JP6655483B2 - 天板昇降方式の什器装置 - Google Patents
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Description
こうした天板昇降式のデスク装置を用いることによって、執務者の好みに応じた天板高さの作業エリアを提供することができ、作業効率を向上させると共に執務者の体への負荷や負担を軽減することができる。
しかしながら、これら手動の昇降手段は、力の弱い執務者では操作部を操作し難いことがあった。また、執務者の好みに合わない天板高さで執務していると、作業姿勢が悪くなるという問題を有していた。
電動式駆動ユニットを備えた天板昇降式デスク装置においては、執務空間内に設けられた商用電源からデスク本体に設けられた駆動ユニットに電力を供給する必要があるため、電源ケーブルをデスク本体内に引き込む必要があった。電動式駆動ユニットの駆動ユニットは天板内や天板の裏面等に設置されていることが多く、これらの場合、天板近傍に設けた駆動ユニットの電源ケーブルを床面まで吊り下げて商用電源に接続している。
さらに、電動式駆動ユニットは内部に駆動機構が内蔵されているため、電動式駆動ユニット近傍の電源ケーブルに配線ダクトを取付ける場合に加工を施すのが困難であるという問題を有していた。
本発明による天板昇降方式の什器装置によれば、天板側から垂下して脚体の下部支持体に延びる配線を取り付け部に連結した配線収容部に収容することで、脚体に加工を施すことなく下部支持体に沿って床面側に配線をガイドして延ばすことができる。そのため、天板が昇降する際には、天板の昇降に応じて配線を湾曲変位させ、床面側では下部支持体に連結した配線収容部に沿って保持できるため、配線が執務者や脚体近傍の物品等に接触したり絡まったりすることを防止できる。
しかも、下部支持体に取り付けた取り付け部の係止部に配線収容部の係合部を係合させることで、配線収容部を脚体の下部支持体に固定させて、配線を下部支持体に沿って配線収容部によって案内できる。
配線案内部の下端部を取り付け部または配線収容部に取り付けることで、配線案内部内でガイドされた配線は確実に取り付け部に連結された配線収容部内で下方まで案内されており、床面上に位置する執務者や脚体近傍の物品等に配線が接触したり絡まったりすることを防止できる。
スリットに係止爪部を係合させることで、下部支持体のほぼ全周を囲う取り付け部に配線収容部を保持できる。
取り付け部と配線収容部の少なくとも一方を着色し、異なるフロアやスペースによって着色を変えることで、執務空間における執務内容や執務の種類等の識別を容易に行える。
図1から図5は本発明の第一実施形態による天板昇降式のデスク装置1であり、例えば病院やオフィスや公共施設の執務室や会議室等で用いられる。このデスク装置1は、床面F上に載置される例えば一対の脚体2と、脚体2の上部に取り付けられた例えば長円形板状の天板3とを概略で備えている。天板3は上面が例えば作業面であり、その中央には内部に設置した電源ソケットを隠す配線カバー4や埋め込みスイッチ5等が設置されている。
これら下部支持体9A,中間支持体9B,上部支持体9Cは例えば四角形筒状に形成されているが、円筒状等でもよく、水平断面形状は任意の筒状でよい。下部支持体9Aに対して中間支持体9Bと上部支持体9Cがそれぞれ上下方向に出没することで脚部材8の上下方向長さを調整することができる。
本実施形態によるデスク装置1は、脚部材8の昇降動作を制御する公知の図示しない制御ユニットと中間支持体9B及び上部支持体9Cを上下動させる駆動モータ(図示せず)とを備えている。更に制御ユニットに昇降動作信号を入力するための操作部11が例えば天板3の側部に設置されている。制御ユニットは天板3の下面側に設けた収納ブロック12内に設置されている。
ケーブル保護チェーン14は上端部を天板3の収納ブロック12の下面に支持されて垂下し、下端部を後述する配線ダクト16の上端部に固定している。しかもケーブル保護チェーン14は天板3の昇降範囲の最も高い位置から配線ダクト16までの長さ以上の余裕のある長さを有しており、例えばJ字状に湾曲して垂下されている。天板3が降下すると自重でケーブル保護チェーン14が下方に大きく湾曲変位可能であり、上昇することで湾曲部が小さくなるよう変位する。
