図1は、本発明の実施例にかかる情報処理システム1を示す。情報処理システム1は、ユーザ端末である情報処理装置10と補助記憶装置2とを備える。情報処理装置10は、ユーザが操作する入力装置6と無線または有線で接続し、入力装置6から提供される操作情報および/またはネットワーク(図示せず)経由で提供される別のユーザによる操作情報をアプリケーションの処理に反映して、処理結果であるコンテンツ画像を出力装置4a〜4eの少なくとも2つに提供する。
実施例において情報処理装置10はゲームを実行するゲーム装置であり、入力装置6はゲームコントローラである。補助記憶装置2は、HDD(ハードディスクドライブ)やフラッシュメモリなどの大容量記憶装置であり、USB(Universal Serial Bus)などによって情報処理装置10と接続する外部記憶装置であってよく、また内蔵型記憶装置であってもよい。撮像装置であるカメラ7は、出力装置4aの近傍に設けられ、出力装置4a周辺の空間を撮像する。
情報処理システム1が提供する環境には、複数の出力装置4a〜4e(以下、特に区別しない場合には「出力装置4」と呼ぶ)が存在する。たとえば出力装置4aはテレビであり、出力装置4b、4cはタブレット装置であり、出力装置4dはスマートフォンであり、出力装置4eは表示機能付ウェアラブル機器である。これら以外にも、透過型ヘッドマウントディスプレイ、ラップトップ型PC、携帯型ゲーム機などの出力装置4が存在してもよい。
各出力装置4は、無線接続または有線接続による通信機能を有し、情報処理装置10との間でデータを送受信可能とする。情報処理装置10と出力装置4とは、無線LANのアクセスポイントを介して通信してもよく、またアドホック接続により通信してもよい。また情報処理装置10と出力装置4とは、インターネットなどのネットワークに接続するサーバを介して通信してもよい。図1では情報処理装置10と出力装置4aとがケーブルで接続されている様子を示しているが、両者は無線接続でデータを送受信可能としてもよい。
実施例では、このように複数の出力装置4が存在する環境を「マルチスクリーン環境」と呼ぶ。マルチスクリーン環境のもとでは、一人のユーザが複数の出力装置4の表示画面を見ることができ、ゲームソフトウェア(以下、単に「ゲーム」と呼ぶこともある)が、各出力装置4用に異なるコンテンツ画像を生成することで、ユーザはそれぞれの出力装置4から異なる情報を得られるようになる。ここで異なるコンテンツ画像とは、出力装置4の表示画像が異なっていることを意味し、基本的には一つのゲームソフトウェアが、各出力装置4用に異なるゲーム画像を生成する。なお実施例では、ゲームソフトウェアが、異なるコンテンツ(ゲーム)画像を各出力装置4に提供する例を示すが、オペレーションシステム(OS)が、別のソースから取得したコンテンツ画像を、出力装置4に提供してもよい。各出力装置4から出力されるコンテンツ画像は、可能な限り同期していることが好ましい。
実施例では、アプリケーションを処理する主体として一つの情報処理装置10を示すが、アプリケーションの処理は、複数の情報処理装置10により協働して実施されてもよい。このとき複数の情報処理装置10は、同一プラットフォームを有する同種の処理装置であってもよく、また別個のプラットフォームを有する異種の処理装置であってもよい。なお複数の情報処理装置10が協働する場合、各々の処理は同期していることが前提であり、これにより複数の出力装置4に、同期した異なるコンテンツ画像を出力する。なお出力装置4と接続する情報処理装置10は、複数のコンテンツ画像を、それぞれ割り当てた出力装置4に提供する機能を少なくとも有すればよく、アプリケーションの処理機能は、たとえばネットワーク上の処理サーバが有していてもよい。以上のように複数の主体が協働して、アプリケーション処理機能と、出力装置4へのコンテンツ提供機能を実現してもよく、この場合、複数の主体をまとめて、情報処理装置と呼んでもよい。
実施例では、アプリケーションがゲームソフトウェアである場合について説明するが、アプリケーションはゲームソフトウェア以外であってもよい。たとえばアプリケーションは、ビデオコンテンツを再生するアプリケーションであって、異なる出力装置4に異なるコンテンツ画像を提供するものであってもよい。
図2は、情報処理装置10の機能ブロック図を示す。情報処理装置10は、メイン電源ボタン20、電源ON用LED21、スタンバイ用LED22、システムコントローラ24、クロック26、デバイスコントローラ30、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60を有して構成される。
メインシステム60は、メインCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラ、GPU(Graphics Processing Unit)などを備える。GPUはゲームプログラムの演算処理に主として利用される。これらの機能はシステムオンチップとして構成されて、1つのチップ上に形成されてよい。メインCPUはOSを起動し、OSが提供する環境下において、補助記憶装置2にインストールされたアプリケーションを実行する機能をもつ。サブシステム50は、サブCPU、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラなどを備え、GPUを備えない。サブCPUは、メインCPUがスタンバイ状態にある間においても動作する。
メイン電源ボタン20は、ユーザからの操作入力が行われる入力部であって、情報処理装置10の筐体の前面に設けられ、情報処理装置10のメインシステム60への電源供給をオンまたはオフするために操作される。電源ON用LED21は、メイン電源ボタン20がオンされたときに点灯し、スタンバイ用LED22は、メイン電源ボタン20がオフされたときに点灯する。
システムコントローラ24は、ユーザによるメイン電源ボタン20の押下を検出する。クロック26はリアルタイムクロックであって、現在の日時情報を生成し、システムコントローラ24やサブシステム50およびメインシステム60に供給する。デバイスコントローラ30は、サウスブリッジのようにデバイス間の情報の受け渡しを実行するLSI(Large-Scale Integrated Circuit)として構成される。図示のように、デバイスコントローラ30には、システムコントローラ24、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60などのデバイスが接続される。デバイスコントローラ30は、それぞれのデバイスの電気特性の違いやデータ転送速度の差を吸収し、データ転送のタイミングを制御する。
メディアドライブ32は、ゲームなどのアプリケーションソフトウェア、およびライセンス情報を記録したROM媒体44を装着して駆動し、ROM媒体44からプログラムやデータなどを読み出すドライブ装置である。ROM媒体44は、光ディスクや光磁気ディスク、ブルーレイディスクなどの読出専用の記録メディアである。
USBモジュール34は、外部機器とUSBケーブルで接続するモジュールである。USBモジュール34は補助記憶装置2およびカメラ7とUSBケーブルで接続してもよい。フラッシュメモリ36は、内部ストレージを構成する補助記憶装置である。無線通信モジュール38は、Bluetooth(登録商標)プロトコルやIEEE802.11プロトコルなどの通信プロトコルで、入力装置6や各種の出力装置4と無線通信する。なお無線通信モジュール38はデジタル携帯電話方式に対応してもよい。有線通信モジュール40は、外部機器と有線通信する。
実施例の情報処理装置10は、複数の出力装置4と通信可能に接続する機能を有する。実施例ではテレビである出力装置4aが有線通信モジュール40とケーブルで有線接続し、モバイル端末である出力装置4b〜4eが無線通信モジュール38との間で無線接続する例を示すが、通信形態はこれに限るものではなく、出力装置4がUSBモジュール34とUSB接続して通信可能とされてもよい。
なお出力装置4b〜4eはモバイル端末であることから、マルチスクリーン環境を実現するために、ユーザは、自分の周辺にこれらの出力装置4を持ってくる必要がある。また実施例では出力装置4aが据置型テレビであって、マルチスクリーン環境下において、出力装置4aは常に情報処理装置10に接続していることを想定しているが、出力装置4aはモバイル端末であってもよい。マルチスクリーン環境を実現するために、ユーザの周りには少なくとも2台以上の出力装置4が存在することが必要となる。
情報処理システム1では、情報処理装置10が、ユーザが所有する出力装置4の機器情報を登録したディスプレイデータベース(以下、「ディスプレイDB」と呼ぶ)を補助記憶装置2に保持する。ディスプレイDBは、ディスプレイに関する情報を記憶するディスプレイ情報記憶部の一例であり、出力装置4の機器種類、型番、機器ID、解像度、ディスプレイサイズの情報を含んで構成される。
図3は、補助記憶装置2に記憶されたディスプレイDB200の一例を示す。ディスプレイDB200には、情報処理装置10と接続可能な複数の出力装置4の機器情報が登録される。ここで解像度およびディスプレイサイズは、出力装置4の仕様を定める情報であって、解像度は、出力装置4の総画素数を示し、ディスプレイサイズは、出力装置4の対角線長を示す。なおディスプレイサイズは、横長×縦長の形式で定義されてもよい。なお仕様情報として、さらに色深度(色解像度)の情報を含んでもよい。
最初に出力装置4と情報処理装置10とが接続したとき、情報処理装置10は出力装置4に対して機器情報の送信を要求し、出力装置4は情報処理装置10に、機器種類、型番、機器ID、解像度、ディスプレイサイズを含む機器情報を送信する。これにより情報処理装置10は出力装置4の機器情報を取得し、ディスプレイDB200に登録する。機器情報をディスプレイDB200に登録すると、以後、情報処理装置10は、出力装置4の機器IDを確認することで出力装置4を認証し、出力装置4との間でデータを送受信できるようになる。ディスプレイDB200に登録した解像度およびディスプレイサイズを含む仕様情報は、後述するように、情報処理装置10が、コンテンツ画像を出力させる出力装置4を選択する際の基準として利用される。
なお出力装置4が送信する機器情報に、機器種類、型番、機器IDは含まれるものの、解像度、ディスプレイサイズなどの仕様情報が含まれない場合、情報処理装置10は、インターネットに接続する外部サーバから、型番をもとに当該出力装置4の仕様情報を取得してもよい。たとえばインターネット上に、型番と仕様情報とを対応付けた専用サーバを配設しておき、情報処理装置10は、当該専用サーバにアクセスして、型番に対応付けられた仕様情報を取得してもよい。また情報処理装置10は、自動サーチ機能を有して、型番をもとに出力装置のメーカのWebサイトにアクセスして、必要な仕様情報を取得してもよい。また出力装置4は、仕様情報を保持する外部サーバのURL情報を情報処理装置10に送信し、情報処理装置10が、当該URLを用いて外部サーバにアクセスして仕様情報を取得するようにしてもよい。
