JP6655627B2 - 携帯端末装置 - Google Patents

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Description

本発明は、非接触型のICカードを併用する携帯端末装置に関するものである。
スマートデバイスの中でもスマートフォンは携帯電話としてのみならず、多機能性を武器に年代を問わず広く用いられている。特に、スマートフォンは小型で携帯性に優れていることと、電話やメール、コンテンツの閲覧、デジタルカメラによる情報の記録機能等に加え、おサイフケータイ(登録商標)のような支払いの決済にも使用することができる。従って、スマートフォン1台であらゆる機能を実行し得るわけであるが、一方、モバイルSuica(登録商標)のような非接触型ICカードも依然として利用され続けており、改札等で見かける割合は、むしろ非接触型ICカードの方が圧倒的に多い印象である。
スマートフォンに全面的に依存するのではなく、ICカードの利用者も多いという現実には様々な理由が考えられる。例えば、ICカードは交通機関の窓口で簡単に購入することができるが、それに対してスマートフォンにICカードと同等の機能を付与するには特定のサービス契約をする必要があり、また、例えば機種変更の際の残高移動に時間がかかり、手続き完了までスマートフォンを使えないなど、手続が簡単ではないことも一因であろう。ICカードが有効である状況では、利用者はICカードをスマートフォンと同時に携帯する傾向が生じ、スマートフォンとICカードをケースなどに入れて、重ねた状態のまま持ち歩くことも少なくないと想定される。
しかし、ICカードをスマートフォンと重ねた状態で自動改札機にかざした場合、正確に読み取られない可能性が生じる。すなわち、ICカードを自動改札機にかざすことは、リーダー・ライターから発せられる磁界を通過させることであり、その際ICカードの内蔵コイルに起電力が発生してICが起動し、料金の決済等所定の動作が行なわれ自動改札機を通過できるわけである。一方、スマートフォンには電源電池が内蔵されており、それがICカードに影響することも知られている。
このように、非接触型のICカードと携帯端末装置とを同時に使用するケースが想定される場合には、誤読を防止することが必要である。そこで先行技術を調査したところ、特開2009−9340号の発明を見出した。その発明は、複数枚の非接触IC記録媒体をカードケース内に収納した場合でも外部装置間での誤認識を防止できるカードケースに関するもので、外部からのデータの送受を遮断する機能を備えた電磁波プロテクタ部材を、複数枚の非接触IC記録媒体間に設けるというものである。しかし、電磁波の遮断にプロテクタ部材を用いることは公知の技術である。
次に、特開2010−3221号は非接触ICカードリードライト装置に関する発明であり、非接触IC記録カードを読み取る端末が誤操作等により誤動作して電磁波を出力してしまうことを確実に防止することを目的としている。その装置は電波を遮断する機能を有した端末収納部とその出し入れ口を開閉する蓋とから構成されたシールドボックスを備えて構成されている。しかしながら、上記の発明に見られるのは電磁波の遮断に特定の部材を用いるという点に止まっている。これらの技術は、非接触型のICカードを併用する携帯端末装置を示唆するものではない。
特開2009−9340号 特開2010−3221号
本発明は前記の点に鑑みなされたもので、その課題は、非接触型のICカードを端末本体と合わせて携帯し、かつ、全く不安なく使用することができる携帯端末装置を提供することである。また、本発明の他の課題は、ICカードの収納と取り出しを容易、かつ、確実に行なえる携帯端末装置を提供することである。
前記の課題を解決するため、本発明は、非接触型のICカードを併用する携帯端末装置について、携帯端末は通信及び情報の授受に必要な機器を内蔵した端末本体と、上記携帯端末の電源として端末本体に内蔵した電池と、上記ICカードを携帯端末に収納するために、端末本体の一部に形成したカード収納部とを備えており、上記電池とICカードとの間に電磁シールドを構成する層を設けるという手段を講じたものである。ICカードを携帯端末に収納するには様々な形態が考えられるが、基本的には、現在知られているあらゆる収納形態を本発明の装置に適用することが可能である。「層」という場合、シート、フィルムのような独立して扱える部材と共に、塗膜状ないしは蒸着膜のようなものも含むものである。
カード収納部は、ICカードを端末本体に重ねるようにして収納するために、少なくともICカードの大きさよりも大きく、かつ、ICカードの厚さと同等以上の深さを有する凹部として端末本体の一面に形成され、さらに凹部を区画する四辺の内、ICカードを出し入れする辺部分には斜面が形成されていることが望ましい。斜面でICカードを滑らせて取り出すことができる効果が得られ、これによりストレスのないカード取り出しが可能になる。
