JP6656086B2 - 延伸積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、延伸積層体の製造方法に関する。
代表的な画像表示装置である液晶表示装置は、その画像形成方式に起因して、液晶セルの両側に偏光膜が配置されている。近年、偏光膜の薄膜化が望まれていることから、例えば、特定の熱可塑性樹脂基材とポリビニルアルコール系樹脂層との積層体を、空中延伸し、さらにホウ酸水溶液中で延伸することにより偏光膜を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1)。このような方法によれば、積層体を高倍率に延伸することができ、優れた光学特性を有する偏光膜が得られる。
ところで、偏光膜を製造する際、生産性向上の観点から、先行する長尺状の積層体の末端部分に新たな積層体の先端部分を接合すること(いわゆる、スプライス)により、先行する積層体に続けて新たな積層体を連続的に加工機に供給することが提案されている(例えば、特許文献2)。
上記接合は、一般に粘着テープを用いて行われるが、接合した積層体を延伸する場合、スプライス部分において粘着テープの破断や剥がれが生じ得る。また、上記接合にはレーザースプライス等を適用可能であるが(特許文献3)、レーザースプライスは、装置導入に莫大なコストが掛かり、また設置面積も大きい。
特開2012−73580号公報 特開2014−199277号公報 特開2012−27447号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、偏光膜の生産性向上に寄与し得る延伸積層体の製造方法を提供することである。
本発明は、長尺状のポリエステル系樹脂基材と該樹脂基材上に形成されたポリビニルアルコール系樹脂層とを含む、複数の積層体を連続的に延伸して延伸積層体を製造する方法を提供する。本発明の製造方法は、先行する積層体を長手方向に搬送しながら延伸機に供給して延伸すること、該先行する積層体の後端部と後行する積層体の先端部とを、破断伸びが200%以上である粘着テープを用いて接合すること、および該後行する積層体を長手方向に搬送しながら延伸機に供給して延伸すること、を含む。
1つの実施形態においては、上記粘着テープの引張強さが、10MPa〜100MPaである。
1つの実施形態においては、上記接合において、先行する積層体の後端部と後行する積層体の先端部とを突き合わせ、該積層体の樹脂基材側に該突き合せ部を覆うように上記粘着テープを貼付する。
本発明の製造方法によれば、先行する積層体の後端部と後行する積層体の先端部とを特定の粘着テープを用いて接合した状態で連続的に延伸機に供給および延伸する。その結果、接合部の破断等が防止されて延伸積層体が高い生産性で得られるので、偏光膜の生産性向上に寄与し得る。
本発明で延伸される積層体の概略断面図である。 積層体の接合形態の一例を説明する概略図であり、(a)は接合部を上から見た概略図であり、(b)は水平方向から見た概略図である。 (a)〜(c)は、接合工程の一例を説明する概略図である。
[A.延伸積層体の製造方法]
本発明の延伸積層体の製造方法は、長尺状のポリエステル系樹脂基材と該樹脂基材上に形成されたポリビニルアルコール系樹脂層とを含む、複数の積層体を連続的に延伸して延伸積層体を製造する方法であって、先行する積層体を長手方向に搬送しながら延伸機に供給して延伸すること(先行フィルムの延伸工程)、該先行する積層体の後端部と後行する積層体の先端部とを、破断伸びが200%以上である粘着テープを用いて接合すること(接合工程)、および、該後行する積層体を長手方向に搬送しながら延伸機に供給して延伸すること(後行フィルムの延伸工程)を含む。以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A−1.積層体
図1は、本発明で延伸される積層体の概略断面図である。積層体10は、ポリエステル系樹脂基材11とポリビニルアルコール系樹脂層12とを有する。積層体10は、長尺状のポリエステル系樹脂基材11上にポリビニルアルコール系樹脂層12を形成することにより作製される。ポリビニルアルコール系樹脂層12の形成方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。好ましくは、ポリエステル系樹脂基材11上に、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」という)を含む塗布液を塗布し、乾燥することにより、PVA系樹脂層12を形成する。
上記ポリエステル系樹脂基材の延伸前の厚みは、好ましくは20μm〜300μm、より好ましくは50μm〜200μmである。20μm未満であると、PVA系樹脂層の形成が困難になるおそれがある。300μmを超えると、延伸に過大な負荷を要するおそれがある。