いずれにしても情報処理システム1においては、情報処理装置10が、複数の出力装置4の仕様情報を含む機器情報を保持するディスプレイDB200を有しており、出力装置4の仕様情報にもとづいて、コンテンツ画像を出力させる出力装置4を決定する。なお情報処理装置10が出力装置4の仕様情報を自動取得できない場合には、ユーザが手動でディスプレイDB200に仕様情報を登録してもよい。
図3に示すディスプレイDB200において、装置番号1は出力装置4aに対応し、装置番号2は出力装置4bに対応し、装置番号3は出力装置4cに対応し、装置番号4は出力装置4dに対応し、装置番号5は出力装置4eに対応する。
実施例では、ゲームソフトウェアが、複数の出力装置4に、それぞれ異なるゲーム画像を出力する。以下、ファーストパーソンシューティングゲーム(FPS)が生成する複数のゲーム画像の例を示す。
(第1のゲーム画像)
第1のゲーム画像は従来からあるゲーム画像であり、ユーザが操作するキャラクタの視点画像である。ゲームにおけるメイン画像を構成する。
(第2のゲーム画像)
第2のゲーム画像は、複数プレイヤの対戦時に、別のプレイヤが操作する敵キャラクタの視点画像である。なおユーザがシングルプレイで一人でゲームをしている場合、第2のゲーム画像は、ゲームが操作する敵キャラクタの視点画像であってよい。ユーザは敵キャラクタの視点画像を見ることで、危険を察知できる。
(第3のゲーム画像)
第3のゲーム画像は、敵キャラクタが保有している武器または弾薬の残量に関する画像である。ゲーム中、敵キャラクタと遭遇したときに、敵キャラクタがどのような武器を持っているか、また弾薬の残量はどれぐらいであるかは、対戦する際に重要な情報となる。
第1〜第3のゲーム画像は、情報処理装置10から、それぞれ異なる出力装置4に提供されて、表示される。複数の出力装置4に異なるゲーム画像を表示することで、ユーザは様々な情報を直ちに得られるようになる。なおゲームソフトウェアは、4種類以上のゲーム画像を作成してもよい。たとえばゲームソフトウェアは、ゲーム空間における主人公のキャラクタおよび敵のキャラクタの位置関係を表現するゲーム画像を生成してもよいし、さらに別のプレイヤの視点画像を生成してもよい。ゲームソフトウェアが生成可能な画像数は、ゲームによって異なる。実施例において、ゲームソフトウェアは、マルチスクリーン環境を前提として作成されており、複数のコンテンツ画像を生成する機能を有するが、ゲームソフトウェアが生成するコンテンツ画像の数は、ゲームメーカのポリシーによって定められる。
図4は、マルチスクリーン環境下で動作する情報処理装置10の構成を示す。情報処理装置10は、処理部100、通信部102および受付部104を備え、処理部100は、アプリケーション実行部110、ゲームソフトウェア120および出力制御部150を備える。ゲームソフトウェア120は補助記憶装置2に記録されているが、図4ではアプリケーション実行部110により読み出されて、ゲームプログラム122の実行により動作する各種機能を処理部100の構成として示す。ゲームソフトウェア120は、アプリケーション実行部110がゲームプログラム122を実行することで、ディスプレイ要求部124、表示コンテンツ決定部126、ディスプレイ特定部128および出力コンテンツ生成部130の機能をもつようになる。なお、これらの機能は、情報処理装置10におけるオペレーションシステム(OS)の機能として実装されてもよく、またゲームソフトウェア120とOSとが協働することで実現されてもよい。
出力制御部150は、接続状況管理部152、ディスプレイ決定処理部154、ユーザ要求受付部156、予備ディスプレイ管理部158および出力コンテンツ提供部160を備える。補助記憶装置2は、ディスプレイDB200および接続管理テーブル202を有している。
図4において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、回路ブロック、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
通信部102は、入力装置6の操作情報を受信して処理部100に提供し、また処理部100で生成したコンテンツを、複数の出力装置4に提供する。ここでコンテンツは、ゲームソフトウェア120を実行することで生成されるゲーム画像であるが、後述するようにゲーム音声である場合もある。通信部102は、図2に示すUSBモジュール34、無線通信モジュール38および有線通信モジュール40の機能を併せ持つ構成として表現している。
受付部104は、通信部102と処理部100との間に設けられ、通信部102と処理部100との間でデータないしは情報を伝送する。受付部104は通信部102を介して入力装置6の操作情報を受け付けると、その操作情報を処理部100におけるアプリケーション実行部110、出力制御部150などに供給する。また受付部104は、出力コンテンツ提供部160からコンテンツを受け付け、通信部102に提供する。
ゲームプログラム122は、入力装置6の操作情報に応じて、ファーストパーソンシューティングゲーム(FPS)を実行する。FPSは、主人公の本人視点でゲーム中の世界を移動し、武器もしくは素手などを用いて戦うアクションゲームである。FPSは一人でプレイできるが、敵、味方に分かれて複数人でもプレイできる。
FPSでは、本人が操作するキャラクタ(主人公)以外に、主人公を狙う敵キャラクタが存在する。マルチスクリーン環境を前提として作られたゲームプログラム122は、複数の異なるゲーム画像を生成して、複数の出力装置4から表示させる機能をもつ。ゲームメーカは知恵を絞り、マルチスクリーン環境のメリットを最大限発揮させられるゲームソフトウェア120を開発する。上記した第1〜第3のゲーム画像は例示であり、これらのゲーム画像以外にも、斬新なゲーム画像を出力装置4に表示させることで、ゲームの魅力を向上させられる。
一方で、マルチスクリーン環境では、複数の出力装置4がディスプレイDB200に登録されているが、多くはモバイル端末であることが想定されるため、登録されている全ての出力装置4がユーザの周辺に存在するとは限らない。また図3のディスプレイDB200にも示すように、登録されている出力装置4のタイプも様々であり、たとえば出力装置4eは時計タイプのウェアラブル機器であって、その画面サイズも小さい。そのため、たとえばFPSにおけるプレイヤ視点のゲーム画像を出力装置4eに表示しても、表示画面が小さすぎて、分かりづらいという問題が生じる。したがってマルチスクリーン環境下では複数の出力装置4を利用可能であっても、ゲーム画像によっては、どの出力装置4からでも出力してよいというものではない。
そのような観点から、ゲームソフトウェア120は、ゲーム画像を出力するために必要な出力装置4の仕様をゲーム画像ごとに設定し、適切な仕様をもつ出力装置4からゲーム画像が出力されるようにする。
なおゲームソフトウェア120は、生成可能なゲーム画像の最大数と現時点で生成するゲーム画像数とを管理する。生成可能なゲーム画像の最大数は、ゲームソフトウェア120によって予め設定されている。また現時点で生成するゲーム画像数は、現時点のゲームシーンや、一緒にプレイしているユーザ数などによってゲームにより定められ、最大数以下の数となる。生成可能なゲーム画像の最大数と、現時点で生成するゲーム画像数とは常時同じであってもよく、つまりゲームソフトウェア120が、常に最大数のゲーム画像を生成するように構成されていてもよい。
表示コンテンツ決定部126は、どのようなゲーム画像を生成するか決定する。実施例では、表示コンテンツ決定部126が、上記した第1〜第3のゲーム画像を生成することを決定する。また表示コンテンツ決定部126は、将来生成する可能性のあるゲーム画像も予め決定する。
ディスプレイ要求部124は、生成するゲーム画像の表示に必要な表示装置の仕様、および将来生成する可能性のあるゲーム画像の表示に必要な表示装置の仕様を管理し、管理している要求仕様情報を出力制御部150に通知する。生成するゲーム画像の数は、現時点で生成するゲーム画像の数に対応し、生成するゲーム画像の数と、将来生成する可能性のあるゲーム画像の数の和は、生成可能なゲーム画像の最大数に対応する。
図5は、ディスプレイ要求部124が管理する画像管理テーブルを示す。ディスプレイ要求部124は、生成するゲーム画像および生成可能性のあるゲーム画像を、画像番号をつけて管理する。図5に示す例では、ゲームソフトウェア120が、画像番号1〜5の5種類のゲーム画像を生成可能であり、生成可能なゲーム画像の最大数が5であることを管理している。なお、これらのゲーム画像は、互いに異なる画像である。
ここで画像番号1のゲーム画像は、出力先となる出力装置4の要求仕様として、解像度が1280×800以上、ディスプレイサイズが10インチ以上であることが定められている。実施例において、画像番号1のゲーム画像は、ユーザが操作するキャラクタ(主人公)視点画像であり、上記した第1ゲーム画像に対応する。
画像番号2のゲーム画像は、出力先となる出力装置4の要求仕様として、解像度が1280×800以上、ディスプレイサイズが10インチ以上であることが定められている。画像番号2のゲーム画像は、別のプレイヤが操作する敵キャラクタの視点画像であり、上記した第2ゲーム画像に対応する。なおユーザがシングルプレイをする場合、別のプレイヤは存在していないが、この場合は、ノンプレイヤキャラクタ(NPC)である敵キャラクタの視点画像であってよい。
画像番号3のゲーム画像は、出力先となる出力装置4の要求仕様として、解像度が640×480以上、ディスプレイサイズが3インチ以上であることが定められている。画像番号3のゲーム画像は、敵キャラクタが保有している武器または弾薬の残量に関する画像であり、上記した第3ゲーム画像に対応する。
画像番号1〜3のゲーム画像は、生成フラグを“1”に設定されている。生成フラグは、ゲームソフトウェア120が現時点で生成するゲーム画像であるか否かを示す情報であり、フラグ値“1”は、現時点で生成するゲーム画像であることを表現する。すなわちゲームソフトウェア120が、画像番号1〜3のゲーム画像を生成することは確定しており、画像番号1〜3のゲーム画像は、要求仕様を満足する適切な出力装置4をそれぞれ割り当てられて、異なる出力装置4から表示される必要がある。
画像番号4のゲーム画像は、出力先となる出力装置4の要求仕様として、解像度が1280×800以上、ディスプレイサイズが10インチ以上であることが定められている。画像番号4のゲーム画像は、画像番号2とは異なる別のプレイヤによる敵キャラクタの視点画像であってよく、たとえば参加プレイヤが所定人数を超えた場合に生成される。
画像番号5のゲーム画像は、出力先となる出力装置4の要求仕様として、解像度が640×480以上、ディスプレイサイズが3インチ以上であることが定められている。画像番号5のゲーム画像は、画像番号4の敵キャラクタが保有している武器または弾薬の残量に関する画像である。
画像番号4、5のゲーム画像は、生成フラグを“0”に設定されている。フラグ値“0”は、現時点では生成しないが、将来的に生成する可能性のあるゲーム画像であることを表現する。すなわちゲームソフトウェア120は、現時点では画像番号4,5のゲーム画像を生成しないが、将来的に条件が整えば画像番号4,5のゲーム画像を生成する可能性がある。