端末本体が扁平な箱型の形状を有し、カード収納部は上記端末本体の一面の外部に凹部として形成されており、上記凹部の底面に当たる箇所に補強シート、電磁シールド及びNFCアンテナの層を重ねて設け、上記NFC(近距離無線通信:Near Field Communication)アンテナの外側にICカードが配置されるという構成も、本発明の装置にとって、好ましい形態である。補強シートはプラスチックより成る端末本体の強度を高めるもので、高剛性の部材、例えば金属シートが用いられ、端末本体の凹部底面にインサート成型等によって、一体に成形されることが望ましい。このシートによって、端末本体の厚みがより低減される。それ以外の電磁シールド及びNFCアンテナの層については、端末本体の内部又は外部のどちらに設けても良い。
また、本発明は非接触型ICカードを併用する携帯端末装置として、携帯端末は通信及び情報の授受に使用可能な機器を内蔵した端末本体と、上記携帯端末の電源として端末本体に内蔵した電池と、ICカードを携帯端末に収納するために、端末本体の一部に形成したカード収納部とを備え、上記電池とICカードとの間に電磁シールドを構成する層を設けた携帯端末装置を構成するとともに、さらに、少なくとも端末本体の背面を覆うカバーを有し、上記カバーは、カード収納部へICカードを収納する出し入れ手段を備えているという構成を取ることができる。
上記の携帯端末装置は、通信及び情報の授受に必要な機器を内蔵した端末本体とカバーとを組み合わせて構成される。カバーの形態は自由に選択することができるが、複数個に分離される部材を端末本体に取り付けて覆うカバーと、一体に組み立てられた部材を端末本体に取り付けて覆うカバーに大別できるであろう。なお、どちらのカバーでも、カード収納部へICカードを収納する出し入れ手段を備えていることが必要である。
上記カバーは、端末本体の背面を二部材で覆う構成を有しており、その内の一部材がカード収納部を覆う大きさと形状を有する収納部カバーを構成し、上記収納部カバーが端末本体に対して着脱可能に設けられ、出し入れする手段を構成しているものは望ましい形態である。この形態は複数個に分離される部材から成るカバーに該当する。
また、カバーが端末本体の全面を覆う折り畳み型の構成を有しており、折り畳み型のカバーは端末本体の一側部に固定する固定部と、上記固定部から延びて端末本体の背面を覆う背面部と、上記背面部から延びて端末本体の他側部を回り込む折り返し部及び折り返し部から延びて端末本体正面のディスプレイを覆い上記固定部に達する正面部とから構成されているものも望ましい形態である。この形態は一体に組み立てられた部材から成るカバーに該当する。
上記カバーが、端末本体の背面を覆う背面部に、端末本体のカード収納部に通じるICカードの出し入れ手段となるスリットを有しており、また、正面のディスプレイが傾斜態勢を取るために、端末本体の一側部を上に、かつ、他側部を下に配置したときに上記他側部を支える支持部を正面部の裏面に設けているというものも望ましい形態である。この形態はディスプレイを傾斜態勢にして見易くするために有効なカバーの例である。
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであり、非接触型のICカードを端末本体と合わせて携帯し、かつ、リーダー・ライターから発せられる磁界に拘らず全く不安なく使用することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、ICカードの収納と取り出しを容易、かつ、確実に行なえる携帯端末装置を提供することができる。
本発明に係る携帯端末装置の一例を分解して示す全体の斜視図である。 同上における端末本体の外観の一例を示す斜視図である。 同上における端末本体に複数個に分離される部材から成るカバーを取り付けたもので、Aはそのカバーを取り付けた状態を示す正面側の斜視図、Bはカバーを取り外した状態を示す背面側の斜視図である。 カード収納部にICカードを出し入れする状態を示す斜視図である。 同上における端末本体に一体に組み立てられた部材から成るカバーを取り付けた状態を示す斜視図である。 同じく端末本体と一体に組み立てられた部材から成るカバーを取り外した状態を示す斜視図である。 同じくカバーの使用例に関するもので、Aはカード収納部にICカードを出し入れする状態を示す斜視図、Bはディスプレイが傾斜態勢を取るカバーの状態を示す斜視図である。