ポリエステル系樹脂基材の形成材料としては、非晶質の(結晶化していない)ポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましく用いられる。中でも、非晶性の(結晶化しにくい)ポリエチレンテレフタレート系樹脂が特に好ましく用いられる。非晶性のポリエチレンテレフタレート系樹脂の具体例としては、ジカルボン酸としてイソフタル酸をさらに含む共重合体や、グリコールとしてシクロヘキサンジメタノールをさらに含む共重合体が挙げられる。
ポリエステル系樹脂基材のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは170℃以下、より好ましくは120℃以下、さらに好ましくは80℃以下である。一方、ポリエステル系樹脂基材のガラス転移温度は、好ましくは60℃以上である。なお、ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じて求められる値である。
上記PVA系樹脂層を形成するPVA系樹脂としては、任意の適切な樹脂が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%〜100モル%であり、好ましくは95.0モル%〜99.95モル%、さらに好ましくは99.0モル%〜99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光膜が得られ得る。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
PVA系樹脂の平均重合度は、目的に応じて適切に選択し得る。平均重合度は、通常1000〜10000であり、好ましくは1200〜4500、さらに好ましくは1500〜4300である。なお、平均重合度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
上記塗布液は、代表的には、上記PVA系樹脂を溶媒に溶解させた溶液である。溶媒としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、各種グリコール類、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類が挙げられる。これらは単独で、または、二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、好ましくは、水である。溶液のPVA系樹脂濃度は、溶媒100重量部に対して、好ましくは3重量部〜20重量部である。このような樹脂濃度であれば、ポリエステル系樹脂基材に密着した均一な塗布膜を形成することができる。
塗布液に、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、界面活性剤等が挙げられる。可塑剤としては、例えば、エチレングリコールやグリセリン等の多価アルコールが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤が挙げられる。これらは、得られるPVA系樹脂層の均一性や染色性、延伸性をより一層向上させる目的で使用され得る。
塗布液の塗布方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ナイフコート法(コンマコート法等)等が挙げられる。
上記塗布液の乾燥温度は、好ましくは50℃以上である。
PVA系樹脂層の延伸前の厚みは、好ましくは3μm〜20μmである。
PVA系樹脂層を形成する前に、ポリエステル系樹脂基材に表面処理(例えば、コロナ処理等)を施してもよいし、ポリエステル系樹脂基材上に易接着層を形成してもよい。このような処理を行うことにより、ポリエステル系樹脂基材とPVA系樹脂層との密着性を向上させることができる。
図示しないが、ポリエステル系樹脂基材11のPVA系樹脂層12が形成されていない側には、任意の適切な機能層が形成されていてもよい。好ましい実施形態においては、機能層は、耐熱性を有する。耐熱性を有することにより、例えば、ポリエステル系樹脂基材のガラス転移温度以上の温度が積層体にかけられた場合であっても、製造に用いられるロールに積層体(樹脂基材)が貼り付くのを防止して、優れた耐ブロッキング性を実現することができる。
上記機能層は、例えば、導電性材料およびバインダー樹脂を含む帯電防止層である。このような構成によれば、優れた耐ブロッキング性を実現し、製造効率を向上させることができる。また、帯電防止性に優れ得る。
A−2.先行フィルムの延伸工程
先行フィルムの延伸工程においては、先行する積層体を長手方向に搬送しながら延伸機に供給して延伸する。積層体を延伸することにより、PVA系樹脂の配向性を向上させることができ、その結果、後述のホウ酸水中延伸後においてもPVA系樹脂の配向性を向上させ得る。具体的には、予め、PVA系樹脂の配向性を向上させておくことで、ホウ酸水中延伸の際にPVA系樹脂がホウ酸と架橋し易くなり、ホウ酸が結節点となった状態で延伸されることで、ホウ酸水中延伸後もPVA系樹脂の配向性が高くなるものと推定される。その結果、優れた光学特性を有する偏光膜を作製することができる。
積層体の延伸方法としては、目的等に応じて、固定端延伸、自由端延伸、同時二軸延伸、逐次二軸延伸等の任意の適切な延伸方法が選択され得る。延伸は、一段階で行ってもよいし、多段階で行ってもよい。多段階で行う場合、後述の延伸倍率は、各段階の延伸倍率の積である。