また、取り付け枠18の上下方向の中間部には一対の係止部19を切除した切除部18bが形成され、切除部18bの下側の係止部19の上部にも同様にその付け根にスリット19aが形成されている。
ケーブル保護チェーン14内を通ってガイドされた電源ケーブル13が配線ダクト16の内部にも挿入されており、配線ダクト16の下端部から床面F上に載置されて壁面等の商用電源に電気的に接続可能とされている。
そのため、配線ダクト16の2組の係止爪部21を取り付け枠18の2組の係止部19のスリット19aの上端から挿入することで、図4及び図5に示すように取り付け枠18に配線ダクト16を係合可能としている。係合状態で取り付け枠18と配線ダクト16はほぼ同一長さで同一の上下方向高さ位置に設置されている。
また、オフィス等においても、各フロアや仕切られたスペース内で経理部や総務部、営業部等の執務内容の識別が容易になる。
なお、取り付け枠18は予め、下部支持体9Aの下部から、または脚部材8を収縮させた状態で下部支持体9Aの上部から挿入することで、下部支持体9Aに装着するとよい。
図2において、天板3の下面の収納ブロック12の開口部12aから外部に排出された電源ケーブル13をケーブル保護チェーン14の開口14b内に押し込んでケーブル保護チェーン14の全長に亘って収納する。そして、ケーブル保護チェーン14の下端部のチェーンコマ14aをリングピンPで配線ダクト16の上端部に連結して支持させる。
この状態で、図3において、配線ダクト16の開口16aを脚部材8の下部支持体9Aを覆って取り付けた取り付け枠18の開口18aに対向させ、配線ダクト16の係合部としての係止爪部21を取り付け枠18の係止部19のスリット19aに上方から挿入する。これによって、図4及び図5に示すように、配線ダクト16を取り付け枠18に係合することができる。
デスク装置1の脚体2に対して電源ケーブル13を取り付けるための溶接やねじ加工等が困難であっても脚部材8の下部支持体9Aに配線ダクト16を容易に連結することができる。
デスク装置1において、脚部材8を伸長させて天板3を最も高い位置に保持した状態で、下部支持体9Aに対して中間支持体9B,上部支持体9Cが最も伸長して上昇した位置にある。この状態で、電源ケーブル13を収納したケーブル保護チェーン14は例えば図2に示すようにJ字に湾曲して、取り付け枠18に係合した配線ダクト16の上端に連結した状態にある。
すると、ケーブル保護チェーン14に収容された電源ケーブル13も同様に湾曲する。
天板3の昇降による電源ケーブル13の上下方向の変位をケーブル保護チェーン14の上下方向の湾曲撓みの変化によって保護することができる。そのため、天板3の昇降によって、電源ケーブル13やケーブル保護チェーン14が互いに絡み合ったり、脚体2や執務者の身体等やデスク装置1の近傍に置いた物品等と干渉したりすることを防止できる。
また、下部支持体9Aに加工を施すことなく、配線ダクト16取り付け用の取り付け枠18を装着することができるので、加工工数と加工コストを削減できる。
また、電源ケーブル13を天板3から床面Fに案内するケーブル保護チェーン14と配線ダクト16にそれぞれ開口14b、16aを形成して、電源ケーブル13の挿脱を容易にしたので、電源ケーブル13の収容時の作業性が良好である。
また、脚部材8の下部支持体9Aを覆う取り付け枠18に任意の異なる色を付与することで、執務内容や執務フロアやスペースに応じた種類分けが可能であり、多くの執務者や第三者が取り付け枠18の色の違いによって容易に目視確認できる。
本第二実施形態による天板昇降式のデスク装置1Aでは、図6乃至図9に示すように、脚体2における脚部材8の下部支持体9Aの3面と他の1面(他の脚体2と対向する面であることが好ましい)である受け面9Aaの両側部を覆った例えば断面略C字状の取り付け枠24が取り付けられている。取り付け枠24において、受け面9Aaの中央に対向して開口24aが形成されてなる両端面24bの端縁は受け面9Aaに向けて折り曲げられている。
しかも、図9に示すように、取り付け枠24の両端面24bにおける第二挿入溝24dの内側にはボルト26を挿通させてナット27に締め込んで当接部材25を下部支持体9Aの受け面9Aaに押圧している。
なお、当接部材25は取り付け枠24の上下方向の上側と下側にそれぞれ取り付けることで開口24aを一定の幅に規定することが好ましい。