ディスプレイ要求部124は、複数のゲーム画像のそれぞれを表示する出力装置の要求仕様情報および生成フラグ値を、出力制御部150に通知する。出力装置の要求仕様情報は、図5に示す画像管理テーブルで管理されている要求仕様であり、ディスプレイ要求部124は、各画像番号の要求仕様および生成フラグ値を出力制御部150に通知する。
出力制御部150において、ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイ要求部124から出力装置の要求仕様情報を受け取る。ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイDB200に保持されている出力装置の機器情報をもとに、ゲームソフトウェア120が生成する複数の異なるコンテンツ画像を表示させる複数の出力装置を決定する機能をもつ。
ディスプレイDB200は、情報処理装置10と接続可能な複数の出力装置4の機器情報を保持する。図3に示すように、機器情報は、機器種類、型番、機器ID、解像度、ディスプレイサイズを含み、解像度およびディスプレイサイズは、出力装置4の仕様情報を構成する。ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイ要求部124から通知される要求仕様情報と、ディスプレイDB200に保持されている仕様情報をもとに、コンテンツ画像を表示させる出力装置を決定する。
接続状況管理部152は、情報処理装置10と、ディスプレイDB200にて機器情報を保持されている出力装置4との接続状況を管理する。接続状況管理部152は、出力装置4と情報処理装置10とが接続しているか否かを監視し、監視結果を接続管理テーブル202に記憶する。情報処理装置10と出力装置4とが接続する際、出力装置4は情報処理装置10に機器IDを渡すことで、接続状況管理部152は、出力装置4との接続状況を管理できる。接続状況管理部152は、定期的に出力装置4と情報処理装置10との間の接続状況を確認して、最新の接続状況を接続管理テーブル202に記憶する。なお、ここでは図3に示すように、5つの出力装置4a〜4eが、ディスプレイDB200に登録されているものとする。
図6は、装置番号と接続フラグ値とを対応付ける接続管理テーブル202を示す。接続フラグは、出力装置4が情報処理装置10と接続しているか否かを示す情報であり、フラグ値“1”は、出力装置4が情報処理装置10と接続していること、フラグ値“0”は、出力装置4が情報処理装置10と接続していないことを表現する。
図6(a)は、装置番号1〜5の出力装置4a〜4eのすべてが、情報処理装置10と接続している状態を示す。
図6(b)は、装置番号1、2、4の出力装置4a、4b、4dが、情報処理装置10と接続している状態を示す。
図6(c)は、装置番号1、2の出力装置4a、4bが、情報処理装置10と接続している状態を示す。
図6(d)は、装置番号1、2、5の出力装置4a、4b、4eが、情報処理装置10と接続している状態を示す。
このように各出力装置4の状況に応じて、接続状況管理部152は、接続管理テーブル202を設定する。たとえばモバイル端末である出力装置4が、情報処理装置10との無線通信圏内にない場合や、電源がオフされている場合には、情報処理装置10と接続できず、接続フラグ値は“0”となる。なお情報処理装置10と出力装置4とが接続している状態とは、データを送受信できる状態にあることを意味する。接続している状態は、出力装置4がスタンバイ状態にあっても、出力装置4の通信モジュールがアクティブであって、出力装置4が情報処理装置10から起動要求を受信できるような状態も含んでいる。
図7は、ディスプレイ決定処理部154によるディスプレイ決定処理のフローチャートを示す。ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイ要求部124から通知される全ての出力装置の要求仕様情報(図5参照)を満たす複数の出力装置4が接続しているか判定する(S10)。このときディスプレイ決定処理部154は、生成フラグ値“1”が設定されている画像番号の要求仕様を対象とし、したがって画像番号1〜3の要求仕様情報を抽出して、これらの仕様情報を満たす複数の出力装置4が接続しているか判定する。
画像番号1〜3の要求仕様は、以下のとおりである。
・画像番号1 解像度(1280×800以上)、ディスプレイサイズ(10インチ以上)
・画像番号2 解像度(1280×800以上)、ディスプレイサイズ(10インチ以上)
・画像番号3 解像度(640×480以上)、ディスプレイサイズ(3インチ以上)
ここで、要求仕様である解像度(1280×800以上)は、出力装置4の解像度が最低限1280×800あればよいことを示し、ディスプレイサイズ(10インチ以上)は、出力装置4のディスプレイサイズが最低限10インチあればよいことを示す。ディスプレイ決定処理部154は、要求仕様に規定されている最低限の数値と、出力装置4の仕様に規定される数値とを比較する。
ディスプレイ決定処理部154は、接続管理テーブル202を参照して、情報処理装置10に接続している出力装置4を特定する。接続管理テーブル202が図6(a)の接続状態を示す場合、ディスプレイ決定処理部154は、出力装置4a〜4eのすべてが情報処理装置10と接続していることを特定する。ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイDB200を参照して、出力装置4a〜4eの仕様情報を抽出し、ディスプレイ要求部124によるゲーム画像の要求仕様と比較する。
以下、出力装置4の仕様情報と、ゲーム画像の要求仕様情報との比較手法について説明する。
まずディスプレイ決定処理部154は、ゲーム画像の要求仕様に含まれる最低限の解像度と、出力装置4の解像度とを比較する。このとき出力装置4の解像度が、要求仕様に含まれる最低限の解像度以上であれば、当該出力装置4は解像度に関する要求を満足し、要求仕様に含まれる最低限の解像度未満であれば、当該出力装置4は解像度に関する要求を満足しない。
次にディスプレイ決定処理部154は、要求仕様に含まれる最低限のディスプレイサイズと、出力装置4のディスプレイサイズとを比較する。このとき出力装置4のディスプレイサイズが、要求仕様に含まれる最低限のディスプレイサイズ以上であれば、当該出力装置4はディスプレイサイズに関する要求を満足し、要求仕様に含まれる最低限のディスプレイサイズ未満であれば、当該出力装置4はディスプレイサイズに関する要求を満足しない。
ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイ要求部124による画像番号1〜3の要求仕様を、出力装置4a〜4eの仕様情報が満足しているか調査する。ディスプレイ決定処理部154は、解像度およびディスプレイサイズの双方の要求を満足する出力装置4を特定する。以下、各画像番号のゲーム画像に対して、要求仕様を満たす出力装置4を示す。
・画像番号1−出力装置4a、4b
・画像番号2−出力装置4a、4b
・画像番号3−出力装置4a、4b、4c、4d
ディスプレイ決定処理部154は、この調査結果をふまえて、各画像番号のゲーム画像に対して、出力装置4を適切に割り当てられるか判定する。たとえば、
・画像番号1−出力装置4a
・画像番号2−出力装置4b
・画像番号3−出力装置4c
のように出力装置4を割り当てることで、画像番号1〜3のゲーム画像の要求仕様を満たすことが判定される。これによりディスプレイ決定処理部154は、全てのゲーム画像の要求仕様を満たす複数の出力装置4が接続していることを判定する(S10のY)。
ディスプレイ決定処理部154は、第1ゲーム画像に対して出力装置4a、第2ゲーム画像に対して出力装置4b、第3ゲーム画像に対して出力装置4cを割り当てることを決定する。この割り当ては一例であり、ディスプレイ決定処理部154は、割当可能な出力装置4が複数存在する場合に、仕様情報が優れたもの(たとえば解像度が高いもの、ディスプレイサイズが大きいもの)から、ゲーム画像に割り当ててもよい。なお実施例では出力装置4aが据置型のテレビであるが、ディスプレイ決定処理部154は、第1ゲーム画像には出力装置4aを割り当てるように決定してもよい。
ディスプレイ決定処理部154は、ゲーム画像に割り当てた出力装置4a、4b、4cに対して、これからゲーム画像を送信することを示す制御情報を通知する。
図8は、出力装置4の構成を示す。出力装置4は、出力コンテンツ受信部220、制御情報受信部222、制御部224、表示部226およびスピーカ228を備える。図8において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、回路ブロック、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
制御情報受信部222は、ディスプレイ決定処理部154で生成された制御情報を受信する。制御情報は、情報処理装置10がゲーム画像を送信することを示す情報であり、制御部224は、この制御情報にもとづいて、ユーザからの今後の操作を受け付けず、通信機能およびゲーム画像の表示機能以外の機能を無効としてもよい。これによりユーザは、モバイル端末である出力装置4を自由に操作することができず、出力装置4は、ゲーム画像を表示する専用の表示装置として利用されることになる。
なおディスプレイ決定処理部154は、複数のゲーム画像を表示させる出力装置4を決定すると、いずれかの出力装置4に対して、各出力装置4の推奨配置を示す制御情報を送信してもよい。この推奨配置は、ゲームソフトウェア120のディスプレイ要求部124により指定される。ディスプレイ要求部124は、ゲーム画像を表示する出力装置4a〜4cの大きさ等にもとづいて、推奨配置を指定してもよい。ディスプレイ決定処理部154は、出力装置4aに対して、出力装置4a〜4cの推奨配置例を送信する。モバイル端末に関しては、縦置きか、または横置きかを示す情報も含まれてよい。表示部226は、推奨される配置(レイアウト)を表示し、これによりユーザは、ゲームをプレイする上で、出力装置4aに対して出力装置4b、4cをどこに配置するのが適切か知ることができる。
なお各出力装置4は位置取得機能(GPS機能)を備えて、位置情報をディスプレイ決定処理部154に通知してもよい。ディスプレイ決定処理部154は、各出力装置4の位置を把握したうえで、ディスプレイ要求部124より指定された推奨配置情報から、各出力装置4を移動させる方向および距離を算出して、各出力装置4に表示させるようにしてもよい。この表示例は、「出力装置4を右に50cm、手前に1m動かしてください」などのメッセージであり、ユーザは、この表示をみて、出力装置4を適切な位置に配置できる。
なお各出力装置4はカメラ7を有して、ユーザとの間の距離を自動測距できる機能を有してよい。ディスプレイサイズが小さい出力装置4がユーザから遠い位置に配置されると、表示画面はより小さく見える。そのためディスプレイ決定処理部154は、各出力装置4からユーザとの距離情報を取得して、各出力装置4とユーザとの適切距離を各出力装置4に表示させてもよい。