積層体が供給される延伸機としては、目的の延伸方法に応じて任意の適切な延伸機が用いられ得る。例えば、テンター延伸機を用いて固定端延伸が行なわれ得る。また例えば、ロール延伸機を用いて自由端延伸が行なわれ得る。また例えば、同時二軸延伸機を用いて同時二軸延伸が行なわれ得る。
1つの実施形態において、上記積層体が供給される延伸機はロール延伸機である。当該実施形態においては、上記積層体をその長手方向に搬送しながら、ロール間の周速差により延伸する。具体的には、ロール間の周速差により積層体に張力を付与し、長手方向に一軸延伸する。該一軸延伸は、代表的には、空中延伸(乾式延伸)である。
上記長手方向への延伸倍率は、積層体の元長に対して、好ましくは1.1倍以上である。一方、該延伸倍率は、好ましくは6.0倍以下、より好ましくは3.0倍以下である。
別の実施形態において、上記積層体が供給される延伸機はテンター延伸機である。当該実施形態においては、例えば、積層体の両側端部を複数のクリップで把持し、その長手方向に搬送しながら幅方向のクリップ間距離を拡大することにより幅方向に一軸延伸する。
上記幅方向への延伸倍率は、積層体の元長に対して、好ましくは1.1倍以上、より好ましくは2.0倍以上である。一方、該延伸倍率は、好ましくは6.0倍以下、より好ましくは3.0倍以下である。
延伸温度は、PVA系樹脂のガラス転移温度以上であることが好ましい。延伸温度は、好ましくは95℃〜170℃である。
A−3.接合工程
接合工程においては、上記先行フィルムの延伸工程にて延伸される積層体(先行する積層体)の未延伸状態の後端部と、その次に延伸される積層体(後行する積層体)の先端部とを、破断伸びが200%以上である粘着テープを用いて接合する。200%以上の破断伸びを有する粘着テープを用いることにより、延伸の際に粘着テープが破断することを防止できる。また、積層体の粘着テープ貼付箇所およびその近傍領域も良好に延伸され得る。
上記粘着テープとしては、200%以上の破断伸びを有する限りにおいて任意の適切な粘着テープが用いられ得る。基材と該基材の一方の面に形成された粘着剤層とを含む片面粘着テープであってもよく、基材と該基材の両方の面に形成された粘着剤層とを含む両面粘着テープであってもよい。
1つの実施形態において、基材がオレフィン系熱可塑性エラストマーを含み、粘着剤層がポリプロピレン系樹脂および/またはアクリル系樹脂を含む粘着テープが用いられ得る。このような粘着テープはポリエステル系樹脂基材との密着性に優れることから、本発明の効果が好適に得られ得る。
基材に含まれ得るオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、低結晶性のホモポリプロピレン、モンテル(株)製「キャタロイC200F」のようなゴム成分が均一に微分散したプロピレン−エチレン共重合体のポリマーアロイ等のポリプロピレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。また、プロピレン−エチレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム、エチレン−ブタジエン共重合ゴム、メタロセン系触媒(シングルサイト触媒、カミンスキー触媒ともいう)を用いて重合して得られた密度が0.910g/cm以下のエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。α−オレフィンとしては、炭素原子数が3〜12のものが好ましく、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン等が挙げられ、その一種または二種以上の混合物が用いられる。
上記オレフィン系熱可塑性エラストマーは単独で、あるいは、二種以上を混合して、さらには他の重合体を混合して用いてもよい。混合する他の重合体としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂およびこれらの混合物等が挙げられる。
基材中におけるオレフィン系熱可塑性エラストマーの含有量は、好ましくは30重量%〜100重量%、より好ましくは50重量%〜100重量%、さらに好ましくは70重量%〜100重量%である。
粘着剤層に含まれ得るポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体および/または共重合体等が挙げられる。該共重合体としてはプロピレンと他のα−オレフィンとのランダム共重合体、ブロック共重合体、ポリオレフィン系の共重合体を幹ポリマーとしたプロピレンのグラフト共重合体等が例示できる。他のα−オレフィンとしては、炭素原子数が2〜12のものが好ましく、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン等が挙げられ、その一種または二種以上の混合物が用いられ得る。