以下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。本発明に係る携帯端末装置の全体的構成を示した図1において、11は正面ハウジング、12は背面ハウジングを示しており、上記正面ハウジング11と背面ハウジング12を組み合わせたものが端末本体13を構成する。端末本体13の内部機構について詳細な説明は省略するが、スマートフォンとして必要な通信及び情報の授受に使用可能な素子ないし機器及び電源電池14を内蔵している。
携帯端末は、図2に示すように、後述の操作部分を端末本体13の背面及び側面に有している。図2中、15はカード収納部の凹部であり、カード収納部15として必要な形態を備えている。つまり、ICカード20を端末本体13に重ねるようにして収納するために、少なくともICカード20の大きさよりもやや大きく、かつ、ICカード20の厚さと同等以上の深さを有する。
操作部分等について簡単に触れておくと、16はオンオフスイッチ、17はボリューム調節部、18はスピーカー、19はUSBソケット、21はマイクロフォン、22はイヤフォンジャック、23がカメラレンズ、24はフラッシュ、25はディスプレイを構成する液晶ユニット、26はSIMカードの収納部、27はマイクロSDカードの収納部、をそれぞれ示している。なお、オンオフスイッチ16、ボリューム調節部17は、端末本体13からやや突出しており、後述するカバー30、40の対応位置に設けた操作部48を外部から操作する構成であり、この操作部48はやや突出している。
図示の実施形態における端末本体13は端面形状よりも背面側にて外方へ突き出したフランジ部28、29を上端と下端に有している。これらのフランジ部28、29は、端末本体13に組み合わせる、後述のカバー30、40の厚みとほぼ同寸に設定されている。図1のカード収納部15である凹部にはステンレスシートから成る補強部材31が一体に設けられており、これは背面ハウジング12をプラスチックの型成形によって製造する際に、インサート成形技術を用いて一体に形成されている。実施形態では位置決めの孔から分かるように背面ハウジング12の外面に補強部材31を配置しているが、内面に配置することも可能である。
カード収納部15である凹部は、前記のようにICカード20が収められる長方形の平面形状を有し、さらに、ICカード20の取り出しを容易にするために、出し入れする辺部分には斜面32、33が形成されている。実施形態では、カード収納部15である凹部に向かって右側と下側の辺部分を斜面で構成している。斜面の立ち上がり角は任意に決めることができ、具体的には15〜40度の範囲が適切であるが、実施例では26度ほどに設定し良好な結果を得ている。
上記カード収納部15である凹部には、電磁シールドのフィルム34及びNFC(近距離無線通信)アンテナ35を構成する層として、フィルムが同順に重ねて配置されている。「フィルム」という場合、百分の一インチを基準にそれよりも薄いものを指し、それよりも厚いものはシートというのが一般的であるが、本発明でもこの基準に従って良い。上記フィルムは合計して、例えば0.2mm程度に設定される。ICカード20の厚さは0.7mm〜1.3mm程度なので、凹部15の深さは約0.9mm〜1.5mmの範囲が適切となる。しかし、これらの数値は具体的な寸法を限定するものではない。
先に電磁シールド及びNFCアンテナのフィルム34、35については、端末本体の内部又は外部のどちらに設けても良い旨を記載したが、ハウジングの厚み(内部にアンテナを設ける場合プラスチック製品となるので、0.5mm〜1.5mm程度)はRFIDシステムの送受信では問題の無いことが分かっている。NFCアンテナ35は各社から市場に供給されており、上記の条件に適合するものを選択することができる。なお、フィルムという文言は成形フィルムに限らない概念であり、例えば金属インク等による塗膜も当て嵌まる。
このように構成されている本発明の携帯端末装置は、さらにカバー30と組み合わせて構成することができる。図3は複数個に分離される部材36、37から成るカバー30の例である。上部部材36は端末本体背面の上半分を覆うもので、上端は端末本体13の端面形状よりも外方へ突き出したフランジ部28に当たり、また下部部材37は端末本体背面の下半分を覆うもので、下端は端末本体13の端面形状よりも外方へ突き出したフランジ部29に当たり、かつ、両部材36、37は他端で付き合わされる。
上部、下部両部材36、37は、断面が円形に整形されている端末本体13の左右側面を抱くように回り込む、ほぼ円弧状の係合部36l、36r、37l、37rをそれぞれの両側に有している(図3A、B参照)。従って、上部、下部両部材36、37は端末本体13に対して着脱可能に固定されるようになっている。このため、上部部材36をそのままにして下部部材37だけを外すだけで、下辺の斜面33からICカード20を出し入れすることができる(図4)。図3A、Bから明らかなように、上部、下部両部材36、37は端末本体13の背面だけを覆い、正面のディスプレイ45は露出している。