続いてディスプレイ決定処理部154は、(接続している出力装置4の数)が、(表示するコンテンツ画像数)よりも多いか否かを判定する(S12)。図6(a)に示す接続状態では、(接続している出力装置4の数)は5つであり、(表示するコンテンツ画像数)は3つであるため、ディスプレイ決定処理部154は、(接続している出力装置4の数)が(表示するコンテンツ画像数)よりも多いことを判定する(S12のY)。この場合、出力制御部150は、以下に示す対応Aを実施する(S20)。
<対応A>
対応Aの前提として、ゲームソフトウェア120が生成する異なる第1〜第3ゲーム画像に対して、既に出力装置4が適切に割り当てられている。そこで対応Aは、ゲーム画像に割り当てられなかった出力装置4を有効利用することを目的とする。
ディスプレイ決定処理部154は、画像番号1〜3のゲーム画像に割り当てなかった出力装置4を特定する。この例では、第1ゲーム画像に対して出力装置4a、第2ゲーム画像に対して出力装置4b、第3ゲーム画像に対して出力装置4cと割り当てており、これにより出力装置4d、4eが、未割当の状態にあることを特定する。
ディスプレイ決定処理部154は、画像番号4、5のゲーム画像に対して、将来割り当てる可能性がある出力装置4を決定する。これは出力装置4dまたは4eの中から決定される。
画像番号4、5の要求仕様は、以下のとおりである。
・画像番号4 解像度(1280×800以上)、ディスプレイサイズ(10インチ以上)
・画像番号5 解像度(640×480以上)、ディスプレイサイズ(3インチ以上)
ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイ要求部124による画像番号4、5の要求仕様を、出力装置4d、4eの仕様情報が満足しているか調査する。ディスプレイ決定処理部154は、解像度およびディスプレイサイズの双方の要求を満足する出力装置4を特定する。以下、各画像番号のゲーム画像に対して、要求仕様を満たす出力装置4を示す。
・画像番号4 なし
・画像番号5 出力装置4d
この調査により、出力装置4dが、画像番号5のゲーム画像の要求仕様を満たすことが判定される。したがってディスプレイ決定処理部154は、出力装置4dを、画像番号5のゲーム画像に対する予備ディスプレイとして決定する。ここで予備ディスプレイは、現時点では使用しないが、将来的にゲームソフトウェア120が、画像番号5のゲーム画像を生成したときに使用される。ある意味、予備ディスプレイは、使用を予約されたディスプレイであり、予備ディスプレイ管理部158により管理される。画像番号5のゲーム画像が生成されるときには、ディスプレイ決定処理部154は、予備ディスプレイ管理部158が管理している情報から、仕様情報の調査を行うことなく、出力装置4dを自動的に画像番号5のゲーム画像に割り当ててよい。
このように表示する複数のコンテンツ画像の数よりも、情報処理装置10に接続している出力装置4の数が多い場合に、ディスプレイ決定処理部154が複数のコンテンツ画像を出力させる複数の出力装置4a、4b、4cを決定した後、予備ディスプレイ管理部158が、残りの出力装置4dを、コンテンツ画像を出力する可能性のある予備の出力装置として管理する。ディスプレイ決定処理部154は、予備の出力装置として割り当てた出力装置4dに対して、予備ディスプレイとして設定されたことを示す制御情報を通知する。
出力装置4dにおいて、制御情報受信部222は、ディスプレイ決定処理部154で生成された制御情報を受信する。制御情報は、予備ディスプレイとして設定されたことを示す情報であり、制御部224は、この制御情報にもとづいて、ユーザからの今後の操作を受け付けず、通信機能およびゲーム画像の表示機能以外の機能を無効としてもよい。なお制御部224は、通信機能のみをアクティブにしたスタンバイ状態に遷移してもよい。これによりユーザは、モバイル端末である出力装置4を自由に操作することができず、出力装置4は、ゲーム画像を将来的に表示する可能性のある専用の表示装置として扱われることになる。
以上により、対応Aによると、接続されている出力装置4は、ゲーム画像の表示に使用される出力装置4a、4b、4c、予備ディスプレイとして使用を予約された出力装置4d、それ以外の出力装置4eと分類される。ディスプレイ決定処理部154は、出力装置4eに対して、今回のゲームでは利用しないことを示す制御情報を通知してもよい。出力装置4eにおいて、制御情報受信部222は制御情報を受信すると、制御部224は、この制御情報にもとづいて、情報処理装置10との間の接続を切断してもよい。
なおディスプレイ決定処理部154は、予備ディスプレイとして設定された出力装置4d、および利用予定のない出力装置4eに関する情報を、ユーザに通知することが好ましい。この通知は、出力装置4aに表示されてもよく、また出力装置4aから音声出力されてもよい。ユーザは出力装置4dが予備ディスプレイであることを認識することで、出力装置4dが別の人に持って行かれるような事態を回避できる。またユーザは出力装置4eが予備ディスプレイにも設定されていないことを認識することで、出力装置4eを、別の人に貸したりすることができる。
ゲーム画像を表示させることが決定された出力装置4a〜4cの機器情報は、ディスプレイ決定処理部154からディスプレイ特定部128に通知される。これを受けてディスプレイ特定部128は、第1ゲーム画像を出力装置4aに、第2ゲーム画像を出力装置4bに、第3ゲーム画像を出力装置4cに出力することを特定する。
出力コンテンツ生成部130において、コンテンツ画像生成部132は、第1ゲーム画像、第2ゲーム画像、第3ゲーム画像をそれぞれ生成し、出力コンテンツ提供部160に供給する。コンテンツ画像生成部132は、ディスプレイ特定部128により特定された出力装置4の仕様情報にもとづいてゲーム画像を生成する。つまり第1ゲーム画像は出力装置4aの仕様(解像度3840×2160)に合わせて生成され、第2ゲーム画像は出力装置4bの仕様(解像度1920×1080)に合わせて生成され、第3ゲーム画像は出力装置4cの仕様(解像度1280×800)に合わせて生成される。なおゲーム画像のアスペクト比と出力装置4のアスペクト比とが異なる場合、コンテンツ画像生成部132は、表示部226の一部を黒帯としてゲーム画像を表示してよく、またゲーム画像をリスケールしてもよい。出力コンテンツ提供部160は、複数の出力装置4a〜4cのそれぞれにコンテンツ画像を提供し、具体的には第1ゲーム画像を出力装置4aに、第2ゲーム画像を出力装置4bに、第3ゲーム画像を出力装置4cに、それぞれ提供する。各出力装置4においては、出力コンテンツ受信部220が出力コンテンツを受信して、表示部226がコンテンツを表示する。
図9は、複数の出力装置4にゲーム画像を表示させた様子を示す。出力装置4aには、主人公の視点画像である第1ゲーム画像が表示され、出力装置4bには、敵の視点画像である第2ゲーム画像が表示され、出力装置4cには、敵の武器装備を示す第3ゲーム画像が表示されている。ここで第2ゲーム画像は、現在戦闘中の敵の視点画像が表示されたり、また共闘中の味方の視点画像が表示されたりしてもよい。どのような画像を表示させるかは、ゲームメーカマターであり、ユーザを楽しませるゲーム画像を提供できることが好ましい。
このようにユーザは、第1〜第3ゲーム画像を出力装置4a〜4cで見ながらゲームプレイできる。ゲーム画像を表示する出力装置4は、ゲーム画像の要求仕様に合わせて適切な解像度およびサイズを有しているため、ユーザは快適にゲームを楽しむことができる。
図7に戻り、接続管理テーブル202が図6(b)の接続状態を示す場合、ディスプレイ決定処理部154は、出力装置4a、4b、4dが情報処理装置10と接続していることを特定する。ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイDB200を参照して、出力装置4a、4b、4dの仕様情報を抽出し、ディスプレイ要求部124によるゲーム画像の要求仕様と比較する。
ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイ要求部124による画像番号1〜3の要求仕様を、出力装置4a、4b、4dの仕様情報が満足しているか調査する。ディスプレイ決定処理部154は、解像度およびディスプレイサイズの双方の要求を満足する出力装置4を特定する。以下、各画像番号のゲーム画像に対して、要求仕様を満たす出力装置4を示す。
・画像番号1−出力装置4a、4b
・画像番号2−出力装置4a、4b
・画像番号3−出力装置4a、4b、4d
ディスプレイ決定処理部154は、この調査結果をふまえて、各画像番号のゲーム画像に対して、出力装置4を適切に割り当てられるか判定する。たとえば、
・画像番号1−出力装置4a
・画像番号2−出力装置4b
・画像番号3−出力装置4d
のように出力装置4を割り当てることで、画像番号1〜3のゲーム画像の要求仕様を満たすことが判定される。これによりディスプレイ決定処理部154は、全てのゲーム画像の要求仕様を満たす複数の出力装置4が接続していることを判定する(S10のY)。
ディスプレイ決定処理部154は、第1ゲーム画像に対して出力装置4a、第2ゲーム画像に対して出力装置4b、第3ゲーム画像に対して出力装置4dを割り当てることを決定する。なお実施例では出力装置4aが据置型のテレビであり、ディスプレイ決定処理部154は、第1ゲーム画像には出力装置4aを割り当てるように決定してもよい。
ディスプレイ決定処理部154は、ゲーム画像に割り当てた出力装置4a、4b、4dに対して、これからゲーム画像を送信することを示す制御情報を通知する。各出力装置4において、制御情報受信部222は、ディスプレイ決定処理部154で生成された制御情報を受信する。制御情報は、情報処理装置10がゲーム画像を送信することを示す情報であり、制御部224は、この制御情報にもとづいて、ユーザからの今後の操作を受け付けず、通信機能およびゲーム画像の表示機能以外の機能を無効としてもよい。これによりユーザは、モバイル端末である出力装置4を自由に操作することができず、出力装置4は、ゲーム画像を表示する専用の表示装置として利用されることになる。
続いてディスプレイ決定処理部154は、(接続している出力装置4の数)が、(表示するコンテンツ画像数)よりも多いか否かを判定する(S12)。図6(b)に示す接続状態では、(接続している出力装置4の数)は3つであり、(表示するコンテンツ画像数)は3つであるため、ディスプレイ決定処理部154は、(接続している出力装置4の数)が(表示するコンテンツ画像数)と等しいことを判定する(S12のN)。この場合、出力制御部150は、以下に示す対応Bを実施する(S22)。
<対応B>
対応Bの前提として、ゲームソフトウェア120が生成する異なる第1〜第3ゲーム画像に対して、既に出力装置4が適切に割り当てられている。また対応Aとは異なり、接続している出力装置4は全てゲーム画像に割り当てられており、余った出力装置4は存在しない。そこで対応Bでは、対応Aでも示したように、以下に示す処理を実施する。
ゲーム画像を表示させることが決定された出力装置4a、4b、4dの機器情報は、ディスプレイ決定処理部154からディスプレイ特定部128に通知される。これを受けてディスプレイ特定部128は、第1ゲーム画像を出力装置4aに、第2ゲーム画像を出力装置4bに、第3ゲーム画像を出力装置4dに出力することを特定する。