粘着剤層に含まれ得るアクリル系樹脂としては、アクリルモノマーの共重合体等が挙げられる。該共重合体を構成するアクリルモノマーとして、アクリル酸アルキル、アクリル酸エステル等が用いられ得、コモノマーとして、酢酸ビニル、アクリルニトリル、アクリルアミド、スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等が用いられ得、架橋モノマーとして、アクリル酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリル酸グリシジル等が用いられ得る。
粘着剤層中におけるポリプロピレン系樹脂およびアクリル系樹脂の含有量はそれぞれ、好ましくは50重量%〜100重量%である。
上記粘着テープの引張強さ(JIS K 7127)は、好ましくは10MPa〜100MPa、より好ましくは40MPa〜80MPaである。また、該粘着テープの破断伸び(JIS K 7127)は、好ましくは300%以上である。該破断伸びの上限は、例えば、700%とすることができる。引張強さおよび破断伸びが当該範囲内であると、延伸時においても積層体への密着性を維持しつつ、延伸による変形に追従することができる。
上記粘着テープの10%歪み応力緩和率は、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上である。10%歪み応力緩和率が30%以上であると、積層体への密着性および追従性に優れ得る。該10%歪み応力緩和率は、JIS K 6732に記載の引張試験片と同様の形状および寸法の粘着テープを試験片として用い、300mm/minの試験速度にて10%伸張した後保持し、その初期応力Fおよび10分後の残留応力fを測定し、下記(1)式により得られる値である。
10%歪み応力緩和率(%)=(F−f)*100/F・・・(1)
上記粘着テープにおいては、好ましくは粘着剤層の形成材料の曲げ強さが基材の形成材料の曲げ強さより高い。基材の形成材料の曲げ強さは、好ましくは20MPa〜700MPa、より好ましくは50MPa〜500MPa、さらに好ましくは100MPa〜500MPa、さらにより好ましくは100MPa〜300MPaである。また、粘着剤層の形成材料の曲げ強さは、好ましくは300MPa〜1500MPa、より好ましくは700MPa〜1500MPaである。このような曲げ強さであると、粘着テープの密着性、追従性、伸張性および柔軟性等が優れ得る。該曲げ強さは、JIS K 7171に準拠して得られる値である。
上記粘着テープの厚みは、好ましくは20〜300μm、より好ましくは50〜150μmである。厚みが当該範囲内であると、十分な密着性、延伸追従性および強度が得られ得る。
基材および粘着剤層の厚みの比(基材/粘着剤層)は、好ましくは1/5〜40/1である。厚みの比が1/5未満であると基材によって得られる柔軟性が低下する場合がある。一方、厚みの比が40/1を超えると機械強度が低下し、延伸に追従できない場合がある。
図2(a)および(b)は、積層体の接合形態の一例を説明する概略図であり、(a)は接合部(粘着テープが貼付されている部分)を上から見た概略図であり、(b)は水平方向から見た概略図である。図2(a)および(b)に例示される接合形態においては、先行する積層体10aの後端部と後行する積層体10bの先端部とを突き合わせ、突き合せ部20を覆うように、積層体10a、10bの樹脂基材11a、11b側に粘着テープ30を貼付する。粘着テープ30の幅は、例えば10mm〜100mmであり得る。このように貼付することにより、粘着テープ30を積層体10aと積層体10bとに強く密着させて、搬送および延伸等の際に剥離することなく積層体10aと積層体10bとを接合することができる。なお、図示例において、粘着テープ30は突き合せ部20の全体を覆うように一方の側端部から他方の側端部まで貼付されているが、本発明の効果が得られる限りにおいて、突き合せ部20の一部が露出していてもよい。また、図示例とは異なり、積層体10a、10bのPVA系樹脂層12a、12b側に粘着テープ30を貼付してもよく、樹脂基材11a、11b側とPVA系樹脂層12a、12b側との両側に粘着テープ30を貼付してもよい。粘着テープの貼付方法に関しても特に制限はなく、手作業等の任意の適切な方法が用いられ得る。
積層体の接合は、任意の適切な方法で行われ得る。図3(a)〜(c)は接合方法の一例を示す概略図である。まず、図3(a)に示されるように、ロール状に巻回された積層体10aを繰り出し部1から繰り出し、接合処理に要する時間に搬送される長さ以上を余らせた状態Lで、長手方向に搬送して延伸機3に供給および延伸する。延伸後の延伸積層体10a’は巻取り部4でロール状に巻き取られる(図中、2は搬送ローラを示す)。次に、図3(b)に示されるように、積層体10aがすべて繰り出されると、新しい積層体10bを繰り出し部1にセットして繰り出しを開始するとともに、余らせておいた長さ分の積層体10aが搬送される間にその後端部と積層体10bの先端部とを粘着テープ30で接合する。次いで、図3(c)に示されるように、接合された積層体10aおよび10bは連続して延伸機3に供給される。このとき、積層体10bも接合処理に要する時間に搬送される長さ以上を余らせた状態Lで長手方向に搬送することにより、搬送を停止することなく後続の積層体との接合を行うことができる。また例えば、先行する積層体を長手方向に搬送しながら延伸機に供給し、その後端部が延伸機に供給される前に搬送を一旦停止して、後行の積層体の先端部と接合することができる。該方法の場合、接合が完了した後に積層体の搬送を再開する。なお、図示するように、延伸積層体は接合されたままでロール状に巻き取られ得る。本発明においては、上記のとおり、高い柔軟性と伸びとを有する粘着テープを用いることから、得られた延伸積層体をロール状に巻回しても粘着テープおよび延伸積層体が破断し難いという利点がある。
