以下に添付図面を参照して、本発明に係る電子書籍ビューワーシステムの実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る電子書籍ビューワーシステムの全体構成を示す概念図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電子書籍ビューワーシステムは、通信ネットワーク5上に配置された電子書籍配信サーバー2から、ユーザーNやM等が使用するユーザー端末1(1a,1b)に対して、複数のページから構成される電子書籍を受信し、閲覧するためのシステムであって、通信ネットワーク5上には、各ユーザーN、M等が所持するユーザー端末1(1a,1b)と、電子書籍配信サーバー2とが備えられている。なお、本実施形態においてこの電子書籍配信サーバー2で配信される電子書籍としては、テキストデータや画像データ、動画データ、音声データ等を集約して構成された一般的な電子書籍の他、ページデータ上の座標領域に対応する1又は複数の領域である要素データとから構成される書籍データ等のコンテンツデータが含まれる。
図1において、通信ネットワーク5は、無線通信網を含み、通信プロトコルTCP/IPを用いて種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、4G、LTE、3Gなど無線通信網)を相互に接続して構築される分散型の通信ネットワークであり、この通信ネットワーク5には、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。
無線基地局6は、中継装置7を通じて通信ネットワーク5に接続され、ユーザー端末1(1a,1b)との間で無線通信接続を確立し、ユーザー端末1(1a,1b)による通話やデータ通信を提供する装置である。中継装置7は、通信ネットワーク5に接続するためのモデムやターミナルアダプタ、ゲートウェイ装置等のノード装置であり、通信経路の選択や、データ(信号)の相互変換を行い、無線基地局6と、通信ネットワーク5との間における中継処理を行う。この中継装置7には、Wi−Fi(登録商標)ルーターやアクセスポイント装置の機能も含まれ、ユーザー端末1と無線通信を行っている。
電子書籍配信サーバー2は、通信ネットワーク5上に配置されて、ユーザー管理、データ収集管理の他、コンテンツ作製管理など、電子書籍の編集、出版、販売、マーケティング等、システム全体を管理・制御するコンテンツサーバー装置である。また、電子書籍配信サーバー2には、Webサーバーが含まれ、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどの情報送信を行うサーバーコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、HTML文書や画像などの情報を蓄積しておき、ユーザー端末1上で実行されるアプリケーションの要求に応じて、電子書籍等のコンテンツをユーザー端末1に配信する。
ユーザー端末1(1a,1b)は、ユーザーN、M等が所持・使用するコンテンツビューワー装置としての情報端末装置であって、CPUを備え種々の演算処理が実行可能であるとともに、通信インターフェースを備え、通信ネットワーク5に接続され、通信ネットワーク5上に分散配置された電子書籍配信サーバー2により配信される情報データにアクセス可能となっている。この情報処理端末装置としては、例えば、パーソナルコンピューター等の汎用コンピューター1bや、機能を特化させた専用装置、或いはスマートフォンや携帯電話、タブレットPCなどのモバイルコンピューター1a、PDA(Personal Digital Assistance)を採用することができる。そして、このユーザー端末1において、電子書籍配信サーバー2から配信された電子書籍のページを捲る動作により、電子書籍のページを順次表示可能にする閲覧進行処理が実行され、画面上に各ページのコンテンツデータが表示される。なお、ページを切り替える上記ジェスチャーとしては、捲る動作の他、例えば、操作ボタンの押下や、タッチパネル上のスワイプ、3Dタッチやダブルタップなど種々の操作形態を採用することができる。
(各装置の内部構造)
次いで、上述した電子書籍ビューワーシステムを構成する各装置の内部構造について説明する。図2は、本実施形態に係る電子書籍配信サーバー2の内部構成を示すブロック図であり、図3は、本実施形態に係るユーザー端末1の内部構成を示すブロック図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
(1)電子書籍配信サーバー
先ず、電子書籍配信サーバー2の内部構成について説明する。電子書籍配信サーバー2は、単一のサーバー装置の他、Webサーバーやデータベースサーバーなど複数のサーバー群から構成することができ、本実施形態では、図2に示すように、通信インターフェース21と、制御部22と、ユーザーデータベース23とを備えている。
ユーザーデータベース23は、本システムに関する各種の情報を蓄積するデータベース装置であり、ここでは、追加情報データベース231と、ポイントデータベース232と、閲覧履歴データベース233と、コンテンツデータベース234とを備えている。なお、各データベースは、単体のデータベースとして構成してもよいし、複数のデータベース間でリレーションシップを設定するようにしてもよい。
ユーザーデータベース23は、各ユーザーに関する情報を蓄積するデータベースであり、本実施形態では、ユーザー端末1を識別するユーザーID(ユーザー端末1のIPアドレス等)に、暗号化されたパスワードや、電話番号、メールアドレス、ユーザーの氏名、年齢、性別、住所などの個人情報の他、決済情報などが関連付けられて記録される。
ポイントデータベース232は、各ユーザーのユーザーIDに紐付けられて、価値情報であるポイントに関する情報を蓄積する記憶装置であり、ポイントの加算や、使用することによる減算に関する情報や、使用した日時や、対象商品、場所などの使用履歴も含まれている。
追加情報データベース231は、ユーザーが書き込んだコメントや、口コミ情報、学識情報などユーザー自身が発信した関連情報を蓄積しておく記憶装置であり、当該ビューワーアプリケーションや、SNS、Webサイト等を通じて入力された情報がユーザーID毎に紐付けられて蓄積されている。
閲覧履歴データベース233は、ユーザー毎における、電子書籍を閲覧した履歴を蓄積するデータベースであり、図3に示すように、ユーザーIDに、電子書籍の書籍ID、当該電子書籍のうち、既読ページのページ番号、未読ページのページ番号、及び既読した日時情報、及び未読ページから既読ページへと切り替えた際に使用されたポイント情報を関連付けて蓄積できる。ここで、ポイント情報には、使用されたポイントに応じて、先行消費ポイント、及び所有用ポイントの欄にそれぞれ使用されたポイント数が記録される。
なお、これらの各データベースの構成は、サービスの形態やユーザーに対する取り扱いにより適宜設定することができる。例えば、無料コンテンツについては、会員登録を不要としつつ、コメント等の追加情報のアップは許可することが考えられることから、ユーザーデータベースやポイントデータベースに登録されないユーザーデーあっても、当該ユーザーある程度識別しつつ追加情報のアップが許可され、追加情報データベース231のみに登録される場合もありうる。また、それぞれデータベース内の使用項目についても、ユーザーの取り扱いに応じて、変化することができ、無料ユーザーの場合はある程度追加情報データベース231で使用できる項目を限定することができる。また、追加情報データベース231には、端末側におけるビューワーソフトとの連携により、例えば端末(でのローカル)において利用可能なしおり機能や検索機能やメモ機能などに関する情報を追加情報データベース231に紐付けるようにしてもよく、無料ユーザーが一部の機能を使うために最小限のユーザー情報をユーザーデータベースに登録するというケースも考えられる。
また、例えば、無料ユーザーのように、会員登録を行うことなくある程度のコンテンツの閲覧を許可するような場合、当該無料ユーザーは、サーバー側の閲覧履歴データベース233へのデータ蓄積はないが、各ユーザーの端末装置など、ローカル側のメモリに閲覧履歴を蓄積しておいて、無料のユーザーであっても第何話を読んだか、或いは、何話を読み逃しているのかが分かる機能とすることで、ユーザーの利便性や関連サービスへの誘導等を行うことができる。
コンテンツデータベース234は、ユーザー端末1に配信するコミックや雑誌、小説等の電子書籍の他、各電子書籍に関する関連情報や特典アイテムを含むコンテンツデータを蓄積するデータベースであり、各電子書籍に関する情報としては、電子書籍を識別する書籍IDに、電子書籍の属性、電子書籍の内容を示すコンテンツデータ、総ページ数情報、著作者、出版社、価格、タイトル名、巻番号、広告情報等が関連付けて蓄積されている。コンテンツデータとしては、一般的な電子書籍の他、1又は複数のページデータと、ページデータ上の座標領域に対応する1又は複数の領域である要素データとから構成されるコミックや雑誌、小説等の書籍データが含まれる。なお、このコンテンツデータベースに含まれるコンテンツデータには、ページデータや要素データと合わせて、各要素データに関する関連情報や特典アイテムが含まれる。