出力コンテンツ生成部130において、コンテンツ画像生成部132は、第1ゲーム画像、第2ゲーム画像、第3ゲーム画像をそれぞれ生成し、出力コンテンツ提供部160に供給する。コンテンツ画像生成部132は、ディスプレイ特定部128により特定された出力装置4の仕様情報にもとづいてゲーム画像を生成する。つまり第1ゲーム画像は出力装置4aの仕様に合わせて生成され、第2ゲーム画像は出力装置4bの仕様に合わせて生成され、第3ゲーム画像は出力装置4dの仕様に合わせて生成される。出力コンテンツ提供部160は、生成された第1ゲーム画像を出力装置4aに、第2ゲーム画像を出力装置4bに、第3ゲーム画像を出力装置4dに、それぞれ提供する。各出力装置4においては、出力コンテンツ受信部220が出力コンテンツを受信して、表示部226がコンテンツを表示する。
これによりユーザは、第1〜第3ゲーム画像を出力装置4a、4b、4dで見ながらゲームプレイできる。ゲーム画像を表示する出力装置4は、ゲーム画像の要求仕様に合わせて適切な解像度およびサイズを有しているため、ユーザは快適にゲームを楽しむことができる。
なお情報処理システム1においては新たな出力装置4が情報処理装置10に接続したり、また接続していた出力装置4が切断されたりすることがある。S22の対応Bの状態は、接続している出力装置4がすべてゲーム画像の表示に利用され、且つ出力装置4が余っていない状態である。そのため対応Bの実施中に、接続状況管理部152により、新たな出力装置4が情報処理装置10に接続されたことが検出されると、図7に示すフローはS12のYからS20の対応Aの実施に移行し、一方で接続中の出力装置4のいずれかの通信が切断されると、S10のNからのフローが実施される。
図7に戻り、S10において、ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイ要求部124から通知される全ての出力装置の仕様情報(図5参照)を満たす複数の出力装置4が接続しているか判定する(S10)。このときディスプレイ決定処理部154は、生成フラグ値“1”が設定されている画像番号の要求仕様を対象とし、したがって画像番号1〜3の要求仕様情報を抽出して、これらの仕様情報を満たす複数の出力装置4が接続しているか判定する。
画像番号1〜3の要求仕様は、以下のとおりである。
・画像番号1 解像度(1280×800以上)、ディスプレイサイズ(10インチ以上)
・画像番号2 解像度(1280×800以上)、ディスプレイサイズ(10インチ以上)
・画像番号3 解像度(640×480以上)、ディスプレイサイズ(3インチ以上)
ディスプレイ決定処理部154は、接続管理テーブル202を参照して、情報処理装置10に接続している出力装置4を特定する。接続管理テーブル202が図6(c)の接続状態を示す場合、ディスプレイ決定処理部154は、出力装置4a、4bが情報処理装置10と接続していることを特定する。ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイDB200を参照して、出力装置4a、4bの仕様情報を抽出し、ディスプレイ要求部124によるゲーム画像の要求仕様と比較する。
ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイ要求部124による画像番号1〜3の要求仕様を、出力装置4a、4bの仕様情報が満足しているか調査する。ディスプレイ決定処理部154は、解像度およびディスプレイサイズの双方の要求を満足する出力装置4を特定する。以下、各画像番号のゲーム画像に対して、要求仕様を満たす出力装置4を示す。
・画像番号1−出力装置4a、4b
・画像番号2−出力装置4a、4b
・画像番号3−出力装置4a、4b
ディスプレイ決定処理部154は、この調査結果をふまえて、各画像番号のゲーム画像に対して、出力装置4を適切に割り当てられるか判定する。この場合、
・画像番号1−出力装置4a
・画像番号2−出力装置4b
・画像番号3− なし
となり、画像番号3のゲーム画像に出力装置4を割り当てることができない。これは、3つのゲーム画像に対して、2つの出力装置4しか接続していないためである。したがってディスプレイ決定処理部154は、全てのゲーム画像の要求仕様を満たす複数の出力装置4が接続していないことを判定する(S10のN)。
ディスプレイ決定処理部154は、未接続の出力装置4のうち、出力装置4を割り当てられないゲーム画像、つまり画像番号3のゲーム画像の要求仕様情報を満たす出力装置4が存在するか調査する(S14)。ここで調査対象となる出力装置4は、未接続の出力装置4c、4d、4eである。ディスプレイ決定処理部154は出力装置4c、4d、4eの仕様情報と、画像番号3のゲーム画像の要求仕様と比較する。この比較によりディスプレイ決定処理部154は、出力装置4c、4dが、画像番号3のゲーム画像の要求仕様を満たすことを判定する(S14のY)。この場合、出力制御部150は、以下に示す対応Cを実施する(S24)。
<対応C>
対応Cの前提として、ゲームソフトウェア120が生成する異なる第1〜第3ゲーム画像の少なくとも1つに対して、適切な出力装置4を割り当てられていない。しかしながら割り当てられなかったゲーム画像の要求仕様を満たす出力装置4は、ディスプレイDB200に登録されている。要求仕様を満たす出力装置4は、電源がオフになっているかもしれないし、また情報処理装置10との通信圏外に置かれているかもしれない。そこでディスプレイ決定処理部154は、未接続の出力装置4c、4dが第3ゲーム画像の要求仕様情報を満たす場合に、未接続の出力装置4cまたは出力装置4dを接続するべきことをユーザに通知する。
ディスプレイ決定処理部154は、接続している出力装置4、たとえば出力装置4aに対して、表示制御情報を送信する。この表示制御情報は、出力装置4cまたは出力装置4dを接続するべきことをユーザに要求するための情報である。出力装置4aにおいて、制御情報受信部222が表示制御情報を受信すると、表示部226は、出力装置4cまたは出力装置4dを接続するべきことを示すメッセージを表示する。
図10は、出力装置4aに示されるメッセージ例を示す。ユーザは、このメッセージを見て、8インチのタブレット(出力装置4c)または5.1インチのスマートフォン(出力装置4d)を情報処理装置10に接続する必要があることを認識する。ここでユーザが出力装置4cまたは出力装置4dを接続すれば、全ての要求仕様を満たす複数の出力装置4が接続している状態となり(S10のY)、その後は対応Bが実施されることになる。
なお、この例では、画像番号3のゲーム画像の要求仕様を出力装置4c、4dが満たしたが、ディスプレイDB200に、要求仕様を満たす未接続の出力装置4が登録されていないことも実際には生じうる。このような場合、ディスプレイ決定処理部154は、接続している出力装置4aに、ゲーム画像の要求仕様を満たす出力装置を登録して欲しい旨のメッセージを送信してもよい。たとえば出力装置4aは、「解像度が640×480以上で、ディスプレイサイズが3インチ以上の表示装置を情報処理装置10に登録して下さい」とするメッセージを表示する。
なお、ディスプレイ決定処理部154が、メッセージを出力装置4aに表示させる例を示したが、出力装置4aからメッセージを音声出力させてもよい。
上記の例は、接続管理テーブル202が図6(c)の接続状態を示す場合であるが、接続管理テーブル202が図6(d)の接続状態を示す場合も、同様に対応Cを実施することになる。接続管理テーブル202が図6(d)の接続状態を示す場合、ディスプレイ決定処理部154は、出力装置4a、4b、4eが情報処理装置10と接続していることを特定する。このとき出力装置4eは、画像番号1〜3のいずれにも割り当てられないため、結果として、接続管理テーブル202が図6(c)の接続状態を示す場合と同じ状況となる。
このケースは、情報処理装置10に接続している出力装置4eが要求仕様情報を満たさず、未接続の出力装置4c、4dが要求仕様情報を満たす場合に相当するが、ディスプレイ決定処理部154は、上記したように、未接続の出力装置4c、4dを接続するべきことをユーザに通知する。
図7に戻り、S10において、ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイ要求部124から通知される全ての出力装置の仕様情報(図5参照)を満たす複数の出力装置4が接続しているか判定する(S10)。
ディスプレイ決定処理部154は、接続管理テーブル202を参照して、情報処理装置10に接続している出力装置4を特定する。接続管理テーブル202が図6(d)の接続状態を示す場合、ディスプレイ決定処理部154は、出力装置4a、4b、4eが情報処理装置10と接続していることを特定する。ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイDB200を参照して、出力装置4a、4b、4eの仕様情報を抽出し、ディスプレイ要求部124によるゲーム画像の要求仕様と比較する。
ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイ要求部124による画像番号1〜3の要求仕様を、出力装置4a、4b、4eの仕様情報が満足しているか調査する。ディスプレイ決定処理部154は、解像度およびディスプレイサイズの双方の要求を満足する出力装置4を特定する。以下、各画像番号のゲーム画像に対して、要求仕様を満たす出力装置4を示す。
・画像番号1−出力装置4a、4b
・画像番号2−出力装置4a、4b
・画像番号3−出力装置4a、4b
ディスプレイ決定処理部154は、この調査結果をふまえて、各画像番号のゲーム画像に対して、出力装置4を適切に割り当てられるか判定する。この場合、
・画像番号1−出力装置4a
・画像番号2−出力装置4b
・画像番号3− なし
となり、画像番号3のゲーム画像に出力装置4を割り当てることができない。これは、出力装置4eの仕様が低く、画像番号3のゲーム画像の要求仕様を満たさないためである。したがってディスプレイ決定処理部154は、全てのゲーム画像の要求仕様を満たす複数の出力装置4が接続していないことを判定する(S10のN)。
ディスプレイ決定処理部154は、未接続の出力装置4のうち、出力装置4を割り当てられないゲーム画像、つまり画像番号3のゲーム画像の要求仕様情報を満たす出力装置4が存在するか調査する(S14)。ここで調査対象となる出力装置4は、未接続の出力装置4c、4dである。ディスプレイ決定処理部154は出力装置4c、4dの仕様情報と、画像番号3のゲーム画像の要求仕様と比較する。