A−4.後行フィルムの延伸工程
後行フィルムの延伸工程においては、後行する積層体を長手方向に搬送しながら延伸機に供給して延伸する。該後行する積層体は、上記接合工程において先行する積層体と接合されているので、先行する積層体に連続して延伸機に供給され得る。
後行フィルムの延伸工程については、先行フィルムの延伸工程と同様の説明が適用され得る。
本発明の製造方法においては、上記先行フィルムの延伸工程、接合工程および後行フィルムの延伸工程の3つの工程を繰り返し行うことができる。したがって、本発明の製造方法によれば、3つ以上の長尺状の積層体を連続して延伸機に供給して延伸することができる。
A−5.延伸積層体
本発明の製造方法によって得られる延伸積層体は、積層体の元長に対して、1.5倍〜2.5倍に延伸されていることが好ましく、より好ましくは1.7倍〜2.3倍に延伸されている。延伸積層体における樹脂基材の厚みは、好ましくは10μm〜200μm、より好ましくは20μm〜150μmである。また、延伸積層体におけるPVA系樹脂層の厚みは、代表的には、得られる偏光膜の厚みが10μm以下となるような厚みである。具体的には、延伸積層体におけるPVA系樹脂層の厚みは、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは3μm〜15μm、さらに好ましくは5μm〜10μmである。
[B.延伸積層体の使用方法]
上記製造方法で得られる延伸積層体は、代表的には、偏光膜の製造に供される。具体的には、延伸積層体には、そのPVA系樹脂層を偏光膜とするための処理が、適宜施される。偏光膜とするための処理としては、例えば、膨潤処理、延伸処理、二色性物質による染色処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が挙げられる。各処理の回数、順序、タイミング等は、適宜設定され得る。
上記架橋処理は、例えば、延伸積層体のPVA系樹脂層にホウ酸溶液(例えば、ホウ酸水溶液)を接触させることにより行われる。また、延伸処理において湿式延伸方式を採用する場合、該PVA系樹脂層にホウ酸溶液を接触させながら延伸すること(例えば、ホウ酸水中延伸)が好ましい。優れた偏光特性を得る観点から、通常、該PVA系樹脂層は3倍〜7倍(延伸積層体にするための延伸倍率を含めた延伸倍率)に一軸延伸される。延伸処理における延伸方向は、得られる偏光膜の吸収軸方向に相当し得る。透過軸方向は、吸収軸方向に対して直交し得る。1つの実施形態においては、長尺状のPVA系樹脂層(実質的には、延伸積層体)をその長手方向に搬送しながらこの搬送方向(MD)に延伸する。この場合、得られる偏光膜の吸収軸方向は長手方向(MD)となり、透過軸方向は幅方向(TD)となり得る。上記処理は、複数の延伸積層体を粘着テープによって接合したまま行ってもよく、接合の解消後に個々の延伸積層体に対して行ってもよい。
[C.偏光膜]
上述のとおり、本発明の製造方法によって得られた延伸積層体に上記各処理を施すことにより上記樹脂基材上に偏光膜が形成される。この偏光膜は、実質的には、二色性物質が吸着配向されたPVA系樹脂膜である。偏光膜の厚みは、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは7μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。一方、偏光膜の厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.5μm以上である。偏光膜は、好ましくは、波長380nm〜780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光膜の単体透過率は、好ましくは40.0%以上、より好ましくは41.0%以上、さらに好ましくは42.0%以上である。偏光膜の偏光度は、好ましくは99.8%以上、より好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.95%以上である。
上記偏光膜の使用方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体的には、上記樹脂基材と一体となった状態で使用してもよいし、上記樹脂基材から他の部材に転写して使用してもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各特性の測定方法は以下の通りである。