なお、ページデータは、コミックや雑誌、小説などの一般的な書籍データの内容をページ単位で表示するための画像データや文字データ、動画データ、音声データその他のデータが組み合わさって構成される。また、要素データは、ページデータ上の座標領域に対応する1又は複数の領域であるコマや文章(台詞、段落、単語等)に対応する画像データ又はテキストデータであり、ページデータの所定領域にあるコマや文章、台詞、単語(国名、地名、人名、事件名等)を切り出して画像データ又はテキストデータとして作製される他、動画や音声などを追加されて多様に表現することができる。なお、コミックのコマは、1ページ全体や見開き2ページが1つのコマとなっている場合もあり、また、複数のコマが組み合わさって1つのコマを構成することもあり、要素データは、これらの各パターンに応じて、複数のコマやページの画像を適宜組み合わせて生成される。
関連情報としては、コミックの特定のコマや、小説の一節などの要素データと、その要素データに追加情報を付加して構成された関連情報表示データや、書籍に係る物語に登場するキャラクターや、場所、シーンなどに関する辞書情報や、画像データや、動画、音声、テキスト情報、その他の実行ファイルデータなどで構成された人物相関図や勢力図、ゲームなどを含む特典アイテムなどのコンテンツが含まれる。
制御部22は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、或いはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算モジュールであり、プログラムを適宜読み込んで実行することにより種々の機能モジュールを仮想的に構築し、構築された各機能モジュールによって、各部の動作制御、ユーザー操作に対する種々の処理を行っている。そして、本実施形態において、制御部22では、情報提供評価部221と、認証部222と、決済部223と、ポイント管理部224と、読了進行評価部225と、電子書籍配信部226とを備えている。
認証部222は、アクセス者の正当性を検証するコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、各ユーザーを特定するユーザーIDに基づいて認証処理を実行する。本実施形態では、ユーザー端末1において、電子書籍ビューワーアプリケーションが起動されると、通信ネットワーク5を通じてサーバーと同期処理が行われる。この際、認証部222は、ユーザー端末1の認証情報を取得し、ユーザーデータベース23を照合することによって、アクセス者にその権利があるか否かなどを確認するとともに、ユーザー固有のWebページやコンテンツ(電子書籍)へのアクセスを許可するなどの処理を実行する。
ユーザー固有のWebページは、いわゆるSNS機能によりユーザー間で相互に情報を共有できるようになっており、ユーザー自身が入力したりアップロードした情報やデータが追加情報データベース231に蓄積され、他のユーザーとの間で共有が可能となっている。なお、ユーザー端末1が電子書籍配信サーバー2にアクセスする場合には、先ず、認証部222による認証が行われ、承認がされた後に各機能モジュールがユーザー操作に応じた各処理が実行される。なお、認証部222は、アクセスしてきたユーザーを特定するためのユーザーIDやパスワード等の認証情報の入力を促して、その入力された認証情報を取得してユーザーデータベース23を参照して、その一致・不一致からアクセスの可否を決定する。
情報提供評価部221は、ユーザーによる情報提供に対する評価を入力させるためのモジュールであり、例えば、スマートフォンアプリケーションの入力部分であったり、Webページの入力フォームなどの形態で実現される。例えば、SNS専用アプリケーションやWebページ上における「いいね!」ボタンや、レート入力フォーム、投稿フォームなどが含まれ、ユーザーによって提供された情報が評価対象となり、例えば、Web上に掲載されたコンテンツデータ(ページデータや要素データ)や、それに対するコメント、うんちく情報、資料などが含まれる。この情報提供評価部221は、評価対象に対する各ユーザーからの評価を、投稿したユーザーのユーザーID、評価したユーザーのユーザーID、評価対象となったコンテンツデータ、評価内容を紐付けて追加情報データベースに蓄積する。
電子書籍配信部226は、通信インターフェース21を通じて、ユーザー端末に対して、電子書籍等のコンテンツデータを配信するモジュールであり、ユーザー端末1によって選択された書籍IDに基づいて、コンテンツデータベース234を参照し、コンテンツデータをユーザー端末1に配信する。
読了進行評価部225は、各ユーザーの電子書籍に関する読了ページを閲覧履歴として、閲覧履歴データベース233においてユーザー毎に管理し、その読了進行の度合いに応じた評価を行うモジュールであり、ユーザー端末1から読了進行処理の履歴情報である読了進行データを取得し、その読了進行データに応じたポイントやアイテムを付与するための処理を行う。この読了進行評価部225による読了進行評価の結果は、ポイント管理部224に送信され、ポイント管理部224によって、評価結果に応じたポイントを発行したり、その発行されたポイントに関する情報をポイントデータベース232に記録して管理する。この閲覧進行処理の履歴情報とは、閲覧進行処理がされた電子書籍の書籍ID、及びカウントされた進行ページ数(ページ番号を含む)が含まれる。なお、この読了進行評価部225による評価としては、読了進行の度合いに応じたポイント付与の他、未了の同作品や同著作者作品や、同傾向・同ジャンルの作品に関するいわゆる「オススメ情報」などを含めることができる。
ポイント管理部224は、各ユーザーに対して価値情報であるポイントを発行し、その使用等を監視するモジュールであり、ユーザーが行った購入手続きに対して決済部223が決済を行ったときにポイントを発行したり、ユーザーが行った情報提供や読了進行に対する評価に応じた価値情報としてポイントを発行する。このポイントは、価値情報として、電子書籍等のコンテンツや特典アイテムと交換できる。具体的に、ポイント管理部224は、ポイント発行部224aと、ポイント増減部224bとを備えている。
ポイント発行部224aは、各ユーザーに対してポイントを発行し、その発行されたポイントに関する情報をユーザーIDに紐付けてポイントデータベース232に蓄積するモジュールにあり、ポイント増減部224bは、ポイント管理部224による監視結果に応じて、進行可能ポイントを増減させるモジュールである。
決済部223は、課金についての決済処理を実行するモジュールであり、会員データベース内の情報に登録された決済情報に従って、例えば、銀行やクレジット会社が運用する決済サーバーとデータを送受し、商品販売代金の回収等の決済業務等を遂行させる。
(2)ユーザー端末1
次いで、ユーザー端末1の内部構成について説明する。図3に示すように、ユーザー端末1は、通信インターフェース11と、入力インターフェース12と、出力インターフェース13と、アプリケーション実行部14と、メモリ15とを備えている。
通信インターフェース11は、データ通信を行うための通信インターフェースであり、無線等による非接触通信や、ケーブル、アダプタ手段等により接触(有線)通信をする機能を備えている。入力インターフェース12は、マウス、キーボード、操作ボタンやタッチパネル12aなどユーザー操作を入力するデバイスである。また、出力インターフェース13は、ディスプレイやスピーカーなど、映像や音響を出力するデバイスである。特に、この出力インターフェース13には、液晶ディスプレイなどの表示部13aが含まれ、この表示部は、入力インターフェースであるタッチパネル12aに重畳されている。
メモリ15は、OS(Operating System)やファームウェア、各種のアプリケーション用のプログラム、その他のデータ等などを記憶する記憶装置であり、このメモリ15内には、ユーザーを識別するユーザーIDの他、電子書籍配信サーバー2から取得した利用情報、ダウンロードした電子書籍のコンテンツデータを蓄積するとともに、アプリケーション実行部14で処理された閲覧進行処理の履歴情報等が蓄積される。特に、本実施形態では、メモリ15は、複数のページデータと、各ページデータ上の座標領域に対応する1又は複数の領域である要素データとから構成されるコンテンツデータがコンテンツデータとして格納され、また、各要素データは、各要素データに関する関連情報と紐付けられて格納されている。
アプリケーション実行部14は、一般のOSやブラウザソフトなどのアプリケーションを実行するモジュールであり、通常はCPU等により実現される。このアプリケーション実行部14では、本発明に係るコンテンツビューワープログラムが実行されることで、コンテンツ管理部141、ポイント制御部142、表示データ生成部143、読了進行管理部145、関連情報制御部144、及びコンテンツエディター146が仮想的に構築される。
コンテンツ管理部141は、電子書籍配信サーバー2からダウンロードし、自機内に蓄積されている電子書籍やコンテンツデータ等のコンテンツを管理するモジュールであり、ポイント制御部142は、電子書籍配信サーバー2上のポイントデータベース232と同期して、ユーザーが所有しているポイントを管理するモジュールである。