なお対応Cに関して説明したように、図3に示すディスプレイDB200の仕様情報によれば出力装置4c、4dは、画像番号3のゲーム画像の要求仕様を満たしているが、このケースでは、出力装置4c、4dの仕様が、図3に示す仕様よりも低く、画像番号3のゲーム画像の要求仕様を満たさない場合を想定している。なお出力装置4c、4dが使用不能な状態にあり、出力装置4c、4dをゲーム画像に割り当てられない場合も、このケースに該当する。たとえばディスプレイDB200が更新されて、出力装置4c、4dが削除されているケースである。また対応Cによってユーザに通知した後、ユーザが所定期間内に出力装置4c、4dを接続しなかったケースも該当する。たとえば出力装置4c、4dの充電量がゼロであったり、また出力装置4c、4dがユーザ周辺に存在しないような場合は、ユーザが出力装置4c、4dを情報処理装置10に接続できない。このような場合、ディスプレイ決定処理部154は、画像番号3のゲーム画像の要求仕様情報を満たす出力装置4が存在しないことを判定する(S14のN)。
ディスプレイ決定処理部154は、(接続している出力装置4の数)と(表示するコンテンツ画像数)とを比較する(S16)。ここで(接続している出力装置4の数)が(表示するコンテンツ画像数)以上であれば(S16のY)、出力制御部150は、以下に示す対応Dを実施する(S26)。
<対応D>
対応Dの前提として、ゲームソフトウェア120が生成する異なる第1〜第3ゲーム画像の少なくとも1つに対して、適切な出力装置4を割り当てることができない。具体的に出力装置4eは、ゲーム画像の要求仕様を満たしていないが、ディスプレイ決定処理部154は、出力装置4eが接続している状態を有効利用するべく、出力装置4eを第3ゲーム画像を出力する出力装置として決定する。
ゲーム画像を表示させることが決定された出力装置4a、4b、4eの機器情報は、ディスプレイ決定処理部154からディスプレイ特定部128に通知される。これを受けてディスプレイ特定部128は、第1ゲーム画像を出力装置4aに、第2ゲーム画像を出力装置4bに、第3ゲーム画像を出力装置4eに出力することを特定する。
なお出力装置4eは、第3ゲーム画像の要求仕様を満たしていないため、ディスプレイ特定部128は、出力装置4eに出力するコンテンツを、どのように処理するべきか判断する。この意味においてディスプレイ特定部128は、出力装置4eが要求仕様情報を満たさない場合に、第3ゲーム画像の処理を定める処理決定部として機能する。以下、その決定手法について説明する。
図11は、コンテンツ処理の決定手法を示すフローチャートである。出力装置4eが第3ゲーム画像の要求仕様を満たしていない場合に、ディスプレイ特定部128は、出力装置4eの仕様が第3ゲーム画像の要求仕様のX(100>X>0)%以上であるか否かを判定する(S40)。たとえばX%は55%であってよい。出力装置4eの仕様が要求仕様の55%以上である場合(S40のY)、ディスプレイ特定部128は、第3ゲーム画像を縮小表示して、出力装置4eから出力させることを決定する(S44)。
一方で、出力装置の仕様が要求仕様の55%未満である場合(S40のN)、ディスプレイ特定部128は、出力装置4eの仕様が第3ゲーム画像の要求仕様のY(X>Y>0)%以上であるか否かを判定する(S42)。たとえばY%は20%であってよい。出力装置4eの仕様が要求仕様の20%以上である場合(S42のY)、ディスプレイ特定部128は、第3ゲーム画像を、文字情報に変換して、出力装置4eから出力させることを決定する(S46)。一方、出力装置4eの仕様が要求仕様の20%未満である場合(S42のN)、ディスプレイ特定部128は、第3ゲーム画像を表示することを諦め、音声情報に変換して、出力装置4eから音声出力させることを決定する(S48)。
ディスプレイ特定部128は、決定したコンテンツ処理手法を出力コンテンツ生成部130に通知する。縮小表示することが通知されると、コンテンツ画像生成部132は、第3ゲーム画像を、出力装置4eの仕様に合わせて縮小した縮小画像を生成する。
コンテンツ画像生成部132は、文字表示することが通知されると、第3ゲーム画像を文字情報に変換して、第3ゲーム画像に対応するテキストデータを生成する。なお第3ゲーム画像に対応するテキストデータは、ゲームにより用意されていてもよく、第3ゲーム画像を文字情報に変換する処理は、用意されているテキストデータに切り替える処理を含む。
図12は、第3ゲーム画像を文字情報に変換した表示例を示す。このように出力装置4eの表示部226が小さい場合には、画像を表示しても見えにくいため、武器装備に関する情報が文字で表示されるようになる。
コンテンツ音声生成部134は、音声出力することが通知されると、第3ゲーム画像を音声情報に変換して、第3ゲーム画像に対応する音声データを生成する。なお第3ゲーム画像に対応する音声データは、ゲームによって用意されていてもよく、第3ゲーム画像を文字情報に変換する処理は、用意されている音声データに切り替える処理を含む。たとえば音声データは、図12に示したテキストデータを音声で読み上げるものであってよい。このように出力装置4eの表示部226が文字を表示できないほど小さい場合には、出力装置4eに音声出力させるようにする。
なお出力装置4eの再生音量が、ユーザが聞こえないほど小さければ、音声出力する意味がない。そこで出力装置4eにおいて制御部224は、音声出力時に、再生音量を十分に大きな所定値に自動変更することが好ましい。なお出力装置4eの再生音量は、情報処理装置10によって制御されてもよく、情報処理装置10は、ゲームから指示される再生音量を示す制御情報を送信し、出力装置4eにおいて制御情報受信部222が制御情報を受信すると、制御部224が、再生音量を制御情報に応じて変更してもよい。なお再生音量は、ユーザが予め定めていてもよく、情報処理装置10は、ユーザが定めた再生音量を示す制御情報を、出力装置4eに送信してもよい。なお情報処理装置10が、ゲームから指示される出力装置4eの再生音量の値を出力装置4aまたは出力装置4eに表示し、または出力装置4eにおいて制御部224が再生音量の所定値を出力装置4eに表示して、ユーザが出力装置4eの再生音量を変更するようにしてもよい。またユーザは、出力装置4eの再生音量を変更するための制御情報を情報処理装置10に入力し、情報処理装置10が、制御情報を出力装置4eに送信してもよい。再生音量の変更は、音量を上げる変更と、下げる変更の双方を含む。
このようにディスプレイ特定部128は、出力装置4eが要求仕様情報を満たさない場合に、満たさない程度に応じて、第3ゲーム画像の処理を定める処理決定部として機能する。ディスプレイ特定部128で定めた処理は、出力コンテンツ生成部130に通知されることで、出力コンテンツ生成部130が、出力装置4eの仕様に応じた適切な出力コンテンツを生成できる。
出力装置4eと第3ゲーム画像の場合について説明する。出力装置4eの解像度は320×320であり、第3ゲーム画像が要求する解像度は、640×480である。したがって出力装置4eの解像度は、要求解像度の33%となる。図11に示すフローによれば、X%>33%>Y%の関係が成立するため(S42のY)、ディスプレイ特定部128は、ゲーム画像を、文字情報に変換して、出力装置4eから出力させることを決定する。
なお、ディスプレイ特定部128は、他の仕様、つまりディスプレイサイズに関してもディスプレイ仕様と要求仕様とを比較する。出力装置4eのディスプレイサイズは1インチであり、第3ゲーム画像が要求するディスプレイサイズは3インチである。したがって出力装置4eのディスプレイサイズは、要求ディスプレイサイズの11%となる。図11に示すフローによれば、Y%>11%の関係が成立するため(S42のN)、ディスプレイ特定部128は、ゲーム画像を、音声情報に変換して、出力装置4eから出力させることを決定する。
上記の場合、解像度に関して得られたコンテンツ処理手法と、ディスプレイサイズに関して得られたコンテンツ処理手法とが異なる。ディスプレイ特定部128は、異なるコンテンツ処理手法が得られた場合には、より確実に情報を伝えられる手法、つまり音声出力を採用してもよい。
したがって出力コンテンツ生成部130において、コンテンツ画像生成部132は、第1ゲーム画像、第2ゲーム画像をそれぞれ生成し、コンテンツ音声生成部134は、第3ゲーム画像に対応する音声データを生成して、出力コンテンツ提供部160に供給する。出力コンテンツ提供部160は、生成された第1ゲーム画像を出力装置4aに、第2ゲーム画像を出力装置4bに、第3ゲーム画像に対応する音声データを出力装置4eに、それぞれ提供する。各出力装置4においては、出力コンテンツ受信部220が出力コンテンツを受信して、表示部226が表示し、またはスピーカ228から音声出力する。
図7に戻り、S10において、ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイ要求部124から通知される全ての出力装置の仕様情報(図5参照)を満たす複数の出力装置4が接続しているか判定する(S10)。
ディスプレイ決定処理部154は、接続管理テーブル202を参照して、情報処理装置10に接続している出力装置4を特定する。接続管理テーブル202が図6(c)の接続状態を示す場合、ディスプレイ決定処理部154は、出力装置4a、4bが情報処理装置10と接続していることを特定する。ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイDB200を参照して、出力装置4a、4bの仕様情報を抽出し、ディスプレイ要求部124によるゲーム画像の要求仕様と比較する。
ディスプレイ決定処理部154は、ディスプレイ要求部124による画像番号1〜3の要求仕様を、出力装置4a、4bの仕様情報が満足しているか調査する。ディスプレイ決定処理部154は、解像度およびディスプレイサイズの双方の要求を満足する出力装置4を特定する。以下、各画像番号のゲーム画像に対して、要求仕様を満たす出力装置4を示す。
・画像番号1−出力装置4a、4b
・画像番号2−出力装置4a、4b
・画像番号3−出力装置4a、4b
ディスプレイ決定処理部154は、この調査結果をふまえて、各画像番号のゲーム画像に対して、出力装置4を適切に割り当てられるか判定する。この場合、
・画像番号1−出力装置4a
・画像番号2−出力装置4b
・画像番号3− なし
となり、画像番号3のゲーム画像に出力装置4を割り当てることができない。これは、3つのゲーム画像に対して、2つの出力装置4しか接続していないためである。したがってディスプレイ決定処理部154は、全てのゲーム画像の要求仕様を満たす複数の出力装置4が接続していないことを判定する(S10のN)。
ディスプレイ決定処理部154は、未接続の出力装置4のうち、出力装置4を割り当てられないゲーム画像、つまり画像番号3のゲーム画像の要求仕様情報を満たす出力装置4が存在するか調査する(S14)。ここで調査対象となる出力装置4は、未接続の出力装置4c、4d、4eである。ディスプレイ決定処理部154は出力装置4c、4d、4eの仕様情報と、画像番号3のゲーム画像の要求仕様と比較する。
なお対応Cに関して説明したように、図3に示すディスプレイDB200の仕様情報によれば出力装置4c、4dは、画像番号3のゲーム画像の要求仕様を満たしているが、このケースでは、出力装置4c、4dの仕様が、図3に示す仕様よりも低く、画像番号3のゲーム画像の要求仕様を満たさない場合を想定している。なお出力装置4c、4dが使用不能な状態にあり、出力装置4c、4dをゲーム画像に割り当てられない場合も、このケースに該当する。たとえばディスプレイDB200が更新されて、出力装置4c、4dが削除されているケースである。また対応Cによってユーザに通知した後、ユーザが所定期間内に出力装置4c、4dを接続しなかったケースも該当する。たとえば出力装置4c、4dの充電量がゼロであったり、また出力装置4c、4dがユーザ周辺に存在しないような場合は、ユーザが出力装置4c、4dを情報処理装置10に接続できない。このような場合、ディスプレイ決定処理部154は、画像番号3のゲーム画像の要求仕様情報を満たす出力装置4が存在しないことを判定する(S14のN)。