1.厚み
デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC−351C」)を用いて測定した。
2.ガラス転移温度(Tg)
JIS K 7121に準じて測定した。
3.破断伸び
JIS K 7127に準じて測定した。
4.引張強さ
JIS K 7127に準じて測定した。
[実施例1]
樹脂基材として、長尺状で、吸水率0.60%、Tg80℃、強度2.5GPaの非晶質ポリエチレンテレフタレート(A−PET)フィルム(三菱化学社製、商品名「ノバクリア」、厚み:100μm)を用いた。
樹脂基材の片面に、コロナ処理(処理条件:55W・min/m)を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)90重量部およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)10重量部を含む水溶液を60℃で塗布および乾燥して、厚み10μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、接合処理に要する時間に搬送される長さ以上(約10m)余らせた状態で搬送しながらロール延伸機に供給し、120℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に1.8倍に自由端一軸延伸した(空中延伸)。このとき、積層体の後端部を次に延伸機に供給する積層体と図2に示すように接合し、連続的に延伸機に供給して延伸した。具体的には、延伸機に供給されている積層体の後端部と次に供給される積層体の先端部と突き合わせ、該突合せ部をすべて覆うように、かつ、突合せ部が粘着テープの幅方向の中央部に略対応するように粘着テープ(日東電工社製、製品名「No.33T」、幅60mm)を樹脂基材側に貼付して接合した。その後、得られた延伸積層体を巻き取り装置でロール状に巻き取った。上記空中延伸において、接合部の粘着テープは剥がれることなく延伸に追随して形状変化した。また、接合部近傍の積層体も適度に延伸されることから、搬送性に影響が生じず、連続して延伸を行うことが可能であった。
[実施例2]
粘着テープとして製品名「No.335PE」(日東電工社製、幅50mm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして延伸積層体を作製したところ、破断することなく延伸可能であった。
[比較例1]
粘着テープとして製品名「P−422(PTFEフィルム基材シリコーン粘着テープ)」(日東電工社製、幅50mm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして延伸積層体を作製したところ、延伸時に接合部近傍の延伸積層体が破断した。
[比較例2]
粘着テープとして製品名「No.360(ポリイミド粘着テープ)」(日東電工社製、幅50mm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして延伸積層体を作製したところ、延伸時に接合部近傍の延伸積層体が破断した。
実施例および比較例の結果を表1にまとめて示す。
Figure 0006656086
表1に示されるとおり、実施例においては良好な接合状態を維持したまま積層体を連続して延伸積層体を得ることができた。一方、比較例においては延伸時に接合部近傍の延伸積層体が破断した。これは比較例で使用した粘着テープが十分に伸びなかったために接合部付近の積層体も十分に延伸されず、結果として、搬送性に影響が生じたためと推測される。
本発明は、偏光膜の製造に好適に用いられる。
10 積層体
10’ 延伸積層体
11 樹脂基材
12 PVA系樹脂層
20 突き合わせ部
30 粘着テープ

Claims (3)

  1. 長尺状のポリエステル系樹脂基材と該樹脂基材上に形成されたポリビニルアルコール系樹脂層とを含む、複数の積層体を連続的に延伸して延伸積層体を製造する方法であって、
    先行する積層体を長手方向に搬送しながら延伸機に供給して延伸すること、
    該先行する積層体の後端部と後行する積層体の先端部とを、破断伸びが200%以上である粘着テープを用いて接合すること、および
    該後行する積層体を長手方向に搬送しながら延伸機に供給して延伸すること、を含み、
    該接合において、該先行する積層体の後端部と該後行する積層体の先端部とを突き合わせ、該積層体の樹脂基材側またはポリビニルアルコール系樹脂層側に該突き合せ部を覆うように該粘着テープを貼付する、方法。
  2. 前記粘着テープの引張強さが、10MPa〜100MPaである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記積層体の樹脂基材側に前記突き合せ部を覆うように前記粘着テープを貼付する、請求項1または2に記載の製造方法。
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