表示データ生成部143は、表示部13aに表示させるための表示データを生成するモジュールである。表示データは、画像データや、文字データ、動画データ、音声その他のデータを組み合わせて生成されるデータであり、本実施形態に係る表示データ生成部143は、コンテンツデータに係る表示データを生成する際、ページデータ上の座標領域を指定することにより、指定された座標領域に対応付けられた要素データ、及び各要素データに紐付けられた関連情報をコマ関連情報表示データとして生成する機能を有している。
読了進行管理部145は、ページデータのうち閲覧が完了されたページデータ、及び閲覧されたページデータの順序を読了進行データとして生成する読了管理手段であり、この読了進行管理部145が生成した読了進行データは、電子書籍配信サーバー2側へ送信され、電子書籍配信サーバー2のポイント管理部224において、受信された読了進行データに基づいて、ポイントを発行する。
関連情報制御部144は、本実施形態では、読了進行管理部145によって生成された読了進行データに基づいて、コマ関連情報表示データとして閲覧可能となる関連情報を選択するモジュールである。具体的に、本実施形態では、読了進行の進捗によって利用が可能となるアイテムやその態様が変化されるようになっており、関連情報制御部144は、この読了進行に応じて、アイテムを変更したり、態様を変化させる制御を実行する。
表示データ生成部143は、タッチパネル12a上において電子書籍のページを捲る動作により、電子書籍のページを順次閲覧可能に表示するモジュールである。ここで、「ページを捲る動作」とは、例えば、タッチパネルに対するスワイプ操作やマウス等による遷移アイコン選択操作によって、現在表示されているページの前ページ又は次ページに画面を遷移させる動作の他、ページ番号を入力したり、サムネイル表示した複数ページの中からジャンプしたいページを選択したりして画面を遷移させる動作が含まれる。さらに、ページを捲る動作としてのジェスチャーとしては、例えば3Dタッチやダブルタップなど種々の操作形態を採用することができる。
コンテンツエディター146は、任意のページデータから、要素データを切り出して追加情報を紐付け、これらの要素データと追加情報に、基礎となったページデータを関連付けて構成された関連情報を、新たなコンテンツデータを生成するコンテンツデータ生成手段である。この関連情報の基礎となるページデータには、既に生成された関連情報や、人物相関図、勢力マップなどの特典アイテムも含まれ、関連情報や特典アイテムを基礎として新たに関連情報を作成できるようになっている。
また、本実施形態においてコンテンツエディター146は、アプリケーションに含まれるプログラムとして提供され、このアプリケーションを実行することにより、CPU上に仮想的に構築される。具体的にコンテンツエディター146は、ページデータD1を解析し、各ページデータ上の座標領域D2を検出するページ解析部146aと、ページ解析部146aによって検出された各座標領域D2に対応する要素データD3を抽出する要素データ抽出部146bとを備え、要素データ抽出部146bによって抽出された要素データD3を、各要素データが切り出された基礎となったページデータD1及び切り出された座標領域D2と関連付けて、コンテンツデータとして生成する。
アプリケーション実行部14では、これらの各モジュールが実行されることで、画面上に電子書籍を選択し、各ページのページデータD1や関連情報を表示させることができる。また、アプリケーション実行部14は、コンテンツエディター146によって生成された関連情報を表示させたり、アップロードしたりすることができる。
(閲覧操作)
次いで、以上の構成を有するビューワーシステムで、コンテンツデータを閲覧する際の操作について、説明する。図4は、コンテンツデータを閲覧する際の、タッチ操作を示す説明図である。
図4に示すように、タッチパネル12aには、ユーザーのタッチ操作に基づいて、ページデータD1が拡大縮小、移動可能に表示され、このページデータD1には、ページデータ上の座標領域に対応する1又は複数の領域であるコマに、そのコマに対応する要素データが紐付けられており、同図(a)に示すように、タッチ操作により、ページデータD1上の座標領域を指定することにより、指定された座標領域に対応付けられた要素データが、閲覧対象として選択され、同図(b)に示すように、選択された要素データD3が拡大表示や強調表示されるようになっている。また、この選択された要素データD3には関連情報が紐付けられており、表示データ生成部143は、この関連情報を、自機内のメモリ15やネットワーク上のコンテンツデータベース234から取得し、図5に示すような関連情報表示データD4を生成し、表示させる。
この関連情報表示データD4には、図5に示すように、選択されたコマ割や文章などの要素データD3が中央に拡大表示されるとともに、その周辺に登場人物に関する辞典情報D51や情報提供評価D52等の追加情報D5が配置され、さらに追加情報を追加できるように、投稿用テキストボックスD6が配置されている。また、この要素データD3や追加情報、或いはそれに含まれる各単語に、詳細説明やリンクを貼ることができ、関連する詳細説明が読めたり対応するコミックや小説、同シリーズの別巻、関連書籍、同一ジャンル、同一作家、その他のイベントに係わる書籍等のコンテンツデータへ遷移できるようにしてもよい。
なお、この関連情報表示データD4の表示の形態としては、図5に例示したものの他に、例えば、図6(a)〜(c)に例示するものが挙げられる。すなわち、各要素データD3は、そのままページデータD1上の座標領域上に重畳させて配置させておき、ユーザーは、ページデータD1上の任意の要素データD3を捲るようなジェスチャーによって指定することにより、指定された座標領域に対応付けられた要素データD3が、捲られて剥がされるようなアクションを実行して、その下に配置された追加情報D5を含む関連情報が閲覧可能になっている。なお、画面上を捲る動作を逆に行うことで、剥がされた要素データD3が復活して元のように戻るようになっている。また、関連情報表示データD4の表示形態としては、図7に示すように、ユーザーを示すアイコンとともに追加情報D5を台詞のように並べて、ページデータD1上に重畳させるようにして多数配置してもよい。
関連情報の提示の形態としては、図9や図10に示すようなマップや人物相関図のような特典画像、特典動画等の特典アイテムとして、ユーザーに提供することができる。この特典アイテムは、閲覧されたページデータの進捗を示す読了進行データに基づいて、コマ関連情報表示データとして閲覧可能となる関連情報を選択する機能を有する。すなわち、この特典アイテムは、閲覧の進捗に基づいて閲覧可能な関連情報が変化するようになっている。
例えば、図9に示すように、この特典アイテムD53は、物語の進行に合わせてその勢力図が変化する勢力マップD531と、その勢力マップD531に表示する年代を調節するスライドバーD533と、そのスライドバーD533の移動範囲を規制するレベルゲージD532とを備えている。
勢力マップD531は、物語の進行に合わせてその表示内容が変化するように、複数の画像がアニメーションとして順次切り替えられて表示されるように構成されており、図9(a)〜(b)に示すように、スライドバーD533のスライドD534の位置を左右に移動させると、その位置に応じて選択された画像が表示され、勢力の変遷が分かるようになっている。スライドD534の移動範囲は、レベルゲージD532によって規制され、このレベルゲージD532は、閲覧されたページデータの順序に従って生成された読了進行データに応じて設定され、閲覧されたページデータに応じた範囲のみでスライドD534が移動するように規制し、読み終わった物語の範囲でのみ表示可能な勢力マップD531が決定される。このスライドD534の操作による表示内容の変化としては、物語の進行に合わせたマップの変遷のみならず、時間をスライドすることで同時にそのタイミングに対応する事件・事変名などやその説明などのテキストデータ、画像、動画等のコンテンツが表示されてもよく、その事件・事変等に関わる人名や国名などが表示されてもよい。さらに、この勢力マップD531中の地図やテキストには詳細説明やリンクを貼ることができ、関連する詳細説明が読めたり対応するコミックや小説、同シリーズの別巻、関連書籍、同一ジャンル、同一作家、その他のイベントに係わる書籍等のコンテンツデータへ遷移できるようにしてもよい。
なお、このときの読了進行データは、コンテンツデータ内に含まれるページデータのページ数だけでなく、物語が複数冊の巻にわたる場合には、読了した巻数も含まれ、どの巻のどのページまで読んだかに応じて、表示可能な関連情報(ここでの例では、勢力マップ)が変化される。この関連情報の変化は、例えば、読了が進行するに伴って、ダウンロード可能な関連情報を増大させたり、ダウンロード済みの関連情報のうち、表示可能な範囲を拡大させるなどによって制御することができる。
他の特典アイテムの例としては、図10に示すような、物語の進行に合わせて登場する人物名やそれらの関係性、人物説明の内容が変化する人物相関図D541と、その人物相関図D541に表示するストーリー上の時間経過を調節するスライドバーD543と、そのスライドバーD543の移動範囲を規制するレベルゲージD542とを備えた、特典アイテムD54とすることができる。