ディスプレイ決定処理部154は、(接続している出力装置4の数)と(表示するコンテンツ画像数)とを比較する(S16)。ここで(接続している出力装置4の数)が(表示するコンテンツ画像数)より少なければ(S16のN)、出力制御部150は、以下に示す対応Eを実施する(S28)。
<対応E>
対応Eの前提として、出力装置4の数が足りないために、ゲームソフトウェア120が生成する異なる第1〜第3ゲーム画像の少なくとも1つに対して、出力装置4を割り当てることができない。
ゲーム画像を表示させることが決定された出力装置4a、4bの機器情報は、ディスプレイ決定処理部154からディスプレイ特定部128に通知される。これを受けてディスプレイ特定部128は、第1ゲーム画像を出力装置4aに、第2ゲーム画像を出力装置4bに出力することを特定する。
このときディスプレイ特定部128は、第3ゲーム画像を、出力装置4aまたは出力装置4bのいずれかに出力することを決定する。つまり出力装置4が不足している場合、ディスプレイ特定部128は、第3ゲーム画像を、PinP(ピクチャインピクチャ)方式で表示することを決定する。
ディスプレイ特定部128は、第1ゲーム画像と第2ゲーム画像の表示内容を比較し、第3ゲーム画像をいずれに重畳表示させるのが適切であるか判定する。ここで第3ゲーム画像は、敵キャラクタの武器情報に関し、第2ゲーム画像は、敵キャラクタの視点画像であるため、ディスプレイ特定部128は、第3ゲーム画像を、第2ゲーム画像中の一部に表示させることを決定する。
したがって出力コンテンツ生成部130において、コンテンツ画像生成部132は、第1ゲーム画像、第2ゲーム画像、第3ゲーム画像をそれぞれ生成し、さらにコンテンツ画像生成部132は、第2ゲーム画像中の所定の領域に第3ゲーム画像を埋め込んだ画像データを生成する。出力コンテンツ提供部160は、生成された第1ゲーム画像を出力装置4aに、第3ゲーム画像を埋め込んだ第2ゲーム画像を出力装置4bに、それぞれ提供する。各出力装置4においては、出力コンテンツ受信部220が出力コンテンツを受信して、表示部226がコンテンツを表示する。
図13は、ピクチャインピクチャ方式で第3ゲーム画像を第2ゲーム画像に重畳表示した表示例を示す。このように、生成するゲーム画像の数に対して出力装置4が不足する場合には、1台の出力装置4に複数のゲーム画像を表示することで対応してもよい。なおピクチャインピクチャ方式に限らず、出力装置4の表示部226を分割して、分割した画面にゲーム画像を表示するようにしてもよい。
なお、重畳表示される第3ゲーム画像は、表示条件が成立した場合に、ピクチャインピクチャ方式で表示されるように制御されてもよい。この表示条件は、ゲームソフトウェア120が設定するものであり、たとえば自分と敵との距離が近くなった場合や、敵が自分に対して銃の照準を定めた場合などに、第3ゲーム画像がピクチャインピクチャ方式で表示されるように制御されてもよい。
また第3ゲーム画像は、メインとなるゲーム画像(図13に示す例では第2ゲーム画像)の邪魔にならない位置に配置されることが好ましい。コンテンツ画像生成部132は、ゲームからの情報をもとに、第2ゲーム画像で重要でない箇所を特定し、その箇所に第3ゲーム画像を表示するようにしてもよい。図13に示す例では、第2ゲーム画像の右下に第3ゲーム画像が表示されている。
なお実施例では、表示コンテンツ決定部126が、第1〜第3ゲーム画像を生成し、出力装置4に提供することを決定した。このうち第1ゲーム画像は、主人公の視点画像であるため、ほぼ確実に生成することが決定されるが、第2ゲーム画像、第3ゲーム画像については、表示コンテンツ決定部126がゲーム状況に応じて決定することが好ましい。
複数のプレイヤが参加している場合、表示コンテンツ決定部126は、第2ゲーム画像を、成績が上位のプレイヤ(上級プレイヤ)の視点画像に決定してもよい。また過去に自分が倒されたプレイヤの視点画像に決定してもよい。また表示コンテンツ決定部126は、強い武器を保有しているプレイヤ、フレンド登録しているプレイヤ、自分のキャラクタとの距離が最も近いプレイヤなどを特定して、かかるプレイヤの視点画像を第2ゲーム画像として決定してもよい。いずれのプレイヤの視点画像を生成するかは、予め定められた優先順位にしたがって決定されてよい。なお、以上はFPSに関する第2ゲーム画像の決定手法であるが、たとえばサッカーゲームのように、ユーザが複数のキャラクタを操作する場合には、これからパスを受けようとするキャラクタに関する画像が、第2ゲーム画像として決定されてよい。
またプレイヤリストを出力装置4aに表示して、ユーザが、見たいプレイヤを選択できるようにしてもよい。この場合、ユーザ要求受付部156が、選択されたプレイヤをユーザ要求として受け付け、表示コンテンツ決定部126に提供してもよい。このときユーザは入力装置6を操作してプレイヤを選択するが、たとえば音声でプレイヤを選択できるようにしてもよい。音声によるプレイヤ選択は、情報処理装置10が音声認識機能を有していることが前提となるが、その場合、プレイヤ選択に限らず、その他様々な指示を、音声入力により可能とすることが好ましい。また表示コンテンツ決定部126は、複数のプレイヤの視点画像を、所定時間ごとに切り替えるように第2ゲーム画像を生成することを決定してもよい。なお所定時間ごとに画像を切り替える場合には、その旨をユーザに通知することが好ましい。
なお実施例では、ディスプレイ要求部124が、図5に示す画像管理テーブルを管理していることを説明した。この画像管理テーブルでは、要求仕様として、出力装置4の最低仕様が定められている。たとえば画像番号1のゲーム画像は、解像度が1280×800以上であればよく、またディスプレイサイズが10インチ以上であればよい。ディスプレイ要求部124は、ゲームソフトウェア120が推奨する仕様を含む画像管理テーブルを管理してもよい。
図14は、ディスプレイ要求部124が管理する画像管理テーブルの別の例を示す。この画像管理テーブルでは、推奨解像度と推奨サイズとが設定されている。ディスプレイ決定処理部154は、ゲーム画像の推奨仕様に、できるだけ近い出力装置4を、ゲーム画像の出力装置4として決定してもよい。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。実施例では、ディスプレイに関する情報を記憶するディスプレイ情報記憶部の一例としてディスプレイDB200を示したが、ディスプレイ情報記憶部は必ずしもデータベースの形式をとる必要はなく、出力装置4の機器種類、型番、機器ID、解像度、ディスプレイサイズなどの情報を一時的にでも記憶するものであればよい。
実施例では、ゲーム画像に割り当てた出力装置および予備ディスプレイとして設定された出力装置において、制御部224が、ユーザからの今後の操作を受け付けず、通信機能およびゲーム画像の表示機能以外の機能を無効としてもよいことを説明した。なお無効とする機能は出力装置4ごとに予め定められていてもよく、制御部224は、予め定められた機能のみを無効としてもよい。たとえばスマートフォンの制御部224は、少なくとも電話機能およびメール機能は無効とせず、有効な状態を維持することが好ましい。また制御部224はユーザからの指示により、無効とする機能と、有効な状態を維持する機能とを設定されてもよい。
実施例では、ゲーム画像の最大数がゲームソフトウェア120に依存することを説明したが、ゲーム画像の最大数は、出力制御部150が複数の出力装置4に提供できるゲーム画像の最大数に依存してもよい。
実施例では、ユーザの周辺に異なる仕様をもった複数の出力装置4が存在するケースについて説明したが、同一の仕様をもつ複数の出力装置4が存在することもある。その場合は、出力装置4とユーザとの距離が近い方を、ディスプレイ決定処理部154が選択するようにしてもよい。出力装置4はカメラ7を有して、ユーザとの間の距離を自動測距する機能を有し、自動測距した距離情報をディスプレイ決定処理部154に通知してもよい。また新しく購入された出力装置4(たとえばディスプレイDB200への登録日が新しい方)が、優先的に選択されてもよい。
接続状況管理部152は、情報処理装置10と長期間接続しない出力装置4の機器情報を、ディスプレイDB200から削除してもよい。たとえば接続しない期間は、3ヶ月程度に設定されてよい。なお接続状況管理部152は、長期間接続しない出力装置4を検出した場合には、ユーザに当該出力装置4の機器情報をディスプレイDB200から削除してよいか問い合わせ、ユーザの同意をもってディスプレイDB200から削除してもよい。ユーザが出力装置4を廃棄したような場合には、ユーザが、ディスプレイDB200から、該当する出力装置4の機器情報を削除できるようにしてもよい。
実施例では、ディスプレイ決定処理部154が、ゲーム画像を表示する出力装置4を決定することを説明したが、ユーザが、ゲーム画像を表示する出力装置4を決定してもよい。ユーザ要求受付部156は、ユーザから、どのゲーム画像を、どの出力装置4に表示するかを示すユーザ要求を受け付け、ディスプレイ決定処理部154が、受け付けたユーザ要求にしたがってゲーム画像を表示する出力装置4を定めてもよい。
実施例ではディスプレイ決定処理部154は、将来生成される可能性のあるゲーム画像の要求仕様によって、予備ディスプレイを設定することを説明した。将来生成される可能性のあるゲーム画像の要求仕様が不明である場合、ディスプレイ決定処理部154は、ゲーム画像の最大数の範囲内で、所定の基準をもとに予備ディスプレイを設定してもよい。たとえば解像度がより高い出力装置4や、ディスプレイサイズがより大きい出力装置4を、予備ディスプレイとして設定してもよい。解像度やディスプレイサイズの優れた出力装置4を予備ディスプレイとして予約しておくことで、新たなゲーム画像が生成された場合に、予備ディスプレイの仕様が、新たなゲーム画像の要求仕様を満たす確率を高められる。
ゲーム画像を表示する出力装置4が情報処理装置10に接続できなくなった場合、ディスプレイ決定処理部154は、新たな出力装置4をゲーム画像に割り当てることが好ましい。たとえばディスプレイ決定処理部154は、予備ディスプレイの中から割り当てる出力装置4を選出してもよく、また別の出力装置4を選出してもよい。出力装置4が情報処理装置10に接続できなくなったことは、接続状況管理部152により検出される。
また情報処理装置10は、ゲーム画像の表示に利用しない余った出力装置4を、様々な用途で利用してもよい。たとえば情報処理装置10は、余った出力装置4から音楽を再生してもよく、また余った出力装置4を利用して、動画の編集作業をユーザに行わせてもよい。また情報処理装置10は、ユーザがプレイしているゲームシーンと同じシーンの動画を、インターネット上の動画共有サーバから取得して出力装置4に表示してもよい。