図7には、取り付け枠24の両端面24bに固定した固定部材28にケーブル保護チェーン14の下端部のチェーンコマ14aを取り付けた状態が示されている。
カバー部材30の係止爪部30bは取り付け枠24の両端面24bに形成した第一挿入溝24cに挿入することで、取り付け枠24にカバー部材30を係止することができる。
カバー部材30は取り付け枠24の上端から下端まで延びていて、略同一幅で同一長さに設定されている。しかも、カバー部材30の上端部の外面30aには、ケーブル保護チェーン14の下端部を固定部材28に連結するための略U字状の切欠30cが形成されている。
図6において、下部支持体9Aを囲うように取り付け枠24を下部支持体9Aの上方または下方から嵌め込んで取り付ける。そして、取り付け枠24の上下方向の上側と下側に当接部材25をそれぞれ取り付けて、各当接部材25の両側部25aを両端面24bの第二挿入溝24dに嵌合させ、両端面24bの挿通孔を貫通してボルト26をナット27に捩じ込むと共に、ボルト26の先端を当接部材25に押圧することで当接部材25を下部支持体9Aの受け面9Aaに押圧する。これによって、取り付け枠24の開口24aを一定の幅に保持することができる。
最後に、固定部材28の外側にカバー部材30を取り付け、切欠30cをケーブル保護チェーン14の下側に嵌め込んで係止爪部30bを、取り付け枠24の両端面24bの上下の第一挿入溝24cにそれぞれ嵌め込んで支持させる。
本第二実施形態によるデスク装置1Aにおいても、第一実施形態と同様な作用効果を奏することができる。
また、上述した各実施形態において、下部支持体9Aに取り付けた取り付け枠18,24に連結させて電源ケーブル13の床面F側への垂下位置をガイドする配線ダクト16や固定部材28及びカバー部材30は、配線収容部を構成する。更に、取り付け枠18,24は取り付け部を構成する。
また、上述した各実施形態では電源ケーブル13を天板3から床面Fに垂下させているが、本発明では電源ケーブル13に限らず通信ケーブル等でもよく、これらは配線を構成する。
また、第一及び第二実施形態における取り付け枠18,24と配線ダクト16、カバー部材30との係合構造において、係止部19及びスリット19aと係止爪部21、第二実施形態における第一挿入溝24cと係止爪部30bはいずれに設けてもよい。
上述した各実施形態では、天板昇降式のデスク装置1,1Aにおける電源ケーブル13の配線構造について説明したが、本発明はデスク装置1,1Aに限定されるものではない。例えば昇降式の天板3としてデスク装置1に代えてテーブル装置やカウンター装置等に用いてもよく、これらは天板昇降式の什器装置に含まれる。
2 脚体
3 天板
8 脚部材
9A 下部支持体
13 電源ケーブル
14 ケーブル保護チェーン
16 配線ダクト
18、24 取り付け枠
19 係止部
19a スリット
21,30b 係止爪部
24c 第一挿入溝
24d 第二挿入溝
25 当接部材
28 固定部材
30 カバー部材
Claims (4)
- 天板と、
前記天板を支持する上部支持体を昇降可能に支持する下部支持体を備えている伸縮可能な脚体と、
前記脚体の下部支持体に取り付けた取り付け部と、
前記取り付け部に取り付けられていて前記天板側から延びる配線を収容する配線収容部と、を備え、
前記取り付け部は角筒状の前記下部支持体の三面を覆うと共に残りの一面に係止部が設けられ、前記係止部に前記配線収容部に設けた係合部が係合されていることを特徴とする天板昇降方式の什器装置。 - 前記天板から前記配線収容部に延びる配線を内部に収容していて前記天板の昇降に応じて湾曲変位可能な配線案内部を備えており、
前記取り付け部または前記配線収容部に前記配線案内部を取り付けた請求項1に記載された天板昇降方式の什器装置。 - 前記取り付け部は下部支持体のほぼ全周を囲っており、
前記取り付け部に設けた係止部と前記配線収容部に設けた係合部の一方はスリットであり、他方はスリットに係合可能な係止爪部である請求項1または2に記載された天板昇降方式の什器装置。 - 前記取り付け部と配線収容部の少なくとも一方は識別のために着色されている請求項1から3のいずれか1項に記載された天板昇降方式の什器装置。
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