人物相関図D541は、物語の進行に合わせてその表示内容が変化するように、複数の画像がアニメーションとして順次切り替えられて表示されるように構成されており、図10(a)〜(b)に示すように、スライドバーD543のスライドD544を左右に移動させると、その位置に応じて選択された画像が表示される。スライドD544の移動範囲は、レベルゲージD542によって規制され、このレベルゲージD542は、閲覧されたページデータの順序に従って生成された読了進行データに応じて設定され、閲覧されたページデータに応じた範囲のみでスライドD544が移動するように規制し、読み終わった物語の範囲でのみ表示可能な人物相関図D541が決定される。
なお、このときの読了進行データは、コンテンツデータ内に含まれるページデータのページ数だけでなく、物語が複数冊の巻にわたる場合には、読了した巻数も含まれ、どの巻のどのページまで読んだかに応じて、表示可能な関連情報(ここでの例では、人物相関図)が変化される。この関連情報の変化は、例えば、読了が進行するに伴って、ダウンロード可能な関連情報を増大させたり、ダウンロード済みの関連情報のうち、表示可能な範囲を拡大させるなどによって制御することができる。
このスライドD544の操作による表示内容の変化としては、物語の進行に合わせた人物相関図の変遷のみならず、時間をスライドすることで同時にそのタイミングに対応する事件・事変名などやその説明などのテキストデータ、画像、動画等のコンテンツが表示されてもよく、その事件・事変等に関わるマップや人名、国名などが表示されてもよい。さらに、この人物相関図D541中の画像やテキストには詳細説明やリンクを貼ることができ、関連する詳細説明が読めたり対応するコミックや小説、同シリーズの別巻、関連書籍、同一ジャンル、同一作家、その他のイベントに係わる書籍等のコンテンツデータへ遷移できるようにしてもよい。
(コンテンツビューワーの動作)
以上の構成を有する本実施形態に係るコンテンツビューワーの動作について説明する。図11は、コンテンツを閲覧する際の動作手順を示すシーケンス図であり、図12は、読了進行に基づいて特典アイテムを利用する際の動作手順を示すシーケンス図である。
先ず、電子書籍配信サーバー2から電子書籍等のコンテンツの配信を行い、ユーザー(N)10aのモバイルコンピューター1aでそのコンテンツをダウンロードする(S201及びS101)。このコンテンツの配信は、電子書籍ファイルやコンテンツデータ形式を一括してダウンロードする場合の他、コンテンツデータを部分的に順次受信するいわゆるストリーミング配信の形態を採ることもできる。
そして、ユーザー端末1側でコンテンツの閲覧を開始する(S102)。このコンテンツの閲覧は、例えば、ソフトウェアやアプリケーションを起動し、任意のコンテンツを選択して表示させるユーザー操作などを契機として開始される。ここでは、ユーザーNが電子書籍としてコンテンツデータを選択したものとする。このユーザーNの選択操作に基づいて、選択されたコンテンツデータが読み出され、閲覧が開始される。
閲覧が開始されると、図4に示すように、タッチパネル12aには、ユーザーNのタッチ操作に基づいて、ページデータD1が拡大縮小、移動可能に表示され、このページデータD1には、ページデータ上の座標領域に対応する1又は複数の領域であるコマに、そのコマに対応する要素データD3が紐付けられており、ページデータD1とともに要素データD3が読み出される。そして、図4(a)に示すように、ユーザー操作によって、ページデータD1上の座標領域を指定することにより、指定された座標領域に対応付けられた要素データが、閲覧対象として選択され、図4(b)に示すように、選択された要素データD3が拡大表示や強調表示をさせることができる(S103)。
さらに、この座標領域を指定する操作の際に、関連情報を表示させるための表示要求操作がなされるかどうかの判断を行う(S104)。関連情報を表示させるための表示要求操作がなされることなく、次の要素データを表示させる操作、例えば、ダブルタップされることなく、操作者が指を次のページデータ上の座標領域にスライドさせるなどの操作がなされた場合には(S104における「N」)、読了終了の操作がなされない限り(S111における「N」)、次の要素データの拡大・強調表示を継続させる(S103)。なお、ステップS104において関連情報の表示要求がなく(S104における「N」)、指をタッチパネルから一旦離して、読書終了ボタン等を押下するなどの操作があった場合には、読書終了処理が実行される(S111における「Y」)。
一方、ステップS104において、関連情報の表示要求操作があった場合には(S104における「Y」)、関連情報を表示させるためのコマ関連情報表示データを生成し、表示させる(S105)。例えば、ダブルタップ、タッチの押圧力を変化させるいわゆる3Dタッチなど、さらに選択を強調するジェスチャーを入力することにより、図5に示すような関連情報表示データD4を表示させることができる。このとき、電子書籍配信サーバー2上に最新の関連情報の配信があるか否かの問合せを行ってもよく、最新の関連情報があれば、それを取得して、最新の関連情報をコマ関連情報表示データに反映させてもよい。電子書籍配信サーバー2上の関連情報に更新がないとき、或いは、電子書籍配信サーバー2との通信ができないオフラインの状態にあるときなどには、既に端末上にダウンロードされたローカルの関連情報をメモリ15から読み出してコマ関連情報表示データに取り込んで表示させる。
この関連情報表示データD4には、選択された要素データD3が中央に拡大表示されるとともに、その周辺に登場人物に関する辞典情報D51や情報提供評価D52が配置され、さらに追加情報を追加できるように、投稿用テキストボックスD6が配置されている。関連情報表示データD4上における要素データD3の配置としては、図示した例では関連情報表示データD4の中央としたが、このレイアウトは適宜変更することができ、要素データD3を左上に配置するなど見やすい位置とすることができる。また、投稿用テキストボックスD6には、投稿する文章の入力や、画像、データファイルのアップロードや、顔文字やマーク、スタンプなどの送信もできるようになっている。
また、関連情報表示データD4で入力される追加情報としては、図8に示すような、入力ボックスD61やD62を通じて、送信・アップロードされるコンテンツが含まれる。詳述すると、コミック中の台詞や吹出し、擬音など、コミックや小説等の書籍データの一部を構成する要素(コマ要素)についても、これを要素データの1つとして切り出すとともに、これに追加情報を付加したり、切り出したコマ要素(台詞、吹出、擬音等)を要素データとしてアップロードすることができる。上記入力ボックスD61では、台詞や擬音等をテキスト形式の要素データとして送信したり、入力ボックスD62では、吹出や擬音を画像形式の要素データとしてアップロードできるようになっている。これらアップロードされた追加情報や要素データは、その基礎となった書籍データに紐付けられた関連情報として登録される。
なお、この関連情報(要素データ、追加情報を含む。)の登録やアップロードは、後述するエディタープログラムを用いて切り出して、要素データとして登録したり、上記入力ボックスD61及びD62を通じて、他の要素データに対する関連情報としてアップロードすることができる。また、電子書籍が小説などテキストで構成されたものである場合も、テキスト選択機能を使って文章中の文字列を選択するようにして切り出してもよい。また、このコマ要素などの要素データについては、予めサービス提供側で登録しておくことができ、その場合は、入力ボックスD61やD62にプルダウンメニュー等で選択可能に列挙し、ユーザーが選択できるようにしてもよい。このとき、このコマ要素などの要素データは、他のユーザーからの外部検索が可能なように登録し、蓄積もできる。なお、これらの機能により蓄積された要素データは、名コマや名言コンテストなどに利用することも可能である。
なお、この関連情報表示データD4の表示の形態としては、図5に例示したものの他に、例えば、図6(a)〜(c)に例示するものが挙げられる。すなわち、各要素データD3は、そのままページデータD1上の座標領域上に重畳させて配置させておき、ユーザーは、ページデータD1上の任意の要素データD3を捲るようなジェスチャーによって指定することにより、指定された座標領域に対応付けられた要素データD3が、捲られて剥がされるようなアクションを実行して、その下に配置された追加情報D5が閲覧可能になっている。また、画面上を捲る動作を逆に行うことで、剥がされた要素データD3が復活して元のように戻るようになっている。また、追加情報D5の表示形態としては、ページデータD1上に重畳させて多数配置してもよい。さらに、要素データD3を切り替える上記ジェスチャーとしては、例えば3Dタッチやダブルタップなど種々の操作形態を採用することができる。
そして、表示された関連情報表示データD4に、投稿用テキストボックスD6が含まれている場合には、この投稿用テキストボックスD6に対する追加情報の入力があるか否かの判断を行う(S106)。追加情報の入力がなければ(S106における「N」)、関連情報表示終了の操作を待って、関連情報表示終了操作があった際に関連情報表示データD4の表示を終了し(S111)、読書を継続するか(S112における「N」)、読書終了操作があれば(S112における「Y」)、終了処理を行う。