また情報処理装置10は、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)と連携して、余った出力装置4でチャットサービスなどを表示してもよい。特に複数人でゲームプレイする場合には、チャットルームが自動生成されて、余った出力装置4に表示されるようにしてもよい。またタブレットやスマートフォンなどの出力装置4が余っていれば、情報処理装置10は、情報処理装置10で実施するべき生体認証を、余った出力装置4に実施させてもよい。
実施例では、出力装置4に関する物理的な仕様(解像度およびディスプレイサイズ)について説明した。たとえば透過型HMDやコンタクトレンズ型の表示デバイスでは、物理的な仕様の意味は薄まり、ユーザにとっては実際に感じられる体感的(仮想的な)仕様が重要となる。このような表示デバイスであっても、距離に応じた仮想的な仕様は規定されているため、ディスプレイ決定処理部154は、かかる表示デバイスの仮想的な仕様にもとづいて、ゲーム画像に割り当てるか否かを決定することができる。
なお実施例では、情報処理装置10がゲームを実行して、ゲームが、複数の出力装置4に異なるコンテンツ画像を表示することを説明したが、ゲーム以外のアプリケーションが、複数の出力装置4に異なるコンテンツ画像を表示してもよい。たとえば情報処理装置10は、ビデオ再生アプリケーションを実行し、複数の出力装置4に、異なるコンテンツ画像を表示してもよい。
また実施例では説明していないが、非常に大きなサイズの出力装置4が存在する場合には、この出力装置4に複数のゲーム画像を表示することが可能となる。第1ゲーム画像以外のゲーム画像を含める場合には、第1ゲーム画像の邪魔にならない位置に、別のゲーム画像を表示することが好ましい。
なお複数プレイヤが対戦する際に、全てのプレイヤが、同じマルチスクリーン環境でゲームプレイすることは希であり、プレイヤによっては、1台の出力装置4しか情報処理装置10に接続できない場合もある。ゲームが第1ゲーム画像、第2ゲーム画像、第3ゲーム画像を生成する場合、実施例によると、1台の出力装置4が情報処理装置10に接続していれば、ディスプレイ特定部128が、第1ゲーム画像を出力装置4に表示しつつ、第2ゲーム画像および第3ゲーム画像を、出力装置4にPinP方式で表示することを決定する。また実施例によると、3台の出力装置4が情報処理装置10に接続していれば、ディスプレイ特定部128は、第1ゲーム画像、第2ゲーム画像、第3ゲーム画像を、それぞれ異なる出力装置4に表示することを決定する。
したがってプレイヤAが1台の出力装置4を有し、プレイヤBが3台の出力装置4を有して対戦する場合、プレイヤAの出力装置4には、第2ゲーム画像および第3ゲーム画像が第1ゲーム画像に重畳表示されるため、プレイヤBと比べると、第1ゲーム画像の視認性がよくない。そこで複数プレイヤが対戦する場合には、各プレイヤの情報処理装置10が連携して、接続している出力装置4の台数を互いに通知し、接続台数の最も少ないプレイヤに合わせて、ディスプレイ特定部128が、出力装置4に表示する画像を決定してもよい。
この場合、プレイヤAの出力装置4は、第1ゲーム画像を表示しつつ、第2ゲーム画像および第3ゲーム画像をPinP方式で表示するため、プレイヤBの第1ゲーム画像を表示する出力装置4が、第2ゲーム画像および第3ゲーム画像をPinP方式で表示し、残りの2つの出力装置4が、それぞれ第2ゲーム画像と第3ゲーム画像とを表示してもよい。これにより第1ゲーム画像の視認性は、プレイヤA、Bともに同じとなるため、フェアな対戦に近づけることができる。
なおゲームにおいて最も重要な画像は第1ゲーム画像であるため、各プレイヤが複数台の出力装置4を有していれば、1台の出力装置4を第1ゲーム画像の表示のみに割り当てることで、プレイヤ間の公平性はある程度保たれる。この場合、各情報処理装置10のディスプレイ特定部128は、実施例で説明したように、ゲーム画像を表示する出力装置4を定めてよい。
一方、上記したように1人でも出力装置4を1台しか持たないプレイヤがいれば、全てのプレイヤの第1ゲーム画像に、第2、第3のゲーム画像を重畳表示させるように、複数のプレイヤの情報処理装置10が連携制御してもよい。つまり情報処理装置10において、ディスプレイ特定部128は、各プレイヤの出力装置4の接続台数を取得し、1人でも接続台数が1台のプレイヤがいれば、第1ゲーム画像を表示する出力装置4に、他のゲーム画像(第2、第3ゲーム画像)を重畳表示することを決定し、プレイヤ間の公平性を保つこととする。
また、これとは別に、複数台の出力装置4が存在している場合であって、1つ以上のゲーム画像がPinP方式で表示されている場合には、ユーザがPinP方式でウィンドウ表示されている画像と、全面表示されている画像とを切り替えられるようにしてもよい。たとえばユーザが入力装置6を用いてウィンドウ表示されているゲーム画像を選択すると、全面表示しているゲーム画像と切り替えるためのユーザインタフェース(UI)が表示され、ユーザがUIを操作することで、ゲーム画像の表示形態を切り替えられるようにしてもよい。
実施例では特に説明しなかったが、入力装置6はタッチスクリーンを搭載した入力機器であってもよい。以下、この入力装置6を「タッチパネル型入力装置」と呼ぶと、タッチスクリーンには、操作情報を入力するための操作ボタン等(入力部)が表示されて、ユーザは表示された操作ボタンにタッチすることで、各種入力が行えるようにされてよい。
タッチパネル型入力装置を利用することで、ユーザはタッチスクリーン上で、ゲーム画像を表示する出力装置4を決定することができ、また生成するゲーム画像を選択することも可能となる。ユーザはタッチスクリーン上で、どのゲーム画像をどの出力装置4から出力させるかを設定でき、これによりユーザが、自分の好みでマルチスクリーン環境を整えられるようになる。
このときタッチパネル型入力装置は、ゲーム画像を出力する出力装置4の一つとしても利用可能となる。そこで図3に示すディスプレイDB200において、タッチパネル型入力装置の機器情報が、情報処理装置10と接続可能な出力装置4の機器情報として登録されてよい。なおタッチパネル型入力装置は、出力装置としてゲーム画像を出力可能であったとしても、あくまでも操作情報を情報処理装置10に提供する機器であるため、他の出力装置4とは区別して管理される必要がある。そのためディスプレイDB200において、タッチパネル型入力装置は、入力装置であることを示す機器種類を、機器情報として登録される必要がある。
またタッチスクリーン上には、操作情報を生成するための入力部が表示されるため、ゲーム画像は、入力部の表示領域以外の領域(画像表示領域)に表示される。そのためタッチパネル型入力装置は、機器情報として画像表示領域の解像度およびディスプレイサイズを登録されることが好ましい。なお画像表示領域の解像度およびディスプレイサイズとして所定の設定値がディスプレイDB200に登録されてもよいが、画像表示領域の解像度およびディスプレイサイズは動的に設定されてディスプレイDB200に登録されてもよい。たとえば画像表示領域の解像度およびディスプレイサイズは、アプリケーションにより指定されてもよい。アプリケーションは起動されると、タッチパネル型入力装置の画像表示領域を情報処理装置10に対して指定することで、情報処理装置10が、指定された領域の解像度およびディスプレイサイズをディスプレイDB200に登録する。
なおアプリケーションが入力部の画像も生成して、入力部画像とゲーム画像とを出力できる場合には、入力部の表示領域およびゲーム画像の表示領域とを合わせた領域の解像度およびディスプレイサイズがディスプレイDB200に登録されていてよい。この場合、登録される機器情報は、タッチパネル型入力装置のタッチパネル全面の解像度およびディスプレイサイズであってよい。
出力コンテンツ提供部160は、所定の表示条件が満たされた場合に、タッチパネル型入力装置にコンテンツ画像を提供する。条件の一例として、ユーザが出力装置4の表示画面を見ていないことが検出されたことがあげられる。つまりユーザが出力装置4の表示画面を見ていない場合に、出力コンテンツ提供部160が、タッチパネル型入力装置にコンテンツ画像を提供してもよい。これによりユーザはタッチパネル型入力装置に表示されるゲーム画像を見ながら入力部を操作でき、したがって携帯型ゲーム機のような感覚でゲームをプレイできるようになる。
ユーザの視線は、カメラ7により撮像されたユーザ画像を解析することで定められてよい。実施例でカメラ7は出力装置4aの近傍に設置されているが、情報処理装置10は、カメラ7の画像を解析することで、ユーザが出力装置4aの画面を見ているか否かを判断できる。ユーザが出力装置4aの画面を見ていないことが判定されると、出力コンテンツ提供部160は、第1ゲーム画像を出力装置4aに提供しつつ、同時に第1ゲーム画像をタッチパネル型入力装置に提供する。なおタッチパネル型入力装置がカメラを有し、タッチパネル型入力装置が、自身のカメラ画像を解析して、ユーザがタッチスクリーンを見ていることを判定することで、情報処理装置10に対して第1ゲーム画像の送信要求を送信し、第1ゲーム画像の提供を受けるようにしてもよい。
この視線方向にもとづいた表示条件が成立すると、出力コンテンツ提供部160は、ただちに第1ゲーム画像をタッチパネル型入力装置に提供してもよいが、さらなる条件が成立したときに第1ゲーム画像を提供するようにしてもよい。たとえばゲーム中で、自分と敵との距離が近くなった場合や、敵が自分に対して銃の照準を定めた場合などを条件として、出力コンテンツ提供部160が、第1ゲーム画像をタッチパネル型入力装置に提供してもよい。これによりゲーム中で危険が迫っているような場合に、出力装置4aを見ていないユーザに対して注意喚起できる仕組みを実現できる。
またユーザは、タッチスクリーンに表示されているゲーム画像の加工(変更)を情報処理装置10に指示できてもよい。たとえばユーザは、タッチスクリーン上のゲーム画像の注目領域を手で触って特定することで、当該注目領域を拡大したゲーム画像を再生成することを、情報処理装置10に指示できる。コンテンツ画像生成部132は、タッチパネル型入力装置の仕様情報にもとづいてゲーム画像を生成しているため、タッチパネル型入力装置の解像度が低ければ、若干粗いゲーム画像がタッチスクリーンに表示されることになる。そのためゲーム画像の全体を粗く表示させるのではなく、注目領域を高解像度で表示させることを目的として、ユーザは、拡大表示したい注目領域を、情報処理装置10に通知できるようにしてもよい。ユーザ要求受付部156は、ユーザから注目領域の指定を受け付けることで、コンテンツ画像生成部132が、タッチパネル型入力装置向けに、注目領域の拡大画像を生成する。なおユーザは、ゲーム画像中の注目領域を指定するのではなく、注目オブジェクトを指定できるようにしてもよい。注目オブジェクトは、たとえば敵キャラクタであり、ユーザ要求受付部156が注目オブジェクトの指定を受け付けると、コンテンツ画像生成部132が、注目オブジェクトを含むゲーム画像を切り出し、出力コンテンツ提供部160が、切り出したゲーム画像をタッチパネル型入力装置に提供してもよい。