また、カバーとして、端末本体13の全面を覆う折り畳み型の構成を取ることもできるので、その例を図5以下に示す。実施形態の折り畳み型のカバー40は端末本体13の一側部13rに、前記と同様に係合して固定する固定部38と、上記固定部38から延びて端末本体13の背面を覆う背面部39と、上記背面部39から延びて端末本体13の他側部13lを回り込む折り返し部41及び折り返し部41から延びて端末本体正面のディスプレイ45を覆い上記固定部38に達する正面部42及び正面部から伸びて固定部38を回り込む延出部43によって構成されている。固定部38は係合部38l、38rを左右両側に有している。図5、図6等から明らかなように、カバー40は端末本体13の正面から背面全体を覆うので、正面のディスプレイ45は露出しない。
カード収納部15へのICカード20の出し入れにはカバー40を取り外して行なう。しかしながら、上記背面部39に、端末本体13のカード収納部15に通じるICカード20の出し入れ手段となるスリット44を形成しても良い(図7A参照)。スリット44はICカード20を出し入れできる高さを有しており、幅はICカード20の幅より狭くても良く出し入れに支障は生じない。また、正面のディスプレイ45が傾斜態勢を取るために、端末本体13の一側部を上に、かつ、他側部を下に配置したときに上記他側部を正面部42の裏面46にて支える(図7B参照)。
上記のカバー30、40には、操作部分と互いに嵌まり合う開口部が形成されており、それぞれの操作を可能にしている。よって、上記のカバー30、40は端末本体13と一体に組み合わされた携帯端末装置を構成する。なお、符号46はストラップ取り付け部、47は受話部をそれぞれ示す。
11 正面ハウジング
12 背面ハウジング
13 端末本体
14 電源電池
15 カード収納部(凹部)
20 ICカード
25 液晶ユニット
26 SIMカード収納部
27 SDカード収納部
28、29 フランジ部
30、40 カバー
31 補強部材
32、33 斜面
34 電磁シールドフィルム
35 NFCアンテナ
36 上部部材
37 下部部材
38、43 固定部
39 背面部
41 折り返し部
42 正面部
44 スリット
45 ディスプレイ

Claims (3)

  1. 非接触型のICカードを併用する携帯端末装置であって、
    携帯端末は通信及び情報の授受に必要な機器を内蔵した端末本体と、上記携帯端末の電源として端末本体に内蔵した電池と、上記ICカードを携帯端末に収納するために、端末本体の一部に形成したカード収納部とを備えており、
    上記電池とICカードとの間に電磁シールドを構成する層を設け
    前記端末本体は扁平な箱型の形状を有し、前記カード収納部は上記端末本体の一面の外部に凹部として形成されており、上記凹部の底面に当たる箇所に補強シート、前記電磁シールド及びNFCアンテナの層を重ねて設け、上記NFCアンテナの外側にICカードが配置されることを特徴とする携帯端末装置。
  2. カード収納部は、ICカードを端末本体に重ねるようにして収納するために、少なくともICカードの大きさよりも大きく、かつ、ICカードの厚さと同等以上の深さを有する凹部として端末本体の一面に形成され、さらに凹部を区画する四辺の内、ICカードを出し入れする辺部分には斜面が形成されている請求項1記載の携帯端末装置。
  3. 非接触型ICカードを併用する携帯端末装置であって、
    携帯端末は通信及び情報の授受に使用可能な機器を内蔵した端末本体と、上記携帯端末の電源として端末本体に内蔵した電池と、ICカードを携帯端末に収納するために、端末本体の一部に形成したカード収納部とを備え、
    上記電池とICカードとの間に電磁シールドを構成する層を設けた携帯端末装置を構成するとともに、さらに、少なくとも端末本体の背面を覆うカバーを有しており、
    上記カバーは、カード収納部へICカードを収納する出し入れ手段を備え、
    カバーは、端末本体の全面を覆う折り畳み型の構成を有しており、
    折り畳み型のカバーは端末本体の一側部に固定する固定部と、上記固定部から延びて端末本体の背面を覆う背面部と、上記背面部から延びて端末本体の他側部を回り込む折り返し部及び折り返し部から延びて端末本体正面のディスプレイを覆い上記固定部に達する正面部とから構成され
    前記背面部に、端末本体のカード収納部に通じるICカードの出し入れ手段となるスリットを有しており、
    また、正面のディスプレイが傾斜態勢を取るために、端末本体の一側部を上に、かつ、他側部を下に配置したときに上記他側部を支える支持部を正面部の裏面に設けていることを特徴とする携帯端末装置。
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