一方、ステップS106において、追加情報の入力があれば(S106における「Y」)、入力された追加情報を取得する(S107)。ここで入力される追加情報としては、例えば、ユーザーNが書き込んだコメントや、口コミ情報、うんちく情報などユーザー自身が発信した関連情報であり、文字情報の他、画像や映像、音声などが含まれる。この追加情報の入力に際し、投稿用テキストボックスD6に付随するチェックボックスのON/OFFによって、テキストボックスに入力した追加情報を他の読者に公開するか否かの設定が行えるようになっている。なお、この公開の可否に関するチェックボックスのON/OFFについては、サービス提供側が一括して制御することも可能であり、デフォルトで公開をONとし、ユーザー操作でOFFとするような設計としてもよい。
この投稿用テキストボックスD6において入力された追加情報の公開を許可している場合には(S108における「Y」)、ステップS107で取得された追加情報を電子書籍配信サーバー2へアップロードする(S109)。この追加情報のアップロードに際しては、関連情報表示データD4に含まれている要素データD3、又は要素データD3を特定するコマIDを追加情報に関連付けて、送信する。なお、コマIDが付与されていないときには、書籍名の何ページ目の何コマ目かを特定する情報(IDや数値、テキストデータ)を追加情報に関連付けて送信する。
ステップS109でアップロードされた追加情報は、サーバー側で受信され(S203)、公開を許可する設定があれば(S204における「Y」)、他の読者がアクセス可能に公開され(S205)、共有可能な関連情報として追加情報データベース231及びコンテンツデータベース234において蓄積又は更新され(S206)、公開が許可されていなければ(S204における「N」)、公開されることなく、アップロードしたユーザー自身のみが閲覧可能なデータとして追加情報データベース231においてのみ蓄積又は更新される(S206)。なお、ステップS107において入力され、取得された追加情報は、モバイルコンピューター1a側においても、パーソナル且つローカルな関連情報としても蓄積・更新される(S110)。このステップS110における追加情報の更新が完了した後は、関連情報表示終了の操作を待って、関連情報表示終了操作があった際に関連情報表示データD4の表示を終了し(S111)、読書を継続するか(S112における「N」)、読書終了操作があれば(S112における「Y」)、終了処理を行う。
他方、ステップS205で公開された追加情報は、コマ毎に紐付けられた関連情報として他のユーザー10bが閲覧可能となる(S301)。この追加情報の閲覧としては、本システムに対応したビューワーアプリケーションを利用して上記ステップS105と同様の処理により関連情報として表示させたり、他のSNSシステムを通じてブログ記事等の配信データとして閲覧もできる。
そして、この公開された追加情報に対して他のユーザー10bは、評価を行うことができる。例えば、公開された追加情報に応答するコメントを記入したり、「いいね!」等の同意・賞賛を意味する操作を行ったり、複数段階のレベルを有する評価レートを入力したり、ポイントを付与したりなどの評価操作を入力する。この評価入力があった場合には(S302における「Y」)、その入力された情報が評価情報として電子書籍配信サーバー2側に送信され、電子書籍配信サーバー2において受信・記録される(S207)。このサーバーに蓄積された評価情報は、所定の評価条件を満たすことにより(S208における「Y」)、その評価条件に従った価値情報としてポイントが発行されたり、特典アイテムがダウンロード可能になったり、特典アイテムや特典サービスの制限が解除されたりするなどの特典が付与され、付与された特典アイテムや、それに関するポイント・制限情報の変更が記録される(S209、S210)。なお、ステップS208で評価条件を満たさなかった場合にも(S208における「N」)、その時点での評価情報として電子書籍配信サーバー2側で蓄積され、管理される(S207)。この評価情報は、例えば得点として加算するなどして累積させることができ、次回の評価条件を判断する際に(S208)、過去の評価を加味した評価判断をするようにしてもよい。
(特典アイテムの動作)
次に、上述した特典アイテムの動作について説明する。この特典アイテムは、書籍やページデータ、要素データに紐付けられた関連情報の1つであり、コンテンツビューワーシステムにおける関連情報の閲覧機能の1つとして提供され、ここでは、コンテンツデータの読了進行に応じて、その利用可能範囲が変化されるようになっている。図12は、特典アイテムに関する操作及び動作を示すシーケンス図である。なお、ここでは、既に関連情報として特典アイテムがユーザー端末側にダウンロードされているものとする。
ここで、特典アイテムとしては、例えば、図9又は図10に示すような、物語の進行に合わせてその勢力マップや人物相関図が変化するコンテンツが考えられ、これらの勢力マップや人物相関図では、スライドバーのスライドを調節することにより、スライドの位置に応じた時間や時代、物語の進展に応じた情報が時系列に則して閲覧できるようになっている。そして、このスライドの移動範囲は、レベルゲージによって規制され、このレベルゲージは、閲覧されたページデータの進捗に従って生成された読了進行データに応じて設定され、閲覧されたページデータに応じた範囲のみでスライドが移動するように規制し、読み終わった物語の範囲でのみ表示可能な情報が制御されるようになっている。
このような特典アイテムの制御は、図12に示すように、ユーザーによる閲覧が開始されると(S401)、そのページデータの表示完了を読了として監視し(S402における「N」)、そのページ毎の読了が進行すると(S402における「Y」)、読了進行データを生成或いは更新し、最新の読了進行データを電子書籍配信サーバー2側に送信する(S403)。この読了進行データの生成のタイミングは、1ページ毎でもよく、所定ページ数毎、章毎、巻毎など、コンテンツの内容や、ユーザー設定等に基づいて適宜調整される。
電子書籍配信サーバー2側に送信され受信された読了進行データは、ユーザー毎のデータとして閲覧履歴データベース233に記録される(S501)。そして、本実施形態では、この記録された読了進行データに対して、サービス提供側が、その読了進行に対する評価を行う。例えば、コミック一冊分や、一章分、或いは1ページ分を読了する毎に、読了進行データが更新され、その更新された読了進行データが、所定の評価条件を満たすことにより(S502における「Y」)、その評価条件に従った価値情報としてポイントが発行されたり、特典アイテムがダウンロード可能になったり、特典アイテムや特典サービスの制限が解除されたりするなどの特典が付与され、付与された特典アイテムや、それに関するポイント・制限情報の変更が記録される(S503、S504)。また、このステップ503における読了進行評価としては、読了進行の度合いに応じたポイント付与の他、未了の同作品や同著作者作品や、同傾向・同ジャンルの作品に関するいわゆる「オススメ情報」などを含めることができる。
なお、ステップS502で評価条件を満たさなかった場合にも(S502における「N」)、その時点での評価情報として電子書籍配信サーバー2側で蓄積され、管理される(S501)。この評価情報は、例えば得点(ポイント)として加算するなどして累積させることができ、次回の評価条件判断で(S502)、過去の評価を加味した評価判断をするようにしてもよい。なお、ステップS502で評価条件を満たさなかった場合にも読了進行評価として、現在の読了進行の度合いに応じたポイント付与の他、未了の同作品や同著作者作品や、同傾向・同ジャンルの作品に関するいわゆる「オススメ情報」などを特典アイテムとして発行させてもよい。
ステップS503で特典アイテムがダウンロード可能になったり、特典アイテムや特典サービスの制限が解除されたりするなどの特典が付与された場合には、その特典に応じたデータがユーザー端末1側で取得され(S404)、取得されたデータによって特典アイテムの利用制限範囲に変更があれば(S405における「Y」)、特典アイテムの制限が変更され、閲覧ができるコンテンツの範囲が拡張される。特典アイテムが、例えば、図9に示したような、勢力マップである場合には、レベルゲージD532の長さが長くなり、スライドバーD533のスライドD534の移動範囲が拡大され、スライドD534がさらに右方向に移動可能となり、物語の進行に従って変遷する勢力マップが閲覧可能となる。また、特典アイテムが、例えば、図10に示したような、人物相関図である場合には、レベルゲージD542の長さが長くなり、スライドバーD543のスライドD544の移動範囲が拡大され、スライドD544がさらに右方向に移動可能となり、物語の進行に従って新たに登場した人物や、関係性の変遷が閲覧可能となる。
なお、ここで説明した特典アイテムは、要素データ(若しくはコンテンツデータ)の関連情報の1つとして扱われるが、本実施形態では、特典アイテム自体を要素データと同様に登録し、この要素データとしての特典アイテムに、さらに関連情報等の追加が可能となっている。例えば、図9に示した勢力マップでは、基本的な関連情報は、サービス提供側が登録しておくのが前提となっているが、ビューワーアプリケーションに付随させたエディター機能などを用いて、読者によって情報を追加し、評価する機能を持たせてもよい。この機能によって、サービス提供側から提供されている勢力マップの内容を読者自身で詳細にし、勢力変遷などの変貌をさらに詳細な時間経過のものとしたり、その勢力マップに説明などのテキストを加えたりすることでさらに詳細な勢力マップを作り上げることができるようになっている。これらの結果、読者自身による情報追加・編集機能を設けることによってサービス提供者側の意図以上の精緻さで各情報の自己増殖が可能となっている。
