように、第1段ステップ221は、電気駆動部品(インバータ筐体18H、キャパシタ筐体19H、コンバータ筐体100H、リフマグドライバ筐体48H)を覆う第1段ステップ本体221Aを含む。第1段ステップ本体221Aは、前端面に開口部221Bを備える。
開口部221Bは、作業者が第1段ステップ221内に収容される電気駆動部品や作業灯210をメンテナンスするために設けられる。例えば、図10に示すように、キャパシタ筐体19Hには、安全スイッチカバー19sが設けられる。キャパシタ19は、非常に高い電圧を出力可能であるため、キャパシタ19を含む電気駆動系のメンテナンスを行う際は、安全スイッチカバー19sを外し、安全スイッチにより電力経路を遮断する必要がある。また、作業灯210は、電球が寿命等により点灯しなくなると、交換する必要がある。その際、作業者は、開口部221B(図10中の点線枠)を通じて、安全スイッチカバー19sと作業灯の双方にアクセスすることができる。そのため、電気駆動部品のメンテナンス用のカバーと、作業灯210のメンテナンス用のカバーを別に設ける場合に比して、コスト増加を抑制することができる。
また、図7に示すように、開口部221Bは、キャパシタ19のメンテナンス対象部位(安全スイッチカバー19s)と、作業灯のメンテナンス対象となる部位(照射部)が、前方から視認可能な態様で設けられる。そのため、作業者は、電気駆動部品及び作業灯210の双方のメンテナンスを容易に行うことができる。
尚、開口部221Bは、キャパシタ19のメンテナンス対象部位(安全スイッチカバー19s)と、作業灯210のメンテナンス対象部位(照射部)にアクセス可能であればよく、前方から各メンテナンス対象部位を視認できなくともよい。即ち、開口部221Bは、各メンテナンス対象部位のうちの何れか一方が前方から視認可能な態様で設けられてもよいし、何れも視認不可能な態様で設けられてもよい。
また、第1段ステップ221は、開口部221Bを前方から覆うカバー部221Cを含む。カバー部221Cは、第1段ステップ221から取り外し可能に構成され(図9の白抜き矢印参照)、開口部221Bが設けられる第1段ステップ本体221Aの前端面に加えて、開口部221Bが設けられない上面を覆う態様で設けられる。即ち、カバー部221Cは、第1段ステップ221(具体的には、第1段ステップ本体221A)の上面(作業者が足を載せる部分)と重なっている。これにより、第1段ステップ本体221Aの上面とカバー部221Cの上面の2枚で、上からの荷重を支えることができるため、第1段ステップ本体221Aの板厚とカバー部221Cの板厚を薄くすることができる。そのため、第1段ステップ本体221Aの軽量化を図り、組立工程における作業者の負荷を軽減することができる。また、カバー部221Cの軽量化を図り、組立行程における作業者の負担を軽減すると共に、メンテナンス作業における作業者の負担を軽減することができる。カバー部221Cの重量は、作業者が持ち運び可能な予め規定された値以下の質量、例えば、15kg以下の質量を有する。
また、上述の如く、インバータ18及び昇降圧コンバータ100が、それぞれ異なるインバータ筐体18H及びコンバータ筐体100Hに収容された上で、左右に並べて配置される。また、上述の如く、リフマグ機では、インバータ18、昇降圧コンバータ100、及びリフマグドライバ48が、それぞれ異なるインバータ筐体18H、コンバータ筐体100H、及びリフマグドライバ筐体48Hに収容された上で、左右に並べて配置される。これにより、電気駆動部品全体としての高さを比較的低く抑えることが可能となるため、昇降ステップ220のうち、電気駆動部品を覆う部分の高さを低く抑えることができる。そのため、例えば、電気駆動部品を覆う部分のステップが高くなり、当該ステップの前部に前後寸法の短いステップを追加する等の必要がなく、電気駆動部品を覆う部分を第1段ステップ221として利用することができる。即ち、昇降ステップ220の昇降がし易くなる。また、インバータ筐体18H、コンバータ筐体100H、及びリフマグドライバ筐体48Hを支持部材205の上面205Aに並べて配置可能な構成を採用することにより、ショベルとリフマグ機の双方で同一の良好なハウス上部への乗降性を実現することができる。
尚、カバー部221Cは、取り外し可能な態様で設けられるが、例えば、後述するカバー部222Cや223Cのように、後端部を回転中心にして回動可能な態様で設けられてもよい。
また、図11及び図12に示すように、カバー部221Cには、スリット部221Fが設けられる。図12に示すように、スリット部221Fは、カバー部221Cが第1段ステップ本体221Aに取り付けられた状態で、作業灯210と同じ、上下方向及び左右方向の位置になるように設けられる。即ち、カバー部221Cが第1段ステップ本体221Aに取り付けられた状態で、作業灯210の照射部は、スリット部221Fを通じて、前方から視認可能になっている。
作業灯210の照射部からの光を前方に通過させるスリット部221Fは、第1段ステップ221(具体的には、カバー部221C)の前端面の上端部に設けられる。即ち、作業灯210は、キャパシタ筐体19Hが配置されるフロア面143からかさ上げされた支持部材205の上面205Aに設けられる。そのため、スリット部221Fから前方に照射される光が旋回フレーム140の前端部に設けられるステップ145に遮られにくくすることが可能となり、作業灯210は、ショベル前方の地面を確実に照射することができる。また、作業灯210は、支持部材205の上面205Aの左前端部に設けられるため、作業機械の前方におけるブーム4寄りの部分を照射することができる。そのため、実際に作業を行っている場所を確実に照射することができる。