(コンテンツエディター機能の構成・動作)
次いで、コンテンツエディター機能について説明する。図13〜図15は、本実施形態に係るコンテンツエディター機能の動作を示す説明図であり、図16は、コンテンツエディター機能の動作手順を示すフローチャート図である。
このコンテンツエディター機能は、要素データを有さないページデータのみの電子書籍から、要素データを生成し、本発明のコンテンツビューワーで閲覧可能なコンテンツデータを作成するモジュールである。なお、このコンテンツエディター機能は、サービス提供者側が予めコンテンツを登録したり、情報を追加・編集するために電子書籍配信サーバー2にコンテンツ作製部227として設けることもできるし、ユーザー自身がコンテンツ(コンテンツデータ、要素データ、関連情報)を新規に登録したり、追加・編集したりできるようにユーザー端末にインストールされたビューワーアプリケーションにオプションとして備えられてもよい。電子書籍配信サーバー2にコンテンツ作製部227として設ける場合には、サービス提供側の編集者20等が端末20aなどを用いて、電子書籍配信サーバー2のコンテンツ作製部227にアクセスして、コンテンツデータの作成作業を行えるようにしてもよい。
具体的に、このコンテンツエディター機能は、本実施形態では、アプリケーションに含まれるプログラムとして提供され、このプログラムには、ページデータD1を解析し、各ページデータ上の座標領域D2を検出するページ解析ステップと、ページ解析手段によって検出された各座標領域D2に対応する要素データD3を抽出する要素データ抽出ステップと、要素データ抽出ステップによって抽出された要素データD3を、各要素データが切り出された基礎となったページデータD1及び切り出された座標領域D2と関連付けて、コンテンツデータとして生成するコンテンツデータ生成ステップとが含まれる。
詳述すると、ページ解析ステップでは、図16に示すように、先ず、ユーザーに対して、抽出したいコマを特定する選択点の指定入力を求める(S601)。この入力操作としては、例えば、図13(a)に示すような、ページデータD1が表示されたタッチパネル上においてタッチ操作を要求し、タッチされた座標を選択点P1として特定する。この選択点P1の入力は、1箇所のみでもよく複数点を入力するようにしてもよい。
次いで、図13(b)及び(c)に示すように、この選択点P1を中心として、コマを区切る枠線を検出する枠線走査処理を実行する(S602)。この枠線走査では、選択点P1の上下左右から所定距離離間した一対の走査点P2,P2を上下左右に移動させていき、所定幅の線やコマ間の空白を探索する。この枠線の探索では、水平又は垂直な線の他、傾斜した所定幅の線を検出するようにする。
その後、図14(a)に示すように、検出した枠線上の各走査点P2を各枠線の交差点を求める走査点整合処理を行う(S603)。この走査点整合処理では、一対の走査点P2,P2の座標から枠線を特定するそれぞれ関数又はベクトルを求め、各枠線の交点P3を求め、それら交点P3,P3の座標を算出する。そして、図14(b)に示すように、算出された交点P3,P3で囲まれた座標領域D2をコマ領域として決定する(S604)。
なお、このページ解析ステップでは、他の手法を用いたり、上記手法と他の手法と組み合わせて実行してもよい。例えば、上記ステップS102の枠線走査処理に代えて、若しくは上記枠線走査処理と組み合わせて、図15に示すように、コマ領域の区切る枠線のパターン走査処理を行い、画像中から枠線を検出するようにしてもよい。具体的にこの枠線パターン走査処理では、先ず、図15(a)に示すように、枠線間の空白部分である枠部分を黒く塗りつぶす。この処理では、枠部分は白であることが多いため、ページデータ周辺から連続する白色の画素を検出し、黒色の画素に置換することで行うことができる。次いで、同図(b)に示すように、ページデータ全体について白黒を反転させる処理を行う。これは、コミック中の罫線や効果線などは白いラインよりも黒いラインが多くみられるため、一度、枠部分を黒く塗りつぶし、反転させることで、枠を際立たせることができ、検出精度を高めることができる。
そして、白黒を反転させた画像について、図15(c)に示すように、画像を左上から一定間隔でスキャンし、同図(D)に示すようなパターンに一致するパターンポイントを探索する。抽出されたパターンポイントの座標に基づいて、ステップS603の走査点整合、及びステップS604のコマ領域の決定を行う。なお、ここでのパターンポイントの探索は、画像を左上から一定間隔でスキャンし、ページ全体で一括してパターンポイントを探索するようにしたが、ユーザー操作によって特定された選択点を中心として、この選択点から上下・左右にスキャンしていき、ユーザーが指定した任意の要素データのみを切り出すようにしてもよい。
これらの手法によって要素データの座標領域を決定した後、図14(c)に示すように、ページデータD1上においてコマ領域に含まれる画素を要素データD3として切り出す(S605)。切り出された要素データD3は、コマ領域に含まれる画素が、それぞれ独立した画像ファイルとして保存される。そして、要素データD3の切りだしが終了した後、ユーザーに対して作業を終了するかどうかを問合せ、ユーザーが作業の継続を選択した場合には(ステップS606における「N」)、上述したステップS601〜S605を繰り返し、ユーザーが作業の終了を選択した場合には(ステップS606における「Y」)(S606)、コンテンツデータ生成ステップに移行する。
コンテンツデータ生成ステップでは、切り出された要素データD3を、切り出した基礎となった基のページデータD1と、その切り出された部分である座標領域D2とを関連付けてコンテンツデータを生成するとともに、メモリ15等に保存し(S607)、処理を終了する。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、スマートフォン等の携帯情報端末のタッチパネル12aなどでページデータD1上の座標領域を指定することにより、指定された座標領域に対応付けられた要素データを拡大・縮小、強調表示などをするとともに、関連情報とともに表示することができ、コミック等の電子書籍の閲覧を簡単な操作で自在に行えるとともに、ストーリーの要所となるシーンや台詞などを通じて関連情報をコマ毎に閲覧することができる。
本実施形態では、任意の要素データを選択し、選択された当該要素データに関する関連情報を入力して、口コミ情報やうんちく情報を書き込むことができるため、読者自身がコマ毎の関連情報を提供する側になれるため、自分の感想や知識を記録したり、他の読者に向けて公開したりできる。
また、本実施形態では、ユーザーが提供した関連情報の価値を、サービス提供側やユーザー相互で評価し、その評価結果に応じてポイントを発行したり特典アイテムを提供するため、関連情報を入力するインセンティブを高めることができる。
さらに本実施形態では、読了進行データを用いて、読了進行に応じてコマ関連情報表示データとして閲覧可能となる関連情報を選択するようにしているため、最初から順番に読まないと先が読めないようにするなど、ページデータや要素データの表示順序を規制することができる。また、読了進行データに基づいて、ポイントを発行するため、この場合には、例えば、1巻を読み終わるとポイントや特典サービスなどの価値情報を付与することができ、次巻へ読み進めるインセンティブを高めることができる。
また、本実施形態では、コンテンツエディター機能を設けているため、要素データが作製されていないコンテンツデータであっても、ページデータから要素データを自動若しくは半自動的に抽出することができ、本システムに対応していないコンテンツデータであっても、上述した機能やサービスを利用できるようになる。
以上述べたように、本実施形態によれば、電子書籍をモバイルコンピューター1aで閲覧する際に、コミック等の電子書籍の閲覧を簡単な操作で自在に行えるとともに、ストーリーの要所となるコマや台詞などを通じて関連情報や物語の世界観を共有したり、整理したり可視化できるツールを実現できる。
(変更例1)
なお、上述した実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。以下に、上述した実施形態の変更例について説明する。図17は変更例に掛かるユーザー端末1の内部構成を示すブロック図である。なお、本変更例において、上述した実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
上述した実施形態では、書籍を閲覧するためのソフトウェアと、特典アイテム等の関連情報を閲覧するためのソフトウェアとが一体的となった構成とした。本変更例では、図17に示すように、書籍を閲覧するための機能を書籍ビューワー14aとして、特典アイテムやその他の関連情報を閲覧するための機能をアイテムビューワー14bとして構成する。すなわち、本変更例においてアプリケーション実行部14は、書籍ビューワーソフトウェアプログラム及びアイテムビューワーソフトウェアプログラムが実行されることで、書籍ビューワー14a及びアイテムビューワー14bをアプリケーション実行部14上に仮想的に構築する。
なお、本変更例において、書籍ビューワー14aとアイテムビューワー14bは、別個独立のアプリケーションであり、それぞれのアプリケーションから他方のアプリケーションを呼び出して、データを相互に送受信したり同期することによって、情報を共有できるようになっている。さらに、これら書籍ビューワー14aやアイテムビューワー14bは、他のアプリケーションの一部とすることもでき、例えば映画やテレビ番組のガイドアプリケーションや、イベント情報アプリケーション、旅行ガイド情報アプリケーション、書店などのショップアプリケーション、ゲームアプリケーション、ポイント管理アプリケーション等の一部として、書籍ビューワー14aやアイテムビューワー14bを組み込むことができる。
具体的に本変更例では、例えば、特定のアニメキャラクターに関する情報アプリケーションの一部として、このアニメキャラクターの特典アイテムを閲覧する機能として、上記アイテムビューワー14bを組み込み、アニメキャラクターに関するアイテムや関連情報を閲覧したり、編集したりする機能を提供し、アイテムとしての相関図や勢力マップ、それらの関連情報を他のユーザーと共有できるようなっており、これらアイテムや関連情報に関連付けられたリンクを辿ることによって、各アイテムに関連する書籍の該当箇所に遷移して、書籍を閲覧できるようになっている。この書籍の閲覧の際には書籍ビューワー14aが呼び出されて起動されるようになっている。
以下に各アプリケーションの構成について説明する。
(1)書籍ビューワー
書籍ビューワー14aは、上述した実施形態で説明したコンテンツビューワープログラムのうち書籍を閲覧し読了進行を管理するための機能と、書籍データを加工・編集して関連情報を作成するコンテンツエディターの機能に特化したアプリケーションソフトである。
書籍ビューワー14aは、上記実施形態と同様に、コンテンツ管理部141、ポイント制御部142、表示データ生成部143、読了進行管理部145、関連情報制御部144、及びコンテンツエディター146を備えている。
コンテンツ管理部141は、電子書籍配信サーバー2からダウンロードし、自機内に蓄積されている電子書籍やコンテンツデータ等のコンテンツを管理するモジュールであり、ポイント制御部142は、電子書籍配信サーバー2上のポイントデータベース232と同期して、ユーザーが所有しているポイントを管理するモジュールである。
表示データ生成部143は、表示部13aに表示させるための表示データを生成するモジュールである。表示データは、画像データや、文字データ、動画データ、音声その他のデータを組み合わせて生成されるデータであり、本実施形態に係る表示データ生成部143は、コンテンツデータに係る表示データを生成する際、ページデータ上の座標領域を指定することにより、指定された座標領域に対応付けられた要素データ、及び各要素データに紐付けられた関連情報をコマ関連情報表示データとして生成する機能を有している。
読了進行管理部145は、ページデータのうち閲覧が完了されたページデータ、及び閲覧されたページデータの順序を読了進行データとして生成する読了管理手段であり、この読了進行管理部145が生成した読了進行データは、電子書籍配信サーバー2側へ送信され、電子書籍配信サーバー2のポイント管理部224において、受信された読了進行データに基づいて、ポイントを発行する。
関連情報制御部144は、本実施形態では、読了進行管理部145によって生成された読了進行データに基づいて、コマ関連情報表示データとして閲覧可能となる関連情報を選択するモジュールである。具体的に、本実施形態では、読了進行の進捗によって利用が可能となるアイテムやその態様が変化されるようになっており、関連情報制御部144は、この読了進行に応じて、アイテムを変更したり、態様を変化させる制御を実行する。
表示データ生成部143は、タッチパネル12a上において電子書籍のページを捲る動作により、電子書籍のページを順次閲覧可能に表示するモジュールである。ここで、「ページを捲る動作」とは、例えば、タッチパネルに対するスワイプ操作やマウス等による遷移アイコン選択操作によって、現在表示されているページの前ページ又は次ページに画面を遷移させる動作の他、ページ番号を入力したり、サムネイル表示した複数ページの中からジャンプしたいページを選択したりして画面を遷移させる動作が含まれる。さらに、ページを捲る動作としてのジェスチャーとしては、例えば3Dタッチやダブルタップなど種々の操作形態を採用することができる。
コンテンツエディター146は、本実施形態では、アプリケーションに含まれるプログラムとして提供され、このアプリケーションを実行することにより、CPU上に仮想的に構築される。具体的にコンテンツエディター146は、ページデータD1を解析し、各ページデータ上の座標領域D2を検出するページ解析部146aと、ページ解析部146aによって検出された各座標領域D2に対応する要素データD3を抽出する要素データ抽出部146bとを備え、要素データ抽出部146bによって抽出された要素データD3を、各要素データが切り出された基礎となったページデータD1及び切り出された座標領域D2と関連付けて、コンテンツデータとして生成する。
アプリケーション実行部14では、これらの各モジュールが実行されることで、画面上に電子書籍を選択し、各ページのページデータD1や関連情報を表示させることができる。また、アプリケーション実行部14は、コンテンツエディター146によって生成された関連情報を表示させたり、アップロードしたりすることができる。
(2)アイテムビューワー
一方、アイテムビューワー14bは、上述した実施形態で説明したビューワープログラムのうち特典アイテムを閲覧し、編集する機能に特化したアプリケーションソフトである。アイテムビューワー14bは、アイテム管理部341、ポイント制御部342、表示データ生成部343、関連情報制御部344、及びアイテムエディター346を備えている。
アイテム管理部341は、自機内に蓄積されている特典アイテム等のコンテンツを管理するモジュールであり、ポイント制御部342は、電子書籍配信サーバー2上のポイントデータベース232と同期して、ユーザーが所有しているポイントを管理するモジュールである。なお、ここでのポイントは特典アイテムに関する情報としてユーザー毎に管理される価値情報であり、書籍ビューワー14aのポイント制御部142とデータを共有することにより、ユーザーが所有するポイントに関する情報の同期を取るようになっている。
表示データ生成部343は、特典アイテムを表示部13aに表示させるための表示データを生成するモジュールである。表示データは、画像データや、文字データ、動画データ、音声その他のデータを組み合わせて生成されるデータである。
関連情報制御部344は、本変更例では、各ユーザーの読了進行データに基づいて、特典アイテムとして閲覧可能となる関連情報を選択するモジュールである。具体的に、本変更例では、読了進行データは、電子書籍配信サーバー2で管理されており、電子書籍配信サーバー2に蓄積された読了進行データを参照し、各ユーザーの読了進行の進捗によって利用が可能となるアイテムやその態様が変化されるようになっており、関連情報制御部344は、この読了進行に応じて、アイテムを変更したり、態様を変化させる制御を実行する。
表示データ生成部343は、タッチパネル12a上において特典アイテムを閲覧可能に表示するモジュールである。アプリケーション実行部14では、表示データ生成部343が実行されることで、画面上に特典アイテムやその関連情報を表示させることができる。また、アプリケーション実行部14は、アイテムエディター346によって生成された特典アイテムに関する関連情報を表示させたり、アップロードしたりすることができる。
このように、本変更例によれば、書籍ビューワー14aとアイテムビューワー14bが別個独立のアプリケーションとし、それぞれのアプリケーションから他方のアプリケーションを呼び出して、データを相互に送受信することによって同期できるようになっている。
さらに、これら書籍ビューワー14aやアイテムビューワー14bは、他のアプリケーションの一部とすることもでき、例えば映画やテレビ番組のガイドアプリケーションや、イベント情報アプリケーション等の一部として、書籍ビューワー14aやアイテムビューワー14bを組み込むことができ、他のアプリケーションの一部機能としてアイテムビューワーを配布し、ユーザーに特典アイテムや関連情報を閲覧したり、編集したりする機能を提供し、アイテムとしての相関図や勢力マップ、それらの関連情報を他のユーザーと共有できるようにするとともに、これら特典アイテムや関連情報に関連付けられたリンクを辿ることによって、各アイテムに関連する書籍の該当箇所に遷移して、書籍を閲覧させることができる。
これらの結果、本変更例によれば、例えば、特定のアニメキャラクターに関する情報アプリケーションの一部として、このアニメキャラクターの特典アイテムを閲覧する機能として、上記アイテムビューワー14bを配布し、特典アイテムとしての相関図や勢力マップ、それらの関連情報を他のユーザーと共有させることができる。これらアイテムや関連情報に関連付けられたリンクを辿ることによって、各アイテムに関連する書籍の該当箇所に遷移して、書籍を閲覧させることができ、キャラクターの特典アイテムを通じて、書籍の閲覧や販売に導くことができる。