また、スリット部221Fは、例えば、端部に保護材を取り付ける等して、作業者が把持可能に構成される。これにより、カバー部221Cに専用の把持部を設ける必要がなく、コスト増加や質量増加等を抑制することができる。
また、図11に示すように、カバー部221Cは、右側に隣接する外装カバー230の曲面形状と同程度の曲率の曲面形状を有する。これにより、外装カバー230とカバー部221Cとの意匠面での一体感を演出することが可能となる。
尚、図11に示すように、カバー部221Cの上面には、滑り止め機能を有する足載せ部221Dが設けられる。
図9に示すように、第2段ステップ222は、第1段ステップ本体221Aの上面の後部に配置される作業箱222Aを含む。即ち、昇降ステップ220は、作業箱222Aを第2段ステップ222として利用する。作業箱222Aは、例えば、グリス用ペール缶、電動ポンプ、及びグリスガンを含む自動給脂装置や工具等を収容するために用いられる。
作業箱222Aは、前端面から上面にかけて開口部222Bを備えると共に、開口部222Bを覆うカバー部222Cを備える。カバー部222Cは、図9に示すように、後端部を中心として回動可能に設けられる。これにより、作業者は、カバー部222Cを上方向に回動させて、開口部222Bから作業箱222Aの中の収容物にアクセスすることができる。
尚、図11に示すように、カバー部222Cの上面には、滑り止め機能を有する足載せ部222Dが設けられる。
図9に示すように、第3段ステップ223は、尿素水タンク200、フィラーパイプ201、及びフィラー202を前方及び上方から覆う第3段ステップ本体223Aを含む。第3段ステップ本体223Aは、上面から前面(具体的には、前面のうち、第2段ステップ222より高い部分)にかけて開口部223Bを備えると共に、開口部223Bを覆うカバー部223Cを備える。カバー部223Cは、図9に示すように、後端部を中心として回動可能に設けられる。
尚、第3段ステップ223(カバー部223C)の上面には、滑り止め機能を有する足載せ部223Dが設けられる。
図9に示すように、開口部223Bは、前後方向で、フィラー202の配置される位置と重なる態様で設けられる。また、図示しないが、開口部223Bは、左右方向で、フィラー202の配置される位置と重なる態様で設けられる。これにより、作業者は、カバー部223Cを上方に回動させると共に、開口部223Bからフィラー202にアクセスして、尿素水タンク200に尿素水を補給することができる。
また、図9に示すように、フィラー202は、第2段ステップ222(作業箱222A)の上面より高くなるように設けられる。そのため、作業者は、第1段ステップ221或いは第2段ステップ222から尿素水タンク200に尿素水を補給する際、腰を大きく腰を屈める必要が無くなり、尿素水の補給がし易くなる。
また、上述の如く、フィラー202は、燃料ゲージ161と左右方向の位置がずらされているため、図11に示すように、燃料ゲージ161と同じ高さ位置にある第3段ステップ223(具体的には、第3段ステップ本体223A)の右端部は、燃料ゲージ161の左右位置よりも左側にある。即ち、第3段ステップ223(第3段ステップ本体223A)は、燃料ゲージ161よりも左側に寄せて配置され、第3段ステップ223と外装カバー230との間の空間を介して燃料ゲージ161を前方から視認することができる。
また、図11及び図12に示すように、第3段ステップ本体223Aの右端部には、第3段ステップ223の上面と同じ高さの足場部材224が設けられる。足場部材224は、第3段ステップ本体223Aと外装カバー230との間の空間を上方から覆う態様で設けられる。そのため、第3段ステップ本体223Aと外装カバー230との間に空間を設けることにより作業者の足を載せる幅が狭くなる等の不都合が生じないようにすることができる。即ち、足場部材224を設けることにより、作業者が昇降ステップ220を利用する際の利便性の低下を防止することができる。
また、図11(b)に示すように、足場部材224には、前後方向のスリット部が設けられ、当該スリット部を通じて、足場部材224の上から下方を視認することができるようになっている。そのため、作業者は、スリット部、及び第3段ステップ本体223Aと外装カバー230との間の空間を介して、斜め上から燃料ゲージ161を視認することができる。
また、図12に示すように、足場部材224は、第3段ステップ本体223Aの右側面の上端部から右方向に延設される。即ち、足場部材224は、第3段ステップ本体223Aの右側面の上端部に固定される。そのため、足場部材224の固定構造が燃料ゲージ161の前を遮るような事態を防止し、燃料ゲージ161の視認性(具体的には、前方からの視認性)を確保することができる。
また、図12に示すように、足場部材224と第3段ステップ本体223Aの右側面との間の結合部の強度を確保するため、足場部材224の厚み(上下方向の寸法)は、第3段ステップ本体223Aに近づくほど大きくなるように設定されている。即ち、第3段ステップ本体223Aとの結合部分の足場部材の厚みは、結合強度確保のため、比較的大きく設定される。
尚、足場部材224には、スリット部の代わりに、斜め上から燃料ゲージ161を視認可能な透明部が設けられてもよい。
以上、本発明を実施するための形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。