(変更例2)
上記実施形態及び変更例では、書籍データから切り出された要素データに、関連情報を紐付けして関連情報表示データを生成する手段として表示データ生成部143,343や、アイテムエディター346を例示したが、この関連情報表示データを生成・閲覧する機能として、さらに、図18〜図23に示すような、ノート機能を採用することもできる。図18は、本変更例に係るノート機能の操作手順を示す説明図である。
このノート機能は、例えば、上述した表示データ生成部143に備えられ、書籍や特典アイテムのページデータ上に記載・掲載されたテキストデータや画像データを要素データとして切り出し、切り出された各要素データに係る関連情報を紐付けて関連情報表示データを構成し、この関連情報表示データを、その一形態である「まとめノート」として表示する機能である。
具体的には、表示データ生成部143が、小説やコミック等の書籍であるコンテンツデータを生成する際、ページデータ上の座標領域を指定することにより、指定された座標領域に対応付けられた要素データ、及び各要素データに紐付けられた関連情報をまとめノートとしての関連情報表示データを生成する。
このノート機能の操作としては、図18に示すように、タッチパネル12aには、ユーザーのタッチ操作に基づいて、書籍データであるページデータD10や、特典アイテムである特別解説ブックD55が移動可能や拡大・縮小可能に表示される。そして、このページデータD10では、表紙の画像データを含めてページ間の移動、拡大・縮小表示が可能となっているとともに、ページデータD10上の任意の範囲を選択して、その選択範囲に含まれている文字列や画像を、要素データとして切り出してノートを作成するためのインターフェースが提供されている。なお、図18に示した例では、小説などの書籍データに含まれるページデータD10上に小説の文章であるD10a〜D10cがテキストデータで表示されるとともに、挿絵などの画像データD10dが掲載されている。また、特別解説ブックD55は、例えば、有料で配布される特典アイテムの一つであり、書籍の誌面であるページデータ上に、特別解説としての文章であるD55aがテキストデータで表示されるとともに、挿絵などの画像データD55bが掲載されている。
そして、このノート機能では、小説やコミック、これらの特別解説、その他の特典アイテム等のコンテンツデータから切り出された要素データを分類したり、グルーピングしたりするためのカテゴリー情報や、表示位置・順序等のレイアウト情報の他、作成日時、要素データ同士のリレーション等を関連情報として付与し、その関係性や位置、序列に応じてノートのページD7上に表示する。
具体的には、ページデータD10では、ページデータ上の座標領域に対応するテキスト(文字列)や画像等の要素データが記述又は紐付けがされており、同図(b)に示すように、タッチ操作により、ページデータD1上の座標領域を指定することによって、指定された座標領域に対応付けられた要素データが、閲覧対象として選択され、選択された文書や画像が、要素データ(ここでは、要素データD10a、D10b及びd10d)として強調表示される。この選択された要素データD10a、D10b及びd10dは、まとめノートD7上にコピーして貼り付けて、まとめられるようになっており、表示データ生成部143は、このまとめられた要素データを、関連情報に含まれる表示位置・順序等のレイアウト情報、要素データ同士のリレーションに従って表示させる。なお、まとめノートD7に貼り付けられた要素データは、そのコピー元となった書籍データの引用箇所にリンクが設定されており、まとめノートD7上の要素データをタップすることにより、引用元となった書籍の該当箇所へジャンプしたりできる一方、書籍中の該当箇所をタップすることにより、まとめノートの貼り付け先へジャンプできるようになっている。
なお、まとめノートを新規作成する際には、図18に示すように、引用元となった書籍の表紙画像をサムネイル化した画像D71として貼り付けることができる。また、まとめノートに貼り付けられる要素データは、複数の書籍から集めることができ、この場合には、表紙に貼り付けるサムネイル画像を任意に選択した書籍から引用したり、それら複数の書籍の表紙を組み合わせたものとしたり、ユーザーが独自に作成したものを採用することができる。
このまとめノートD7では、図19に示すように、選択された文章や画像などの要素データD10a、D10b、D10d等が、ノートページ上の任意の位置に貼り付けられるとともに、タッチ操作により任意の位置に移動させたり、順序を入れ替えたりできる。また、このまとめノートD7では、図20及び図21に示すように、ノートページ上に貼り付けられた各要素データをカテゴリー毎に分類できるようになっている。例えば、図20に示すように、任意の要素データ(図示の例ではテキストデータ10a)に対してタップや長押し等の選択操作を行うことにより、各要素データにカテゴリーやジャンルといったタグ付けを行い、これにより図21に示すような、カテゴリー単位のページを生成するようになっている。
また、まとめノートD7では、図22に示すように、ノートD7上に貼り付けた要素データ(例えば、図22(a)に示すD10a、D10b、D10d)を関連付けノートD73にコピーして貼り付けることができる。この関連付けノートD73は、図22(b)に示すように、貼り付けられた要素データ同士の関係性を視覚的に作図できるノートであり、関連情報表示データの一形態である。詳述すると、この関連付けノートD73では、貼り付けられた要素データの関係性を、位置関係やコネクタ線で表すことができ、新たな追加情報としてのテキストや画像などをメモとして入力できるようになっている。
例えば、関連付けノートD73では、ノートの紙面を模したノートD73上に、各まとめノートD7からコピーした要素データを任意の位置に貼り付けることができ、ツールボックスD73a上に配列されたコネクタ線D73dをドラッグしてノートD73内の任意の位置に貼り付けることができる。このコネクタ線D73dは、要素データ間の主従関係や、要素データの序列(時系列や表示順)を表すもので、ドラッグして要素データに近づけることで、自動的に要素データに接続され、タッチ操作などで一端を伸ばしたり、変形させたりもできるようになっている。また、関連付けノートD73には、テキストボックスD73bがポップアップ等により開くことができ、このテキストボックスD73bに文字を入力することで、ノートD73に新たなメモD73eとして貼り付けられるようになっている。これら関連付けノートD73に貼り付けられた要素データやメモは、タップ操作などでアイコン化することができ、簡略表示(例えば、アイコンD73c)と、詳細表示(要素データD10b)とをタップ操作で切り替えられる。このアイコンには、コピー元のまとめノートで付されたカテゴリーや番号が簡略的に表示される。
なお、関連付けノートD73に貼り付けられた要素データは、そのコピー元となった書籍データやまとめノートの引用箇所にリンクが設定されており、関連付けノートD73上の要素データをタップすることにより、引用元となった書籍やまとめノートの該当箇所へジャンプしたりできる一方、書籍中やまとめノートの該当箇所をタップすることにより、関連付けノートD73内の貼り付け先へジャンプできるようになっている。
そして、このように作成されたまとめノートや関連付けノートは、図23に示すような、本棚D8に格納することができる。この本棚D8は、アプリケーションで表示される仮想的な本棚であり、アイコン化されたノートを任意の棚に配置できるようになっている。本棚D8においても、図23(b)に示すように、貼り付けられたノートの関係性を、位置関係やコネクタ線D82a、D82bで表すことができ、新たな追加情報としてのテキストや画像などをメモとして入力できるようになっている。例えば、関連付け本棚D8では、ノートの表紙を模したアイコンD7,D701〜D703を任意の位置に貼り付けることができ、ツールボックスD81上に配列されたコネクタ線D82a、D82bをドラッグして本棚D8内の任意の位置に貼り付けることができる。
また、本棚D8では、自身で作成した各ノートを他のユーザーに向けて公開することにより、ユーザー間で共有できるようになっている。この公開の可否は、ユーザーがノート毎に設定できる。公開されたノートについては、他のユーザーが編集することの可否も設定できるようになっており、共有した他のユーザーが新たな情報を追加できるようになっている。なお、作成された各ノートは、上述した書籍や特典アイテムなどのように新たなコンテンツとして配布や販売等を行ってもよい。
なお、本変更例では、引用元となる書籍を小説などテキストが主となるコンテンツを例に説明したが、上述したコミックの一コマや、特典アイテム、他のノート内の各データなどを要素データとしてまとめノートや関連付けノートに貼り付けることもできる。また、引用元となる書籍は、単数のみならず複数とすることができ、複数の書籍から集めた要素データを1つのノートにまとめることもできる。
このような本変更例によれば、書籍中のテキストや画像を要素データとして引用し、自由にノートにまとめたり、それらの関係性をユーザー独自の新たなコンテンツとして作成し、共有できることから、引用元となった書籍中のコマや台詞などを通じて関連情報や物語の世界観を共有したり、整理したり可視化でき、新たな書籍の楽しみ方を提供できる。